説明

ゲーム装置、ゲーム用プログラム、及びゲーム用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】本発明は複数のプレイヤーによる入力操作の同期性を評価基準に用いるゲーム装置に関し、複数のプレイヤーにより行われる入力操作の同期性を評価し、その同期性の結果をプレイヤーに表示することを目的とする。
【解決手段】複数のプレイヤーのそれぞれにより操作されるべき複数の入力機器を供える。複数の入力機器が操作されるタイミングの同期性を判断する。その同期性の結果として、Cool、Good、Bad等の結果をプレイヤーに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム用プログラム、及びゲーム用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に係り、特に、複数のプレイヤーによる入力操作の同期性を評価基準に用いるゲーム装置、およびそのゲーム装置をコンピュータ上で実現するためのプログラム並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽に合わせてコンピュータの指定するタイミングで入力操作を行い、その巧拙を競う音楽ゲームが知られている。このような音楽ゲームには、一般に、プレイヤーが1人で楽しむためのモード(1Pモード)に加えて、2人のプレイヤーが対戦形式でゲームを楽しむためのモード(2Pモード)が準備されている。2Pモードによる音楽ゲームの進行中は、コンピュータによって指定される入力タイミングに合わせて、2人のプレイヤーによってそれぞれ入力操作が行われる。
【0003】
従来のゲーム装置は、この場合、コンピュータの指定タイミングとプレイヤーの入力タイミングとのずれをプレイヤー毎に検出し、その検出結果に応じて、プレイヤー毎に得点を計算する。上記の処理が実行されることにより、2Pモードを選択したプレイヤーは、お互いの得点を競って音楽ゲームを楽しむことができる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−037935号公報
【非特許文献1】「アルカディア vol.02(サンバDEアミーゴ)」株式会社アスキー2000年3月4日第2巻p.86〜87
【非特許文献2】KONAMI OFFICIAL GUIDE パーフェクトシリーズ ダンス ダンス レボリューション 2nd ReMIX パーフェクトガイド 初版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、音楽演奏などを複数人の協同作業で行う場合には、演奏者同士のリズムが揃っていることが重要である。しかし、上述した従来の音楽ゲーム用装置では、2Pモードでゲームが実行される場合にも、すなわち、複数のプレイヤーの協同作業でゲームが進められる場合にも、プレイヤーの入力タイミング同士の同期性が評価基準とされることはなかった。より一般的には、従来、複数のプレイヤーが協同作業でゲームを進行させる場合に、プレイヤーの入力タイミング同士を比較し、その同期性を評価基準として用いるゲーム装置は存在しなかった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、複数のプレイヤーにより行われる入力操作の同期性を評価し、その同期性の結果をプレイヤーに表示するゲーム装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、上記のゲーム装置をコンピュータ上で実現するためのゲーム用プログラムを提供することを第2の目的とする。
更に、本発明は、上記のゲーム用プログラムを記録した記録媒体を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ゲーム装置であって、
複数のプレイヤーのそれぞれにより操作される複数の入力機器と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して、タイミングポイントと、一列に並んだ音符列とを表示するための表示部と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して表示される前記タイミングポイント及び前記音符列を、個々の音符が順次タイミングポイントと重なるように、相対的に移動させることで、前駆複数のプレイヤーのそれぞれに前記入力機器を操作すべきタイミングを指示するタイミング指示手段と、
前記複数の入力機器が操作されるそれぞれのタイミング同士の同期性を判断する同期性判断手段と、
前記同期性の結果をプレイヤーに表示する同期結果表示手段と、
を供えることを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記タイミング指示手段は、前記複数のプレイヤーのそれぞれに、前記入力機器を操作すべきタイミングを、所望の音楽を伴って指示することを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明は、ゲーム用プログラムであって、
複数のプレイヤーのそれぞれにより、複数の入力機器のそれぞれが操作されるタイミングを検出する手段と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して、タイミングポイントと、一列に並んだ音符列とを表示するための表示手段と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して表示される前記タイミングポイント及び前記音符列を、個々の音符が順次タイミングポイントと重なるように、相対的に移動させることで、前駆複数のプレイヤーのそれぞれに前記入力機器を操作すべきタイミングを指示するタイミング指示手段と、
前記複数の入力機器が操作されるそれぞれのタイミング同士の同期性を判断する同期性判断手段と、
前記同期性の結果をプレイヤーに表示する同期結果表示手段と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記タイミング指示手段は、前記複数のプレイヤーのそれぞれに、前記入力機器を操作すべきタイミングを、所望の音楽を伴って指示することを特徴とする。
【0011】
また、第5の発明は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、第3又は第4の発明に係るゲーム用プログラムが記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のプレイヤーの入力操作の同期性をプレイヤーに表示することで、プレイヤーにとっての娯楽性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態1のゲーム装置について説明する。
図1は、本実施形態のゲーム装置10の外形を表す斜視図を示す。また、図2は、本実施形態のゲーム装置10の内部構造を表すブロック図を示す。尚、本実施形態のゲーム装置は、ゲームセンターなどに設置されるアーケード装置であるが、本発明は家庭用ゲーム装置に適用してもよい。
【0014】
図2に示すように、本実施形態のゲーム装置は、中央演算処理ユニット12(CPU:Central Processing Unit)を備えている。CPU12には、バスライン14を介して、読み出し専用記憶装置16(ROM:Read Only Memory)、および読み書き可能な記憶装置18(RAM:Random Access Memory)が接続されている。ROM16には、ゲーム装置の初期化などの処理に必要なデータが格納されている。また、RAM18には、CPU12によって実行されるコンピュータ・プログラムや、そのプログラムの実行に必要なデータなどが格納されている。
【0015】
バスライン14には、画像メモリとして用いられる記憶装置VRAM20(Video RAM)が接続されている。VRAM20に格納されたデータは、画像制御部22によって画像データに変換された後、ディスプレイ24へ供給される。ディスプレイ24は、ゲーム装置10の正面に配置されており(図1参照)、画像制御部22から供給される画像データを映像化して表示する。上述したVRAM20には、ディスプレイ24に表示される一画面分のデータを格納するための容量が確保されている。
【0016】
バスライン14には、また、ゲームの進行に伴って生成される音声を合成する音声合成部26が接続されている。音声合成部26には、スピーカー28が接続されている。スピーカー28は、ゲーム装置10の側面などに配置されており(図1参照)、ゲームの進行に合わせて所望の音声をゲーム装置10の外部に出力する。
【0017】
ゲーム装置10は、また、バスライン14に接続された入出力制御部30を備えている。入出力制御部30には、CD−ROM(Compact Disc - Read Only memory)やハードディスクのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体40が装着されている。記録媒体40には、ゲームの実行に必要なプログラムやデータが記憶されている。それらのプログラムやデータは、バスライン14を介してRAM18にロードされる。CPU12は、RAM18にロードされたプログラムを実行することでゲームを進行させる。
【0018】
ゲーム装置は、更に、バスライン14に接続された入力制御部42を備えている。入力制御部42には、プレイヤーによる入力操作を可能とするためのコントローラ44が接続されている。本実施形態において、コントローラ44は、ゲーム装置10の正面に配置される2つの入力ボタン46(図1参照)を備えており、それらの入力ボタン46が押圧されることにより入力信号を発生する。ゲーム装置10は、入力制御部42を介してその入力信号を受信することで、プレイヤーによる入力ボタン46の操作タイミングを検知する。
【0019】
次に、図3および図4を参照して、ゲーム装置10によって実現されるゲームの内容について説明する。
図3は、本実施形態のゲーム装置10がディスプレイ24に表示するゲーム画面の1例を示す。図3に示すゲーム画面48には、2人のプレイヤーそれぞれに対応する入力ボタン46の表示や、それらの入力ボタン46の操作タイミングの同期性を表すランプの表示、並びにゲームの残り時間(例えば20秒)を表す表示などが含まれている。ディスプレイ24には、このゲーム画面48の他に、ゲームの進行をプレイヤーに説明するための画面が表示される。
【0020】
本実施形態のゲーム装置10は、所定の時間内に、第1プレイヤー(1P)と第2プレイヤー(2P)とが同時に入力ボタン46を押すことのできた回数を競うゲームである。プレイヤーによってゲームの開始が指示されると、ディスプレイ24には、例えば、「これから20秒の間に、10回以上2人で同時にボタンを押して下さい」のような案内が表示され、次いで、「用意」、「スタート」のようにゲーム開始を告げる画面が表示される。
【0021】
ゲーム装置10は、所定時間(20秒)の間2人のプレイヤーによる入力操作のタイミングを監視し、その入力操作の同期性を評価して得点化する。そして、その得点を、例えば、「あなた達2人の相性ポイントは**ポイントです!」のような形式でディスプレイ24に表示する。
【0022】
図4は、上述したゲーム内容を実現するためにゲーム装置10が実行する一連の処理のフローチャートを示す。図4に示すルーチンの処理は、ゲーム装置10が、CD−ROM等の記録媒体40に記録されているプログラムに沿った処理を行うことで実現される。尚、図4に示す処理は、ディスプレイ24に「スタート」が表示された後に実行される処理である。
【0023】
ステップ100では、1Pまたは2Pにより入力操作が行われたか否かが判別される。
【0024】
ステップ102では、その入力操作と同時に、他方のプレイヤーにより入力操作が行われたか否かが判別される。ゲーム装置10は、1インター(1/60secに相当)を同期動作の1単位としている。本実施形態では、例えば、2人のプレイヤーの入力操作が同一インターで検出された場合、および、2人のプレイヤーの入力操作のずれが1インターであった場合に同時入力が行われたと判断される。
【0025】
尚、上記ステップ102および104の処理は、例えば、以下に示す(1)または(2)の手法で具体化することができる。
(1)ステップ102では、常に1人のプレイヤー(例えば1P)の入力操作を検出する。他方のプレイヤー(例えば2P)の入力タイミングは、並列処理により検出する。ステップ104では、1Pの入力タイミングと2Pの入力タイミングとを比較して同時入力の有無を判断する。
【0026】
(2)ステップ102では、1Pの入力操作および2Pの入力操作の双方を監視し、何れかの入力操作、或いは双方の入力操作が検出されたら入力有りと判断する。ステップ102で双方の入力操作が検出された場合は、続くステップ104で同時入力有りと判断する。ステップ102で何れか一方の入力操作だけが検出された場合は、ステップ104で、更に1インターの監視を行い、その間に他方の操作入力が検出されれば同時入力有りと判断する。
【0027】
上記ステップ104で、同時入力有りと判断された場合は、次にステップ106の処理が実行される。一方、同時入力無しと判断された場合は、次にステップ108の処理が実行される。
【0028】
ステップ106では、ゲームが開始された後、同時入力有りと判断された回数がカウントされる。
【0029】
ステップ108では、準同時入力が存在するか否かが判別される。本実施形態では、1Pの入力操作と2Pの入力操作とが同時ではないが、殆ど同時である場合、具体的には、1Pの入力操作と2Pの入力操作とのずれが、2インターまたは3インターである場合に準同時入力有りと判断される。準同時入力有無の判断は、同時入力有無の判断と同様の手法で具体化することができる。上記の処理により準同時入力が存在すると判別された場合は、次にステップ110の処理が実行される。一方、準同時入力が存在しないと判別された場合は、次にステップ112の処理が実行される。
【0030】
ステップ112では、予め設定されているゲーム時間(例えば20秒)が経過したか否か、すなわち、タイムアップか否かが判別される。未だタイムアップではないと判別される場合は、再び上記ステップ102以降の処理が実行される。一方、タイムアップが判別された場合は、次にステップ114の処理が実行される。上記の処理によれば、タイムアップまでの間に発生した同時入力の回数、および準同時入力の回数を、それぞれカウントすることができる。
【0031】
ステップ114では、タイムアップまでの間に1Pにより行われたボタン操作の回数、および2Pにより行われたボタン操作の回数が読み込まれる。尚、それらの回数は、上記ステップ102〜112の処理が繰り返される過程で計数してもよく、また、他のルーチンを使って計数してもよい。
【0032】
ステップ116では、タイムアップまでに発生した同時入力の回数と準同時入力の回数とに基づいて、得点が演算される。得点の演算は、例えば次式により行われる。
得点={(同時入力の回数)×2+(準同時入力の回数)}/
{(1Pのボタン操作回数)+(2Pのボタン操作回数)}
【0033】
ステップ118では、ゲームの終了に合わせて、得点、すなわち、プレイヤーの相性ポイントなどを表示する処理が行われる。上記の処理が実行されると、今回のゲームに対応する処理が終了される。
【0034】
上述した一連の処理によれば、2人のプレイヤーの入力タイミングが同期しているほど相性ポイント(得点)は高い値となる。つまり、上述した一連の処理によれば、プレイヤー個々の入力タイミングがコンピュータに評価されるのではなく、2人のプレイヤーの息が合っていることが高得点につながるタイプのゲームを実現することができる。
【0035】
ところで、上述した実施の形態1では、2人のプレイヤーの入力タイミングが一致しているほど得点を高くすることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同時入力や準同時入力の発生により得点を減点し、プレイヤーの入力タイミングが一致しているほど得点が低くなるようにしてもよい。この場合、一方のプレイヤーが他方のプレイヤーの邪魔をするタイプのゲームを実現することができる。
【0036】
また、プレイヤーの数は2人に限定されるものではなく、3人以上であってもよい。更に、プレイヤーの数が3人以上である場合は、同時入力や準同時入力を数多く発生させたプレイヤー同士を相性の良いグループと判断し、例えば1人だけを相性の悪いプレイヤーとして表示するタイプのゲームを実現してもよい。
【0037】
実施の形態2.
次に、図5乃至図8を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のゲーム装置は、いわゆる音楽ゲーム用のゲーム装置であり、図2に示す入力装置44が、1P及び2Pのプレイヤーそれぞれに対応して複数の入力ボタンを備ている点を除き、実施の形態1のゲーム装置10と同様のハードウェハ構成を有している。
【0038】
図5は、本実施形態のゲーム装置がディスプレイ24に表示するゲーム画面の1例を示す。図5に示すゲーム画面50には、1Pに関わる表示物と、2Pに関わる表示物とが示されている。それぞれのプレイヤーに関わる表示物には、音楽に合わせて動作するキャラクター52、入力操作に関する評価を表す判定表示54、プレイヤーの体力を表す体力ゲージ56、複数の音符の並びに相当する楽譜表示58、および楽譜表示58と重なりながら画面50中を上方から下方へ移動するタイミングポイント(TP)バー60が含まれている。
【0039】
ゲーム装置10は、音楽ゲームが開始されると、それぞれのプレイヤーに対して楽譜表示58を提示する。楽譜表示58は、○や△、或いは□などの複数の記号で構成されている。それらの記号は、それぞれ異なる音を表しており、入力装置44がプレイヤー毎に供える複数の入力ボタンのそれぞれと1対1に対応している。以下、それらの記号を「音符」と称す。楽譜表示58の中で、それらの音符は、ゲームに使用される音楽のリズムに合わせて適当な間隔で配置されている。
【0040】
音楽ゲームの実行中は、TPバー60が所定の速度で画面50中を上方から下方へ移動する。TPバー60は、移動可能範囲の下端に到達すると、再びその上端に現れて、繰り返し画面50中を移動し続ける。楽譜表示58に含まれる音符は、TPバー60と重なった後、所定のタイミングで消滅する。その後、TPバー60が通過した部分に新たな音符が現れて楽譜表示58が新たな表示に更新される。
【0041】
本実施形態の音楽ゲームは、プレイヤーに対して、TPバー60と音符とが重なるタイミング(以下、「CPU指示タイミング」と称す)でその音符に対応する入力ボタンを操作することを要求している。音楽ゲームが2Pモードで実行されている場合、2人のプレイヤーは、上記の要求に応えてCPU指示タイミングに合わせて、それぞれ入力ボタンの操作を行う。本実施形態において、ゲーム装置10は、それら2人のプレイヤーの入力タイミングのずれを検出し、そのずれ(以下、「入力ずれ」と称す)の大きさを評価項目としてゲームを進行させる。
【0042】
図6は、ゲーム装置10が用いる入力ずれに関する評価基準を示す。ゲーム装置10は、一方のプレイヤー(例えば1P)の入力操作と、他方のプレイヤー(例えば2P)の入力操作とが同じインター内で検出された場合、および両者の入力操作のずれが1インターである場合は、両者の入力操作を最高評価である“Cool”と判定する。1Pの入力タイミングに対して2Pの入力タイミングが、Cool判定の下される3インターから更に前後2インターの範囲に収まっている場合は、両者の操作を“Good”と判定する。
【0043】
1Pの入力タイミングに対して2Pの入力タイミングが、Good判定の下される2インター(早い側の2インター)より更に1インター早い場合は、2Pの操作が “Fast”と判定され、1Pの操作は“Slow”と判定される。一方、1Pの入力タイミングに対して2Pの入力タイミングが、Good判定の下される2インター(遅い側の2インター)より更に1インター遅い場合は、2Pの操作が “Slow”と判定され、1Pの操作が“Fast”と判定される。そして、両者の入力ずれが更に大きな場合は、両者の操作に対して “Bad”の判定が下される。上記の判定の内容は、判定表示54として画面50中に表示されると共に、プレイヤーの得点に反映される。
【0044】
図7は、上述した判定の手法を具体的に説明するためのタイミングチャートを示す。図7(A)〜図7(C)に示す■は、それぞれ、CPU指示タイミング、1Pの入力タイミング、および2Pの入力タイミングである。また、図7(B)および図7(C)に示す○×等の記号は、CPU指示タイミングを基準とした場合の各プレイヤーの操作に対する評価である。更に、図7(C)に示す○×等の記号は、入力ずれに関する評価の内容、すなわち、本実施形態において得点の基礎とされる評価の内容を示す。
【0045】
図7に示すように、本実施形態では、1Pおよび2Pの一方がCPU指示タイミングと一致するタイミングで入力操作を行っていても、両者の入力ずれが大きい場合はBadの判定が成される。一方、両者の入力タイミングが、共にCPU指示タイミングから大きく外れていても、2人の入力ずれが小さい場合には、CoolやGoodの判定が成される。従って、本実施形態のゲーム装置では、CPU指示タイミングとは関係無く、2人のプレイヤーの入力タイミングが一致しているほど高得点を得ることができる。
【0046】
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態のゲーム装置が実行する一連の処理のフローチャートを示す。図8に示すルーチンの処理は、ゲーム装置が、CD−ROM等の記録媒体40に記録されているプログラムに沿った処理を行うことで実現される。このルーチンは、2Pモードによる音楽ゲームが開始された後に開始される。
【0047】
ステップ120では、1Pまたは2Pにより入力ボタンが操作されたか否かが判別される。
ステップ122では、2人のプレイヤーの入力ずれが検出される。尚、上記ステップ120および122の処理は、例えば、以下に示す(1)または(2)の手法で具体化することができる。
【0048】
(1)ステップ120では、常に1人のプレイヤー(例えば1P)の入力操作を検出する。他方のプレイヤー(例えば2P)の入力タイミングは、並列処理により検出する。ステップ122では、1Pの入力タイミングと2Pの入力タイミングとを比較して両者のずれを検出する。
【0049】
(2)ステップ120では、1Pの入力操作および2Pの入力操作の双方を監視し、何れかの入力操作、或いは双方の入力操作が検出されたら入力有りと判断する。ステップ120で双方の入力操作が検出された場合は、続くステップ122で入力ずれを“0”と判断する。ステップ120で何れか一方の入力操作だけが検出された場合は、ステップ122で、更に、最大4インターだけ監視を継続して入力ずれを検出する。4インターの間に他方の入力操作が検出されなかった場合は、入力ずれが5インター以上である(Bad判定の領域)と判断する。
【0050】
ステップ124では、入力ずれの大きさに応じてCoolやGoodの判定がなされると共に、それらの判定に基づく得点の演算、具体的には、判定内容に応じた得点の加算が行われる。
【0051】
ステップ126では、判定表示54がプレイヤー毎に表示される。
ステップ128では、ゲームの終了条件が成立したか否かが判別される。その結果、未だ終了条件が成立していないと判別される場合は、再び上記ステップ120以降の処理が行われる。一方、終了条件が成立していると判別される場合は、次にステップ130の処理が実行される。
ステップ130では、ゲームの終了に合わせて、得点などを表示する処理が行われる。上記の処理が実行されると、今回のゲームに対応する処理が終了される。
【0052】
上述した一連の処理によれば、個々のプレイヤーの入力タイミングとCPUの指示タイミングとの関係に関わらず、2人のプレイヤーの入力タイミングが同期しているほど高得点につながるタイプのゲームを実現することができる。音楽ゲームでは、楽曲演奏の場合と同様に、プレイヤー同士の息が合っていることが重要である。本実施形態のゲームによれば、その重要な要素に関する評価を得点に反映させることにより、楽曲演奏の場合に似た娯楽性をプレイヤーに提供することができる。
【0053】
実施の形態3.
次に、図9および図10を参照して本発明の実施の形態3について説明する。
図9は、本実施形態のゲーム装置が、1P及び2Pの入力操作のタイミングを評価する手法を具体的に説明するためのタイミングチャートを示す。図9(D)は、本実施形態のゲーム装置は、CPU指示タイミングを基礎として設ける判定対象領域を示す。本実施形態では、1P及び2Pの入力操作が、共に判定対象領域内で発生した場合に限り得点の加点が行われる。従って、両者の入力タイミングが同期していても、そのタイミングがCPU指示タイミングから大きく外れている場合は得点の加点は行われない。
【0054】
図10は、上記の機能を実現するために本実施形態のゲーム装置が実行する一連の処理のフローチャートを示す。図10に示すルーチンの処理は、ゲーム装置が、CD−ROM等の記録媒体40に記録されているプログラムに沿った処理を行うことで実現される。このルーチンは、2Pモードによる音楽ゲームが開始された後に開始される。
【0055】
図10に示すルーチンは、ステップ132とステップ134とが追加されている点を除き、上記図8に示すルーチンと同様である。すなわち、本実施形態においては、ステップ122の処理により1Pと2Pの入力ずれが検出された後、ステップ132の処理が実行される。
【0056】
ステップ132では、1Pの入力操作と2Pの入力操作とが共に判定対象領域内で行われたか否かが判別される。本実施形態では、CPU指示タイミングを含むインターと、その前後3インター(計7インター)とが判定対象領域とされている。すなわち、CPU指示タイミングを基準のタイミングとして図6に示す判定基準で判断した場合に、CoolまたはGoodと判定できる領域が判定対象領域とされている。尚、判定対象領域はこの範囲に限定されるものではなく、より小さな範囲、或いはより広い範囲を判定対象領域としてもよい。上記の判別により、2人のプレイヤーの入力操作が共に判定対象領域内に存在すると判別された場合は、次にステップ124の処理が実行される。一方、何れかのプレイヤーの入力操作が判定対象領域から外れていると判別された場合は、次にステップ134の処理が実行される。
【0057】
ステップ134では、判定対象領域外の入力操作を行ったプレイヤーの判定、或いは両プレイヤーの判定がBadとされる。
【0058】
本実施形態において、ステップ126では、プレイヤーの判定結果がBadである場合は、得点の加算は行われない。従って、本実施形態では、2人のプレイヤーの入力操作が共に判定対象領域内で行われている場合にのみ得点の加算が行われる。
【0059】
上記の処理によれば、2人のプレイヤーの入力操作が、CPU指示タイミングから大きく外れたところで同期しているような場合に高い得点が発生するのを防止することができる。上記の如く音楽ゲームではプレイヤーの息が合っていることが重要ではあるが、例えプレイヤーの息が合っていても、演奏のリズムや音階が楽譜からあまりにも外れていることは好ましくない。本実施形態のゲーム装置によれば、そのような場合に高得点が生ずるのを確実に防止して、合理的な結果をプレイヤーに提供することができる。
【0060】
ところで、上述した実施の形態3では、プレイヤーの入力操作が判定対象領域外で発生した場合に得点の加算を行わないことで、プレイヤーの入力操作とCPU指示タイミングとの同期性を得点に反映させることとしているが、CPU指示タイミングの反映手法はこれに限定されるものではない。すなわち、個々のプレイヤーの入力操作タイミングとCPU指示タイミングとの差を検出し、その差が小さいほど加点の幅を大きくするなどの手法で、CPU指示タイミングとプレイヤーの入力タイミングとの差を得点に反映させることとしてもよい。また、上述した実施の形態2または3では、プレイヤーの数が2人に限定されておりが、本発明はこれに限定されるものではなく、プレイヤーの数は3人以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1のゲーム装置の斜視図である。
【図2】図1に示すゲーム装置のブロック構成図である。
【図3】実施の形態1のゲーム装置で用いられるゲーム画面の1例である。
【図4】実施の形態1のゲーム装置で実行される一連の処理のフローチャートである。
【図5】実施の形態2のゲーム装置で用いられるゲーム画面の1例である。
【図6】実施の形態2のゲーム装置で用いられる評価基準を表した図である。
【図7】実施の形態2のゲーム装置で用いられる評価基準を具体的に説明するための図である。
【図8】実施の形態2のゲーム装置で実行される一連の処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態3のゲーム装置で用いられる評価基準を具体的に説明するための図である。
【図10】実施の形態3のゲーム装置で実行される一連の処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
10 ゲーム装置本体
24 ディスプレイ
28 スピーカー
40 記録媒体
48;50 ゲーム画面
54 判定表示
56 体力ゲージ
58 楽譜表示
60 タイミングポイント(TP)バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤーのそれぞれにより操作される複数の入力機器と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して、タイミングポイントと、一列に並んだ音符列とを表示するための表示部と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して表示される前記タイミングポイント及び前記音符列を、個々の音符が順次タイミングポイントと重なるように、相対的に移動させることで、前駆複数のプレイヤーのそれぞれに前記入力機器を操作すべきタイミングを指示するタイミング指示手段と、
前記複数の入力機器が操作されるそれぞれのタイミング同士の同期性を判断する同期性判断手段と、
前記同期性の結果をプレイヤーに表示する同期結果表示手段と、
を供えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記タイミング指示手段は、前記複数のプレイヤーのそれぞれに、前記入力機器を操作すべきタイミングを、所望の音楽を伴って指示することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
複数のプレイヤーのそれぞれにより、複数の入力機器のそれぞれが操作されるタイミングを検出する手段と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して、タイミングポイントと、一列に並んだ音符列とを表示するための表示手段と、
複数のプレイヤーのそれぞれに対して表示される前記タイミングポイント及び前記音符列を、個々の音符が順次タイミングポイントと重なるように、相対的に移動させることで、前駆複数のプレイヤーのそれぞれに前記入力機器を操作すべきタイミングを指示するタイミング指示手段と、
前記複数の入力機器が操作されるそれぞれのタイミング同士の同期性を判断する同期性判断手段と、
前記同期性の結果をプレイヤーに表示する同期結果表示手段と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム用プログラム。
【請求項4】
前記タイミング指示手段は、前記複数のプレイヤーのそれぞれに、前記入力機器を操作すべきタイミングを、所望の音楽を伴って指示することを特徴とする請求項3記載のゲーム用プログラム。
【請求項5】
請求項3又は4記載のゲーム用プログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−320767(P2006−320767A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244204(P2006−244204)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【分割の表示】特願2000−61029(P2000−61029)の分割
【原出願日】平成12年3月6日(2000.3.6)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】