ゲーム装置およびゲームプログラム
【構成】ゲーム装置は、プレイヤの把持可能な大きさのハウジングと、ハウジングに設けられる表示画面と、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出するジャイロセンサとを含む。プレイヤがゲーム装置自体を表示画面に垂直な軸回りに回転させると、検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度が算出される。表示画面には回転角度に応じて回転される回転画像100と回転角度に無関係に制御される非回転画像102とを含むゲーム画像が表示される。回転画像100はたとえば回転角度と逆方向で同じ大きさの角度だけ回転するように制御され、プレイヤには回転画像102が静止し非回転画像102が回転しているように見える。回転画像100と非回転画像102との関係で所定の条件が満足されたか否かが判定され、判定結果に応じてゲームの進行が変化される。
【効果】新しくて娯楽性の高いゲームプレイが可能である。
【効果】新しくて娯楽性の高いゲームプレイが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲーム装置およびゲームプログラムに関し、特にたとえば、プレイヤによって把持可能な大きさのハウジングと前記ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段とを備え、プレイヤによって表示画面に垂直な軸回りにハウジングが回転されることによってゲームが進行される、ゲーム装置およびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な携帯型ゲーム機や据置型ゲーム機は、ボタン操作やジョイスティック操作によってプレイヤがゲーム操作を行ってゲームをプレイするように構成されている。一方、表示画面の設けられたゲーム機のハウジングそのものや操作用コントローラのハウジングそのものを動かすことによってゲームをプレイするような特殊なゲーム装置も存在している。
【0003】
たとえば、本件出願人の出願にかかる特許文献1では、携帯ゲーム機のハウジングの傾きが検出され、検出された傾きをゲームに応用する技術が開示される。より詳しくは、傾き量や傾き方向に応じてキャラクタの移動量や移動方向などが変化されるゲームが提案されている。また、本件出願人の出願にかかる特許文献2では、携帯ゲーム機のハウジングの傾きが検出され、検出された傾きをいわゆる落ちものパズルゲームに応用する技術が開示される。すなわち、パズル要素が傾き方向に移動されるパズルゲーム装置が提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3では、角速度センサの内蔵されたコントローラが開示される。このコントローラでは、X軸,Y軸およびZ軸を中心にしたハウジングの回転の角速度が検出され、つまり、たとえばハウジングのローリング、ピッチングおよびヨーイングの動きが検出されて、コントローラ自身の動きによって操作ボタンと同様の操作指示が行われる。
【特許文献1】特開2001−170358号公報
【特許文献2】特開2003−62341号公報
【特許文献3】特開平11−99284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1または特許文献2のゲーム装置では、ゲーム機のハウジングを傾けてゲームプレイを進行するという、新しい操作感をもたらすゲームを実現できる。しかしながら、ゲーム機そのものを傾けると、表示画面がプレイヤに正対した状態から傾斜してしまうので、ゲームの画面が見難くなるという欠点があり、ゲームプレイの楽しみが阻害される恐れがあった。
【0006】
一方、特許文献3に記載のコントローラでは、コントローラ自体を傾けたり回転させたりすることによって、ゲームプレイを進行させることができる。しかしながら、ゲーム画面と一体的に操作することができないため、通常のボタン操作やジョイスティック操作以外の操作が付加されたこと以上の新たなゲームプレイを楽しむことはできなかった。
【0007】
なお、特許文献1ないし特許文献3の技術を組み合わせたとしても、たとえばヨーイングを検知したときに、単にそのヨーイングの方向に応じてキャラクタやパズル要素を移動させてプレイするゲームを提案できるにすぎない。
【0008】
それゆえに、この発明の主たる目的は、表示画面を含むゲーム装置自体を表示画面に垂直な軸回りに回転させるという操作によって、新しいゲームプレイを行うことができる、ゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、ゲーム装置自体を動かして行う操作でありながら、画面が見難くなることなく、ゲームプレイを楽しむことができる、ゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【0010】
この発明の更なる目的は、ゲーム装置の回転角度に応じて回転する画像と回転角度に無関係な画像との関係に応じてゲームが進行される、極めて高い娯楽性を持ち、新しい感覚を楽しませる、ゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジングとハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段とを備えるゲーム装置である。このゲーム装置は、角速度検出手段、回転角度算出手段、第1画像データ記憶手段、第2画像データ記憶手段、第1画像表示制御手段、第2画像表示制御手段、判定手段、およびゲーム進行変化手段を備える。角速度検出手段は、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する。回転角度算出手段は、角速度検出手段によって検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度を算出する。第1画像データ記憶手段は、回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する。第2画像データ記憶手段は、回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する。第1画像表示制御手段は、回転角度に基づいて第1画像を少なくとも回転させて表示手段に表示する。第2画像表示制御手段は、回転角度とは無関係に第2画像の表示を制御する。判定手段は、第1画像表示制御手段によって制御された第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する。ゲーム進行変化手段は、判定手段の判定結果に応じてゲームの進行を異ならせる。
【0012】
請求項1の発明では、ゲーム装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ。)は、プレイヤが両手で把持可能な大きさを有するハウジング(16)を備えており、ハウジングには表示手段(18)の表示画面が設けられている。つまり、ゲーム装置は、プレイヤが両手でハウジングの両端を掴んで持つことが可能でかつ表示画面を有する小型軽量のゲーム装置であり、たとえば携帯型ゲーム機、ノート型PC、携帯電話機などが用いられ得る。このゲーム装置では、プレイヤによってハウジングの回転操作が行われることによってゲームがプレイされる。回転操作は、表示画面に垂直な軸回りにハウジングすなわちゲーム装置自体を回転させる操作をいう。角速度検出手段(28、36、54、S7)は、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する。回転角度算出手段(36、56、S9)は、検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度を算出する。第1画像データ記憶手段(78)は、回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像(100)を表示するためのデータを記憶する。第2画像データ記憶手段(80)は、回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像(102)を表示するためのデータを記憶する。第1画像表示制御手段(36、58、S13)は、回転角度に基づいて第1画像を少なくとも回転させて表示手段に表示する。第1画像は、この制御された角度に基づいて回転された状態で表示される。第2画像表示制御手段(36、60、S15)は、回転角度とは無関係に第2画像の表示を制御する。判定手段(36、62、S17、S41、S45、S61、S63、S81、S85)は、第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する。この条件としては、たとえば、第1画像の表示角度が、第2画像によって決まる所定の角度範囲外であること、第1画像の表示角度が、第2画像によって決まる所定の角度範囲内であること、第1画像と第2画像とが接触すること等が定められている。ゲーム進行変化手段(36、64、S17、S43、S47、S65、S67、S83、S87)は、判定結果に応じてゲームの進行を異ならせる。
【0013】
したがって、請求項1の発明によれば、ハウジングすなわち表示画面を含めてゲーム装置自体に回転操作を行うことによって、第1画像を回転させてゲームを進めることができるので、今までにない新しいゲームプレイをプレイヤに楽しんでもらうことができる。しかも、表示画面に垂直な軸回りに回転させるので、ゲーム画像が見難くなるようなことがない。また、回転角度に応じて回転する第1画像と、回転角度に無関係に制御される第2画像との関係に応じてゲームが進行されるので、プレイヤは、娯楽性が高くて新しい感覚のゲームプレイを楽しむことができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属するゲーム装置であって、角速度検出手段は振動ジャイロを含む。請求項2の発明では、振動ジャイロを使用することによって、ゲーム装置の小型化およびコスト減少に寄与することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明に従属するゲーム装置であって、第1画像表示制御手段は、第1画像が回転角度と逆方向でかつ同じ大きさの角度だけ回転するように、第1画像の表示角度を制御する。請求項3の発明では、回転操作とともに表示画面が回転されても、その回転を打ち消すように第1画像が表示される。したがって、回転操作とともに回転された表示画面では、プレイヤには、第1画像が回転せずに静止し、第2画像が回転しているように見える。したがって、プレイヤに新しくて面白い感覚のゲームプレイを体験して楽しんでもらうことができる。
【0016】
請求項4の発明は、プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジング、ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する角速度検出手段、ハウジングの回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する第1画像データ記憶手段、およびハウジングの回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する第2画像データ記憶手段を備えるゲーム装置を、ハウジングの回転操作によってプレイされるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムである。このゲームプログラムは、ゲーム装置のプロセサに、回転角度算出ステップ、第1画像表示制御ステップ、第2画像表示制御ステップ、判定ステップ、およびゲーム進行変化ステップを実行させる。回転角度算出ステップは、角速度検出手段によって検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度を算出する。第1画像表示制御ステップは、回転角度に基づいて第1画像を少なくとも回転させて表示手段に表示する。第2画像表示制御ステップは、回転角度とは無関係に第2画像の表示を制御する。判定ステップは、第1画像表示制御ステップによって制御された第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、第2画像との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する。ゲーム進行変化ステップは、判定ステップの判定結果に応じてゲームの進行を異ならせる。
【0017】
請求項5の発明は請求項4の発明に従属するゲームプログラムであり、請求項3の発明に対応するプログラムである。
【0018】
請求項4および5の発明では、請求項1および3の発明と同様に、プレイヤに新しいゲームプレイを楽しんでもらうことが可能である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、ゲーム装置自体を表示画面に垂直な軸回りに回転させるという操作によって、新しいゲームプレイを行うことができる。しかも、表示画面に垂直な軸回りに回転させる操作であるので、ゲーム装置自体を動かして行う操作でありながら、画面が見難くなるようなことがない。したがって、プレイヤにこのゲームプレイを十分に楽しんでもらうことが可能である。また、ゲーム装置の回転角度に応じて回転する画像と回転角度に無関係な画像との関係に応じてゲームが進行されるので、娯楽性が高く、新しい感覚のゲームプレイを提供することができる。
【0020】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1に示すこの実施例のゲーム装置10は、ゲーム機12およびゲーム機12に接続されるカートリッジ14を含む。ゲーム機12は、両手で把持可能な大きさの携帯型のゲーム機であり、ゲームプログラムおよびデータを記憶した着脱可能な外部記憶媒体としてのカートリッジ14を取り替えることによって、種々のゲームを楽しむことができるものである。
【0022】
ゲーム機12は、たとえば横長形状のハウジング16を含む。ハウジング16の一方主面(表面)の略中央には、画像表示手段の一例として液晶表示器(以下、「LCD」と略称する。)18が設けられる。このLCD18の表示画面にはゲーム画像が表示される。
【0023】
なお、ゲーム機12は携帯型のゲーム専用機に限られず、プレイヤが両手でハウジングの両端を掴んで持つことが可能な大きさを有するハウジングとゲーム画像の表示される表示画面とを備える小型のコンピュータに準ずるものであればよい。ゲーム機12としてノート型PC、PDA、携帯電話機などが適用されてよい。また、ゲーム情報記憶媒体は、カートリッジ14に限られず、CD−ROM,DVD−ROMのような光学式情報記憶媒体、光磁気ディスクまたは磁気ディスク等の各種の情報記憶媒体が適用されてよい。
【0024】
ハウジング16の左右端部には、プレイヤが操作を行う操作手段としての種々の操作スイッチ20a−20e(符号「20」で包括的に示す。)が設けられる。操作スイッチ20は、たとえば方向スイッチ20aと、動作スイッチ20bと、スタート/セレクトボタン20cと、ハウジング16の左角に設けられたLボタン20dと、ハウジング16の右角に設けられたRボタン20eとを含む。操作スイッチ20の各スイッチまたはボタンによって指示される操作内容は、ゲーム装置10で処理されるゲームプログラムの内容によって異なるものである。一例として、方向スイッチ20aは、項目を選択するカーソルの移動等のために使用される。動作スイッチ20bは、選択項目の決定/キャンセル等のために使用される。Lボタン20dおよびRボタン20eは、動作スイッチ20bに割り当てられた動作やその他の動作の指示等のために使用される。スタート/セレクトボタン20cは、ゲームプレイの開始、ゲーム操作の中断等のために使用される。
【0025】
また、ゲーム機12には、必要に応じて、ハウジング16の上側面に外部拡張コネクタ22(破線表示)が設けられる。このコネクタ22は、他のゲーム装置10(または他のゲーム機12)と接続するためのものである。このコネクタ22を介して、他のゲーム装置10との間で通信ゲームやデータの送受信が行われ得る。また、ハウジング16の表面に設けられた音抜き孔の内部にはスピーカ24(破線表示)が内蔵され、スピーカ24からはゲーム中のBGMや効果音等の音が出力される。
【0026】
カートリッジ14はハウジング26を含み、ハウジング26はゲーム機12のハウジング16の背面側に設けられる差込口(図示せず)に差し込まれる。また、カートリッジ14には、角速度検出手段(角速度センサ)としてジャイロセンサ28(図2)が内蔵されており、このジャイロセンサ28の収納されるハウジング30がハウジング26と一体的にかつ直交して形成されている。このカートリッジ14がゲーム機12に装着されるとき、ハウジング26はゲーム機12の表示画面に平行な状態となり、ハウジング30は表示画面に垂直な状態となる。ハウジング30内において、ジャイロセンサ28は、ゲーム機12への装着時に表示画面に垂直な軸(図1でZ軸)回りの角速度を検出可能な状態で実装されている。このジャイロセンサ28は1軸(Z軸)の角速度を検出するもので足りる。
【0027】
なお、Z軸回りの角度の方向については、図1に示すように、左回り(反時計回り)が正方向、右回り(時計回り)が負方向とされる。また、X軸およびY軸は表示画面に平行な軸であり、X軸はハウジング16の左右方向、Y軸はハウジング16の上下方向に相当する。また、X、YおよびZ軸は、ハウジング16のピッチ軸、ロール軸およびヨー軸に相当する。
【0028】
ハウジング26の差込方向先端部にはコネクタ32(図2)が形成されており、ゲーム機12の差込口の奥にはコネクタ34(図1で破線表示)が形成されている。カートリッジ14がゲーム機12に装着されたとき、コネクタ32とコネクタ34とが互いに接続され、ゲーム機12のCPU36(図2)はカートリッジ14にアクセス可能となる。このようなジャイロセンサ28を内蔵したカートリッジ14が装着されると、ゲーム機12は、表示画面に垂直な軸回りに回転されることによってゲームがプレイされるゲーム装置10として機能する。
【0029】
図2にはゲーム装置10の電気的な構成の一例が示される。この図2を参照して、ゲーム機12はCPU36を含み、CPU36は、コンピュータまたはプロセサなどとも呼ばれ、ゲーム機12を全体的に制御する。CPU36には、バスを介してLCD18、コネクタ34、操作部38、ワークメモリ(WRAM)40、および送受信バッファ42およびサウンド回路39等が接続される。
【0030】
LCD18にはCPU36から表示データが与えられて、その表示画面にはゲーム画像が表示される。なお、図示は省略されるが、CPU36にはVRAMおよびLCDコントローラ等が接続されている。VRAMには、背景画像(BG)やプレイヤキャラクタ、ノンプレイヤキャラクタ、アイテム等の画像を含むゲーム画像が描画される。ここで、プレイヤキャラクタとは、プレイヤの操作によって移動等の任意のアクションが制御される動画キャラクタをいう。この実施例では、プレイヤは表示画面に垂直な軸回りにゲーム装置10を回転させることによって、回転画像(第1画像)を回転させてゲームをプレイする。したがって、この回転画像(ゲーム装置10の回転に応じて回転する画像)がプレイヤキャラクタに相当する。一方、ノンプレイヤキャラクタとは、プレイヤの操作によらないでコンピュータ(CPU36)によって移動等の任意のアクションが制御される動画キャラクタをいう。この実施例では、ゲーム装置10の回転に無関係に制御される非回転画像(第2画像)がノンプレイヤキャラクタに相当する。そして、LCDコントローラは、CPU36の指示に従ってVRAMに描画されたゲーム画像データ(表示データ)を読み出し、LCD18にゲーム画像を表示する。
【0031】
操作部38は上述した操作スイッチ20を含み、各操作スイッチに対する操作に応じた操作入力データをCPU36に与える。したがって、CPU36は操作部38を通して与えられたプレイヤ(ユーザ)の指示に従った処理を実行する。
【0032】
WRAM40は書込み読出し可能なメモリであって、CPU36の作業領域またはバッファ領域として用いられる。WRAM40にはゲーム処理中に発生されたデータが一時記憶される。送受信バッファ42は、他のゲーム装置ないしゲーム機等との間で送受信されるデータ、たとえば多人数用通信ゲーム時にやり取りされるデータを、一時的に蓄積しておくためのものであり、外部拡張コネクタ22と接続される。他のゲーム装置との間で通信を行う場合には、図示しない通信ケーブル等を介してコネクタ22に他のゲーム装置を接続する。
【0033】
また、CPU36にはサウンド回路39を介してスピーカ24が接続されている。CPU36から与えられた音声データはサウンド回路39によってアナログ信号に変換され、そしてスピーカ24からゲーム音楽、効果音などの音が出力される。
【0034】
カートリッジ14には、上述したジャイロセンサ28とともに、ROM44およびRAM46が内蔵されていて、バス等を介してコネクタ32に接続される。カートリッジ14がゲーム機12に装着されてコネクタ32とコネクタ34とが接続されると、CPU36はジャイロセンサ28、ROM44およびRAM46と電気的に接続される。これによって、CPU36は、ROM44およびRAM46あるいはジャイロセンサ28にアクセスして、カートリッジ14の制御もしくはカートリッジ14とのデータのやり取りを行うことができる。
【0035】
ROM44には、ゲーム装置10自体の回転によってゲームがプレイされるゲーム装置10としてゲーム機12を機能させるためのゲームプログラムおよびデータが予め記憶される。RAM46は、ゲームデータ等を保存するための書込み読出し可能なメモリであり、たとえば不揮発性メモリであるフラッシュメモリや電池を電源とするSRAMなどが用いられる。
【0036】
ジャイロセンサ28は、振動ジャイロ(たとえば圧電ジャイロ)、オペアンプおよびA/D変換器などを含む。振動ジャイロは、回転に応じて作用するコリオリ力に基づく振動の変化を検出することによって、角速度を検出する。たとえば圧電ジャイロの場合には、振動用圧電素子による振動のコリオリ力による変化が検出用圧電素子によって検出される。検出信号は、オペアンプで増幅されてA/D変換器でディジタルデータに変換される。この実施例のジャイロセンサ28は、検出した角速度をたとえば0〜4095の値(4096段階)で出力する。ゲーム機12のCPU36は、この出力データを取得して、角速度値を検出する。ただし、このジャイロセンサ28は、回転が加えられていなくても常に何らかの値を出力し続けるものである。回転がないと見なされるときに出力される角速度値をニュートラルポジション値というものとすると、実際の角速度値は、取得した角速度値からニュートラルポジション値を差し引くことによって算出される。CPU36は、たとえば1表示フレーム(1/60秒)ごとにジャイロセンサ28の出力データを取得して、そのフレームにおける角速度値を算出し、算出された角速度値に基づいてゲーム装置10の回転角度を算出する。上述のように、このジャイロセンサ28はゲーム機12の表示画面に垂直な軸(Z軸:図1参照)回りの角速度を検出するので、CPU36はゲーム装置10のZ軸回りの回転角度を算出する。このように、角速度検出手段として振動ジャイロを用いるようにしたので、角速度検出手段を設けてもゲーム装置10を小型かつ安価に構成することが可能になる。
【0037】
なお、この実施例では、ゲーム装置10は別々のゲーム機12とカートリッジ14とを含むが、これらは一体的に形成されてもよい。つまり、ROM44、RAM46およびジャイロセンサ28は、ゲーム機12に内蔵するようにしてもよい。
【0038】
図3には、ゲーム装置10におけるメモリマップのうちプログラム記憶領域の一例が示される。プログラム記憶領域はROM44に設けられる。プログラム記憶領域には、CPU36によって実行されてゲーム機12をこの発明にかかるゲーム装置10として機能させる種々のプログラムが記憶されている。
【0039】
プログラム記憶領域は、初期設定プログラム記憶領域50、ゲームメイン処理プログラム記憶領域52、角速度検出プログラム記憶領域54、回転角度算出プログラム記憶領域56、回転画像表示制御プログラム記憶領域58、非回転画像表示制御プログラム記憶領域60、条件判定プログラム記憶領域62、進行変化プログラム記憶領域64、およびゲーム判定プログラム記憶領域66等を含む。
【0040】
初期設定プログラム記憶領域50には、ゲーム処理の開始時にWRAM40のワーク領域およびバッファ領域のクリア、各種変数やフラグの初期値設定、ニュートラルポジションの初期値設定等のためのプログラムが記憶されている。ゲームメイン処理プログラム記憶領域52には、ゲームメイン処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0041】
角速度検出プログラム記憶領域54には、ジャイロセンサ28から出力データを取得して角速度を検出するためのプログラムが記憶されている。このプログラムに従って、CPU36は、一定時間(たとえば1表示フレーム)ごとに角速度値データを取得し、取得した角速度値からニュートラルポジション値を差し引くことによってそのときの角速度値を算出する。
【0042】
回転角度算出プログラム記憶領域56には、検出された角速度値に基づいてゲーム装置10の回転角度を算出するためのプログラムが記憶されている。上述のように角速度値は一定時間ごとに検出されるので、検出された角速度値と時間との積によって、前回の検出時から今回の検出時までの間に回転した角度が算出される。この算出された回転角度を前回までの回転角度に加算することによって、今回の検出時におけるゲーム装置10の回転角度が算出される。なお、上述のようにジャイロセンサ28はゲーム装置10の表示画面に垂直な軸(Z軸)回りの角速度を検出するので、ゲーム装置10のZ軸回りの回転角度が算出される。
【0043】
回転画像表示制御プログラム記憶領域58には、ゲーム装置10の回転に応じて回転される回転画像(第1画像)の表示を制御するためのプログラムが記憶されている。ゲーム画像には少なくとも1つの回転画像が表示される。このプログラムに従って、CPU36は回転画像の制御データを必要に応じて更新する。この実施例では、プレイヤキャラクタ、ノンプレイヤキャラクタおよび背景などの画像は、画像指定データ、表示位置データおよび表示角度データ等を含む制御データに基づいて表示される。つまり、画像は、画像指定データで指定された画像データを使用して、表示位置データで指定された位置に、表示角度データで指定された角度だけZ軸回りに回転させた状態で、LCD18の表示画面に表示される。回転画像の表示角度は、回転角度算出プログラムによって算出されたゲーム装置10の回転角度に基づいて制御される。この実施例では、回転画像の表示角度は、初期値からゲーム装置10の回転角度と逆方向かつ同じ大きさの角度だけ回転された値に設定される。したがって、回転操作による表示画面の回転を打ち消すように回転画像は回転されるので、ハウジング16とともに回転された表示画面では、回転画像は、回転せずに最初の表示角度の状態のままであるように見えることとなる。また、回転画像の表示位置の制御方法は任意であり、ゲーム装置10の回転角度に無関係に制御されてもよいし、所定の位置に固定されてもよいし、あるいは、ゲーム装置10の回転角度に基づいて制御されてもよい。
【0044】
非回転画像表示制御プログラム記憶領域60には、ゲーム装置10の回転とは無関係に制御される非回転画像(第2画像)の表示を制御するためのプログラムが記憶されている。ゲーム画像には少なくとも1つの非回転画像が表示される。このプログラムに従って、CPU36は非回転画像の制御データを必要に応じて更新する。ただし、非回転画像の制御データ(画像指定データ、表示位置データおよび表示角度データ等を含む。)は、回転角度算出プログラムによって算出されたゲーム装置10の回転角度に無関係に制御される。したがって、ハウジング16とともに回転された表示画面では、非回転画像は、ゲーム装置10の回転に応じて回転しているように見えることとなる。
【0045】
条件判定プログラム記憶領域62には、回転画像の状態が非回転画像との関係において所定の条件を満足したか否かを判定するためのプログラムが記憶されている。具体的には、このプログラムによって、回転画像の位置および角度の少なくとも一方が非回転画像との関係において所定の条件を満足したか否かが判定される。この所定の条件は、回転画像の表示と非回転画像の表示との関係で定められるものである。たとえば、回転画像が非回転画像によって決まる所定の角度だけ回転したか否か(つまり、回転画像の表示角度が非回転画像によって決まる所定の角度になったか否か)、あるいは、回転画像が非回転画像と接触したか否か等が判定される。
【0046】
進行変化プログラム記憶領域64には、条件判定プログラムによる判定結果に応じてゲームの進行を異ならせるためのプログラムが記憶されている。たとえば、判定結果に応じて、プレイヤの得点が加減されたり、ゲームクリアとされたり、あるいはゲームオーバとされたりする。ゲーム判定プログラム記憶領域66には、ゲームクリアであるか否かやゲームオーバであるか否かを判定するためのプログラムが記憶されている。なお、図3では省略されるが、プログラム記憶領域には、ゲームサウンドを出力するためのプログラム等のような必要な他のプログラムも記憶されている。
【0047】
図4には、ゲーム装置10におけるメモリマップのうちデータ記憶領域の一例が示される。データ記憶領域はROM44およびWRAM40等に設けられる。データ記憶領域には、ゲームプログラムの実行時に使用される種々のデータが予め記憶され、また、処理によって生成されまたは取得されたデータが一時記憶される。
【0048】
データ記憶領域は、角速度検出値バッファ領域70、ニュートラルポジション値領域72、回転角度領域74、操作データバッファ領域76、回転画像制御データ領域78、非回転画像制御データ領域80、画像データ領域82、およびサウンドデータ領域84等を含む。
【0049】
角速度検出値バッファ領域70には、角速度検出プログラムによって検出されたジャイロセンサ28からの角速度値データが記憶される。ニュートラルポジション値領域72には、ゲーム装置10が回転されていないと見なされる状態のときにジャイロセンサ28から出力される角速度値をニュートラルポジション時の値としたニュートラルポジション値データが記憶される。このニュートラルポジション値は、ジャイロセンサの特性に応じて、時々刻々変更され得る値である。回転角度領域74には、回転角度算出プログラムによって算出された回転角度データが記憶される。操作データバッファ領域76には、操作部38からの操作入力データが記憶される。
【0050】
回転画像制御データ領域78には、回転画像の表示を制御するための制御データが記憶される。複数の回転画像が存在する場合、複数の回転画像の制御データが記憶される。制御データは、画像指定データ、表示位置データおよび表示角度データ等を含む。画像指定データは、回転画像の表示に使用する画像データを指定するデータである。表示位置データは、回転画像の画像データを表示する位置を指定するデータである。表示角度データは、回転画像の画像データを表示する角度を指定するデータであり、画像データは、この表示角度データで指定された角度だけZ軸回りに回転された状態で表示されることとなる。
【0051】
非回転画像制御データ領域80には、非回転画像の表示を制御するための制御データが記憶される。複数の非回転画像が存在する場合、複数の非回転画像の制御データが記憶される。非回転画像制御データは、画像指定データおよび表示位置データ等を含む。画像指定データは非回転画像の表示に使用する画像データを指定するデータであり、表示位置データは非回転画像の画像データを表示する位置を指定するデータである。
【0052】
画像データ記憶領域82には、回転画像、非回転画像等を表示するための各画像データが記憶される。サウンドデータ記憶領域84にはBGMや効果音などのゲームサウンドを生成するためのサウンドデータが記憶される。なお、図4では省略されるが、データ記憶領域には、ゲームクリアフラグ、ゲームオーバフラグ等、ゲームを進行させる上で必要な他のデータも記憶されている。
【0053】
このゲーム装置10では、プレイヤはゲーム装置10を表示画面に垂直な軸(Z軸)回りに回転させることによってゲームをプレイする。このゲーム装置10をZ軸回りに回転させる操作を回転操作というものとする。プレイヤによって回転操作が行われると、回転操作によってゲーム装置10の回転した角度が、ジャイロセンサ28で検出される角速度値に基づいて算出される。回転画像はゲーム装置10の回転した角度に応じて回転され、一方、非回転画像は回転角度に無関係に表示される。回転画像は、この実施例では、ゲーム装置10の回転角度と逆方向に同じ大きさだけ回転される。回転操作が行われるとハウジング16に固定されている表示画面も一緒に回転するので、プレイヤには、回転画像は回転せずに静止しているように見え、一方、非回転画像は回転しているように見える。プレイヤはこのようなゲーム画像を見てゲームをプレイする。そして、回転画像と非回転画像との関係において所定の条件が満足されたか否かが判定され、その判定結果に応じてゲームの進行が変化される。
【0054】
このゲーム装置10でプレイされるゲームの一例の概要が図5に示される。図5(A)にはゲーム開始時のゲーム画像が示され、このゲーム画像では、回転画像100が三日月形状の非回転画像102の上に乗っている。この図5のゲームでは、プレイヤは回転操作によって回転画像100を回転させて、非回転画像102の上で滑らせる。非回転画像102は回転操作に関係なく所定の位置に静止するように制御される。一方、回転画像100は、回転角度と逆方向に同じ大きさだけ回転された表示角度で表示される。プレイヤには、回転画像100は最初の状態のままで静止しているように見え、非回転画像102が回転しているように見える。そして、たとえば所定の時間が経過しても回転画像100が非回転画像102から落ちなかった場合にはゲームオーバとなり、滑り落とせた場合にはゲームクリアとなる。詳しくは、ゲーム装置10を回転させて回転画像100が非回転画像102から落ちる回転角度が、非回転画像102の形状および配置等に基づいて予め設定されている。この例では、ゲーム装置10の回転角度がたとえば−45度〜+90度の範囲内であれば、回転画像100は非回転画像102上に乗っていることが可能である。つまり、回転画像100の表示角度はこの実施例では回転角度と逆方向に同じ大きさだけ変化されるので、回転画像100の表示角度が、当初の角度から+45度〜−90度の範囲内であれば、回転画像100は非回転画像102上に乗ったままであり、回転画像100の表示位置は非回転画像102の形状に沿ってたとえば弧を描くようにして移動される。
【0055】
なお、ゲーム開始時には、プレイヤは、通常、図5(A)に示すような状態で、すなわち、X軸がプレイヤの体の左右方向となりY軸がプレイヤの体の前後方向となるような状態でゲーム装置10のハウジング16を把持する。したがって、算出されるゲーム装置10の回転角度は、このゲーム開始時の状態からZ軸回りに回転した角度である。
【0056】
図5(B)にはゲーム装置10に回転操作が施された場合のゲーム画像の一例が示される。具体的には、ゲーム装置10は図5(A)の状態からZ軸左回りに角度の大きさαだけ回転されている。この角度+αは、回転画像100が非回転画像102に乗っていることが可能な所定の角度範囲内である。この場合、回転画像の表示角度は、初期値から(−α)だけ回転された値に設定され、つまり、回転画像100は当初の状態から右回りに角度αだけ回転された状態で表示される。このようにして、プレイヤには、回転画像100は回転せずに静止しているように見え、一方、非回転画像102はゲーム装置10の回転によって回転しているように見える。
【0057】
一方、図6には、ゲーム装置10の回転角度が所定角度範囲外になった場合のゲーム画像の一例が示される。具体的には、ゲーム装置10の回転角度が+90度を超えた場合のゲーム画像であり、回転画像100の表示角度は、初期値から回転角度と逆方向で同じ大きさだけ回転された値に設定されている。回転角度が所定の角度範囲外の値になったので、回転画像100が非回転画像102から落下するゲーム画像が表示される。
【0058】
また、図7には、ゲーム装置10でプレイされるゲームの他の例の概要が示される。図7(A)にはゲーム開始時のゲーム画像が示され、飛行機を示す回転画像100および隙間を示す非回転画像102が表示される。この図7のゲームでは、回転画像100の表示位置は表示画面の中心に固定されている。一方、非回転画像102は、回転角度とは無関係に、徐々に回転画像100に近付くように制御される。プレイヤは、図7(B)に示すように、回転操作によって回転画像100を回転させて、非回転画像102内を通過させることが要求される。回転画像100の表示角度は、この実施例では、図5の例と同様にゲーム装置10の回転角度に応じて制御される。したがって、プレイヤには、回転画像100は回転せずに静止しているように見え、非回転画像102は回転しているように見える。飛行機100が隙間102を通過できた場合にはゲームクリアとなり、通過できなかった場合にはゲームオーバとなる。具体的には、所定の時間が経過したときに、回転画像100の表示角度が、回転画像100が非回転画像102の表示領域内に収まるような所定の角度範囲内になっているかどうかが判定される。あるいは、ゲーム装置10の回転角度が所定の角度範囲内になっているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0059】
また、図8には、ゲーム装置10でプレイされるゲームのその他の例の概要が示される。図8(A)には、ゲーム開始時のゲーム画像が示される。この図8のゲームでは、非回転画像102がたとえば回転画像100に向かって直進するように制御されるので、プレイヤは、図8(B)に示すように、回転操作によって回転画像100が非回転画像102と接触するのを回避することが要求される。回転画像100の表示角度は、図5の例と同様に、ゲーム装置10の回転角度に応じて制御される。また、回転画像100の表示位置は、たとえば表示画面の中心からの距離が一定であるようにして回転角度に応じて制御される。したがって、直進する非回転画像102を回転操作によって避けることが可能になっている。この図8のゲームでも、回転画像100は回転せずに静止しているように見え、非回転画像102は回転しているようにみえる。具体的には、回転画像100および非回転画像102の表示位置データ等に基づいて、回転画像100が非回転画像102と接触したかどうか、または非回転画像102を避けたかどうか等が判定される。そして、たとえば、非回転画像102と接触した場合にはプレイヤの得点(あるいはプレイヤキャラクタ100のライフ)が減少され、非回転画像102を避けるのに成功した場合には得点あるいはライフが増加される。得点等が所定値を超えた場合にはゲームクリアとなり、得点等が0になった場合にはゲームオーバとなる。
【0060】
図9にはゲーム装置10のゲーム動作の一例が示される。図9の最初のステップS1で、CPU36はゲーム初期設定を実行し、たとえばWRAM40のワーク領域やバッファ領域をクリアしたり、ニュートラルポジションの初期値を設定したり、あるいは各種変数やフラグに初期値を設定したりする。この実施例のジャイロセンサ28は回転していなくても常に何らかの値を出力するので、回転しているときの実際の角速度値を算出するために、回転していないと見なされるときにジャイロセンサ28から出力される角速度値をニュートラルポジション値の初期値として設定し、記憶しておく。つまり、回転がないと見なされるときのジャイロセンサ28から出力される角速度値を検出し、検出した値に基づいてニュートラルポジション値を設定する。こうして決定されたニュートラルポジション値はデータ記憶領域のニュートラルポジション値データ領域72に記憶される。
【0061】
次に、ステップS3で、CPU36は、プレイするゲームステージを選択する。この実施例では、たとえば図5から図8に示したように複数のゲームステージが準備されている。このステップS3では、たとえばプレイヤにゲームステージを選択させるための選択画面が表示される。そして、操作部38からの操作入力データに基づいてゲームステージが選択される。
【0062】
選択されたステージのゲームを開始すると、CPU36は、次のステップS5からステップS21の処理を、たとえば1表示フレームのように、一定時間ごとに実行する。ステップS5で、CPU36は、まず角速度のニュートラルポジション値を補正する。ニュートラルポジション値は、ジャイロセンサ28の特性によりずれることがあるので、補正のための処理が実行される。たとえば、今回までの所定時間に取得された複数の角速度値が安定していると判断される場合に、ステップS1で設定されたまたはステップS5で補正されたニュートラルポジション値と差が無いかどうかを判定する。このとき差があるようであれば、ニュートラルポジション値を補正(たとえば安定していると判断される場合の平均値を算出して、ニュートラルポジション値を更新するなど)して、ゲームプレイに違和感が出ないようにする。
【0063】
ステップS7で、CPU36は、ジャイロセンサ28から角速度値を取得して角速度検出値バッファ領域70に記憶する。そして、取得した角速度値からニュートラルポジション値を差し引くことによって、実際の角速度値が算出される。
【0064】
ステップS9では、CPU36はゲーム装置10の回転角度を算出して回転角度データ領域74に記憶する。具体的には、検出した角速度値と検出時間間隔との積によって、前回の検出時から今回の検出時までの間に回転した角度が算出される。そして、この算出された角度を前回までの回転角度に加算することによって今回の回転角度が算出される。
【0065】
ステップS11では、CPU36は操作部38から操作入力データを取得して操作データバッファ領域76に記憶する。
【0066】
ステップS13では、CPU36は回転角度に基づいて回転画像の表示を制御する。具体的には、回転画像100の表示角度がステップS9で算出された回転角度に基づいて制御される。この実施例では、回転画像100の表示角度は、当初の値から回転角度と逆方向で同じ大きさの角度だけ回転した値に設定される。このステップS13で、回転画像100の制御データが必要に応じて更新されて、回転画像制御データ領域78に記憶される。なお、回転画像100の表示位置も必要に応じて回転角度に基づいて制御されてよい。そして、回転画像制御データ領域78の制御データに基づいて回転画像100が表示される。したがって、回転角度に応じて回転された回転画像100が表示画面上に表示されることとなる。
【0067】
ステップS15では、CPU36は非回転画像の表示を制御する。非回転画像102の表示位置および表示角度等は回転角度と無関係に制御される。このステップS15で、非回転画像102の制御データが必要に応じて更新されて、非回転画像制御データ領域80に記憶される。そして、非回転画像制御データ領域80の制御データに基づいて非回転画像102が表示される。したがって、回転角度とは無関係な動きをする非回転画像102が表示画面上に表示されることとなる。
【0068】
ステップS17では、CPU36は条件判定処理を実行する。このステップS17の処理では、回転画像と非回転画像との関係における所定の条件が満足されたか否かが判定され、その判定結果に応じてゲーム進行が変化される。具体的には、図10、図11および図12のそれぞれに条件判定処理の動作の一例が詳細に示される。たとえば図10は図5に示したようなゲームにおける条件判定処理の一例を示し、図11は図7に示したようなゲームにおける条件判定処理の一例を示し、図12は図8に示したようなゲームにおける条件判定処理の一例を示す。
【0069】
ステップS3で選択されたゲームが図5に示したようなゲームである場合には、ステップS17では図10に示す条件判定処理(1)が実行される。図10の最初のステップS41で、CPU36は回転画像100の表示角度が所定の角度範囲外になったか否かを判断する。あるいは、ゲーム装置10の回転角度が所定の角度範囲外になったか否かが判断されてもよい。つまり、ゲーム装置10が所定の角度よりも大きく回転されたか否かが判定されている。たとえば図5のゲームの場合、このステップS41では、図6に示したように回転画像100を非回転画像102から落とすことができる角度になったか否かが判断される。このステップS41で“YES”であれば、ステップS43でCPU36はゲームクリアフラグをオンに設定する。このステップS43を終了すると処理は図9のステップS19へ戻る。
【0070】
一方、ステップS41で“NO”であれば、ステップS45で所定の時間が経過したか否かを判断する。このステップS45で“YES”であれば、つまり、たとえば図5に示したゲームの場合において所定時間が経過しても回転画像100が非回転画像102上に残っていたときには、ステップS47で、CPU36はゲームオーバフラグをオンに設定する。このステップS47を終了すると、またはステップS45で“NO”であれば、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0071】
また、ステップS3で選択されたゲームが図7に示したようなゲームである場合には、ステップS17では図11に示す条件判定処理(2)が実行される。図11の最初のステップS61で、CPU36は所定時間が経過したか否かを判断する。つまり、たとえば図7に示したゲームの場合には、非回転画像102が回転画像100に徐々に近付いて来るので、非回転画像102を通過するタイミングになったか否かを判断している。ステップS61で“NO”であれば、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0072】
一方、ステップS61で“YES”であれば、ステップS63で、CPU36は回転画像100の表示角度が所定の角度範囲内になったか否かを判断する。あるいは、ゲーム装置10の回転角度が所定の角度範囲内になったか否かが判断されてもよい。たとえば図7のゲームの場合、このステップS63では、図7(B)に示したように回転画像100が非回転画像102の表示領域内に収まるような表示角度になったか否かが判断される。ステップS63で“YES”であれば、CPU36はステップS65でゲームクリアフラグをオンに設定する。一方、ステップS63で“NO”であれば、CPU36はステップS67でゲームオーバフラグをオンに設定する。ステップS65またはステップS67を終了すると、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0073】
また、ステップS3で選択されたゲームが図8に示したようなゲームである場合には、ステップS17では図12に示す条件判定処理(3)が実行される。図12の最初のステップS81で、CPU36は、回転画像100が非回転画像102と接触したか否かを、たとえば回転画像100の表示位置と非回転画像102の表示位置とに基づいて判断する。表示領域内に複数の非回転画像102が存在する場合、すべての非回転画像102について接触判定を行う。ステップS81で“YES”であれば、CPU36はステップS83でデータ記憶領域の所定領域に記憶されているプレイヤの得点またはプレイヤキャラクタ100のライフや残機(残りチャンス数)等の値を減らす。
【0074】
一方、ステップS81で“NO”であれば、CPU36は、ステップS85で、回転画像100が非回転画像102を避けるのに成功したか否かを判断する。ステップS85で“YES”であれば、CPU36はステップS87でデータ記憶領域の所定領域に記憶されている得点等の値を増やす。
【0075】
ステップS83を終了した後、CPU36は、ステップS89で、ライフや残機等が0になったか否かを判断する。ステップS89で“YES”であれば、CPU36はステップS91でゲームオーバフラグをオンに設定する。一方、ステップS89で“NO”であれば、図9のステップS19に戻る。また、ステップS85で”NO”であれば、図9のステップS19に戻る。
【0076】
また、ステップS87を終了した後、CPU36はステップS93で得点が所定値を超えたか否かを判断し、“YES”であれば、ステップS95でゲームクリアフラグをオンに設定する。ステップS91またはステップS95を終了すると、あるいは、ステップS93で“NO”であれば、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0077】
図9へ戻って、ステップS19では、CPU36はゲームオーバであるか否かを判断する。ステップS19で“YES”であれば、つまり、ゲームオーバフラグがオンに設定されている場合には、CPU36はステップS23でゲームオーバ処理を実行して、このゲームステージの処理を終了する。
【0078】
そして、ステップS25で、CPU36はゲームのプレイを終了するか否かを判断する。たとえばゲームプレイの終了を確認する画面を表示して、プレイヤに操作スイッチ20の操作によってプレイの終了または続行を選択させる。このステップS25で“NO”であれば、つまり、たとえば操作データバッファ領域76の操作データがプレイ続行を指示するデータであった場合等には、処理はステップS1へ戻る。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまり、たとえば操作データがプレイ終了を指示するデータであった場合等には、このゲーム処理を終了する。
【0079】
一方、ステップS19で“NO”であった場合には、ステップS21で、CPU36はゲームクリアであるか否かを判断する。このステップS21で“NO”であれば、処理はステップS5へ戻る。一方、ステップS21で“YES”であれば、つまり、ゲームクリアフラグがオンに設定されている場合には、CPU36は、ステップS27でゲームクリア処理を実行して、このゲームステージの処理を終了する。ステップS27を終了すると、処理はステップS3へ戻る。
【0080】
なお、回転画像100と非回転画像102の表示の関係に基づいて、ゲームの進行をゲームクリアとするか、あるいはゲームオーバとするかを判断することを説明してきたが、勿論回転画像100と非回転画像102の表示の関係に基づくゲーム進行はこれに限られるものではない。
【0081】
例えば、ゲームクリアとする代わりに、ある所定のゲームプレイを提供するフラグをオンにし、ゲームオーバとする代わりに、別の所定のゲームプレイを提供するフラグをオンにすることも考えられる。こうすることで、ゲーム進行の条件がより複雑になり、さらに興味深いゲームを提供することができるようになる。
【0082】
また、ゲームクリアの回数とゲームオーバの回数に基づいて、プレイされるゲームの難易度を上げることも考えられる。本実施例に基づけば、図10または図11に掲げたゲームにおいて、所定時間をより短く設定することが難易度を上げる一例として考えられる。
【0083】
この実施例によれば、ゲーム装置10を表示画面に垂直な軸回りに回転させる回転操作によって回転画像100を回転させてゲームを進めるという今までにない新しいゲームプレイをプレイヤに楽しんでもらうことができる。しかも、回転操作は表示画面に垂直な軸回りの回転であるので、表示画面は、傾斜するようなことがなくプレイヤに正対するゲーム開始時の状態に保たれる。したがって、ゲーム装置10自体を動かして行うゲーム操作でありながら、ゲーム画像が見難くなるようなことがないので、プレイヤはゲームプレイを存分に楽しむことができる。また、ゲーム装置10の回転角度に応じて回転する回転画像100と、回転角度に無関係に制御される非回転画像102との関係に応じてゲームが進行されるので、プレイヤは、極めて娯楽性が高く、新しい感覚のゲームプレイを楽しむことができる。また、回転画像100をゲーム装置10の回転角度と同じ大きさでかつ逆方向に回転させる場合には、回転画像100が静止し、非回転画像102が回転しているように見えるゲーム画像をプレイヤに提示することができる。したがって、プレイヤに新しくて面白い感覚のゲームプレイを体験して楽しんでもらうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明の一実施例のゲーム装置を示す外観図であり、(A)はゲーム機およびカートリッジの正面図を示し、(B)はカートリッジのIB視の側面図を示す。
【図2】図1実施例のゲーム装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1実施例のゲーム装置におけるメモリマップのうちプログラム記憶領域の一例を示す図解図である。
【図4】図1実施例のゲーム装置におけるメモリマップのうちデータ記憶領域の一例を示す図解図である。
【図5】図1実施例のゲーム装置でプレイされるゲームの一例の概要を示す図解図であり、(A)はゲーム開始時のゲーム画像を示し、(B)はゲーム装置がZ軸左回りに回転された場合のゲーム画像を示す。
【図6】図5のゲームにおいて、ゲーム装置がさらに回転された場合のゲーム画像を示す図解図である。
【図7】図1実施例のゲーム装置でプレイされるゲームの他の例の概要を示す図解図であり、(A)はゲーム開始時のゲーム画像を示し、(B)はゲーム装置が所定角度回転された場合のゲーム画像を示す。
【図8】図1実施例のゲーム装置でプレイされるゲームのその他の例の概要を示す図解図であり、(A)はゲーム開始時のゲーム画像を示し、(B)はゲーム装置が所定角度回転された場合のゲーム画像を示す。
【図9】図1実施例のゲーム装置のゲーム動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図5および図6のゲームが行われる場合の図9の条件判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図7のゲームが行われる場合の図9の条件判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図12】図8のゲームが行われる場合の図9の条件判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0085】
10 …ゲーム装置
12 …ゲーム機
14 …カートリッジ
16 …ハウジング
18 …LCD
28 …ジャイロセンサ
36 …CPU
40 …WRAM
44 …ROM
100 …回転画像(第1画像)
102 …非回転画像(第2画像)
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲーム装置およびゲームプログラムに関し、特にたとえば、プレイヤによって把持可能な大きさのハウジングと前記ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段とを備え、プレイヤによって表示画面に垂直な軸回りにハウジングが回転されることによってゲームが進行される、ゲーム装置およびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な携帯型ゲーム機や据置型ゲーム機は、ボタン操作やジョイスティック操作によってプレイヤがゲーム操作を行ってゲームをプレイするように構成されている。一方、表示画面の設けられたゲーム機のハウジングそのものや操作用コントローラのハウジングそのものを動かすことによってゲームをプレイするような特殊なゲーム装置も存在している。
【0003】
たとえば、本件出願人の出願にかかる特許文献1では、携帯ゲーム機のハウジングの傾きが検出され、検出された傾きをゲームに応用する技術が開示される。より詳しくは、傾き量や傾き方向に応じてキャラクタの移動量や移動方向などが変化されるゲームが提案されている。また、本件出願人の出願にかかる特許文献2では、携帯ゲーム機のハウジングの傾きが検出され、検出された傾きをいわゆる落ちものパズルゲームに応用する技術が開示される。すなわち、パズル要素が傾き方向に移動されるパズルゲーム装置が提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3では、角速度センサの内蔵されたコントローラが開示される。このコントローラでは、X軸,Y軸およびZ軸を中心にしたハウジングの回転の角速度が検出され、つまり、たとえばハウジングのローリング、ピッチングおよびヨーイングの動きが検出されて、コントローラ自身の動きによって操作ボタンと同様の操作指示が行われる。
【特許文献1】特開2001−170358号公報
【特許文献2】特開2003−62341号公報
【特許文献3】特開平11−99284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1または特許文献2のゲーム装置では、ゲーム機のハウジングを傾けてゲームプレイを進行するという、新しい操作感をもたらすゲームを実現できる。しかしながら、ゲーム機そのものを傾けると、表示画面がプレイヤに正対した状態から傾斜してしまうので、ゲームの画面が見難くなるという欠点があり、ゲームプレイの楽しみが阻害される恐れがあった。
【0006】
一方、特許文献3に記載のコントローラでは、コントローラ自体を傾けたり回転させたりすることによって、ゲームプレイを進行させることができる。しかしながら、ゲーム画面と一体的に操作することができないため、通常のボタン操作やジョイスティック操作以外の操作が付加されたこと以上の新たなゲームプレイを楽しむことはできなかった。
【0007】
なお、特許文献1ないし特許文献3の技術を組み合わせたとしても、たとえばヨーイングを検知したときに、単にそのヨーイングの方向に応じてキャラクタやパズル要素を移動させてプレイするゲームを提案できるにすぎない。
【0008】
それゆえに、この発明の主たる目的は、表示画面を含むゲーム装置自体を表示画面に垂直な軸回りに回転させるという操作によって、新しいゲームプレイを行うことができる、ゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、ゲーム装置自体を動かして行う操作でありながら、画面が見難くなることなく、ゲームプレイを楽しむことができる、ゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【0010】
この発明の更なる目的は、ゲーム装置の回転角度に応じて回転する画像と回転角度に無関係な画像との関係に応じてゲームが進行される、極めて高い娯楽性を持ち、新しい感覚を楽しませる、ゲーム装置およびゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジングとハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段とを備えるゲーム装置である。このゲーム装置は、角速度検出手段、回転角度算出手段、第1画像データ記憶手段、第2画像データ記憶手段、第1画像表示制御手段、第2画像表示制御手段、判定手段、およびゲーム進行変化手段を備える。角速度検出手段は、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する。回転角度算出手段は、角速度検出手段によって検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度を算出する。第1画像データ記憶手段は、回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する。第2画像データ記憶手段は、回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する。第1画像表示制御手段は、回転角度に基づいて第1画像を少なくとも回転させて表示手段に表示する。第2画像表示制御手段は、回転角度とは無関係に第2画像の表示を制御する。判定手段は、第1画像表示制御手段によって制御された第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する。ゲーム進行変化手段は、判定手段の判定結果に応じてゲームの進行を異ならせる。
【0012】
請求項1の発明では、ゲーム装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ。)は、プレイヤが両手で把持可能な大きさを有するハウジング(16)を備えており、ハウジングには表示手段(18)の表示画面が設けられている。つまり、ゲーム装置は、プレイヤが両手でハウジングの両端を掴んで持つことが可能でかつ表示画面を有する小型軽量のゲーム装置であり、たとえば携帯型ゲーム機、ノート型PC、携帯電話機などが用いられ得る。このゲーム装置では、プレイヤによってハウジングの回転操作が行われることによってゲームがプレイされる。回転操作は、表示画面に垂直な軸回りにハウジングすなわちゲーム装置自体を回転させる操作をいう。角速度検出手段(28、36、54、S7)は、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する。回転角度算出手段(36、56、S9)は、検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度を算出する。第1画像データ記憶手段(78)は、回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像(100)を表示するためのデータを記憶する。第2画像データ記憶手段(80)は、回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像(102)を表示するためのデータを記憶する。第1画像表示制御手段(36、58、S13)は、回転角度に基づいて第1画像を少なくとも回転させて表示手段に表示する。第1画像は、この制御された角度に基づいて回転された状態で表示される。第2画像表示制御手段(36、60、S15)は、回転角度とは無関係に第2画像の表示を制御する。判定手段(36、62、S17、S41、S45、S61、S63、S81、S85)は、第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する。この条件としては、たとえば、第1画像の表示角度が、第2画像によって決まる所定の角度範囲外であること、第1画像の表示角度が、第2画像によって決まる所定の角度範囲内であること、第1画像と第2画像とが接触すること等が定められている。ゲーム進行変化手段(36、64、S17、S43、S47、S65、S67、S83、S87)は、判定結果に応じてゲームの進行を異ならせる。
【0013】
したがって、請求項1の発明によれば、ハウジングすなわち表示画面を含めてゲーム装置自体に回転操作を行うことによって、第1画像を回転させてゲームを進めることができるので、今までにない新しいゲームプレイをプレイヤに楽しんでもらうことができる。しかも、表示画面に垂直な軸回りに回転させるので、ゲーム画像が見難くなるようなことがない。また、回転角度に応じて回転する第1画像と、回転角度に無関係に制御される第2画像との関係に応じてゲームが進行されるので、プレイヤは、娯楽性が高くて新しい感覚のゲームプレイを楽しむことができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属するゲーム装置であって、角速度検出手段は振動ジャイロを含む。請求項2の発明では、振動ジャイロを使用することによって、ゲーム装置の小型化およびコスト減少に寄与することができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明に従属するゲーム装置であって、第1画像表示制御手段は、第1画像が回転角度と逆方向でかつ同じ大きさの角度だけ回転するように、第1画像の表示角度を制御する。請求項3の発明では、回転操作とともに表示画面が回転されても、その回転を打ち消すように第1画像が表示される。したがって、回転操作とともに回転された表示画面では、プレイヤには、第1画像が回転せずに静止し、第2画像が回転しているように見える。したがって、プレイヤに新しくて面白い感覚のゲームプレイを体験して楽しんでもらうことができる。
【0016】
請求項4の発明は、プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジング、ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段、表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する角速度検出手段、ハウジングの回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する第1画像データ記憶手段、およびハウジングの回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を表示手段に表示するためのデータを記憶する第2画像データ記憶手段を備えるゲーム装置を、ハウジングの回転操作によってプレイされるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムである。このゲームプログラムは、ゲーム装置のプロセサに、回転角度算出ステップ、第1画像表示制御ステップ、第2画像表示制御ステップ、判定ステップ、およびゲーム進行変化ステップを実行させる。回転角度算出ステップは、角速度検出手段によって検出された角速度に基づいてハウジングの回転角度を算出する。第1画像表示制御ステップは、回転角度に基づいて第1画像を少なくとも回転させて表示手段に表示する。第2画像表示制御ステップは、回転角度とは無関係に第2画像の表示を制御する。判定ステップは、第1画像表示制御ステップによって制御された第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、第2画像との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する。ゲーム進行変化ステップは、判定ステップの判定結果に応じてゲームの進行を異ならせる。
【0017】
請求項5の発明は請求項4の発明に従属するゲームプログラムであり、請求項3の発明に対応するプログラムである。
【0018】
請求項4および5の発明では、請求項1および3の発明と同様に、プレイヤに新しいゲームプレイを楽しんでもらうことが可能である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、ゲーム装置自体を表示画面に垂直な軸回りに回転させるという操作によって、新しいゲームプレイを行うことができる。しかも、表示画面に垂直な軸回りに回転させる操作であるので、ゲーム装置自体を動かして行う操作でありながら、画面が見難くなるようなことがない。したがって、プレイヤにこのゲームプレイを十分に楽しんでもらうことが可能である。また、ゲーム装置の回転角度に応じて回転する画像と回転角度に無関係な画像との関係に応じてゲームが進行されるので、娯楽性が高く、新しい感覚のゲームプレイを提供することができる。
【0020】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1に示すこの実施例のゲーム装置10は、ゲーム機12およびゲーム機12に接続されるカートリッジ14を含む。ゲーム機12は、両手で把持可能な大きさの携帯型のゲーム機であり、ゲームプログラムおよびデータを記憶した着脱可能な外部記憶媒体としてのカートリッジ14を取り替えることによって、種々のゲームを楽しむことができるものである。
【0022】
ゲーム機12は、たとえば横長形状のハウジング16を含む。ハウジング16の一方主面(表面)の略中央には、画像表示手段の一例として液晶表示器(以下、「LCD」と略称する。)18が設けられる。このLCD18の表示画面にはゲーム画像が表示される。
【0023】
なお、ゲーム機12は携帯型のゲーム専用機に限られず、プレイヤが両手でハウジングの両端を掴んで持つことが可能な大きさを有するハウジングとゲーム画像の表示される表示画面とを備える小型のコンピュータに準ずるものであればよい。ゲーム機12としてノート型PC、PDA、携帯電話機などが適用されてよい。また、ゲーム情報記憶媒体は、カートリッジ14に限られず、CD−ROM,DVD−ROMのような光学式情報記憶媒体、光磁気ディスクまたは磁気ディスク等の各種の情報記憶媒体が適用されてよい。
【0024】
ハウジング16の左右端部には、プレイヤが操作を行う操作手段としての種々の操作スイッチ20a−20e(符号「20」で包括的に示す。)が設けられる。操作スイッチ20は、たとえば方向スイッチ20aと、動作スイッチ20bと、スタート/セレクトボタン20cと、ハウジング16の左角に設けられたLボタン20dと、ハウジング16の右角に設けられたRボタン20eとを含む。操作スイッチ20の各スイッチまたはボタンによって指示される操作内容は、ゲーム装置10で処理されるゲームプログラムの内容によって異なるものである。一例として、方向スイッチ20aは、項目を選択するカーソルの移動等のために使用される。動作スイッチ20bは、選択項目の決定/キャンセル等のために使用される。Lボタン20dおよびRボタン20eは、動作スイッチ20bに割り当てられた動作やその他の動作の指示等のために使用される。スタート/セレクトボタン20cは、ゲームプレイの開始、ゲーム操作の中断等のために使用される。
【0025】
また、ゲーム機12には、必要に応じて、ハウジング16の上側面に外部拡張コネクタ22(破線表示)が設けられる。このコネクタ22は、他のゲーム装置10(または他のゲーム機12)と接続するためのものである。このコネクタ22を介して、他のゲーム装置10との間で通信ゲームやデータの送受信が行われ得る。また、ハウジング16の表面に設けられた音抜き孔の内部にはスピーカ24(破線表示)が内蔵され、スピーカ24からはゲーム中のBGMや効果音等の音が出力される。
【0026】
カートリッジ14はハウジング26を含み、ハウジング26はゲーム機12のハウジング16の背面側に設けられる差込口(図示せず)に差し込まれる。また、カートリッジ14には、角速度検出手段(角速度センサ)としてジャイロセンサ28(図2)が内蔵されており、このジャイロセンサ28の収納されるハウジング30がハウジング26と一体的にかつ直交して形成されている。このカートリッジ14がゲーム機12に装着されるとき、ハウジング26はゲーム機12の表示画面に平行な状態となり、ハウジング30は表示画面に垂直な状態となる。ハウジング30内において、ジャイロセンサ28は、ゲーム機12への装着時に表示画面に垂直な軸(図1でZ軸)回りの角速度を検出可能な状態で実装されている。このジャイロセンサ28は1軸(Z軸)の角速度を検出するもので足りる。
【0027】
なお、Z軸回りの角度の方向については、図1に示すように、左回り(反時計回り)が正方向、右回り(時計回り)が負方向とされる。また、X軸およびY軸は表示画面に平行な軸であり、X軸はハウジング16の左右方向、Y軸はハウジング16の上下方向に相当する。また、X、YおよびZ軸は、ハウジング16のピッチ軸、ロール軸およびヨー軸に相当する。
【0028】
ハウジング26の差込方向先端部にはコネクタ32(図2)が形成されており、ゲーム機12の差込口の奥にはコネクタ34(図1で破線表示)が形成されている。カートリッジ14がゲーム機12に装着されたとき、コネクタ32とコネクタ34とが互いに接続され、ゲーム機12のCPU36(図2)はカートリッジ14にアクセス可能となる。このようなジャイロセンサ28を内蔵したカートリッジ14が装着されると、ゲーム機12は、表示画面に垂直な軸回りに回転されることによってゲームがプレイされるゲーム装置10として機能する。
【0029】
図2にはゲーム装置10の電気的な構成の一例が示される。この図2を参照して、ゲーム機12はCPU36を含み、CPU36は、コンピュータまたはプロセサなどとも呼ばれ、ゲーム機12を全体的に制御する。CPU36には、バスを介してLCD18、コネクタ34、操作部38、ワークメモリ(WRAM)40、および送受信バッファ42およびサウンド回路39等が接続される。
【0030】
LCD18にはCPU36から表示データが与えられて、その表示画面にはゲーム画像が表示される。なお、図示は省略されるが、CPU36にはVRAMおよびLCDコントローラ等が接続されている。VRAMには、背景画像(BG)やプレイヤキャラクタ、ノンプレイヤキャラクタ、アイテム等の画像を含むゲーム画像が描画される。ここで、プレイヤキャラクタとは、プレイヤの操作によって移動等の任意のアクションが制御される動画キャラクタをいう。この実施例では、プレイヤは表示画面に垂直な軸回りにゲーム装置10を回転させることによって、回転画像(第1画像)を回転させてゲームをプレイする。したがって、この回転画像(ゲーム装置10の回転に応じて回転する画像)がプレイヤキャラクタに相当する。一方、ノンプレイヤキャラクタとは、プレイヤの操作によらないでコンピュータ(CPU36)によって移動等の任意のアクションが制御される動画キャラクタをいう。この実施例では、ゲーム装置10の回転に無関係に制御される非回転画像(第2画像)がノンプレイヤキャラクタに相当する。そして、LCDコントローラは、CPU36の指示に従ってVRAMに描画されたゲーム画像データ(表示データ)を読み出し、LCD18にゲーム画像を表示する。
【0031】
操作部38は上述した操作スイッチ20を含み、各操作スイッチに対する操作に応じた操作入力データをCPU36に与える。したがって、CPU36は操作部38を通して与えられたプレイヤ(ユーザ)の指示に従った処理を実行する。
【0032】
WRAM40は書込み読出し可能なメモリであって、CPU36の作業領域またはバッファ領域として用いられる。WRAM40にはゲーム処理中に発生されたデータが一時記憶される。送受信バッファ42は、他のゲーム装置ないしゲーム機等との間で送受信されるデータ、たとえば多人数用通信ゲーム時にやり取りされるデータを、一時的に蓄積しておくためのものであり、外部拡張コネクタ22と接続される。他のゲーム装置との間で通信を行う場合には、図示しない通信ケーブル等を介してコネクタ22に他のゲーム装置を接続する。
【0033】
また、CPU36にはサウンド回路39を介してスピーカ24が接続されている。CPU36から与えられた音声データはサウンド回路39によってアナログ信号に変換され、そしてスピーカ24からゲーム音楽、効果音などの音が出力される。
【0034】
カートリッジ14には、上述したジャイロセンサ28とともに、ROM44およびRAM46が内蔵されていて、バス等を介してコネクタ32に接続される。カートリッジ14がゲーム機12に装着されてコネクタ32とコネクタ34とが接続されると、CPU36はジャイロセンサ28、ROM44およびRAM46と電気的に接続される。これによって、CPU36は、ROM44およびRAM46あるいはジャイロセンサ28にアクセスして、カートリッジ14の制御もしくはカートリッジ14とのデータのやり取りを行うことができる。
【0035】
ROM44には、ゲーム装置10自体の回転によってゲームがプレイされるゲーム装置10としてゲーム機12を機能させるためのゲームプログラムおよびデータが予め記憶される。RAM46は、ゲームデータ等を保存するための書込み読出し可能なメモリであり、たとえば不揮発性メモリであるフラッシュメモリや電池を電源とするSRAMなどが用いられる。
【0036】
ジャイロセンサ28は、振動ジャイロ(たとえば圧電ジャイロ)、オペアンプおよびA/D変換器などを含む。振動ジャイロは、回転に応じて作用するコリオリ力に基づく振動の変化を検出することによって、角速度を検出する。たとえば圧電ジャイロの場合には、振動用圧電素子による振動のコリオリ力による変化が検出用圧電素子によって検出される。検出信号は、オペアンプで増幅されてA/D変換器でディジタルデータに変換される。この実施例のジャイロセンサ28は、検出した角速度をたとえば0〜4095の値(4096段階)で出力する。ゲーム機12のCPU36は、この出力データを取得して、角速度値を検出する。ただし、このジャイロセンサ28は、回転が加えられていなくても常に何らかの値を出力し続けるものである。回転がないと見なされるときに出力される角速度値をニュートラルポジション値というものとすると、実際の角速度値は、取得した角速度値からニュートラルポジション値を差し引くことによって算出される。CPU36は、たとえば1表示フレーム(1/60秒)ごとにジャイロセンサ28の出力データを取得して、そのフレームにおける角速度値を算出し、算出された角速度値に基づいてゲーム装置10の回転角度を算出する。上述のように、このジャイロセンサ28はゲーム機12の表示画面に垂直な軸(Z軸:図1参照)回りの角速度を検出するので、CPU36はゲーム装置10のZ軸回りの回転角度を算出する。このように、角速度検出手段として振動ジャイロを用いるようにしたので、角速度検出手段を設けてもゲーム装置10を小型かつ安価に構成することが可能になる。
【0037】
なお、この実施例では、ゲーム装置10は別々のゲーム機12とカートリッジ14とを含むが、これらは一体的に形成されてもよい。つまり、ROM44、RAM46およびジャイロセンサ28は、ゲーム機12に内蔵するようにしてもよい。
【0038】
図3には、ゲーム装置10におけるメモリマップのうちプログラム記憶領域の一例が示される。プログラム記憶領域はROM44に設けられる。プログラム記憶領域には、CPU36によって実行されてゲーム機12をこの発明にかかるゲーム装置10として機能させる種々のプログラムが記憶されている。
【0039】
プログラム記憶領域は、初期設定プログラム記憶領域50、ゲームメイン処理プログラム記憶領域52、角速度検出プログラム記憶領域54、回転角度算出プログラム記憶領域56、回転画像表示制御プログラム記憶領域58、非回転画像表示制御プログラム記憶領域60、条件判定プログラム記憶領域62、進行変化プログラム記憶領域64、およびゲーム判定プログラム記憶領域66等を含む。
【0040】
初期設定プログラム記憶領域50には、ゲーム処理の開始時にWRAM40のワーク領域およびバッファ領域のクリア、各種変数やフラグの初期値設定、ニュートラルポジションの初期値設定等のためのプログラムが記憶されている。ゲームメイン処理プログラム記憶領域52には、ゲームメイン処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0041】
角速度検出プログラム記憶領域54には、ジャイロセンサ28から出力データを取得して角速度を検出するためのプログラムが記憶されている。このプログラムに従って、CPU36は、一定時間(たとえば1表示フレーム)ごとに角速度値データを取得し、取得した角速度値からニュートラルポジション値を差し引くことによってそのときの角速度値を算出する。
【0042】
回転角度算出プログラム記憶領域56には、検出された角速度値に基づいてゲーム装置10の回転角度を算出するためのプログラムが記憶されている。上述のように角速度値は一定時間ごとに検出されるので、検出された角速度値と時間との積によって、前回の検出時から今回の検出時までの間に回転した角度が算出される。この算出された回転角度を前回までの回転角度に加算することによって、今回の検出時におけるゲーム装置10の回転角度が算出される。なお、上述のようにジャイロセンサ28はゲーム装置10の表示画面に垂直な軸(Z軸)回りの角速度を検出するので、ゲーム装置10のZ軸回りの回転角度が算出される。
【0043】
回転画像表示制御プログラム記憶領域58には、ゲーム装置10の回転に応じて回転される回転画像(第1画像)の表示を制御するためのプログラムが記憶されている。ゲーム画像には少なくとも1つの回転画像が表示される。このプログラムに従って、CPU36は回転画像の制御データを必要に応じて更新する。この実施例では、プレイヤキャラクタ、ノンプレイヤキャラクタおよび背景などの画像は、画像指定データ、表示位置データおよび表示角度データ等を含む制御データに基づいて表示される。つまり、画像は、画像指定データで指定された画像データを使用して、表示位置データで指定された位置に、表示角度データで指定された角度だけZ軸回りに回転させた状態で、LCD18の表示画面に表示される。回転画像の表示角度は、回転角度算出プログラムによって算出されたゲーム装置10の回転角度に基づいて制御される。この実施例では、回転画像の表示角度は、初期値からゲーム装置10の回転角度と逆方向かつ同じ大きさの角度だけ回転された値に設定される。したがって、回転操作による表示画面の回転を打ち消すように回転画像は回転されるので、ハウジング16とともに回転された表示画面では、回転画像は、回転せずに最初の表示角度の状態のままであるように見えることとなる。また、回転画像の表示位置の制御方法は任意であり、ゲーム装置10の回転角度に無関係に制御されてもよいし、所定の位置に固定されてもよいし、あるいは、ゲーム装置10の回転角度に基づいて制御されてもよい。
【0044】
非回転画像表示制御プログラム記憶領域60には、ゲーム装置10の回転とは無関係に制御される非回転画像(第2画像)の表示を制御するためのプログラムが記憶されている。ゲーム画像には少なくとも1つの非回転画像が表示される。このプログラムに従って、CPU36は非回転画像の制御データを必要に応じて更新する。ただし、非回転画像の制御データ(画像指定データ、表示位置データおよび表示角度データ等を含む。)は、回転角度算出プログラムによって算出されたゲーム装置10の回転角度に無関係に制御される。したがって、ハウジング16とともに回転された表示画面では、非回転画像は、ゲーム装置10の回転に応じて回転しているように見えることとなる。
【0045】
条件判定プログラム記憶領域62には、回転画像の状態が非回転画像との関係において所定の条件を満足したか否かを判定するためのプログラムが記憶されている。具体的には、このプログラムによって、回転画像の位置および角度の少なくとも一方が非回転画像との関係において所定の条件を満足したか否かが判定される。この所定の条件は、回転画像の表示と非回転画像の表示との関係で定められるものである。たとえば、回転画像が非回転画像によって決まる所定の角度だけ回転したか否か(つまり、回転画像の表示角度が非回転画像によって決まる所定の角度になったか否か)、あるいは、回転画像が非回転画像と接触したか否か等が判定される。
【0046】
進行変化プログラム記憶領域64には、条件判定プログラムによる判定結果に応じてゲームの進行を異ならせるためのプログラムが記憶されている。たとえば、判定結果に応じて、プレイヤの得点が加減されたり、ゲームクリアとされたり、あるいはゲームオーバとされたりする。ゲーム判定プログラム記憶領域66には、ゲームクリアであるか否かやゲームオーバであるか否かを判定するためのプログラムが記憶されている。なお、図3では省略されるが、プログラム記憶領域には、ゲームサウンドを出力するためのプログラム等のような必要な他のプログラムも記憶されている。
【0047】
図4には、ゲーム装置10におけるメモリマップのうちデータ記憶領域の一例が示される。データ記憶領域はROM44およびWRAM40等に設けられる。データ記憶領域には、ゲームプログラムの実行時に使用される種々のデータが予め記憶され、また、処理によって生成されまたは取得されたデータが一時記憶される。
【0048】
データ記憶領域は、角速度検出値バッファ領域70、ニュートラルポジション値領域72、回転角度領域74、操作データバッファ領域76、回転画像制御データ領域78、非回転画像制御データ領域80、画像データ領域82、およびサウンドデータ領域84等を含む。
【0049】
角速度検出値バッファ領域70には、角速度検出プログラムによって検出されたジャイロセンサ28からの角速度値データが記憶される。ニュートラルポジション値領域72には、ゲーム装置10が回転されていないと見なされる状態のときにジャイロセンサ28から出力される角速度値をニュートラルポジション時の値としたニュートラルポジション値データが記憶される。このニュートラルポジション値は、ジャイロセンサの特性に応じて、時々刻々変更され得る値である。回転角度領域74には、回転角度算出プログラムによって算出された回転角度データが記憶される。操作データバッファ領域76には、操作部38からの操作入力データが記憶される。
【0050】
回転画像制御データ領域78には、回転画像の表示を制御するための制御データが記憶される。複数の回転画像が存在する場合、複数の回転画像の制御データが記憶される。制御データは、画像指定データ、表示位置データおよび表示角度データ等を含む。画像指定データは、回転画像の表示に使用する画像データを指定するデータである。表示位置データは、回転画像の画像データを表示する位置を指定するデータである。表示角度データは、回転画像の画像データを表示する角度を指定するデータであり、画像データは、この表示角度データで指定された角度だけZ軸回りに回転された状態で表示されることとなる。
【0051】
非回転画像制御データ領域80には、非回転画像の表示を制御するための制御データが記憶される。複数の非回転画像が存在する場合、複数の非回転画像の制御データが記憶される。非回転画像制御データは、画像指定データおよび表示位置データ等を含む。画像指定データは非回転画像の表示に使用する画像データを指定するデータであり、表示位置データは非回転画像の画像データを表示する位置を指定するデータである。
【0052】
画像データ記憶領域82には、回転画像、非回転画像等を表示するための各画像データが記憶される。サウンドデータ記憶領域84にはBGMや効果音などのゲームサウンドを生成するためのサウンドデータが記憶される。なお、図4では省略されるが、データ記憶領域には、ゲームクリアフラグ、ゲームオーバフラグ等、ゲームを進行させる上で必要な他のデータも記憶されている。
【0053】
このゲーム装置10では、プレイヤはゲーム装置10を表示画面に垂直な軸(Z軸)回りに回転させることによってゲームをプレイする。このゲーム装置10をZ軸回りに回転させる操作を回転操作というものとする。プレイヤによって回転操作が行われると、回転操作によってゲーム装置10の回転した角度が、ジャイロセンサ28で検出される角速度値に基づいて算出される。回転画像はゲーム装置10の回転した角度に応じて回転され、一方、非回転画像は回転角度に無関係に表示される。回転画像は、この実施例では、ゲーム装置10の回転角度と逆方向に同じ大きさだけ回転される。回転操作が行われるとハウジング16に固定されている表示画面も一緒に回転するので、プレイヤには、回転画像は回転せずに静止しているように見え、一方、非回転画像は回転しているように見える。プレイヤはこのようなゲーム画像を見てゲームをプレイする。そして、回転画像と非回転画像との関係において所定の条件が満足されたか否かが判定され、その判定結果に応じてゲームの進行が変化される。
【0054】
このゲーム装置10でプレイされるゲームの一例の概要が図5に示される。図5(A)にはゲーム開始時のゲーム画像が示され、このゲーム画像では、回転画像100が三日月形状の非回転画像102の上に乗っている。この図5のゲームでは、プレイヤは回転操作によって回転画像100を回転させて、非回転画像102の上で滑らせる。非回転画像102は回転操作に関係なく所定の位置に静止するように制御される。一方、回転画像100は、回転角度と逆方向に同じ大きさだけ回転された表示角度で表示される。プレイヤには、回転画像100は最初の状態のままで静止しているように見え、非回転画像102が回転しているように見える。そして、たとえば所定の時間が経過しても回転画像100が非回転画像102から落ちなかった場合にはゲームオーバとなり、滑り落とせた場合にはゲームクリアとなる。詳しくは、ゲーム装置10を回転させて回転画像100が非回転画像102から落ちる回転角度が、非回転画像102の形状および配置等に基づいて予め設定されている。この例では、ゲーム装置10の回転角度がたとえば−45度〜+90度の範囲内であれば、回転画像100は非回転画像102上に乗っていることが可能である。つまり、回転画像100の表示角度はこの実施例では回転角度と逆方向に同じ大きさだけ変化されるので、回転画像100の表示角度が、当初の角度から+45度〜−90度の範囲内であれば、回転画像100は非回転画像102上に乗ったままであり、回転画像100の表示位置は非回転画像102の形状に沿ってたとえば弧を描くようにして移動される。
【0055】
なお、ゲーム開始時には、プレイヤは、通常、図5(A)に示すような状態で、すなわち、X軸がプレイヤの体の左右方向となりY軸がプレイヤの体の前後方向となるような状態でゲーム装置10のハウジング16を把持する。したがって、算出されるゲーム装置10の回転角度は、このゲーム開始時の状態からZ軸回りに回転した角度である。
【0056】
図5(B)にはゲーム装置10に回転操作が施された場合のゲーム画像の一例が示される。具体的には、ゲーム装置10は図5(A)の状態からZ軸左回りに角度の大きさαだけ回転されている。この角度+αは、回転画像100が非回転画像102に乗っていることが可能な所定の角度範囲内である。この場合、回転画像の表示角度は、初期値から(−α)だけ回転された値に設定され、つまり、回転画像100は当初の状態から右回りに角度αだけ回転された状態で表示される。このようにして、プレイヤには、回転画像100は回転せずに静止しているように見え、一方、非回転画像102はゲーム装置10の回転によって回転しているように見える。
【0057】
一方、図6には、ゲーム装置10の回転角度が所定角度範囲外になった場合のゲーム画像の一例が示される。具体的には、ゲーム装置10の回転角度が+90度を超えた場合のゲーム画像であり、回転画像100の表示角度は、初期値から回転角度と逆方向で同じ大きさだけ回転された値に設定されている。回転角度が所定の角度範囲外の値になったので、回転画像100が非回転画像102から落下するゲーム画像が表示される。
【0058】
また、図7には、ゲーム装置10でプレイされるゲームの他の例の概要が示される。図7(A)にはゲーム開始時のゲーム画像が示され、飛行機を示す回転画像100および隙間を示す非回転画像102が表示される。この図7のゲームでは、回転画像100の表示位置は表示画面の中心に固定されている。一方、非回転画像102は、回転角度とは無関係に、徐々に回転画像100に近付くように制御される。プレイヤは、図7(B)に示すように、回転操作によって回転画像100を回転させて、非回転画像102内を通過させることが要求される。回転画像100の表示角度は、この実施例では、図5の例と同様にゲーム装置10の回転角度に応じて制御される。したがって、プレイヤには、回転画像100は回転せずに静止しているように見え、非回転画像102は回転しているように見える。飛行機100が隙間102を通過できた場合にはゲームクリアとなり、通過できなかった場合にはゲームオーバとなる。具体的には、所定の時間が経過したときに、回転画像100の表示角度が、回転画像100が非回転画像102の表示領域内に収まるような所定の角度範囲内になっているかどうかが判定される。あるいは、ゲーム装置10の回転角度が所定の角度範囲内になっているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0059】
また、図8には、ゲーム装置10でプレイされるゲームのその他の例の概要が示される。図8(A)には、ゲーム開始時のゲーム画像が示される。この図8のゲームでは、非回転画像102がたとえば回転画像100に向かって直進するように制御されるので、プレイヤは、図8(B)に示すように、回転操作によって回転画像100が非回転画像102と接触するのを回避することが要求される。回転画像100の表示角度は、図5の例と同様に、ゲーム装置10の回転角度に応じて制御される。また、回転画像100の表示位置は、たとえば表示画面の中心からの距離が一定であるようにして回転角度に応じて制御される。したがって、直進する非回転画像102を回転操作によって避けることが可能になっている。この図8のゲームでも、回転画像100は回転せずに静止しているように見え、非回転画像102は回転しているようにみえる。具体的には、回転画像100および非回転画像102の表示位置データ等に基づいて、回転画像100が非回転画像102と接触したかどうか、または非回転画像102を避けたかどうか等が判定される。そして、たとえば、非回転画像102と接触した場合にはプレイヤの得点(あるいはプレイヤキャラクタ100のライフ)が減少され、非回転画像102を避けるのに成功した場合には得点あるいはライフが増加される。得点等が所定値を超えた場合にはゲームクリアとなり、得点等が0になった場合にはゲームオーバとなる。
【0060】
図9にはゲーム装置10のゲーム動作の一例が示される。図9の最初のステップS1で、CPU36はゲーム初期設定を実行し、たとえばWRAM40のワーク領域やバッファ領域をクリアしたり、ニュートラルポジションの初期値を設定したり、あるいは各種変数やフラグに初期値を設定したりする。この実施例のジャイロセンサ28は回転していなくても常に何らかの値を出力するので、回転しているときの実際の角速度値を算出するために、回転していないと見なされるときにジャイロセンサ28から出力される角速度値をニュートラルポジション値の初期値として設定し、記憶しておく。つまり、回転がないと見なされるときのジャイロセンサ28から出力される角速度値を検出し、検出した値に基づいてニュートラルポジション値を設定する。こうして決定されたニュートラルポジション値はデータ記憶領域のニュートラルポジション値データ領域72に記憶される。
【0061】
次に、ステップS3で、CPU36は、プレイするゲームステージを選択する。この実施例では、たとえば図5から図8に示したように複数のゲームステージが準備されている。このステップS3では、たとえばプレイヤにゲームステージを選択させるための選択画面が表示される。そして、操作部38からの操作入力データに基づいてゲームステージが選択される。
【0062】
選択されたステージのゲームを開始すると、CPU36は、次のステップS5からステップS21の処理を、たとえば1表示フレームのように、一定時間ごとに実行する。ステップS5で、CPU36は、まず角速度のニュートラルポジション値を補正する。ニュートラルポジション値は、ジャイロセンサ28の特性によりずれることがあるので、補正のための処理が実行される。たとえば、今回までの所定時間に取得された複数の角速度値が安定していると判断される場合に、ステップS1で設定されたまたはステップS5で補正されたニュートラルポジション値と差が無いかどうかを判定する。このとき差があるようであれば、ニュートラルポジション値を補正(たとえば安定していると判断される場合の平均値を算出して、ニュートラルポジション値を更新するなど)して、ゲームプレイに違和感が出ないようにする。
【0063】
ステップS7で、CPU36は、ジャイロセンサ28から角速度値を取得して角速度検出値バッファ領域70に記憶する。そして、取得した角速度値からニュートラルポジション値を差し引くことによって、実際の角速度値が算出される。
【0064】
ステップS9では、CPU36はゲーム装置10の回転角度を算出して回転角度データ領域74に記憶する。具体的には、検出した角速度値と検出時間間隔との積によって、前回の検出時から今回の検出時までの間に回転した角度が算出される。そして、この算出された角度を前回までの回転角度に加算することによって今回の回転角度が算出される。
【0065】
ステップS11では、CPU36は操作部38から操作入力データを取得して操作データバッファ領域76に記憶する。
【0066】
ステップS13では、CPU36は回転角度に基づいて回転画像の表示を制御する。具体的には、回転画像100の表示角度がステップS9で算出された回転角度に基づいて制御される。この実施例では、回転画像100の表示角度は、当初の値から回転角度と逆方向で同じ大きさの角度だけ回転した値に設定される。このステップS13で、回転画像100の制御データが必要に応じて更新されて、回転画像制御データ領域78に記憶される。なお、回転画像100の表示位置も必要に応じて回転角度に基づいて制御されてよい。そして、回転画像制御データ領域78の制御データに基づいて回転画像100が表示される。したがって、回転角度に応じて回転された回転画像100が表示画面上に表示されることとなる。
【0067】
ステップS15では、CPU36は非回転画像の表示を制御する。非回転画像102の表示位置および表示角度等は回転角度と無関係に制御される。このステップS15で、非回転画像102の制御データが必要に応じて更新されて、非回転画像制御データ領域80に記憶される。そして、非回転画像制御データ領域80の制御データに基づいて非回転画像102が表示される。したがって、回転角度とは無関係な動きをする非回転画像102が表示画面上に表示されることとなる。
【0068】
ステップS17では、CPU36は条件判定処理を実行する。このステップS17の処理では、回転画像と非回転画像との関係における所定の条件が満足されたか否かが判定され、その判定結果に応じてゲーム進行が変化される。具体的には、図10、図11および図12のそれぞれに条件判定処理の動作の一例が詳細に示される。たとえば図10は図5に示したようなゲームにおける条件判定処理の一例を示し、図11は図7に示したようなゲームにおける条件判定処理の一例を示し、図12は図8に示したようなゲームにおける条件判定処理の一例を示す。
【0069】
ステップS3で選択されたゲームが図5に示したようなゲームである場合には、ステップS17では図10に示す条件判定処理(1)が実行される。図10の最初のステップS41で、CPU36は回転画像100の表示角度が所定の角度範囲外になったか否かを判断する。あるいは、ゲーム装置10の回転角度が所定の角度範囲外になったか否かが判断されてもよい。つまり、ゲーム装置10が所定の角度よりも大きく回転されたか否かが判定されている。たとえば図5のゲームの場合、このステップS41では、図6に示したように回転画像100を非回転画像102から落とすことができる角度になったか否かが判断される。このステップS41で“YES”であれば、ステップS43でCPU36はゲームクリアフラグをオンに設定する。このステップS43を終了すると処理は図9のステップS19へ戻る。
【0070】
一方、ステップS41で“NO”であれば、ステップS45で所定の時間が経過したか否かを判断する。このステップS45で“YES”であれば、つまり、たとえば図5に示したゲームの場合において所定時間が経過しても回転画像100が非回転画像102上に残っていたときには、ステップS47で、CPU36はゲームオーバフラグをオンに設定する。このステップS47を終了すると、またはステップS45で“NO”であれば、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0071】
また、ステップS3で選択されたゲームが図7に示したようなゲームである場合には、ステップS17では図11に示す条件判定処理(2)が実行される。図11の最初のステップS61で、CPU36は所定時間が経過したか否かを判断する。つまり、たとえば図7に示したゲームの場合には、非回転画像102が回転画像100に徐々に近付いて来るので、非回転画像102を通過するタイミングになったか否かを判断している。ステップS61で“NO”であれば、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0072】
一方、ステップS61で“YES”であれば、ステップS63で、CPU36は回転画像100の表示角度が所定の角度範囲内になったか否かを判断する。あるいは、ゲーム装置10の回転角度が所定の角度範囲内になったか否かが判断されてもよい。たとえば図7のゲームの場合、このステップS63では、図7(B)に示したように回転画像100が非回転画像102の表示領域内に収まるような表示角度になったか否かが判断される。ステップS63で“YES”であれば、CPU36はステップS65でゲームクリアフラグをオンに設定する。一方、ステップS63で“NO”であれば、CPU36はステップS67でゲームオーバフラグをオンに設定する。ステップS65またはステップS67を終了すると、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0073】
また、ステップS3で選択されたゲームが図8に示したようなゲームである場合には、ステップS17では図12に示す条件判定処理(3)が実行される。図12の最初のステップS81で、CPU36は、回転画像100が非回転画像102と接触したか否かを、たとえば回転画像100の表示位置と非回転画像102の表示位置とに基づいて判断する。表示領域内に複数の非回転画像102が存在する場合、すべての非回転画像102について接触判定を行う。ステップS81で“YES”であれば、CPU36はステップS83でデータ記憶領域の所定領域に記憶されているプレイヤの得点またはプレイヤキャラクタ100のライフや残機(残りチャンス数)等の値を減らす。
【0074】
一方、ステップS81で“NO”であれば、CPU36は、ステップS85で、回転画像100が非回転画像102を避けるのに成功したか否かを判断する。ステップS85で“YES”であれば、CPU36はステップS87でデータ記憶領域の所定領域に記憶されている得点等の値を増やす。
【0075】
ステップS83を終了した後、CPU36は、ステップS89で、ライフや残機等が0になったか否かを判断する。ステップS89で“YES”であれば、CPU36はステップS91でゲームオーバフラグをオンに設定する。一方、ステップS89で“NO”であれば、図9のステップS19に戻る。また、ステップS85で”NO”であれば、図9のステップS19に戻る。
【0076】
また、ステップS87を終了した後、CPU36はステップS93で得点が所定値を超えたか否かを判断し、“YES”であれば、ステップS95でゲームクリアフラグをオンに設定する。ステップS91またはステップS95を終了すると、あるいは、ステップS93で“NO”であれば、処理は図9のステップS19へ戻る。
【0077】
図9へ戻って、ステップS19では、CPU36はゲームオーバであるか否かを判断する。ステップS19で“YES”であれば、つまり、ゲームオーバフラグがオンに設定されている場合には、CPU36はステップS23でゲームオーバ処理を実行して、このゲームステージの処理を終了する。
【0078】
そして、ステップS25で、CPU36はゲームのプレイを終了するか否かを判断する。たとえばゲームプレイの終了を確認する画面を表示して、プレイヤに操作スイッチ20の操作によってプレイの終了または続行を選択させる。このステップS25で“NO”であれば、つまり、たとえば操作データバッファ領域76の操作データがプレイ続行を指示するデータであった場合等には、処理はステップS1へ戻る。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまり、たとえば操作データがプレイ終了を指示するデータであった場合等には、このゲーム処理を終了する。
【0079】
一方、ステップS19で“NO”であった場合には、ステップS21で、CPU36はゲームクリアであるか否かを判断する。このステップS21で“NO”であれば、処理はステップS5へ戻る。一方、ステップS21で“YES”であれば、つまり、ゲームクリアフラグがオンに設定されている場合には、CPU36は、ステップS27でゲームクリア処理を実行して、このゲームステージの処理を終了する。ステップS27を終了すると、処理はステップS3へ戻る。
【0080】
なお、回転画像100と非回転画像102の表示の関係に基づいて、ゲームの進行をゲームクリアとするか、あるいはゲームオーバとするかを判断することを説明してきたが、勿論回転画像100と非回転画像102の表示の関係に基づくゲーム進行はこれに限られるものではない。
【0081】
例えば、ゲームクリアとする代わりに、ある所定のゲームプレイを提供するフラグをオンにし、ゲームオーバとする代わりに、別の所定のゲームプレイを提供するフラグをオンにすることも考えられる。こうすることで、ゲーム進行の条件がより複雑になり、さらに興味深いゲームを提供することができるようになる。
【0082】
また、ゲームクリアの回数とゲームオーバの回数に基づいて、プレイされるゲームの難易度を上げることも考えられる。本実施例に基づけば、図10または図11に掲げたゲームにおいて、所定時間をより短く設定することが難易度を上げる一例として考えられる。
【0083】
この実施例によれば、ゲーム装置10を表示画面に垂直な軸回りに回転させる回転操作によって回転画像100を回転させてゲームを進めるという今までにない新しいゲームプレイをプレイヤに楽しんでもらうことができる。しかも、回転操作は表示画面に垂直な軸回りの回転であるので、表示画面は、傾斜するようなことがなくプレイヤに正対するゲーム開始時の状態に保たれる。したがって、ゲーム装置10自体を動かして行うゲーム操作でありながら、ゲーム画像が見難くなるようなことがないので、プレイヤはゲームプレイを存分に楽しむことができる。また、ゲーム装置10の回転角度に応じて回転する回転画像100と、回転角度に無関係に制御される非回転画像102との関係に応じてゲームが進行されるので、プレイヤは、極めて娯楽性が高く、新しい感覚のゲームプレイを楽しむことができる。また、回転画像100をゲーム装置10の回転角度と同じ大きさでかつ逆方向に回転させる場合には、回転画像100が静止し、非回転画像102が回転しているように見えるゲーム画像をプレイヤに提示することができる。したがって、プレイヤに新しくて面白い感覚のゲームプレイを体験して楽しんでもらうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明の一実施例のゲーム装置を示す外観図であり、(A)はゲーム機およびカートリッジの正面図を示し、(B)はカートリッジのIB視の側面図を示す。
【図2】図1実施例のゲーム装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1実施例のゲーム装置におけるメモリマップのうちプログラム記憶領域の一例を示す図解図である。
【図4】図1実施例のゲーム装置におけるメモリマップのうちデータ記憶領域の一例を示す図解図である。
【図5】図1実施例のゲーム装置でプレイされるゲームの一例の概要を示す図解図であり、(A)はゲーム開始時のゲーム画像を示し、(B)はゲーム装置がZ軸左回りに回転された場合のゲーム画像を示す。
【図6】図5のゲームにおいて、ゲーム装置がさらに回転された場合のゲーム画像を示す図解図である。
【図7】図1実施例のゲーム装置でプレイされるゲームの他の例の概要を示す図解図であり、(A)はゲーム開始時のゲーム画像を示し、(B)はゲーム装置が所定角度回転された場合のゲーム画像を示す。
【図8】図1実施例のゲーム装置でプレイされるゲームのその他の例の概要を示す図解図であり、(A)はゲーム開始時のゲーム画像を示し、(B)はゲーム装置が所定角度回転された場合のゲーム画像を示す。
【図9】図1実施例のゲーム装置のゲーム動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図5および図6のゲームが行われる場合の図9の条件判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図11】図7のゲームが行われる場合の図9の条件判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図12】図8のゲームが行われる場合の図9の条件判定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0085】
10 …ゲーム装置
12 …ゲーム機
14 …カートリッジ
16 …ハウジング
18 …LCD
28 …ジャイロセンサ
36 …CPU
40 …WRAM
44 …ROM
100 …回転画像(第1画像)
102 …非回転画像(第2画像)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジングと前記ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段とを備えるゲーム装置であって、
前記表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する角速度検出手段、
前記角速度検出手段によって検出された角速度に基づいて前記ハウジングの回転角度を算出する回転角度算出手段、
前記回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第1画像データ記憶手段、
前記回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第2画像データ記憶手段、
前記回転角度に基づいて前記第1画像を少なくとも回転させて前記表示手段に表示する第1画像表示制御手段、
前記回転角度とは無関係に前記第2画像の表示を制御する第2画像表示制御手段、
前記第1画像表示制御手段によって制御された前記第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、前記第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する判定手段、および
前記判定手段の判定結果に応じてゲームの進行を異ならせるゲーム進行変化手段を備える、ゲーム装置。
【請求項2】
前記角速度検出手段は振動ジャイロを含む、請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第1画像表示制御手段は、前記第1画像が前記回転角度と逆方向でかつ同じ大きさの角度だけ回転するように、前記第1画像の表示角度を制御する、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジング、前記ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段、前記表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する角速度検出手段、前記ハウジングの回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第1画像データ記憶手段、および前記ハウジングの回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第2画像データ記憶手段を備えるゲーム装置を、前記ハウジングの回転操作によってプレイされるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置のプロセサに、
前記角速度検出手段によって検出された角速度に基づいて前記ハウジングの回転角度を算出する回転角度算出ステップ、
前記回転角度に基づいて前記第1画像を少なくとも回転させて前記表示手段に表示する第1画像表示制御ステップ、
前記回転角度とは無関係に前記第2画像の表示を制御する第2画像表示制御ステップ、
前記第1画像表示制御ステップによって制御された前記第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、前記第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する判定ステップ、および
前記判定ステップの判定結果に応じてゲームの進行を異ならせるゲーム進行変化ステップを実行させる、ゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1画像表示制御ステップは、前記第1画像が前記回転角度と逆方向でかつ同じ大きさの角度だけ回転するように、前記第1画像の表示角度を制御する、請求項4記載のゲームプログラム。
【請求項1】
プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジングと前記ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段とを備えるゲーム装置であって、
前記表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する角速度検出手段、
前記角速度検出手段によって検出された角速度に基づいて前記ハウジングの回転角度を算出する回転角度算出手段、
前記回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第1画像データ記憶手段、
前記回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第2画像データ記憶手段、
前記回転角度に基づいて前記第1画像を少なくとも回転させて前記表示手段に表示する第1画像表示制御手段、
前記回転角度とは無関係に前記第2画像の表示を制御する第2画像表示制御手段、
前記第1画像表示制御手段によって制御された前記第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、前記第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する判定手段、および
前記判定手段の判定結果に応じてゲームの進行を異ならせるゲーム進行変化手段を備える、ゲーム装置。
【請求項2】
前記角速度検出手段は振動ジャイロを含む、請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第1画像表示制御手段は、前記第1画像が前記回転角度と逆方向でかつ同じ大きさの角度だけ回転するように、前記第1画像の表示角度を制御する、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
プレイヤが両手で把持可能な大きさのハウジング、前記ハウジングに設けられる表示画面を含む表示手段、前記表示画面に垂直な軸回りの角速度を検出する角速度検出手段、前記ハウジングの回転角度に応じて回転表示制御される少なくとも1つの第1画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第1画像データ記憶手段、および前記ハウジングの回転角度とは無関係に表示制御される少なくとも1つの第2画像を前記表示手段に表示するためのデータを記憶する第2画像データ記憶手段を備えるゲーム装置を、前記ハウジングの回転操作によってプレイされるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置のプロセサに、
前記角速度検出手段によって検出された角速度に基づいて前記ハウジングの回転角度を算出する回転角度算出ステップ、
前記回転角度に基づいて前記第1画像を少なくとも回転させて前記表示手段に表示する第1画像表示制御ステップ、
前記回転角度とは無関係に前記第2画像の表示を制御する第2画像表示制御ステップ、
前記第1画像表示制御ステップによって制御された前記第1画像の表示角度および表示位置の少なくとも一方が、前記第2画像の表示との関係で定められる条件を満足したか否かを判定する判定ステップ、および
前記判定ステップの判定結果に応じてゲームの進行を異ならせるゲーム進行変化ステップを実行させる、ゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1画像表示制御ステップは、前記第1画像が前記回転角度と逆方向でかつ同じ大きさの角度だけ回転するように、前記第1画像の表示角度を制御する、請求項4記載のゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−68027(P2006−68027A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251231(P2004−251231)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
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