説明

コリオリ流量計、及び、流れ特性を決定するための方法

本発明の一つの実施の形態によれば、コリオリ流量計(5)が提供される。この計量器(5)は、1つ又は複数の流れ導管(103)と、1つ又は複数の流れ導管(103)に固定された少なくとも2つのピックオフ・センサ(105、105’)と、1つ又は複数の流れ導管(103)を振動するように構成された駆動装置(104)と、少なくとも2つのピックオフ・センサ(105、105’)及び駆動装置(104)に結合された計量器電子回路(20)とを含む。この計量器電子回路(20)は、第1の振動周波数を用いて、第1の位相外れ曲げモードで、流量計(5)の1つ又は複数の流れ導管(103)を振動させて第1の振動周波数に応答して生成される第1の振動応答を測定し、少なくとも第2の振動周波数を用いて、第1の位相外れ曲げモードで、1つ又は複数の流れ導管(103)を振動させて第2の振動応答を測定し、第1及び第2の振動応答を使用して少なくとも質量流量及び粘性率を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コリオリ流量計と流れ特性を決定するための方法とに関し、より詳細には、コリオリ流量計と2つ以上の振動応答を使用して流れ特性を決定するための方法とに関する。
【0002】
課題の説明
コリオリ質量流量計など振動導管センサは、典型的には、流動する材料を含む振動導管の運動を検出することによって動作する。質量流量、密度などの導管の材料に関連する特性は、導管に関連付けられた運動トランスデューサから受け取られた測定信号を処理することによって決定することができる。材料で満たされた振動システムの振動モードは、一般に、材料を含む導管と導管に収容された材料との組合せ質量、剛性及び減衰特性によって影響を受ける。
【0003】
典型的なコリオリ質量流量計は1つ又は複数の導管を含み、これらの導管はパイプライン又は他の移送システムにおいて直列に連結され、例えば、流体、スラリなどの材料をシステムにおいて搬送する。各導管は、例えば単純曲げモード、ねじりモード、半径方向モード、結合モードを含む、1組の固有振動モードを有するものと見ることができる。典型的なコリオリ質量流量測定の応用例では、材料が導管を流通するとき導管が1つ又は複数の振動モードで励振され、導管の運動が導管に沿って離隔された点で測定される。励振は典型的には、アクチュエータ、例えばボイスコイル型の駆動装置など、導管を周期的に摂動させる電気機械装置によって提供される。質量流量は、トランスデューサの位置で運動間の時間遅延又は位相差を測定することによって決定することができる。一般に、一つ又は複数の流れ導管の振動応答を測定するために、2つのそのようなトランスデューサ(ピックオフ・センサ)が使用され、典型的には、アクチュエータの上流及び下流の位置に置かれる。2つのピックオフ・センサは、独立の2対のワイヤなどのケーブルによって電子計器に接続される。計器は2つのピックオフ・センサから信号を受け取り、それらの信号を処理して質量流量測定値を導出する。
【0004】
従来のコリオリ質量流量計は、流量計内を流れる流動媒体の質量流量、密度、温度を連続的に測定する。しかし、流動媒体の流れ特性のいずれかが変化すると、流量計に対する質量負荷が増大又は減少するので、とりわけ指示密度に誤差が生じる。
【0005】
コリオリ質量流量計又は密度計などの振動要素トランスデューサの設計者は、一般に、粘性率、VOS、せん断速度、圧力、レイノルズ数に対するトランスデューサの敏感度を最小限に抑えながら、質量、密度、温度の感度を最大にしようと試みる。その結果、典型的な従来技術の流量計は、質量、密度、温度を正確に測定することが可能であるが、粘性率、VOS、せん断速度、圧力、レイノルズ数のうちの1つ又は複数などの追加の流れ特性を正確に測定することができない。流量計の応用には、質量、密度、温度に加えて、他の流れ特性を測定する必要性が存在する。
【0006】
解決手段の概要
本発明は、流量計の流れ特性を決定することに伴う問題を解決する助けとなる。
【0007】
本発明の一つの実施の形態によれば、コリオリ流量計が提供される。このコリオリ流量計は、1つ又は複数の流れ導管と、1つ又は複数の流れ導管に固定された少なくとも2つのピックオフ・センサと、1つ又は複数の流れ導管を振動させるように構成された駆動装置と、少なくとも2つのピックオフ・センサ及び駆動装置に結合された計量器電子回路とを備える。この計量器電子回路は、第1の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで流量計の1つ又は複数の流れ導管を振動させ、第1の振動周波数に応答して生成される、1つ又は複数の流れ導管の第1の振動応答を測定し、少なくとも第2の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで1つ又は複数の流れ導管を振動させ、第2の振動周波数に応答して生成される第2の振動応答を測定し、第1の振動応答及び第2の振動応答を使用して、少なくとも質量流量及び粘性率を決定するように構成される。
【0008】
本発明の一つの実施の形態によれば、コリオリ流量計において流れ特性を決定するための方法が提供される。この方法は、第1の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで流量計の1つ又は複数の流れ導管を振動させるステップと、1つ又は複数の流れ導管の第1の振動応答を測定するステップとを含む。第1の振動応答は第1の振動周波数に応答して生成される。更に、この方法は、少なくとも第2の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで1つ又は複数の流れ導管を振動させるステップと、第2の振動応答を測定するステップとを含む。第2の振動応答は第2の振動周波数に応答して生成される。更に、この方法は、第1の振動応答及び第2の振動応答を使用して流動媒体の少なくとも質量流量及び粘性率を決定するステップを含む。
【0009】
本発明の一つの実施の形態によれば、コリオリ流量計において流れ特性を決定するためのコリオリ流量計ソフトウェア製品が提供される。このソフトウェア製品は、第1の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで流量計の1つ又は複数の流れ導管を振動させ、第1の振動周波数に応答して生成される、1つ又は複数の流れ導管の第1の振動応答を測定し、少なくとも第2の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで1つ又は複数の流れ導管を振動させ、第2の振動周波数に応答して生成される第2の振動応答を測定し、第1の振動応答及び第2の振動応答を使用して少なくとも質量流量及び1つ又は複数の流れ特性を決定するよう処理システムに指示するように構成された制御ソフトウェアを備える。更に、このソフトウェア製品は、その制御ソフトウェアを記憶する記憶システムを備える。
【0010】
態様
一つの態様においては、決定するステップは、密度を決定するステップを更に含む。
【0011】
他の態様では、決定するステップは、せん断速度を決定するステップを更に含む。
【0012】
他の態様では、決定するステップは、レイノルズ数を決定するステップを更に含む。
【0013】
他の態様では、決定するステップが、音速(VOS)を決定するステップを更に含む。
【0014】
他の態様では、決定するステップは、圧力を決定するステップを更に含む。
【0015】
他の態様では、粘性率は動粘性率を含む。
【0016】
他の態様では、粘性率は力学的粘性率を含む。
【0017】
他の態様では、振動するステップは、第1の振動周波数と第2の振動周波数の間で切り替えるステップを更に含む。
【0018】
他の態様では、振動するステップは、第1の振動周波数及び第2の振動周波数を用いて、1つ又は複数の流れ導管を実質的に同時に振動させるステップを更に含む。
【0019】
他の態様では、振動するステップは、所定の掃引時間にわたって第1の振動周波数と第2の振動周波数の間で掃引するステップを更に含む。
【0020】
他の態様では、第1の振動周波数と第2の振動周波数は、1つ又は複数の流れ導管の基本周波数の上方及び下方に実質的に等間隔で配置される。
【0021】
他の態様では、1つ又は複数の流れ導管は2つの実質的にU字形の流れ導管を含む。
【0022】
発明の詳細な説明
図1〜図5及び以下の説明は、本発明の最良の形態をどのように作製し使用するかを当業者に教示するために、特定の例について記述している。本発明の原理について教示するために、幾つかの従来の態様は簡略化され又は省略されている。当業者であれば、本発明の範囲内に入る、これらの例からの変形形態を理解するであろう。当業者であれば理解するように、本発明の複数の変形形態を形成するように、下記で述べられている特徴を様々なやり方で組み合わせることができる。その結果、本発明は、下記で述べられている特定の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されるだけである。
【0023】
図1は、流量計アセンブリ10と計量器電子回路20とを備えるコリオリ流量計5を示す。計量器電子回路20は、リード線100を介して計量器アセンブリ10に接続され、経路26を介して密度、質量流量、体積流量、合計された質量流量、温度及び他の情報を提供する。
【0024】
流量計アセンブリ10は、1対のフランジ101及び101’と、マニフォルド102及び102’と、駆動装置104と、ピックオフ・センサ105−105’と、流れ導管103A及び103Bとを備える。駆動装置104及びピックオフ・センサ105及び105’は流れ導管103A及び103Bに接続される。
【0025】
フランジ101及び101’はマニフォルド102及び102’に固定される。マニフォルド102及び102’はスペーサ106の両端に固定される。スペーサ106は、流れ導管103A及び103Bにおける望ましくない振動を防止するために、マニフォルド102とマニフォルド102’の間の間隔を維持する。流量計アセンブリ10が測定される材料を搬送するパイプライン・システム(図示せず)に挿入されると、材料はフランジ101を通って流量計アセンブリ10に入り、入口マニフォルド102を通過し、入口マニフォルド102で材料の総量が流れ導管103A及び103Bに入るように誘導され、流れ導管103A及び103Bを流通して出口マニフォルド102’に戻り、出口マニフォルド102’でフランジ101’を通って計量器アセンブリ10から出る。
【0026】
流れ導管103A及び103Bは、それぞれ曲げ軸W―W及びW’―W’に関して同じ質量分布、慣性モーメント及び弾性率を有するように選択され、入口マニフォルド102及び出口マニフォルド102’に適切に取り付けられる。流れ導管は本質的に平行であり、マニフォルドから外向きに延びる。
【0027】
流れ導管103A−Bは、駆動装置104によって、それぞれの曲げ軸W及びW’に関して反対方向に、また、いわゆる流量計の第1の位相外れ曲げモードで駆動される。駆動装置104は、流れ導管103Aに取り付けられた磁石と流れ導管103Bに取り付けられた対向するコイルなど、多数の周知の構成の1つを備えることができる。交流がこの対向するコイルを通過して両導管を振動させる。計量器電子回路20によって、適切な駆動信号がリード線110を介して駆動装置104に印加される。
【0028】
計量器電子回路20は、それぞれリード線111及び111’上にセンサ信号を送信する。計量器電子回路20は、リード線110上に駆動信号を生成し、この駆動信号によって駆動装置104は流れ導管103A及び103Bを振動させる。質量流量を計算するために、計量器電子回路20はピックオフ・センサ105及び105’からの左右の速度信号を処理する。経路26は、計量器電子回路20がオペレータとインターフェースすることを可能にする入出力手段を提供する。図1の説明はコリオリ流量計の動作の一例として与えられているにすぎず、本発明の教示を制限することは意図するものではない。
【0029】
図2は、本発明の一つの実施の形態に係る計量器電子回路20を示す。計量器電子回路20は、通信インターフェース201と、処理システム202と、記憶システム203とを備える。処理システム202は通信インターフェース201に結合される。
【0030】
通信インターフェース201は計量器電子回路20と外部デバイスとの間の通信を可能にする。通信インターフェース201は、計算された流れ特性を経路26を介して外部デバイスに伝送することを可能にする。外部デバイスは、(図1のリード線100を介する)流量計アセンブリ10、(図1の経路26を介する)1つ又は複数の監視装置、又は任意の種類のユーザ・インターフェースもしくは通信装置を備えることができる。通信インターフェース201は、リード線100を介して流量計アセンブリ10から流れ測定値を受け取ることを可能にする。通信インターフェース201は任意の態様の電子通信、光通信、無線通信などであり得る。インターフェース26は電話システム及び/又はデジタル・データネットワークを介して通信を可能にすることができる。したがって、計量器電子回路20は、遠隔の流量計、遠隔の処理/監視装置、遠隔のメモリ媒体、及び/又は遠隔のユーザと通信することができる。
【0031】
処理システム202は計量器電子回路20の動作を行って流量計アセンブリ10からの流れ測定値を処理する。処理システム202は処理ルーチン210を実行し、1つ又は複数の流れ特性を生成するよう流れ測定値を処理する。処理システム202は、汎用コンピュータ、マイクロプロセッシング・システム、論理回路、又は何らかの他の汎用の若しくはカスタマイズされた処理デバイスを備えることができる。処理システム202を複数の処理システム間に分散させることができる。処理システム202は、記憶システム203などの任意の種類の一体型又は独立の電子記憶媒体を含むことができる。代わりに、記憶システム203は、処理システム202と通信する独立の電子記憶媒体を備えることができる。
【0032】
記憶システム203は、流量計パラメータ及びデータ、ソフトウェア・ルーチン、定数値並びに変数値を記憶することができる。一つの実施の形態では、記憶システム203は処理システム202によって実行される処理ルーチン210を含む。記憶システム203は流量計アセンブリ10を動作させるために使用される変数を記憶する。一つの実施の形態における記憶システム203は、第1の振動周波数211、少なくとも第2の振動周波数212、第1の振動応答213、第2の振動応答214及び掃引期間215などの変数を記憶する。
【0033】
記憶システム203は、流れ測定値から得られた1つ以上の流れ特性を記憶する。一つの実施の形態における記憶システム203は、質量流量220、密度221、動粘性率222、力学的粘性率223、せん断速度224、レイノルズ数225、音速(VOS)226、減衰係数(又は品質係数Q)227などの流れ特性を記憶する。また、理解されるとおり、例えば温度及び/又は圧力などの他の流れ特性を決定して記録することができる。
【0034】
質量流量220は、流量計アセンブリ10を通る質量流量の測定値である。密度221は、流量計アセンブリ10における流動材料の密度である。
【0035】
流体の粘性率は、せん断又は流れに対する流体の抵抗として定義することができ、流体の粘着特性/凝集特性の測定値である。この抵抗は、第1の流体層が別の流体層に対して摺動しようとするとき加えられる分子間の摩擦によって引き起こされる。流体の粘性特性の測定が望ましいのは、流体をポンピングし、測定し又は他の方法で扱うための機器を適正に設計して動作させるためである。
【0036】
動粘性率222は、密度に対する力学的粘性率の比として定義することができる。動粘性率222は力学的粘性率223及び密度221から計算することができる。力学的粘性率223は、流体によって単位距離だけ離れて維持されるとき、一方の水平面を他方の水平面に対して単位速度で移動させるために必要とされる、単位面積当たりの接線分力として定義することができる。
【0037】
せん断速度224は、流体の或る層が別の流体層の上を通る速度の変化率として定義することができる。
【0038】
レイノルズ数225は、粘性率効果に対する慣性の重要度の尺度として定義することができる。高レイノルズ数では、流れは乱流になる可能性があり、低レイノルズ数での同じ液体とは質的に異なる挙動を示す。
【0039】
VOS226は流動媒体での音速である。VOS226は、例えば、流動媒体の変化と共に変化することができ、流動媒体の密度の変化と共に変化することができ、又は流動媒体の組成の変化と共に変化することができる。
【0040】
減衰係数227は、流動媒体によって振動がどのように減衰されるかという尺度として定義することができる。或いは、減衰係数227は流動媒体の粘性率の尺度として定義することができる。
【0041】
処理システム202は、1つ又は複数の流れ特性を決定するよう処理ルーチン210を実行する。処理ルーチン210は、処理システム202によって実行されたとき、第1の振動周波数211を用いて流量計5の1つ又は複数の流れ導管103を振動させ、第1の振動周波数211に応答して生成される1つ又は複数の流れ導管103の第1の振動応答213を測定し、少なくとも第2の振動周波数212を用いて1つ又は複数の流れ導管103を振動させ、第2の振動周波数212に応答して生成される第2の振動応答214を測定し、第1の振動応答213及び第2の振動応答214を使用して流動媒体の少なくとも質量流量220及び粘性率を決定するように処理システム202を構成する(図3を参照)。
【0042】
第1の振動周波数211及び第2の振動周波数212は、任意の所望の周波数を含むことができる。一つの実施の形態では、第1の振動周波数211と第2の振動周波数212は、流量計アセンブリ10の基本周波数の上方及び下方に実質的に等間隔で配置される。しかし、流動媒体及び周囲の環境に応じて、他の周波数を使用することができる。
【0043】
一つの実施の形態では、処理ルーチン210は、第1の振動周波数211と第2の振動周波数212の間で切り替えることができる。代替の実施の形態においては、処理ルーチン210は、第1の振動周波数及び第2の振動周波数を用いて1つ又は複数の流れ導管103を実質的に同時に振動させることができる。他の代替の実施の形態では、処理ルーチン210は、第1の振動周波数211と第2の振動周波数212の間で駆動装置104の振動を掃引することができ、実際の駆動周波数は掃引時間215に基づく2つの周波数間で階段状に変わる。
【0044】
図3は、本発明の一つの実施の形態に係るコリオリ流量計5において流れ特性を決定するための方法の流れ図300である。ステップ301では、流動管装置10が、第1の振動周波数211で且つ第1の位相外れ曲げモードで、駆動装置104によって振動される。第1の振動周波数211は流量計アセンブリ10の基本振動周波数とすることができ、或いは基本周波数の上方又は下方の周波数とすることができる。
【0045】
ステップ302において第1の振動応答213が測定される。この測定は、ピックオフ・センサ105から信号を受け取ること、及び、ピックオフ信号を使用して2つのピックオフ105間の位相差を決定することを含む。第1の振動応答213は、駆動装置104によって生成される第1の振動周波数211に応答して、流量計アセンブリ10によって生成される。
【0046】
ステップ303では、流量計アセンブリ10が、第2の振動周波数212で且つ第1の位相外れ曲げモードで駆動装置104によって振動される。第2の振動周波数212は第1の振動周波数211以外の任意の周波数であってよい。一つの実施の形態では、第1の振動周波数211と第2の振動周波数212は、流量計アセンブリ10の基本周波数の上方及び下方に実質的に等間隔で配置される。しかし、先に指摘したように、第1の振動周波数211及び第2の振動周波数212は任意の所望の周波数を含むことができる。
【0047】
ステップ304では、第2の振動応答214が測定される。第2の振動応答214は、駆動装置104によって生成された第2の振動周波数212に応答して、流量計アセンブリ10によって生成される。
【0048】
ステップ305では、質量流量及び他の流れ特性が、第1の振動応答213及び第2の振動応答214から計量器電子回路20によって決定される。2つ以上の振動応答を収集することにより、計量器電子回路20は多数の流れ特性を決定することができる。流れ特性は、流量計アセンブリ10での流動材料の密度221、動粘性率222、力学的粘性率223、せん断速度224、レイノルズ数225、VOS226及び減衰係数227を含むことができる。
【0049】
コリオリ流量計5の振動構造は、微分方程式
【0050】
【数1】

に従う一自由度共振器として記述されることができ、右辺は正規化された振動強制関数を表し、ζは減衰係数である。ここで、xは瞬間的な流動管変位であり、dx/dt項及びdx/dt項はそれぞれ変位の1次微分及び2次微分である。
【0051】
このシステムの周波数応答は
【0052】
【数2】

によって与えられ、
【0053】
【数3】

の振幅応答と、
【0054】
【数4】

の位相応答φとを有する。
【0055】
図4Aは、減衰係数ζの3つの異なる値についての振幅応答特性曲線を示し、一方、図4Bは、3つの対応する位相応答特性曲線を示す。3つの曲線はζ=0.05、ζ=0.1、ζ=0.2の減衰係数を反映する。したがって、グラフから、減衰係数ζは、少なくとも2つの周波数ω及びωにわたる振動応答の位相及び振幅に相関させられ、またそれら応答及び位相から導出されることがわかる。
【0056】
共振器の持続する振動の純度は品質係数Qにおいて取得され、品質係数Qは
【0057】
【数5】

として定義される。ここで、品質係数Qは減衰係数ζと等価である。
【0058】
減衰の少ないシステムの場合(すなわち、ζ<<1の場合)、このシステムは
【0059】
【数6】

で示される。ただし、ω及びωは、流量計アセンブリ10についての振幅応答が
【0060】
【数7】

の値に低下する半値点である。量
Δω=ω−ω (7)
もシステムの3dB帯域幅として知られる。留意されるように、一般に、最大応答ωの点は、
【0061】
【数8】

によって与えられ、最大応答ωは無減衰の固有振動ωよりも低い周波数で発生することを示している。
【0062】
コリオリ質量流量計を通過する流動媒体の力学的粘性率(v)は、構造の品質係数Qを直接変えることになる。流動媒体の粘性が高ければ高いほど、それだけシステムの減衰は大きい。確かに、流動媒体の力学的粘性率vと品質係数Qは
【0063】
【数9】

によって関係付けられる。ただし、Kは粘性率vの平方根で除算される比例定数である。これは、流量計5がシステムの減衰係数ζ(等価的にはその品質係数Q)を測定することを可能にする方法により、適切な校正の後ではあるが力学的粘性率vが生じることを示唆している。
【0064】
品質係数Qを決定するために使用することができる幾つかの方法がある。第1の方法は、ピーク振幅|G(ω)|maxを測定することにより、式(5)によって定義されているように直接に品質係数Qを測定する。そのために、流量計アセンブリ10は、ωを包含する一連の駆動周波数により開ループで駆動されることができる。これは、正規化の手段として、駆動電力を一定に維持しながら行われる。この手法の難点は、何らかの形式の絶対振幅応答校正を必要とすることであるが、この校正はノイズが多く不正確であり得、ピックオフ効率の変動性を補償しない。
【0065】
第2の方法は、流れ導管又は複数の流れ導管をそれらの公称変位振幅に駆動し、振動の振幅減衰を監視しながら周期的に駆動力を解放する。振幅がそのピーク値の0.707に減少するために要する時間は、品質係数Qの代替の尺度を提供する。この方法で遭遇される難点は駆動機能の不連続性に由来し、この不連続性は、質量流量測定の品質を瞬間的に且つ周期的に乱すことになる。
【0066】
第3の方法は、流量計アセンブリ10を半値点ω及びωで且つ最大応答ωの点で次々に駆動することによって流量計アセンブリ10の品質係数Qを測定する。これは、品質係数が共振器の機械的特性に完全に依存し、駆動装置104の効率やピックオフ105の効率に依存しないため、魅力的な手法である。この手法の難点は、流量計アセンブリ10が或る周波数から別の周波数へ(例えばωからωへ)切り替えられたときに流量計アセンブリ10が乱され、その安定状態に戻るのに時間を必要とすることである。この安定させる期間に全部のプロセス情報(粘性率、密度、質量流量)が失われる可能性があり、測定品質が著しく損なわれ得る。
【0067】
本発明は、少なくとも質量流量、密度、粘性率の実質的に連続的な且つ非妥協的な測定を提供する。
【0068】
図5は、流量計アセンブリ10に加えられる振動周波数を制御するためのフィードバック・ループを示す。このフィードバック・ループは、コリオリ・センサ500(すなわち流量計5)と、移相器501と、デジタル−アナログ(D/A)変換器502と、アナログ−デジタル(A/D)変換器503と、位相センサ504とを備えることができる。動作において、移相器501はデジタル駆動信号を生成するが、このデジタル駆動信号はD/A502によってアナログ駆動信号に変換されてコリオリ・センサ500に送られる。ピックオフ信号出力はA/D503に送られ、A/D503はアナログ・ピックオフ信号をデジタル化して移相器501に送る。位相センサ504は入力(駆動)位相を出力(センサ)位相と比較し、移相器501に対する位相差信号を生成する。その結果、移相器501は、コリオリ・センサ500に送られる駆動信号の位相シフト及び周波数を制御することができる。
【0069】
図に示されているように、本発明は、システムを閉ループ制御下に維持しながら、第1の振動周波数ωと第2の振動周波数ωとの間で閉ループ共振を連続的に循環させるように、センサの入力と出力の間で位相を制御する。そのような位相制御は、標準的な位相ロックループ技法を使用してデジタル的に実施することができる。一つの実施の形態では、閉ループ制御は、適切にプログラムされたデジタル信号プロセッサ(DSP)によって実行することができる。しかし、他のフィードバック又はループ制御技法をも使用することができ、本説明及び特許請求の範囲内にある。
【0070】
図5に示される目標位相設定点は
【0071】
【数10】

のような時間の周期関数であり、位相変調指数Δφ及び変調期間Tφは一つの実施の形態においては数秒程度である。このように緩慢に変わる位相変動の場合、システムの閉ループ振動周波数は、図4Bに示される位相曲線によって予測されるように、連続的なコースをたどる。したがって、あらゆる期間Tφについて、全部の関連の変数(ω、ω、ω及び質量流量)を、その一連の動作点ω[ω,ω]全体にわたって相対的な振幅応答を追跡することによって、振幅応答の絶対的な校正を必要とすることなく、測定することができる。
【0072】
必要とされる応答時間に依存して、密度ρは様々な方法で決定され得る。例えば、一つの実施の形態では、密度ρは、位相が密度校正位相点ρcalを通過するたびに密度出力を周期的に更新することによって決定されることができる。他の実施形態では、密度ρは、周波数補正係数を適用することによって動的に決定され、周波数補正係数は実際の位相と製品の粘性率とに依存する。
【0073】
せん断速度224は、流量計アセンブリ10を介した質量流量220を使用することによって、また、流量計アセンブリ10の固有共振周波数から決定されることができる。したがって、流量を変更することにより、及び/又は、異なる振動モードで動作させることによって流量計5の共振周波数を変更することにより、せん断速度224を修正することができる。この能力は、非ニュートン製品又は液体製品のプロフィールを実質的に瞬間的に描く能力をもたらす。せん断応力がせん断歪みの速度に線形に関連する流体は、ニュートン流体と呼ばれる。ニュートン材料は、それらの粘性率又は粘稠度が一定の温度での攪拌又はポンピングなどのせん断による影響を受けないため、真の液体と呼ばれる。幸いなことに、水及び油を含む大抵の一般的な流体(液体及び気体)はニュートン性である。
【0074】
流動媒体に対するレイノルズ数R225は、流量計アセンブリ10によって同時に測定される3つの主な測定値から決定されることができる。すなわち、レイノルズ数R225は質量流量220、密度221及び力学的粘性率223から決定することができる。
【0075】
更に、コリオリ流量計5によって生成される振動応答を、他の目的のために使用することができる。例えば、一つの実施の形態では、2つ以上の振動応答を使用して流量計アセンブリ10の曲げ剛性を決定することができる。曲げ剛性は、剛性変化に基づいて流れ校正係数(FCF)を補正するために使用されることができる。
【0076】
曲げ剛性に影響を及ぼす係数は、コリオリ流量計の感度(流れ校正係数)にも影響を及ぼす。曲げ剛性は、流動管を既知の力パターンで曲げて流動管変位を測定することから導出される静的なばね定数である。力パターンが不変である限り、任意の力パターンを使用して曲げ剛性を測定することができる。一例として、固定梁についての曲げ剛性は、
【0077】
【数11】

であり、上式で、Fは力(N)、Eはヤング率(N/m)、Iは慣性モーメント(m)、Lは長さ(m)、Kflexは流動管の曲げ剛性である。
【0078】
コリオリ流量計については、曲げ剛性が変化する場合には、校正係数も変化しなければならない。コリオリ流量計の曲げ剛性は
【0079】
【数12】

として定義され、上式で、Cは曲げ剛性に対する力パターンの作用、Cは曲げ剛性に対する曲げられていない管の曲げ幾何形状の作用、Cは曲げ剛性に対する曲げられていない管の応力の作用である。
【0080】
初期応力のない直管コリオリ流量計の場合、以下の式が、EIに対する校正係数の依存性を示す。
【0081】
【数13】

その結果、この直管についての流れ校正係数(FCF)は
【0082】
【数14】

であり、上式で、Cはモード形状及びピックオフの位置により決定される定数である。
【0083】
また、流動管の曲げ剛性は、所与の周波数で管の周波数応答関数(FRF)上の点を推定することによっても決定されることができる。次いで、これらの点は、一自由度モデルをデータに適合させてFRF上のDC(例えば、ゼロ交差)点を決定するために使用される。
【0084】
流れ校正係数は、多周波数推定プロセスを使用して確証されることができる。多周波数推定は、任意の時間領域又は周波数領域のシステム識別方法を使用して定数m、c、k、ζ、ω、Aを識別することによって開始される。ベクトルW(ラジアン/秒)での周波数の組みにおいて有理連続時間伝達関数モデルを複素周波数応答ベクトルHに適合させるよう、曲線当てはめ手順が使用される。FRFデータ点の数及び(周波数内の)位置は、当てはめの品質に影響を及ぼす。良好な当てはめは、わずか2つの周波数応答データ点を使用して達成される。導出されるモデルは
【0085】
【数15】

という形をしている。
【0086】
駆動装置ピックオフの可動性(速度)周波数応答データは、レセプタンス(変位)の形に変換される。測定される可動性周波数応答データHには、1/(iω)を乗じなければならない。測定される可動性駆動ループ周波数応答Hは、駆動コイル電流(力に比例する)からピックオフ電圧(速度に比例する)までの範囲内になければならない。
【0087】
可動性データをレセプタンス・データに変換することにより、
【0088】
【数16】

の形でH(s)が生じる。ただし、a(1)=1である。問題のモデル・パラメータは
【0089】
【数17】

の伝達関数モデルから抽出される。次いで、物理的パラメータを、
【0090】
【数18】

を使用して計算することができる。
【0091】
物理的パラメータが決定されると、流れ校正係数の変化及び(流動管の質量及び長さの変化を含む)他のパラメータが決定されて補正される。
【0092】
追加の能力において、2つ以上の振動応答を使用して流動管の浸食、腐食及び成膜などの流量計構造の変化を検出し且つ区別することもできる。そのような一つの実施の形態では、コリオリ流量計5は、流量計5で質量及び密度を測定することができるように、その共振周波数で振動される。質量測定は、
【0093】
【数19】

に基づく。ただし、
【0094】
【数20】

は質量流量、FCFは流れ校正係数、Δtは時間遅延、Δtはゼロ流量での時間遅延である。
【0095】
FCF項は流量計の剛性に比例する。剛性は流量計の性能に影響を及ぼす優勢なパラメータである。流量計の剛性が変化すると、計量器のFCFが変化する。流量計の性能の変化は、例えば腐食、浸食及び成膜によって引き起こされ得る。
【0096】
式(19)は剛性を反映するように書き直すことができる。すなわち、
【0097】
【数21】

である。ただし、Gは特定のセンサに関連する幾何学的定数、Eはヤング率、Iは慣性モーメントである。面積慣性モーメントIは、計量器の流動管が変化したとき変化する。例えば、管が腐食して壁厚が減少した場合、面積慣性モーメントは減少する。
【0098】
一つの実施の形態では、本発明は、流量の変化から流量計構造変化を検出及び区別するためのプロセスを含む。このプロセスは、質量流量
【0099】
【数22】

を複数のモード及び式
【0100】
【数23】

を使用して決定することから開始される。
【0101】
流れ雑音又は強制振動から複数のモードが励振されたとき、そのモードの振動は、流動管を通過する質量流量と結合し、各モード毎にコリオリ応答を引き起こす。コリオリ応答は、各モード毎の質量流量の読みを計算するために使用される関連のΔtを生じる。
【0102】
各モード毎の質量流量の読みが比較される。得られる質量流量は、各モードについて同じでなければならない。質量流量の読みが等しい場合、その比較によって「適正動作」信号が生成され、プロセスが再スタートする。「適正動作」信号は例えばユーザにとって可視の又は可聴の信号の形態であり得る。
【0103】
許容限界外にある質量流量間に偏差が発生したとき、エラー信号が生成される。エラー信号により、様々な動作を行わせることができる。例えば、エラー信号はプロセスをシャットダウンさせることができ、又は、オペレータに可視の又は可聴の警告を送ることができ、次いでそのオペレータが適切な行動を起こす。
【0104】
コリオリ計量器5の密度測定値は
【0105】
【数24】

に基づく。ただし、kはアセンブリの剛性、mはアセンブリの質量、fは振動の周波数、Tは振動の期間である。式(22)は一自由度システムに対する運動方程式の解である。流れゼロでのコリオリ流量計は、式(22)の展開によって表され、
【0106】
【数25】

を生じる。ただし、Eはヤング率、Iは断面慣性モーメント、Gρは幾何学的定数、Aは断面積、ρは密度であり、fは流量計内の流体を表し、tは流動管の材料を表す。各項を再構成することにより、式(23)は、
【0107】
【数26】

と書き直すことができる。ただし、
【0108】
【数27】

である。幾何学的定数Gρは管の長さ及び形状などの幾何学的パラメータに相当する。定数C及びCは、2つの異なる流体に対する流れゼロでの通常の校正プロセスの一部として決定される。
【0109】
一つの実施の形態において、本発明は、指示密度の変化から流量計構造変化を検出及び区別するためのプロセスを含む。このプロセスは複数のモードを使用して密度ρを決定することから開始される。複数のモードは流れ雑音又は強制振動から励振されることができる。
【0110】
各モード毎の密度の読みが比較される。得られる密度の読みは各モードについて同じでなければならない。密度の読みが等しい場合、プロセスにより「適正動作」信号が生成され、プロセスが再スタートする。「適正動作」信号はユーザにとって可視の又は可聴の信号の形態であり得る。
【0111】
許容限界外にある密度の読み間に偏差が発生したとき、エラー信号が生成される。エラー信号により様々な動作を行わせることができる。例えば、エラー信号はプロセスをシャットダウンさせることができ、又は、オペレータに可視の又は可聴の警告を送ることができ、次いでそのオペレータが適切な行動を起こす。
【0112】
本発明に係るコリオリ流量計及び方法は、所望の幾つかの利点をもたらすように、いずれかの実施の形態に従って採用されることができる。本発明は、様々な流れ特性を測定することが可能な流量計を提供する。本発明は、流量計アセンブリを励振するために、少なくとも第1及び第2の振動周波数を使用して流れ特性を測定する。有利なことに、本発明は、流量計の質量流量測定性能を損なうことなく、力学的粘性率、動粘性率及び密度の追加測定を提供するようにコリオリ流量計を動作させる。本発明は、せん断速度、レイノルズ数、VOS及び減衰係数値を追加的に提供することができる。有利なことに、これらの様々な流れ特性は、流動媒体の性質及び挙動に対する一層詳細且つ明瞭な情報を与える。
【0113】
質量流量、密度及び粘性率を同時に測定する製品に対して、事実上全ての主要産業に多数の応用例が存在する。一例では、本発明を、所与の動粘性率仕様に合わせて灯油を燃料油と混合する船舶燃料油の混合のために使用することができる。その結果の混合物は船舶上で同時に計量され得る。この応用例に対する解決策を提供するために、質量流量、密度及び粘性率の測定値が必要とされる。
【0114】
他の例では、本発明を潤滑油ドラム缶充填のために使用することができる。多数の異なる潤滑油が存在し、それらは典型的には単一のストリームで製造され、ドラム缶にバッチ充填される。ドラム缶のバッチ充填期間に、汚染を防止するよう、異なる潤滑油製品間の界面を正確に検出しなければならない。この界面は、本発明によって提供される粘性率測定を使用して、製品粘性率の変化によって検出される。質量流量出力は、本発明によって提供される質量流量測定を使用してドラム缶を正確にバッチ充填するために使用される。
【0115】
他の例では、本発明を、例えばHFCS−55などの高果糖コーンシロップ(HFCS)溶液を受け取るために使用することができる。HFCS溶液の受け取り期間に、各溶液は特定の密度(ブリックス)及び粘性率の品質仕様を有することになる。ブリックスは、果汁内の固体の割合の尺度として、或いは蔗糖(糖)の割合の尺度として定義されている。明らかに、これらの品質パラメータを質量流量と同時に測定する能力を有することは、顧客にとって大きな利益である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】流量計アセンブリと計量器電子回路とを備えるコリオリ流量計の図である。
【図2】本発明の一つの実施の形態に係る計量器電子回路の図である。
【図3】本発明の一つの実施の形態に係る、コリオリ流量計で流れ特性を決定するための方法の流れ図である。
【図4A】減衰係数ζの3つの異なる値についての振幅応答特性の図である。
【図4B】対応する位相応答特性の図である。
【図5】流量計アセンブリに加えられる振動周波数を制御するためのフィード・バックループの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の流れ導管(103)と、前記1つ又は複数の流れ導管(103)に固定された少なくとも2つのピックオフ・センサ(105、105’)と、前記1つ又は複数の流れ導管(103)を振動させるように構成された駆動装置(104)とを備えるコリオリ流量計(5)であって、
前記少なくとも2つのピックオフ・センサ(105、105’)及び前記駆動装置(104)に結合された計量器電子回路(20)であって、第1の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで、流量計の前記1つ又は複数の流れ導管(103)を振動させ、前記第1の振動周波数に応答して生成される、前記1つ又は複数の流れ導管(103)の第1の振動応答を測定し、少なくとも第2の振動周波数を用いて且つ前記第1の位相外れ曲げモードで、前記1つ又は複数の流れ導管(103)を振動させ、前記第2の振動周波数に応答して生成される第2の振動応答を測定し、前記第1の振動応答及び前記第2の振動応答を使用して少なくとも質量流量及び粘性率を決定するように構成される計量器電子回路(20)
を備えることを特徴とするコリオリ流量計(5)。
【請求項2】
前記決定することが、密度を決定することを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項3】
前記決定することが、せん断速度を決定することを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項4】
前記決定することが、レイノルズ数を決定することを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項5】
前記決定することが、音速(VOS)を決定することを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項6】
前記決定することが、圧力を決定することを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項7】
前記粘性率が動粘性率を含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項8】
前記粘性率が力学的粘性率を含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項9】
前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数の間で切り替えることを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項10】
前記第1の振動周波数及び前記第2の振動周波数を用いて、前記1つ又は複数の流れ導管(103)を実質的に同時に振動させることを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項11】
所定の掃引時間にわたって前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数の間で掃引することを更に含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項12】
前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数が、前記1つ又は複数の流れ導管(103)の基本周波数の上方及び下方に実質的に等間隔で配置される、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項13】
前記1つ又は複数の流れ導管(103)が、2つの実質的にU字形の流れ導管を含む、請求項1に記載のコリオリ流量計(5)。
【請求項14】
コリオリ流量計において流れ特性を決定するための方法であって、
第1の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで、前記流量計の1つ又は複数の流れ導管を振動させるステップと、
前記第1の振動周波数に応答して生成される、前記1つ又は複数の流れ導管の第1の振動応答を測定するステップと、
少なくとも第2の振動周波数を用いて且つ前記第1の位相外れ曲げモードで、前記1つ又は複数の流れ導管を振動させるステップと、
前記第2の振動周波数に応答して生成される第2の振動応答を測定するステップと、
前記第1の振動応答及び前記第2の振動応答を使用して、流動媒体の少なくとも質量流量及び粘性率を決定するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
決定する前記ステップが、密度を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
決定する前記ステップが、せん断速度を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
決定する前記ステップが、レイノルズ数を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
決定する前記ステップが、音速(VOS)を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
決定する前記ステップが、圧力を決定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記粘性率が動粘性率を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記粘性率が力学的粘性率を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数の間で切り替えるステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の振動周波数及び前記第2の振動周波数を用いて、前記1つ又は複数の流れ導管を実質的に同時に振動させるステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
所定の掃引時間にわたって前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数の間で掃引するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数が、前記1つ又は複数の流れ導管の基本周波数の上方及び下方に実質的に等間隔で配置される、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
第1の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで、前記流量計の1つ又は複数の流れ導管を振動させ、前記第1の振動周波数に応答して生成される、前記1つ又は複数の流れ導管の第1の振動応答を測定するよう処理システムに指示するように構成された制御ソフトウェアと、該制御ソフトウェアを記憶する記憶システムとを備える、コリオリ流量計において流れ特性を決定するためのコリオリ流量計ソフトウェア製品であって、
前記制御ソフトウェアが、少なくとも第2の振動周波数を用いて且つ第1の位相外れ曲げモードで、前記1つ又は複数の流れ導管を振動させ、前記第2の振動周波数に応答して生成される第2の振動応答を測定し、前記第1の振動応答及び前記第2の振動応答を使用して、少なくとも質量流量及び1つ又は複数の流れ特性を決定するよう前記処理システムに指示するように更に構成されることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項27】
前記決定することが、流動媒体の少なくとも密度及び粘性率を決定することを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項28】
前記決定することが、せん断速度を決定することを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項29】
前記決定することが、レイノルズ数を決定することを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項30】
前記決定することが、音速(VOS)を決定することを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項31】
前記決定することが、圧力を決定することを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項32】
前記粘性率が動粘性率を含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項33】
前記粘性率が力学的粘性率を含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項34】
前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数の間で切り替えることを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項35】
前記第1の振動周波数及び前記第2の振動周波数を用いて、前記1つ又は複数の流れ導管を実質的に同時に振動させることを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項36】
所定の掃引時間にわたって前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数の間で掃引することを更に含む、請求項26に記載のソフトウェア製品。
【請求項37】
前記第1の振動周波数と前記第2の振動周波数が、前記1つ又は複数の流れ導管の基本周波数の上方及び下方に実質的に等間隔で配置される、請求項26に記載のソフトウェア製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2008−536111(P2008−536111A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503998(P2008−503998)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/010367
【国際公開番号】WO2006/104485
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(592225504)マイクロ・モーション・インコーポレーテッド (95)
【氏名又は名称原語表記】Micro Motion Incorporated
【Fターム(参考)】