説明

コアンダガスバーナー装置および方法

【課題】燃料ガスと、空気と煙道ガスとの混合物を、混合物が燃焼され且つ低い含有量の亜酸化窒素および一酸化炭素を有する煙道ガスが形成される炉の炉空間に排出するためのガスバーナー装置を提供する。また、改良されたバーナータイル、改良されたガス先端管、並びに、空気、燃料ガス及び煙道ガスの混合物を炉空間において燃焼する方法を提供する。
【解決手段】バーナータイル50は、タイルの壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポート70を含む。タイルの壁の内面は、コアンダ面を含む。ガス循環ポートから送られる燃料ガスおよび/または煙道ガスがコアンダ面の経路をたどることによって、より多くの煙道ガスを流れに導入することができる。また、タイルの壁の外面は、段階的な燃焼領域の生成を容易にするためのコアンダ面を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバーナー装置、および亜酸化窒素(「NO」)および一酸化炭素(「CO」)の形成を抑えつつ空気および炉煙道ガス(炉燃焼排ガス)下で燃料ガスを燃焼して安定した炎を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な型のガスバーナーが開発され、拡散能力および予混合能力の両方の組み合わせでうまく利用されている。予混合アプローチは、炉の領域内で燃焼前に、空気および燃料ガスの両方を混合して均質な混合物を形成する。拡散アプローチは、ベンチュリなしで混合が行われる空気の流れに燃料ガスを注入する。炎は、出口の点の近くで安定化され、熱亜酸化窒素および即時亜酸化窒素の両方を生成する。これらのアプローチは両方とも日常的に利用され、供給された燃料ガスを点火および燃焼してプロセスバーナー内に熱を発生させる。
【0003】
予混合型バーナーおよび拡散型バーナーの両方において、最適なアプローチが、規定されて、サーマル(熱)亜酸化窒素およびプロンプト(即時)亜酸化窒素の両方の形成を低減することができる。プロセスバーナーおよびその他の燃焼設備による亜酸化窒素および一酸化炭素の排出量は、政府によって厳密に規制されている。政府は、現行の燃焼設備からの排出量をさらに低減させるためのよりよい方法論を常に強く要求している。
【0004】
亜酸化窒素およびその他の潜在的汚染ガスの生成を低減するために、様々な改良ガスバーナー装置が開発されつつある。1つのアプローチにおいて、空気のすべてが、一次燃料とともに第一領域で燃焼され、残りの燃料が第二領域で燃焼される。この段階的な燃料ガスアプローチにおいて、段階的燃料は、燃焼時にガスの流れの実質的な部分を希釈する炉の煙道ガスで希釈されることによって、ガスの燃焼温度を低減する。空気および煙道ガスにおける窒素は、炎から熱を吸収するという点において、ヒートシンクとして働く。煙道ガスは、炉の排気筒(外部煙道ガス)または炉そのもの(内部煙道ガス)から発生可能である。ガスの燃焼温度を下げると、生成された煙道ガスにおける亜酸化窒素の形成を低減することになる。低NOバーナーおよび関連方法の例は、米国特許番号5,275,552(1994年1月4日にジョンジンク社に付与)および米国特許番号6,729,874B2(2004年5月4日にジョンジンク社に付与)に開示されており、これらは引用により本明細書に援用される。
【0005】
燃料ガスの段階的な燃焼および希釈は、さらに、非燃焼性および炎の不安定性を含む、取り組む必要のある問題を引き起こしている。かなりの量または煙道ガスが、亜酸化窒素の形成を充分に低減するように炎を希釈するために必要とされる。しかしながら、燃料ガスが過剰に希釈されると、点火が困難になるかまたは点火された炎が不安定になる。炎の不安定さは、炉全体を不安定にする可能性のある不安定さをさらに生み出す。
【0006】
コアンダ面は、上昇した圧力でかなりの流量が現実となるフレアに利用されてきた。コアンダ面は、流体の付着用に設計された湾曲面にすぎない。コアンダ面上にまたは隣接して注入された流体の流れは、この面の経路に付着または追従する傾向がある。負圧および粘性力は、流体を面に対して引きつけるものである。流体の流れは、比較的薄い膜またはシートに広げられるので、近接する流体が、流体の流れに非常に効率的に混合させることができる。ガスに追加された表面積は、混合をかなり向上させる。例えば、1時間あたり何万ポンドもの排ガスを排出するかもしれないフレアにおいては、迅速な混合が望ましい。結果として、蒸気、ブロアおよび関連設備の必要がなくなるように、コアンダ面およびコアンダ効果がは、フレア装置に一般に使用されている。
【0007】
しかしながら、コアンダ面は、低NOプロセスバーナー装置に組み込まれていなかった。バーナー部品は、フレア部品よりも小さく、ガス流量をより低くする。結果として、コアンダ技術は、プロセスバーナーに積極的に適用されていなかった。また、多くの精製所作業者は、費用がかかるため、精製炉を変えていない。結果として、交換品のバーナーアセンブリは、バーナーが満たさなければならない性能規準(例えば、炎の長さおよび直径)を規定する現在の炉箱にしばしば嵌合しなければならない。
【0008】
本発明によって、コアンダ面を低NO段階的燃料ガスバーナーに利用して、非燃焼性および炎の不安定さのような問題を避けつつ、バーナーの効率を非常に向上させる様々な方法が発見された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明によって、上述の必要性を満たし且つ従来技術の欠陥を克服するガスバーナー装置および方法が提供される。コアンダ面は、自由な流体の流れに連結されて、拡張された減量運転能力および強化された安定性を維持しつつ、燃料ガスを空気および希釈剤(この場合、炉の煙道ガス)と混合可能であることが発見された。コアンダ面は、流れにおいて煙道ガスと他の流体との混合を非常に向上させる。さらに、様々なコアンダ面の使用によって、混合領域および炎に取り入れることができる煙道ガスの量を、かなり増加させることができる。したがって、亜酸化窒素および一酸化炭素のバーナーからの排出量を低減する能力は、炎の質および炉における熱流束分布を改良しつつ、高めることができる。コアンダ面およびコアンダ面がバーナータイルの内側および外側に位置づけられる方法は、内側境界層上の燃料ガスを、燃料ガスが非燃焼性となり、結果として不安定な炎となるまで希釈することなく、煙道ガスを、バーナーと接続されている様々な混合および燃焼領域に供給することができる。また、コアンダ面は、フレームホルダー、錐体、羽、衝突板等のような他の構造を必要とすることなく、炎の形状を正確に制御することを可能にする。本発明のこれらの利点および他の利点は、以下に詳述される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に従って、亜酸化窒素および一酸化炭素の低含有量を達成しつつ燃料ガスと空気との混合物を混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置が提供される。ガスバーナー装置は、プレナムと、バーナータイルと、一次燃料ガス注入手段と、二次燃料ガス注入手段とを備えている。また、注入の予混合一次手段を、本装置に含むことができる。
【0011】
プレナムは、炉に取り付けるためのハウジングを含む。ハウジングは、炉に取り付けられ、それに設けられた空気出口を有する上端と、上端と反対側の下端と、上端と下端とを接続する側壁とを備えている。側壁および下端の少なくとも1つは、それに設けられた空気入口を有する。
【0012】
バーナータイルは、ハウジングの空気出口から空気を受けるための中心開口部をバーナータイル内に有する。バーナータイルは、空気出口を覆ってハウジングの上端に取り付けられている底端と、底端と反対側で、排出口を含む上端と、底端を上端に接続し且つ中心開口部を囲む壁とを備えている。壁は、炉内にのび、内面と、外面と、壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートとを有し、壁の内面は、中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含む。内側コアンダ面は、ガス循環ポートに隣接している(好ましくは覆う)壁の内面に位置づけられている。
【0013】
一次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続され且つ一次燃料ガスをバーナータイルの中心開口部に注入するためにバーナー装置に動作的に接続されている。一次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続されている外部ガス上昇管を含み、外部ガス上昇管は、外部ガス上昇管に接続され且つバーナータイルの壁の外側に位置づけられて一次燃料ガスをガス循環ポートからタイルの中心開口部に注入する外部一次燃料ガス排出ノズルを有する。また、一次燃料ガス注入手段は、様々な他の部品を備えてもよい。
【0014】
一実施形態において、一次燃料ガス注入手段は、予混合装置を含む。予混合装置は、予混合膜とベンチュリ混合器とを組み合わせる。予混合膜は、バーナータイルの壁の、ガス循環ポートの下の内面のまわりにのび、上部に複数の予混合ガス排出オリフィス(「ポート」)を有する。ベンチュリ混合器は、燃料ガス源に接続され且つそれに接続されている内部一次燃料ガス排出ノズルを有する内部ガス上昇管と、内部ガス上昇管および一次燃料ガス排出ノズルに動作的に接続されているベンチュリハウジングとを含む。ベンチュリハウジングは、一次燃料ガスと空気との混合物を予混合膜内に送るために、予混合膜に接続されている。予混合装置は、一次燃料ガスと空気とのある範囲の希薄な混合物をバーナータイルの中心開口部に送ることができる。
【0015】
二次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスをバーナータイルの外側からバーナータイルの排出口に隣接している(好ましくは、バーナータイルの外面上にあるかまたは外面に隣接している)点まで注入するためにバーナー装置に動作的に接続されている。二次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続され且つ二次燃料ガスをバーナータイルの壁の外面上にまたは外面に隣接して注入するためにそれに接続されている二次燃料ガス排出ノズルを有する外部ガス上昇管を含む。一形態において、一次燃料ガス注入手段および二次燃料ガス注入手段は、同じ外部ガス上昇管および燃料ガス排出ノズルを利用する。燃料ガス排出ノズルは、一次燃料ガス排出ノズルおよび二次燃料ガス排出ノズルの両方として機能する。ノズルは、バーナータイルの壁を貫通しているガス循環ポートから燃料ガスを注入するための1つ以上のポートと、バーナータイルの壁の外面上にまたは外面に隣接して燃料ガスを注入するための1つ以上のポートとを含む。
【0016】
また、バーナータイルの壁の外面は、好ましくは、外面から外側に膨出している外側コアンダ面を含む。外部ガス上昇管および二次燃料ガス排出ノズルは、第二段階燃料ガスを外側コアンダ面上にまたは外側コアンダ面に隣接して注入する。外側コアンダ面は、好ましくは、バーナータイルの壁の外面のまわりに完全にのびている。但し、バーナータイルの壁の外面のまわりに断続的にのびてもよい。断続的な外側コアンダ面は、好ましくは、垂直であるかまたは内側にタイルの中心開口部の方へ傾斜してもよい外部平面によって互いに間隔をあけられている。
【0017】
別の実施形態において、ガスバーナーは、プレナムと、バーナータイルと、一次燃料ガス注入手段と、二次燃料ガス注入手段とを含む。プレナムは、炉に取り付けるためのハウジングを含む。ハウジングは、炉に取り付けられ、それに設けられている空気出口を有する上端と、上端と反対側の下端と、上端と下端とを接続している側壁を備えている。側壁および下端の少なくとも1つは、それに設けられている空気入口を有する。
【0018】
バーナータイルは、ハウジングの空気出口から空気を受けるための中心開口部をバーナータイル内に有する。バーナータイルは、空気出口を覆ってハウジングの上端に取り付けられている底端と、底端と反対側で、排出口を含む上端と、底端を上端に接続し且つ中心開口部を囲む壁とを含む。壁は、炉空間内にのび且つ内面と外面とを有し、壁の外面は、外面から外側に膨出している外側コアンダ面を含む。
【0019】
一次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続され且つ一次燃料ガスをバーナータイルの中心開口部に注入するためにバーナー装置に動作的に接続されている。また、二次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスをバーナータイルの外側からバーナータイルの排出口に隣接している点まで注入するためにバーナー装置に動作的に接続されている。二次燃料ガス注入手段は、燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを外側コアンダ面上にまたは外側コアンダ面に隣接して注入するためにそれに接続されている二次燃料ガス排出ノズルを有する外部ガス上昇管を含む。
【0020】
別の態様では、本発明は、バーナープレナムとともに使用されて亜酸化窒素および一酸化炭素の低含有量を達成しつつ燃料ガスと空気との混合物を混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置を形成するバーナータイルを含む。本発明のバーナータイルは、本発明のガスバーナー装置に関連して上述したバーナータイルである。本発明のバーナータイルは、装置の改良の用途に使用してもよい。
【0021】
別の態様では、本発明は、ガスバーナー装置とともに使用されるガス先端管を含む。ガス先端管は、燃料ガス源に接続するためのガスバレルと、ガスバレルに取り付けられているガスそらせ板と、ガスバレルとガスそらせ板との間に設けられている燃料ガス出口とを備えている。ガスそらせ板は、燃料ガス出口から排出された燃料ガスがコアンダ面の経路をたどるように燃料ガス出口に対して位置づけられているコアンダ面を含む外面を有する。ガスそらせ板は、好ましくは、チューリップの形状を有する。本発明のガス先端管は、例えば、本発明のガスバーナー装置の第二段階燃料ガス排出ノズル、本発明のガスバーナー装置用のパイロットの先端管または中心内部ガス上昇管(例えば、中心ガス銃)に取り付けられている一次内部燃料ガス排出ノズルとして使用してもよい。また、本発明のガス先端管は、タイルの内周のまわりの一次ガス先端管として機能する一連のガスノズルとともに使用してもよい。
【0022】
別の態様では、本発明は、炉において煙道ガスの存在下で空気と燃料ガスとの混合物を燃焼し、空気、燃料ガスおよび煙道ガスをこれらの燃焼前に混合するための混合領域を有するガスバーナー装置が使用される炉に熱を発生する方法を提供する。本方法は以下の工程を備えている。
【0023】
(a)コアンダ面を混合領域に設け、
(b)燃料ガスを、煙道ガスを混合領域の外側から混合領域に導入し且つ煙道ガスを混合領域において空気および燃料ガスと混合させるように、コアンダ面上にまたはコアンダ面に隣接して注入し、
(c)燃焼空気と、燃料ガスと煙道ガスとの混合物を混合領域から炉内に排出し、
(d)混合領域から排出された燃焼空気と、燃料ガスと煙道ガスとの混合物を炉において燃焼する。
【0024】
一実施形態において、混合領域は、壁によって囲まれ、空気と、燃料ガスと煙道ガスとの混合物は、炉において、混合領域から一次反応領域内に排出される。この実施形態において、方法はさらに以下の工程を備えている。
【0025】
(e)外側コアンダ面を壁の外面に設け、
(f)第二段階燃料ガスの流れを、煙道ガスを流れに導入して二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を生成し且つ二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を炉の二次反応領域において燃焼させるように、外側コアンダ面上にまたは外側コアンダ面に隣接して注入する。
【0026】
別の実施形態において、本発明の方法は以下の工程を備えている。
【0027】
(a)コアンダ面をバーナー装置の壁の外面に設け、
(b)一次燃料ガスを、燃料ガスが混合領域において空気と混合するように、混合領域に注入し、
(c)空気と燃料ガスとの混合物を混合領域から排出し、
(d)混合領域から排出された空気と燃料ガスとの混合物を炉の一次反応領域において燃焼し、
(e)第二段階燃料ガスの流れを、煙道ガスを流れに導入して二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を生成し且つ二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を炉の二次反応領域において燃焼させるように、外側コアンダ面上にまたは外側コアンダ面に隣接して注入する。
【0028】
また、バーナー装置の壁の内面は、好ましくは、内側コアンダ面を含む。混合領域内に注入された燃料ガスは、煙道ガスを混合領域の外側から混合領域に導入し且つ煙道ガスを空気および燃料ガスと混合領域において混合させるように、内側コアンダ面上にまたは内側コアンダ面に隣接して注入される。
【0029】
本発明の目的、特徴および利点は、添付図面とともに以下の好適な実施形態の説明を読めば、当業者には容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、炉の床に取り付けられている本発明のガスバーナー装置の断面図である。
【図2】図2は、本発明のガスバーナー装置のバーナータイルの斜視図である。
【図3】図3は、本発明のガスバーナー装置のバーナータイルの断面図である。
【図3A】図3Aは、図3に類似の断面図であって、さらに本発明のバーナータイルに組み込むことができるガス循環チョークを示す。
【図4】図4は、図3Aに示されるバーナータイルの一部分の拡大詳細図であって、バーナータイルとともにガスの流れを示す。
【図4A】図4Aは、図3Aのバーナータイルの一部分の拡大詳細図であって、バーナータイルとともにガスの流れを示す。
【図4B】図4Bは、図4に示されるバーナータイルの別の部分の拡大詳細図である。
【図5】図5は、図2の線5−5に沿った断面図である。
【図6】図6は、図2の線6−6に沿った断面図である。
【図7】図7は、図3に示されるバーナータイルの一部分の別の詳細図であって、予混合装置の部分を示す。
【図8】図8は、図1に類似の断面図であるが、図1に示されるガス銃の代わりに中心ベンチュリ混合器の使用を示す。
【図9】図9は、図1および8に類似の断面図であるが、予混合装置の代わりに複数の内部ガス上昇管の使用を示す。図9はまた、従来のパイロットと本発明によるガスバーナー装置との使用も示す。
【図10】図10は、図3に示されるバーナータイルの断面図であるが、異なる外部ガス上昇管の形態を示す。
【図11】図11は、本発明によるバーナータイルの別の実施形態を示す断面図である。
【図11A】図11Aは、図12の線11A−11Aに沿った断面図であって、図11のバーナータイルの(傾斜した)平面壁部分の一変形例を示し、
【図11B】図11Bは、図12の線11B−11Bに沿った断面図であって、図11のバーナータイルの(直線/垂直)平面壁部分の他の変形例を示す。
【図12】図12は、図11の線12−12に沿った断面図である。
【図13】図13は、本発明によるバーナータイルのさらに別の実施形態を示す断面図である。
【図14】図14は、図13に示されるバーナータイルの一部分の拡大詳細図である。
【図15】図15は、図13の線15−15に沿った断面図である。
【図16】図16は、本発明によるバーナータイルのさらに別の実施形態を示す断面図である。
【図17】図17は、図16のバーナータイルの一部分の拡大詳細図である。
【図18】図18は、図16の線18−18に沿った断面図である。
【図19】図19は、図16の線19−19に沿った断面図である。
【図20】図20は、本発明によるバーナータイルのさらに別の実施形態を示す断面図である。
【図21】図21は、図20の線21−21に沿った断面図である。
【図22】図22は、パイロットとして使用するように構成された本発明によるガス先端管を示す部分断面図である。
【図23】図23は、図22によって示されるガス先端管の一部分の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面、特に図1を参照すると、本発明のガスバーナー装置は、全体として番号10で示される。図1に示されるように、ガスバーナー装置10は、炉16(炉全体は示されていない)の炉空間14の炉壁12(好ましくは底壁または床)に、壁の開口部18を覆って密閉して取り付けられている。ガスバーナー装置は、通常、図1に示されるように、垂直に設けられ且つ上方向に発火されるが、ガスバーナー装置10は、その他の方法で設けてもよいことがわかる。例えば、ガスバーナー装置10は水平に設けられ且つ水平または垂直に発火してもよく、または垂直に設けられ且つ下方向に発火してもよい(下方発火)。好ましくは、図示のように、ガスバーナー装置10は、炉空間14の床に垂直に設けられ且つ上方向に発火される。
【0032】
ガスバーナー装置10は、燃料ガスと空気との混合物を、亜酸化窒素および一酸化炭素の低含有量を達成しつつ混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉16の炉空間14内に排出する。ガスバーナー装置10は、炉に取り付けるためのハウジング22を含むプレナム20を有する。ハウジングは、上端24と、上端と反対側の下端26と、上端と下端とを接続している側壁28とを含む。ハウジング22の上端24は、上端24に設けられている空気出口30を有する。図1に示されるように、ハウジング22の上端24は、空気出口30が炉壁の開口部18の下に位置づけられるように炉壁12に取り付けられている。ハウジング22の側壁28および下端26の少なくとも1つは、それに設けられている空気入口32を有する。好ましくは、図1に示されるように、空気入口32は、ハウジング22の側壁28に設けられている。
【0033】
図1に示されるように、ハウジング22は、フランジ34と、フランジおよび炉の底壁における相補的な開口部38を貫通している複数のボルト36とによって、炉16の底壁または床12に取り付けられている。炉壁12は、炉壁12に取り付けられている断熱材40の内層を含む。空気入口32を通る空気の流量を調整するための空気の流れのレジスタまたはダンパー42が、空気入口に取り付けられている。ダンパー42は、垂直から水平に回転されてダンパーを開閉可能な複数の調節可能な羽根44を含む。噴射および燃焼騒音の両方を低減するための消音器46も、空気入口32に取り付けられている。当業者であればわかるように、ガスバーナー装置10は、自然通風バーナー(すなわち、燃焼に必要な空気は、ハウジング22に自然に引き入れられる)、強制通風バーナー(例えば、燃焼空気をハウジング内に送るために送風機が使用される)、平衡型通風バーナー(例えば、空気をバーナーに供給且つバーナーから排気して燃焼空気の適切なバランスを達成するために送風機が使用される)またはこれらの変形例でもよい。多様な異なる型の燃料ガスが、ガスバーナー装置10によって燃焼可能であって、天然ガス、水素、プロパン、エタンまたは他の典型的な製油所型燃料を含む。
【0034】
ガスバーナー装置10は、さらに、ハウジング22の空気出口30からの空気を受けるために中心開口部52を内部に有するバーナータイル50を備えている。バーナータイル50は、底端54と、底端と反対側の最上端56と、底端を最上端に接続し且つ中心開口部52を囲む壁58とを含む。バーナータイル50の底端54は、ハウジングの空気出口30を覆ってハウジング22の上端24に取り付けられている。バーナータイル50の最上端56は、排出口60を内部に含む。
【0035】
図1〜6を参照すると、バーナータイル50の壁58は、炉空間14内にのび且つ上部62と、下部64と、内面66と外面68とを有する。壁58は、壁を貫通している複数のガス循環ポート70をさらに含む。壁58の内面66は、ガス循環ポート70に隣接してまたは覆って(図示のように覆って)位置づけられている複数の内側コアンダ面80を含み、各内側コアンダ面は、バーナータイル50の中心開口部52内に膨出している。各内側コアンダ面80およびガス循環ポート70は、壁58の内面66においてくぼみ部82に位置づけられている。各くぼみ部82は、壁58の内面80から中心開口部52までのびている両側壁84および86を含む。図4Bに最もよく示されるように、側壁84および86は、対応するくぼみ部82に位置づけられている内側コアンダ面80が中心開口部内にのびるよりもさらに中心開口部52内にのびている。言い換えると、内側コアンダ面80は、壁58の内面66内にはめ込まれている。内側コアンダ面80は、好ましくは、約0.25インチ〜約0.75インチの範囲の距離で、壁58の内面66にはめ込まれている。さらに以下に説明するように、内側コアンダ面80と壁58の残りの部分の内面66との間の空間は、燃料ガスおよび/または煙道ガスが、バーナータイル50の中心開口部52を通る燃料ガスおよび/または空気の流れによって内側コアンダ面から掃引されることを防ぐ。
【0036】
著しいコアンダ効果を達成するために、内側コアンダ面80の表面は、実質的に平滑であり且つ実質的に変わらない半径または一様な円弧を有するものとする。また、各内側コアンダ面が、当のガスの流れを充分に引き付けるような曲率を有することが重要である。コアンダ面が充分な曲率または表面積を有していないと、面は、ガスの運動量によってコアンダ効果を起こすための充分な面積を有することができない(すなわち、ガスの流れは、表面に引き出されることができない)。充分なコアンダ効果を確実にするために、燃料ガスをガス循環ポート70内に且つガス循環ポート70を通して当の内側コアンダ面80上にまたは内側コアンダ面80に隣接して注入させる燃料排出ポートの直径(または、多数の燃料排出ポートが使用される場合は、平均ポート直径)(「一次ポート直径」)の内側コアンダ面80の半径(「内側コアンダ半径」)に対する比は、少なくとも7:1である必要がある。例えば、一次燃料ガス排出ノズル166のポートの直径(または多数のポートが使用される場合、平均直径)の内側コアンダ半径に対する比は、少なくとも7:1である必要がある。好ましくは、内側コアンダ半径に対する一次ポート直径の比は少なくとも10:1、もっとも好ましくは少なくとも12:1である。したがって、例えば、0.0625インチの一次ポート直径および0.75インチの内側コアンダ半径で、内側コアンダ半径に対する一次ポート直径の比は12:1である。
【0037】
コアンダ面が充分な曲率または表面積を有しているとすると、ガスの流れまたは噴流は、小さなガスポートを取り扱う場合でさえも、コアンダ面の曲率と正接するように揃えられて適切なコアンダ効果を起こす。これは、例えば、スロット注入のシナリオに関連してより大量の流れが利用される場合、フレアに使用される大きなコアンダ面によって、かなり可変である。
【0038】
前記の周囲とは別に、内側コアンダ面80の特定のサイズおよび形状は、ガス循環ポートのサイズおよび形状と、バーナータイルのサイズおよび形状と、他の特定の用途に関する要因とによって、可変である。また、内面66上の内側コアンダ面80の配向(例えば、垂直、水平等)は、上述の要因によって可変である。
【0039】
内側コアンダ面80は、本発明のガスバーナー10の非常に重要な部品である。これらの面は、燃料ガスを過剰に希釈することなく且つ燃焼を妨げることなくまたは炎の不安定さを招くことなく、大量の煙道ガスが導入されるようにする。これは、少なくとも部分的には、内部の境界層が燃料リッチのままであるためである。ガス循環ポート70から注入された一次燃料ガスおよび空気の流れは、コアンダ面80に対して引き込まれ且つ維持される。燃料ガスの流れは、分離され且つより大きな表面積を有する膜内に広げられる。ガスの核の中心は、露出される。結果として、煙道ガスを燃料ガス(および例えば、空気および/または蒸気のような特定の用途に使用される他の流体)と混合するために必要な距離および時間は、実質的に低減される。実質的により多い煙道ガスおよび空気(および必要な場合その他の流体)は、燃料ガス噴流と混合することができる。結果として、より安定した炎が生成され、バーナーによって生成された煙道ガスにおける亜酸化窒素の含有率が低減され且つ炎はさらに容易に整形することができる。
【0040】
図3Aおよび4Aに示されるように、一形態において、バーナータイル50は、バーナータイル50の中心開口部52内からガス循環ポートを通してタイルの外側までの空気の流れを妨げるためにガス循環ポート70に位置づけられている循環チョーク手段87をさらに含む。循環チョーク手段87は、各ガス循環ポート70用遮蔽体88を含む。遮蔽体88は、バーナータイル50の壁58に取り付けられ且つ上方向に対応するガス循環ポート70内にのびている。図示のように、遮蔽体88は、耐火バーナータイルの一体部分でもよい。循環チョーク手段87は、タイルの内側からガス循環ポート70を通してタイルの外側までの流体の流れを減少させることが必要である用途に使用される。流体の流出は、例えば、拡散噴流がガス循環ポート70から注入されない場合、生じることがある。空気のガス循環ポート70からの流出を除去することは、排出量を低減するのに役立ち且つ設計に炎整形能力を加える(拡散噴流が、ポート70から注入されず、2つの流体の流れの群の間の流体密閉を維持する場合)。循環チョーク手段87は、空気がタイルを短絡して亜酸化窒素の排出量を増加させることを防ぎ、炎をバーナータイルの壁の外面に近づかせない。また、循環チョーク手段87は、中心開口部52における予混合ガスと拡散ガスとの時期尚早の相互作用を防ぐ。場合によっては、遮蔽体88を設けることなく、拡散一次ガスの運動量は、予混合炎を、時期を早めて空気を拡散噴流のベースに運ぶガス循環ポート70に引き入れる。
【0041】
遮蔽体88を含む(遮蔽体が利用される場合)バーナータイル50全体は、耐熱且つ耐火材、すなわち、高温にさらされても物理的形状および化学的特性を保持する能力を有する材料からなる。使用可能な耐火材は、例えば、炭化珪素、アルミナ混合物およびセラミック繊維材である。
【0042】
ここで特に図4、4Aおよび4Bを参照すると、ガス循環ポート70が、詳細に示される。各ガス循環ポート70は、レッジ(棚状部)90と、先端面92(内側コアンダ面80の一部である)と、レッジと先端面とを接続している一対の両側壁94および96とを含む。バーナータイルが循環チョーク手段87を含まない場合、図4に示されるように、レッジ90は、平ら、すなわち、ポート70の先端面92と実質的に同一平面上にあるか、または下方向に内面66から壁58の外面68の方へ傾斜している。好ましくは、レッジ90は、15°〜−60°の範囲の角度で、下方向に壁58の内面66から外面68の方に傾斜している。例えば、外部ガス上昇管(以下に述べる)が炉の炉壁12を実質的に貫通しない場合、レッジ90は、より大きな角度で下方向に傾斜する。外部ガス上昇管が炉の炉壁12上を実質的にのびている形態において、レッジ90は、例えば、約10°〜約60°の範囲の角度で下方向に傾斜している。好ましくは、レッジ90は、約15°〜25°の範囲の角度で、下方向に壁58の内面66から外面68の方に傾斜している。バーナータイル50が循環チョーク手段87を含む場合、図4Aに示されるように、レッジ90は、ガス循環ポート70において遮蔽体88が存在するので、かなり厳密な角度で、下方向に内面66から壁58の外面68の方に傾斜している。レッジの下方向への傾斜は、中心開口部52内の空気がポート70から中心開口部52を放射状に出て行くことを防ぐのに役立つ。循環チョーク手段87が使用されるか否か、及びレッジ90が傾斜する角度は、特定の用途による。
【0043】
壁58の上部62の内面66は、上を向いている、すなわちバーナータイルの排出口60に対向している平面102を有する一次絶壁体100をさらに含む。一次絶壁体100は、壁58の内面66のまわりに完全にのびている。内側コアンダ面80のそれぞれは、下端104と、上端106と、下端と上端とを接続している膨出部分108とを含む。内側コアンダ面80の下端104は、ガス循環ポート70の先端を越えてのびている。内側コアンダ面80の上端106は、一次絶壁体100の平面102で終端している。バーナータイル50の最上端56は、上方向の、すなわち炉空間14に対向している平面112を有する二次絶壁体110を含む。二次絶壁体110は、壁58の内面66のまわりに完全にのびている。一次絶壁体100は、中心開口部52の上部において低圧領域を生成し且つ混合領域を提供する。二次絶壁体110は、タイル50の排出口60でガスを安定させるのに役立つ。段階的な燃料(多段燃料)は、過剰に希薄かまたは拡散する場合に、タイル50の最上端56上で安定化された燃料を濃縮する能力を有する。
【0044】
バーナータイル50の壁58の外面68は、複数のポート部116(ガス循環ポート70を含む)と、複数の非ポート部118(ガス循環ポート70を含まない)とを含む。または、バーナータイル50の壁58の外面68の上部62は、外面68から外側に膨出している外側コアンダ面130を含む。
【0045】
一実施形態において、図1〜10に示されるように、外側コアンダ面130は、壁58の外面68のまわりに完全にのびている。このシナリオは、段階的な燃料のすべてをコアンダ面によって整形させる。
【0046】
別の実施形態において、図11〜12に示されるように、バーナータイル50の壁58の外面68の上部62は、複数の外側コアンダ面130を含み、各面は、外面68から外側に膨出している。図11〜12に示される実施形態において、外側コアンダ面130は、外側平面132によって間隔があけられている。図11Aおよび11Bに示されるように、外側平面132は、バーナータイルの中心開口部52のほうへ傾斜しているか(図11A)または直立もしくは垂直(バーナータイルの長軸に実質的に平行)でもよい(11B)。傾斜している場合、外側平面132は、5°〜25°の範囲の角度で、内側に傾斜している。外側コアンダ面と平面(傾斜または垂直)とを交互に使用することは、炎の形状をより制御する。段階的な燃料は、狭い炎を維持するためにより積極的に成形されることができる。これは、壁58の影響を脱する必要がある場合に特に重要である。燃料ガスの一部は、積極的な角度で注入されてさらに炎の整形を高めるかまたは段階的な燃料をより積極的に付勢することができる。
【0047】
さらに別の実施形態において、図13〜15に示されるように、バーナータイル50の壁58の外面68の上部62は、壁58の外面68のまわりに完全にのびている外側平面134を含む。外側平面134は、5°〜25°の範囲の角度で、内側に傾斜している。また、その平面は、実質的に直立または垂直でもよい(内側に傾斜していない)。この実施形態は、段階的ドリル作業をさらに積極的に行うので、炎の整形において顕著な能力を実現させる。
【0048】
このように、バーナータイル50の外面68の上部62の様々な形態は、炎のサイズおよび形状を用途によって正確に制御する。さらなる利点も達成される。
【0049】
著しいコアンダ効果を達成するために、外側コアンダ面130の表面は、実質的に平滑であり且つ実質的に変わらない半径または一様な円弧を有するものとする。また、各外側コアンダ面が、当のガスの流れを充分に引き付けるような曲率を有することは重要である。コアンダ面が充分な曲率または表面積を有していないと、面は、ガスの運動量によってコアンダ効果を起こすための充分な面積を有することができない(すなわち、ガスの流れは、表面に引き出されることができない)。充分なコアンダ効果を確実にするために、燃料ガスを当の外側コアンダ面130上にまたは外側コアンダ面130に隣接して注入する燃料排出ポートの直径(または、多数の燃料排出ポートが使用される場合は、平均ポート直径)(「二次ポート直径」)の外側コアンダ面の半径(「外側コアンダ半径」)に対する比は、少なくとも7:1である必要がある。例えば、二次燃料ガス排出ノズル166のポートの直径(または多数のポートが含まれる場合が、平均直径)の外側コアンダ半径に対する比は、少なくとも7:1である必要がある。好ましくは、外側コアンダ半径に対する二次ポート直径の比は少なくとも10:1、もっとも好ましくは少なくとも12:1である。
【0050】
前記の周囲とは別に、外側コアンダ面130の特定のサイズおよび形状は、バーナータイルのサイズおよび形状と、他の特定の用途に関する要因とによって、可変である。また、外面68上の外側コアンダ面130の配向(例えば、垂直、水平等)は、上述の要因によって可変である。
【0051】
また、外側コアンダ面130は、本発明のガスバーナー装置10の非常に重要な部品である。これらの面130は、より多くの煙道ガスを段階的な燃料ガスの流れに引き込み且つ混合工程をかなり向上するのに役立つ。従来技術による外側平面132または表面134と組み合わされる場合、外側コアンダ面は、特定の用途に必要とされる段階的な燃焼の型および程度を達成する際に、かなりの精度および柔軟性を可能にする。外側コアンダ面132は、安定した炎を維持しつつ燃料ガス噴流の希釈を促進する。必要に応じて、外側コアンダ面132を、タイルがガス循環ポート70をタイル内に有していないとき、本発明によるバーナータイル50に関して使用することができる。
【0052】
さらに別の実施形態において、図16〜19に示されるように、バーナータイル50は、壁58の内面66からバーナータイルの中心開口部52内まで横断しているリップ140をさらに備えている。リップ140は、バーナータイル50の最上端56に隣接して壁58に取り付けられ且つ壁の内面66のまわりにのびている。リップ140は、下端142と、上端144と、下端と上端とを接続している本体146とを含む。本体146は、バーナータイルの中心開口部52内にのびている複数の突起150を含む。突起150は、多様な断面形状(例えば、楕円形、正方形および三角形)を含み且つ溝152によって分離されている。図19にもっともよく示されるように、下端142は、湾曲していてリップ140の下の流体の流れを容易にしている。リップ140全体は、流体の流れを90°回転するように働く。流体は、空気で非常に希薄となり、炎は低速となる。突起150および溝152は、燃料の過剰な希釈によって安定化が必要とされる場合、ガスが炎を安定化且つ維持するのに役立つ。放射状の突出部は、絶壁体として役立ち希薄な混合物を捕らえ且つタイル面の先端上で混合物を安定化する。また、この配置は、中心ガス銃170または中心ベンチュリ混合器176とともに機能して炎に対して改良された急冷機構を提供することができる。
【0053】
用途によっては、ガスバーナー装置10は、内側コアンダ面80および外側コアンダ面130の両方を含んでもよい。好ましくは、ガスバーナー装置10は、内側コアンダ面80および外側コアンダ面130の両方を含む。
【0054】
ガスバーナー装置10は、一次燃料ガス注入手段160および二次燃料ガス注入手段162をさらに備えている。一次燃料ガス注入手段160は、燃料ガス源(図示しない)に接続され、且つ一次燃料ガスをバーナータイル50の中心開口部52に注入するためにバーナー装置10と動作的に接続されている。二次燃料ガス注入手段162は、燃料ガス源(図示しない)に接続され、且つ第二段階燃料ガスをバーナータイル50の中心開口部52の外側からバーナータイルの排出口60の隣接点まで注入するためにバーナー装置10と動作的に接続されている。明細書および添付請求項に使用されているように、一次燃料ガスは、バーナータイルの中心開口部52に注入される燃料ガス(すなわち、バーナータイル50の範囲によって形成された燃焼領域に注入される任意のガス)を単に意味している。第二段階燃料ガスは、バーナータイル50の壁58の外側または壁上に注入された燃料ガスを単に意味している。
【0055】
一次燃料ガス注入手段は、特定の用途によって、別にまたは共に使用可能である様々な部品を含むことができる。
【0056】
第一部品として、一次燃料ガス注入手段160は、燃料ガス源に接続されている複数の外部ガス上昇管164を含む。各外部ガス上昇管164は、それに接続されている外部一次(拡散)燃料ガス排出ノズル166(内部に1つ以上のガスポートを含む)を有し、ノズルはバーナータイルの壁58の外側に位置づけられて一次燃料ガスをガス循環ポート70を通して内側コアンダ面80上にまたは内側コアンダ面80に隣接して注入している。一次燃料ガスは、好ましくは、内側コアンダ面80上に直接注入される。明細書および添付請求項に使用されているように、「ノズル」、例えば「燃料ガス排出ノズル」は、ノズルからガスの流れまたは噴流を排出または注入するために1つ以上のガス排出開口部(例えば、ポートまたはスロット)を内部に含む任意の型の(通常、ガス上昇管に接続されている)ガス先端管である。明細書および添付請求項に使用されているように、流体(この場合、燃料ガス)を「面上にまたは面に隣接して」注入することは、表面が効果(例えばコアンダ効果)を有するように表面上に直接または表面に充分に近接して流体を注入することを意味する。例えば、燃料ガスの流れまたは噴流は、コアンダ効果が湾曲面の表面積と関連して流れまたは噴流の圧力によって開始されるようにコアンダ面の湾曲に充分に近接して注入されると充分である。バーナー装置10に関する温度が非常に高い(例えば、2000°F以上の)用途において、外部ガス上昇管164は、外部ガス上昇管164への損傷を防ぐために炉の壁12上に実質的にのびていない。他の用途において、上昇管164およびノズル166の両方が、壁12を貫通し且つ壁上にのびている。
【0057】
他の部品として、一次燃料ガス注入手段160は、1つ以上の内部ガス上昇管167を含んでもよく、各内部ガス上昇管は、燃料ガス源に接続され且つバーナーハウジング22の内側に位置づけられている。各内部ガス上昇管は、第一段階燃料ガスをバーナータイルの中心開口部52に直接注入するために、それに接続されている内部一次燃料ガス排出ノズル168(1つ以上のガスポートを内部に含む)を有する。複数の内部ガス上昇管167および内部一次燃料ガス排出ノズル168を使用して燃料ガスをバーナータイル50の中心開口部52に直接注入する様子が図9に示される。図示のように、1つ以上の上昇管167および対応するノズル168は、微量の一次燃料ガスを内側コアンダ面80上に直接または内側コアンダ面80に隣接して注入するように各ガス循環ポート70に位置づけられ、炎の安定化に役立つ。
【0058】
図1、3および3Aに示されるように、内部ガス上昇管167および対応する内部燃料ガス排出ノズル168は、中心ガス銃170を形成するのに使用されることができる。内部ガス上昇管167は、燃料ガス源に接続され且つバーナータイル50の中心開口部52の中心にのびる。ブルノーズ(まるみのある出隅)先端の形状を有する内部燃料ガス排出ノズル168(複数のガスポートを内部に含む)が、内部ガス上昇管167に接続されている。ガス拡散錐体(コーン)172が、中心上昇管に取り付けられ且つ先端によって排出されたガスを拡散するために、ブルノーズ先端管168を中心としてのびる。中心ガス銃170は、一次燃料ガスの自由噴流をバーナータイル50に直接注入するために使用されることができる。一次燃料ガスの自由噴流の運動量は、空気の運動量とともに、有害な排出を低減するのに役立つようにバーナータイル50の中心開口部52に煙道ガスを引き入れる。
【0059】
図8に示されるように、内部ガス上昇管167および対応する内部燃料ガス排出ノズル168はまた、中心ベンチュリ混合器176を形成するために使用されることができる。内部ガス上昇管167は、燃料ガス源に接続され且つバーナーハウジング22の内側に位置づけられる。ガススパッド(内部に1つ以上のガスポートを含む)の形状を有する内部燃料ガス排出ノズル168が、内部ガス上昇管167に接続される。ベンチュリハウジング178が、上昇管167およびノズル168に動作的に接続される。ベンチュリハウジング178は、内部ガス上昇管167に取り付けられ且つスパッドから排出された燃料ガスを受けるために、スパッド168の上方に位置づけられる。ベンチュリハウジング178は、入口180と、出口182と、狭い部分186を内部に有するベンチュリ体184とを含む。ベンチュリ体184は、空気をハウジング178に導入する低圧領域を形成する。燃料ガスと空気との混合物が、ハウジング178内で形成される。中心ベンチュリ混合器は、一次燃料ガスと空気との予混合の流れをバーナータイル50に注入するために使用されることができる。それは、希薄または超希薄な予混合領域を形成して炎の長さを低減し且つさらに亜酸化窒素の排出量を低減する。必要に応じて、複数のベンチュリ混合器176を利用することができる。
【0060】
図1、3、3A、7および8に示されるように、一次燃料ガス注入手段160はまた、バーナータイル50の中心開口部52内にのびている予混合装置190を含むことができる。図7に最もよく示されるように、予混合装置190は、バーナータイル50の壁58の内面66の周りで壁のガス循環ポート70の下方に延在し且つ内面66に多少(最適な安定のために)はめ込まれている予混合膜192を含む。複数の予混合ガスポート194が、膜192の上面に設けられている。一対のベンチュリ混合器196が、燃料ガスと空気との予混合の流れを膜192内に供給する。各ベンチュリ混合器196は、燃料ガス源に接続され且つそれに接続されているガススパッド(1つ以上のガスポートを内部に含む)の形状の内部一次燃料ガス排出ノズル200を有する内部ガス上昇管198を含む。ベンチュリハウジング202が、上昇管198およびノズル200に動作的に接続されている。ベンチュリハウジング202は、上昇管198に取り付けられ且つノズル200から排出された燃料ガスを受けるように位置づけられている。ベンチュリハウジング202は、入口204と、出口206と、好ましくは内部に狭い部分210を有するベンチュリ体208とを含む。用途によっては、狭い部分210は、必要ではない。ベンチュリ体208は、空気をハウジング202に導入する低圧領域を形成する。燃料ガスと空気との混合物が、ハウジング202内で形成され且つ予混合膜192内に送られる。予混合装置190は、第一段階燃料ガスと空気との予混合の流れをバーナータイル50の壁58の内面66の周囲に注入するために使用されることができる。
【0061】
予混合装置190は、全体の主要な予混合、または残りが拡散一次燃料ガスで作られる部分的な予混合として役立つことができる。予混合は、一定の放熱またはバーナーの残りのように変調された放熱でもよい。予混合装置190は、減量運転および安定性を高めるために、タイル50の壁58の内周のまわりに対称的に燃料を供給する。また、装置は、通常は拡散型自由噴流とともに見られるであろう基礎コア温度を低減する空気と燃料ガスとの均質な供給によって亜酸化窒素排出量を低減するのに役立つ。予混合装置190が拡散アプローチと関連して利用される場合、拡散噴流は、さらに希釈されることができ、および/または拡散炎が希薄な予混合炎によって安定化された炎になるにつれて分離されることができる。拡散噴流が炎によって安定化されるので、ガス循環ポート70は、炎の安定性に悪影響を与えることなく(炎は、予混合装置からの予混合炎によって安定化される)通常達成可能であろう流れの面積の6倍を超える点まで増加させることができる。予混合装置は、一定の放熱で保持されることができる。これにより、この領域は、フラッシュバックが燃料の範囲を超える問題とならないように設計される。このことによって、炎の安定化により減量運転が促進されるばかりではなく、許容可能なポートのサイズを維持しつつより低い一次処理が確実に達成される。これは、一次領域放熱が、一次領域において燃料全体のわずか1%で達成されることができることを意味する。より大きなガス循環ポートによって、一酸化炭素(CO)排出量は、常温起動(コールドスタート)シナリオの間、最小とすることができる。かなり大きなガス循環ポートが、かなり多くの煙道ガスをバーナーに引き込み、そこでCOが再燃焼され、炉箱で観測されるCOの一部を削減する。
【0062】
また、予混合装置190は、残りのバーナー燃焼領域の点火源を供給する。予混合装置は、特定の用途に必要とされる多くの形状およびポートの数量をとることができる。予混合装置は、亜酸化窒素の排出量をさらに低減するために必要なほど希薄な燃料ガス−空気混合物を生成するように、設計によって調節されることができる。予混合装置190は、必要な場合には、炎の安定性に影響を与えることなく低放熱脱炭素処理サイクルが達成できるようにバーナーの最小放熱として役立つ。主要ガス供給部品は、予混合装置を例外として、オフされることができる。予混合装置はそのとき、安定性を維持しつつ非常にわずかな放熱を行うのに役立つ。バーナーの主要部分が再点火されると、予混合装置は、非常に低い圧力で、すなわち通常可能であるよりもより低い圧力でオンラインに戻されることができる。
【0063】
二次燃料ガス注入手段162は、複数の外部ガス上昇管を含み、各外部ガス上昇管は、燃料ガス源に接続され且つそれに接続されている二次燃料ガス排出ノズル(1つ以上のポートを内部に含む)を有する。二次燃料ガス注入手段は、バーナータイル50の壁58の外面68(例えば、外側コアンダ面130)上にまたは外面68に隣接して、第二段階燃料ガスを注入するのに役立つ。第二段階燃料ガスは、好ましくは、外面68(例えば、外側コアンダ面130)上に直接注入される。様々な形態の上昇管およびノズルを利用することができる。例えば、図1、4および4Aに示されるように、二次燃料ガス注入手段の外部ガス上昇管および二次燃料ガス排出ノズルは、一次燃料ガス注入手段の外部ガス上昇管164およびノズル166でもある。ノズル166は、一次燃料ガスをガス循環ポート70に注入する一次ポート、およびバーナータイル50の壁58の外面68(例えば、外側コアンダ面130)上にまたは外面68に隣接して第二段階燃料ガスを注入する二次ポートの両方を含む。別の形態において、各外部ガス上昇管164は、別体の一次燃料ガス排出ノズルおよび二次燃料ガス排出ノズルを含む。さらに別の形態において、図10に示されるように、一次燃料ガス注入手段および二次燃料ガス注入手段は、別体の外部ガス上昇管を利用する。複数の外部ガス上昇管164は、それぞれ燃料ガス源に接続され且つそれに接続されている外部一次燃料ガス排出ノズル166(1つ以上のポートを内部に含む)を有し、一次燃料ガスをガス循環ポート70からバーナータイル50の中心開口部52に注入するために使用される。別体の外部ガス上昇管214は、それぞれ燃料ガス源に接続され且つそれに接続されている二次燃料ガス排出ノズル216(1つ以上のポートを内部に含む)を有し、バーナータイル50の壁58の外面68(例えば、外側コアンダ面130)上にまたは外面68に隣接して第二段階燃料ガスを注入するために使用される。利用される特定の上昇管の形態は、段階的なガスの量および炎の必要な形状による。
【0064】
バーナーハウジング22およびバーナータイル50は、好ましくは、図示のように、円形または丸い断面形状を有する。しかしながら、ハウジング22およびバーナータイル50は、他の形状も有することができる。例えば、ハウジング22およびバーナータイル50は、楕円、正方形または長方形の断面形状を有することができる。この形状は、コアンダ面が正確に使用される限り対称的であっても非対称的であってもよい。ハウジング22の形状は、バーナータイル50の形状と同じである必要がない。図20および21は、長方形の断面形状を有するバーナータイル50を示している。長方形のバーナータイル50は、平らな炎を生成するために使用されることができ、例えば、壁面燃焼型の用途に役立つ。
【0065】
図1に示されるように、予混合装置190を除いて、一次燃料ガス注入手段160および二次燃料ガス注入手段162の様々な部品は、燃料ガス源(例えば、炉のヘッダー全体)に接続されているバーナーガスヘッダー217に接続されている。ガスバーナーヘッダー217は、ヘッダー入口218と、複数のヘッダー出口219と、関連したヘッダーバルブ220とを含む。予混合装置190、特にその内部ガス上昇管198は、好ましくは、(例えば、炉ガスヘッダー全体からの)別体の燃料ガス源に直接接続されている。上昇管198は、通常、別体の燃料ガス源に接続されている導管220と互いに接続されている。導管220は、導管を通る燃料ガスの流量を制御するために内部に設けられているバルブ222を有する。予混合装置190を独立した燃料源に接続することによって、予混合装置190は、バーナー主要部品として役立つとともに固定された圧力で作動されることができる。また、予混合装置からの燃料ガスと空気との混合物の流量は、このような形態が必要な場合、ガス循環ポート70を通して一次燃料ガスを注入する必要がない程度にまで増加させることができる。また、必要に応じて、予混合装置は、単に別体のコネクタを有するバーナーガスヘッダー218に接続することができる。
【0066】
また、図9に示されるように、ガスバーナー装置10は、バーナータイル50内の一次燃料ガスに点火するための従来技術によるパイロット手段223を備えてもよい。パイロット手段223は、燃料ガス源に取り付けられている内部ガス上昇管226と、内部ガス上昇管に取り付けられているベンチュリ混合器228と、ベンチュリ混合器に取り付けられている(1つ以上のポートを内部に含む)ガス先端管230とを含む。ガス先端管230は、バーナータイルの中心開口部52内にのびている。遮蔽体232は、ガス先端管のまわりに位置づけられ、空気を追加することによって確実に適切なストイキオメトリーを達成し且つ炎を保護することによってパイロット炎を安定化させる。図9に矢印で示されるように、空気は、遮蔽体232のポートを通して引き込まれる。炎は、遮蔽体の上部から排出される。
【0067】
上述したように、バーナータイル50の形態と一次および二次燃料ガス注入手段160および162の配置を含むガスバーナー装置10の特定の形態は、用途によって可変である。多くの場合、内側コアンダ面80および外側コアンダ面130の両方が利用される。利用される特定の形態にかかわらず、意図することは、炎の安定性に悪影響を及ぼすことなく大量の煙道ガスを燃料ガスおよび空気と混合することである。コアンダ面によって、新しい工具が、煙道ガス導入および混合と、炎の整形と、ガス供給に適用されることができる。コアンダ面によって混合が高められると、結果として、熱流束が改善され、炎の質が高められ、炉(フラックス)の底部への熱の供給が促進される。段階的な燃料および二次燃焼領域は、亜酸化窒素の排出量の低減に役立ち且つ炎を整形させることができる。したがって、適切な面の曲率を使用することにより、狭い(タイトな)ガスの直径を利用して、必要とされる炎の形状を実現することができる。コアンダ面の安定化機構によって、バーナーは、より低い燃料の流量でうまく点火されることができる。また、このような設計によって、拡散一次先端管は、延長された導入長さを得るために炉において幾分深く設けられることができる。従来の設計では、不安定さを招くことなく、より長い導入長さを得ることができないであろう。コアンダ面を使用することによって、内部境界層は、燃焼性を保持するのに充分な濃さのままであることができる。希薄な予混合リングまたは分配ヘッダーを追加することによって、拡散主要部が、低NOの均質炎によって安定化された炎となる。予混合炎によって、バーナーの減量運転が、不安定さを招くことなく、通常の設計を超えて推し進められることができる。また、本バーナーは、他のバーナーが不安定になると認められたとき、かなり安定させることができる。上述の幾何学的配置の組み合わせによって、バーナーの設計者は、同じ基礎的なバーナーの形態内で、中程度のNO、低NOまたは非常に低いNOのバーナーを設計することができる。バーナーの安定性は、通常の自然通風または強制通風工程バーナーよりも実質的に優れているので、コアンダ面は、煙道ガスを一次炎領域内に追加することができる。従って、バーナーの減量運転は、燃料およびバーナーの使用できる周囲によっては、10対1を超えることができる。
【0068】
また、通常、バーナータイル50のサイズを含むガスバーナー装置の全体的なサイズは、装置がどのように使用されるかによって可変である。また、上述したように、内側及び外側コアンダ面の形状、サイズ、長さ、高さおよび配向は、他の周囲(例えば、充分な湾曲)が充分なコアンダ効果を達成するように維持されている限り、必要に応じて調節することができる。
【0069】
いくつかの用途において、バーナータイル50は、現行のバーナープレナムに合わせて改良することができる。例えば、バーナータイル50は、段階的ガスの設計のガスバーナー装置に後から取り付けることができる。バーナータイル50は、排出量を低減し且つ炎を安定するためのコアンダアプローチを利用するために、新たな先端管および上昇管を追加することができる。亜酸化窒素は熱い炉において減少させることができ、一方、一酸化炭素はコールドボックスにおいてまたは起動時に減少させることができるる。
【0070】
また、図22および23に示されるように、本発明は、コアンダガス先端管を含む。この(ブルノーズ先端状の)先端管は、中心ガス銃170または中心ベンチュリ混合器176との関連において、例えば、一次燃料ガス排出ノズル168として使用可能である。また、先端管は、一次または二次燃料ガス排出ノズルまたはパイロットガス先端管230として使用可能である。図22は、パイロットガス先端管としてのコアンダガス先端管の使用を示している。
【0071】
本発明によるコアンダガス先端管は、通常、図22および23において符号240で示されるように設計され、燃料ガス源(例えば、ガス上昇管)に接続するためのガスバレル242と、ガスバレルに取り付けられているガスそらせ板244と、ガスバレルとガスそらせ板との間に設けられている燃料ガス出口246とを含む。ガスそらせ板244は、内部ネジ接続アセンブリ248によって(他の機械的または溶接接続も使用可能である)バレル242に取り付けられている。ガスそらせ板244は、燃料ガス出口から排出された燃料ガスがコアンダ面の経路をたどるように燃料ガス出口246に対して位置づけられているコアンダ面250を含む外面を有する。コアンダガス先端管240のガスそらせ板244は、好ましくは、環状のコアンダ面250をそらせ板に与えるチューリップの形状を有する。
【0072】
著しいコアンダ効果を達成するために、コアンダ面の表面は、実質的に平滑であり且つ実質的に変わらない半径または一様な円弧を有するものとする。また、コアンダ面250は、当ガスの流れを充分に引き付けるような曲率を有することが重要である。コアンダ面が充分な曲率または表面積を有していないと、コアンダ面は、ガスの運動量のためにコアンダ効果を起こすための充分な面積を有することができない(すなわち、ガスの流れは、コアンダ面まで引かれることができない)。充分なコアンダ効果を確実にするために、燃料ガス出口246のポートの直径(ポートが使用される場合)、または燃料ガス出口246のスロットの幅(スロットが使用される場合)(または多数のポートまたはスロットが使用される場合、ポートの平均直径またはスロットの平均幅)(「先端管排出開口部の直径」)のコアンダ面250の半径(「先端管コアンダ半径」)に対する比は、少なくとも7:1である必要がある。好ましくは、先端管コアンダ半径に対する先端管排出開口部直径の比は、少なくとも10:1、もっとも好ましくは、少なくとも12:1である。コアンダ面250が充分な曲率または表面積を有するならば、ガスの流れまたは噴流は、小さなガスポートを取り扱う場合でさえも、コアンダ面の曲率に正接するように揃えられて適切なコアンダ効果を起こす。
【0073】
一実施形態において、燃料ガス出口246は環状スロット252を備えており、環状スロット252は、特定の用途に応じて、燃料ガスを適切な角度(例えば、0〜45°)でバレル242から排出する。また、燃料ガス出口246は、スロット252の代わりにまたはそれに追加して複数の小さな円形ポート(図示しない)を備えてもよい。図22に示されるように、炎の安定性が問題となるかまたは高められた混合が必要とされるパイロットその他の用途において、遮蔽体254が、そらせ板244および出口246を囲むようにバレル242に取り付けられることができる。遮蔽体254は、その内部に1つ以上の空気入口260を含む。
【0074】
コアンダガス先端管240の環状コアンダ面250は、燃料ガス出口から排出された燃料ガスが、コアンダ面の経路をたどるように燃料ガス出口246に対して位置づけられている。コアンダ面は、燃料ガスを薄膜内に広げることによって、より多くの空気、煙道ガスまたはそれらの両方が燃料ガスの流れに導入され且つ安定性を得るために燃料リッチの内部境界層とともに小量の迅速に混合された3つの流体の混合物を生成する。このアプローチによって、バルク炎は、安定した炎を維持しつつ非燃焼性に近づくことができる。燃料ガスの流れに導入されることができる煙道ガスの量は、安定性を悪化させることなく、かなり増加させることができる。バレル242の長さおよび直径とそらせ板244のサイズとを含むコアンダガス先端管240の全体のサイズは、バーナー全体のサイズおよび先端管が使用される方法によって可変である。例えば、先端管が中心ガス銃170のブルノーズ先端管168として使用される場合、先端管のサイズは、パイロット先端管230として使用される場合に比べて大きい。より小さなサイズの先端管が、通常、約0.05〜約1.5MMBtuhの放熱を処理する場合に使用される。例えば、先端管がタイルの中心において主要注入器(中心ガス銃170の先端管)として使用される場合、かなり多くの燃料ガスを供給するためにより大きな大きさを使用することができる。この場合、先端管は、特定の用途により必要とされるならば、例えば、3〜10,000,000MMBtuh以上供給することができる。通常、ガス銃に使用される錐体その他の余計な部品は必要ではない。
【0075】
次に、図1を参照して、本発明によるガスバーナー装置10の動作を説明する。装置10は、最初に内部パイロットによって点火されるかまたは外部トーチによって手動で点火される。予混合一次装置190が点火及び起動されて作動すると直ぐに、複数のヘッダーバルブ220が開けられて燃料ガスを残りのバーナー部品に供給する。空気は、空気入口32を通してバーナーハウジング22に導入される。空気レジスタまたはダンパー42は、空気のハウジング22内への流量を調整する。空気は、ハウジング22を通して導かれ、空気出口30からバーナータイル50の中心開口部52内に排出される。
【0076】
一次燃料ガスと空気との混合物が、予混合装置190によって、バーナータイル50の中心開口部52に導入される。燃料ガス−空気の混合物は、バーナータイルの壁58の内面66のまわりの予混合ガスポート194から排出される。また、一次燃料ガスが、中心ガス銃170によってバーナータイル50の中心開口部52に注入される。燃料ガスおよび燃焼空気の流れは、図面において矢印で示される。同時に、一次燃料ガスは、外部ガス上昇管164を通過し、一次燃料ガス排出ノズル166からガス循環ポート70内に排出される。一次燃料ガス排出ノズル166からガス循環ポート70までの燃料ガスの注入によって、煙道ガスが炉からバーナータイル50の中心開口部52に導入される。ポート70を通過した一次燃料ガスおよび煙道ガスは、内側コアンダ面80に接し、その経路をたどってバーナータイルの最上端56に達する。上述したように、内側コアンダ面80によって、燃料ガスおよび煙道ガスは迅速に互いに混合され、混合物はバーナータイル50の壁58の内面66に近づけられるので、大量の煙道ガスが炎の温度を制御するために中心開口部に導入され、それにより中心開口部52において燃料ガスを過剰に(例えば、非燃焼性の点まで)希釈することなく亜酸化窒素および一酸化炭素の排出量を制御する。一次燃料ガスと、空気と煙道ガスとの混合物は、予混合装置190(または他のパイロット手段)によって中心開口部52において点火され、排出口60から排出され、一次反応領域270において燃焼される。一次反応領域270は、バーナータイル50の中心開口部52の内側であって、その排出口60に隣接しているバーナータイルの外側である。
【0077】
第二段階燃料ガスは、同時に外部ガス上昇管164を通して導入され且つ二次燃料ガス排出ノズル168(一次燃料ガス排出ノズルでもよい)から連続外側コアンダ面130上にまたは外側コアンダ面130に隣接して排出される。第二段階燃料ガスは、外側コアンダ面130の経路をたどってバーナータイルの最上端56に達し、そこで一次燃焼領域170において炎によって点火され、一次燃焼領域の最上部の上および最上部のまわりの二次燃焼領域280において燃焼される。内側および外側コアンダ面80、130に対する燃料ガスおよび煙道ガスの流れは、図4および4Aにもっともよく示される。図4Aは、循環チョーク手段87が利用されて流体のガス循環ポート70からの流出を低減させる場合のガスの流れを示す。
【0078】
図8に示されるように、中心ベンチュリ混合器176を、亜酸化窒素の排出量を低減するための急冷機構として機能し且つより短い炎を生成するために、中心ガス銃170の代わりに使用することができる。図9に示されるように、複数の内部ガス上昇管167および対応する燃料ガス排出ノズル168を、予混合装置190の代わりにまたは予混合装置とともに使用することができる。循環チョーク手段は、通常、内部ガス上昇管167およびノズル168がガス循環ポート70に隣接して設けられ且つ拡散燃料ガスがガス循環ポートから注入されない場合に、必要とされる。図11〜16に示されるように、壁58および外面68の様々な形態(例えば、外側傾斜平面132によって分離されている複数の外側コアンダ面130または連続した外側平面132)は、利用されてより小さな直径の炎を達成し且つ炎の制御に役立つ。図16〜19に示されるように、リップ140は、バーナータイル50に含まれてさらに混合を行うとともに絶壁体を安定化することができる。最後に、異なる形状のガスバーナー装置10を、特定の用途に適合するために利用することができる。
【0079】
燃料ガスは、所望の放熱が行われる流量で炉空間14において燃焼される。空気は、空気入口32および空気レジスタまたはダンパー42によって、所望の化学量論上の燃料ガスと空気との混合物が炉空間14に生成されるような流量でハウジング22に導入される。すなわち、空気は、炉空間に導入される燃料ガスの全流量に対して、化学量論上の混合物よりも大きな燃料−空気率となるような流量で炉空間14に導入される。好ましくは、空気の流量は、化学量論上の流量よりも約10%〜約25%大きい。炉空間14における燃料ガスの燃焼によって形成される煙道ガスは、非常に少ない含有量の亜酸化窒素を有する。一次燃料ガスとして使用される燃料ガスの部分は、通常、バーナー装置10によって炉空間14内に排出される燃料ガス全体の約5容量%〜約25容量%の範囲である。すなわち、炉空間内に排出される一次燃料ガスの流量は、バーナー装置10に供給される燃料ガスの流量全体の約5%〜約25%であり、排出される第二段階燃料ガスの流量は、燃料ガス流量全体の約95%〜約75%である。一次燃料ガスは、得られる圧力、導入長さおよびガス循環ポート70のサイズによって、一次燃料ガスの1容量につき約1〜約30容量の範囲の量の煙道ガスと混合される。段階的なガスは、熱流束を最適化するために、一次ポートと段階的上昇管の段階的ポートとの間でほぼ任意の割合のバイアスをかけられることができる。当バーナーの放熱は、大部分は異なる上昇管の間に利用される分割を決定づける。
【0080】
好適な実施形態において、内側コアンダ面80および外側コアンダ面130の両方が利用される。一次燃料ガス注入手段は、外部ガス上昇管164および予混合装置190を含む。すなわち、一次燃料ガスは、ガス循環ポート70を通して及び予混合装置190の上方からバーナータイル50に注入される。別の好適な実施形態において、内側コアンダ面80および外側コアンダ面130の両方が利用される。しかしながら、一次燃料ガス注入手段は、予混合装置190のみで構成してもよい。すなわち、唯一の一次燃料ガス源は、予混合装置190である。燃料ガスおよび空気の予混合装置190からの排出および中心開口部52からの空気の流れによって、煙道ガスは、一次燃料ガスがガス循環ポートから注入されなくても、ガス循環ポート80から中心開口部に導入されるであろう。バーナーを通過した空気の流れによって導入された煙道ガスは、さらに、タイルの再循環ポートを通過した後、大部分の煙道ガスが、内側に設けられているコアンダ面に付着する。
【0081】
また、本発明は、炉において煙道ガスの存在下で空気と燃料ガスとの混合物を燃焼して炉において熱を発生する方法を提供する。本方法は以下の工程を含む。
【0082】
最初に、本発明によるガスバーナー装置は、炉空間の壁(好ましくは、炉空間の底壁または床)に設置されている。上述したように、複数のガス循環ポート70が、バーナータイル50の壁58を貫通している。壁58の内面66は、複数の内側コアンダ面80を含み、各内側コアンダ面は、ガス循環ポート70に隣接して位置づけられている。また、用途によって、ガスバーナー装置10は、1つ以上の上述した他の部品を含んでもよい。
【0083】
空気は、バーナータイル50の中心開口部52に注入される。一次燃料ガスは、内側コアンダ面80上にまたは内側コアンダ面80に隣接して、ガス循環ポート70から注入され、煙道ガスを壁58の外側から(例えば、炉空間から)バーナータイル50の中心開口部52に導入し、且つ中心開口部において空気、燃料ガス、及び煙道ガスの均質な混合物を形成する。空気、燃料ガス、及び煙道ガスの混合物は、バーナータイル50の最上端56の排出口60から炉空間14内に排出され、空気と燃料ガスとの混合物は、炉の煙道ガスによってかなり希釈される一方で炉空間において燃焼される。
【0084】
別の実施形態において、炉において煙道ガスの存在下で空気と燃料ガスとの混合物を燃焼して炉に熱を発生する方法は、以下の工程を備える。
【0085】
本発明のガスバーナー装置10は、炉空間14の壁(好ましくは、炉空間14の底壁または床)に設置されている。バーナータイル50の壁58の外面68は、外面から外側にのびている外側コアンダ面130を含む。
【0086】
空気および燃料ガスは、バーナータイル50の中心開口部52に注入され、それにより空気と燃料ガスの混合物が中心開口部に形成される。空気と燃料ガスの混合物は、次にバーナータイル50の排出口60から炉空間14内に排出され、混合物は、炉空間の一次反応領域270において燃焼される。また、段階的な燃料ガスは、炉空間14から煙道ガスを導入して段階的な燃料ガス/煙道ガスの混合物を生成し且つ段階的燃料ガス/煙道ガスの混合物を炉空間の二次反応領域280において燃焼させるように、外側コアンダ面130上にまたは外側コアンダ面130に隣接して注入される。
【0087】
必要に応じて、上述した方法の工程を、組合わせて単一の方法にしてもよい。
【0088】
本発明をさらに例証するために、以下に実施例を提供する。
【0089】
実施例
本発明によるガスバーナー装置10の性能が、テストされた。内側コアンダ面80および連続的なコアンダ面130が、バーナータイル50の壁58に含まれた。テストされた特定のバーナー形態における一次燃料ガス注入手段は、外部ガス上昇管164および燃料ガス排出ノズル166を備えていた。燃料ガス排出ノズルは、一次燃料ガスをガス循環ポート80から注入するためのポートおよび外側コアンダ面130上にまたは外側コアンダ面130に隣接して二次燃料ガスを注入するためのポートの両方を備えていた。また、亜酸化窒素の排出量を低減するために予混合装置190を利用した。予混合膜192は、0.261インチの直径を有する36個の予混合ガスポート194を備えていた。これらのポートは、予混合膜192の上面のまわりに間隔をあけて設けられた。各0.261インチのポートは、その間に配置された0.125インチのポートを有し、さらに0.125インチの直径のポートが重ねられて深く座ぐられた。より小さなポートの目的は、大きなポートを結合させるために利用される点火ポートとして機能することであった。内部ガス上昇管167、中心ガス銃170、及び中心ベンチュリ混合器176は、いずれも利用されなかった。全体として、テストされたガスバーナー装置10は、中心ガス銃170が含まれないこと以外は、図1〜7に示されるガスバーナー装置10のように形成されていた。
【0090】
予混合装置は、手動で点火された後、バーナーの残りの部分が点火後された。ダンパー42は、すべてのテスト点で開放されたままであった。予混合一次装置は、うまく点火してバーナータイルの内周のまわりに一様な青い小さな炎の組を生成した。次に、バーナーの主要部分が、約0.1psigの圧力で点火された。次に、バーナーは、放熱がほぼ0.84MMBtuhまで増加して炉を暖め始めた。炎は、動かずに非常に安定してみえた。一酸化炭素および亜酸化窒素のレベルは、すべてのテスト点で非常に良く、着火から飽和まで26ppmv(平均)未満の記録可能な排出量を維持した。バーナータイル50は、テスト中、赤く光っていることが観察された。
【0091】
以下のテストデータが生成された。
【0092】
テストデータ
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0093】
このように、本発明のガスバーナー装置は、非常に良く作動した。予混合装置190は、よく機能した。一酸化炭素は、着火、暖機および安定作動時、大部分存在しないことが観察された。亜酸化窒素の排出量も、非常に少ないことが観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置であって、
前記炉に取り付けるためのハウジングを含むプレナムであって、前記ハウジングが、
前記炉に取り付けられ、内部に設けられている空気出口を有する上端と、
前記上端と反対側の下端と、
前記上端と前記下端とを接続する側壁と、を含み、前記側壁および前記下端の少なくとも1つが、内部に設けられている空気入口を有するプレナムと、
前記ハウジングの前記空気出口から空気を受けるために中心開口部を内部に有するバーナータイルであって、前記タイルが、
前記空気出口を覆って前記ハウジングの前記上端に取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁とを含み、前記壁が、前記炉内にのび、内面と、外面と、前記壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートとを有し、前記壁の前記内面が、前記中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含むバーナータイルと、
燃料ガス源に接続され且つ一次燃料ガスを前記バーナータイルの前記中心開口部に注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている一次燃料ガス注入手段と、
燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記バーナータイルの外側から前記バーナータイルの前記排出口に隣接している点まで注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている二次燃料ガス注入手段と、
を備えているガスバーナー装置。
【請求項2】
前記内側コアンダ面が、前記ガス循環ポートに隣接している前記壁の前記内面に位置づけられている、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項3】
前記燃焼空気入口が、前記ハウジングの前記側壁に設けられている、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項4】
前記一次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続されている外部ガス上昇管を含み、前記外部ガス上昇管が、前記外部ガス上昇管に接続され且つ前記バーナータイルの前記壁の外側に位置づけられて一次燃料ガスを前記ガス循環ポートから前記内側コアンダ面上にまたは隣接して注入する外部一次燃料ガス排出ノズルを有する、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項5】
前記一次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続され且つ前記ハウジングの内側に位置づけられている内部ガス上昇管を含み、前記内部ガス上昇管が、一次燃料ガスを前記バーナータイルの前記中心開口部に注入するために前記内部ガス上昇管に接続されている内部一次燃料ガス排出ノズルを有する、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項6】
前記一次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続され且つ前記ハウジングの内側に位置づけられている内部ガス上昇管を含み、前記内部ガス上昇管が、前記内部ガス上昇管に接続されている内部一次燃料ガス排出ノズルと、一次燃料ガスと空気との混合物を前記バーナータイルの前記中心開口部に注入するために前記内部ガス上昇管に動作的に接続されているベンチュリハウジングとを有する、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項7】
前記一次燃料ガス注入手段が、予混合装置を備え、
前記予混合装置が、
内部の前記ガス循環ポートの下の前記バーナータイルの前記壁の前記内面のまわりに延在し且つ複数の予混合ガスポートを上部に有する予混合膜と、
ベンチュリ混合器とを備え、前記ベンチュリ混合器が、
前記燃料ガス源に接続された内部ガス上昇管であって、前記内部ガス上昇管に接続されている内部一次燃料ガス排出ノズルを有する内部ガス上昇管と、
前記内部ガス上昇管および一次燃料ガス排出ノズルに動作的に接続され且つ一次燃料ガスと空気との混合物を前記予混合膜内に送るために前記予混合膜に接続されているベンチュリハウジングとを含む、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項8】
前記バーナータイルが、前記バーナータイルの前記中心開口部内から前記ガス循環ポートを通る流体の流れを妨げるために前記ガス循環ポートに位置づけられている循環チョーク手段をさらに含む、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項9】
前記循環チョーク手段が、前記ガス循環ポートの下で前記バーナータイルの前記壁に取り付けられ且つ上方向に前記ガス循環ポート内にのびる遮蔽体を含む、請求項8に記載のガスバーナー装置。
【請求項10】
前記バーナータイルの前記壁の前記内面が、くぼみ部を含み、前記ガス循環ポートおよび前記内側コアンダ面が、前記くぼみ部に位置づけられている、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項11】
前記くぼみ部が、前記内面から前記バーナータイルの前記中心開口部内までのびている両側の側壁を含み、前記両側の側壁が、前記内側コアンダ面が前記中心開口部内までのびるよりもさらに中心開口部内までのびている、請求項10に記載のガスバーナー装置。
【請求項12】
前記バーナータイルの前記壁が、前記壁に貫通している複数のガス循環ポートを含む、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項13】
前記内面が、複数の内側コアンダ面を含み、前記内側コアンダ面のそれぞれが、前記バーナータイルの前記中心開口部内に膨出している、請求項12に記載のガスバーナー装置。
【請求項14】
前記バーナータイルの前記壁の前記内面が、複数のくぼみ部を含み、前記くぼみ部のそれぞれが、ガス循環ポートと、前記くぼみ部内に位置づけられている内側コアンダ面とを有する、請求項13に記載のガスバーナー装置。
【請求項15】
前記くぼみ部のそれぞれが、前記内面から前記バーナータイルの前記中心開口部内までのびている両側の側壁を含み、前記両側の側壁が、くぼみ部に位置づけられている内側コアンダ面が前記中心開口部内にのびるよりもさらに中心開口部内にのびている、請求項14に記載のガスバーナー装置。
【請求項16】
燃料ガス源に取り付けられ且つ前記タイルの前記中心開口部内にのびている、前記バーナーに点火するためのパイロット手段をさらに備える、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項17】
前記パイロット手段が、ガス上昇管と、内部に1つ以上のガスポートを有するガス先端管とを備えている、請求項16に記載のガスバーナー装置。
【請求項18】
前記ガス先端管が、前記上昇管に接続されているガスバレルと、前記ガスバレルに取り付けられているガスそらせ板と、前記ガスバレルと前記ガスそらせ板との間に設けられている燃料ガス出口とを含み、前記ガスそらせ板がコアンダ面を含む外面を有し、前記コアンダ面が、前記燃料ガス出口から排出された燃料ガスが前記コアンダ面の経路をたどるように前記燃料ガス出口に対して位置づけられている、請求項17に記載のガスバーナー装置。
【請求項19】
前記二次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続された外部ガス上昇管であって、第二段階燃料ガスを前記バーナータイルの前記壁の外面上にまたは前記壁の外面に隣接して注入するために外部ガス上昇管に接続されている二次燃料ガス排出ノズルを有する外部ガス上昇管を含む、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項20】
前記バーナータイルの前記壁の前記外面が、前記外面から外側に膨出している外側コアンダ面を含む、請求項19に記載のガスバーナー装置。
【請求項21】
前記バーナータイルの前記壁の前記外面が、複数の外側コアンダ面を含み、前記外側コアンダ面のそれぞれが前記外面から外側に膨出していて、前記二次燃料ガス注入手段が複数の外部ガス上昇管を含み、各外部ガス上昇管が前記燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面の1つにまたは前記外側コアンダ面の1つに隣接して注入するために各外部ガス上昇管に接続されている二次燃料ガス排出ノズルを有する、請求項20に記載のガスバーナー装置。
【請求項22】
前記外側コアンダ面が、前記バーナータイルの前記壁の前記外面のまわりに完全に延在しており、前記二次燃料ガス注入手段が、複数の外部ガス上昇管を含み、各上昇管が、前記燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入するために各上昇管に接続されている二次燃料ガス排出ノズルを有する、請求項20に記載のガスバーナー装置。
【請求項23】
前記一次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続され且つ前記バーナータイルの前記壁の外側に位置づけられている外部ガス上昇管を含み、前記外部ガス上昇管が、前記外部ガス上昇管に接続され且つ一次燃料ガスを前記ガス循環ポートから前記内側コアンダ面上にまたは前記内側コアンダ面に隣接して注入するために前記ガス循環ポートの外側に位置づけられている一次燃料ガス排出ノズルを有し、前記二次燃料ガス注入手段が、前記一次燃料ガス注入手段の前記外部ガス上昇管と、第二段階燃料ガスを前記バーナータイルの前記壁の前記外面上にまたは前記外面に隣接して注入するために前記上昇管に接続されている二次燃料ガス排出ノズルとを含む、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項24】
前記バーナータイルが、実質的に丸い断面形状を有する、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項25】
前記バーナータイルが、前記壁の前記内面から前記中心開口部内まで横断しているリップをさらに備えていて、前記リップが、前記バーナータイルの前記最上端に隣接して前記壁に取り付けられ且つ前記バーナータイルの前記壁の前記内面のまわりにのびている、請求項1に記載のガスバーナー装置。
【請求項26】
前記リップが、下端と、上端と、前記下端と前記上端とを接続している本体とを含み、前記本体が、前記中心開口部内にのびている複数の突起を含む、請求項25に記載のガスバーナー装置。
【請求項27】
亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置であって、
前記炉に取り付けるためのハウジングを含むプレナムであって、前記ハウジングが、
前記炉に取り付けられ、内部に設けられている空気出口を有する上端と、
前記上端と反対側の下端と、
前記上端と前記下端とを接続する側壁と、を含み、前記側壁および前記下端の少なくとも1つが、内部に設けられている空気入口を有するプレナムと、
前記ハウジングの前記空気出口から空気を受けるために中心開口部を内部に有するバーナータイルであって、前記タイルが、
前記空気出口を覆って前記ハウジングの前記上端に取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁とを含み、前記壁が、前記炉内にのび且つ内面と外面とを有し、前記壁の前記外面が前記外面から外側に膨出している外側コアンダ面を有するバーナータイルと、
燃料ガス源に接続され且つ一次燃料ガスを前記バーナータイルの前記中心開口部に注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている一次燃料ガス注入手段と、
燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記バーナータイルの外側から前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている二次燃料ガス注入手段と、
を備えているガスバーナー装置。
【請求項28】
前記二次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続された外部ガス上昇管であって、第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入するために外部ガス上昇管に接続されている二次燃料ガスノズルを有する外部ガス上昇管を含む、請求項27に記載のガスバーナー装置。
【請求項29】
前記バーナータイルの前記壁の前記外面が、複数の外側コアンダ面を含み、前記外側コアンダ面のそれぞれが、前記外面から外側に膨出しており、前記二次燃料ガス注入手段が、複数の外部ガス上昇管を含み、各外部ガス上昇管が、前記燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面の1つにまたは前記外側コアンダ面の1つに隣接して注入するために各外部ガス上昇管に接続されている二次燃料ガスノズルを有する、請求項27に記載のガスバーナー装置。
【請求項30】
前記外側コアンダ面が、前記バーナータイルの前記壁の前記外面のまわりに完全に延在しており、前記二次燃料ガス注入手段が、複数の外部ガス上昇管を含み、各上昇管が、前記燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面上にまたは隣接して注入するために各上昇管に接続されている二次燃料ガスノズルを有する、請求項27に記載のガスバーナー装置。
【請求項31】
前記バーナータイルの前記壁が、前記壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートをさらに含む、請求項27に記載のガスバーナー装置。
【請求項32】
前記壁の前記内面が、前記バーナータイルの前記中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含む、請求項31に記載のガスバーナー装置。
【請求項33】
前記内側コアンダ面が、前記ガス循環ポートに隣接して前記壁の前記内面に位置づけられている、請求項32に記載のガスバーナー装置。
【請求項34】
前記一次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続されている外部ガス上昇管を含み、前記外部ガス上昇管が、前記外部ガス上昇管に接続され且つ前記バーナータイルの前記壁の外側に位置づけられて一次燃料ガスを前記ガス循環ポートから前記内側コアンダ面上にまたは前記内側コアンダ面に隣接して注入する外部一次燃料ガスノズルを有する、請求項33に記載のガスバーナー装置。
【請求項35】
亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置であって、
前記炉に取り付けるためのハウジングであって、前記ハウジングが、
前記炉に取り付けられ、内部に設けられている空気出口を有する上端と、
前記上端と反対側の下端と、
前記上端と前記下端とを接続する側壁と、を含み、前記側壁および前記下端の少なくとも1つが、内部に設けられている空気入口を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記空気出口から空気を受けるために中心開口部を内部に有するバーナータイルであって、前記タイルが、
前記空気出口を覆って前記ハウジングの前記上端に取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁とを含み、前記壁が、前記炉内にのび且つ内面と、外面と、前記壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートとを有し、前記壁の前記内面が、前記中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含み、前記壁の前記外面が、前記外面から外側に膨出している外側コアンダ面を含むバーナータイルと、
燃料ガス源に接続され且つ一次燃料ガスを前記バーナータイルの前記中心開口部に注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている一次燃料ガス注入手段と、
燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記バーナータイルの外側から前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている二次燃料ガス注入手段と、
を備えているガスバーナー装置。
【請求項36】
前記内側コアンダ面が、前記ガス循環ポートに隣接している前記壁の前記内面に位置づけられている、請求項35に記載のガスバーナー装置。
【請求項37】
前記一次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続されている外部ガス上昇管を含み、前記外部ガス上昇管が、前記外部ガス上昇管に接続され且つ前記バーナータイルの前記壁の外側に位置づけられて一次燃料ガスを前記ガス循環ポートから前記内側コアンダ面上にまたは前記内側コアンダ面に隣接して注入する外部一次燃料ガスノズルを有する、請求項35に記載のガスバーナー装置。
【請求項38】
前記二次燃料ガス注入手段が、前記燃料ガス源に接続された外部ガス上昇管であって、第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入するために外部ガス上昇管に接続されている二次燃料ガスノズルを有する外部ガス上昇管を含む、請求項35に記載のガスバーナー装置。
【請求項39】
前記二次燃料ガス注入手段が、前記一次燃料ガス注入手段の前記外部ガス上昇管と、第二段階燃料ガスを前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入するために前記上昇管に接続されている二次燃料ガス排出ノズルとを含む、請求項38に記載のガスバーナー装置。
【請求項40】
亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置であって、
前記炉に取り付けるためのハウジングであって、前記ハウジングが、
前記炉に取り付けられ、内部に設けられている空気出口を有する上端と、
前記上端と反対側の下端と、
前記上端と前記下端とを接続する側壁とを含み、前記側壁および前記下端の少なくとも1つが、内部に設けられている空気入口を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記燃焼空気出口から空気を受けるために中心開口部を内部に有するバーナータイルであって、前記タイルが、
前記空気出口を覆って前記ハウジングの前記上端に取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁と、を含み、前記壁が、前記炉内にのび且つ内面と、外面と、前記壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートとを有し、前記壁の前記内面が前記中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含むバーナータイルと、
燃料ガス源に接続され且つ一次燃料ガスを前記バーナータイルの前記中心開口部に注入するために前記バーナー装置に動作的に接続され、予混合装置を含む一次燃料ガス注入手段であって、前記予混合装置が、
内部の前記ガス循環ポートの下の前記バーナータイルの前記壁の前記内面のまわりに延在し且つ複数の予混合ガスポートを上部に有する予混合膜と、
前記燃料ガス源に接続された内部ガス上昇管であって、内部ガス上昇管に接続されている内部一次燃料ガス排出ノズルを有する内部ガス上昇管と、前記内部ガス上昇管および一次燃料ガス排出ノズルに動作的に接続され且つ一次燃料ガスと空気との混合物を前記予混合膜内に送るために前記予混合膜に接続されているベンチュリハウジングと、を含むベンチュリ混合器と、を備えている一次燃料ガス注入手段と、
燃料ガス源に接続され且つ第二段階燃料ガスを前記バーナータイルの外側から前記バーナータイルの前記排出口に隣接している点まで注入するために前記バーナー装置に動作的に接続されている二次燃料ガス注入手段と、
を備えているガスバーナー装置。
【請求項41】
前記バーナータイルが、前記タイルの前記中心開口部内から前記ガス循環ポートを通る流体の流れを妨げるために前記ガス循環ポートに位置づけられている循環チョーク手段をさらに含む、請求項40に記載のガスバーナー装置。
【請求項42】
前記循環チョーク手段が、前記バーナータイルの前記壁に取り付けられ且つ上方向に前記ガス循環ポート内にのびる遮蔽体を含む、請求項41に記載のガスバーナー装置。
【請求項43】
バーナープレナムとともに使用され、亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置を形成するバーナータイルであって、前記バーナープレナムが、前記炉に取り付けるためのハウジングであって、内部に設けられている空気出口を有する上端を含むハウジングを含み、前記バーナータイルが、前記プレナムハウジングの前記出口から空気を受けるための中心開口部を内部に有し、前記バーナータイルが、
前記プレナムハウジングの前記上端に、前記上端に設けられている前記空気出口を覆って取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁と、
を備え、前記壁が、前記炉内にのび且つ内面と、外面と、前記壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートとを有し、前記壁の前記内面が、前記中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含むバーナータイル。
【請求項44】
前記内側コアンダ面が、前記ガス循環ポートに隣接している前記壁の前記内面に位置づけられている、請求項43に記載のバーナータイル。
【請求項45】
前記タイルの前記壁の前記内面が、くぼみ部を含み、前記ガス循環ポートおよび前記内側コアンダ面が、前記くぼみ部に位置づけられている、請求項44に記載のバーナータイル。
【請求項46】
前記くぼみ部が、前記内面から外側に前記タイルの前記中心開口部内までのびている両側の側壁を含み、前記両側の側壁が、前記内側コアンダ面が前記中心開口部内までのびるよりもさらに前記中心開口部内までのびている、請求項45に記載のバーナータイル。
【請求項47】
バーナープレナムとともに使用され、亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置を形成するバーナータイルにおいて、前記バーナープレナムが、前記炉に取り付けるためのハウジングであって、内部に設けられている空気出口を有する上端を含むハウジングを含み、前記バーナータイルが、前記プレナムハウジングの前記空気出口から空気を受けるための中心開口部を内部に有し、前記バーナータイルが、
前記プレナムハウジングの前記上端に、前記上端に設けられている前記空気出口を覆って取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁と、
を備え、前記壁が、前記炉内にのび且つ内面と外面とを有し、前記壁の前記外面が、前記外面から外側に膨出している外側コアンダ面を含むバーナータイル。
【請求項48】
前記バーナータイルの前記壁の前記外面が、複数の外側コアンダ面を含み、前記外側コアンダ面のそれぞれが前記外面から外側に膨出している、請求項47に記載のバーナータイル。
【請求項49】
前記外側コアンダ面が、前記バーナータイルの前記壁の前記外面のまわりに完全に延在している、請求項48に記載のバーナータイル。
【請求項50】
バーナープレナムとともに使用され、亜酸化窒素の低含有量を達成しつつ、燃料ガスと空気との混合物を、前記混合物が煙道ガスの存在下で燃焼される炉内に排出するためのガスバーナー装置を形成するバーナータイルにおいて、前記バーナープレナムが、前記炉に取り付けるためのハウジングであって、内部に設けられている空気出口を有する上端を含むハウジングを含み、前記バーナータイルが、前記プレナムハウジングの前記空気出口から空気を受けるための中心開口部を内部に有し、前記バーナータイルが、
前記プレナムハウジングの前記上端に、前記上端に設けられている前記空気出口を覆って取り付けられている底端と、
前記底端と反対側で、排出口を含む最上端と、
前記底端を前記最上端に接続し且つ前記中心開口部を囲む壁と、
を備え、前記壁が、前記炉内にのび且つ内面と、外面と、前記壁を貫通している少なくとも1つのガス循環ポートとを有し、前記壁の前記内面が、前記中心開口部内に膨出している内側コアンダ面を含み、前記壁の前記外面が、前記外面から外側に膨出している外側コアンダ面を含むバーナータイル。
【請求項51】
前記バーナータイルの前記壁が、前記壁を貫通している複数のガス循環ポートを含む、請求項50に記載のバーナータイル。
【請求項52】
前記壁の前記内面が、複数の内側コアンダ面を含み、前記内側コアンダ面のそれぞれが、前記バーナータイルの前記中心開口部内に膨出している、請求項51に記載のバーナータイル。
【請求項53】
前記バーナータイルの前記壁の前記外面が、複数の外側コアンダ面を含み、前記外側コアンダ面のそれぞれが、前記外面から外側に膨出している、請求項52に記載のバーナータイル。
【請求項54】
前記外側コアンダ面が、前記バーナータイルの前記壁の前記外面のまわりに完全に延在している、請求項52に記載のバーナータイル。
【請求項55】
前記タイルが実質的に円形の断面形状を有する、請求項54に記載のバーナータイル。
【請求項56】
ガスバーナー装置とともに使用されるガス先端管であって、
燃料ガス源に接続するためのガスバレルと、
前記ガスバレルに取り付けられるガスそらせ板と、
前記ガスバレルと前記ガスそらせ板との間に配置される燃料ガス出口と、を含み、前記ガスそらせ板がコアンダ面を含む外面を有し、前記コアンダ面が、前記燃料ガス出口から排出された燃料ガスが前記コアンダ面の経路をたどるように前記燃料ガス出口に対して位置づけられるガス先端管。
【請求項57】
炉の炉空間において空気、燃料ガス、及び煙道ガスの混合物を燃焼し、前記炉空間に熱を発生する方法であって、前記炉空間において、前記空気、燃料ガス、及び煙道ガスをこれらの燃焼前に混合するための混合領域を有するガスバーナー装置が使用され、前記方法が、
コアンダ面を前記混合領域に設けることと、
燃料ガスを、煙道ガスを前記混合領域の外側から前記混合領域に導入し且つ前記煙道ガスを前記混合領域において前記空気と燃料ガスと混合させるように、前記コアンダ面上にまたは前記コアンダ面に隣接して注入することと、
前記空気、燃料ガス、及び煙道ガスの混合物を前記混合領域から前記炉空間内に排出することと、
前記混合領域から排出された前記燃焼空気、燃料ガス、及び煙道ガスの混合物を前記炉空間において燃焼すること、
を含む方法。
【請求項58】
前記混合領域が壁によって囲まれ、前記空気、燃料ガス、及び煙道ガスの混合物が、前記炉空間において、前記混合領域から一次反応領域内に排出され、前記方法が、
前記壁の外面に外側コアンダ面を設ける工程と、
第二段階燃料ガスの流れを、煙道ガスを前記流れに導入して二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を生成し且つ前記二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を前記炉空間の二次反応領域において燃焼させるように、前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入する工程と、
をさらに備えている、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
炉の炉空間において空気、燃料ガス、及び煙道ガスの混合物を燃焼し、前記炉空間に熱を発生する方法であって、前記炉空間において、前記空気、燃料ガス、及び煙道ガスをこれらの燃焼前に混合するための混合領域を囲む壁を含むガスバーナー装置が使用され、前記方法が、
前記バーナー装置の壁の外面にコアンダ面を設けることと、
一次燃料ガスを、前記燃料ガスが混合領域において空気と混合するように、前記混合領域に注入することと、
前記空気と燃料ガスとの混合物を前記混合領域から排出することと、
前記混合領域から排出された前記空気と燃料ガスとの混合物を前記炉空間の一次反応領域において燃焼することと、
第二段階燃料ガスの流れを、煙道ガスを前記流れに導入して二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を生成し且つ前記二次燃料ガス/煙道ガスの混合物を前記炉空間の二次反応領域において燃焼させるように、前記外側コアンダ面上にまたは前記外側コアンダ面に隣接して注入すること、
を含む方法。
【請求項60】
前記バーナー装置の壁の内面が、内側コアンダ面を含み、前記混合領域に注入された燃料ガスが、煙道ガスを前記混合領域の外側から前記混合領域に導入し且つ前記煙道ガスを前記空気及び燃料ガスと前記混合領域において混合させるように、前記内側コアンダ面上にまたは前記内側コアンダ面に隣接して注入される、請求項59に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2012−181011(P2012−181011A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−115519(P2012−115519)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2007−156048(P2007−156048)の分割
【原出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(500352889)ジョン ジンク カンパニー,エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】