コネクタ及び照明装置
【課題】何らかの原因により電線を引っ張る力が生じたとしても、部品点数を増やさずにコンタクト結線部の塑性変形を防ぐコネクタ及び照明装置を提供する。
【解決手段】コンタクト3とコンタクトを保持するハウジング51とを備えているコネクタにおいて、コンタクトは、基板22に接触する接触部32と、ケーブルが接続される接続部37と、接触部と接続部とを連結する連結部38とを有し、ハウジングは、接触部を収容するハウジング本体51と、ハウジング本体の外面に形成され、接続部を保持する保持部52とを有し、連結部が折れ曲がっている。さらに、ハウジング本体と保持部とが一体形成されている、連結部がほぼ180度湾曲し、保持部がハウジング本体の正面、背面又は側面側のいずれかに位置する、連結部がほぼ90度湾曲し、保持部がハウジング本体の底面側に位置する、などを特徴とする、コネクタ及び照明装置。
【解決手段】コンタクト3とコンタクトを保持するハウジング51とを備えているコネクタにおいて、コンタクトは、基板22に接触する接触部32と、ケーブルが接続される接続部37と、接触部と接続部とを連結する連結部38とを有し、ハウジングは、接触部を収容するハウジング本体51と、ハウジング本体の外面に形成され、接続部を保持する保持部52とを有し、連結部が折れ曲がっている。さらに、ハウジング本体と保持部とが一体形成されている、連結部がほぼ180度湾曲し、保持部がハウジング本体の正面、背面又は側面側のいずれかに位置する、連結部がほぼ90度湾曲し、保持部がハウジング本体の底面側に位置する、などを特徴とする、コネクタ及び照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタ及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図18〜図23に示すように、ハウジング403と一対のコンタクト405(但し、図18には1つのコンタクト405だけが表れている。)と支持部材(図示せず)と弾性ゴム管408とカバー409とを備えているコネクタ401が知られている(下記特許文献1参照)。コネクタ401はプリント基板421と電線422とを電気的に接続するものである。なお、図18〜図23、図24、図25はそれぞれ下記特許文献1の図1〜図6、図9、図10に対応する。但し、図中の符号は変更され、一部の符号は削除されている。
【0003】
図24に示すように、コンタクト405は、第1固定部451と第2固定部452と一対の連結部453(但し、図24には1つの連結部453だけが表れている。)と接触部454と結線部455とを有する。接触部454はプリント基板421の端子部414に接触する。結線部455には電線422が結線される。図24に示すように、第1固定部451は嵌合離脱方向D11へ延びている。
【0004】
接触部454は第1固定部451から前方へ延び、第1固定部451の後端の方へ折り返されている。
【0005】
結線部455は第1固定部451に連なり、ハウジング403の第1支持部431の厚さ方向に沿って延びている。図24に示すように、結線部455は第1固定部451の長手方向に対して直角方向へ折れ曲がっている。
【0006】
図25に示すように、カバー409はカバー本体491と一対のコンタクト支持部492と一対のゴム管支持部493と一対の係合片494とを有する。
【0007】
カバー本体491はほぼ板状である。一対のコンタクト支持部492はほぼL字形であり、それぞれカバー本体491の内面の上端近傍から下端にかけて形成されている。コンタクト支持部492はコンタクト405の結線部455を支持する。一対の係合片494はほぼ板状であり、それぞれカバー本体491の両側部に連結されている。係合片494には係合孔441が形成されている。
【0008】
図20に示すように、カバー409の係合孔441をハウジング403の係合突起472に係合させてカバー409をハウジング403に固定すると、コンタクト405の結線部455と弾性ゴム管408とがハウジング403とカバー409とによって支持される。
【0009】
したがって、何等かの原因により電線422を引っ張る力が生じたとしても結線部455は塑性変形しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−165627号公報(段落0025、0036、0040、0041、0044、0045、0051、図1〜図6、図9、図10等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、従来のコネクタでは、コンタクト405の結線部455をカバー409で支持する構造が採用されているので、コネクタの部品点数が多くなる。
【0012】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、部品点数を増やさずにコンタクトの塑性変形を防ぐことができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、コンタクトと前記コンタクトを保持するハウジングとを備えているコネクタにおいて、前記コンタクトは、基板に接触する接触部と、ケーブルが接続される接続部と、前記接触部と前記接続部とを連結する連結部とを有し、前記ハウジングは、前記接触部を収容するハウジング本体と、前記ハウジング本体の外面に形成され、前記接続部を保持する保持部とを有し、前記連結部が折れ曲がっていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記ハウジング本体と前記保持部とが一体形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記連結部がほぼ180度湾曲し、前記保持部が前記ハウジング本体の正面、背面又は側面側のいずれかに位置することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記連結部がほぼ90度湾曲し、前記保持部が前記ハウジング本体の底面側に位置することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記コンタクトは、前記接触部と対向し、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたときに前記接触部からの押圧力を受ける対向部を有することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のコネクタにおいて、前記ハウジング本体の内壁部に前記対向部を挿入する挿入孔が形成され、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたとき、前記接触部と前記対向部とで前記基板と前記内壁部の一部とが挟持されることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載のコネクタにおいて、前記接触部は、前記基板に押し付けられる接点部と、この接点部に連なり、前記ハウジング本体内に挿入される前記基板の一部を前記接点部に誘う誘い部とを有し、前記コンタクトは、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されるときに前記誘い部の先端部を保護する保護部を有することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明の照明装置は、LEDが実装された前記基板と、この基板が搭載されるシャーシと、このシャーシに搭載される請求項1〜7のいずれか1項記載のコネクタとを備えていることを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明の照明装置は、前記シャーシに形成された孔を通じて前記基板と請求項8記載のコネクタとが接続され、前記ハウジング本体に前記孔を塞ぐフランジ部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、部品点数を増やさずにコンタクトの塑性変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の照明装置の分解斜視図である。
【図2】図2は図1に示す照明装置の斜視図である。
【図3】図3は図1に示す照明装置を斜め下方から見た斜視図である。
【図4】図4はシャーシ及びプリント基板の斜視図である。
【図5】図5はコネクタの斜視図である。
【図6】図6は図5に示すコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
【図7】図7は図5に示すコネクタの底面図である。
【図8】図8はコンタクトの斜視図である。
【図9】図9は図8に示すコンタクトの側面図である。
【図10】図10は図5に示すコネクタの分解斜視図である。
【図11】図11は図1に示す照明装置のコネクタの周辺部分を斜め下方から見たときの斜視図である。
【図12】図12は図11に示すコネクタの周辺部分の側面図である。
【図13】図13は図11に示すコネクタの周辺部分の断面図である。
【図14】図14はプリント基板をコネクタに挿入する前の正面図である。
【図15】図15はプリント基板をコネクタに挿入した後の正面図である。
【図16】図16はプリント基板をコネクタに挿入した後の断面図である。
【図17】図17はこの発明の第2実施形態の照明装置のコネクタの断面図である。
【図18】図18は従来のコネクタをプリント基板に装着し、かつそれらを切断した状態を示す斜視図である。
【図19】図19は図18に示すコネクタ及びプリント基板の平面図である。
【図20】図20は図18に示すコネクタをプリント基板に装着する前の状態を示す斜視図である。
【図21】図21は図18に示すコネクタの正面図である。
【図22】図22は図18に示すコネクタの平面図である。
【図23】図23は図18に示すコネクタのハウジングの斜視図である。
【図24】図24は図18に示すコネクタのコンタクトの斜視図である。
【図25】図25は図18に示すコネクタのカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
まず、この発明の第1実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。
【0026】
図1、図2、図3に示すように、照明装置20は、コネクタ1と10個のLED(発光ダイオード)21と2つのプリント基板(基板)22とシャーシ23と導光板24と反射シート25と電源装置26とを備えている。照明装置20は例えば液晶ディスプレイ装置のバックライトに用いられる。
【0027】
図14に示すように、プリント基板22は挿入部22aを有する。挿入部22aはプリント基板22の一端部に位置し、プリント基板22の長手方向と直交する方向へ突出している。挿入部22aはコネクタ1に挿入される。挿入部22aの一側部には切欠22bが形成され、挿入部22aの他側部には係合部22cが形成されている。また、挿入部22aには2つのパッド22dが形成されている。各プリント基板22には5つのLED21が等間隔に実装されている。
【0028】
図4に示すように、シャーシ23はシャーシ本体23aと一対の折り曲げ片23b,23cとを有する。シャーシ本体23aは平板状である。折り曲げ片23bはシャーシ本体23aの一側部に連なる。折り曲げ片23cはシャーシ本体23aの他側部に連なる。折り曲げ片23bと折り曲げ片23cとは対向する。シャーシ本体23aと折り曲げ片23bとの連結部分には孔23dが形成されている。孔23dにはプリント基板22の挿入部22aが通される。
【0029】
図1、図2に示すように、導光板24はシャーシ23のシャーシ本体23a上に配置され、LED21から出射された光を折り曲げ片23cの方へ導く。反射シート25はシャーシ本体23aと導光板24との間に配置される。反射シート25は導光板24からの光を反射する。
【0030】
図3に示すように、電源装置26は、プリント基板26aと、プリント基板26aに実装された複数の電子部品26bとで構成され、LED21に電力を供給する。電源装置26はシャーシ本体23aの裏面(シャーシ本体23aの導光板24が配置される面と反対側の面)に装着されている。
【0031】
図5、図6、図7に示すように、コネクタ1はコンタクト3とハウジング5とを備えている。
【0032】
図8、図9に示すように、コンタクト3はコンタクト本体31と接続部37と連結部38とを有する。コンタクト3は金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。コンタクト本体31は一対の接触部32と保護部33と一対の対向部34と一対の本体連結部35と一対の押し当て部36とを有する。
【0033】
各接触部32はコンタクト挿入方向D1へ延びている。接触部32は接点部32aと誘い部32b、ばね部32cとを有する。接点部32aはプリント基板22のパッド22dに接触する。誘い部32bは接点部32aの前部(コンタクト挿入方向D1で前側の部分)に連なり、コンタクト挿入方向D1に対して傾いている。ばね部32cは接点部32aの後部(コンタクト挿入方向D1で後側の部分)に連なる。ばね部32cは接点部32aをプリント基板22のパッド22dの方へ押圧する。
【0034】
保護部33はコンタクト挿入方向D1へ延びている。保護部33の横断面はほぼU字形である。保護部33の前端部(コンタクト挿入方向D1で前側の端部)には一対の保護板33aが形成されている。保護板33aはコンタクト挿入方向D1で接触部32の誘い部32bの前方に位置する。保護部33には孔33bが形成されている(図10、図13参照)。
【0035】
各対向部34の横断面形状はほぼL字形であり、各対向部34はコンタクト挿入方向D1へ延びている。接触部32と対向部34との間にプリント基板22の挿入部22aが挿入されたとき、対向部34は接触部32に押圧されたプリント基板22の挿入部22aを支える。
【0036】
各本体連結部35は接触部32と保護部33と対向部34とを連結する。
【0037】
各押し当て部36はほぼ板状であり、本体連結部35の後端部(コンタクト挿入方向D1で後側の端部)に連なる(図7参照)。
【0038】
接続部37は導線接続部37aと被覆接続部37bとを有する。導線接続部37aは圧着によりケーブル7の導線7aに接続される(図7、図13参照)。被覆接続部37bは圧着によりケーブル7の被覆7bに接続される(図7、図13参照)。
【0039】
連結部38はコンタクト本体31と接続部37とを連結する。連結部38はU字状にほぼ180度折り曲げられている。
【0040】
図5、図6、図7に示すように、ハウジング5は合成樹脂で形成され、ハウジング本体51と4つの保持部52とフランジ部53と2つのロック部54とを有する。ハウジング本体51と保持部52とフランジ部53とロック部54とは一体に形成されている。
【0041】
ハウジング本体51の前端部(コンタクト挿入方向D1で前側の端部)には嵌入部51aが形成されている。嵌入部51aはシャーシ23の孔23dに挿入される。ハウジング本体51の後部(コンタクト挿入方向D1で後側の部分)には4つの収容部51bが形成されている。収容部51bはコンタクト本体31の後部(コンタクト挿入方向D1で後側の部分)を収容する(図13参照)。ハウジング本体51の前部(コンタクト挿入方向D1で前側の部分)には2つの受容部51cが形成されている。各受容部51cは2つの収容部51bに通じている。受容部51cはコンタクト本体31の前部及びプリント基板22の挿入部22aを受け容れる。ハウジング本体51の2つの受容部51cの間にはガイド部51dが形成されている(図16参照)。ハウジング本体51の受容部51cの内壁部にはランス51eが形成されている(図13参照)。ランス51eはコンタクト挿入方向D1へ延びている。また、ハウジング本体51の受容部51cの内壁部には挿入孔51gが形成されている(図13参照)。挿入孔51gはコンタクト挿入方向D1へ延びている。ハウジング本体51の側面には溝51fが形成されている(図16参照)。溝51fはコンタクト挿入方向D1へ延びている。
【0042】
各保持部52はハウジング本体51の正面側に一体に形成されている。保持部52はコンタクト3の接続部37を保持する。保持部52は一対の突起部52aを有する。一対の突起部52aの間隔はケーブル7の外径よりも大きく、被覆接続部37bの幅よりも小さい(図7参照)。
【0043】
フランジ部53はハウジング本体51の外周面に一体に形成されている。
【0044】
各ロック部54はハウジング本体51の側面に一体に形成されている。ロック部54はほぼ板状であり、操作部54aと爪部54bとヒンジ部54cとを有する。ロック部54はハウジング本体51の側面に対向する。操作部54aはロック部54の後部側に形成される。爪部54bはロック部54の前部側に形成され、ハウジング本体51の側面に向って突出しているロック爪54dを有する。ヒンジ部54cはほぼ板状であり、弾性変形可能であり、操作部54aと爪部54bとをシーソー運動可能にハウジング本体51に連結する。
【0045】
コンタクト3をハウジング5に装着するには、予め導線接続部37aをケーブル7の導線7aに圧着するとともに被覆接続部37bをケーブル7の被覆7bに圧着してケーブル7を接続部37に接続しておき、図10に示すように、コンタクト3のコンタクト本体31をコンタクト挿入方向D1に沿ってハウジング5の収容部51bに挿入する。このとき、コンタクト3の対向部34をハウジング5の挿入孔51gに挿入し、コンタクト3の押し当て部36(図13参照)を指又は治具(図示せず)で押圧する。
【0046】
ハウジング5に装着されたコンタクト3は、ハウジング5のランス部51eの先端部がコンタクト3の孔33bに嵌ることにより(図13参照)、ハウジング5にロックされる。
【0047】
コンタクト3がハウジング5に装着されたとき、コンタクト3の接続部37はコンタクト挿入方向D1から保持部52に収容され、保持される。その結果、ケーブル7が引っ張られても、接続部37はほとんど動かず、連結部38が変形しない。
【0048】
図11、図12に示すように、コネクタ1はシャーシ23のシャーシ本体23aの裏面側に配置される。このとき、コネクタ1のハウジング5の嵌入部51aはシャーシ23の孔23dに挿入され、ハウジング5のフランジ部53はシャーシ23の孔23dを塞ぐ。
【0049】
LED21が実装されたプリント基板22をコネクタ1に接続するには、図14に示すように、プリント基板22の挿入部22aを基板挿入方向D2に沿ってコネクタ1の受容部51c(図5参照)に挿入すればよい。このとき、プリント基板22の切欠22bがハウジング5のガイド部51dに嵌まることにより、プリント基板22が基板挿入方向D2へ案内される。また、プリント基板22の係合部22cはハウジング5の溝51f(図16参照)に挿入され、溝51f内を移動する。係合部22cの一部分は溝51fからハウジング本体51の外へ突出する。係合部22cが溝51f内を基板挿入方向D2に沿って移動するとき、係合部22cはロック部54の爪部54bのロック爪54dを押し退けて進み、係合部22cが爪部54bのロック爪54dを通過すると、爪部54bがヒンジ部54cの復元力によって元の位置に戻る。その結果、係合部22cが爪部54bのロック爪54dに引っ掛かり、プリント基板22がコネクタ1にロックされる(図15、図16参照)。
【0050】
プリント基板22の挿入部22aをコネクタ1の受容部51cに挿入するとき、コンタクト3の保護部33の保護板33aによって挿入部22aの先端部がコンタクト3の接触部32の誘い部32bの先端部に突き当たらない。挿入部22aの先端部が保護板33aを通過すると、接触部32の誘い部32bが挿入部22aを接点部32aへ誘う。
【0051】
プリント基板22とコネクタ1とを分離するには、操作部54aの後部を指(図示せず)で押圧して係合部22cと爪部54bとの係合を解除し、プリント基板22の挿入部22aをコネクタ1の受容部51cから引き抜けばよい。
【0052】
この実施形態によれば、ハウジング5に形成された保持部52でコンタクト3の接続部37が保持されるので、何等かの原因でケーブル7が引っ張られても、接続部37が移動せず、連結部38の変形を防止することができる。したがって、連結部38の変形を防止するためのカバーが不要になり、コネクタ1の部品点数を減らすことができ、コストを低減することができる。
【0053】
コンタクト3は対向部34を有するので、接触部32のばね部32cのばね力(押圧力)をプリント基板22を介して対向部34が受け止めることができ、接触部32のプリント基板22に対する接触安定性を高めることができる。更に、プリント基板22と対向部34との間に挿入孔51gが形成されている内壁部の一部51hを介する構成なので、プリント基板22の挿入抜去に際してプリント基板22を傷付けることを低減できる。
【0054】
また、コンタクト3は保護部33を有するので、プリント基板22の挿入部22aをコネクタ1の受容部51cに挿入するときに、プリント基板22の挿入部22aによって接触部32の先端部分(相手側の端部)が押圧されて変形(例えば座屈)することを防止することができる。
【0055】
更に、コネクタ1のハウジング5にフランジ部53を設けたので、フランジ部53によってシャーシ23の孔23dを塞ぐことができ、電源装置26側からLED21側へ塵埃が侵入するのを防止できる。更に、孔23dを塞ぐための専用部品を必要としないので、コストを低減することができる。
【0056】
また、プリント基板22の挿入部22aをシャーシ23の孔23dを通じてコネクタ1に接続し、シャーシ23のシャーシ本体23aの裏面側からコンタクト3をハウジング5に装着できるようにしたので、ケーブル7の結線作業をシャーシ23の電源装置26側だけで行うことができ、その結線作業が簡単になる。
【0057】
次に、この発明の第2実施形態の照明装置を図17に基づいて説明する。第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、第1実施形態と相違する部分についてだけ説明する。
【0058】
図17に示すように、第2実施形態の照明装置220では、コネクタ201のコンタクト203の連結部238がL字状にほぼ90°折り曲げられている。ハウジング205の保持部252はハウジング本体251の底面側に形成され、コンタクト挿入方向D1と直交する方向へ延びている。
【0059】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0060】
また、第1実施形態では、コンタクト挿入方向D1に対して平行な面であるハウジング本体51の正面側に保持部52を形成し、コンタクト3の連結部38をU字状に180度折り曲げ、第2実施形態では、コンタクト挿入方向D1に対して直角な面であるハウジング本体51の底面側に保持部252を形成し、コンタクト203の連結部238をL字状に90度折り曲げたが、連結部の折曲げ角度は180度、90度に限定されない。コンタクト挿入方向D1に対して傾斜するようにハウジング本体の外面(図示せず)に保持部を形成することにより、連結部の折曲げ角度を90度〜180度の範囲で任意の角度に設定することができる。
【0061】
なお、上述の実施形態では、保持部52をハウジング本体51の正面側に、保持部252をハウジング本体251の底面側にそれぞれ形成したが、保持部の位置はこれらに限られず、ハウジング本体の外面、すなわち正面、背面、側面、底面のいずれでもよく、正面や底面に限定されない。
【0062】
また、上述の実施形態では、ハウジング本体51と保持部52,252とを一体形成したが、ハウジング本体51と保持部52,252とを別々に形成し、両者を一体的に結合してもよい。
【0063】
なお、上述の実施形態では、シャーシ23の孔23dを通じてコネクタ1,201とプリント基板22とを接続するようにしたが、必ずしも孔23dを通じてコネクタ1,201とプリント基板22とを接続する必要はない。孔23dを通じてコネクタ1,201とプリント基板22とを接続しない場合、コネクタ1のハウジング5,205のハウジング本体51にフランジ部53を設けなくてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、コンタクト3,203の接触部32は本体連結部35を介して連結部38,238に連結されているが、保護部33や対向部34や押し当て部36を採用しない構成のコンタクト(図示せず)の場合には接触部32を連結部38,238に直接連結してもよい。
【0065】
なお、上述の実施形態では、2つのプリント基板22を用いたが、10個のLED21を実装することが可能な1つのプリント基板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1,201:コネクタ
20,220:照明装置
21:LED、22:プリント基板(基板)
22a:挿入部、22b:切欠、22c:係合部、22d:パッド
23:シャーシ
23a:シャーシ本体、23b:折り曲げ片、23c:折り曲げ片、23d:孔
24:導光板
25:反射シート
26:電源装置
26a:プリント基板、26b:電子部品
3,203:コンタクト
31:コンタクト本体
32:接触部
32a:接点部、32b:誘い部、32c:ばね部
33:保護部
33a:保護板、33b:孔
34:対向部
35:本体連結部
36:押し当て部
37:接続部
37a:導線接続部、37b:被覆接続部
38,238:連結部
5,205:ハウジング
51,251:ハウジング本体
51a:嵌入部、51b:収容部、51c:受容部、51d:ガイド部、51e:ランス部、51f:溝、51g:挿入孔、51h:内壁部の一部
52,252:保持部
52a:突起部
53:フランジ部
54:ロック部
54a:操作部、54b:爪部、54c:ヒンジ部、54d:ロック爪
7:ケーブル
7a:導線、7b:被覆
D1:コンタクト挿入方向
D2:基板挿入方向
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタ及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図18〜図23に示すように、ハウジング403と一対のコンタクト405(但し、図18には1つのコンタクト405だけが表れている。)と支持部材(図示せず)と弾性ゴム管408とカバー409とを備えているコネクタ401が知られている(下記特許文献1参照)。コネクタ401はプリント基板421と電線422とを電気的に接続するものである。なお、図18〜図23、図24、図25はそれぞれ下記特許文献1の図1〜図6、図9、図10に対応する。但し、図中の符号は変更され、一部の符号は削除されている。
【0003】
図24に示すように、コンタクト405は、第1固定部451と第2固定部452と一対の連結部453(但し、図24には1つの連結部453だけが表れている。)と接触部454と結線部455とを有する。接触部454はプリント基板421の端子部414に接触する。結線部455には電線422が結線される。図24に示すように、第1固定部451は嵌合離脱方向D11へ延びている。
【0004】
接触部454は第1固定部451から前方へ延び、第1固定部451の後端の方へ折り返されている。
【0005】
結線部455は第1固定部451に連なり、ハウジング403の第1支持部431の厚さ方向に沿って延びている。図24に示すように、結線部455は第1固定部451の長手方向に対して直角方向へ折れ曲がっている。
【0006】
図25に示すように、カバー409はカバー本体491と一対のコンタクト支持部492と一対のゴム管支持部493と一対の係合片494とを有する。
【0007】
カバー本体491はほぼ板状である。一対のコンタクト支持部492はほぼL字形であり、それぞれカバー本体491の内面の上端近傍から下端にかけて形成されている。コンタクト支持部492はコンタクト405の結線部455を支持する。一対の係合片494はほぼ板状であり、それぞれカバー本体491の両側部に連結されている。係合片494には係合孔441が形成されている。
【0008】
図20に示すように、カバー409の係合孔441をハウジング403の係合突起472に係合させてカバー409をハウジング403に固定すると、コンタクト405の結線部455と弾性ゴム管408とがハウジング403とカバー409とによって支持される。
【0009】
したがって、何等かの原因により電線422を引っ張る力が生じたとしても結線部455は塑性変形しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−165627号公報(段落0025、0036、0040、0041、0044、0045、0051、図1〜図6、図9、図10等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、従来のコネクタでは、コンタクト405の結線部455をカバー409で支持する構造が採用されているので、コネクタの部品点数が多くなる。
【0012】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、部品点数を増やさずにコンタクトの塑性変形を防ぐことができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、コンタクトと前記コンタクトを保持するハウジングとを備えているコネクタにおいて、前記コンタクトは、基板に接触する接触部と、ケーブルが接続される接続部と、前記接触部と前記接続部とを連結する連結部とを有し、前記ハウジングは、前記接触部を収容するハウジング本体と、前記ハウジング本体の外面に形成され、前記接続部を保持する保持部とを有し、前記連結部が折れ曲がっていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記ハウジング本体と前記保持部とが一体形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記連結部がほぼ180度湾曲し、前記保持部が前記ハウジング本体の正面、背面又は側面側のいずれかに位置することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記連結部がほぼ90度湾曲し、前記保持部が前記ハウジング本体の底面側に位置することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記コンタクトは、前記接触部と対向し、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたときに前記接触部からの押圧力を受ける対向部を有することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のコネクタにおいて、前記ハウジング本体の内壁部に前記対向部を挿入する挿入孔が形成され、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたとき、前記接触部と前記対向部とで前記基板と前記内壁部の一部とが挟持されることを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載のコネクタにおいて、前記接触部は、前記基板に押し付けられる接点部と、この接点部に連なり、前記ハウジング本体内に挿入される前記基板の一部を前記接点部に誘う誘い部とを有し、前記コンタクトは、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されるときに前記誘い部の先端部を保護する保護部を有することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明の照明装置は、LEDが実装された前記基板と、この基板が搭載されるシャーシと、このシャーシに搭載される請求項1〜7のいずれか1項記載のコネクタとを備えていることを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明の照明装置は、前記シャーシに形成された孔を通じて前記基板と請求項8記載のコネクタとが接続され、前記ハウジング本体に前記孔を塞ぐフランジ部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、部品点数を増やさずにコンタクトの塑性変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態の照明装置の分解斜視図である。
【図2】図2は図1に示す照明装置の斜視図である。
【図3】図3は図1に示す照明装置を斜め下方から見た斜視図である。
【図4】図4はシャーシ及びプリント基板の斜視図である。
【図5】図5はコネクタの斜視図である。
【図6】図6は図5に示すコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
【図7】図7は図5に示すコネクタの底面図である。
【図8】図8はコンタクトの斜視図である。
【図9】図9は図8に示すコンタクトの側面図である。
【図10】図10は図5に示すコネクタの分解斜視図である。
【図11】図11は図1に示す照明装置のコネクタの周辺部分を斜め下方から見たときの斜視図である。
【図12】図12は図11に示すコネクタの周辺部分の側面図である。
【図13】図13は図11に示すコネクタの周辺部分の断面図である。
【図14】図14はプリント基板をコネクタに挿入する前の正面図である。
【図15】図15はプリント基板をコネクタに挿入した後の正面図である。
【図16】図16はプリント基板をコネクタに挿入した後の断面図である。
【図17】図17はこの発明の第2実施形態の照明装置のコネクタの断面図である。
【図18】図18は従来のコネクタをプリント基板に装着し、かつそれらを切断した状態を示す斜視図である。
【図19】図19は図18に示すコネクタ及びプリント基板の平面図である。
【図20】図20は図18に示すコネクタをプリント基板に装着する前の状態を示す斜視図である。
【図21】図21は図18に示すコネクタの正面図である。
【図22】図22は図18に示すコネクタの平面図である。
【図23】図23は図18に示すコネクタのハウジングの斜視図である。
【図24】図24は図18に示すコネクタのコンタクトの斜視図である。
【図25】図25は図18に示すコネクタのカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
まず、この発明の第1実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。
【0026】
図1、図2、図3に示すように、照明装置20は、コネクタ1と10個のLED(発光ダイオード)21と2つのプリント基板(基板)22とシャーシ23と導光板24と反射シート25と電源装置26とを備えている。照明装置20は例えば液晶ディスプレイ装置のバックライトに用いられる。
【0027】
図14に示すように、プリント基板22は挿入部22aを有する。挿入部22aはプリント基板22の一端部に位置し、プリント基板22の長手方向と直交する方向へ突出している。挿入部22aはコネクタ1に挿入される。挿入部22aの一側部には切欠22bが形成され、挿入部22aの他側部には係合部22cが形成されている。また、挿入部22aには2つのパッド22dが形成されている。各プリント基板22には5つのLED21が等間隔に実装されている。
【0028】
図4に示すように、シャーシ23はシャーシ本体23aと一対の折り曲げ片23b,23cとを有する。シャーシ本体23aは平板状である。折り曲げ片23bはシャーシ本体23aの一側部に連なる。折り曲げ片23cはシャーシ本体23aの他側部に連なる。折り曲げ片23bと折り曲げ片23cとは対向する。シャーシ本体23aと折り曲げ片23bとの連結部分には孔23dが形成されている。孔23dにはプリント基板22の挿入部22aが通される。
【0029】
図1、図2に示すように、導光板24はシャーシ23のシャーシ本体23a上に配置され、LED21から出射された光を折り曲げ片23cの方へ導く。反射シート25はシャーシ本体23aと導光板24との間に配置される。反射シート25は導光板24からの光を反射する。
【0030】
図3に示すように、電源装置26は、プリント基板26aと、プリント基板26aに実装された複数の電子部品26bとで構成され、LED21に電力を供給する。電源装置26はシャーシ本体23aの裏面(シャーシ本体23aの導光板24が配置される面と反対側の面)に装着されている。
【0031】
図5、図6、図7に示すように、コネクタ1はコンタクト3とハウジング5とを備えている。
【0032】
図8、図9に示すように、コンタクト3はコンタクト本体31と接続部37と連結部38とを有する。コンタクト3は金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。コンタクト本体31は一対の接触部32と保護部33と一対の対向部34と一対の本体連結部35と一対の押し当て部36とを有する。
【0033】
各接触部32はコンタクト挿入方向D1へ延びている。接触部32は接点部32aと誘い部32b、ばね部32cとを有する。接点部32aはプリント基板22のパッド22dに接触する。誘い部32bは接点部32aの前部(コンタクト挿入方向D1で前側の部分)に連なり、コンタクト挿入方向D1に対して傾いている。ばね部32cは接点部32aの後部(コンタクト挿入方向D1で後側の部分)に連なる。ばね部32cは接点部32aをプリント基板22のパッド22dの方へ押圧する。
【0034】
保護部33はコンタクト挿入方向D1へ延びている。保護部33の横断面はほぼU字形である。保護部33の前端部(コンタクト挿入方向D1で前側の端部)には一対の保護板33aが形成されている。保護板33aはコンタクト挿入方向D1で接触部32の誘い部32bの前方に位置する。保護部33には孔33bが形成されている(図10、図13参照)。
【0035】
各対向部34の横断面形状はほぼL字形であり、各対向部34はコンタクト挿入方向D1へ延びている。接触部32と対向部34との間にプリント基板22の挿入部22aが挿入されたとき、対向部34は接触部32に押圧されたプリント基板22の挿入部22aを支える。
【0036】
各本体連結部35は接触部32と保護部33と対向部34とを連結する。
【0037】
各押し当て部36はほぼ板状であり、本体連結部35の後端部(コンタクト挿入方向D1で後側の端部)に連なる(図7参照)。
【0038】
接続部37は導線接続部37aと被覆接続部37bとを有する。導線接続部37aは圧着によりケーブル7の導線7aに接続される(図7、図13参照)。被覆接続部37bは圧着によりケーブル7の被覆7bに接続される(図7、図13参照)。
【0039】
連結部38はコンタクト本体31と接続部37とを連結する。連結部38はU字状にほぼ180度折り曲げられている。
【0040】
図5、図6、図7に示すように、ハウジング5は合成樹脂で形成され、ハウジング本体51と4つの保持部52とフランジ部53と2つのロック部54とを有する。ハウジング本体51と保持部52とフランジ部53とロック部54とは一体に形成されている。
【0041】
ハウジング本体51の前端部(コンタクト挿入方向D1で前側の端部)には嵌入部51aが形成されている。嵌入部51aはシャーシ23の孔23dに挿入される。ハウジング本体51の後部(コンタクト挿入方向D1で後側の部分)には4つの収容部51bが形成されている。収容部51bはコンタクト本体31の後部(コンタクト挿入方向D1で後側の部分)を収容する(図13参照)。ハウジング本体51の前部(コンタクト挿入方向D1で前側の部分)には2つの受容部51cが形成されている。各受容部51cは2つの収容部51bに通じている。受容部51cはコンタクト本体31の前部及びプリント基板22の挿入部22aを受け容れる。ハウジング本体51の2つの受容部51cの間にはガイド部51dが形成されている(図16参照)。ハウジング本体51の受容部51cの内壁部にはランス51eが形成されている(図13参照)。ランス51eはコンタクト挿入方向D1へ延びている。また、ハウジング本体51の受容部51cの内壁部には挿入孔51gが形成されている(図13参照)。挿入孔51gはコンタクト挿入方向D1へ延びている。ハウジング本体51の側面には溝51fが形成されている(図16参照)。溝51fはコンタクト挿入方向D1へ延びている。
【0042】
各保持部52はハウジング本体51の正面側に一体に形成されている。保持部52はコンタクト3の接続部37を保持する。保持部52は一対の突起部52aを有する。一対の突起部52aの間隔はケーブル7の外径よりも大きく、被覆接続部37bの幅よりも小さい(図7参照)。
【0043】
フランジ部53はハウジング本体51の外周面に一体に形成されている。
【0044】
各ロック部54はハウジング本体51の側面に一体に形成されている。ロック部54はほぼ板状であり、操作部54aと爪部54bとヒンジ部54cとを有する。ロック部54はハウジング本体51の側面に対向する。操作部54aはロック部54の後部側に形成される。爪部54bはロック部54の前部側に形成され、ハウジング本体51の側面に向って突出しているロック爪54dを有する。ヒンジ部54cはほぼ板状であり、弾性変形可能であり、操作部54aと爪部54bとをシーソー運動可能にハウジング本体51に連結する。
【0045】
コンタクト3をハウジング5に装着するには、予め導線接続部37aをケーブル7の導線7aに圧着するとともに被覆接続部37bをケーブル7の被覆7bに圧着してケーブル7を接続部37に接続しておき、図10に示すように、コンタクト3のコンタクト本体31をコンタクト挿入方向D1に沿ってハウジング5の収容部51bに挿入する。このとき、コンタクト3の対向部34をハウジング5の挿入孔51gに挿入し、コンタクト3の押し当て部36(図13参照)を指又は治具(図示せず)で押圧する。
【0046】
ハウジング5に装着されたコンタクト3は、ハウジング5のランス部51eの先端部がコンタクト3の孔33bに嵌ることにより(図13参照)、ハウジング5にロックされる。
【0047】
コンタクト3がハウジング5に装着されたとき、コンタクト3の接続部37はコンタクト挿入方向D1から保持部52に収容され、保持される。その結果、ケーブル7が引っ張られても、接続部37はほとんど動かず、連結部38が変形しない。
【0048】
図11、図12に示すように、コネクタ1はシャーシ23のシャーシ本体23aの裏面側に配置される。このとき、コネクタ1のハウジング5の嵌入部51aはシャーシ23の孔23dに挿入され、ハウジング5のフランジ部53はシャーシ23の孔23dを塞ぐ。
【0049】
LED21が実装されたプリント基板22をコネクタ1に接続するには、図14に示すように、プリント基板22の挿入部22aを基板挿入方向D2に沿ってコネクタ1の受容部51c(図5参照)に挿入すればよい。このとき、プリント基板22の切欠22bがハウジング5のガイド部51dに嵌まることにより、プリント基板22が基板挿入方向D2へ案内される。また、プリント基板22の係合部22cはハウジング5の溝51f(図16参照)に挿入され、溝51f内を移動する。係合部22cの一部分は溝51fからハウジング本体51の外へ突出する。係合部22cが溝51f内を基板挿入方向D2に沿って移動するとき、係合部22cはロック部54の爪部54bのロック爪54dを押し退けて進み、係合部22cが爪部54bのロック爪54dを通過すると、爪部54bがヒンジ部54cの復元力によって元の位置に戻る。その結果、係合部22cが爪部54bのロック爪54dに引っ掛かり、プリント基板22がコネクタ1にロックされる(図15、図16参照)。
【0050】
プリント基板22の挿入部22aをコネクタ1の受容部51cに挿入するとき、コンタクト3の保護部33の保護板33aによって挿入部22aの先端部がコンタクト3の接触部32の誘い部32bの先端部に突き当たらない。挿入部22aの先端部が保護板33aを通過すると、接触部32の誘い部32bが挿入部22aを接点部32aへ誘う。
【0051】
プリント基板22とコネクタ1とを分離するには、操作部54aの後部を指(図示せず)で押圧して係合部22cと爪部54bとの係合を解除し、プリント基板22の挿入部22aをコネクタ1の受容部51cから引き抜けばよい。
【0052】
この実施形態によれば、ハウジング5に形成された保持部52でコンタクト3の接続部37が保持されるので、何等かの原因でケーブル7が引っ張られても、接続部37が移動せず、連結部38の変形を防止することができる。したがって、連結部38の変形を防止するためのカバーが不要になり、コネクタ1の部品点数を減らすことができ、コストを低減することができる。
【0053】
コンタクト3は対向部34を有するので、接触部32のばね部32cのばね力(押圧力)をプリント基板22を介して対向部34が受け止めることができ、接触部32のプリント基板22に対する接触安定性を高めることができる。更に、プリント基板22と対向部34との間に挿入孔51gが形成されている内壁部の一部51hを介する構成なので、プリント基板22の挿入抜去に際してプリント基板22を傷付けることを低減できる。
【0054】
また、コンタクト3は保護部33を有するので、プリント基板22の挿入部22aをコネクタ1の受容部51cに挿入するときに、プリント基板22の挿入部22aによって接触部32の先端部分(相手側の端部)が押圧されて変形(例えば座屈)することを防止することができる。
【0055】
更に、コネクタ1のハウジング5にフランジ部53を設けたので、フランジ部53によってシャーシ23の孔23dを塞ぐことができ、電源装置26側からLED21側へ塵埃が侵入するのを防止できる。更に、孔23dを塞ぐための専用部品を必要としないので、コストを低減することができる。
【0056】
また、プリント基板22の挿入部22aをシャーシ23の孔23dを通じてコネクタ1に接続し、シャーシ23のシャーシ本体23aの裏面側からコンタクト3をハウジング5に装着できるようにしたので、ケーブル7の結線作業をシャーシ23の電源装置26側だけで行うことができ、その結線作業が簡単になる。
【0057】
次に、この発明の第2実施形態の照明装置を図17に基づいて説明する。第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、第1実施形態と相違する部分についてだけ説明する。
【0058】
図17に示すように、第2実施形態の照明装置220では、コネクタ201のコンタクト203の連結部238がL字状にほぼ90°折り曲げられている。ハウジング205の保持部252はハウジング本体251の底面側に形成され、コンタクト挿入方向D1と直交する方向へ延びている。
【0059】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0060】
また、第1実施形態では、コンタクト挿入方向D1に対して平行な面であるハウジング本体51の正面側に保持部52を形成し、コンタクト3の連結部38をU字状に180度折り曲げ、第2実施形態では、コンタクト挿入方向D1に対して直角な面であるハウジング本体51の底面側に保持部252を形成し、コンタクト203の連結部238をL字状に90度折り曲げたが、連結部の折曲げ角度は180度、90度に限定されない。コンタクト挿入方向D1に対して傾斜するようにハウジング本体の外面(図示せず)に保持部を形成することにより、連結部の折曲げ角度を90度〜180度の範囲で任意の角度に設定することができる。
【0061】
なお、上述の実施形態では、保持部52をハウジング本体51の正面側に、保持部252をハウジング本体251の底面側にそれぞれ形成したが、保持部の位置はこれらに限られず、ハウジング本体の外面、すなわち正面、背面、側面、底面のいずれでもよく、正面や底面に限定されない。
【0062】
また、上述の実施形態では、ハウジング本体51と保持部52,252とを一体形成したが、ハウジング本体51と保持部52,252とを別々に形成し、両者を一体的に結合してもよい。
【0063】
なお、上述の実施形態では、シャーシ23の孔23dを通じてコネクタ1,201とプリント基板22とを接続するようにしたが、必ずしも孔23dを通じてコネクタ1,201とプリント基板22とを接続する必要はない。孔23dを通じてコネクタ1,201とプリント基板22とを接続しない場合、コネクタ1のハウジング5,205のハウジング本体51にフランジ部53を設けなくてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、コンタクト3,203の接触部32は本体連結部35を介して連結部38,238に連結されているが、保護部33や対向部34や押し当て部36を採用しない構成のコンタクト(図示せず)の場合には接触部32を連結部38,238に直接連結してもよい。
【0065】
なお、上述の実施形態では、2つのプリント基板22を用いたが、10個のLED21を実装することが可能な1つのプリント基板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1,201:コネクタ
20,220:照明装置
21:LED、22:プリント基板(基板)
22a:挿入部、22b:切欠、22c:係合部、22d:パッド
23:シャーシ
23a:シャーシ本体、23b:折り曲げ片、23c:折り曲げ片、23d:孔
24:導光板
25:反射シート
26:電源装置
26a:プリント基板、26b:電子部品
3,203:コンタクト
31:コンタクト本体
32:接触部
32a:接点部、32b:誘い部、32c:ばね部
33:保護部
33a:保護板、33b:孔
34:対向部
35:本体連結部
36:押し当て部
37:接続部
37a:導線接続部、37b:被覆接続部
38,238:連結部
5,205:ハウジング
51,251:ハウジング本体
51a:嵌入部、51b:収容部、51c:受容部、51d:ガイド部、51e:ランス部、51f:溝、51g:挿入孔、51h:内壁部の一部
52,252:保持部
52a:突起部
53:フランジ部
54:ロック部
54a:操作部、54b:爪部、54c:ヒンジ部、54d:ロック爪
7:ケーブル
7a:導線、7b:被覆
D1:コンタクト挿入方向
D2:基板挿入方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトと前記コンタクトを保持するハウジングとを備えているコネクタにおいて、
前記コンタクトは、基板に接触する接触部と、ケーブルが接続される接続部と、前記接触部と前記接続部とを連結する連結部とを有し、
前記ハウジングは、前記接触部を収容するハウジング本体と、前記ハウジング本体の外面に形成され、前記接続部を保持する保持部とを有し、
前記連結部が折れ曲がっている
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ハウジング本体と前記保持部とが一体形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記連結部がほぼ180度湾曲し、
前記保持部が前記ハウジング本体の正面、背面又は側面側のいずれかに位置することを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記連結部がほぼ90度湾曲し、
前記保持部が前記ハウジング本体の底面側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、前記接触部と対向し、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたときに前記接触部からの押圧力を受ける対向部を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ハウジング本体の内壁部に前記対向部を挿入する挿入孔が形成され、
前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたとき、前記接触部と前記対向部とで前記基板と前記内壁部の一部とが挟持される
ことを特徴とする請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記接触部は、前記基板に押し付けられる接点部と、この接点部に連なり、前記ハウジング本体内に挿入される前記基板の一部を前記接点部に誘う誘い部とを有し、
前記コンタクトは、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されるときに前記誘い部の先端部を保護する保護部を有する
ことを特徴とする請求項5又は6記載のコネクタ。
【請求項8】
LEDが実装された前記基板と、この基板が搭載されるシャーシと、このシャーシに搭載される請求項1〜7のいずれか1項記載のコネクタとを備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
前記シャーシに形成された孔を通じて前記基板と請求項8記載のコネクタとが接続され、前記ハウジング本体に前記孔を塞ぐフランジ部が形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項1】
コンタクトと前記コンタクトを保持するハウジングとを備えているコネクタにおいて、
前記コンタクトは、基板に接触する接触部と、ケーブルが接続される接続部と、前記接触部と前記接続部とを連結する連結部とを有し、
前記ハウジングは、前記接触部を収容するハウジング本体と、前記ハウジング本体の外面に形成され、前記接続部を保持する保持部とを有し、
前記連結部が折れ曲がっている
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ハウジング本体と前記保持部とが一体形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記連結部がほぼ180度湾曲し、
前記保持部が前記ハウジング本体の正面、背面又は側面側のいずれかに位置することを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記連結部がほぼ90度湾曲し、
前記保持部が前記ハウジング本体の底面側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、前記接触部と対向し、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたときに前記接触部からの押圧力を受ける対向部を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ハウジング本体の内壁部に前記対向部を挿入する挿入孔が形成され、
前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されたとき、前記接触部と前記対向部とで前記基板と前記内壁部の一部とが挟持される
ことを特徴とする請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記接触部は、前記基板に押し付けられる接点部と、この接点部に連なり、前記ハウジング本体内に挿入される前記基板の一部を前記接点部に誘う誘い部とを有し、
前記コンタクトは、前記基板の一部が前記ハウジング本体内に挿入されるときに前記誘い部の先端部を保護する保護部を有する
ことを特徴とする請求項5又は6記載のコネクタ。
【請求項8】
LEDが実装された前記基板と、この基板が搭載されるシャーシと、このシャーシに搭載される請求項1〜7のいずれか1項記載のコネクタとを備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
前記シャーシに形成された孔を通じて前記基板と請求項8記載のコネクタとが接続され、前記ハウジング本体に前記孔を塞ぐフランジ部が形成されていることを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−84388(P2013−84388A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222176(P2011−222176)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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