説明

コネクタ

【課題】 本発明は、記録再生装置等の電子機器に備えられている特定端子から出力される情報を、複数の利用者が第3者に迷惑を掛けることなく知得可能な構造を持つことができる。
【解決手段】 コネクタ100aは、その一端側120aに本体端子T11a,T12a,T13aを備えるとともに、他端側130aに本体端子T21a,T22a,T23aを備えている。一端側120aに備えられている本体端子T11a,T12a,T13a又は他端側130aに備えられている本体端子T21a,T22a,T23aがそれぞれに対応するコネクタ100bの端子に接触された状態で、磁石140aの吸着力によりコネクタ100aがコネクタ100bに支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他のコネクタに対して着脱可能に電気的に接続されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録媒体を再生することにより音を出力可能な記録再生装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。利用者は、ヘッドホン装置に備えられているコネクタを記録再生装置に備えられている端子に挿入することにより、ヘッドホン装置を介して記録再生装置から出力される音を聴くことができる。
【特許文献1】特開平11−45558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、記録再生装置に備えられているヘッドホン装置用の端子は1つしか備えられていないため、複数の利用者が記録再生装置から出力される音を聴くためには、当該複数の利用者は、ヘッドホン装置を用いずに記録再生装置から出力される音を聴くこととなり、第3者に迷惑を掛けることがあった。
【0004】
一方、記録再生装置に備えられているヘッドホン装置用の端子が複数備えられていれば、複数の利用者は、第3者に迷惑を掛けることなく、ヘッドホン装置を用いて記録再生装置から出力される音を聴くことが可能となる。ところが、記録再生装置に備えられているヘッドホン装置用の端子が複数備えられると、複数の端子が備えられるためのスペースが必要となり、記録再生装置の小型化がし難くなる。
【0005】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、記録再生装置等の電子機器に備えられている特定端子から出力される情報を、複数の利用者が第3者に迷惑を掛けることなく知得可能な構造を持つコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、他のコネクタに対して着脱可能に電気的に接続されるコネクタであって、導電性材料から成る本体端子を一端側及び他端側に備える本体部と、一端側又は他端側に備えられている本体端子を他のコネクタ側の端子に接触した状態で、本体部を他のコネクタに対して着脱可能に支持する支持部とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、一端側又は他端側に備えられている本体端子が他のコネクタ側の端子に接触された状態で、本体部が他のコネクタに対して着脱可能に支持されることにより、他のコネクタが本体部に連接可能となり、電子機器の端子から出力された信号が本体部に接続された配線を介して出力されるだけでなく、他のコネクタに接続された配線を介しても出力されるため、複数の利用者は、コネクタ及び他のコネクタを介して電子機器の端子から出力される情報を第3者に迷惑を掛けることなく知得することができる。
【0008】
上記発明においては本体端子は、同心円状に形成された円形電極を備えており、他のコネクタ側の端子は、支持部により該他のコネクタが本体部に支持された場合に円形電極上に配置されてもよい。この場合には、他のコネクタが本体部に支持された場合に、他のコネクタ側の端子が本体部に備えられた本体端子の円形電極上に配置されることにより、本体部が他のコネクタに対して回転されても、本体部の本体端子が他のコネクタ側の端子上に常に配置されるため、利用者は、コネクタ又は他のコネクタを回転させることによりコネクタ又は他のコネクタに接続されている配線の捩れを容易に解消することができる。
【0009】
本発明は、他のコネクタに対して着脱可能に電気的に接続されるコネクタであって、導電性材料から成る本体端子を一端側又は他端側に備える本体部と、一端側又は他端側に備えられている本体端子を他のコネクタ側の端子に接触した状態で、本体部を他のコネクタに対して着脱可能に支持する支持部とを備え、本体端子は、同心円状に形成された円形電極を備えており、他のコネクタ側の端子は、支持部により該他のコネクタが本体部に支持された場合に円形電極上に配置されることを特徴とする。
【0010】
このような本発明によれば、一端側又は他端側に備えられている本体端子が他のコネクタ側の端子に接触された状態で、本体部が他のコネクタに対して着脱可能に支持されることにより、他のコネクタが本体部に連接可能となり、電子機器の端子から出力された信号が本体部に接続された配線を介して出力されるだけでなく、他のコネクタに接続された配線を介しても出力されるため、複数の利用者は、コネクタ及び他のコネクタを介して電子機器の端子から出力される情報を第3者に迷惑を掛けることなく知得することができる。
【0011】
また、他のコネクタが本体部に支持された場合に、他のコネクタ側の端子が本体部に備えられた本体端子の円形電極上に配置されることにより、本体部が他のコネクタに対して回転されても、本体部の本体端子が他のコネクタ側の端子上に常に配置されるため、利用者は、コネクタ又は他のコネクタを回転させることによりコネクタ又は他のコネクタに接続されている配線の捩れを容易に解消することができる。
【0012】
上記発明においては一端側又は他端側に備えられている本体端子が他のコネクタ側の端子に接触可能な位置を決める位置決め部が備えられてもよい。この場合には、本体部が他のコネクタに支持される前に、一端側又は他端側に備えられている本体端子が位置決め部により位置決めされるため、利用者は、本体部に対する他のコネクタの位置を早期に決定でき、本体部を他のコネクタに支持させるまでの負担を軽減することができる。
【0013】
上記発明においては本体部は円柱状部材を該本体部の一端側に備え、該本体部の一端側に備えられている本体端子は該円柱状部材の先端面に備えられており、位置決めは、円柱状部材の側面に沿う窪みを備えてもよい。この場合には、位置決め部が円柱状部材の側面に沿う窪みを備えることにより、利用者が本体部の一端側に備えられている円柱状部材を、該円柱状部材の側面に沿う位置決め部の窪みに沿って挿入し易くなるため、利用者は、本体部に対する他のコネクタの位置を早期に決定でき、本体部を他のコネクタに支持させるまでの負担をより軽減することができる。また、本体部が円柱状部材を該本体部の一端側に備え、位置決め部が該円柱状部材の側面に沿う窪みを備えることにより、本体部が該本体部の円柱状部材の円周方向に沿って回転可能となるため、利用者は、コネクタ又は他のコネクタを回転させることによりコネクタ又は他のコネクタに接続されている配線の捩れを容易に解消することができる。
【0014】
上記発明においては円柱状部材の先端面は略半球状に形成されており、位置決め部は、円柱状部材の略半球状の先端面に沿う窪みを有してもよい。この場合には、位置決め部が円柱状部材の側面に沿う窪みを備えることにより、利用者が本体部の一端側に備えられている円柱状部材を、該円柱状部材の側面に沿う位置決め部の窪みに沿って挿入し、該円柱状部材の略半球状の先端面に沿う位置決め部の窪みに接触させた後に、本体部が支持部により他のコネクタに支持されるため、利用者は、本体部に対する他のコネクタの位置を早期に決定でき、本体部を他のコネクタに支持させるまでの負担をより軽減することができる。
【0015】
上記発明においては支持部は、磁石と該磁石により磁気的に吸着される金属材料とを備えてもよい。この場合には、支持部が磁石に作用する吸着力により本体部を他のコネクタに支持することにより、本体部又は他のコネクタの双方には他のコネクタ又は本体部に吸着される方向に力が作用するため、利用者は、本体部と他のコネクタとを少ない力で結合させることができる。また、本体部が他のコネクタに支持されている場合に、該本体部に接続された配線が利用者の手・足等に引掛けられても、本体部が磁石に作用する吸着力により他のコネクタに支持されているため、本体部は他のコネクタから容易に外れることとなり、本体部及び他のコネクタが破損し難く、本体部が他のコネクタから外れた際の利用者への衝撃が軽減されることとなる。
【0016】
上記発明においては本体部は、音の出力を調整可能な調整部を備えてもよい。この場合には、音の出力を調整可能な調整部が備えられることにより、利用者は、調整部を介して現在の音量を自己の好みに応じた音量に調整することができる。
【0017】
上記発明においては本体部は、他のコネクタ側の略筒状の雌端子に嵌合する略棒状の雄端子を備えてもよい。この場合には、他のコネクタ側の端子が電子機器に内蔵されている従来型の略筒状の雌端子であっても、利用者は、本体部の略棒状の雄端子を他のコネクタ側の従来型の略筒状の雌端子に挿入することができる。
【0018】
上記発明においては本体部は、他のコネクタ側の略棒状の雄端子に嵌合する略筒状の雌端子を備えてもよい。この場合には、他のコネクタ側の端子が従来型の略棒状の雄端子であっても、利用者は、他のコネクタ側の従来型の略棒状の雄端子を本体部の略筒状の雌端子に挿入することができる。
【0019】
なお、上記発明においては他のコネクタは、電子機器に備えられてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、記録再生装置等の電子機器に備えられている特定端子から出力される情報を、複数の利用者が第3者に迷惑を掛けることなく知得可能な構造を持つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施形態)
本実施形態におけるコネクタについて図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるコネクタ100a,100bを示す側面図である。図2(a)は、図1に示す矢印A側から見たコネクタ100aを示す正面図である。図2(b)は、図1に示す矢印A側から見たコネクタ100aを示す斜視図である。なお、コネクタ100a,100bは共に同一の構成であるため、以下ではコネクタ100aの構成のみについて説明する。
【0022】
図1及び図2(a),(b)に示すように、コネクタ100aは、他のコネクタ100bに対して着脱可能に電気的に接続されるコネクタであって、本体部110aを備えている。
【0023】
本体部110aは、本体部110aの一端側120aには円柱状部材121aを備えている。この円柱状部材121aの先端面122aには、導電性材料からなる本体端子T11a,T12a,T13aが備えられている。本実施形態では、円柱状部材121aの先端面122aには、本体端子T11aが点状に形成され、本体端子T12aが本体端子T11aを中心とする同心円状に形成され、本体端子T13aが本体端子T11aを中心とし、且つ本体端子T12aよりも大きい同心円状に形成されている。
【0024】
図3(a)は、図1に示す矢印B側から見たコネクタ100aを示す正面図である。図3(b)は、図1に示す矢印B側から見たコネクタ100aを示す斜視図である。
【0025】
図1及び図3(a),(b)に示すように、本体部110aは、本体部110aの他端側130aには窪み131a(位置決め部)を備えている。この窪み131aは、コネクタ100bの円柱状部材121bの側面に沿う形状を形成している。本実施形態における窪み131aは、窪み131aの底面132aに備えられている本体端子T21a,T22a,T23aがコネクタ100bの本体端子T11b,T12b,T13bに接触可能な位置を決める形状を有している。
【0026】
窪み131aは、上記本体端子T21a,T22a,T23aと磁石140aとを備えている。本体端子T21a,T22a,T23aは導電性材料を備えており、窪み131aの底面132aに対して出没可能に支持されている。この本体端子T21aは、コネクタ100bの一端側120bに備えられている円柱状部材121bが窪み131aに挿入された場合に、該円柱状部材121bの先端面122bに備えられている本体端子T11bが接触可能な位置に備えられている(図3(a)に示すP1参照)。
【0027】
また、本体端子T22aは、コネクタ100bの一端側120bに備えられている円柱状部材121bが窪み131aに挿入された場合に、該円柱状部材121bの先端面122bに備えられている本体端子T12bが接触可能な位置に備えられている(図3(a)に示すP2参照)。さらに、本体端子T23aは、コネクタ100bの一端側120bに備えられている円柱状部材121bが窪み131aに挿入された場合に、該円柱状部材121bの先端面122bに備えられている本体端子T13bが接触可能な位置に備えられている(図3(a)に示すP3参照)。
【0028】
磁石140aは、本体部110aの他端側130aに備えられている本体端子T21a,T22a,T23aをコネクタ100b側の本体端子T11b,T12b,T13bに接触した状態で、本体部110aをコネクタ100bに対して着脱可能に支持する。具体的には、磁石140aは、コネクタ100bの円柱状部材121bの先端面122bに備えられている本体端子T11b,T12b,T13bを吸着することにより、本体部110aをコネクタ100bに支持する。なお、本実施形態では、磁石140aと本体端子T11b,T12b,T13bとは支持部を構成している。
【0029】
ここで、コネクタ100aがコネクタ100bに接続されるまでの一例を説明する。先ず、コネクタ100bの一端側120bに備えられた円柱状部材121bが、コネクタ100aの他端側130aに備えられた窪み131aに挿入される。そして、コネクタ100bの円柱状部材121bの先端面122bに備えられている本体端子T11b,T12b,T13bが、コネクタ100aの窪み131aの底面132aに備えられている磁石140aに吸着され、それぞれに対応するコネクタ100aの本体端子T21a,T22a,T23aに接触される。
【0030】
この場合に、本体端子T11b,T12b,T13bのそれぞれは、点状に形成された電極を備える本体端子T21a、同心円状に形成された円形電極を備える本体端子T22a,T23a上に配置されるため、コネクタ100aがコネクタ100bに対してコネクタ100aの円周方向に回転されても、本体端子T11b,T12b,T13bとそれぞれに対応する本体端子T21a,T22a,T23aとの接触状態はそのまま保持されることとなる。
【0031】
図4は、本実施形態におけるコネクタ100a及びそのコネクタ100aに接続されたヘッドホン装置200aの内部配線を示す図である。図4に示すように、コネクタ100aの一端側120aに備えられている本体端子T11a,T12a,T13aのそれぞれは、コネクタ100aの他端側130aに備えられている本体端子T21a,T22a,T23aに接続されている。
【0032】
ヘッドホン装置200aに備えられている抵抗器R1は、左耳に装着されるイヤホンの抵抗器であり、その一端側が本体端子T11a(L)に接続され、その他端側が本体端子T13a(GND)に接続されている。同様にして、抵抗器R2は、右耳に装着されるイヤホンの抵抗器であり、その一端側が本体端子T12a(R)に接続され、その他端側が本体端子T13a(GND)に接続されている。
【0033】
なお、コネクタ100aは、コネクタ100aの一端側120aには円柱状部材121a及び本体端子T11a,T12a,T13aを備えずに、コネクタ100aの他端側130aには窪み131a及び本体端子T21a,T22a,T23aを備えてもよい。また、逆にコネクタ100aは、コネクタ100aの一端側120aには円柱状部材121a及び本体端子T11a,T12a,T13aを備え、コネクタ100aの他端側130aには窪み131a及び本体端子T21a,T22a,T23aを備えなくてもよい。
【0034】
このような本実施形態によれば、コネクタ100a及びコネクタ100bが連接されることにより、コネクタ100aに入力された信号が、コネクタ100aに接続された配線201aを介して出力されるだけでなく、コネクタ100bに接続された配線201bを介しても出力されるため、複数の利用者は、コネクタ100a及びコネクタ100bを介して電子機器の端子(図示せず)から出力される情報を、第3者に迷惑を掛けることなく知得することができる。
【0035】
また、本体部110aがコネクタ100bに支持された場合に、本体部110aの本体端子T21a,T22a,T23aがコネクタ100bの本体端子T11b,T12b,T13bの円形電極上に配置されることにより、本体部110aがコネクタ100bに対して回転されても、本体部110aの本体端子T21a,T22a,T23aがコネクタ100bの本体端子T11b,T12b,T13bの円形電極上に常に配置されるため、利用者は、コネクタ100a又はコネクタ100bを回転させることによりコネクタ100a又はコネクタ100bに接続されている配線の捩れを容易に解消することができる。
【0036】
また、本体部110aがコネクタ100bに支持される前に、本体部110aの窪み131aによりコネクタ100bが位置決めされるため、利用者は、コネクタ100aに対するコネクタ100bの位置を早期に決定でき、コネクタ100aをコネクタ100bに支持させるまでの負担を軽減することができる。
【0037】
特に、本体部110aの窪み131aが、コネクタ100bの円柱状部材121bの側面に沿う形状を有することにより、利用者がコネクタ100bの円柱状部材121bを、該円柱状部材121bの側面に沿う窪み131aに沿って挿入し易くなるため、利用者は、コネクタ100aに対するコネクタ100bの位置を早期に決定でき、コネクタ100aをコネクタ100bに支持させるまでの負担を軽減することができる。また、コネクタ100bの円柱状部材121bが、本体部110aの窪み131aに挿入されても、円柱状部材121bの円周方向に沿って回転可能となるため、利用者は、コネクタ100a又はコネクタ100bを回転させることによりコネクタ100a又はコネクタ100bに接続されている配線の捩れを容易に解消することができる。
【0038】
さらに、磁石140aに作用する吸着力により本体部110aがコネクタ100bに支持されることにより、本体部110a又はコネクタ100bの双方には、コネクタ100b又は本体部110aに吸着される方向に力が作用するため、利用者は、本体部110aとコネクタ100bとを少ない力で結合させることができる。
【0039】
また、本体部110aがコネクタ100bに支持されている場合に、該本体部110aに接続された配線201aが利用者の手・足等に引掛けられても、本体部110aが磁石140aに作用する吸着力によりコネクタ100bに支持されているため、本体部110aはコネクタ100bから容易に外れることとなり、本体部110a及びコネクタ100bが破損し難く、本体部110aがコネクタ100bから外れた際の利用者への衝撃が軽減されることとなる。
【0040】
(変更例1)
本実施形態におけるコネクタ100aは、次に示す調整部150aを備えてもよい。なお、コネクタ100a,100bは共に同一の構成であるため、以下ではコネクタ100aの構成のみについて説明する。また、調整部150a以外の構成については上記実施形態及び下記変更例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0041】
図5は、本変更例におけるコネクタ100aを示す図である。図6は、本変更例におけるコネクタ100a及びそのコネクタ100aに接続されたヘッドホン装置200aの内部配線を示す図である。
【0042】
図5に示すように、本変更例における本体部110aは、音の出力を調整可能な調整部150aをさらに備えている。図6に示すように、調整部150aは、可変抵抗器Rcに接続されており、外部からの操作により可変抵抗器Rcの値を変更する。この場合には、音の出力を調整可能な調整部150aが備えられることにより、利用者は、調整部150aを介して現在の音量を自己の好みに応じた音量に調整することができる。
【0043】
なお、図6に示す可変抵抗器Rcは、本体部110aに備えられているが、図7に示すようにヘッドホン装置200aに備えられてもよい。また、調整部150aは、可変抵抗器Rcの値を変更することによりヘッドホン装置200aから出力される音量を調整しているが、電子機器(図示せず)から出力される画素の輝度(いわゆる、RGB)を調整してもよい。
【0044】
(変更例2)
本実施形態におけるコネクタ100aの円柱状部材121aの先端面122a及び窪み131aの底面132aは、平坦に形成されているが、これに限定されることなく、次に示す形状に形成されてもよい。なお、コネクタ100a,100bは共に同一の構成であるため、以下ではコネクタ100aの構成のみについて説明する。また、本変更例に示すコネクタ100aの円柱状部材121aの先端面123a及び窪み131aの底面133a以外の構成については上記実施形態、上記変更例及び下記変更例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
図8は、本変更例におけるコネクタ100aを示す図である。図8に示すように、コネクタ100aの円柱状部材121aの先端面123aは、略半球状に形成され、コネクタ100aの窪み131aの底面133aは、コネクタ100bの円柱状部材121bの略半球状の先端面123bに沿う形状に形成されてもよい。この場合には、利用者がコネクタ100bの円柱状部材121bをコネクタ100aの窪み131aに沿って挿入し、該円柱状部材121bの略半球状の先端面123bに沿う窪みの底面132aに接触させた後に、コネクタ100aがコネクタ100bに支持されるため、利用者は、コネクタ100aに対するコネクタ100bの位置をより早期に決定でき、コネクタ100aをコネクタ100bに支持させるまでの負担をより軽減することができる。
【0046】
(変更例3)
本実施形態におけるコネクタ100aは、雄端子T3を備えてもよい。なお、雄端子T3以外の構成については上記実施形態、上記変更例及び下記変更例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0047】
図9(a)は本変更例におけるコネクタ100aを示す図であり、図9(b)は本変更例におけるコネクタ100a及びそのコネクタ100aに接続されたヘッドホン装置200の内部配線を示す図である。
【0048】
図9(a)に示すように、コネクタ100aは、他のコネクタ側の略筒状の雌端子(図示せず)に嵌合する略棒状の雄端子T3を備えている。また、図9(b)に示すように、雄端子T3は、上記本体端子T11a,T12a,T13aに対応する本体端子T31,T32,T33から構成されている。この場合には、他のコネクタ側の雌端子(図示せず)が電子機器に内蔵されている従来型の略筒状の雌端子であっても、利用者は、コネクタ100aの雄端子T3を他のコネクタ側の従来型の略筒状の雌端子(図示せず)に挿入することができる。この結果、複数の利用者は、コネクタ100a及びコネクタ100bを介して電子機器の端子(図示せず)から出力される情報を、第3者に迷惑を掛けることなく知得することができる。
【0049】
なお、本変更例では、コネクタ100aにヘッドホン装置200aが接続されているが、これに限定されることはなく、図9(c)に示すように、コネクタ100aにヘッドホン装置200aが接続されなくてもよい。
【0050】
(変更例4)
本実施形態におけるコネクタ100aは、雌端子T4を備えてもよい。なお、雌端子T4以外の構成については上記実施形態及び上記変更例と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0051】
図10(a)は本変更例におけるコネクタ100aを示す図であり、図10(b)は本変更例におけるコネクタ100aの内部配線を示す図である。
【0052】
図10(a)に示すように、コネクタ100aは、他のコネクタ側の略棒状の雄端子300に嵌合する略筒状の雌端子T4を備えている。また、図9(b)に示すように、雌端子T4は、本体端子T11aに接続された本体端子T41、本体端子T12aに接続された本体端子T42、本体端子T13aに接続された本体端子T43から構成されている。この場合には、他のコネクタ側の雄端子300が従来型の略棒状の雄端子であっても、利用者は、他のコネクタ側の従来型の雄端子300をコネクタ100aの雌端子T4に挿入することができる。この結果、複数の利用者は、コネクタ100a及びコネクタ100bを介して電子機器の端子(図示せず)から出力される情報を、第3者に迷惑を掛けることなく知得することができる。
【0053】
ここで、図11は、電子機器1とヘッドホン装置200a〜200cとの接続を示す図である。図11に示すように、電子機器1は、音楽、映像等に関する情報を記憶する情報記憶部2と、情報記憶部2により記憶された情報を出力する雌端子3とを備えている。コネクタ100aの雄端子T3が電子機器1の雌端子3に挿入されると、電子機器1の雌端子3から出力された信号が音としてヘッドホン装置200aから出力される。そして、コネクタ100bがコネクタ100aに連接され、コネクタ100cがコネクタ100bに連接されることにより、電子機器1の雌端子3から出力された信号が音としてヘッドホン装置200b,200cからも出力される。
【0054】
以上、本発明の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、実施形態の構成及び各変更例の構成はそれぞれ組み合わせることが可能である。また、実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態におけるコネクタを示す側面図である。
【図2】本実施形態におけるコネクタを示す正面図及びその斜視図である。
【図3】本実施形態におけるコネクタを示す背面図及びその斜視図である。
【図4】本実施形態におけるコネクタ及びそのコネクタに接続されたヘッドホン装置の内部配線を示す図である。
【図5】第1変更例における調整部を示す図である。
【図6】第1変更例におけるコネクタ及びそのコネクタに接続されたヘッドホン装置の内部配線を示す図である(その1)。
【図7】第1変更例におけるコネクタ及びそのコネクタに接続されたヘッドホン装置の内部配線を示す図である(その2)。
【図8】第2変更例におけるコネクタを示す図である。
【図9】第3変更例におけるコネクタ及びその内部配線を示す図である。
【図10】第4変更例におけるコネクタ及びその内部配線を示す図である。
【図11】電子機器とコネクタとの接続を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1…電子機器、100…コネクタ、200…ヘッドホン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のコネクタに対して着脱可能に電気的に接続されるコネクタであって、
導電性材料から成る本体端子を一端側及び他端側に備える本体部と、
前記一端側又は前記他端側に備えられている本体端子を前記他のコネクタ側の端子に接触した状態で、前記本体部を前記他のコネクタに対して着脱可能に支持する支持部と
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記本体端子は、同心円状に形成された円形電極を備えており、前記他のコネクタ側の端子は、前記支持部により該他のコネクタが前記本体部に支持された場合に前記円形電極上に配置されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
他のコネクタに対して着脱可能に電気的に接続されるコネクタであって、
導電性材料から成る本体端子を一端側又は他端側に備える本体部と、
前記一端側又は前記他端側に備えられている本体端子を前記他のコネクタ側の端子に接触した状態で、前記本体部を前記他のコネクタに対して着脱可能に支持する支持部と
を備え、
前記本体端子は、同心円状に形成された円形電極を備えており、前記他のコネクタ側の端子は、前記支持部により該他のコネクタが前記本体部に支持された場合に前記円形電極上に配置されることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
前記一端側又は前記他端側に備えられている本体端子が前記他のコネクタ側の端子に接触可能な位置を決める位置決め部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体部は円柱状部材を該本体部の一端側に備え、該本体部の一端側に備えられている本体端子は該円柱状部材の先端面に備えられており、
前記位置決め部は、前記円柱状部材の側面に沿う窪みを備えることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記円柱状部材の先端面は略半球状に形成されており、
前記位置決め部は、前記円柱状部材の略半球状の先端面に沿う窪みを備えることを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記支持部は、磁石と該磁石により磁気的に吸着される金属材料とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項8】
前記本体部は、音の出力を調整可能な調整部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項9】
前記本体部は、前記他のコネクタ側の略筒状の雌端子に嵌合する略棒状の雄端子を備えることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項10】
前記本体部は、前記他のコネクタ側の略棒状の雄端子に嵌合する略筒状の雌端子を備えることを特徴とする請求項1又は請求項3のいずれかに記載のコネクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−210269(P2006−210269A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23972(P2005−23972)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】