説明

ゲームシステム、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】通信に遅延が生じても他のプレイヤーが操作するキャラクタの動作を適切に表示するのに好適なゲームシステムを提供する。
【解決手段】プレイヤーからの操作入力を受け付ける受付部401、自キャラクタが実行する自動作を選択する自選択部402、自動作を他のゲーム装置に送信する送信部403、他キャラクタについて選択された他動作を他のゲーム装置から受信する受信部404、他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の他候補を選択する他選択部405、自キャラクタが自動作を実行する動画像を表示し、他動作が受信されると他キャラクタが他動作を実行する動画像を表示し、他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと他キャラクタが複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する表示部406を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各プレイヤーの操作入力によりキャラクタが動作するゲーム装置が相互に通信し、各キャラクタが動作する様子を各ゲーム装置が表示するゲームシステムにおいて、通信に遅延が生じても他のプレイヤーが操作するキャラクタの動作を適切に表示するのに好適なゲームシステム、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネット等のコンピュータ通信網を介して接続された複数のゲーム装置間でゲームの進行を共有することが可能なゲームシステムが知られている。例えば、各プレイヤーが自動車を運転したり、競走馬などのキャラクタを操作したりしてレースを楽しむ通信対戦レースゲームや、各プレイヤーがキャラクタの動作を選択して対戦する通信対戦格闘ゲーム、キャラクタ同士が拳銃を撃ち合う通信対戦射撃ゲームなどが提供されている。このようなゲームシステムにおいては、ゲームの進行を共有するために必要な制御情報を複数のゲーム装置間で通信する必要がある。このようなゲームの技術については、例えば、以下の文献に開示されている。
【0003】
すなわち、特許文献1に開示されたゲーム装置は、プレイヤーがガンユニットを操作して他のキャラクタに向けて弾を発射すると弾道情報を生成し、特定のエコーサーバに送信する。エコーサーバから弾道情報を受信すると、ゲーム装置は自己のキャラクタの位置情報と受信した弾道情報とに基づいて命中か否かの判定結果を示す情報を生成する。また、ゲーム装置は他のキャラクタに向けて弾を発射するようにガンユニットが操作されると、操作信号を検知してから他のゲーム装置から判定結果を示す情報を取得するまでの期間において、他のキャラクタに弾が命中したか否かが不確定となる画像を表示させる。具体的には、特許文献1の段落0094に示されているように、キャラクタの位置情報が示す位置と当該キャラクタの不確定位置情報が示す位置との間で当該キャラクタが揺れるように、当該キャラクタの配置を制御する。
【0004】
【特許文献1】特開2007−006953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、動作確定前のキャラクタの揺れる動作と動作確定後のキャラクタの動作とが適合しないような場合、動作確定前にキャラクタが揺れるように表示すると、ユーザに違和感を与えてしまう可能性がある。そこで、通信の遅延が生じたり、遅延した情報が後になって到着したりする場合であっても、キャラクタの動作をできるだけ自然に見せたいという要望が強い。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、各プレイヤーの操作入力によりキャラクタが動作するゲーム装置がコンピュータ通信網を介して通信し、各キャラクタが動作する様子を各ゲーム装置が表示するゲームシステムにおいて、通信に遅延が生じても他のプレイヤーが操作するキャラクタの動作を適切に表示するのに好適なゲームシステム、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るゲームシステムは、相互に通信可能な複数のゲーム装置を備えるゲームシステムであって、当該複数のゲーム装置のそれぞれは、受付部、自選択部、送信部、受信部、他選択部、表示部を備え、以下のように構成する。
【0008】
まず、受付部は、当該ゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)からの操作入力を受け付ける。
すなわち、受付部は、後述する自キャラクタに所望の動作をさせるためのコマンド等の操作入力を自プレイヤーから受け付ける。
【0009】
そして、自選択部は、当該自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補から、当該受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択する。
【0010】
例えば、通信対戦格闘ゲームにおいて、自キャラクタが実行しうる動作の候補としては、(a)パンチ動作、(b)キック動作、(c)必殺技動作、(d)無動作、(e)回避動作、(f)防御動作、(g)カウンター動作、などが考えられる。この場合、自選択部は、受付部が自プレイヤーから受け付けたコマンドに基づいて、(a)〜(g)のうちいずれか一つを選択する。
【0011】
そして、送信部は、当該選択された自動作を当該他のゲーム装置に送信する。
一方、受信部は、当該他のゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)からの操作入力により当該他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)について選択された動作(以下「他動作」という。)を当該他のゲーム装置から受信する。
【0012】
各ゲーム装置において自動作として何が選択されたかは、他のゲーム装置においても必要な情報である。このため、送信部は、選択された自動作を他のゲーム装置に送信する。また、他のゲーム装置において、他キャラクタについて選択された動作がいずれであるかは、各ゲーム装置においても必要な情報である。このため、受信部は、選択された他動作を他のゲーム装置から受信する。
【0013】
そして、他選択部は、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択する。
一方、表示部は、当該自キャラクタが当該自動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が受信されると当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する。
【0014】
すなわち、表示部は、自キャラクタと他キャラクタとを共に表示する。ここで、表示部は、自キャラクタについては、自キャラクタが、自選択部により選択された自動作を実行する動画像を表示する。一方、表示部は、他キャラクタについては、他キャラクタが、受信部が他のゲーム装置から受信した他動作を実行する動画像を表示する。
【0015】
しかしながら、通信の遅延等により、受信部が所定の猶予時間継続して他動作を受信できない場合がある。かかる場合は、他選択部は、他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の他候補を選択する。そして、表示部は、他キャラクタについては、他キャラクタが、他選択部により選択された複数の他候補を並行して実行する動画像を表示するのである。ここで、他キャラクタが、複数の他候補を並行して実行するとは、例えば、他キャラクタが複数の他キャラクタに分身して、当該分身後の複数の他キャラクタのそれぞれが、それぞれに対応する1つの動作を実行することをいう。
【0016】
上述した通信対戦格闘ゲームの例において、自選択部が(c)必殺技動作を選択し、受信部が所定の猶予時間継続して他動作を受信できない場合について説明する。ここで、他キャラクタが実行しうる動作の候補は、上述した(a)〜(g)の自動作の候補と同様のものを採用することができる。
受信部が所定の猶予時間継続して他動作を受信できない場合、他選択部は、(a)パンチ動作、(b)キック動作、(c)必殺技動作、(d)無動作、(e)回避動作、(f)防御動作、(g)カウンター動作、の7つの動作の候補から複数の他候補を選択する。典型的には、他選択部は、全ての候補(7つの候補)を他候補として選択する。この場合、他キャラクタは、(a)パンチ動作を実行する他キャラクタ、(b)キック動作を実行する他キャラクタ、(c)必殺技動作を実行する他キャラクタ、(d)無動作を実行する他キャラクタ、(e)回避動作を実行する他キャラクタ、(f)防御動作を実行する他キャラクタ、(g)カウンター動作を実行する他キャラクタ、の7つの他キャラクタに分身する。表示部は、これらの7つの他キャラクタを同時に表示するのである。
【0017】
以上説明したように、本発明のゲームシステムによれば、他動作が受信できない間も、他キャラクタが取りうる動作が並行して表示され、他動作が受信されると、表示されている動作のいずれかから受信された動作へと、スムーズに表示が移行する。従って、通信の遅延が生じて、遅延した情報が後になって到着した場合であっても、キャラクタの動作をできるだけ自然に見せることができる。また、他キャラクタが並行して実行する複数の他候補は、いずれも他キャラクタがとりうる動作である。このため、他キャラクタが並行して実行する複数の他候補のいずれかは、通信が回復した後に受信する他動作と一致する。従って、本発明のゲームシステムによれば、通信に遅延が生じた場合に、プレイヤーに、他キャラクタがとりうる動作の候補をあらかじめ提示することができる。これにより、例えば、プレイヤーは、他キャラクタの動作を予測することができる。なお、プレイヤーは、予測結果に基づいて自キャラクタにとらせる動作を決定し、自キャラクタに当該決定した動作をとらせるための操作入力をすることができる。
【0018】
また、本発明のゲームシステムにおいて、表示部は、当該他キャラクタが当該複数の他候補のそれぞれを単独で実行する動画像から所定の順序でフレームを抽出して並べた動画像を、当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像としてもよい。
かかる手法によって動画像を表示する場合、他キャラクタが複数の他候補のそれぞれを単独で実行する動画像をフレーム毎に合成する処理等の特別な処理が不要となる。
従って、本発明のゲームシステムによれば、メモリが増加することを抑制し、また、処理速度の低下を抑制しながらも、キャラクタの自然な表示が可能となる。
【0019】
また、本発明のゲームシステムにおいて、他選択部は、当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補のうち、当該他動作として過去に受信された回数が多いものから、所定の個数を選択して当該複数の他候補としてもよい。
すなわち、他選択部は、他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補の全てを他候補として選択するのではなく、他動作として過去に受信した回数の多いものから優先して所定個数選択して他候補とするのである。他動作として過去に受信した回数が多いものは、通信が回復した後に受信部が他動作として受信する確率が高いためである。
【0020】
なお、過去に受信した回数が多いか否かは、以下の(1)〜(3)に例示するような種種の判断基準によって定めることができる。
(1)過去に受信した回数に基づいて定める手法。
(2)直近の所定期間に受信した回数に基づいて定める手法。
(3)自キャラクタや他キャラクタの状態が同一又は類似する状況で過去に受信した回数に基づいて定める手法。
(1)の手法によれば、過去に受信した回数が多いか否かを容易に定めることができる。(2)の手法によれば、例えば、プレイヤーのゲーム技術の上達具合などを考慮して、過去に受信した回数が多いか否かを定めることができる。(3)の手法によれば、例えば、自キャラクタや他キャラクタの状況などを考慮して、過去に受信した回数が多いか否かを定めることができる。
なお、所定の個数を少なく設定することにより、他キャラクタが実行する動作を明確に表示することが可能となる。また、所定の個数は、他キャラクタの表示の様子をあらかじめ観察することなどにより、適宜調節することができる。
【0021】
本発明のゲームシステムによれば、他動作が受信されない間、他キャラクタが取りうる複数の動作のうち、他キャラクタが取る確率が高い所定の個数の動作が並行して表示される。従って、キャラクタの動作をよりいっそう自然に見せることができる。
【0022】
また、本発明のゲームシステムにおいて、当該所定の順序は、当該複数の他候補のそれぞれが当該他動作として過去に受信された回数に基づいて定めてもよい。
表示部は、通信が回復する前は、複数の他動作を表示し、通信が回復した後は、受信部に受信された他動作のみを表示する。また、過去に受信された回数が多い他動作は、次に受信される可能性も高い。このため、通信回復前は、過去に受信された回数に基づく順序でより多くのフレーム画像が抽出されるようにして、複数の他動作を表示すれば、通信回復後に表示される他動作との変化が小さいので、スムーズに表示を移行することができる。従って、本発明のゲームシステムによれば、キャラクタの動作をよりいっそう自然に見せることができる。
【0023】
また、本発明のゲームシステムにおいて、表示部は、当該他動作が当該所定の猶予時間継続して受信されない状態の後に受信された状態に移行した場合、当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像に、当該他キャラクタが当該他候補を実行する動画像を、所定の移行時間合成して表示してもよい。
【0024】
当該他動作が当該所定の猶予時間継続して受信されない状態の後に他動作が受信された場合、当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像から当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像に直ちに表示を切り替えると、他キャラクタの表示が急激に変化する可能性がある。このため、表示部は、通信が回復した後も、他キャラクタがとりえた動作と他キャラクタが実際にとった動作とを表示するのである。
本発明のゲームシステムによれば、キャラクタの表示の変化をよりいっそうスムーズにすることができる。
【0025】
また、本発明のゲームシステムにおいて、表示部は、当該他動作を実行する動画像に当該他候補を実行する動画像を合成する場合、当該他候補を実行する動画像の透明度を時間の経過とともに高くしてもよい。
すなわち、表示部は、当該他候補を実行する動画像の透明度を時間の経過とともに高くなるように動画像を合成する。他動作が受信部に受信されてから所定の時間が経過した後は、他動作として選択されなかった動作は表示されない。従って、他動作を受信してから所定の時間が経過するまでの間に、他動作として選択されなかった動作の表示を時間経過とともに薄くすることにより、よりスムーズに他キャラクタの表示を変化させることができる。
本発明のゲームシステムによれば、キャラクタの表示の変化をよりいっそうスムーズにすることができる。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係るゲーム装置は、上記のゲームシステムが備えるゲーム装置とすることができる。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係るゲーム制御方法は、相互に通信可能な複数のゲーム装置を備えるゲームシステムにて実行されるゲーム制御方法であって、受付工程、自選択工程、送信工程、受信工程、他選択工程、表示工程を備え、以下のように構成する。なお、複数のゲーム装置のそれぞれは、受付部、自選択部、送信部、受信部、他選択部、表示部を備える。
【0028】
すなわち、受付工程では、受付部が、当該ゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)からの操作入力を受け付ける。
【0029】
そして、自選択工程では、自選択部が、当該自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補から、当該受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択する。
【0030】
ここで、送信工程では、送信部が、当該選択された自動作を当該他のゲーム装置に送信する。
【0031】
そして、受信工程では、受信部が、当該他のゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)からの操作入力により当該他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)について選択された動作(以下「他動作」という。)を当該他のゲーム装置から受信する。
【0032】
また、他選択工程では、他選択部が、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択する。
【0033】
そして、表示工程では、表示部が、当該自キャラクタが当該自動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が受信されると当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する。
【0034】
本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲームシステムが備える複数のゲーム装置の各部として機能させ、または、コンピュータに、上記のゲーム制御方法の各工程を実行させるように構成する。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、各プレイヤーの操作入力によりキャラクタが動作するゲーム装置が相互に通信し、各キャラクタが動作する様子を各ゲーム装置が表示するゲームシステムにおいて、通信に遅延が生じても他のプレイヤーが操作するキャラクタの動作を適切に表示するのに好適なゲームシステム、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA(Personal Data Assistants)、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0037】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゲームシステムが備えるゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0038】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェイス104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、RTC(Real Time Clock)111と、を備える。
【0039】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0040】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。
また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0041】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行や通信に必要なデータが保持される。
【0042】
インターフェイス104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤーがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。図2は、コントローラ105の外観を示す説明図である。以下、本図を参照してコントローラ105を説明する。
【0043】
図2に示すように、コントローラ105の左方には、上下左右を示す操作入力を行うのに利用される↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204が配置されている。
【0044】
右方には、決定操作入力を行うのに利用される○ボタン205、取消操作入力を行うのに利用される×ボタン206、メニュー表示等の指示入力を行うのに利用される△ボタン207、その他の指示入力を行うのに利用される□ボタン208が配置されている。
【0045】
中央下部には、上下左右他の向きと、その向きへの大きさを指定する指示入力を行うためのジョイスティック213、214が配置されている。ジョイスティック213、214には、ひずみゲージが配備され、これらがどの方向にどれだけ曲げられているか、を検知することができる。
【0046】
このほか、中央には、SELECTボタン209、STARTボタン210のほか、アナログ入力の開始・停止を指示するためのANALOGボタン211、および、アナログ入力が有効か無効かを表示するためのインジケータ212が配置されている。
さらに、上方には、各種の指示入力に用いることができるL1ボタン215、L2ボタン216、R1ボタン217、R2ボタン218が配置されている。
【0047】
コントローラ105の各ボタン201〜208、215〜218には、圧力センサが配備され、アナログ入力が有効となっている場合には、いずれのボタンが押圧操作されているかを検知することができるほか、プレイヤーの押圧操作の圧力の大きさを0〜255の256段階で得ることができる。
【0048】
図1に戻り、インターフェイス104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、例えば、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0049】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。すなわち、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、プログラムが実行され、後述するゲーム装置150が実現される。
【0050】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0051】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。特に、点光源や平行光源、円錐光源などの典型的な(正)光源によってポリゴンが照らされる度合を計算する機能が、ライブラリ化もしくはハードウェア化され、高速に計算できるようになっている。
【0052】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0053】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integraged Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line Modem)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェイス(図示せず)により構成される。
【0054】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0055】
RTC 111は、水晶振動子や発振回路などを備える計時用のデバイスである。RTC 111は、内蔵電池から電源を供給され、情報処理装置100の電源がオフのときでも動作し続ける。
【0056】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0057】
次に、本実施形態に係るゲームシステム300について、図3を参照して概要を説明する。
【0058】
図3に示すように、ゲームシステム300は、インターネットなどのコンピュータ通信網を介して相互に接続されたゲーム装置150とゲーム装置160とを備える。なお、ゲームシステム300は、(図示しない)ゲームサーバを備える構成であってもよいし、ゲーム装置150とゲーム装置160とがアドホック通信により通信する構成でも良い。以下、ゲーム装置150のプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)とゲーム装置160のプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)が通信対戦格闘ゲームで対戦するものとして説明する。なお、ゲーム装置150とゲーム装置160は同様の構成及び機能を有するため、以下、ゲーム装置150について中心に説明し、ゲーム装置160については必要に応じて説明する。
【0059】
このゲームのキャラクタは、プレイヤーの操作に応じて、以下の(a)〜(g)に示すような動作を実行することができる。
(a)パンチ動作:相手キャラクタめがけてパンチする動作
(b)キック動作:相手キャラクタめがけてキックする動作
(c)必殺技動作:相手キャラクタめがけて気功砲を放つ動作
(d)無動作:攻撃や防御など一切しない動作
(e)回避動作:相手キャラクタの攻撃を避ける動作(相手キャラクタが(a)、(b)、(c)のいずれかを実行した場合のみ実行可能)
(f)防御動作:相手キャラクタの攻撃を防御する動作(相手キャラクタが(a)、(b)、(c)のいずれかを実行した場合のみ実行可能)
(g)カウンター動作:相手キャラクタの放った気功砲を相手キャラクタめがけて弾き返す動作(相手キャラクタが(c)を実行した場合のみ実行可能)
なお、これらの動作を示す情報は、DVD−ROMなどから適宜RAM 103にロードされる。
【0060】
ゲーム装置150は、自プレイヤーから受け付けた操作入力に基づいて、自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補からいずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択し、選択した自動作をゲーム装置160に送信する。
【0061】
同様に、ゲーム装置160は、他プレイヤーから受け付けた操作入力に基づいて、他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補からいずれか一つの動作(以下「他動作」という。)を選択し、選択した他動作を介してゲーム装置150に送信する。
【0062】
ゲーム装置150は、他動作を受信すると、自キャラクタが自動作を実行するとともに他キャラクタが他動作を実行する動画像を表示する。一方、ゲーム装置150は、他動作を所定の猶予時間継続して受信しないと、他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択し、自キャラクタが自動作を実行するとともに他キャラクタが複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する。
【0063】
次に、図4を参照して、ゲーム装置150の概要構成を説明する。ゲーム装置150の動作の詳細については後述する。
【0064】
図4に示すように、ゲーム装置150は、受付部401と、自選択部402と、送信部403と、受信部404と、他選択部405と、表示部406と、取得回数記憶部407と、を備える。本実施形態においては、ゲーム装置150が、過去に受信した他動作の回数に基づいて、他候補を選択する例を示す。しかし、ゲーム装置150は、当該回数に基づかずに他候補を選択する構成であっても良い。このような場合は、ゲーム装置150は、取得回数記憶部407を備えない構成であっても良い。
【0065】
まず、受付部401は、自プレイヤーからの操作入力を受け付ける。受付部401は、コントローラ105などから構成される。
【0066】
そして、自選択部402は、当該操作入力に基づいて、RAM 103などに記憶されている、上述した(a)〜(g)の動作の候補から自動作を選択する。自選択部402は、CPU 101などから構成される。
【0067】
送信部403は、自選択部402により選択された自動作をゲーム装置160に送信する。一方、受信部404は、ゲーム装置160から送信された他動作を受信する。他動作は、上述した(a)〜(g)のうちのいずれかの動作である。送信部403や受信部404は、NIC 109などから構成される。
【0068】
ここで、他選択部405は、受信部404が他動作を所定の猶予時間継続して受信しないことを検出した場合、上述した(a)〜(g)の動作の候補から複数の他候補を選択する。他選択部405は、上述した(a)〜(g)の動作の候補の全てを他候補として選択してもよいし、後述する取得回数テーブルの値を参照して所定個数の他候補を選択してもよい。他選択部405は、CPU 101などから構成される。
【0069】
そして、表示部406は、受信部404が他動作を受信した場合、自キャラクタが、自選択部402により選択された自動作を実行するとともに、他キャラクタが、受信部404により受信された他動作を実行する動画像を表示する。一方、表示部406は、他動作を所定の猶予時間継続して受信しない場合、自キャラクタが、自選択部402により選択された自動作を実行するとともに、他キャラクタが、他選択部405により選択された複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する。なお、表示部406は、画像処理部107などから構成される。
【0070】
図5を参照して、他動作が所定の猶予時間継続して受信部404に受信されない場合に、表示部406に表示される画像について説明する。ここでは、自選択部402が自動作として(c)必殺技動作を選択し、他選択部405が複数の他候補として(b)キック動作と(g)カウンター動作とを選択した場合について説明する。
【0071】
所定の猶予時間経過後は、モニターには、表示画像501→表示画像502→表示画像503→表示画像504のような順で画像が表示される。表示画像501〜504には、それぞれ、自キャラクタ画像51、他キャラクタ画像61並びに他キャラクタ画像62が含まれる。自キャラクタ画像51は、自キャラクタが(c)必殺技動作を実行する画像であり、気功砲の画像を含む画像である。他キャラクタ画像61は、他キャラクタが(b)キック動作を実行する画像である。他キャラクタ画像62は、他キャラクタが(g)カウンター動作を実行する画像であり、カウンターにより自キャラクタに向けて弾き返した気功砲の画像を含む画像である。このように、所定の猶予時間経過後は、モニターに、他キャラクタが(b)キック動作と(g)カウンター動作とを並行して実行する動画像が表示される。
【0072】
取得回数記憶部407は、取得回数テーブルを記憶する。取得回数テーブルは、他動作を過去に受信した回数を他動作の種類毎に記憶するテーブルである。取得回数記憶部407は、RAM 103などにより構成される。
【0073】
次に、ゲーム装置150が自キャラクタと他キャラクタをモニターに表示する処理(以下「キャラクタ表示処理」という。)について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、ゲーム装置150は、DVD−ROMドライブ108に通信対戦格闘ゲーム用のプログラム及びデータが記憶されたDVD−ROMが装着されており、ゲーム装置160と接続可能な状態であるものとして説明する。
【0074】
まず、CPU 101は、自プレイヤーから操作入力を受け付ける(ステップS101)。具体的には、CPU 101は、自プレイヤーからコントローラ105になされるキー操作を受け付ける。なお、コントローラ105になされるキー操作は、インターフェイス104を介してCPU 101に供給される。すなわち、CPU 101、インターフェイス104及びコントローラ105は、受付部401として機能する。
【0075】
次に、CPU 101は、自キャラクタが実行しうる複数の動作の候補から、受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの自動作を選択する(ステップS102)。ここで、自キャラクタが実行しうる複数の動作は、上述したように(a)〜(g)の動作である。なお、各キー操作とこれらの複数の動作とをあらかじめ対応付けておく。例えば、↑ボタン201、↓ボタン202、←ボタン203、→ボタン204のいずれかのボタンを押すキー操作には上下左右方向のうち対応する方向への移動動作、○ボタン205を押すキー操作には(a)パンチ動作、×ボタン206を押すキー操作には(b)キック動作、○ボタン205と×ボタン206を同時に押すキー操作には(c)必殺技動作、○ボタン205と△ボタン207を同時に押すキー操作には(g)カウンター動作を対応付けておく。
【0076】
例えば、CPU 101は、自プレイヤーからの操作入力が○ボタン205と×ボタン206を同時に押すキー操作である場合、(c)必殺技動作を選択する。以下、CPU 101は、自動作として(c)必殺技動作を選択したものとして説明する。このように、CPU 101は、自選択部402として機能する。
【0077】
次に、CPU 101は、選択した自動作をゲーム装置160に送信する(ステップS103)。具体的には、CPU 101は、必殺技動作を示す情報をNIC 109を介してゲーム装置160に送信する。すなわち、CPU 101及びNIC 109は、送信部403として機能する。
【0078】
そして、CPU 101は、自キャラクタ用の動画像を生成する(ステップS104)。ここで、自キャラクタ用の動画像は、自キャラクタが、自動作選択(ステップS102)において選択した自動作を実行する様子を示す(以下「実行する」という。)動画像である。
【0079】
自動作が必殺技動作である場合、自キャラクタが必殺技動作を実行する自キャラクタ用の動画像を生成する。この動画像は、自キャラクタが、自ら作り出した気功砲を他キャラクタにめがけて打ち放ち、その後、待機状態に戻る動作を実行する動画像である。自キャラクタが必殺技動作を実行する自キャラクタ用の動画像は、例えば、図7に示すフレーム画像701〜708から構成される。なお、図7には、フレーム画像701〜708がモニターに表示される順番を矢印により示している。CPU 101は、ステップS104において生成した自キャラクタ用の動画像をRAM 103に記憶する。
【0080】
次に、CPU 101は、ゲーム装置160から他動作を受信したか否かを判別する(ステップS105)。具体的には、例えば、CPU 101は、NIC 109を監視することにより、ゲーム装置160から他動作を示す情報を受信しているか否かを判別する。CPU 101は、他動作を受信したと判別した場合は(ステップS105:YES)、受信した他動作を取得する(ステップS106)。このように、CPU 101とNIC 109は、受信部404として機能する。
【0081】
また、CPU 101は、他動作を取得した後、取得回数を保存する(ステップS107)。取得回数については、図8に示す取得回数テーブルを参照して説明する。取得回数テーブルは、他動作としてどの動作を何回取得したかを条件毎に記憶するテーブルであり、他動作としてどの動作をどの程度の確率で取得するかを条件毎に求めるためのテーブルである。なお、条件毎に取得回数を記憶するのは、どの動作をどの程度の確率で取得するかが条件毎に異なる場合が多いからである。
【0082】
条件としてどのような条件を採用するかは任意であるが、例えば、自キャラクタが実行中の動作(以下、理解を容易にするため「自動作」という。)を条件とすることが好適である。この理由は、他プレイヤーは、他キャラクタに当該自動作に対応する動作を実行させるための操作入力を行うため、取得する他動作は自動作に対応する動作である確率が高いためである。図8は、自動作がパンチ動作やキック動作である場合に、他動作としてカウンター動作を取得した回数は0であり、自動作が必殺技動作である場合に、他動作としてカウンター動作を取得した回数が15であることを示している。例えば、自キャラクタが必殺技動作をしているときに他キャラクタがカウンター動作をするとカウンター攻撃が可能であり、自キャラクタがパンチ動作やキック動作をしているときに他キャラクタがカウンター動作をしてもカウンター攻撃が不可能である場合に、このような取得回数となることが予想される。
【0083】
CPU 101は、自動作がどの動作であるか及び他動作がどの動作であるかを判別し、RAM 103に記憶された取得回数テーブルの対応する領域に格納されている数値(回数)を1つインクリメントする。なお、CPU 101は、取得回数テーブルを1ゲーム毎にクリアしてもよいし、ゲーム装置150の電源が入る毎にクリアしてもよいし、ゲーム装置150の電源がオフの間バックアップをとるようにして、初回に電源を投入されたのちずっとクリアしないようにしてもよい。また、CPU 101は、対戦相手毎(対戦相手のゲーム装置毎)に、取得回数テーブルを用意するようにしてもよい。
【0084】
そして、CPU 101は、取得した他動作に基づいて他キャラクタ用の動画像を生成する(ステップS108)。ここで、他キャラクタ用の動画像は、他キャラクタが、他動作取得(ステップS106)において取得された他動作を実行する動画像である。
【0085】
取得した他動作が(g)カウンター動作である場合、すなわち、他のゲーム装置に、他キャラクタにカウンター動作を実行させるための操作入力がなされた場合、他キャラクタがカウンター動作を実行する他キャラクタ用の動画像を生成する。この動画像は、他キャラクタが、相手キャラクタにより打ち放たれた気功砲を弾き返す動作を実行する動画像である。他キャラクタがカウンター動作を実行する他キャラクタ用の動画像は、例えば、図9に示すフレーム画像901〜908から構成される。なお、図9には、フレーム画像901〜908がモニターに表示される順番を矢印により示している。CPU 101は、ステップS108において生成した他キャラクタ用の動画像をRAM 103に記憶する。
【0086】
一方、CPU 101は、他動作を受信していないと判別した場合(ステップS105:NO)、RTC 111を参照して、最後に他動作を取得した時刻から所定の猶予時間が経過しているか否かを判別する(ステップS109)。CPU 101は、所定の猶予時間が経過していないと判別した場合(ステップS109:NO)、最後に取得した他動作に基づいて他キャラクタ用の動画像を生成する(ステップS110)。すなわち、他動作を受信できない場合であって、所定の猶予時間が経過するまでは、他キャラクタが、最後に受信した他動作を実行する動画像を新たに生成するのである。なお、当該処理は、他動作取得(ステップS106)で取得した他動作に基づくのではなく、RAM 103などに記憶されている最後に取得した他動作に基づく以外は、ステップS108と同様の処理であるため説明を省略する。
【0087】
一方、CPU 101は、所定の猶予時間が経過していると判別した場合(ステップS109:YES)、他候補選択処理を実行する(ステップS111)。
【0088】
ここで、図10に示すフローチャートを参照して、ゲーム装置150が実行する他候補選択処理を説明する。
【0089】
まず、CPU 101は、他キャラクタが実行しうる複数の候補を特定する(ステップS201)。例えば、CPU 101は、RAM 103を参照して、他キャラクタが実行しうる複数の候補として(a)〜(g)の7つの動作を特定する。
【0090】
次に、CPU 101は、特定した複数の動作の候補のそれぞれについて、対応する条件の取得回数をRAM 103に記憶されている取得回数テーブルから読み出す(ステップS202)。具体的には、例えば、CPU 101は、自動作選択(S102)において選択した必殺技動作に対応付けられて記憶されている、パンチ動作の回数(2)、キック動作の回数(5)、必殺技動作の回数(2)、無動作の回数(2)、回避動作の回数(2)、防御動作の回数(2)及びカウンター動作の回数(15)を読み出す。
【0091】
次に、CPU 101は、取得回数が最も多い候補を他候補として選択する(ステップS203)。そして、CPU 101は、他候補を所定個数選択していないと判別する間(ステップS204:NO)、取得回数が最も多い候補を他候補として選択する処理(ステップS203)を繰り返し、他候補を所定個数選択したと判別すると(ステップS204:YES)、他候補選択処理を完了する。例えば、所定個数が2である場合、CPU 101は、ステップS203において、まず、カウンター動作(取得回数15)を選択し、次に、キック動作(取得回数5)を選択して、他候補選択処理を完了する。このように、CPU 101及びRAM 103は、他選択部405として機能する。
【0092】
CPU 101は、他候補選択処理(ステップS111)を完了すると、他キャラクタ用動画像生成処理(ステップS112)を実行する。
【0093】
図11に示すフローチャートを参照して、ゲーム装置150が実行する他キャラクタ用動画像生成処理を説明する。
【0094】
CPU 101は、他候補を1つ選択し(ステップS301)、選択した他候補用の動画像を生成する(ステップS302)。CPU 101は、ステップS302を終了すると、他候補を全て選択したか否かを判別する(ステップS303)。CPU 101は、他候補を全て選択していないと判別すると(ステップS303:NO)、他候補を1つ選択する処理(ステップS301)に処理を戻す。すなわち、CPU 101は、全ての他候補用の動画像を生成するまで、ステップS301〜ステップS303までの処理を繰り返す。
【0095】
例えば、CPU 101は、ステップS301においてカウンター動作を選択した場合、ステップ302において、他キャラクタがカウンター動作を実行する他候補用の動画像を生成する。他キャラクタがカウンター動作を実行する他候補用の動画像は、ステップS108において生成する他キャラクタ用の動画像と同様の動画像であるので説明を省略する。
【0096】
また、例えば、CPU 101は、ステップS301においてキック動作を選択した場合、ステップ302において、他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像を生成する。この動画像は、他キャラクタが、キック動作の実行中に相手キャラクタの放った気功砲を受け、バランスを崩して倒れる動作を実行する動画像である。他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像は、例えば、図12に示すフレーム画像1201〜1208から構成される。なお、図12には、フレーム画像1201〜1208がモニターに表示される順番を矢印により示している。CPU 101は、ステップ302において生成した他候補用の動画像をRAM 103に記憶する。
【0097】
一方、CPU 101は、他候補を全て選択したと判別すると(ステップS303:YES)、ステップS302において生成した他候補用の動画像から他キャラクタ用の動画像を生成する(ステップS304)。具体的には、CPU 101は、RAM 103に記憶されている、他キャラクタがカウンター動作を実行する他候補用の動画像と他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像とを組み合わせることにより、他キャラクタ用の動画像を生成する。より詳細には、例えば、CPU 101は、各動画像を構成するフレーム画像を、モニターに表示される順序に従って交互に抽出し、抽出したフレーム画像を順番に並べることにより他キャラクタ用の動画像を生成する。
【0098】
ここで、他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像を、図13に例示する。図13に示すように、フレーム画像1301〜1308は、カウンター動作を実行する他候補用の動画像を構成するフレーム画像901〜908と、キック動作を実行する他候補用の動画像を構成するフレーム画像1201〜1208とから、モニターに表示される順序に従って交互に抽出したフレーム画像である。従って、この動画像は、再生時には、他キャラクタがカウンター動作とキック動作とを並行して実行する動画像となる。CPU 101は、ステップS304において生成した他キャラクタ用の動画像をRAM 103に記憶する。
【0099】
CPU 101は、他候補用の動画像から他キャラクタ用の動画像を生成する処理(ステップS304)を完了すると、他キャラクタ用動画像生成処理(ステップS112)を完了する。
【0100】
CPU 101は、ステップS108、ステップS110及びステップS112のいずれかを完了すると、自キャラクタ用の動画像と他キャラクタ用の動画像とを合成して合成動画像を生成する(ステップS113)。図14に、合成動画像を構成するフレーム画像を例示する。図14に示すように、フレーム画像1401〜1408は、自キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像701〜708と、他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像1301〜1308と、をそれぞれ合成して得られるフレーム画像である。CPU 101は、ステップS113において生成した合成動画像をRAM 103に記憶する。
【0101】
CPU 101は、合成動画像の生成処理(ステップS113)を完了すると、画像処理部107と協働して、RAM 103に記憶された合成動画像をモニターに表示して(ステップS114)、キャラクタ表示処理を完了する。すなわち、CPU 101と画像処理部107は、表示部406として機能する。なお、CPU 101は、自キャラクタと他キャラクタとを表示する間、キャラクタ表示処理を繰り返す。
【0102】
ここで、図15を参照して、実際にモニターに表示される表示画像について説明する。図15には、他動作を所定の猶予時間継続して受信できなくなってから他動作を受信するまでの表示画像を示す。なお、上述の説明では、理解を容易にするため、動画像は8つのフレーム画像から構成されるものとして説明したが、実際はより多くのフレーム画像から構成される。
【0103】
図15に示すように、モニターには、自キャラクタが必殺技動作を実行するとともに、他キャラクタがカウンター動作とキック動作とを並行して実行する画像が表示される。なお、他キャラクタの表示は、自キャラクタの表示よりも薄い表示(透明度が高い表示)となる。これは、他キャラクタについては、他キャラクタがカウンター動作を実行する動画像を構成するフレーム画像と、他キャラクタがキック動作を実行する動画像を構成するフレーム画像と、が交互に表示されるためである。
【0104】
以上、説明したように、本実施形態に係るゲームシステムによれば、各ゲーム装置は、所定の猶予時間継続して対戦相手のゲーム装置から他プレイヤーの操作する他キャラクタの動作を制御する情報を受信できない場合、他キャラクタが、他キャラクタの取りうる複数の動作を並行して実行する動画像を表示する。従って、各ゲーム装置は、他キャラクタの動作を制御する情報を受信するまでの間、プレイヤーを待たせることもなく他キャラクタを表示することができる。
【0105】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、他キャラクタ用動画像生成処理(ステップS112)において、複数の他候補用の動画像を構成するフレーム画像を交互に抽出して他キャラクタ用の動画像を生成する例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、複数の他候補用の動画像を構成するフレーム画像を任意の順序で抽出して他キャラクタ用の動画像を生成することができる。なお、本実施形態にかかるゲームシステムを構成するゲーム装置の構成は、基本的に、図4に示すゲーム装置150の構成と同様である。
【0106】
本実施形態においては、取得回数に応じて、フレーム画像を抽出する順序を決定するゲーム装置150について説明する。図16に、取得回数に応じた順序でフレーム画像を抽出する場合の他キャラクタ用動画像生成処理を示すフローチャートの一例を示す。なお、他候補選択(ステップS401)から他候補を全て選択したか否かを判別する処理(ステップS403)までの処理は、図11に示す他キャラクタ用動画像生成処理と同様であるので説明を省略する。
【0107】
CPU 101は、他候補を全て選択したと判別すると(ステップS403:YES)、取得回数を読み出す(ステップS404)。具体的には、CPU 101は、RAM 103に記憶されている取得回数テーブルから、選択した自動作である必殺技動作に対応付けられている、カウンター動作の取得回数(15)とキック動作の取得回数(5)とを読み出す。
【0108】
次に、CPU 101は、読み出した他動作の取得回数に基づいて、フレーム画像の抽出順序を決定する(ステップS405)。CPU 101は、例えば、取得回数の多い他候補ほど抽出するフレーム画像の割合が大きくなるようにフレーム画像を抽出する。具体的には、CPU 101は、カウンター動作の取得回数は15、キック動作の取得回数は5であるため、他キャラクタがカウンター動作を実行する動画像から抽出するフレーム画像の数と、他キャラクタがキック動作を実行する動画像から抽出するフレーム画像の数との比が、3:1(15:5)になるようにフレーム画像を抽出する。すなわち、CPU 101は、例えば、他キャラクタがカウンター動作を実行する動画像から3つのフレーム画像を抽出した後、他キャラクタがキック動作を実行する動画像から1つのフレーム画像を抽出するようにフレーム画像の抽出順序を決定する。
【0109】
そして、CPU 101は、決定した抽出順序に従ってフレーム画像を抽出して、他キャラクタ用の動画像を生成する(ステップS406)。CPU 101は、他キャラクタ用の動画像の生成(ステップS406)を完了すると、他キャラクタ用動画像生成処理を完了する。
【0110】
ここで、他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像を、図17に例示する。図17に示すように、フレーム画像1701〜1708は、他キャラクタがカウンター動作を実行する他候補用の動画像を構成するフレーム画像901〜908と、他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像を構成するフレーム画像1201〜1208と、から3:1の割合でフレーム画像を抽出して並べたフレーム画像である。
【0111】
また、図18に、ステップS113において生成される合成動画像を構成するフレーム画像を例示する。図18に示すように、フレーム画像1801〜1808は、自キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像701〜708と、他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像1701〜1708と、をそれぞれ合成して得られるフレーム画像である。
【0112】
ここで、図19を参照して、実際にモニターに表示される表示画像について説明する。図19には、他動作を所定の猶予時間継続して受信できなくなってから他動作を受信するまでの表示画像を示す。
【0113】
図19に示すように、モニターには、自キャラクタが必殺技動作を実行するとともに、他キャラクタがカウンター動作とキック動作とを並行して実行する画像が表示される。しかしながら、他キャラクタがカウンター動作を実行する画像よりも他キャラクタがキック動作を実行する画像の方が薄い表示となる。これは、他キャラクタがカウンター動作を実行する動画像から抽出したフレーム画像の数よりも、他キャラクタがキック動作を実行する動画像から抽出したフレーム画像の数の方が少ないからである。
【0114】
以上説明したように、本実施形態に係るゲームシステムによれば、取得回数に応じて各他候補を実行する他キャラクタの表示の濃さを自動で調整することができる。概していえば、他動作を所定の猶予時間以上受信できなかった後に受信する他動作は、過去の取得回数が多い他動作である確率が高い。従って、本実施形態に係るゲームシステムによれば、他動作を受信できない間の表示と、通信が回復した後に他動作を受信したときの表示との差が小さくなることが期待できる。このため、本実施形態に係るゲームシステムによれば、他動作を受信する前後で、プレイヤーに違和感を与えることなく、他キャラクタを表示し続けることが期待できる。
【0115】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態に係るゲームシステムでは、他動作を所定の猶予時間以上受信できなかった後に他動作を受信した場合、直ちに当該受信した他動作を実行する他キャラクタの画像を表示した。しかしながら、他動作を受信する前後の他キャラクタの表示が大きく異なると、プレイヤーに違和感を与えてしまう可能性がある。例えば、第2の実施形態に係るゲームシステムにおいて、受信する確率が低いと判断される他動作を受信した場合、典型的には、過去の取得回数が少ない他動作を受信した場合、他動作を受信する前後で他キャラクタの表示が大きく異なることが予想される。従って、他動作を所定の猶予時間以上受信できなかった後に他動作を受信した場合、他キャラクタが、受信した他動作を実行する動画像に、他キャラクタが他候補を実行する動画像を所定の移行時間合成して表示することが望ましい。なお、本実施形態にかかるゲームシステムを構成するゲーム装置の構成は、基本的に、図4に示すゲーム装置150の構成と同様である。
【0116】
本実施形態に係るゲームシステムを構成するゲーム装置は、図6に示すキャラクタ表示処理を実行する際に、取得した他動作に基づいて他キャラクタ用動画像生成(ステップS108)を実行するのに代えて、図20に示す他キャラクタ用動画像生成処理を実行する。
【0117】
まず、CPU 101は、所定の移行時間が経過しているか否かを判別する(ステップS501)。具体的には、CPU 101は、RTC 111を参照して、他動作が所定の猶予時間継続して受信されない状態の後に他動作を受信してから所定の移行時間が経過しているか否かを判別する。このために、例えば、CPU 101は、他キャラクタ用動画像生成処理(ステップS112)において、猶予時間が経過したことを示す猶予時間経過フラグをセットし、他動作取得(ステップS106)において猶予時間経過フラグがセットされていたら、他動作を受信してからの経過時間を示すタイマカウンタを起動する。そして、CPU 101は、ステップS501において、当該タイマカウンタにより示される時間が所定の移行時間を超えているか否かを判別する。
【0118】
CPU 101は、所定の移行時間が経過していると判別した場合(ステップS501:YES)、取得した他動作に基づいて他キャラクタ用動画像生成を実行する(ステップS502)。
【0119】
一方、CPU 101は、所定の移行時間が経過していないと判別した場合(ステップS501:NO)、実行中の他候補から他候補を1つ選択し(ステップS503)、選択した他候補用の動画像を生成する(ステップS504)。CPU 101は、実行中の他候補のうち選択していない他候補がないと判別するまで(ステップS505:NO)、ステップS503の処理とステップS504の処理とを繰り返す。
【0120】
例えば、実行中の他候補がカウンター動作とキック動作との2つである場合、CPU 101は、ステップS503においてカウンター動作とキック動作とを選択し、ステップS504において、他キャラクタがカウンター動作を実行する動画像と他キャラクタがキック動作を実行する動画像とを生成する。
【0121】
CPU 101は、実行中の他候補のうち選択していない他候補がないと判別すると(ステップS505:NO)、フレーム画像の抽出順序を決定する(ステップS506)。ここで、CPU 101は、生成する他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像のうち所定の移行時間が経過したときに表示されるフレーム画像が、他キャラクタが、受信した他動作を実行する動画像を構成するフレーム画像のうち所定の移行時間が経過したときに表示されるフレーム画像と一致するように、フレーム画像の抽出順序を決定する。
【0122】
現在表示している他キャラクタ用の動画像が、他キャラクタがカウンター動作を実行する他候補用の動画像と、他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像とから交互にフレーム画像を抽出して生成された動画像であり、受信した他動作がキック動作である場合を例にして説明する。早く再生されるフレーム画像から順番に抽出する場合、最初のうちは他キャラクタがカウンター動作を実行する他候補用の動画像と他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像とから同じ割合で、フレーム画像を抽出する。そして、他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像からフレーム画像を抽出する割合を徐々に増加させていく。そして、所定の移行時間が経過した以降に表示されるフレーム画像は、全て、他キャラクタがキック動作を実行する他候補用の動画像から抽出されるように抽出順序を決定する。
【0123】
そして、CPU 101は、決定した抽出順序に従ってフレーム画像を抽出して、他キャラクタ用の動画像を生成する(ステップS507)。CPU 101は、他キャラクタ用の動画像の生成(ステップS507)を完了すると、他キャラクタ用動画像生成処理を完了する。
【0124】
ここで、図21に、ステップS113において生成される合成動画像を構成するフレーム画像を例示する。ステップS113において生成される合成動画像は、図21に示すフレーム画像2101とフレーム画像2102とから構成される。ここで、フレーム画像2101は、合成動画像を構成するフレーム画像のうち自キャラクタが必殺技動作を実行するとともに他キャラクタがカウンター動作を実行する動作を示すフレーム画像であり、フレーム画像2102は、合成動画像を構成するフレーム画像のうち自キャラクタが必殺技動作を実行するとともに他キャラクタがキック動作を実行する動作を示すフレーム画像である。合成動画像は、これら2種類のフレーム画像が所定の順序で並べられて生成される動画像となる。
【0125】
ここで、図22を参照して、実際にモニターに表示される表示画像について説明する。図22には、他動作を受信してから所定の移行時間が経過するまでの表示画像を示す。
【0126】
図22に示すように、モニターには、自キャラクタが必殺技動作を実行するとともに、他キャラクタがカウンター動作とキック動作とを並行して実行する画像が表示される。なお、他キャラクタがカウンター動作を実行する画像の表示の濃さと、他キャラクタがキック動作を実行する画像の表示の濃さ方とは、時間経過とともに変化する。図22には、モニターに表示される画像が、表示画像2201→表示画像2202→表示画像2203→表示画像2204の順に変化する様子を示している。
【0127】
表示画像2201は、フレーム画像2101とフレーム画像2102との割合が3:3である場合に表示される画像であり、カウンター動作とキック動作とを同程度の濃さで表示する画像である。表示画像2202は、フレーム画像2101とフレーム画像2102との割合が2:4である場合に表示される画像であり、カウンター動作よりもキック動作をわずかに濃く表示する画像である。表示画像2203は、フレーム画像2101とフレーム画像2102との割合が1:5である場合に表示される画像であり、カウンター動作よりもキック動作を非常に濃く表示する画像である。表示画像2204は、フレーム画像2101とフレーム画像2102との割合が0:6である場合に表示される画像であり、キック動作のみを表示する画像である。
【0128】
このように、本実施形態に係るゲームシステムによれば、他キャラクタが他候補(他動作以外の他候補)を実行する動画像からフレーム画像を抽出する割合が徐々に減少し、他キャラクタが他動作を実行する動画像からフレーム画像を抽出する割合が徐々に増加する。このため、時間経過とともに、他候補を実行する画像が徐々に薄い表示となり、他動作を実行する画像が徐々に濃い表示となる。これにより、他動作を受信した前後で、他キャラクタの表示が急激に変化するのを防ぐことができる。
【0129】
上記実施形態1〜3においては、ゲーム装置が、他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補から、所定の個数の動作の候補を他候補として選択する例を示した。しかし、ゲーム装置は、他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補の全てを他候補として選択する構成であってもよい。
【0130】
上記実施形態1〜3においては、ゲーム装置は、複数の他候補用の動画像のそれぞれを構成するフレーム画像を所定の順序で抽出して並べることにより生成した他キャラクタ用の動画像と自キャラクタ用の動画像とを合成することによりモニターに表示する合成動画像を生成した。しかし、他キャラクタが複数の他候補を並行して実行する合成動画像を生成するのであれば、合成動画像を生成する手法は、これに限定されない。例えば、複数の他候補用の動画像のそれぞれと自動作用の動画像とをそれぞれ合成して複数の合成動画像を生成し、複数の合成動画像のそれぞれを構成するフレーム画像を所定の順序で抽出することにより、モニターに表示する1つの合成動画像を生成するようにしてもよい。
【0131】
上記実施形態1〜3においては、通信対戦格闘ゲームを実現するゲームシステムを例にして説明した。しかし、本発明は、通信対戦射撃ゲームや通信対戦レースゲームなど、あらゆる通信対戦ゲームに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上説明したように、本発明によれば、各プレイヤーの操作入力によりキャラクタが動作するゲーム装置が相互に通信し、各キャラクタが動作する様子を各ゲーム装置が表示するゲームシステムにおいて、通信に遅延が生じても他のプレイヤーが操作するキャラクタの動作を適切に表示するのに好適なゲームシステム、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の第1〜3の実施形態に係るゲームシステムを構成するゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】ゲーム装置に接続可能なコントローラの概要構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第1〜3の実施形態に係るゲームシステムを説明するための図である。
【図4】本発明の第1〜3の実施形態に係るゲームシステムを構成するゲーム装置の概要構成の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るゲームシステムにおいて、モニターに表示される表示画像を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るゲームシステムを構成するゲーム装置が実行するキャラクタ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】自キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図8】取得回数テーブルを説明するための図である。
【図9】他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図10】図6のフローチャートに示す他候補選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図6のフローチャートに示す他キャラクタ用動画像生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】他候補用の動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図13】他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図14】合成動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係るゲームシステムにおいて、モニターに表示される表示画像の一例を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るゲームシステムを構成するゲーム装置が実行する他キャラクタ用動画像生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】他キャラクタ用の動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図18】合成動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るゲームシステムにおいて、モニターに表示される表示画像の一例を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係るゲームシステムを構成するゲーム装置が実行する他キャラクタ用動画像生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】合成動画像を構成するフレーム画像の一例を示す図である。
【図22】本発明の第3の実施形態に係るゲームシステムにおいて、モニターに表示される表示画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0134】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェイス
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 RTC
150、160 ゲーム装置
201 ↑ボタン
202 ↓ボタン
203 ←ボタン
204 →ボタン
205 ○ボタン
206 ×ボタン
207 △ボタン
208 □ボタン
209 SELECTボタン
210 STARTボタン
211 ANALOGボタン
212 インジケータ
213 ジョイスティック
214 ジョイスティック
215 L1ボタン
216 L2ボタン
217 R1ボタン
218 R2ボタン
300 ゲームシステム
401 受付部
402 自選択部
403 送信部
404 受信部
405 他選択部
406 表示部
407 取得回数記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能な複数のゲーム装置を備えるゲームシステムであって、
前記複数のゲーム装置のそれぞれは、
当該ゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)からの操作入力を受け付ける受付部、
当該自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補から、前記受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択する自選択部、
前記選択された自動作を当該他のゲーム装置に送信する送信部、
当該他のゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)からの操作入力により当該他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)について選択された動作(以下「他動作」という。)を当該他のゲーム装置から受信する受信部、
当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択する他選択部、
当該自キャラクタが当該自動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が受信されると当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する表示部、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムであって、
前記表示部は、当該他キャラクタが当該複数の他候補のそれぞれを単独で実行する動画像から所定の順序でフレームを抽出して並べた動画像を、当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像とする
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のゲームシステムであって、
前記他選択部は、当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補のうち、当該他動作として過去に受信された回数が多いものから、所定の個数を選択する
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のゲームシステムであって、
当該所定の順序は、当該複数の他候補のそれぞれが当該他動作として過去に受信された回数に基づいて定められる
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームシステムであって、
前記表示部は、当該他動作が当該所定の猶予時間継続して受信されない状態の後に受信された状態に移行した場合、当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像に、当該他キャラクタが当該他候補を実行する動画像を、所定の移行時間合成して表示する
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のゲームシステムであって、
前記表示部は、当該他動作を実行する動画像に当該他候補を実行する動画像を合成する場合、当該他候補を実行する動画像の透明度を時間の経過とともに高くする
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
他のゲーム装置と相互に通信可能なゲーム装置であって、
当該ゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)からの操作入力を受け付ける受付部、
当該自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補から、前記受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択する自選択部、
前記選択された自動作を当該他のゲーム装置に送信する送信部、
当該他のゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)からの操作入力により当該他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)について選択された動作(以下「他動作」という。)を当該他のゲーム装置から受信する受信部、
当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択する他選択部、
当該自キャラクタが当該自動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が受信されると当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する表示部、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
相互に通信可能な複数のゲーム装置を備えるゲームシステムにて実行されるゲーム制御方法であって、前記複数のゲーム装置のそれぞれは、受付部、自選択部、送信部、受信部、他選択部、表示部を備え、当該ゲーム制御方法は、
前記受付部が、当該ゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)からの操作入力を受け付ける受付工程、
前記自選択部が、当該自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補から、前記受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択する自選択工程、
前記送信部が、前記選択された自動作を当該他のゲーム装置に送信する送信工程、
前記受信部が、当該他のゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)からの操作入力により当該他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)について選択された動作(以下「他動作」という。)を当該他のゲーム装置から受信する受信工程、
前記他選択部が、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択する他選択工程、
前記表示部が、当該自キャラクタが当該自動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が受信されると当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する表示工程、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、
相互に通信可能な複数のゲーム装置のそれぞれとして機能させるためのプログラムであって、
当該プログラムは当該コンピュータを、
当該ゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「自プレイヤー」という。)からの操作入力を受け付ける受付部、
当該自プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「自キャラクタ」という。)が実行しうる複数の動作の候補から、前記受け付けられた操作入力に基づいて、いずれか一つの動作(以下「自動作」という。)を選択する自選択部、
前記選択された自動作を当該他のゲーム装置に送信する送信部、
当該他のゲーム装置を利用するプレイヤー(以下「他プレイヤー」という。)からの操作入力により当該他プレイヤーが操作するキャラクタ(以下「他キャラクタ」という。)について選択された動作(以下「他動作」という。)を当該他のゲーム装置から受信する受信部、
当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが実行しうる複数の動作の候補からいずれか複数の動作の候補(以下「他候補」という。)を選択する他選択部、
当該自キャラクタが当該自動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が受信されると当該他キャラクタが当該他動作を実行する動画像を表示し、当該他動作が所定の猶予時間継続して受信されないと当該他キャラクタが当該複数の他候補を並行して実行する動画像を表示する表示部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2010−110524(P2010−110524A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286937(P2008−286937)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】