説明

コネクタの接続構造、ホルダ装置

【課題】ホルダ装置に対する電子機器の装着時に電子機器側のコネクタとホルダ装置側のコネクタとを確実に接続することができると共に、電子機器側のコネクタとホルダ装置側のコネクタとの間に不要な力が作用することを抑制できるコネクタの接続構造及びホルダ装置を提供する。
【解決手段】ハードディスク装置11のコネクタ部32には、ホルダ装置12のコネクタ部25をハードディスク装置11のコネクタ部32に対して位置合わせするようにホルダ装置12のコネクタ部25をガイドする凹部が設けられ、ホルダ装置12のコネクタ部25には、凹部によってガイドされるガイド突起27が設けられる。そして、ハードディスク装置11のコネクタ部32に対してホルダ装置12のコネクタ部25が追随し得ると共に、ガイド突起27が凹部によってガイドされ得る範囲内で、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して変位可能に取着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルダ装置に対する電子機器の挿入時に、電子機器に設けられた第1コネクタのコネクタ端子とホルダ装置に設けられた第2コネクタのコネクタ端子とを電気的に接続させるコネクタの接続構造、及び該コネクタの接続構造によって電子機器に対して電気的に接続されるホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用のナビゲーション装置として、電子機器としてのハードディスク装置をホルダ装置に対して着脱自在に構成されたナビゲーション装置が知られている。こうしたナビゲーション装置では、ハードディスク装置側に設けられたコネクタ、及びホルダ装置側に設けられたコネクタが、それぞれ製造誤差を有していることがある。そのため、ハードディスク装置をホルダ装置に装着する際に、これらのコネクタが位置ずれを生じることにより、両コネクタのコネクタ端子の接続が困難となることがあった。
【0003】
そこで、近年では、ホルダ装置側のコネクタとハードディスク装置側のコネクタとを相対的に変位させるフローティング機構を設けたナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のナビゲーション装置では、ホルダ側の第2コネクタのコネクタ端子に上記のフローティング機構が設けられている。そして、この第2コネクタのコネクタ端子が、ハードディスク装置側の第1コネクタに対する相対的な位置ずれを吸収するように弾性変形する結果、ハードディスク装置をホルダ装置に装着する際に、ハードディスク装置側の第1コネクタのコネクタ端子とホルダ装置側の第2コネクタのコネクタ端子とが確実に接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−35376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、第2コネクタのコネクタ端子の弾性復帰力に従って、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子との間で不要な力が作用することがあった。こうした場合、ハードディスク装置の内部に収容された回路基板と第1コネクタのコネクタ端子とを接合するはんだ付け部、及びホルダ装置の内部に収容された回路基板と第2コネクタのコネクタ端子とを接合するはんだ付け部に対して負荷がかかるため、これらのはんだ付け部の機械的寿命を低下させる虞があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホルダ装置に対する電子機器の装着時に電子機器側のコネクタのコネクタ端子とホルダ装置側のコネクタのコネクタ端子とを確実に接続することができると共に、電子機器側のコネクタのコネクタ端子とホルダ装置側のコネクタのコネクタ端子との間に不要な力が作用することを抑制できるコネクタの接続構造及びホルダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のコネクタの接続構造は、ホルダ装置に対する電子機器の挿入時に、前記電子機器に設けられた第1コネクタのコネクタ端子と前記ホルダ装置に設けられた第2コネクタのコネクタ端子とを電気的に接続させるコネクタの接続構造であって、前記ホルダ装置は、前記電子機器を挿入させるホルダ本体を備えると共に、前記第2コネクタが設けられたコネクタ本体を前記ホルダ本体に対して変位可能に取着し、前記第1コネクタには、前記第2コネクタのコネクタ端子を前記第1コネクタのコネクタ端子に対して位置合わせするように前記第2コネクタをガイドするガイド部が設けられる一方、前記第2コネクタには、当該第2コネクタが変位するときに前記ガイド部によってガイドされる被ガイド部が設けられ、前記コネクタ本体は、前記ホルダ本体に対する前記コネクタ本体の可動域の中心位置を基準位置と設定した場合において、当該基準位置に対して前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位する前記第1コネクタに前記第2コネクタが追随し得ると共に前記被ガイド部が前記ガイド部によってガイドされ得る範囲内で、前記ホルダ本体に対して変位可能に取着される。
【0008】
上記構成によれば、コネクタ本体は、第2コネクタを第1コネクタに対して位置合わせするようにして変位させつつ、ホルダ本体に対して変位する。ここで、コネクタ本体は、被ガイド部がガイド部によってガイドされ得る範囲内でホルダ本体に対して変位可能となっている。そのため、電子機器がホルダ本体に挿入されると、被ガイド部はガイド部によって確実にガイドされる。したがって、ホルダ本体に対する電子機器の挿入時に、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子とを確実に接続することができる。
【0009】
また、コネクタ本体は、第2コネクタが第1コネクタに対して追随し得る範囲内でホルダ本体に対して変位可能となっている。そのため、両コネクタが接続された後に、電子機器がホルダ本体に対して位置ずれを生じて第1コネクタがホルダ本体に対して変位したとしても、第2コネクタは第1コネクタに対して追随するようにホルダ本体に対して変位する。したがって、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子との間に不要な力が作用することを抑制できる。
【0010】
また、本発明のコネクタの接続構造において、前記第1コネクタが前記基準位置に対して前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位可能な変位量と、前記第2コネクタが前記基準位置に対して同方向に変位可能な変位量との合計は、前記ホルダ本体に対する前記電子機器の挿入時に前記ガイド部が前記被ガイド部を同方向に移動させるガイド量よりも小さく、且つ、前記第2コネクタが前記基準位置に対して前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位可能な変位量は、前記第1コネクタが前記基準位置に対して同方向に変位可能な変位量よりも大きい。
【0011】
上記構成によれば、ガイド部による被ガイド部に対するガイド量は、第2コネクタが第1コネクタに対して変位可能な変位量よりも大きく設定されている。そのため、第2コネクタが第1コネクタに対して変位することができる範囲は、被ガイド部がガイド部によってガイドされ得る範囲に制限される。したがって、ホルダ本体に対する電子機器の挿入時に、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子とを確実に接続することができる。
【0012】
また、第2コネクタが基準位置に対して変位可能な変位量は、第1コネクタが基準位置に対して変位可能な変位量よりも大きく設定されている。そのため、両コネクタが接続された後に、電子機器がホルダ本体に対して位置ずれを生じて第1コネクタが基準位置に対して変位したとしても、コネクタ本体は、第2コネクタを第1コネクタに対して追随させるようにホルダ本体に対して変位する。したがって、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子との間に不要な力が作用することを抑制できる。
【0013】
また、本発明のコネクタの接続構造において、前記コネクタ本体には、前記電子機器の挿入方向に貫通する貫通孔が形成されると共に、当該貫通孔には、前記コネクタ本体を前記ホルダ本体に対して取着する取着部材が前記電子機器の挿入方向と交差する方向に隙間を介在させて挿通されており、前記コネクタ本体が前記ホルダ本体に対する可動域の中心位置に配置された状態において前記取着部材と前記貫通孔との間に形成される隙間は、前記電子機器の挿入方向と交差する方向における寸法が、前記コネクタ本体が前記基準位置に対して同方向に変位可能な変位量に相当する。
【0014】
上記構成によれば、取着部材がコネクタ本体をホルダ本体に取着した際、第2コネクタが第1コネクタに対して変位可能な変位量は、ガイド部による被ガイド部に対するガイド量よりも小さく設定される。また、第2コネクタが基準位置に対して変位可能な変位量は、第1コネクタが基準位置に対して変位可能な変位量よりも大きく設定される。そのため、ホルダ本体に対する電子機器の挿入時に、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子とを確実に接続することができると共に、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子との間に不要な力が作用することを抑制できる。
【0015】
また、本発明のコネクタの接続構造において、前記取着部材は、軸方向の基端側に非ねじ部を有すると共に、当該非ねじ部よりも軸方向の先端側に当該非ねじ部よりも小径のねじ部を有する段付きねじであって、前記非ねじ部の軸方向における寸法が同方向における前記貫通孔の寸法よりも大きく設定されると共に、前記非ねじ部と前記貫通孔の内面との間に隙間が介在した状態で前記ねじ部が前記ホルダ本体に対して螺合する。
【0016】
上記構成によれば、コネクタ本体をホルダ本体に対して変位可能に取着する構成を簡便に実現することができる。
また、本発明のコネクタの接続構造において、前記ガイド部は、前記電子機器の挿入方向に対して傾斜したガイド面を有すると共に、前記被ガイド部は、前記ガイド面に対して摺動する被ガイド面を有しており、前記ガイド部による前記被ガイド部のガイド量とは、当該ガイド部による前記被ガイド部のガイド方向における前記ガイド面の寸法と前記被ガイド面の寸法との合計である。
【0017】
上記構成によれば、ガイド部は、当該ガイド部のガイド面を被ガイド部の被ガイド面に対して摺動させることにより、被ガイド部をガイドすることができる。
また、本発明のコネクタの接続構造において、前記ホルダ本体は、前記電子機器の挿入方向と交差する方向において当該電子機器を挟持する挟持部を有する。
【0018】
上記構成によれば、電子機器がホルダ本体に挿入された場合には、電子機器はホルダ本体の挟持部によって挟持されることによってホルダ本体に対して変位不能に装着される。そのため、例えば、外部からホルダ本体に対して振動が伝播した場合であっても、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子とを安定して接続することができる。
【0019】
また、本発明のコネクタの接続構造は、前記ホルダ装置の周囲を囲繞するように当該ホルダ装置を内部に収容する筐体を更に備え、前記コネクタ本体は、前記筐体の内奥側に配置される。
【0020】
上記構成によれば、電子機器をホルダ装置に対して一方向に挿入するだけで、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子とを電気的に接続することができる。したがって、コネクタ本体が筐体の内奥側となる位置に配置される場合であっても、筐体を分解することなく、第1コネクタのコネクタ端子と第2コネクタのコネクタ端子とを簡易な操作で接続することができる。
【0021】
また、本発明のホルダ装置は、電子機器を挿入させるホルダ本体と、前記ホルダ本体に対する前記電子機器の挿入時に、前記電子機器に設けられた第1コネクタのコネクタ端子に対して電気的に接続されるコネクタ端子を有する第2コネクタと、前記第2コネクタが設けられたコネクタ本体を前記ホルダ本体に対して変位可能に取着する取着部材と、を備え、前記第2コネクタには、当該第2コネクタが変位するときに前記第1コネクタに設けられたガイド部によってガイドされる被ガイド部が設けられると共に、前記取着部材は、前記ホルダ本体に対する前記コネクタ本体の可動域の中心位置を基準位置と設定した場合において、当該基準位置から前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位する前記第1コネクタに前記第2コネクタが追随し得ると共に前記被ガイド部が前記ガイド部によってガイドされ得る範囲内で、前記コネクタ本体を前記ホルダ本体に対して変位可能に取着する。
【0022】
上記構成によれば、上記コネクタの接続構造の発明と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態のハードディスク装置及びホルダ装置の分解斜視図。
【図2】ホルダ本体に対するコネクタ本体の取着部位の断面図。
【図3】(a)はハードディスク装置のコネクタ部及びホルダ装置のコネクタ部の平面図、(b)はコネクタ本体がホルダ本体に対して左方向に変位した状態を示す平面図。
【図4】(a)はコネクタ本体がホルダ本体に対して左方向に変位した状態を示す平面図、(b)はコネクタ本体がハードディスク装置に対して左右方向に最も相対変位した状態を示す平面図。
【図5】ガイド突起が凹部の内面によって左右方向にガイドされた状態を示す平面図。
【図6】(a)はハードディスク装置のコネクタ部及びホルダ装置のコネクタ部の側面図、(b)はコネクタ本体がホルダ本体に対して上方向に変位した状態を示す側面図。
【図7】(a)はコネクタ本体がホルダ本体に対して上方向に変位した状態を示す側面図、(b)はコネクタ本体がハードディスク装置に対して上下方向に最も相対変位した状態を示す側面図。
【図8】ガイド突起が凹部の内面によって上下方向にガイドされた状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を車両用のナビゲーション装置に具体化した一実施形態を図1〜図8を参照しながら説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合には、図中における矢印に示す方向を示すものとする。
【0025】
図1は、ナビゲーション装置の構成部品のうち、電子機器としてのハードディスク装置11が装着されるホルダ装置12を分解して示す分解斜視図である。
図1に示すように、ホルダ装置12は、略枠体形状をなすホルダ本体13と、該ホルダ本体13に対して組み付けられるコネクタ本体14とを有している。
【0026】
ホルダ本体13は、矩形板状をなす底板15と、底板15の後方側に位置する端縁から垂直に立設される後板16と、底板15の左右両側に位置する端縁から垂直に立設される一対の側板17とを有している。
【0027】
そして、底板15の上面における略中央位置には、弾性片部18が二箇所に形成されている。これらの弾性片部18は、底板15の上面における左右方向の中央位置を基準として左右に対称な位置に配置されている。また、これらの弾性片部18は、前端側を底板15に対する固定端とすると共に後端側を自由端とする片持ち梁状をなすように形成されている。そして、これらの弾性片部18は、その後端側が前端側の固定端を支点として上下方向に弾性変形可能となっている。なお、これらの弾性片部18は上方に反った形状をなしているため、その後端側が底板15の上面から上方に張り出している。
【0028】
また、後板16における左右方向の略中央位置には、矩形状をなす貫通部20が後板16を前後方向に貫通するように形成されている。また、後板16において貫通部20を挟んで左右両側となる位置には、左右で一対の円形状のねじ孔21が後板16を前後方向に貫通するように形成されている。
【0029】
また、左右一対の側板17の各上端からは、それぞれホルダ本体13における左右方向の中央位置に向けて底板15の上面と平行に延びる延出部22が形成されている。また、ホルダ本体13の前面側には、底板15と一対の側板17及び延出部22によって、ハードディスク装置11をホルダ本体13に挿入可能とする挿入口23が形成されている。そして、ハードディスク装置11は、この挿入口23を通じてホルダ本体13に対して挿入されることによりホルダ本体13に対して装着される。
【0030】
なお、これら一対の側板17は、ハードディスク装置11が挿入口23を通じてホルダ本体13に挿入される際に、当該側板17の内面をハードディスク装置11の左右両側の側面に対して摺動させる。そのため、ハードディスク装置11は、前後方向のスライド移動がこれら一対の側板17によってガイドされるようになっている。
【0031】
また、ハードディスク装置11がホルダ本体13に装着される際には、ホルダ本体13の底板15に設けられた弾性片部18は、ハードディスク装置11の下面に押圧されることによって下方に撓み変形する。そして、ホルダ装置12に対するハードディスク装置11の装着が完了すると、ハードディスク装置11の下面は、弾性片部18の弾性復帰力に従って上方に付勢される。この際、弾性片部18の弾性復帰力は、ハードディスク装置11を弾性片部18と一対の側板17の延出部22との間で上下方向に挟持し得る付勢力として機能する。この点で、本実施形態では、弾性片部18及び側板17の延出部22が、ハードディスク装置11を当該ハードディスク装置11の挿入方向(前後方向)と交差する上下方向に挟持する挟持部として機能する。
【0032】
一方、コネクタ本体14は、矩形板状をなす平板部24と、該平板部24に連結された略矩形板状をなすコネクタ部25(第2コネクタ)とを有している。平板部24は、ホルダ本体13に対して前後方向に対向する前面が、左右方向を長手方向とすると共に、短手方向を上下方向とするように配置される。また、コネクタ部25は、当該コネクタ部25の長手方向を平板部24の長手方向に沿わせると共に、当該コネクタ部25の短手方向を平板部24の短手方向に沿わせるようにして平板部24の前面に連結されている。そして、コネクタ部25は、ホルダ本体13の後板16に形成された貫通部20に対応するように、平板部24の前面の略中央位置に配置されている。なお、本実施形態では、コネクタ部25としてシリアルATA方式のコネクタが設けられている。
【0033】
また、コネクタ部25の前面における略中央位置にはコネクタ端子25a(図3(a)参照)が設けられている。そして、コネクタ端子25aは、図示しないワイヤ、フレキシブルプリント基板に対して圧着や半田付け等によって接続されたり、或いは、図示しないリジッドな中継基板に対して半田付けによって接続されたりする。その結果、コネクタ端子25aは、ハードディスク装置11内における各種の情報処理を実行するメイン基板に対して電気的に接続される。ちなみに、上記のワイヤ、フレキシブルプリント基板、及び中継基板は、コネクタ端子25aの移動を阻害することがないようにしてコネクタ端子25aに対して接続される。
【0034】
また、コネクタ部25には、コネクタ端子25aを挟んで左右両端側となる位置に、被ガイド部としてのガイド突起27がコネクタ部25の前面から前方に突出するように設けられている。これらのガイド突起27の先端部には面取り加工が施されている。そのため、ガイド突起27の先端部には、当該ガイド突起27の基端側から先端側に向かうに連れて左右方向の幅が漸次縮小する被ガイド面としてのテーパ面27a、及び当該ガイド突起27の基端側から先端側に向かうに連れて上下方向の幅が漸次縮小する被ガイド面としてのテーパ面27bが形成されている。
【0035】
また、平板部24の前面には、コネクタ部25を挟んで左右両側となる位置に、矩形状をなす貫通孔28がコネクタ本体14を前後方向に貫通するように形成されている。これらの貫通孔28は、ホルダ本体13の後板16に形成されたねじ孔21に対応する位置に形成されている。そして、コネクタ本体14は、平板部24に形成された貫通孔28とホルダ本体13の後板16に形成されたねじ孔21とを位置合わせした状態で、ホルダ本体13に対して組み付けられている。すなわち、その組み付け状態において、コネクタ本体14のコネクタ部25は、ホルダ本体13の後板16に形成された貫通部20に対して後方側から挿通されると共に、そのコネクタ本体14の後面側から取着部材としての段付きねじ29が貫通孔28に挿通されている。
【0036】
図2に示すように、段付きねじ29は、その軸方向の基端側で略円筒形状をなす非ねじ部としての段付き部30と、当該該段付き部30よりも軸方向の先端側に位置すると共に当該段付き部30よりも小径となる略円筒形状のねじ部31とを有している。そして、段付きねじ29は、貫通孔28に挿通された状態においてコネクタ本体14の前面から前方に突出するねじ部31がホルダ本体13の後板16に形成されたねじ孔21に螺合される。
【0037】
なお、これらのねじ孔21は、後板16に後面側からバーリング加工を施して円形状の陥没部位を形成した後、その陥没した部位の内周面にねじ切りを施すことによって形成される。また、段付きねじ29の段付き部30における直径は、貫通孔28における上下方向及び左右方向の孔径よりも小さくなるように設計されている。そして、段付きねじ29の段付き部30は、貫通孔28の内面との間に上下方向及び左右方向に隙間を介在させた状態で貫通孔28に対して挿通される。また、段付きねじ29の段付き部30の高さは、コネクタ本体14の平板部24における前後方向の厚みよりも若干大きくなるように設計されている。そのため、段付きねじ29のねじ部31がホルダ本体13のねじ孔21に対して螺合することによって段付きねじ29の段付き部30の底面がホルダ本体13の後板16に対して接触すると、コネクタ本体14の平板部24とホルダ本体13の後板16との間には前後方向に若干のクリアランスが確保される。したがって、段付きねじ29が貫通孔28を挿通してホルダ本体13のねじ孔21に対して螺合されると、コネクタ本体14はホルダ本体13に対して上下方向及び左右方向に変位可能に取着される。
【0038】
また、図3(a)に示すように、ハードディスク装置11の後面の略中央位置には、ホルダ装置12のコネクタ部25に対して接続されるコネクタ部32(第1コネクタ)が後方に向けて突出するように設けられている。また、コネクタ部32の先端面となる後面には、当該コネクタ部32の後面から前方に陥入する凹部33がコネクタ部32の左右方向の略全域に亘って延びるように設けられている。そして、この凹部33の内面は、ホルダ装置12側に設けられたコネクタ部25のガイド突起27に対して摺動することにより、当該ガイド突起27を左右方向に変位させるようにガイドするガイド部として機能する。
【0039】
また、凹部33の内奥側に位置する底面33aの略中央位置にはコネクタ端子32aが設けられている。そして、ホルダ装置12に設けられたコネクタ部25の先端が凹部33に対して挿入されると、ホルダ装置12に設けられたコネクタ部25のコネクタ端子25aと、ハードディスク装置11に設けられたコネクタ部32のコネクタ端子32aとが電気的に接続されるようになっている。
【0040】
なお、凹部33の開口縁における左右方向の両端部には、内奥側となる前方側に向かうに連れて左右方向の幅が漸次縮小するガイド面としてのテーパ面34aが形成されている。また同様に、凹部33の開口縁における上下方向の両端部にも、前方側に向かうに連れて上下方向の幅が漸次縮小するガイド面としてのテーパ面34b(図6(a)参照)が形成されている。このテーパ面34bは、凹部33における左右方向の略全域に亘って延びるように設けられている。
【0041】
また、凹部33の底面33aにおける左右方向の両端部には、ホルダ装置12のコネクタ部25に設けられたガイド突起27のテーパ面27aが密接する当接面35aが形成されている。また、凹部33の底面33aには、ホルダ装置12のコネクタ部25に設けられたガイド突起27のテーパ面27bが密接する当接面35b(図6(a)参照)が形成されている。この当接面35bは、凹部33における左右方向の略全域に亘って延びるように設けられている。
【0042】
ところで、ホルダ装置12は、ホルダ本体13に挿入されたハードディスク装置11がホルダ本体13に対して左右方向に相対変位した場合であっても、ホルダ装置12側のコネクタ部25がハードディスク装置11側のコネクタ部32を左右方向にガイドし得るように設計されている。具体的には、コネクタ本体14に形成される貫通孔28の設計誤差、段付きねじ29の設計誤差、及びホルダ本体13の後板16に形成されるねじ孔21の設計誤差を考慮した上で、ホルダ装置12側のコネクタ部25がホルダ本体13に対して変位すべき変位量が算出される。また、この算出値に基づいて、コネクタ本体14における貫通孔28の形成位置や貫通孔28の大きさに関する条件が決定される。そこで、この条件について以下説明する。
【0043】
図3(a)に示すように、コネクタ本体14の上下方向及び左右方向の中心位置には、中心軸線S1が通っている。この中心軸線S1は、ホルダ本体13に対するコネクタ本体14の可動域の中心位置に位置している。そして、この中心軸線S1と貫通孔28の孔縁において当該中心軸線S1から遠い側に位置する孔縁部位との左右方向での距離はA±δAXと表わされる。なお、Aはコネクタ本体14の平板部24に対して貫通孔28を形成する際の貫通孔28の左右方向寸法の設計値を意味すると共に、δAXはコネクタ本体14の平板部24に対して貫通孔28を形成する際の貫通孔28の左右方向での設計誤差を意味している。
【0044】
また、段付きねじ29が貫通孔28の中心に位置した状態で、コネクタ本体14の中心軸線S1と、段付きねじ29の中心軸線S2との左右方向での距離はB±δBXと表わされる。なお、Bはホルダ本体13の後板16に対してねじ孔21を形成する際のねじ孔21の左右方向寸法の設計値を意味すると共に、δBXはホルダ本体13の後板16に対してねじ孔21を形成する際のねじ孔21の左右方向での設計誤差を意味している。
【0045】
また、段付きねじ29の段付き部30の半径はC±δCXと表わされる。なお、Cは段付きねじ29の段付き部30を形成する際の段付き部30の左右方向寸法の設計値を意味すると共に、δCXは段付きねじ29の段付き部30を形成する際の段付き部30の左右方向での設計誤差を意味している。
【0046】
ここで、図3(b)に示すように、コネクタ本体14が貫通孔28の孔縁部位を段付きねじ29の段付き部30に接触させる位置までホルダ本体13に対して左方向に変位したとする。すると、コネクタ本体14の中心軸線S1は左方向に変位する。なお、図3(b)においては、変位前の中心軸線S1を破線で表示すると共に、変位後の中心軸線S1’を二点鎖線で表示している(以下、図4(a)以降の図においても同様)。この場合、貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29の設計誤差を考慮すると、コネクタ本体14が左方向に変位可能な変位量の最大値DXmaxは式1にて表わされる。
[式1]
xmax=(A+δAX)−(B−δBX)−(C−δCX)=(A−B−C)+(δAX+δBX+δCX
また同様に、図4(a)に示すように、貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29の設計誤差を考慮すると、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して左方向に変位可能な変位量の最小値DXminは式2にて表わされる。
【0047】
[式2]
Xmin=(A−δAX)−(B+δBX)−(C−δCX)=(A−B−C)−(δAX+δBX+δCX
そして、式2を式1に代入することによって、式3を得ることができる。
【0048】
[式3]
Xmax=DXmin+2×(δAX+δBX+δCX
また、図4(b)に示すように、ハードディスク装置11がホルダ本体13の左右方向の中心位置に対して右方向に位置ずれし得る位置ずれ量の最大値をEXmaxとする。具体的には、Exmaxは、ハードディスク装置11のコネクタ部32に対して許容し得る中心軸線S1に対する仮想の位置ずれ量として設定されている。この場合、ホルダ装置12側のコネクタ部25がハードディスク装置11側のコネクタ部25に対して左右方向に相対変位し得る相対変位量の最大値はDXmax+EXmaxと表わされる。
【0049】
なお、図5に示すように、ガイド突起27の中心径をF、コネクタ部32の凹部33に形成されたテーパ面34aの左右方向の寸法をG、ガイド突起27の断面中心を通る中心軸線S3とガイド突起27のテーパ面27aとの間の左右方向の距離をH、ガイド突起27の先端部に形成されたテーパ面27aの左右方向の寸法をIとする。この場合、ガイド突起27の中心径Fは式4にて表される。なお、図5においては、ガイドされる前のガイド突起27の中心軸線S3を破線で表示すると共に、左右方向においてガイドされた後のガイド突起27の中心軸線S3’を二点鎖線で表示している。
【0050】
[式4]
=H+I
また、ガイド突起27のテーパ面27aが凹部33の開口縁に位置するテーパ面34aに対して摺動することにより、コネクタ部32の凹部33の内面がガイド突起27を左右方向にガイドするガイド量Xは式5にて表わされる。
【0051】
[式5]
X=F+G−H
そして、式4を式5に代入することによって、式6を得ることができる。
【0052】
[式6]
X=G+I
ここで、ホルダ装置12側のコネクタ部25のガイド突起27がハードディスク装置11側のコネクタ部32の凹部33の内面によって右方向に確実にガイドされ得るためには、式7に示す条件式を満たす必要がある。
【0053】
[式7]
Xmax+EXmax≦X
また、ガイド突起27が凹部33の内面によってガイドされると、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aとハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aとの位置合わせが行われる。そして、この状態で、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aとハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aとが接続される。
【0054】
ここで、これらのコネクタ端子25a,32aが互いに接続された状態で、ハードディスク装置11側のコネクタ部32がホルダ装置12側のコネクタ部25に対して右方向に位置ずれを生じた場合、両コネクタ端子25a,32aの間に不要な力が作用する。そのため、ホルダ装置12側のコネクタ部25は、この位置ずれを確実に吸収するように、ハードディスク装置11側のコネクタ部32に追随してホルダ本体13に対して右方向に変位する必要がある。
【0055】
すなわち、ホルダ装置12側のコネクタ部25におけるホルダ本体13に対する右方向への変位量は、ハードディスク装置11側のコネクタ部32のホルダ本体13に対する右方向への位置ずれ量に対して同程度以上に設定する必要がある。この点、本実施形態では、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aの位置とハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aの位置とが合致した状態、すなわち、段つきねじ29の段付き部30が貫通孔28の中心に位置した状態で、ホルダ装置12側のコネクタ部25がホルダ本体13に対して左右両方向に変位可能な変位量は互いにほぼ同一となっている。したがって、本実施形態では、両コネクタ端子25a,32aの間で不要な力が作用することを回避するためには、式8に示す条件式を満たせばよいこととなる。
【0056】
[式8]
Xmin≧EXmax
そして、式7及び式8を式3に代入することにより、式9に示す条件式を得ることができる。
【0057】
[式9]
Xmax≦DXmin≦X−2×(δAX+δBX+δCX)−EXmax
⇔EXmax≦X/2−(δAX+δBX+δCX
そして、この式9を満たすように、ホルダ本体13がハードディスク装置11に対して許容する変位量EXmaxを設定する。また、設定したEXmaxの値を式7及び式8に代入することによって、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して左方向に変位すべき変位量の最大値DXmax及び最小値DXminを決定する。さらに、決定したDXmaxを式1に代入することにより、若しくは、決定したDXminの値を式2に代入することにより、貫通孔28を形成する際の貫通孔28の設計値A、ねじ孔21を形成する際のねじ孔21の設計値B、及び段付きねじ29の段付き部30を設計する際の段つきねじ29の段付き部30の設計値Cを決定する。
【0058】
そして、このようにして決定された設計値A,B,Cを満たすように貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29を設計する。すると、貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29の設計誤差δAX,δBX,δCXの大小に依存することなく、ホルダ装置12のコネクタ部25がハードディスク装置11のコネクタ部32によって左右方向に確実にガイドされ得るようになる。また同時に、ホルダ装置12のコネクタ部25がハードディスク装置11のコネクタ部32に対して、両コネクタ端子32aにおける左右方向の位置ずれを吸収し得るようにもなる。
【0059】
なお、コネクタ本体14の中心位置を通る中心軸線S1と、貫通孔28の孔縁において当該中心軸線S1に対して左右方向で近い側に位置する孔縁部位との左右方向の距離についても、コネクタ本体14が貫通孔28の孔縁部位を段付きねじ29の段付き部30に接触させる位置までホルダ本体13に対して右方向に変位した場合を想定して同様の手法を用いることにより、適切な設計値を決定することが可能となっている。
【0060】
また同様に、図6(a)に示すように、コネクタ本体14の中心軸線S1と、貫通孔28の孔縁において当該中心軸線S1に対して下方向に位置する孔縁部位との上下方向での距離はA±δAYと表される。なお、Aはコネクタ本体14の平板部24に対して貫通孔28を形成する際の貫通孔28の上下方向寸法の設計値を意味すると共に、δAYはコネクタ本体14の平板部24に対して貫通孔28を形成する際の貫通孔28の上下方向での設計誤差を意味している。
【0061】
また、段付きねじ29が貫通孔28の中心に位置した状態で、コネクタ本体14の中心軸線S1と、段付きねじ29の中心軸線S2との上下方向での距離はB±δBYと表わされる。なお、Bはホルダ本体13の後板16に対してねじ孔21を形成する際のねじ孔21における上下方向寸法の設計値(=B)を意味すると共に、δBYはホルダ本体13の後板16に対してねじ孔21を形成する際のねじ孔21の上下方向での設計誤差を意味している。
【0062】
また、段付きねじ29の段付き部30の半径はC±δCYと表わされる。なお、Cは段つきねじ29の段付き部30を形成する際の段付き部30の上下方向寸法の設計値(=C)を意味すると共に、δCYは段付きねじ29の段付き部30を形成する際の段付き部30の上下方向での設計誤差を意味している。
【0063】
ここで、図6(b)に示すように、コネクタ本体14が貫通孔28の孔縁部位を段付きねじ29の段付き部30に接触させる位置までホルダ本体13に対して上方向に変位したとする。すると、コネクタ本体14の中心軸線S1は上方向に変位する。なお、図6(b)においては、変位前の中心軸線S1を破線で表示すると共に、変位後の中心軸線S1”を二点鎖線で表示している(以下、図6(a)以降の図においても同様)。この場合、貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29の設計誤差を考慮すると、コネクタ本体14が上方向に変位可能な変位量の最大値DYmaxは式10にて表わされる。
[式10]
Ymax=(A+δAY)−(B−δBY)−(C−δCY)=(A−B−C)+(δAY+δBY+δCY
また同様に、図7(a)に示すように、貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29の設計誤差を考慮すると、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して上方向に変位可能な変位量の最小値DYminにて表わされる。
【0064】
[式11]
Ymin=(A−δAY)−(B+δBY)−(C−δCY)=(A−B−C)−(δAY+δBY+δCY
そして、式11を式10に代入することによって、式12を得ることができる。
【0065】
[式12]
Ymax=DYmin+2×(δAY+δBY+δCY
また、図7(b)に示すように、ハードディスク装置11がホルダ本体13の上下方向の中心位置に対して下方向に位置ずれし得る位置ずれ量の最大値をEYmaxとする。具体的には、EYmaxは、ハードディスク装置11のコネクタ部32に対して許容し得る中心軸線S1に対する仮想の位置ずれ量として設定されている。この場合、ホルダ装置12側のコネクタ部25がハードディスク装置11側のコネクタ部25に対して上下方向に相対変位し得る相対変位量の最大値はDYmax+EYmaxと表わされる。
【0066】
なお、図8に示すように、ガイド突起27の中心径をF、コネクタ部32の凹部33に形成されたテーパ面34bの上下方向の寸法をG、ガイド突起27の中心位置を通る中心軸線S3とガイド突起27のテーパ面27bとの間の上下方向の距離をH、ガイド突起27の先端部に形成されたテーパ面27bの上下方向の寸法をIとする。この場合、ガイド突起の中心径Fは式13にて表される。なお、図8においては、ガイドされる前のガイド突起27の中心軸線S3を破線で表示すると共に、上下方向においてガイドされた後のガイド突起27の中心軸線S3”を二点鎖線で表示している。
【0067】
[式13]
=H+I
また、ガイド突起27のテーパ面27bが凹部33の開口縁に位置するテーパ面34bに対して摺動することにより、コネクタ部32の凹部33の内面がガイド突起27を上下方向にガイドするガイド量Yは式14にて表わされる。
【0068】
[式14]
Y=F+G−H
そして、式13を式14に代入することによって、式15を得ることができる。
【0069】
[式15]
Y=G+I
ここで、ホルダ装置12側のコネクタ部25のガイド突起27がハードディスク装置11側のコネクタ部32の凹部33の内面によって上方向に確実にガイドされ得るためには、式16に示す条件式を満たす必要がある。
【0070】
[式16]
Ymax+EYmax≦Y
また、ガイド突起27が凹部33の内面によってガイドされると、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aとハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aとの位置合わせが行われる。そして、この状態で、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aとハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aとが接続される。
【0071】
ここで、これらのコネクタ端子25a,32aが互いに接続された状態で、ハードディスク装置11側のコネクタ部32がホルダ装置12側のコネクタ部25に対して下方向に位置ずれを生じた場合、両コネクタ端子25a,32aの間に不要な力が作用する。そのため、ホルダ装置12側のコネクタ部25は、この位置ずれを確実に吸収するように、ハードディスク装置11側のコネクタ部32に追随してホルダ本体13に対して下方向に変位する必要がある。
【0072】
すなわち、ホルダ装置12側のコネクタ部25におけるホルダ本体13に対する下方向への変位量は、ハードディスク装置11側のコネクタ部32のホルダ本体13に対する下方向への位置ずれ量に対して同程度以上に設定する必要がある。この点、本実施形態では、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aの位置とハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aの位置とが合致した状態、すなわち、段つきねじ29の段付き部30が貫通孔28の中心に位置した状態で、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して上下両方向に変位可能な変位量は互いにほぼ同一となっている。したがって、本実施形態では、両コネクタ端子25a,32aの間で不要な力が作用することを回避するためには、式17に示す条件式を満たせばよいこととなる。
【0073】
[式17]
Ymin≧EYmax
そして、式16及び式17を式12に代入することにより、式18に示す条件式を得ることができる。
【0074】
[式18]
Ymax≦DYmin≦Y−2×(δAY+δBY+δCY)−EYmax
⇔EYmax≦Y/2−(δAY+δBY+δCY
そして、この式18を満たすように、ホルダ本体13がハードディスク装置11に対して許容する変位量EYmaxを設定する。また、設定したEYmaxの値を式16及び式17に代入することによって、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して上方向に変位すべき変位量の最大値DYmax及び最小値DYminを決定する。さらに、決定したDYmaxを式10に代入することにより、若しくは、決定したDYminの値を式11に代入することにより、貫通孔28を形成する際の貫通孔28の設計値A、ねじ孔21を形成する際のねじ孔21の設計値B、及び段付きねじ29の段付き部30を設計する際の段つきねじ29の段付き部30の設計値Cを決定する。
【0075】
そして、このようにして決定された設計値A,B,Cを満たすように貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29を設計する。すると、貫通孔28、ねじ孔21、及び段付きねじ29の設計誤差δAY,δBY,δCYの大小に依存することなく、ホルダ装置12のコネクタ部25がハードディスク装置11のコネクタ部32によって上下方向に確実にガイドされ得るようになる。また同時に、ホルダ装置12のコネクタ部25がハードディスク装置11のコネクタ部32に対して、両コネクタ端子32aにおける上下方向の位置ずれを吸収し得るようにもなる。
【0076】
なお、コネクタ本体14の中心位置を通る中心軸線S1と、貫通孔28の孔縁において当該中心軸線S1に対して上方向に位置する孔縁部位との上下方向の距離についても、コネクタ本体14が貫通孔28の孔縁部位を段付きねじ29の段付き部30に接触させる位置までホルダ本体13に対して下方向に変位した場合を想定して同様の手法を用いることにより、適切な設計値を決定することが可能となっている。
【0077】
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置の作用について説明する。
さて、ハードディスク装置11をホルダ装置12に対して装着する際には、まず、ハードディスク装置11をホルダ本体13の前面側に形成された挿入口23から挿入する。そして、ハードディスク装置11がホルダ本体13の内奥側に押し込まれると、ハードディスク装置11の後面(先端面)に設けられたコネクタ部32が、ホルダ本体13の後板16から前方に突出するように配設されたホルダ装置12のコネクタ部25に対して接近する。
【0078】
また、ホルダ装置12のコネクタ部25がハードディスク装置11のコネクタ部32に対して接近すると、ハードディスク装置11のコネクタ部32は、ホルダ装置12のコネクタ部25の前面からハードディスク装置11側に突出したガイド突起27に対して接近する。すると、ホルダ装置12側に設けられたガイド突起27の先端が、ハードディスク装置11のコネクタ部32の後面に形成された凹部33に対して挿入される。
【0079】
ここで、ホルダ装置12のコネクタ部25におけるガイド突起27のテーパ面27aは、ハードディスク装置11のコネクタ部32において凹部33の開口縁に形成されたテーパ面34aによって左右方向にガイドされ得る位置に配置される。また同様に、ホルダ装置12のコネクタ部25におけるガイド突起27のテーパ面27bは、ハードディスク装置11のコネクタ部32において凹部33の開口縁に形成されたテーパ面34bによって上下方向にガイドされ得る位置に配置される。そのため、ガイド突起27の先端側が凹部33に対して挿入されると、ガイド突起27のテーパ面27aが凹部33のテーパ面34aに対して摺動すると共に、ガイド突起27のテーパ面27bが凹部33のテーパ面34bに対して摺動する。その結果、ホルダ装置12のコネクタ部25には、ハードディスク装置11のコネクタ部32から押圧力が作用するため、ホルダ装置12においては、コネクタ部25を固着したコネクタ本体14がホルダ本体13に対して上下方向及び左右方向に変位する。
【0080】
すなわち、ハードディスク装置11のコネクタ部32がホルダ装置12のコネクタ部25に対して上下方向又は左右方向において位置がずれた状態で挿入されたとしても、ハードディスク装置11のコネクタ部32に設けられた凹部33の内面が、ホルダ装置12のコネクタ部25に設けられたガイド突起27を上下方向及び左右方向にガイドしつつホルダ本体13に対して変位する。そのため、ハードディスク装置11のコネクタ部32とホルダ装置12のコネクタ部25とが互いに位置合わせをされた状態で接続されるため、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aとホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとが確実に接続される。
【0081】
また、ハードディスク装置11のコネクタ部32がホルダ装置12のコネクタ部25に対して接続されると、ホルダ装置12側のコネクタ部25のコネクタ端子25aの位置とハードディスク装置11側のコネクタ部32のコネクタ端子32aの位置とが合致する。すると、段つきねじ29の段付き部30がコネクタ本体14に形成された貫通孔28の中心位置に配置されるように、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して上下方向及び左右方向に変位する。
【0082】
ここで、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して上下方向及び左右方向に変位可能な変位量は、ハードディスク装置11のホルダ本体13に対する同方向への位置ずれ量に対して同程度以上に設定されている。そのため、ホルダ装置12のコネクタ部25とハードディスク装置11のコネクタ部32とが接続された状態で、ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して上下方向及び左右方向に位置ずれを生じたとしても、ホルダ装置12のコネクタ部25をハードディスク装置11のコネクタ部32に対して追随させるように、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して変位する。
【0083】
すなわち、ホルダ装置12のコネクタ部25とハードディスク装置11のコネクタ部32とが互いに接続された状態で、ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して位置ずれを生じたとしても、ホルダ装置12のコネクタ部25はハードディスク装置11のコネクタ部32に対して追随するように変位する。そのため、ホルダ装置12のコネクタ部25とハードディスク装置11のコネクタ部32との間で不要な力が作用することがない。その結果、両コネクタ部25,32のコネクタ端子25a,32aと、当該コネクタ端子25a,32aが接続される回路基板との間の半田付け部に作用する歪み応力が低減される。したがって、ホルダ装置12に対するハードディスク装置11の着脱動作に伴って、これらの半田付け部の機械的寿命が低下することが抑制される。
【0084】
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ホルダ装置12のコネクタ部25は、ホルダ本体13に対して変位しつつハードディスク装置11のコネクタ部32に対して接続される。ここで、ガイド突起27が凹部33の開口縁に形成されたテーパ面34a,34bによってガイドされ得る範囲内で、コネクタ本体14はホルダ本体13に対して変位可能となっている。そのため、ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して挿入されると、ホルダ本体13に対するコネクタ本体14の組み付け調整をすることなく、ガイド突起27が凹部33のテーパ面34a,34bによって確実にガイドされる。したがって、ホルダ装置12に対するハードディスク装置11の挿入時に、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aと、ホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとを確実に接続することができる。
【0085】
また、ホルダ装置12のコネクタ部25がハードディスク装置11のコネクタ部32に対して追随し得る範囲内で、コネクタ本体14はホルダ本体13に対して変位可能となっている。そのため、両コネクタ部25,32が接続された後に、ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して位置ずれを生じることにより、ハードディスク装置11のコネクタ部32がホルダ本体13に対して変位したとしても、ホルダ装置12のコネクタ部25はハードディスク装置11のコネクタ部32に追随するようにホルダ本体13に対して変位する。その結果、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aと、ホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとの間に不要な力が作用することが抑制される。したがって、両コネクタ部25,32のコネクタ端子25a,32aと、当該コネクタ端子25a,32aが接続される回路基板との間の半田付け部に歪み応力が作用することを抑制できる。また、両コネクタ部25,32の間でコネクタ端子25a,32aを介して不要な歪み応力が作用することが抑制されるため、両コネクタ部25,32のコネクタハウジング等が破損することも回避できる。さらに、両コネクタ端子32aの変形が抑制されるため、コネクタ端子25a,32aの変形に伴って各々のコネクタ端子25a,32aが伝送する信号に乱れを生じることはほとんどない。したがって、ホルダ装置12とハードディスク装置11との間における通信速度の信頼性を向上することができる。
【0086】
(2)段付きねじ29が貫通孔28の中心に位置した状態で段つきねじ29と貫通孔28との間に形成される隙間は、ハードディスク装置11の挿入方向と交差する方向における寸法が、凹部33の開口縁に位置するテーパ面34a,34bによるガイド突起27に対する同方向へのガイド量よりも小さく、且つ、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aとホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとが位置合わせをされた状態から、ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して同方向に位置ずれし得る位置ずれ量よりも大きくなっている。
【0087】
そのため、段付きねじ29がコネクタ本体14をホルダ本体13に対して取着した際、コネクタ本体14がホルダ本体13に対して変位可能な変位量は、凹部33のテーパ面34a,34bによるガイド突起27に対するガイド量よりも小さく、且つ、ハードディスク装置11のホルダ本体13に対する位置ずれ量よりも大きく設定される。したがって、ホルダ本体13に対するハードディスク装置11の挿入時に、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aと、ホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとを確実に接続することができると共に、両コネクタ端子25a,32aの間に不要な力が作用することを抑制できる。
【0088】
(3)段つきねじ29は、軸方向の基端側に段付き部30を有すると共に、当該段付き部30よりも軸方向の先端側に当該段付き部30よりも小径のねじ部31を有している。そして、段付きねじ29は、段付き部30と貫通孔28の内面との間に隙間を介在させた状態で、ねじ部31をホルダ本体13に形成されたねじ孔21に対して螺合させる。そのため、コネクタ本体14をホルダ本体13に対して変位可能に取着する構成を簡易な構成で実現することができる。
【0089】
(4)ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して挿入された場合には、ハードディスク装置11は、ホルダ本体13の底板15に形成された弾性片部18、及びホルダ本体13の側板17に形成された延出部22によって上下方向に挟持される。そのため、ハードディスク装置11は、ホルダ本体13に対して変位不能に装着される。したがって、例えば、外部からホルダ本体13に対して振動が伝播した場合であっても、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aと、ホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとを安定して接続することができる。
【0090】
(5)ハードディスク装置11をホルダ装置12に対して一方向に挿入するだけで、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aとホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとが接続される。そのため、ホルダ装置12の周囲を囲繞するようにホルダ装置12を筐体の内部に収容する際に、ホルダ装置12のコネクタ部25が筐体の内奥側となる位置に配置されたとしても、両コネクタ端子25a,32aの接続に際して筐体を分解する必要がない。したがって、ハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aとホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aとを簡易な操作で接続することができる。
【0091】
(6)コネクタ本体14がホルダ本体13に対して移動することによって、ホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aがハードディスク装置11のコネクタ部32のコネクタ端子32aに対して可動とする構成を実現している。すなわち、これらのコネクタ端子25a,32aの間における位置ずれを吸収する際に、ホルダ装置12のコネクタ部25の内部にコネクタ端子25aを可動とするための機構を設けることが不要となる。そのため、ホルダ装置12のコネクタ部25におけるコネクタ端子25aの設計の自由度が確保される。したがって、ホルダ装置12のコネクタ部25のコネクタ端子25aにおいて生じるインピーダンスの不整合を抑制するための構成を取り易くなるため、ホルダ装置12とハードディスク装置11との間における高速伝送を円滑に行うことができる。
【0092】
(7)段付きねじ29は、段付き部30よりも小径となるねじ部31をねじ孔21に対して螺合させる。ここで、ねじ孔21は、ホルダ本体13の後板16に対してバーリング加工を施すことによって、ホルダ本体13の後板16に円形状の陥没部位を形成した後に、その内周面にねじ切りを施すことによって形成されている。そのため、段付きねじ29をねじ孔21に螺合させる際に、段付きねじ29の段付き部30がねじ孔21に引き込まれることを防止できる。
【0093】
(8)ハードディスク装置11がホルダ本体13に挿入されると、ホルダ本体13は一対の側板17の内面をハードディスク装置11の側面に対して摺動させる。したがって、ホルダ本体13は、ハードディスク装置11の挿入方向におけるスライド移動を一対の側板17によってガイドすることができる。
【0094】
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、ハードディスク装置11のコネクタ部32にガイド突起を設けると共に、ホルダ装置12のコネクタ部25に当該ガイド突起が嵌合する凹部を設けてもよい。この場合、ハードディスク装置11のコネクタ部32に設けられたガイド突起がガイド部として機能すると共に、ホルダ装置12のコネクタ部25に設けられた凹部がガイド突起に対して摺動する被ガイド部として機能する。また、各々のコネクタ部25,32に設けられるガイド部及び被ガイド部は、互いに凹凸嵌合可能な構成であれば任意の構成を採用することができる。
【0095】
・上記実施形態において、ホルダ本体13の内面に押し当てばねを配設するようにしてもよい。この場合、ハードディスク装置11がホルダ本体13に対して挿入された際に、押し当てばねがハードディスク装置11の側面をホルダ本体13の内面に押し当てるように付勢する。その結果、ハードディスク装置11は、押し当てばねとホルダ本体13の内面とによって、当該ハードディスク装置11の挿入方向と交差する上下方向又は左右方向に挟持されることにより、ホルダ本体13に対して変位不能に装着される。ただし、押し当てばねは必須の構成ではなく、この押し当てばねを省略した構成としてもよい。
【0096】
・上記実施形態において、ハードディスク装置11のコネクタ部32、及びホルダ装置12のコネクタ部25として、パラレルATA方式等の他の通信方式のコネクタを用いてもよい。
【0097】
・上記実施形態において、コネクタ本体14に形成される貫通孔28の形状は矩形状に限定されず、段付きねじ29の段付き部30との間に隙間が介在する形状であれば、任意の形状を採用することができる。
【0098】
・上記実施形態において、コネクタ本体14をホルダ本体13に対して取着する取着部材は段付きねじ29に限定されず、通常形態のねじ等を用いてもよい。
・上記実施形態において、ホルダ装置12に装着される電子機器はハードディスク装置11に限定されない。すなわち、ホルダ装置12のコネクタ部25に対して接続されるコネクタ部を有する電子機器であれば、任意の電子機器を採用することができる。
【0099】
・上記実施形態において、ホルダ装置12は、ホルダ本体13が上下方向に反転した構成としてもよい。すなわち、ホルダ装置12は、底板15が後板16及び側板17よりも上方に位置するように配置されたホルダ本体13に対してハードディスク装置11を挿入する構成としてもよい。
【0100】
・上記実施形態において、ホルダ本体13は、一対の側板17から後板16を延設すると共に、段付きねじ29のねじ部31を螺合させるねじ孔21を当該後板16に対して形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
11…電子機器としてのハードディスク装置、12…ホルダ装置、13…ホルダ本体、14…コネクタ本体、18…挟持部を構成する弾性片部、22…挟持部を構成する延出部、25…第2コネクタとしてのコネクタ部、25a…コネクタ端子、27…被ガイド部としてのガイド突起、27a…被ガイド面としてのテーパ面、27b…被ガイド面としてのテーパ面、29…取着部材としての段つきねじ、30…非ねじ部としての段つき部、31…ねじ部、32…第1コネクタとしてのコネクタ部、32a…コネクタ端子、33…ガイド部としての凹部、34a…ガイド面としてのテーパ面、34b…ガイド面としてのテーパ面、X…ガイド量、Y…ガイド量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダ装置に対する電子機器の挿入時に、前記電子機器に設けられた第1コネクタのコネクタ端子と前記ホルダ装置に設けられた第2コネクタのコネクタ端子とを電気的に接続させるコネクタの接続構造であって、
前記ホルダ装置は、
前記電子機器を挿入させるホルダ本体を備えると共に、前記第2コネクタが設けられたコネクタ本体を前記ホルダ本体に対して変位可能に取着し、
前記第1コネクタには、前記第2コネクタのコネクタ端子を前記第1コネクタのコネクタ端子に対して位置合わせするように前記第2コネクタをガイドするガイド部が設けられる一方、
前記第2コネクタには、当該第2コネクタが変位するときに前記ガイド部によってガイドされる被ガイド部が設けられ、
前記コネクタ本体は、前記ホルダ本体に対する前記コネクタ本体の可動域の中心位置を基準位置と設定した場合において、当該基準位置に対して前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位する前記第1コネクタに前記第2コネクタが追随し得ると共に前記被ガイド部が前記ガイド部によってガイドされ得る範囲内で、前記ホルダ本体に対して変位可能に取着されることを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタの接続構造において、
前記第1コネクタが前記基準位置に対して前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位可能な変位量と、前記第2コネクタが前記基準位置に対して同方向に変位可能な変位量との合計は、前記ホルダ本体に対する前記電子機器の挿入時に前記ガイド部が前記被ガイド部を同方向に移動させるガイド量よりも小さく、且つ、
前記第2コネクタが前記基準位置に対して前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位可能な変位量は、前記第1コネクタが前記基準位置に対して同方向に変位可能な変位量よりも大きいことを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタの接続構造において、
前記コネクタ本体には、前記電子機器の挿入方向に貫通する貫通孔が形成されると共に、当該貫通孔には、前記コネクタ本体を前記ホルダ本体に対して取着する取着部材が前記電子機器の挿入方向と交差する方向に隙間を介在させて挿通されており、
前記コネクタ本体が前記ホルダ本体に対する可動域の中心位置に配置された状態において前記取着部材と前記貫通孔との間に形成される隙間は、前記電子機器の挿入方向と交差する方向における寸法が、前記コネクタ本体が前記基準位置に対して同方向に変位可能な変位量に相当することを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタの接続構造において、
前記取着部材は、軸方向の基端側に非ねじ部を有すると共に、当該非ねじ部よりも軸方向の先端側に当該非ねじ部よりも小径のねじ部を有する段付きねじであって、
前記非ねじ部の軸方向における寸法が同方向における前記貫通孔の寸法よりも大きく設定されると共に、前記非ねじ部と前記貫通孔の内面との間に隙間が介在した状態で前記ねじ部が前記ホルダ本体に対して螺合することを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のコネクタの接続構造において、
前記ガイド部は、前記電子機器の挿入方向に対して傾斜したガイド面を有すると共に、
前記被ガイド部は、前記ガイド面に対して摺動する被ガイド面を有しており、
前記ガイド部による前記被ガイド部のガイド量とは、当該ガイド部による前記被ガイド部のガイド方向における前記ガイド面の寸法と前記被ガイド面の寸法との合計であることを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のコネクタの接続構造において、
前記ホルダ本体は、前記電子機器の挿入方向と交差する方向において当該電子機器を挟持する挟持部を有することを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載のコネクタの接続構造において、
前記ホルダ装置の周囲を囲繞するように当該ホルダ装置を内部に収容する筐体を更に備え、
前記コネクタ本体は、前記筐体の内奥側に配置されることを特徴とするコネクタの接続構造。
【請求項8】
電子機器を挿入させるホルダ本体と、
前記ホルダ本体に対する前記電子機器の挿入時に、前記電子機器に設けられた第1コネクタのコネクタ端子に対して電気的に接続されるコネクタ端子を有する第2コネクタと、 前記第2コネクタが設けられたコネクタ本体を前記ホルダ本体に対して変位可能に取着する取着部材と、
を備え、
前記第2コネクタには、当該第2コネクタが変位するときに前記第1コネクタに設けられたガイド部によってガイドされる被ガイド部が設けられると共に、
前記取着部材は、前記ホルダ本体に対する前記コネクタ本体の可動域の中心位置を基準位置と設定した場合において、当該基準位置から前記電子機器の挿入方向と交差する方向に変位する前記第1コネクタに前記第2コネクタが追随し得ると共に前記被ガイド部が前記ガイド部によってガイドされ得る範囲内で、前記コネクタ本体を前記ホルダ本体に対して変位可能に取着することを特徴とするホルダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−216359(P2011−216359A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84025(P2010−84025)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】