説明

ゲーム装置

【課題】略同一円周上に配置される複数のゲーム端末を有するゲーム装置において、演出装置の配置スペースの制約が少なく演出装置の大型化が容易で、より高い演出効果を得ることである。
【解決手段】略同一円周上に配置される複数のステーション10と、各ステーションにおける想定プレイヤー目位置の前方に設けられ、各ステーションで進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合に付与する配当を抽選で決定する中央抽選装置40と、想定プレイヤー目位置の水平面より上方かつ中央抽選装置の上方に設けられ、中央抽選装置の抽選結果に応じた結果表示を行う天井ルーレット装置50とを備えたプッシャーゲーム機1であって、天井ルーレット装置は、上記略同一円周の中心軸上に回転軸を備えた駆動装置により回転可能に設けられ、回転が停止した状態で複数のステーションのいずれかを指示可能に設けられた停止位置指示パネル53を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末と、円周の内側に位置する抽選装置と、抽選装置の上方に設けられた演出装置としての結果指示装置とを備えたゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のゲーム装置としては、例えば、特許文献1に記載されたプッシャーゲーム機が知られている。このプッシャーゲーム機は、略同一円周上に配置される10個のステーション(ゲーム端末)と、これらのステーションに取り囲まれるように配置され、ステーションにおける想定プレイヤー目位置の前方に設けられた中央抽選装置とから構成されている。中央抽選装置は、プレイヤーの視認が可能な状態でボールを用いた物理抽選を行うものであり、その物理抽選の抽選演出及びその抽選結果の報知を行う抽選結果演出を行う演出装置である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、上記のようなゲーム装置では、可動式で大型の演出装置を用いることが高い演出効果を得る点で有利である。上記特許文献1に記載のプッシャーゲーム機では、中央抽選装置が水平方向に延びる回転軸を中心に回転する回転抽選演出装置で構成されているが、より高い演出効果を得るためには、より大型の演出装置が望まれる。
【0004】
ところが、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末を有するゲーム装置では、上記特許文献1の中央抽選装置(演出装置)を含め、その中心部分に配置される演出装置は、複数のゲーム端末に囲まれた領域の内部に収まるように構成されていた。これは、演出装置を大型化しようとしても、これを取り囲む複数のゲーム端末の構成部材によって演出装置の配置スペースが制限されていたためである。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末を有するゲーム装置において、演出装置の配置スペースの制約が少なく演出装置の大型化が容易で、より高い演出効果を得ることが可能なゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末と、上記各ゲーム端末における想定プレイヤー目位置の前方に設けられ、上記各ゲーム端末で進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合に付与する配当を抽選で決定する抽選装置と、上記想定プレイヤー目位置の水平面より上方かつ上記抽選装置の上方に設けられ、上記抽選装置の抽選の結果に応じた結果表示を行う結果指示装置と、上記抽選装置と上記結果指示装置を制御する制御手段とを備えたゲーム装置であって、上記結果指示装置は、上記略同一円周の中心軸上に回転軸を備えた回転駆動部と、上記回転駆動部により回転可能に設けられ、回転が停止した状態で上記複数のゲーム端末のいずれかを指示可能に設けられた指示部とを含んで構成されることを特徴とするものである。
このゲーム装置において、抽選装置は、想定プレイヤー目位置の前方、つまり、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末のそれぞれから見て円周の中心方向に位置する。そして、この抽選装置は、各ゲーム端末で進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合にゲーム端末に付与する配当を抽選で決定する。
結果指示装置は、抽選装置による抽選の結果に応じた結果表示を行う演出装置として機能する。そして、結果指示装置は、各ゲーム端末における想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方に位置し、回転駆動部によって回転可能な指示部により複数のゲーム装置のうちのどれか一つを指し示すようになっている。
ゲーム端末の構成部材は、一般に、想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向下方の位置に存在し、その想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方のスペースは開放されている。また、ゲーム端末の構成部材の一部が想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置まで存在していても、想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置に存在する構成部材は、容易に省略することができることが多い。よって、想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置では、結果指示装置の構成部材がゲーム端末の構成部材と抵触しにくい。よって、本ゲーム装置によれば、結果指示装置の構成部材が複数のゲーム端末に囲まれた領域よりも外側に位置するように、結果指示装置を大型化することが可能となる。したがって、複数のゲーム端末に囲まれた領域の内部に収められていた従来の演出装置よりも、より高い演出効果を得ることが可能である。
これにより、回転駆動する指示部の回転を所望の位置で停止させることで、複数のゲーム端末のなかから配当の支払い対象となるゲーム端末をプレイヤーに認知させる演出が可能となる。なお、指示部が複数のゲーム端末のいずれのゲーム端末にも向かないように回転停止させることで、どのゲーム端末に対しても配当の支払い対象とならないことを認知させる演出を行うようにしてもよい。この場合、ゲーム端末とゲーム端末の間に指示部が位置するように停止させるようにすればよい。また、抽選装置による抽選の結果が特定入賞であったときだけ、結果指示装置を用いて特定入賞に対する配当の支払い対象のゲーム端末を決定するようにしてもよい。
このように、本ゲーム装置の結果指示装置は、抽選装置による抽選の結果に対する配当の支払い対象を認知させる演出装置として有効活用できる。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1のゲーム装置において、上記結果指示装置は、さらに上記個別ゲームで行われる抽選の結果に応じた結果表示を行うことを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、結果指示装置は、抽選装置による抽選の結果に応じた結果表示を行うことの他に、個別ゲームで行われる抽選の結果に応じた結果表示も行う。個別ゲームで行われる抽選として、擬似乱数を用いた電子抽選が例示できる。
【0008】
また、請求項3の発明は、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末と、上記各ゲーム端末における想定プレイヤー目位置の前方に設けられ、上記各ゲーム端末で進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合に付与する配当を抽選で決定する抽選装置と、
上記想定プレイヤー目位置の水平面より上方かつ上記抽選装置の上方に設けられ、上記個別ゲームで行われる電子抽選ゲームの結果に応じた結果表示を行う結果指示装置と、上記抽選装置と上記結果指示装置を制御する制御手段とを備えたゲーム装置であって、上記結果指示装置は、上記略同一円周の中心軸上に回転軸を備えた回転駆動部と、上記回転駆動部により回転可能に設けられ、回転が停止した状態で上記複数のゲーム端末のいずれかを指示可能に設けられた指示部とを含んで構成されることを特徴とするものである。
このゲーム装置において、抽選装置は、想定プレイヤー目位置の前方、つまり、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末のそれぞれから見て円周の中心方向に位置する。そそて、この抽選装置は、各ゲーム端末で進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合にゲーム端末に付与する配当を抽選で決定する。
結果指示装置は抽選装置による抽選の結果に応じた結果表示を行う演出装置として機能する。そして、結果指示装置は、各ゲーム端末における想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方に位置し、回転駆動部によって回転可能な指示部により複数のゲーム装置のうちのどれか一つを指し示すようになっている。
ゲーム端末の構成部材は、一般に、想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向下方の位置に存在し、その想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方のスペースは開放されている。また、ゲーム端末の構成部材の一部が想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置まで存在していても、想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置に存在する構成部材は、容易に省略することができることが多い。よって、想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置では、結果指示装置の構成部材がゲーム端末の構成部材と抵触しにくい。よって、本ゲーム装置によれば、結果指示装置の構成部材が複数のゲーム端末に囲まれた領域よりも外側に位置するように、結果指示装置を大型化することが可能となる。したがって、複数のゲーム端末に囲まれた領域の内部に収められていた従来の演出装置よりも、より高い演出効果を得ることが可能である。
これにより、回転駆動する指示部の回転を所望の位置で停止させることで、複数のゲーム端末のなかから配当の支払い対象となるゲーム端末をプレイヤーに認知させる演出が可能となる。なお、指示部が複数のゲーム端末のいずれのゲーム端末にも向かないように回転停止させることで、どのゲーム端末に対しても配当の支払い対象とならないことを認知させる演出を行うようにしてもよい。この場合、ゲーム端末とゲーム端末の間に指示部が位置するように停止させるようにすればよい。また、抽選装置による抽選の結果が特定入賞であったときだけ、結果指示装置を用いて特定入賞に対する配当の支払い対象のゲーム端末を決定するようにしてもよい。
このように、本ゲーム装置の結果指示装置は、抽選装置による抽選の結果に対する配当の支払い対象を認知させる演出装置として有効活用できる。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、上記指示部は、上記複数のゲーム端末のうち1つのゲーム端末のみ指示するものであり、上記制御手段は、上記指示部が上記複数のゲーム端末のいずれかを指示して停止するように上記指示部を回転停止させる制御を含むことを特徴とするものである。
このゲーム装置において、結果指示装置は、指示部が複数のゲーム端末のいずれか一つを指示して停止するように指示部を回転停止させるという演出が可能となる。これにより、例えば、複数のゲーム端末の中から配当を付与する対象となる1つのゲーム端末を特定する演出に、結果指示装置を利用することで、その演出に高い演出効果を与えることができる。
なお、抽選装置による抽選、または個別ゲームで行われる抽選の結果によっては、指示部は複数のゲーム端末のいずれをも指示しない位置で停止させるようにしてもよい。また、プレイヤーがプレイしているゲーム端末をあらかじめ特定し、その中から事前に1つのゲーム端末を特定してもよいし、特定したゲーム端末にプレイヤーがいると判断した場合に配当を付与するようにしてもよい。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、上記指示部は、上記複数のゲーム端末のうち2以上の所定個数のゲーム端末を指示するものであり、上記制御手段は、上記指示部が上記複数のゲーム端末のうち互いに異なる上記所定個数のゲーム端末を指示して停止するように上記指示部を回転停止させる制御を含むことを特徴とするものである。
このゲーム装置において、結果指示装置は、指示部が複数のゲーム端末のうち互いに異なる2以上の所定個数のゲーム端末を指示して停止するように指示部を回転停止させるという演出が可能となる。これにより、例えば、配当を付与する対象となる複数のゲーム端末を同時に特定する演出に、結果指示装置を利用することで、その演出に高い演出効果を与えることができる。
なお、抽選装置による抽選、または個別ゲームで行われる抽選の結果によっては、指示部の複数のゲーム端末のいずれをも指示しない位置で停止させるようにしてもよい。また、所定個数の特定したゲーム端末のうち、プレイヤーがプレイしているゲーム端末がある場合には、プレイヤーがいると判断したゲーム端末に対して配当を付与するようにしてもよい。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項4又は5のゲーム装置において、上記指示部は、指示したゲーム端末に対して付与する配当を表示した配当指示部を備え、上記制御部は、回転停止後に上記指示部に指示されたゲーム端末に対し、上記配当指示部に指示された配当を付与する制御を含むことを特徴とするものである。
このゲーム装置において、結果指示装置は、指示部により配当の支払い対象となるゲーム端末を特定することに加え、支払い対象となるゲーム装置に支払われる配当の内容を表示する。また、指示部により指示されたゲーム端末に対して、実際に配当指示部に指示された配当を支払うか否を、所定の条件(例えば抽選など)に基づいて決定するようにしてもよい。
配当の内容は、メダルゲーム機におけるメダルの量に限られず、個別ゲームとは異なる特別なゲームを開始するための権利であってもよいし、ゲームの種類に応じて適宜設定可能である。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、略同一円周上に配置される複数のゲーム端末を有するゲーム装置において、配置スペースの制約が少ないように演出装置としての結果指示装置を設けることで、演出装置の大型化が可能となり、演出装置による高い演出効果を得ることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態に係るプッシャーゲーム機の外観図である。
【図2】図2は、同プッシャーゲーム機の天井ルーレット装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図3は、同プッシャーゲーム機のステーションの概略構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、同ステーションに設けられるステーション制御部を示す制御ブロック図である。
【図5】図5は、ステーション抽選装置の外観を示す斜視図である。
【図6】図6は、同プッシャーゲーム機の中央抽選装置に設けられたメイン制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図7は、同中央抽選装置で行われる中央抽選の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、天井ルーレット抽選イベントの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、10個のゲーム端末であるステーションを備えたゲーム装置としてのメダルゲーム機であるプッシャーゲーム機に適用した一実施形態について説明する。なお、本発明が適用可能なゲーム装置はプッシャーゲーム機に限られないことは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係るプッシャーゲーム機1の外観図である。
プッシャーゲーム機1は、10個の独立した演出表示空間としてのプレイフィールド2を有し、各プレイフィールド2では、それぞれ2人のプレイヤー(ユーザー)がプッシャーゲームをプレイできるようになっている。よって、最大で20人のプレイヤーが同時にゲームを行うことが可能である。また、プレイヤーがプレイするスペースは、プレイフィールド2ごとに柱3で区切られており、柱3の間は、透明なカバーで覆われている。これにより、プレイヤーは、直接、プレイフィールド内部の機構に触ることができないようになっている。また、各プレイフィールド2では、それぞれ独立したプッシャーゲームを行うゲーム装置としてのステーション10により、プッシャーゲームが実行される。
【0015】
また、本プッシャーゲーム機1は、略同一円周上に10個のステーション10が配置され、その中央部分には抽選装置としての中央抽選装置40を備えている。この中央抽選装置40は、各ステーション10でプレイヤーがプレイしているときの想定プレイヤー目位置(床上150cm〜180cm程度の高さ位置)の前方に設けられ、正面に2つのメインディスプレイ47A,47Bが配置されている。この中央抽選装置40は、後述する中央抽選における、ゲーム端末に対して付与する配当を決定する抽選を行う抽選装置である。また、この中央抽選装置40の上方には、結果指示装置としての天井ルーレット装置50が設けられている。結果指示装置としての天井ルーレット装置50は、結果指示装置における複数の指示部によって構成されるルーレット部50bの全体が想定プレイヤー目位置の水平面より上方に位置するように構成されている。
【0016】
中央抽選装置40は、本プッシャーゲーム機1の中心を通る鉛直方向に延びた回転軸を中心に、図示しない抽選装置の回転駆動装置により、天井ルーレット装置50とは独立して回転することができる。これにより、中央抽選装置40の正面に配置される2つのメインディスプレイ47A,47Bを、所望のステーション10に向けることができる。また、天井ルーレット装置50は、本プッシャーゲーム機1の中心を通る鉛直方向に延びた回転軸を中心に、図示しないルーレット駆動装置(回転駆動部)により、中央抽選装置40とは独立して回転することができる。
【0017】
図2は、天井ルーレット装置50を斜め下方から見たときの外観を示す斜視図である。
天井ルーレット装置50は、中央抽選装置40の内部に設けられた固定フレームに固定されることで、中央抽選装置40の上部に取り付けられる。中央抽選装置40の下部には駆動装置である図示しないルーレット駆動装置が配置され、そこから延びる図示しない駆動シャフトに固定されるルーレット部50bが、結果指示装置における複数の指示部により構成される。このルーレット部50bは、20個の配当表示パネル52が略円弧状に配置され、その径方向外方部分には指示部としての20個の停止位置指示パネル53が取り付けられた構造となっている。20個の配当表示パネル52及び20個の停止位置指示パネル53は、図示しない骨組み部材により一体的に支持されており、この骨組み部材に駆動シャフトが固定されている。20個の配当表示パネル52の径方向外方部分及び20個の停止位置指示パネル53は、各ステーション10のプレイフィールド2の鉛直方向上方に差し掛かるように配置されている。これにより、ルーレット駆動装置により駆動シャフトが回転すると、これに伴ってルーレット部50bが回転することにより、20個の配当表示パネル52及び20個の停止位置指示パネル53が各ステーション10のプレイフィールド2の鉛直方向上方を移動するようになる。
【0018】
また、天井ルーレット装置50は、回転可能に設けられたルーレット部50bと、固定された回転台54を含んで構成されており、ルーレット部50bが回転している場合でも回転台54は回転しない構造になっている。回転台54はその上部に検知センサ55が取り付けられており、ルーレット部50bには1個の被検知部が設けられている。具体的には検知センサ55は20個の光学センサで構成されており、被検知部は各光学センサを1度に1個だけ遮光し得る遮光部材である。ルーレット部50bが回転するとき、遮光部材は20個の光学センサの受光部を順番に1つずつ遮光しながら回転移動していく構造となっているので、メイン制御部は受光部が遮光されている光学センサを特定することで、ルーレット部50bにおける現在の回転位置を把握することが可能となる。
なお、遮光部材の取り付けられている位置を制御上の基準位置としており、所定の指示部が所定のゲーム端末を指示するような停止位置でルーレット部50bを回転停止させる場合には、基準位置と各指示部の相対位置から基準位置の停止すべき所定の停止位置を算出し、所定の停止位置で基準位置を停止させるようにルーレット駆動装置を制御している。
【0019】
本実施形態においては、天井ルーレット装置50を用いて、後述する天井ルーレット抽選の抽選演出とその抽選結果を報知するための抽選結果報知演出を行う。具体的に説明すると、本実施形態において、各ステーション10に対応する各当選位置は、柱3によって区切られた各ステーションの上部領域におけるルーレット回転方向の略真ん中の位置に設定されている。そして、天井ルーレット装置50のルーレット部50bが回転することで、ルーレット部50bの配当表示パネル52及び停止位置指示パネル53と各当選位置とが相対移動する。この相対移動は、各ステーションでプレイするプレイヤーに対し、この天井ルーレット装置50を用いて抽選が行われているかのような印象を与える抽選演出である。その後、天井ルーレット装置50のルーレット部50bの回転が停止すると、それぞれの当選位置との対向位置に停止した停止位置指示パネル53に対応する配当表示パネル52に表示されている配当量がそれぞれのステーション10でプレイするプレイヤーへ払い出される配当の量であることがプレイヤーに報知される。この報知により、天井ルーレット抽選の抽選結果がプレイヤーに認知されることになる。
【0020】
図3は、上記ステーション10の概略構成を示す斜視図である。
ステーション10には、プレイフィールド2内にベット対象及び払出対象であるゲーム媒体としてのメダルを送出するための2つのメダル投入器11が設けられている。尚、図中右側のメダル投入器は、説明のため図示を省略している。メダル投入器11は、操作受付手段及びベット対象受付手段を構成していて、プッシャーゲーム機1の前面外側に露出したメダル投入口11aを有する。このメダル投入口11aからプレイヤーによりメダルMが投入されると、そのメダルMは、メダル通路部11bを通って、その先端から排出される。このメダル通路部11bには、メダルの通過を検出する投入枚数検知センサ11dが設けられており、プレイヤーが投入したメダルを検出し、その検出信号を、後述のステーション制御部に出力する。メダル通路部11bの先端は、プレイフィールド2内に突出するように配置されており、その先端から排出されたメダルMは、プレイフィールド2内に投入される。また、メダル投入器11は、メダルMの投出方向をプレイヤーが適宜に選択できるように、プッシャーゲーム機1の本体部分に固定された軸部11cにより回動自在に取り付けられている。これにより、プレイヤーは、メダル投入器11のメダル通路部11bの先端を、所定の範囲内で左右に向けることができる。
【0021】
メダル投入器11によりメダルMが投入されるプレイフィールド2内には、上段メダル載置台12、中段メダル載置台13及び下段メダル載置台14が設けられている。
下段メダル載置台14は、その上面に多数のメダルMを載置する。メダルMが下段メダル載置台14の図中手前側に形成されたメダル落下溝15に落下すると、その分だけメダルMがプッシャーゲーム機1の本体前面に設けられたメダル投入用載置面5上へ排出される。これにより、プレイヤーはメダルMを獲得することができる。また、下段メダル載置台14の図中手前側端部は、その下段メダル載置台14上に堆積したメダルMが簡単にメダル落下溝15に落ちないよう、ストッパ部14aが形成されている。このストッパ部14aは、下段メダル載置台14上のメダル載置面が上方に屈曲して形成されている。
中段メダル載置台13は、下段メダル載置台14の上面に沿って、図示しない載置台駆動手段により、図中矢印Aに示す方向に所定のストロークで往復移動する。このように往復移動する中段メダル載置台13は、中段メダル載置台13が往復移動する下段メダル載置台14部分上に存在するメダルMを、図中手前側に押し出す。尚、図3は、中段メダル載置台13が図中最前位置に移動した状態を示している。また、この中段メダル載置台13は、その上面にメダルMを載置する。中段メダル載置台13上のメダルMが図中手前側に落下すると、下段メダル載置台14上に載置されることになる。中段メダル載置台13が最前位置にないときに、中段メダル載置台13上からメダルMが落下した場合、そのメダルMは、中段メダル載置台13により押されて、多数のメダルMが堆積した下段メダル載置面部分に押し込まれる。このようにしてメダルMが押し込まれると、下段メダル載置台14上に堆積していたメダルMが図中手前側に押され、その押圧力がストッパ部14aで止められていたメダルMに加わり、メダルMがメダル落下溝15に落下する。
上段メダル載置台12の図中手前側部分は、中段メダル載置台13の上面に沿って配置されている。中段メダル載置台13が載置台駆動手段により図中矢印Aに示す方向に往復移動すると、上段メダル載置台12は、中段メダル載置台13上の図中奥側に位置する部分のメダルを、図中手前側に押し出す。
【0022】
また、プレイフィールド2内には、メダルジャンプ台16及びメダルチャッカー17が設けられている。メダルジャンプ台16は、図3中奥側が高い位置になるように傾斜して設けられた透明アクリル板からなるメダル移動面16aを有し、このメダル移動面16aは、側板16bにより中段メダル載置台13に固定されている。これにより、中段メダル載置台13を図中矢印Aの方向に往復移動させる載置台移動手段は、メダルジャンプ台16をメダルチャッカー17に対して相対的に移動させる。よって、メダル移動面16aは、中段メダル載置台13とともに往復移動することにより、メダルチャッカー17に対して水平方向に相対的に往復移動する。
【0023】
上記メダルチャッカー17は、ステーション10に設けられた2つのメダル投入器11に対応するように、水平方向中央を境にして、それぞれ7個のメダル通過口17aが形成されている。図3中左側に位置するメダル投入器11には、メダルチャッカー17の図中左側に位置する7個のメダル通過口17aが対応している。上記メダルチャッカー17は、図示しないチャッカー駆動手段により、メダルジャンプ台16の移動方向に直交する方向であって水平方向に往復移動するように構成されている。また、メダルチャッカー17の背面には、メダル通過口17aを通過したメダルMを検出する図示しないメダル検出センサが設けられている。このメダル検出センサは、メダルチャッカー17の水平方向両端部にそれぞれ対向するように配置されるフォトインタラプタであり、これらの間の光路がメダル通過口17aを通過したメダルMにより遮られると、検出信号を出力する。メダル検出センサの検出信号は、ステーション内部のステーション制御部に送られる。
【0024】
また、プレイフィールド2内には、スロット装置20が設けられている。このスロット装置20は、液晶ディスプレイ装置であり、その液晶画面には、3つのリール画像が表示される。スロット装置20は、ステーション内部のステーション制御部により表示制御がなされる。
【0025】
図4は、各ステーション10に設けられるステーション制御部30を示す制御ブロック図である。
各ステーション制御部30は、ゲーム進行制御手段としてのステーション制御装置31と、ステーション制御装置31の制御の下でスロット装置20の表示制御を行う表示制御装置32と、ステーション制御装置31が実行する各種プログラムや各種データベースを格納するROM33と、ステーション制御装置31が実行するプログラムで用いる各種データを一時的に記録するRAM34とを備える。また、ステーション制御装置31は、メダルチャッカー17のメダル通過口17aを通過したメダルMを検出するメダル検出センサ19b、メダル投入器11に投入されたメダルMの通過を検知する投入枚数検知センサ11d、メダル払出装置21から排出されたメダルMを検知するカウントセンサ21aにも接続されている。
【0026】
プレイヤーによりメダル投入器11にメダルMが投入されると、投入枚数検知センサ11dから検出信号がステーション制御装置31に出力される。この検出信号を受け取ったステーション制御装置31は、後述するメイン制御部にメダル投入信号を出力する。また、メダルMがメダル通過口17aを通過すると、メダル検出センサ19bから検出信号がステーション制御装置31に出力される。この検出信号を受け取ったステーション制御装置31は、ROM33に格納されている抽選プログラムを実行する。抽選プログラムを実行するステーション制御装置31は、抽選用の乱数を生成し、生成される抽選用乱数とそれぞれの賞との対応関係が記述された当選確率テーブルに照らして、生成した抽選用乱数に基づき当選賞を決定する。この抽選においては、当選賞が決定せず、ハズレが決定することもある。そして、ステーション制御装置31は、その決定情報に基づいて、表示制御装置32に画像表示命令を出力する。
【0027】
上記画像表示命令を受け取った表示制御装置32は、3つのリールが回転する画像をスロット装置20の画面に表示させ、最終的に3つのリールの停止画像を表示させる。このとき、ステーション制御装置31により当選賞が決定している場合には、その画像表示命令に基づき、最終的にその当選賞に係る図柄の組み合わせを停止表示させる。また、ステーション制御装置31によりハズレが決定している場合には、その画像表示命令に基づき、最終的に当選賞に対応しない適当な図柄の組み合わせを停止表示させる。これにより、プレイヤーは、スロット装置20の画面を見て、メダルMがメダル通過口17aを通過したことによる抽選結果を知ることができる。
【0028】
ステーション制御装置31は、抽選プログラムの実行により当選賞が決定したら、プレイヤーに対して、その当選賞に応じた特典を付与する。
例えば、所定のメダル枚数を払い出すメダル払出賞が当選した場合、ステーション制御装置31は、払出処理手段を構成するメダル払出装置21へメダル払出命令を出力する。このメダル払出装置21は、図3に示すように、本プッシャーゲーム機1の内部に設置された多数のメダルを貯留するメダル貯留部と、そのメダル貯留部に貯留されたメダルを払い出すメダルホッパ部と、メダルホッパ部から払い出されたメダルをプレイフィールド2内に案内するメダル通路部22とを備えている。メダル払出命令を受けたメダル払出装置21は、メダルホッパ部を制御して、そのメダル払出命令に応じた枚数のメダル排出動作を実行する。メダルホッパ部により払い出されたメダルMは、メダル通路部22を通ってメダル払出口22aから排出される。メダル払出装置21から排出されたメダルは、カウントセンサ21aにより検知され、その検知信号がステーション制御装置31へ送られる。この検出信号を受け取ったステーション制御装置31は、後述するメイン制御部にメダル払出信号を出力する。
【0029】
メダル払出口22aから排出されたメダルMは、中段メダル載置台13の上面板13a上に落下し、これにより所定枚数のメダルがプレイフィールド2内に払い出される。本実施形態では、メダル払出賞に当選しても、プレイヤーに直接メダルが払い出されるのではなく、その賞に応じた枚数のメダルMがプレイフィールド2内に払い出される。よって、そのメダルMをプレイヤーが獲得するためには、下段メダル載置台14の図中手前側にあるメダル落下溝15に落とさなければならない。尚、メダル払出装置21で払い出された多数のメダルMは、中段メダル載置台13、下段メダル載置台14になだれ込むので、中段メダル載置台13上及び下段メダル載置台14上に堆積していたメダルMが押し出され、最終的には、プレイヤーに多数枚のメダルが払い出されることになる。
【0030】
また、例えば、ステーション制御装置31が抽選プログラムの実行によりボールボーナス賞の当選が決定されると、プレイフィールド2内の下段メダル載置台14上に球状の抽選用移動物体としてのボールBが供給される。具体的には、ボールボーナス賞の当選が決定されると、ステーション制御装置31は、ボール供給命令をボール供給装置23に出力する。ボール供給装置23は、図3に示すように、本プッシャーゲーム機1の内部に配置される図示しないボール貯留部と、図示しないボール供給制御部と、そのボール貯留部から第1搬送レール23aを通って供給されるボールBを一時的に保持するボール保持部23bと、そのボール保持部23bに保持されたボールBを下段メダル載置台14上に搬送するための第2搬送レール23cと、そのボール保持部23bに保持されたボールBをメダル落下溝15に搬送するための第3搬送レール23dとを備えている。ステーション制御装置31からのボール供給命令がボール供給装置23のボール供給制御部に受け取られると、そのボール供給制御部は、そのボール供給命令に応じて各部を制御する。
【0031】
このようにして供給されるボールBは、下段メダル載置台14上に堆積したメダルMの上に乗った状態でプレイフィールド内に存在することになる。そして、そのメダルMの移動とともにメダル落下溝15に向けて移動する。ここで、下段メダル載置台14に設けられたストッパ部14aの中央部分には、メダルMが落下しやすいように切欠部14bが形成されている。また、下段メダル載置台14の上方には、2つのボールガイド24が設けられており、下段メダル載置台14上のボールBのみを中央側に寄せるような構成となっている。よって、下段メダル載置台14上のボールBは、メダル落下溝15に向かうにつれて、ボールガイド24により中央側に寄せられ、落下しやすくなっているストッパ部14aの切欠部14bを介してメダル落下溝15に落下する。
【0032】
このようにしてボールBがメダル落下溝15に落下すると、そのメダル落下溝15内に設けられたメダルMとボールBとを仕分けしてボールBのみを回収するボール回収レール25により受け取られ、後述するボール搬送機構を通じて、後述するステーション抽選装置70に送られる。このステーション抽選装置70の抽選で当選すると、図1に示した中央抽選装置40を用いた抽選が行われる。
【0033】
図5は、上記ステーション抽選装置70の外観を示す斜視図である。
ボールBがメダル落下溝15内のボール回収レール25により受け取られると、ボール上昇搬送機構69を通じて、ステーション抽選装置70に送られる。ステーション抽選装置70は、各ステーション10に設けられたスロット装置20の中央抽選装置40側、すなわち、プレイヤーから見てスロット装置20の奥側に配置されている。
【0034】
ステーション抽選装置70は、導入レール71と、ボール受台72と、抽選チャッカー73とを備えている。メダル落下溝15からボール上昇搬送機構69の上部まで搬送されてきたボールBは、導入レール71に導かれ、この導入レール71を通って、ボール受台72内に供給される。ボール受台72は、すり鉢状に形成されており、導入レール71から導入されたボールBは、ボール受台72の中心軸Oの周りを、その内周面72aに沿って回りながら転がる。そして、ボール受台72の内周面72a上における中心軸O部分に設けられた抽選チャッカー73に到達する。この抽選チャッカー73には、6つの抽選用ポケットが形成されており、そのうちの1つが特別ポケットとしての1つの特別収容空間Kであり、残りの5つが他の抽選用ポケットである通常収容空間Jである。
【0035】
ステーション抽選装置70では、導入レール71から導入されたボールBが、6つの収容空間J,Kのいずれに入り込むかという物理抽選を行う。そして、ボールBが特別収容空間Kに入り込んだ場合、そのボールBは、保持レールに乗った状態で、中心軸O上まで案内され、図示しないボール検出装置により検出される。これにより、図4に示すように、ボール検出装置79からボール検出信号がステーション制御装置31に出力される。ステーション制御装置31は、ボール検出装置79からのボール検出信号を受け取ると、本プッシャーゲーム機1全体を統括するメイン制御部に抽選開始要求を出力する。この抽選開始要求を受けたメイン制御部は、中央抽選装置40の正面が当該ステーション10を向くように、中央抽選装置40を回転駆動させる。その後、中央抽選装置40において中央抽選が行われる。
【0036】
一方、導入レール71から導入されたボールBが、6つの収容空間のうちの通常収容空間Jに入り込んだ場合、そのボールBは、通常収容空間Jに保持された状態で、抽選チャッカー73の回転により回転搬送される。ボール受台72の内周面72a上には、通常収容空間Jに保持されたボールBの移動経路上に、ボール回収口72bが開口している。よって、通常収容空間Jに保持されたボールBは、抽選チャッカー73によりボール回収口72bの位置まで回転搬送されると、そのボール回収口72bに入り込み、ケーシング78の上面に設けられたボール回収通路78a内に落下する。このボール回収通路78aは、図示しないボール貯留部まで延びており、ボールBをそのボール貯留部まで案内する。
【0037】
通常収容空間Jに収容されたボールBがボール回収口72bを通過するとき、図示しないフォトインタラプタ等のボール検出手段により、ボールBが検出され、検出信号がステーション制御装置31に送られる。この検出信号を受け取ったステーション制御装置31は、メダル払出装置21を用いて、ボールBが収容された通常収容空間Jの種類に応じた枚数のメダル払い出しを行う。このとき、ステーション制御装置31は、抽選チャッカー73を回転させるステッピングモータ76の回転角を認識しているので、ボールBがボール回収口72bを通過したときのステッピングモータ76の回転角から、ボールBが収容された通常収容空間Jを特定することができる。このようにボールBが収容された通常収容空間Jを特定したステーション制御装置31は、通常収容空間ごとに予め設定された枚数のメダルを払い出すためのメダル払出命令をメダル払出装置21に出力し、プレイヤーのプレイフィールド2内にメダルMを払い出す。
【0038】
図6は、中央抽選装置40に設けられたメイン制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
メイン制御部は、メイン制御装置41と、メイン制御装置41が実行する各種プログラムや各種データベースやデータテーブル等を格納する記憶装置42と、メイン制御装置41の制御の下でメインディスプレイ47A,47Bの表示制御を行う表示制御装置43とを備えている。また、メイン制御部は、配当払出処理手段を構成するメダル払出装置45に対してメダル払出命令を出力する命令出力装置44と、天井ルーレット装置50に設けられた検知センサ55から出力される信号を受信してルーレット部50bの回転位置を検知するルーレット回転位置検知装置46とを備えている。
【0039】
次に、中央抽選装置40で行われる中央抽選について説明する。
図7は、中央抽選装置40で行われる中央抽選の流れを示すフローチャートである。
各ステーション10のステーション抽選装置70での物理抽選によりボールBが特別収容空間Kに入り込むと(S1)、ステーション制御装置31から抽選開始要求がメイン制御部に送られ、中央抽選装置40において中央抽選が開始される。この中央抽選では、まず、メイン制御装置41は、筐体回転駆動装置48を制御して、抽選開始要求の送信元のステーション10に対して中央抽選装置40の正面すなわち2つのメインディスプレイ47A,47Bが向くように、中央抽選装置40を回転させる(S2)。
【0040】
また、抽選開始要求を受け取ったメイン制御装置41は、中央抽選プログラムを実行し、抽選用の乱数を生成して、生成される抽選用乱数とそれぞれの賞との対応関係が記述された当選確率テーブルに照らして、生成した抽選用乱数に基づき当選賞を決定する中央抽選を行う(S3)。この中央抽選においては、いずれの当選賞も決定されないハズレが決定されることはないが、ハズレが決定されるようにしてもよい。そして、メイン制御装置41は、その決定情報に基づいて、表示制御装置43に画像表示命令を出力する。中央抽選装置40の2つのメインディスプレイ47A,47Bは、左右に隣り合って1つの表示手段として機能している。よって、上記画像表示命令を受け取った表示制御装置43は、この2つのメインディスプレイ47A,47Bからなる1つの表示手段に1つのリールが回転する画像を表示させ、最終的にリールの停止画像を表示させるという抽選結果報知演出処理を行う(S4)。この停止画像は、画像表示命令に基づき、最終的にその当選賞に係る図柄を停止表示させたものである。これにより、プレイヤーは、2つのメインディスプレイ47A,47Bの画面を見て、中央抽選の結果を知ることができる。
【0041】
本実施形態の中央抽選では、メダルの払い出し枚数が互いに異なる複数のメダル払出賞と、天井ルーレット装置50を用いた抽選結果報知演出が行われる天井ルーレット抽選イベントを開始するイベント賞とが用意されている。そして、メダル払出賞に当選したときは(S5のNo)、中央抽選装置40のメダル払出装置45を用いて、当選に係るステーション10のプレイフィールド2内にメダルの払い出しを行う(S6)。一方、イベント賞に当選したときは(S5のYes)、中央抽選装置40に設けられた天井ルーレット装置50を用いた抽選結果報知演出が行われる天井ルーレット抽選イベントが開始される。
【0042】
次に、天井ルーレット抽選イベントについて説明する。
本実施形態における天井ルーレット抽選イベントでは、所定のイベント参加条件を満たす複数のステーション10すべてに対して、50枚、100枚、200枚、500枚、1000枚のうちのいずれかの配当量のメダルが払い出されるというものである。詳しくは、メイン制御装置41がイベントプログラムを実行して抽選を行い、その抽選結果報知演出を中央抽選装置40の上部に設けられた天井ルーレット装置50を用いて行う。天井ルーレット装置50のルーレット部50bに設けられた20個の配当表示パネル52には、それぞれ、50枚の配当量が12個、100枚の配当量が4個、200枚の配当量が2個、500枚の配当量が1個、1000枚の配当量が1個、表示されている。そして、天井ルーレット装置50のルーレット部50bが回転して停止したときに、各ステーション10の当選位置(各ステーションの上部領域におけるルーレット回転方向の略真ん中の位置)に停止した停止位置指示パネル53に対応する配当表示パネル52に表示されている配当量がそれぞれのステーション10でプレイするプレイヤーへ払い出される。
【0043】
図8は、天井ルーレット抽選イベントの流れを示すフローチャートである。
本実施形態においては、中央抽選においてイベント賞に当選すると、メイン制御装置41は、まず、これから行う天井ルーレット抽選イベントへの参加条件を満たすステーション10を選定する(S11)。参加条件を設けずにすべてのステーションに対して天井ルーレット抽選イベントを行ってもよいが、プレイヤーにプレイされていないステーション10を天井ルーレット抽選イベントに参加させると、誰もいないステーション10でメダルの払い出しが行われる事態を引き起こすので好ましくない。また、天井ルーレット抽選イベントだけ参加し、ステーション10でのプッシャーゲームをプレイしないようなプレイヤーの参加も排除することが好ましい。そこで、本実施形態では、イベント賞の当選が発生した時点の所定期間(例えば1分間)前から当該イベント賞の当選が発生した時点までの間に所定枚数(例えば10枚)のメダルが投入されたことを参加条件として設定している。この参加条件の判断は、例えば、各ステーション10からメダル投入時にメイン制御部へ送信されてくるメダル投入信号に基づいて判断すればよい。具体例としては、メイン制御装置41は、各ステーション10からのメダル投入信号を受信したら、対応するステーション10のメダル投入カウントを上げて、所定期間(例えば1分間)内における当該ステーション10からのメダル投入信号のカウントが所定枚数に到達したかどうかを判断すれば良い。そして、イベント賞の当選が発生したら、その時点でメダル投入信号のカウントが所定枚数に到達しているステーション10が参加条件を満たすとして、天井ルーレット抽選イベントへの参加を許可する。なお、参加条件は適宜変更可能である。
【0044】
このようにして参加条件を満たすステーション10を選定したら、イベントプログラムを実行するメイン制御装置41は、抽選用の乱数を生成し、生成された乱数に基づいて記憶装置42に記憶されている停止位置決定テーブルを参照してルーレット部50bの回転停止位置を決定する(S12)。そして、メイン制御装置41は、ルーレット駆動装置51に対して駆動開始命令(指示)を出力し、これによりルーレット駆動装置51は、天井ルーレット装置50のルーレット部50bを回転させる(S13)。その後、メイン制御装置41は、上記S12で決定した回転停止位置で回転を停止させる駆動停止命令(指示)をルーレット駆動装置51に対して出力する。これにより、ルーレット駆動装置51は、天井ルーレット装置50のルーレット部50bの回転を当該駆動停止命令に係る回転停止位置で停止させる(S14)。これにより、参加条件を満たすステーション10でプレイするプレイヤーは、自分のステーション10の当選位置に停止した配当表示パネル52を見ることで、本天井ルーレット抽選イベントで何枚のメダルを獲得できるかを知ることができる。
【0045】
本実施形態では、ルーレット部50bの停止位置制御を次のように行っている。
天井ルーレット装置50に設けられた検知センサ55からは、上述したとおり、ルーレット部50bに設けられた被検出部としての遮光部材による光学センサの遮光を検知するたびに信号が出力される。メイン制御部のルーレット回転位置検知装置46は、20個の光学センサのなかで、どの光学センサから信号を受信したかを特定することによって、基準位置としての遮光部材の現在位置を把握することができる。回転台54上に設けられた20個の光学センサは20個設けられている停止位置指示パネル53にそれぞれ対応した位置に設けられているので、信号を出力している光学センサを特定することで、どのステーションにどの停止位置指示パネル53が向いているのかを把握することができる。
【0046】
上記S12で決定した回転停止位置でルーレット部50bの回転を停止させる場合、メイン制御装置41は、ルーレット回転位置検知装置46によって把握されているルーレット部50bの回転位置情報を参照し、所定のタイミングで駆動停止命令をルーレット駆動装置51に対して出力する。
ここで、本実施形態においては、ルーレット駆動装置51によるルーレット部50bの回転停止動作をスムーズに見せるために、ルーレット駆動装置51は回転速度を15段階に調節可能なモーターを備えており、ルーレット部50bの回転速度を調整しながら回転停止動作を行う。より具体的には、ルーレット駆動装置51が駆動停止命令を受けたら、上記S12で決定した回転停止位置から減速開始位置を算出し、減速開始位置から回転停止位置に到達するまでの間に、パネル3個分の移動量ごとに1段階ずつ速度を下げている。
【0047】
その後、メイン制御装置41は、参加条件を満たすステーション10でプレイするプレイヤーに対して、それぞれのステーション10の当選位置に停止した配当表示パネル52に表示されている配当量のメダルを払い出す配当払出処理を行う(S15)。具体的には、記憶装置42には、天井ルーレット装置50のルーレット部50bの回転が停止可能な20個の停止可能位置と、その停止可能位置でルーレット部50bの回転が停止した場合に各ステーション10でプレイするプレイヤーへ払い出されるメダル枚数である配当量との対応関係を示す配当量データが記憶されている。メイン制御装置41は、上記S12で決定した停止位置から配当量データを参照して参加条件を満たす各ステーション10に対応する配当量を特定する。そして、メイン制御装置41は、参加条件を満たす各ステーション10に対し、それぞれの配当量のメダル払い出しを命ずるメダル払出命令を出力する。この命令を受けた各ステーション10のステーション制御装置31は、メダル払出装置21へメダル払出命令を出力する。これにより、そのメダル払出命令に係る枚数のメダルMが、そのステーション10のプレイフィールド2内に払い出される。
【0048】
以上、本実施形態によれば、中央抽選装置(抽選装置)40の上方に設けられた天井ルーレット装置(結果指示装置)50は、プレイヤーがプレイしているときの想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方に位置している。この天井ルーレット装置50は、略同一円周上に配置される10個のステーション10の中心位置を通る中心軸を持ち、結果指示装置における複数の指示部によって構成されるルーレット部50bが回転駆動する構成となっている。想定プレイヤー目位置よりも鉛直方向上方の位置では、天井ルーレット装置50のルーレット部50bがステーション10の構成部材と抵触しにくい。よって、本実施形態によれば、ルーレット部50bを形成する複数の指示部が複数のステーション10に囲まれた領域よりも外側に位置するように、天井ルーレット装置50のルーレット部50bを大型化することが容易であり、大規模な演出による高い演出効果を容易に得ることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、天井ルーレット装置50のルーレット部50bに複数の停止位置指示パネル(指示部)53が設けられ、各停止位置指示パネル53がそれぞれ10個のステーション10のいずれかに向く構成について説明したが、他の構成であってもよい。例えば、天井ルーレット装置50のルーレット部50bには単一の指示部を設け、その指示部が10個のステーション10のいずれかに向くように構成してもよい。この構成によれば、10個のステーション10の中から1つのステーションを選択するような演出を実現することができる。
【0050】
また、本実施形態における天井ルーレット抽選イベントの開始条件は、いずれかのステーション10でのゲームの結果が、いずれかのステーション10のステーション抽選装置70での物理抽選によりボールBが特別収容空間Kに入り込み、かつ、これにより行われる中央抽選でイベント賞に当選するという特定のゲーム結果となるという条件であるが、この条件は適宜変更可能である。例えば、所定期間内に2以上のステーション10で、ステーション抽選装置70での物理抽選においてボールBが特別収容空間Kに入り込む等の特定の条件が満たされるという条件であってもよい。
また、ステーション制御装置の抽選プログラムによる抽選の結果としての所定の結果が得られた場合に、天井ルーレット抽選イベントの開始してもよい。この場合、天井ルーレット抽選イベントは、ステーション制御装置と天井ルーレット装置のみで実現され、この場合に中央抽選装置が使用されることはない。
【符号の説明】
【0051】
1 プッシャーゲーム機
2 プレイフィールド
10 ステーション
20 スロット装置
21,45 メダル払出装置
30 ステーション制御部
31 ステーション制御装置
40 中央抽選装置
41 メイン制御装置
42 記憶装置
48 筐体回転駆動装置
50 天井ルーレット装置
50b ルーレット部
51 ルーレット駆動装置
52 配当表示パネル
53 停止位置指示パネル
70 ステーション抽選装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2002−253842号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略同一円周上に配置される複数のゲーム端末と、
上記各ゲーム端末における想定プレイヤー目位置の前方に設けられ、上記各ゲーム端末で進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合に付与する配当を抽選で決定する抽選装置と、
上記想定プレイヤー目位置の水平面より上方かつ上記抽選装置の上方に設けられ、上記抽選装置の抽選の結果に応じた結果表示を行う結果指示装置と、
上記抽選装置と上記結果指示装置を制御する制御手段と
を備えたゲーム装置であって、
上記結果指示装置は、上記略同一円周の中心軸上に回転軸を備えた回転駆動部と、上記回転駆動部により回転可能に設けられ、回転が停止した状態で上記複数のゲーム端末のいずれかを指示可能に設けられた指示部とを含んで構成される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム装置において、
上記結果指示装置は、さらに上記個別ゲームで行われる抽選の結果に応じた結果表示を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
略同一円周上に配置される複数のゲーム端末と、
上記各ゲーム端末における想定プレイヤー目位置の前方に設けられ、上記各ゲーム端末で進行させる個別ゲームで所定の条件を充足した場合に付与する配当を抽選で決定する抽選装置と、
上記想定プレイヤー目位置の水平面より上方かつ上記抽選装置の上方に設けられ、上記個別ゲームで行われる抽選の結果に応じた結果表示を行う結果指示装置と、
上記抽選装置と上記結果指示装置を制御する制御手段と
を備えたゲーム装置であって、
上記結果指示装置は、上記略同一円周の中心軸上に回転軸を備えた回転駆動部と、上記回転駆動部により回転可能に設けられ、回転が停止した状態で上記複数のゲーム端末のいずれかを指示可能に設けられた指示部とを含んで構成される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、
上記指示部は、上記複数のゲーム端末のうち1つのゲーム端末のみ指示するものであり、
上記制御手段は、上記指示部が上記複数のゲーム端末のいずれかを指示して停止するように上記指示部を回転停止させる制御を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、
上記指示部は、上記複数のゲーム端末のうち2以上の所定個数のゲーム端末を指示するものであり、
上記制御手段は、上記指示部が上記複数のゲーム端末のうち互いに異なる上記所定個数のゲーム端末を指示して停止するように上記指示部を回転停止させる制御を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項4又は5のゲーム装置において、
上記指示部は、指示したゲーム端末に対して付与する配当を表示した配当指示部を備え、
上記制御部は、回転停止後に上記指示部に指示されたゲーム端末に対し、上記配当指示部に指示された配当を付与する制御を含むことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−36550(P2011−36550A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188555(P2009−188555)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】