説明

コネクタ

【課題】 ハウジング内への端子金具の挿入抵抗の低減を図ることが可能なコネクタを提供することにある。
【解決手段】 端子金具10を抜け止めするためのランス50がリテーナ40に設けられており、かつ、ランス50の撓み方向がリテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間での移動方向に沿う方向とされている。このような構成によれば、リテーナ40が仮係止位置にある状態では、ランス50が端子金具10に対する本来の係止位置よりもこのランス50の撓み方向に沿った方向に退避した位置にあるので、端子金具10の挿入に伴うランス50の撓み量が小さくなる。したがって、このランス50の撓み量の減少分だけ、ランス50の先端が端子金具10に摺り合う力がが弱くなり、端子金具10の挿入抵抗が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ジョイントコネクタとして、特許文献1に記載されているものがある。これは、ハウジング内に複数の端子金具を取り付けるとともに、複数の接触部を有するジョイントターミナルをホルダに取り付け、ホルダをハウジングに組み付けて、各接触部を対応する端子金具に接触させると、複数の端子金具がジョイントターミナルを介して短絡されるようになっているものである。
【特許文献1】特開2004−179032公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種のジョイントコネクタにおいて部品点数を削減する手段としては、ジョイントターミナルをハウジングに取り付けておくことで、ホルダを不要にすることが考えられる。しかし、この構造では、端子金具をハウジングに挿入する過程で、この端子金具を抜け止めするための樹脂ランスが弾性撓みしつつ端子金具の外面に摺接することに起因する挿入抵抗と、既に挿入済みのジョイントターミナルに対して端子金具の弾性接触片が摺接することに起因する挿入抵抗とが発生する。そのため、端子金具に接続した電線を摘んでハウジングに挿入しようとした場合には、大きな挿入抵抗のために電線が座屈し、端子金具に挿入が不能になることが懸念される。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハウジング内への端子金具の挿入抵抗の低減を図ることが可能なコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係るコネクタは、ハウジングと、前記ハウジングに設けられて端子金具を挿入可能なキャビティと、前記ハウジングに設けられて前記端子金具の前記キャビティへの挿入を許容する仮係止位置と前記キャビティ内に挿入された前記端子金具に係止してその端子金具を抜止めする本係止位置との間で変位可能とされたリテーナと、を備えたコネクタであって、前記リテーナには、前記キャビティに前記端子金具を挿入する過程では前記端子金具との干渉により前記リテーナの仮係止位置と本係止位置との間での移動方向に沿う方向に弾性撓みし、前記端子金具が正規挿入位置に達した状態では自由状態に復帰して前記端子金具に係止することでその端子金具を抜止めするランスが設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のコネクタであって、前記コネクタが、互いに導通可能な複数のターミナル片を有するジョイントターミナルを前記ハウジングに備えてなり、前記端子金具とこれに対応する前記ターミナル片とを接続させたときに前記ターミナル片に接続した前記端子金具同士を短絡させるようにしたジョイントコネクタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、端子金具を抜け止めするためのランスがリテーナに設けられており、かつ、ランスの撓み方向がリテーナの仮係止位置と本係止位置との間での移動方向に沿う方向とされている。このような構成によれば、端子金具をキャビティに挿入する際には、リテーナを仮係止位置に保持した状態で行えばよい。リテーナが仮係止位置にある状態では、ランスが端子金具に対する本来の係止位置よりもこのランスの撓み方向に退避した位置にあるので、端子金具の挿入に伴うランスの撓みが発生しないか、または低減される。これにより、端子金具の挿入抵抗が低減される。一方、リテーナを本係止位置に押し込めば、ランスの端子金具に対する係り代が充分に確保され、確実な抜け止めがなされる。
【0008】
請求項2の発明によれば、ジョイントターミナルがハウジングに備えられている。このようなタイプのコネクタでは、端子金具の挿入の際に、この端子金具とターミナル片との摺接抵抗が加わるために挿入抵抗がいっそう大きくなるから、ランスをリテーナに設けてこのランスに起因する挿入抵抗を低減できる構成を採用することが極めて効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した実施形態について、図1〜図10を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明を具体化したジョイントコネクタ1(本発明のコネクタに該当する)を示す。本実施形態のジョイントコネクタ1は、複数の端子金具10とジョイントターミナル20とを収容可能なハウジング30を備えている。
まず、ハウジング30に収容される端子金具10およびジョイントターミナル20について説明する。
【0011】
ハウジング30に収容される端子金具10は、雌側端子金具であって、導電性金属板材を所定形状に打ち抜いてから曲げ加工を施して形成されたものである(図1参照)。この端子金具10の前端側には後述のジョイントターミナル20のターミナル片22を内部に収容可能な筒状の角筒部11が、後端側には電線Wの端末をかしめつけて保持可能なバレル部12が設けられて、両者が連結部13を介して連結されている。角筒部11の内部には、ターミナル片22と接続される弾性接触片14が設けられている。この弾性接触片14は、角筒部11の前端上縁が前方へ突出してから内向き、かつ山形状に折り返されることにより形成されたものである。弾性接触片14における山の頂上部(接触部14A)は、角筒部11の下壁部11Aに対してターミナル片22の板厚よりも小さい距離まで接近して対峙しており、この弾性接触片14と下壁部11Aの隙間にターミナル片22を挿入可能とされている。
【0012】
角筒部11の下壁部15は、部分的に2枚重ねになっており、そのうち下側の壁板15Aの前後方向におけるほぼ中央部分を切除するとともに、上側の壁板15Bにおいてこの切除部分に対応する領域を上側に凹ませることによって、ランス進入凹部16が形成されている。このランス進入凹部15には、後述のランス50が進入可能とされている。そして、このランス進入凹部16の前側部分には、下側の壁板15Aの幅方向中央部を打ち出し加工することにより、ランス係止用突起17が下方へ突出するように形成されている。
また、連結部13の側壁の下側半分は除肉されており、これにより、後述のリテーナ40に設けられた係止用突起49が連結部13の下側に進入して角筒部11の後端縁に係止することが可能とされている。
【0013】
ジョイントターミナル20は、平板状の金属板材を所定形状に打ち抜いたものであって、左右方向に長い略長方形をなす本体部21を備え、この本体部21の後縁からは後方へ片持ち状に延出する3片の細長いターミナル片22が左右方向に一定間隔で並列されている(図2参照)。本体部21の前縁部には、左右方向中央位置に、前方に向かって上り勾配となるように切り起こされた形態の係止片23が形成されている。
【0014】
次に、ハウジング30について説明する。ハウジング30は、合成樹脂によりブロック状に形成されており、このハウジング30内において前端よりやや後方位置から後端位置にかけての領域には、前後方向に細長いキャビティ31が上下2段、幅方向に3室ずつ整列して形成されている(図1参照)。各キャビティ31の後端はハウジング30の後端面に端子挿入口31Aとして開口されている。
【0015】
このハウジング30においてキャビティ31の形成位置よりも前方には、ジョイントターミナル20の本体部21を収容可能なターミナル装着孔32が形成されている(図1、図7参照)。このターミナル装着孔32は、ハウジング30の前端面に開口した横長スリット状をなし、各段のキャビティ31の上端よりやや下がった位置に、左右3室のキャビティ31の形成領域と対応する範囲に亘って形成されている。またターミナル装着孔32の上下方向の開口幅は、ジョイントターミナル20の厚みとほぼ等しくされている。このターミナル装着孔32の上面には、ジョイントターミナル20の係止片23と係合する係合凹部32Aが設けられている。このターミナル装着孔32と後方のキャビティ31とを区画する隔壁33には、前後方向に貫通してターミナル装着孔32とキャビティ31とを連通する3つの挿入孔34が並列して形成されており、ここには、ジョイントターミナル20のターミナル片22を挿入可能とされている。
【0016】
このハウジング30においてキャビティ31の前端位置よりやや後方には、下方及び左右両側方の計三方へ開口するリテーナ取付孔35が各キャビティ31を横切って設けられている(図1参照)。このリテーナ取付孔35は、ハウジング30の底面から上段のキャビティ31における側壁(左右のキャビティ31同士を仕切る壁)の略下半分までを切り欠くような深さに形成され、全てのキャビティ31を外部に開放するようになっている。なお、ハウジング30の側面においては、両側壁は上段のキャビティ31の下端位置と整合する位置までが切り欠かれることなく残され、下段のキャビティ31の側方のみが開放されている。
【0017】
ハウジング30の側面においてリテーナ取付孔35の側面開口部の上方及び後方にかけての領域、およびハウジング30の底面においてリテーナ取付孔35の底面開口部の後方の領域は、前方の領域よりも一段凹んだ段差部36とされている(図3、図4参照)。側面の段差部36には、リテーナ40を係止するための本係止突部37および仮係止突部38が設けられている。本係止突部37は、段差部36の上端よりもやや下方位置に、リテーナ取付孔35の前端に対応する位置からハウジング30の後端位置付近にかけて延びるリブ状に形成されている。一方、仮係止突部38は、本係止突部37の下方であってリテーナ取付孔35の後方に配されている。これら本係止突部37および仮係止突部38は、それぞれ上端面が水平な係止面37A、38Aとされ、下端面が外側へ向かって上るテーパ面37B、38Bとされている。このリテーナ取付孔35には、下方からリテーナ40を差し込んで装着できるようになっている。
【0018】
リテーナ40は、合成樹脂により略ブロック状に形成されてリテーナ取付孔35に嵌合可能なリテーナ本体部41を備えるとともに、このリテーナ本体部41の後面側には、後方に延出されるとともにその外面がリテーナ本体部41の左右の側面および底面に連なる側板部42および底板部43が設けられている(図5、図6参照)。側板部42および底板部43は、段差部36の深さとほぼ同じ厚みをもって形成され、リテーナ40をハウジング30に取り付けた状態では、段差部36においてリテーナ取付孔35の後方の領域に嵌まるようになっている。
【0019】
リテーナ本体部41には、ハウジング30における下段のキャビティ31と整合する位置に、前後方向に貫通する連通孔44が幅方向に並列して設けられている。また、この連通孔44の上壁の上面には、ハウジング30における上段のキャビティ31の側壁と整合する位置に、仕切壁45Bが上方に向かって突設されることで、隣り合う仕切壁45B間に連通溝45が形成されている。リテーナ40がハウジング30に取り付けられるのに伴って、仕切壁45Bは上段のキャビティ31の側壁にほぼ隙間なく連なり、連通溝45が上段のキャビティ31の下側半分を構成する。また、連通孔44は下段のキャビティ31に連通される。
【0020】
このリテーナ本体部41の両側縁には、側端縁よりやや内側位置に上面側から縦のスリットが1本ずつ入れられることによって、側板部42と連なる片持ち状の撓み壁46が形成されている(図4参照)。この撓み壁46は側板部42と一体となって左右方向に拡開変形可能とされるとともに、リテーナ40をハウジング30に取り付けた状態では、段差部36においてリテーナ取付孔35の側面開口部の上方の領域に嵌まり合うようになっている。
【0021】
撓み壁46および側板部42において、上縁部よりやや下方には逃がし凹部47が凹み形成されており、リテーナ本体部41がハウジング30に装着された際にハウジング30の本係止突部37および仮係止突部38を逃がすことができるようになっている。(図1参照)。また、撓み壁46および側板部42の上縁部において凹み形成されずに残された部分は被保持突部48とされている。そして、この被保持突部48がハウジング30の仮係止突部38および本係止突部37に係止されることで、リテーナ40が仮係止位置または本係止位置に保持されるようになっている。この被保持突部48の上面は内側に向かって下るテーパ面48Aとされている。
【0022】
各連通孔44および連通溝45の下壁部において前後方向中央よりもやや後端寄りの位置には、係止用突起49が上方へ向かって突設されている(図6参照)。この係止用突起49は、リテーナ40が仮係止位置にあるときはキャビティ31から退避して配されることで端子金具10の挿抜を許容するが、リテーナ40が本係止位置にあるときにはキャビティ31内に進出して端子金具10に対して係止可能とされる。
【0023】
連通孔44および連通溝45の底面44A、45Aには、ランス50が形成されている(図5、図6参照)。このランス50は、キャビティ31内に突出するように斜め前方に片持ち状に延出された形態とされ、上下方向(端子金具10の挿抜方向と交差する方向であって、リテーナ40の挿入方向に沿った方向)に弾性撓みすることが可能となっている。キャビティ31内に端子金具10が挿入される際には、このランス50の先端が端子金具10の下面に設けられたランス進入凹部15内に進入し、このランス進入凹部15の前端縁に係止することが可能となっている。
【0024】
ランス50の下方には、このランス50の下方への弾性撓みを許容するための撓み空間51が設けられている(図6参照)。一方、ハウジング30においてキャビティ31の前方下側(ターミナル装着孔32の下方)には、ハウジング30の前面に開口するとともにキャビティ31に連通する解除孔39が形成されており、撓み空間51はこの解除孔39に連通している(図1参照)。端子金具10をハウジング30から取り外す際には、解除用治具(図示せず)を解除孔39から挿入してランス50を撓み変形させ、端子金具10に対する係止を解除することができる。
【0025】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
【0026】
ハウジング30に端子金具10を取り付ける際には、まず、前方からハウジング30にジョイントターミナル20を取り付けて保持しておく(図7参照)。取付けに際しては、ジョイントターミナル20を前方からターミナル装着孔32内に差し込み、治具Jを用いて本体部21の後端面が隔壁33に突き当たるまで押し込む。ジョイントターミナル20が正規の挿入位置に至った状態では、各ターミナル片22が挿入孔34内を貫通してキャビティ31内に突出している。この状態では、ターミナル装着孔32内においてこのターミナル装着孔32の上下面によって本体部21の上下左右方向への変位が規制され、挿入孔34内においてこの挿入孔34の内周面によってターミナル片22の上下左右方向への変位が規制される。また、本体部21の後端縁が隔壁33の前端面に当接することでジョイントターミナル20が後方への移動を規制されるとともに、係止片23の前端面が係合凹部32Aに係止することでジョイントターミナル20の前方への戻りが規制される。
【0027】
次に、リテーナ40をハウジング30に設けられたリテーナ取付孔35に下方から差し込む(図8参照)。すると、リテーナ40の被保持突部48が弾性変形しつつハウジング30の仮係止突部38を乗り越えてその上面(係止面38A)に係止するとともに、被保持突部48の上面(テーパ面48A)が本係止突部37の下面(テーパ面37B)に当接する。これにより、リテーナ40は、仮係止位置から上下方向への遊動が規制された状態に保持される。
【0028】
このとき、リテーナ40の係止用突起49は、その上面がキャビティ31の底面と面一となる位置まで退避しており、キャビティ31内への端子金具10の挿抜が可能となっている。また、ランス50もリテーナ40に設けられているため、係止用突起49とともに本来の係止位置よりも下方に退避している。
【0029】
この状態で、端子金具10を後方からキャビティ31に挿入する(図9参照)。このとき、端子金具10における角筒部11の下壁部15がランス50に摺接してこのランス50を下方へ弾性撓みさせながらキャビティ31内を進む。また、ジョイントターミナル20のターミナル片22が端子金具10の弾性接触片14の下面に摺接して弾性接触片14を次第に弾性撓みさせながら角筒部11内に進入する。したがって、挿入過程では、ランス50が弾性撓みしつつ端子金具10の外面に摺接することに起因する挿入抵抗と、ジョイントターミナル20のターミナル片22に対して端子金具10の弾性接触片14が摺接することに起因する挿入抵抗とが発生する。
【0030】
ここで、リテーナ40が仮係止位置にあることによって、ランス50は本来の係止位置よりも下方に退避しているから、端子金具10の挿入に伴うランス50の撓み量はこのランス50が本来の係止位置にある場合よりも小さい。したがって、この撓み量の減少分だけ、ランス50の先端が端子金具10に摺り合う力が弱くなり、端子金具10の挿入抵抗が低減される。これにより、挿入作業を円滑に行うことができる。
【0031】
端子金具10を正規位置まで挿入した状態では、弾性接触片14の弾性撓み量が最大となり、弾性接触片14の弾性復元力によって接触部14Aがターミナル片22に弾接されることで弾性接触片14とターミナル片22とが導通可能に接続する。これにより、各列の端子金具10はジョイントターミナル20を介して短絡された状態となる。
【0032】
全ての端子金具10を挿入したら、リテーナ40を本係止位置に押し込む(図10参照)。すると、リテーナ40の被保持突部48が弾性変形しつつハウジング30の本係止突部37を乗り越えてその上面(係止面37A)に係止される。これにより、リテーナ40が本係止位置に保持される。このとき、リテーナ40の係止用突起49がキャビティ31内に進入して、端子金具10における角筒部11の後端縁に係合する。また、ランス50も同様にキャビティ内に深く進入し、その先端部が角筒部11のランス進入凹部15に進入してランス係止用突起17に引っ掛けられる。これにより、端子金具10が抜け止め状態に二重係止される。
【0033】
以上のように本実施形態によれば、端子金具10を抜け止めするためのランス50がリテーナ40に設けられており、かつ、ランス50の撓み方向がリテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間での移動方向に沿う方向とされている。このような構成によれば、端子金具10をキャビティ31に挿入する際には、リテーナ40を仮係止位置に保持した状態で行えばよい。リテーナ40が仮係止位置にある状態では、ランス50が端子金具10に対する本来の係止位置よりもこのランス50の撓み方向に沿った方向に退避した位置にあるので、端子金具10の挿入に伴うランス50の撓み量が小さくなる。したがって、このランス50の撓み量の減少分だけ、ランス50の先端が端子金具10に摺り合う力がが弱くなり、端子金具10の挿入抵抗が低減される。一方、端子金具10の挿入後においては、リテーナ40を本係止位置に押し込めば、ランス50の端子金具10に対する係り代が充分に確保され、確実な抜け止めがなされる。
【0034】
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態では、キャビティ31が上下2段、左右に3個並列されていたが、キャビティの配列は上記実施形態の限りではなく、コネクタの使用形態等に応じて配設されていれば良い。
(2)上記実施形態では、本発明をジョイントターミナル20を備えるジョイントコネクタ1に適用する例について示したが、ジョイントターミナルを備えないコネクタにも本発明を適用できる。
(3)上記実施形態では、リテーナ40が仮係止位置にあるときにランス50が端子金具10の角筒部11との干渉により僅かに撓んだが、リテーナが仮係止位置にあるときにランスが端子金具10と非干渉となる位置まで退避するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施形態のジョイントコネクタおよび端子金具の分解側断面図
【図2】(A)ジョイントターミナルの上面図 (b)ジョイントターミナルの側面図
【図3】ジョイントコネクタの側面図
【図4】ジョイントコネクタの正面図
【図5】リテーナの上面図
【図6】リテーナの側断面図
【図7】ハウジングにジョイントターミナルを取り付ける様子を示す部分拡大断面図
【図8】ハウジングにリテーナを仮係止した状態を示す側断面図
【図9】ハウジングに端子を取り付ける様子を示す側断面図
【図10】組み付け完了後のジョイントコネクタの側断面図
【符号の説明】
【0036】
1…ジョイントコネクタ(コネクタ)
10…端子金具
20…ジョイントターミナル
22…ターミナル片
30…ハウジング
31…キャビティ
40…リテーナ
50…ランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられて端子金具を挿入可能なキャビティと、
前記ハウジングに設けられて前記端子金具の前記キャビティへの挿入を許容する仮係止位置と前記キャビティ内に挿入された前記端子金具に係止してその端子金具を抜止めする本係止位置との間で変位可能とされたリテーナと、を備えたコネクタであって、
前記リテーナには、前記キャビティに前記端子金具を挿入する過程では前記端子金具との干渉により前記リテーナの仮係止位置と本係止位置との間での移動方向に沿う方向に弾性撓みし、前記端子金具が正規挿入位置に達した状態では自由状態に復帰して前記端子金具に係止することでその端子金具を抜止めするランスが設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記コネクタが、互いに導通可能な複数のターミナル片を有するジョイントターミナルを前記ハウジングに備えてなり、前記端子金具とこれに対応する前記ターミナル片とを接続させたときに前記ターミナル片に接続した前記端子金具同士を短絡させるようにしたジョイントコネクタであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−12352(P2007−12352A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189534(P2005−189534)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】