説明

ゲーム装置およびプログラム

【課題】キャラクタの種類数を過度に増加させずにアイテムを多様化する。
【解決手段】ゲーム装置14Aは、1以上のキャラクタを含むとともにキャラクタ毎にポイントが設定されたアイテムをプレイヤに付与する。記憶装置34は、プレイヤが所有するアイテムを記憶する。記憶装置34に記憶された複数のアイテムのうち第1アイテムと第2アイテムとの合成が指示された場合、制御装置32は、第1アイテムと第2アイテムとの間で共通する特定キャラクタを含み、かつ、特定キャラクタのポイントXが、第1アイテムの特定キャラクタのポイントX1と第2アイテムの特定キャラクタのポイントX2とに応じて設定されたアイテムを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムを収集するゲームを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のイベントの実行でプレイヤにアイテムを付与するゲームが従来から提案されている。例えば非特許文献1には、モンスター等のキャラクタを描画したカードで表現されたアイテムをプレイヤに付与するゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」,株式会社イースト・プレス,平成23年4月1日,p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1の技術では、1個のアイテムに1種類のキャラクタが対応付けられるから、例えばゲームの興趣性を向上させるためにアイテムを多様化するにはキャラクタの種類数を増加させる必要がある。以上の事情を考慮して、本発明は、キャラクタの種類数を過度に増加させずにアイテムを多様化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0006】
本発明の好適な態様のゲーム装置(14A,14B)は、1以上のキャラクタを含むとともにキャラクタ毎にポイント(X)が設定されたアイテムをプレイヤに付与するゲーム装置(14A,14B)であって、プレイヤが所有するアイテムを記憶する記憶部(34)と、記憶部(34)に記憶された複数のアイテムのうち第1アイテム(T1,Ta)と第2アイテム(T2,Tb)との合成が指示された場合に、第1アイテム(T1,Ta)と第2アイテム(T2,Tb)との間で共通する特定キャラクタを含み、かつ、特定キャラクタのポイント(X)が、第1アイテム(T1,Ta)の特定キャラクタのポイント(X)と第2アイテム(T2,Tb)の特定キャラクタのポイント(X)とに応じて設定されたアイテムを生成するアイテム合成部(32,EA)とを具備する。
【0007】
以上の構成では、1個のアイテムに対して1以上のキャラクタが対応するから、キャラクタの組合せが相違するアイテムが別個のアイテムとして区別される。したがって、1個のアイテムに1種類のキャラクタのみを対応させる場合と比較して、キャラクタの種類数を過度に増加させることなくアイテムを多様化することが可能である。しかも、第1アイテム(T1,Ta)と第2アイテム(T2,Tb)との間で共通する特定キャラクタのポイント(X)を、第1アイテム(T1,Ta)の特定キャラクタのポイント(X)と第2アイテム(T2,Tb)の特定キャラクタのポイント(X)とに応じて設定したアイテムが生成される。したがって、1個のアイテムが1以上のキャラクタに対応する構成にも関わらず、特定のキャラクタ(例えばプレイヤの好みのキャラクタ)のポイント(X)を選択的に変化させることが可能である。なお、本発明における「アイテムの生成」は、第1アイテムを基礎として第2アイテム(素材)を合成する処理と、第1アイテムおよび第2アイテムから別個のアイテム(ただし特定アイテムを含むアイテム)を合成する処理とを少なくとも包含する。
【0008】
本発明の好適な態様において、アイテム合成部(32,EA)は、第1アイテム(T1,Ta)において第2アイテム(T2,Tb)と共通する特定キャラクタのポイント(X)を、第1アイテム(T1,Ta)の特定キャラクタのポイント(X)と第2アイテム(T2,Tb)の特定キャラクタのポイント(X)とに応じて更新したアイテムを生成する。以上の態様では、第1アイテム(T1,Ta)における特定キャラクタのポイント(X)が第1アイテム(T1,Ta)および第2アイテム(T2,Tb)の各々における特定キャラクタのポイント(X)に応じて更新されるから、第1アイテム(T1,Ta)自体(第1アイテム(T1,Ta)に含まれるキャラクタの組合せ)は合成後も維持される。したがって、例えばプレイヤの好みのアイテムを維持しながら所望のキャラクタのポイント(X)を変化させることが可能である。
【0009】
本発明の好適な態様のゲーム装置(14A,14B)は、記憶部(34)に記憶された2以上のアイテムについてキャラクタ毎のポイント(X)の累計値(Y)を算定するポイント累計部(32,SC11)と、抽選対象の複数のアイテムからプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理部(32,SC12)とを具備し、累計値(Y)が最大となるキャラクタを含むアイテムが抽選処理部(32,SC12)により選択される確率は他のアイテムと比較して高い。以上の態様では、ポイント(X)の累計値(Y)が最大となるキャラクタを含むアイテムが他のキャラクタと比較して高い確率で選択される。したがって、自身の好みのキャラクタを含むアイテムの獲得を目指すプレイヤにアイテムの合成の誘因を付与することが可能である。なお、ポイント累計値による累計値の算定に適用される2以上のアイテムは、プレイヤが所有するアイテムの全部および一部の何れでもよい。
【0010】
本発明の好適な態様において、ポイント累計部(32,SC11)は、記憶部(34)に記憶された複数のアイテムのうちプレイヤが選択した所定個のアイテム(指定アイテム)についてキャラクタ毎のポイント(X)の累計値(Y)を算定する。以上の態様では、キャラクタ毎のポイント(X)の累計値(Y)の算定対象となるアイテムがプレイヤにより選択されるから、プレイヤの所望のキャラクタを含むアイテムが特に選択され易いという利点がある。
【0011】
本発明の好適な態様において、抽選処理部(32,SC12)は、抽選対象の複数のアイテムを区分した複数のグループ(G)の何れかを選択する第1抽選部(32,SD10)と、累計値(Y)が所定の条件を満たすキャラクタ(典型的には累計値(Y)が最大となるキャラクタ)を含むアイテムが他のアイテムと比較して高い確率で選択されるように、第1抽選部(32,SD10)が選択したグループ(G)からアイテムを選択する第2抽選部(32,SD20)とを含む。以上の態様では、第1抽選部(32,SD10)がグループ(G)を選択し、そのグループ(G)内のアイテムを第2抽選部(32,SD20)が選択するから、各アイテムが選択される確率を簡易な構成でグループ(G)毎に相違させることが可能である。
【0012】
抽選処理部(32,SC12)が第1抽選部(32,SD10)と第2抽選部(32,SD20)とを含む構成の好適例において、第2抽選部(32,SD20)は、第1抽選部(32,SD10)が選択したグループ(G)からアイテムを選択する抽選処理(SD23)を、累計値(Y)が最大となるキャラクタを含むアイテムが選択されるまで、所定の回数(M)を上限として反復する。以上の態様では、累計値(Y)が最大となるキャラクタを含むアイテムが選択されるまで所定の回数(M)を上限として抽選処理(SD23)が反復されるから、累計値(Y)が最大となるキャラクタを含むアイテムの選択確率を簡易な処理で制御できるという利点がある。また、第2抽選部(32,SD20)が、第1抽選部(32,SD10)により選択されたグループ(G)からアイテムを選択する抽選処理(SD23)を所定の回数(M)にわたり反復し、累計値(Y)が最大となるキャラクタを含む複数のアイテムが所定の回数(M)にわたる抽選処理(SD23)で選択された場合に、当該複数のアイテムのうちの何れか(例えばプレイヤからの指示に応じたアイテムや抽選で決定されたアイテム)を選択する構成でも、累計値(Y)が最大となるキャラクタを含むアイテムの選択確率を簡易な処理で制御できるという効果が実現される。また、抽選処理(SD23)の反復回数の上限を第2抽選部(32,SD20)が累計値(Y)に応じて可変に設定する構成によれば、各アイテムのうち所望のキャラクタのポイント(X)を増加させる誘因をプレイヤに付与することが可能である。
【0013】
本発明は、以上の各態様に係るゲーム装置(14A,14B)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(PGM)としても特定される。本発明のプログラム(PGM)は、1以上のキャラクタを含むとともにキャラクタ毎にポイント(X)が設定されたアイテムをプレイヤに付与するゲームを提供するために、コンピュータを、プレイヤが所有するアイテムを記憶する記憶部(34)、および、記憶部(34)に記憶された複数のアイテムのうち第1アイテム(T1,Ta)と第2アイテム(T2,Tb)との合成が指示された場合に、第1アイテム(T1,Ta)において第2アイテム(T2,Tb)と共通する特定キャラクタのポイント(X)を、第1アイテム(T1,Ta)の特定キャラクタのポイント(X)と第2アイテム(T2,Tb)の特定キャラクタのポイント(X)とに応じて更新するアイテム合成部(32,EA)として機能させる。以上のプログラム(PGM)によれば、本発明のゲーム装置(14A,14B)と同様の作用および効果が実現される。本発明のプログラム(PGM)は、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るゲームシステムのブロック図である。
【図2】基礎アイテムデータの模式図である。
【図3】プレイヤデータの模式図である。
【図4】ゲーム装置の動作の概要の説明図である。
【図5】アイテム合成イベントのフローチャートである。
【図6】アイテム合成イベントの前後にわたるプレイヤデータの変化の説明図である。
【図7】第2抽選のフローチャートである。
【図8】第2実施形態におけるゲーム装置のブロック図である。
【図9】変形例におけるプレイヤデータの変化の説明図である。
【図10】優先キャラクタの累計値に応じた処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。第1実施形態のゲームシステム100は、通信網16(例えばインターネット)を介して相互に通信する端末装置12とゲーム装置14Aとを具備する。ゲーム装置14Aは、端末装置12を所有するプレイヤにゲームを提供する。なお、図1では便宜的に1個の端末装置12のみを図示したが、実際には複数の端末装置12が通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。
【0016】
各端末装置12は、例えば携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の通信端末であり、制御装置22と通信装置24と表示装置26と入力装置28とを含んで構成される。制御装置22は、端末装置12の各要素を統括的に制御する。通信装置24は、通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。なお、端末装置12と通信網16との間の通信は典型的には無線通信であるが、例えば据置型のパーソナルコンピュータ等を端末装置12として利用する構成では端末装置12と通信網16とが有線通信する。
【0017】
表示装置26(例えば液晶表示パネル)は、制御装置22による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、ゲーム装置14Aから提供されるゲームの画像(以下「ゲーム画面」という)が表示装置26に表示される。入力装置28は、端末装置12に対する指示をプレイヤが入力するための機器であり、例えばプレイヤが操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置26と一体に構成されたタッチパネルや、端末装置12に対する指示を音声で入力するためのマイクロホンを入力装置28として採用することも可能である。
【0018】
第1実施形態のゲーム装置14Aは、各種のイベントの実行でアイテムを獲得および収集するブラウザゲームをプレイヤに提供するウェブサーバであり、制御装置32と記憶装置34と通信装置36とを具備するコンピュータシステムで実現される。制御装置32は、記憶装置34に格納されたプログラムPGMを実行することでゲーム装置14Aの各要素を統括的に制御する。通信装置36は、通信網16を介して各端末装置12と通信する。記憶装置34は、制御装置32が実行するプログラムPGMや制御装置32が使用する各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置34として採用され得る。また、例えば地理的に相異なる位置に設置された複数のサーバ装置で記憶装置34(仮想的な1個の記憶装置)を構成することも可能である。
【0019】
記憶装置34は、プレイヤに付与される候補となる複数のアイテムを記憶する。具体的には、相異なるアイテムに対応する複数の基礎アイテムデータ(マスターデータ)Qが記憶装置34に記憶される。第1実施形態では1個のアイテムに1種類以上のキャラクタが対応する。具体的には、歌手や俳優等の複数のメンバーで構成されるグループを対象とするアイテムには、そのグループから任意の組合せで選択された1人以上のメンバーが対応する。
【0020】
図2は、記憶装置34に記憶される複数の基礎アイテムデータQの模式図である。図2に示すように、各基礎アイテムデータQは、識別符号D1と属性情報D2とポイントデータD3と画像データD4とを含んで構成される。なお、第1実施形態では基礎アイテムデータQが単一の記憶装置34に格納された構成を例示するが、複数の記憶装置に各データを分散して保持することも可能である。例えば、各アイテムの画像データD4を他のデータD1〜D3とは別個の記憶装置に記憶することも可能である。識別符号D1は、各アイテムに一意に付与されて各アイテムの識別に使用される。
【0021】
記憶装置34に記憶された複数のアイテムは、プレイヤに付与される確率(頻度)が相違する複数のグループG(G1〜G3)に区分される。各グループGには複数のアイテムが属する。グループG2は、プレイヤに付与される確率がグループG1と比較して低いアイテム(レアアイテム)の集合であり、グループG3は、プレイヤに付与される確率がグループG2と比較して低いアイテム(超レアアイテム)の集合である。図2に示すように、基礎アイテムデータQの属性情報D2は、アイテムが属するグループG(G1〜G3の何れか)を指定する。
【0022】
各基礎アイテムデータQのポイントデータD3は、アイテムに含まれるキャラクタ毎のポイントXの初期値を指定する。図2に示すように、キャラクタCHR_Dのみを含む識別符号D1_0001のアイテムの基礎アイテムデータQではキャラクタCHR_DのポイントXが指定され、キャラクタCHR_BおよびキャラクタCHR_Dを含む識別符号D1_0002のアイテムの基礎アイテムデータQではキャラクタCHR_BおよびキャラクタCHR_Dの各々のポイントXが指定される。各ポイントXは、イベントの実行等のゲームの進行とともにキャラクタ毎に変動し得る数値(得点)である。プレイヤの好みのキャラクタのポイントXを上昇させることがゲームのひとつの目的である。
【0023】
各アイテムの画像データD4は、そのアイテムの画像を示す。すなわち、各アイテムの画像データD4は、そのアイテムに対応する1種類以上のキャラクタが描画された画像を示す。具体的には、アイテムに対応する1以上のメンバーをキャラクタとして描画したブロマイドカードの画像が画像データD4で表現される。例えば、図2に例示された識別符号D1_0001のアイテムは、キャラクタCHR_Dのみを含む画像で表現され、識別符号D1_0002のアイテムは、キャラクタCHR_BおよびキャラクタCHR_Dを含む画像で表現される。識別符号D1_0003のアイテムは、5種類のキャラクタ(CHR_A〜CHR_E)を含む画像で表現される。以上の説明から理解されるように、各アイテムのキャラクタが部分的に重複する場合でもキャラクタの組合せが相違する場合には別個のアイテムとして区別される。
【0024】
また、図1の記憶装置34は、プレイヤデータPをプレイヤ毎に記憶する。図3は、1人のプレイヤのプレイヤデータPの模式図である。図3に示すように、各プレイヤのプレイヤデータPは、そのプレイヤが所有する各アイテムに対応する複数の所有アイテムデータRを含んで構成される。各アイテムの所有アイテムデータRは、そのアイテムの識別符号D1と属性情報D2とポイントデータD3とを含んで構成される。記憶装置34に記憶された複数の基礎アイテムデータQのうちプレイヤに付与されたアイテムに対応する基礎アイテムデータQの識別符号D1と属性情報D2とポイントデータD3とが初期的な所有アイテムデータRとしてプレイヤデータPに追加される。図3では、識別符号D1_0001〜D1_0004の4個のアイテムをプレイヤが所有する場合が例示されている。
【0025】
なお、全部のプレイヤについて所有アイテムデータRを一括的に配列したテーブル(以下「アイテムテーブル」という)を記憶装置34に格納した構成も採用され得る。アイテムテーブルは、プレイヤに付与された各アイテムの所有アイテムデータRとそのアイテムを所有するプレイヤの識別符号とを対応させる。特定のプレイヤの識別符号に対応する所有アイテムデータRをアイテムテーブルから抽出することでそのプレイヤが所有するアイテムが特定され、特定のアイテムの所有アイテムデータRをアイテムテーブルから抽出することでそのアイテムの付与数(ゲーム内で流通する総数)が特定される。以上の説明から理解されるように、記憶装置34は、プレイヤが所有するアイテムを記憶する要素(記憶部)として機能する。
【0026】
図1の制御装置32は、入力装置28に対する操作を契機として端末装置12から送信される要求に応じた所定の処理を実行し、処理の結果を示すゲーム画面(ウェブページ)の画像データを通信装置36から端末装置12に送信することで表示装置26にゲーム画面を表示させる。例えばプレイヤがゲームの開始の指示を入力装置28に付与すると、制御装置32は、端末装置12の表示装置26に図4のゲーム画面50を表示させる。ゲーム画面50には複数のボタンB(B1〜B4)が配置される。各ボタンBは、プレイヤが選択的に操作可能な操作子の画像(コマンドボタン)である。制御装置32は、複数のボタンB1〜B4のうちプレイヤが操作したボタンBに対応した処理を実行する。
【0027】
プレイヤがボタンB1(アイテム合成)を操作した場合、制御装置32は、記憶装置34に記憶されたプレイヤデータPが指定する複数のアイテム(すなわちプレイヤが所有するアイテム)を合成するアイテム合成イベントEAを実行する。
【0028】
図5は、アイテム合成イベントEAの具体的な内容を示すフローチャートである。ボタンB1を操作したプレイヤは、入力装置28を適宜に操作することで、合成の基礎となるアイテム(以下「基礎アイテム」という)T1と、合成の素材となるアイテム(以下「素材アイテム」という)T2とを、自身が所有する複数のアイテムから任意に選択する。制御装置32は、基礎アイテムT1および素材アイテムT2の選択を受付ける(SA11)。なお、プレイヤに付与された初期状態のアイテムのほか、過去のアイテム合成イベントEAによる更新後のアイテムも基礎アイテムT1または素材アイテムT2として選択され得る。
【0029】
基礎アイテムT1および素材アイテムT2の選択(合成指示)を受付けると、制御装置32は、基礎アイテムT1において素材アイテムT2と共通するキャラクタ(以下「特定キャラクタ」という)のポイントXを、基礎アイテムT1の所有アイテムデータRが特定キャラクタについて示すポイントX1と、素材アイテムT2の所有アイテムデータRが特定キャラクタについて示すポイントX2とに応じた数値に更新する(SA12)。例えば、制御装置32は、以下の数式(1)で表現されるように、基礎アイテムT1における特定キャラクタのポイントX1と素材アイテムT2における特定キャラクタのポイントX2との加重和を更新後のポイントXとして算定する。
X=α1・X1+α2・X2 ……(1)
数式(1)の加重値α1およびα2は、所定の正数に設定される。以下の説明では、加重値α1を1に設定して加重値α2を0.4に設定した場合を例示する。
【0030】
なお、以上の例示では加重値α1およびα2を固定値に設定したが、加重値α1およびα2を任意の方法で可変に制御することも可能である。具体的には、各アイテムの属性情報D2が指定するグループGに応じて加重値α1およびα2の片方または双方を可変に設定する構成が採用される。例えば、素材アイテムT2がグループG2のアイテム(レアアイテム)である場合には、素材アイテムT2がグループG1のアイテム(ノーマルアイテム)である場合と比較して加重値α2が大きい数値(例えば0.4)に設定され、素材アイテムT2がグループG3のアイテム(超レアアイテム)である場合には、素材アイテムT2がグループG2のアイテムである場合と比較して加重値α2が大きい数値(例えば2)に設定される。また、加重値α1およびα2の片方または双方をアイテム毎に個別に設定することも可能である。例えばグループG1のアイテムの加重値α2は0.4以上かつ0.8以下の範囲内でアイテム毎に設定され、グループG2のアイテムの加重値α2は0.8以上かつ1.6以下の範囲内でアイテム毎に設定され、グループG2のアイテムの加重値α2は1.6以上かつ2以下の範囲内でアイテム毎に設定される。なお、以上の例示では加重値α2に言及したが、基礎アイテムT1に応じて加重値α1を以上の例示と同様に可変に設定することも可能である。
【0031】
図6の部分(A)に例示されるように、識別符号D1_0001〜D1_0004の4個のアイテムを所有するプレイヤが、識別符号D1_0003のアイテムを基礎アイテムT1として選択するとともに識別符号D1_0002のアイテムを素材アイテムT2として選択した場合を想定する。基礎アイテムT1は5種類のキャラクタCHR_A〜CHR_Eを含み、素材アイテムT2は2種類のキャラクタCHR_BおよびCHR_Dを含む。したがって、キャラクタCHR_BおよびCHR_Dが特定キャラクタに該当する。
【0032】
図6の部分(B)は、基礎アイテムT1および素材アイテムT2の合成(SA12)後のプレイヤデータPの模式図である。図6の部分(B)に斜線で示すように、基礎アイテムT1の所有アイテムデータRのうち特定キャラクタ(CHR_B,CHR_D)のポイントXが更新される。具体的には、基礎アイテムT1における特定キャラクタCHR_BのポイントXは、基礎アイテムT1における特定キャラクタCHR_Bの合成前のポイントX1(X1=7)と、素材アイテムT2における特定キャラクタCHR_Bの合成前のポイントX2(X2=5)とを数式(1)に適用した数値“9”(X=1×7+0.4×5)に更新される。また、基礎アイテムT1の特定キャラクタCHR_DのポイントXは、基礎アイテムT1における特定キャラクタCHR_Dの合成前のポイントX1(X1=8)と、素材アイテムT2における特定キャラクタCHR_Dの合成前のポイントX2(X2=10)とを数式(1)に適用した数値“12”(X=1×8+0.4×10)に更新される。他方、基礎アイテムT1の所有アイテムデータRのうち特定キャラクタ以外のキャラクタ(CHR_A,CHR_C,CHR_E)のポイントXは合成の前後で変更されない。所有アイテムデータRの識別符号D1および属性情報D2は合成前の基礎アイテムT1の内容に維持される。
【0033】
以上の手順で基礎アイテムT1のポイントXを更新すると、制御装置32は、素材アイテムT2を無効化する(SA13)。例えば制御装置32は、図6の部分(B)に示すように、素材アイテムT2の所有アイテムデータRをプレイヤデータPから削除する。以上の説明から理解されるように、アイテム合成イベントEAは、基礎アイテムT1のうち特定キャラクタのポイントXを、素材アイテムT2の消費(無効化)と引換えに上昇させるイベントである。プレイヤは、自分の好みのキャラクタを含むアイテムを基礎アイテムT1および素材アイテムT2として選択することで、そのキャラクタのポイントXを上昇させることが可能である。
【0034】
図4のゲーム画面50のボタンB2(図鑑)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、プレイヤが所有するアイテムの画像データD4を端末装置12に送信することで各アイテムの画像のリスト(図鑑)を表示装置26に表示させる。なお、ボタンB2の操作時には、プレイヤが過去に獲得して現在も所有しているアイテム(プレイヤデータPの所有アイテムデータRで指定されるアイテム)のほか、プレイヤが過去に獲得したが現在は所有していないアイテム(例えば獲得後に各種のイベントの実行で無効化されたアイテム)も表示装置26に表示される。
【0035】
図4のゲーム画面50のボタンB3(アイテム選択)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、記憶装置34に記憶されたプレイヤデータPが指定する複数のアイテムのうちN個(Nは2以上の自然数)のアイテム(以下「指定アイテム」という)をプレイヤに選択させる(EB)。具体的には、入力装置28を適宜に操作することでプレイヤが自身の好みのキャラクタを含むN個の指定アイテムを選択し、制御装置32はプレイヤによるN個の指定アイテムの選択を受付ける。
【0036】
図4のゲーム画面50のボタンB4(アイテム獲得)をプレイヤが操作した場合、制御装置32は、プレイヤにアイテムを付与するアイテム付与イベントECを実行する。なお、単位時間毎のアイテム付与イベントECの実行回数は所定数(例えば1日毎に1回)に制限される。ただし、例えばゲーム内の仮想通貨を消費することで回数の制限なしにアイテム付与イベントECを実行することが可能である。
【0037】
アイテム付与イベントECを開始すると、制御装置32は、前述のステップEBで選択されたN個の指定アイテムについてキャラクタ毎のポイントXの累計値Yを算定する(SC11)。各キャラクタの累計値Yは、図6の部分(C)に示すように、プレイヤデータPの各所有アイテムデータRがそのキャラクタについて指定するポイントXをN個の指定アイテムについて合計した数値である。図6の部分(C)では、図6の部分(B)に例示された識別符号D1_0001,D1_0003およびD1_0004の3個のアイテムを指定アイテムとして選択した場合が想定されている。プレイヤはアイテム合成イベントEAにより所望のキャラクタのポイントXを上昇させることが可能であり、かつ、自身の好みのキャラクタを含む指定アイテムを選択することが可能である。したがって、プレイヤの好みのキャラクタの累計値Yほど大きい数値になるという傾向がある。
【0038】
図4に示すように、制御装置32は、記憶装置34に基礎アイテムデータQが記憶された複数のアイテム(抽選対象)から、キャラクタ毎の累計値Yに応じてアイテムを選択する抽選処理SC12を実行する。そして、制御装置32は、抽選処理SC12で選択したアイテムをプレイヤに付与する(SC13)。具体的には、抽選処理SC12で選択されたアイテムの基礎アイテムデータQのうち識別符号D1と属性情報D2とポイントデータD3とが初期的な所有アイテムデータRとしてプレイヤデータPに追加される。
【0039】
図4に示すように、抽選処理SC12は、複数のグループG(G1〜G3)の何れかを選択する第1抽選SD10と、第1抽選SD10で選択した1個のグループGからプレイヤに付与するアイテムを選択する第2抽選SD20とを含んで構成される。第1抽選SD10において、制御装置32は、例えば所定の範囲内で乱数を発生させるとともにその乱数に対応するグループGを選択する。ただし、第1抽選SD10でグループG2が選択される確率はグループG1が選択される確率を下回り、第1抽選SD10でグループG3が選択される確率はグループG2が選択される確率を下回る。
【0040】
図7は、第2抽選SD20の具体的な処理のフローチャートである。第2抽選SD20を開始すると、制御装置32は、プレイヤデータPが指定する各アイテム(プレイヤが所有するアイテム)に含まれる複数のキャラクタのうちステップSC11で算定した累計値Yが最大となるキャラクタ(以下「優先キャラクタ」という)を特定する(SD21)。制御装置32は、優先キャラクタを含むアイテムが他のアイテム(優先キャラクタを含まないアイテム)と比較して高い確率で選択されるように、第1抽選SD10で選択したグループGから1個のアイテムを選択する(SD22〜SD26)。具体的には、制御装置32は、以下に詳述するように、第1抽選SD10で選択したグループGから1個のアイテムを選択する単位抽選処理SD23を、優先キャラクタが選択されるまで、許容回数Mを上限として反復する。
【0041】
まず、制御装置32は、許容回数Mを可変に設定する(SD22)。具体的には、優先キャラクタの累計値Yに応じて許容回数Mが制御される。例えば、制御装置32は、優先キャラクタの累計値Yが大きいほど反復回数Mを大きい数値に設定する。
【0042】
制御装置32は、第1抽選SD10で選択したグループGから1個のアイテムを選択する単位抽選処理を実行する(SD23)。具体的には、制御装置32は、所定の範囲内の乱数を発生させるとともにその乱数に対応する1個のアイテムを選択する。そして、制御装置32は、単位抽選処理で選択したアイテムが優先キャラクタを含むか否かを判定する(SD24)。例えば、単位抽選処理で選択したアイテムの基礎アイテムデータQが優先キャラクタのポイントXとして有意な数値を指定するか否かに応じて優先キャラクタの有無が判定される。
【0043】
ステップSD24の判定結果が肯定である場合、制御装置32は、直近の単位抽選処理で選択したアイテム(すなわち優先キャラクタを含むアイテム)を、プレイヤに付与するアイテムとして確定する(SD26)。他方、単位抽選処理で選択したアイテムが優先キャラクタを含まない場合(SD24:NO)、制御装置32は、単位抽選処理の反復回数が、ステップSD22で設定した許容回数Mに到達したか否かを判定する(SD25)。ステップSD25の判定結果が否定である場合、制御装置32は、処理をステップSD23に移行して単位抽選処理を反復する。
【0044】
他方、優先キャラクタを含むアイテムが選択されることなく単位抽選処理の反復回数が許容回数Mに到達した場合(SD25:YES)、制御装置32は、直近の単位抽選処理で選択したアイテム(すなわち優先キャラクタを含まないアイテム)を、プレイヤに付与するアイテムとして確定する(SD26)。以上の説明から理解される通り、優先キャラクタが選択されるまで許容回数Mを上限として単位抽選処理が反復されるから、第2抽選SD20では、優先キャラクタを含むアイテムが他のアイテムと比較して高い確率で選択される。
【0045】
以上に説明したように、第1実施形態では、各アイテムに1以上のキャラクタが対応するから、キャラクタの組合せが相違するアイテムが別個のアイテムとして区別される。したがって、1個のアイテムに1種類のキャラクタのみを対応させる非特許文献1の技術と比較して、キャラクタの種類数を過度に増加させることなくアイテムを多様化することが可能である。しかも、基礎アイテムT1と素材アイテムT2との間で共通する特定キャラクタのポイントXが、基礎アイテムT1における特定キャラクタのポイントX1と素材アイテムT2における特定キャラクタのポイントX2とに応じた数値に更新される。したがって、1個のアイテムが複数のキャラクタを含む構成にも関わらず、プレイヤの所望のキャラクタのポイントXをアイテム合成イベントEAにより変化させることが可能である。
【0046】
また、第1実施形態では、プレイヤが所有するN個の指定アイテムについてキャラクタ毎のポイントXの累計値Yが算定され、累計値Yが最大となるキャラクタを含むアイテムが抽選処理SC12(第2抽選SD20)にて高確率で選択される。すなわち、アイテム合成イベントEAにてプレイヤがポイントXを上昇させたキャラクタ(典型的にはプレイヤの好みのキャラクタ)を含むアイテムがアイテム付与イベントECにてプレイヤに付与され易い。したがって、アイテム合成イベントEAを実行する誘因をプレイヤに付与できるという利点がある。第1実施形態では特に、キャラクタ毎の累計値Yの算定対象となるN個の指定アイテムがプレイヤにより選択されるから、プレイヤが希望するキャラクタを含むアイテムが抽選処理SC12で選択され易いという効果は格別に顕著である。
【0047】
第1実施形態では、優先キャラクタが選択されるまで許容回数Mを上限として単位抽選処理を反復することで、優先キャラクタを含むアイテムが他のアイテムと比較して高い確率で第2抽選SD20にて選択される。以上のように単位抽選処理の反復によりアイテムの選択確率が制御されるから、優先キャラクタを含むアイテムの選択確率を上昇させる特別な制御は不要である。すなわち、第1実施形態によれば、優先キャラクタを含むアイテムの選択確率を極めて簡便に制御できるという利点もある。
【0048】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態のゲーム装置14Bのブロック図である。ゲーム装置14Bは、第1実施形態と同様のゲームをプレイヤ(所有者)にプレイさせる電子機器である。例えば携帯電話機や携帯情報端末等の携帯機器がゲーム装置14Bとして好適である。図8に示すように、ゲーム装置14Bは、制御装置32と記憶装置34と表示装置26と入力装置28とを具備する。
【0049】
記憶装置34は、第1実施形態と同様に、プログラムPGMとプレイヤデータPと複数の基礎アイテムデータQとを記憶する。制御装置32は、プログラムPGMを実行することで第1実施形態と同様に動作する。具体的には、制御装置32は、アイテム合成イベントEAやアイテム付与イベントECをプレイヤからの指示(表示装置26に表示されたボタンBの操作)に応じて選択的に実行する。
【0050】
以上の説明から理解される通り、第2実施形態のゲーム装置14Aは、第1実施形態のゲーム装置14Aが提供するゲームを装置単体でプレイヤに提供する機器として機能する。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0051】
<変形例>
前述の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0052】
(1)前述の各形態のアイテム合成イベントEAでは、基礎アイテムT1のうち特定キャラクタのポイントXを素材アイテムT2に応じて変更したが、合成の素材となるアイテムとは別個のアイテムをアイテム合成イベントEAで生成することも可能である。
【0053】
例えば図9の部分(A)に示すように、キャラクタCHR_BおよびCHR_Dを含む識別符号D1_0002のアイテムTaと、キャラクタCHR_A〜CHR_Eを含む識別符号D1_0003のアイテムTbとをプレイヤが所有する場合を想定する。アイテムTaおよびTbの合成が指示された場合、制御装置32は、図9の部分(B)に示すように、両者間で共通する特定キャラクタCHR_BおよびCHR_Dを含むアイテムの所有アイテムデータR(識別符号D1_0005)を生成してプレイヤデータPに追加するとともに、合成の素材として使用されたアイテムTaおよびTbを無効化(例えばプレイヤデータPから所有アイテムデータRを削除)する。合成後の所有アイテムデータRは、記憶装置34に記憶された基礎アイテムデータQのうち特定キャラクタCHR_BおよびCHR_Dを含む基礎アイテムデータQの識別符号D1(D1_0005)および属性情報D2を含む。また、合成後の所有アイテムデータRのうちキャラクタCHR_BのポイントXは、合成前のアイテムTaおよびTbの各々におけるキャラクタCHR_BのポイントXに応じた数値(例えば前述の数式(1)で定義される加重和)に設定される。キャラクタCHR_Dのポイントも同様である。すなわち、合成に使用される複数のアイテムの間で主従(基礎アイテムT1/素材アイテムT2)は区別されない。
【0054】
以上の説明から理解されるように、アイテム合成イベントEAは、合成の素材となる複数のアイテム(第1アイテム,第2アイテム)の間で共通する特定キャラクタを含み、かつ、特定キャラクタのポイントが、第1アイテムの特定キャラクタのポイントと第2アイテムの特定キャラクタのポイントとに応じて設定されたアイテムを生成する処理として包括され、合成前と同種のアイテムを生成する処理(例えば基礎アイテムT1と同種であるが特定キャラクタのポイントXが更新されたアイテムを生成する第1実施形態)と、合成前とは別種のアイテムを生成する処理(例えば図9の構成)との双方を包含する。すなわち、合成の前後にわたるアイテムの種類の異同は本発明において不問である。
【0055】
(2)複数のアイテムが合成された場合に合成後のアイテムに特典データを付加することも可能である。例えば、合成後のアイテムにおけるポイントXの最大値が所定値を上回る場合に特典データを付加する構成が好適である。特典データは、例えば合成後のアイテムに含まれるキャラクタの音声を示す音声データやそのキャラクタの台詞を示す文字データである。図4のボタンB2(図鑑)の操作でリスト表示されたアイテムをプレイヤが選択すると、そのアイテムに付加された特典データが出力される。例えば、音声データの音声が再生されるとともに文字データの文字がアイテムの画像とともに表示装置26に表示される。また、複数のアイテムが合成された場合(例えばポイントXの最大値が所定値を上回る場合)に、キャラクタの組合せを維持したままアイテムの画像の態様を変化させる構成も採用される。以上の構成によれば、アイテム合成イベントEAを実行する誘因をプレイヤに付与できるという利点がある。
【0056】
(3)前述の各形態のアイテム付与イベントECでは、累計値Yが最大となる優先キャラクタを含むアイテムを高確率で選択したが、累計値Yをアイテムの選択(抽選処理SC12)に反映させる方法は以上の例示に限定されない。具体的には、以下に例示するように、プレイヤに付与されるアイテムの種類を優先キャラクタの累計値Yの数値に応じて変化させることも可能である。
【0057】
図10に示すように、累計値Yの数値範囲が複数の範囲A1〜A5に区分される。範囲A1から範囲A5に向かうほど各範囲内の数値は増加する。制御装置32は、優先キャラクタの累計値Yが範囲A2内の数値である場合、第1実施形態と同様に、優先キャラクタを含む任意のアイテムを高確率で選択し、優先キャラクタの累計値Yが範囲A3内の数値である場合、複数のアイテムのうち優先キャラクタのポイントXが所定値を上回るアイテムを高確率で選択する。また、制御装置32は、優先キャラクタの累計値Yが範囲A4内の数値である場合、優先キャラクタを含む複数のアイテムのうちグループG2に属するアイテム(優先キャラクタを含むレアアイテム)を高確率で選択し、優先キャラクタの累計値Yが範囲A5内の数値である場合、優先キャラクタを含む複数のアイテムのうちグループG3に属するアイテムを高確率で選択する。他方、優先キャラクタの累計値Yが範囲A1内の数値である場合、制御装置32は、優先キャラクタを含むアイテムと他のアイテムとを同確率で選択する。すなわち、許容回数Mが0に設定される(単位抽選処理が反復されない)。以上の構成によれば、自身の好みのキャラクタのポイントXの上昇を目指してアイテム合成イベントEAを実行する誘因をプレイヤに付与できるという利点がある。
【0058】
(4)優先キャラクタの累計値Yに応じて許容回数Mを可変に制御することも可能である。例えば、優先キャラクタの累計値Yが所定の閾値を下回る場合に許容回数Mを0(単位抽選処理を反復しない)に設定する構成や、優先キャラクタの累計値Yが所定の閾値を上回る場合に許容回数Mの制限を解除する構成(優先キャラクタを含むアイテムが選択されるまで単位抽選処理を反復する)も採用される。また、累計値Yの数値範囲を例えば図10の例示のように複数の範囲A(A1〜A5)に区分し、累計値Yの範囲Aに応じて許容回数Mを相違させることも可能である。
【0059】
(5)前述の各形態では、優先キャラクタが選択されるまで許容回数Mを上限として単位抽選処理を反復したが、優先キャラクタを含むアイテムを選択するための構成は、以上の例示に限定されない。例えば、優先キャラクタが選択されるか否かに関わらず単位抽選処理を許容回数Mにわたり反復し、優先キャラクタを含む複数のアイテムが許容回数Mの単位抽選処理で選択された場合に、複数のアイテムのうちの何れかのアイテム(例えばプレイヤが指定したアイテムや抽選で決定されたアイテム)を選択することも可能である。
【0060】
(6)前述の各形態では、N個の指定アイテムをプレイヤが選択したが、指定アイテムの選択の方法は任意である。例えば、プレイヤが所有するアイテムからN個の指定アイテムをランダムに選択する構成や、特定のキャラクタのポイントXの降順で上位に位置するN個のアイテムを指定アイテムとして選択する構成も採用され得る。また、指定アイテムの総数は任意である。例えば、1個の指定アイテムを選択する構成も採用される。
【0061】
(7)以上の各形態のアイテム合成イベントEAでは、素材アイテムT2(図9の例示ではアイテムTaおよびTb)の所有アイテムデータRをプレイヤデータPから削除したが、アイテム合成イベントEAに適用したアイテムを無効化する方法は適宜に変更される。例えば、プレイヤが所有するアイテムの有効/無効を示すフラグをプレイヤデータP内の所有アイテムデータR毎に設定し、アイテム合成イベントEAに適用されたアイテム(例えば第1実施形態の素材アイテムT2や図9の例示におけるアイテムTaおよびTb)のフラグを有効状態から無効状態に変更する(所有アイテムデータR自体はプレイヤデータP内に維持される)構成も採用される。
【0062】
(8)前述の各形態では、歌手や俳優等の複数のメンバーで構成されるグループを対象とするアイテムを想定し、各アイテムの1種類のキャラクタにグループの1人のメンバーを対応させたが、各アイテムのキャラクタにグループの複数のメンバーを対応させることも可能である。例えば、グループを構成する7人のメンバーのうち4人のメンバーをキャラクタCHR_A〜CHR_Dに1対1に対応させ、残余の3人のメンバーをキャラクタCHR_Eに対応させる。キャラクタCHR_Eを含むアイテムの画像データD4が示す画像は、キャラクタCHR_Eに対応する複数のメンバーのうち1人以上のメンバーの画像を包含する。
【符号の説明】
【0063】
100……ゲームシステム、12……端末装置、14A,14B……ゲーム装置、16……通信網、22……制御装置、24……通信装置、26……表示装置、28……入力装置、32……制御装置、34……記憶装置、36……通信装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のキャラクタを含むとともにキャラクタ毎にポイントが設定されたアイテムをプレイヤに付与するゲーム装置であって、
プレイヤが所有するアイテムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数のアイテムのうち第1アイテムと第2アイテムとの合成が指示された場合に、前記第1アイテムと前記第2アイテムとの間で共通する特定キャラクタを含み、かつ、前記特定キャラクタのポイントが、前記第1アイテムの前記特定キャラクタのポイントと前記第2アイテムの前記特定キャラクタのポイントとに応じて設定されたアイテムを生成するアイテム合成部と
を具備するゲーム装置。
【請求項2】
前記アイテム合成部は、前記第1アイテムにおいて前記第2アイテムと共通する特定キャラクタのポイントを、前記第1アイテムの前記特定キャラクタのポイントと前記第2アイテムの前記特定キャラクタのポイントとに応じて更新したアイテムを生成する
請求項1のゲーム装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された2以上のアイテムについてキャラクタ毎のポイントの累計値を算定するポイント累計部と、
抽選対象の複数のアイテムからプレイヤに付与するアイテムを選択する抽選処理部とを具備し、
前記累計値が最大となるキャラクタを含むアイテムが前記抽選処理部により選択される確率は他のアイテムと比較して高い
請求項1または請求項2のゲーム装置。
【請求項4】
前記ポイント累計部は、前記記憶部に記憶された複数のアイテムのうちプレイヤが選択した所定個のアイテムについてキャラクタ毎のポイントの累計値を算定する
請求項3のゲーム装置。
【請求項5】
前記抽選処理部は、
抽選対象の複数のアイテムを区分した複数のグループの何れかを選択する第1抽選部と、
前記累計値が最大となるキャラクタを含むアイテムが他のアイテムと比較して高い確率で選択されるように、前記第1抽選部が選択したグループからアイテムを選択する第2抽選部とを含む
請求項3または請求項4のゲーム装置。
【請求項6】
前記第2抽選部は、前記第1抽選部が選択したグループからアイテムを選択する抽選処理を、前記累計値が最大となるキャラクタを含むアイテムが選択されるまで、所定の回数を上限として反復する
請求項5のゲーム装置。
【請求項7】
前記第2抽選部は、前記抽選処理の反復回数の上限を前記累計値に応じて可変に設定する
請求項6のゲーム装置。
【請求項8】
1以上のキャラクタを含むとともにキャラクタ毎にポイントが設定されたアイテムをプレイヤに付与するゲームを提供するために、コンピュータを、
プレイヤが所有するアイテムを記憶する記憶部、および、
前記記憶部に記憶された複数のアイテムのうち第1アイテムと第2アイテムとの合成が指示された場合に、前記第1アイテムにおいて前記第2アイテムと共通する特定キャラクタのポイントを、前記第1アイテムの前記特定キャラクタのポイントと前記第2アイテムの前記特定キャラクタのポイントとに応じて更新するアイテム合成部
として機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−70969(P2013−70969A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214623(P2011−214623)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【特許番号】特許第5111651号(P5111651)
【特許公報発行日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】