説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム方法

【課題】 ゲームにおいて多様な命令を指示することができる操作システムと、命令の指示に集中することができる操作システムを提供することにある。
【解決手段】 本ゲームプログラムでは、コントローラ17の入力ボタンが操作されて入力ボタンからの入力が終了したときに、入力ボタンからの複数の入力信号81に対応する動作命令80が設定される。そして、制御部7による動作命令80の実行が保留すなわち予約される。続いて、イベントが制御部7により開始されると、予約された動作命令80が制御部7により実行される。すると、制御部7に実行された動作命令80に基づいて、イベントの実行中にキャラクタが動作させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力ボタンが配置されている。このようなゲーム装置においては、コントローラを操作することにより、モニタに表示されたキャラクタを動作させることができるようになっている。
【0003】
従来から提案されてきた様々ビデオゲームの1つとして、コントローラの入力ボタンを操作することにより、モニタに表示されたキャラクタを動作させるタイプの対戦ゲームが知られている。このような対戦ゲームには、たとえば野球ゲームやサッカーゲーム等がある。
【0004】
たとえば、従来の野球ゲームでは、作戦命令たとえば走塁等に関する命令が、1つの入力ボタンによって対象キャラクタに指示されるようになっている。この野球ゲームにおいて、走塁に関する命令を走者キャラクタに指示する場合、三角印ボタンを押すことにより走者キャラクタに進塁命令が指示され、丸印ボタンを押すことにより走者キャラクタに帰塁命令が指示される。このような方式を用いて、たとえばヒットエンドランを実行しようとした場合、投手キャラクタが投球モーションを開始した後に三角印ボタンを押すことにより、走者キャラクタに進塁命令が指示される(非特許文献1)。
【非特許文献1】プロ野球スピリッツ2004 クライマックス,コナミ株式会社,PS2版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の野球ゲームでは、作戦命令たとえば走塁等に関する命令が、1つの入力ボタンによって対象キャラクタに指示されるようになっている。このような野球ゲームでは、コントローラに用意された入力ボタンの数によって、ゲームにおいて実行可能な作戦命令の数が制限されることになる。このため、従来の野球ゲームでは、基本的な作戦命令たとえば進塁命令を走者キャラクタに指示することはできるものの、実際の野球において用いられる多様な作戦が、野球ゲームにおいて実現できないという問題点がある。
【0006】
一方で、ヒットエンドランのような作戦命令を対象キャラクタに指示する場合、投手キャラクタが投球モーションを開始した後に、プレイヤは、まず、三角印ボタンを押して走者キャラクタに進塁命令を指示する。次に、プレイヤは、投手キャラクタから投球されたボールを打つために打者キャラクタに打撃に関する命令を指示することになる。このような一連の各種命令の指示は、投手キャラクタが投球モーションを開始してから、投手キャラクタから投球されたボールがヒッティングポイントに到達するまでの僅かな時間の間に行われる必要がある。このため、プレイヤは、走塁に関する命令や打撃に関する命令に集中できなくなるという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、ゲームにおいて多様な命令を指示することができる操作システムを提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、命令の指示に集中することができる操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる信号認識機能。
(2)制御部に認識させた複数の入力信号に対応する動作命令を制御部に認識させる命令認識機能。
(3)制御部に認識させた動作命令の実行を制御部に保留させる命令保留機能。
(4)制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令を制御部に受け付けさせるイベント開始命令受付機能。
(5)制御部に受け付けさせたイベント開始命令に基づいてイベントを開始させるイベント開始機能。
(6)制御部に保留させた動作命令の実行をイベントの実行中に制御部に行わせる命令実行機能。
(7)制御部に実行させた動作命令に基づいてイベントの実行中にキャラクタを動作させるキャラクタ動作機能。
【0010】
このゲームプログラムでは、信号認識機能が、コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる。そして、命令認識機能が、制御部に認識させた複数の入力信号に対応する動作命令を制御部に認識させる。次に、命令保留機能が、制御部に認識させた動作命令の実行を制御部に保留させる。続いて、イベント開始命令受付機能が、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令を制御部に受け付けさせる。続いて、イベント開始機能が、制御部に受け付けさせたイベント開始命令に基づいてイベントを開始させる。続いて、命令実行機能が、制御部に保留させた動作命令の実行をイベントの実行中に制御部に行わせる。最後に、キャラクタ動作機能が、制御部に実行させた動作命令に基づいてイベントの実行中にキャラクタを動作させる。
【0011】
このゲームプログラムでは、コントローラの入力ボタンが操作されて入力ボタンからの入力が終了したときに、入力ボタンからの複数の入力信号に対応する動作命令が設定される。そして、制御部による動作命令の実行が保留すなわち予約される。続いて、イベントが制御部により開始されると、予約された動作命令が制御部により実行される。すると、制御部に実行された動作命令に基づいて、イベントの実行中にキャラクタが動作させられる。
【0012】
このようなゲームプログラムにおいては、入力ボタンからの複数の入力信号に対応する動作命令が設定されるようになっているので、複数の入力信号の組合せ入力によって、多様な動作命令を指示することができる。また、イベントが開始される前には、設定された動作命令の実行が予約されるようになっており、イベントが開始された後には、予約された動作命令の実行が行われるようになっている。これにより、たとえば、投手キャラクタが投球モーションを開始する前にヒットエンドラン命令を予約しておけば、投手キャラクタが投球モーションを開始した後に、ヒットエンドラン命令を実行させることができる。つまり、投手キャラクタから投球されたボールがヒッティングポイントに到達するまでの間は、プレイヤは、打者キャラクタの打撃に関する命令の指示だけに集中することができる。
【0013】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(8)複数の入力信号が制御部に認識されるときに、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させるイベント開始規制機能。
(9)複数の入力信号が制御部に認識された後に、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制を制御部に解除させるイベント開始規制解除機能。
【0014】
このゲームプログラムでは、複数の入力信号が制御部に認識されるときに、イベント開始規制機能が、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させる。また、複数の入力信号が制御部に認識された後に、イベント開始規制解除機能が、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制を制御部に解除させる。すると、イベント開始命令受付機能は、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制が制御部に解除された後に、イベント開始命令を制御部に受け付けさせる。この場合、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制が制御部に解除されるまでは、イベント開始命令が制御部に受け付けられないようになっているので、入力ボタンからの複数の入力信号を確実に制御部に認識させることができる。
【0015】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項2のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(10)コントローラから発行された複数の入力信号のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かを制御部に判断させる信号判断機能。
【0016】
このゲームプログラムでは、信号判断機能が、コントローラから発行された複数の入力信号のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かを制御部に判断させる。そして、最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部に判断された場合に、イベント開始規制機能が、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させる。この場合、入力ボタンが操作されたときに最初に操作された入力ボタンが所定の入力ボタンである場合、すなわち動作命令を予約するときの起点となる入力ボタン(所定の入力ボタン)が押された場合に、イベント開始命令が制御部に受け付けられないようになるので、入力ボタンからの複数の入力信号を確実に制御部に認識させることができる。
【0017】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項1から3のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(10)コントローラから発行された複数の入力信号のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かを制御部に判断させる信号判断機能。
【0018】
このゲームプログラムでは、信号判断機能が、コントローラから発行された複数の入力信号のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かを制御部に判断させる。そして、最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部に判断された場合に、命令認識機能が、制御部に認識させた複数の入力信号に対応する動作命令を制御部に認識させる。この場合、入力ボタンが操作されたときに最初に操作された入力ボタンが所定の入力ボタンである場合、すなわち動作命令を予約するときの起点となる入力ボタン(所定の入力ボタン)が押された場合に、入力ボタンからの複数の入力信号に対応する動作命令が制御部に認識されるので、動作命令を予約するときの起点となる入力ボタンを知覚しやすくなり、多様な動作命令を入力ボタンから指示しやすくなる。
【0019】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1から4のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(11)動作命令の対象となるイベントを規定するための命令有効期間を制御部に認識させる期間認識機能。
【0020】
このゲームプログラムでは、期間認識機能が、動作命令の対象となるイベントを規定するための命令有効期間を制御部に認識させる。そして、命令実行機能が、制御部に保留させた動作命令の実行を、命令有効期間におけるイベントの実行中に制御部に行わせる。この場合、動作命令を一旦予約してしまえば、複数のイベントそれぞれに対して、予約された動作命令を連続的に実行させることができる。たとえば、投手キャラクタが投球モーションを開始する前にヒットエンドラン命令を予約しておけば、ある打者の打席が終了するまでの間において、投手キャラクタが投球モーションを開始するごとに、ヒットエンドラン命令を実行させることができる。これにより、プレイヤは、打者キャラクタの打撃に関する命令の指示だけに集中することができる。
【0021】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項1から5のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(12)制御部に認識させた複数の入力信号に対応する記号および複数の入力信号に対応する動作命令の内容の少なくともいずれか一方をモニタに表示させるための命令を制御部に発行させる情報表示機能。
【0022】
このゲームプログラムでは、情報表示機能が、制御部に認識させた複数の入力信号に対応する記号および複数の入力信号に対応する動作命令の内容の少なくともいずれか一方をモニタに表示させるための命令を制御部に発行させる。この場合、たとえば、コントローラの複数の入力ボタンが操作されたときに、複数の入力ボタンの記号たとえば「L2記号+三角記号+丸記号」といった記号をモニタに表示させたり、操作された入力ボタンに対応する動作命令の内容たとえば「ヒットエンドラン」という文字をモニタに表示させることができる。これにより、プレイヤが複数の入力ボタンを操作するときの入力ボタンの誤操作を低減することができる。また、プレイヤは、所望の動作命令を入力できたかどうかを確認することができる。
【0023】
請求項7に係るゲーム装置は、コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる信号認識手段と、制御部に認識させた複数の入力信号に対応する動作命令を制御部に認識させる命令認識手段と、制御部に認識させた動作命令の実行を制御部に保留させる命令保留手段と、イベント開始命令を制御部に受け付けさせるイベント開始命令受付手段と、制御部に受け付けさせたイベント開始命令に基づいてイベントを開始させるイベント開始手段と、制御部に保留させた動作命令の実行をイベントの実行中に制御部に行わせる命令実行手段と、制御部に実行させた動作命令に基づいてイベントの実行中にキャラクタを動作させるキャラクタ動作手段と、を備えている。
【0024】
請求項8に係るゲーム方法は、コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームをコンピュータに実行させるためのゲーム方法である。このゲーム方法は、コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる信号認識ステップと、制御部に認識させた複数の入力信号に対応する動作命令を制御部に認識させる命令認識ステップと、制御部に認識させた動作命令の実行を制御部に保留させる命令保留ステップと、イベント開始命令を制御部に受け付けさせるイベント開始命令受付ステップと、制御部に受け付けさせたイベント開始命令に基づいてイベントを開始させるイベント開始ステップと、制御部に保留させた動作命令の実行をイベントの実行中に制御部に行わせる命令実行ステップと、制御部に実行させた動作命令に基づいてイベントの実行中にキャラクタを動作させるキャラクタ動作ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、入力ボタンからの複数の入力信号に対応する動作命令が設定されるようになっているので、複数の入力信号の組合せ入力によって、多様な動作命令を指示することができる。また、イベントが開始される前には、設定された動作命令の実行が予約されるようになっており、イベントが開始された後には、予約された動作命令の実行が行われるようになっている。これにより、たとえば、投手キャラクタが投球モーションを開始する前にヒットエンドラン命令を予約しておけば、投手キャラクタが投球モーションを開始した後に、ヒットエンドラン命令を実行させることができる。つまり、投手キャラクタから投球されたボールがヒッティングポイントに到達するまでの間は、プレイヤは、打者キャラクタの打撃に関する命令の指示だけに集中することができる。
【0026】
また、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制が制御部に解除されるまでは、イベント開始命令が制御部に受け付けられないようになっているので、入力ボタンからの複数の入力信号を確実に制御部に認識させることができる。
【0027】
また、入力ボタンが操作されたときに最初に操作された入力ボタンが所定の入力ボタンである場合、すなわち動作命令を予約するときの起点となる入力ボタン(所定の入力ボタン)が押された場合に、イベント開始命令が制御部に受け付けられないようになるので、入力ボタンからの複数の入力信号を確実に制御部に認識させることができる。
【0028】
また、入力ボタンが操作されたときに最初に操作された入力ボタンが所定の入力ボタンである場合、すなわち動作命令を予約するときの起点となる入力ボタン(所定の入力ボタン)が押された場合に、入力ボタンからの複数の入力信号に対応する動作命令が制御部に認識されるので、動作命令を予約するときの起点となる入力ボタンを知覚しやすくなり、多様な動作命令を入力ボタンから指示しやすくなる。
【0029】
また、動作命令を一旦予約してしまえば、複数のイベントそれぞれに対して、予約された動作命令を連続的に実行させることができる。
【0030】
さらに、コントローラの複数の入力ボタンが操作されたときに、複数の入力ボタンの記号をモニタに表示させたり、操作された入力ボタンに対応する動作命令の内容をモニタに表示させることができる。これにより、プレイヤが複数の入力ボタンを操作するときの入力ボタンの誤操作を低減することができる。また、プレイヤは、所望の動作命令を入力できたかどうかを確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置をとりあげて説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0032】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0033】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。
【0034】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0035】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0036】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0037】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカー13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカー13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカー13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカー13から出力することができる。
【0038】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0039】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0040】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0041】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0042】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0043】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0044】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0045】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0046】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データにコマンドを発行する。
【0047】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0048】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカー13から音声として出力される。
【0049】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機1は、コントローラ17を操作することによってテレビジョンモニタ20に表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0050】
キャラクタ表示手段50は、テレビジョンモニタ20に選手キャラクタを表示する機能を備えている。キャラクタ表示手段50は、選手キャラクタをテレビジョンモニタ20に表示する。
【0051】
この手段では、選手キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示される。この手段では、選手キャラクタに対応する選手用画像データが、ゲームプログラムのロード時に、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、選手用画像データが制御部1たとえばCPU7に認識される。また、選手用画像データをテレビジョンモニタ20に表示するための選手用座標データが、記憶部2たとえば記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納される。このときに、選手用座標データが制御部1たとえばCPU7に認識される。すると、RAM12に格納された選手用画像データが、CPU7からの指示に基づいて、画像処理回路14を介してテレビジョンモニタ20に供給される。そして、選手用画像データが、選手用座標データに基づいて、テレビジョンモニタ20の所定の位置に表示される。なお、選手用画像データをテレビジョンモニタ20の所定の位置に表示するための指示は、CPU7により行われる。
【0052】
信号認識手段51は、コントローラから発行された複数の入力信号81それぞれを制御部に認識させる機能を備えている。信号認識手段51は、コントローラから発行された複数の入力信号81それぞれを制御部に認識させる。
【0053】
この手段では、コントローラから発行された複数の入力信号81それぞれが制御部に認識される。この手段では、コントローラの入力ボタンが操作されると、コントローラから入力信号が発行され、この入力信号が制御部たとえばCPU7に認識される。
【0054】
信号判断手段52は、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かを制御部に判断させる機能を備えている。信号判断手段52は、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かを制御部に判断させる。
【0055】
この手段では、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であるか否かが制御部に判断される。この手段では、コントローラの入力ボタンが操作され、コントローラから最初に発行された入力信号が制御部たとえばCPU7に認識されるときに、このコントローラから最初に発行された入力信号が所定の入力信号であるか否かがCPU7に判断される。すなわち、コントローラの所定の入力ボタンからの入力が行われたか否かがCPU7に判断される。
【0056】
イベント開始規制手段53は、複数の入力信号81が制御部に認識されるときに、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させる機能を備えている。イベント開始規制手段53は、複数の入力信号81が制御部に認識されるときに、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させる。より詳細には、イベント開始規制手段53は、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部に判断された場合に、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させる機能を備えている。イベント開始規制手段53は、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部に判断された場合に、制御部に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを制御部に規制させる。
【0057】
この手段では、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部たとえばCPU7に判断された場合に、CPU7に対するキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けが、CPU7に規制される。この手段では、コントローラの所定の入力ボタンからの入力が行われた場合、イベント開始命令がCPU7に受け付けられなくなるように規制される。
【0058】
命令認識手段54は、制御部に認識させた複数の入力信号81に対応する動作命令80を制御部に認識させる機能を備えている。命令認識手段54は、制御部に認識させた複数の入力信号81に対応する動作命令80を制御部に認識させる。より詳細には、命令認識手段54は、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部に判断された場合に、制御部に認識させた複数の入力信号81に対応する動作命令80を制御部に認識させる機能を備えている。命令認識手段54は、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部に判断された場合に、制御部に認識させた複数の入力信号81に対応する動作命令80を制御部に認識させる。
【0059】
この手段では、コントローラから発行された複数の入力信号81のうち最初の入力信号が所定の入力信号であると制御部たとえばCPU7に判断された場合に、複数の入力信号81に対応する動作命令80が制御部に認識される。この手段では、コントローラの所定の入力ボタンからの入力が行われた場合に、対応する動作命令80がCPU7に認識される。
【0060】
期間認識手段55は、動作命令80の対象となるイベントを規定するための命令有効期間82を制御部に認識させる機能を備えている。期間認識手段55は、動作命令80の対象となるイベントを規定するための命令有効期間82を制御部に認識させる。
【0061】
この手段では、動作命令80の対象となるイベントを規定するための命令有効期間82が制御部たとえばCPU7に認識される。CPU7に認識された動作命令80を少なくとも1つのイベントに対してCPU7に実行させるための命令有効期間82が、CPU7に認識される。
【0062】
命令保留手段56は、制御部に認識させた動作命令80の実行を制御部に保留させる機能を備えている。命令保留手段56は、制御部に認識させた動作命令80の実行を制御部に保留させる。
【0063】
この手段では、制御部に認識された動作命令80の実行が制御部に保留される。この手段では、動作命令80が制御部たとえばCPU7に認識された後、動作命令80の実行がCPU7に保留された状態で維持される。
【0064】
イベント開始規制解除手段57は、複数の入力信号81が制御部に認識された後に、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制を制御部に解除させる機能を備えている。イベント開始規制解除手段57は、複数の入力信号81が制御部に認識された後に、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制を制御部に解除させる。
【0065】
この手段では、複数の入力信号81が制御部たとえばCPU7に認識された後に、CPU7に対するイベント開始命令の受け付け規制をCPU7に解除させる。この手段では、複数の入力信号81が制御部たとえばCPU7に認識されると、イベント開始命令がCPU7に受け付けられるようになる。
【0066】
イベント開始命令受付手段58は、イベント開始命令を制御部に受け付けさせる機能を備えている。イベント開始命令受付手段58は、イベント開始命令を制御部に受け付けさせる。より詳細には、イベント開始命令受付手段58は、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制が制御部に解除された後に、イベント開始命令を制御部に受け付けさせる機能を備えている。イベント開始命令受付手段58は、制御部に対するイベント開始命令の受け付け規制が制御部に解除された後に、イベント開始命令を制御部に受け付けさせる。
【0067】
この手段では、キャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令が、制御部たとえばCPU7に受け付けられる。この手段では、キャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令をCPU7が受け付ける状態に設定される。
【0068】
イベント開始手段59は、制御部に受け付けさせたイベント開始命令に基づいてイベントを開始させる機能を備えている。イベント開始手段59は、制御部に受け付けさせたイベント開始命令に基づいてイベントを開始させる。
【0069】
この手段では、制御部に受け付けられたイベント開始命令に基づいて、イベントが開始される。この手段では、イベント開始命令をCPU7が受け付け可能な状態にあるときに、制御部たとえばCPU7に受け付けられたイベント開始命令に基づいて、イベントがCPU7により開始される。
【0070】
命令実行手段60は、制御部に保留させた動作命令80の実行をイベントの実行中に制御部に行わせる機能を備えている。命令実行手段60は、制御部に保留させた動作命令80の実行をイベントの実行中に制御部に行わせる。より詳細には、命令実行手段60は、制御部に保留させた動作命令80の実行を、命令有効期間82におけるイベントの実行中に制御部に行わせる機能を備えている。命令実行手段60は、制御部に保留させた動作命令80の実行を、命令有効期間82におけるイベントの実行中に制御部に行わせる。
【0071】
この手段では、制御部たとえばCPU7に保留させた動作命令80の実行が、命令有効期間82におけるイベントの実行中にCPU7によって行われる。この手段では、CPU7に保留させた動作命令80が、命令有効期間82におけるイベントの実行中すなわち命令有効期間82として設定された少なくとも1つのイベントに対して、CPU7により実行される。
【0072】
キャラクタ動作手段61は、制御部に実行させた動作命令80に基づいてイベントの実行中にキャラクタを動作させる機能を備えている。キャラクタ動作手段61は、制御部に実行させた動作命令80に基づいてイベントの実行中にキャラクタを動作させる。より詳細には、キャラクタ動作手段61は、制御部に実行させた動作命令80に基づいて、命令有効期間82におけるイベントの実行中にキャラクタを動作させる機能を備えている。キャラクタ動作手段61は、制御部に実行させた動作命令80に基づいて、命令有効期間82におけるイベントの実行中にキャラクタを動作させる。
【0073】
この手段では、制御部たとえばCPU7に実行させた動作命令80に基づいて、命令有効期間82における少なくとも1つのイベントの実行中にキャラクタが動作させられる。この手段では、制御部たとえばCPU7に実行させた動作命令80に基づいて、命令有効期間82における少なくとも1つのイベントの実行中に、選手用画像データが、制御部1たとえば信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とによって処理される。そして、処理された画像データがRAM12からテレビジョンモニタ20に供給されて、選手キャラクタの動作が動画としてテレビジョンモニタ20に表示される。
【0074】
情報表示手段62は、制御部に認識させた複数の入力信号81に対応する記号および複数の入力信号81に対応する動作命令80の内容の少なくともいずれか一方をモニタに表示させるための命令を制御部に発行させる機能を備えている。情報表示手段62は、制御部に認識させた複数の入力信号81に対応する記号および複数の入力信号81に対応する動作命令80の内容の少なくともいずれか一方をモニタに表示させるための命令を制御部に発行させる。
【0075】
この手段では、制御部たとえばCPU7に認識させた複数の入力信号81に対応する記号および複数の入力信号81に対応する動作命令80の内容の少なくともいずれか一方をテレビジョンモニタ20に表示させるための命令がCPU7から発行される。この手段では、コントローラの複数の入力ボタンが操作されたときに、操作された入力ボタンの記号および入力ボタンの操作に対応する動作命令80の内容の少なくともいずれか一方が、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0076】
〔野球ゲームにおける予約命令入力システムの概要〕
ここでは、野球ゲームにおける予約命令入力システムの具体的な内容について説明する。
【0077】
(ヒットエンドラン命令)
予約命令入力システムを具体的に説明するための一例として、ランナーが1塁および3塁にいるときにヒットエンドラン命令が指示される場合の説明を以下に行うものとする。
【0078】
図3、図4および図6に示すように、投手キャラクタおよび打者キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示されている状態において、まず、L2ボタン17L2が押されると、動作命令80入力の開始がCPU7に認識される。このようにL2ボタン17L2が押された後には、打者キャラクタおよびランナーキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令たとえば投手キャラクタに投球モーションを開始させるためのモーション開始命令がCPU7に受け付けられないように規制されている。すなわち、投手キャラクタの投球モーションを開始させるための命令が、CPU7に受け付けられないようになっている。
【0079】
続いて、三角印付きボタン17aおよび丸印付きボタン17bが押されると、予約命令入力において操作された入力ボタンに対応する動作命令80すなわちヒットエンドラン命令がCPU7に認識される。すると、CPU7に認識されたヒットエンドラン命令を1つのイベントに対してCPU7に実行させるための命令有効期間82が、CPU7に認識される。ここでは、命令有効期間82が、ゲームプログラムにおいて予め動作命令80に対応づけられている。
【0080】
続いて、CPU7に認識されたヒットエンドラン命令の実行がCPU7に規制される。すなわち、CPU7に認識されたヒットエンドラン命令の実行がCPU7に保留された状態すなわち予約された状態になる。すると、投手キャラクタの投球モーションを開始させるためのモーション開始命令の規制が解除される。そして、投手キャラクタに投球に関する命令を指示した後、モーション開始命令を発行するための入力ボタンたとえば
X印ボタンが押されると、モーション開始命令がCPU7に受け付けられる。すると、モーション開始命令に基づいて、CPU7は、投手キャラクタに投球モーションを開始させる。投手キャラクタが投球モーションを開始すると、CPU7に予約されたヒットエンドラン命令がCPU7によって実行される。すなわち、投手キャラクタが投球モーションを開始すると、1塁ランナーキャラクタに対してはスタート命令がCPU7によって指示され、3塁ランナーキャラクタに対しては非スタート命令がCPU7によって指示される。
【0081】
最後に、ヒットエンドラン命令がCPU7によって実行されると、1塁ランナーキャラクタが2塁に向けて走塁する動画が、テレビジョンモニタ20に表示される。このとき、3塁ランナーキャラクタは、スタートすることなく3塁でリードを保ったままテレビジョンモニタ20に表示されている。
【0082】
なお、L2ボタン17L2、三角印付きボタン17aおよび丸印付きボタン17bが押されたときには、「L2」という文字、三角記号および丸記号が、順次、テレビジョンモニタ20の下部に表示される。また、L2ボタン17L2、三角印付きボタン17aおよび丸印付きボタン17bすべての押下が終了したときには、「ヒットエンドラン」という文字が、テレビジョンモニタ20の下部に表示されるようになっている。
【0083】
なお、投手キャラクタに投球させるための入力操作および投手キャラクタから投球されたボールを打者キャラクタに打たせるための入力操作は、従来と同様の方法で実行される。
【0084】
このように、ヒットエンドラン命令がCPU7に認識された場合は、投手キャラクタと打者キャラクタとの1球ごとのイベントを1つの対決イベントとして定義すると、1つの対決イベントに対して、送りバント命令が予約され実行されるようになっている。
【0085】
(送りバント命令)
予約命令入力システムを具体的に説明するための一例として、ランナーが1塁および3塁にいるときに送りバント命令が指示される場合の説明を以下に行うものとする。
【0086】
図3、図5および図6に示すように、投手キャラクタおよび打者キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示されている状態において、まず、L2ボタン17L2が押されると、動作命令80入力の開始がCPU7に認識される。このようにL2ボタン17L2が押された後には、打者キャラクタおよびランナーキャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令たとえば投手キャラクタに投球モーションを開始させるためのモーション開始命令がCPU7に受け付けられないように規制されている。すなわち、投手キャラクタの投球モーションを開始させるための命令が、CPU7に受け付けられないようになっている。
【0087】
続いて、R1ボタン17R1が押されると、予約命令入力において操作された入力ボタンに対応する動作命令80すなわち送りバント命令がCPU7に認識される。すると、CPU7に認識された送りバント命令を複数のイベントに対してCPU7に実行させるための命令有効期間82が、CPU7に認識される。ここでは、命令有効期間82が、ゲームプログラムにおいて予め動作命令80に対応づけられている。
【0088】
続いて、CPU7に認識された送りバント命令の実行がCPU7に規制される。すなわち、CPU7に認識された送りバント命令の実行がCPU7に保留された状態すなわち予約された状態になる。すると、投手キャラクタの投球モーションを開始を開始させるためのモーション開始命令の規制が解除される。そして、投手キャラクタに投球に関する命令を指示した後、モーション開始命令を発行するための入力ボタンたとえばX印ボタンが押されると、モーション開始命令がCPU7に受け付けられる。すると、モーション開始命令に基づいて、CPU7は、投手キャラクタに投球モーションを開始させる。投手キャラクタが投球モーションを開始すると、CPU7に予約された送りバント命令がCPU7によって実行される。すなわち、投手キャラクタが投球モーションを開始すると、打者キャラクタに対してはバント命令がCPU7によって指示され、1塁ランナーキャラクタに対してはスタート命令がCPU7によって指示され、3塁ランナーキャラクタに対しては非スタート命令がCPU7によって指示される。
【0089】
続いて、送りバント命令がCPU7によって実行されると、バント姿勢の打者キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示される。このとき、打者キャラクタのバットの高さおよびボールをバントする方向を左スティックにて調節して、打者キャラクタにバントさせた場合、1塁ランナーキャラクタが2塁に向けて走塁する動画が、テレビジョンモニタ20に表示される。このとき、3塁ランナーキャラクタは、スタートすることなく3塁でリードを保ったままテレビジョンモニタ20に表示されている。
【0090】
ここで、打者キャラクタのバットの高さおよびボールをバントする方向を左スティックにて調節して、打者キャラクタにバントをさせたときにファールになったりバットにボールが当たらなかったりした場合は、1塁および3塁ランナーキャラクタが1塁に帰塁する動画が、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0091】
次に、CPU7に実行された送りバント命令は、命令の実行がCPU7に再度予約された状態になる。そして、投手キャラクタに投球に関する命令を指示した後、モーション開始命令を発行するための入力ボタンたとえばX印ボタンが再度押されると、モーション開始命令がCPU7に受け付けられる。すると、モーション開始命令に基づいて、CPU7は、投手キャラクタに投球モーションを開始させる。投手キャラクタが投球モーションを開始すると、CPU7に予約された送りバント命令がCPU7によって再度実行される。すなわち、投手キャラクタが2度目の投球モーションを開始すると、打者キャラクタに対してはバント命令がCPU7によって指示され、1塁ランナーキャラクタに対してはスタート命令がCPU7によって指示され、3塁ランナーキャラクタに対しては非スタート命令がCPU7によって指示される。
【0092】
続いて、送りバント命令がCPU7によって実行されると、バント姿勢の打者キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示される。このとき、打者キャラクタのバットの高さおよびボールをバントする方向を左スティックにて調節して、打者キャラクタにバントさせた場合、1塁ランナーキャラクタが2塁に向けて走塁する動画が、テレビジョンモニタ20に表示される。このとき、3塁ランナーキャラクタは、スタートすることなく3塁でリードを保ったままテレビジョンモニタ20に表示されている。
【0093】
ここで、打者キャラクタのバットの高さおよびボールをバントする方向を左スティックにて調節して、打者キャラクタにバントをさせたときにファールになったりバットにボールが当たらなかったりした場合は、上述したのと同様に、ランナーキャラクタの動画がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0094】
このように、送りバント命令がCPU7に認識された場合は、命令有効期間82の間すなわち送りバント命令が指示されたときから打者キャラクタの1打席が終了するまでの間において、送りバント命令が有効になる。すなわち、投手キャラクタと打者キャラクタとの1球ごとのイベントを1つの対決イベントとして定義すると、複数の対決イベントに対して、送りバント命令が予約された状態で実行されるようになっている。
【0095】
なお、L2ボタン17L2およびR1ボタン17R1が押されたときには、「L2」という文字および「R1」という文字が、順次、テレビジョンモニタ20の下部に表示される。また、L2ボタン17L2およびR1ボタン17R1すべての押下が終了したときには、「送りバント」という文字が、テレビジョンモニタ20の下部に表示されるようになっている。
【0096】
なお、投手キャラクタに投球させるための入力操作および投手キャラクタから投球されたボールを打者キャラクタに打たせるための入力操作は、従来と同様の方法で実行される。
【0097】
このように、送りバント命令がCPU7に認識された場合は、投手キャラクタと打者キャラクタとの1球ごとのイベントを1つの対決イベントとして定義すると、複数の対決イベントに対して、送りバント命令が予約され実行されるようになっている。
【0098】
(その他の命令)
予約命令入力システムにおいて指示可能な各種の命令の概要を、以下に説明するものとする。
【0099】
・偽装スタート命令
投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、三角印付きボタン17aおよび四角印付きボタン17dが押されると、投手キャラクタが投球モーションを開始したタイミングでランナーキャラクタにスタートをきる構えをさせる命令が、CPU7に認識される。この命令では、命令有効期間82が1つの対決イベントに対して有効になっている。
【0100】
・スクイズ命令
投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、三角印付きボタン17aおよびR1ボタン17R1が押されると、投手キャラクタが投球モーションを開始したタイミングで3塁ランナーキャラクタをスタートさせる命令が、CPU7に認識される。このとき、1塁および/または2塁にランナーキャラクタがいた場合、バットにボールが当たったタイミング(送りバントのタイミング)で1塁および/または2塁のランナーキャラクタをスタートさせる命令が、CPU7に認識される。この命令では、命令有効期間82が1つの対決イベントに対して有効になっている。
【0101】
・ギャンブルスタート命令
投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、四角印付きボタン17dおよび三角印付きボタン17aが押されると、バットにボールが当たったタイミング(送りバントのタイミング)で打球を確認することなくランナーキャラクタをスタートさせる命令が、CPU7に認識される。この命令では、命令有効期間82が複数の対決イベントに対して有効になっている。
【0102】
・敬遠命令
投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、丸印付きボタン17bおよびX印付きボタン17cが押されると、投手キャラクタに敬遠のボールを投球させる命令が、CPU7に認識される。この命令では、命令有効期間82が複数の対決イベントに対して有効になっている。
【0103】
・バントシフト命令
投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、R2ボタン17R2および下方向キー17Dが押されると、投手キャラクタが投球モーションを開始したときに1塁および3塁の野手キャラクタをホームベースの方向に移動させる命令が、CPU7に認識される。また、投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、R2ボタン17R2および右方向キー17Rが押されると、投手キャラクタが投球モーションを開始したときに1塁の野手キャラクタをホームベースの方向に移動させる命令が、CPU7に認識される。さらに、投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、R2ボタン17R2および左方向キー17Lが押されると、投手キャラクタが投球モーションを開始したときに3塁の野手キャラクタをホームベースの方向に移動させる命令が、CPU7に認識される。この命令では、命令有効期間82が1つの対決イベントに対して有効になっている。
【0104】
・2盗時のベースカバー命令
投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、四角印付きボタン17dおよび右方向キー17Rが押されると、1塁ランナーキャラクタが盗塁をしたときに2塁の野手キャラクタに2塁ベースカバーをさせる命令が、CPU7に認識される。また、投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2、四角印付きボタン17dおよび左方向キー17Lが押されると、1塁ランナーキャラクタが盗塁をしたときにショートの野手キャラクタに2塁ベースカバーをさせる命令が、CPU7に認識される。この命令では、命令有効期間82が複数の対決イベントに対して有効になっている。
【0105】
以上のような各種の命令がCPU7に認識された場合、上記のヒットエンドラン命令又は送りバント命令と同様の方法で、各種の命令が命令有効期間82に基づいて予約され実行される。
【0106】
なお、投手キャラクタが投球モーションを開始する前に、L2ボタン17L2およびスタートボタン17eが押されると、対決イベントに対して予約されていた動作命令80たとえばヒットエンドラン命令や送りバント命令等をキャンセルするための命令が、CPU7に認識される(キャンセル命令)。
【0107】
〔野球ゲームにおける予約命令入力システム実行時の処理フロー〕
本実施形態の野球ゲームにおける予約命令入力システムを、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0108】
投手キャラクタおよび打者キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示されている状態において、入力ボタンが押されると、この入力ボタンから発行された入力信号がCPU7に認識される(S1)。すると、CPU7に認識された入力ボタンから発行された入力信号が所定の入力信号たとえばL2ボタン17L2からの入力信号であるか否かがCPU7に判断される(S2)。入力ボタンから発行された最初の入力信号がL2ボタン17L2からの入力信号であるとCPU7に判断された場合(S2でYes)、キャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令たとえば投手キャラクタに投球モーションを開始させるためのモーション開始命令を発行する入力ボタンからの入力信号の受け付けが、CPU7により規制される(S3)。そして、入力信号に対応する記号たとえば「L2」という文字101がテレビジョンモニタ20に表示される(S4)。なお、入力ボタンから発行された最初の入力信号がL2ボタン17L2からの入力信号ではないとCPU7に判断された場合(S2でNo)、再度、ステップ1(S1)が実行される。
【0109】
続いて、少なくとも1つの入力ボタンたとえばR1ボタン17R1が押されると、この入力ボタンから発行された入力信号がCPU7に認識される(S5)。そして、入力信号に対応する記号たとえば「R1」という文字101がテレビジョンモニタ20に表示される。すると、複数の入力信号81たとえばL2ボタン17L2およびR1ボタン17R1からの複数の入力信号81に対応する動作命令80たとえば送りバント命令がCPU7に認識される(S6)。そして、複数の入力信号81に対応する動作命令80の内容たとえば「送りバント」という文字102が、テレビジョンモニタ20に表示される(S7)。そして、CPU7に認識された動作命令80を複数のイベントに対してCPU7に実行させるための命令有効期間82が、CPU7に設定され認識される(S8)。ここでは、命令有効期間82が、ゲームプログラムにおいて予め動作命令80に対応づけられている。たとえば、送りバント命令には、複数のイベントを対象とした命令有効期間82が対応づけられている。なお、命令有効期間82は任意の期間に変更でき、所望の命令有効期間82を、ゲーム開始前や複数のイベントの開始前等にCPU7に認識させ設定するようにしても良い。
【0110】
続いて、CPU7に認識された動作命令80たとえば送りバント命令の実行が、CPU7に予約される(S9)。そして、イベント開始命令たとえばモーション開始命令を発行する入力ボタンからの入力信号の受け付け規制が、CPU7により解除される(S10)。そして、イベント開始命令たとえばモーション開始命令を発行する入力ボタンが押されると、この入力ボタンからの入力信号がCPU7に認識され(S11)、イベント開始命令たとえばモーション開始命令がCPU7に受け付けられる(S12)。すると、CPU7に受け付けられたイベント開始命令に基づいて、イベントたとえば投球モーションが開始される(S13)。すると、CPU7に保留された動作命令80たとえば送りバント命令が、CPU7により実行される(S14)。そして、CPU7により実行された動作命令80たとえば送りバント命令に基づいて、キャラクタたとえば打者キャラクタおよび走者キャラクタがCPU7により動作させられる(S15)。
【0111】
最後に、動作命令80に対応した命令有効期間82が終了したか否かがCPU7によって判断される(S16)。動作命令80に対応した命令有効期間82が終了していないとCPU7によって判断された場合(S16でNo)、再度、ステップ11(S11)が実行される。一方で、動作命令80に対応した命令有効期間82が終了したとCPU7によって判断された場合(S16でYes)、CPU7に実行された動作命令80の実行が終了したものとCPU7に認識される(S17)。
【0112】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ゲーム機1が各種手段50〜62を有する場合の例を示したが、ゲーム機1が、イベントに関連するキャラクタの状況を制御部に判断させる状況判断手段をさらに有するようにしても良い。この場合、命令実行手段60では、制御部に判断されたキャラクタの状況に応じて、制御部に保留させた動作命令の実行がイベントの実行中に制御部により行われる。
【0113】
たとえば、ランナーが1塁および3塁にいるときにヒットエンドラン命令又は送りバント命令が指示される場合、モーション開始命令がCPU7に受け付けられると、モーション開始命令に基づいて、CPU7は、投手キャラクタに投球モーションを開始させる。投手キャラクタが投球モーションを開始すると、ランナーの状況たとえばランナーが1塁および3塁にいるという状況がCPU7に判断される。そして、このランナーの状況に応じて、CPU7に予約されたヒットエンドラン命令又は送りバント命令がCPU7によって実行される。すなわち、投手キャラクタが投球モーションを開始すると、1塁ランナーキャラクタに対してはスタート命令がCPU7によって指示され、3塁ランナーキャラクタに対しては非スタート命令がCPU7によって指示される。すると、1塁ランナーが1塁から2塁へと走塁する状態を示す動画が、テレビジョンモニタ20に表示される。このようにゲーム機1が状況判断手段を有する場合は、ヒットエンドラン命令および送りバント命令のような動作命令すなわち論理的な命令が予約指示されると、ランナーの状況をCPU7に判断させて、ランナーの状況に応じて各ランナーを動作させることができる。
【0114】
このようにゲーム機1が、各種手段50〜62に加えて状況判断手段63をさらに有する場合は、図7のフローチャートのステップ13(S13)とステップ14(S14)との間において、状況判断手段に対応する処理が行われる。すなわち、図8に示すように、モーション開始命令がCPU7に受け付けられると(S12)、CPU7に受け付けられたイベント開始命令に基づいて、イベントたとえば投球モーションが開始される(S13)。投手キャラクタが投球モーションを開始すると、ランナーの状況すなわちランナーが1塁および3塁にいるという状況がCPU7に判断される(S14A)。そして、このランナーの状況に応じて、CPU7に保留された動作命令80たとえばヒットエンドラン命令又は送りバント命令が、CPU7により実行される(S14B)。そして、CPU7により実行された動作命令80たとえばヒットエンドラン命令又は送りバント命令に基づいて、キャラクタたとえば打者キャラクタおよび走者キャラクタがCPU7により動作させられる(S15)。なお、ステップ14A(S14A)およびステップ14B(14B)を除くステップは図7と同じであるため、図8においては、ステップ1(S1)からステップ12(S12)、およびステップ16(S16)からステップ17(S17)を省略した。
【0115】
(b) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0116】
(c) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラム、前述したようなゲームを実行するプログラム方法、およびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置の一例としての機能ブロック図。
【図3】予約命令入力の実行時のテレビジョンモニタ図。
【図4】予約命令入力システムにおける入力信号とCPUの処理内容との関係を示す図(ヒットエンドラン命令時)。
【図5】予約命令入力システムにおける入力信号とCPUの処理内容との関係を示す図(送りバント命令時)。
【図6】動作命令と命令有効期間との関係を示す図。
【図7】予約命令入力を説明するためのフローチャート。
【図8】他の実施形態における予約命令入力を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0118】
1 制御部
7 CPU
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 キャラクタ表示手段
51 信号認識手段
52 信号判断手段
53 イベント開始規制手段
54 命令認識手段
55 期間認識手段
56 命令保留手段
57 イベント開始規制解除手段
58 イベント開始命令受付手段
59 イベント開始手段
60 命令実行手段
61 キャラクタ動作手段
62 情報表示手段
80 動作命令(ヒットエンドラン命令、送りバント命令、偽装スタート命令、スクイズ命令、ギャンブルスタート命令、敬遠命令、バントシフト命令、2盗時のベースカバー命令)
81 入力信号
17L2 L2ボタン(入力信号を発行する入力ボタン、所定の入力信号を発行する入力ボタン)
17R1 R1ボタン(入力信号を発行する入力ボタン)
17R2 R2ボタン(入力信号を発行する入力ボタン)
17a 三角印付きボタン(入力信号を発行する入力ボタン)
17b 丸印付きボタン(入力信号を発行する入力ボタン)
17c X印付きボタン(入力信号を発行する入力ボタン)
17d 四角印付きボタン(入力信号を発行する入力ボタン)
17D 下方向キー(入力信号を発行する入力ボタン)
17R 右方向キー(入力信号を発行する入力ボタン)
17L 左方向キー(入力信号を発行する入力ボタン)
17e スタートボタン
82 命令有効期間
101 「L2+R1」(複数の入力信号に対応する記号)
102 「送りバント」(複数の入力信号に対応する動作命令の内容)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なコンピュータに、
前記コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる信号認識機能と、
前記制御部に認識させた複数の前記入力信号に対応する動作命令を前記制御部に認識させる命令認識機能と、
前記制御部に認識させた前記動作命令の実行を前記制御部に保留させる命令保留機能と、
前記制御部に対する前記キャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令を前記制御部に受け付けさせるイベント開始命令受付機能と、
前記制御部に受け付けさせた前記イベント開始命令に基づいて前記イベントを開始させるイベント開始機能と、
前記制御部に保留させた前記動作命令の実行を前記イベントの実行中に前記制御部に行わせる命令実行機能と、
前記制御部に実行させた前記動作命令に基づいて前記イベントの実行中に前記キャラクタを動作させるキャラクタ動作機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
複数の前記入力信号が前記制御部に認識されるときに、前記制御部に対する前記キャラクタの関連するイベントを開始させるための前記イベント開始命令の受け付けを前記制御部に規制させるイベント開始規制機能と、
複数の前記入力信号が前記制御部に認識された後に、前記制御部に対する前記イベント開始命令の受け付け規制を前記制御部に解除させるイベント開始規制解除機能と、
をさらに実現させ、
前記イベント開始命令受付機能は、前記制御部に対する前記イベント開始命令の受け付け規制が前記制御部に解除された後に、前記イベント開始命令を前記制御部に受け付けさせる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記コントローラから発行された複数の前記入力信号のうち最初の前記入力信号が所定の入力信号であるか否かを前記制御部に判断させる信号判断機能、
をさらに実現させ、
前記イベント開始規制機能は、最初の前記入力信号が所定の前記入力信号であると前記制御部に判断された場合に、前記制御部に対する前記キャラクタの関連するイベントを開始させるためのイベント開始命令の受け付けを前記制御部に規制させる、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記コントローラから発行された複数の前記入力信号のうち最初の前記入力信号が所定の入力信号であるか否かを前記制御部に判断させる信号判断機能、
をさらに実現させ、
前記命令認識機能は、最初の前記入力信号が所定の前記入力信号であると前記制御部に判断された場合に、前記制御部に認識させた複数の前記入力信号に対応する前記動作命令を前記制御部に認識させる、
請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記動作命令の対象となる前記イベントを規定するための命令有効期間を前記制御部に認識させる期間認識機能、
をさらに実現させ、
前記命令実行機能は、前記制御部に保留させた前記動作命令の実行を、前記命令有効期間における前記イベントの実行中に前記制御部に行わせる、
請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記制御部に認識させた複数の前記入力信号に対応する記号および複数の前記入力信号に対応する前記動作命令の内容の少なくともいずれか一方を前記モニタに表示させるための命令を前記制御部に発行させる情報表示機能、
をさらに実現させるための請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームを実現可能なゲーム装置であって、
前記コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる信号認識手段と、
前記制御部に認識させた複数の前記入力信号に対応する動作命令を前記制御部に認識させる命令認識手段と、
前記制御部に認識させた前記動作命令の実行を前記制御部に保留させる命令保留手段と、
前記イベント開始命令を前記制御部に受け付けさせるイベント開始命令受付手段と、
前記制御部に受け付けさせた前記イベント開始命令に基づいて前記イベントを開始させるイベント開始手段と、
前記制御部に保留させた前記動作命令の実行を前記イベントの実行中に前記制御部に行わせる命令実行手段と、
前記制御部に実行させた前記動作命令に基づいて前記イベントの実行中に前記キャラクタを動作させるキャラクタ動作手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項8】
コントローラを操作することによってモニタに表示されたキャラクタを動作させるゲームをコンピュータに実行させるためのゲーム方法であって、
前記コントローラから発行された複数の入力信号それぞれを制御部に認識させる信号認識ステップと、
前記制御部に認識させた複数の前記入力信号に対応する動作命令を前記制御部に認識させる命令認識ステップと、
前記制御部に認識させた前記動作命令の実行を前記制御部に保留させる命令保留ステップと、
前記イベント開始命令を前記制御部に受け付けさせるイベント開始命令受付ステップと、
前記制御部に受け付けさせた前記イベント開始命令に基づいて前記イベントを開始させるイベント開始ステップと、
前記制御部に保留させた前記動作命令の実行を前記イベントの実行中に前記制御部に行わせる命令実行ステップと、
前記制御部に実行させた前記動作命令に基づいて前記イベントの実行中に前記キャラクタを動作させるキャラクタ動作ステップと、
を備えるゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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