説明

ゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 盤面画像上において玉画像が通過した移動経路を画像として視認可能に表示する弾球遊技機のシミュレーションゲームを提供する。
【解決手段】 ゲーム操作を入力するための操作入力装置20と、画像を表示する表示装置30と、玉画像BPが複数の障害物画像と接触を繰り返しつつ盤面画像61上を移動するゲーム画面を表示装置に表示させる画像処理手段46とを備えるゲーム装置1において、盤面画像上における玉画像の時々刻々の位置である玉位置を導出する玉位置導出手段71と、前記玉位置に基づいて、玉画像が通過した軌跡である玉軌跡を導出する玉軌跡導出手段79dとを更に備え、画像処理手段46は、玉位置に基づいて玉画像の表示を行うとともに、玉軌跡を可視化するための軌跡画像をゲーム画面に表示させるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(「パチンコ機」とも呼ばれる)のシミュレーションゲームを実行するゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、より詳細には、盤面画像上の玉画像が通過した移動経路を可視表示する弾球遊技機のシミュレーションゲームを実行するゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現実のパチンコ機の動作をシミュレートするゲーム装置(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【0003】
このゲーム装置では、現実のパチンコ機を再現するために、釘画像や風車画像等、様々な障害物画像を配した盤面画像を表示装置上に表示させるとともに、コントローラなどの操作入力装置への所定の操作に対応して次々に打ち出される玉画像が、障害物画像との接触を繰り返しながら盤面画像上を移動する様子が表示される。
【0004】
しかし、従来のゲーム装置における玉画像の移動は、現実のパチンコ機におけるパチンコ玉の移動をシミュレーションにより再現したものではなく、それらしく見える移動経路を複数種類準備し、そのいずれかの経路に従って各玉画像を移動させるに過ぎないものであった。
【0005】
一方、近年では、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)技術などの進歩により、仮想空間内に現実のパチンコ機を再現させた精密な3次元オブジェクトを構築し、当該オブジェクト上においてパチンコ玉が釘や風車などの障害物と接触した際の速度変化や軌道変化等を計算により導出することで現実のパチンコ機におけるパチンコ玉の移動をより正確に再現して表示することが可能となっている。
【0006】
しかしながら、パチンコ機の盤面上におけるパチンコ玉の移動は高速でかつ複雑であり、個々のパチンコ球の移動経路を目視で把握することは困難であり、そのようなパチンコ機を3DCG技術を用いて正確に再現させたゲーム装置においても、必然的に、個々の玉画像の移動経路を把握することは困難であった。
【特許文献1】特開平8−280935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、以下のいずれか一以上の目的を達成することをその目的とする。
【0008】
即ち本発明の目的は、盤面画像上における玉画像の移動を表示するゲーム装置であって、個々の玉画像の移動経路の把握を容易にしたゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、盤面画像上において玉画像が通過した移動経路を画像として視認可能に表示するゲーム装置、ゲームプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記問題を解決したものであり、
ゲーム操作を入力するための操作入力装置と、
画像を表示する表示装置と、
玉画像が複数の障害物画像と接触を繰り返しつつ盤面画像上を移動するゲーム画面を前記表示装置に表示させる画像処理手段とを備えるゲーム装置であって、
前記盤面画像上における前記玉画像の時々刻々の位置である玉位置を導出する玉位置導出手段と、
前記玉位置に基づいて、前記玉画像が通過した軌跡である玉軌跡を導出する玉軌跡導出手段とを更に備え、
前記画像処理手段は、前記玉位置に基づいて前記玉画像を前記ゲーム画面に表示させるとともに、前記玉軌跡を可視化するための軌跡画像を前記ゲーム画面に表示させることを特徴とするゲーム装置(請求項1)、又は、
玉画像が複数の障害物画像と接触を繰り返しつつ盤面画像上を移動するゲーム画面を表示装置上において表示させるゲーム装置に実装されるコンピュータで解釈実行されるプログラムであって、
前記盤面画像上における前記玉画像の時々刻々の位置である玉位置を導出する玉位置導出手順と、
前記玉位置に基づいて、前記玉画像が通過した軌跡である玉軌跡を導出する玉軌跡導出手順と、
前記玉位置に基づいて前記玉画像の表示を行うとともに、前記玉軌跡を可視化するための軌跡画像を前記ゲーム画面に表示させる手順とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム(請求項11)、又は、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(請求項12)である。
【0011】
本発明では、盤面画像上を移動する複数の玉画像ごとに、その玉画像が通過した移動経路(軌跡)が軌跡画像として可視表示されるため、高速で移動する玉画像の移動経路を容易に把握することが可能になる。
【0012】
本発明の玉位置導出手段は、前記障害物画像に設定されている摩擦係数及び/又は反発係数を用いて前記玉位置を導出するよう構成すること(請求項2)が可能である。
【0013】
かかる発明では、現実のパチンコ機におけるパチンコ玉の移動態様をより精密に再現することが可能になる。従って、本発明のゲーム装置を用いたシミュレーションにより、現実のパチンコ機におけるパチンコ玉の移動経路や、打ち出しの強さによるパチンコ玉の移動経路の変化などの把握、分析を行うことが可能になる。
【0014】
本発明では、玉位置導出手段がフレーム時間毎に前記玉位置を導出し、玉軌跡導出手段各フレーム時間に導出された前記玉位置と、当該各フレーム時間よりも以前のフレーム時間に導出された玉位置とを結ぶ線分を前記玉軌跡として導出するよう構成すること(請求項3)が好ましい。
【0015】
即ち、この種のゲーム装置では、ゲーム画面の生成や表示処理が、所定のフレーム時間(例えば、1/60秒)毎に行われる場合が多いが、2つのフレーム間における玉軌跡を、両フレーム時間における玉位置を結ぶ線分とすることで、玉軌跡の導出に要する負荷を軽減することができる。
【0016】
本発明では、操作入力装置への所定の操作に応答して、軌跡表示モードのオン/オフの切替設定を行う軌跡設定手段を更に備え、前記画像処理手段は、前記軌跡表示モードがオンであることを条件に、前記軌跡画像の表示を行うこと(請求項4)が好ましく、これにより、操作者の好みに応じて軌跡画像の表示/非表示を選択することが可能となる。
【0017】
本発明の軌跡設定手段は、前記軌跡画像の表示色の設定を更に受け付け、前記画像処理手段は、前記軌跡設定手段が受け付けた前記表示色に従って、前記軌跡画像の表示を行うよう構成すること(請求項5)が好ましい。
【0018】
かかる発明では、盤面画像の表示色等に合わせた見易い表示色で軌跡画像を表示させることが可能となるため、特に、模様や色合いが異なる複数種類の盤面画像からゲーム画面に表示する盤面画像を選択できる仕様のゲーム装置において、操作者の使い勝手を向上させることができる。
【0019】
本発明では、前記画像処理手段は、1又は複数の3次元オブジェクトを配置した仮想空間を仮想視点から見た画像として前記ゲーム画面を生成し、前記玉位置導出手段は、所定の形状を付与された3次元オブジェクトである玉オブジェクトの仮想空間における時々刻々の位置座標を導出し、前記玉軌跡導出手段は、前記位置座標に基づいて、前記玉オブジェクトが通過した仮想空間における軌跡を導出するものであり、前記玉画像は、前記玉オブジェクトを前記位置座標に配置することにより、前記軌跡画像は、所定の形状を付与された3次元オブジェクトである軌跡オブジェクトを前記軌跡に配置することにより、前記ゲーム画面に表示されること(請求項6)が好ましく、これにより、3DCG技術を用いたよりリアルなゲーム画面の表示が可能となる。また、本発明では、前記操作入力装置への所定の操作に応答して、前記仮想視点の仮想空間内における位置及び/又は方向及び/又は画角を制御する視点制御手段を更に備えるもの(請求項7)とすることにより、玉画像の移動経路を様々な方向から観察することが可能となる。
【0020】
本発明では、軌跡オブジェクトが玉軌跡に沿って延びる複数の板状ポリゴンを所定の角度で交差させた形態を成していること(請求項8)が好ましく、これにより、少ないポリゴン数をもって、仮想視点と軌跡画像のための3次元オブジェクトとの位置関係によらず、一定以上の幅寸法での軌跡画像の表示を確保することが可能となる。従って、請求項7の発明に従って、操作者の操作による仮想視点の制御を可能とした場合であっても、仮想視点の位置や角度によって軌跡画像が見え難くなるなどを防止することができる。
【0021】
本発明では、前記画像処理手段は、前記玉画像が前記盤面画像上の所定位置に到達した時点で当該玉画像を前記ゲーム画面から消去し、消去された前記玉画像についての前記軌跡画像を、当該玉画像の消去から所定時間経過後に消去するよう構成すること(請求項9)が好ましく、これにより、軌跡画像を観察できる時間を延長することが可能となる。
【0022】
また、本発明において、軌跡画像が消去される迄の時間を十分長くすれば、多数の玉画像が通過した経路には多数の軌跡画像が表示されることになるため、玉画像の移動経路の分布を視覚的に表示することが可能となる。この場合、軌跡画像をある透明度をもって表示すれば、多数の玉画像が通過した経路では軌跡画像が重なって濃度が高くなるなど、軌跡画像の濃淡により玉画像の移動経路の分布を表示することができる。
【0023】
本発明の画像処理手段は、前記玉画像が到達した前記盤面画像上の位置に応じて当該玉画像についての前記軌跡画像の表示色を変更する処理を更に実行するよう構成すること(請求項10)が好ましい。
【0024】
かかる発明によれば、盤面画像上の特定の部位(例えば、現実のパチンコ機において入賞口が配置されている位置など)に到達した玉画像の軌跡画像のみを他の軌跡画像とは異なる表示色とできるため、特定の部位に到達した玉画像が通過した移動経路の把握がより容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
本発明は、ゲーム操作を入力するための操作入力装置と、ゲーム画面を表示するための表示装置とを備えた据え置き型や携帯型の家庭用ゲーム装置などの任意の形態のゲーム装置に適用されるものであるが、以下の実施形態では、外部記録媒体から読み取ったゲームプログラムに基づいてゲームを実施可能な据え置き型の家庭用のゲーム装置に適用した場合について説明する。
【0027】
図1は、本発明を適用したゲーム装置1の外観概略構成を示す図である。
【0028】
図示するように、このゲーム装置1は、大きく分けて、ゲーム装置本体10、操作入力装置20、表示装置30から構成される。
【0029】
ここで、ゲーム装置本体10は、本発明を適用したゲームプログラムを含むゲームソフトウェアを記録したDVD−ROMなどの第1の外部記録媒体44aを後述の第1の外部記録媒体ドライブ44がデータ読み取り可能な位置にセットするためのディスクホルダー部11と、ゲームの経過情報(セーブデータ)を記録するメモリーカードなどの第2の外部記録媒体45aを後述の第2の外部記録媒体ドライブ45がデータ読み取り/書き込み可能な位置にセットするための差込口12と、操作入力装置20のケーブルを後述の操作入力処理部48に接続するためのコントローラ端子13と、装置本体10の電源投入を行うためのPOWERボタン14と、前述のディスクホルダー部11を開閉するための開閉スイッチ15と、ゲーム装置本体10を表示装置30及び外部商用電源部と接続するためのAVケーブル16及び電源ケーブル17とを備えている。
【0030】
操作入力装置20は、操作者が各種ゲーム操作を行うためのSTARTボタン21、方向キー22、○ボタン23a、×ボタン23b、□ボタン23c、△ボタン23d、R1ボタン24a、R2ボタン24b、L1ボタン25a、L2ボタン25b等を備えている。
【0031】
表示装置30は、電源投入状態において、ゲーム装置本体10から受信した映像信号に基づきゲーム画面を表示するブラウン管型や液晶型等の表示画面31と、ゲーム装置本体10から受信した音声信号に基づきゲーム演出音を外部に出力する左右のスピーカ32a,32bとを備えている。
【0032】
図2は、図1に示したゲーム装置1の内部のハードウェア構成を示す説明図である。
【0033】
図2に示すように、このゲーム装置1は、その内部に、CPU41、ROM42、メインメモリ(RAM)43とを含む制御系CNTLと、第1、第2の外部記録媒体ドライブ44,45と、画像処理部46と、音声処理部47と、操作入力処理部48と、電源供給インタフェース部49とから構成される。
【0034】
ここで、CPU41は、ゲーム装置の制御動作の中枢となり、システムバスSBを介して他の構成要素部分と制御信号やデータ信号等の受け渡しを行ってゲーム装置全体を統括的に制御するとともに、ゲームプログラム並びに利用者が操作入力装置を使って指示する内容に基づいてゲーム進行を制御する。また、CPU41は、フレーム時間ごとにゲーム画面の描画に必要なデータやコマンドを生成し、これを画像処理部46に送信する。
【0035】
ROM42は、ゲーム装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を動かすための基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。
【0036】
メインメモリ(RAM)43は、メモリ上でゲームソフトウェアに含まれるゲームプログラムを実行するものであり、第1、第2の外部記録媒体44a、45aから読み出したデータを一時記録するとともに、作業中のデータを一時記録する揮発性メモリである。例えば、ゲーム実行処理時に第1の外部記録媒体44aから読み出したゲームプログラムや各種ゲームデータ(ゲーム画面情報、ゲーム演出音声情報、テキスト情報等)の一部若しくは全部をゲームプログラム記録領域43aに一時記録保持するとともに、第2の外部記録媒体45aから読み出したセーブデータ或いはゲーム進行中の作業データをゲーム進行データ記録領域43bに一時記録保持する。
【0037】
なお、図中鎖線で示される制御系CNTLには、図示省略のDMACが含まれており、このDMACが、システムバスSBに接続されている周辺機器を対象として割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA)転送制御を行うことにより、CPU41を介さずに各種周辺機器とRAM43間でシステムバスSBを介して直接データのやりとりを行うことができ、これにより、CPU41のオーバーヘッドを伴わずに、高速・大容量のデータ転送を実現している。
【0038】
第1の外部記録媒体ドライブ44は、DVD−ROMなどの第1の外部記録媒体44aに記録されたゲームプログラムや各種ゲームデータを読み取る。
【0039】
第2の外部記録媒体ドライブ45は、メモリーカードなどの第2の外部記録媒体45aに対するセーブデータの読み取り及び書き込みを行う。
【0040】
画像処理部46は、表示画面31で表示するゲーム画面を生成処理するものであって、本実施形態では、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)のゲーム画面を生成するために、画像デコーダ46aと、フレームバッファ(VRAM)46cを有するGPU46bと、ディスプレイコントローラ46d等の半導体デバイスを備えている。
【0041】
ここで、画像デコーダ46aは、第1の外部記録媒体44aから読み出され、RAM43の所定領域に一時記憶されたJPEG或いはMPEG方式等で圧縮符号化された静止画或いは動画等のゲーム画面のデータを復号してゲームプログラム記録領域43aに記憶する処理を行う。
【0042】
GPU46bは、CPU41からのコマンドに応じて、3DCGのゲーム画面のデータを生成するための所定の画像生成アルゴリズムを実行し、ジオメトリ処理やレンダリング処理等を行って生成したゲーム画面をフレームバッファ46cに描画する。画像デコーダ46aで復号された画像データは、背景画などとしてGPU46bによるゲーム画面の描画に利用される。
【0043】
ディスプレイコントローラ46dは、フレームバッファ46cに描画された画像データを順次読み出して、画像データに対応した輝度信号(明るさの情報)と色信号(色の情報)を含む映像信号を生成して表示装置30に出力する。
【0044】
音声処理部47は、表示装置30の左右のスピーカ32a,32bで出力する効果音やBGM等のゲーム音声を生成処理する半導体デバイスであって、具体的には、図示省略のサウンドバッファ及びSPU等を備え、SPUがサウンドバッファから読み出した音データを合成して音声信号を生成して表示装置30に出力する。
【0045】
操作入力処理部48は、操作者のゲーム操作を入力するための操作入力装置20が接続され、CPU41と操作入力装置20との間で種々の信号のやり取りを行うI/Oポートであり、例えば、操作入力装置20への所定の停止操作に対応した停止信号などをシステムバスSBを介してCPU41に送信する。
【0046】
電源供給インタフェース部49は、ACアダプタ機能を有し、外部商用電源からの電力をゲーム機本体10の内部に供給するインタフェース部である。
【0047】
図3(a)は、現実のパチンコ店などに設置される現実のパチンコ機を再現するために、画像処理部46が仮想空間に構築する弾球遊技機の3次元オブジェクト50である。
【0048】
図示されるように、上記弾球遊技機のオブジェクト50は、盤面オブジェクト51、多数の釘オブジェクト52、液晶オブジェクト53、出射レーンオブジェクト54、始動チャッカーオブジェクト55、大入賞口オブジェクト56、アウト穴オブジェクト57、ハンドルH等など様々な3次元オブジェクトを組み合わせることにより構成されている。また、上記盤面オブジェクト51上には、パチンコ玉を象った複数の玉オブジェクトBが配置されているが、この玉オブジェクトBは、その配置位置がフレーム時間毎に更新されて、盤面オブジェクト51上を移動するようになっている。
【0049】
図3(b)は、上記3次元オブジェクト50を所定の仮想視点から見たときの画像としてレンダリングすることにより生成されて表示装置30に表示されるゲーム画面60である。
【0050】
図示のように、このゲーム画面60には、上記弾球遊技機のオブジェクト50に対応して、盤面画像61、釘画像62、液晶ディスプレイ画像63、出射レーン画像64、始動チャッカー画像65、大入賞口画像66、アウト穴画像67が表示され、パチンコ玉を表す玉画像BPが、様々な経路をもって盤面画像61上を移動していく様子が表示され、更に、玉画像BPが通過した軌跡には、軌跡画像RPが表示される。なお、図示のゲーム画面60では、弾球遊技機のオブジェクト50のハンドルHの部分が画格外となるため、対応する画像がウィンドW内に表示されている。
【0051】
図4は、ゲーム装置1が、CPU41の制御のもと、第1の外部記録媒体44aに記録されている本発明を適用したゲームプログラムに基づいてRAM43上で展開実現する機能ブロック70を概念的に示す説明図である。
【0052】
図4において、玉位置導出部71は、出射レーンオブジェクト54から打ち出された以降、釘オブジェクト52等の障害物オブジェクトと接触するごとに、速度や移動方向を変化させながら盤面オブジェクト51上を移動していく各玉オブジェクトBの各フレーム時間における仮想空間内における位置座標を導出し、これを軌跡処理部79及び画像処理部46に送信するものである。
【0053】
上記における位置座標の計算は公知の手法によって行うことが可能であり、本実施例では、玉オブジェクトBに与えられる初速は、操作入力装置20からの操作によって操作者が設定し得るようにされている。また、障害物オブジェクトとの接触後の玉オブジェクトBの速度や移動方向は、各障害物オブジェクトにパラメータとして摩擦係数や反発係数などを設定し、運動方程式を解くことにより導出するようにすることができる。
【0054】
回収検知部72は、始動チャッカーオブジェクト55、大入賞口オブジェクト56、アウト穴オブジェクト57等の回収オブジェクトが配置されている位置に玉オブジェクトBが到達した場合にこれを検知し、当該玉オブジェクトBについての回収信号を画像処理部46に送信するものである。また、入賞した回収オブジェクトが始動チャッカーオブジェクト55、大入賞口オブジェクト56などの特定のオブジェクトである場合には、回収検知部72は所定の入賞信号をゲーム情報管理部75に送信する。
【0055】
変動検知部73は、シミュレーションゲームの進行中に所定の変動開始条件が成立したか否かを検知するものである。本発明における変動開始条件をどのような内容とするかは任意であるが、本実施形態では、玉オブジェクトBが始動チャッカーオブジェクト55の位置に到達するごとに変動検知部73が変動開始条件の成立を検知するようにされている。変動検知部73が変動開始条件の成立を検知した場合には、変動条件成立信号が抽選実行部74に送信される。
【0056】
抽選実行部74は、変動検知部73から変動条件成立信号を受信したタイミングにおいて各乱数生成器(大当たりの判定に使用する大当たり判定用乱数やリーチ演出の決定に使用するリーチ演出決定用乱数等の複数種類の乱数を生成するための複数の乱数生成器)から大当たり判定用乱数やリーチ演出決定用乱数を取得し、これを抽選テーブル記録部74Tの大当り判定用テーブルやリーチ演出決定用テーブルに照らし合わせることことにより、当たり判定(大当たりの成立、不成立の判定)やリーチ演出の実行の有無、リーチ演出が実行される場合のリーチ演出の種類などの決定を行う。
【0057】
なお、抽選実行部74により判定又は決定された情報は、液晶ディスプレイ画像制御部76及び特別遊技処理部77に送信される。
【0058】
ゲーム情報管理部75は、出射レーンオブジェクト54から打ち出された玉画像の個数や回収検知部72からの入賞信号に基づいて、出玉数や投資金額、ゲームの得点などといったゲーム情報の更新管理を実行する。
【0059】
液晶ディスプレイ画像制御部76は、抽選実行部74による抽選の結果を告知するための動画や演出映像など、現実のパチンコ機における液晶モニタに表示される映像を再現する映像データを生成する。
【0060】
特別遊技処理部77は、抽選実行部74から大当たり成立の情報を受信した場合に動作し、現実の弾球遊技機において大当たりが成立した場合に発現する遊技者に有利な遊技状態を再現したボーナスゲームを実行する。
【0061】
表示設定部78は、操作者による操作入力装置20への操作に従って、シミュレーションゲーム実行中における各種表示条件の設定を受け付けるものである。
【0062】
図5は、表示設定部78が動作した場合に表示装置30上に表示される表示設定画面90の一構成例を示す説明図である。
【0063】
図示されるように、表示設定画面90には、「インフォメーションウィンドウ」、「ハンドルゲージウィンドウ」、「(PUSH)ボタンウィンドウ自動表示」、「状態表示ウィンドウ」、「リーチ情報ウィンドウ」、「軌跡表示」等の主選択肢91〜96が上方から下方に配列されて表示されており、それぞれの主選択肢91〜96の右側には、各主選択肢91〜96について準備された複数の副選択肢が表示されている。
【0064】
この表示設定画面90においては、操作入力装置20の方向キー22を上下方向に操作することで選択状態の主選択肢91〜96を切り替えることが可能であり、いずれかの主選択肢91〜96を選択状態として方向キー22を左右方向に操作することで各主選択肢91〜96の副選択肢間で選択状態を切り替えることが可能である。
【0065】
なお、選択状態の主選択肢91〜96及びこれについての副選択肢は太枠線97によりハイライトされ、選択状態の副選択肢は反転表示されるようになっている。図5の例では、操作者により「軌跡表示」の主選択肢96が選択され、更にその副選択肢の中から「緑」の副選択肢96dが選択された様子を示している。
【0066】
主選択肢91〜95は、本発明に直接関係する項目では無いので、ここでの説明は省略する。
【0067】
「軌跡表示」の主選択肢96は、釘画像62などの障害物画像との接触を繰り返しながら盤面画像61上を移動する各玉画像BPが通過した軌跡を軌跡画像RPとして表示するか否かの選択を受け付けるものであり、「軌跡表示」の主選択肢96において、「OFF」の副選択肢96aが選択された場合には、表示設定部78は、その旨の通知を軌跡処理部79に送信し、「OFF」以外の「赤」、「青」、「緑」、「黄」のいずれかの副選択肢96b〜96eが選択された場合には、表示設定部78は、いずれの副選択肢96b〜96eが選択されたかについての通知を軌跡処理部79に送信する。
【0068】
軌跡処理部79は、出射レーン画像64を含む盤面画像61上に表示された各玉画像BPが通過した軌跡上に軌跡画像RPを表示するためのデータを生成するものであり、本実施形態の軌跡処理部79は、軌跡設定管理部79a、基本オブジェクト記録部79b、玉位置記録部79c及び軌跡オブジェクト生成部79dを有している。
【0069】
軌跡設定管理部79aは、表示設定部78から「OFF」の副選択肢96aが選択された旨の通知を受信した場合には、軌跡モードフラグをオフにセットする一方、「赤」、「青」、「緑」、「黄」のいずれかの副選択肢96b〜96eが選択された旨の通知を受信した場合には、軌跡モードフラグ及び選択された副選択肢96b〜96eに対応する色フラグをオンにセットする。
【0070】
基本オブジェクト記録部79bは、軌跡オブジェクトRを構成する基本オブジェクトEの形状データを記録するものである。
【0071】
図6(a)は、本実施形態において使用される例示的な基本オブジェクトEを示す説明図である。
【0072】
図示のように、本実施形態の基本オブジェクトEは、所定の幅寸法Wを有する2つの板ポリゴンEa、Ebを中心線Cにおいて交差させた断面十字状を成している。2枚の板ポリゴンEa、Ebの幅寸法Wは同一の値とし、交差の角度は、例えば90度とすることができる。
【0073】
玉位置記録部79cは、玉位置導出部71により導出された各玉オブジェクトBの位置座標を所定のフレーム時間に渡って記録するものである。本実施形態における玉位置記録部79cは、現フレーム時間及びその1フレーム前のフレーム時間において玉位置導出部71から受信した2フレーム分の各玉オブジェクトBの位置座標を記録するようになっており、それ以前に受信した位置座標の記録は順次削除されていく。
【0074】
軌跡オブジェクト生成部79dは、軌跡設定管理部79a、基本オブジェクト記録部79b及び玉位置記録部79cの各データに基づいて軌跡オブジェクトRを生成する。
【0075】
図6(b)は、当該軌跡オブジェクトRの形態を示す説明図であり、図中X1、X2は、玉位置記録部79cに記録される玉オブジェクトBの位置座標であり、X1は現フレーム時間において玉位置導出部71から受信した位置座標であり、X2はその前のフレーム時間において玉位置導出部71から受信した位置座標である。
【0076】
軌跡オブジェクト生成部79dは、座標X1とX2を結ぶ線分を軌跡Lとして特定するとともに、図示のように、当該軌跡Lに基本オブジェクトEの中心線Cを一致させて、座標X1から座標X2まで基本オブジェクトEを配列することにより(或いは座標X1からX2に向けて基本オブジェクトEを延長することにより)軌跡オブジェクトRを生成する。
【0077】
軌跡オブジェクト生成部79dは、上記のように生成される軌跡オブジェクトRに、軌跡設定管理部79aにおいてオンにセットされた色フラグの色彩を施した上で、軌跡オブジェクトRのデータ及び軌跡Lを特定する情報を画像処理部46に送信する。
【0078】
視点設定部80は、操作者による操作入力装置20への操作に従って、シミュレーションゲーム実行中における仮想視点の位置移動の受け付けを行うものであり、例えば、R1或いはL1ボタン24a、25aへの操作に応答して仮想視点の仮想空間における位置座標を変化させる。なお、視点設定部80は、仮想視点の向き、画角、ズームなど、仮想視点からの画像生成のための他のパラメータの設定をも受け付けるものとすることができる。
【0079】
画像処理部46は、仮想空間に図3(a)に示す弾球遊技機のオブジェクト50を構築するとともに、玉位置導出部71及び軌跡処理部79から送信されるデータに従って、フレーム時間毎に玉オブジェクトB及び軌跡オブジェクトRを配置又は移動する処理を実行する。
【0080】
図7(a)〜(c)は、連続する3つのフレーム時間T1〜T3において、複数の釘オブジェクト52などの障害物オブジェクトが配された盤面オブジェクト51上に、画像処理部46が玉オブジェクト及び軌跡オブジェクトを配置又は移動する様子を示す説明図である。なお、図中X0〜X3は、フレーム時間T0〜T3(フレーム時間T0は、フレーム時間T1の1フレーム前のフレーム時間)において玉位置導出部71が導出した図示の玉オブジェクトBの位置座標であり、L1〜L3及びR1〜R3は、それぞれフレーム時間T1〜T3において軌跡オブジェクト生成部79dが導出、生成した当該玉オブジェクトについての軌跡及び軌跡オブジェクトである。
【0081】
フレーム時間T1(図7(a))においては、玉オブジェクトBの配置が位置座標X0から位置座標X1に移動するとともに、軌跡オブジェクトR1が軌跡L1上に配置される。
【0082】
続くフレーム時間T2(図7(b))においては、玉オブジェクトBの配置が位置座標X1から位置座標X2に移動するとともに、新たに生成された軌跡オブジェクトR2が軌跡L2上に配置される。このとき、フレーム時間T1に軌跡L1上に配置された軌跡オブジェクトR1はそのまま残される。
【0083】
同様に、フレーム時間T3(図7(c))では、玉オブジェクトBの配置が位置座標X2から位置座標X3に移動するとともに、新たに生成された軌跡オブジェクトR3が軌跡L3上に配置される。このとき、フレーム時間T1、T2において軌跡L1、L2上に配置された軌跡オブジェクトR1、R2はそのまま残される。
【0084】
このようにして、画像処理部46は、弾球遊技機のオブジェクト50上において、フレーム時間毎に玉オブジェクトBを移動させるとともに、当該玉オブジェクトBが通過した移動経路に次々と軌跡オブジェクトRを配置していく。
【0085】
また、回収検知部72からの回収信号を受信した場合には、画像処理部46は、その回収信号により特定される玉オブジェクトB及び当該玉オブジェクトBについて配置された軌跡オブジェクトR1〜Rnを仮想空間から消去する。
【0086】
更に、画像処理部46は、視点設定部80から送信される信号で指定される位置に配置した仮想視点からの画像をレンダリングすることで図3(b)に示される態様のゲーム画面60を生成する。
【0087】
以下、フローチャートに基づいて、ゲーム装置1の処理動作を説明する。
【0088】
図8は、ゲーム装置1が本発明を適用したゲームプログラムに従って実行するパチンコゲームの一連の処理手順を示すフローチャートである。
【0089】
本発明のゲームプログラムを記録した第1の外部記録媒体44aをディスクホルダー部11にセットした状態でゲーム装置1の電源が投入されてゲームが開始すると、画像処理部46が仮想空間に図3(a)に示す態様の弾球遊技機のオブジェクト50を構築し、これを基準位置に配置された仮想視点から見た画像としてレンダリングすることにより図3(b)に示す態様の初期状態のゲーム画面60を生成し、これが表示装置30上に表示される(ステップS1)
その後、フレームカウンタ(FC)のリセット(ステップS2)及びFCの増分処理(ステップS3)が実行された後、メニューに割り当てられたSTARTボタン21に対する操作が行われたか否かの判定が行われ(ステップS4)、その判定が「YES」である場合には、処理はサブルーチンステップS5に分岐し、不図示のメニュー画面が表示装置30に表示されてメニュー選択の受け付けが実行される。
【0090】
このステップS5では、ゲーム経過の外部記録媒体45aへの記録や外部記録媒体45aからの読み込み、各種ゲームデータの表示、ゲームの終了の他、ゲーム画面60の表示態様についての設定の受け付けが実行されるようになっており、当該表示態様の設定が選択された場合には、表示設定部78が起動し、図5に示す表示設定画面90を表示装置に表示させて、軌跡表示モードのオン/オフや軌跡画像RPの表示色の選択等が受け付けられる。
【0091】
ステップS5において、戻る操作に割り当てられた×ボタン23bが操作された場合には、処理はメインルーチンに復帰し、表示装置30の表示はゲーム画面60に切り替えられる。
【0092】
ステップS6では、玉オブジェクトBの打ち出しに割り当てられた方向キー22の左右方向への操作が行われたか否かの判定が行われ、その判定が「YES」の場合は、処理はサブルーチンステップS7に移行し、玉オブジェクトBの初速変更処理が実行される。
【0093】
この初速変更処理では、方向キー22への操作が右方向であった場合には、玉オブジェクトBの打ち出しの初速度を所定量増分し、同時にゲーム画面60におけるハンドル画像Hを所定角度右方向に回転させる処理が実行され、一方、方向キー22への操作が左方向であった場合には玉オブジェクトBの打ち出しの初速度を所定量減分し、同時にゲーム画面60におけるハンドル画像を所定角度左方向に回転させる処理が実行され、その後、処理はメインルーチンに復帰する。
【0094】
ステップS8では、玉位置導出部71が動作し、初速変更処理(ステップS7)において設定された初速度や、釘オブジェクト52等の障害物オブジェクトに付与された摩擦係数や反発係数等を用いて出射レーンオブジェクト54を含む盤面オブジェクト51上における各玉オブジェクトBの位置座標が導出される。導出された各玉オブジェクトBの位置座標は、画像処理部46及び軌跡処理部79に送信される。
【0095】
続くステップS9では、回収検知部72においていずれかの玉オブジェクトBが所定の回収オブジェクトの位置に到達したか否かの判定が実行され、「YES」の場合には、当該玉オブジェクトについての回収信号が画像処理部46に送信される(ステップS10)。
【0096】
続くステップS11では、変動検知部73において変動開始条件の成立を検知したか否かの判定が実行され、「YES」の場合には、抽選実行部74による当たり判定やリーチ演出に関する決定が行われる(ステップS12)。
【0097】
ステップS13では、液晶ディスプレイ画像制御部76が動作し、ステップS12における当たり判定やリーチ演出の決定に従う特別図柄ゲームの動画像など、液晶ディスプレイ画像63において表示させるべき動画像のデータが生成される。
【0098】
ステップS14では、視点設定部80において視点の移動に割り当てられたR1或いはL1ボタン24a,25aの操作が行われたか否かの判定が行われ、その判定が「YES」の場合は、処理はサブルーチンステップS15に移行し、視点移動信号が画像処理部46に送信される。
【0099】
この処理では、例えば、R1ボタン24aへの操作があった場合には、仮想視点を右方向へ所定距離移動させ、他方、L1ボタン25aへの操作があった場合には、仮想視点を左方向へ所定距離移動させる。
【0100】
続くステップS16では、軌跡処理部79において、軌跡設定記録部79bの軌跡表示フラグの状態が検査され、当該フラグがオンの場合には、軌跡オブジェクト生成部79dによる軌跡オブジェクトRの生成処理(ステップS17)が実行された後に、画像処理部46が当該軌跡オブジェクトRを用いて弾球遊技機のオブジェクト50の更新(ステップS18)を行う。
【0101】
即ち、ステップS17では、軌跡オブジェクト生成部79dは、盤面オブジェクト51上の各玉オブジェクトBについて、基本オブジェクト記録部79b及び玉位置記録部79cの各データに基づいて図6(b)に示す態様の軌跡オブジェクトRを生成するとともに、各軌跡オブジェクトRについての軌跡Lを特定する情報を画像処理部46に送信する。
【0102】
そしてステップS18では、画像処理部46は、ステップS1において構築された弾球遊技機のオブジェクト50、又は、直前のフレーム時間のステップS18又はS19において更新された弾球遊技機のオブジェクト50上で、各玉オブジェクトBをステップS8において導出された位置座標に移動させるとともに、ステップS17において生成された軌跡オブジェクトRを、それぞれの玉オブジェクトBについての軌跡L上に配置することにより、弾球遊技機のオブジェクト50の更新を行う。
【0103】
なお、ステップS9において回収検知部72からの回収信号を受信した場合には、画像処理部46は、当該回収信号により特定される玉オブジェクトB及びその玉オブジェクトBについての全ての軌跡オブジェクトRを仮想空間から消去する処理を実行する。
【0104】
一方、ステップS16において軌跡表示フラグがオフと判定された場合には、処理はステップS19に移行し、当該ステップS19において画像処理部46は、軌跡オブジェクトRの生成やその配置などを行うことなく、各玉オブジェクトBを移動、消去する処理を実行する。ステップS19における玉オブジェクトBの移動及び消去はステップS18と同様の態様で行われる。
【0105】
ステップS18又はS19の処理が実行された後、画像処理部46は、これらのステップにおいて更新された弾球遊技機のオブジェクト50をステップS15において設定された仮想視点から見た画像としてゲーム画面60を生成し、これを表示装置30において表示させる(ステップS20)。
【0106】
これにより、1フレーム分のゲーム画面60の生成処理が終了し、後続のフレーム時間におけるゲーム画面60を生成すべく処理はステップS3に戻される。
【0107】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0108】
例えば、上記した実施形態は、3DCG技術によりゲーム画面の生成が行われるゲーム装置であるために、玉オブジェクトBの仮想空間における時々刻々の位置座標に基づいて軌跡Lの導出が行われ、玉画像BPの玉位置や軌跡画像RPの玉軌跡は、仮想視点の位置や方向などの他のパラメータとの兼ね合いにより決定される場合について説明したが、3DCG技術を用いない場合などにおいては、玉画像BPの玉位置や軌跡画像RPの玉軌跡を直接導出するよう構成することも可能である。
【0109】
また、上記実施形態では、玉オブジェクトが回収オブジェクトの位置に到達した時点で当該玉オブジェクト及び当該玉オブジェクトについての軌跡オブジェクトを消去する場合について説明したが、軌跡オブジェクトの消去は、玉オブジェクトの消去よりも遅延させることも可能である。
【0110】
また、上記実施形態では、軌跡オブジェクトが、常に軌跡設定管理部の色フラグに従った表示色に着色される場合について説明したが、玉オブジェクトが盤面オブジェクト上の特定の位置又は領域に到達するなどを条件に、その玉オブジェクトについての軌跡オブジェクトを色フラグの表示色と異なる表示色で表示することも可能であり、これにより、当該特定の位置又は領域に玉オブジェクトを導き易い移動経路を分析するなどが可能になる。
【0111】
また、玉オブジェクトが始動チャッカーオブジェクト等の特定の回収オブジェクトに到達した場合には、当該玉オブジェクトについての軌跡オブジェクトの消去を遅延させるとともに、その軌跡オブジェクトを軌跡設定管理部においてオンにセットされている色フラグと異なる表示色で表示することも可能であり、この場合には、当該特定の回収オブジェクトに玉オブジェクトを導き易い移動経路を分析するなどが可能になる
また、上記した実施形態では、軌跡オブジェクトの透明度については特に触れなかったが、軌跡オブジェクトに0〜1の範囲の任意の透明度を設定することも可能である。この場合、仮想空間に配置されてからの時間の経過に従って、各軌跡オブジェクトの透明度を高めていくことが可能であり、この場合には、玉画像から離れるに従って表示色が徐々に薄れていく態様の軌跡画像の表示を行うことが可能となる。
【0112】
上記実施形態における表示画面の構成や実行される処理の具体的態様等は単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにおいて上記実施形態と異なるゲーム装置又はゲームプログラム又はプログラムを記録した記録媒体を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の外観構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す説明図。
【図3】本発明の一実施形態に係るゲーム装置において表示される例示的なゲーム画面の構成を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係るゲーム装置において実現される機能構成を示す説明図。
【図5】弾球遊技機の3次元オブジェクト及びゲーム画面を示す説明図。
【図6】基本オブジェクト及び軌跡オブジェクトの形態を示す説明図。
【図7】フレーム時間毎の玉オブジェクトの移動及び軌跡オブジェクトの配置の態様を示す説明図。
【図8】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0114】
1・・・ゲーム装置、10・・・ゲーム機本体、11・・・ディスクホルダー部、12・・・差込口、13・・・コントローラ端子、14・・・POWERボタン、15・・・開閉スイッチ、16・・・AVケーブル、17・・・電源ケーブル、20・・・操作入力装置、30・・・表示装置、31・・・表示画面、32a、32b・・・スピーカ、41・・・CPU、42・・・ROM、43・・・RAM、44、45・・・外部記録媒体ドライブ、46・・・画像処理部、47・・・音声処理部、48・・・操作入力処理部、49・・・電源供給インタフェース部、50・・・弾球遊技機のオブジェクト、51・・・盤面オブジェクト、52・・・釘オブジェクト、53・・・液晶オブジェクト、54・・・出射レーンオブジェクト、55・・・始動チャッカーオブジェクト、56・・・大入賞口オブジェクト、57・・・アウト穴オブジェクト、B・・・玉オブジェクト、R・・・軌跡オブジェクト、E・・・基本オブジェクト、60・・・ゲーム画面、61・・・盤面画像、62・・・釘画像、63・・・液晶ディスプレイ画像、64・・・出射レーン画像、65・・・始動チャッカー画像、66・・・大入賞口画像、67・・・アウト穴画像、BP・・・玉画像、RP・・・軌跡画像、71・・・玉位置導出部、72・・・回収検知部、73・・・変動検知部、74・・・抽選実行部、74T・・・抽選テーブル記録部、75・・・ゲーム情報管理部、76・・・液晶ディスプレイ画像制御部、77・・・特別遊技処理部、78・・・表示設定部、79・・・軌跡処理部、79a・・・軌跡設定管理部、79b・・・基本オブジェクト記録部、79c・・・玉位置記録部、79d・・・軌跡オブジェクト生成部、80・・・視点設定部、90・・・表示設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム操作を入力するための操作入力装置と、
画像を表示する表示装置と、
玉画像が複数の障害物画像と接触を繰り返しつつ盤面画像上を移動するゲーム画面を前記表示装置に表示させる画像処理手段とを備えるゲーム装置であって、
前記盤面画像上における前記玉画像の時々刻々の位置である玉位置を導出する玉位置導出手段と、
前記玉位置に基づいて、前記玉画像が通過した軌跡である玉軌跡を導出する玉軌跡導出手段とを更に備え、
前記画像処理手段は、前記玉位置に基づいて前記玉画像を前記ゲーム画面に表示させるとともに、前記玉軌跡を可視化するための軌跡画像を前記ゲーム画面に表示させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記玉位置導出手段は、前記障害物画像に設定されている摩擦係数及び/又は反発係数を用いて前記玉位置を導出することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記玉位置導出手段は、フレーム時間毎に前記玉位置を導出し、
前記玉軌跡導出手段は、各フレーム時間に導出された前記玉位置と、当該各フレーム時間よりも以前のフレーム時間に導出された玉位置とを結ぶ線分を前記玉軌跡として導出することを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記操作入力装置への所定の操作に応答して、軌跡表示モードのオン/オフの切替設定を行う軌跡設定手段を更に備え、
前記画像処理手段は、前記軌跡表示モードがオンであることを条件に、前記軌跡画像の表示を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記軌跡設定手段は、前記軌跡画像の表示色の設定を更に受け付け、
前記画像処理手段は、前記軌跡設定手段が受け付けた前記表示色に従って、前記軌跡画像の表示を行うことを特徴とする請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記画像処理手段は、1又は複数の3次元オブジェクトを配置した仮想空間を仮想視点から見た画像として前記ゲーム画面を生成し、
前記玉位置導出手段は、所定の形状を付与された3次元オブジェクトである玉オブジェクトの仮想空間における時々刻々の位置座標を導出し、
前記玉軌跡導出手段は、前記位置座標に基づいて、前記玉オブジェクトが通過した仮想空間における軌跡を導出するものであり、
前記玉画像は、前記玉オブジェクトを前記位置座標に配置することにより、前記軌跡画像は、所定の形状を付与された3次元オブジェクトである軌跡オブジェクトを前記軌跡に配置することにより、前記ゲーム画面に表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記操作入力装置への所定の操作に応答して、前記仮想視点の仮想空間内における位置及び/又は方向及び/又は画角を制御する視点制御手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記軌跡オブジェクトは、前記玉軌跡に沿って延びる複数の板状ポリゴンを所定の角度で交差させた形態を成していることを特徴とする請求項6又は7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記画像処理手段は、前記玉画像が前記盤面画像上の所定位置に到達した時点で当該玉画像を前記ゲーム画面から消去し、消去された前記玉画像についての前記軌跡画像を、当該玉画像の消去から所定時間経過後に消去することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記画像処理手段は、前記玉画像が到達した前記盤面画像上の位置に応じて当該玉画像についての前記軌跡画像の表示色を変更する処理を更に実行することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
玉画像が複数の障害物画像と接触を繰り返しつつ盤面画像上を移動するゲーム画面を表示装置上において表示させるゲーム装置に実装されるコンピュータで解釈実行されるプログラムであって、
前記盤面画像上における前記玉画像の時々刻々の位置である玉位置を導出する玉位置導出手順と、
前記玉位置に基づいて、前記玉画像が通過した軌跡である玉軌跡を導出する玉軌跡導出手順と、
前記玉位置に基づいて前記玉画像の表示を行うとともに、前記玉軌跡を可視化するための軌跡画像を前記ゲーム画面に表示させる手順とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
玉画像が複数の障害物画像と接触を繰り返しつつ盤面画像上を移動するゲーム画面を表示装置上において表示させるゲーム装置に実装されるコンピュータで解釈実行されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
であって、
前記盤面画像上における前記玉画像の時々刻々の位置である玉位置を導出する玉位置導出手順と、
前記玉位置に基づいて、前記玉画像が通過した軌跡である玉軌跡を導出する玉軌跡導出手順と、
前記玉位置に基づいて前記玉画像の表示を行うとともに、前記玉軌跡を可視化するための軌跡画像を前記ゲーム画面に表示させる手順とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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