説明

コモンモードノイズフィルタ

【課題】本発明は、絶縁不良が発生するのを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明のコモンモードノイズフィルタは、積層体22を構成する複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層に設けられた第1、第2のコイルと、前記第1のコイルの両端部に接続された2つの第1の外部電極23と、前記第2のコイルの両端部に接続された2つの第2の外部電極24とを備え、前記第1、第2の外部電極23,24を前記積層体22の表面に形成し、前記第1の外部電極23と第2の外部電極24との間を、前記第1のコイルと第2のコイルの間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材28で覆うようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器に使用される小型で、かつ積層型のコモンモードノイズフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のコモンモードノイズフィルタは、図5に示すように、第1〜第4の絶縁層1a〜1dの各々の上面にそれぞれ第1〜第4の導体2a、2b、3a、3bを設け、そして第1の導体2aと渦巻き状の第2の導体2bとをビア電極4aを介して接続することにより第1のコイル2を形成するとともに、渦巻き状の第3の導体3aと第4の導体3bとをビア電極4bを介して接続することにより第2のコイル3を形成し、さらに第4の導体3bの上面に第5の絶縁層1eを設けていた。また、前記第1の絶縁層1aと第5の絶縁層1eは磁性体で構成し、かつ第2の絶縁層1b〜第4の絶縁層1dは非磁性体で構成していた。
【0003】
上記のような構成とすることにより、第1のコイル2と第2のコイル3の間を交差する磁界を強めて、第1のコイル2と第2のコイル3のコモンモード成分のインピーダンスを大きくし、これにより、コモンモードノイズを除去するようにしていた。
【0004】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−124028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した従来のコモンモードノイズフィルタにおいては、外部から第1のコイル2および第2のコイル3に静電気が突入すると、コモンモードノイズフィルタの内部において第1のコイル2と第2のコイル3の間で放電し、これにより、第1のコイル2と第2のコイル3の間に位置する第3の絶縁層1cにクラックが生じる等して絶縁不良が発生する場合があるという課題を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、絶縁不良が発生するのを抑制できるコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、積層体を構成する複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層に設けられた第1、第2のコイルと、前記第1のコイルの両端部に接続された2つの第1の外部電極と、前記第2のコイルの両端部に接続された2つの第2の外部電極とを備え、前記第1、第2の外部電極を前記積層体の表面に形成し、前記第1の外部電極と第2の外部電極との間を、前記第1のコイルと第2のコイルの間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材で覆うようにしたもので、この構成によれば、積層体の表面に形成した第1の外部電極と第2の外部電極との間を、第1のコイルと第2のコイルの間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材で覆うようにしているため、外部から入ってきた静電気を積層体の表面における第1の外部電極と第2の外部電極との間で放電させることができ、これにより、第1のコイルと第2のコイルとの間で放電するのを防止できるため、これらの間で絶縁不良が発生するのを抑制できるという作用効果が得られるものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、積層体を構成する複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層に設けられた第1、第2のコイルと、前記第1のコイルの両端部に接続された2つの第1の外部電極と、前記第2のコイルの両端部に接続された2つの第2の外部電極とを備え、前記第1、第2の外部電極を前記積層体の表面に形成し、前記第1の外部電極と第2の外部電極の互いに対向する箇所に突出部をそれぞれ設けたもので、この構成によれば、積層体の表面に形成した第1の外部電極と第2の外部電極の互いに対向する箇所に突出部をそれぞれ設けているため、外部から入ってきた静電気を積層体の表面における第1の外部電極と第2の外部電極との間で放電させることができ、これにより、第1のコイルと第2のコイルとの間で放電するのを防止できるため、これらの間で絶縁不良が発生するのを抑制できるという作用効果が得られるものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明のコモンモードノイズフィルタは、積層体の表面に形成した第1の外部電極と第2の外部電極との間を、前記第1のコイルと第2のコイルの間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材で覆うようにしているため、外部から入ってきた静電気を積層体の表面における第1の外部電極と第2の外部電極との間で放電させることができ、これにより、第1のコイルと第2のコイルとの間で放電するのを防止できるため、これらの間で絶縁不良が発生するのを抑制できるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【図2】同コモンモードノイズフィルタの斜視図
【図3】同コモンモードノイズフィルタの他の例を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図
【図5】従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図2は同コモンモードノイズフィルタの斜視図である。
【0015】
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタは、図1、図2に示すように、第1の絶縁層11の上面に設けられた第1の導体12と、前記第1の導体12の上面に設けられた第2の絶縁層13と、前記第2の絶縁層13の上面に設けられ、かつ前記第1の導体12に接続された渦巻き状の第2の導体14と、前記第2の導体14の上面に設けられた第3の絶縁層15と、前記第3の絶縁層15の上面に設けられた渦巻き状の第3の導体16と、前記第3の導体16の上面に設けられた第4の絶縁層17と、前記第4の絶縁層17の上面に設けられ、かつ前記第3の導体16に接続された第4の導体18と、前記第4の導体18の上面に設けられた第5の絶縁層19とを備えているものである。
【0016】
そして、前記第1の導体12と、この第1の導体12に接続された第2の導体14とにより第1のコイル20が構成され、かつ第3の導体16と、この第3の導体16に接続された第4の導体18とにより第2のコイル21が構成されている。
【0017】
また、上記のように構成することにより、積層体22が構成され、そして、この積層体22の両端部の対向する表面に2つの第1の外部電極23と2つの第2の外部電極24がそれぞれ形成されている。
【0018】
上記構成において、前記第1の絶縁層11、第5の絶縁層19は、Fe23をベースとしたフェライト等の磁性材料によりシート状に構成されているもので、絶縁性を有している。
【0019】
また、前記第1の導体12、第2の導体14、第3の導体16、第4の導体18は、銀等の導電材料をめっきすることにより形成されるもので、それぞれ第1の絶縁層11、第2の絶縁層13、第3の絶縁層15、第4の絶縁層17の上面に設けられている。さらに、第1の導体12、第2の導体14、第3の導体16、第4の導体18の一端部は積層体22の外部に露出している。なお、第1〜第4の導体12,14,16,18は、めっきで形成するのではなく、その他の印刷や蒸着等の方法で形成してもよい。
【0020】
そしてまた、前記第2の絶縁層13、第3の絶縁層15、第4の絶縁層17は、Cu−Znフェライト、ガラスセラミック等の非磁性材料によりシート状に構成されているもので、絶縁性を有している。また、第2の絶縁層13の中央部には第1のバイア電極25が、第4の絶縁層17の中央部には第2のバイア電極26がそれぞれ形成されている。
【0021】
そして、前記第1のバイア電極25は、第1の導体12の他端部および第2の導体14の他端部(渦巻きの中心部)と接続され、これにより、第1の導体12と第2の導体14とからなる第1のコイル20が形成される。
【0022】
そしてまた、前記第2のバイア電極26は、第3の導体16の他端部(渦巻きの中心部)および第4の導体18の他端部と接続され、これにより、第3の導体16と第4の導体18とからなる第2のコイル21が形成される。
【0023】
なお、第1のバイア電極25および第2のバイア電極26は、それぞれ第2の絶縁層13を貫通する孔および第4の絶縁層17を貫通する孔に銀等の導電体を充填することにより構成している。
【0024】
さらに、前記第1の絶縁層11の下面と第5の絶縁層19の上面にはダミー絶縁層27がそれぞれ設けられているもので、このダミー絶縁層27は、シート状に構成され、絶縁性を有しているが、その材料は磁性材料、非磁性材料のどちらで構成しても構わない。また、第1〜第5の絶縁層11,13,15,17,19、ダミー絶縁層27の枚数は、図1に示された枚数に限られるものではない。
【0025】
なお、前記第2の導体14、第3の導体16は、渦巻き状に形成されているもので、これにより、第1のコイル20、第2のコイル21のインピーダンスを大きくすることができる。さらに、第2の導体14と第3の導体16とは、その大部分が第3の絶縁層15を介して上面視にて重なるように対向しているため、第1のコイル20、第2のコイル21のコモンモード成分のインピーダンスを大きくすることができる。
【0026】
そして、上記した構成により積層体22が形成される。また、この積層体22の一方の端面には1つの第1の外部電極23と1つの第2の外部電極24が形成され、かつ積層体22の他方の端面にはもう一方の第1の外部電極23ともう一方の第2の外部電極24が形成されている。さらに、前記第1の外部電極23は、第1のコイル20の両端部、すなわち積層体22の外部に露出した第1の導体12の一端部および第2の導体14の一端部と接続され、かつ第2の外部電極24は、第2のコイル21の両端部、すなわち積層体22の外部に露出した第3の導体16の一端部および第4の導体18の一端部と接続されている。
【0027】
そしてまた、前記第1の外部電極23、第2の外部電極24は、銀等を印刷して形成された下地層と、その表面のニッケルめっき層と、さらにその表面のすずやはんだ等の低融点金属めっき層で構成されている。
【0028】
また、図2に示すように、積層体22の両端面の表面における第1の外部電極23と第2の外部電極24との間には、第1のコイル20と第2のコイル21の間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材28(図1では図示せず)が塗布により形成されている。この場合、前記樹脂としては、ビニル系高分子化合物、石油系樹脂、ロジン等の天然樹脂、この天然樹脂の誘導体、パラフィンワックス等の熱可塑性高分子樹脂を使用することができる。そして、これらの樹脂は、通常は絶縁材料であるため、通過信号、ノイズに対して放電することはないが、内部にカーボンなどの導電性材料を有するため、静電気のような非常に高い、瞬間的な電圧が印加された場合、カーボンなどの導電性材料を伝わって静電気が放電される。すなわち、これらの樹脂の絶縁抵抗が、第1、第2のコイル20,21間の絶縁抵抗より低いか、もしくはこれらの樹脂が第1、第2のコイル20,21間より静電気に弱い場合、第1、第2のコイル20,21間で放電を開始する前に、これらの樹脂の内部で放電されるため、積層体22の内部に対する静電気放電がバイパスされることになる。また、電圧依存性抵抗材料としては、酸化亜鉛を主成分とするセラミック材料等のバリスタ材料や、アルミニウム、ニッケル、銅のうち少なくとも1つを含む金属粉と、シリコン、エポキシ、フェノールのうち少なくとも1つを含む樹脂等からなる材料を使用することができる。
【0029】
なお、前記静電気防止部材28は、積層体22の両端面の表面ではなく、図3に示すように、積層体22の両端部の上面に形成してもよいし、また、積層体22の全面に形成してもよい。
【0030】
次に、本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの製造方法について説明する。
【0031】
図1、図2において、まず、それぞれの原材料である磁性材料や非磁性材料の粉体および樹脂、溶剤からなる混合物により、方形の第1〜第5の絶縁層11,13,15,17,19、ダミー絶縁層27をそれぞれ所定枚数作製する。このとき、第2の絶縁層13、第4の絶縁層17の所定箇所に、レーザ、パンチング等で孔あけ加工をし、この孔に銀を充填して、第1、第2のバイア電極25,26を形成する。
【0032】
次に、所定枚数のダミー絶縁層27の上面に、第1の絶縁層11を積層し、その後、第1の絶縁層11の上面に、第1の導体12をめっきによって形成する。
【0033】
次に、第1の導体12の上面に、第1のバイア電極25が設けられた第2の絶縁層13を配置する。このとき、第1の導体12の他端部と第1のバイア電極25とを接続する。
【0034】
次に、第2の絶縁層13の上面に、渦巻き状の第2の導体14をめっきによって形成する。このとき、第2の導体14の他端部と第1のバイア電極25とを接続する。
【0035】
次に、第2の導体14の上面に、第3の絶縁層15を配置し、その後、この第3の絶縁層15の上面に、渦巻き状の第3の導体16をめっきによって形成する。
【0036】
次に、第3の導体16の上面に、第2のバイア電極26が設けられた第4の絶縁層17を配置する。このとき、第3の導体16の他端部と第2のバイア電極26とを接続する。
【0037】
次に、第4の絶縁層17の上面に、第4の導体18をめっきによって形成する。このとき、第4の導体18の他端部と第2のバイア電極26とを接続する。
【0038】
次に、第4の導体18の上面に、第5の絶縁層19を配置し、その後、第5の絶縁層19の上面に所定枚数のダミー絶縁層27を配置して、積層体22を形成する。
【0039】
次に、積層体22を所定の温度、時間で焼成する。その後、積層体22の両端面に、第1〜第4の導体12,14,16,18のそれぞれの一端部とそれぞれ接続されるように銀を印刷して下地層を形成し、さらに、その表面にニッケルをめっきすることによりニッケルめっき層を形成し、さらにその表面にすずやはんだ等をめっきすることにより低融点金属めっき層を形成して第1、第2の外部電極23,24を構成する。
【0040】
最後に、積層体22の両端面の表面における第1の外部電極23と第2の外部電極24との間に、前記第1のコイル20と第2のコイル21の間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材28(図1では図示せず)を塗布により形成する。
【0041】
上記したように本発明の実施の形態1においては、積層体22の表面に形成された第1の外部電極23と第2の外部電極24との間を、前記第1のコイル20と第2のコイル21の間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材28で覆うようにしているため、外部から入ってきた静電気を積層体22の表面における第1の外部電極23と第2の外部電極24との間で放電させることができ、これにより、第1のコイル20と第2のコイル21との間で放電するのを防止できるため、これらの間で絶縁不良が発生するのを抑制できるという効果が得られるものである。
【0042】
すなわち、外部から入ってきた静電気を積層体22の表面で放電させることによって、積層体22の内部に静電気が侵入するのを防ぐことができるため、第1のコイル20と第2のコイル21の間に位置する第3の絶縁層15にクラックが生じたりするのを抑制できる。
【0043】
また、第1の外部電極23と第2の外部電極24との間を静電気防止部材28で覆うようにしているため、通常の使用状態において、第1の外部電極23、第2の外部電極24の形成位置ばらつきや空気中の水分の影響で、第1の外部電極23と第2の外部電極24間(すなわち、第1のコイル20と第2のコイル21との間)で絶縁不良が発生するのを低減することができる。特に、第1の外部電極23、第2の外部電極24も静電気防止部材28で覆うようにした場合、この静電気防止部材28が保護膜の役割を果たすため、第1の外部電極23、第2の外部電極24の劣化を防止でき、これにより、実装信頼性を向上させることができる。なお、実装基板へのはんだ付けが可能となるように、前記第1の外部電極23、第2の外部電極24は一部を露出させる必要がある。
【0044】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
【0045】
図4は本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
【0046】
図4において、本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、第1の外部電極23と第2の外部電極24との間を静電気防止部材28で覆うのではなく、第1の外部電極23と第2の外部電極24の互いに対向する箇所に突出部29をそれぞれ設けた点である。
【0047】
この場合、第1の外部電極23に形成された突出部29における突出した先端部は第2の外部電極24の方向を向き、かつ第2の外部電極24に形成された突出部29における突出した先端部は第1の外部電極23の方向を向くように設けられている。すなわち、第1の外部電極23に形成された突出部29と第2の外部電極24に形成された突出部29との間の距離が、他の部分における第1の外部電極23と第2の外部電極24との間の距離より短くなるようにしている。また、前記第1の外部電極23および第2の外部電極24と突出部29は一体的に形成されている。なお、突出部29間の距離は、第1のコイル20と第2のコイル21との間の距離(第3の絶縁層15の厚み)より短くするのが好ましい。
【0048】
上記した構成とすることにより、外部から入ってきた静電気を積層体22の表面における第1の外部電極23と第2の外部電極24との間で放電させることができるため、第1のコイル20と第2のコイル21との間で放電するのを防止でき、これにより、これらの間で絶縁不良が発生するのを抑制できるという効果が得られるものである。
【0049】
また、図4に示すように、突出部29の先端部を細くすれば、この先端部の電流密度を大きくできるため、この先端部で放電され易くなり、これにより、静電気が印加されたとき確実に放電させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るコモンモードノイズフィルタは、絶縁不良が発生するのを抑制できるという効果を有するものであり、特に各種電子機器に使用される小型で、かつ積層型のコモンモードノイズフィルタ等において有用となるものである。
【符号の説明】
【0051】
11 第1の絶縁層
13 第2の絶縁層
15 第3の絶縁層
17 第4の絶縁層
19 第5の絶縁層
20 第1のコイル
21 第2のコイル
22 積層体
23 第1の外部電極
24 第2の外部電極
28 静電気防止部材
29 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層体を構成する複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層に設けられた第1、第2のコイルと、前記第1のコイルの両端部に接続された2つの第1の外部電極と、前記第2のコイルの両端部に接続された2つの第2の外部電極とを備え、前記第1、第2の外部電極を前記積層体の表面に形成し、前記第1の外部電極と第2の外部電極との間を、前記第1のコイルと第2のコイルの間より絶縁抵抗が低いまたは静電気に弱い樹脂もしくは電圧依存性抵抗材料からなる静電気防止部材で覆うようにしたコモンモードノイズフィルタ。
【請求項2】
積層体を構成する複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層に設けられた第1、第2のコイルと、前記第1のコイルの両端部に接続された2つの第1の外部電極と、前記第2のコイルの両端部に接続された2つの第2の外部電極とを備え、前記第1、第2の外部電極を前記積層体の表面に形成し、前記第1の外部電極と第2の外部電極の互いに対向する箇所に突出部をそれぞれ設けたコモンモードノイズフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−49418(P2011−49418A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197832(P2009−197832)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】