説明

ゲームシステム及びサーバ

【課題】コンピュータ制御により実現される対戦ゲームにおいて、プレーヤの操作傾向が反映されたリアリティのある対戦ゲームを可能とする。
【解決手段】プレーヤチームに所属する各プレーヤのプレイ履歴をプレーヤ戦譜データ1382として取得し、各プレーヤ戦譜データ1382に基づいて、プレーヤチームとしてのプレイ履歴を記録するチーム戦譜データ1384を生成する。このチーム戦譜データ1384に基づきプレーヤチームの傾向を分析して戦譜分析データ1386を生成し、この戦譜分析データ1386に従って、プレーヤチームの傾向を再現するためのBOT制御用データ146を生成する。そして、生成されたBOT制御用データ146に従ってBOTチームを制御して、所与のプレーヤチームの傾向を再現したコンピュータ対戦ゲームを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、コンピュータ制御によるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PC(パーソナルコンピュータ)をサーバに接続し、サーバ上に設定された仮想ゲーム世界で遊ぶことのできるオンラインネットワークゲーム等が知られている。かかるオンラインネットワークゲームでは、その時点でサーバに接続している不特定多数のプレーヤと仮想ゲーム世界を共有して遊ぶことができる。
【0003】
また、その時点で対戦に適当なプレーヤがいない場合などは、コンピュータが仮想的な対戦相手となることで擬似的に対戦ゲームを行うことができる。このような場合に、例えば、実在するプレーヤが過去に行った対戦ゲームの操作履歴情報から当該プレーヤの操作傾向が特徴付けられた操作傾向データを生成し、コンピュータのAI(人工知能)による制御と併せて、この操作傾向データに基づいてプレーヤの操作傾向を再現するようにキャラクタを制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、プレーヤの特性を発揮させたリアリティのある対戦型サッカーゲームを行うことができる。
【特許文献1】特開2004−180951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したサッカーゲームでは、通常1チーム11人のキャラクタから構成され、プレーヤにより操作される一のプレーヤキャラクタと、その他のコンピュータによって動作が自動制御されるノンプレーヤキャラクタとからなる。即ち、大部分のキャラクタは、プレーヤチームのキャラクタであってもコンピュータの制御によることとなる。このため、プレーヤの操作履歴情報から操作傾向データを生成し、コンピュータがこの操作傾向データに基づいてプレーヤの操作傾向を再現した場合でも、キャラクタの多くは予め定められたアルゴリズムに従って動作するのみである。従って、実在するプレーヤの操作傾向を十分に反映させたものとはいえず、面白みに欠けるものとなっていた。
【0005】
また、操作傾向データは、実在のプレーヤが過去に行った対戦ゲームの操作履歴情報に基づき生成され、当該プレーヤの操作傾向を再現するのみである。従って、当該プレーヤの操作傾向を反映させたノンプレーヤキャラクタでありながら、難易度等の多様なレベル設定を行うといったことはできなかった。このため、同じプレーヤを模擬したコンピュータと数回対戦を行えば、対戦相手の操作傾向パターンが容易に推測可能となるため、ゲームの面白みに欠けるといった問題があった。
【0006】
本発明の課題は、コンピュータ制御により実現される対戦ゲームにおいて、プレーヤの操作傾向が反映されたリアリティのある対戦ゲームを可能とすると共に、コンピュータにより制御される対戦チームの多様なレベル設定を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明は、
各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、コンピュータ制御によるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステム(例えば、図2のゲームシステム1)であって、
前記チーム対戦ゲーム及び/又は前記COM対戦ゲームのゲーム進行中の各プレーヤそれぞれのプレイ履歴を記録するプレイ履歴記録手段(例えば、図14の戦譜データ生成部2224,図20のステップS12,S14)と、
前記記録された各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段(例えば、図4の政府データ生成部126,図20のステップS34)と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段(例えば、図4のチーム戦譜データ1384)と、
COMチームとして模擬するプレーヤチームを選択するCOMチーム選択手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS62)と、
前記COMチーム選択手段により選択されたプレーヤチームの前記方策履歴記憶手段に記憶された方策履歴データに基づき、当該チームの方策傾向を分析する傾向分析手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS70〜S76)と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図20のステップS48)と、
を備えたゲームシステムである。
【0008】
第9の発明は、
各プレーヤが操作入力するためのゲーム端末(例えば、図2のゲーム端末20)及びサーバ(例えば、図2の管理サーバ10及びゲームサーバ30)が通信可能に接続され、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、前記サーバによって制御されるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステムのサーバであって、
前記ゲーム端末から送信される各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段(例えば、図4の戦譜データ生成部126,図20のステップS34)と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段(例えば、図4の政府データ生成部126,図20のステップS34)と、
COMチームとして模擬するプレーヤチームを選択するCOMチーム選択手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS62)と、
前記COMチーム選択手段により選択されたプレーヤチームの前記方策履歴記憶手段に記憶された方策履歴データに基づき、当該チームの方策傾向を分析する傾向分析手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS70〜S76)と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図20のステップS48)と、
を備えたサーバである。
【0009】
第1,第9の発明によれば、ゲーム進行中の各プレーヤそれぞれのプレイ履歴を記録し、記録された各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成し、生成された方策履歴データをプレーヤチーム別に記憶することにより、各プレーヤ毎のプレイ履歴と、チーム毎のプレイ履歴をそれぞれ記録することができる。従って、各プレーヤのプレイ履歴,チーム毎のプレイ履歴に基づいてCOMキャラクタを制御するといったことを実現し得るため、実在するプレーヤの方策傾向を十分に反映させた面白みのあるCOM対戦ゲームを行うことができる。
【0010】
また、COMチームとして模擬するプレーヤチームを選択し、選択されたプレーヤチームの方策履歴データに基づき、当該チームの方策傾向を分析し、分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従ってCOMチームを構成する各COMキャラクタを制御してCOM対戦ゲームを実行することができる。従って、選択されたプレーヤチームの傾向が忠実に再現されたCOMチームとCOM対戦ゲームを行うことができる。これにより、プレーヤはあたかも実在するプレーヤチームと対戦をしているかのような面白さを感じることができる。さらに、様々なプレーヤチームの方策履歴データに基づき方策傾向を分析し、分析された方策傾向に従って、COMチームを構成する各COMキャラクタを制御してCOM対戦ゲームを行うことができる。これにより、COMチームの方策傾向がワンパターンにならず、興趣性のあるCOM対戦ゲームを実現することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明のゲームシステムであって、
前記プレイ履歴記録手段は、プレーヤキャラクタの位置履歴を少なくとも含むプレイ履歴を記録し、
前記方策履歴生成手段は、プレーヤキャラクタそれぞれのプレイ履歴に含まれる位置履歴から当該プレーヤキャラクタ間の位置関係を判定することで当該チームが組んだ隊形を判定する隊形判定手段を有し、この隊形判定手段により判定された隊形の履歴である隊形履歴を少なくとも含む方策履歴データを生成し、
前記傾向分析手段は、方策履歴データに含まれる隊形履歴に基づき前記選択されたプレーヤチームが組む隊形の傾向を分析する隊形傾向分析手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS72)を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、前記隊形傾向分析手段の分析結果に従って隊形を選択する隊形選択手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322)と、この隊形選択手段により選択された隊形を組むように各COMキャラクタを制御する隊形制御手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図24のステップS132)とを有する、
ゲームシステムである。
【0012】
第2の発明によれば、プレーヤキャラクタの位置履歴を含むプレイ履歴から判定されるプレーヤチームが組む隊形の傾向を分析し、分析結果に従って隊形を選択し、選択された隊形を組むように各COMキャラクタを制御することができる。これにより、模擬対象のプレーヤチームが過去の対戦で選択した隊形をCOMチームに組ませることができ、プレーヤチームを忠実に模擬してより現実感のある対戦ゲームを行うことができる。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明のゲームシステムであって、
前記プレイ履歴記録手段は、ゲーム進行中に発生し得るイベントとして予め定められたイベントが発生した場合に当該イベントの発生時期をプレイ履歴に含めて記録するイベント発生記録手段(図14の戦譜データ生成部2224,図20のステップS12,S14)を有し、
前記方策履歴生成手段は、前記イベント発生記録手段により記録されたイベント発生時期後の各プレーヤのプレイ履歴に基づいて当該イベントに対するチームとして実施した方策をイベント対応方策として判定するイベント対応方策判定手段(例えば、図4の戦譜データ生成部126,図22のステップS22)を有し、このイベント対応方策判定手段により判定されたイベント対応方策を含めて方策履歴データを生成し、
前記傾向分析手段は、方策履歴データに含まれるイベント対応方策に基づき前記イベントに対して前記選択されたプレーヤチームが実施するイベント対応方策の傾向を分析するイベント対応方策分析手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS74)を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、ゲーム進行中に前記イベントが発生した場合、前記イベント対応方策分析手段の分析結果に従って、当該イベントに対応する方策を選択する対応方策選択手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図24のステップS138)と、この対応方策選択手段により選択された方策を実施するように各COMキャラクタを制御する対応方策実施制御手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図24のステップS140)とを有する、
ゲームシステムである。
【0014】
第3の発明によれば、ゲーム進行中に発生し得るイベントとして予め定められたイベントが発生した場合に当該イベントの発生時期をプレイ履歴に含めて記録し、イベント発生時期後の各プレーヤのプレイ履歴に基づいて当該イベントに対するチームとして実施した方策をイベント対応方策として判定し、判定されたイベント対応方策を含めて方策履歴データを生成する。この方策履歴データに基づきイベントに対して前記選択されたプレーヤチームが実施するイベント対応方策の傾向を分析し、ゲーム進行中に前記イベントが発生した場合、この分析結果に従ってイベントに対応する方策を選択し、選択された方策を実施するように各COMキャラクタを制御することができる。従って、イベントが発生する毎にチームとして実施した方策が忠実に再現されることとなり、プレーヤはあたかも実在するプレーヤチームと対戦を行っているかのようにCOMチームと対戦ゲームを行うことができる。
【0015】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明のゲームシステムであって、
前記方策履歴記憶手段は、対戦結果と対応づけて前記方策履歴データを記憶し、
前記傾向分析手段は、前記COMチーム選択手段により選択されたプレーヤチームの方策履歴データ及びその対戦結果に基づき、当該プレーヤチームが実施した方策に対する対戦勝率を算出する実施方策勝率算出手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS76)を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、前記実施方策勝率算出手段により算出された対戦勝率に基づいて方策を選択する勝率基準方策選択手段(例えば,図17のゲーム進行制御部322,図24のステップS138)を有する、
ゲームシステムである。
【0016】
第4の発明によれば、対戦勝率に基づいて方策を選択することで、COMチームの強さのレベルを調整することができる。例えば、対戦勝率の高い方策の選択割合を多めしてCOMチームを制御することにより、模擬対象としたプレーヤチームより強いCOMチームを再現することができる。このように、COMチームの強さのレベルを調整することで、同一のプレーヤチームを模擬したCOMチームであっても、様々な方策傾向を実現することができ、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0017】
第5の発明は、
各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、コンピュータ制御によるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステム(例えば,図2に示すゲームシステム1)であって、
前記チーム対戦ゲーム及び/又は前記COM対戦ゲームのゲーム進行中の各プレーヤそれぞれのプレイ履歴を記録するプレイ履歴記録手段(例えば、図14の戦譜データ生成部2224,図20のステップS12,S14)と、
前記記録された各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段(例えば、図4の政府データ生成部126,図20のステップS34)と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別及び対戦別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段(例えば、図4のチーム戦譜データ1384)と、
前記COM対戦ゲームを行う際の自プレーヤチームを選択する自チーム選択手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS62)と、
前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データを前記方策履歴記憶手段から読み出して、相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析する傾向分析手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS70〜S76)と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図20のステップS48)と、
を備えたゲームシステムである。
【0018】
第10の発明は、
各プレーヤが操作入力するための(例えば、図2のゲーム端末20)及びサーバ(例えば、図2の管理サーバ10及びゲームサーバ30)が通信可能に接続され、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、前記サーバによって制御されるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステムのサーバであって、
前記ゲーム端末から送信される各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段(例えば、図4の戦譜データ生成部126,図20のステップS34)と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別及び対戦別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段(例えば、図4の政府データ生成部126,図20のステップS34)と、
前記COM対戦ゲームを行う際に自プレーヤチームを選択する自チーム選択手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS62)と、
前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データを前記方策履歴記憶手段から読み出して、相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析する傾向分析手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS70〜S76)と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図20のステップS48)と、
を備えたサーバである。
【0019】
第5,第10の発明によれば、ゲーム進行中の各プレーヤそれぞれのプレイ履歴を記録し、記録された各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成し、生成された方策履歴データをプレーヤチーム別に記憶することにより、各プレーヤ毎のプレイ履歴と、チーム毎のプレイ履歴をそれぞれ記録することができる。従って、各プレーヤのプレイ履歴,チーム毎のプレイ履歴に基づいてCOMキャラクタを制御するといったことが実現できるため、実在するプレーヤの方策傾向を十分に反映させた面白みのあるCOM対戦ゲームを実現することができる。
【0020】
また、COM対戦ゲームを行う際に自プレーヤチームを選択し、自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データを読み出し、相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析し、分析された方策傾向に従って方策を選択する。そして、選択した方策に従ってCOMチームを構成する各COMキャラクタを制御してCOM対戦ゲームを実行することができる。従って、自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの傾向を忠実に再現することができ、実在するプレーヤチームとの対戦を模擬できるだけでなく、例えば、自プレーヤチームの弱点克服や相手プレーヤチームへの対応方策の研究といった種々の目的に応じてCOMチームとの対戦ゲームを楽しむことができる。
【0021】
第6の発明は、第5の発明のゲームシステムであって、
前記方策履歴記憶手段は、対戦結果と対応づけて前記方策履歴データを記憶し、
前記傾向分析手段は、前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データ及びその対戦結果に基づき、当該相手プレーヤチームが実施した方策に対する対戦勝率を算出する実施方策勝率算出手段(例えば、図4の制御用データ生成部124,図21のステップS76)を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、前記実施方策勝率算出手段により算出された対戦勝率に基づいて方策を選択する勝率基準方策選択手段(例えば、図17のゲーム進行制御部322,図24のステップS138)を有する、
ゲームシステムである。
【0022】
第6の発明によれば、対戦勝率に基づいて方策を選択することで、COMチームの強さのレベルを調整することができる。従って、自プレーヤチームのレベルに応じて、COMチームのレベルを調整するといったことができるため、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0023】
第7の発明は、第5又は第6の発明のゲームシステムであって、
前記方策履歴記憶手段は、対戦結果と対応づけて前記方策履歴データを記憶し、
前記傾向分析手段は、前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦して敗戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データに基づき、当該敗戦した際の相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析する敗戦時傾向分析手段(例えば、図17の制御用データ更新部324,図21のステップS118〜S120)を有する、
ゲームシステムである。
【0024】
第7の発明によれば、自プレーヤチームが過去に対戦して敗戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データに基づき、敗戦した際の相手チームプレーヤが実施した方策の傾向を分析し、分析した方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従ってCOMチームを構成する各COMキャラクタを制御してCOM対戦ゲームを実行することができる。これにより、自プレーヤチームが敗戦した対戦ゲームをCOMチームにより再現することができ、プレーヤは、敗戦原因等の追求を行って弱点克服に努めることができる。
【0025】
第8の発明は、第7の発明のゲームシステムであって、
前記COM対戦ゲームの実行中に、自プレーヤチームが実施した方策を判定する自チーム方策判定手段(例えば、図17の制御用データ更新部324,図23のステップS112)を更に備え、
前記敗戦時傾向分析手段は、自プレーヤチームが前記自チーム方策判定手段により判定された方策を過去に実施して敗戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データに基づき、当該敗戦した際の相手プレーヤが実施した方策の傾向を分析する自チーム方策対応傾向分析手段(例えば、図17の制御用データ更新部324,図21のステップS118〜S120)を有する、
ゲームシステムである。
【0026】
第8の発明によれば、自プレーヤチームが実施した方策を判定し、判定された方策を過去に実施して敗戦した相手プレーヤチームの対戦時の方策履歴データに基づき、敗戦した際の相手プレーヤが実施した方策の傾向を分析し、分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従ってCOMチームを構成する各COMキャラクタを制御してCOM対戦ゲームを実行することができる。従って、自プレーヤチームが実施した方策に従って、当該方策を実施した際に自プレーヤチームが敗戦した対戦ゲームをCOMチームにより再現することができる。これにより、プレーヤは、より詳細に敗戦原因等の追求を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、コンピュータ制御により実現される対戦ゲームにおいて、プレーヤの操作傾向が反映されたリアリティのある対戦ゲームを実現することができる。また、コンピュータにより制御される対戦チームの多様なレベル設定を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下では、複数のプレーヤが同時に同一のゲーム空間を共有して楽しむネットワーク対戦型のガンシューティングゲームを実行する場合について説明を行うが、本発明を適用し得る実施形態がこれに限定されるものではない。
【0029】
ネットワークゲームを実現するシステム構成としては、例えば、(1)家庭に設置してあるパソコンや家庭用ゲーム機等をゲーム端末とし、インターネット網や専用線網等の有線/無線の通信回線を介してゲームサーバと接続する構成、(2)ゲームサーバを用いることなく複数のゲーム端末同士が通信回線を介して接続される構成、(3)複数のゲーム端末同士が通信回線を介して接続されるが、その内の1台がゲームサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム端末が物理的に結合した、全体として1台のシステム(例えば業務用ゲーム機)となっている構成、等がある。本発明は何れのシステム構成に対しても適用可能であるが、以下では、(1)の構成のネットワークゲームを例にとって説明する。詳細には、本実施形態のゲームシステムは、ゲームセンターやアミューズメント施設等で利用されるものであり、例えば、ゲームサーバがゲーム提供事業者側に設置され、ゲーム端末が各店舗に設置される。
【0030】
1.システム概要
図1は、本発明を適用したゲーム端末20を設置した、アミューズメント施設の店舗内の一例を示している。同図に示すように、店舗内には、複数のゲーム端末20が配列されて設置されており、遊戯者(プレーヤ)は、ゲーム端末20を操作してガンシューティングゲームを楽しむ。
【0031】
上記したアミューズメント施設を含むゲームシステムの全体構成について説明する。図2は、ゲームシステム1の概略構成を示す図である。同図に示すように、ゲームシステム1は、複数のゲーム端末20と、管理サーバ10と、ゲームサーバ30と、を備えて構成される。各ゲーム端末20は、例えば、無線通信回線、専用線、ツイストペアケーブル、光通信ケーブル等の通信回線を介し、LAN或いはWAN等のネットワークNを利用して、管理サーバ10及びゲームサーバ30に接続される。
【0032】
管理サーバ10は、例えば、公知のサーバ装置やサーバシステムなどによって実現され、ネットワークゲームの管理処理プログラムを適宜実行することによって、プレーヤ登録、ログイン認証、マッチング処理などの機能を実現する。プレーヤ登録は、ネットワークゲームをプレイするにあたって事前に行うプレーヤの登録であり、例えば、氏名や、パスワード、プレーヤ名などを登録する。ログイン認証は、プレーヤ登録された正規のプレーヤであることを承認する処理である。マッチング処理は、ゲームシステム1に接続しているゲーム端末20の中から対戦相手となるゲーム端末20を組み合わせてチームを編成する処理である。また、本実施の形態では管理サーバ10は、プレーヤからコンピュータにより制御されるBOTチーム(ROBOT(=ノンプレーヤキャラクタ,CPUキャラクタ)の略)との対戦の要求があった場合に、BOTチームを制御するための制御用データを生成する機能を有する。
【0033】
ゲーム端末20は、プレーヤがネットワークゲームをプレイする端末装置であって、例えば家庭用・業務用の各種ゲーム装置や、パソコンなどによって実現される。本実施の形態では、ゲーム端末20は、管理サーバ10にアクセスしてゲームシステム1にログインし、ネットワークゲームのクライアント用ゲームプログラムを適宜実行することによって、他のゲーム端末20又はゲームサーバ30からネットワークゲームのゲームプレイに係るゲームデータを取得し、取得したゲームデータに基づいてゲーム画像を生成して表示する。
【0034】
ゲームサーバ30は、例えばサーバ装置やサーバシステムによって実現され、ネットワークゲームのサーバ用ゲームプログラムを適宜実行することによって、ネットワークゲームのゲームプレイに係るゲームデータをゲーム端末20に提供する機能を実現する。本実施の形態では、ゲームサーバ30は、管理サーバ10から適宜当該ゲームサーバ30を指定先とするゲーム端末20の識別情報(例えば、端末ID)と、BOT制御用データとを取得し、該当する端末IDのゲーム端末20にのみゲームデータの提供を行って、ゲーム端末20にBOTチームとの対戦によるゲームの実行を行わせる。また、ゲームサーバ30は、BOT制御用データを更新することにより、プレーヤチームのプレイ操作に応じてBOTチームを制御する機能を実現する。
【0035】
2.ゲーム概要
本実施形態は、本発明をネットワーク対戦型の1人称視点のガンシューティングゲームに適用した実施形態である。各プレーヤはそれぞれ銃を備えた1体の兵士キャラクタを操作する。兵士キャラクタが撃たれ、死亡した場合には、当該プレーヤはその場でゲームから脱けることとなる。被弾した部位に応じてダメージが異なるが、例えば額を撃たれた場合には1発で死亡と判断される。従って、緊張感、緊迫感のあるゲーム性となっている。
【0036】
また、本実施形態のゲームは攻撃側と防御側との2つのチームに分かれて対戦するゲームである。勝敗は、予め定められた規定時間内に、予め定められた爆弾設置位置に攻撃側が時限爆弾を設置し、爆破させることができれば攻撃側のチームの勝利となり、規定時間内での爆破を阻むことができれば防御側のチームの勝利となる。また、攻撃側が時限爆弾を設置した後も、爆破作動前であれば防御側が爆弾を解除することができる。このため、設置した時限爆弾が解除された場合には、勝利するために、攻撃側は再度時限爆弾を設置する必要がある。
【0037】
但し、被弾し、死亡と判断された兵士キャラクタはゲームから離脱させられるため、参戦している兵士キャラクタは減少していく一方である。よって、攻撃側/防御側のチームとして、どのように攻撃するか、どのように防御するかの戦略が重要となり、チームワークが勝敗を決する重要な要素となる。各プレーヤは、あたかも戦場で戦闘しているかのような緊張感溢れるエキサイティングなゲームを楽しむことができる。
【0038】
図3(a)はゲーム空間のマップを示す図であり、ゲーム空間全体を上から俯瞰した略図である。図3(b)は同図(a)のゲーム画面の一例を示す図であり、兵士キャラクタAC1の視点(1人称視点)から見たゲーム空間の画像が表示されている。
【0039】
図3において、ゲーム空間は1つの閉空間であり、複数のコンテナCT1〜CT5と、攻撃側の兵士キャラクタであるキャラクタAC1〜AC3と、防御側の兵士キャラクタであるキャラクタDC1〜DC3とが配置されている。各兵士キャラクタAC1〜AC3,DC1〜DC3は個々のプレーヤによりそれぞれのゲーム端末20で操作されている。また、ゲーム空間中には爆弾設置位置BSPが予め設定・明示されており、攻撃側がこの爆弾設置位置BSPに規定時間内に爆弾を設置し、爆破させることができれば攻撃側の勝利となり、規定時間内に爆破させることができなければ防御側の勝利となる。
【0040】
各キャラクタAC1〜AC3,DC1〜DC3は、ゲーム開始時に所定のゲーム開始ポジション(例えば、図3(b)ST1,ST2)にそれぞれ配置される。そして、ゲーム開始に伴い、各キャラクタAC1〜AC3,DC1〜DC3は、プレーヤ操作に従って所与の位置に移動される。ゲーム開始から所定時間(例えば、20秒)が経過した時点の各チームの各キャラクタの配置位置は当該チームにとって戦略上重要とされる。本実施形態においては、このときのキャラクタの配置を「基本配置」と呼び、方策の1つとする。図3(a)は、各チームが基本配置となる隊形を組んだ場面を示す図である。なお、基本配置は、攻撃側、防御側、戦術、マップ等により多数の隊形パターンが想定される。
【0041】
図3(b)は兵士キャラクタAC1を操作するプレーヤのゲーム端末に表示されるゲーム画面である。他のプレーヤのゲーム端末20には、当該プレーヤが操作する兵士キャラクタの視点から見たゲーム空間の画像が表示される。すなわち、何れのゲーム端末においても、当該兵士キャラクタの視点から見たゲーム空間の画像のみが表示される。従って、同一のゲーム空間を共有してゲームが進行するが、一のプレーヤにとっては、一のプレーヤが操作する兵士キャラクタの視点でしかゲーム空間の様子を伺い知ることができない。即ち、他の兵士キャラクタからゲーム空間がどのように見えているのか、他の兵士キャラクタから自分の兵士キャラクタが見えているのか、といったことは推測するしかない。このため、より実戦に近い戦闘が模擬されることとなる。
【0042】
3.機能構成
次に、本実施形態における管理サーバ10、ゲーム端末20及びゲームサーバ30の機能構成について説明する。先ず、図4〜16を参照して管理サーバ10の機能構成について説明する。図4は、管理サーバ10の内部構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、管理サーバ10は、操作部110、処理部120、記憶部130、表示部140、通信部160等を備えて構成され、ゲーム端末20との間でデータ通信を行い、ログイン処理等を実行してプレーヤを管理したり、BOT制御用データ生成処理を実行してBOT制御用データをゲームサーバ30に送信する。
【0043】
操作部110は、ユーザによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部120に出力する。この機能は、例えばボタンや操作スティック、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。
【0044】
処理部120は、管理サーバ10全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。
【0045】
処理部120は、主な機能部として、ゲーム進行制御部122と、制御用データ生成部124と、戦譜データ生成部126とを含む。ゲーム進行制御部122は、ゲーム進行プログラム132に従ってゲーム進行処理を実行して、ゲームシステム1全体のゲーム進行に係る制御を行う。
【0046】
制御用データ生成部124は、BOT制御用データ生成プログラム134に従ってBOT制御用データ生成処理を実行し、BOT対戦モード及びBOTチームのレベルに応じたBOT制御用データ146を生成する。ここで、BOT対戦モードには、例えば、「特定チーム」モードと「弱点克服」モードとがある。「特定チーム」モードとは、プレーヤチームがチームを特定し、その特定されたチームの傾向を再現したBOTチームと対戦するモードである。「弱点克服」モードとは、プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの傾向を再現したBOTチームと対戦するモードである。また、BOTチームのレベルには、「普通」、「強い」、「とても強い」の3段階のレベルを有し、BOT制御用データ146のパラメータ値を変更することで任意のレベルを設定することができる。
【0047】
戦譜データ生成部126は、チーム戦譜データ生成プログラム136に従ってチーム戦譜データ生成処理を実行し、ゲーム端末20又はゲームサーバ30から取得したプレーヤ戦譜データ1382に基づいてチーム戦譜データ1384を生成する。
【0048】
表示部140は、文字や画像を表示出力する手段であり、処理部120から出力された表示信号に基づき表示画面を表示させる。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。
【0049】
通信部160は、所定の通信回線(無線通信回線WやLAN等)に接続して外部装置(例えば、ゲーム端末20及びゲームサーバ30)とのデータ通信を行う。この機能は、無線LAN等の無線通信モジュール、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路などによって実現される。
【0050】
記憶部130は、処理部120に管理サーバ10を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、各種処理を実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶する。また、処理部120の作業領域として用いられ、処理部120が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部110から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。
【0051】
また、記憶部130は、処理部120をゲーム進行制御部122、制御用データ生成部124、戦譜データ生成部126として機能させるためのプログラム及びデータを記憶する。具体的には、プログラムとしてゲーム進行プログラム132、BOT制御用データ生成プログラム134、チーム戦譜データ生成プログラム136を記憶している。また、データとして戦譜DB(Date Base)138、基本配置情報141、イベント対応戦術情報142、BOTチームレベル管理データ144、BOT制御用データ146、プレーヤ管理データ148、マッチング情報150を記憶している。
【0052】
ゲーム進行プログラム132は、処理部120をゲーム進行制御部122として機能させるためのプログラムである。BOT制御用データ生成プログラム134は、処理部120を制御用データ生成部124として機能させるためのプログラムである。チーム戦譜データ生成プログラム136は、処理部120を戦譜データ生成部126として機能させるためのプログラムである。
【0053】
戦譜DB138は、プレーヤ戦譜データ1382と、チーム戦譜データ1384と、対戦相手チーム戦譜データ1385と、戦譜分析データ1386とを含む。プレーヤ戦譜データ1382は、ゲーム進行中におけるキャラクタの位置情報や発生したイベントを各プレーヤのプレイ履歴として所定時間毎に取得したデータを時系列に格納している。
【0054】
図5にプレーヤ戦譜データ1382のデータ構成例を示す。図5に示すように、プレーヤ戦譜データ1382は、1枚のカードが一プレーヤ、一ゲーム分のプレーヤ戦譜データを構成しており、プレーヤを特定するプレーヤ名1382aと、1ゲーム毎に割り振られる識別番号であるゲームNO1382bと、対戦相手のプレーヤチームを特定するための相手チーム1382cと、ゲームの勝敗結果1382dと、を記憶している。また、プレーヤのプレイ履歴として、データの取得時刻である時刻1382eと、キャラクタ位置1382fと、被発生イベント1382gと、自発イベント1382hとを記憶している。
【0055】
時刻1382eは、例えば、5秒間といった所定時間間隔のデータの取得時刻をゲーム開始からの経過時間(例えば、「0sec」)に基づいて記憶している。キャラクタ位置1382fは、その時点におけるキャラクタの位置情報(例えば、「(x0,y0,z0)」)をゲーム空間の座標系のXYZ座標に基づいて記憶している。被発生イベント1382gは、前回のデータ取得時から今回のデータ取得時までの間(例えば、「0〜5秒間」)に発生したイベントのうち、敵の兵士キャラクタのプレイ操作により発生したイベント(例えば、「イベントA」)を記憶している。自発イベント1382hは、前回のデータ取得時から今回のデータ取得時までの間(例えば、「5〜10秒間」)に発生したイベントのうち、自キャラクタを含む味方キャラクタのプレイ操作により発生した自発イベント(例えば、「イベントB,K」)を記憶している。なお、被発生イベント1382g及び自発イベント1382hに記憶されるイベント番号は、後述するイベント対応戦術情報142及びイベントテーブル244のイベント番号に対応している。
【0056】
チーム戦譜データ1384は、各プレーヤそれぞれのプレーヤ戦譜データ1382から得られるプレイ履歴に基づいて生成される、プレーヤチームとしてのプレイ履歴を格納している。図6にチーム戦譜データ1384のデータ構成例を示す。図6に示すように、チーム戦譜データ1384は、1枚のカードが一プレーヤチーム,全ゲーム分のチーム戦譜データを構成しており、1枚のカードには一プレーヤチームを特定するチーム名1384aを記憶している。また、1レコード分のデータは1ゲーム分のデータに対応し、戦譜番号1384bと、相手チーム1384cと、勝敗結果1384dと、基本配置1384eと、状況対応1384fと、を記憶している。
【0057】
戦譜番号1384bは、1ゲーム毎に割り振られる識別番号(例えば、「01」)であり、この戦譜番号1384bにより、自プレーヤチームのチーム戦譜データと対戦相手のチーム戦譜データとが対応付けられている。相手チーム1384cは、当該ゲームの対戦相手のプレーヤチームを特定するチーム名(例えば、「大江戸サンダース」)を記憶している。
【0058】
勝敗結果1384dは、当該ゲームの勝敗結果(例えば、「win」)を記憶している。基本配置1384eは、ゲーム開始から所定時間経過後(例えば、20秒後)における各キャラクタの位置情報から特定される基本配置を記憶している。状況対応1384fは、予め定められたイベント1384gと、当該イベントの発生に応じてとり得る対応戦術1384とを記憶し、1ゲームの間にイベントの発生に応じて各プレーヤが行った対応戦術の回数の合計を対応戦術毎にそれぞれ記憶している。
【0059】
具体的には、「イベントA」が発生した場合に、とり得る対応戦術の種類として、「戦術A1」と「戦術A2」とが定められている場合、イベントAに対して各プレーヤ即ち当該チームが行った対応戦術が「戦術A1」又は「戦術A2」であるかが判定され、実施された戦術の回数が記録される。つまり、同一のイベントが複数回発生した場合は、各イベント毎に実施された対応戦術が判定され、その合計回数が記録される。なお、状況対応、対応戦術は、上述した方策の1つである。
【0060】
対戦相手チーム戦譜データ1385は、制御用データ生成処理において弱点克服モードが選択された場合に生成されるデータであり、プレーヤチームの過去のゲームにおける対戦相手のチーム戦譜データを格納している。つまり、上述したチーム戦譜データ1385の各ゲーム(各レコード)それぞれに対応する対戦相手のチーム戦譜データが集約されて構成されるデータである。この対戦相手チーム戦譜データ1385のデータ構造は、図6に示すチーム戦譜データ1384と略同様であるため図示及び詳細な説明を省略する。
【0061】
戦譜分析データ1386は、制御用データ生成処理において、所与のプレーヤチームのチーム戦譜データ1384又は対戦相手チーム戦譜データ1385が分析されて生成されるデータであり、各チームがゲーム中で選択した基本配置、対応戦術等についての分析結果を格納している。この戦譜分析データ1386に基づきBOT制御用データを作成することで、模擬対象となるチームの傾向を再現したBOTチームとの対戦を実現することができる。
【0062】
図7に戦譜分析データ1386のデータ構成例を示す。この戦譜分析データ1386は、図6のチーム戦譜データ1384を分析して得られた例である。図7に示すように、戦譜分析データ1386は、1枚のカードが一チーム分の戦譜分析データを構成しており、プレーヤチームを特定するためのチーム名1386aと、当該プレーヤチームの平均勝率1386bとを記憶している。
【0063】
また、基本配置の分析結果として、基本配置の種類に応じた勝率1386dと頻度1386eとを記憶している。基本配置1386cは、各基本配置の種類を特定するための基本配置番号(例えば、「P001」)を記憶している。この基本配置番号は、後述する基本配置情報141に記憶される基本配置番号に対応している。勝率1386dは、当該基本配置の隊形をとった場合におけるゲームの最終的な勝率(例えば、「33%」)を記憶している。頻度1386eは、全ゲームを通じて当該基本配置を何回採用したかを示す頻度(例えば、「25回」)を記憶している。
【0064】
また、状況対応の分析結果として、各イベントに対応する対応戦術毎の通算選択割合1386iと、勝率1386jとを記憶している。通算選択割合1386iは、各イベントに応じた対応戦術毎に、全ゲームを通じた対応戦術の選択割合を記憶している。具体的には、「イベントA」の発生に対して、「68%」の割合で「戦術A1」が選択され、「32%」の割合で「戦術A2」が選択されたことが記憶されている。これにより、全ゲームを通じた全体的なチームの対応戦術の選択傾向として、イベントAの発生に対しては、戦術A1を多く選択しているといった傾向がわかる。
【0065】
勝率1386jは、一のイベント対して複数ある対応戦術のうち、各対応戦術を最も高い比率で選択した場合における勝率を記憶している。具体的には、「イベントA」に対する対応戦術として「戦術A1」を対応戦術として多く採用した場合のゲームの勝率は「22%」であり、「戦術A2」を対応戦術として多く採用した場合のゲームの勝率は「26%」であることを記憶している。これにより、イベントAの発生に対しては、「戦術A2」を多く採用した場合の方が勝率が高いことがわかる。このように、戦譜分析データ1386の勝率1386jに基づいて、発生したイベントに対して勝率の高い対応戦術を多く選択するようにBOT制御用データのパラメータを設定することで、当該チームの特性を取り入れながら、BOTチームのレベルを任意に設定することができる。
【0066】
基本配置情報141は、一のプレーヤチームに所属するキャラクタの配置位置により定義される隊形のパターンを基本配置として格納しており、1つのカードに1つの基本配置が記憶されている。図8に基本配置情報141のデータ構成例を示す。図8に示すように、基本配置情報141は、基本配置番号141aと、基本配置隊形141bとを記憶している。基本配置番号141aは、基本配置を特定するための番号を記憶している。基本配置隊形141bは、2次元座標系で設定されたマップ上に各キャラクタの配置位置を特定することにより示される隊形パターンを記憶している。
【0067】
イベント対応戦術情報142は、予め定められたイベントと、当該イベントの発生に応じて選択される対応戦術との対応関係を格納している。図9にイベント対応戦術情報のデータ構成例を示す。図9に示すように、イベント対応戦術情報142には、イベント番号142aと、イベント内容142bと、対応戦術142cと、戦術判定条件142dとが記憶されている。イベント番号142aは、イベントを特定するための番号(例えば、「イベントA」)を記憶している。イベント内容142bは、予め定められたイベントの内容(例えば、「味方が3人から2人へ」)を記憶している。
【0068】
対応戦術142cは、イベントの発生に応じて選択される複数の対応戦術(例えば、「戦術A1;まとまる」,「戦術A2;そのまま」)の内容をそれぞれ記憶している。戦術判定条件142dは、プレーヤ戦譜データ1382から取得されるプレーヤのプレイ履歴に基づいて、選択された対応戦術の種類を判定するための判定条件を記憶している。具体的に、「味方が3人から2人へ」といったイベントが発生した場合に、プレーヤ戦譜データ1382から得られるキャラクタの位置情報に基づいて、「イベント発生時の各プレーヤ間距離×0.8≧20秒後のプレーヤ間の距離」の判定条件を満たす場合、「戦術A1」が選択されたと判定し、「イベント発生時の各プレーヤ間距離×0.8<20秒後のプレーヤ間の距離」の判定条件を満たす場合、「戦術A2」が選択されたと判定する。
【0069】
このようにして、上述したチーム戦譜データ1384は、プレーヤ戦譜データ1382と、イベント対応戦術情報142とに基づいて、イベント発生時の各プレーヤの対応戦術が判定されて生成される。
【0070】
BOTチームレベル管理データ144は、BOTチーム制御用データを生成する際に、BOTチームのレベルを設定するための基準値を格納している。図10にBOTチームレベル管理データ144のデータ構成例を示す。図10に示すように、BOTチームレベル管理データ144は、普通、強い、とても強いの3段階のレベルに応じて、基本配置及び状況対応の選択割合を設定するための基準値を記憶している。
【0071】
具体的に、基本配置を設定するための基準値について説明する。先ず、BOTチームのレベルが「普通」の場合、基本配置のレベルには「平均勝率」が設定されている。すなわち、平均勝率と同程度の勝率となる基本配置をBOTチームの基本配置として選択する。これにより、模擬対象となるチームの平均的な強さと同等の強さのBOTチームを再現することができる。また、BOTチームのレベルが「強い」の場合、基本配置のレベルには第1勝率(例えば、「平均勝率×1.2≦100」)が設定される。すなわち、平均勝率を1.2倍した勝率であって、100%を超えない勝率に対応する基本配置をBOTチームの基本配置として選択する。これにより、模擬対象となるチームの平均的な強さよりやや強いBOTチームを再現することができる。
【0072】
さらに、BOTチームのレベルが「とても強い」の場合、基本配置のレベルには第2勝率(例えば、「平均勝率×1.5≦100」)が設定される。すなわち、平均勝率を1.5倍した勝率であって、100%を超えない勝率に対応する基本配置をBOTチームの基本配置として選択する。これにより、模擬対象となるチームの平均的な強さよりとても強いBOTチームを再現することができる。
【0073】
次に、状況対応の選択割合を設定するための基準値について説明する。先ず、BOTチームのレベルが「普通」の場合、状況選択のレベルには「通算選択割合」が設定される。すなわち、発生したイベントに応じて選択される状況対応の選択割合には、戦譜分析データ1386から得られる通算選択割合が設定される。これにより、模擬対象となるチームの平均的な強さと同等の強さのチームを再現することができる。
【0074】
また、BOTチームのレベルが「強い」の場合、状況対応のレベルには第1選択割合(例えば、対応戦術が2つの場合「0.75:0.25」)が設定される。すなわち、イベントに応じてとり得る対応戦術の選択肢が2つある場合、戦譜分析データ1386に基づき、勝率の高い対応戦術の選択割合を「0.75」に設定し、勝率の低い対応戦術の選択割合を「0.25」に設定する。これにより、勝率の高い対応戦術の選択割合を高く設定して、模擬対象となるプレーヤチームの平均的な強さよりやや強いBOTチームを再現することができる。また、BOTチームレベル管理データ144には、イベントに応じてとり得る対応戦術の選択肢が3つの場合やそれ以上の場合に応じて、それぞれ第1選択割合が設定されている。
【0075】
また、BOTチームのレベルが「とても強い」の場合、状況対応のレベルを設定するパラメータには第2選択割合(例えば、対応戦術が2つの場合「0.95:0.05」)が設定される。即ち、イベントに応じてとり得る対応戦術の選択肢が2つある場合、戦譜分析データ1386に基づき、勝率の高い対応戦術の選択割合を「0.95」に設定し、勝率の低い対応戦術の選択割合を「0.05」に設定する。これにより、勝率の高い対応戦術の選択割合を非常に高く設定することができ、模擬対象となるプレーヤチームの平均的な強さよりとても強いBOTチームを再現することができる。また、BOTチームレベル管理データ144には、イベントに応じてとり得る対応戦術の選択肢が3つの場合やそれ以上の場合に応じて、それぞれ第2選択割合が設定されている。
【0076】
このように、BOTチームのレベルに応じて設定するパラメータの基準値をBOTチームレベル管理データ144に記憶しておくことにより、戦譜分析データ1386と、BOTチームレベル管理データ144とに基づいて、BOTチームの強さを調整することができる。また、BOTチームレベル管理データ144の基準値を適宜変更することで、様々なレベルのBOTチームを再現することができる。
【0077】
BOT制御用データ146は、上述した戦譜分析データ1386と、BOTチームレベル管理データ144とに基づいて生成され、BOT対戦モード及びレベルに応じてBOTチームを制御するための制御用データを格納している。図11にBOTチーム制御用データ146のデータ構成例を示す。図11(a)は、図7に示す戦譜分析データ1386に基づいて生成され、BOT対戦モードが「特定チーム」であり、レベルが「普通」の場合のBOT制御用データのデータ構成例である。図11(a)に示すように、BOT制御用データ146−1には、基本配置146−1aと、状況対応146−1bとが記憶されている。
【0078】
具体的に、基本配置146−1aには、図7に示す戦譜分析データ1386の平均勝率「48%」に応じた勝率「45%」の基本配置「P003」が設定されている。なお、平均勝率に応じた勝率の基本配置が複数ある場合、戦譜分析データの頻度1386eに基づき、最も頻度の高い基本配置が選択されるものとする。
【0079】
状況対応146−1bには、図7に示す戦譜分析データ1386の対応状況1386fの通算選択割合1386iに基づいて選択割合が設定されている。つまり、戦譜分析データ1386の通算選択割合を選択割合として設定することにより、当該チームの状況対応の傾向を忠実に再現してBOTチームを制御するためのBOT制御用データとすることができる。
【0080】
図11(b)は、図7に示す戦譜分析データ1386に基づいて生成され、BOT対戦モードが「特定チーム」であり、レベルが「強い」場合のBOT制御用データのデータ構成例である。図11(b)に示すように、BOT制御用データ146−2には、基本配置146−2aと、状況対応146−2bとが記憶されている。
【0081】
具体的に、基本配置146−2aには、図7に示す戦譜分析データ1386の平均勝率「48%」から算出される第1勝率「48%×1.2=57.6%」に応じた勝率に対応する基本配置「P002」が設定されている。なお、第1勝率に応じた勝率の基本配置が複数ある場合、戦譜分析データの頻度1386eに基づき、最も頻度の高い基本配置が選択されるものとする。
【0082】
状況対応146−2bには、図7に示す戦譜分析データ1386の状況対応1386fの対応戦術1386h毎の勝率1386jに基づいて第1選択割合が設定されている。つまり、戦譜分析データ1386の対応戦術1386hの勝率1386jに基づいて、複数ある対応戦術1386hのうち勝率の高い順に第1選択割合を設定する。例えば、イベントAに対する対応戦術のうち「戦術A1」の勝率が「22%」、「戦術A2」の勝率が「26%」ある場合、勝率の高い「戦術A2」の選択割合を「0.75」に設定し、次に勝率の高い「戦術A1」の選択割合を「0.25」に設定する。これにより、当該チームの状況対応の傾向を再現しつつ、より強いBOTチームを制御するためのBOT制御用データとすることができる。
【0083】
プレーヤ管理データ148は、ゲームシステム1にログイン歴のあるプレーヤを管理するための情報を記憶している。図12にプレーヤ管理データ148のデータ構成例を示す。図12に示すように、プレーヤ管理データ148は、プレーヤ名148aに対応付けて、パスワード148bと、使用キャラクタ148cと、ログイン有無148dと、所属チーム148eと、を記憶している。
【0084】
パスワード148bは、ログイン処理の際に利用され、正規プレーヤ以外の不正なログインを防止するための情報である。使用キャラクタ148cは、各プレーヤがゲーム中で使用するキャラクタを特定するための情報である。ログイン有無148dは、プレーヤが現在ゲームシステム1にログインしているか否かを示す情報である。所属チーム148eは、プレーヤが所属しているチームを特定するための情報である。
【0085】
マッチング情報150は、現在行われているガンシューティングゲームの参加プレーヤに関する情報を複数記憶している。図13にマッチング情報150のデータ構成例を示す。図13に示すように、マッチング情報150は、互いの対戦相手となる2つのチームを特定するチーム名150aと、各チームの構成員となるプレーヤを特定するプレーヤ名150bと、当該プレーヤが操作するゲーム端末20の端末ID150cと、を記憶している。
【0086】
次に、ゲーム端末20の機能構成について説明する。図14は、本実施形態のゲーム端末20における内部構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、ゲーム端末20は、操作部210、処理部220、記憶部230、表示部240、音出力部250、通信部260等を備えて構成され、ガンシューティングゲームであるビデオゲームを実行してゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像を表示部240に表示させる。
【0087】
操作部210は、プレーヤによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部220に出力する。この機能は、例えばボタンや操作スティック、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等を備えた操作器によって実現される。
【0088】
処理部220は、ゲーム端末20全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。
【0089】
また、処理部220は、主にゲームに係る演算処理を行うゲーム演算部222と、ゲーム演算部222の処理によって求められた各種のデータに基づき、仮想カメラ等の所与の視点から見た仮想三次元空間(ゲーム空間)の画像の生成及びゲーム画面を表示させるための画像信号の生成を実行する画像生成部224と、効果音やBGM等のゲーム音の生成及びゲーム音を出力させるための音信号の生成を実行する音生成部226と、を含んでいる。
【0090】
ゲーム演算部222は、主な機能部として、ゲーム進行制御部2222と、戦譜データ生成部2224とを含む。ゲーム進行制御部2222は、ゲーム進行プログラム2322に従ってゲーム進行処理を実行し、ゲームシステム1全体に係るゲーム進行の制御を行う。また、ゲーム進行制御部2222は、クライアント用ゲームプログラム2324に従ってゲーム処理を実行し、プレーヤの指示操作に基づいて、キャラクタのゲーム空間中での移動の制御等を行う。戦譜データ生成部2224は、プレーヤ戦譜データ生成プログラム2326に従って、プレーヤ戦譜データ生成処理を実行し、ゲーム進行中におけるプレーヤのプレイ履歴をそれぞれ記録したプレーヤ戦譜データ242を生成する。
【0091】
画像生成部224は、例えばCPUやDSP等の演算装置やその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部224は、ゲーム演算部222による演算結果に基づき、幾何変換処理やシェーディング処理等を実行してゲーム画面を表示するためのゲーム画像(3DCG画像)を生成し、生成した画像の画像信号を表示部240に出力する。
【0092】
表示部240は、画像生成部224からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。
【0093】
音生成部226は、例えばCPUやDSP等の演算装置及びその制御プログラムによって実現され、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部250に出力する。
【0094】
音出力部250は、音生成部226からの音信号に基づいて、BGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。
【0095】
通信部260は、所定の通信回線(無線通信回線WやLAN等)に接続して外部装置(例えば、他のゲーム端末20、管理サーバ10及びゲームサーバ30)とのデータ通信を行う。この機能は、無線LAN等の無線通信モジュール、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路などによって実現される。
【0096】
記憶部230は、処理部220にゲーム端末20を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶する。また、処理部220の作業領域として用いられ、処理部220が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部210から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。
【0097】
また、記憶部230は、処理部220をゲーム演算部222として機能させるためのゲームプログラム232及びゲームデータ234〜244を記憶する。具体的には、ゲームプログラムとして、ゲーム進行処理プログラム2322、クライアント用ゲームプログラム2324、プレーヤ戦譜データ生成プログラム2326を記憶している。また、ゲームデータとして、ステージデータ234、キャラクタモデルデータ236、共有データ238、プレーヤ戦譜データ242、イベントテーブル244、を記憶している。
【0098】
ゲーム進行プログラム2322及びクライアント用ゲームプログラム2324は、ゲーム演算部222をゲーム進行制御部2222として機能させるためのプログラムである。プレーヤ戦譜データ生成プログラム2326は、ゲーム演算部222を戦譜データ生成部2224として機能させるためのプログラムである。
【0099】
ステージデータ234は、ガンシューティングゲームにおけるゲームステージを設定するためのデータを格納している。例えば、各ステージに設定されるマップの形状を記憶するマップデータ2342、ステージの背景画像やステージ上に配置されるオブジェクトを記憶するオブジェクトデータ2344等がこれに含まれる。
【0100】
キャラクタモデルデータ236は、ガンシューティングゲームにおいてプレーヤが使用することができるキャラクタの設定データを格納している。例えば、兵士キャラクタのモデリングデータやテクスチャデータ、基本パラメータ、各種動作等のモーションデータ等がこれに含まれる。
【0101】
共有データ238は、ガンシューティングゲームに共同参加している複数のプレーヤに共通するデータを格納している。主には、当該ガンシューティングゲームに参加するプレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタに関するプレーヤキャラクタ情報2382と、当該ガンシューティングゲームに参加しているプレーヤが所属するチーム編成を記憶するマッチング情報2384と、を記憶している。
【0102】
プレーヤキャラクタ情報2382は、各プレーヤが操作するプレーヤキャラクタの位置や向きといったパラメータを記憶する。図15にプレーヤキャラクタ情報2382のデータ構成例を示す。図15において、プレーヤキャラクタ情報2382には、同一チーム(味方チーム及び敵チーム)に所属する各プレーヤを特定するプレーヤ名2382aと、当該プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタの位置2382bと、向き2382cと、を記憶している。処理部220は、このプレーヤキャラクタ情報2382に基づいて、各プレーヤの操作するプレーヤキャラクタをゲーム空間内に配置してゲーム画面を生成する。このプレーヤキャラクタ情報2382は、ゲーム演算部222によって、ゲーム処理中、当該ゲームに参加している各ゲーム端末20又はゲームサーバ30とそれぞれ通信されて、毎フレーム時間ごとに更新される。
【0103】
マッチング情報2384は、現在プレーヤが参加しているガンシューティングゲームの参加プレーヤに関する情報を記憶している。マッチング情報2384のデータ構成例は、図13に示すマッチング情報150のデータ構成と同様であるが、マッチング情報150が複数チーム分のマッチング情報を記憶しているのに対し、マッチング情報2384は、当該プレーヤが所属しているプレーヤチームのマッチング情報のみを記憶している。
【0104】
プレーヤ戦譜データ242は、当該ゲーム端末20を操作するプレーヤのプレイ履歴を格納している。プレーヤ戦譜データ242のデータ構成は、図16に示すように、図5のプレーヤ戦譜データ1382と同様のデータ構成によってなるため、詳細な説明を省略する。
【0105】
イベントテーブル244は、ゲーム進行中に発生するイベントに関する情報を格納している。イベントテーブル244は、イベント番号に対応付けてイベント内容をそれぞれ記憶し、具体的には、図9に示すイベント対応戦術情報142のイベント番号142aと、イベント内容142bとから構成される。戦譜データ生成部2224は、このイベントテーブル244に基づき、ゲーム進行中に発生したイベントの種別を判定し、プレーヤ戦譜データ242に対応するイベント番号を記憶する。
【0106】
次に、ゲームサーバ30の機能構成について説明する。図17は、ゲームサーバ30の機能ブロックを示す図である。図17に示すように、ゲームサーバ30は、操作部310、処理部320、記憶部330、表示部340、通信部360等を備えて構成され、管理サーバ10により指定されたゲーム端末20との間でゲームデータを送受して、ゲーム端末20にBOTチームとの対戦ゲームを実行させる。なお、ゲームサーバ30のブロック構成は、上述した管理サーバ10と略同様の構成によってなるため、対応する構成部分については同列の符号を付して説明を省略し、以下ではゲームサーバ30に特徴的な部分につき詳述する。
【0107】
処理部320は、主な機能部として、ゲーム進行制御部322と、制御用データ更新部324と、戦譜データ生成部326とを含む。ゲーム進行制御部322は、ゲーム進行プログラム332に従ってゲーム進行処理を実行し、ゲームシステム1全体に係るゲーム進行処理の制御を行う。また、ゲーム進行制御部322は、サーバ用ゲームプログラム334に従ってBOT制御ゲーム処理を実行し、ゲーム端末20との間でBOTチームによる対戦ゲームを実行する。
【0108】
このBOT制御ゲーム処理において、ゲーム進行制御部322は、BOT制御用データ346により与えられるパラメータに基づき、所定の思考ルーチン(いわゆるAI(人工知能)に該当)によって、BOTキャラクタを制御する。これにより、あたかもキャラクタ自身が思考し行動しているかのように移動動作や戦闘動作をさせることができる。
【0109】
制御用データ更新部324は、BOT制御用データ更新プログラム336に従って、BOT制御用データ更新処理を実行し、BOT制御用データを更新する。戦譜データ生成部326は、BOTプレーヤ戦譜データ生成プログラム338に従って、BOTプレーヤ戦譜データ生成処理を実行し、ゲーム進行中におけるBOTプレーヤのプレイ履歴をそれぞれ記録したBOTプレーヤ戦譜データ350を生成する。
【0110】
また、記憶部330は、処理部320をゲーム進行制御部322、制御用データ更新部324、戦譜データ生成部326として機能させるためのプログラム及びデータを記憶する。具体的には、プログラムとしてゲーム進行プログラム332、サーバ用ゲームプログラム334、BOT制御用データ更新プログラム336、BOTプレーヤ戦譜データ生成プログラム338を記憶し、データとして供給データ342、戦譜DB344、BOT制御用データ346、基本配置情報348、BOTプレーヤ戦譜データ350を記憶している。
【0111】
ゲーム進行プログラム332及びサーバ用ゲームプログラム334は、処理部320をゲーム進行制御部322として機能させるためのプログラムである。BOT制御用データ更新プログラム336は、処理部320を制御用データ更新部324として機能させるためのプログラムである。BOTプレーヤ戦譜データ生成プログラム338は、処理部320を戦譜データ生成部326として機能させるためのプログラムである。
【0112】
共有データ342は、ガンシューティングゲームに共同参加している複数のプレーヤに共通するデータを格納している。主には、ガンシューティングゲームに参加するプレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタ及びゲームサーバ30が制御するBOTキャラクタに関する情報を記憶するプレーヤキャラクタ情報3422と、当該ガンシューティングゲームに参加しているプレーヤが所属するチーム編成とBOTチームのチーム編成を記憶するマッチング情報3424と、を記憶している。この共有データ342は、上述したゲーム端末20の共有データ238と同一のデータ構成によってなるため、図示及び詳細な説明を省略する。
【0113】
戦譜DB344は、チーム戦譜データ3442と、完敗戦譜データ3444と、完敗戦譜分析データ3446と、を含んでいる。チーム戦譜データ3442は、管理サーバ10から送信されたチーム戦譜データ1384を格納している。つまり、チーム戦譜データ3442は、管理サーバ10の備えるチーム戦譜データ1384と共通するデータであり、そのデータ構成は図6に示すものと同様である。
【0114】
完敗戦譜データ3444は、対戦モードが「弱点克服」でBOTチームのレベルが「とても強い」の場合に対戦中に生成されるデータであり、プレーヤチームが当該対戦中に組んだ基本配置と同じ基本配置を選択して、敗戦した場合における当該敗戦時の対戦相手(以下、「完敗対戦相手」と呼ぶ)のチーム戦譜データをゲーム毎に格納している。図18に完敗戦譜データ3444のデータ構成例を示す。図18に示すように完敗戦譜データ3444は、戦譜番号3444aと、相手チーム3444bと、基本配置3444cと、状況対応3444dと、を記憶している。
【0115】
戦譜番号3444aは、1ゲーム毎に割り振られる識別番号(例えば、「01」)であり、この戦譜番号3444aに基づき対戦相手同士のチーム戦譜データが対応付けられている。相手チーム3444bは、完敗対戦相手の対戦相手を特定するチーム名、即ち、BOTチームの対戦相手であるプレーヤチーム(例えば、「演歌〜ず」)を記憶している。
【0116】
基本配置3444cは、完敗対戦相手がゲーム進行中において選択した基本配置の種別を記憶している。状況対応3444dは、完敗対戦相手がゲーム進行中に発生したイベントに応じて選択した対応戦術のカウント値(回数)を対応戦術毎に記憶している。
【0117】
完敗戦譜分析データ3446は、完敗戦譜データ3444を分析することにより得られるデータであり、完敗戦譜データ3444に基づく対応戦術の分析結果を格納している。図19に完敗戦譜分析データ3446のデータ構成例を示す。図19に示すように、完敗戦譜分析データ3446は、状況対応の分析結果として、予め定められたイベント3446aと、イベントの発生に応じて選択され得る複数の対応戦術を示す対応戦術3446bと、イベントの発生に応じて各対応戦術が選択された割合を示す選択割合3446cと、を格納している。
【0118】
この完敗戦譜分析データ3446は、後述するBOT制御用データ更新処理の実行に利用されるデータであり、完敗戦譜分析データ3446に基づいてBOT制御用データのパラメータが更新される。つまり、BOTチームと対戦するプレーヤチームがゲーム進行中に組んだ基本配置と同じ基本配置を過去に組んで、敗戦した当該敗戦時の対戦相手のチーム戦譜データを分析し、この分析結果に基づいて、BOTチームを制御するためのBOT制御用データを更新する。これにより、プレーヤチームの弱点を攻めるようにBOTチームを制御することができる。
【0119】
BOT制御用データ346は、BOTチームを制御するための制御用データであり、管理サーバ10から送信されるBOT制御用データ146を格納している。このBOT制御用データ346は、BOT制御用データ更新処理に実行に従って更新可能に記憶されている。このBOT制御用データ346のデータ構成例は、図11のBOT制御用データ146のデータ構成例と略同様である。基本配置情報348は、上述した管理サーバ10の備える基本配置情報141と共通するデータであり、そのデータ構成は図8に示すものと同様である。
【0120】
BOTプレーヤ戦譜データ350は、ゲームサーバ30により制御されるBOTプレーヤのゲーム進行中におけるプレイ履歴をそれぞれ格納している。このBOTチーム戦譜データ350のデータ構成は、図5のプレーヤ戦譜データ1382と略同様の構成によってなる。
【0121】
4.処理の流れ
本実施形態における処理の流れについて説明する。図20〜図24は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0122】
先ず、ゲームシステム1の全体的な流れについて図20を参照して説明する。図20に示すように、ゲーム端末20は、ログイン認証を受けるために管理サーバ10にアクセスしてログイン要求を行う(ステップS2)。管理サーバ10は、ログイン要求が行われると、ログイン処理を実行する(ステップS22)。具定的には、ログイン要求に含まれるプレーヤ名及びパスワードと、プレーヤ管理データ148とに基づいて、正規のプレーヤであるかの認証を行う。
【0123】
続いて、ゲーム端末20は、プレーヤから対戦要求が入力されると(ステップS4)、プレーヤチームとの対戦要求又はBOTチームとの対戦要求であるかを判定する(ステップS6)。プレーヤチームとの対戦要求である場合(ステップS6;NO)、ゲーム端末20は、マッチング要求を管理サーバ10に送信する(ステップS8)。一方、BOTチームとの対戦要求である場合(ステップS6;YES)、プレーヤにモード及びレベルを選択させ、管理サーバ10にBOTチームとの対戦要求を送信する(ステップS10)。
【0124】
管理サーバ10は、ゲーム端末20から受信した要求がマッチング要求であるか、BOTチームとの対戦要求であるかを判定する(ステップS24)。ゲーム端末20からの要求がマッチング要求である場合(ステップS24;NO)、管理サーバ10は、マッチング処理を行って(ステップS30)、マッチング結果をゲーム端末20に送信する(ステップS32)。
【0125】
一方、ゲーム端末20からの要求がBOTチームとの対戦要求である場合(ステップS24;YES)、BOT制御用データ生成処理を実行して(ステップS26)、BOT制御用データを生成する。そして、生成したBOT制御用データをゲームサーバ30に送信する(ステップS28)。
【0126】
ゲームサーバ30は、管理サーバ10からBOT制御用データを受信すると(ステップS42;YES)、BOT対戦モードとBOTチームのレベルを判定する(ステップS44)。BOT対戦モード及びレベルが「弱点克服・とても強い」である場合(ステップS44;弱点克服・とても強い)、BOT制御用データ更新処理を開始する(ステップS46)。そして、ゲーム端末20との間でガンシューティングゲームを行うためプレーヤ戦譜データ生成処理とBOT制御ゲーム処理とを並行して実行する(ステップS48)。一方、BOT対戦モード及びレベルが弱点克服・とても強い以外である場合(ステップS44;その他)、ゲーム端末20との間でガンシューティングゲームを行うようためプレーヤ戦譜データ生成処理とBOT制御ゲーム処理とを並行して実行する(ステップS48)。
【0127】
一方、ゲーム端末20は、プレーヤチームと対戦を行う場合、マッチング結果に基づき他のゲーム端末20との間で共有データを共有し、ゲーム処理とプレーヤ戦譜データ生成処理とを並行して実行する(ステップS12)。また、ゲーム端末20は、BOTチームとの対戦を行う場合、ゲームサーバ30との間で共有データを共有し、ゲーム処理とプレーヤ戦譜データ生成処理とを並行して実行する(ステップS14)。
【0128】
ここで、ゲーム処理は、毎フレーム時間ごとに、ゲーム端末20同士又はゲーム端末20とゲームサーバ30との間でゲーム進行に係るゲームデータ(例えば、共有データ)を送受して、ガンシューティングゲームを実行する処理である。プレーヤ戦譜データ生成処理は、ゲーム処理と並行して実行される処理であり、所定時間毎に、各プレーヤの操作するキャラクタの位置情報と、被発生イベントと、自発イベントとをデータの取得時刻と共に記憶して、プレーヤ戦譜データ242を生成する処理である。
【0129】
そして、ゲーム端末20は、ゲーム処理及びプレーヤ戦譜データ生成処理を終了すると、生成したプレーヤ戦譜データ242を管理サーバ10に送信する(ステップS16)。一方、ゲームサーバ30もBOT制御ゲーム処理及びBOTプレーヤ戦譜データ生成処理を終了すると、生成したBOTプレーヤ戦譜データ350を管理サーバ10に送信する(ステップS50)。
【0130】
ゲーム端末20、ゲームサーバ30からプレーヤ戦譜データ、BOTプレーヤ戦譜データを受信した管理サーバ10は、チーム戦譜データ生成処理を実行して、プレーヤ戦譜データに基づきチーム戦譜データ1384を生成し(ステップS34)、生成したチーム戦譜データ1384をゲームサーバ30に送信する。ゲームサーバ30は、受信したチーム戦譜データをチーム戦譜データ3442に更新記憶する(ステップS52)。
【0131】
そして、ゲーム端末10は、プレーヤからログアウト要求が入力されると(ステップS18;YES)、管理サーバ10にログアウト要求を行って、ログアウト処理を実行する。管理サーバ10は、ゲーム端末10からログアウト要求がなされると(ステップS36;YES)、ログアウト処理を実行する(ステップS38)。また、プレーヤからログアウト要求が入力されない場合(ステップS18;NO)、ゲーム端末10は、ステップS4に移行し、管理サーバ10はステップS24に移行して、それぞれ上述した処理を繰り返して実行する。
【0132】
次に、BOT制御用データ生成処理について説明する。図21は、管理サーバ10が実行するBOT制御用データ生成処理を示すフローチャートである。この処理は、制御用データ生成部124が、BOT制御用データ生成プログラム134を実行することにより実現される処理である。
【0133】
図21において、制御用データ生成部124は、ゲーム端末20から受信した対戦要求に基づき、BOT対戦モードを判定する(ステップS62)。BOT対戦モードが「弱点克服」である場合、チーム戦譜データ1384から自プレーヤチームのチーム戦譜データを取得する(ステップS64)。続いて、取得した自プレーヤチームのチーム戦譜データに基づき、対戦相手チームのチーム戦譜データをゲーム毎に取得して対戦相手チーム戦譜データ1385を生成する(ステップS66)。一方、BOT対戦モードが「特定チーム」である場合、チーム戦譜データ1384からプレーヤにより指定された特定チームのチーム戦譜データを取得する(ステップS68)。
【0134】
そして、対戦相手チーム又は特定チームのチーム戦譜データに基づき戦譜分析データ1386を生成する。具体的には、チーム戦譜データから当該チームの平均勝率を算出し(ステップS70)、基本配置毎の勝率を算出し(ステップS72)、イベント毎に対応戦術の標準選択割合を算出し(ステップS74)、各イベントに応じた対応戦術毎の勝率を算出する(ステップS76)。そして、算出した平均勝率と、基本配置毎の勝率と、対応戦術の標準選択割合と、対応戦術毎の勝率と、を戦譜分析データ1386に記憶する。
【0135】
次に、制御用データ生成部124は、プレーヤにより指定されたBOTチームのレベルを判定し(ステップS80)、レベルに応じてBOTチームの基本配置と、対応戦術の選択割合とを設定する。具体的に、レベルが「普通」である場合(ステップS80;普通)、BOTチームレベル管理データ144と、戦譜分析データ1386とに基づき、当該チームの平均勝率に応じた勝率の基本配置のうち頻度の高い基本配置を選択する(ステップS82)。また、BOTチームレベル管理データ144と、戦譜分析データ1386とに基づき、対応戦術の選択割合を通算選択割合に設定する(ステップS84)。
【0136】
レベルが「強い」の場合(ステップS80;強い)、BOTチームレベル管理データ144の第1勝率に応じた勝率の基本配置のうち頻度が高い基本配置を選択する(ステップS86)。また、戦譜分析データ1386の各イベント1386gの各対応戦術について勝率の良い順に、第1選択割合を対応戦術の選択割合として設定する(ステップS88)。
【0137】
レベルが「とても強い」の場合(ステップS80;とても強い)、BOTチームレベル管理データ144の第2勝率に応じた勝率の基本配置のうち頻度が高い基本配置を選択する(ステップS90)。また、戦譜分析データ1386術毎の勝率の良い順に、第2選択割合を対応戦術の選択割合として設定する(ステップS92)。
【0138】
そして、基本配置及び対応戦術毎の選択割合の設定内容を記憶部130のBOT制御用データ146に記憶し(ステップS94)、本BOT制御用データ生成処理を終了する。
【0139】
次に、チーム戦譜データ生成処理について説明する。図22は、管理サーバ10が実行するチーム戦譜データ生成処理を示すフローチャートである。この処理は、戦譜データ生成部126が、チーム戦譜データ生成プログラム136を実行することにより実現される処理である。処理中のループAは、チーム毎に繰り返される処理であり、ループBは、ループAの処理対象のチームに所属するプレーヤ毎に繰り返される処理である。
【0140】
図22において、戦譜データ生成部126はループAを開始して、データ生成対象となるチームに所属する各プレーヤのプレーヤ戦譜データ1382を取得する(ステップS102)。プレーヤ戦譜データ1382に基づき、対戦した相手チーム、勝敗結果をチーム戦譜データ1384に記憶する(ステップS104)。そして、所定時間後(例えば、20秒後)の各キャラクタの位置情報と、基本配置情報141とに基づき当該チームの基本配置を特定して、チーム戦譜データ1384に記憶する(ステップS106)。
【0141】
次に、戦譜データ生成部126はループBを開始して、当該チームに所属するプレーヤ毎に、プレーヤが行った対応戦術の回数をイベント毎に記憶する(ステップS108)。
具体的には、イベント対応戦術情報142に記憶された判定条件と、プレーヤ戦譜データとに基づいて、イベントの発生に応じて選択された対応戦術の種別を判定して、対応する対応戦術の回数をカウント値として記憶する。
【0142】
次に、BOT制御用データ更新処理について説明する。図23は、ゲームサーバ30が実行するBOT制御用データ更新処理を示すフローチャートである。この処理は、制御用データ更新部324が、BOT制御用データ更新プログラム336を実行することにより実現される処理であり、BOT制御ゲーム処理と並行して行われる処理である。
【0143】
図23において、制御用データ更新部324は、BOT制御ゲーム処理の実行に伴い、プレーヤチームが基本配置を構成したか否かを判定し(ステップS112)、基本配置を構成した場合(ステップS112;YES)、プレーヤチームの基本配置を取得する(ステップS114)。具体的には、共有データ342からプレーヤチームの各キャラクタの位置情報を取得して、基本配置情報348に基づいて、プレーヤチームの基本配置を特定する。
【0144】
次いで、戦譜DB344からプレーヤチームのチーム戦譜データ3442を取得して(ステップS116)、ステップS114で取得した基本配置と同一の基本配置を選択した対戦において敗戦したときの対戦相手の当該対戦時のチーム戦譜データを取得して、完敗戦譜データ3444を生成する(ステップS118)。そして、完敗戦譜データ3444に基づきイベント毎の対応戦術の選択割合を算出して、完敗戦譜分析データ3446を生成する(ステップS120)。そして、BOT制御用データ346に設定されている選択割合を、第2選択割合から算出した選択割合に更新する(ステップS122)。
【0145】
次に、BOT制御ゲーム処理について説明する。図24は、ゲームサーバ30が実行するBOT制御ゲーム処理を示すフローチャートである。この処理は、ゲーム進行制御部322が、サーバ用ゲームプログラム334を実行することにより実現される処理である。処理中のループは、対戦が終了するまで所定時間毎(例えば、1/60秒毎)に繰り返し実行される処理である。
【0146】
図24において、ゲーム進行制御部322は、BOT制御用データ346に設定されている基本配置に従って各BOTキャラクタの位置制御を開始する(ステップS132)。また、各BOTキャラクタの移動動作や戦闘動作といった基本的な動きを制御するためのAI(人工知能)による制御を開始する(ステップS134)。
【0147】
続いて、ゲーム進行制御部322は、ループ処理を開始して、イベントが発生したか否かを判定する(ステップS136)。イベントが発生した場合(ステップS136;YES)、発生したイベントに対応する対応戦術を、BOT制御用データ346に設定されている選択割合に基づき選択し、選択した対応戦術を実行する(ステップS140)。
【0148】
5.ハードウェア構成
次に、本実施の形態における管理サーバ10、ゲーム端末20及びゲームサーバ30を実現するためのハードウェア構成の一例について図25を参照して説明する。図25に示す電子機器100は、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、VRAM1012、I/Oポート1014、1016を備え、各部がシステムバス1018により相互にデータ入出力可能に接続されている。I/Oポート1014には入力装置1024が、I/Oポート1016には通信装置1026が、それぞれ接続されている。
【0149】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、入力装置1024によって入力される信号等に従って、機器全体の制御や各種データ処理を行う。このCPU1000は、図4に示す処理部120、図14に示す処理部220、及び図17に示す処理部320に相当する。
【0150】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶部であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。このRAM1004は、図4に示す記憶部130、図14に示す記憶部230、及び図17に示す記憶部330の一部を構成するものである。
【0151】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものである。この情報記憶媒体1006は、図4に示す記憶部130、図14に示す記憶部230、及び図17に示す記憶部330の一部を構成するものである。本実施の形態を実現するものがコンピュータシステムである場合には、情報記憶媒体1006は、ゲーム進行プログラム132などを格納する情報記憶媒体としてのCD−ROM、DVD或いはハードディスク等が用いられる。
【0152】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0153】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は表示装置1022に出力される。表示装置1022は、CRT、LCD、ELD、PDP、HMD等により実現され、図4に示す表示部140、図14に示す表示部240、及び図17に示す表示部340に相当する。
【0154】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図14に示す音出力部250に相当する。
【0155】
VRAM1012は、表示装置1022に表示される画像データを一時的に格納する記憶装置であり、図14に示す記憶部230の一部を構成するものである。このVRAM1012は、画像生成IC1010によって生成される、1フレーム分の画像データを格納するためのフレームバッファを備える。
【0156】
入力装置1024は、各種操作を入力するための装置であり、その機能は、キーボード、マウス、タッチパネル等のハードウェアにより実現される。この入力装置1024は、図4に示す操作部110、図14に示す操作部210、及び図17に示す操作部310に相当する。
【0157】
通信装置1026は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、他の装置と通信回線を介して接続されてプログラムに応じた所与の情報を送受すること等に利用される。この通信装置1026は、図4に示す通信部160、図14に示す通信部260、及び図17に示す通信部360に相当する。
【0158】
6.作用・効果
以上のように、本実施形態のゲームシステム1によれば、コンピュータにより制御されるBOTチームとプレーヤチームとが対戦するコンピュータ対戦ゲームにおいて、BOTチームを制御するためのBOT制御用データを、所与のプレーヤチームの過去のプレイ履歴に基づいて生成することにより、当該プレーヤチームの傾向を再現したBOTチームとの対戦を実現することができる。
【0159】
具体的には、プレーヤチームに所属する各プレーヤのプレイ履歴をプレーヤ戦譜データとして取得し、各プレーヤ戦譜データに基づいて、プレーヤチームとしてのプレイ履歴を記録するチーム戦譜データを生成する。このチーム戦譜データに基づきプレーヤチームの傾向を分析して戦譜分析データを生成し、この戦譜分析データに従って、プレーヤチームの傾向を再現するためのBOT制御用データを生成する。そして、生成されたBOT制御用データに従ってBOTチームを制御して、所与のプレーヤチームの傾向を再現したコンピュータ対戦ゲームを行う。これにより、プレーヤは、あたかも対戦相手が実在のプレーヤチームであるかのようにゲームを楽しむことができる。
【0160】
また、プレーヤチームに所属する全プレーヤのプレーヤ戦譜データを生成し、このプレーヤ戦譜データに基づき、チーム戦譜データ、分析戦譜データ、BOT制御用データを生成するため、各プレーヤのプレイ履歴を端的にBOT制御用データに反映させることができる。これにより、従来のコンピュータによる画一的な制御にはない、リアリティのある対戦ゲームを行うことができる。また、各プレーヤチーム毎にチーム戦譜データを生成することにより、各プレーヤチームそれぞれの特性を再現したBOTチームとの対戦が可能となる。これにより、プレーヤは、種々のプレーヤチームの傾向を再現したBOTチームと対戦を行うことができ、コンピュータ対戦を何度行ってもBOTチームの戦術は推測困難であり、BOTチームとの対戦に新鮮さを失うといったことがない。
【0161】
また、BOT対戦モードとして、特定のプレーヤチームの傾向をBOTチームにより再現する「特定チーム」モードと、自プレーヤチームが過去に対戦した対戦相手の傾向をBOTチームにより再現する「弱点克服」モードとを有し、プレーヤの対戦要求に応じて各モードに対応したBOT制御用データを生成し、BOTチームを制御することができる。これにより、プレーヤチームは、目的に応じて様々な傾向を有するBOTチームと対戦することができる。
【0162】
例えば、特定チームモードで対戦を行う場合、プレーヤチームは、他のプレーヤチームの傾向を十分に研究して、強いプレーヤチームの戦術を参考にしたり、逆に弱いプレーヤチームの欠点から自プレーヤチームの欠点を見直すといったことにBOTチームを活用することができる。また、弱点克服モードで対戦を行う場合、プレーヤチームは、過去の対戦相手の戦術を研究したり、敗戦した原因などを追求することができる。つまり、BOTチームとの対戦を他のプレーヤチームの代わりではなく、弱点克服といった目的に応じて利用することができる。
【0163】
さらに、プレーヤにより選択されたBOTチームのレベルに応じてBOT制御用データを生成してBOTチームを制御することができるため、プレーヤチームの強さに応じて、好適なレベルのBOTチームと対戦を行うことができる。
【0164】
また、弱点克服モード且つとても強いレベルが選択された場合、ゲームサーバ30は、BOT制御ゲーム処理を実行しながら、プレーヤチームの選択した基本配置に応じてBOT制御用データを更新して、BOTチームを制御する。これにより、プレーヤチームのゲーム展開に応じてBOTチームを制御することができる。
【0165】
また、BOT制御用データの更新に際しては、プレーヤチームが過去に対戦して敗戦した対戦相手の当該対戦時のチーム戦譜データに基づいて生成される。つまり、プレーヤチームが完敗した対戦相手の傾向を再現したBOTチームとなるため、レベルが高く且つプレーヤチームの弱点に精通したBOTチームとの対戦を実現することができる。
【0166】
7.変形例
本発明についての好適な実施形態の一例について説明したが、本発明は、上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。
【0167】
7−1.管理サーバの構成
本実施形態においては、管理サーバ10と、ゲームサーバ30とを備える構成について説明を行ったが、複数のサーバが物理的に結合した全体として1台のサーバ装置40となっている構成としてもよい。
【0168】
この場合、図26に示すように、サーバ装置40は、処理部420にゲーム進行制御部422、制御用データ生成部424、制御用データ更新部426、戦譜データ生成部428を有している。記憶部430には、ゲームプログラムとして、ゲーム進行プログラム432、BOT制御用データ生成プログラム434、チーム戦譜データ生成プログラム436、サーバ用ゲームプログラム438、BOT制御用データ更新プログラム442、BOTプレーヤ戦譜データ生成プログラム444、を記憶している。また、データとして、戦譜DB(Date Base)446、共有データ448、基本配置情報450、イベント対応戦術情報452、BOTチームレベル管理データ454、BOT制御用データ456、プレーヤ管理データ458、BOTプレーヤ戦譜データ462を記憶している。
【0169】
そして、サーバ装置40はゲーム進行プログラム432を適宜実行することによって、プレーヤ登録、ログイン認証、対戦要求受け付け、マッチング処理などの機能を実現すると共に、BOT対戦モード及びレベルに応じたBOT制御用データを生成して、このBOT制御用データに基づきBOTチームを制御してゲーム端末20との間でゲーム処理を行う。
【0170】
また、上記した実施形態では、ゲーム端末20を各店舗に、管理サーバ10及びゲームサーバ30をゲーム提供業者側に設置する場合について説明したが、ゲーム端末20と、管理サーバ10と、ゲームサーバ30とが、同一の店舗内に設置されるものとしても勿論構わない。この場合には、ゲームシステムを実現する装置構成を、複数のゲーム装置が物理的に結合した、全体として1台の装置となっている構成としてもよい。
【0171】
これにより、多様なシステム構築が可能となり、業務体系に応じた汎用性の高いゲームシステム1を提供することができる。
【0172】
7−2.BOT対戦モード
本実施形態においては、BOT対戦モードとして、特定のプレーヤチームの傾向をBOTチームにより再現する「特定チーム」モードと、自プレーヤチームが敗戦した対戦相手のプレーヤチームの傾向をBOTチームにより再現する「弱点克服」モードとを有する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、特定のプレーヤチームの1ゲームの傾向をBOTチームにより再現する構成であっても良い。この場合、1ゲーム分のチーム戦譜データから分析戦譜データを生成し、この分析戦譜データに基づきBOT制御用データを生成することで実現する。これにより、自プレーヤチームの敗因をゲーム毎に詳細に分析することができ、弱点克服等に努めることができる。
【0173】
また、BOT対戦モードとして、自プレーヤチームのチーム戦譜データに基づいてBOT制御用データを生成することにより、自プレーヤチームの傾向を再現するモードを有しても良い。この構成によれば、プレーヤチームは、BOTチームにより再現される自プレーヤチームの傾向を客観的に把握することができ、自プレーヤチームの長所・短所を学習することができる。
【0174】
7−3.BOT制御用データの更新
本実施形態においては、BOT制御用データの更新をプレーヤチームの選択した基本配置に従って更新する構成について説明を行ったが、これに限定されない。例えば、プレーヤチームがゲーム進行中に選択した対応戦術の選択割合に応じて、BOT制御用データを更新する構成であっても良い。具体的には、イベントが発生する毎に選択した対応戦術の回数をカウントし、当該ゲーム中における対応戦術の選択割合と、プレーヤチームが過去に同様の選択割合により対戦して敗戦した対戦相手の当該対戦時のチーム戦譜データに基づき、BOT制御用データを逐次更新する構成であっても良い。
【0175】
この構成によれば、プレーヤチームが選択した対応戦術に応じて、BOTチームの制御用データを更新することができ、プレーヤチームのゲーム展開に合わせてBOTチームを制御することができる。これにより、コンピュータ対戦ゲームにおいて、より現実感、緊張感のあるゲームを実現することができる。
【0176】
7−4.チーム戦譜データ
本実施形態において、チーム戦譜データは、プレーヤチームが過去に対戦した全ゲームを通じた基本配置や対応戦術の選択割合を記憶しているが、この構成に限定されない。上述したように本実施形態におけるガンシューティングゲームは、攻撃側と防御側との2つのチームに分かれて対戦するゲームである。従って、チーム戦譜データを攻撃側/防御側に分けて生成し、攻撃側/防御側に応じてBOT制御用データを生成することにより、攻守を区別してBOTチームを制御することができる。これにより、BOTチームは、攻撃又は防御に最適な基本配置及び対応戦術を選択することができ、より現実感のあるゲームを実現することができる。
【0177】
7−5.イベント,対応戦術
本実施形態に示したイベント及び対応戦術は一例であり、上述した例に限定されない。例えば、予め設定されるイベントとしては、味方の人数減少の他、敵の人数減少、ダメージを与える、ダメージを受ける、爆弾の設置、爆弾の解除、爆弾を落とす、爆弾を拾うなどの種々のイベントが設定される。また、対応戦術についても、各イベントに応じて種々の対応戦術をとり得ることは勿論である。
【0178】
7−6.ゲーム端末
また、上述した実施形態では、ゲームセンターやアミューズメント施設等に設置される業務用のゲーム端末を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な装置は、これに限られず、家庭用ゲーム装置の他、携帯型のゲーム装置、PDA等の装置であってもよいことは勿論である。
【0179】
7−7.他のゲームへの適用
上述した実施形態では、本発明をガンシューティングゲームに適用した場合について説明したが、適用可能なゲームはこれに限られない。例えば、各キャラクタを別々のプレーヤが操作してチームとして戦うゲームなどに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】アミューズメント施設の店舗内の一例を示す図。
【図2】本実施形態のゲームシステムの概略構成を示す図。
【図3】本実施形態のゲーム概要を説明する図
【図4】管理サーバ10の機能ブロック図。
【図5】プレーヤ戦譜データのデータ構成例を示す図。
【図6】チーム戦譜データのデータ構成例を示す図。
【図7】戦譜分析データのデータ構成例を示す図。
【図8】基本配置情報のデータ構成例を示す図。
【図9】イベント対応戦術情報のデータ構成例を示す図。
【図10】BOTチームレベル管理のデータ構成例を示す図。
【図11】BOT制御用データのデータ構成例を示す図。
【図12】プレーヤ管理データのデータ構成例を示す図。
【図13】マッチング情報のデータ構成例を示す図。
【図14】ゲーム端末20の機能ブロック図。
【図15】プレーヤキャラクタ情報のデータ構成例を示す図。
【図16】プレーヤ戦譜データのデータ構成例を示す図。
【図17】管理サーバの機能ブロック図。
【図18】完敗戦譜データのデータ構成例を示す図。
【図19】完敗戦譜分析データのデータ構成例を示す図。
【図20】ゲームシステムの処理の流れを説明する図。
【図21】管理サーバが実行するBOT制御用データ生成処理のフローチャート。
【図22】管理サーバが実行するチーム戦譜データ生成処理のフローチャート。
【図23】ゲームサーバが実行するBOT制御用データ更新処理のフローチャート。
【図24】ゲームサーバが実行するBOT制御ゲーム処理のフローチャート。
【図25】ハードウェア構成の一例を示す図。
【図26】変形例における管理サーバの機能ブロック図。
【符号の説明】
【0181】
10 管理サーバ
110 操作部
120 処理部
122 ゲーム進行制御部
124 制御用データ生成部
126 戦譜データ生成部
130 記憶部
132 ゲーム進行プログラム
134 BOT制御用データ生成プログラム
136 チーム戦譜データ生成プログラム
138 戦譜DB
1382 プレーヤ線譜データ
1384 チーム戦譜データ
1385 対戦相手チーム戦譜データ
1386 戦譜分析データ
141 基本配置情報
142 イベント対応戦術情報
144 BOTチームレベル管理データ
146 BOT制御用データ
148 プレーヤ管理データ
150 マッチング情報
140 表示部
160 通信部
20 ゲーム端末
210 操作部
220 処理部
222 ゲーム演算部
2222 ゲーム進行制御部
2224 戦譜データ生成部
224 画像生成部
226 音生成部
230 記憶部
232 ゲームプログラム
2322 ゲーム進行プログラム
2324 クライアント用ゲームプログラム
2326 プレーヤ戦譜データ生成プログラム
234 ステージデータ
2342 マップデータ
2344 オブジェクトデータ
236 キャラクタモデルデータ
238 共有データ
2382 プレーヤキャラクタ情報
2384 マッチング情報
242 プレーヤ戦譜データ
244 イベントテーブル
240 表示部
250 音出力部
260 通信部
30 ゲームサーバ
310 操作部
320 処理部
322 ゲーム進行制御部
324 制御用データ更新部
326 戦譜データ生成部
330 記憶部
332 ゲーム進行プログラム
334 サーバ用ゲームプログラム
336 BOT制御用データ更新プログラム
338 BOTプレーヤ戦譜データ生成プログラム
342 共有データ
3422 プレーヤキャラクタ情報
3424 マッチング情報
344 戦譜DB
3442 チーム線譜データ
3444 完敗戦譜データ
3444 完敗戦譜分析データ
346 BOT制御用データ
348 基本配置情報
350 BOTプレーヤ戦譜データ
148 プレーヤ管理データ
140 表示部
160 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、コンピュータ制御によるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記チーム対戦ゲーム及び/又は前記COM対戦ゲームのゲーム進行中の各プレーヤそれぞれのプレイ履歴を記録するプレイ履歴記録手段と、
前記記録された各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段と、
COMチームとして模擬するプレーヤチームを選択するCOMチーム選択手段と、
前記COMチーム選択手段により選択されたプレーヤチームの前記方策履歴記憶手段に記憶された方策履歴データに基づき、当該チームの方策傾向を分析する傾向分析手段と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段と、
を備えたゲームシステム。
【請求項2】
前記プレイ履歴記録手段は、プレーヤキャラクタの位置履歴を少なくとも含むプレイ履歴を記録し、
前記方策履歴生成手段は、プレーヤキャラクタそれぞれのプレイ履歴に含まれる位置履歴から当該プレーヤキャラクタ間の位置関係を判定することで当該チームが組んだ隊形を判定する隊形判定手段を有し、この隊形判定手段により判定された隊形の履歴である隊形履歴を少なくとも含む方策履歴データを生成し、
前記傾向分析手段は、方策履歴データに含まれる隊形履歴に基づき選択されたプレーヤチームが組む隊形の傾向を分析する隊形傾向分析手段を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、前記隊形傾向分析手段の分析結果に従って隊形を選択する隊形選択手段と、この隊形選択手段により選択された隊形を組むように各COMキャラクタを制御する隊形制御手段とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記プレイ履歴記録手段は、ゲーム進行中に発生し得るイベントとして予め定められたイベントが発生した場合に当該イベントの発生時期をプレイ履歴に含めて記録するイベント発生記録手段を有し、
前記方策履歴生成手段は、前記イベント発生記録手段により記録されたイベント発生時期後の各プレーヤのプレイ履歴に基づいて当該イベントに対するチームとして実施した方策をイベント対応方策として判定するイベント対応方策判定手段を有し、このイベント対応方策判定手段により判定されたイベント対応方策を含めて方策履歴データを生成し、
前記傾向分析手段は、方策履歴データに含まれるイベント対応方策に基づき前記イベントに対して前記選択されたプレーヤチームが実施するイベント対応方策の傾向を分析するイベント対応方策分析手段を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、ゲーム進行中に前記イベントが発生した場合、前記イベント対応方策分析手段の分析結果に従って、当該イベントに対応する方策を選択する対応方策選択手段と、この対応方策選択手段により選択された方策を実施するように各COMキャラクタを制御する対応方策実施制御手段とを有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記方策履歴記憶手段は、対戦結果と対応づけて前記方策履歴データを記憶し、
前記傾向分析手段は、前記COMチーム選択手段により選択されたプレーヤチームの方策履歴データ及びその対戦結果に基づき、当該プレーヤチームが実施した方策に対する対戦勝率を算出する実施方策勝率算出手段を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、前記実施方策勝率算出手段により算出された対戦勝率に基づいて方策を選択する勝率基準方策選択手段を有する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、コンピュータ制御によるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記チーム対戦ゲーム及び/又は前記COM対戦ゲームのゲーム進行中の各プレーヤそれぞれのプレイ履歴を記録するプレイ履歴記録手段と、
前記記録された各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別及び対戦別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段と、
前記COM対戦ゲームを行う際に自プレーヤチームを選択する自チーム選択手段と、
前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データを前記方策履歴記憶手段から読み出して、相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析する傾向分析手段と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段と、
を備えたゲームシステム。
【請求項6】
前記方策履歴記憶手段は、対戦結果と対応づけて前記方策履歴データを記憶し、
前記傾向分析手段は、前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データ及びその対戦結果に基づき、当該相手プレーヤチームが実施した方策に対する対戦勝率を算出する実施方策勝率算出手段を有し、
前記COM対戦実行制御手段は、前記実施方策勝率算出手段により算出された対戦勝率に基づいて方策を選択する勝率基準方策選択手段を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記方策履歴記憶手段は、対戦結果と対応づけて前記方策履歴データを記憶し、
前記傾向分析手段は、前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦して敗戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データに基づき、当該敗戦した際の相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析する敗戦時傾向分析手段を有する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記COM対戦ゲームの実行中に、自プレーヤチームが実施した方策を判定する自チーム方策判定手段を更に備え、
前記敗戦時傾向分析手段は、自プレーヤチームが前記自チーム方策判定手段により判定された方策を過去に実施して敗戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データに基づき、当該敗戦した際の相手プレーヤが実施した方策の傾向を分析する自チーム方策対応傾向分析手段を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
各プレーヤが操作入力するためのゲーム端末及びサーバが通信可能に接続され、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、前記サーバによって制御されるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステムのサーバであって、
前記ゲーム端末から送信される各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段と、
COMチームとして模擬するプレーヤチームを選択するCOMチーム選択手段と、
前記COMチーム選択手段により選択されたプレーヤチームの前記方策履歴記憶手段に記憶された方策履歴データに基づき、当該チームの方策傾向を分析する傾向分析手段と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段と、
を備えたサーバ。
【請求項10】
各プレーヤが操作入力するためのゲーム端末及びサーバが通信可能に接続され、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチーム同士の対戦であるチーム対戦ゲーム、及び、各プレーヤそれぞれが操作するプレーヤキャラクタでなるプレーヤチームと、前記サーバによって制御されるCOMキャラクタでなるCOMチームとの対戦であるCOM対戦ゲームを実行するゲームシステムのサーバであって、
前記ゲーム端末から送信される各プレーヤのプレイ履歴に基づいて、当該対戦においてチームとして実施した方策を判定して方策履歴データを生成する方策履歴生成手段と、
前記方策履歴生成手段により生成された方策履歴データをプレーヤチーム別及び対戦別に読出可能に記憶する方策履歴記憶手段と、
前記COM対戦ゲームを行う際に自プレーヤチームを選択する自チーム選択手段と、
前記自チーム選択手段により選択された自プレーヤチームが過去に対戦した相手プレーヤチームの当該対戦時の方策履歴データを前記方策履歴記憶手段から読み出して、相手プレーヤチームが実施した方策の傾向を分析する傾向分析手段と、
前記傾向分析手段により分析された方策傾向に従って方策を選択し、選択した方策に従って前記COMチームを構成する各COMキャラクタを制御して前記COM対戦ゲームを実行するCOM対戦実行制御手段と、
を備えたサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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