説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をリアルに体感することができるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、ゲームキャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データP(n)が、制御部1に認識される。そして、ゲームキャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データN(n),A(n)が、制御部1に認識される。そして、第1特性データP(n)および第2特性データN(n),A(n)の少なくともいずれか一方のデータに基づいて、キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データK(n)を算出する処理が、制御部1により実行される。そして、要求度データK(n)に基づいて、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す調子データC(n)を算出する処理が、制御部1により実行される。そして、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す画像70が、モニタに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、キャラクタの状態をモニタに表示するゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムにより実現されるゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムにより実現されるゲームをコンピュータにより制御するゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なゲームが提案されている。これらゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。このようなゲーム装置においては、モニタにキャラクタを表示したり、キャラクタの状態をモニタに表示したりすることができるようになっている。
【0003】
このようなゲーム装置において、野球ゲームが実行される場合を考える(非特許文献1を参照)。この野球ゲームには、各種のモードが用意されている。たとえば、この野球ゲームでは、ペナントレースを戦うペナントモードや1試合の対戦を楽しむ対戦モード等が、用意されている。
【0004】
たとえば、ペナントモードでは、プレイヤが監督の立場になってペナントレースを戦うゲームを楽しむことができるようになっている。このペナントモードは、監督(プレイヤ)が、ペナントレース中の選手キャラクタの調子等を考慮して選手キャラクタの起用等を考えることにより、ペナントレースを戦い抜くための戦略を立てることができる。つまり、監督が選手キャラクタの起用等を考えるときには、監督はペナントレース中の選手キャラクタの調子等を考慮することになる。
【非特許文献1】プロ野球スピリッツ3 コナミ株式会社 2006年 PlayStation2版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の野球ゲームでは、ペナントモードにおいて、プレイヤ(監督)は、ペナントレースを戦い抜くための戦略を立てる上でペナントレース中の選手キャラクタの調子を考慮する必要があるため、ペナントレースを勝ち抜くためには、プレイヤが選手キャラクタの調子を常に把握しておくことが重要となる。従来の野球ゲームでは、選手キャラクタの調子は、主に選手キャラクタの能力に依存して変化するようになっていた。この理由は、選手キャラクタの能力が高ければ高いほど、試合イベントで選手キャラクタが活躍する可能性が高くなり、選手キャラクタの調子も同時に高くなる可能性が高くなると考えることができるからである。
【0006】
一方で、現実世界の野球では、選手の調子には、選手の能力だけでなく、プライドのような選手が持つ主観的な特性や、ストレスや油断のような選手の心理状態等も、影響を与えているものと考えられる。たとえば、選手のプライドが低ければ選手の試合の起用に対する要求が小さいはずなので、選手の試合への起用法が、選手の調子に与える影響が小さくなると考えられる。逆に、選手のプライドが高ければ選手の試合の起用に対する要求が大きいはずなので、選手の試合への起用法が、選手の調子に与える影響が大きくなると考えられる。また、選手の心理状態が良ければ良いほど、選手が試合で活躍する可能性が高くなり、選手の調子も高くなる可能性が高くなると考えられる。
【0007】
しかしながら、ゲームにおいて主観的な特性やキャラクタの心理状態を評価してキャラクタの調子に反映することは困難であるので、従来の野球ゲームでは、選手キャラクタの調子は、上記のように主に選手キャラクタの能力に依存して変化するようになっていた。このため、従来の野球ゲームにおいてプレイヤが現実世界の野球を想定しながら遊技をしていると、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様に、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化を体感することが難しかった。
【0008】
本発明の目的は、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をリアルに体感することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、キャラクタの状態をモニタに表示可能なゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるプログラムである。
(1)ゲームにおいてキャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部に認識させる第1特性データ認識機能。
(2)ゲームにおいてキャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部に認識させる第2特性データ認識機能。
(3)第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理を制御部に実行させる要求度データ算出機能。
(4)キャラクタの主観的な要求の対象を示す要求対象データを設定する処理を制御部に実行させる要求対象データ設定機能。
(5)要求度データと要求対象データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部に実行させる調子データ算出機能。
(6)ゲームにおけるキャラクタの状態を示す画像を、記憶部に格納された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示する調子画像表示機能。
【0010】
このゲームプログラムでは、第1特性データ認識機能において、ゲームにおいてキャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データが、制御部に認識される。第2特性データ認識機能においては、ゲームにおいてキャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データが、制御部に認識される。要求度データ算出機能においては、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理が、制御部により実行される。要求対象データ設定機能においては、キャラクタの主観的な要求の対象を示す要求対象データを設定する処理が、制御部により実行される。調子データ算出機能においては、要求度データと要求対象データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す調子データを算出する処理が、制御部により実行される。調子画像表示機能においては、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す画像が、記憶部に格納された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示される。
【0011】
たとえば、本ゲームプログラムで野球ゲームを実現した場合、野球ゲームにおいて選手キャラクタが有する主観的な特性たとえばプライド等を示す第1特性データが、制御部に認識される。そして、野球ゲームにおいて選手キャラクタに対する客観的な特性たとえば能力等を示す第2特性データが、制御部に認識される。そして、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、選手キャラクタが有する主観的な要求の程度、たとえば、自分を試合に起用して欲しい、あるいは起用するべきであるといった、試合起用に対する選手キャラクタの要求度を示す要求度データを算出する処理が、制御部により実行される。そして、選手キャラクタの要求に対する試合起用の程度や試合起用法を示す要求対象データを設定する処理が、制御部により実行される。そして、要求度データと要求対象データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの状態たとえば選手キャラクタの調子を示す調子データを算出する処理が、制御部により実行される。そして、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す画像が、記憶部に格納された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示される。
【0012】
この場合、たとえば、プライド等を示す第1特性データおよび能力等を示す第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、選手キャラクタの試合起用に対する要求度を示す要求度データが算出される。そして、選手キャラクタの要求に対する試合起用の程度や試合起用法を示す要求対象データが設定される。この要求度データおよび要求対象データに基づいて選手キャラクタの調子を示す調子データが算出される。具体的には、まず、選手キャラクタの能力等およびプライド等に基づいて、選手キャラクタの試合起用に対する要求度が設定される。次に、この試合起用に対する要求度に基づいて、選手キャラクタの調子が設定される。
【0013】
このような請求項1の発明では、選手キャラクタの能力等や選手キャラクタのプライド等が選手キャラクタの調子に与える影響を、選手キャラクタの試合起用に対する要求度を介して、選手キャラクタの調子に反映することができる。具体的な例としては、自分の要求通りに試合起用されれば調子が上がり、逆に起用されなければ調子が下がるといった演出が可能になる。また、同じ起用度であった場合、要求度が高い選手は要求度が低い(言わば謙虚な)選手キャラクタに比べて、調子が低調であるという演出も可能になる。あるいは、起用度が少し上がるような場合に、要求度が低い選手キャラクタは要求度が高い選手キャラクタよりも、より調子が良くなる、といった演出も可能となる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてリアルに体感することができる。すなわち、プレイヤは、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をリアルに体感することができる。
【0014】
なお、選手キャラクタの要求度の対象としては、上記の試合起用の他に、野球であれば、打者の場合は打順に対する要求(自分は打撃力があるので4番打者に起用して欲しい等)や、投手の場合は中継ぎではなく先発ローテーションに入れて欲しい、といった内容が挙げられる。その他、選手会長や、キャプテンに選抜してほしい、或いは自分の実力に見合った年俸を提示して欲しい、といった内容等にも適用可能である。
【0015】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(7)要求度データに基づいて、ゲームにおけるキャラクタの心理的な状態を示す心理データ(調子累積値)を算出する処理を制御部に実行させる心理データ算出機能。
(8)心理データに基づいて、調子データを修正する処理を制御部に実行させる調子データ修正機能。
【0016】
このゲームプログラムでは、心理データ算出機能において、要求度データに基づいて、ゲームにおけるキャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部により実行される。調子データ修正機能においては、心理データに基づいて、調子データを修正する処理が、制御部により実行される。調子画像表示機能においては、キャラクタの状態を示す画像が、修正された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示される。
【0017】
たとえば、本ゲームプログラムで野球ゲームを実現した場合、選手キャラクタの試合起用に対する要求度を示す要求度データに基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部により実行される。そして、心理データに基づいて調子データを修正する処理が、制御部により実行される。そして、選手キャラクタの調子を示す画像が、修正された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示される。
【0018】
この場合、たとえば、選手キャラクタの試合起用に対する要求度に基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態が設定される。そして、この選手キャラクタの心理的な状態に応じて、選手キャラクタの調子が変更される。このような請求項2の発明では、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を、選手キャラクタの調子に反映することができる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてよりリアルに体感することができる。すなわち、プレイヤは、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をよりリアルに体感することができる。
【0019】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)ゲームにおけるイベントを実行するための命令を制御部に発行させ、イベントを制御する処理を制御部に実行させるイベント実行機能。
【0020】
このゲームプログラムでは、イベント実行機能において、ゲームにおけるイベントを実行するための命令が制御部から発行され、イベントを制御する処理が制御部により実行される。要求対象データ設定機能においては、イベントに対するキャラクタの参加の程度を示す参加率データを設定する処理が、制御部により実行される。調子データ算出機能においては、要求度データと参加率データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す調子データを算出する処理が、制御部により実行される。心理データ算出機能においては、要求度データと参加率データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおけるキャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部に実行される。
【0021】
たとえば、本ゲームプログラムで野球ゲームを実現した場合、野球ゲームにおける試合イベントを実行するための命令が制御部から発行され、試合イベントを制御する処理が制御部により実行される。そして、試合イベントに対する選手キャラクタの起用度を示す起用度データを設定する処理が、制御部により実行される。そして、要求度データと起用度データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データを算出する処理が、制御部により実行される。また、要求度データと起用度データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部に実行される。
【0022】
この場合、選手キャラクタの試合起用に対する要求度と試合イベントに対する選手キャラクタの起用度とが、比較される。この比較結果に応じて、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子と野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態とが、設定される。このような請求項3の発明では、選手キャラクタの能力等や選手キャラクタのプライド等が選手キャラクタの調子に与える影響を、選手キャラクタの試合起用に対する要求度と試合イベントに対する選手キャラクタの起用度との比較結果に応じて、選手キャラクタの調子に反映することができる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてよりリアルに体感することができる。すなわち、プレイヤは、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をよりリアルに体感することができる。
【0023】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項2又は3に記載のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)キャラクタに対する心理的な影響をキャラクタの状態に反映するための閾値データを制御部に認識させる閾値データ認識機能。
【0024】
このゲームプログラムでは、閾値データ認識機能において、キャラクタに対する心理的な影響をキャラクタの状態に反映するための閾値データが、制御部に認識される。調子データ修正機能においては、心理データと閾値データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、調子データを修正する処理が制御部により実行される。
【0025】
たとえば、本ゲームプログラムで野球ゲームを実現した場合、選手キャラクタに対する心理的な影響をキャラクタの調子に反映するための閾値データが、制御部に認識される。そして、心理データと閾値データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、調子データを修正する処理が制御部により実行される。
【0026】
この場合、選手キャラクタの心理データと閾値データとを比較することにより、調子データが修正される。たとえば、選手キャラクタの心理データが、第1閾値データより大きくなったり第2閾値データより小さくなったりしたときに、調子データが小さくなるように修正される。具体的には、選手キャラクタの心理的な状態があまりにも良すぎた場合(選手キャラクタの心理データが第1閾値データより大きくなった場合)、選手キャラクタの心理状態は油断状態に陥ることになり、選手キャラクタの調子が悪くなるように修正される。また、選手キャラクタの心理的な状態があまりにも悪すぎた場合(選手キャラクタの心理データが第2閾値データより小さくなった場合)、選手キャラクタの心理状態は不満爆発状態に陥ることになり、選手キャラクタの調子が悪くなるように修正される。
【0027】
このような請求項4の発明では、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を、選手キャラクタの心理データと閾値データとを比較することにより、選手キャラクタの調子に反映することができる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてよりリアルに体感することができる。すなわち、プレイヤは、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をよりリアルに体感することができる。
【0028】
請求項5に係るゲームプログラムでは、請求項2から4のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、心理データに基づいて、キャラクタの調子データおよび他のキャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理が、制御部により実行される。この機能は、調子データ修正機能において実現される。
【0029】
たとえば、本ゲームプログラムで野球ゲームを実現した場合、心理データに基づいて、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理が、制御部により実行される。
【0030】
この場合、選手キャラクタの心理的な状態に応じて、選手キャラクタの調子および他の選手キャラクタの調子の少なくともいずれか一方の調子が、実行される。このような請求項5の発明では、ある選手キャラクタの心理的な状態がある選手キャラクタ自身の調子に与える影響だけでなく他の選手キャラクタの調子に与える影響をも、選手キャラクタの調子に反映することができる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてよりリアルに体感することができる。すなわち、プレイヤは、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をよりリアルに体感することができる。
【0031】
請求項6に係るゲームプログラムでは、請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータの大きさに応じて、キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データが大きくなるように、要求度データを算出する処理が、制御部により実行される。この機能は、要求度データ算出機能において実現される。
【0032】
たとえば、本ゲームプログラムで野球ゲームを実現した場合、プライド等を示す第1特性データおよび能力等を示す第2特性データの少なくともいずれか一方のデータ大きさに応じて、選手キャラクタの試合起用に対する要求度を示す要求度データが大きくなるように、要求度データを算出する処理が、制御部により実行される。
【0033】
この場合、たとえば、選手キャラクタのプライドや選手キャラクタの能力が高い場合に、選手キャラクタの試合起用に対する要求度が大きくなるように、この要求度が設定される。具体的には、プライドや能力が高ければ高いほど、選手キャラクタの試合起用に対する要求度が大きくなる状態を、野球ゲームにおいても再現することができる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてよりリアルに体感することができる。すなわち、プレイヤは、ゲーム世界におけるキャラクタの状態の変化をよりリアルに体感することができる。
【0034】
請求項7に係るゲーム装置は、キャラクタの状態をモニタに表示可能なゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、ゲームにおいてキャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部に認識させる第1特性データ認識手段と、ゲームにおいてキャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部に認識させる第2特性データ認識手段と、第1特性データおよび第2特性データに基づいて、キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理を制御部に実行させる要求度データ算出手段と、要求度データに基づいて、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部に実行させる調子データ算出手段と、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す画像を、記憶部に格納された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示する調子画像表示手段と、を備えている。
【0035】
請求項8に係るゲーム制御方法は、キャラクタの状態をモニタに表示可能なゲームをコンピュータにより制御するゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、ゲームにおいてキャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部に認識させる第1特性データ認識ステップと、ゲームにおいてキャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部に認識させる第2特性データ認識ステップと、第1特性データおよび第2特性データに基づいて、キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理を制御部に実行させる要求度データ算出ステップと、要求度データに基づいて、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部に実行させる調子データ算出ステップと、ゲームにおけるキャラクタの状態を示す画像を、記憶部に格納された調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示する調子画像表示ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0036】
本発明では、プレイヤが、ゲーム世界におけるキャラクタの心理的な面も含めた状態の変化をリアルに体感することができる。たとえば、選手キャラクタの能力等や選手キャラクタのプライド等が選手キャラクタの調子に与える影響を、選手キャラクタの試合起用に対する要求度を介して、選手キャラクタの調子に反映することができる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球における選手の調子の変化と同様の変化を、ゲーム世界の野球における選手キャラクタの調子の変化においてリアルに体感することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0038】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0039】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0040】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0041】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0042】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0043】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
【0044】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0045】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0046】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0047】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0048】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0049】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0050】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0051】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0052】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0053】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路13を介してD/Aコンバータ17に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ17でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0054】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
【0055】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機1は、野球ゲームにおいて選手キャラクタの状態をテレビジョンモニタ20に表示できるようになっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0056】
第1特性データ認識手段50は、選手キャラクタの第1特性を示す第1特性データを制御部1に認識させる機能を備えている。詳細には、第1特性データ認識手段50は、野球ゲームにおいて選手キャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部1に認識させる機能を備えている。第1特性データ認識手段50では、野球ゲームにおいて選手キャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データが、制御部1に認識される。
【0057】
この手段では、野球ゲームにおいて選手キャラクタが有するプライド等の高さを示す第1特性データが、制御部1に認識される。具体的には、野球ゲームにおいて選手キャラクタが有するプライド等の高さを示す第1特性データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。そして、RAM12に格納された第1特性データが、CPU7に認識される。また、CPU7から発行された命令に基づいて第1特性データを変更する処理がCPU7により実行された場合、この処理が終了した後に、変更された第1特性データはRAM12に格納される。そして、変更された第1特性データが、CPU7に認識される。
【0058】
第2特性データ認識手段51は、選手キャラクタの第2特性を示す第2特性データを制御部1に認識させる機能を備えている。詳細には、第2特性データ認識手段51は、野球ゲームにおいて選手キャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部1に認識させる機能を備えている。第2特性データ認識手段51では、野球ゲームにおいて選手キャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データが、制御部1に認識される。
【0059】
この手段では、野球ゲームにおいて選手キャラクタに対する能力や年齢等の高さを示す第2特性データが、制御部1に認識される。具体的には、野球ゲームにおいて選手キャラクタに対する能力や年齢等の高さを示す第2特性データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。そして、RAM12に格納された第2特性データが、CPU7に認識される。また、CPU7から発行された命令に基づいて第2特性データを変更する処理がCPU7により実行された場合、この処理が終了した後に、変更された第2特性データはRAM12に格納される。そして、変更された第2特性データが、CPU7に認識される。
【0060】
要求度データ算出手段52は、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、選手キャラクタの要求の程度を示す要求度データを算出する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。詳細には、要求度データ算出手段52は、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、選手キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。より詳細には、要求度データ算出手段52は、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータの大きさに応じて、選手キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データが大きくなるように、要求度データを算出する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。
【0061】
要求度データ算出手段52では、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、選手キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理が、制御部1により実行される。詳細には、要求度データ算出手段52では、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータの大きさに応じて、選手キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データが大きくなるように、要求度データを算出する処理が制御部1により実行される。
【0062】
この手段では、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、起用に対する選手キャラクタの要求度(起用要求度)を示す要求度データを算出する処理が、制御部1により実行される。詳細には、この手段では、第1特性データおよび第2特性データの少なくともいずれか一方のデータの大きさに応じて、起用要求度を示す要求度データが大きくなるように、要求度データを算出する処理が制御部1により実行される。
【0063】
具体的には、第1特性データおよび第2特性データが大きくなると、起用要求度を示す要求度データが大きくなるような、要求度データを評価する評価式に基づいて、要求度データを算出する処理が、CPU7により実行される。なお、要求度データを評価する評価式は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。
【0064】
イベント実行手段53は、野球ゲームにおいて試合イベントを実行するための命令を制御部1に発行させ、試合イベントを制御する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。イベント実行手段53では、野球ゲームにおいて試合イベントを実行するための命令が制御部1から発行され、試合イベントを制御する処理が制御部1により実行される。
【0065】
この手段では、野球ゲームにおける試合イベントを実行するための命令が制御部1から発行され、試合イベントを制御する処理が制御部1により実行される。具体的には、試合イベントを開始するための命令がCPU7から発行されると、試合イベントがCPU7により制御されながら実行される。試合イベントは、2つのチームが対戦するイベントである。
【0066】
たとえば、この試合イベントは、プレイヤ又はAIプログラム(Artificial Intelligence プログラム)により設定される、各チームの選手キャラクタのオーダ、および各チームの選手キャラクタの起用法等に基づいて、CPU7に制御され実行される。ここでは、自チームの選手キャラクタのオーダ、および自チームの選手キャラクタの起用法等は、操作入力部5たとえばコントローラ17からの操作信号に基づいてテレビジョンモニタ20に表示された各種の項目が選択されたときに、CPU7に認識される。また、敵チームの選手キャラクタのオーダ、および敵チームの選手キャラクタの起用法等は、AIプログラムによる設定がCPU7に認識される。
【0067】
参加率データ算出手段54は、試合イベントに対する選手キャラクタの参加率を評価するための参加率データを設定する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。参加率データ算出手段54では、試合イベントに対する選手キャラクタの参加率を評価するための参加率データを設定する処理が、制御部1により実行される。
【0068】
この手段では、試合イベントに対する選手キャラクタの起用度を示す起用度データを設定する処理が、制御部1により実行される。具体的には、試合イベントに起用された選手キャラクタがCPU7に認識される。そして、試合イベントに起用された選手キャラクタの起用度を示す起用度データを設定する処理が、CPU7により実行される。ここでは、ペナントレース中の試合イベントへの選手キャラクタの起用度を選手キャラクタごとに評価することにより、選手キャラクタの起用度データが算出される。そして、算出された選手キャラクタの起用度データが、RAM12に格納されCPU7に認識される。
【0069】
調子データ算出手段55は、要求度データに基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。詳細には、調子データ算出手段55は、要求度データと起用度データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を、制御部1に実行させる機能を備えている。
【0070】
調子データ算出手段55では、要求度データに基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データを算出する処理が、制御部1により実行される。詳細には、調子データ算出手段55では、要求度データと起用度データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データを算出する処理が、制御部1により実行される。
【0071】
この手段では、要求度データと起用度データとを比較する処理をCPU7に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データを算出する処理が、CPU7により実行される。
【0072】
具体的には、要求度データが起用度データ以上であるか否かがCPU7により判断され、要求度データが起用度データ以上であると判断された場合に、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データを評価する第1評価式に基づいて、調子データを算出する処理が、CPU7により実行される。一方で、要求度データが起用度データ未満であると判断された場合に、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データを評価する第2評価式に基づいて、調子データを算出する処理が、CPU7により実行される。なお、調子データを評価する評価式は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。
【0073】
心理データ算出手段56は、要求度データに基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データを算出する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。詳細には、心理データ算出手段56では、要求度データと起用度データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理を、制御部1に実行させる機能を備えている。
【0074】
心理データ算出手段56では、要求度データに基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部1により実行される。詳細には、心理データ算出手段56では、要求度データと起用度データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部1により実行される。
【0075】
この手段では、要求度データと起用度データとを比較する処理をCPU7に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データを算出する処理が、CPU7により実行される。
【0076】
具体的には、要求度データが起用度データ以上であるか否かがCPU7により判断され、要求度データが起用度データ以上であると判断された場合に、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データを評価する第1評価式に基づいて、心理データを算出する処理が、CPU7により実行される。一方で、要求度データが起用度データ未満であると判断された場合に、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データを評価する第2評価式に基づいて、心理データを算出する処理が、CPU7により実行される。なお、心理データを評価する評価式は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。
【0077】
閾値データ認識手段57は、選手キャラクタの心理的な影響を選手キャラクタの状態に反映するための閾値データを制御部1に認識させる機能を備えている。閾値データ認識手段57では、選手キャラクタの心理的な影響を選手キャラクタの状態に反映するための閾値データが、制御部1に認識される。
【0078】
この手段では、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を判断するときの基準になる閾値データが、CPU7に認識される。具体的には、閾値データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。そして、RAM12に格納された閾値データが、CPU7に認識される。ここでは、閾値データとして、第1閾値データおよび第2閾値データが用意されている。すなわち、第1閾値データおよび第2閾値データがRAM12に格納され、第1閾値データおよび第2閾値データが閾値データとしてCPU7に認識される。
【0079】
調子データ修正手段58は、選手キャラクタの心理状態を示す心理データに基づいて、調子データを修正する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。調子データ修正手段58は、選手キャラクタの心理状態を示す心理データに基づいて、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。詳細には、調子データ修正手段58は、選手キャラクタの心理状態を示す心理データと閾値データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、調子データを修正する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。調子データ修正手段58は、選手キャラクタの心理状態を示す心理データと閾値データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理を制御部1に実行させる機能を備えている。
【0080】
調子データ修正手段58では、選手キャラクタの心理状態を示す心理データに基づいて、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理が、制御部1により実行される。詳細には、調子データ修正手段58では、選手キャラクタの心理状態を示す心理データと閾値データとを比較する処理を制御部1に実行させることにより、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理が、制御部1により実行される。
【0081】
この手段では、選手キャラクタの心理状態を示す心理データと、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を判断するときの基準になる閾値データ(第1閾値データおよび第2閾値データ)とを比較する処理をCPU7に実行させることにより、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理が、CPU7により実行される。
【0082】
具体的には、まず、選手キャラクタの心理データが第2閾値データ未満であるか否かがCPU7により判断され、選手キャラクタの心理データが第2閾値データ未満であると判断された場合に、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する第1修正式に基づいて、調子データを修正する処理が、CPU7により実行される。次に、選手キャラクタの心理データが第1閾値データ以上であるか否かがCPU7により判断され、選手キャラクタの心理データが第1閾値データ以上であると判断された場合に、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する第2修正式に基づいて、調子データを修正する処理が、CPU7により実行される。
【0083】
なお、選手キャラクタの調子データおよび他の選手キャラクタの調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する修正式は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。
【0084】
調子画像表示手段59は、野球ゲームにおける選手キャラクタの状態を示す画像を、記憶部2に格納された調子データに対応する画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。また、調子画像表示手段59は、選手キャラクタの状態を示す画像を、修正された調子データに対応する画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示する機能を備えている。
【0085】
調子画像表示手段59では、野球ゲームにおける選手キャラクタの状態を示す画像が、記憶部2に格納された調子データに対応する画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。また、調子画像表示手段59では、選手キャラクタの状態を示す画像が、修正された調子データに対応する画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0086】
この手段では、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を報知するための画像(調子報知用画像)が、RAM12に格納された調子データに対応する画像データ又は修正された調子データに対応する画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。ここでは、選手キャラクタの調子を5段階で報知するために、5種類の調子報知用画像が用意されている。すなわち、5種類の調子報知用画像それぞれに対応する画像データが、RAM12に格納されている。そして、調子データに対応する調子報知用の画像データ、又は修正された調子データに対応する調子報知用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0087】
〔野球選手キャラクタの調子を調整する調子調整システムの処理フローと説明〕
次に、野球選手キャラクタの調子を調整する調子調整システムの具体的な内容について説明する。また、図5および図6に示す野球選手キャラクタの調子を調整する調子調整システムの処理フローについても同時に説明する。
【0088】
野球ゲームプログラムがゲーム機本体にロードされると、野球ゲームプログラムがCPU7からの命令に基づいて実行される。すると、プレイヤが所望するモードを選択可能なモード選択画面が、モード選択画面用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、コントローラ17を操作することにより、モード選択画面において所望のモードが選択されると、選択されたモードに対応するプログラムが、CPU7からの命令に基づいて実行される。このように、プレイヤが所望するモードを選択し、選択されたモードに対応するプログラムをゲーム機において実行することができる。
【0089】
ここでは、たとえば、プレイヤが監督の立場になってペナントレースを戦うペナントモードや1試合の対戦を楽しむ対戦モード等が、用意されている。そして、これらの各種モードの中から、プレイヤは所望のモードを選択することになる。以下では、プレイヤが監督の立場になってペナントレースを戦うペナントモードがモード選択画面において選択された場合を例として、調子調整システムの具体的な内容を説明する。
【0090】
続いて、モード選択画面においてペナントモードが選択されると、ペナントモード用のプログラムが、CPU7からの命令に基づいて実行される(S1)。そして、ペナントモード用のプログラムが実行されると、プレイヤが采配をふるうチーム(自チーム)を選択するためのチーム選択画面が、チーム選択画面用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、プレイヤが、コントローラ17を操作することにより、チーム選択画面において所望のチームを選択すると、選択されたチームに所属する選手キャラクタがCPU7に認識される(S2)。
【0091】
ここでは、チーム選択画面に表示された複数のチームは、チーム用の識別データTに基づいて、CPU7により識別されている。たとえば、チーム選択画面にAチームからFチームまでの6チームが表示された場合、6チームの中からAチームが選択されると、Aチーム用の識別データTに数値「1」を割り当てる処理がCPU7により実行される。同様に、BチームからFチームまでのいずれか1つのチームが選択されると、チーム用の識別データTに数値「2〜6」のいずれかの数値(自然数)を割り当てる処理がCPU7により実行される。このような処理を実行しておくと、必要に応じてチーム用の識別データTの値をCPU7に参照させることにより、自チームをCPU7に認識させることができる。
【0092】
また、自チームに所属する選手キャラクタは、選手キャラクタ用の識別データL(T)に基づいて、CPU7により識別される。たとえば、チーム選択画面においてAチームが選択された場合、Aチームに所属する選手キャラクタ用の識別データL(1)の値をCPU7に認識させることにより、Aチームに所属する選手キャラクタがCPU7により識別される。同様に、チーム選択画面においてBチームからFチームまでのいずれか1つのチームが選択された場合、自チームに所属する選手キャラクタ用の識別データL(T)の値をCPU7に認識させることにより、自チームに所属する選手キャラクタがCPU7により識別される。
【0093】
たとえば、1チームに所属可能な選手キャラクタの数が50(名)である場合、チームに所属する選手キャラクタ用の識別データL(T)には「1」から「50」までの自然数がCPU7により割り当てられる。この選手キャラクタ用の識別データL(T)に割り当てられた「1」から「50」までの数値をCPU7に認識させることにより、自チームに所属する選手キャラクタをCPU7に識別させることができる。たとえば、選手キャラクタ用の識別データL(1)の値をCPU7に認識させることにより、Aチームに所属する選手キャラクタをCPU7に識別させることができる。
【0094】
続いて、自チームの選手キャラクタがCPU7に認識された後には、1軍に登録する選手キャラクタを選択するための選手登録画面が、選手登録画面用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。選手登録画面では、25名の選手キャラクタが1軍選手として登録することができるようになっている。この選手登録画面において、コントローラ17を操作することにより、所望の25名の選手キャラクタが選択され、1軍選手として登録される(S3)。ここでは、たとえば、選手登録画面において1軍選手として選択された25(名)の選手キャラクタ用の識別データL(T)の値をCPU7に認識させることにより、1軍に登録された25名の選手キャラクタがCPU7に認識される。
【0095】
続いて、野球ゲームにおいて各選手キャラクタが有するプライド等の高さを示す第1特性データP(n)が、CPU7に認識される(S4)。また、野球ゲームにおいて選手キャラクタに対する能力や年齢等の高さを示す第2特性データ(能力用の第2特性データN(n)および年齢用の第2特性データA(n))が、CPU7に認識される(S5)。たとえば、ペナントレースの初回実行時には、初期条件としての初期値を選手キャラクタごとに第1特性データP(n)および第2特性データN(n),A(n)に割り当てる処理が、CPU7により実行される。すると、この第1特性データP(n)および第2特性データN(n),A(n)に割り当てられた値が、CPU7に認識される。
【0096】
能力用の第2特性データN(n)については、選手キャラクタの試合イベントにおける活躍の程度に応じて、ペナントレース中に随時変更される。このときには、変更された能力用の第2特性データN(n)が、新規の能力用の第2特性データN(n)としてCPU7に認識される。
【0097】
なお、選手キャラクタごとの初期値は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。この初期値は、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。ここでは、選手キャラクタごとの初期値がゲームプログラムにおいて予め規定されている場合の例を示しているが、選手キャラクタごとの初期値は、ペナントモードが開始されたときに乱数を発生させることによりランダムに設定されるようにしても良い。
【0098】
続いて、第1特性データP(n)および第2特性データN(n),A(n)の少なくともいずれか一方のデータを用いて選手キャラクタの起用要求度を示す要求度データK(n)を評価する第1評価式に基づいて、選手キャラクタの要求度データK(n)を算出する処理が、CPU7により実行される(S6)。そして、選手キャラクタの要求度データK(n)が算出されると、算出された要求度データK(n)がCPU7に認識される。
【0099】
ここで用いられる要求度データK(n)を評価する第1評価式は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。この第1評価式は、一般的には、以下に示す(1)式のように記述される。たとえば、ここでは、第1評価式として、以下に示す(2)式が用いられる。
【0100】
第1評価式:K(n)=f(P(n),N(n),A(n))、nは1から25までの自然数。・・・(1)
第1評価式:K(n)=α1・P(n)+α2・N(n)+α3・A(n)、α1,α2,α3は正の整数、nは1から25までの自然数。・・・(2)
この要求度データK(n)を評価する第1評価式((2)式)では、第1特性データP(n)および第2特性データN(n),A(n)の少なくともいずれか1つのデータが大きくなると、選手キャラクタの要求度データK(n)が大きくなるようになっている。たとえば、この第1評価式では、選手キャラクタのプライド、選手キャラクタの能力、および選手キャラクタの年齢の少なくともいずれか1つが高くなると、選手キャラクタの要求度も大きくなるようになっている。また、要求度データK(n)は、「0.0」から「1.0」までの正の整数となるように、基準化されている。
【0101】
なお、第1評価式は、現実世界の野球選手の起用要求度を、ゲーム世界の野球選手キャラクタの起用要求度として評価するためのものである。このため、(2)式に示した第1評価式における、式の形態、次数、および各種係数は、実状に即して適宜変更しても良い。すなわち、第1評価式は、(1)式の関数を満足していれば良く、必ずしも(2)式である必要はない。
【0102】
続いて、野球ゲームにおける各選手キャラクタの状態を示す調子データC(n)が、CPU7に認識される(S7)。また、野球ゲームにおける各選手キャラクタの心理的な状態を示す心理データS(n)が、CPU7に認識される(S8)。たとえば、ペナントレースの初回実行時には、初期条件としての初期値を選手キャラクタごとに調子データC(n)および心理データS(n)に割り当てる処理が、CPU7により実行される。すると、この調子データC(n)および心理データS(n)に割り当てられたデータが、CPU7に認識される。ここでは、調子データC(n)には、「1」から「100」までの実数がCPU7により割り当てられるようになっている。また、心理データS(n)には、「−100」から「100」までのいずれかの実数がCPU7により割り当てられるようになっている。
【0103】
なお、初期値は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。この初期値は、ゲームプログラムのロード時に記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。ここでは、選手キャラクタごとの初期値がゲームプログラムにおいて予め規定されている場合の例を示しているが、選手キャラクタごとの初期値は、ペナントモードが開始されたときに乱数を発生させることによりランダムに設定されるようにしても良い。
【0104】
続いて、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を判断するときの基準になる閾値データIが、CPU7に認識される(S9)。ここでは、閾値データIとして、第1閾値データI1および第2閾値データI2がRAM12に格納されている。そして、第1閾値データI1には数値「90」がCPU7により割り当てられており、第2閾値データI2には数値「−90」がCPU7により割り当てられている。これら第1閾値データI1の値(I1=90)および第2閾値データI2の値(I2=−90)が、CPU7に認識される。
【0105】
続いて、1軍に登録した選手キャラクタの情報を確認するための選手情報画面が、選手情報画面用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される(S10)。選手情報画面では、1軍選手として登録された選手キャラクタの情報を確認することができる。ここでは、図3に示すように、1軍選手として登録された選手キャラクタの、疲労度情報、調子管理情報、ケガ情報、経験値情報等を投手と野手とに分けて確認することができるようになっている。たとえば、コントローラ17を操作することにより、調子管理ボタンが選択された場合、1軍選手として登録された選手キャラクタの調子管理情報が、テレビジョンモニタ20に表示される。この調子管理情報では、各選手キャラクタの名前と各選手キャラクタの調子とが、リスト形式でテレビジョンモニタ20に表示されている。
【0106】
特に、各選手キャラクタの調子を示す調子報知用画像70は、図3に示すように、5種類のアイコン画像を用いて表現されている。各選手キャラクタの調子を示すアイコン画像としては、「絶好調」70a、「好調」70b、「普通」70c、「不調」70d、および「絶不調」70eの5種類が用意されている。これらの5種類のアイコン画像の中から、各選手キャラクタの調子データC(n)に対応するアイコン画像が、CPU7に認識される。たとえば、各選手キャラクタの調子データC(n)とアイコン画像との対応関係は、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。この対応関係は、たとえば、図4の画像選定テーブルに示すような関係になっている。この画像選定テーブルに基づいて、各選手キャラクタの調子データC(n)に対応するアイコン画像用の画像データM(n)が、CPU7に認識される。すると、このアイコン画像データM(n)をテレビジョンモニタ20に供給する命令がCPU7から発行され、アイコン画像がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0107】
このようにテレビジョンモニタ20に表示されたアイコン画像を見ることにより、プレイヤ(監督)は、各選手キャラクタの調子を容易に把握することでき、各選手キャラクタの調子を選手キャラクタの起用法の参考にすることができる。
【0108】
続いて、ペナントレース中の試合イベントにおける采配に関する命令を指示するための各種の采配指示画面が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(図示しない)。そして、この采配指示画面において、コントローラ17を操作することにより、自チームの選手キャラクタのオーダ、および自チームの選手キャラクタの起用法等のような采配に関する設定が行われ、これらの各種の設定がCPU7に認識される(S11)。そして、野球ゲームにおける試合イベントを実行するための命令が制御部1から発行されると、試合イベントを制御する処理が制御部1により実行される(S12)。具体的には、試合イベントを開始するための命令がCPU7から発行されると、自チームと敵チームとが対戦する試合イベントが、CPU7により制御されながら実行される。
【0109】
続いて、試合イベントの制御が終了したことを示すイベント終了命令がCPU7に認識されると、試合イベントの結果を示す結果データを算出する処理がCPU7により実行され、試合イベントの結果データがRAM12に格納され、RAM12に格納された結果データがCPU7に認識される。この試合イベントの結果データには、試合イベントに対する各選手キャラクタの起用の程度を示す起用度データKY(n)が含まれている。この起用度データKY(n)は、終了した試合イベント数DT(=「1」から「144」までの自然数)に対する、各選手キャラクタが起用された試合イベント数D(n)の割合をCPU7に算出させることにより、求められる。このようにして算出された割合が、起用度データKY(n)(=D(n)/DT)として、RAM12に格納され、CPU7に認識される(S13)。
【0110】
続いて、要求度データK(n)と起用度データKY(n)とを比較する処理をCPU7に実行させることにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データC(n)を算出する処理が、CPU7により実行される。また、このときには、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データS(n)を算出する処理も、CPU7により実行される。
【0111】
具体的には、要求度データK(n)が起用度データKY(n)未満であるか否かがCPU7により判断される(S15)。そして、要求度データK(n)が起用度データKY(n)未満であると判断された場合(K(n)<KY(n)の場合:S15でYes)、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データC(n)を評価する第2評価式(以下に示す(4−1)式)に基づいて、調子データC(n)を算出する処理が、CPU7により実行される(S16)。そして、調子データC(n)が算出されると、算出された調子データC(n)がCPU7に認識される。また、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データS(n)を評価する第4評価式(以下に示す(6−1)式)に基づいて、心理データS(n)を算出する処理が、CPU7により実行される(S17)。そして、心理データS(n)が算出されると、算出された心理データS(n)がCPU7に認識される。なお、上記のように算出された調子データC(n)および心理データS(n)は、RAM12に格納される。
【0112】
一方で、要求度データK(n)が起用度データKY(n)以上であると判断された場合(K(n)≧KY(n)の場合:S15でNo)、野球ゲームにおける選手キャラクタの調子を示す調子データC(n)を評価する第3評価式(以下に示す(4−2)式)に基づいて、調子データC(n)を算出する処理が、CPU7により実行される(S18)。そして、調子データC(n)が算出されると、算出された調子データC(n)がCPU7に認識される。また、野球ゲームにおける選手キャラクタの心理状態を示す心理データS(n)を評価する第5評価式(以下に示す(6−2)式)に基づいて、心理データS(n)を算出する処理が、CPU7により実行される(S19)。そして、心理データS(n)が算出されると、算出された心理データS(n)がCPU7に認識される。なお、上記のように算出された調子データC(n)および心理データS(n)は、RAM12に格納される。
【0113】
現実世界における野球では、日々の試合で選手の要求以上の起用が行われた場合(S15でYesの場合)、一般的には、選手の調子は上昇し、選手の心理状態は良くなる。一方で、日々の試合で選手の要求以下の起用しか行われた場合(S15でNoの場合)、一般的には、選手の調子は下降し、選手の心理状態は悪くなる。このような現実世界の野球における選手の調子や選手の心理状態を野球ゲームにおいても再現することができるように、上記のステップ15からステップ19までの処理は、実行されている。
【0114】
ここで用いられた調子データC(n)を評価する評価式(第2評価式、第3評価式)および心理データS(n)を評価する評価式(第4評価式、第5評価式)は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。これらの評価式は、一般的には、以下に示す(3)式又は(5)式のように記述される。たとえば、第2評価式および第3評価式としては、以下に示す(4)式が用いられる。そして、第4評価式および第5評価式としては、以下に示す(6)式が用いられる。
【0115】
第2評価式・第3評価式:C(n)=f(C(n),E(n))、nは1から25までの自然数。・・・(3)
第2評価式:C(n)=C(n)+E1(n)、nは1から25までの自然数。・・・(4−1)
第3評価式:C(n)=C(n)−E2(n)、nは1から25までの自然数。・・・(4−2)
第4評価式・第5評価式:S(n)=f(S(n),F(n))、nは1から25までの自然数。・・・(5)
第4評価式:S(n)=S(n)+F1(n)、nは1から25までの自然数。・・・(6−1)
第5評価式:S(n)=S(n)−F2(n)、nは1から25までの自然数。・・・(6−2)
ここで、調子データC(n)は「1」から「100」までの実数をとり、心理データS(n)は「−100」から「100」までの実数をとる。また、E1(n)およびE2(n)は、各選手キャラクタの調子データの変動値である。F1(n)およびF2(n)は、各選手キャラクタの心理データの変動値である。また、E1(n)、E2(n)、F1(n)、およびF2(n)には、所定の値たとえば正の整数値がCPU7により割り当てられる。E1(n)、E2(n)、F1(n)、およびF2(n)には、選手キャラクタごとに予め規定された値が設定されている。
【0116】
なお、第2評価式および第3評価式は、監督の選手キャラクタの起用度と選手キャラクタの起用に対する要求度との関係に応じて、選手キャラクタの調子を修正するためのものである。また、第4評価式および第5評価式は、監督の選手キャラクタの起用度と選手キャラクタの起用に対する要求度との関係に応じて、選手キャラクタの心理状態を修正するためのものである。また、上記に示した第2から第5の評価式は、(3)式又は(5)式を満足していれば良く、必ずしも(4)式又は(6)式である必要はない。すなわち、(4)式又は(6)式に示した第2から第5の評価式における、式の形態、次数、および各種係数は、実状に即して適宜変更しても良い。
【0117】
続いて、選手キャラクタの心理状態を示す心理データS(n)と、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を判断するときの基準になる閾値データI(第1閾値データI1および第2閾値データI2)とを比較する処理をCPU7に実行させることにより、選手キャラクタの調子データC(n)および他の選手キャラクタの調子データC(n)の少なくともいずれか一方の調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行される。このように修正された調子データC(n)は、RAM12に格納される。
【0118】
具体的には、まず、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第2閾値データI2未満であるか否かがCPU7により判断される(S20)。そして、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された場合(S(n)<−90:S19でYes)、心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された選手キャラクタの年齢より若い年齢の他の選手キャラクタが、CPU7に認識される(S21)。
【0119】
ここでは、たとえば、A選手キャラクタの年齢用の第2特性データA(n)が、A選手キャラクタとは異なるB選手キャラクタの年齢用の第2特性データA(m)(mは1から25までの自然数、m≠n)より大きいか否かが、CPU7により判断される。そして、A選手キャラクタの年齢用の第2特性データA(n)が、A選手キャラクタとは異なるB選手キャラクタの年齢用の第2特性データA(m)(mは1から25までの自然数、m≠n)より大きいとCPU7により判断された場合(A(n)>A(m))、A選手の年齢用の第2特性データA(n)より小さな年齢用の第2特性データA(m)を有するB選手キャラクタ(A選手キャラクタより年下の選手キャラクタ)が、CPU7に認識される。
【0120】
すると、第1修正式に基づいて、選手キャラクタの調子データC(n)および他の選手キャラクタの調子データC(n)の少なくともいずれか一方の調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行される。ここでは、第1修正式に基づいて、他の選手キャラクタの調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行される。たとえば、第1修正式に基づいて、B選手キャラクタ(A選手キャラクタより年下の選手キャラクタ)の調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行される(S22)。
【0121】
なお、ステップ21(S21)では、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された場合(S(n)<−90:S19でYes)、心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された選手キャラクタの年齢より若い年齢の他の選手キャラクタのみが、CPU7に認識されるようになっている。しかしながら、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された場合(S(n)<−90:S19でYes)、心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された選手キャラクタ(A選手キャラクタ)、および心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された選手キャラクタの年齢より若い年齢の他の選手キャラクタ(B選手キャラクタ)が、CPU7に認識されるようにしても良い。この場合は、ステップ22(S22)において、B選手キャラクタの調子データだけでなく、A選手キャラクタの調子データも修正されることになる。
【0122】
次に、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第2閾値データI2以上であると判断され(S(n)≧−90:S19でNo)、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第1閾値データI1以上であるか否かがCPU7により判断される(S23)。そして、選手キャラクタの心理データS(n)が第1閾値データI1以上であると判断された場合(S(n)≧90:S23でYes)、第2修正式に基づいて、選手キャラクタの調子データC(n)および他の選手キャラクタの調子データC(n)の少なくともいずれか一方の調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行される。ここでは、選手キャラクタの心理データS(n)が第1閾値データI1以上であると判断された場合(S(n)≧90)、第2修正式に基づいて、心理データS(n)が第1閾値データI1以上であると判断された選手キャラクタの調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行される(S24)。
【0123】
現実世界における野球では、不満が累積すると心理状態は悪くなり、不満が減少すると心理状態は良くなる。たとえば、現実世界における野球のある選手の心理状態が悪くなって、この選手の不満が爆発した場合(S20でYesの場合)、この選手の不満が若手の選手のやる気をそぐ結果になってしまうことが多い。また、現実世界における野球のある選手の心理状態が良くなりすぎた場合(S23でYesの場合)、選手が調子に乗りすぎて油断してしまい、選手がスランプに陥ってしまうことがある。このように現実世界の野球において発生しうる選手の調子の変化を野球ゲームにおいても再現することができるように、上記のステップ20からステップ25までの処理は、実行されている。
【0124】
ここで用いられる修正式(第1修正式、第2修正式)は、ゲームプログラムにおいて予め規定されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。これらの修正式は、一般的には、以下に示す(7)式又は(9)式のように記述される。たとえば、第1修正式としては、以下に示す(8)式が用いられる。そして、第2修正式としては、以下に示す(10)式が用いられる。
【0125】
第1修正式:C(n)=f(C(n),G(n))、nは1から25までの自然数。・・・(7)
第1修正式:C(n)=C(n)−G(n)、nは1から25までの自然数。・・・(8)
第2修正式:C(n)=f(C(n),H(n))、nは1から25までの自然数。・・・(9)
第2修正式:C(n)=C(n)−H(n)、nは1から25までの自然数。・・・(10)
ここで、G(n)は、心理データS(n)が第2閾値データI2未満であると判断された選手キャラクタとは異なる他の選手キャラクタの調子データC(n)を修正するための修正値である。また、H(n)は、心理データS(n)が第1閾値データI1以上であると判断された選手キャラクタの調子データC(n)を修正するための修正値である。G(n)およびH(n)は正の整数をとり、G(n)およびH(n)には選手キャラクタごとに予め規定された値が設定されている。
【0126】
なお、第1修正式および第2修正式は、選手キャラクタの心理的な状態が選手キャラクタの調子に与える影響を、選手キャラクタの調子データに反映するためのものである。また、上記に示した第1修正式および第2修正式は、(7)式又は(9)式を満足していれば良く、必ずしも(8)式又は(10)式である必要はない。すなわち、(8)式又は(10)式に示した第1修正式および第2修正式における、式の形態、次数、および各種係数は、実状に即して適宜変更しても良い。
【0127】
このようにして修正された調子データC(n)は、RAM12に格納されCPU7に認識される。すると、RAM12に格納された修正後の調子データC(n)に対応する画像データM(n)が、図4に示した画像選定テーブルに基づいて、CPU7に認識される(S25)。
【0128】

すると、次に選手情報画面の調子管理情報が表示されたときには、この修正後の画像データを用いることにより、選手キャラクタの調子を示すアイコン画像(調子報知用画像)70が、テレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、あるシーズンが終了して、次のシーズンが始まる前には、再度、ステップ3(S3)以降のステップが実行される。すると、ステップ10では、修正後の画像データを用いることにより、修正された選手キャラクタの調子を示すアイコン画像(調子報知用画像)70が、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0129】


なお、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第1閾値データI1未満であると判断された場合(S(n)<90:S23でNo)、第2修正式に基づいて選手キャラクタの調子データC(n)を修正する処理が、CPU7により実行されない。すなわち、ある選手キャラクタの心理データS(n)が第1閾値データI1未満であると判断された場合(S(n)<90:S23でNo)、選手キャラクタの調子データC(n)を修正する処理がCPU7により実行されず、ステップ26(S26)が再度実行される。
【0130】
続いて、所定の回数の試合イベントが実行されたか否かがCPU7により判断される(S26)。たとえば、144回の試合イベント(144試合)が実行されたか否かがCPU7により判断される。そして、144回の試合イベント(144試合)が実行されたとCPU7により判断された場合(S26でYes)、シーズンを通じての試合イベントの結果データに基づいて、シーズン結果がテレビジョンモニタ20に表示れる(S27)。
一方で、144回の試合イベント(144試合)が実行されていないとCPU7により判断された場合(S26でNo)、ステップ12(S12)が再度実行される。
【0131】
続いて、3シーズン分のペナントレースが終了したか否かがCPU7により判断される(S28)。3シーズン分のペナントレースが終了していない場合(S28でNo)、ステップ3(S3)が、再実行される。そして、ステップ10の段階で、ステップ25(S25)で認識された画像データM(n)を用いることにより、修正された選手キャラクタの調子を示すアイコン画像(調子報知用画像)70が、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、3シーズン分のペナントレースが終了したときに(S28でYes)、ペナントモード用のプログラムを終了する命令がCPU7から発行されると、ペナントモードを終了するための各種の処理がCPU7により実行される。この処理が終了すると、ペナントモードの終了を示す画像が、画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示される(S29)。
【0132】
以上のような野球選手キャラクタの調子調整システムを実現した場合、監督の選手起用度に応じて選手の調子や選手の心理状態が変化する現実世界の事象を、ゲーム世界において再現することができる。また、選手の心理状態の変化に応じて選手の調子が変化する現実世界の事象を、ゲーム世界において再現することができる。さらに、ある一選手の調子の変化や心理状態の変化が、その選手以外の他の選手の調子の変化や心理状態の変化にも影響を与えるという現実世界の事象を、ゲーム世界において再現することができる。
【0133】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0134】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置が有する機能を説明するための機能ブロック図。
【図3】野球ゲームのテレビジョンモニタに表示された、各選手キャラクタの調子報知用画像を説明するための図。
【図4】調子データに対応する画像データを選定するための画像選定テーブル。
【図5】調子調整システムを説明するためのフローチャート(その1)。
【図6】調子調整システムを説明するためのフローチャート(その2)。
【符号の説明】
【0136】
1 制御部
3 画像表示部
5 操作入力部
7 CPU
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 第1特性データ認識手段
51 第2特性データ認識手段
52 要求度データ算出手段
53 イベント実行手段
54 参加率データ算出手段
55 調子データ算出手段
56 心理データ算出手段
57 閾値データ認識手段
58 調子データ修正手段
59 調子画像表示手段
70 調子報知用画像、アイコン画像
P(n) 第1特性データ
N(n),A(n) 第2特性データ
K(n) 要求度データ
C(n) 調子データ
S(n) 心理データ
KY(n) 起用度データ
M(n) 調子データに対応する画像データ
I,I1,I2 閾値データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタの状態をモニタに表示可能なゲームを実現可能なコンピュータに、
ゲームにおいて前記キャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部に認識させる第1特性データ認識機能と、
ゲームにおいて前記キャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部に認識させる第2特性データ認識機能と、
前記第1特性データおよび前記第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、前記キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データを算出する処理を制御部に実行させる要求度データ算出機能と、
前記キャラクタの主観的な要求の対象を示す要求対象データを設定する処理を制御部に実行させる要求対象データ設定機能と、
前記要求度データと前記要求対象データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部に実行させる調子データ算出機能と、
ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す画像を、記憶部に格納された前記調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示する調子画像表示機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記要求度データに基づいて、ゲームにおける前記キャラクタの心理的な状態を示す心理データ(調子累積値)を算出する処理を制御部に実行させる心理データ算出機能と、
前記心理データに基づいて、前記調子データを修正する処理を制御部に実行させる調子データ修正機能と、
をさらに実現させ、
前記調子画像表示機能においては、前記キャラクタの状態を示す画像が、修正された前記調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
ゲームにおけるイベントを実行するための命令を制御部に発行させ、前記イベントを制御する処理を制御部に実行させるイベント実行機能、
をさらに実現させ、
前記要求対象データ設定機能においては、前記イベントに対する前記キャラクタの参加の程度を示す参加率データを設定する処理が、制御部により実行され、
前記調子データ算出機能においては、前記要求度データと前記参加率データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す調子データを算出する処理が、制御部により実行され、
前記心理データ算出機能においては、前記要求度データと前記参加率データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、ゲームにおける前記キャラクタの心理的な状態を示す心理データを算出する処理が、制御部に実行される、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記キャラクタに対する心理的な影響を前記キャラクタの状態に反映するための閾値データを制御部に認識させる閾値データ認識機能、
をさらに実現させ、
前記調子データ修正機能においては、前記心理データと前記閾値データとを比較する処理を制御部に実行させることにより、前記調子データを修正する処理が制御部により実行される、
請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記調子データ修正機能においては、前記心理データに基づいて、前記キャラクタの前記調子データおよび他の前記キャラクタの前記調子データの少なくともいずれか一方の調子データを修正する処理が制御部により実行される、
請求項2から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記要求度データ算出機能においては、前記第1特性データおよび前記第2特性データの少なくともいずれか一方のデータの大きさに応じて、前記キャラクタが有する主観的な要求の程度を示す要求度データが大きくなるように、要求度データを算出する処理が、制御部により実行される、
請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
キャラクタの状態をモニタに表示可能なゲームを実行可能なゲーム装置であって、
ゲームにおいて前記キャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部に認識させる第1特性データ認識手段と、
ゲームにおいて前記キャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部に認識させる第2特性データ認識手段と、
前記第1特性データおよび前記第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、前記キャラクタが有する主観的な要求の程度(起用要求度)を示す要求度データを算出する処理を制御部に実行させる要求度データ算出手段と、
前記要求度データに基づいて、ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部に実行させる調子データ算出手段と、
ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す画像を、記憶部に格納された前記調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示する調子画像表示手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項8】
キャラクタの状態をモニタに表示可能なゲームをコンピュータにより制御するゲーム制御方法であって、
ゲームにおいて前記キャラクタが有する主観的な特性を示す第1特性データを制御部に認識させる第1特性データ認識ステップと、
ゲームにおいて前記キャラクタに対する客観的な特性を示す第2特性データを制御部に認識させる第2特性データ認識ステップと、
前記第1特性データおよび前記第2特性データの少なくともいずれか一方のデータに基づいて、前記キャラクタが有する主観的な要求の程度(起用要求度)を示す要求度データを算出する処理を制御部に実行させる要求度データ算出ステップと、
前記要求度データに基づいて、ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す調子データを算出する処理を制御部に実行させる調子データ算出ステップと、
ゲームにおける前記キャラクタの状態を示す画像を、記憶部に格納された前記調子データに対応する画像データを用いて、モニタに表示する調子画像表示ステップと、
を備えるゲーム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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