説明

ゲーム装置及びプログラム

【課題】ブロック崩しゲームの操作性を改善し、プレイヤを飽きさせないようにする。
【解決手段】プレイフィールドに複数のブロックが設置されている。プレイヤの線引き操作で引いた線により反発させたボールをブロックに衝突させ、ブロックを崩していく。プレイフィールドに設置された各ブロックには、炎、雷、氷、大地の4種類のうちの何れかの属性が設定されている。また、ボールにも4種類のうちの何れかの属性が設定されるが、これは、プレイヤの操作によって順次変わっていく。ボールが衝突したブロックには、その衝突によるダメージが加えられ、累積されたダメージが当該ブロックに設定された耐久量以上となるとブロックが消滅する。ブロックに加えられるダメージは、衝突時におけるボールの属性とブロックの属性が反対属性(炎と氷、雷と大地)であると大きく、同一属性であると小さくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関し、特にブロック崩しゲームを実行するためのものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な種類のゲームが提案されている中で、ブロック崩しゲームが知られている。ブロック崩しゲームは、一般的に、画面左右及び上部を壁で囲まれたプレイフィールドをボールが反射移動する中で、ボールを画面下部に落とさないように、プレイヤが打ち返しバーを左右に操作してボールを打ち返すことで、煉瓦状に並べられたブロックを消していくゲームである。
【0003】
もっとも、従来からのブロック崩しゲームは、パドル(ラケット)にボールを当てて跳ね返すという操作を繰り返すだけという単調なゲーム性となっていた。このため、プレイヤをゲームに飽きさせない工夫が必要となる。そこで、単にブロックを消していくだけでなく、移動するキャラクタを登場させて、キャラクタにボールを当てた場合には、アイテムを出現させる等の演出が行わせるブロック崩しゲームがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、パドル(ラケット)をキャラクタ像に支持させて、パドルの操作をあたかもキャラクタ像が行っているかのような演出を行うブロック崩しゲームがある。そして、さらにプレイヤを飽きさせないようにするための工夫として、パドルの移動速度や移動距離に応じてキャラクタ像の動きや表情を変化させているブロック崩しゲームがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−255926号公報
【特許文献2】特開2000−237457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のブロック崩しゲームのように、今までのブロック崩しゲームでは平面上に配置されたブロックを消していくものであるため、ボールは直線的な動きをするものであった。また、ブロックと打ち返しバーとの間を移動するボールは、等速度で動くものであった。さらに、操作性に関して、予め表示された打ち返しバーを左右に移動するのみで、操作が単調であった。また、特許文献2に記載のブロック崩しゲームでも、キャラクタ像はあくまで演出的要素にすぎず、操作性に関しては、それ以外のブロック崩しゲームと何ら変わっていない。
【0007】
そこで、本発明は、ブロック崩しゲームの操作性を改善し、プレイヤを飽きさせないようにするゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるゲーム装置は、表示画面に表示されるプレイフィールド内を移動する移動要素を、操作要素を操作して反発させて、該プレイフィールド内に設置された複数のブロックの各々に衝突させることにより各ブロックを崩すゲームを実行するゲーム装置であって、前記移動要素を、前記操作要素への衝突や前記ブロックへの衝突によって反発されるように前記プレイフィールド内で移動させる移動要素制御手段と、予め定められた複数種類の属性のうちで前記複数のブロックの各々に対して設定された属性を、ブロック毎に記憶するブロック属性記憶手段と、前記複数種類の属性のうちで前記移動要素に対して設定された属性を記憶する移動要素属性記憶手段と、プレイヤが所定の操作を行うことにより、前記移動要素属性記憶手段に記憶されている前記移動要素に対して設定された属性を変化させる移動要素属性変化手段と、前記移動要素が前記複数のブロックの何れかに衝突したときに、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係に応じたダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックのダメージとして累積させるダメージ累積手段と、前記ダメージ累積手段により累積されたダメージの総量が当該ブロックに設定された耐久量以上となったときに、当該ブロックをこれ以上の破壊が不可能な状態まで完全に破壊させるブロック破壊手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記ゲーム装置では、移動要素の衝突によりブロックにダメージが加えられ、累積されたダメージが耐久量以上となったブロックがこれ以上の破壊が不可能な状態まで完全に破壊されるが、ブロックに加えられるダメージは、移動要素が衝突したときにおいて該移動要素に設定されていた属性とブロックに設定されていた属性との関係に応じて加えられる。ここで、移動要素に設定された属性は、プレイヤが所定の操作を行うことにより変化させられるものとなる。
【0010】
従って、移動要素の衝突によりブロックに大きなダメージを加え、ブロックを早く完全に破壊するためには、移動要素が衝突しそうなブロックに設定されている属性に応じて移動要素に設定された属性を変化させるように、移動要素に設定された属性を変化させるための所定の操作をプレイヤが行う必要が生じてくるものとなる。このため、プレイヤが操作要素を操作し、該操作要素により移動要素を反発させた後でも、移動要素がブロックに衝突するまで属性を変化させる操作を積極的に行う必要が生じてくる。
【0011】
これにより、ブロック崩しゲームにおける操作性が単に操作要素により移動要素を反発させるだけという単純なものにはならず、操作性が向上するものとなる。また、1つのブロックを少ない回数で完全に破壊できれば、移動要素を反発させるべく操作要素を操作しなければならない回数も少なくて済むこととなり、操作要素を操作する回数が少なくて済むということは、移動要素の反発に失敗することのリスクも小さくなるということである。このため、ゲームの攻略のためのプレイヤの操作の幅が広がり、さらに操作性が向上するものとなる。
【0012】
上記ゲーム装置において、前記複数のブロックのうちの少なくとも1つには、所定量の耐久量が設定されていてもよい。この場合において、前記ダメージ累積手段は、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が所定の関係であるときに、前記所定量以上のダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックに累積させ、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が前記所定の関係とは異なる関係であるときに、前記所定量よりも少ないダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックに累積させるものであってもよい。
【0013】
この場合、衝突時において移動要素に設定された属性とブロックに設定された属性との関係が所定の関係であるときには、所定量の耐久量が設定されたブロックを1回だけの衝突で完全に破壊させることができるが、衝突時において移動要素に設定された属性とブロックに設定された属性との関係が所定の関係以外の関係であるときには、1回だけの衝突では完全に破壊させることができない。このため、プレイヤは、移動要素が衝突しようとするブロックの属性と所定の関係を有する属性となるように移動要素に設定された属性を変化させるべく操作を行うことで、ゲームの展開を支配することができる。
【0014】
上記ゲーム装置において、前記ダメージ累積手段は、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が特別な関係であるときに、該移動要素が衝突したブロックに累積されていたダメージを減少させるものとすることができる。
或いは、上記ゲーム装置は、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が特別な関係であるときに、該移動要素が衝突したブロックに設定されている耐久量を増加させる耐久量増加手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0015】
これらの場合、衝突時において移動要素に設定された属性とブロックに設定された属性との関係が特別な関係であるときには、これまでブロックに累積されていたダメージが減少させられたり、ブロックの耐久量が増加してしまう。このような事態が生じると、1つのブロックに対して移動要素を衝突させなければならない回数が増えてしまうこととなる。このため、プレイヤは、特別な関係となる属性になるのを避けるように、より注意深く移動要素に設定された属性を変化させるための操作を行う必要が生じてくるので、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0016】
上記ゲーム装置において、前記移動要素属性変化手段は、プレイヤが前記所定の操作を行ったか否かに関わらず、所定の時間が経過する度に、前記移動要素に対して設定された属性を変化させるものとすることができる。
【0017】
この場合、プレイヤが自らの操作で移動要素に設定された属性を所望の属性に一旦変化させることができても、時間の経過とともに属性が勝手に変化してしまうこととなる。これにより、プレイヤは、移動要素に設定された属性を変化させる操作を行うことに気が抜けなくなり、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0018】
上記ゲーム装置において、前記複数種類の属性は、3種類以上あってもよい。この場合において、前記移動要素属性変化手段は、前記移動要素に設定されている属性を変化させる条件が成立したときに、該成立時において該移動要素に設定されている属性とは異なる属性からランダムに選択した何れかの属性を、新たに該移動要素に対して設定するものとすることができる。
【0019】
この場合、プレイヤが移動要素の属性を所望の属性に設定したいとき、所望の属性に設定されるまでに必要な操作回数が区々なものとなる。また、移動要素がブロックが設定された位置に近づけば近づくほど衝突しそうなブロックがどれであるか、すなわち移動要素に設定すべき属性をどれにしたらよいかが分かってくるようになるが、それからでは移動要素に設定されている属性を変化させるための操作が可能な期間も短くなる。プレイヤは、この短い期間で所望の属性に変化するまで移動要素に設定された属性を変化させるための処理を行い、且つ所望の属性に変化したら操作を続けて行うのを止めなければならない。このため、プレイヤは、より注意深く移動要素に設定された属性を変化させるための操作を行う必要が生じてくるので、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0020】
上記ゲーム装置において、所定の条件に従って、前記ブロック属性記憶手段に記憶されている前記複数のブロックの何れか1以上に対して設定された属性を変化させるブロック属性変化手段をさらに備えるものとすることができる。
【0021】
この場合、プレイヤが自らの操作で移動要素に設定された属性を所望の属性に一旦変化させることができても、ブロックの属性が変化してしまうと、移動要素に設定することが好ましい属性も変化してしまうこととなる。これにより、プレイヤは、移動要素に設定された属性を変化させる操作を行うことに気が抜けなくなり、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0022】
上記ゲーム装置において、前記複数のブロック及び前記移動要素のうちの何れか1つ以上には、前記複数種類の属性のうちの2種類以上の属性が設定されるものとすることができる。
【0023】
この場合、移動要素に設定された属性とブロックに設定された属性との関係として、属性の種類数以上のものを定めることができるようになる。
【0024】
上記ゲーム装置において、前記複数のブロックの各々及び前記移動要素は、設定されている属性に応じた表示態様で前記ゲーム画面に表示されるものとしてもよい。
【0025】
この場合、プレイヤは、各々のブロック及び移動要素に設定されている属性を、ゲーム画面における表示態様から容易に判断することができるものとなる。
【0026】
上記ゲーム装置において、前記ブロック破壊手段は、前記ダメージ累積手段により累積されたダメージの総量が前記所定量未満となっているブロックを、当該ブロックに累積されたダメージに応じて部分的に破壊させるものとしてもよい。
【0027】
この場合、プレイヤは、各々のブロックに累積されているダメージを、ゲーム画面における表示態様から容易に判断することができるものとなる。
【0028】
上記ゲーム装置において、前記移動要素制御手段は、前記移動要素が前記操作要素により反発された後にプレイヤが特定の操作を行うことにより、前記ブロックを含む前記プレイフィールドに通常設定されているオブジェクトに前記移動要素が衝突していなくても、前記操作要素の側に前記移動要素を移動させるものとすることができる。
【0029】
この場合、プレイヤが特定の操作を行うことによって移動要素が操作要素の側に戻ってくることになる。このため、例えば、移動要素がブロックに衝突する直前の状態で特定の操作を行うことで、移動要素をブロックに衝突させずにゲームを継続するということも可能になり、ゲームの攻略性が高まることとなる。また、移動要素を反発させるための操作要素の操作、移動要素に設定された属性を変化させるための操作の他に、移動要素を操作要素の側に戻るように移動させる操作も加わるので、さらに操作性が向上するものとなる。
【0030】
上記ゲーム装置は、仮想の三次元空間に形成され、ベース面が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の構成要素と立体形状の前記ブロックとが配置された前記プレイフィールドを前記表示画面に表示する表示制御手段をさらに備え、前記移動要素制御手段は、前記移動要素を物理法則に従って前記プレイフィールドにおいて移動させるものとすることができる。
【0031】
この場合、所定方向に傾斜するように配置されたベース面と、ベース面に配置された立体形状の構成要素と立体形状のブロックとにより構成された仮想の三次元空間プレイフィールドが形成されるので、移動要素を物理法則に従って移動させることができる。ここで、仮想の三次元空間のプレイフィールドは、例えば、仮想の街や都市等から構成される。また、ベース面に配置された立体形状の構成要素とは、例えば、山、川、橋等のオブジェクトをいう。移動要素とは、例えば、ブロックに衝突させてブロックを崩すためのボールをいう。よって、移動要素を、今までにない立体的形状に応じて、移動させることができるので、面白味をプレイヤに与えることができる。つまり、構成要素が立体的に形成されたプレイフィールド内を、移動要素が物理法則に従って移動して、ブロックを崩す全く新しい態様のゲームを提供することができる。
【0032】
上記ゲーム装置は、仮想の三次元空間に形成され、ベース面が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の前記ブロックが配置された前記プレイフィールドを前記表示画面に表示する表示制御手段と、操作部の操作内容に対応して前記操作要素の大きさを変更して配置する操作要素制御手段とをさらに備え、前記移動要素制御手段は、前記移動要素を物理法則に従って前記プレイフィールドにおいて移動させるとともに、前記移動要素が前記操作要素と接触した場合には、前記操作要素の大きさに応じて速度を変更して反発して移動するものとすることができる。
【0033】
この場合、プレイヤの操作により、操作要素の大きさを変更して配置することができる。そのため、プレイヤは、表示画面を見ながら、移動要素の移動する場所を予想して、操作要素を移動するのではなく、配置することができる。よって、移動要素の動きに対応して操作要素を配置でき、その操作は、例えば、所定の領域にマウスで線を引く等の簡易な操作で行うことができる。また、移動要素が操作要素と接触した際に、操作要素の大きさに応じて移動要素の速度を変更するので、プレイヤの操作と、移動要素の動きとを関連付けることができる。よって、プレイヤが操作要素の大きさを変更して配置することにより、移動要素のスピードを変化させることができる。
【0034】
これらの場合において、前記移動要素制御手段は、前記移動要素が前記ベース面の性質に応じて移動するものとすることができる。
【0035】
この場合、移動要素がベース面の性質に応じて移動する。ベース面の性質とは、例えば、コンクリート上、水上、氷上等の摩擦係数等のように、移動要素の速度に変化を与えるものをいう。よって、ベース面の見た目の変化に応じて移動要素の移動を変化させることができるため、面白い動きを移動要素にさせることができる。
【0036】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、表示画面に表示されるプレイフィールド内を移動する移動要素を、操作要素を操作して反発させて、該プレイフィールド内に設置された複数のブロックの各々に衝突させることにより各ブロックを崩すゲームをコンピュータ装置に実行させるためのプログラムであって、前記移動要素を、前記操作要素への衝突や前記ブロックへの衝突によって反発されるように前記プレイフィールド内で移動させる移動要素制御手段、予め定められた複数種類の属性のうちで前記複数のブロックの各々に対して設定された属性を、ブロック毎に記憶するブロック属性記憶手段、前記複数種類の属性のうちで前記移動要素に対して設定された属性を記憶する移動要素属性記憶手段、プレイヤが所定の操作を行うことにより、前記移動要素属性記憶手段に記憶されている前記移動要素に対して設定された属性を変化させる移動要素属性変化手段、前記移動要素が前記複数のブロックの何れかに衝突したときに、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係に応じたダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックのダメージとして累積させるダメージ累積手段、及び、前記ダメージ累積手段により累積されたダメージの総量が当該ブロックに設定された耐久量以上となったときに、当該ブロックをこれ以上の破壊が不可能な状態まで完全に破壊させるブロック破壊手段として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とする。
【0037】
上記第2の観点にかかるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置に着脱可能に構成され、上記コンピュータ装置とは別個に提供される記録媒体としてもよい。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記コンピュータ装置内に設けられ、上記コンピュータ装置と共に提供される固定ディスク装置などの記録媒体としてもよい。上記第3の観点にかかるプログラムは、ネットワーク上に存在するサーバ装置から、そのデータ信号を搬送波に重畳して、ネットワークを通じて上記コンピュータ装置に配信することもできる。
【0038】
また、上記第1の観点にかかるゲーム装置、及び上記第2の観点にかかるプログラムに含まれる各手段の実行する処理を、各ステップの処理として実行する複数のステップを含む方法も、本発明の範囲に含まれる。
【0039】
本発明の第3の観点にかかるゲームプログラムは、表示画面(3)に表示されるプレイフィールド(F)内を移動する移動要素(64)を、操作要素(62)を操作して反発させてブロック(B)に衝突させることにより前記ブロックを崩すブロック崩しゲームのゲームプログラム(22)において、コンピュータ(1)を、仮想の三次元空間に形成され、ベース面(60)が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の構成要素(66)と立体形状の前記ブロックとが配置された前記プレイフィールドを前記表示画面に表示する表示制御手段(101)と、前記プレイフィールドの前記移動要素を物理法則に従って移動する移動要素制御手段(102)と、して機能させることを特徴とする。
【0040】
上記第3の観点にかかるゲームプログラム(22)において、前記コンピュータ(1)を、前記移動要素(64)が前記構成要素(66)と接触したか否かを判定する接触判定手段(103)として機能させるものとしてもよい。
上記第3の観点にかかるゲームプログラム(22)において、前記コンピュータ(1)を、前記移動要素(64)が前記ブロック(B)と衝突したか否かを判定する衝突判定手段(104)として機能させ、前記表示制御手段(101)を、前記衝突判定手段により衝突したと判定したことに応じて、前記ブロックの性質に基づき前記ブロックの形状を変化させて表示するように機能させるものとしてもよい。
この場合のゲームプログラム(22)において、前記移動要素制御手段(102)を、前記移動要素(64)が前記プレイフィールド(F)を飛翔して移動するように機能させ、前記表示制御手段(101)を、前記移動要素が前記ブロック(B)の上部に衝突した場合には、前記ブロックの形状をより大きく変化させて表示するように機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
上記第3の観点にかかる記載のゲームプログラム(22)において、前記表示制御手段(101)を、前記移動要素(64)の移動に応じて、前記表示画面(3)に表示される前記プレイフィールド(F)の表示領域を変更するように機能させるものとしてもよい。
上記第3の観点にかかるゲームプログラム(22)において、前記コンピュータ(1)を、操作部(4)の操作内容に対応して前記操作要素(62)の大きさを変更して配置する操作要素制御手段(105)として機能させ、前記移動要素制御手段(102)を、前記移動要素(64)が前記操作要素と接触した場合には、前記操作要素の大きさに応じて速度を変更して反発して移動するように機能させるものとしてもよい(これを、第3の観点にかかる特定のゲームプログラムという)。
【0041】
本発明の第4の観点にかかるゲームプログラムは、表示画面(3)に表示されるプレイフィールド(F)内を移動する移動要素(64)を、操作要素(62)を操作して反発させてブロック(B)に衝突させることにより前記ブロックを崩すブロック崩しゲームのゲームプログラム(22)において、コンピュータ(1)を、仮想の三次元空間に形成され、ベース面(60)が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の前記ブロックが配置された前記プレイフィールドを前記表示画面に表示する表示制御手段(101)と、前記プレイフィールドの前記移動要素を物理法則に従って移動する移動要素制御手段(102)と、操作部(4)の操作内容に対応して前記操作要素の大きさを変更して配置する操作要素制御手段(105)と、して機能させ、前記移動要素制御手段を、前記移動要素が前記操作要素と接触した場合には、前記操作要素の大きさに応じて速度を変更して反発して移動するように機能させるものとしてもよい。
【0042】
上記第4の観点にかかるゲームプログラム(22)、或いは第3の観点にかかる特定のゲームプログラム(22)において、前記コンピュータ(1)を、前記移動要素(64)が前記ブロック(B)と衝突したか否かを判定する衝突判定手段(104)として機能させ、前記表示制御手段(101)を、前記衝突判定手段により衝突したと判定したことに応じて、前記ブロックの性質に基づき前記ブロックの形状を変化させて表示するように機能させるものとしてもよい。
上記第4の観点にかかるゲームプログラム(22)、或いは第3の観点にかかる特定のゲームプログラム(22)において、前記操作要素制御手段(105)を、前記操作要素(62)が前記移動要素(64)と接触した場合には、前記操作要素の性質と前記移動要素の性質とにより、前記操作要素を変化させるように機能させるものとしてもよい。
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム(22)、或いは第3の観点にかかる特定のゲームプログラム(22)において、前記操作要素制御手段(105)を、前記操作要素(62)の傾きを変更するように機能させるものとしてもよい。
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム(22)において、前記移動要素制御手段(102)を、前記移動要素(64)が前記ベース面(60)の性質に応じて移動するように機能させるものとしてもよい。
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム(22)において、前記コンピュータ(1)を、前記移動要素(64)が前記ブロック(B)と衝突したことを衝突判定手段(104)により判定されたことに応じて、アイテム(I)を表示するアイテム表示制御手段(106)として機能させ、前記移動要素制御手段(102)を、前記移動要素が前記アイテムに当たったことに応じて、前記移動要素の大きさを変更するように機能させるものとしてもよい。
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム(22)において、前記コンピュータ(1)を、前記移動要素(64)が前記ブロック(B)と衝突したことを衝突判定手段(104)により判定されたことに応じて、アイテム(I)を表示するアイテム表示制御手段(106)として機能させ、前記移動要素制御手段(102)を、前記移動要素が前記アイテムに当たったことに応じて、前記移動要素が移動する態様を変更するように機能させるものとしてもよい。
【0043】
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム(22)を記憶したプログラム記憶媒体(29)も、本発明の範囲に含まれる。
【0044】
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム(22)を記憶した記憶部(20)と、前記記憶部に記憶された前記ゲームプログラムを実行する制御部(10)と、を備えるゲーム装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0045】
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラムでは、理解を容易にするために、後に説明する発明の実施形態に対応する符号を付して説明していたが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0046】
上記第3、第4の観点にかかるゲームプログラム、或いは、これを記憶したプログラム記憶媒体、これを実行するゲーム装置(この範囲に含まれる発明を特定発明という)によれば、以下の効果を奏することができる。
【0047】
(1)特定発明は、所定方向に傾斜するように配置されたベース面と、ベース面に配置された立体形状の構成要素と立体形状のブロックとにより構成された仮想の三次元空間プレイフィールドが形成されるので、移動要素を物理法則に従って移動させることができる。ここで、仮想の三次元空間のプレイフィールドは、例えば、仮想の街や都市等から構成される。また、ベース面に配置された立体形状の構成要素とは、例えば、山、川、橋等のオブジェクトをいう。移動要素とは、例えば、ブロックに衝突させてブロックを崩すためのボールをいう。よって、移動要素を、今までにない立体的形状に応じて、移動させることができるので、面白味をプレイヤに与えることができる。つまり、構成要素が立体的に形成されたプレイフィールド内を、移動要素が物理法則に従って移動して、ブロックを崩す全く新しい態様のゲームを提供することができる。
【0048】
(2)特定発明は、移動要素と構成要素とが接触したか否かを判断するので、接触した場合に、例えば、構成要素上を通過させたり、又は構成要素により三次元的な動きを伴って反発して跳ね返されたり、という、移動要素に動きの変化をつけることができるので、プレイヤに、接触したことが直感的に認識できるように表示できる。また、例えば、入口を有する構成要素に移動要素が入ったか否かを判断し、入った場合には、別ステージを行う等、ゲーム展開に変化をもたせることを容易に行うことができる。よって、様々なゲームの展開を行うことができる。
【0049】
(3)特定発明は、移動要素とブロックとが衝突したか否かを判断し、移動要素がブロックと衝突した場合には、ブロックの形状を変化させることができるので、移動要素により、ブロックを崩すことができる。そして、ブロックの形状を変化させることにより、ブロックが移動要素により崩れることをプレイヤに視覚的に認識させることができる。また、ブロックの性質とは、例えば、ブロックが完全に崩れるまでの強度をいい、ブロックの形状の変化を、例えば、移動要素が当たった回数と移動要素の大きさとにより変化させることができるので、ブロックの崩れ方に変化をもたせることができる。よって、段々とブロックの崩れる様子が視覚的に表現されるので、プレイヤに面白味を与えることができる。さらに、プレイヤをプレイに熱中させることができる。
【0050】
(4)特定発明は、プレイフィールドを飛翔するように移動要素を移動させるので、移動要素の動きに変化をつけることができる。また、移動要素がブロックの上部に衝突した場合には、ブロックの形状を大きく変化させるので、移動要素がブロックと衝突した場所に応じて、ブロックの崩れ方に多様な変化を持たせることができる。
【0051】
(5)特定発明は、移動要素の移動に応じて、表示画面に表示されるプレイフィールドの表示領域を変更するので、非表示領域のプレイフィールドを、移動要素の移動に応じて表示領域に切り替えて適切に表示することができる。よって、移動要素の動きに対応した表示領域を表示することができる。
【0052】
(6)特定発明は、プレイヤの操作により、操作要素の大きさを変更して配置することができる。そのため、プレイヤは、表示画面を見ながら、移動要素の移動する場所を予想して、操作要素を移動するのではなく、配置することができる。よって、移動要素の動きに対応して操作要素を配置でき、その操作は、例えば、所定の領域にマウスで線を引く等の簡易な操作で行うことができる。また、移動要素が操作要素と接触した際に、操作要素の大きさに応じて移動要素の速度を変更するので、プレイヤの操作と、移動要素の動きとを関連付けることができる。よって、プレイヤが操作要素の大きさを変更して配置することにより、移動要素のスピードを変化させることができる。
【0053】
(7)特定発明は、移動要素が操作要素と接触した際に、操作要素の性質と移動要素の性質とにより操作要素を変化させる。操作要素の性質とは、例えば、操作要素の長さや、操作要素と移動要素とが接触可能な回数(耐久性)をいう。また、移動要素の性質とは、移動要素の大きさや、移動要素の速度をいう。よって、例えば、移動要素の大きさに対して、操作要素の長さが長い場合には、操作要素が壊れて機能しない等の演出を行うことができるため、移動要素の大きさにより、プレイヤに、操作要素の操作を変更させるように促すことができる。よって、プレイ内容を複雑にして、プレイの面白さを向上することができる。
【0054】
(8)特定発明は、操作要素の傾きを変更するので、移動要素の移動に応じて、操作要素の傾きを変更することができる。よって、例えば、移動要素が反発して進む移動方向を、プレイヤが決定することができるため、プレイヤに、操作に自由度をもたせたプレイをさせることができる。
【0055】
(9)特定発明は、移動要素がベース面の性質に応じて移動する。ベース面の性質とは、例えば、コンクリート上、水上、氷上等の摩擦係数等のように、移動要素の速度に変化を与えるものをいう。よって、ベース面の見た目の変化に応じて移動要素の移動を変化させることができるため、面白い動きを移動要素にさせることができる。
【0056】
(10)特定発明は、移動要素がブロックと衝突したことに応じて、アイテムを出現させるため、移動要素がブロックと衝突することによりアイテムを表示させ、プレイに変化をもたせることができる。また、アイテムは、移動要素に当たったことにより、移動要素の大きさを変化させるものであるため、例えば、移動要素がアイテムと衝突することにより、移動要素の大きさを大きく変化させることができる。よって、プレイの難易度を変更することができ、面白味をプレイヤに与えることができる。
【0057】
(11)特定発明は、移動要素とブロックとが衝突したことに応じて、アイテムを出現させ、さらに、アイテムと移動要素とが当たったことにより、移動要素の態様を変更することができる。移動要素の態様とは、例えば、移動要素の速度や、移動要素の移動方向をいう。よって、移動要素の態様に変化をもたせることにより、プレイの難易度を変更することができ、面白味をプレイヤに与えることができる。
【0058】
(12)特定発明は、ゲームプログラムを記憶した記憶媒体であるので、例えば磁気ディスク等の記憶媒体に記録して市場の流通過程にのせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明は、ボールの動きが変化に富み、打ち返しバーに特徴を有するブロック崩しゲームを実行するゲーム装置及びプログラムを提供するという目的を、ベース面が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の構成要素と立体形状の前記ブロックとが配置された、仮想の三次元空間のプレイフィールドをディスプレイに表示する表示制御手段と、プレイフィールド内を移動するボールを物理法則に従って移動する移動要素制御手段と、してコンピュータを機能させるブロック崩しゲームのゲームプログラムによって実現した。
【0060】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、本実施形態の一例に係るブロック崩しゲームを行うゲーム機1の外観を示す図である。ゲーム機1は、例えば、本発明のゲームプログラムがインストールされたパソコン(パーソナルコンピュータ)である。ゲーム機1は、ディスプレイ3、キーボード4A及びマウス4B、並びにドライブ5を有しており、例えば、DVD等の記憶媒体29に記憶されたゲームプログラム22(図2参照)をドライブ5が受け付けることにより、ゲームを行うことができる。
【0061】
図2は、本実施形態の一例に係るゲームを行うゲーム機1の機能を示す機能ブロック図である。ゲーム機1は、制御部10、記憶部20、表示部30、操作部40及び通信インタフェース部50を有し、それらがバス9を介して接続されている。バス9は、ゲーム機1内のアドレス信号やデータを伝送するラインである。
【0062】
制御部10は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置であり、当該ゲーム機1全体の制御を行う。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
また、制御部10は、表示制御手段101、移動要素制御手段102、接触判定手段103、衝突判定手段104、操作要素制御手段105、及びアイテム表示制御手段106を有する。各機能の詳細については、後述するフローチャートで適宜説明する。
【0063】
記憶部20は、ブロック崩しゲームのゲームプログラム22等のアプリケーションを動作させるためのプログラム、各種のパラメータ等を記憶している。記憶部20は、ゲームプログラム22が記憶された、例えば、記憶媒体29(図1参照)等のコンピュータ可読媒体を含んでよい。また、通信インタフェース部50を介してネットワーク上に有するゲームプログラム22をダウンロードし、記憶するローカルディスクでもよい。コンピュータ可読媒体としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。また、各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するための一時記憶領域24であるローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0064】
表示部30は、例えば、ディスプレイ3(図1参照)のような表示画面であり、ブロック崩しゲームの画像を表示する。表示部30は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
操作部40は、例えば、キーボード4A及びマウス4B(図1参照)であり、プレイヤの操作による入力を行う。キーボード4A及びマウス4B以外に、タッチパネルなどのポインティング・デバイス等を含んでよい。
【0065】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部20、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0066】
図3は、本実施形態の一例に係るプレイフィールドFの構成を示す概念図である。実際にプレイをする時には、後述する図4に示すように、ディスプレイ3にこのプレイフィールドFの画像が、各種ステータスと共に表示される。プレイフィールドFは、三次元の仮想空間を構成し、奥から手前(矢印X2方向)にかけて鉛直方向下側(矢印Z2方向)にθ度傾斜するように配置された矢印W1,W2方向に広がるベース面60を有する。プレイフィールドFは、例えば、仮想の街や都市等の1つから構成される。
【0067】
ベース面60は、オブジェクト66として、山や谷等の地形の変化を伴った立体形状である地形要素Cを含む。また、オブジェクト66として、橋脚や地下鉄の入口といった固定の建造物や、電車といった動く建造物である建造要素Dを含む。さらに、ベース面60は、土、コンクリート、氷、砂、水、草といった、様々な摩擦係数を有するベース要素Eを含む。立体形状のブロックBは、仮想都市を構成する破壊対象のビル等の建物を示す。
【0068】
ブロックBの各々には、炎、雷、氷、大地の4種類の属性のうちの何れかが予め割り当てられるとともに、崩落に至るまでの耐久度が設定されている。ゲームプログラムには、各ブロックBに割り当てられている属性のデータと設定されている耐久度のデータが含まれている。ゲームの画面において、ブロックBの各々は、割り当てられている属性に応じた色彩で表示される。4種類の属性のうちで、炎と氷が反対属性となり、また、雷と大地も反対属性となる。なお、ここでは、ブロックBの各々に割り当てられる属性は1種類ずつとし、割り当てられた属性が途中で変化することはないものとする。
【0069】
また、後述するボール64(図4参照)にも、上記した4種類の属性のうちの何れかが割り当てられることとなり、ボール64のパラメータには、割り当てられている属性のデータが含まれる。もっとも、ボール64の属性は、ブロックBの属性とは異なり、プレイヤがキーボード4Aまたはマウス4Bから所定の操作(例えば、マウス4Bの右ボタンの押下)をすることによって、炎→雷→氷→大地→炎・・・の順で変化する。ゲームの画面において、ボール64の色は、属性の変化に応じて変化していくこととなる。ボール64は、色だけではなく大きさも変化するが、これについては後述する。
【0070】
次に、図4から図6を参照しながら、本実施形態の一例に係るブロック崩しゲームについて説明する。
図4は、本実施形態の一例に係るディスプレイ3に表示されるゲーム画面の表示例を示す図である。
図5及び図6は、本実施形態の一例に係るボール64の移動態様を示す図である。
図4(a)において、ディスプレイ3の上方には、左から右に順にライフポイント部71、ステージ情報部72、スコア表示部73及びメニュー情報部74の各種ステータスが表示される。また、ディスプレイ3の中央には、図3のプレイフィールドFが、正面から見下ろすように表示される。ここで、ディスプレイ3に表示されるプレイフィールドFのベース面60、ブロックB、及びボール64は、立体的な画像として表示される。
【0071】
ライフポイント部71は、例えば、プレイヤが失敗することが許される回数がボールの数として表示される。ライフポイント部71のボールの数は、失敗するたびに1ずつ減って表示される。ステージ情報部72は、複数ステージ用意されたゲームの中での現在のステージの情報(ステージ番号)を表示する。スコア表示部73は、現在のプレイヤの得点を表示する。得点は、ゲーム開始からの合計得点であり、例えば、所定の時間以内にステージをクリアした場合に、ボーナス得点を付与してもよい。メニュー情報部74は、当該メニュー情報部74を選択することで、別ウィンドウでメニューを表示する。メニューは、例えば、プレイヤの過去の最高得点を表示したり、ディスプレイ3に表示されるプレイフィールドFを日中や夜間を示すように変更したりするものや、PAUSEコマンド等の様々なオプションを表示する。
【0072】
ディスプレイ3の中央に表示されるベース面60は、ディスプレイ3の枠外にも図中上側(矢印X1方向、図3の矢印X1方向参照)に少し広がっており、プレイに応じてディスプレイ3に表示されるプレイフィールドFの表示領域を変更することにより、図中上側のベース面60を表示する(図4(b))。プレイヤは、ディスプレイ3に表示されるプレイフィールドFを見ながら、マウス4Bを操作してボール64を反発させて跳ね返すラケット(バウス)となる線62を引くように描く。プレイヤは、線62を描くことにより、主にプレイフィールドFのベース面60をディスプレイ3の上方から下方に物理法則に従って移動するボール64を、ディスプレイ3の上方に反発させて跳ね返す。なお、線62の描き方は後述する。そして、ボール64をブロックBに衝突させるようにプレイヤが線62を描くことにより、ブロックBを崩していく。
【0073】
線62は、ディスプレイ3の下方に左右に広がる線引きエリアP内で描くことができる。ボール64の動きによりベース面60は移動するが、線引きエリアPはディスプレイ3に対して固定の位置に配置される。全ての破壊対象のブロックBを崩落させることにより、ステージクリアとなり次のステージへ進む。そして、プレイヤは、ブロックBを崩して、崩落させることにより得られる得点や、ステージクリア数を競うことができる。
【0074】
ブロックBは、上述の通り、ボール64を衝突させることにより崩れるが、与えられたダメージと耐久度に応じて、崩れ方の程度が変化する。より詳細に説明すると、1つのブロックBにボール64が衝突すると、ボール64の衝突によるダメージが当該ブロックBに加えられる。1回の衝突でブロックBに加えられるダメージは、属性ダメージと属性外ダメージとの乗算により算出される。属性ダメージは、衝突時におけるブロックBの属性とボール64の属性とが同一であると10、反対であると2、それ以外であると4となる。
【0075】
また、属性外ダメージには、ボール64が衝突した際のボール64の大きさに基づく属性外ダメージ、ボール64がブロックBの何れの位置に衝突したかに基づく属性外ダメージ、ボール64のブロックBに対する衝突角度に基づく属性外ダメージがある。例えば、ボール64の大きさに基づく属性外ダメージは、ボール64の大きさが小であれば1、中であれば1.2、大であっても1.5である。衝突位置に基づく属性外ダメージは、下部であれば1、上部であれば1.25である。角度に基づく属性外ダメージは、ブロックBの衝突面にする衝突時のボール64の移動方向が60度未満であれば1、60度以上であれば1.25である。
【0076】
各々のブロックBに加えられたダメージは累積されていく。各々のブロックBは、累積されたダメージに応じて崩れていくこととなる。そして、累積されたダメージが設定された耐久度以上となったブロックBは完全に崩れ落ち、プレイフィールドFから消去させられる。本実施形態では、ブロックBがプレイフィールドFから消去させられるまで完全に崩れ落ち、これ以上破壊できなくなったことを「崩落」といい、ボール64の衝突によりダメージを受けて破損はしているが崩落まではしていない状態(単に「崩れる」といった場合は、この程度の状態も含む)とは区別するものとする。
【0077】
このように、ブロックBが崩れる程度は、ボール64が衝突する回数や、ボール64が衝突した際のボール64の大きさに応じて変化するものとなる。また、ボール64がブロックBの上部に衝突した際は、ブロックBがより大きく崩れるようになり、垂直に近い角度で衝突した際にも、ブロックBが大きく崩れるようになる。もっとも、ブロックBの崩れ方に最も大きな影響を及ぼすのは、衝突時におけるボール64の属性とブロックBの属性との関係である。
【0078】
例えば、耐久度が15のブロックBを考えると、衝突時におけるボール64の属性とブロックBの属性が反対属性であれば、ボール64の大きさが大、上部に衝突、60度以上の角度で衝突という条件を全て満たしていたとしても、3回はボール64を衝突させないとブロックBが崩落しない。衝突時におけるボール64の属性とブロックBの属性が同一属性でも反対属性でもないときでも、最低2回はボール64を衝突させなければ、ブロックBは崩落しない。これに対して、衝突時におけるボール64の属性とブロックBの属性が同一属性であれば、1)ボール64の大きさが大、2)ボール64の大きさが中で上部に衝突、3)ボール64の大きさが中で60度以上の角度で衝突、4)上部に60度以上の角度で衝突、の何れかの条件を少なくとも満たせば、ボール64が1回衝突しただけでブロックBは崩落する。
【0079】
1つのブロックBは、例えば、1つの画像により形成される(図5(a))。そして、ボール64が衝突した場所が凹んだように表示させるため、凹んだ状態の画像を元のブロックBの画像に上書きする。また、ブロックBに表示されるガラスが割れた画像を元のブロックBの画像に上書きしてもよい(図5(b))。また、ボール64が衝突したブロックBの下方が崩れるように表示させるため、画像の下方をベース面60に隠れるようにブロックBの画像をずらして表示する(図5(c))。
【0080】
このような画像処理をすることで、処理する画像が少なくても、あたかもボール64がブロックBに衝突したかのような演出をすることができる。よって、高い処理能力を必要とせず、ゲーム機1にゲームプログラム22を実行させて、ブロックBが崩れる一連の処理を自然に見せることができる。さらに、ブロックBにボール64が衝突した際に、ビルが崩れるような効果音を出力するよう制御することにより、より一層リアリティに富んだゲームを提供することができる。なお、1つのブロックBを複数の画像により構成し、ボール64が衝突することによって複数の画像を崩すようにしても、もちろんよい。
【0081】
ボール64は、ディスプレイ3の下方向を重力方向として物理法則に従ってプレイフィールドF内を移動する。ボール64がディスプレイ3の左端L及び右端R(図3の矢印Y2方向及び矢印Y1方向)に移動した場合には、ボール64は、左端L及び右端Rにぶつかって反発する(図6(a))。
【0082】
また、図4(b)に示すように、ボール64がディスプレイ3の上端に向かって移動した場合は、ディスプレイ3に表示される画面が、あたかも図中上方向にスライドしたかのように、ベース面60及びベース面60上のブロックBを表示する。このことにより、今まで見えなかったプレイフィールドFが出現する。そして、ボール64が上方に所定の範囲(Gの部分)を移動すると、ボール64は上端にぶつかって反発する。
【0083】
また、ボール64は、ベース面60を移動するのみならず、プレイフィールドFを飛翔する(図6(b))。また、ボール64がディスプレイ3の下端に移動すると、ボール64がディスプレイ3から消えて失敗となる。例えば、失敗が予め決められた所定回数の3回に達すると、ゲームオーバとなる。プレイヤは、失敗しないように、つまり、画面下側に移動しているボール64にうまく当てるように、ディスプレイ3の下方に設定された線引きエリアP内に線62を描く。
【0084】
線62は、始点を軸にして終点を自由に定めることができる移動可能な直線である。具体的には、始点を定めて、次に終点を決めるために、プレイヤがマウス4Bの左ボタンを押下した状態で維持してマウス4Bの位置を移動する(ドラッグする)ことで、ドラッグした長さの線62を描くことができる。ここで、プレイヤが押下したマウス4Bの左ボタンを押下したままの状態で、マウス4Bを上下左右に動かすと、始点を軸として線62を上下左右に動かすことができる。また、プレイヤが押下したマウス4Bの左ボタンを離す(ドロップする)ことで、ディスプレイ3から線62が消える。線62は、プレイヤがマウス4Bをドラッグするスピードによって太さを変えてもよいし、プレイヤが引いた長さによって太さを変えてもよい。また、線の形状に限らず、マウス4Bをドラッグした長さを横の長さとし、長さ10に対して縦の長さを1とした相似形の長方形としてもよい。
【0085】
プレイヤは、ボール64の大きさにより、線62の長さを調節して、ボール64をはじき返す(図6(c))。線62が長すぎると、ボール64の重さに耐えかねて線62がちぎれてしまう(図6(d))等の変化をつけることができる。線62がちぎれた場合、ディスプレイ3の下端にボール64が消えてしまい、失敗となる。
【0086】
また、ラケット(バウス)となる線62を描くことによって反発させられたボール64は、それが何れのブロックBにも衝突しないうちにプレイヤがキーボード4Aまたはマウス4Bから所定の操作(例えば、スペースキーの操作)をすると、ボール64が手前側に戻ってくる。これを実現するためには、例えば、右ボタンの押下などの所定の操作がされたときにボール64の進行方向に対して垂直な壁(ゲームの画面上では表示されない)を仮想的に出現させ、物理法則に従ってボール64の進行方向を変化させればよい。
【0087】
また、ブロックBを崩落させた場合に、アイテムIを元のブロックBの位置に配置する(図6(e))。アイテムIは、例えば、ボール64の大きさを大きくするためのアイテムであり、ボール64がアイテムIに接触すると、アイテムIが消え、ボール64がひと回り大きく変化する。もっとも、アイテムIへの接触によってボール64の大きさが大きくなるのは2回までであるので、ボール64の大きさは、小(初期状態)、中、大の3段階で変化させられるものとなる。
【0088】
次に、図7から図13のフローチャートを参照して、本実施形態のブロック崩しゲームのゲームプログラムの動作について説明する。ここで、制御部10は、各手段により行われた処理結果をディスプレイ3に表示させるように画像を処理するが、画像処理をしている点については、記述を適宜省略する。また、フローチャートの説明の際に、発明の理解を深めるために、図14及び図15に示すボール64の移動態様の例を示しながら説明する。
【0089】
まず、図7は、本実施形態の一例に係るメイン処理のフローチャートを示す。
ゲーム機1に電源が投入され、ブロック崩しゲームのゲームプログラム22が実行されると、ステップS11では、制御部10は、ゲーム開始処理を行う。ゲーム開始処理は、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)等により構成される記憶部20の一時記憶領域24を初期化する。
次にステップS12では、制御部10は、ディスプレイ3にプレイフィールドFを含むゲーム画面を表示する。そして、所定の位置にボール64を表示する。
【0090】
次に、ステップS13では、制御部10(移動要素制御手段102)は、ボール64の移動を開始する。制御部10(移動要素制御手段102)は、ボール64を、物理法則に従うように動作させる。
次に、ステップS14では、制御部10(移動要素制御手段102)は、ボール64が接するベース面60の素材に応じて、ボール64を移動させる。具体的には、図14に示すように、ベース面60のベース要素Eが氷上のような摩擦抵抗が少ない素材である場合には、氷上を通過したボール64の移動速度を速め(図14(a))、ベース面60のベース要素Eが水上のような摩擦抵抗の大きい素材である場合には、水上を通過したボール64の移動速度を遅くする(図14(b))といった制御を行う。また、制御部10(表示制御手段101)は、ボール64の移動にあわせて、ディスプレイ3に表示されるゲーム画面のベース面60を上下に移動させて表示する処理を行う。
【0091】
次に、ステップS15では、制御部10は、プレイヤによる線62を引くように描くためのマウス4Bの操作を受け付けたか否かを判断する。線62を引く操作を受け付けた場合(ステップS15:Y)には、制御部10は、処理をステップS16に移し、他方、線62を引く操作を受け付けない場合(ステップS15:N)には、制御部10は、処理をステップS17に移す。
ステップS16では、制御部10(操作要素制御手段105)は、マウス4Bで操作した通りに、ディスプレイ3の所定の範囲である線引きエリアPに線62を引く処理を行う。
次に、ステップS17では、制御部10は、接触処理を行う。
【0092】
ここで、接触処理について、図8を用いて説明する。接触処理とは、ボール64とオブジェクト66との接触についての処理である。図8は、本実施形態の一例に係る接触処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS101において、制御部10(接触判定手段103)は、ボール64がオブジェクト66に接触したか否かを判断する。オブジェクト66は、地形要素C、及び建造要素Dを示す。ボール64がオブジェクト66と接触している場合(ステップS101:Y)には、制御部10は、処理をステップS102に移す。他方、ボール64がオブジェクト66と接触していない場合(ステップS101:N)には、制御部10は、本処理を終了する。例えば、図15(a)に示す場合、小さいサイズのボール64A、大きいサイズのボール64Bのどちらも鉄橋の橋げたである建造要素Dの幅以内の大きさであるためボール64A及びボール64Bは通過する。よって、この場合は、ボール64は、オブジェクト66とは接触していない。
【0093】
ステップS102では、制御部10(接触判定手段103)は、接触したオブジェクト66にボール64が入る穴があり、ボール64が穴に入ったか否かを判断する。オブジェクト66の穴とは、例えば、トンネルや地下鉄の入口等である。ボール64がオブジェクト66の穴に入った場合(ステップS102:Y)には、制御部10は、ステップS103に処理を移し、別ステージ処理を行う。他方、ボール64がオブジェクト66の穴に入っていない場合(ステップS102:N)には、制御部10は、ステップS104に処理を移す。
【0094】
ステップS103で制御部10が行う別ステージ処理とは、例えば、ディスプレイ3の下端にボール64が移動しても反発するようにして、失敗がなく、通常のステージより得点を稼ぎやすくしたボーナスステージが考えられる。また、逆に、ディスプレイ3の中央より下方にブロックBが乱立しているような通常のステージより難しいものでもよい。このような工夫は、穴にボール64を入れてやろうというプレイヤの心理をくすぐり、特別なステージをやりたいというプレイヤの好奇心をくすぐるのに役立つ。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0095】
他方、ステップS104では、制御部10は、ボール64をオブジェクト66の形状に合わせて動かす。具体的には、木や鉄橋といった建造要素Dである場合に、ボール64の大きさ及びボール64の衝突速度により、ボール64を反発させる処理をしたり、ボール64により建造要素Dを破壊したりする処理を行う。例えば、図15(b)を参照し、ボール64Aが鉄橋である建造要素Dに接触した場合、ボール64Aの大きさ及び速度から、ボール64Aを反発させる。そして、建造要素Dはそのまま表示する。他方、図15(c)を参照し、ボール64Bの大きさ及び速度から、ボール64Bにより鉄橋である建造要素Dを破壊する。他方、山や谷といった地形要素Cである場合に、ボール64を地形要素Cの地形に合わせて動かす。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0096】
図7に戻って、ステップS18では、制御部10は、属性処理を行う。
ここで、属性処理について、図9を用いて説明する。属性処理とは、ボール64に設定された属性をプレイヤが所定の操作を行うことによって、変化させるための処理である。図9は、本実施形態の一例に係る属性処理のフローチャートを示す。
【0097】
まず、ステップS111では、制御部10は、プレイヤによるマウス4Bの右ボタンの操作を受け付けたかどうかを判定する。右ボタンの操作を受け付けていない場合(ステップS111:N)には、そのまま本処理を終了する。右ボタンの操作を受け付けた場合(ステップS111:Y)には、処理をステップS112に移す。
【0098】
ステップS112では、制御部10は、ボール64に設定されている属性を、現時点で設定されている属性の次の順番のものに変化させる。例えば、ボール64に現時点で設定されている属性が炎であれば、雷の属性に変化させられる。ボール64に現時点で設定されている属性が雷であれば、氷の属性に変化させられる。ボール64に現時点で設定されている属性が氷であれば、大地の属性に変化させられる。ボール64に現時点で設定されている属性が大地であれば、炎の属性に変化させられる。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0099】
図7に戻って、ステップS19では、制御部10は、衝突処理を行う。
ここで、衝突処理について、図10を用いて説明する。衝突処理とは、ボール64とブロックBとの衝突についての処理である。図10は、本実施形態の一例に係る衝突処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS121では、制御部10(衝突判定手段104)は、ボール64がブロックBと衝突したか否かを判断する。ブロックBは、立体形状を形成した建造物(ビル)である。ボール64がブロックBと衝突した場合(ステップS121:Y)には、制御部10は、処理をステップS122に移す。他方、ボール64がブロックBと衝突していない場合(ステップS121:N)には、制御部10は、処理をステップS128に移す。
【0100】
次に、ステップS122では、制御部10は、衝突時においてボール64に設定されていた属性とボール64が衝突したブロックBの属性との関係と、ブロックBのボール64が当たった位置及び角度、ボール64の大きさから、ブロックBに加えられたダメージを算出する。例えば、制御部10は、ブロックBのボール64の当たった位置が、ブロックBの上部であるほど、ブロックBのダメージを大きくする。また、ボール64の大きさが大きいほど、ブロックBのダメージを大きくする。また、ボール64とブロックBの属性が同一属性であると、ブロックBのダメージを大きくし、反対属性であると、ブロックBのダメージを小さくする。ブロックBに加えられたダメージは、累積される。
【0101】
次に、ステップS123では、制御部10(表示制御手段101)は、ステップS122で累積されたブロックBのダメージに応じて、上述の図5に示したブロックBが崩れた画像を表示する。また、ブロックBが崩れた画像の表示と共に、制御部10は、ビルが崩れるような効果音を出力することにより、よりリアル性に富んだ演出をすることができる。
【0102】
次に、ステップS124では、制御部10は、ブロックBが完全に崩れた、すなわちブロックBを崩落させたか否かを判断する。ブロックBを崩落させたか否かは、ボール64が衝突したブロックBについて累積されたダメージが、当該ブロックBについて予め設定された耐久度以上となったか否かによって判断できる。ブロックBが完全を崩落させた場合(ステップS124:Y)には、制御部10は、処理をステップS125に移す。他方、ブロックBを崩落させていない場合(ステップS124:N)には、制御部10は、処理をステップS128に移す。
【0103】
ステップS125では、制御部10は、プレイフィールドF上の全てのブロックBを崩落させたか否かを判断する。プレイフィールドF上の全てのブロックBを崩落させた場合(ステップS125:Y)には、制御部10は、処理をステップS126に移し、ステージクリアである旨の表示をした後、図7のステップS12に処理を移し、次のステージのゲーム画面を表示する。他方、プレイフィールドF上の全てのブロックBを崩落させていない場合(ステップS125:N)には、制御部10は、処理をステップS127に移す。
ステップS127では、制御部10(アイテム表示制御手段106)は、アイテムIを崩落させたブロックB上に表示する。アイテムIは、アイテムIを通過したボール64を大きく変化させるものである。
【0104】
ステップS128では、制御部10は、ボール64がアイテムIに当たったか否かを判断する。ボール64がアイテムIに当たった場合(ステップS128:Y)には、制御部10は、処理をステップS129に移す。他方、ボール64がアイテムIに当たらなかった場合(ステップS128:N)には、制御部10は、本処理を終了する。
ステップS129において、制御部10(移動要素制御手段102)は、ボール64の大きさを大きく変更する(但し、ボール64の大きさが既に大となっている場合には、それ以上には大きくならない)。また、制御部10は、ボール64の移動速度を早く移動するよう制御したり、ボール64に回転を施し、右にカーブするものとして制御してもよい。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0105】
図7に戻って、ステップS20では、制御部10は、引き戻し処理を行う。
ここで、引き戻し処理について、図11を用いて説明する。引き戻し処理とは、ボール64がブロックBに衝突する前にプレイヤが所定の操作を行うことによって、即座にボール64を手前側に引き戻すための処理である。図11は、本実施形態の一例に係る引き戻し処理のフローチャートを示す。
【0106】
まず、ステップS131では、制御部10は、プレイヤによるキーボード4Aのスペースキーの操作を受け付けたかどうかを判定する。スペースキーの操作を受け付けていない場合(ステップS131:N)には、そのまま本処理を終了する。スペースキーの操作を受け付けた場合(ステップS131:Y)には、処理をステップS132に移す。
【0107】
ステップS132では、制御部10は、現時点のボール64の位置の奥側に、ボール64の進行方向と垂直に設定された仮想的な壁を出現させる。但し、この壁は、ゲームの画面上には設定されない透明なオブジェクトとなる。そして、ステップS133において、制御部10は、設定された仮想的な壁でボール64を跳ね返すように、反発させて移動させる。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0108】
図7に戻って、ステップS21では、制御部10は、プレイヤが描いた線62にボール64に当たったか否かを判断する。線62にボール64が当たった場合(ステップS17:Y)には、制御部10は、処理をステップS22に移し、図12に示す線判定処理を行う。他方、線62にボール64が当たっていない場合(ステップS17:N)には、制御部10は、処理をステップS24に移す。
【0109】
ここで、線判定処理について、図12を用いて説明する。線判定処理とは、線62にボール64が当たった場合の処理である。図12は、本実施形態の一例に係る線判定処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS141では、制御部10は、ボール64の大きさを判定し、線62の長さがボール64の大きさに対して所定範囲以内であるか否かを判断する。所定範囲は、例えば、ボール64の直径をx、線62の長さをyとすると、y=a/x(aは一定数)で表すことができ、y≦a/xであれば、所定範囲以内である。所定範囲以内である場合(ステップS141:Y)には、制御部10は、処理をステップS142に移す。他方、所定範囲以内でない場合(ステップS141:N)には、制御部10は、処理をステップS143に移す。
【0110】
ステップS142では、制御部10(移動要素制御手段102)は、ボール64を跳ね返すように反発させて移動させる。その際、線62の長さが長いほど、跳ね返り係数を低くし、速度を遅くする方向に制御し、線62の長さが短いほど、跳ね返り係数を高くしてボール64の速度を速める制御を行う。その後、制御部10は、本処理を終了する。
ステップS143では、制御部10(操作要素制御手段105)は、上述の図6(d)に示すように、線62が切れるように変化させる。線62が長すぎると(上述の式でy>a/xとなった場合)、線62が切れるため、プレイヤは線62を長く描くことができない。よって、プレイに困難性を有し、プレイヤは引くように描く線62の長さを考えながらプレイすることが要求される。そして、ボール64がディスプレイ3の下端に移動され、ステップS144において、制御部10は、後述の図13で説明する失敗処理を行い、本処理を終了する。
【0111】
図7に戻って、ステップS23では、制御部10は、失敗処理を行ったか否かを判断する。失敗処理を行った場合(ステップS23:Y)には、制御部10は、本処理を終了する。他方、失敗処理を行っていない場合(ステップS23:N)には、制御部10は、処理をステップS14に移す。
ステップS24では、制御部10は、ボール64がディスプレイ3の下端に移動されたか否かを判断する。ボール64がディスプレイ3の下端に移動されるとは、ボール64が、プレイヤがボール64を反発させて跳ね返すための線62を引けない場所に移動し、線62の引ける線引きエリアPにボール64が戻ってこないことを意味する。ボール64がディスプレイ3の下端に移動した場合(ステップS24:Y)には、制御部10は、処理をステップS25に移し、失敗処理を行い、本処理を終了する。他方、ボール64がディスプレイ3の下端に移動していない場合(ステップS24:N)には、制御部10は、処理をステップS14に移し、以降の処理を繰り返す。
【0112】
ここで、失敗処理について、図13を用いて説明する。失敗処理とは、ボール64がディスプレイ3の下端に移動した場合の処理であり、図7のステップS25及び図12のステップS144において呼出される。図13は、本実施形態の一例に係る失敗処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS161では、制御部10は、失敗した旨をディスプレイ3に表示させる。その後、ステップS162では、制御部10は、失敗回数がトータルで3回に達したか否かを判断する。失敗回数が3回に達した場合(ステップS162:Y)には、ステップS164において、制御部10は、ゲームオーバー処理をした後、ゲームを終了する。他方、失敗回数が2回以下である場合(ステップS162:N)には、制御部10は、ライフポイント部71(図4参照)からボールの数を1つ減算し(ステップS163)、処理をステップS13に移し、引続きブロック崩しゲームを行う。
【0113】
以上説明したように、この実施の形態にかかるブロック崩しゲームでは、プレイヤが線62を引くことによって弾き返されたボール64がブロックBに衝突すると、ブロックBにダメージが加えられ、これが累積されていく。そして、累積されたダメージが予め設定された耐久度以上となったブロックBは崩落し、プレイフィールドFから消滅する。ところで、ボール64の衝突によりブロックBに対して、一律にダメージが加えられる訳ではない。ブロックBに加えられるダメージは、属性ダメージと属性外ダメージとの乗算により算出される。
【0114】
ここで、属性外ダメージは、衝突時においてボール64に設定されていた属性とブロックBの属性とが反対の属性であると2でしかないが、同一でも反対でもない属性であると4、同一の属性であると10にもなる。ブロックBに加えられるダメージのうちでも影響の大きい属性ダメージを算出する基礎となるボール64の属性は、ボール64が移動する間においてプレイヤがマウス4Bの右ボタンを操作することによって変化させられるものとなる。
【0115】
従って、ボール64の衝突によりブロックBに大きなダメージを加え、ブロックを早く崩落させるためには、ボール64が衝突しそうなブロックBに設定されている属性となるべく同一属性となるように、ボール64の属性を変化させるための操作を行う必要が生じてくるものとなる。このため、プレイヤが線引き操作により引いた線62でボール64を反発させた後も、ボール64がブロックBに衝突するまで、ボール64の属性を変化させるための操作を積極的に行う必要が生じてくる。
【0116】
これにより、この実施の形態にかかるブロック崩しゲームでの操作性は、プレイヤが単に線引き操作により線62を描画してボール64を反発させるだけという単純なものにはならず、操作性が向上するものとなる。また、1回の衝突でブロックBに大きなダメージを加え、少ない回数で個々のブロックBを崩落させることができれば、ゲームをクリアするまでにボール64を反発させるべく線62を引く操作を行わなければならない回数も少なくて済むこととなる。線62を引く操作が少なくて済むということは、ゲームのクリアまでに失敗が生じるリスクも小さくなると言うことであり、ゲームの攻略のためのプレイヤの操作の幅が広がり、さらに操作性が向上するものとなる。
【0117】
また、例えば、耐久度が15のブロックBについては、1)ボール64の大きさが大、2)ボール64の大きさが中で上部に衝突、3)ボール64の大きさが中で60度以上の角度で衝突、4)上部に60度以上の角度で衝突、の何れかの条件を少なくとも満たしているときには、衝突時におけるボール64の属性とブロックBの属性が同一属性であれば、ボール64が1回衝突しただけでブロックBを崩落させることができる。同一属性でなければ、他の如何なる条件を満たしても、ボール64が1回衝突しただけでブロックBを崩落させることはできない。このため、プレイヤは、衝突しようとするブロックBの属性と同一属性となるようにボール64に設定された属性を変化させるべく操作を行うことで、ゲームの展開を支配することができる。
【0118】
また、ボール64の衝突によりブロックBに加えられるダメージは、ブロックBにおいてボール64が衝突した位置や衝突の角度に応じて異なるものとなる。このようにボール64がブロックBと衝突した位置や角度の違いに応じて、ブロックBの崩れ方に多様な変化を持たせることができる。また、ブロックBに加えられるダメージが大きくなる方向に反発されるようにプレイヤが線62を引く操作が要求されるので、さらにゲームの趣向性を向上させることができる。
【0119】
また、ブロックBは、個々に耐久度が設定されているが、ブロックBを崩落させるためには、それぞれに設定された耐久度以上にダメージが累積されるまで、ボール64を個々のブロックBに衝突させなければならない。つまり、設定されている耐久度が小さいブロックBなら崩落させることができる程度のダメージを加えても、設定されている耐久度が大きなブロックBは崩落しない。このため、個々のブロックBを崩落させるまでの過程が様々なものとなるので、ゲームの趣向性を向上させることができる。
【0120】
また、ブロックBの各々やボール64は、設定されている属性に応じた色で表示されるものとなるので、プレイヤは、ゲーム画面における表示された色からブロックBやボール64に設定されている属性を容易に判断することができるものとなる。また、ブロックBは、崩落に至るまでのダメージが累積されていなくても、累積されているダメージに応じて崩れた態様の画像がゲーム画面に表示されるので、プレイヤは、各々のブロックBに累積されているダメージを、ゲーム画面における表示態様から容易に判断することができるものとなる。また、1回の衝突で崩落する場合を除き、段々とブロックBの崩れる様子が視覚的に表現されるので、プレイヤに面白味を与えることができる。さらに、プレイヤをプレイに熱中させることができる。
【0121】
また、プレイヤがキーボード4Aのスペースキーを操作すると、ボール64がブロックB、地形要素C、構想要素Dなどに衝突したか否かに関わらず、即座にボール64が手前側に戻ってくることになる。このため、例えば、ボール64がブロックBに衝突する直前の状態からスペースキーを操作することでボール64をブロックBに衝突させずにゲームを継続することも可能となり、ゲームの攻略性が高まることとなる。また、ボールBを反発させるための線62を引く操作、ボール64に設定されている属性を変化させるためのマウス4Bの右ボタンの操作の他に、ボール64を手前側に戻すためのキーボード4Aのスペースキーの操作もゲームの進行のための操作に加わるので、さらに操作性が向上するものとなる。
【0122】
また、この実施の形態にかかるブロック崩しゲームが行われるプレイフィールドFは、三次元の仮想空間を構成し、奥から手前(矢印X2方向)にかけて鉛直方向下側(矢印Z2方向)にθ度傾斜するように配置された矢印W1,W2方向に広がるベース面60を有し、例えば、仮想の街や都市等の1つから構成される。そして、ベース面60は、仮想都市を構成する破壊対象のビル等の建物を示す立体形状のブロックBの他に、山や谷等の地形の変化を伴った立体形状である地形要素Cと、橋脚や地下鉄の入口といった固定の建造物や、電車といった動く建造物である建造要素Dを含む。さらに、ベース面60は、土、コンクリート、氷、砂、水、草といった、様々な摩擦係数を有するベース要素Eを含む。
【0123】
このため、この実施の形態にかかるブロック崩しゲームでは、従来のブロック崩しゲームにはなかった立体的形状に応じてボール64を移動させることができるので、面白味をプレイヤに与えることができる。つまり、ブロックB、並びに地形要素C及び構成要素Dを含むオブジェクト66が立体的に形成されたプレイフィールドF内を、ボール64が物理法則に従って移動して、ブロックBを崩す全く新しい態様のゲームを提供することができる。
【0124】
また、ボール64がブロックBの他に地形要素Cや構造要素Dに接触したか否かを判断するので、接触した場合に、例えば、地形要素C上を通過させたり、又は構造要素Dにより三次元的な動きを伴って反発して跳ね返されたり、という、ボール64に動きの変化をつけることができるので、ボール64が接触したことがプレイヤにも直感的に認識できるように表示できる。また、例えば、構造要素Cの入口(オブジェクト66の穴)にボール64が入ったか否かを判断し、入った場合には、別ステージを行う等、ゲーム展開に変化をもたせることを容易に行うことができる。よって、様々なゲームの展開を行うことができる。
【0125】
また、プレイフィールドFにおけるボール64の移動に応じて、表示画面に表示されるプレイフィールドFの表示領域を変更するので、非表示領域のプレイフィールドFを、ボール64の移動に応じて表示領域に切り替えて適切に表示することができる。よって、ボール64の動きに対応した表示領域を表示することができる。
【0126】
また、プレイフィールドFの奥側から手前側に移動してくるボール64を手前側から奥側に反発させるためにプレイヤが行う操作は、表示画面を見ながらボール64の移動する場所を予想してパドルを移動する操作ではなく、予想したボール64の移動場所にマウス4Bを用いて線引きする操作である。従って、ボール64を反発させるための操作を簡易な操作で行うことができる。
【0127】
また、ボール64がプレイヤの引いた線62と接触した際に、線62の長さに応じてボール64の速度を変更するので、プレイヤの操作と、ボール64の動きとを関連付けることができる。よって、プレイヤが線62の長さを変更して配置することにより、ボール64のスピードを変化させることができる。また、プレイヤは、任意の傾きで線62を引くことができ、その傾きに応じた角度にボール64を反発させることができる。このようにボール64が反発して進む移動方向を、プレイヤが決定することができるため、プレイヤに、操作に自由度をもたせたプレイをさせることができる。
【0128】
さらに、プレイヤの引いた線62の長さがボール64の大きさに対して長すぎる場合には、ボール64を線で反発させることができず、失敗となってしまう。線62の長さが長いほどボール64は接触しやすくなるが、長すぎると逆に失敗となるリスクも高くなるので、プレイヤは、適度な長さで線62を引く操作が必要となり、さらにプレイ内容を複雑にして、プレイの面白さを向上することができる。さらに、ボール64の大きさにより、プレイヤに、線引き操作により引く線62の長さを変更させるように促すことができる。よって、プレイ内容を複雑にして、プレイの面白さを向上することができる。
【0129】
また、ボール64は、ベース面60の性質(例えば、コンクリート上、水上、氷上等の摩擦係数等のように、ボール64の移動速度に変化を与えるもの)に応じて移動することになる。よって、ベース面60の見た目の変化に応じてボール64の移動を変化させることができるため、面白い動きをボール64にさせることができる。
【0130】
特定発明は、ボール64とブロックBとが衝突したことに応じて、アイテムIを出現させるため、プレイに変化をもたせることができる。さらに、ボール64とブロックBとの衝突によりブロックBが崩落することで、プレイフィールドFにアイテムIを出現させ、さらに、ボール64がアイテムIに当たったことにより、ボール64の大きさを大きくすることができる。ボール64が大きくなると、これが衝突したブロックBに加えられるダメージが大きくなるので、これによってプレイの難易度を変更することができ、面白味をプレイヤに与えることができる。
【0131】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0132】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
上記の実施形態では、全てのブロックBを崩落させることによりステージクリアとしているが、例えば、所定の時間内に所定の割合以上のブロックBを崩落させることによりステージクリアとしてもよい。
また、上記の実施形態では、ボール64を衝突させることにより崩れる崩れ方の変化を、ボール64が衝突する回数や、ボール64が衝突した際の大きさに応じて行うものとしているが、ボール64が衝突した際の速度に応じて行ってもよい。
さらに、上記の実施形態では、線62で何度もボール64を反発させて跳ね返すことができるが、所定回数もしくは、所定時間経過後には、線62を切れやすいものとしてもよい。
また、上記の実施形態では、ベース面60の傾きをディスプレイ3の下方に向かって傾くものであるが、線引きエリアPを重力方向下側に配置すれば、ベース面60の傾きをディスプレイ3のいずれの方向に傾かせてもよい。
さらに、上記の実施形態では、ベース面60のベース要素Eの摩擦係数によりボール64の速さを変化させるものであるが、ベース面60上を吹き抜ける風の向きによりボール64の速さや方向を変化させるものをも含ませてよい。
【0133】
上記の実施形態では、衝突時においてボール64に設定された属性とブロックBの属性とが反対属性であっても、同一属性のときよりも量的には少ないものの、ブロックBにはダメージが加えられるものとなっていた。これに対して、衝突時においてボール64に設定された属性とブロックBの属性とが反対属性であったならば、当該ブロックBに累積されていたダメージを減少させるものとしてもよい。或いは、ブロックBに設定されている耐久度を増加させるものとしてもよい。
【0134】
このような事態が生じると、ブロックBを崩落させるまでにボール64を衝突させなければならない回数がどんどん増えていくこととなる。このため、プレイヤは、ブロックBに設定された属性と反対の属性がボール64に設定されることを避けるように、より注意深くマウス4Bの右ボタンを操作する必要が生じてくるので、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0135】
上記の実施形態では、ボール64に設定された属性は、プレイヤがマウス4Bの右ボタンを操作することによって、炎→雷→氷→大地→炎→…の順で変化していくものとなっており、マウス4Bの右ボタンの操作以外では、ボール64に設定された属性が変化することはなかった。これに対して、プレイヤによりマウス4Bの右ボタンが操作されていなくても、所定の時間が経過する度に、ボール64に設定されている属性を順次変化させるものとしてもよい。ボール64の属性を変化させるための時間は、制御部10が内部タイマなどを用いて計測することになるが、この内部タイマの値は、所定の時間の経過を計時するとリセットされるが、マウス4Bの右ボタンが操作されたときにもリセットするものとしても、リセットしないものとしてもよい。
【0136】
この場合には、プレイヤがマウス4Bの右ボタンの操作でボール64に設定されている属性を所望の属性に一旦は変化させることができても、所定の時間の経過によってボール64の属性が勝手に変化してしまう場合がある。所定の時間の経過によってボール64の属性が変化してしまえば、プレイヤは、再び所望の属性をボール64に設定するためには改めてマウス4Bの右ボタンを操作しなければならない。このため、プレイヤは、ボール64に設定された属性を変化させる操作を行うことに気が抜けなくなり、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0137】
上記の実施形態では、ボール64に設定された属性は、プレイヤがマウス4Bの右ボタンを操作することによって、炎→雷→氷→大地→炎→…の順で変化していくものとなっていたが、ランダムに変化させてもよい。例えば、現時点でボール64が設定されている属性が炎であるときにマウス4Bの右ボタンが操作されたのであれば、他の3種類(雷、氷、大地)のうちから何れかの属性をランダムで選択して、ボール64の新たな属性として設定するものとしてもよい。この場合、プレイヤがボール64に特定の属性を設定したいと考えていても、その特定の属性がボール64に設定されるまでにマウス4Bの右ボタンを操作しなければならない回数が変わるものとなる。
【0138】
また、ボール64がブロックBに近づけば近づくほどボール64に設定するのが好ましい属性がはっきりしてくるが、ボール64がブロックに衝突するまでに属性の変更を行うことのできる期間は短くなる。プレイヤは、短い期間の間に所望の属性に設定されるまでマウス4Bの右ボタンを操作し、所望の属性が設定されたなら直ちにマウス4Bの右ボタンの操作を止めなければならない。勢い余って余計にマウス4Bの右ボタンを操作すると、ボール64の属性が一旦設定された所望の属性からそうではない属性に変化してしまい、再び所望の属性を設定するのは非常に困難になる。これにより、プレイヤは、より注意深くボール64に設定された属性を変化させるための操作を行う必要が生じてくるので、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0139】
上記の実施形態では、プレイヤがマウス4Bの右ボタンを操作することによって、ボール64に設定された属性が順次変化していくものとなっていたが、プレイフィールドFに配置されているブロックBの各々に設定された属性は、予め設定された属性で変化することはなかった。これに対して、所定の条件が成立する度に(例えば、所定の時間が経過する度に)、ブロックBの少なくとも1つに設定されている属性を変化させるものとしてもよい。ブロックBの属性は、炎→雷→氷→大地→炎→…の順番などで規則的に変化させていくものとしても、ランダムに変化させていくものとしてもよい。
【0140】
この場合、プレイヤが自らの操作でボール64に設定された属性を所望の属性に一旦変化させることができても、その後に所定の条件が成立してブロックBの属性が変化してしまうと、ボール64に設定することが好ましい属性も変化してしまうこととなる。これにより、プレイヤは、ボール64に設定された属性を変化させる操作を行うことに気が抜けなくなり、ゲームの趣向性をさらに高めることができる。
【0141】
上記の実施形態では、プレイフィールドFに配置された複数のブロックには、それぞれ炎、雷、氷、大地のうちの1種類の属性だけが設定され、ボール64にも炎、雷、氷、大地のうちの1種類の属性だけが設定されるものとなっていた。これに対して、ブロックBのうちの少なくとも1つ、或いはボール64に、複数種類の属性を設定することができるようにしてもよい。
【0142】
例えば、炎、雷、氷、大地の4種類の属性があり、ブロックBの各々とボール64には、何れも1種類以上の任意の種類数の属性を設定することができるものとした場合、設定可能な属性のパターンとしては、「炎」、「雷」、「氷」、「大地」、「炎、雷」、「炎、氷」、「炎、大地」、「雷、氷」、「雷、大地」、「氷、大地」、「炎、雷、氷」、「炎、雷、大地」、「炎、氷、大地」、「雷、氷、大地」、「炎、雷、氷、大地」という15パターンが生じることとなる。これにより、ボール64に設定された属性とブロックBに設定された属性との関係として、属性の種類数以上のものを定めることができるようになる。
【0143】
なお、この場合にボール64の衝突によってブロックBに加えられるダメージは、例えば、ブロックBに設定された属性のパターンとボール64に設定された属性のパターンとの関係毎に、ブロックBに加えられるダメージをテーブルに登録しておき、ボール64がブロックBに衝突したときに当該テーブルを参照して、ブロックBに加えられるダメージを特定するものとしてもよい。
【0144】
上記の実施形態では、プレイフィールドFにおいて移動しているボール64は、プレイヤがキーボード4Aのスペースキーを操作することによって、プレイフィールドFの奥側から手前側、すなわち線引きエリアPの側に戻ってくるものとなっていた。これに対して、プレイヤがキーボード4Aの他のキーを操作することによって、ボール64の移動方向を右側、左側などに変化させるものとしてもよい。ボール64の移動速度を変化させるものとしてもよい。
【0145】
上記の実施形態では、3次元のプレイフィールドFに立体形状のブロックBが配置されたブロック崩しゲームにおいて本発明を適用した場合を例として説明した。これに対して、衝突時においてボール64に設定された属性とブロックBの属性との関係に応じて、ボール64が衝突したブロックBにダメージを与えることについては、2次元のブロック崩しゲームでも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本実施形態の一例に係るブロック崩しゲームを行うゲーム機の外観を示す図である。
【図2】本実施形態の一例に係るゲームを行うゲーム機の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態の一例に係るプレイフィールドの構成を示す概念図である。
【図4】本実施形態の一例に係るディスプレイに表示されるゲーム画面の表示例を示す図である。
【図5】本実施形態の一例に係るボールの移動態様を示す図である。
【図6】本実施形態の一例に係るボールの移動態様を示す図である。
【図7】本実施形態の一例に係るメイン処理のフローチャートである。
【図8】本実施形態の一例に係る接触処理のフローチャートである。
【図9】本実施形態の一例に係る属性処理のフローチャートである。
【図10】本実施形態の一例に係る衝突処理のフローチャートである。
【図11】本実施形態の一例に係る引き戻し処理のフローチャートである。
【図12】本実施形態の一例に係る線判定処理のフローチャートである。
【図13】本実施形態の一例に係る失敗処理のフローチャートである。
【図14】本実施形態の一例に係るボールの移動態様を示す図である。
【図15】本実施形態の一例に係るボールの移動態様を示す図である。
【符号の説明】
【0147】
1 ゲーム機
3 ディスプレイ
4A キーボード
4B マウス
10 制御部
20 記憶部
30 表示部
40 操作部
60 ベース面
62 線
64 ボール
66 オブジェクト
101 表示制御手段
102 移動要素制御手段
103 接触判定手段
104 衝突判定手段
105 操作要素制御手段
106 アイテム表示制御手段
B ブロック
C 地形要素
D 建造要素
E ベース要素
F プレイフィールド
I アイテム
P 線引きエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示されるプレイフィールド内を移動する移動要素を、操作要素を操作して反発させて、該プレイフィールド内に設置された複数のブロックの各々に衝突させることにより各ブロックを崩すゲームを実行するゲーム装置であって、
前記移動要素を、前記操作要素への衝突や前記ブロックへの衝突によって反発されるように前記プレイフィールド内で移動させる移動要素制御手段と、
予め定められた複数種類の属性のうちで前記複数のブロックの各々に対して設定された属性を、ブロック毎に記憶するブロック属性記憶手段と、
前記複数種類の属性のうちで前記移動要素に対して設定された属性を記憶する移動要素属性記憶手段と、
プレイヤが所定の操作を行うことにより、前記移動要素属性記憶手段に記憶されている前記移動要素に対して設定された属性を変化させる移動要素属性変化手段と、
前記移動要素が前記複数のブロックの何れかに衝突したときに、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係に応じたダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックのダメージとして累積させるダメージ累積手段と、
前記ダメージ累積手段により累積されたダメージの総量が当該ブロックに設定された耐久量以上となったときに、当該ブロックをこれ以上の破壊が不可能な状態まで完全に破壊させるブロック破壊手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記複数のブロックのうちの少なくとも1つには、所定量の耐久量が設定され、
前記ダメージ累積手段は、
衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が所定の関係であるときに、前記所定量以上のダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックに累積させ、
衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が前記所定の関係とは異なる関係であるときに、前記所定量よりも少ないダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックに累積させる
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ダメージ累積手段は、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が特別な関係であるときに、該移動要素が衝突したブロックに累積されていたダメージを減少させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係が特別な関係であるときに、該移動要素が衝突したブロックに設定されている耐久量を増加させる耐久量増加手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記移動要素属性変化手段は、プレイヤが前記所定の操作を行ったか否かに関わらず、所定の時間が経過する度に、前記移動要素に対して設定された属性を変化させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記複数種類の属性は、3種類以上あり、
前記移動要素属性変化手段は、前記移動要素に設定されている属性を変化させる条件が成立したときに、該成立時において該移動要素に設定されている属性とは異なる属性からランダムに選択した何れかの属性を、新たに該移動要素に対して設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
所定の条件に従って、前記ブロック属性記憶手段に記憶されている前記複数のブロックの何れか1以上に対して設定された属性を変化させるブロック属性変化手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記複数のブロック及び前記移動要素のうちの何れか1つ以上には、前記複数種類の属性のうちの2種類以上の属性が設定される
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記複数のブロックの各々及び前記移動要素は、設定されている属性に応じた表示態様で前記ゲーム画面に表示される
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ブロック破壊手段は、前記ダメージ累積手段により累積されたダメージの総量が前記所定量未満となっているブロックを、当該ブロックに累積されたダメージに応じて部分的に破壊させる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記移動要素制御手段は、前記移動要素が前記操作要素により反発された後にプレイヤが特定の操作を行うことにより、前記ブロックを含む前記プレイフィールドに通常設定されているオブジェクトに前記移動要素が衝突していなくても、前記操作要素の側に前記移動要素を移動させる
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記操作要素は、プレイヤが所定の線引き操作を行うことで描画される線であり、
前記移動要素制御手段は、前記操作要素として描画された線に前記移動要素が衝突したときに該移動要素を反発させるとともに、該秒がされた線の長さが所定長以下であることを条件として該移動要素を反発させる
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
仮想の三次元空間に形成され、ベース面が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の構成要素と立体形状の前記ブロックとが配置された前記プレイフィールドを前記表示画面に表示する表示制御手段をさらに備え、
前記移動要素制御手段は、前記移動要素を物理法則に従って前記プレイフィールドにおいて移動させる
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項14】
仮想の三次元空間に形成され、ベース面が所定方向に傾斜するように配置され、前記ベース面に立体形状の前記ブロックが配置された前記プレイフィールドを前記表示画面に表示する表示制御手段と、
操作部の操作内容に対応して前記操作要素の大きさを変更して配置する操作要素制御手段とをさらに備え、
前記移動要素制御手段は、前記移動要素を物理法則に従って前記プレイフィールドにおいて移動させるとともに、前記移動要素が前記操作要素と接触した場合には、前記操作要素の大きさに応じて速度を変更して反発して移動する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記移動要素制御手段は、前記移動要素が前記ベース面の性質に応じて移動する
を特徴とする請求項13または14に記載のゲーム装置。
【請求項16】
表示画面に表示されるプレイフィールド内を移動する移動要素を、操作要素を操作して反発させて、該プレイフィールド内に設置された複数のブロックの各々に衝突させることにより各ブロックを崩すゲームをコンピュータ装置に実行させるためのプログラムであって、
前記移動要素を、前記操作要素への衝突や前記ブロックへの衝突によって反発されるように前記プレイフィールド内で移動させる移動要素制御手段、
予め定められた複数種類の属性のうちで前記複数のブロックの各々に対して設定された属性を、ブロック毎に記憶するブロック属性記憶手段、
前記複数種類の属性のうちで前記移動要素に対して設定された属性を記憶する移動要素属性記憶手段、
プレイヤが所定の操作を行うことにより、前記移動要素属性記憶手段に記憶されている前記移動要素に対して設定された属性を変化させる移動要素属性変化手段、
前記移動要素が前記複数のブロックの何れかに衝突したときに、衝突時において該移動要素に設定された属性と該移動要素が衝突したブロックに設定された属性との関係に応じたダメージを加えて、該移動要素が衝突したブロックのダメージとして累積させるダメージ累積手段、及び、
前記ダメージ累積手段により累積されたダメージの総量が当該ブロックに設定された耐久量以上となったときに、当該ブロックをこれ以上の破壊が不可能な状態まで完全に破壊させるブロック破壊手段
として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−106728(P2009−106728A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198865(P2008−198865)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】