説明

ゲーム装置、銃型コントローラ

【課題】遊戯者に対してゲームにリアル感を持たせることができるように記憶媒体を取り扱うことができ、また記録媒体に記録されたデータを用いて多様性のあるゲームを実行することを可能にする。
【解決手段】表示装置23により表示された画面に対する、銃型に構成されたガンコントローラ12によって指示された位置に応じてゲーム処理を実行するゲーム装置であって、ガンコントローラ12は、弾丸型に形成された複数の記憶媒体(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)を装着するための複数の弾丸装着部301,302,…30nと、装着された記憶媒体に記録されたデータを読み出すデータ読み取り部321,322,…32nとを有している。本体装置10のメインCPU20は、データ読み取り部321,322,…32nから読み出されたデータの組み合わせに応じてゲーム処理を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置により表示された画面に対する、銃型に構成されたコントローラによって指示された位置に応じてゲーム処理を実行するゲーム装置、同ゲーム装置で用いられる銃型コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
シューティングゲームやレーシングゲームなどのゲーム装置では、遊戯者に対してリアル感を持たせることができるような画像表示や音響効果を加えたり、あるいはコントローラに振動を与えるといった制御などが行われている。
【0003】
ところで、ゲーム装置では、遊戯者を識別するためのIDデータや、ゲームを実行した結果であるプレイデータ等を記録するために、記憶媒体に対してデータの入出力が可能なものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
例えば、特許文献1に記載されたゲーム装置では、記憶媒体として、プレーヤ1人に対して1枚のICカードが用意され、同プレーヤがゲーム中に獲得したアイテムデータなどを記憶できるようにしている。このゲーム装置では、複数のプレーヤでゲームをする場合には、各プレーヤのICカードを装置に装着して、ゲーム結果に応じてプレーヤが持つ(記憶媒体に記憶された)アイテムデータをプレーヤ間で移動できるようにしている。
【特許文献1】特開2004−181270公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のゲーム装置では、IDデータやプレイデータなどを記憶するための記憶媒体として、カード型の記録媒体(ICカード)が用いられていた。このため、遊戯者に対してゲームにリアル感を持たせようとしても、例えばシューティングゲームにおいて再現しようとする射撃を行う状況では、カード型記憶媒体を取り扱うことはあり得ないためリアル感が失われていた。
【0006】
また、従来の特許文献1のゲーム装置では、遊戯者により所有される記憶媒体(ICカード)を1枚とし、この記録媒体に記録されているデータ(例えばアイテムデータ)を用いてゲームを実行するだけであった。すなわち、記憶媒体に記憶されたデータを用いてゲーム内容を制御できるとしても、この記録媒体に記録されたデータに限られるため、記録媒体に記録されたデータを利用したゲームの多様化については限界があった。
【0007】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、遊戯者に対してゲームにリアル感を持たせることができるように記憶媒体を取り扱うことができ、また記録媒体に記録されたデータを用いて多様性のあるゲームを実行することが可能なゲーム装置、銃型コントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示装置により表示された画面に対する、銃型に構成されたコントローラによって指示された位置に応じてゲーム処理を実行するゲーム装置において、前記コントローラは、弾丸型に形成された複数の記憶媒体を装着するための複数の装着手段と、前記装着手段に装着された記憶媒体に記録されたデータを読み出す読み出し手段とを有し、前記読み出し手段により読み出されたデータの組み合わせに応じてゲーム処理を制御するゲーム制御手段を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゲーム処理を制御するためのデータを弾丸型に形成された記憶媒体に記憶させることで、ゲーム実行時には弾丸を銃型のコントローラに装着する操作をすることになり、あたかも実際の銃を使用するかのような感覚を得ることができ、遊戯者に対してゲームに対する興味を向上させ、より深くゲームに対して没頭させることができる。また、複数の記録媒体に記憶されたデータの組み合わせに応じてゲーム処理を制御することができるため、複数の記憶媒体(弾丸)を任意に組み合わせて装着することで、銃型のコントローラを用いた操作によるゲームに対する影響、例えば銃を発射した際の弾丸の威力などを変更することができるため、多様なゲームを楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるガンシューティングゲーム装置(以下、ゲーム装置と称する)の構成を示すブロック図である。ゲーム装置は、各種記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータの機能が実装されて構成される。
【0012】
図1に示すゲーム装置は、ゲームを実施するための機能が実装された本体装置10と遊戯者によって操作される入力装置12により構成されている。本実施形態における入力装置12は、実物の拳銃の形を模して形成されたもので、弾丸型に構成された複数の記憶媒体(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)を拳銃と同様にして任意に装着することができる(詳細については図2に示す)。以下、入力装置12をガンコントローラ12と称して説明する。
【0013】
本体装置10には、メインCPU20(ゲーム制御手段)、RAM21、画像処理部22、表示装置23、音響装置24、検出用CPU25、及び記憶装置26がバスによって相互に接続されている。
【0014】
メインCPU20は、記憶装置26に記憶されたゲームプログラム26aに応じたゲーム処理を実行する。ゲーム処理では、遊戯者によるガンコントローラ12に対する操作に応じた制御を行い、表示装置23において表示すべき記憶装置26に記憶されたゲーム画像データ26bを指示し、また音響装置24から状況に応じて音声を出力させる。また、メインCPU20は、記憶装置26に記憶された弾丸管理プログラム26cに応じて、ガンコントローラ12に装着された記憶媒体から読み出されるデータを管理する弾丸管理処理を実行する。
【0015】
RAM21(メインメモリ)は、メインCPU20の実行に伴って各種のデータ、例えば表示対象となるゲーム画像データ26bや、音声出力の対象とする音声データなどが一時記憶される。また、RAM21には、ガンコントローラ12に装着された記憶媒体、すなわちユーザデータ弾丸14または弾丸データ弾丸16から読み出されたデータや、この読み出されたデータの組み合わせに応じて設定されるゲーム制御用のデータなどが記憶される。また、ゲームの制御に用いられる各種のデータとして、例えばプレーヤ(キャラクタ)の体力データ、武器に関するデータ、銃口の移動ベクトル(移動軌跡)の座標データ、その他のゲームの進行に従って変更される各種データが一時記憶される。
【0016】
画像処理部22は、メインCPU20からの指示に従って必要なゲーム画像データ26bを生成して表示装置23においてゲーム画像を表示する。
【0017】
表示装置23は、ゲーム画像を表示するビデオ画面を有するものである。
音響装置24は、表示装置23とともにゲームの臨場感を高めるため効果音を出力する。
【0018】
検出用CPU25は、記憶装置26に記憶された銃口軌跡検出プログラム26dに応じた銃口軌跡検出処理を実行して、遊戯者が操作するガンコントローラ12の銃口によって指示される表示装置23の表示画面上の位置または移動軌跡を検出する。
【0019】
記憶装置26は、例えばハードディスク装置などにより構成されるもので、ゲームを制御するためのゲームプログラム26a,ゲームプログラム26aの実行に伴い表示されるゲーム画像データ26bの他、ガンコントローラ12に装着される複数の記録媒体、すなわちユーザデータ弾丸14及び弾丸データ弾丸16から読み出されるデータを管理するための弾丸管理プログラム26cが記憶される。また、記憶装置26には、弾丸管理プログラム26cによる弾丸管理処理で参照される弾丸制御データ26eが予め記憶される(詳細については後述する)。また、記憶装置26には、ガンコントローラ12の銃口によって指し示される表示装置23によって表示されたゲーム画面に対する位置を検出するための銃口軌跡検出プログラム26d等が記憶されている。
【0020】
ガンコントローラ(入力装置)12は、遊戯者により操作されるもので、本体装置10の表示装置23において表示される目標物(敵キャラクタなど)に銃口の方向を合わせて、銃弾を発射させる操作(例えば引き金を引く操作)により、表示装置23の画面上の銃口が指し示す位置が検出される。本体装置10では、この検出された位置に応じてゲームを制御するが、ガンコントローラ12に装着された弾丸(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)の組み合わせに応じて異なる制御が実行される。例えば、複数の弾丸データ弾丸16を組み合わせることにより目標物を破壊する威力などが異なってくる。
【0021】
図1に示すように、ガンコントローラ12には、拳銃の引き金を引く操作により切り替わる操作スイッチ12aが設けられており、遊戯者による操作を本体装置10に通知することができる。また、ガンコントローラ12には、複数の弾丸を装着することができる弾丸装着部301,302,…30n(装着手段)が設けられている。弾丸装着部301,302,…30nは、実際の弾丸と同型に形成されたユーザデータ弾丸14及び弾丸データ弾丸16を装着できるように、実際の拳銃の薬室を模して形成されている。また、弾丸装着部301,302,…30nに装着された記憶媒体であるユーザデータ弾丸14あるいは弾丸データ弾丸16からデータを読み取るためのデータ読み取り部321,322,…32n(読み出し手段)が設けられている。データ読み取り部321,322,…32nは、複数の弾丸装着部301,302,…30nのそれぞれに対応して設けられていても良いし、複数の弾丸装着部の一部、あるいは1つ対応して設けられた構成とすることもできる(図8参照)。なお、ガンコントローラ12には、遊戯者による操作を検知するためのスイッチやセンサなどが設けられているものとする(図示せず)。
【0022】
次に、本実施例におけるガンコントローラ12の銃口が指し示す画面上の位置の検出方法の一例について説明する。
表示装置23の表示画面にはゲームプログラム26aの実行に従ってゲーム画像が表示されるが、この画面の周囲にそのビデオ映写領域を示す発光ダイオード(LED)を配備する。そのLEDからの光をガンコントローラ12に設けられるCCD素子(図示せず)で受光する。この受光した発光体の位置関係からガンコントローラ12が指す銃口の銃口位置の座標の検出を行うことができる(LED発光式)。検出用CPU25は、銃口軌跡検出プログラム26dを実行し、このようなLED及びCCD素子を用いた銃口位置あるいは移動軌跡の座標の検出を行うものである。
【0023】
なお、ガンコントローラ12の銃口が示す位置の検出は、前述したLED発光式に限るものではなく、超音波を利用した超音波方式、ワイヤやシャフトなどの部材によって複数箇所で結合してガンコントローラ12の動きを検出する機械方式、磁界変化を利用する方式、画像認識を用いた方式などがあるが、本実施形態では何れの方式が用いられても良い。
【0024】
図2は、ガンコントローラ12の外観構成を示す図である。
図2に示すようにガンコントローラ12は、リボルバー型の拳銃を模して構成されたもので、シリンダー34に設けられた複数の薬室にそれぞれ弾丸、すなわち記憶媒体であるユーザデータ弾丸14または弾丸データ弾丸16を任意の位置に装着することができる。ガンコントローラ12に対しては、例えば同時に6個の弾丸(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)を装着することが可能となる。なお、以下の説明において、記憶媒体であるユーザデータ弾丸14と弾丸データ弾丸16を単に弾丸と称する。
【0025】
ガンコントローラ12は、実際のリボルバー型の拳銃を模して構成されており、記憶媒体(弾丸)も実際の弾丸と同等の形状により形成されている。従って、実際の拳銃に対して弾丸の装着を行うような感覚で、ガンコントローラ12に記憶媒体を装着することができる。
【0026】
ガンコントローラ12には、シリンダー34が装着されたことを検知するセンサ(またはスイッチ)が設けられており(図示せず)、このセンサによる検知に応じて、弾丸装着部301,302,…30nに装着された弾丸に記憶されたデータの読み取りを開始することができる。
【0027】
ガンコントローラ12には、シリンダー34が装着された状態において弾丸と近接する位置にデータ読み取りユニット12bが設けられている。図2に示す例では、シリンダー34の弾丸の装着口側(弾丸の底部側)と近接する位置に設けられている。
【0028】
データ読み取りユニット12b(データ読み取り部321,322,…32n)は、シリンダー34に装着された弾丸と電気的に接続してデータを読み出すことができる(ユーザデータ弾丸14に対してはデータの書込みも行う)。データ読み取りユニット12bによる弾丸との接続は、両者に端子を設けて端子間を接触させる接触型、あるいは無線通信を利用した非接触型の何れで構成されていても良い。
【0029】
なお、シリンダー34は、装着された状態でゲーム中に遊戯者の操作により自由に回転させることができる。また、ハンマー35を操作する(手前に引く)ことにより、実際の拳銃と同様にしてシリンダー34を回転させることもできる。
【0030】
図3は、非接触型に構成された弾丸(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)のブロック図である。
図3は、例えば非接触型によりデータ読み取りユニット12b(データ読み取り部)と接続する構成の構成例を示している。非接触型の場合、例えば一般に電子タグと呼ばれるものと同様に構成できる。
【0031】
弾丸には、図3に示すように、制御部40、送受信部41、及び不揮発性メモリ42が設けられる。
制御部40は、記憶媒体としての弾丸の制御を行う。具体的には、制御部40は、不揮発性メモリ42からデータを読み出し、送受信部41、アンテナ(図示せず)を介してデータ読み取りユニット12b(データ読み取り部321,322,…32n)へ送出する制御を行う。また、制御部40は、装着された弾丸がユーザデータ弾丸14である場合、アンテナ、送受信部41を介して受信されるデータ等を不揮発性メモリ42に書き込むことができる。
【0032】
不揮発性メモリ42は、例えばユーザデータ弾丸14についてはEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)が用いられ、後述する予め記憶されたデータの他、本体装置10からのデータを追記憶することができる。弾丸データ弾丸16については、予め記憶されたデータを変更する必要がないものとして追記憶が不要なROMが用いられる。
【0033】
図4には、ユーザデータ弾丸14に記憶されるデータの一例を示している。
図4に示すように、ユーザデータ弾丸14は、ゲームの遊戯者別に生成されたデータを記憶するための記憶媒体であり、例えば弾丸種類データ14a、プレイ履歴データ14b、成績データ14c、キャラクタデータ14d、アイテムデータ14eなどのデータが記憶される。
【0034】
ユーザデータ弾丸14に記憶される弾丸種類データ14aには、通常弾丸を示すデータが記憶される。その他のデータは、最初の段階では空データであり、ゲームを実行することにより書き込まれる。例えば、ゲーム開始段階で遊戯者がキャラクタの名前(コードネーム)やビジュアルを設定した場合には、これがキャラクタデータ14dとして記憶される。また、ゲーム終了後に、プレイ履歴データ14bや成績データ14c、さらにゲーム中にアイテムが取得された場合にはアイテムデータ14eが記憶される。次回、各データが記憶されたユーザデータ弾丸14をガンコントローラ12に装着することで、これらの各データが読み出されてゲームの制御に使用される。例えば、キャラクタデータ14dに応じてゲーム中で表示される遊戯者側のキャラクタを選択したり、アイテムデータ14eに応じて遊戯者側のキャラクタがアイテムを有しているとしてゲームを実行させることができる。
【0035】
図5には、弾丸データ弾丸16に記憶されるデータの一例を示している。
図5に示すように、弾丸データ弾丸16は、弾丸の種類を示す弾丸データを記憶するための記憶媒体であり、例えば弾丸種類データ16a、属性データ16bなどが記憶される。属性データ16bとしては、弾丸種類データ16a以外の任意のデータを含めることができる。
【0036】
例えば弾丸種類と、各弾丸によるゲームに対する影響(すなわち銃の威力)としては次のようなものがある。(1)炸裂弾:当たると爆発し、威力が高い。(2)グレネード:当たると爆発。当たった敵の周囲の敵にもダメージ。(3)散弾:複数の弾丸が同時に出る。(4)貫通弾:敵に当たると突き抜け、その後ろの敵にもダメージ。(5)マシンガン:連射。(6)ライフル:スコープが出て、遠くの敵を狙撃できる。(7)鉄鋼弾:敵の防御を突き破れる。(8)ビームガン:荷電粒子を飛ばす。弾速が早い。(9)麻酔弾:通常攻撃が当たるとペナルティのある一般人に当たってもペナルティが無い。(10)ゴム弾:ペナルティがない。壁などに当たると兆弾する。自爆の可能性あり。(11)空気弾:攻撃範囲が広く、複数の敵にダメージ。ペナルティが無い。(12)冷凍弾:当たった敵にダメージと同時に飛び散り、周囲の敵がよろめいて隙が出来る。(13)ロケットランテャー:画面内の敵全てにダメージ。
【0037】
ゲームプログラム26aは、ガンコントローラ12に装着された弾丸の種類、及び後述する弾丸の組み合わせにより設定される変更弾丸種類に応じてゲームを制御するように作成されている。
【0038】
図6には、弾丸制御データ26eとして記憶されるデータの一例を示している。弾丸制御データ26eは、ガンコントローラ12に装着された複数の弾丸データ弾丸16の組み合わせによって設定される弾丸種類を定義するためのデータである。弾丸制御データ26eには、ガンコントローラ12に装着される弾丸の組み合わせを示す装着弾丸種類と、この装着弾丸種類に応じて新たに設定される変更弾丸種類を示すデータとが対応付けて記憶されている。
【0039】
例えば、弾丸制御データ26eには、装着弾丸種類として「ロケットランテャー」と「散弾」が設定され、これに対応する変更弾丸種類として「6発同時発射ロケットランチャー」が設定されている。従って、ガンコントローラ12にロケットランテャーと散弾の弾丸データ弾丸16が装着され、ゲーム実行時に遊戯者から弾丸合成ありの指定があった場合には、本体装置10(メインCPU20)は、ガンコントローラ12の発射操作に対して「6発同時発射ロケットランチャー」による射撃に応じたゲーム制御を実行する。
【0040】
なお、2つの弾丸データ弾丸16の組み合わせに限らず、3つ以上の弾丸データ弾丸16の組み合わせによって新たな変更弾丸種類を設定することができる。また、単なる組み合わせだけでなく、ガンコントローラ12の複数の弾丸装着部301,302,…30nに装着する順番(配置)に応じて、異なる変更弾丸種類を設定するようにしても良い。
【0041】
図7(a)(b)(c)には、シリンダー34の弾丸装着部301,302,…30nのそれぞれに対して弾丸が装着された状態の一例を示している。図7中の通常弾はユーザデータ弾丸14を示し、その他は弾丸データ弾丸16である。
【0042】
図7(a)に示すように、複数の弾丸がガンコントローラ12に装着された際に、ゲーム実行時に弾丸合成ありが指定されない場合、何れの弾丸も通常通りのゲームに対する影響(銃の威力)があるものとする。弾数に制限がなく、弾丸種類に応じてリロードの時間制限があるものとする。すなわち、弾丸種類に応じて里ロット時間(次弾を発射可能となるまでの時間)が異なり、リロード完了まで使用不能となるように制御される。その間、シリンダー34を回転させるなどして他の弾丸を使用することは可能とする。
【0043】
図7(b)に示すように、ガンコントローラ12に装着された複数の弾丸データ弾丸16のうち弾丸合成ありが指定された場合には、弾丸制御データ26eに応じて新たな変更弾丸種類(特殊弾丸)が設定される。例えば、「マシンガン」と「ビームガン」との組み合わせにより「ビームマシンガン」が設定される。この場合、ガンコントローラ12において、「マシンガン」または「ビームガン」の弾丸データ弾丸16がハンマー35の位置に合わされた場合に使用することができる。同様にして、3つの弾丸の組み合わせにより設定される「多弾頭炸裂弾」については、3つの弾丸の何れかに位置が合わされることにより使用することができる。特殊弾丸については、威力が強いものとしてゲームが制御される一方でリロード時間が長く設定される。
【0044】
また、図7(c)に示すように、1つの弾丸データ弾丸16(「炸裂弾」)が複数の弾丸合成の対象となる場合には、ゲーム開始時に遊戯者が任意に選択することができる。
【0045】
図8(a)(b)(c)には、データ読み取りユニット12bに含まれる弾丸装着部301,302,…30nの配置を示す図である。
【0046】
本実施形態におけるガンコントローラ12では、図8(a)に示すように、全ての弾丸装着部301,302,…30n(ここではn=6)のそれぞれに対応してデータ読み取り部321,322,…32n(ここではn=6)を設ける構成、図8(b)に示すように、弾丸装着部301,302,…30nの一部に対応してデータ読み取り部321,322,323(ここでは3つ)を設ける構成、図8(c)に示すように、1つのデータ読み取り部321を設けた構成とすることができる。なお、データ読み取り部321は、ハンマー35や銃身と対応する位置に設けられている。
【0047】
図8(a)に示す構成では、シリンダー34が装着されることにより一括してデータ読み取り部321,322,…32nに装着された全ての弾丸からデータを読み出すことができる。図8(b)に示す構成では、シリンダー34が回転されることで、データ読み取り部321,322,323と相対する位置の弾丸装着部に装着された弾丸からデータを読み出すことができる。図8(c)にしロス構成では、データ読み取り部321と相対する位置の弾丸装着部に装着された弾丸のみからデータを読み出すことができる。図8(b)(c)に示す構成では、シリンダー34に装着された全ての弾丸からデータを読み出す場合には、遊戯者によってシリンダー34を回転させる必要がある。
【0048】
次に、本実施形態におけるゲーム装置における動作について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0049】
本体装置10のメインCPU20は、ゲームプログラム26aに従ってゲーム処理を実行し、ゲーム状況に応じた画像や音声等を出力させる。メインCPU20は、検出用CPU25により検出されるガンコントローラ12によって指示される表示装置23の表示画面上における位置に応じてゲームを制御する。
【0050】
ゲームを開始する前には、メインCPU20は、弾丸管理プログラム26cを実行することで、ガンコントローラ12に装着された弾丸に対する設定処理を実行する。ガンコントローラ12には、予め遊戯者が任意の弾丸(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)を用意して、あたかも実際の拳銃を使用するかのようにシリンダー34に対して装着しているものとする。
【0051】
まず、ガンコントローラ12においてシリンダー35が装着されるとセンサ(あるいはスイッチ)(図示せず)により検知され、本体装置10(メインCPU20)に通知される。メインCPU20は、シリンダー34の装着を検知すると(ステップA1、Yes)、シリンダー34の弾丸装着部301,302,…30nに装着された全ての弾丸、すなわち記憶媒体からデータを読み取る(ステップA2)。
【0052】
例えば、図8(a)に示すように各弾丸装着部301,302,…30nに対応してデータ読み取り部321,322,…32nが設けられている場合には、各データ読み取り部321,322,…32nによりデータ読み取りを実行させることで、全ての弾丸(記憶媒体)からデータを取得することができる。
【0053】
また、図8(b)に示すように、弾丸装着部301,302,…30nの一部に対応するデータ読み取り部321,322,323が設けられている場合には、遊戯者によりシリンダー34を順次回転させることにより、データ読み取り部321,322,323に位置する弾丸装着部に装着された弾丸からデータを読み取る。
【0054】
同様にして、図8(c)に示すように1つのデータ読み取り部321が設けられている場合には、遊戯者によりシリンダー34を順次回転させることにより、データ読み取り部321と相対する位置する弾丸装着部に装着された弾丸からデータを読み取る。
【0055】
なお、シリンダー34に装着された弾丸の種類を記憶するだけでなく、シリンダー34の何れの弾丸装着部301,302,…30nに装着されているかも記憶しておくものとする。
【0056】
こうして、シリンダー34に装着された全ての弾丸からデータを読み取ると、読み取られた弾丸種類データをもとにしてユーザデータ弾丸14が複数装着されているかを判別する。ここで、ユーザデータ弾丸14が複数装着されていることが判別された場合(ステップA3、Yes)、メインCPU20は、ユーザデータ弾丸14の選択処理を実行する。すなわち、何れのユーザデータ弾丸14に記憶されている各データを利用してゲームを実行するか遊戯者により選択させる(ステップA4)。
【0057】
この場合、例えばメインCPU20は、表示装置23において複数のユーザデータ弾丸14が装着されていることを表示して遊戯者に通知すると共に、何れかを選択するように要求する。ここで、遊戯者は、表示画面中の表示に対してガンコントローラ12の銃口を向けて、操作スイッチ12a(引き金)を操作することにより選択指示を入力することができる。
【0058】
こうして、ユーザデータ弾丸14が選択されると、このユーザデータ弾丸14から読み出された各データ、例えばキャラクタデータ14dやアイテムデータ14eをゲーム制御用データとしてRAM21に記憶させる(ステップA5)。
【0059】
次に、弾丸データ弾丸16が複数装着されているかを判別する。ここで、弾丸データ弾丸16が複数装着されていることが判別された場合(ステップA6、Yes)、メインCPU20は、各弾丸データ弾丸16から読み出したデータをもとにした弾丸合成の設定処理を実行する(ステップA7)。
【0060】
ここの場合、例えばメインCPU20は、表示装置23において装着された複数の弾丸データ弾丸16の種類を表示して遊戯者に通知すると共に、何れの弾丸を合成するか選択するように要求する。ここでは、例えば前述と同様にして、表示装置23において装着された弾丸種類を表示しておくことで、遊戯者は、表示画面中の表示に対してガンコントローラ12の銃口を向けて、操作スイッチ12a(引き金)を操作することにより合成対象とする弾丸を選択する指示を入力することができる。
【0061】
メインCPU20は、弾丸合成ありとして選択された弾丸について、弾丸制御データ26eを参照して変更弾丸種類を判別し、この弾丸データをゲーム制御用データとしてRAM21に記憶させる(ステップA8)。
【0062】
こうして、ガンコントローラ12に装着された弾丸から読み出されたデータをもとにゲームの前処理が完了すると、メインCPU20は、ゲームプログラム26aを実行して射撃ゲームを開始する(ステップA9)。このゲーム処理では、RAM21に記憶されたゲーム制御用データに応じてゲームが制御される。例えば、ガンコントローラ12から読み出されたキャラクタデータ14dやアイテムデータ14eに応じてキャラクタを設定し、アイテムを利用可能とすると共に、操作スイッチ12a(引き金)が操作された時の弾丸の威力を弾丸データ弾丸16からのデータに応じてゲーム内容に影響させる。なお、ガンコントローラ12のデータ読み取り部321(ハンマー35や銃身に対応する位置)と相対する位置の弾丸装着部に装着された弾丸が発射対象となる。図7(b)(c)に示すように、この弾丸について弾丸合成ありとして設定されている場合には、この弾丸を用いて設定された変更弾丸種類の弾丸が発射対象となる。
【0063】
また、メインCPU20は、発射対象とする弾丸種類に応じてリロード時間も制御する。
【0064】
ところで、ゲーム中にシリンダー34が遊戯者の操作により回転された場合、ガンコントローラ12に設けられたセンサ(あるいはスイッチ)(図示せず)がこれを検知して、メインCPU20に通知する。
【0065】
メインCPU20は、シリンダー34の回転を検知すると(ステップA10、Yes)、回転により変更されたデータ読み取り部321と相対する位置の弾丸に応じて発射対象として使用する弾丸データを変更する(ステップA11)。
【0066】
従って、遊戯者は、ゲーム中にガンコントローラ12に予め装着している複数の弾丸(合成により設定された弾丸を含む)から何れかを任意に選択することができるので、ゲームの状況に適した弾丸を適宜使用することができる。これにより、遊戯者のゲームに対する対応が多様化するのでゲーム性を向上することができる。
【0067】
さらに、ゲーム中にシリンダー34を開放して別の弾丸を装着することもできる。この場合、シリンダー34の弾丸装着部に別の弾丸が装着されて、シリンダー34が再装着されると、メインCPU20は、再度、全ての弾丸からデータを読み取る(ステップA13)。メインCPU20は、新たに装着された弾丸に応じた弾丸データをゲーム制御用データとして設定する(ステップA8)。
【0068】
例えば、ユーザデータ弾丸14が装着された場合には、キャラクタデータ14dやアイテムデータ14eについてはゲームに反映させない。また、先に装着されていた弾丸が抜かれていた場合、この弾丸を含めて特殊弾丸が設定されていれば、この特殊弾丸の設定を削除して使用できないようにする。
【0069】
こうして、ゲーム中に別の種類の弾丸を任意に交換して使用することができるため、シリンダー34に装着可能な弾丸数に制限されることなく、よりゲームの状況に適した弾丸を適宜使用することができ、ゲーム性を向上させることができる。
【0070】
ゲームが終了されると(ステップA14、Yes)、メインCPU20は、ガンコントローラ12に装着されたユーザデータ弾丸14に対して、ゲーム結果として例えばプレイ履歴データ14b、成績データ14c、アイテムデータ14e(キャラクタが変更されている場合にはキャラクタデータ14dを含む)を書き込む(ステップA15)。これにより、この各データが記憶されたユーザデータ弾丸14を、次回、ゲームを実施する際にガンコントローラ12に装着することで今回のゲーム内容を反映させることができる。
【0071】
このようにして、本実施形態におけるゲーム装置では、実際の拳銃を模して構成されたガンコントローラ12に対して、実際の弾丸と同型に形成されたユーザデータ弾丸14及び弾丸データ弾丸16を記憶媒体として装着できるので、遊戯者に対してゲームにリアル感を持たせることができる。また、ガンコントローラ12に対しては複数の弾丸(記録媒体)を装着し、各弾丸から読み出されるデータを組み合わせて別の弾丸を設定するなどして多様性のあるゲームを実行することが可能となる。
【0072】
なお、前述した説明では、弾丸種類の組み合わせにより弾丸制御データ26eを参照して変更弾丸種類を設定しているが、ユーザデータ弾丸14に記憶されたキャラクタデータ14dやアイテムデータ14eと弾丸種類との組み合わせによって新たな弾丸種類を設定するようにしても良い。すなわち、遊戯者による実際のゲーム結果を弾丸種類の設定に反映させることも可能である。
【0073】
また、前述した説明では、リボルバー型の拳銃に模して形成されたガンコントローラ12の例について説明しているが、図2に示すような、回転されるシリンダー34に弾丸(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)を装着する構造に限るものではない。例えば、自動式(オートマチック)の拳銃を模したガンコントローラ12とし、複数の弾丸を弾倉に装着した状態でガンコントローラ12に装着できる構成としても良い。この場合、弾倉が装着され時の弾丸の位置に応じて、データ読み取り部321が設けられる。また、ショットガンなどの他の銃を模してガンコントローラ12を構成するこことも可能である。
【0074】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0075】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記憶媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記憶媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本実施形態におけるガンシューティングゲーム装置(ゲーム装置)の構成を示すブロック図。
【図2】ガンコントローラ12の外観構成を示す図。
【図3】非接触型に構成された弾丸(ユーザデータ弾丸14、弾丸データ弾丸16)のブロック図。
【図4】ユーザデータ弾丸14に記憶されるデータの一例を示す図。
【図5】弾丸データ弾丸16に記憶されるデータの一例を示す図。
【図6】弾丸制御データ26eとして記憶されるデータの一例を示す図。
【図7】シリンダー34の弾丸装着部301,302,…30nのそれぞれに対して弾丸が装着された状態の一例を示す図。
【図8】データ読み取りユニット12bに含まれる弾丸装着部301,302,…30nの配置を示す図。
【図9】本実施形態におけるゲーム装置における動作について説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0077】
10…本体装置、12…入力装置(ガンコントローラ)、12a…操作スイッチ、12b…データ読み取りユニット、14…ユーザデータ弾丸、16…弾丸データ弾丸、20…メインCPU、21…RAM、22…画像処理部、23…表示装置、24…音響装置、25…検出用CPU、26…記憶装置、26a…ゲームプログラム、26b…ゲーム画像データ、26c…弾丸管理プログラム、26d…銃口軌跡検出プログラム、26e…弾丸制御データ、301,302,…30n…弾丸装着部、321,322,…32n…データ読み取り部、34…シリンダー、35…ハンマー、40…制御部、41…データ送受信部、42…不揮発性メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置により表示された画面に対する、銃型に構成されたコントローラによって指示された位置に応じてゲーム処理を実行するゲーム装置において、
前記コントローラは、
弾丸型に形成された複数の記憶媒体を装着するための複数の装着手段と、
前記装着手段に装着された記憶媒体に記録されたデータを読み出す読み出し手段とを有し、
前記読み出し手段により読み出されたデータの組み合わせに応じてゲーム処理を制御するゲーム制御手段を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記装着手段に装着される弾丸型に形成された記憶媒体には、
ゲームの遊戯者別に生成されたデータを記憶する第1記録媒体と、弾丸の種類を示す弾丸データを記憶する第2記憶媒体とを含み、
前記ゲーム制御手段は、前記第1記憶媒体と前記第2記憶媒体のそれぞれから読み出されたデータに応じた制御を行うことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
複数の前記第2記憶媒体から読み出された弾丸データの組み合わせを設定する設定手段と、
前記ゲーム制御手段は、前記設定手段により設定された弾丸データの組み合わせに応じて、前記コントローラから射撃指示が入力された時の指示位置に対する前記ゲーム処理への影響を変更することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記装着手段により装着された複数の記憶媒体から何れかを選択する記録媒体選択手段をさらに具備し、
前記ゲーム制御手段は、前記記録媒体選択手段により記録媒体が選択されるのに応じて、当該記録媒体から読み出されたデータに応じてゲーム処理を制御することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
射撃ゲームで使用される銃型に形成されたコントローラであって、
弾丸型に構成された記憶媒体を装着するための、銃の薬室を模して形成された弾丸装着手段と、
前記弾丸装着手段によって装着された前記記憶媒体に記録されたデータを読み取る読み取り手段と
を具備したことを特徴とする銃型コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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