説明

コネクタ

【課題】一括ゴム栓のシール孔が端子金具で傷付けられるのを防止する。
【解決手段】コネクタAは、端子収容室11が形成されたハウジング10と、シール孔17が形成されてハウジング10の後端部に取り付けられる一括ゴム栓16と、一括ゴム栓16の後方に設けられるゴム栓ホルダ20と、角筒部13を有し、後方からシール孔17を貫通して端子収容室11内に挿入される端子金具12とを有する。ゴム栓ホルダ20は、その前面から前方へ延出してシール孔17の後端部に収容されるガイド部22を有する。端子金具12の挿入過程では、角筒部13が、ガイド部22への摺接により、端子金具12の挿入方向と交差する方向における正規位置へ誘導される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、防水タイプのコネクタが開示されている。このコネクタは、内部に複数の端子収容室が形成されたハウジングと、端子収容室と対応する複数のシール孔が形成されていてハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、後方からシール孔を貫通して端子収容室内に挿入される端子金具とを備えている。端子金具は角筒部を有し、端子金具の後端部には電線が接続されている。端子金具を挿入する過程では、角筒部がシール孔を弾性的に拡開させる。端子金具がシール孔を通過して端子収容室内に挿入されると、電線の外周とシール孔の内周とが弾性的に密着してシールされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−317385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のコネクタでは、端子金具が挿入方向と交差する方向へ位置ずれした状態でシール孔内に進入した場合、角筒部の角縁部が、シール孔の内周の一部を局所的に強く押圧するため、その押圧力によってシール孔の内周が傷付けられることが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、一括ゴム栓のシール孔が端子金具によって傷付けられるのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、内部に複数の端子収容室が形成されたハウジングと、前記端子収容室と対応する複数のシール孔が形成されていて、前記ハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、前記シール孔と対応する複数の貫通孔を有し、前記一括ゴム栓の後方に配されるゴム栓ホルダと、角筒部を有し、後方から前記シール孔を貫通して前記端子収容室内に挿入される端子金具とを備え、前記端子金具を前記端子収容室に挿入する過程では、前記角筒部が前記シール孔を弾性的に拡開させるようになっているコネクタにおいて、前記ゴム栓ホルダには、前記ゴム栓ホルダの前面から前記端子金具の挿入方向前方に向かって片持ち状に延出した形態であって、前記シール孔の後端部に収容されるガイド部が形成され、前記端子金具の挿入過程では、前記角筒部が、前記ガイド部への摺接により、前記端子金具の挿入方向と交差する方向における正規位置へ誘導されるようになっているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記ガイド部は、前記端子金具の挿入経路を挟んで対向するように、且つ前記端子金具の挿入方向前方に向かって対向間隔が狭まるように傾斜した一対のガイド片を備えて構成され、前記一対のガイド片は、その後端部を支点として弾性変位可能とされているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記貫通孔は略方形をなし、前記ガイド部は、前記貫通孔の開口縁の4辺から角筒状に延出し、且つ前記端子金具の挿入方向前方に向かって細くなるようなテーパ状をなしているところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記シール孔の内周には、前記角筒部が通過する際に弾性撓みするリップ部が形成されており、前記ガイド部は、前記リップ部と非接触の状態に保たれているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
<請求項1の発明>
端子金具の角筒部は、ガイド部によって正規の位置へ誘導されるので、シール孔の内周を傷付ける虞はない。
【0010】
<請求項2の発明>
端子金具が位置ずれ状態で挿入されると、ガイド片は、端子金具に押されて一時的に弾性変位するが、端子金具は、ガイド片に摺接する間にガイド片の弾性復元力によって位置を矯正される。
【0011】
<請求項3の発明>
ガイド部は4辺から延出しているので、端子金具の位置ずれ方向がどのような方向であっても、端子金具の位置ずれが矯正される。
【0012】
<請求項4の発明>
ガイド部がリップ部と非接触の状態に保たれているので、リップ部がガイド部によって傷付けられたり、不正な変形を生じたりする虞はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1のコネクタの部分拡大断面図
【図2】ゴム栓ホルダの正面図
【図3】ゴム栓ホルダの背面図
【図4】実施形態2のコネクタの部分拡大断面図
【図5】ゴム栓ホルダの正面図
【図6】ゴム栓ホルダの背面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図3を参照して説明する。本実施形態のコネクタAは、ハウジング10と、複数の雌形の端子金具12と、一括ゴム栓16と、ゴム栓ホルダ20とを組み付けて構成されている。
【0015】
ハウジング10は、合成樹脂製であり、その内部には前後方向に貫通する複数の端子収容室11が形成されている。各端子収容室11内には、夫々、後方から端子金具12が挿入されるようになっている。端子金具12は、全体として前後方向に細長く、端子金具12の前端部には、角筒部13が形成されている。端子金具12の高さ寸法(端子収容室11に対する端子金具12の挿入方向と交差する方向の寸法)及び幅寸法(端子収容室11に対する端子金具12の挿入方向と交差する方向の寸法)は、角筒部13において最大である。角筒部13内には、雄形の相手側端子(図示省略)のタブに対して弾性的に接触する弾性接触片(図示省略)が収容されている。端子金具12の後端部の電線接続部14には、電線15が、圧着により導通可能に固着されている。電線15の外径は、角筒部13の幅寸法及び高さ寸法よりも小さい。
【0016】
一括ゴム栓16は、ハウジング10の後端面に当接又は接近して対向するように取り付けられている。一括ゴム栓16には、端子収容室11と個別に対応する複数のシール孔17が、貫通形態で形成されている。シール孔17の内周は円形をなし、シール孔17の内周面には、前後方向に間隔を空けた複数のリップ部18が形成されている。リップ部18の最小内径は、電線15の外径寸法よりも小さく設定されているので、角筒部13の幅寸法及び高さ寸法よりも小さい。リップ部18は、端子金具12(角筒部13)がシール孔17を通過するときに弾性撓みを生じる。また、シール孔17の後端部(複数のリップ部18のうち最も後方に位置するリップ部18よりも、更に後方の空間領域)は収容空間19となっており、この収容空間19は、隣り合うリップ部18間の谷部の最大内径よりも大径の空間である。また、収容空間19は、一括ゴム栓16の後端面に開口されている。
【0017】
ゴム栓ホルダ20は、合成樹脂製であり、一括ゴム栓16の後端面と当接又は接近して対向するように配されてハウジング10に組み付けられている。このゴム栓ホルダ20は、一括ゴム栓16がハウジング10から後方へ離脱するのを規制する。ゴム栓ホルダ20には、各端子収容室11及びシール孔17と個別に対応するように複数の貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、開口形状が略方形であり、端子金具12の角筒部13が貫通し得る大きさに設定されている。端子金具12を端子収容室11に挿入する際には、貫通孔21とシール孔17とを順に通過する。そして、端子金具12がシール孔17を通過して端子収容室11内に収容されると、電線15が、シール孔17を貫通する状態となり、リップ部18が弾性撓みした状態で電線15の外周面に液密状に密着するようになっている。
【0018】
本実施形態1では、端子金具12が挿入する際に、挿入方向と交差する方向(上下方向)へ位置ずれしたときに、その位置ずれを矯正して端子金具12を正規の挿入経路へ誘導するための手段として、ゴム栓ホルダ20にガイド部22が一体に形成されている。
【0019】
図1に示すように、ガイド部22は、ゴム栓ホルダ20の前面から端子収容室11に対する端子金具12の挿入方向前方(図1における左方)に向かって片持ち状に延出した形態であって、上下対称な一対の平板状をなすガイド片23を備えて構成されている。一対のガイド片23は、端子金具12の挿入経路を挟んで上下方向(端子金具12の挿入方向と交差する方向)に対向するように配置されている。また、一対のガイド片23は、端子金具12の挿入方向に対して斜めをなし、端子金具12の挿入方向前方に向かって対向間隔が次第に狭まるように傾斜している。
【0020】
上側のガイド片23は、貫通孔21の前面側の開口縁のうち上縁部から斜め下前方へ片持ち状に延出し、後端縁(貫通孔21の上縁部)を略支点として上下方向へ弾性的に揺動し得るようになっている。下側のガイド片23は、貫通孔21の前面側の開口縁のうち下縁部から斜め上前方へ片持ち状に延出し、後端縁(貫通孔21の上縁部)を略支点として上下方向へ弾性的に揺動し得るようになっている。このガイド片23の弾性撓みの方向は、端子金具12の挿入方向と交差する方向である。
【0021】
図2,3に示すように、幅方向(端子金具12の挿入方向及び一対のガイド片23の弾性撓み方向の両方向に対して交差する方向)におけるガイド片23の形成領域は、貫通孔21の開口幅の範囲内である。また、上下方向(ガイド片23の弾性撓み方向)において、ガイド片23が弾性撓みしていない状態では、ガイド片23の前端同士の上下間隔は、角筒部13の高さ寸法(上下寸法)と同じか、それよりも僅かに大きい寸法とされている。
【0022】
図1に示すように、ゴム栓ホルダ20を取り付けた状態では、ガイド片23(ガイド部22)は、一括ゴム栓16のシール孔17の後端部の収容空間19内に収容されている。ガイド片23は、弾性撓みしていない状態で、リップ部18とは接触していない。また、ガイド片23が上下に拡開するように弾性撓みした状態でも、リップ部18とは接触しない。したがって、リップ部18がガイド部22によって傷付けられたり、不正な変形を生じたりする虞はない。
【0023】
次に、本実施形態1の作用を説明する。端子金具12を後方からゴム栓ホルダ20の貫通孔21に挿入したときに、端子金具12の位置が正規の挿入経路から上方又は下方へ位置ずれしていた場合には、角筒部13の前端が、貫通孔21を通過してシール孔17の後端部に進入した直後に、上側又は下側のガイド片23に当接する。それ以降は、端子金具12の挿入が進むのに伴い、上側又は下側のガイド片23が、角筒部13に押されて上方又は下方へ弾性撓みする。
【0024】
弾性撓みさせられたガイド片23は、それ自身の弾性復元力により、角筒部13を下方又は上方へ押圧する。したがって、このガイド片23の押圧力により、角筒部13は、上下方向において正規の挿入経路へ誘導され、位置矯正された状態で最も後端に位置するリップ部18に当接することになる。したがって、角筒部13が上下方向へ位置ずれした状態でリップ部18に当接することに起因するリップ部18の傷付きが生じる虞はない。
【0025】
上述のように本実施形態1のコネクタAは、端子金具12を端子収容室11に挿入する過程では、角筒部13がシール孔17のリップ部18を弾性的に拡開変形させるようになっているのであるが、ゴム栓ホルダ20には、ゴム栓ホルダ20の前面から端子金具12の挿入方向前方に向かって片持ち状に延出した形態であって、シール孔17の後端部に収容されたガイド部22が形成され、端子金具12の挿入過程では、角筒部13が、ガイド部22への摺接により、端子金具12の挿入方向と交差する方向における正規位置へ誘導されるようになっている。この構成によれば、角筒部13がシール孔17の内周(リップ部18)を傷付けるのを防止することができる。
【0026】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図4〜図6を参照して説明する。本実施形態2のコネクタBは、ガイド部31を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。ハウジング10、端子金具12、一括ゴム栓16については上記実施形態1と同じであり、ゴム栓ホルダ30については、ガイド部31以外の基本形態が上記実施形態1のゴム栓ホルダ20と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0027】
本実施形態2においても、端子金具12が挿入する際に、挿入方向と交差する方向(上下方向又は左右方向)へ位置ずれしたときに、その位置ずれを矯正して端子金具12を正規の挿入経路へ誘導するための手段として、ゴム栓ホルダ30にガイド部31が一体に形成されている。
【0028】
図4に示すように、ガイド部31は、ゴム栓ホルダ30の前面から端子収容室11に対する端子金具12の挿入方向前方(図4における左方)に向かって片持ち状に延出した形態であり、角筒状をなす。ガイド部31は、貫通孔21の前面側の開口縁における上下2辺から延出する上下対称な一対の平板状をなすガイド壁32と、貫通孔21の前面側の開口縁における左右2辺から延出する左右対称な一対の平板状をなすガイド壁32とを備えて構成されている。上下一対のガイド壁32は、端子金具12の挿入経路を挟んで上下方向(端子金具12の挿入方向と交差する方向)に対向するように配置されている。左右一対のガイド壁32は、端子金具12の挿入経路を挟んで左右方向(端子金具12の挿入方向と交差する方向)に対向するように配置されている。
【0029】
この角筒状をなすガイド部31は、端子金具12の挿入方向前方に向かって次第に細くなるようなテーパ状をなしている。即ち、上下一対のガイド壁32のうち上側のガイド壁32は、貫通孔21の前面側の開口縁のうち上縁部から斜め下前方へ片持ち状に延出し、下側のガイド壁32は、貫通孔21の前面側の開口縁のうち下縁部から斜め上前方へ片持ち状に延出している。つまり、上下一対のガイド壁32は、端子金具12の挿入方向前方に向かって対向間隔が次第に狭まるように傾斜している。
【0030】
一方、左右一対のガイド壁32のうち左側のガイド壁32は、貫通孔21の前面側の開口縁のうち左側縁部から斜め右前方へ片持ち状に延出し、右側のガイド壁32は、貫通孔21の前面側の開口縁のうち右側縁部から斜め左前方へ片持ち状に延出している。この左右一対のガイド壁32も、端子金具12の挿入方向前方に向かって対向間隔が次第に狭まるように傾斜している。これら4つのガイド壁32は、その前後方向の側縁同士が略直角をなすように周方向に連なって、角筒形状を構成している。したがって、ガイド壁32(ガイド部31)は容易に変形しない。
【0031】
図5,6に示すように、角筒状をなすガイド部31の開口面積は、ガイド部31の後端で最大であり、前端で最小である。そして、ガイド部31の幅方向(端子金具12の挿入方向と交差する方向)における最小寸法は、角筒部13の幅寸法よりも僅かに大きい寸法である。また、ガイド部31の高さ方向(端子金具12の挿入方向と交差する方向)における最小寸法は、角筒部13の高さ寸法よりも僅かに大きい寸法である。したがって、角筒部13はガイド部31を通過することができる。
【0032】
また、図4に示すように、ゴム栓ホルダ30を取り付けた状態では、ガイド壁32(ガイド部31)は、一括ゴム栓16のシール孔17の後端部の収容空間19内に収容され、リップ部18とは接触していない状態を保つ。したがって、リップ部18がガイド部31によって傷付けられたり、不正な変形を生じたりする虞はない。
【0033】
次に、本実施形態2の作用を説明する。端子金具12を後方からゴム栓ホルダ30の貫通孔21に挿入したときに、端子金具12の位置が正規の挿入経路から上方又は下方へ位置ずれしていた場合には、角筒部13の前端が、貫通孔21を通過してシール孔17の後端部に進入した直後に、上側又は下側のガイド壁32に当接する。それ以降は、端子金具12の挿入が進むのに伴い、角筒部13が、上側又は下側のガイド壁32に摺接することにより、下方又は上方へ位置矯正される。そして、角筒部13の前端がガイド部31の前端を通過する時点では、角筒部13が、上下方向において正規の挿入経路へ誘導され、位置矯正された状態で最も後端に位置するリップ部18に当接することになる。したがって、角筒部13が上下方向へ位置ずれした状態でリップ部18に当接することに起因するリップ部18の傷付きが生じる虞はない。
【0034】
また、端子金具12を貫通孔21に挿入したときに、端子金具12の位置が正規の挿入経路から左方又は右方へ位置ずれしていた場合には、角筒部13の前端が、貫通孔21を通過してシール孔17の後端部に進入した直後に、左側又は右側のガイド壁32に当接する。それ以降は、端子金具12の挿入が進むのに伴い、角筒部13が、左側又は右側のガイド壁32に摺接することにより、右方又は左方へ位置矯正される。そして、角筒部13の前端がガイド部31の前端を通過する時点では、角筒部13が、左右方向において正規の挿入経路へ誘導され、位置矯正された状態で最も後端に位置するリップ部18に当接することになる。したがって、角筒部13が左右方向へ位置ずれした状態でリップ部18に当接することに起因するリップ部18の傷付きが生じる虞はない。
【0035】
上述のように本実施形態2のコネクタBは、端子金具12を端子収容室11に挿入する過程では、角筒部13がシール孔17のリップ部18を弾性的に拡開変形させるようになっているのであるが、ゴム栓ホルダ30には、ゴム栓ホルダ30の前面から端子金具12の挿入方向前方に向かって片持ち状に延出した形態であって、シール孔17の後端部に収容されたガイド部31が形成され、端子金具12の挿入過程では、角筒部13が、ガイド部31への摺接により、端子金具12の挿入方向と交差する方向における正規位置へ誘導されるようになっている。この構成によれば、角筒部13がシール孔17の内周(リップ部18)を傷付けるのを防止することができる。
【0036】
また、ガイド部31は、貫通孔21の開口縁の4辺から角筒状に延出し、且つ端子金具12の挿入方向前方に向かって細くなるようなテーパ状をなしている。このように、本実施形態2では、ガイド部31が貫通孔21の4辺から延出しているので、端子金具12の位置ずれ方向がどのような方向であっても、端子金具12の位置ずれを矯正することができる。
【0037】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1では、ガイド片を一対のみとしたが、対向方向が互いに直交するように配置した二対のガイド片を設けてもよい。
(2)上記実施形態1,2では、ガイド部をリップ部と接触しないようにしたが、ガイド部は、リップ部と接触する形態であってもよい。
(3)上記実施形態1,2では、端子金具が雌形の端子である場合について説明したが、本発明は、端子金具が、前端部の細長いタブを有する雄形の端子である場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0038】
A…コネクタ
10…ハウジング
11…端子収容室
12…端子金具
13…角筒部
16…一括ゴム栓
17…シール孔
18…リップ部
20…ゴム栓ホルダ
21…貫通孔
22…ガイド部
23…ガイド片
B…コネクタ
30…ゴム栓ホルダ
31…ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数の端子収容室が形成されたハウジングと、
前記端子収容室と対応する複数のシール孔が形成されていて、前記ハウジングの後端部に取り付けられる一括ゴム栓と、
前記シール孔と対応する複数の貫通孔を有し、前記一括ゴム栓の後方に配されるゴム栓ホルダと、
角筒部を有し、後方から前記シール孔を貫通して前記端子収容室内に挿入される端子金具とを備え、
前記端子金具を前記端子収容室に挿入する過程では、前記角筒部が前記シール孔を弾性的に拡開させるようになっているコネクタにおいて、
前記ゴム栓ホルダには、前記ゴム栓ホルダの前面から前記端子金具の挿入方向前方に向かって片持ち状に延出した形態であって、前記シール孔の後端部に収容されるガイド部が形成され、
前記端子金具の挿入過程では、前記角筒部が、前記ガイド部への摺接により、前記端子金具の挿入方向と交差する方向における正規位置へ誘導されるようになっていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記端子金具の挿入経路を挟んで対向するように、且つ前記端子金具の挿入方向前方に向かって対向間隔が狭まるように傾斜した一対のガイド片を備えて構成され、
前記一対のガイド片は、その後端部を支点として弾性変位可能とされていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記貫通孔は略方形をなし、
前記ガイド部は、前記貫通孔の開口縁の4辺から角筒状に延出し、且つ前記端子金具の挿入方向前方に向かって細くなるようなテーパ状をなしていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記シール孔の内周には、前記角筒部が通過する際に弾性撓みするリップ部が形成されており、
前記ガイド部は、前記リップ部と非接触の状態に保たれていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73719(P2013−73719A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210537(P2011−210537)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】