説明

ゲーム機

【課題】臨場感を向上したゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、プレイ画面を表示するメインモニタ3と、メインモニタ3の表示に応じて、プレイヤPが操作可能な銃型操作部10,20と、メインモニタ3の少なくも一部を覆うように配置され、閉ボタン73の操作やプレイヤPが手で力を加えることによって、メインモニタ3を覆う領域の大きさを変化するように開閉する扉6と、銃型操作部10,20の操作に応じて、プレイを進行するプレイ進行制御部55と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面の表示に応じてプレイヤが操作することによってプレイ進行するゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが銃型コントローラ等を操作することによって、画面上の敵キャラクタを射撃するゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、画面上の敵を射撃してプレイを進行するだけのものであり、臨場感に欠ける部分があった。
【特許文献1】特開2000−84250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、臨場感を向上したゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0005】
請求項1の発明は、プレイ画面を表示する表示部(3)と、前記表示部の表示に応じて、プレイヤ(P)が操作可能な操作部(10,20,72〜74)と、前記表示部の少なくも一部を覆うように配置される遮蔽部(6)と、前記操作部の操作に応じて、プレイを進行する制御部(50)と、を備えるゲーム機である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲーム機において、前記遮蔽部(6)は、前記表示部(3)を覆う領域を変化するように移動すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、前記遮蔽部(6)の位置を検出する遮蔽位置検出部(31)を備え、前記制御部(50)は、前記遮蔽位置検出部の出力に基づいてゲームを進行すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、前記操作部(73)は、前記遮蔽部(6)の移動を操作する遮蔽部操作部(73)を備え、前記遮蔽部操作部の出力に応じて、前記遮蔽部を駆動する駆動部を備えること、を特徴とするゲーム機である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、前記遮蔽部は、プレイヤによって力が加えられることにより開閉すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲーム機において、前記操作部(10,20)は、操作に基づいて信号を出力する銃型の銃型操作部(10,20)を備え、前記銃型操作部の照準を検出する照準検出部(11,21)を備え、前記制御部(50)は、前記銃型操作部から信号の出力が有った場合に、前記照準検出部が検出した前記照準に基づいて、プレイを進行すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のゲーム機において、被打撃部に物体を打撃して物理的に打撃音を発生する打撃音発生部(32)を備え、前記制御部(50)は、前記銃型操作部(10,20)から信号の出力が有り、前記照準検出部(11,21)の出力に基づいて前記遮蔽部(6)に照準が定められていると判定した場合に、前記打撃音発生部を駆動して打撃音を発生すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項8の発明は、請求項6に記載のゲーム機において、前記照準検出部(11,21)は、前記遮蔽部(6)よりも前記表示部(3)側に設けられ、光線を発光し、前記銃型操作部との間に遮蔽部がある状態では、前記銃型操作部(10,20)に向かう前記光線が遮られ、前記銃型操作部との間に遮蔽部がない状態では、前記銃型操作部に向かう前記光線が前記銃型操作部に到達する位置に配置された複数の発光部(5)と、前記操作部に設けられ、前記発光部の光線のうち前記遮蔽部によって遮られていない光線を受光する受光部(11,21)とを備え、前記制御部(50)は、前記受光部の出力に応じて、複数の前記発光部が発光した光線の受光の有無を判定して、前記遮蔽部に照準が定められているか否かを判定すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項9の発明は、請求項6に記載のゲーム機において、前記照準検出部は、光線を発光し、前記銃型操作部に向かう前記光線が前記遮蔽部に遮らない位置に配置された複数の発光部と、前記操作部に設けられ、前記発光部の光線を受光する受光部とを備え、前記制御部は、前記受光部の出力に応じて前記操作部の照準を判定し、判定した前記照準と前記遮蔽部の位置とに基づいて、前記遮蔽部に弾が命中したか否かを判定すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のゲーム機において、前記遮蔽部(6)は、エレベータ(E)の扉を模した扉部材(6)であり、前記表示部(3)は、前記エレベータよりも外の室内及び前記室内に配置された攻撃目標(C)の画像を表示すること、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、表示部の少なくも一部を覆っており、操作部の操作に応じてプレイを進行するので、表示部がプレイヤから物理的に見えない状態にしながら、プレイヤに操作部を操作させて、臨場感や緊張感等を与える新しい態様のゲームを提供することができる。また、画面に遮蔽部を表示するのではなく、物理的に遮蔽部を配置することにより、よりリアルに演出し臨場感を向上することができる。
(2)本発明は、遮蔽部が表示部を覆う領域を変化するように開閉するので、視認可能なプレイ画面の領域を変化させて、プレイヤに与える臨場感や緊張感等を向上することができる。
【0007】
(3)本発明は、遮蔽部の位置を検出する遮蔽位置検出部の出力に基づいてゲームを進行するので、遮蔽部の開閉位置をプレイに反映することができる。
(4)本発明は、遮蔽部操作部の出力に応じて、遮蔽部を開閉駆動するので、プレイヤがプレイの進行状況に応じて、遮蔽部を開閉することができる。
【0008】
(5)本発明は、遮蔽部が、プレイヤによって力が加えられることにより移動するので、プレイヤが実際に手動で遮蔽部を移動でき、リアル感を向上することができる。
(6)本発明は、銃型操作部から信号の出力が有った場合に、照準検出部が検出した照準に基づいて、プレイを進行するので、遮蔽部で防弾したりするようなガンゲームを提供することができる。
【0009】
(7)本発明は、銃型操作部の照準が遮蔽部に定められている状態で操作された場合に、物理的に打撃音を発生するので、銃弾の遮蔽部への着弾をリアルに演出し、臨場感を向上することができる。
(8)本発明は、受光部の出力に応じて、複数の発光部が発した光線の受光の有無を判定して、遮蔽部に照準が定められているか否かを判定するので、簡単な構成で遮蔽部に照準が定められているか否かを判定することができる。
【0010】
(9)本発明は、銃型操作部に向かう光線が遮蔽部に遮らない位置に配置された複数の発光部を備えているので、遮蔽部のどの位置に照準が定められているかを、詳細に判定することができる。
(10)本発明は、遮蔽部がエレベータの扉を模した扉部材であり、表示部がエレベータ外の室内の攻撃目標の画像を表示するので、エレベータの内側からエレベータの扉を防御に利用したり、エレベータの内側から攻撃目標を攻撃する新しい態様のゲームを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、臨場感を向上したゲーム機を提供するという目的を、プレイ画面を表示するメインモニタと、メインモニタの表示に応じて、プレイヤが操作可能な銃型操作部と、メインモニタの少なくも一部を覆うように配置され、閉ボタンの操作やプレイヤが手で力を加えることによって、メインモニタを覆う領域の大きさを変化するように開閉する扉と、銃型操作部の操作に応じて、プレイを進行するプレイ進行制御部と備えることによって実現した。
【0012】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図2は、本実施形態の仮想空間のマップである。
図3は、本実施形態のゲーム画面を示す図である。
【0013】
図1に示すように、ゲーム機1は、ゲームセンタ等の娯楽施設等に設置される、左右方向Xの幅2m程度、奥行方向Yの長さ2m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の大型の装置である。なお、ゲーム機1は、同様な機能を有するものであれば、家庭用のゲーム機でも、パーソナルコンピュータ等を利用するものでもよい。
ゲーム機1は、左右方向Xに銃型操作部10,20が並べて配置されており、メインモニタ3よりも1m程度手前側Y1に位置した2人のプレイヤP(P1,P2)が協同して1つのプレイをできるようになっている。ゲーム機1は、選択によって1人のプレイヤPがプレイをすることもできる。
【0014】
ゲーム機1は、図2、図3に示すように、プレイヤPがビルの内部を模した仮想空間S内を移動しているように、プレイヤPの視点からの仮想空間Sの画像をメインモニタ3に表示する。仮想空間S内の移動は、予め定められた経路を進むように、制御部50(後述する)が制御する。そして、図3に示すように、プレイヤPがメインモニタ3に表示される敵キャラクタCを、銃型操作部10,20を利用して攻撃してプレイを進行する。
仮想空間S内の上下方向の移動は、プレイヤPがエレベータE(E1〜E3)に搭乗したように演出し、プレイヤPが昇降ボタン74を操作して、ある程度制御できるようになっている。
そして、敵キャラクタCから攻撃を受けると、図3に示すライフ値L1,L2(プレイ残存値)が減少していき、ライフ値L1,L2がゼロになるとプレイ終了となる。
【0015】
図4(a)は、本実施形態のゲーム機1の平面図(鉛直方向Zから見た図)である。
図4(b)は、本実施形態のゲーム機1の側面図(左右方向Xから見た図)である。
図1、図4に示すように、ゲーム機1は、本体ケース2と、メインモニタ3と、サブモニタ4と、発光部5と、扉6(遮蔽部)と、操作パネル7と、銃型操作部10,20(操作部)とを備えている。
本体ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
メインモニタ3は、プレイ画面を表示する、例えば液晶表示装置等の表示装置であり、本体ケース2に配置されている。メインモニタ3は、手前側Y1に位置するプレイヤPに対向するように配置される。
サブモニタ4は、プレイヤPを見下ろすように本体ケース2に設置された、例えば液晶表示装置等の表示装置である。サブモニタ4は、後述するように、プレイヤPと敵キャラクタCとの位置関係等を表示する。
【0016】
発光部5は、赤外線を発光する発光ダイオード等の発光体である。発光部5は、メインモニタ3よりも上側及び下側にそれぞれ等間隔に5個ずつ計10個配置されている(図3参照)。つまり、発光部5は、扉6よりもメインモニタ3側に設けられ、手前側Y1に扉6がある状態では、銃型操作部10,20に向かう光線が遮られる位置に配置されている。発光部5は、光線を手前側Y1に向けて発光し、銃型操作部10,20の受光部11,21(後述する)がこの発光部5の位置を検出して、制御部50(後述する)が銃型操作部10,20の照準を判定するようになっている。
【0017】
扉6は、エレベータEの扉を模した部材であり、左扉6L、右扉6Rから構成される。左扉6L、右扉6Rは、左右方向Xに開閉可能な開閉扉6L−1,6L−2、6R−1,6R−2から構成される。なお、最も外側に配置された部材6R−3,6L−3は、本体ケース2に固定されており開閉しない。扉6は、制御部50(後述する)がプレイ進行に応じて開閉したり、また、プレイヤPが閉ボタン73(後述する)を操作することによって開閉し、メインモニタ3を覆う領域の大きさを変化することができる。また、扉6は、プレイヤPが手で力を加えて開閉できるようにしてもよい。この場合、プレイヤPが身を乗り出して手が届くように、扉6は、本体ケース2の正面から、0.5m(長さY3参照)程度奥側Y2の位置に配置される。ゲーム機1は、物理的に扉6を配置することにより、リアルに演出し臨場感を向上することができる。
【0018】
操作パネル7には、コイン投入口71と、プレイモード選択ボタン72と、閉ボタン73(遮蔽部操作部)と、昇降ボタン74とが設けられている。操作パネル7は、プレイヤPが操作しやすいように本体ケース2の手前側Y1に設けられている。
コイン投入口71は、プレイヤPがプレイをするためにコインを投入するための投入口である。コイン投入口71の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部50(後述する)に検出信号を出力する。
【0019】
プレイモード選択ボタン72は、プレイヤPが1人プレイ及び2人プレイのどちらのプレイを行うかを選択するためのボタンである。プレイモード選択ボタン72は、1Pボタン72L及び2Pボタン72Rから構成される。制御部50(後述する)は、プレイ開始時に、1Pボタン72L及び2Pボタン72Rのうち一方のみが操作されると、1人プレイの処理を開始する。一方、制御部50は、1Pボタン72L及び2Pボタン72Rの両方が操作されると、2人のプレイヤが協同してプレイ進行する2人プレイの処理を開始する。
【0020】
閉ボタン73は、扉6を閉める場合に、プレイヤPが連打する操作ボタンである。
昇降ボタン74は、仮想空間Sにおいて、プレイヤPがエレベータEに搭乗して各階を移動するための操作ボタンであり、上昇ボタン74U及び降下ボタン74Dから構成される。制御部50(後述する)は、上昇ボタン74Uが操作されると、エレベータEが上昇した場合の仮想空間Sの画像をメインモニタ3に表示し、一方、降下ボタン74Dが操作されると、エレベータEが降下した場合の仮想空間Sの画像をメインモニタ3に表示する。
【0021】
図1に示すように、銃型操作部10,20は、メインモニタ3の表示に応じて、プレイヤPが操作可能な操作部である。銃型操作部10は、左側X1に位置するプレイヤP1が把持して操作し、一方、銃型操作部20は、右側X2に位置するプレイヤP2が把持して操作するようになっている。銃型操作部10,20は、本体ケース2に電気ケーブルで接続されており、必要に応じて本体ケース2の各ハードウェアに信号を入力する。
【0022】
銃型操作部10は、銃型に形成されており、受光部11と、引き金12とを備えている。
受光部11は、発光部5が発光した光線を受光し、発光部5の位置を検出する受光素子であり、銃口の内部に配置されている。受光部11は、その受光角度の中心の方向が、銃身の向きA1と同じになるように配置されており、左右方向Xの受光角度θ1が例えば10〜20°程度である。銃型操作部10が、発光部5の光線のうち扉6によって遮られていないものの位置を検出することによって、制御部50(後述する)が、銃型操作部10の照準を判定する。
【0023】
受光部11は、発光部5の周波数等を識別することができる。このため、制御部50は、受光部11の受光角度θ1が10〜20°程度であっても、例えば2〜4個の発光部5の光線を受光すれば、どの発光部5の光線を受光したかを識別できる。
このように、ゲーム機1は、発光部5と受光部11とが、銃型操作部10の照準を検出するようになっている。
なお、受光部11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を用いて、制御部50が撮像データに基づいて発光部5の位置を判定し、照準を判定できるようにしてもよい。
【0024】
引き金12は、電気的なオン、オフを検出するリミットスイッチ(図示せず)が内蔵されており、プレイヤP1によって引かれると、このリミットスイッチがオンになり、制御部50に信号を入力する。
銃型操作部20は、銃型操作部10と同様な装置であり、受光部21と、引き金22とを備えている。
【0025】
次に、ゲーム機1のブロック図について説明する。
図5は、本実施形態のゲーム機1のブロック図である。
図6は、本実施形態のゲーム機1のゲームプログラムに含まれる扉開閉位置テーブル42と、扉動作テーブル43とを示す図である。
図5に示すように、ゲーム機1は、銃振動発生部13,23と、扉駆動部30と、扉位置検出部31(遮蔽位置検出部)と、打撃音発生部32と、スピーカ33と、記憶部40と、制御部50とを備えている。なお、本発明では、コンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部40、制御部50を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0026】
銃振動発生部13,23は、銃型操作部10,20にそれぞれ設けられており、引き金12,22を引いた場合に、振動及び衝撃を発生し、銃弾を発射したように演出する装置である。銃振動発生部13,23は、例えば、電磁力によって軸芯が往復運動するソレノイド等を備え、この往復運動によって振動及び衝撃を発生する。
扉駆動部30は、閉ボタン73の出力等に応じて、扉6を開閉駆動する駆動装置である。扉駆動部30は、扉6が開閉するようにガイドするガイドレール(図示せず)と、扉6に駆動力を供給するDCモータ(図示せず)等とを備えている。また、扉駆動部30は、敵キャラクタCが扉をこじ開けようとする態様を演出するために、ソレノイド等によって、扉6をガタガタと振動させる振動発生装置を備えている。
【0027】
扉位置検出部31は、扉6の開閉位置を検出するためのセンサである。扉位置検出部31は、例えば、光学センサ、リニアエンコーダ等や、DCモータの回転位置に基づいて扉6の位置を検出するロータリエンコーダ等を用いることができる。
打撃音発生部32は、敵キャラクタCの扉6への攻撃や、扉6への着弾等をリアルに演出するために、物理的な打撃音を演出する装置である。打撃音発生部32は、例えば、板状等の被打撃部に対して、球体等の物体をDCモータ等に駆動して打撃して、「バンッ」という打撃音を物理的に発生する。
スピーカ33は、本体ケース2や床の内部に収容されており、プレイ中に効果音等を出力する。
【0028】
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要な情報や、ゲームプログラム41等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部40は、プレイ料金に関する情報をテーブル(図示せず)の形態で記憶したり、プレイ中のライフ値L1,L2(図3参照)を記憶したりする。
ゲームプログラム41には、メインモニタ3に表示するプレイ画面の情報や、図6に示すように、扉開閉位置テーブル42及び扉動作テーブル43等の情報、課金を制御するためのプログラム等が含まれている。扉開閉位置テーブル42及び扉動作テーブル43を利用した処理については、後述する。
【0029】
制御部50は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部50は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。制御部50は、課金判定部51と、プレイ条件設定部52と、照準判定部53と、扉制御部54と、プレイ進行制御部55と、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するバスライン(図示せず)とを備えている。
課金判定部51は、プレイ料金に関する処理を行う制御部であり、2人プレイの場合には、プレイヤP1,P2からコインの投入があったか否かをプレイヤ毎に判定することができる。課金判定部51は、記憶部40に記憶されたプレイ料金に関するテーブル(図示せず)に基づいて、プレイ料金に関する処理を行う。
【0030】
プレイ条件設定部52は、プレイ開始時、プレイ中、継続プレイ開始時等にプレイヤPのプレイ条件を設定する制御部である。プレイ条件設定部52は、課金判定部51がプレイヤPからコインの投入があったと判定した場合に、各プレイヤPのライフ値L1,L2を増加したりする。
【0031】
照準判定部53は、銃型操作部10,20の照準を判定する制御部である。照準判定部53は、銃型操作部10,20の引き金12,22が引かれたときに、その出力信号に応じて受光部11,21を制御して、発光部5の位置情報を取得して照準を判定する。
また、照準判定部53は、受光部11,21の出力に応じて、発光部5の光線の受光の有無を判定して、扉6に照準が定められているか否かを判定することができる。
扉制御部54は、扉6の開閉を制御する制御部である。扉制御部54は、扉位置検出部31の出力に基づき扉6の開閉位置をプレイ中に常時判定したり、扉駆動部30を制御して扉6を開閉駆動したりする。
さらに、扉制御部54は、銃型操作部10,20から信号の出力が有り、照準判定部53が扉6に照準が定められていると判定した場合に、打撃音発生部32を駆動して打撃音を発生したりする。
【0032】
プレイ進行制御部55は、プレイ進行を統括的に制御する制御部である。
プレイ進行制御部55は、プレイがスタートとすると、ゲームプログラム41に含まれる仮想空間S内を、プレイヤPが進んでいくように処理する。
また、プレイ進行制御部55は、他の各制御部からの情報や、銃型操作部10,20、操作パネル7の各ボタン等の出力に基づいてゲームを進行する。プレイ進行制御部55は、例えば、照準判定部53がメインモニタ3上の敵キャラクタCに照準が定められ命中したと判定した場合に、敵キャラクタCにダメージを与えたり、プレイヤPに加点したりする。また、プレイ進行制御部55は、例えば、扉制御部54による扉6の位置判定に基づいて、敵キャラクタCが扉6に衝突するように画面に表示したりする。
さらに、プレイ進行制御部55は、各プレイヤPがプレイ可能であることを示すライフ値L1,L2(図3参照)に基づいてプレイ進行し、ライフ値L1,L2がゼロになった場合に、そのプレイヤPに継続プレイを促す画面を、メインモニタ3に表示したりする。
【0033】
次に、ゲーム機1の各処理について説明する。
(課金処理)
最初にゲーム機1の課金処理について説明する。
図7(図7−1、図7−2)は、本実施形態のゲーム機1の課金処理を示すフローチャートである。
最初に、ステップS(以下、単に「S」という)10において、プレイヤPがプレイ開始するためにコイン投入口71にコインを投入すると、検出信号が制御部50に出力され、制御部50が一連の処理を開始する。
【0034】
S20において、課金判定部51は、プレイモード選択ボタン72が操作され、2人プレイが選択されたか否かを判定する。課金判定部51は、2人プレイが選択されたと判定した場合には(S20:YES)、S30に進む。一方、課金判定部51は、2人プレイが選択されなかったと判定した場合つまり1人プレイが選択されたと判定した場合には(S20:NO)、S21に進んで、プレイ進行制御部55は、1人プレイを開始する。
なお、本実施形態では、1枚のコインで1人プレイ、2枚のコインで2人プレイが可能であり、2人プレイを選択する場合には、プレイヤPは、2枚のコインをコイン投入口71に投入する必要がある。
【0035】
S30において、プレイ条件設定部52は、プレイヤPのライフ値L1,L2(図3参照)を設定する。本実施形態では、ライフ値「100」を設定する。プレイ条件設定部52は、設定したライフ値L1,L2を記憶部40に記憶する。
【0036】
S40において、課金判定部51は、追加コインの投入があったか否かを判定する。前述したように2人プレイで2コインの場合には、課金判定部51は、3枚以上のコイン以上の投入があったか否かを判定する。課金判定部51は、追加コインの投入があったと判定した場合には(S40:YES)、S50に進み、一方、追加コインの投入がないと判定した場合には(S40:NO)、S60に進む。なお、プレイヤPは、プレイ料金の受け付けをするためには、コイン投入後に自分のプレイモード選択ボタン72を操作すればよい。これによって、課金判定部51は、プレイヤP1,P2のうちどちらがコイン投入したかをプレイヤP毎に判定することができる。
S50において、プレイ条件設定部52は、プレイ開始時に追加コインがあったので、プレイヤP1,P2のライフ値L1,L2にさらに「100」を付加し、合計のライフ値L1,L2を「200」に増加して、プレイヤP1,P2のプレイ条件を設定する。
【0037】
ところで、従来のゲーム機では、プレイが終了し継続プレイを促すコンティニューの画面が表示されている間に、追加コインの投入があった場合に、ライフ値を新たに設定するものであった。このため、従来のゲーム機では、プレイが中断されてしまうし、また、プレイヤは、コンティニューの処理の間、つまりプレイが再開するまで待たされていた。
これに対して、ゲーム機1は、ゲーム開始時に追加コインの投入があった場合にライフ値L1,L2のさらにライフ値を追加する。つまり、継続プレイ分のライフ値L1,L2を予め付与するので、コイン投入量に応じたプレイを、コンティニュー処理によって待たされずに行うことができる。また、ゲーム機1を設置している店舗等側は、プレイ時間の短縮を図り、プレイヤPの回転率を向上することができる。
また、ゲーム機1は、コインを投入したプレイヤP(P1又はP2)とは異なる他のプレイヤP(P2又はP1)のライフ値を増加することによって、異なる他のプレイヤP(P2又はP1)にも有利なプレイ条件を設定する。このため、ゲーム機1は、コイン投入の恩恵を他のプレイヤP(P2又はP1)にも付与することができるので、プレイヤPへの課金のメリットを大きくでき、追加コインの投入をプレイヤPに上手に促すことができる。
【0038】
S60において、プレイ進行制御部55は、プレイ条件設定部52に設定されたライフ値L1,L2を記憶部40から読み出して、2人プレイを進行する。プレイ進行制御部55は、各プレイヤPのライフ値L1,L2をメインモニタ3に表示し、敵キャラクタCからプレイヤPが攻撃を受けると、ライフ値をL1,L2減少させるように制御し、ライフ値L1,L2がゼロになったらそのプレイヤPのプレイを終了する。
【0039】
S70において、課金判定部51は、コイン投入口71の出力に基づいて、プレイ中に追加コインの投入があったか否かを判定する。課金判定部51は、プレイ中に追加コインの投入があったと判定した場合には(S70:YES)、S80に進み、一方、プレイ中に追加コインの投入がないと判定した場合には(S70:NO)、S90に進む。
【0040】
S80において、プレイ条件設定部52は、コイン投入したプレイヤPにライフ値「100」を付加し、プレイ条件を更新する。さらに、プレイ条件設定部52は、コイン投入したプレイヤPだけでなく、コイン投入しなかった他のプレイヤPに対しても、ライフ値の付加をする。他のプレイヤPに付加するライフ値は、コイン投入したプレイヤPと同様に「100」を付与してもよいし、その半分の「50」を付加してもよい。そして、プレイ進行制御部55が、その後の処理において、設定されたライフ値L1,L2に基づいて2人プレイを進行する。
【0041】
このように、ゲーム機1は、プレイ開始時だけではなく、プレイ進行中に追加コインの投入があったときにも、その恩恵を他のプレイヤPにも付与することができる。
なお、プレイ条件設定部52は、プレイ中の追加コインの投入に対して、以下のような条件を設定してもよい。
(1)プレイ条件設定部52は、課金判定部51がプレイ進行中にプレイヤPから追加コインの投入があったと判定した場合に、そのプレイ状況に適切な条件を設定してもよい。例えば、残り弾数が少ないときには、弾数を補充するように設定してもよいし、また、敵キャラクタCの数が多いときには、必殺技を繰り出すように設定してもよい。ゲーム機1は、このようにそのプレイ状況に適切な条件を設定することにより、プレイ中のコイン投入をプレイヤに促すことができる。
【0042】
(2)プレイ条件設定部52は、プレイヤPのプレイ成績及び他のプレイヤPのプレイ成績に応じて、プレイ条件の設定を変更してもよい。この場合、プレイ成績の低いプレイヤPに対してより有利な条件を設定することができ、プレイヤPの技量を勘案して条件設定することができる。例えば、プレイ成績の低いプレイヤPには、コイン投入したプレイヤPか否かにかかわらず、付与後の合計ライフ値が「150」になるようにしてもよい。これによって、ゲーム機1は、技量の低いプレイヤPばかりがコイン投入するといったことがなくなり、また協同してプレイしているという感覚を向上することができる。
【0043】
S90において、プレイ進行制御部55は、プレイヤP1のライフ値L1がゼロになることによって、プレイヤP1のプレイが終了したか否かを判定する。プレイ進行制御部55は、プレイヤP1のプレイが終了したと判定した場合には(S90:YES)、S91に進み、一方、プレイヤP1のプレイが終了していないと判定した場合には(S90:NO)、S100に進む。
【0044】
S91(図7−2)において、プレイ進行制御部55は、プレイヤP2のプレイ続行をしながら、プレイヤP1に対してコイン投入を促す画面をメインモニタ3に表示する。プレイ進行制御部55は、例えば、「継続プレイをするにはコインを投入して下さい」という文字を、メインモニタ3に表示する。
【0045】
S92において、課金判定部51は、プレイヤP1がコイン投入口71にコインを投入したことで出力される検出信号を確認することによって、プレイヤP1のコイン投入があるか否かを判定する。課金判定部51は、プレイヤP1のコイン投入があると判定した場合には(S92:YES)、S93に進む。一方、課金判定部51は、プレイヤP1のコイン投入がないと判定した場合には(S92:NO)、S94に進んで、プレイ進行制御部55がプレイヤP1の継続プレイをすることなく、プレイヤP2のみでプレイを進行する。
【0046】
S93において、プレイ条件設定部52は、プレイヤP1,P2のライフ値L1,L2を設定する。プレイ条件設定部52は、プレイヤP1に対して、ライフ値「100」を付与し(つまり合計のライフ値「100」)、一方、プレイヤP2にもプレイ中のライフ値L2にライフ値「50」を追加する。
S94において、プレイ進行制御部55は、S93で設定されたライフ値L1,L2に基づいて、プレイを続行し、S70(図7−1)からの処理を繰り返す。
【0047】
このように、ゲーム機1は、プレイヤP1のプレイが終了してコインの投入があったと判定した場合に、プレイヤP1に対して再プレイのプレイ条件を設定するとともに、他のプレイヤP2に対しても有利なプレイ条件を設定する。このため、プレイ続行しているプレイヤP2がプレイ終了したプレイヤP1に対して、コイン投入するようにと催促するような状況を作ることができる。
【0048】
S100において、プレイ進行制御部55は、プレイヤP2のライフ値L2がゼロになることによって、プレイヤP2のプレイが終了したか否かを判定する。プレイ進行制御部55は、プレイヤP2のプレイが終了したと判定した場合には(S100:YES)、S101に進み、一方、プレイヤP2のプレイが終了していないと判定した場合には(S100:NO)、S70からの処理を繰り返す。
101〜S105(図7−2)の処理は、上記S91〜S95の処理と同様である。つまり、S101〜S105において、制御部50は、上記S91〜S95でプレイヤP1に対して行った処理を、プレイヤP2に対して行い、一方、上記S91〜S95でプレイヤP2に対して行った処理を、プレイヤP1に対して行う。
【0049】
このように、ゲーム機1は、プレイヤP1,P2のうちゲーム終了となったプレイヤPがコインを投入することにより、そのプレイヤPだけでなく、継続してプレイしている他のプレイヤPに対しても有利な設定を行い、他のプレイヤPも恩恵を受けることができる。このように課金することによって、恩恵を受けた後に他のプレイヤPがプレイ終了になった場合には、他のプレイヤPに一度恩恵を受けた以上、自分も課金しなければという心理を働かせて、他のプレイヤPにもコインの投入を促すことができる。
【0050】
(扉駆動処理)
次に、ゲーム機1の扉駆動処理について説明する。
図8は、本実施形態のゲーム機1の扉駆動処理を示すフローチャートである。
図9は、本実施形態の敵キャラクタCが扉6を攻撃する場合の敵キャラクタCと扉6との位置関係を、プレイ進行順に示す平面図(XY平面図)である。
図10は、本実施形態の敵キャラクタCが攻撃してくるタイミングを説明する図である。
なお、図9に示す位置関係は、プレイ進行制御部55がサブモニタ4に表示する。このため、プレイヤPは、扉6よりも奥側Y2に敵キャラクタCが表示され敵キャラクタCを視認できない場合であっても、サブモニタ4の表示を確認すれば、この敵キャラクタCの有無を確認することができる。
【0051】
最初に、S200において、扉制御部54は、扉6を閉じるか否かを判定する。扉6を閉じる場合は、プレイ進行制御部55がプレイ進行に応じて、プレイヤPがエレベータEに乗り込んだ状態(つまりプレイヤPが扉6の内側から各階の見ているようにメインモニタ3に表示される状態)で、他の階に移動する場面である。この場合、プレイ進行制御部55は、エレベータEの室外の画像(つまりその階の室内の画像)と、エレベータEの室外の敵キャラクタの画像とを表示する。扉制御部54は、扉6を閉じると判定した場合には(S200:YES)、S210に進み、一方、扉6を閉じないと判定した場合には(S200:NO)、この判定を繰り返して行う。
【0052】
S210において、扉制御部54は、扉位置検出部31の出力に基づいて扉6の位置を判定する。
S220において、プレイ進行制御部55は、敵キャラクタCが扉6への攻撃を開始するように制御する。プレイ進行制御部55は、S210又は後述するS270での扉6の位置判定に基づいて、敵キャラクタCの攻撃の態様を変化させる。
【0053】
例えば、敵キャラクタCの攻撃は、以下の態様がある。
図9(a)、図9(b)は、扉6が閉動作中に、敵キャラクタCが扉6に迫ってくる場面である。
図9(c)は、扉6がほぼ閉位置にある状態から、敵キャラクタCが扉6をこじ開けようとしている場面である。
図9(d)は、敵キャラクタCは、プレイヤPが敵キャラクタCを攻撃することによって、敵キャラクタCが扉6から後退する場面である。
図9(e)は、後退した敵キャラクタCの体力が復活して、敵キャラクタCが扉6に急接近してくる場面である。
図9(f)は、体力が復活した敵キャラクタCが、ほぼ閉位置にある状態の扉6を、再びこじ開けようとしている場面である。
その他に、プレイ進行制御部55は、敵キャラクタCが扉6に衝突するように画面に表示したりする。このように、ゲーム機1は、扉6の開閉位置をプレイに反映することができる。
【0054】
なお、敵キャラクタCが複数いる場合には、どの敵キャラクタCが攻撃してくるかをプレイヤPに示すために、プレイ進行制御部55は、図10に示すように、攻撃を開始するまでの時間に応じて、敵の色や濃淡を変化させる(図10に示す敵キャラクタCは、モンスタではなく戦士である)。
図8に戻り、プレイ進行制御部55は、扉6が攻撃され扉6が破壊された程度を、記憶部40に記憶し、S230に進む。
【0055】
S230において、扉制御部54は、記憶部40の扉6が破壊された程度を確認して、図6に示す扉開閉位置テーブル42に基づいて、扉6をどの位置まで閉じるかを判断する。例えば、プレイの中で扉6が壊されていない状態であれば、エレベータEを全閉の状態へと駆動するように判定し、敵キャラクタCからの被弾によって、左扉6L及び右扉6Rのうち一方のみが壊れている状態となっているのであれば、壊れた扉のみ閉駆動するように判定する。なお、後述するように、扉6は、プレイヤPが破壊してもよい。
【0056】
S240において、扉制御部54は、敵キャラクタCの状態と、記憶部40の扉6の破壊された程度の情報を確認して、扉動作テーブル43から、扉6の開閉速度及び動作内容を読み出す。
S250において、扉制御部54は、S230で読み出した扉開閉位置テーブル42と、S240で読み出した扉動作テーブル43とに基づいて、扉駆動部30を制御して、扉6の開閉駆動を行う。
【0057】
例えば、図9(a)、図9(b)に示す場面では、敵キャラクタCが扉6から離れており扉6を攻撃していないので、扉制御部54は、図6に示す扉動作テーブル43から行43aの情報を読み出して(S240)、扉6をスムーズに閉駆動する。
図9(c)に示す場面では、敵キャラクタCが左扉6Lをこじ開け、一方、右扉6Rをゆすって攻撃している。このため、扉制御部54は、左扉6Lについては、図6に示す扉動作テーブル43から行43bの情報を読み出して(S240)、閉動作中であった扉6を一気に速い速度で開動作させ、一方、右扉6Rについては、行43cの情報を読み出して(S240)、扉6の閉動作を停止して、ガタガタと振動させる。また、この場面では、プレイヤPが敵キャラクタCを狙撃しているので、扉制御部54は、行43dの情報を読み出して(S240)、前述した駆動(開動作と振動)と、敵キャラクタCに与えたダメージに応じて、扉6がゆっくり閉まっていくような駆動とを繰り返して行う。
【0058】
図9(d)、図9(e)に示す場面では、図9(a)、図9(b)と同様に、敵キャラクタCが扉6から離れており扉6を攻撃していないので、行43aの情報を読み出して(S240)、左扉6Lをスムーズに閉駆動する。なお、右扉6Rは、既に閉位置にあるので、扉制御部54は、右扉6Rの開閉駆動は行わない。
図9(f)に示す場面では、図9(c)に示す場面とは反対に、敵キャラクタCが右扉6Rをこじ開け、一方、左扉6Lをゆすって攻撃している。このため、扉制御部54は、右扉6R及び左扉6Lの動作に関して、上記図9(c)とは反対の制御を行う。
【0059】
図8に戻り、S260において、扉制御部54は、プレイヤPにより閉ボタン73が連打(例えば、1秒間に3回程度)されているか否かを判定する。扉制御部54は、閉ボタン73が連打されていると判定した場合には(S260:YES)、S270に進み、一方、閉ボタン73が連打されていないと判定した場合には(S260:NO)、S280に進む。
S270において、扉制御部54は、扉6の閉速度を加速するように、扉駆動部30を制御する。
【0060】
このように、ゲーム機1は、敵キャラクタCが近づいてきた敵キャラクタCが扉6を攻撃している場合に、プレイヤPに閉ボタン73を連打させて扉6を閉じさせることができる。これによって、技量が低いライトユーザであっても、扉6の閉操作をして、少しでも早く危機を脱しようと、プレイに熱中することができる。
一方、技量が高いコアユーザは、高得点を狙って、扉6の閉操作をせずに、敵キャラクタCを狙撃して点数を稼ぐことができる。
【0061】
S280において、扉制御部54は、扉位置検出部31の出力に基づいて、扉6が閉位置にあるか否かを判定する。扉制御部54は、扉6が閉位置にあると判定した場合には(S280:YES)、S290に進み処理を終了し、一方、扉6が閉位置にないと判定した場合には(S280:YES)、S220からの処理を繰り返す。
【0062】
このように、ゲーム機1は、メインモニタ3を物理的に見えない状態にしかつ、プレイヤPに銃型操作部10,20、閉ボタン73等を操作させて、臨場感や緊張感等を与える新しい態様のゲームを提供することができる。また、ゲーム機1は、扉6が開閉してメインモニタ3を覆う領域が変化するので、プレイヤPに与える臨場感や緊張感等を向上することができる。さらに、ゲーム機1は、扉6を利用して、敵キャラクタCからの攻撃を防いだりする新しい態様のガンゲームを提供することができる。
【0063】
(着弾処理)
次に、照準判定部53の着弾処理について説明する。
図11は、本実施形態の着弾処理を示すフローチャートである。
図12は、本実施形態において、プレイヤPが照準を定めている状態を示す平面図である。
図13は、本実施形態の仮想空間S内で、上下の階をまたいでエレベータEが位置した場合におけるメインモニタ3の表示を示す図である。
最初に、S300において、照準判定部53は、銃型操作部10,20の出力に応じて、引き金12,22が引かれたか否かを判定する。照準判定部53は、引き金12,22が引かれたと判定した場合には(S300:YES)、S310に進み、一方、引き金12,22が引かれていないと判定した場合には(S300:NO)、引き金12,22が引かれるまでこの処理を繰り返す。
【0064】
S310において、照準判定部53は、引き金12,22が引かれた銃型操作部10,20の受光部11,21を制御して、受光情報を取得する。
S320において、照準判定部53は、受光情報に発光部5が含まれるか否かを判定することによって、発光部5の手前側Y1に扉6があり、銃型操作部10,20から発光部5が扉6に隠れていないか否かを判定する。つまり、銃型操作部10,20が扉6の手前にある場合には、発光部5が扉6に隠れてしまうために、受光部11,21によって受光されない。照準判定部53は、受光情報に発光部5が含まれると判定した場合には(S320:YES)、S321に進み、一方、銃型操作部10,20が扉6の手前にないと判定した場合には(S320:NO)、S330に進む。
【0065】
例えば、図12に示す状態では、プレイヤP1の銃型操作部10の受光部11の受光範囲には、いずれの発光部5も含まれない。このため、照準判定部53は、銃型操作部10が扉6の手前にあると判定する(S320:YES)。
このように、ゲーム機1は、どの発光部5が撮像データに含まれるかによって、扉6に照準が定められているかを判定できるので、発光部5の位置情報を解析する必要がなく、銃型操作部10が扉6の手前にある場合の判定を、簡単な処理で行うことができる。
【0066】
一方、プレイヤP2の銃型操作部20の受光部21の受光範囲には、最も左側X1に配置された発光部5が含まれる。このため、照準判定部53は、銃型操作部20が扉6の手前にあると判定せず(S320:YES)、S330に進む。
このように、ゲーム機1は、メインモニタ3の手前側Y1に扉6を配置することにより、プレイヤP2は、右扉6Rを盾にしたり、左扉6Lよりも奥側Y2に表示されている敵キャラクタCを攻撃することができる。また、プレイヤP2は、身を乗り出して銃型操作部20を扉6よりも奥側Y2に位置させたり、扉6よりも奥側Y2を覗き込んだりして、敵キャラクタCを攻撃してもよい。
【0067】
図11に戻り、S321において、照準判定部53は、受光情報に基づいて発光部5の位置情報を解析して、引き金12,22が引かれた銃型操作部10,20の照準を判定する。
ここで、照準判定部53が敵キャラクタCに照準が定められていると判定した場合には、プレイ進行制御部55が、敵キャラクタCがダメージを受けたようにメインモニタ3に表示してプレイヤPに加点する。また、プレイ進行制御部55は、敵キャラクタCのダメージの程度を記憶部40に記憶する。
一方、照準判定部53が窓等の構造物等に照準が定められていると判定した場合には、プレイ進行制御部55が構造物を破損するような処理を行い、メインモニタ3に表示する。
そして、プレイ進行制御部55は、S340に進んで、この着弾処理を終了する。
【0068】
S330において、各制御部は、以下のように扉6への着弾処理を行う。
プレイ進行制御部55は、打撃音発生部32を制御して、扉6への着弾をリアルに演出する。
扉制御部54は、扉駆動部30を制御して、ガタガタと振動させる。また、扉制御部54は、扉6の破壊された程度を増加させて、前述した扉駆動処理に反映する(上記S230,S240等参照)。
各制御部の処理が終了すると、プレイ進行制御部55は、S350に進んで、この着弾処理を終了する。
【0069】
なお、プレイヤPがエレベータE内におりかつ扉6が開いた状態で、プレイヤPによって昇降ボタン74が操作されると、プレイ進行制御部55は、エレベータEが仮想空間Sで上下する。そして、図13に示すように、メインモニタ3の上側の範囲には上の階の室内をメインモニタ3に表示し、メインモニタ3の下側の範囲には下の階の室内をメインモニタ3に表示する。これによって、プレイヤPは、上の階にいる敵キャラクタC、下の階の敵キャラクタCを、選択して攻撃することもできる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態のゲーム機1は、メインモニタ3を物理的に覆う扉6を設け、扉6を開閉させながら、プレイヤPに銃型操作部10,20を操作させて、臨場感や緊張感等を与える新しい態様のゲームを提供することができる。また、画面に扉を表示するのではなく、物理的に扉6を配置することにより、よりリアルに演出し臨場感を向上することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0072】
(変形形態)
(1)本実施形態において、扉に照準を合わせているか否かを判定するために、受光部が発光部の光線を受光るか否かによって判定した例を示したが、これに限定されない。例えば、発光部を扉よりも手前側に配置して、発光部の手前側に扉がある状態でも、その光線が銃型操作部に到達可能な位置に配置し、照準判定部が、受光部の出力に応じて銃型操作部の照準を判定し、判定した照準と扉の位置とに基づいて、扉に弾が命中したか否かを判定するようにしてもよい。
この場合、ゲーム機は、発光部の手前側に扉がある状態でも、扉のどの位置に照準が定められているかを、詳細に判定することができる。
なお、プレイヤは、扉を自分の手で力を加えて扉を開閉し、扉で隠れているメインモニタの敵キャラクタを狙撃してもよい。この場合にも、扉に隠れていた発光部が手前側に露出するので、この発光部を受光部が受光することができる。
このように、ゲーム機は、プレイヤが実際の扉を操作しているような態様でプレイすることができるので、リアル感を向上することができる。
【0073】
(2)本実施形態において、扉が開閉したり振動したりする例を示したが、これに限定されない。例えば、扉の破壊の程度に応じて、扉を変形するようにしてもよい。この場合、例えば、扉をゴム材により形成しソレノイドで押圧して扉に突起を形成すればよい。
また、例えば、扉に光線を当てるとひび割れが浮かび上がるような構成にしてもよい。
これによって、ゲーム機は、臨場感をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】本実施形態の仮想空間のマップである。
【図3】本実施形態のゲーム画面を示す図である。
【図4】本実施形態のゲーム機の平面図及び側面図である。
【図5】本実施形態のゲーム機のブロック図である。
【図6】本実施形態のゲーム機の扉開閉位置テーブルと扉動作テーブルとを示す図である。
【図7−1】本実施形態のゲーム機の課金処理を示すフローチャートである。
【図7−2】本実施形態のゲーム機の課金処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態のゲーム機の扉駆動処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の敵キャラクタが扉を攻撃する場合の扉との位置関係を、プレイ進行順に示す図であり、仮想空間を上側から見た図である。
【図10】本実施形態の敵キャラクタが攻撃してくるタイミングを説明する図である。
【図11】本実施形態の着弾処理を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態において、プレイヤが照準を定めている状態を示す上面図である。
【図13】本実施形態の仮想空間内で、上下の階をまたいでエレベータが位置した場合におけるメインモニタの表示を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ゲーム機
3 メインモニタ
5 発光部
6 扉
10,20 銃型操作部
11,21 受光部
12,22 引き金
30 扉駆動部
31 扉位置検出部
32 打撃音発生部
40 記憶部
41 ゲームプログラム
42 扉開閉位置テーブル
43 扉動作テーブル
50 制御部
51 課金判定部
52 プレイ条件設定部
53 照準判定部
54 扉制御部
55 プレイ進行制御部
72 プレイモード選択ボタン
73 閉ボタン
74D 降下ボタン
74U 上昇ボタン
L1,L2 ライフ値
S 仮想空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイ画面を表示する表示部と、
前記表示部の表示に応じて、プレイヤが操作可能な操作部と、
前記表示部の少なくも一部を覆うように配置される遮蔽部と、
前記操作部の操作に応じて、プレイを進行する制御部と、
を備えるゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
前記遮蔽部は、前記表示部を覆う領域を変化するように移動すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、
前記遮蔽部の位置を検出する遮蔽位置検出部を備え、
前記制御部は、前記遮蔽位置検出部の出力に基づいてゲームを進行すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記操作部は、前記遮蔽部の移動を操作する遮蔽部操作部を備え、
前記遮蔽部操作部の出力に応じて、前記遮蔽部を駆動する駆動部を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記遮蔽部は、前記プレイヤによって力が加えられることにより移動すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記操作部は、操作に基づいて信号を出力する銃型の銃型操作部を備え、
前記銃型操作部の照準を検出する照準検出部を備え、
前記制御部は、前記銃型操作部から信号の出力が有った場合に、前記照準検出部が検出した前記照準に基づいて、プレイを進行すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム機において、
被打撃部に物体を打撃して物理的に打撃音を発生する打撃音発生部を備え、
前記制御部は、前記銃型操作部から信号の出力が有り、前記照準検出部の出力に基づいて前記遮蔽部に照準が定められていると判定した場合に、前記打撃音発生部を駆動して打撃音を発生すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項8】
請求項6に記載のゲーム機において、
前記照準検出部は、
前記遮蔽部よりも前記表示部側に設けられ、光線を発光し、前記銃型操作部との間に遮蔽部がある状態では、前記銃型操作部に向かう前記光線が遮られ、前記銃型操作部との間に遮蔽部がない状態では、前記銃型操作部に向かう前記光線が前記銃型操作部に到達する位置に配置された複数の発光部と、
前記銃型操作部に設けられ、前記発光部の光線のうち前記遮蔽部によって遮られていない光線を受光する受光部とを備え、
前記制御部は、前記受光部の出力に応じて、複数の前記発光部が発光した光線の受光の有無を判定して、前記遮蔽部に照準が定められているか否かを判定すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項9】
請求項6に記載のゲーム機において、
前記照準検出部は、
光線を発光し、前記銃型操作部に向かう前記光線が前記遮蔽部に遮らない位置に配置された複数の発光部と、
前記銃型操作部に設けられ、前記発光部の光線を受光する受光部とを備え、
前記制御部は、前記受光部の出力に応じて前記銃型操作部の照準を判定し、判定した前記照準と前記遮蔽部の位置とに基づいて、前記遮蔽部に弾が命中したか否かを判定すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記遮蔽部は、エレベータの扉を模した扉部材であり、
前記表示部は、前記エレベータよりも外の室内及び前記室内に配置された攻撃目標の画像を表示すること、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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