説明

コネクタ実装基板、コネクタ実装基板の製造方法

【課題】回路基板上における部品の実装可能エリアを確保しつつ、半田付け部分の検査を低コストで行い、さらに制御基板やコネクタのレイアウトが制限されるのを抑えることのできるコネクタ実装基板等を提供することを目的とする。
【解決手段】コネクタ20Aを、制御基板12の一辺12sよりも外方に張り出して設けた。これにより、制御基板12上におけるコネクタ20Aの占有面積を小さくして、他の部品の実装可能な面積を増大させる。制御基板12上におけるコネクタ20Aの占有面積が小さいため、半田付け箇所がコネクタ20Aによって妨げられることなく、CCDカメラ100により制御基板12の表面における半田付け箇所の検査を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ実装基板、コネクタ実装基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント配線基板等の回路基板(以下、単に基板という)を、他の電気回路と接続するため、電気コネクタ(以下、単にコネクタという)が広く使われている。
コネクタには、多数の端子を備え、板状の回路基板の端部の一辺に沿って設けられるカードエッジ型のコネクタと称されるものがあり、各種の制御基板等において多用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特に制御基板等においては、誤動作や故障を防ぐために、信頼性が重視される。そこで、コネクタの端子と回路基板に形成された回路パターンとを、端子の弾性を利用して互いに押しつけることで電気的に接続するだけでなく、半田付けにより端子を回路パターンに接合するのが一般的である。
さらに、半田付け後は、画像処理技術等を用い、半田付け部分の検査を行うことで、品質の保証を行うことも多く行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−174910号公報
【特許文献2】特開2003−109692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カードエッジ型のコネクタは、多数の端子を備えることから、これらの端子を保持するコネクタハウジングが比較的大きなものとなる。近年、回路パターンや実装部品の微細化・小型化により、回路基板自体は小型化する傾向にあり、回路基板に対するコネクタの占有面積が増大しつつある。
そこで、回路基板の表面上にコネクタを実装する場合、図6に示すように、コネクタ1のコネクタハウジング2を、端子3を脚部とすることによって回路基板4から離して配置し、コネクタハウジング2と回路基板4との間の空間Sに実装部品を配置することが考えられる。
しかし、このような構成においては、CCDカメラ5等により回路基板4上の各部の半田付け部分の検査をしようとしても、コネクタハウジング2の裏側の空間SをCCDカメラ等によって撮影することができず、検査が行えないという問題がある。
コネクタハウジング2の裏側の検査を行うため、CCDカメラ5に代えて、X線走査技術を用いることも考えられるが、これでは検査機器に要する費用が高額化し、現実的ではない。
【0006】
また、このようなコネクタは、多数の端子を備えているため、嵌合対象コネクタ(図示無し)との嵌め合いに要する力も大きくなる。したがって、嵌め合い時に嵌合対象コネクタの挿入方向の荷重を受けることができるような構造でコネクタを設ける必要がある。
そこで、例えば、特許文献1においては、コネクタを、回路基板の表面に設け、嵌合対象コネクタの挿入方向が回路基板の表面に直交する方向となるようにし、挿入時の荷重を、コネクタを介して回路基板の表面で受けるようになっている。
しかし、このような構成では、前述したように、コネクタハウジングにより回路基板の表面の一部が占有されてしまうことに伴う問題が存在する。
【0007】
また、特許文献2においては、コネクタを、回路基板の外周部に、嵌合対象コネクタの挿入方向が回路基板の表面に沿った方向となるように設けている。これにより、挿入時の荷重を、回路基板の表面に沿った方向(面内方向)で受けるようになっている。
しかし、このような構成では、コネクタの挿抜方向が限定されてしまい、制御基板や嵌合対象コネクタのレイアウトが制限されてしまうと言う問題がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、回路基板上における部品の実装可能エリアを確保しつつ、半田付け部分の検査を低コストで行い、さらに制御基板やコネクタのレイアウトが制限されるのを抑えることのできるコネクタ実装基板等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明のコネクタ実装基板は、配線基板と、配線基板の一辺に沿って固定されたコネクタと、を備え、コネクタは、配線基板の一面側に設けられ、その一部が配線基板の一辺から当該配線基板の外方に張り出して設けられたコネクタハウジングと、コネクタハウジングに形成され、配線基板の一面に直交する方向からの嵌合対象コネクタの挿入を受容するコネクタ受容部と、コネクタハウジングに保持され、一端部が配線基板に形成された配線パターンに電気的に接続され、他端部が、コネクタ受容部の内方において配線基板の一面に直交する方向に延びた端子と、を備えることを特徴とする。
このように、コネクタハウジングの一部を、配線基板の一辺から外方に張り出して設けることで、配線基板上において、コネクタハウジングに妨げられることなく、部品を実装できるエリアを広く確保することができる。また、部品実装エリアを広く確保することで、コネクタハウジングと配線基板との間に部品を実装する必要がなくなる。
【0009】
このようなコネクタハウジングは、コネクタハウジングの中心を、配線基板の一辺よりも外方に張り出した位置として設けるのが好ましい。
【0010】
その一方で、コネクタハウジングは、その一部が、配線基板の一面と重複するように設ける。このコネクタ実装基板は、コネクタのコネクタ受容部が、配線基板の一面に直交する方向からの嵌合対象コネクタの挿入を受容する。したがって、コネクタの一部を配線基板に重複させることで、嵌合対象コネクタがコネクタ受容部に挿入されるときに作用する、配線基板の一面に直交する方向の荷重をコネクタを介して配線基板で受けることができる。
【0011】
端子は、一端部が配線基板の一面側に形成された配線パターンに電気的に接続された第一端子と、一端部が配線基板の他面側に形成された配線パターンに電気的に接続された第二端子と、を備えることができる。
さらに、端子は、一端部が配線パターンの表面に半田付けされることで表面実装されたものとすることができる。もちろん、本発明は、一端部が配線基板に形成された貫通孔(スルーホール)に挿入されるスルーホール実装を排除するものではない。
【0012】
コネクタハウジングに、配線基板の一辺側の端部を挿入するため、配線基板の表面に沿った方向に予め定められた深さを有するスリットを形成するのも有効である。これにより、配線基板に対するコネクタハウジングの張り出し方向における位置を高精度に位置合せできる。
【0013】
本発明は、配線基板の一面側において、複数の端子を保持したコネクタを、当該コネクタの一部を配線基板の一辺から外方に張り出して配置し、端子を配線基板の表面に形成された配線パターンに半田付けする工程と、配線基板に対向する位置から、撮像手段により配線基板を撮像する工程と、撮像手段により撮像された画像と、予め登録されたサンプル画像とを診断手段が比較することで、当該配線基板においてコネクタによって覆われていない範囲における半田付け箇所の半田付け不良の有無を診断する工程と、を備えることを特徴とするコネクタ実装基板の製造方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コネクタハウジングの一部を、配線基板の一辺から外方に張り出して設けることで、配線基板上において、コネクタハウジングに妨げられることなく、部品を実装できるエリアを確保することができる。さらに、部品実装エリアを広く確保することで、コネクタハウジングと配線基板との間に部品を実装する必要がなくなり、X線走査技術等を用いることなく、CCDカメラ等、一般的な撮像手段により配線基板を撮像した画像に基づいて、半田付け箇所における半田付け不良の有無を低コストで診断することができる。
また、配線基板上のコネクタに対し、嵌合対象コネクタは、配線基板の一面に直交する方向から挿抜される。したがって、コネクタは、配線基板上の任意の辺に沿って適宜設けることができるので、制御基板やコネクタのレイアウトが制限されるのを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態におけるコネクタ実装基板を適用した制御機器を示す図であって、(a)は平面図、(b)は図1(a)におけるA−A断面図である。
【図2】コネクタ実装基板の斜視図である。
【図3】(a)は図1(a)におけるL−L断面図、(b)は図1(a)におけるB−B断面図である。
【図4】コネクタ実装基板の断面図である。
【図5】第二の実施形態におけるコネクタ実装基板の断面図である。
【図6】従来のコネクタ実装基板において半田付け部分の検査を行っている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態における制御機器10は、箱状のアウターハウジング11の内部に、制御基板12を収容した構成を有している。
【0017】
アウターハウジング11は、ベースハウジング13とカバーハウジング14とに二分割されている。ベースハウジング13は、カバーハウジング14と対向する側に開口しており、その内部に制御基板12を収容する。カバーハウジング14は、ベースハウジング13の開口を塞ぐようにベースハウジング13に嵌め込まれる。
【0018】
図2に示すように、制御基板12は、例えば矩形の板状で、制御基板12の一辺に沿って、コネクタ20Aが設けられている。コネクタ20Aは、制御基板12に固定されるリセプタクル側であり、このコネクタ20Aには、図示しないプラグコネクタが嵌合可能とされている。プラグコネクタは、制御機器10の制御基板12を他の機器等に電気的に接続するためのケーブルの端部に設けられている。
【0019】
カバーハウジング14には、プラグコネクタを嵌め込む略角筒状のコネクタ受容部15が開口している。
なお、本実施の形態において、コネクタ受容部15は、例えば二つのプラグコネクタが嵌合できるよう、二つ並べて設けられている。なお、リセプタクル側のコネクタ20Aに嵌合するプラグコネクタの数は、本発明においては何ら限定する意図はなく、一つのみ、あるいは三つ以上とすることもできる。
【0020】
コネクタ20Aは、絶縁材料である樹脂からなるコネクタハウジング21を有している。コネクタハウジング21は、本実施形態においては長方形の板状の制御基板12の一辺に沿って設けられている。図3(a)に示すように、コネクタハウジング21においては、制御基板12に対向する側に、制御基板12の一辺12sに沿って連続するスリット22が形成され、このスリット22に、制御基板12の一辺12sの端部が嵌め込まれることで、コネクタハウジング21が制御基板12に固定されている。
これにより、コネクタハウジング21は、その一部が制御基板12の内方に位置し、残部が、制御基板12の一辺12sよりも外方に張り出して設けられている。さらに、コネクタハウジング21は、その幅方向(コネクタ受容部15の長手方向に直交する方向)の中心Cが、制御基板12の一辺12sに対し、制御基板12の外方にオフセットして設けられている。
【0021】
図3(b)、図4に示すように、コネクタハウジング21には、カバーハウジング14のコネクタ受容部15に嵌め合う筒状のスリーブ23が突出して形成されている。一方、カバーハウジング14においてコネクタハウジング21が嵌め込まれる側には、コネクタ受容部15の外周側に段部16が形成されている。そして、スリーブ23は、コネクタ受容部15の内周形状に対応した外形形状を有する先端部23aと、段部16の内周形状に対応した肩部23bとが連続して形成されている。このスリーブ23の先端部23aがコネクタ受容部15内に嵌め込まれ、肩部23bが段部16に突き当たることで、コネクタハウジング21がカバーハウジング14に固定されている。
これにより、コネクタハウジング21および制御基板12は、カバーハウジング14側に固定され、ベースハウジング13内に収容されてはいるものの、ベースハウジング13には非接触の状態とされている。
【0022】
コネクタハウジング21には、スリーブ23内に、多数(所定数)の端子30を保持する板状の端子保持部24が形成されている。この端子保持部24は、制御基板12とほぼ平行な面内に位置するよう形成されている。端子保持部24には、各端子30を保持するため、その両面側(コネクタ受容部15に臨む側とベースハウジング13に臨む側)とを貫通する保持孔(図示無し)が形成されている。
【0023】
端子保持部24において、コネクタ受容部15に臨む側では、各端子30の頭部(他端部)30aが、端子保持部24に直交する方向、つまり制御基板12の表面に直交する方向に延びるよう配置されている。これにより、コネクタ受容部15内には、多数の端子30の頭部30aが露出している。
このようなリセプタクル側のコネクタ20Aに対し、プラグ側のコネクタ(図示無し)は、制御基板12の表面(一面12a)に直交する方向から、コネクタ受容部15内に露出するコネクタハウジング21のスリーブ23内に嵌め込まれ、プラグ側のコネクタに設けられた端子(図示無し)が、各端子30の頭部30aに電気的に接続される。
【0024】
このような端子保持部24に保持される端子30としては、制御基板12の一面12a側において制御基板12の配線パターンに電気的に接続される第一端子30Aと、制御基板12の他面12b側において制御基板12の配線パターンに電気的に接続される第二端子30Bとがある。
【0025】
図4に示したように、第一端子30Aは、導電性を有した金属材料から形成され、端子保持部24に対しベースハウジング13に臨む側において、端子保持部24の保持孔から制御基板12に平行に制御基板12側に延びる基部31aと、基部31aから制御基板12の一面12aに向けて斜めに延びるアーム部31bと、アーム部31bの先端部において、制御基板12の一面12aに平行となるよう形成された接触部(一端部)31cと、接触部31cの先端部に連続し、制御基板12の一面12aから離間する方向に斜めに延びるアーム先端部31dとを有する。
【0026】
第二端子30Bは、導電性を有した金属材料から形成され、端子保持部24に対しベースハウジング13に臨む側において、端子保持部24の保持孔から制御基板12に平行に制御基板12側に延びる基部32aと、基部32aから制御基板12の他面12bを超えてベースハウジング13側に斜めに延びるアーム部32bと、アーム部32bの先端部において、制御基板12の他面12bに平行となるよう形成された接触部(一端部)32cと、接触部32cの先端部に連続し、制御基板12の他面12bから離間する方向に斜めに延びるアーム先端部32dとを有する。
【0027】
このような第一端子30A、第二端子30Bは、無負荷状態における接触部31c、32cの間隔が、制御基板12の厚さよりも小さくなるよう形成されている。
また、第一端子30Aの接触部31cと第二端子30Bの接触部32cは、コネクタハウジング21から制御基板12に沿って離間する方向において、制御基板12を挟んで互いに対向する位置に配置されている。ただし、第一端子30Aの接触部31cと第二端子30Bの接触部32cは、制御基板12の一辺12sに沿った方向(コネクタハウジング21から制御基板12に沿って離間する方向に直交する方向)においては、制御基板12を挟んで互いに対向することは必須ではなく、制御基板12を挟んで、接触部31c、32cが千鳥状に配置されていても良い。
【0028】
これら第一端子30Aの接触部31cと第二端子30Bの接触部32cは、制御基板12の一面12a、他面12bにそれぞれ導電性材料により形成された所定の配線パターンに対し、アーム部31b、32bが弾性変形してたわむことによって押圧されるとともに、図示しない半田により半田付けされている。
【0029】
このような制御機器10を作製するには、まず、制御基板12上に、所定の部品を搭載し、リフロー半田付け装置等により前記の部品を制御基板12に半田付けする。
【0030】
この後、予め端子30(第一端子30Aと第二端子30B)を装着しておいたコネクタ20Aのスリット22に、制御基板12を嵌め込む。このとき、制御基板12は、第一端子30Aの接触部31cと第二端子30Bの接触部32cの間に挿入される。これにより、コネクタ20Aは、制御基板12の一辺12sから外方にオフセットして固定される。
そして、リフロー半田付け装置等により、第一端子30Aの接触部31cと第二端子30Bの接触部32cを制御基板12に半田付けする。
なお、ここで、部品の半田付けと、第一端子30Aの接触部31cと第二端子30Bの接触部32cの半田付けとを別々に行う構成としたが、これらをまとめて半田付けすることも可能である。
【0031】
この後、CCDカメラ(撮像手段)100等により、コネクタ20Aが接続された制御基板12を撮影する。そして、コンピュータ診断装置(診断手段)110により、撮影により得られた画像を、予め記憶されたサンプル画像と、画像処理により比較して検査する。ここで、サンプル画像は、予め記憶された、全ての半田付け箇所が正しく半田付けされているサンプルをCCDカメラ100で撮影したものである。
比較の結果、半田付けに異常があると判断される箇所が存在する場合、コンピュータ診断装置110はその旨を文字、音声、記号、信号等により出力することができる。また、半田付けに以上があるか否かの判断結果に基づき、自動あるいは主導により、コネクタ20Aが接続された制御基板12を良品と不良品とに適宜選別することができる。
【0032】
検査の結果、半田付けに異常が無いと判断されたコネクタ20Aおよび制御基板12については、カバーハウジング14のコネクタ受容部15に、コネクタハウジング21のスリーブ23を嵌め込むことで固定する。
しかる後、カバーハウジング14をベースハウジング13に嵌め合わせることで、制御機器10の組み立てが完了する。
【0033】
上述したような制御機器10によれば、コネクタ20Aが、制御基板12の一辺12sよりも外方に張り出して設けられている。これにより、制御基板12上におけるコネクタ20Aの占有面積を小さくして、他の部品の実装可能な面積を増大させることができ、制御基板12の表面の有効利用を図ることができる。
また、第一端子30Aと第二端子30Bにより、制御基板12の一辺12s側をクランプする構成であるので、制御基板12については、一辺12sと対向する側に容易に拡張可能である。
さらに、制御基板12上におけるコネクタ20Aの占有面積が小さいため、半田付け箇所がコネクタ20Aによって妨げられることなく、CCDカメラ100により制御基板の表面における半田付け箇所の検査を行うことができる。したがって、検査に要する費用を現状同等に抑えることができる。
【0034】
また、コネクタ20Aの一部が制御基板12に支持されているため、プラグコネクタをコネクタ20Aに嵌め合わせるときに受ける挿入方向の荷重を受けることができる。また、コネクタ20Aの位置は、制御基板12の一辺12sに沿った位置であれば任意の位置とすることができ、コネクタ20Aのレイアウトが制限されるのを防ぐことができる。
【0035】
さらに、制御基板12がコネクタハウジング21のスリット22に挿入されることで、制御基板12に対するコネクタハウジング21の位置が規定されている。これにより、組み立て時においても、制御基板12に対するコネクタハウジング21や第一端子30A、第二端子30Bの、制御基板12の一辺12sからの張り出し方向における位置等を容易に精度良く位置決めできる。
【0036】
なお、上記実施形態においては、コネクタ20Aをカバーハウジング14のコネクタ受容部15に嵌め込む構成としたが、これに限るものではない。カバーハウジング14に形成された開口部からコネクタ20Aを露出させるだけでも良いし、コネクタ20Aおよび制御基板12の固定構造も、いかなる構成であっても良い。
さらに、制御機器10は、いかなる用途、構成のものであっても良い。
【0037】
[第二の実施形態]
次に、本発明にかかるコネクタ実装基板の第二の実施形態を示す。以下においては、第一の実施形態で示した構成との相違点を中心に説明を行い、上記第一の実施形態で示した構成と共通する構成についてはその説明を省略する。
図5に示すように、制御基板12の一辺12sに沿って、コネクタ20Bが設けられている。
コネクタ20Bは、絶縁材料である樹脂からなるコネクタハウジング21を有している。コネクタハウジング21は、制御基板12に対向する側に、制御基板12の一辺12sに沿って連続して形成されたスリット22’に、制御基板12の一辺12s側の端部が嵌め込まれることで、コネクタハウジング21が制御基板12に固定されている。
【0038】
これにより、コネクタハウジング21は、その一部が制御基板12の一辺12sに対し、制御基板12の内方に位置し、残部が、制御基板12の一辺12sよりも外方に張り出して設けられている。さらに、コネクタハウジング21は、その幅方向(コネクタ受容部15の長手方向に直交する方向)の中心Cが、制御基板12の一辺12sに対し、制御基板12の外方にオフセットして設けられている。
ここで、コネクタハウジング21の制御基板12の一辺12sからのオフセット量は、上記第一の実施形態よりも小さく設定されている。
【0039】
コネクタハウジング21に形成された端子保持部24に、制御基板12の一面12a側において制御基板12の配線パターンに電気的に接続される第一端子30Aと、制御基板12の他面12b側において制御基板12の配線パターンに電気的に接続される第二端子30B’とが保持されている。
【0040】
第二端子30B’は、導電性を有した金属材料から形成され、端子保持部24に対しベースハウジング13に臨む側において、端子保持部24の保持孔から制御基板12に平行に制御基板12側に延びる基部32a’と、基部32a’から制御基板12の他面12bを超えてベースハウジング13側に斜めに延びるアーム部32b’と、アーム部32b’の先端部において、制御基板12の他面12bに平行となるよう形成された接触部32c’と、接触部32c’の先端部に連続し、制御基板12の他面12bから離間する方向に斜めに延びるアーム先端部32d’と、を有する。
【0041】
ここで、ハウジング20は、上記第一の実施形態と比較し、制御基板12に対し、一辺12sから外方へのオフセット量が少なく、制御基板12の中心側に位置している。これにともない、第一端子30Aの接触部31cと第二端子30B’の接触部32c’は、コネクタハウジング21から制御基板12に沿って離間する方向に、制御基板12を挟んで互いにずれて配置されている。具体的には、第一端子30Aが、制御基板12の中心よりに配置されている。
【0042】
上述したような制御機器10によれば、上記第一の実施形態と同様、制御基板12上におけるコネクタ20Bの占有面積を小さくして、他の部品の実装可能な面積を増大させることができる。これにより、制御基板12の表面の有効利用を図ることができる。
さらに、制御基板12上におけるコネクタ20Bの占有面積が小さいため、半田付け箇所がコネクタ20Bによって妨げられることなく、CCDカメラ100により制御基板の表面における半田付け箇所の検査を行うことができる。したがって、検査に要する費用を現状同等に抑えることができる。
【0043】
このような構成によれば、コネクタ20Bにより、制御基板12の表面を覆う面積は上記第一の実施形態に比較すると増えるため、制御基板12上に部品を実装できる面積は減少してしまう。それでも、コネクタ20Bを、上記第一の実施形態に比較し、制御基板12の内方側に配置するようにしたので、制御機器10をより小型化することが可能となる。
【0044】
なお、上記実施の形態で示した構成については、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
10…制御機器、11…アウターハウジング、12…制御基板、12a…一面、12b…他面、12s…一辺、13…ベースハウジング、14…カバーハウジング、15…コネクタ受容部、20…ハウジング、20A、20B…コネクタ、20h…頭部、21…コネクタハウジング、22…スリット、23…スリーブ、24…端子保持部、30…端子、30A…第一端子、30B…第二端子、30a…頭部(他端部)、31c、32c…接触部(一端部)、100…カメラ(撮像手段)、110…コンピュータ診断装置(診断手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板の一辺に沿って固定されたコネクタと、を備え、
前記コネクタは、前記配線基板の一面側に設けられ、その一部が、前記配線基板の前記一辺から当該配線基板の外方に張り出して設けられたコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに形成され、前記配線基板の前記一面に直交する方向からの嵌合対象コネクタの挿入を受容するコネクタ受容部と、
前記コネクタハウジングに保持され、一端部が前記配線基板に形成された配線パターンに電気的に接続され、他端部が、前記コネクタ受容部の内方において前記配線基板の前記一面に直交する方向に延びた端子と、
を備えることを特徴とするコネクタ実装基板。
【請求項2】
前記コネクタハウジングは、前記コネクタハウジングの中心が、前記配線基板の前記一辺よりも外方に張り出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ実装基板。
【請求項3】
前記コネクタハウジングは、その一部が、前記配線基板の前記一面と重複するように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ実装基板。
【請求項4】
前記端子は、
前記一端部が前記配線基板の前記一面側に形成された前記配線パターンに電気的に接続された第一端子と、
前記一端部が前記配線基板の他面側に形成された前記配線パターンに電気的に接続された第二端子と、
を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ実装基板。
【請求項5】
前記端子は、前記一端部が前記配線パターンの表面に半田付けされることで表面実装されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ実装基板。
【請求項6】
前記コネクタハウジングに、前記配線基板の前記一辺側の端部を挿入するため、前記配線基板の表面に沿った方向に予め定められた深さを有するスリットが形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ実装基板。
【請求項7】
配線基板の一面側において、複数の端子を保持したコネクタを、当該コネクタの一部を前記配線基板の一辺から当該配線基板の外方に張り出して配置し、前記端子を前記配線基板の表面に形成された配線パターンに半田付けする工程と、
前記配線基板に対向する位置から、撮像手段により前記配線基板を撮像する工程と、
前記撮像手段により撮像された画像と、予め登録されたサンプル画像とを診断手段が比較することで、当該配線基板において前記コネクタによって覆われていない範囲における半田付け箇所の半田付け不良の有無を診断する工程と、
を備えることを特徴とするコネクタ実装基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−129350(P2011−129350A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286346(P2009−286346)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】