説明

ゲームプログラム

【課題】 攻撃の戦略性が多彩な戦闘を行うことが可能なゲームプログラムを提供することを提供すること。
【解決手段】 コンピュータに、キャラクタごとに待機時間カウンタを設定する処理と、キャラクタの動作の終了に応じて、そのキャラクタに対応する待機時間カウンタに、終了したキャラクタの動作の種類ごとに定められている待機時間を設定して上記待機時間カウンタの動作を開始させる処理と、上記味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間を計時し終えたときを、その味方プレーヤキャラクタに対する動作指令の入力を許可する時点と決定する処理と、動作指令入力許可時点となった後に上記入力装置を介して動作指令が入力されたとき、そのキャラクタにその動作指令に基づく動作を行わせる処理を開始する処理とを行わせることを特徴とするゲームプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び入力装置に接続されたコンピュータによって実行されるゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータやTV(テレビ)装置の画面上におけるゲーム上の仮想的な世界の中で、プレーヤがコントローラ等の操作手段によりコマンド入力等を行ってゲームに登場するプレーヤキャラクタを操り、予め設定された物語を進行していくゲームが種々提供されている。このようなゲ一ムは、一般的に「RPG」(Role P1aying Game)と称される。このようなRPGでは、プレーヤが操るキャラクタとコンピュータによって制御される敵キャラクタとが戦闘する戦闘シーンが盛り込まれ、この戦闘で敵キャラクタを倒すことによって経験値などを入手し、キャラクタの能力を成長させながら物語を進行していくものが一般的に知られている。
【0003】
従来、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘の場面において、プレーヤキャラクタの移動速度と敵キャラクタとの距離を考慮して敵キャラクタへの攻撃の可否を判断するゲーム装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、プレーヤキャラクタに対するコマンドの入力中においても時間の流れを停止させないビデオゲーム装置の制御方法が存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、演算によって複数のキャラクタの行動順位を判定し、この判定結果をプレーヤキャラクタに実行させる行動の選択操作に応じて表示するプログラムが存在する(例えば、特許文献3参照)。また、キャラクタについてコマンド入力が許される時点になったときに、キャラクタの表示形態を変化させるビデオゲーム装置の制御方法が存在する(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−166045号公報
【特許文献2】特開平6−105959号公報
【特許文献3】特開2002−292136号公報
【特許文献4】特開平10−244071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のゲーム装置においては、プレーヤキャラクタの移動速度や敵キャラクタとの位置関係が行動順序に影響を及ぼすものの、プレーヤキャラクタがどのような行動をしても、その行動が行動順序に影響を及ぼさないため、現実味に欠けるという問題があった。すなわち、現実社会においては、行動の内容(種類)によって所要時間が異なるのは当然のことであるのも拘らず、特許文献1のゲーム装置においては、行動の種類が行動順序に影響を及ぼさないため、不自然であり現実味に欠けるという問題があったのである。また、プレーヤキャラクタが行う動作の内容が行動順序に影響を及ぼすものではなく、例えば、敵キャラクタの行動内容や行動順位を考慮し、敵キャラクタよりも行動順序が先になるように行動の内容を選択するといったことができないため、戦略性が多彩であるとはいえないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2のビデオゲーム装置の制御方法、特許文献3のプログラム及び特許文献4のビデオゲーム装置の制御方法においても、プレーヤキャラクタが行う動作の内容が行動順序に影響を及ぼすものではないため、戦略性が多彩であるとはいえないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、攻撃の戦略性が多彩な戦闘を行うことが可能なゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 表示装置及び入力装置に接続されたコンピュータによって実行されるゲームプログラムであり、複数の味方プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを上記表示装置の画面に表示し、上記入力装置を介して入力された動作指令又は予め定められた動作指令に応じて各味方プレーヤキャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせる処理を上記コンピュータに行わせるゲームプログラムであって、
上記コンピュータに、
キャラクタごとに待機時間カウンタを設定する処理と、
キャラクタの動作の終了に応じて、そのキャラクタに対応する待機時間カウンタに、終了したキャラクタの動作の種類ごとに定められている待機時間を設定して上記待機時間カウンタの動作を開始させる処理と、
上記味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間を計時し終えたときを、その味方プレーヤキャラクタに対する動作指令の入力を許可する時点と決定する処理と、
動作指令入力許可時点となった後に上記入力装置を介して動作指令が入力されたとき、そのキャラクタにその動作指令に基づく動作を行わせる処理を開始する処理と、
その処理が終了したとき、そのキャラクタに対応する待機時間カウンタに、終了したキャラクタの動作の種類ごとに定められている待機時間を設定して上記待機時間カウンタの動作を再び開始させる処理と
を行わせることを特徴とするゲームプログラム。
【0010】
(1)の発明によれば、プレーヤ又はコンピュータの動作指令に応じて動作を行う複数のプレーヤキャラクタと敵キャラクタとが交互に動作を行うゲームプログラムにおいて、各キャラクタには夫々待機時間カウンタが対応付けられており、キャラクタの動作が終了すると、当該キャラクタに対応付けられた待機時間カウンタは、当該キャラクタが行った動作によって定められる待機時間の計時を行う。そして、上記待機時間の計時が終了すると、当該キャラクタは次の動作を行うことができる。したがって、キャラクタの動作の種類によって異なる待機時間を設定することができるので、キャラクタの動作の種類により次の動作を開始することができるタイミングを異ならせることが可能となる。
このような構成をとることにより、プレーヤは、例えば、敵キャラクタに攻撃される前にプレーヤキャラクタに敵を攻撃させてから回復魔法を使うといったように、敵キャラクタの行動内容を考慮し、敵キャラクタよりも行動順序が先になるように行動の内容を選択するといった戦略を立てることが可能となり、多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0011】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)のゲームプログラムであって、
上記コンピュータに、
各キャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間が計時し終える順序を演算する処理と、
各キャラクタに対応する画像を、上記演算処理の結果により得られた順序に沿って並べて上記表示装置に表示する処理と
を行わせることを特徴とする。
【0012】
(2)の発明によれば、各キャラクタに設定された待機時間を基に、各キャラクタが次に動作を行うことができる順序が演算され、上記演算結果に応じて、各キャラクタに対応する画像が上記順序に沿って並んで表示装置に表示される。これにより、プレーヤは各キャラクタが次に動作を行うことのできる順序を視覚的に把握することが可能となり、より容易に戦略を立てることが可能となる。
また、次に行動をとることができるようになるまでの待ち時間が選択した行動の内容によって異なるため、例えば残りの待ち時間の推移を示す棒グラフを表示装置に表示し、プレーヤが視覚的に待ち時間を把握できるようにするといったことも可能となる。これにより、プレーヤはさらに容易に戦略を立てることが可能となる。また、上記棒グラフの表示内容が次に行動をとることができるようになるまでの待ち時間の長さに応じて変化させることにより、プレーヤは、プレーヤキャラクタの待ち時間を明確に把握することができるとともに、プレーヤキャラクタの待ち時間が減少していく様子を視覚的に確認することができる。
【0013】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)のゲームプログラムであって、
上記待機時間カウンタに設定される待機時間を計時する速度を、その待機時間カウンタに対応するキャラクタの能力値に応じて異ならせることを特徴とする。
【0014】
(3)の発明によれば、各キャラクタが次に動作を行うことができる順序には、キャラクタの能力値(例えば、キャラクタの敏捷性)が反映されることになる。これにより、プレーヤは各キャラクタの能力値を考慮しながら動作を選択するといった戦略を立てることが可能となり、さらに多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1のゲームプログラムであって、
2以上の味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間が同時に計時し終えた場合、それらの味方プレーヤキャラクタに対して決定される動作指令入力許可時点となった後に上記入力装置を介して入力可能となる動作指令に、同時に計時し終えた場合にのみ入力可能となる特別な動作指令を含めることを特徴とする。
【0016】
(4)の発明によれば、2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となった場合に、プレーヤは当該プレーヤキャラクタに対し、他の場合には実行することのできない特別な動作(例えば、2以上のキャラクタが協力して行う動作)を行わせることが可能となる。これにより、プレーヤは、複数のキャラクタが同時に動作を行うことが可能となるように動作の種類を選択するといった戦略を立てることが可能となり、さらに多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。なお、同時に動作を行うことが可能となるとは、例えば、或るプレーヤキャラクタに対応するカウンタの計時が終了してから0.1秒以内に他のプレーヤキャラクタに対応するカウンタの計時が終了することをいう。
また、同時に動作を行うことが可能となるとは、例えば、或るプレーヤキャラクタの行動選択操作が可能となったときに再生される効果音が鳴り終わるまでの間に他のプレーヤキャラクタの行動選択操作が可能となることをいうこととしてもよい。このような構成をとることにより、プレーヤは聴覚によって複数のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となったことを認識することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれか1のゲームプログラムであって、
2以上の味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間が同時に計時し終えた場合、それらの味方プレーヤキャラクタに対して決定される動作指令入力許可時点となった後に、同時に計時し終えた場合にのみ入力可能となる特別な動作指令を自動的に入力することを特徴とする。
【0018】
(5)の発明によれば、2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となった場合に、当該プレーヤキャラクタは、他の場合には実行することのできない特別な動作(例えば、2以上のキャラクタが協力して行う動作)を自動的に実行する。これにより、プレーヤは、複数のキャラクタが同時に動作を行うことが可能となるように動作の種類を選択するといった戦略を立てることが可能となり、さらに多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、攻撃の戦略性が多彩な戦闘を行うことが可能なゲームプログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの構成図である。
ゲームシステム500は、複数の(ここでは15台の)端末装置1と各店舗毎に設けられた店舗サーバ2を介して通信可能に接続されたセンターサーバ3とを備え、さらに、店舗サーバ2を介して接続されたホール用表示装置6を店舗ごとに1台備えている。端末装置1は、本発明におけるクライアント装置に相当するものである。
【0021】
端末装置1は、プレーヤが操作レバー118、操作スイッチ119、タッチパネル14(図示せず)を介して行う所定の操作を受け付けるとともに、店舗サーバ2を介してセンターサーバ3や他の端末装置1から送信されるデータ等に基づいて、ゲームを進行するものである。
【0022】
なお、端末装置1には、それぞれ自機に固有のマシンIDが対応付けられている。
マシンIDには、端末装置1が接続されている店舗サーバ2ごとのコードと、端末装置1が配設されている店舗内での端末装置1ごとのコードとが含まれている。例えば、店舗Aの店舗サーバのコードがAであって、店舗A内における端末装置1のコードが1である場合には、この端末装置1のマシンIDはa1である。
【0023】
店舗サーバ2は、それぞれ複数(ここでは15台)の端末装置1、ホール用表示装置6、及び、センターサーバ3と通信可能に接続され、端末装置1とセンターサーバ3との間のデータの送受信を行う。
【0024】
センターサーバ3は、複数の端末装置1と店舗サーバ2を介して通信可能に接続されており、各プレーヤキャラクタに関するキャラクタデータ(図9参照)等を有する。
【0025】
ホール用表示装置6は、店舗サーバ2を介してセンターサーバ3と通信可能である。ホール用表示装置6は、サンターサーバ3の制御により、ゲームのランキング等が表示される。ホール用表示装置6は、端末装置1でゲームを行うすべてのプレーヤが視認可能に設置されている。
【0026】
図2は、1の店舗に設置された15台の端末装置とホール用表示装置との外観を示す斜視図である。
端末装置1は、本発明におけるゲーム装置に相当するものである。
なお、以下の説明では、ゲーム装置の一例として、2つのディスプレイ(第1ディスプレイ11及び第2ディスプレイ12)を備えた業務用ゲーム装置について説明するが、本発明は、この例に特に限定されず、家庭用ビデオゲーム装置を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置、ビデオゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0027】
図3は、端末装置の外観を示す斜視図である。
図3に示すように、端末装置1は、筐体10と、筐体10の前面に所定角度で傾斜するように設けられた第1ディスプレイ11と、第1ディスプレイ11の上方に設けられた第2ディスプレイ12とを備えている。第1ディスプレイ11及び第2ディスプレイ12は、本発明における表示装置に相当するものである。
【0028】
第1ディスプレイ11の前方には、タッチパネル14が設置されている。タッチパネル14は、プレーヤによる接触を検出可能であり、当該接触を検出した際に接触位置を示す検出信号を出力する。プレーヤはタッチパネル14に触れて各種の指示を入力することが可能である。
第2ディスプレイ12の左右両側には、音声を出力するスピーカ13が設置されている。
【0029】
第1ディスプレイ11の下側には、コインが投入されるコイン投入口15と、IDカードが挿入されるIDカード挿入口16とが設けられている。コイン投入口15に投入されたコインは、コインセンサ115(図示せず)によって検出される。また、IDカード挿入口16に挿入されたIDカードは、IDカードリーダ116(図示せず)によってIDデータが読み取られる。
【0030】
10には、前方へ突出する操作台18が設けられており、操作台18の上面には、上下左右への指示入力が可能な操作レバー118及び複数の操作スイッチ119a、119b、119c(以下、操作スイッチ119a、119b、119cを総称して、操作スイッチ119ともいう)が設けられている。プレーヤは、操作レバー118、操作スイッチ119を操作して所定の指示を入力することが可能である。操作レバー118及び操作スイッチ119は、本発明における入力装置に相当するものである。
【0031】
図4は、端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
制御部100は、端末装置1の全体の動作を制御するもので、CPU101と、ROM102と、RAM103とを備える。
【0032】
ROM102は、操作キャラクタ、敵キャラクタ、他プレーヤキャラクタ等を構成するキャラクタオブジェクト、背景を構成する背景オブジェクト、テクスチャデータ、各種の画像データ等を記憶する。キャラクタオブジェクト、背景オブジェクト等は3次元描画が可能なように、所定数のポリゴンで構成されている。
【0033】
また、ROM102は、ゲームを進行させるためのゲームプログラムを記憶する。CPU101は、ROM102に格納されたゲームプログラムを実行し、ゲームを進行する処理を行う。
【0034】
ROM102は、端末装置1に内蔵される記憶媒体であってもよく、装着脱可能な記憶媒体であってもよい。また、その両者からROM102が構成されていてもよい。
また、ROM102に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよい。この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0035】
RAM103は、処理途中の情報、変数等を一時的に格納する。
【0036】
第1描画処理部111及び第2描画処理部112は、各種のゲーム画像を第1ディスプレイ11及び第2ディスプレイ12に表示させるもので、VDP(Video date Processor)やビデオRAM等を備える。
【0037】
音声再生部113は、所定の音声やBGM等をスピーカ12に出力するものである。
タッチパネル14は、第1ディスプレイの前方に設けられた矩形状の薄層体であり、縦横にそれぞれ所定ピッチで線状の透明材からなる感圧素材を配列したものを透明カバーで被覆する等により構成されたものである。このタッチパネル14は従来公知のものを採用可能である。タッチパネル14は、接触された際に接触位置を示す検出信号を出力する。
【0038】
コインセンサ115は、コイン投入口15から投入されたコインを検出した際に所定の信号を制御部100に送信する。IDカードリーダ116は、IDカード挿入口16に挿入されたIDカード8から、IDコードを読み取り、制御部100に供給する。操作レバー118及び操作スイッチ119は、プレーヤによって操作された際に所定の信号を制御部100に供給する。
【0039】
図5は、サーバの内部構成を示すブロック図である。
サーバ200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、インターネットを介して端末装置1と通信するための通信用インターフェイス回路204と、ハードディスクドライブ205とを備えている。
【0040】
端末装置1は、プレーヤがゲームのプレイを中断するとき、その時点でのキャラクタデータを、サーバ200に送信する。サーバ200は、受信したデータを、ハードディスクドライブ205に記憶する。その後、プレーヤがゲームを再開するときに、サーバ200は、ハードディスクドライブ205に記憶されたデータを端末装置1に送信する。これにより、プレーヤは、以前プレイを中断したときの状態からプレイを再開することが可能となる。
【0041】
図6は、端末装置及びセンターサーバにおけるゲーム開始までの処理の流れを示すフローチャートである。
まず、端末装置1のCPU101は、コイン投入口15からのコインの投入を受け付ける(ステップS100)。CPU101は、コインを検出した際にコインセンサ115から出力される所定の信号を受信した場合、IDカードリーダ116によって、IDカード挿入口16に挿入されたIDカード8から、プレーヤのIDコードを読み取る(ステップS101)。次に、プレーヤの操作によるパスワードの入力を受け付ける(ステップS102)。
【0042】
次に、CPU101は、読み取ったIDコードを、プレーヤの操作により入力されたパスワードと共に、通信用インターフェイス回路104により、専用線5を介し、店舗サーバ2を経由してセンターサーバ3に送信する(ステップS103)。
【0043】
センターサーバ3のCPU301は、RAM303に記憶されたIDコードのなかに、端末装置1から受信したIDコードがあるか否かを判断し、さらに、IDコードがあると判断した場合には、そのIDコードに対応付けられてRAM303に記憶されたプレーヤのパスワードと、端末装置1から受信したパスワードとが合致するか否かを判断することにより認証を行う(ステップS301)。CPU301は、その結果を応答信号として端末装置1に送信する(ステップS302)。
【0044】
センターサーバ3からの応答信号を受信した場合、端末装置1のCPU101は、エントリー要求データを、店舗サーバ2を経由してセンターサーバ3に送信する(ステップS105)。
【0045】
一方、センターサーバ3のCPU301は、エントリーを受け付けると(ステップS303)、当該端末装置1でゲームを行うプレーヤの各種データをIDデータに基づいて抽出し(ステップS307)、当該端末装置1に送信する(ステップS308)。
【0046】
端末装置1では、各種データを受信した後(ステップS107)、ゲームを開始するための初期設定処理を行う(ステップS108)。その後、当該端末装置1においてゲームを開始する(ステップS109)。
【0047】
図7は、第1ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
第1ディスプレイ11には、4人のプレーヤキャラクタ41a、41b、41c、41d(以下、プレーヤキャラクタ41a、41b、41c、41dを総称して、プレーヤキャラクタ41ともいう)と、敵キャラクタ45とが戦闘を行っている場面が表示されている。第1ディスプレイ11の下部には、プレーヤキャラクタ41の情報を示すステータスデータが表示されている。
【0048】
また、第1ディスプレイ11の右側には、プレーヤがプレーヤキャラクタの動作を選択するためのコマンドボックス51が表示されている。コマンドボックス51の中には、プレーヤキャラクタが行うことのできる動作の選択肢52a、52b、52c、52d、52e、52fと、動作を選択するためのカーソル53が表示されている。プレーヤは、操作レバー118と操作スイッチ119とを操作することにより、プレーヤキャラクタが行う動作を選択することができる。
【0049】
また、第1ディスプレイ11の左側には、各プレーヤキャラクタ41と敵キャラクタ45との行動順序を示す行動順序表示画像58が表示されている。
【0050】
図8(a)、(b)は、行動順序表示画像の一例を示す図である。
行動順序表示画像58の左の列には、各キャラクタの顔を示す画像54a、54b、54c、54d、54e(以下、各キャラクタの顔を示す画像54a、54b、54c、54d、54eを総称して、キャラクタ画像54ともいう)が表示されている。そして右の列には、前回動作を行ってから経過した待機時間を示すグラフ56a、56b、56c、56d、56e(以下、各キャラクタの待機時間を示すグラフ56a、56b、56c、56d、56eを総称して、待機時間グラフ56ともいう)が表示されている。キャラクタ画像54及び待機時間グラフ56は、次に動作を実行することができる順に並べられて表示される。
【0051】
各キャラクタには夫々待機時間カウンタ、サブカウンタ及び動作準備時間カウンタが対応付けられている。待機時間カウンタは、所定の速度でカウンタ値をカウントする。そして、カウンタ値が10000に到達すると、次にサブカウンタが所定の速度によるカウンタ値のカウントを行う。サブカウンタのカウンタ値が100に到達すると、プレーヤは当該プレーヤキャラクタの動作を選択することができるようになる(敵キャラクタの場合は、CPU101が動作の選択を行う)。待機時間グラフ56は、対応するキャラクタの待機時間カウンタのカウンタ値を表す。
【0052】
1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタが100に到達した時点で、他にサブカウンタがカウント動作を行っているプレーヤキャラクタが存在する場合、サブカウンタが100に到達したプレーヤキャラクタとサブカウンタがカウント動作を行っているプレーヤキャラクタとは、同時に動作の選択をすることができるようになったとみなされる。この場合に、上記両プレーヤキャラクタは、プレーヤからの動作の選択操作を受け付ける代わりに、自動的に合体技の動作が自動的に選択される。合体技とは、複数のプレーヤキャラクタが協力して実行する動作であり、通常の攻撃よりも敵キャラクタに対して大きなダメージを与えることができる動作である。
【0053】
また、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタが100に到達した時点で、他にサブカウンタがカウント動作を行っているプレーヤキャラクタが存在せず、サブカウンタがカウント動作を行っている敵キャラクタが存在する場合、該プレーヤキャラクタは、プレーヤからの動作の選択操作を受け付ける代わりに、自動的に反撃技の動作が自動的に選択される。反撃技とは、敵キャラクタからの攻撃に対して反撃を行う技であり、通常の攻撃よりも敵キャラクタに対して大きなダメージを与えることができる動作である。
【0054】
キャラクタの行動が選択されると、当該キャラクタに対応付けられた動作準備時間カウンタが所定の速度でカウンタ値をカウントする。そして、カウンタ値が1000に到達すると、キャラクタは選択された動作を実行する。
【0055】
キャラクタが動作を実行し終えると、当該キャラクタに対応付けられた待機時間カウンタは、再度カウンタ値のカウントを開始する。このとき、当該キャラクタが実行した動作の内容によって、待機時間カウンタの初期値が決定される。即ち、動作の内容が次の動作に移行しやすい内容の動作であった場合には、初期値が高く設定され、比較的早く次の動作を実行することが可能となる。一方、動作の内容が次の動作に移行しにくい内容の動作であった場合には、初期値が低く設定され、次の動作を行うまでに比較的長時間を要することになる。
【0056】
太枠55は、現在動作内容の選択を行っているキャラクタを示すものである。また、太枠55によって囲まれたキャラクタ画像54aと同一の画像57は、キャラクタ画像54aに示すキャラクタが動作を終えた後の動作順を示す。例えば、「移動」のような初期値が高く設定された動作を選択した場合には、図8(a)に示すように、54aに示すキャラクタが次の行動を54cに示すキャラクタの次に行うことができる一方、「アーツ」のような初期値が低く設定された動作を選択した場合には、図8(b)に示すように、54aに示すキャラクタが次の行動を54eに示すキャラクタの次まで行動できないというように、動作の内容によって、行動順序が異なってくる。
【0057】
図9は、待機時間テーブルを示す図である。
上述したように、キャラクタが動作を実行し終えたときに待機時間カウンタに設定される初期値は、当該キャラクタが実行した動作の内容によって決定される。例えば、キャラクタが「移動」を実行した場合、待機時間カウンタの初期値は8000に設定される。したがって、待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達するには、2000のカウンタ値のカウントが行われる必要がある。一方、キャラクタが「アーツ」を実行した場合には、待機時間カウンタの初期値は3000に設定される。したがって、待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達するには、7000のカウンタ値のカウントが行われる必要がある。そのため、図8(a)、(b)に示すように、選択した動作の内容によって、次に動作を実行することのできる順序が異なるのである。
【0058】
図10は、待機時間増加速度テーブルを示す図である。
各キャラクタには、夫々素早さという能力値が設定されている。素早さの値が高いキャラクタほど、機敏に動作を行うことが可能である。待機時間増加速度テーブルにおいて、素早さと増加値とが対応付けて記憶されている。増加値とは、単位時間当たりに待機時間カウンタのカウンタ値が増加する値である。したがって、素早さが10であるキャラクタの増加値は10であるので、現在の待機時間カウンタのカウンタ値が5000である場合に、待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達するまでに要する時間は500単位時間である。同様に、素早さが35であるキャラクタの増加値は16であるので、現在の待機時間カウンタのカウンタ値が5000である場合に、待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達するまでに要する時間は313単位時間である。このように、実行した動作の内容が同一であっても、キャラクタの素早さの値によって、次に動作を選択することができるようになるまでに要する時間は異なる。
【0059】
上述したように、図8(a)、(b)に示した行動順序表示画像においては、キャラクタ画像54及び待機時間グラフ56は各キャラクタが次に動作を実行することができる順番に並べられて表示されている。上記順序は、現在の待機時間カウンタのカウンタ値と、キャラクタの素早さによって定められる増加値とを基に演算によって求められる。即ち、次に動作を選択することができるようになるまでに必要な所要時間をキャラクタごとに演算し、算出された値が少ない順にキャラクタ画像54及び待機時間グラフ56を並べて表示するのである。
【0060】
図11は、合体技テーブルを示す図である。
上述したように、1のキャラクタと対応するサブカウンタのカウンタ値が100になったときに他のプレーヤキャラクタと対応するサブカウンタが動作中であった場合に、両プレーヤキャラクタの動作の選択において、プレーヤからの入力操作を受け付ける代わりに、自動的に合体技が選択される。
【0061】
1のキャラクタと対応するサブカウンタのカウンタ値が100になったときに対応するサブカウンタが動作中であったプレーヤキャラクタが2人以上存在した場合には、該当するプレーヤキャラクタ全員による合体技を実行することが可能である。図11に示すように、合体技を実行したときの1人あたりの攻撃力は、合体技に参加するプレーヤキャラクタの人数が多いほど大きくなる。
【0062】
図12は、戦闘処理を示すフローチャートである。
戦闘処理は、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとの間で戦闘が発生したときに実行される。なお、戦闘処理が実行される一方、同時に図13に示す計時処理、図14に示すコマンド入力割込処理、及び、図15に示す動作実行処理が必要に応じて実行される。
【0063】
先ず、端末装置1が備えるCPU101は、各フラグ、タイマを初期化する(ステップS201)。上述したように、各キャラクタには待機時間カウンタ、サブカウンタ及び動作準備時間カウンタが対応付けられている。そして、戦闘処理実行中は、上述した3種類のカウンタのうちいずれか1がカウンタ値のカウントを実行している。また、各キャラクタに対応付けられた計時対象フラグにより、上述した3種類のカウンタのうちどのカウンタでカウンタ値のカウントを実行するかが示される。また、各プレーヤキャラクタに対してコマンド入力要求を既に実行済みであるか否かを、各キャラクタに対応付けられたコマンド入力要求済フラグによって記憶する。また、各キャラクタからコマンド入力を既に受付済みであるか否かを、各キャラクタに対応付けられたコマンド入力済フラグによって記憶する。
ステップS201の処理を実行後、処理をステップS202に移す。
【0064】
ステップS202において、CPU101は、いずれかのキャラクタの待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達したか否かを判断する。いずれかのキャラクタの待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達したと判断した場合(ステップS202:YES)、当該キャラクタの計時対象カウンタをサブカウンタに設定する(ステップS203)。即ち、当該キャラクタに対応付けられた計時対象フラグをサブカウンタに設定する。これにより、図13に示す計時実行処理によって、待機時間カウンタのカウンタ値が10000に到達したキャラクタに対応するサブカウンタによるカウンタ値のカウントが開始される。
いずれのキャラクタの待機時間カウンタのカウンタ値も10000に到達していないと判断した場合(ステップS202:NO)又はステップS203の処理を終えた後、処理をステップS211に移す。
【0065】
ステップS211において、CPU101は、いずれかのプレーヤキャラクタのサブカウンタのカウンタ値が100に到達したか否かを判断する。いずれかのプレーヤキャラクタのサブカウンタのカウンタ値が100に到達したと判断した場合(ステップS211:YES)、処理をステップS212に移す。一方、いずれのプレーヤキャラクタのサブカウンタのカウンタ値も100に到達していないと判断した場合(ステップS211:NO)、処理をステップS231に移す。
【0066】
ステップS212において、CPU101は、サブカウンタのカウンタ値が100に到達したプレーヤキャラクタに対してコマンド入力を要求済みであるか否かを、コマンド入力要求済フラグによって判断する。当該キャラクタに対してコマンド入力を要求済みであると判断した場合(ステップS212:YES)、処理をステップS221に移す。一方、当該キャラクタに対してコマンド入力を要求済みでないと判断した場合(ステップS212:NO)、処理をステップS213に移す。
【0067】
ステップS213において、CPU101は、サブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタが他に存在するか否かを判断する。サブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタが他に存在すると判断した場合(ステップS213:YES)、サブカウンタのカウンタ値が100に到達したプレーヤキャラクタ及びサブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタの動作として、自動的に合体技が入力される(ステップS214)。このとき、既にコマンド入力要求及びコマンド入力が既に行われたものとして、コマンド入力要求済フラグ及びコマンド入力済フラグを変更する。
【0068】
サブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタが他に存在しないと判断した場合(ステップS213:NO)、CPU101は、サブカウンタが動作中の敵キャラクタが存在するか否かを判断する(ステップS215)。サブカウンタが動作中の敵キャラクタが存在すると判断した場合(ステップS215:YES)、サブカウンタのカウンタ値が100に到達したプレーヤキャラクタの動作として、自動的に反撃技が入力される(ステップS216)。このとき、既にコマンド入力要求及びコマンド入力が行われたものとして、コマンド入力要求済フラグ及びコマンド入力済フラグの変更が行われる。
【0069】
ステップS214又はS216の処理を終えた後、CPU101は、自動的に合体技又は反撃技の選択が行われたプレーヤキャラクタの計時対象カウンタを動作準備時間カウンタに設定する(ステップS217)。ステップS217の処理が実行されることにより、図13に示す計時処理によって、自動的に合体技又は反撃技の選択が行われたプレーヤキャラクタに対応する動作準備時間カウンタによるカウンタ値のカウントが開始される。
ステップS217の処理を終えた後、処理をステップS241に進める。
【0070】
一方、サブカウンタが動作中の敵キャラクタが存在しないと判断した場合(ステップS215:NO)、CPU101は、サブカウンタのカウンタ値が100に到達したプレーヤキャラクタに対してコマンド入力要求を実行する(ステップS218)。即ち、当該プレーヤキャラクタを操作するプレーヤが動作の選択入力を行うことが可能となる。このときに、図14に示すコマンド入力割込処理が実行される。また、コマンド入力要求を実行済みであることを示すコマンド入力要求済フラグの変更が行われる。
ステップS218の処理を終えた後、処理をステップS241に進める。
【0071】
ステップS212においてサブカウンタのカウンタ値が100に到達したプレーヤキャラクタに対してコマンド入力を要求済みであると判断した場合、CPU101は、当該キャラクタがコマンドを入力済みであるか否かを、コマンド入力済フラグによって判断する(ステップS221)。即ち、図14に示すコマンド入力割込処理において、当該プレーヤキャラクタを操作するプレーヤによりコマンド入力処理が既に実行されているか否かを判断する。当該キャラクタがコマンドを入力済みであると判断した場合(ステップS221:YES)、どのコマンドが選択されたのかを解析し(ステップS222)、コマンド入力が行われたプレーヤキャラクタの計時対象カウンタを動作準備時間カウンタに設定する(ステップS223)。ステップS223の処理により、コマンド入力が行われたプレーヤキャラクタに対応する動作準備時間カウンタによるカウンタ値のカウントが開始される。また、このとき、コマンド入力が行われたことを示すコマンド入力済フラグの変更が行われる。
サブカウンタのカウンタ値が100に到達したプレーヤキャラクタがコマンドを入力済みであると判断した場合(ステップS221:YES)又はステップS223の処理を終えた後、処理をステップS241に進める。
【0072】
ステップS211においていずれのプレーヤキャラクタのサブカウンタのカウンタ値も100に到達していないと判断した場合、CPU101は、いずれかの敵キャラクタのサブカウンタのカウンタ値が100に到達したか否かを判断する(ステップS231)。いずれかの敵キャラクタのサブカウンタのカウンタ値が100に到達したと判断した場合(ステップS231:YES)、当該敵キャラクタの動作を決定し(ステップS232)、当該敵キャラクタの計時対象カウンタを動作準備時間カウンタに設定する(ステップS233)。ステップS233の処理により、動作決定が行われた敵キャラクタに対応する動作準備時間カウンタによるカウンタ値のカウントが開始される。
いずれの敵キャラクタのサブカウンタのカウンタ値も100に到達していないと判断した場合(ステップS231:NO)又はステップS233の処理を終えた後、処理をステップS241に進める。
【0073】
ステップS241において、CPU101は、動作準備時間カウンタのカウンタ値が1000に到達したキャラクタが存在するか否かを判断する。動作準備時間カウンタのカウンタ値が1000に到達したキャラクタが存在すると判断した場合(ステップS241:YES)、当該キャラクタの図15に示す動作実行処理を実行する(ステップS242)。動作準備時間カウンタのカウンタ値が1000に到達したキャラクタが存在しないと判断した場合(ステップS241:NO)又はステップS242の処理を終えた後、CPU101は、戦闘終了条件が達成されたか否かを判断する(ステップS243)。戦闘終了条件は、具体的には、敵キャラクタが全滅することや、プレーヤキャラクタが全滅すること等である。戦闘終了条件が達成されていないと判断した場合(ステップS243:NO)、処理をステップS202に戻す。一方、戦闘終了条件が達成されたと判断した場合(ステップS243:YES)、本サブルーチンを終了する。
【0074】
図13は、計時処理を示すフローチャートである。計時処理は、図12に示した戦闘処理が実行されているときに、戦闘に参加している各キャラクタに対応付けられた待機時間カウンタ、サブカウンタ又は動作準備時間カウンタのいずれかに対し、所定のタイミングで実行される割込処理である。
【0075】
先ず、端末装置1が備えるCPU101は、能力値を基に、各キャラクタの待機時間カウンタの計時速度を決定する(ステップS401)。図10に示した待機時間増加速度テーブルを基に、各キャラクタの素早さの能力値によって各キャラクタに対応付けられた待機時間カウンタの1単位時間あたりのカウンタ値の増加量を決定する。なお、待機時間カウンタ及び動作準備時間カウンタの1単位時間あたりのカウンタ値の増加量は、キャラクタの能力値に関係なく、1単位時間あたり10で一定である。
ステップS401の処理を終えた後、処理をステップS402に移す。
【0076】
ステップS402において、CPU101は、各キャラクタに対応付けられた計時対象フラグによって計時対象カウンタに設定されたカウンタによる計時を実行する。例えば、計時対象フラグが待機時間カウンタを示す値である場合には、待機時間カウンタによる計時を実行する。
ステップS402の処理を実行後、処理をステップS403に移す。
【0077】
ステップS403において、CPU101は、各キャラクタが次に動作を実行することができるようになる行動順序を演算によって求める。即ち、各キャラクタの現在の待機時間カウンタのカウンタ値と、ステップS401において決定された各キャラクタの待機時間カウンタの1単位時間あたりの増加値とを基に、次に動作を選択することができるようになるまでに必要な所要時間をキャラクタごとに演算する。算出された所要時間の少ない順序が、各キャラクタの行動順序となる。
ステップS403の処理を終了後、処理をステップS404に移す。
【0078】
ステップS404において、CPU101は、行動順序表示画像を更新する。上述したように、図8に示した行動順序表示画像58は各キャラクタの行動順序を示す画像であり、行動順序表示画像58を構成するキャラクタ画像54及び待機時間グラフ56は、次に動作を選択することができる順に並べられて表示される。キャラクタ画像54及び待機時間グラフ56がステップS403で求めた行動順序順に表示されるように、ステップS404において行動順序画像58の更新が行われる。また、待機時間グラフ56が対応するキャラクタの待機時間カウンタのカウンタ値を表すように画像を更新する。
ステップS404の処理を実行後、本サブルーチンを終了する。
【0079】
図14は、コマンド入力割込処理を示すフローチャートである。コマンド入力割込処理は、図12に示した戦闘処理が実行されているときにおいて、プレーヤキャラクタに対してコマンド入力要求が行われたときに、プレーヤがコマンドを入力することができるようにするための処理である。
【0080】
先ず、CPU101は、コマンド入力要求が既に行われているか否かを判断する(ステップS501)。即ち、当該プレーヤキャラクタに対応付けられたコマンド入力要求済フラグがコマンド入力要求を実行済みであることを示す値であるか否かを判断する。コマンド入力要求が既に行われていると判断した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、コマンド入力が既に行われているか否かを判断する(ステップS502)。即ち、当該プレーヤキャラクタに対応付けられたコマンド入力済フラグがコマンド入力を実行済みであることを示す値であるか否かを判断する。コマンド入力がまだ行われていないと判断した場合(ステップS502:NO)、CPU101は、コマンド入力処理を実行する(ステッ
プS503)。コマンド入力処理は、当該プレーヤキャラクタを操作するプレーヤに対してプレーヤキャラクタの動作を選択するための入力を受け付ける処理である。
コマンド入力要求がまだ行われていないと判断した場合(ステップS501:NO)、コマンド入力が既に行われていると判断した場合(ステップS502:YES)又はステップS503の処理を終えた後、本サブルーチンを終了する。
【0081】
図15は、動作実行処理を示すフローチャートである。動作実行処理は、いずれかのキャラクタの動作準備時間カウンタのカウンタ値が1000に到達したときに実行される。
先ず、CPU101は、キャラクタが選択された動作を行う処理を実行する(ステップS601)。選択された処理とは、プレーヤによって選択入力が行われた動作や、CPU101によって決定された動作をいう。
ステップS601の処理を終えた後、処理をステップS602に移す。
【0082】
ステップS602において、CPU101は、キャラクタの動作の内容に応じて、待機時間カウンタにカウンタ値をセットする。図9に示したように、待機時間テーブルにおいて、動作の内容と待機時間カウンタの初期値が対応付けられて記憶されている。上記待機時間テーブルにおいてキャラクタが実行した動作と対応付けられる値を、待機時間カウンタの初期値としてセットする。その後、CPU101は、当該キャラクタと対応付けられたサブカウンタ及び動作準備時間カウンタをリセットする(ステップS503)。
ステップS603の処理を終了後、本サブルーチンを終了する。
【0083】
以上、本実施形態におけるゲームプログラムによれば、プレーヤ又はコンピュータの動作指令に応じて動作を行う複数のプレーヤキャラクタと敵キャラクタとが交互に動作を行う。そして、各キャラクタには夫々待機時間カウンタが対応付けられており、キャラクタの動作が終了すると、当該キャラクタに対応付けられた待機時間カウンタは、当該キャラクタが行った動作によって定められる待機時間の計時を行う。そして、上記待機時間の計時が終了すると、当該キャラクタは次の動作を行うことができる。したがって、キャラクタの動作の種類によって異なる待機時間を設定することができるので、キャラクタの動作の種類により次の動作を開始することができるタイミングを異ならせることが可能となる。
このような構成をとることにより、プレーヤは、例えば、敵キャラクタに攻撃される前にプレーヤキャラクタに敵を攻撃させてから回復魔法を使うといったように、敵キャラクタの行動内容を考慮し、敵キャラクタよりも行動順序が先になるように行動の内容を選択するといった戦略を立てることが可能となり、多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態におけるゲームプログラムによれば、各キャラクタに設定された待機時間を基に、各キャラクタが次に動作を行うことができる順序が演算され、上記演算結果に応じて、各キャラクタに対応する画像が上記順序に沿って並んで表示装置に表示される。これにより、プレーヤは各キャラクタが次に動作を行うことのできる順序を視覚的に把握することが可能となり、より容易に戦略を立てることが可能となる。
また、次に行動をとることができるようになるまでの待ち時間が選択した行動の内容によって異なるため、例えば残りの待ち時間の推移を示す棒グラフを表示装置に表示し、プレーヤが視覚的に待ち時間を把握できるようにするといったことも可能となる。これにより、プレーヤはさらに容易に戦略を立てることが可能となる。また、上記棒グラフの表示内容が次に行動をとることができるようになるまでの待ち時間の長さに応じて変化させることにより、プレーヤは、プレーヤキャラクタの待ち時間を明確に把握することができるとともに、プレーヤキャラクタの待ち時間が減少していく様子を視覚的に確認することができる。
【0085】
また、本実施形態におけるゲームプログラムによれば、各キャラクタが次に動作を行うことができる順序には、キャラクタの素早さの能力値が反映されることになる。これにより、プレーヤは各キャラクタの能力値を考慮しながら動作を選択するといった戦略を立てることが可能となり、さらに多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態におけるゲームプログラムによれば、2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となった場合に、当該プレーヤキャラクタは、合体技を自動的に実行する。これにより、プレーヤは、複数のキャラクタが同時に動作を行うことが可能となるように動作の種類を選択するといった戦略を立てることが可能となり、さらに多彩な戦略性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0087】
本実施形態においては、2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となった場合に、当該プレーヤキャラクタが合体技を自動的に実行する場合について説明したが、本発明において合体技が実行されるための条件については特に限定されるものではなく、例えば、2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となった場合に、プレーヤが選択することのできる動作の種類のなかに合体技を含めることとしてもよい。
【0088】
また、本実施形態においては、2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となったと判断する条件について、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタのカウンタ値が100に到達した時点で他のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタが計時中であることとしたが、本発明において2以上のプレーヤキャラクタが同時に動作を行うことが可能となったと判断する条件については特に限定されるものではなく、例えば、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタのカウンタ値が所定値(例えば100)に到達した時点で、他のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタも丁度上記所定値に到達することを条件としてもよい。
【0089】
また、本実施形態においては、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタのカウンタ値が100に到達した時点でサブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタが他に存在しない場合に、サブカウンタが動作中の敵キャラクタが存在するか否かを判断し、存在する場合に当該プレーヤキャラクタが自動的に反撃技を選択することとしたが、本発明において反撃技が選択される条件については特に限定されるものではなく、例えば、先ず1のプレーヤキャラクタと同時に動作を選択可能となった敵キャラクタが存在するか否かを判断し、存在する場合には当該プレーヤキャラクタが自動的に反撃技を選択する一方、存在しない場合には上記プレーヤキャラクタと同時に動作を選択可能となったプレーヤキャラクタが他に存在するか否かを判断することとしてもよい。
【0090】
また、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタのカウンタ値が所定値に到達した時点でサブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタとサブカウンタが動作中の敵キャラクタとがともに存在する場合に、該当するプレーヤキャラクタ同士が協力し合って反撃技を実行することとしてもよい。
【0091】
また、本実施形態においては、また、本実施形態においては、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタのカウンタ値が100に到達した時点でサブカウンタが動作中の敵キャラクタが存在する場合に、当該プレーヤキャラクタの動作として反撃技が自動的に選択されることとしたが、本発明において反撃技が選択される条件については特に限定されるものではなく、例えば、1の敵キャラクタが動作を選択可能となってから一定時間内にプレーヤキャラクタが動作を選択可能となった場合に、当該プレーヤキャラクタの動作として反撃技が自動的に選択されることとしてもよい。
【0092】
また、本実施形態においては、1のプレーヤキャラクタに対応付けられたサブカウンタのカウンタ値が100に到達した時点でサブカウンタが動作中のプレーヤキャラクタが他に存在する場合に、当該プレーヤキャラクタの動作として合体技が自動的に選択されることとしたが、本発明においては、1のプレーヤキャラクタと同時に動作を選択可能になったと判断されたプレーヤキャラクタが、さらに他のプレーヤキャラクタと同時に動作を選択可能になったと判断された場合に、当該プレーヤキャラクタも合体技に参加することとしてもよい。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施形態に係るゲームシステムの構成図である。
【図2】1つの店舗に設置された15台の端末装置とホール用表示装置との外観を示す斜視図である。
【図3】端末装置の外観を示す斜視図である。
【図4】端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】センターサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】端末装置及びセンターサーバにおけるゲーム開始までの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図8】(a)、(b)は、行動順序表示画像の一例を示す図である。
【図9】待機時間テーブルを示す図である。
【図10】待機時間増加速度テーブルを示す図である。である。
【図11】合体技テーブルを示す図である。
【図12】戦闘処理を示すフローチャートである。
【図13】計時処理を示すフローチャートである。
【図14】コマンド入力割込処理を示すフローチャートである。
【図15】動作実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1 端末装置
2 店舗サーバ
3 センターサーバ
4 通信回線
5 専用線
6 ホール用表示装置
8 IDカード
10 筐体
11 第1ディスプレイ
12 第2ディスプレイ
13 スピーカ
14 タッチパネル
15 コイン投入口
16 IDカード挿入口
18 操作台
41 (41a、41b、41c、41d) プレーヤキャラクタ
100 制御部
101、201 CPU
102、202 ROM
103、203 RAM
104 通信用インターフェイス回路
111 第1描画処理部
112 第2描画処理部
113 音声再生部
115 コインセンサ
116 IDカードリーダ
118 操作レバー
119(119a、119b、119c) 操作スイッチ
304 インターフェイス回路群
500 ゲームシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置及び入力装置に接続されたコンピュータによって実行されるゲームプログラムであり、複数の味方プレーヤキャラクタと敵キャラクタとを前記表示装置の画面に表示し、前記入力装置を介して入力された動作指令又は予め定められた動作指令に応じて各味方プレーヤキャラクタと敵キャラクタとに相互に動作を行わせる処理を前記コンピュータに行わせるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
キャラクタごとに待機時間カウンタを設定する処理と、
キャラクタの動作の終了に応じて、そのキャラクタに対応する待機時間カウンタに、終了したキャラクタの動作の種類ごとに定められている待機時間を設定して前記待機時間カウンタの動作を開始させる処理と、
前記味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間を計時し終えたときを、その味方プレーヤキャラクタに対する動作指令の入力を許可する時点と決定する処理と、
動作指令入力許可時点となった後に前記入力装置を介して動作指令が入力されたとき、そのキャラクタにその動作指令に基づく動作を行わせる処理を開始する処理と、
その処理が終了したとき、そのキャラクタに対応する待機時間カウンタに、終了したキャラクタの動作の種類ごとに定められている待機時間を設定して前記待機時間カウンタの動作を再び開始させる処理と
を行わせることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
各キャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間が計時し終える順序を演算する処理と、
各キャラクタに対応する画像を、前記演算処理の結果により得られた順序に沿って並べて前記表示装置に表示する処理と
を行わせることを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記待機時間カウンタに設定される待機時間を計時する速度を、その待機時間カウンタに対応するキャラクタの能力値に応じて異ならせることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
2以上の味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間が同時に計時し終えた場合、それらの味方プレーヤキャラクタに対して決定される動作指令入力許可時点となった後に前記入力装置を介して入力可能となる動作指令に、同時に計時し終えた場合にのみ入力可能となる特別な動作指令を含めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
2以上の味方プレーヤキャラクタに対応する待機時間カウンタに設定された待機時間が同時に計時し終えた場合、それらの味方プレーヤキャラクタに対して決定される動作指令入力許可時点となった後に、同時に計時し終えた場合にのみ入力可能となる特別な動作指令を自動的に入力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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