説明

ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法

【課題】ボールオブジェクトをキャラクタに捕球させるに際し、位置決め以外の操作をプレーヤに課すことで、ゲームの興趣性を高める。
【解決手段】ボールオブジェクト移動部432は、ボールオブジェクトBLを移動表示させる。キャラクタ移動部433は、プレーヤにより入力される移動指令にしたがって、守備キャラクタCXをゲーム空間内で移動させる。設定部434は、守備キャラクタCX及びボールオブジェクトBLの現在の位置に基づいて、守備キャラクタCXがボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲DEを守備キャラクタCXに設定する。判定部435は、ボールオブジェクトBLの捕球タイミングを指定するためにプレーヤにより入力された捕球指令が操作部410により受け付けられたときに、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DE内に位置する場合、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLを捕球することができたと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行を制御するゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の野球ゲームにおいては、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトを守備キャラクタに捕球させる場合、プレーヤは、ボールオブジェクトの弾道からゲーム装置により選択された1個の守備キャラクタをボールオブジェクトに向けて移動させる操作を行っていた。そして、フライの弾道のボールオブジェクトを捕球する場合、プレーヤは守備キャラクタを落下地点に到着させた後は特に何も操作をしなくても、守備キャラクタにより自動的に捕球動作が行われていた。また、ゴロの弾道のボールオブジェクトを捕球する場合、プレーヤは守備キャラクタをボールオブジェクトの弾道の延長線上に移動させれば、後は自動的に捕球動作が行われていた。
【0003】
また、特許文献1には、達人モードでは、ベースカバーに入るキャラクタ以外の複数のキャラクタを同時に動かすことができ、通常モードでは、ボールの近くのキャラクタのみを動かすことができ、お手軽モードでは、捕球地点まで自動的にキャラクタが動かされ、これら3つのモードをプレーヤに選択させる野球ゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−325660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら従来の野球ゲームにおいては、プレーヤは守備キャラクタを位置決めする操作のみを行えばよいため、操作が単純なものとなっていた。そのため、初級者には適したゲームであるかもしれないが、上級者にとっては操作に物足りなさを感じさせ、ゲームの面白みに欠けるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、ボールオブジェクトをキャラクタに捕球させるに際し、位置決め以外の操作をプレーヤに課すことで、ゲームの興趣性を高めることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一局面によるゲーム装置は、キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行を制御するゲーム装置であって、プレーヤからの操作指令が入力される操作部と、ゲーム空間内で前記ボールオブジェクトを移動させるボールオブジェクト移動手段と、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるために、前記操作部を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるキャラクタ移動手段と、前記キャラクタ及び前記ボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を前記キャラクタに設定する設定手段と、前記ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力されたときに、前記ボールオブジェクトが前記捕球範囲内に位置する場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定する判定手段とを備え、前記捕球範囲は、前記キャラクタの前方を覆うドーム状の主面部と前記主面部の開口部を覆う底面部とによって規定される立体形状を有し、前記設定手段は、前記ボールオブジェクト及び前記キャラクタの現在位置を結ぶ直線から前記キャラクタの視線方向を決定し、決定した視線方向に前記主面部の頂点が向くように前記捕球範囲を設定する。
【0008】
また、本発明の別の一局によるゲーム制御プログラムは、キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、ゲーム空間内で前記ボールオブジェクトを移動させるボールオブジェクト移動手段と、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるために、操作部を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるキャラクタ移動手段と、前記キャラクタ及び前記ボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を、前記キャラクタに設定する設定手段と、前記ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力されたときに、前記ボールオブジェクトが前記捕球範囲内に位置する場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定する判定手段としてコンピュータを機能させ、前記捕球範囲は、前記キャラクタの前方を覆うドーム状の主面部と前記主面部の開口部を覆う底面部とによって規定される立体形状を有し、前記設定手段は、前記ボールオブジェクト及び前記キャラクタの現在位置を結ぶ直線から前記キャラクタの視線方向を決定し、決定した視線方向に前記主面部の頂点が向くように前記捕球範囲を設定する。
【0009】
また、本発明の更に別の一局面によるゲーム制御方法は、キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行をゲーム装置に制御させるゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置が、ゲーム空間内で前記ボールオブジェクトを移動させるボールオブジェクト移動ステップと、前記ゲーム装置が、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるために、操作部を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるキャラクタ移動ステップと、前記ゲーム装置が、前記キャラクタ及び前記ボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を、前記キャラクタに設定する設定ステップと、前記ゲーム装置が、前記ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力されたときに、前記ボールオブジェクトが前記捕球範囲内に位置する場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定する判定ステップとを備え、前記捕球範囲は、前記キャラクタの前方を覆うドーム状の主面部と前記主面部の開口部を覆う底面部とによって規定される立体形状を有し、前記設定ステップは、前記ボールオブジェクト及び前記キャラクタの現在位置を結ぶ直線から前記キャラクタの視線方向を決定し、決定した視線方向に前記主面部の頂点が向くように前記捕球範囲を設定する。
【0010】
これらの構成によれば、キャラクタ及びボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、捕球範囲が設定される。そして、プレーヤにより捕球指令が入力されたときに(例えば野球ゲームであれば、捕球しようとする守備キャラクタがグローブを閉じたときに)、ボールオブジェクトがキャラクタに設定された捕球範囲内に位置すれば、キャラクタはボールオブジェクトを捕球できたと判定され、捕球範囲内に位置しなければ、キャラクタはボールオブジェクトを捕球できなかったと判定される。
【0011】
つまり、プレーヤには、従来ゲームで行われていた、キャラクタをボールオブジェクトに向けて移動させる操作に加えて、ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための微妙な操作も課されることになる。これにより、キャラクタを移動させる操作のみが課される場合に比べて、ゲームの興趣性が増大し、特に上級者にとって、満足のいくゲームを提供することが可能となる。
【0012】
なお、キャラクタがボールを捕球するゲームの例としては、野球ゲーム、バスケットボール、アメリカンフットボール、ドッジボール、水球等があげられる。
【0013】
また、上記構成によれば、捕球範囲は、底面部とドーム状の主面部とによって覆われた立体形状を有している。そして、ボールオブジェクト及びキャラクタの現在位置同士を結ぶ直線からキャラクタの視線方向が決定される。そして、決定された視線方向にドーム状の主面部の頂点が向かうように、キャラクタに対して捕球範囲が設定される。
【0014】
このように、視線方向にドーム状である主面部の頂点が向かうように、捕球範囲が設定されるため、ボールオブジェクトが主面部よりも前方にある場合に捕球できないことはもちろん、例えばボールオブジェクトの落下地点がキャラクタの背後に位置するにも拘わらず、そのボールオブジェクトを難なくキャッチするというようなキャラクタの不自然な動作を防止することができる。つまり、ボールオブジェクトの弾道がキャラクタの視線方向からかけ離れているような場合、キャラクタはボールオブジェクトを捕球することができなくなり、キャラクタに違和感なく捕球動作を行わせることができる。
【0015】
(2)前記底面部は、前記視線方向に直交し、かつ、前記キャラクタの中心を通る直線を境界とする2枚の平面により構成され、前記2枚の平面間の前記視線方向側のなす角度は、前記視線方向により2等分され、かつ、180度に所定のマージンを与えた角度に設定されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、視線を中心として左右に90度に多少のマージンを加えた範囲である人間の視界の範囲が考慮されて捕球範囲が設定されているため、キャラクタに視界の範囲内のボールオブジェクトを捕球させる動作を行わせることができ、違和感なく捕球動作を行わせることができる。
【0017】
(3)前記設定手段は、前記キャラクタが前記視線方向に向けて移動している場合は、前記キャラクタの移動距離が長くなるにつれて、前記視線方向に向けて細長く延びるように前記捕球範囲を変形させることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、キャラクタが移動している場合は、キャラクタの移動距離が長くなるにつれて、捕球範囲が視線方向に向けて細長く延びるように変形される。これは、例えば現実の野球においても、野手が捕球のためにボールに向かって走れば、当然ながら野手が静止している場合に比べて、ボールと野手を結ぶラインに沿った守備範囲は長くなるので、同様の設定をゲーム上に反映するとともに、野手がボールに向かって加速するほど、ボールとの距離が離れていても捕球する可能性が高くなることを、捕球範囲を視線方向に向けて細長く延びるように変形させることで擬似的に表現したものである。
【0019】
なお、キャラクタの走行を実際に加速表示させると却って見づらくなることもあり、この加速表示させる態様に代えて、移動距離が長くなるにつれて、捕球範囲を視線方向に向けて細長く延ばす態様を採用している。
【0020】
一方、ボールオブジェクトとキャラクタとを結ぶラインと交差する方向(幅方向)については、上記とは逆にキャラクタの捕球の余裕が低減することを擬似的に表現するために、移動距離が長くなるにつれて狭くなるように変形させている。
【0021】
(4)前記判定手段は、前記操作部が前記捕球指令を受け付けてから一定期間経過するまでに、再度、前記捕球指令を受け付けた場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたか否かを判定する処理を実行しないことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、プレーヤは捕球指令を入力してから一定期間経過するまでに再度捕球指令を入力したとしても、キャラクタがボールオブジェクトを捕球することができたか否かの判定処理が実施されない。そのため、プレーヤが何度でも捕球指令を入力することができる態様を採用した場合に比べて、ゲームの難易度を高め、ゲームの興趣性を増大させることができる。
【0023】
すなわち、仮に、プレーヤの捕球指令(ボタン操作)に応じてそのまま都度、単純に捕球判定を行ってしまうと、プレーヤによっては、ボールオブジェクトがキャラクタに近接してきたタイミングで、ボタンを無闇に連続的に乱打し、捕球の可能性を高めることも可能となってしまう。この場合、ボールの落下に合わせて適正にグローブを閉じて捕球しようとするプレーヤがいる一方で、不公正なプレイが許容されてしまうことなる。
【0024】
そこで、上記構成を採用すれば、ボタンを乱打してグローブがそのボタン操作に合わせて連続的に開閉されたとしても、内部処理的に、一定期間経過するまでは捕球判定を行わないようにしているので、上記のような不公平なプレイを回避できる。すなわち、連続的にボタン操作を行なうことで、そのいずれかのタイミングで捕球がされるであろうといったプレーヤの安易な操作を排除でき、プレーヤの操作性の巧拙を適正に反映できるゲームを実現することができる。
【0025】
(5)前記ゲームは、野球ゲームであり、前記操作部に前記捕球指令が入力された場合、前記キャラクタにグローブを閉じる動作を行わせるキャラクタ動作制御手段を更に備え、前記判定手段は、前記捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力された場合、前記ボールオブジェクトが、前記捕球範囲内に位置し、且つ前記キャラクタが前記グローブを閉じるタイミングで前記グローブ内またはその近傍に位置する場合に、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、キャラクタがグローブを閉じるタイミングでボールオブジェクトがグローブ内又はその近傍に位置する場合に、キャラクタがボールオブジェクトを捕球することができたと判定されるため、ボールオブジェクトが捕球範囲内に位置しているときに捕球指令を出せば捕球できる場合に比して、さらに難易度が向上されることとなり、ゲームの興趣性をより増大させることができる。
【0027】
(6)前記キャラクタ動作制御手段は、前記操作部に前記捕球指令が入力されてから前記一定期間経過するまで、次の捕球指令に基づく前記グローブの開閉を禁止することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、捕球指令が入力されてから一定期間経過するまで次の捕球指令が入力されたとしても、この次の捕球指令に応じてキャラクタが動作しないため、現在、キャラクタにボールオブジェクトを捕球させることができないことをプレーヤに明示することができる。すなわち、上記(4)の構成においては、内部処理的に、不公平な操作を受け付けないように判定処理していたが、本構成ではさらに、見た目上でも、例えばグローブの開閉動作自体が一定期間、行われないようにしたものである。従って、仮にプレーヤが連続的にボタンを押すといった不公平な操作を行おうとしても、1回ボタン操作を行うと、その後にグラブが一定期間開閉しないということを視認できるので、不公平な操作自体ができないということをプレーヤに教示できる。また、このような不公平な操作の場合、概ね、プレーヤは早めにボタン操作を行いだすので、その行為自体によって、次のグラブ開閉が一定期間行えなくなることから、本来の適正な捕球タイミングを自ら逃してしまうことにもつながり、一種のペナルティを与える効果も生じる。
【0029】
(7)前記キャラクタ動作制御手段は、前記操作部により前記捕球指令が受け付けられた場合、前記キャラクタにグローブを閉じる動作を行わせ、前記判定手段により前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができなかったと判定された場合、前記キャラクタにグローブを開く動作を実行させ、前記一定期間は、前記キャラクタがグローブを閉じる動作を開始してから開く動作を終了するまでの期間を基に定められていることが好ましい。
【0030】
この構成は上記(5)または(6)のさらに具体的な構成を示すもので、本構成によれば、プレーヤは、キャラクタがグローブを閉じる動作を開始してから捕球することができずにグローブを開く動作を終了させるまでの一定期間、捕球指令を入力しても、判定手段による判定処理が実行されない。そのため、キャラクタがグローブを閉じているにも拘わらず、ボールオブジェクトが捕球されるというようなキャラクタの不自然な動作を防止することができ、ゲームのリアル性を高めることができる。なお、本構成が(6)の構成の具体的な例である場合には、以下の仕様とすることができる。すなわち、一旦、捕球のためにグローブを閉じると、そのまま一定期間はグローブが開かない仕様とすることができる。この一定期間は、見た目上においてもグローブが閉じていることから当然ながらボールを捕球できないし、内部処理的にも捕球判定は行われない。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ボールオブジェクトをキャラクタに捕球させるに際し、従来のようにキャラクタをボール捕球位置に移動させる以外の操作をプレーヤに課すことができ、興趣性の高いゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態によるゲーム装置が実施する野球ゲームにおいて表示される画面図の一例を示している。
【図4】(A)〜(C)は、守備キャラクタに設定された捕球範囲の一例を示した図であり、(A)は上方向から守備キャラクタを見た場合を示し、(B)は横方向から守備キャラクタを見た場合を示し、(C)は正面から守備キャラクタを見た場合を示している。
【図5】(A)、(B)、(C)は捕球範囲が変形する様子を模式的に示した図であり、(A)〜(C)に進むにつれて時間が経過している。
【図6】捕球範囲が変形する様子を具体的に示した図である。
【図7】守備キャラクタがグローブを開閉する様子を示した図であり、(A)はグローブが開いた状態を示し、(B)はグローブが閉じた状態を示している。
【図8】本発明の実施の形態によるゲーム装置が、野球ゲームを実行する際の処理を示すフローチャートである。
【図9】打撃されたボールオブジェクトがフライの弾道パターンに従って移動表示される様子を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明するが、本発明はこの例に特に限定されず、モニタが一体に構成された携帯用のゲーム装置若しくは携帯電話、又は本発明によるゲーム制御プログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0034】
図1に示すゲーム装置は家庭用ゲーム機100及びテレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100には、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填され、ゲームプログラムが適宜読み出されてゲームが実行される。
【0035】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース回路(I/F)13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。テレビジョン200はテレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0036】
CPU1はバスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2はアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース回路13を相互に接続している。
【0037】
描画プロセッサ10はバッファ14に接続される。音声プロセッサ11はバッファ15及び増幅回路22に接続される。デコーダ12はバッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続される。インターフェース回路13はメモリ18及びコントローラ19に接続される。
【0038】
テレビジョン200のテレビジョンモニタ21は描画プロセッサ10に接続される。スピーカ23は増幅回路22に接続される。
【0039】
また、ゲーム装置がパーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、テレビジョンモニタ21等はコンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10、及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているゲーム制御プログラムのデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9、及びインターフェース回路13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0040】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3はCPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0041】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離に応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0042】
インターフェース回路4は周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)等で構成される。ROM6にはゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0043】
伸張回路7は動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理はデコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、イントラ画像の復元処理等を含む。
【0044】
描画プロセッサ10は所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0045】
バッファ14は例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアはテレビジョンモニタ21の表示面上に表示する画像データの展開エリアで構成される。非表示エリアはスケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアで構成される。
【0046】
ここで、テクスチャデータは2次元の画像データである。カラーパレットデータはテクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、CPU1はこれらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに記録する。
【0047】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0048】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0049】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データはCPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0050】
ポリゴン頂点アドレスデータはバッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0051】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、テレビジョンモニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。
【0052】
すなわち、CPU1はグラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持している各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。
【0053】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3は各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0054】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0055】
描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、テレビジョンモニタ21の表示画面上には、多数のポリゴンにテクスチャの貼り付けられた物体が表示される。
【0056】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3が座標変換することによって得られる。
【0057】
音声プロセッサ11は記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive
Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させ、バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0058】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0059】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11はこの音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。
【0060】
記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0061】
記録媒体ドライブ17は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は記録媒体ドライブ17からの再生したデータに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0062】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持する等のように、中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0063】
コントローラ19は操作者であるプレーヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレーヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19には、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L、右方向キー19R、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1、R2ボタン19R2、スタートボタン19e、セレクトボタン19f、左スティック19SL及び右スティック19SRが設けられている。
【0064】
上方向キー19U、下方向キー19D、左方向キー19L及び右方向キー19Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ21の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0065】
スタートボタン19eは記録媒体300からゲームプログラムをロードするようにCPU1に指示するため等に使用される。セレクトボタン19fは記録媒体300からメインメモリ5にロードされるゲームプログラムに関する各種選択をCPU1に指示するため等に使用される。
【0066】
左スティック19SL及び右スティック19SRを除くコントローラ19の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0067】
左スティック19SL及び右スティック19SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは直立したスティックを有し、このスティックの所定位置を支点として前後左右を含む360°方向に亘って傾倒可能な構成になっている。左スティック19SL及び右スティック19SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とする左右方向のx座標及び前後方向のy座標の値を操作信号としてインターフェース回路13を介してCPU1に送出する。
【0068】
なお、第1ボタン19a、第2ボタン19b、第3ボタン19c、第4ボタン19d、L1ボタン19L1、L2ボタン19L2、R1ボタン19R1及びR2ボタン19R2は、記録媒体300からロードされるゲーム制御プログラムに応じて種々の機能に使用される。
【0069】
次に、上記のゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体300からゲームプログラムを読み出すように、CPU1は記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ及びプログラムデータはデコーダ12に供給され、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0070】
デコーダ12によってエラー訂正処理が施された画像データは、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施された音声データは、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0071】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲーム制御プログラム及びプレーヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてゲームを進行させる。すなわち、プレーヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1は画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0072】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3が求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0073】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0074】
次に、記録媒体300に記録されているゲームプログラムに基づいて実行されるゲームについて説明する。本実施の形態におけるゲームは、野球ゲームを題材としたものである。
【0075】
図3は、本発明の実施の形態によるゲーム装置が実施する野球ゲームにおいて表示される画面図の一例を示している。以下、本ゲーム装置によって行われる野球ゲームの概要について説明する。図3に示すように、野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBLを投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBLをバットオブジェクBTにより打撃し、打撃されたボールオブジェクトBLを図略の守備キャラクタ(投手キャラクタCL2を含む)が捕球する野球ゲームである。
【0076】
本実施の形態における野球ゲームでは、プレーヤが操作するチームと他のチームとが対戦する。プレーヤが操作するチームがディフェンスの場合に、プレーヤが、前述のコントローラ19を用いて、投手キャラクタCL2を操作してボールオブジェクトBLを投じさせ、ゲーム装置が打者キャラクタCL1にこのボールオブジェクトBLを打ち返す動作を行わせる。そして、ゲーム装置側が選んだ守備キャラクタ又はプレーヤが選んだ守備キャラクタをプレーヤがコントローラ19を操作して移動させることでボールオブジェクトを捕球するものである。
【0077】
また、本野球ゲームが実行されるゲーム空間は、x軸、y軸、z軸の相互に直交する3軸によって各位置が規定される仮想3次元空間である。ここで、x軸及びy軸は例えばゲーム空間の地表面を規定し、y軸は例えばピッチャーマウンド及びホームベース間の方向と平行な方向を規定し、z軸は例えば地表面と直交する鉛直方向を規定する。
【0078】
次に、上記のように構成されたゲーム装置を用いて野球ゲームを行う場合のゲーム装置の主要な機能について説明する。図2は、図1に示すゲーム装置の主要機能ブロック図である。
【0079】
図2に示すように、ゲーム装置は、機能的には、操作部410、表示部420、プログラム実行部430、データ記憶部440、及びプログラム記憶部450を含む。
【0080】
操作部410は、コントローラ19等から構成され、プレーヤによりゲームを進行する上で必要となる種々の入力を受け付ける。本実施の形態では、特に、守備キャラクタをゲーム空間内で移動させるためにプレーヤにより入力される移動指令を受け付ける。また、操作部410は、ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するためにプレーヤにより入力された捕球指令を受け付ける。
【0081】
表示部420は、図1に示すテレビジョン200により構成され、プログラム実行部430の制御の基、種々の画像を表示する。
【0082】
プログラム実行部430は、図1に示すCPU1により構成され、ゲーム進行制御部431、ボールオブジェクト移動部432、キャラクタ移動部433、設定部434、判定部435、及びキャラクタ動作制御部436を備えている。
【0083】
ゲーム進行制御部431は、本野球ゲームの進行させるためのものである。例えば、ゲーム進行制御部431は、プレーヤが操作するチームがディフェンス側についている場合は、投手キャラクタに投球動作を行わせるために入力されるプレーヤからの投球指令が操作部410により受け付けられると、投手キャラクタが投球動作を行うようにキャラクタ動作制御部436に指示を与え、ボールオブジェクトが投手キャラクタからホームベースに向かって移動表示されるように、ボールオブジェクト移動部432に指示を与える。
【0084】
これにより、投手キャラクタは投球動作を行うように表示部420に表示されると共に、ボールオブジェクトは投手キャラクタからホームベースに向けて移動表示される。ここで、投球指令には、例えばボールオブジェクトの球種、速度、及びコース等を指定するための指令が含まれている。
【0085】
また、ゲーム進行制御部431は、打者キャラクタにボールオブジェクトを打撃させるか否かを決定し、打撃させると判定した場合は、打撃されたボールオブジェクトの弾道パターンを決定するようにボールオブジェクト移動部432に指示を与える。
【0086】
また、ゲーム進行制御部431は、打者キャラクタにボールオブジェクトを打撃させると判定した場合は、打者キャラクタが打撃動作を行うようにキャラクタ動作制御部436に指示を与える。これにより、打者キャラクタは打撃動作を行うように表示部420に表示される。
【0087】
ボールオブジェクト移動部432は、ゲーム進行制御部431から、ボールオブジェクトをホームベースに向けて移動表示させる指示を受け付けると、予め定められた複数の弾道パターンの中から、抽選処理によって1つの弾道パターンを決定し、決定した弾道パターンにしたがって、ボールオブジェクトを投手キャラクタからホームベースに向けて移動表示させる。
【0088】
ここで、ボールオブジェクト移動部432は、投球指令に含まれるボールオブジェクトの球種、速度、コース、及び投手キャラクタに対して予め定められた能力値にしたがって、各弾道パターンの抽選確率を設定し、設定した抽選確率に従った抽選処理を行うことで、弾道パターンを決定すればよい。
【0089】
また、ボールオブジェクト移動部432は、ゲーム進行制御部431から、打撃されたボールオブジェクトの弾道パターンを決定する指示を受け付けると、予め定められた複数の弾道パターンの中から、抽選処理によって1つの弾道パターンを決定し、決定した弾道パターンにしたがって、ボールオブジェクトを移動表示させる。
【0090】
ここで、ボールオブジェクト移動部432は、打者キャラクタに対して予め定められた能力値を用いて、各弾道パターンの抽選確率を設定し、設定した抽選確率にしたがった抽選処理を実行することで、1つの弾道パターンを決定すればよい。
【0091】
これらのボールオブジェクトの弾道パターンは、ボールオブジェクトの質量、重力加速度及び空気抵抗等を考慮に入れた運動方程式を計算することで予め算出されたものである。
【0092】
キャラクタ移動部433は、守備キャラクタをゲーム空間内で移動させるために操作部410を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、守備キャラクタをゲーム空間内で移動させる。
【0093】
ここで、キャラクタ移動部433は、ボールオブジェクト移動部432により、決定された弾道パターンと、各守備キャラクタとの距離を求め、この距離が最短となる1つの守備キャラクタを、プレーヤが移動させることができる守備キャラクタとして選定する。以下、プレーヤが移動させることができる守備キャラクタを守備キャラクタCXと記述する。
【0094】
そして、キャラクタ移動部433は、移動指令によって定められた方向に守備キャラクタCXが移動するように、守備キャラクタCXを表示部420に移動表示させる。
【0095】
ここで、プレーヤは、例えば図1に示す左スティック19SL又は右スティック19SRを所望する方向に傾斜させることで、移動指令を入力する。したがって、キャラクタ移動部433は、左スティック19SL又は右スティック19SRが傾斜された方向と対応するゲーム空間内の方向に守備キャラクタを移動表示させる。
【0096】
本実施の形態では、左スティック19SL又は右スティック19SRが傾斜された方向は、ゲーム空間の地表面における方向に対応しているものとする。例えば、左スティック19SL又は右スティック19SRが上下方向を基準として時計回りにθの方向に傾斜された場合、キャラクタ移動部433は、地表面上において、上記のy軸に対して時計回りにθの方向に守備キャラクタを移動させる。
【0097】
また、本実施の形態では、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量によって、守備キャラクタCXの移動速度が規定される。したがって、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量が増大するにつれて、キャラクタ移動部433は、守備キャラクタCXの移動速度を高く設定する。これにより、プレーヤは、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量により守備キャラクタCXの移動速度を調節することができる。
【0098】
ここで、キャラクタ移動部433は、ボールオブジェクト移動部432により決定された弾道パターンがフライの場合は、ボールオブジェクトが最初に地表面に衝突する落下地点に対して、最短距離に位置する守備キャラクタを守備キャラクタCXとして選定すればよい。
【0099】
そして、フライのボールオブジェクトを守備キャラクタCXが捕球できなかった場合は、以降においては、ボールオブジェクトに対して最短距離に位置する守備キャラクタを守備キャラクタCXとして選定すればよい。
【0100】
また、キャラクタ移動部433は、ボールオブジェクト移動部432により決定された弾道パターンがゴロの場合は、弾道パターンに従ってゲーム空間内を移動するボールオブジェクトに対して最短距離に位置する守備キャラクタを守備キャラクタCXとして選定すればよい。
【0101】
なお、各弾道パターンは、予めゴロ及びフライに大別されているため、キャラクタ移動部433は、ボールオブジェクト移動部432により決定された弾道パターンがゴロであるかフライであるかを識別することができる。また、フライの弾道パターンにおいては、最初の落下地点も予め定められているため、キャラクタ移動部433は、フライの弾道パターンの最初の落下地点を認識することができる。
【0102】
また、キャラクタ移動部433は、弾道パターンにしたがって移動するボールオブジェクトとの距離が2番目に短い守備キャラクタを、守備キャラクタCXの候補キャラクタとして選択可能に表示し、プレーヤが、この候補キャラクタを選択した場合、選択された候補キャラクタを守備キャラクタCXとして選定してもよい。
【0103】
設定部434は、守備キャラクタCX及びボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、守備キャラクタCXがボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を守備キャラクタCXに設定する。
【0104】
図4(A)〜(C)は、守備キャラクタCXに設定された捕球範囲DEの一例を示した図であり、(A)は上方向から守備キャラクタCXを見た場合を示し、(B)は横方向から守備キャラクタCXを見た場合を示し、(C)は正面から守備キャラクタCXを見た場合を示している。
【0105】
なお、図4(A)では、守備キャラクタCXの中心OXを通り、かつ、地表面ESと平行な面における捕球範囲DEの断面が示されている。また、図4(B)では、視線方向ELを通り、かつ、地表面に直交する面における捕球範囲DEの断面が示されている。また、以下の説明では、捕球範囲DEを明示しているが、この捕球範囲DEの色は透明であるため、捕球範囲DEは表示部420に表示されない。つまり、プレーヤは表示部420を通じて捕球範囲DEを目視することはできない。
【0106】
図4(A)〜(C)に示すように、捕球範囲DEは、前記キャラクタの前方を覆うドーム形状を有する主面部SE1と主面部SE1の開口部を覆う底面部SE2とによって規定される立体形状を有している。
【0107】
ここで、設定部434は、ボールオブジェクトBL及び守備キャラクタCXの現在位置を結ぶ直線から守備キャラクタCXの視線方向ELを決定し、決定した視線方向ELに主面部SE1の頂点PK1が向くように捕球範囲DEを設定する。ボールオブジェクトBLの弾道はフレーム画像毎に時々刻々変化するため、守備キャラクタCXの視線方向ELも時々刻々変化する。この視線方向ELの変化に伴って、捕球範囲DEの向きも、頂点PK1が視線方向ELに位置するようにフレーム周期で変化することになる。
【0108】
底面部SE2は、視線方向ELに直交し、守備キャラクタCXの中心OXを通り、かつ、鉛直方向に平行な直線を境界線CLとする2枚の平面SE21,SE22により構成され、2枚の平面SE21,SE22間の視線方向EL側のなす角度φは、視線方向ELにより2等分され、かつ、180度に所定のマージンを与えた角度に設定されている。これにより、捕球範囲DEは、視線方向ELを中心として、左右対称な形状となる。
【0109】
ここで、角度φとしては、眼を正面に向けたときの左右方向における人間の視界に基づいて予め定められた値を採用することができる。また、中心OXとしては、楕円体形状を有する守備キャラクタCXの頭部分HEの重心を採用することができる。また、ドーム形状としては、守備キャラクタCXの中心OXを中心とする球面形状を採用することができる。
【0110】
また、捕球範囲DEの一部が地表面ESよりも下側に入った場合、この地表面ESよりも下側に入った領域DE’は、捕球範囲DEから取り除かれる。したがって、この場合、捕球範囲DEは、領域DE’を取り除いた部分、すなわち、主面部SE1と、底面部SE2と、地表面ESとによって覆われた立体空間となる。
【0111】
また、設定部434は、守備キャラクタCXが移動している場合は、守備キャラクタCXの移動距離が長くなるにつれて、視線方向ELに向けて細長く延びるように捕球範囲DEを変形させる。図5(A)、(B)、(C)は捕球範囲DEが変形する様子を模式的に示した図であり、(A)〜(C)に進むにつれて時間が経過している。
【0112】
図6は、捕球範囲DEが変形する様子を具体的に示した図である。なお、図6においては、実線が現在設定されている捕球範囲DEを示し、点線が変形後の捕球範囲DEAを示している。また、図6において、説明の便宜上、守備キャラクタCXは停止しており、視線方向ELは一定としている。
【0113】
図6に示すように、設定部434は、守備キャラクタCXの移動指令が入力されてから1フレーム周期が経過する毎に、移動指令の入力が終了しているか否かを判定し、終了していない場合は、現在から過去1フレーム周期における守備キャラクタCXの移動距離を決定し、決定した移動距離に従って、現在の捕球範囲DEにおける中心OXと頂点PK1との距離を視線方向ELに沿って長さdL1だけ増大させると共に、境界線CLを中心OXを基準として両端のそれぞれから長さdL2だけ減少させることで、捕球範囲DEを変形させる。
【0114】
本実施の形態では、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量が増大するにつれて、守備キャラクタCXの移動速度は増大するため、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量が増大するにつれて1フレーム周期における守備キャラクタCXの移動距離は増大する。
【0115】
よって、設定部434は、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量と1フレーム周期における守備キャラクタCXの移動距離との関係を予め定めておき、この関係にしたがって、守備キャラクタCXの1フレーム周期における移動距離を求めればよい。
【0116】
また、設定部434は、1フレーム周期における守備キャラクタCXの移動距離と、長さdL1,dL2との関係を予め定めておき、1フレーム周期における移動距離が定まると、この移動距離に対応する長さdL1,dL2を求め、捕球範囲DEを変形すればよい。
【0117】
また、設定部434は、プレーヤが移動指令を入力している場合、操作部410から移動指令を示す信号が出力されるため、この移動指令を示す信号の出力が停止されてから一定期間以上経過するまでに、移動指令を示す信号が出力されなかった場合、プレーヤによる移動指令の入力が終了したと判定する。
【0118】
これにより、移動指令の入力が開始されてから、守備キャラクタCXの移動方向が変化される等して、操作部410から出力される移動指令を示す信号が多少途切れたとしても、設定部434により移動指令の入力が終了したと判定されることが防止される。
【0119】
また、設定部434は、変形の前後で捕球範囲DEの体積が一定となるように捕球範囲DEを変形させてもよい。この場合、長さdL1と長さdL2とは、変形の前後で捕球範囲DEの体積が一定となるような関係を有する予め定められた値に設定しておけばよい。
【0120】
以上の処理により、図5(A)〜(B)に示すように、守備キャラクタCXが移動している場合、移動距離が長くなるにつれて、捕球範囲DEは視線方向ELに向けて細長く延びるように変形される。
【0121】
図2に戻り、判定部435は、ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するためにプレーヤにより入力された捕球指令が操作部410により受け付けられたときに、ボールオブジェクトが捕球範囲内に位置する場合、守備キャラクタCXがボールオブジェクトを捕球することができたと判定する。
【0122】
具体的には、操作部410はプレーヤからの捕球指令を受け付けると、捕球指令を受け付けたことを示す信号をプログラム実行部430に出力するため、判定部435は、この信号を受信したときを、捕球タイミングとする。
【0123】
キャラクタ動作制御部436は、操作部410に捕球指令が入力された場合、守備キャラクタCXにグローブを閉じる動作を行わせる。
【0124】
図7は、守備キャラクタCXがグローブGVを開閉する様子を示した図であり、(A)はグローブGVが開いた状態を示し、(B)はグローブGVが閉じた状態を示している。
【0125】
図7(A)に示すように、キャラクタ動作制御部436は、プレーヤにより捕球指令が入力されると、グローブGVが開いた状態の守備キャラクタCXの画像を表示部420に表示させる。そして、判定部435により、守備キャラクタCXが捕球できたと判定された場合、キャラクタ動作制御部436は、図7(B)に示すように、グローブGVを閉じてボールオブジェクトBLを捕球した状態の守備キャラクタCXの画像を表示部420に表示する。
【0126】
一方、判定部435により、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLを捕球することができなかったと判定された場合は、キャラクタ動作制御部436は、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLを捕球することなくグローブGVを閉じた画像、つまり、図7(B)において、ボールオブジェクトBLがない状態の画像を表示部420に表示させる。その後、キャラクタ動作制御部436は、図7(A)に示すグローブGVが開いた状態の守備キャラクタCXの画像を表示部420に表示させる。
【0127】
もちろん、キャラクタ動作制御部436は、守備キャラクタCXがグローブGVを開閉する動作を示す画像を表示する際、守備キャラクタCXの動作を開始時の画像と動作終了時の画像とを表示する間に、図7(A)〜(B)の画像を補間する画像を表示部420に表示させ、守備キャラクタCXのグローブGVの開閉動作を滑らかに再現させる。
【0128】
図2に戻り、キャラクタ動作制御部436は、操作部410に捕球指令が入力されてから一定期間経過するまで、次の捕球指令に基づくグローブの開閉を禁止する。
【0129】
この場合、判定部435は、操作部410が捕球指令を受け付けてから一定期間経過するまでに、再度、捕球指令を受け付けたとしても、守備キャラクタCXがボールオブジェクトを捕球することができたか否かを判定する処理を実行しない。そのため、プレーヤは、一定期間内に次の捕球指令を入力したとしても、守備キャラクタCXにボールオブジェクトを捕球させることができなくなる。
【0130】
ここで、一定期間としては、守備キャラクタCXがグローブを閉じる動作を開始してから開く動作を終了するまでの期間となり、例えば0.5秒程度の値が設定されている。
【0131】
上述したように、捕球指令が入力されると、図7(A)に示すように、キャラクタCXはグローブGVを閉じる動作を開始する。そして、一定期間内、すなわち、キャラクタCXがグローブGVを閉じる動作を開始してからグローブGVを全閉した後、グローブGVを開く動作を開始し、グローブGVが全開されるまでの期間に、次の捕球指令が入力されたとしても、守備キャラクタCXは、次の捕球指令に応じてグローブGVの開閉動作を行わない。つまり、守備キャラクタCXは、前回の捕球指令に応じて開始した、グローブGVの開閉動作を継続して行う。これにより、プレーヤは現在、守備キャラクタCXがボールオブジェクトを捕球することができない状態にあることを認識することができる。
【0132】
なお、上記の説明は、守備キャラクタCXによるグローブGVの開閉動作が比較的ゆっくり行われることを前提として説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0133】
例えば、守備キャラクタCXがグローブGVを全開から全閉にするまでの期間及び全閉から全開にするまでの期間を上記の態様よりも極めて短い期間で行うとした場合、以下の態様を採用してもよい。
【0134】
すなわち、捕球指令が入力され、守備キャラクタCXがグローブGVを閉じる動作を開始し、グローブGVを全閉し、この全閉した状態をしばらく継続した後、再度グローブを開く動作を開始するようにしてもよい。この態様の場合、一定期間の大部分において、グローブGVが全閉された状態になる。そして、この一定期間において、次の捕球指令が入力されたとしても、守備キャラクタCXは、この次の捕球指令に応答することなく、グローブGVを全閉した状態に保つことになる。この場合、捕球指令を入力しても、グローブGVの全閉状態が継続されるため、プレーヤは、現在、守備キャラクタCXがボールオブジェクトを捕球することができない状態にあることを認識することができる。
【0135】
データ記憶部440は、例えばメインメモリ5から構成され、画像記憶部441として機能する。画像記憶部441は、本野球ゲームを実現するにあたり必要となる画像データを記憶するものであり、例えば、守備キャラクタ、打者キャラクタ、バットオブジェクト、野球場の背景画像、投手キャラクタ等の画像データを記憶する。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点からレンダリングすることにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0136】
プログラム記憶部450は、例えば記録媒体ドライブ17等から構成され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体451を含む。記録媒体451は、記録媒体300から構成され、本発明によるゲーム制御プログラムを記憶している。なお、記録媒体451からゲーム制御プログラムが読み取られ、当該ゲーム制御プログラムがメインメモリ5に記録されている場合、メインメモリ5がプログラム記憶部450として機能する。
【0137】
図8は、本発明の実施の形態によるゲーム装置が、野球ゲームを実行する際の処理を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートでは、打撃されたボールオブジェクトBLが捕球されるまで、守備キャラクタCXは変更されないものとする。まず、ステップS1において、ゲーム進行制御部431は、表示部420に、打者キャラクタ、バットオブジェクト、野球場の背景画像、投手キャラクタ、及び野手キャラクタ等の画像データを画像記憶部441から読み出して表示させ、初期設定を行う。この場合、表示部420には、例えば図3に示すような画像が表示される。
【0138】
次に、プレーヤにより操作部410を用いて投球指令が入力されると、キャラクタ動作制御部436は、投手キャラクタCL2が投球動作を行うように投手キャラクタCL2の表示態様を変更させ、ボールオブジェクト移動部432は、プレーヤにより指定された球種、コース、及び投手キャラクタの能力値等に従って、ボールオブジェクトBLが捕手キャラクタに到達するまでの弾道パターンを抽選処理により決定し、決定した弾道パターンにしたがったボールオブジェクトBLの移動表示を開始させる(ステップS2)。
【0139】
次に、ゲーム進行制御部431は、打者キャラクタCL1にボールオブジェクトBLを打撃させるか否かを上述した抽選処理によって決定し、打撃させると判定した場合(ステップS3でYES)、処理をステップS4に進める。一方、ゲーム進行制御部431は、打者キャラクタCL1に打撃させないと判定した場合(ステップS3でNO)、打者キャラクタCL1に空振りさせるか、見送りさせるかを決定し、空振り処理又は見送り処理を実行し(ステップS15)、処理を終了する。
【0140】
なお、ゲーム進行制御部431が打者キャラクタCL1に空振りさせると決定した場合、キャラクタ動作制御部436は、空振り動作を行うように打者キャラクタCL1の表示態様を変更させる。一方、ゲーム進行制御部431が打者キャラクタCL1に見送りさせると決定した場合、キャラクタ動作制御部436は、ボールオブジェクトBLを捕球させるように捕手キャラクタ(図略)の表示態様を変更させる。
【0141】
次に、ボールオブジェクト移動部432は、上述したように、打撃されたボールオブジェクトBLの弾道パターンを抽選処理により決定する(ステップS4)。
【0142】
次に、キャラクタ移動部433は、ステップS4により決定された弾道パターンから、プレーヤが操作可能な守備キャラクタCXを選定する(ステップS5)。次に、設定部434は、ステップS5で選定された守備キャラクタCXに対して図4に示す捕球範囲DEを設定する(ステップS6)。
【0143】
図9は、打撃されたボールオブジェクトBLがフライの弾道パターンに従って移動表示される様子を示した模式図である。図9に示すように、ボールオブジェクトBLがフライの弾道を描く場合、守備キャラクタCXは、プレーヤからの移動指令に従って移動されるが、他の守備キャラクタCAは、最初の落下地点DPに向かって図9の矢印に示すような軌道を描いて移動する。つまり、他の守備キャラクタCAは、落下地点DPに向けて直線状に移動するのではなく、弾道パターンに近づきつつ、落下地点DPに近づくような双曲線状の軌道を描いて移動する。これにより、他の守備キャラクタCAが落下地点DPをあたかも知っているように移動することを防止することができ、ゲームのリアル性が高められている。
【0144】
次に、操作部410によりプレーヤからの移動指令が入力されると(ステップS7でYES)、キャラクタ移動部433は、入力された移動指令により示される方向及び移動速度にしたがって、地表面において守備キャラクタCXを移動させ(ステップS8)、移動する様子を随時、表示部420に表示させる。
【0145】
次に、設定部434は、プレーヤにより守備キャラクタCXの移動指令の入力が開始されてから現在までの守備キャラクタCXの移動距離を算出する(ステップS9)。つまり、設定部434は、上述したように、左スティック19SL又は右スティック19SRの傾斜量から定まるフレーム周期毎の守備キャラクタCXの移動距離を加算することで、移動距離を算出する(ステップS9)。
【0146】
次に、設定部434は、守備キャラクタCXに設定した捕球範囲DEを変形させる。ここで、設定部434は、守備キャラクタCXが移動している場合は、図5に示すように、体積を維持しつつ、移動を開始してから現在までの移動距離が増大するにつれて頂点PK1が視線方向ELに向けて細長く延びるように捕球範囲DEを変形させる(ステップS10)。
【0147】
一方、ステップS7において、プレーヤにより守備キャラクタCXの移動指令が入力されない場合(ステップS7でNO)、設定部434は、頂点PK1が視線方向ELを向くように捕球範囲DEの向きを変更する(ステップS11)。この場合、捕球範囲DEは形状が変化されることなく、視線方向ELの変動に従って向きのみが変更される。
【0148】
なお、設定部434は、ステップS7において、守備キャラクタCXの移動指令の入力が停止されたと判定した場合は、図5のように変形された捕球範囲DEを、図4に示すように主面部SE1が球面状である元の形状に戻す。
【0149】
次に、ステップS12において、プレーヤにより捕球指令が入力されると(ステップS12でYES)、判定部435は、前回捕球指令が入力されてから一定期間が経過したか否かを判定する(ステップS13)。そして、判定部435により一定期間が経過していると判定された場合(ステップS13でYES)、キャラクタ動作制御部436は、守備キャラクタCXにグローブGVの開閉動作を実行させる(ステップS14)。一方、判定部435は、一定期間が経過していないと判定した場合(ステップS13でNO)、処理をステップS7に戻す。つまり、一定期間内に次の捕球指令が入力されたとしても、判定部435は、この次の捕球指令に基づく判定処理を実行せず、キャラクタ動作制御部436は、この次の捕球指令に基づくグローブGVの開閉動作を実行しない。
【0150】
次に、判定部435は、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLの捕球に成功したか否かを判定する処理を実行する(ステップS15)。
【0151】
ここで、判定部435は、捕球指令に従って操作部410から出力された信号を受信した時に、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DEの内部に位置する場合は、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLを捕球することができたと判定する。
【0152】
一方、判定部435は、捕球指令に従って操作部410から出力された信号を受信した時に、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DEの内部に位置しない場合は、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLを捕球することができなかったと判定する。
【0153】
具体的には、判定部435は、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DEに接している、又は交わっている場合に、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DEの内部に位置すると判定すればよい。
【0154】
そして、判定部435が捕球に成功したと判定した場合(ステップS15でYES)、キャラクタ動作制御部436は、守備キャラクタCXの表示態様を、図7(B)に示す守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLの捕球に成功したことを示す表示態様に変更する捕球処理を行う(ステップS16)。これにより、プレーヤは、守備キャラクタCXが捕球に成功したことを認識することができる。
【0155】
また、キャラクタ動作制御部436は、守備キャラクタCXの移動距離が一定の距離以上となって、捕球範囲DEが鋭利になり、直立した姿勢ではボールオブジェクトBLを捕球すると、守備キャラクタCXの捕球動作が不自然となる場合、守備キャラクタCXをボールオブジェクトBLに向けてジャンプさせてボールオブジェクトBLを捕球させるように守備キャラクタCXを移動表示させてもよい。
【0156】
一方、判定部435が捕球に失敗したと判定した場合(ステップS15でNO)、処理がステップS7に戻され、ステップS7〜S15の処理が繰り返される。
【0157】
このように、本実施の形態によるゲーム装置によれば、守備キャラクタCX及びボールオブジェクトBLの現在の位置に基づいて、捕球範囲DEが守備キャラクタCXに設定される。そして、プレーヤにより捕球指令が入力されたときに、ボールオブジェクトBLが守備キャラクタCXに設定された捕球範囲DE内に位置すれば、守備キャラクタCXはボールオブジェクトBLを捕球できたと判定され、捕球範囲DE内に位置しなければ、守備キャラクタCXはボールオブジェクトBLを捕球できなかったと判定される。
【0158】
つまり、プレーヤには、守備キャラクタCXをボールオブジェクトBLに向けて移動させる操作に加えて、ボールオブジェクトBLの捕球タイミングを指定するための操作も課されることになる。これにより、守備キャラクタCXを移動させる操作のみが課される場合に比べて、ゲームの興趣性が増大し、特に上級者にとって、満足のいくゲームを提供することが可能となる。
【0159】
なお、ステップS15において、判定部435は、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DEの内部に位置すれば、捕球に成功したと判定したが、本発明はこれに限定されない。
【0160】
すなわち、判定部435は、捕球指令がプレーヤにより操作部410に入力された場合、ボールオブジェクトBLが捕球範囲DE内に位置し、且つグローブGVを閉じるタイミングでボールオブジェクトBLがグローブGV内又はその近傍に位置する場合に、守備キャラクタCXがボールオブジェクトBLを捕球することができたと判定してもよい。
【0161】
ここで、ボールオブジェクトBLがグローブGV内に位置する場合としては、例えばボールオブジェクトBLがグローブGVの内面と、前記内面の開口部を覆う底面とによって規定される3次元領域内に位置する(接する、交わる場合を含む)場合を採用することができる。底面としては、平面であってもよいし、外側に向けて、やや膨らんだ曲面を採用してもよい。
【0162】
また、ボールオブジェクトBLがグローブGVの近傍に位置する場合としては、グローブGVの内面と底面とによって規定される3次元領域を所定の拡大率で拡大させた少し大きめの3次元領域内にボールオブジェクトBLが位置する(接する、交わる場合を含む)場合を採用することができる。
【符号の説明】
【0163】
410 操作部
420 表示部
430 プログラム実行部
431 ゲーム進行制御部
432 ボールオブジェクト移動部(ボールオブジェクト移動手段)
433 キャラクタ移動部(キャラクタ移動手段)
434 設定部(設定手段)
435 判定部(判定手段)
436 キャラクタ動作制御部(キャラクタ動作制御手段)
BL ボールオブジェクト
CL 境界線
CX 守備キャラクタ
DE 捕球範囲
EL 視線方向
ES 地表面
GV グローブ
OX 中心
PK1 頂点
SE1 主面部
SE2 底面部
SE21,SE22 平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
プレーヤからの操作指令が入力される操作部と、
ゲーム空間内で前記ボールオブジェクトを移動させるボールオブジェクト移動手段と、
前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるために、前記操作部を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるキャラクタ移動手段と、
前記キャラクタ及び前記ボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を前記キャラクタに設定する設定手段と、
前記ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力されたときに、前記ボールオブジェクトが前記捕球範囲内に位置する場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定する判定手段とを備え、
前記捕球範囲は、前記キャラクタの前方を覆うドーム状の主面部と前記主面部の開口部を覆う底面部とによって規定される立体形状を有し、
前記設定手段は、前記ボールオブジェクト及び前記キャラクタの現在位置を結ぶ直線から前記キャラクタの視線方向を決定し、決定した視線方向に前記主面部の頂点が向くように前記捕球範囲を設定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記底面部は、前記視線方向に直交し、かつ、前記キャラクタの中心を通る直線を境界とする2枚の平面により構成され、
前記2枚の平面間の前記視線方向側のなす角度は、前記視線方向により2等分され、かつ、180度に所定のマージンを与えた角度に設定されていることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記キャラクタが前記視線方向に向けて移動している場合は、前記キャラクタの移動距離が長くなるにつれて、前記視線方向に向けて細長く延びるように前記捕球範囲を変形させることを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記操作部が前記捕球指令を受け付けてから一定期間経過するまでに、再度、前記捕球指令を受け付けた場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたか否かを判定する処理を実行しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームは、野球ゲームであり、
前記操作部に前記捕球指令が入力された場合、前記キャラクタにグローブを閉じる動作を行わせるキャラクタ動作制御手段を更に備え、
前記判定手段は、前記捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力された場合、前記ボールオブジェクトが、前記捕球範囲内に位置し、且つ前記キャラクタが前記グローブを閉じるタイミングで前記グローブ内またはその近傍に位置する場合に、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定することを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記キャラクタ動作制御手段は、前記操作部に前記捕球指令が入力されてから前記一定期間経過するまで、次の捕球指令に基づく前記グローブの開閉を禁止することを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記キャラクタ動作制御手段は、前記操作部により前記捕球指令が受け付けられた場合、前記キャラクタにグローブを閉じる動作を行わせ、前記判定手段により前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができなかったと判定された場合、前記キャラクタにグローブを開く動作を実行させ、
前記一定期間は、前記キャラクタがグローブを閉じる動作を開始してから開く動作を終了するまでの期間を基に定められていることを特徴とする請求項5又は6記載のゲーム装置。
【請求項8】
キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、
ゲーム空間内で前記ボールオブジェクトを移動させるボールオブジェクト移動手段と、
前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるために、操作部を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるキャラクタ移動手段と、
前記キャラクタ及び前記ボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を、前記キャラクタに設定する設定手段と、
前記ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力されたときに、前記ボールオブジェクトが前記捕球範囲内に位置する場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定する判定手段としてコンピュータを機能させ、
前記捕球範囲は、前記キャラクタの前方を覆うドーム状の主面部と前記主面部の開口部を覆う底面部とによって規定される立体形状を有し、
前記設定手段は、前記ボールオブジェクト及び前記キャラクタの現在位置を結ぶ直線から前記キャラクタの視線方向を決定し、決定した視線方向に前記主面部の頂点が向くように前記捕球範囲を設定することを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項9】
キャラクタがボールオブジェクトを捕球するゲームの進行をゲーム装置に制御させるゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置が、ゲーム空間内で前記ボールオブジェクトを移動させるボールオブジェクト移動ステップと、
前記ゲーム装置が、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるために、操作部を用いてプレーヤにより入力される移動指令にしたがって、前記キャラクタを前記ゲーム空間内で移動させるキャラクタ移動ステップと、
前記ゲーム装置が、前記キャラクタ及び前記ボールオブジェクトの現在の位置に基づいて、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができる捕球範囲を、前記キャラクタに設定する設定ステップと、
前記ゲーム装置が、前記ボールオブジェクトの捕球タイミングを指定するための捕球指令がプレーヤにより前記操作部に入力されたときに、前記ボールオブジェクトが前記捕球範囲内に位置する場合、前記キャラクタが前記ボールオブジェクトを捕球することができたと判定する判定ステップとを備え、
前記捕球範囲は、前記キャラクタの前方を覆うドーム状の主面部と前記主面部の開口部を覆う底面部とによって規定される立体形状を有し、
前記設定ステップは、前記ボールオブジェクト及び前記キャラクタの現在位置を結ぶ直線から前記キャラクタの視線方向を決定し、決定した視線方向に前記主面部の頂点が向くように前記捕球範囲を設定することを特徴とするゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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