説明

ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法

【課題】審判の癖をゲームの進行に反映させ、興趣性の高い野球ゲームを実現する。
【解決手段】意識情報記憶部441に記憶されている意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠WKの辺を注目辺として設定し、注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、注目辺を基準としてストライクゾーンの外側及び内側に判定領域D1を設定する。カウント部433は、判定領域D1をボールオブジェクトが通過した回数をカウントする。サイズ変更部434は、カウント部433によるカウント値を基に、注目辺CWをストライクゾーンSZの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンSZのサイズを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームの進行を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面上にストライクゾーンを示す外枠を表示させ、投手キャラクタがストライクゾーンを目がけて投じたボールオブジェクトを打者キャラクタに打撃させる野球ゲームが知られている(例えば、特許文献1)。このような、野球ゲームでは、ストライクゾーンのボール判定については、単純に、ストライクゾーンとボールオブジェクトの通過位置との位置関係をみて判断されており、投球されたボールオブジェクトがストライクであるかボールであるかの判断基準そのものは固定的なものであった。
【0003】
ところで、現実の野球では、ストライクゾーンの判定は審判が行うが、実際には各審判によって微妙なストライク判定の癖が見られる。例えば、ストライクゾーンの高め、及び低め等のそれぞれのコースにおいて、甘い又は厳しいというようなことが挙げられる。高めに甘い審判は、高めのストライクゾーンを通常のストライクゾーンよりも広めに捉えた判定を行い、高めに厳しい審判であれば、高めのストライクゾーンを通常のストライクゾーンよりも狭めに捉えた判定を行う。
【0004】
そのため、制球力に優れた投手は、審判の癖を見抜いて、審判が設定しているストライクゾーンを想定し、想定したストライクゾーンのぎりぎりにボールを投げるというような戦略をとることもある。
【0005】
また、選球眼に優れた打者は、審判の判定が厳しいストライクゾーンのコースにボールが投じられた場合、通常であればボールであり見逃すところを、ストライクと判定されるのではないかと予測して、とりあえずバットを当てに行き、ファールボールにするような戦略をとることもある。
【0006】
そして、このような選手の戦略が野球の試合を盛り上げる1つの要因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−222398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の野球ゲームでは、ストライクゾーンの判定において、上記のような審判の癖を考慮したものが存在していなかった。そのため、プレーヤは、実際の野球の試合のように、審判の癖に応じて上述したような戦略をとることはできなかった。
【0009】
本発明の目的は、現実の野球では存在する審判の癖をゲームの進行に反映させ、リアリティに満ちた興趣性の高い野球ゲームを実現することができるゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一局面によるゲーム装置は、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームを実行するゲーム装置であって、ゲーム空間内に予め設定されたストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す意識情報を予め記憶する意識情報記憶手段と、前記意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、前記注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する判定領域設定手段と、前記判定領域をボールオブジェクトが通過した回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によるカウント値を基に、前記注目辺をストライクゾーンの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンのサイズを変更するサイズ変更手段とを備える。
【0011】
また、本発明の別の一局面によるゲーム制御プログラムは、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをコンピュータに実行させるゲーム制御プログラムであって、ゲーム空間内に予め設定されたストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す意識情報を予め記憶する意識情報記憶手段と、前記意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、前記注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する判定領域設定手段と、前記判定領域をボールオブジェクトが通過した回数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によるカウント値を基に、前記注目辺をストライクゾーンの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンのサイズを変更するサイズ変更手段としてコンピュータを機能させる。
【0012】
また、本発明の更に別の一局面によるゲーム制御方法は、投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置は、ゲーム空間内に予め設定されたストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す意識情報を予め記憶する意識情報記憶手段を備え、前記ゲーム装置が、前記意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、前記注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する判定領域設定ステップと、前記判定領域をボールオブジェクトが通過した回数をカウントするカウントステップと、前記カウントステップによるカウント値を基に、前記注目辺をストライクゾーンの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンのサイズを変更するサイズ変更ステップとを備える。
【0013】
これらの構成によれば、ストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識しているコース(例えば、ストライクゾーンを構成する外周の辺)を示す意識情報が予め記憶されている。そして、意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺が、その審判キャラクタにとっての注目辺として設定される。そして、この注目辺を基準としてストライクゾーンの外側及び内側に、注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するための判定領域が設定される。そして、この判定領域(外側、内側の各々)をボールオブジェクトが通過した回数がカウントされ、カウント値にしたがって、注目辺がストライクゾーンの外側又は内側にスライドされ、ストライクゾーンのサイズが変更される。
【0014】
ここで、審判キャラクタが意識しているコースを示す意識情報とは、現実の野球における審判の癖を、ゲーム上に擬似的に反映させるために導入した概念を示す情報である。具体的に、本構成で対象としている審判の癖とは、単純に外角に甘い(判定が微妙な場合は、ストライクと判定し易い傾向にある)、低めに厳しい(判定が微妙な場合は、ボールと判定し易い傾向にある)といった単一的な癖ではなく、どのコースに対する意識が強いかということである。例えば、外角に対する意識が強いとすると、ストライクゾーンぎりぎりの外側のボール(ボール判定)が多い場合は、それらに意識が引き付けられてストライクゾーンを外向きに若干広げるようになるということである(注目辺を外側に移動)。逆に、ストライクゾーンぎりぎりの内側のボール(ストライク判定)が多い場合は、それらに意識が引き付けられてストライクゾーンを内向きに若干狭くする(注目辺を内側に移動)。
【0015】
つまり、本構成では、審判キャラクタの意識が強く向けられる領域(注目辺)にボールが集中した場合に、その集中の仕方に応じてストライクゾーンの大きさが変動するように設定している。
【0016】
また、この意識情報は、複数準備する各審判キャラクタに固有の情報をそれぞれ設定しているので、1試合のゲーム毎に審判が変わり、ストライクゾーンの変化が異なることとなり、従来にないゲームのバリエーションを楽しむことができる。あるいは、複数の審判キャラクタを想定せず、1試合のゲーム毎に、単に意識情報をランダムに変えて、その意識情報を意識情報記憶手段に記憶させる方法をとることもできる。
【0017】
また、プレーヤは、投手キャラクタを操作する場合、外側判定領域を目がけてボールオブジェクトを投げることで、ストライクゾーンの拡大を図れる一方で、ボールオブジェクトが内側判定領域を通過すると、ストライクゾーンが狭くなる可能性もあるので、配球に気を配る必要性が生じ、その分、ゲーム性が向上する。
【0018】
例えば、プレーヤが投手キャラクタを操作する場合、ストライクゾーンの拡大を図り外側判定領域ばかり目がけてボールオブジェクトを投げると、ボールが先行し、自身に不利となってしまう。また、外側判定領域ばかり目がけてボールオブジェクトを投げると、配球が単調となってヒットやホームランが頻発する可能性も発生し、自身に不利となってしまう。
【0019】
したがって、プレーヤは、自身の利益と不利益との兼ね合いから外側判定領域と内側判定領域とにボールオブジェクトを投げ分けることが要求され、従来にはない興趣性をプレーヤに提供することができる。
【0020】
また、プレーヤが打者キャラクタの場合には、ストライクゾーンの拡大を回避するために以下のような対応をとることが考えられる。即ち、ストライクゾーンぎりぎりの外側のボール(ボール判定)が多い場合は、それらに審判キャラクタの意識が引き付けられてストライクゾーンが外向きに若干広がることになる。そして、それを回避するために、とりあえずボールオブジェクトに対してバットを当てファウルにすることで、ストライクゾーンぎりぎりの外側のボールのカウント数を抑えることが考えられる。しかし一方で、ボールコースに対する見極めに自信がある場合、ストライクゾーンぎりぎりの外側に投げられたボールオブジェクトは、そもそもボール判定のボールなので、フォアボールを狙うこともできる。
【0021】
このように、本構成によれば、様々な心理的駆け引きを生じせしめることが可能となり、従来の野球ゲームでは実現できなかった、審判による判定をも考慮した戦略に基づくゲーム進行が可能となり、リアリティに満ちた興趣性の高い野球ゲームを実現することができる。
【0022】
なお、審判キャラクタは画面上に表示してもよいが、ストライクゾーンへの影響がゲームに反映されればよいので、必ずしも画面表示する必要はない。
【0023】
(2)前記判定領域設定手段は、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側の判定領域を外側判定領域として設定し、かつ、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの内側の判定領域を内側判定領域として設定し、前記カウント手段は、前記外側判定領域をボールオブジェクトが通過した外側通過回数及び前記内側判定領域をボールオブジェクトが通過した内側通過回数をそれぞれカウントし、前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数及び前記内側通過回数の一方が第1の閾値に到達した場合において、前記外側通過回数が前記内側通過回数よりも大きい場合、前記注目辺をストライクゾーンの外側に向けてスライドさせることでストライクゾーンを増大させ、前記内側通過回数が前記外側通過回数よりも大きい場合、前記注目辺をストライクゾーンの内側にスライドさせることでストライクゾーンを減少させることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、判定領域は注目辺を基準としてストライクゾーンの外側の領域が外側判定領域として設定され、内側の領域が内側判定領域として設定される。そして、内側判定領域と外側判定領域とのそれぞれにおいてボールオブジェクトが通過した回数がカウントされ、外側通過回数及び内側通過回数がカウントされる。そして、外側判定領域が先に第1の閾値に到達した場合、注目辺がストライクゾーンの外側に向けてスライドされ、内側判定領域が先に第1の閾値に到達した場合、注目辺がストライクゾーンの内側に向けてストライクゾーンが変更される。
【0025】
上記のように本構成によれば、ストライクゾーンの拡大、縮小の決定について、まず、「外側通過回数及び内側通過回数の一方が第1の閾値に到達した場合」、という前提を設けているので、例えば、初球が判定領域を通過しただけでストライクゾーンを変化させるといった目まぐるしい変化を回避でき、適切なタイミングでストライクゾーンを変化させることができる。さらに、単純に、外側通過回数または内側通過回数の絶対数でストライクゾーンを変化させるのではなく、「外側通過回数が内側通過回数よりも大きい場合、注目辺をストライクゾーンの外側に向けてスライドさせることでストライクゾーンを増大させ、内側通過回数が外側通過回数よりも大きい場合、注目辺をストライクゾーンの内側にスライドさせる」ようにすることで、通過回数に基づく外側または内側の優先度の高い方にストライクゾーンを変化させることになり、審判キャラクタの意識の影響を適切に反映することができる。
【0026】
(3)前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数と前記内側通過回数との差を基に、前記注目辺のスライド量を設定することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、外側通過回数と内側通過回数との差に応じて、注目辺のスライド量が設定される。従って、プレーヤが投手キャラクタを操作する場合に、単にストライクゾーンを拡大したいのであれば、第1の閾値が満足されるまで、ストライクゾーンぎりぎりの外側にボールを連続的に投げれば、最も広く拡大することができるが、打者との駆け引きで内側に投球する必要がある場合には、その拡大量は縮小されることになる。つまり、プレーヤとしては、ストライクゾーン拡大の意図がある場合でも、配球の縛りが加わることになり、複雑な戦略性が必要となるので、ゲームとしての面白さが向上する。
【0028】
(4)前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数及び前記内側通過回数の一方が前記第1の閾値に到達した場合において、前記外側通過回数と前記内側通過回数との差が第2の閾値以下の場合、前記注目辺をスライドさせないことが好ましい。
【0029】
この構成によれば、外側通過回数と内側通過回数との差がさほど大きくない場合、注目辺がスライドされない。このような設定を設けることで、以下のようなカウントにおける不自然なストライクゾーンの変化を回避できる。例えば第1の閾値が15球であると仮定し、いま、外側通過回数と内側通過回数とがともに14球であるときに、次のボールが外側判定領域を通過すると、外側通過回数は15球となって第1の閾値を満たすためにストライクゾーンが外側に大きくなる。しかし、球数で比較すれば、外側通過回数が15球、内側通過回数が14球であり、あまり差異がないにもかかわらすストライクゾーンが広く変化することとなり不自然である。そこで、本構成のように、外側通過回数と前記内側通過回数との差が第2の閾値を超える場合にのみ、ストライクゾーンが変化するようにすれば上記のような事態を回避できる。例えば、第2の閾値を10球と設定すれば、上記例の場合、ストライクゾーンが変化するのは、外側通過回数が15球、内側通過回数が4球となり(両者の差異は11球)、妥当なバランスとなる。
【0030】
また、投手キャラクタを操作するプレーヤとしては、注目辺をスライドさせる意思をもって外側判定領域と内側判定領域とのボールオブジェクトを投げ分けなければ注目辺をスライドさせることができなくなるので、配球方法を検討する必要が生じ、その分、ゲーム性も向上する。
【0031】
(5)前記意識情報が示すコースを報知するための報知手段を更に備えることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、審判キャラクタが意識するコースがプレーヤに報知されるため、プレーヤは、審判キャラクタの意識するコース、すなわち、審判キャラクタの癖を認識することができる。
【0033】
(6)前記報知手段は、前記注目辺に向かうにつれて濃度が薄くなるように前記ストライクゾーンを表示装置の表示画面に表示することで前記意識情報が示すコースを報知することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、ストライクゾーンは注目辺に向かうにつれて濃度が薄くなるようにグラデーション表示されるため、プレーヤは、濃度の濃淡から、審判キャラクタの意識するコースを認識することができる。
【0035】
(7)前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数及び前記内側通過回数の一方が前記第1の閾値に到達した場合に前記注目辺の位置を確定し、前記報知手段は、前記サイズ変更手段が前記注目辺の位置を確定した場合、前記注目辺を線分で表示することが好ましい。
【0036】
この構成によれば、注目辺が確定された後は、その位置が線分で表示されるため、プレーヤは、ストライクゾーンの外縁を明確に認識することができることに加えて、これ以上、判定領域にボールオブジェクトを投じても、注目辺をスライドさせることができないことを認識することができる。
【0037】
(8)前記判定領域設定手段は、前記意識情報が複数のコースを示す場合、各コースに対応するストライクゾーンの外枠の辺をそれぞれ注目辺として設定し、前記判定領域を注目辺ごとに個別に設定し、前記カウント手段は、各判定領域において、ボールオブジェクトが通過した回数を個別にカウントし、前記サイズ変更手段は、各注目辺を個別にスライドさせることで前記ストライクゾーンを変更することが好ましい。
【0038】
この構成によれば、審判キャラクタが複数のコースを意識していることをゲームに取り込むことができる。そして、この場合、各コースに対応する注目辺ごとに、上記の処理が実行されストライクゾーンのサイズが変更されることになる。したがって、コースのバリエーションから審判キャラクタの個性を表出することが可能となり、ゲームの興趣性をより高めることが可能となる。
【0039】
(9)前記カウント手段は、前記判定領域を前記ボールオブジェクトが通過した場合であっても、前記打者キャラクタが前記ボールオブジェクトを打撃した場合は、カウント動作を行わないことが好ましい。
【0040】
この構成によれば、プレーヤが攻撃側にある場合、ストライクゾーンぎりぎりの判定領域に投じられたボールオブジェクトをファールボールにすることで、ストライクゾーンのサイズの変動を防止することができる。そのため、攻撃側のプレーヤに新たな戦略の立案の機会を提供することができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、審判の癖をゲームの進行に反映させ、興趣性の高い野球ゲームを実現するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【図3】本実施の形態によるゲーム装置が実行する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。
【図4】本発明の実施の形態によるゲーム装置により野球ゲームが展開される仮想3次元空間を示した図である。
【図5】判定領域設定部の処理を説明するための図である。
【図6】意識情報が2つのコースを示す場合に設定される、判定領域を示した図である。
【図7】注目辺がスライドされる様子を示した図である。
【図8】(A)は、注目辺が1つとされている場合に表示されるストライクゾーンを示している。(B)は(A)のストライクゾーンのサイズが確定された後に表示されるストライクゾーンを示している。
【図9】(A)は、2つの辺が注目辺とされている場合に表示されるストライクゾーンを示している。(B)は、1つの辺の位置が確定された後に表示されるストライクゾーンを示している。(C)は、残りの辺の位置が確定された後に表示されるストライクゾーンを示している。
【図10】図4に示す仮想3次元空間をx軸方向から見たときの図である。
【図11】(A)〜(C)は、打撃されたボールオブジェクトの初速度の算出処理を示した図である。
【図12】本発明の実施の形態によるゲーム装置がボールオブジェクトを移動させる際の処理を示したフローチャートである。
【図13】図12に示すフローチャートの続きのフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明するが、本発明はこの例に特に限定されず、モニタが一体に構成された携帯用のゲーム装置若しくは携帯電話、又は本発明によるゲーム制御プログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0044】
図1に示すゲーム装置は家庭用ゲーム機100及びテレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100には、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填され、ゲームプログラムが適宜読み出されてゲームが実行される。
【0045】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース回路(I/F)13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。テレビジョン200はテレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0046】
CPU1はバスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2はアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース回路13を相互に接続している。
【0047】
描画プロセッサ10はバッファ14に接続される。音声プロセッサ11はバッファ15及び増幅回路22に接続される。デコーダ12はバッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続される。インターフェース回路13はメモリ18及びコントローラ19に接続される。
【0048】
テレビジョン200のテレビジョンモニタ21は描画プロセッサ10に接続される。スピーカ23は増幅回路22に接続される。
【0049】
また、ゲーム装置がパーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、テレビジョンモニタ21等はコンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10、及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているゲーム制御プログラムのデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9、及びインターフェース回路13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0050】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3はCPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0051】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離に応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0052】
インターフェース回路4は周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)等で構成される。ROM6にはゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0053】
伸張回路7は動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理はデコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、イントラ画像の復元処理等を含む。
【0054】
描画プロセッサ10は所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0055】
バッファ14は例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアはテレビジョンモニタ21の表示面上に表示する画像データの展開エリアで構成される。非表示エリアはスケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアで構成される。
【0056】
ここで、テクスチャデータは2次元の画像データである。カラーパレットデータはテクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、CPU1はこれらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに記録する。
【0057】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0058】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0059】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データはCPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0060】
ポリゴン頂点アドレスデータはバッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0061】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、テレビジョンモニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。
【0062】
すなわち、CPU1はグラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持している各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。
【0063】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3は各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0064】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0065】
描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、テレビジョンモニタ21の表示画面上には、多数のポリゴンにテクスチャの貼り付けられた物体が表示される。
【0066】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3が座標変換することによって得られる。
【0067】
音声プロセッサ11は記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させ、バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0068】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0069】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11はこの音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。
【0070】
記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0071】
記録媒体ドライブ17は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は記録媒体ドライブ17からの再生したデータに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0072】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持する等のように、中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0073】
コントローラ19は操作者であるプレーヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレーヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19には、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L、右方向キー19R、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1、R2ボタン19R2、スタートボタン19e、セレクトボタン19f、左スティック19SL及び右スティック19SRが設けられている。
【0074】
上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L及び右方向キー19Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ21の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0075】
スタートボタン19eは記録媒体300からゲームプログラムをロードするようにCPU1に指示するため等に使用される。セレクトボタン19fは記録媒体300からメインメモリ5にロードされるゲームプログラムに関する各種選択をCPU1に指示するため等に使用される。
【0076】
左スティック19SL及び右スティック19SRを除くコントローラ19の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0077】
左スティック19SL及び右スティック19SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは直立したスティックを有し、このスティックの所定位置を支点として前後左右を含む360°方向に亘って傾倒可能な構成になっている。左スティック19SL及び右スティック19SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とする左右方向のx座標及び前後方向のy座標の値を操作信号としてインターフェース回路13を介してCPU1に送出する。
【0078】
なお、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1及びR2ボタン19R2は、記録媒体300からロードされるゲーム制御プログラムに応じて種々の機能に使用される。
【0079】
次に、上記のゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体300からゲームプログラムを読み出すように、CPU1は記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ及びプログラムデータはデコーダ12に供給され、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0080】
デコーダ12によってエラー訂正処理が施された画像データは、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施された音声データは、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0081】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲーム制御プログラム及びプレーヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてゲームを進行させる。すなわち、プレーヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1は画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0082】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3が求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0083】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0084】
次に、記録媒体300に記録されているゲームプログラムに基づいて実行されるゲームについて説明する。本実施の形態におけるゲームは、野球ゲームを題材としたものである。
【0085】
図3は、本実施の形態によるゲーム装置が実行する野球ゲームの概要を説明するための画面図である。この野球ゲームは、仮想3次元空間であるゲーム空間内において、投手キャラクタCL2が投じたボールオブジェクトBLを打者キャラクタCL1が打撃するものである。具体的には、図3に示すように、この野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLをバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームである。
【0086】
この野球ゲームでは、プレーヤは、攻撃側である場合、コントローラ19を操作して、ストライクゾーンを示す外枠WK内に表示されたミートカーソルKを表示画面上で移動させ、ボールオブジェクトBLがホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBLにミートカーソルKを位置決めさせ、打撃指令を入力する。そうすると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBLが打ち返される。
【0087】
そして、本野球ゲームでは、ゲーム開始時はストライクゾーンが定まっておらず、ゲームが開始されてから後述する処理によりストライクゾーンが確定した後、図3に示すような外枠WKでストライクゾーンが表示される。
【0088】
次に、上記のように構成されたゲーム装置を用いて野球ゲームを行う場合のゲーム装置の主要な機能について説明する。図2は、図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【0089】
図2に示すようにゲーム装置は、機能的には、操作部410、表示部420、プログラム実行部430、データ記憶部440、及びプログラム記憶部450を含む。
【0090】
操作部410は、コントローラ19等から構成され、プレーヤによりゲームを進行する上で必要となる種々の入力を受け付ける。本実施の形態では、プレーヤが攻撃側であり、ゲーム装置が守備側にある場合は、操作部410は、ミートカーソルを移動させるための移動指令及びボールオブジェクトの打撃タイミングを決定するための打撃指令が入力される。また、プレーヤが守備側であり、ゲーム装置が攻撃側にある場合は、操作部410は、投手キャラクタに投球動作を開始させるための投球開始指令及びボールオブジェクトのコースを設定するためのコース設定指令を受け付ける。
【0091】
表示部420は、図1に示すテレビジョン200により構成され、プログラム実行部430の制御の基、種々の画像を表示する。
【0092】
プログラム実行部430は、図1に示すCPU1及びグラフィックスデータ生成プロセッサ3等から構成され、ゲーム進行制御部431、判定領域設定部432(判定領域設定手段の一例)、カウント部433(カウント手段の一例)、サイズ変更部434(サイズ変更手段の一例)、ストライクゾーン表示部435(報知手段の一例)、打撃判定部436、及び打撃パワー設定部437を備えている。
【0093】
ゲーム進行制御部431は、本野球ゲームを進行させるためのものである。具体的には、ゲーム進行制御部431は、プレーヤが攻撃側の場合は、所定のタイミングになると、表示部420に表示された投手キャラクタに投球動作を行わせ、ボールオブジェクトの弾道を設定し、設定した弾道にしたがってボールオブジェクトを表示部420に移動表示させる。
【0094】
また、ゲーム進行制御部431は、プレーヤが守備側の場合は、操作部410にプレーヤからの投球開始指令が入力されると、表示部420に表示された投手キャラクタに投球動作を行わせ、プレーヤに入力されたコース設定指令にしたがってボールオブジェクトの弾道を設定し、設定した弾道にしたがってボールオブジェクトを表示部420に移動表示させる。
【0095】
判定領域設定部432は、意識情報記憶部441に記憶されている意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、注目辺を基準としてストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する。ここで、ストライクゾーンはゲーム空間内の所定の位置に予め設定された四角形状の領域である。
【0096】
図4は、本発明の実施の形態によるゲーム装置により野球ゲームが展開される仮想3次元空間(ゲーム空間)を示した図である。なお、図4に示すzは仮想3次元空間内におけるピッチャーマウンドの中心O2とホームベースHBの中心O3とを結ぶ直線L3と平行な方向を示し、ボールオブジェクトBLの進行方向を示している。また、yは鉛直方向を示し、xは鉛直方向と進行方向と直交する方向を示している。ここで、x−z平面は地表面ESと平行であり、x座標及びz座標は地表面ESの各位置を規定する。また、鉛直方向は地表面ESに直交する方向である。本実施の形態では、yは地表面ESから離れるにつれて増大する。また、zはピッチャーマウンドの中心O2からホームベースHBの中心O3に向かうにつれて増大する。また、xは、例えば+z方向に見て、左側が+、右側が−である。また、x,y,z軸の原点は中心O2にあるものとする。
【0097】
ストライクゾーンSZは、例えば、中心O3を通り、かつ、x−y平面と平行な平面である移動可能エリアSF上に設定され、外枠WKで囲まれた四角形状の領域であり、実際の野球のストライクゾーンに基づいてゲーム空間内に設定されている。
【0098】
ストライクゾーンSZの中心OSは、中心O3から+y方向に所定距離離れて位置しており、ストライクゾーンのど真ん中に対応している。
【0099】
ミートカーソルKは、操作部410に入力された移動指令に従って、移動可能エリアSF上を移動する。但し、これは一例であり、ミートカーソルKを移動可能エリアSFからz方向に多少ずらした平面上を移動させるようにしてもよい。また、移動可能エリアSFのサイズとしては、ストライクゾーンSZのサイズよりも多少大きなサイズを採用することができる。地表面ESには、図3に示す投手キャラクタCL2、打者キャラクタCL1が配置されている。また、ホームベースHBから+z側には、キャッチャーキャラクタと、審判キャラクタとが配置されている。
【0100】
そして、投手キャラクタCL2が右投げであれば、例えば中心O2からy方向にH(O)離れた点SP´から−x方向に距離dL離間した点SPが、投手キャラクタCL2によるボールオブジェクトBLのリリースポイントとなる。
【0101】
図5は、判定領域設定部432の処理を説明するための図である。図5では、外枠WKを構成する4つの辺W1〜W4のうち、辺W4が注目辺として設定されている。また、図5に示す外枠WKは、審判キャラクタ側から見たときの外枠WK、つまり、図4に示す−z方向視における外枠WKを示している。そして、判定領域設定部432は、意識情報から辺W4を注目辺CWとして設定し、注目辺CWを基準としてストライクゾーンSZの外側の判定領域D1を外側判定領域D12として設定し、かつ、注目辺CWを基準としてストライクゾーンSZの内側の判定領域D1を内側判定領域D11として設定する。
【0102】
意識情報は、現実の野球における審判の癖を、ゲーム上に擬似的に反映させるために導入した概念を示す情報であり、ストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す情報である。意識情報としては、例えば高め、低め、左、及び右が存在する。ここで、外周近傍の領域とは、外枠WKに多少の肉厚を与えた、ストライクゾーンの外側と内側とを跨る枠状の領域のことを指す。高め、低め、左、及び右の意識情報は、それぞれ、審判キャラクタが自身から見てストライクゾーンの高め、低め、左、及び右のコースを意識していることを示している。
【0103】
また、注目辺は、意識情報が示す高め、低め、左、及び右のそれぞれと予め対応付けられている。つまり、高めの意識情報は辺W1と対応付けられ、低めの意識情報は辺W2と対応付けられ、左の意識情報は辺W3と対応付けられ、右の意識情報は辺W4と対応付けられている。
【0104】
したがって、判定領域設定部432は、意識情報が高めを示す場合、辺W1を注目辺として設定し、意識情報が低めを示す場合、辺W2を注目辺として設定し、意識情報が左を示す場合、辺W3を注目辺として設定し、意識情報が右を示す場合、辺W4を注目辺として設定する。
【0105】
図5に示すように、内側判定領域D11の幅L1は、ボールオブジェクトのサイズに基づいてその長さが決定されており、例えば、ボールオブジェクトの直径の2倍程度の長さを採用することができる。
【0106】
また、外側判定領域D12の幅L2も、内側判定領域D11と同様、ボールオブジェクトのサイズに基づいてその長さが決定されており、例えば幅L1と同一の長さが採用されている。
【0107】
なお、幅L1,L2はそれぞれ異なる長さにしてもよく、例えば審判キャラクタに応じて適宜長さを変更してもよい。この場合、意識情報に審判キャラクタの識別情報を予め対応付けておくと共に、幅L1,L2の長さを予め対応付けておけばよい。また、審判キャラクタを変更しない形態を採用してもよく、この場合、例えば試合毎にランダム又はプレーヤの設定によって意識情報を変更してもよい。
【0108】
なお、図5に示す判定領域D1、内側判定領域D11、外側判定領域D12は、表示部420には表示されない。また、外枠WKは、ストライクゾーンが確定するまで表示部420には表示されない。
【0109】
また、意識情報は、2つ以上のコースを示すものであってもよい。図6は、意識情報が2つのコースを示す場合に設定される、判定領域D1を示した図である。図6において、意識情報は、高め及び右である。ここで、高めは辺W1に対応し、右は辺W4に対応している。したがって、判定領域設定部432は、辺W1を基準として、判定領域D1を設定すると共に、辺W4を基準として、判定領域D1を設定する。
【0110】
なお、辺W1を基準とする判定領域D1と辺W4を基準とする判定領域D1とを同一サイズにしてもよいし、異なるサイズにしてもよい。この場合、意識情報に辺W1を基準とする判定領域D1の幅L1と幅L2と、辺W2を基準とする判定領域D1の幅L1とL2とを予め対応付けておけばよい。なお、図6において、図5と同様、判定領域D1等は表示されない。
【0111】
図2に戻り、カウント部433は、判定領域D1をボールオブジェクトが通過した回数をカウントする。ここで、カウント部433は、外側判定領域D12をボールオブジェクトが通過した外側通過回数及び内側判定領域D11をボールオブジェクトが通過した内側通過回数をそれぞれカウントする。
【0112】
また、カウント部433は、判定領域設定部432により、2つ以上の判定領域D1が設定された場合は、各判定領域D1における外側通過回数及び内側通過回数を個別にカウントする。例えば、図6のように2つの判定領域D1が設定された場合、辺W1に設定された判定領域D1と辺W4に設定された判定領域D1とに対するカウント処理を個別に行う。
【0113】
なお、カウント部433は、ボールオブジェクトが判定領域D1を通過した場合であっても、ボールオブジェクトが打者キャラクタにより打撃された場合は、カウント処理を行わない。これにより、プレーヤが攻撃側にある場合、ストライクゾーンのぎりぎりに投じられたボールオブジェクトをファールボールにすることで、ストライクゾーンの変動を防止する、つまり、ストライクかボールか微妙なコースの球はカットするという従来の野球ゲームにはなかった戦略を立てることができる。
【0114】
サイズ変更部434は、カウント部433によるカウント値を基に、注目辺CWをストライクゾーンSZの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンSZのサイズを変更する。
【0115】
ここで、サイズ変更部434は、外側通過回数及び内側通過回数の一方が第1の閾値に到達した場合において、外側通過回数が内側通過回数よりも大きい場合、注目辺CWをストライクゾーンの外側に向けてスライドさせることでストライクゾーンを増大させる。
【0116】
一方、サイズ変更部434は、外側通過回数及び内側通過回数の一方が第1の閾値に到達した場合において、内側通過回数が外側通過回数よりも大きい場合、注目辺CWをストライクゾーンの内側に向けてスライドさせることでストライクゾーンを減少させる。
【0117】
例えば、第1の閾値が15であるとすると、図5において、外側判定領域D12よりも先に内側判定領域D11に15回、ボールオブジェクトが通過した場合、注目辺CWである辺W4が左側に平行移動されて、ストライクゾーンが狭くされる。
【0118】
また、内側判定領域D11よりも先に外側判定領域D12に15回、ボールオブジェクトが通過した場合、注目辺CWである辺W4が右側に平行移動されて、ストライクゾーンが広くされる。
【0119】
また、サイズ変更部434は、外側通過回数と内側通過回数との差を基に、注目辺CWのスライド量を設定する。図7は、注目辺CWがスライドされる様子を示した図である。図7において、外側通過回数が先に第1の閾値に到達し、そのときの外側通過回数−内側通過回数の差分をΔkとすると、注目辺CWのスライド量Δxは差分Δkの値に基づいて決定される。
【0120】
この場合、差分Δkが増大するにつれてスライド量Δxがリニアに増大する関数を予め定めておき、この関数を用いてスライド量Δxを定めるようにすればよい。
【0121】
そして、サイズ変更部434は、図7に示すように、注目辺CWをスライド量ΔxだけストライクゾーンSZの外側に向けて平行移動させる。これにより、ストライクゾーンSZが増大する。図7では、注目辺CWである辺W4が、右方向にスライド量Δxだけスライドされている。そのため、ストライクゾーンSZは初期のストライクゾーンSZに比べて右方向に広くなる。なお、スライド量Δxの最大値としては、例えば外側判定領域D12の幅L2を採用すればよい。
【0122】
一方、内側通過回数が先に第1の閾値に到達した場合、内側通過回数−外側通過回数の差分Δkからスライド量Δxを求め、注目辺CWをストライクゾーンSZの内側に向けて平行移動させればよい。なお、注目辺CWのストライクゾーンSZの内側へのスライド量Δxの最大値としては、例えば内側判定領域D11の幅L1を採用すればよい。
【0123】
また、サイズ変更部434は、外側通過回数及び内側通過回数の一方が第1の閾値に到達した場合において、外側通過回数と内側通過回数との差分Δkが第2の閾値以下の場合、注目辺CWをスライドさせないようにしてもよい。
【0124】
例えば、外側通過回数が先に第1の閾値に到達し、そのときの差分Δkが第2の閾値以下であれば、注目辺CWはストライクゾーンSZの外側にスライドされない。また、内側通過回数が先に第1の閾値に到達し、そのときの差分Δkが第2の閾値以下であれば、注目辺CWはストライクゾーンSZの内側にスライドされない。
【0125】
こうすることで、内側通過回数と外側通過回数との差が顕著ではなく、プレーヤの意図に反してストライクゾーンが変化してしまうことを防止することができる。
【0126】
なお、ここで、第2の閾値としては例えば10(個)と設定することができる。なお、第2の閾値として、個数の差異以外に、個数の比率を採用することもできる。この場合、例えば、通過回数の多い側と少ない側との比率が2:1を基準とするようにしてもよい。
【0127】
また、サイズ変更部434は、2以上の注目辺CWが設定された場合、各注目辺CWのスライド量Δxを個別に算出し、算出したスライド量Δxにしたがって、各注目辺CWを個別にスライドさせる。
【0128】
例えば、図6に示すように辺W1,W4が注目辺CWとして設定されている場合を考える。この場合、辺W1に設定された判定領域D1において、内側通過回数又は外側通過回数が第1の閾値を超えた時点で、差分Δkが第2の閾値より大きければ、辺W1がストライクゾーンSZの内側又は外側にスライドされ、辺W4に設定された判定領域D1において、内側通過回数又は外側通過回数が第1の閾値を超えた時点で、差分Δkが第2の閾値より大きければ、辺W4がストライクゾーンSZの内側又は外側にスライドされる。
【0129】
図2に戻り、ストライクゾーン表示部435は、審判キャラクタの意識情報が示すコースをプレーヤに報知する。具体的には、ストライクゾーン表示部435は、注目辺CWに向かうにつれて濃度が薄くなる濃淡画像を用いてストライクゾーンSZを表示部420に表示することで意識情報が示すコースを報知する。
【0130】
また、ストライクゾーン表示部435は、サイズ変更部434により、注目辺CWの位置が確定された場合、注目辺CWを線分で表示することにより、ストライクゾーンSZにおいて注目辺CWの位置が確定したことをプレーヤに報知する。
【0131】
図8(A)は、図5に示すように、辺W4が注目辺CWとされている場合に表示されるストライクゾーンSZを示している。図8(B)は図8(A)のストライクゾーンSZのサイズが確定された後に表示されるストライクゾーンSZを示している。
【0132】
図8(A)の場合、ストライクゾーンSZは、辺W3から辺W4に向かうにつれて透明度が高くなる濃淡画像により表示される。なお、透明度が最低の辺W3付近においても一定の透明度を有しており、したがって、辺W3付近を通過するボールオブジェクトは透けて見える。つまり、ストライクゾーンSZはサイズが確定されるまで、雲のように表示されるのである。そして、雲のように表示されるストライクゾーンの色としては、白やグレー等の種々の色を採用することができる。
【0133】
このような透明なストライクゾーンの表示は、例えばαブレンディングの手法を用いて、ストライクゾーンSZを表す濃淡画像の画像データと背景の画像データとを合成することにより容易に実現することができる。
【0134】
そして、図8(A)に示すように、辺W4付近の透明度が高いため、審判キャラクタは辺W4を意識しており、辺W4のサイズが変動する可能性があることを認識することができる。
【0135】
なお、図8(A)では、濃淡画像の表示範囲をストライクゾーンSZ内としていたが、これに限定されず、ストライクゾーンSZよりも多少はみ出るように濃淡画像の表示範囲を定めてもよい。また、濃淡画像に加えて、ストライクゾーンSZの外枠WKを点線で表示するようにしてもよい。この場合、ストライクゾーンSZのサイズが確定していないことをより明確にプレーヤに報知することができる。
【0136】
図9(A)は、図6に示すように、2つの辺W1,W4が注目辺CWとされている場合に表示されるストライクゾーンSZを示している。図9(B)は、辺W1の位置が確定された後に表示されるストライクゾーンSZを示し、図9(C)は、辺W4の位置が確定された後に表示されるストライクゾーンSZを示している。
【0137】
図9(A)の場合、ストライクゾーンSZは、辺W3から辺W4に向かうにつれて暫時に透明度が高く、かつ、辺W2から辺W1に向かうにつれて暫時に透明度が高くなる濃淡画像で表示されている。つまり、ストライクゾーンSZの左下の頂点から右上の頂点に向かうにつれて暫時に透明度が高くなる濃淡画像によりストライクゾーンSZが表示される。
【0138】
したがって、プレーヤは、図9(A)のストライクゾーンSZを視認することで、審判キャラクタが辺W1と辺W4とを意識しており、この2辺が変動する可能性があることを認識することができる。
【0139】
以上をまとめると、ストライクゾーン表示部435は、1つの注目辺CWから、その注目辺に対向する辺に向かうにつれて透明度が暫時に低くなるようにグラデーション表示された濃淡画像を注目辺CWの個数分重畳させることでストライクゾーンSZを表示する。
【0140】
なお、図8(A)において、注目辺CWは辺W4の1つであるため、サイズ変更部434により辺W4の位置が確定されるとストライクゾーンSZが確定される。したがって、図8(B)に示すように、ストライクゾーンSZの表示態様は、濃淡画像から外枠WKへと切り替えられる。なお、説明の便宜上、図8(B)では、ストライクゾーンSZのサイズは図8(A)に比べて変化していないが、サイズ変更部434により注目辺CWがスライドされた場合は、それに応じて、ストライクゾーンSZのサイズは、図8(A)に比べて変化する。
【0141】
一方、図9(A)においては、注目辺CWが2つであり、かつ、各注目辺CWのスライド量の確定タイミングが異なっているため、図8の場合とはストライクゾーンSZの表示態様の切り替え方が異なる。
【0142】
図9(A)において、まず、注目辺CWのうち、先に辺W1の位置が確定されたとする。この場合、図9(B)に示すように、位置が確定されていない辺W4を除く3つの辺W1〜W3のそれぞれを示す線分が表示される。また、このとき、辺W1〜W2に向かうにつれて暫時に透明度が低くなる濃淡画像の表示が終了され、辺W4〜W3に向かうにつれて暫時に透明度が低くなる濃淡画像の表示のみが継続される。
【0143】
これにより、プレーヤは、辺W1の位置が確定したことを認識することができる。そして、残りの注目辺CWである辺W4の位置が確定されると、濃淡画像の表示が終了され、辺W4の線分が表示される。そして、図9(C)に示すように外枠WKのみによって、ストライクゾーンSZが表示されることになる。
【0144】
これにより、プレーヤは、ストライクゾーンSZのサイズが確定したことを認識することができる。
【0145】
図2に戻り、打撃判定部436は、打者キャラクタにボールオブジェクトを打撃させるためにプレーヤから打撃指令が入力されることで、操作部410から出力される打撃入力信号に応じて、打者キャラクタによるボールオブジェクトの打撃タイミングを決定し、決定した打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトがミートカーソルと重なった場合、打者キャラクタがボールオブジェクトを打撃することができたと判定する。
【0146】
図10は、図4に示す仮想3次元空間をx軸方向から見たときの図である。打撃判定部436は、図10に示すように、操作部410に打撃指令が入力された時刻から、打者キャラクタにバットオブジェクトのスイングを開始させ、バットオブジェクトが移動可能エリアSFに到達するまでの所定時間が経過した時刻を打撃タイミングとして決定する。そして、打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとが重なった場合、打者キャラクタによりボールオブジェクトBLが打撃されたと判定する。
【0147】
しかしながら、これでは、ゲームの難易度が極めて高くなってしまい、面白みに欠ける虞がある。そこで、本実施の形態では、例えば打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLのz成分が、移動可能エリアSFに対して−z方向に距離d1離れた位置と、移動可能エリアSFに対して+z方向に距離d2離れた位置との間に存在し、かつ、そのときのボールオブジェクトBLの延長線が移動可能エリアSF上のミートカーソルKと交差した場合、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとが重なったと判定してもよい。
【0148】
ここで、ボールオブジェクトBLの延長線としては、例えば打撃タイミングを決定したときのボールオブジェクトBLの速度の方向に、ボールオブジェクトBLの重心G1を起点として伸ばした直線を採用することができる。
【0149】
或いは、打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLのz成分が、移動可能エリアSFに対して距離d1離れた位置と、移動可能エリアSFに対して距離d2離れた位置との間に存在する場合、そのときの重心G1を通り移動可能エリアSFに平行な移動可能エリアSF´を設定し、設定した移動可能エリアSF´上に移動可能エリアSF上のミートカーソルKを投影し、投影したミートカーソルKとボールオブジェクトBLとが重なる場合、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとが重なったと判定してもよい。
【0150】
なお、d1,d2としては、移動可能エリアSFからのストライクゾーンのz成分の長さと同じ距離又は、多少のマージンを加える若しくは差し引いた距離を採用することができる。
【0151】
図2に戻り、打撃パワー設定部437は、打撃判定部436により、打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとが重なったと判定されると、ボールオブジェクトBLを打撃するための打撃パワーを設定する。
【0152】
ここで、打撃パワー設定部437は、打撃タイミングにおいて、ボールオブジェクトBLの重心G1のミートカーソルKに対する通過位置がミートカーソルKの重心に近いほど、打撃パワーを大きく設定する。本実施の形態では打撃パワーとしては、ボールオブジェクトBLの初速度V0を採用することができ、打撃判定部436は、ボールオブジェクトBLに対して予め定められた基準初速度Vrefの大きさ及び向きを補正することでボールオブジェクトBLの初速度V0を求める。
【0153】
図11(A)〜(C)は、打撃されたボールオブジェクトBLの初速度V0の算出処理を示した図である。図11(A)に示すように、ボールオブジェクトBLとミートカーソルKとの重なった領域の重心が点P4(u,v)であったとする。但し、uはミートカーソルKの中心O1を通り、且つx軸に平行な座標軸であり、vは中心O1を通り、且つy軸に平行な座標軸である。
【0154】
この場合、打撃パワー設定部437は、点P4と中心O1との距離dsを求め、距離dsが増大するにつれて基準初速度Vrefを小さく設定するための補正係数βを求め、この補正係数βを基準初速度Vrefに乗じることで(β・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさをボールオブジェクトBLの初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0155】
なお、打撃パワー設定部437は、補正係数βを出力とし、距離dsを入力とし、距離dsが小さくなるにつれて補正係数βが増大する予め定められた関数を用いて補正係数βを算出すればよい。
【0156】
次に、図11(A)〜(C)を用いて、打撃パワー設定部437によるボールオブジェクトBLの初速度V0の向きの算出手法について説明する。打撃パワー設定部437は、図11(A)に示す点P4のvの値に応じて、図11(B)に示すように、初期所速度Vrefの向きを示す予め定められた基準方向Drefのピッチ角θを補正し、補正後の基準方向Drefのピッチ角θを初速度V0のピッチ角として設定する。
【0157】
具体的には、打撃パワー設定部437は、点P4のvがu軸上に位置する場合、基準方向Drefの補正量は0とし、点P4のvが正の場合は、点P4のvの値に応じて基準方向Drefのピッチ角θを時計回りに所定角度回転させ、点P4のvが負の場合は点P4のvの値に応じて基準方向Drefのピッチ角θを反時計回りに所定角度回転させればよい。
【0158】
なお、基準初速度Vrefのピッチ角θは、z軸を基準として反時計回りの方向に設定されている。
【0159】
また、点P4のuが正であれば、打撃パワー設定部437は、図11(C)に示すように基準方向Drefのヨー角θ2を点P4のuの値に応じて、z軸を基準として時計回りの方向(+θ2側)に所定角度回転し、回転後の基準方向Drefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0160】
一方、点P4のuが負であれば、打撃パワー設定部437は、基準方向Drefのヨー角θ2を点P4のuの値に応じて、z軸を基準として反時計回り(−θ2側)に所定角度回転させ、回転後の基準方向Drefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0161】
また、打撃パワー設定部437は、図10に示すように、打撃タイミングにおいてボールオブジェクトBLの重心G1が移動可能エリアSFからz方向にずれて位置しているが、打撃されたと判定された場合、このずれ量に応じて、図11(C)に示す基準方向Drefのヨー角θ2を回転させる。
【0162】
具体的には、打者キャラクタが右打者の場合、図10において、ボールオブジェクトBLの重心G1が移動可能エリアSFから−z方向側に位置していれば、打者キャラクタは、打ち急いだと判定される。そして、ボールオブジェクトBLの重心G1と移動可能エリアSFとの距離dに応じて、図11(C)に示すヨー角θ2がz軸を基準として反時計回りに所定角度回転される。
【0163】
一方、打者キャラクタが右打者の場合において、ボールオブジェクトBLの重心G1が移動可能エリアSFから+z方向側に位置していれば、打者キャラクタは振り遅れたと判定される。そして、距離dに応じて図11(C)に示すヨー角θ2がz軸を基準として時計回りに所定角度回転される。
【0164】
なお、打者キャラクタが左打者において、打ち急いだ場合は、図11(C)に示すヨー角θ2は距離dに応じて時計周りに所定角度回転され、振り遅れた場合は、ヨー角θ2は距離dに応じて反時計周りに所定角度回転される。
【0165】
図2に戻り、データ記憶部440は、例えばメインメモリ5から構成され、意識情報記憶部441、及び画像記憶部442として機能する。意識情報記憶部441は、上述した意識情報を記憶している。
【0166】
画像記憶部442は、本野球ゲームを実現するにあたり必要となる画像データを記憶するものであり、例えば、守備キャラクタ、打者キャラクタ、バットオブジェクト、野球場の背景画像、投手キャラクタ等の画像データを記憶する。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点から投影することにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0167】
プログラム記憶部450は、例えば記録媒体ドライブ17等から構成され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体451を含む。記録媒体451は、記録媒体300から構成され、本発明によるゲーム制御プログラムを記憶している。なお、記録媒体300からゲーム制御プログラムが読み取られ、当該ゲーム制御プログラムがメインメモリ5に記録されている場合、メインメモリ5がプログラム記憶部450として機能する。
【0168】
図12は、本発明の実施の形態によるゲーム装置がボールオブジェクトを移動させる際の処理を示したフローチャートである。図13は、図12に示すフローチャートの続きのフローチャートである。なお、以下のフローチャートでは注目辺CWが1つの場合を例に挙げて説明する。
【0169】
まず、ステップS1において、ゲーム進行制御部431は、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の画像データを画像記憶部442から読み出して表示部420に表示させ、初期設定を行う。この場合、表示部420には、例えば図3に示すような画像が表示される。また、この段階で、表示部420には、図3に示す外枠WKは表示されていない。
【0170】
次に、判定領域設定部432は、意識情報記憶部441に記憶された意識情報を読み出し、読み出した意識情報にしたがって、外枠WKの4辺のうち注目辺CWを特定し、特定した注目辺CWを基準に判定領域D1を設定する(ステップS2)。この場合、例えば、図8(A)に示すように、注目辺CWに判定領域D1が設定される。
【0171】
次に、ストライクゾーン表示部435は、ステップS3で設定された注目辺CWにしたがって、注目辺CWからその注目辺CWに対向する辺に向かうにつれて透明度が低くなる濃淡画像を表示部420に表示してストライクゾーンSZを表示する(ステップS3)。
【0172】
次に、プレーヤが攻撃側の場合は、所定のタイミングになったとき、プレーヤが守備側の場合は、プレーヤにより投球開始指令が入力されたとき、投手キャラクタに投球を開始させる(ステップS4)。
【0173】
このとき、ゲーム進行制御部431は、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投じるように投手キャラクタCL2の表示態様を変更させる。また、ゲーム進行制御部431は、投手キャラクタCL2の能力情報に基づいて、ボールオブジェクトBLの弾道を設定し、設定した弾道にしたがって、ボールオブジェクトBLを表示部420に移動表示させる。
【0174】
次に、打撃判定部436は、上述したように、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃することができたか否かを判定する(ステップS5)。そして、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLを打撃できたと判定された場合(ステップS5でYES)、打撃パワー設定部437は、上述したように、ボールオブジェクトBLの打撃パワーを設定する(ステップS6)。そして、ゲーム進行制御部431は、打撃パワー設定部437により設定されたボールオブジェクトBLの打撃パワーにしたがって、ボールオブジェクトBLの弾道を設定し、設定した弾道にしたがって、ボールオブジェクトBLを表示部420に移動表示させる。
【0175】
この場合、ゲーム進行制御部431は、例えば、打撃パワーであるボールオブジェクトBLの初速度V0の大きさ及び向きにしたがって、ボールオブジェクトBLの基準となる弾道を補正することで、ボールオブジェクトの弾道を決定すればよい。
【0176】
一方、ステップS5において、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLの打撃に失敗したと判定された場合(ステップS5でNO)、カウント部433は、ボールオブジェクトBLが判定領域D1を通過したか否かを判定する(ステップS7)。
【0177】
この場合、カウント部433は、ボールオブジェクトBLの少なくとも一部が判定領域D1と重なっていればボールオブジェクトBLが判定領域D1を通過したと判定する。
【0178】
また、ボールオブジェクトBLが注目辺CW上を通過して内側判定領域D11と外側判定領域D12との両領域を通過することも想定される。この場合、カウント部433は、例えばボールオブジェクトBLの重心G1が内側判定領域D11を通過していれば、ボールオブジェクトBLが内側判定領域D11を通過した判定し、重心G1が外側判定領域D12を通過していれば、ボールオブジェクトBLが外側判定領域D12を通過したと判定する。
【0179】
そして、ボールオブジェクトBLが判定領域D1を通過していないと判定された場合(ステップS7でNO)、処理がステップS4に戻され、ボールオブジェクトBLが判定領域D1を通過したと判定された場合(ステップS7でYES)、処理がステップS8に進められる。
【0180】
すなわち、ボールオブジェクトBLが判定領域D1を通過していない場合は、カウント部433によるカウント処理が不要であるため、処理がステップS4に戻される。
【0181】
次に、ステップS8において、カウント部433は、ボールオブジェクトBLが内側判定領域D11を通過した場合は、内側通過回数を1カウントアップさせ、ボールオブジェクトBLが外側判定領域D12を通過した場合は、外側通過回数を1カウントアップさせる。
【0182】
次に、サイズ変更部434は、外側通過回数が第1の閾値以上となった場合(ステップS9でYES)、外側通過回数と内側通過回数との差分Δkを算出する。そして、差分Δkが第2の閾値以上である場合(ステップS10でYES)、差分Δkにしたがって、注目辺CWのスライド量Δxを求め、注目辺CWをスライド量ΔxだけストライクゾーンSZの外側に向けてスライドさせ、注目辺CWの位置を確定する(ステップS11)。
【0183】
一方、差分Δkが第2の閾値未満の場合(ステップS10でNO)、サイズ変更部434は、注目辺CWをスライドさせることなく、注目辺CWの位置を確定する(ステップS12)。
【0184】
また、外側通過回数が第1の閾値以上になってはいないが(ステップS9でNO)、内側通過回数が第1の閾値以上となった場合(ステップS13でYES)、サイズ変更部434は、内側通過回数と外側通過回数との差分Δkが第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS14)。そして、差分Δkが第2の閾値以上である場合(ステップS14でYES)、サイズ変更部434は、差分Δkに応じたスライド量Δxを求め、注目辺CWをスライド量Δxだけストライクゾーンの内側に向けてスライドさせる(ステップS15)。
【0185】
また、ステップS14において、差分Δkが第2の閾値未満の場合(ステップS14でNO)、サイズ変更部434は、注目辺CWをスライドさせることなく、注目辺CWの位置を確定する(ステップS16)。
【0186】
なお、ステップS13においてNOと判定された場合、すなわち、外側通過回数及び内側通過回数のいずれもが第1の閾値以上となっていない場合、処理がステップS4に戻される。
【0187】
ステップS17において、ストライクゾーン表示部435は、位置が確定された注目辺CW及び残りの3辺を線分で表示させ、ストライクゾーンSZの表示態様を透明度による濃淡画像から外枠WKに切り替える。
【0188】
これにより、プレーヤはストライクゾーンSZが確定したことを認識することができる。以後、1試合が終了するまで確定したストライクゾーンSZでゲームが進行されることになる。また、1試合が終了すると、ストライクゾーンは変化前の初期状態に戻る。
【0189】
ところで、本実施の形態においては、ストライクゾーンが一旦確定すれば(変化すれば)、その後の投球はその変化後のストライクゾーンの大きさには影響を与えないものとする。これは、あまりに頻繁にストライクゾーンが変化すると、ゲーム性が損なわれるということと、現実のゲームにおいても、ある試合のストライクゾーンの判定傾向が試合を通じて常に変動するということはなく、概ね、試合の序盤で確定する傾向にあるため、その傾向をゲームにも反映するためである。
【0190】
なお、注目辺CWが2つ以上ある場合は、ステップS4〜S17の処理が、注目辺CWごとに個別に実行され、順次に注目辺CWの位置が確定される。
【0191】
以上、説明したように、本ゲーム装置によれば、審判が意識しているストライクゾーンSZのコースに対応する注目辺CWの近傍にある程度の個数のボールオブジェクトBLが投じられると、それに誘発されて審判キャラクタが注目辺をスライドさせて、あたかもストライクゾーンSZを変更させたようなゲームの演出を実現することが可能となる。
【0192】
これにより、実際の野球の試合のように審判の癖をゲームに取り入れることができる。また、プレーヤは、投手キャラクタCL2を操作する場合、審判キャラクタが意識しているコースに対応する注目辺の近傍にボールオブジェクトを投じることで、ストライクゾーンSZのサイズを変更することができ、自身が有利となるようにゲームの戦略を立てることができる。その結果、従来の野球ゲームでは立てることができなかった戦略を立てて、ゲームを進行することが可能となり、ゲームの興趣性をより増大させることができる。
【0193】
なお、本発明は、下記の態様を採用することができる。
【0194】
(1)1つの試合を開始するにあたり、プレーヤが好みの審判キャラクタを選択するようにしてもよい。この場合、プレーヤが好みのプロ野球チームを選択する際にこれと併せて、複数の審判キャラクタの中から1の審判キャラクタを選択させればよい。ここでいう審判キャラクタは塁審ではなく主審である。
【0195】
この場合、審判キャラクタの識別情報とその審判キャラクタの意識情報とを対応付けて意識情報記憶部441に予め記憶させておけばよい。
【0196】
(2)上記説明では、ストライクゾーンSZが確定するまでストライクゾーンSZを透明の濃淡画像で表示したが、本発明はこれに限定されず、例えば注目辺CWを点線で表示し、残りの辺を実線で表示してもよい。ここで、複数の注目辺CWが存在する場合、ある1つの注目辺CWの位置が確定されると、確定後の注目辺CWを実線、位置が確定されていない注目辺CWを点線、注目辺CW以外の辺を実線で表示するようにすればよい。
【符号の説明】
【0197】
410 操作部
420 表示部
430 プログラム実行部
431 ゲーム進行制御部
432 判定領域設定部(判定領域設定手段)
433 カウント部(カウント手段)
434 サイズ変更部(サイズ変更手段)
435 ストライクゾーン表示部(ストライクゾーン表示手段)
436 打撃判定部
437 打撃パワー設定部
BL ボールオブジェクト
CL1 打者キャラクタ
CL2 投手キャラクタ
CW 注目辺
D1 判定領域
D11 内側判定領域
D12 外側判定領域
SZ ストライクゾーン
W1〜W4 辺
WK 外枠
Δk 差分
Δx スライド量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームを実行するゲーム装置であって、
ゲーム空間内に予め設定されたストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す意識情報を予め記憶する意識情報記憶手段と、
前記意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、前記注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する判定領域設定手段と、
前記判定領域をボールオブジェクトが通過した回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によるカウント値を基に、前記注目辺をストライクゾーンの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンのサイズを変更するサイズ変更手段とを備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記判定領域設定手段は、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側の判定領域を外側判定領域として設定し、かつ、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの内側の判定領域を内側判定領域として設定し、
前記カウント手段は、前記外側判定領域をボールオブジェクトが通過した外側通過回数及び前記内側判定領域をボールオブジェクトが通過した内側通過回数をそれぞれカウントし、
前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数及び前記内側通過回数の一方が第1の閾値に到達した場合において、前記外側通過回数が前記内側通過回数よりも大きい場合、前記注目辺をストライクゾーンの外側に向けてスライドさせることでストライクゾーンを増大させ、前記内側通過回数が前記外側通過回数よりも大きい場合、前記注目辺をストライクゾーンの内側にスライドさせることでストライクゾーンを減少させる請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数と前記内側通過回数との差を基に、前記注目辺のスライド量を設定する請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数及び前記内側通過回数の一方が前記第1の閾値に到達した場合において、前記外側通過回数と前記内側通過回数との差が第2の閾値以下の場合、前記注目辺をスライドさせない請求項2又は3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記意識情報が示すコースを報知するための報知手段を更に備える請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記報知手段は、前記注目辺に向かうにつれて濃度が薄くなるように前記ストライクゾーンを表示装置の表示画面に表示することで前記意識情報が示すコースを報知する請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記サイズ変更手段は、前記外側通過回数及び前記内側通過回数の一方が前記第1の閾値に到達した場合に前記注目辺の位置を確定し、
前記報知手段は、前記サイズ変更手段が前記注目辺の位置を確定した場合、前記注目辺を線分で表示する請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記判定領域設定手段は、前記意識情報が複数のコースを示す場合、各コースに対応するストライクゾーンの外枠の辺をそれぞれ注目辺として設定し、前記判定領域を注目辺ごとに個別に設定し、
前記カウント手段は、各判定領域において、ボールオブジェクトが通過した回数を個別にカウントし、
前記サイズ変更手段は、各注目辺を個別にスライドさせることで前記ストライクゾーンを変更する請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記カウント手段は、前記判定領域を前記ボールオブジェクトが通過した場合であっても、前記打者キャラクタが前記ボールオブジェクトを打撃した場合は、カウント動作を行わない請求項1〜8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをコンピュータに実行させるゲーム制御プログラムであって、
ゲーム空間内に予め設定されたストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す意識情報を予め記憶する意識情報記憶手段と、
前記意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、前記注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する判定領域設定手段と、
前記判定領域をボールオブジェクトが通過した回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によるカウント値を基に、前記注目辺をストライクゾーンの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンのサイズを変更するサイズ変更手段としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラム。
【請求項11】
投手キャラクタが投じたボールオブジェクトを打者キャラクタが打撃する野球ゲームをゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、ゲーム空間内に予め設定されたストライクゾーンの外周近傍の領域において、審判キャラクタが意識するコースを示す意識情報を予め記憶する意識情報記憶手段を備え、
前記ゲーム装置が、前記意識情報が示すコースに対応するストライクゾーンの外枠の辺を注目辺として設定し、前記注目辺の近傍をボールオブジェクトが通過したか否かを判定するために、前記注目辺を基準として前記ストライクゾーンの外側及び内側に判定領域を設定する判定領域設定ステップと、
前記判定領域をボールオブジェクトが通過した回数をカウントするカウントステップと、
前記カウントステップによるカウント値を基に、前記注目辺をストライクゾーンの外側又は内側にスライドさせることでストライクゾーンのサイズを変更するサイズ変更ステップとを備えるゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図8】
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【図9】
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