コリメート光源を組み込んだ照射システム
光学システム及び該光学システムを組み込んだ投射システムを開示する。光学システムは光を放射可能な光源を備える。放射光は、1つ以上の実質的にコリメートされた別個の光ビームを含む。光学システムは、放射光を受光して透過するためのレンズレットアレイを更に含む。放射光中の各別個の光ビームが、レンズレットアレイ内の複数のレンズレットの少なくとも一部をカバーする、レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)を有する。光学システムは、光学素子の入射面からの透過光を受光する光学素子を更に有する。光学素子は、受光した光を均質化し、均質化された光を光学素子の出射面から出射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全体的には照射システムに関し、特に1つ以上のコリメート光源を用いた照射システムに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
照射システムには通常、光源、及び光源から所望の目標に光を伝播するための照射光学系が含まれる。照射システムは、投射型ディスプレイや液晶ディスプレイ(LCD)用のバックライトなどの様々な用途に使用されている。照射システムに用いられる光源としては例えば、水銀灯などのアーク灯、白熱灯、蛍光灯、発光ダイオード、レーザなどが挙げられる。
【0003】
投射システムには通常、画像を生成するための能動型ライトバルブ、ライトバルブを照射するための照射システム、及び通常、投射スクリーン上に画像を投射、表示するための光学系が含まれる。投射システムにおける照射システムでは、通常、アーク灯などの1つ以上の白色光源が用いられている。こうした照射システムの照射光学系では、白色光を赤、緑及び青といった異なる色に分離するための手段が用いられている場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライトバルブは均一に照射されることが望ましい場合が多い。そのため照射システムでは光源から放射される光を均質化するためのホモジナイザが通常用いられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、全体的には照射システムに関する。本発明は、更に投射システムで用いられる照射システムに関する。
【0006】
本発明の一実施形態では、光学システムは光を放射可能な光源を有する。放射光は、1つ以上の実質的にコリメートされた別個の光線を含む。光学システムは、更に放射光を受光して伝播するためのレンズレットアレイを含む。放射光中の各別個の光ビームは、レンズレットアレイ内の複数のレンズレットの少なくとも一部分をカバーする、レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)を有する。光学システムは、更に光学素子を含む。光学素子は、光学素子の入射面から透過光を受光する。光学素子は、更に受光光を均質化し、均質化された光を光学素子の出射面から出射する。
【0007】
本発明の別の実施形態では、光学システムは1つ以上の光源を有する。各光源は、実質的にコリメートされた別個の光ビームを放射可能である。光学システムは、更にレンズレットアレイを含む。レンズレットアレイは、1つ以上の光源から放射される光を受光して拡大する。光学システムは、更に光学ホモジナイザを含む。ホモジナイザは、レンズレットアレイによって拡大された光を均質化する。レンズレットの外径に対する、放射され、コリメートされた各光ビームのレンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)の比は、少なくとも1.05である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、全体的には照射システムに関する。本発明は、照射システム及びライトバルブを有する投射システムにも適用することが可能であり、ライトバルブを高強度の光で均一に照射することが望ましい場合に適用される。本発明は、レーザ光源などのコリメートされた光源を放射可能な光源を1つ以上有する照射ならびに投射システムに特に適用可能である。
【0009】
本明細書において複数の図面で用いられる同じ参照符号は、同一又は同様の性質及び機能を有する同一又は同様の要素を指す。
【0010】
レーザ光源は、照射及び投射システムにおいて従来から用いられてきた。例えば、米国特許出願公開公報第2005/0057727号は、コリメートされた可視レーザ光源によって画像形成用液晶ライトバルブを走査することによってライトバルブを照射するレーザ投射システムを開示している。近年では、小型で高出力の半導体レーザが開示されている。例えば、米国特許第6,243,407号には、数十ワットの出力を発生させることが可能な垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)が開示されている。投射システムにおいて高出力レーザ光源を用いることにより投射画像の輝度及びコントラストを向上させることが可能である。
【0011】
本発明は、1つ以上のコリメートされた光源を有する照射及び投射システムを開示する。こうした光源としては、例えば、レーザ光源を使用することができる。米国特許第5,923,475号に開示されるような、レーザ光源を用いた公知の照射システムには、1つ以上のレンズレットアレイがしばしば組み込まれており、照射システム内の各レンズレットアレイにおいて各レーザ光源が専用レンズレットを有する。こうした照射システムでは、各レーザ光源と対応するレンズレットとの正確なアラインメントが必要とされる。これは小さな位置ずれであっても照射の均一性や光の角度分布に大きく影響するためである。本発明の利点の1つは、コリメートされた光源によって均一な照射が可能となることにより、個々のコリメートされた光源と照射システム内の他の構成要素とを正確にアラインメントする必要がほとんどあるいはまったくない点である。この利点によって、例えば、照射または投射システムにおいてより寸法精度の低い、したがってより安価な構成要素を使用することが可能となる。この利点によれば更に、照射または投射システムにおいて光源などの光学要素を正確に位置決めする必要がなくなるかもしくは低減する。
【0012】
本発明の別の利点は、照射システムの出力の角強度分布、すなわち出力の遠視野強度分布が照射システムの個々のコリメートされた光源と他の構成要素との正確なアラインメントによって影響されにくい点である。この利点により、レンズや開口絞りといった小型の構成要素の使用が可能となることから、コストならびに照射システムの全体の設置面積を小さくすることが可能となる。
【0013】
本発明は更に、例えば照射または投射システムにおいてレーザ光源などのコヒーレントな光源が1つ以上用いられている場合に発生するスペックル(スペックルノイズ)を低減または防止するための手段を開示する。スペックルは通常干渉パターンであり、コヒーレントな画像形成における特徴の1つである。スペックルは、画像品質を劣化させることから照射または投射システムにおいてはスペックルを低減させることがしばしば望ましい。
【0014】
図1aは、本発明の一実施形態に基づく照射システム100の概略側面図である。照射システム100は、光軸190にセンターをとってあり、光源アセンブリ110と、レンズ120と、光学ホモジナイザ130と、光学伝播システム140と、光変調器150とを含んでいる。光源アセンブリ110は、それぞれが実質的にコリメートされた光ビーム、例えば、コリメート光ビーム111A及び111Bを放射する、光源110A及び110Bのような1つ以上の光源を有する。放射され、実質的にコリメートされた各光ビームは、拡がり半角を有する。例えば、コリメート光ビーム111Aは、拡がり半角αを有し、コリメート光ビーム111Bは、拡がり半角βを有する。各光ビームは、異なる方向に沿って異なる拡がり半角を有し得る。例えば、光ビーム111Aは、Z軸に沿って伝播し、X−Z平面内で拡がり半角αを有しているが、例えば、Y−Z平面内では異なる拡がり半角を有し得る。本発明の一実施形態では、放射され、コリメートされた各光ビームの最大の拡がり半角は、2°よりも小さく、好ましくは1.5°よりも小さく、より好ましくは1.0°よりも小さい。特定の用途においては、放射され、コリメートされた各光ビームの最大の拡がり半角は、0.75°よりも小さく、好ましくは0.5°よりも小さい。
【0015】
光源アセンブリ110は、単一の光源を有していてもよい。用途によっては、光源アセンブリ110は、例えば、1つ以上の列または特定用途において望ましい任意のパターンに配列された複数の別個の光源を有してもよい。光源アセンブリ110は、同一平面内に配された複数の別個の光源を有してもよい。用途によっては、光源アセンブリ110は、例えば球形、楕円形、放物線形、双曲線形、平面または他の任意の適当な表面上に配された別個の光源からなる立体的なアレイを有してもよい。
【0016】
光源110Aは、レーザ光源などの実質的にコリメートされた光を放射可能な光源であれば特に限定されない。
【0017】
放射され、実質的にコリメートされた各光ビームは、伝播方向に対して垂直な方向において強度プロファイルを有する。例えば、コリメート光ビーム111Aは、Z軸方向に伝播し、X−Y平面内に2次元強度プロファイルを有する。この強度特性は、X−Y平面内の異なる方向で異なり得る。例えば、コリメート光ビーム111Aは、X−Y平面内のX方向に沿って、Y方向の強度特性とは異なる強度プロファイル112を有し得る。強度プロファイル112は、ピーク強度113及び強度半値全幅(FWHM)114を有する。
【0018】
レンズ120は、第1の表面121と、第2の表面122と、呼び厚さtとを有する。ただし、tは、例えば、表面121と122の間の平均距離である。第1の表面121は、レンズレット123Aのような複数のレンズレットを含むレンズレットアレイ123を有する。複数のレンズレットは、すべてが正レンズレットであるか、すべてが負レンズレットであるか、あるいは正レンズレットと負レンズレットとの組み合わせである。本発明の一実施形態によれば、レンズレットアレイにおける放射され、コリメートされた各光ビームの強度半値全幅FWHMは、複数のレンズレットの少なくとも一部分をカバーする。例えば、コリメート光ビーム111Aの強度半値全幅FWHM114は、5個のレンズレットの少なくとも一部分をカバーしている。レンズレットアレイ123の各レンズレットは、各レンズレットによって包含され得る最大の円の直径に等しい内径を有する。同様に、レンズレットアレイ123の各レンズレットは、各レンズレットを包含し得る最小の円の直径に等しい外径を有する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、レンズレットアレイ内の任意のレンズレットの外径に対する、放射され、コリメートされた光ビームのレンズレットアレイ123における強度半値全幅FWHMの比は、好ましくは0.94以上、より好ましくは0.97以上、更に好ましくは1.0以上である。特定の用途においてはレンズレットアレイ内の任意のレンズレットの外径に対する、放射され、コリメートされた光ビームのレンズレットアレイ123における強度半値幅FWHMの比は、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.10以上、更に好ましくは1.15以上である。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、レンズレットアレイ内の全レンズレットのうちの最大の有限外径に対する、放射され、コリメートされた全光ビームのうちのレンズレットアレイ123における最小の強度半値幅FWHMの比は、好ましくは0.94以上、より好ましくは0.97以上、更に好ましくは1.0以上である。用途によっては、レンズレットアレイ内の全レンズレットの内の最大の有限外径に対する、放射され、コリメートされた全光ビームのうちのレンズレットアレイ123における最小の強度半値幅FWHMの比は、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.10以上、更に好ましくは1.15以上である。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、任意の放射され、コリメートされた光ビームは、少なくともレンズレット4個の一部を、好ましくは少なくともレンズレット7個の一部を、より好ましくは少なくともレンズレット9個の一部をカバーする。本発明の別の実施形態によれば、放射され、コリメートされた各光ビームは、少なくともレンズレット4個の一部を、好ましくは少なくともレンズレット7個の一部を、より好ましくは少なくともレンズレット9個の一部をカバーする。放射され、コリメートされた各光ビームが、レンズレットアレイ123内の複数のレンズレットの少なくとも一部をカバーするような例示的照射システム100は、放射され、コリメートされた個々の光ビームと、レンズレットアレイ123内の各レンズレットとの正確なアラインメントによって影響されにくい均一な照射と遠視野強度分布を与えるものである。
【0022】
説明を簡潔、容易にする目的で、図1aでは、レンズレットアレイ123が入射するコリメートされた各光ビームを1個の焦点に集光する状態を示している。一般的には、入射するコリメート光ビームは、その入射コリメート光ビームによって照射される複数のレンズレットに対応した複数の焦点に集光される。各入射コリメート光ビームが、複数のレンズレットを照射する照射システム100の利点の1つは、各入射光が複数の焦点が集光されることによって、照射システムにおけるスペックルが低減する点である。
【0023】
レンズレットアレイ123の各レンズレットは、1つ以上の焦点を有する。各レンズレットの各焦点は、同一平面上にあってもなくてもよい。例えば、図1bは、焦点F1、F2、F3及びF4をそれぞれ有するレンズレットアレイ123の4個の例示的な正レンズレットを示したものであるが、この場合、4つの焦点は同一平面上にない。図1cは、入射した、実質的にコリメートされた光ビーム111Cが、図1bに示した4個のレンズレットによって拡大される様子を示したものである。コリメート光ビーム111Cは、4本の細かな光ビームに効果的に分割されて焦点F1〜F4に集光されている。集められた光ビームは、Z軸に沿って伝播するにしたがって拡大する。図1dは、仮想焦点F5、F6、F7及びF8をそれぞれ有するレンズレットアレイ123の4個の例示的な負レンズレットを示したものであるが、この場合、4つの仮想焦点は同一平面上にない。この場合、入射する実質的にコリメートされた光ビーム111Dは、4本の細かな光ビームに効果的に分割され、各光ビームは対応するレンズレットによって屈折させられて拡大する。複数のレンズレットの焦点が、同一平面上にないような照射システムの利点の1つはスペックルが低減することである。
【0024】
本発明の一実施形態では、レンズレットの焦点距離に対するレンズレットの外径の比は、レンズレットアレイ123のすべてのレンズレットについて同じ値である。ただし、各レンズレットは異なる焦点距離及び/または外径を有し得る。本発明の別の実施形態によれば、レンズレットアレイ123の各レンズレットはほぼ同じ外径を有するが、レンズレットの少なくとも一部は異なる焦点距離を有する。
【0025】
レンズレットアレイ123内の異なるレンズレットは、異なる光学パワーを有していてよく、ここで光学パワーは正または負の値であり得る。レンズレットアレイ123は、直線状または2次元的に配されたレンズレットのアレイである。本発明の好ましい一実施形態ではレンズレット123の各レンズレットは、例えば光変調器150に伝送される光の均一性を高めるために互いに近接して配されるが、各レンズレットは互いに近接配置されてもよいし、されなくてもよい。
【0026】
レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、正方形、六角形、長方形、または特定の用途に適した他の任意の形状を有し得る。更に、レンズレットアレイ123内の異なるレンズレットは、異なる形状、異なる内径、及び/または異なる外径を有していてよい。レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、球面レンズ、円柱レンズ、非球面レンズ、または特定の用途に適した他の任意の種類のレンズを使用することが可能である。
【0027】
本発明の一実施形態では、レンズ120は、各入射コリメート光ビームを拡大することが可能である。図1aに示した例示的実施例では、レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、平凸レンズである。この場合、レンズ120は、例えば、図1cに示されるように、各入射コリメート光ビームを集束し、次いで集束された各光ビームを拡大する。レンズレットアレイ123内の一部またはすべてのレンズレットが、平凸レンズであってもよく、その場合各入射コリメート光ビームは、第1の表面121を透過した後に拡大される。一般的に、レンズレットアレイ123内のレンズレットは、両凹レンズレット、両凸レンズレット、凹凸レンズレット、または凸凹レンズレット、または特定の用途に適した他の任意の種類のレンズレットなどの特定用途において望ましい任意のレンズレットであり得る。
【0028】
図1aに示した例示的照射システムでは、レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、基材174の表面173上に形成されている。照射システムによっては、レンズレットアレイ123内の各レンズレットを基材174の表面173上に直接成形することなどによってレンズレットと基材174による一体的なシステムを構成することが可能である。
【0029】
図1aの光学素子130は、レンズ120を透過した光を均質化することを主たる目的として構成されている。ここで均質化とは、光学素子130を出射する光が光学素子130に入射する光よりもより均一な空間的強度分布を有することを意味する。公知の光ホモジナイザの例は、米国特許第5,625,738号及び同第6,332,688号、ならびに米国特許出願公開公報第2002/0114167号、同第2002/0114573号及び同第2002/0118946号に述べられている。
【0030】
光学素子130は、入射面131と、長さdを有する光学ロッド132と、出射面133とを有する。光学素子130は、レンズ120を透過した光を入射面131から受光し、受光光が光学ロッドの長さ方向に伝播する際にこれを均質化し、均質化された光を光学素子の出射面133から出射する。
【0031】
入射面131、出射面133及び光学ロッド132の断面は、長方形、台形、正方形、楕円形または特定の用途において望ましい他の任意の形状を有し得る。入射面131、出射面133及び光学ロッド132の断面は、異なる形状を有してもよい。例えば、入射面131が円形であり、出射面133が正方形であってもよい。光学ロッド132の断面は、光学ロッドに沿って異なる点で異なっていてもよい。例えば、光学ロッド132は、光軸190に沿って長さ方向にテーパー状にしていてもよい。光学ロッドは、光軸に沿って内側または外側にテーパー状にしていてよい。光学ロッド132の断面の各辺は、直線でも曲線でもよい。テーパー形状を有する光学ロッドの一例が、米国特許第6,332,688号に述べられている。
【0032】
ホモジナイザ130は、多面体(例えば6面体)などの任意の立体的形状を有し得る。ホモジナイザ130の全体または一部が、中実または中空であってもよい。ホモジナイザ130は、反射、全反射、屈折、散乱、または回折またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の適した光学的方法、あるいは受光した光を均質化するのに適した他の任意の方法により受光した光を均質化することが可能である。
【0033】
図1aは、直線状の光軸190と直線状の光学素子130を示したものである。一般に、光軸190は特定の用途に合わせて光軸に沿った1つ以上の点で折曲されていてもよい。その場合、光学素子130が光学ロッド132の長さdに沿って1つ以上の点で折曲されていてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態では、放射され、コリメートされた光ビームのレンズ120による拡大と、光学素子130の均質化機能により、充分に空間的に均一な光が光学素子130の出射面133に伝播される。
【0035】
本発明の一実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットの外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、出射面133における光の空間的均一度(近視野強度分布と呼ばれる場合もある)の変化は、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満である。用途によっては、こうした変位による出射面133における光の空間的均一度の変化は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.5%未満である。
【0036】
本発明の別の実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットアレイ123のレンズレットの内の最大外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、出射面133における光の空間的均一度の変化は、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満である。特定の用途では、こうした変位による出射面133における光の空間的均一度の変化は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.5%未満である。
【0037】
図1aでは、レンズ120と光学ホモジナイザ130は、距離「l」だけ離間している。一般に距離「l」は特定の用途において所望の結果を与える距離であれば特に限定されない。例えば、距離「l」として出射面133における均一度を向上させるうえで充分に大きな距離をとることができる。特定の用途においては、距離「l」を十分小さくとることにより光学ホモジナイザ130に受光、集光される光量を増大させることが可能である。他の特定の用途においては、機械的安定性を向上させたり、レンズ120と光学ホモジナイザ130とのアラインメントを維持する必要性を低減する目的で距離「l」を0とすることも可能である。距離「l」は、基材174を省略してレンズレットアレイ123を光学ホモジナイザ130の入射面131上に直接形成することなどによって0とすることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、レンズ120は接着層によって光学素子130に光学的に結合される(図1aには示されていない)。本明細書で使用する時、用語接着剤とは、隣接する2層を表面付着手段によって共に接合することが可能な物質を指す。接着層は、接着母材中に微粒子を分散させることなどによって光拡散性にすることが可能である。その場合、粒子の屈折率は接着母材の屈折率と異なるものとする。同様に、レンズ120は、レンズの厚さ「t」に沿って光拡散性にすることが可能である。
【0039】
本発明の一実施形態では、レンズ120は光学素子130の一部分として形成される。これは、レンズ120と光学素子130が一体構造を形成するということである。例えば、レンズレットアレイ123が光学ホモジナイザの入射面131の一体部分であることができる。
【0040】
光学伝達システム140は、光学ホモジナイザ130が放射した光を入射面141から受光し、受光光を出射面142へと伝播し、伝播された光を出射面から光変調器150へと供給する。本発明の一実施形態では、出射面133と光変調器150とが共役ペアを形成する。これは例えば、光変調器150が出射面133の結像面内に位置するということである。
【0041】
光学伝達システム140は、所定の開口領域144を有する開口絞り143を備える。本発明の一実施形態では、出射面133と開口絞り144とがフーリエ変換ペアを形成する。これは一般に、点134のような出射面133の各点が開口領域144のほぼ全体を照射するということである。更に光線135のような、出射面133から出射し、同じ方向に伝播するすべての光線は、開口領域144内の点145のような、ほぼ対応する点に収束する。
【0042】
光学伝達システム140は、レンズ、マイクロレンズアレイ、光学フィルター、カラーホイール、ミラー、または光学伝播システム140において使用することによって光学素子130から光変調器150の活性領域151に光を伝達することが可能な他の任意の光学要素などの、屈折性、反射性、回折性、ホログラフィー性といった性質を有する1つ以上の光学要素を含むことができる。
【0043】
光変調器150は、画像を表示することが可能な活性領域151を有する。本発明の一実施形態では、開口絞り143と活性領域152とはフーリエ変換対を形成する。
【0044】
光変調器150は、画像を表示することが可能な任意の光変調器を使用することができる。光変調器150は、ピクセル化させることができる。例えば、光変調器150は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)などのマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)とすることができる。DMDは通常、傾斜可能なマイクロミラーの配列を有している。各ミラーの傾斜は、電気信号などによって独立に制御することが可能である。各ミラー(画素)は傾斜することによって高速かつ正確な光スイッチとして動作する。その結果、DMDは入射光をデジタル的に変調することによって、例えば入射光が照射された場合に画像が表示されるような空間的光変調器として動作することが可能となる。DMDの一例として、テキサス・インスツルメンツ社(テキサス州、ダラス)の販売するDigital Light Processor(商標)(DLP(商標))が挙げられる。
【0045】
光変調器150の更なる例としては、例えば米国特許第5,841,579号に述べられるグレーティングライトバルブ(GLV)や、液晶ディスプレイ(LCD)が挙げられる。LCD型の変調器150としては、例えば、高温ポリシリコン(HTPS)LCDやLCoS(liquid crystal on silicon)ディスプレイなどの光透過型または反射型のものがある。
【0046】
一般的に光変調器150として、画像を形成し、電子的にスイッチング可能な任意の素子を使用することができる。用途によっては、光変調器150は、特定の用途に応じて時間の関数として例えば、リフレッシュ、変更、ないしは別の方法でアップデートが可能な静止画像を表示してもよい。
【0047】
光学ホモジナイザ130を透過した光は、出射面133における空間的光強度分布である所定の近視野分布を有する。光学素子130を透過した光は更に、所定の遠視野すなわち角強度分布を有する。理論的には、遠視野分布は、出射面133から無限遠に置かれた平面における透過光の空間的強度分布に等しい。実用上は、遠視野分布は出射面133から長い距離、例えば、数メートルの位置に置かれた平面における透過光の空間的強度分布を考慮することによって求めることができる。
【0048】
本発明の一実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットアレイ123のレンズレットの内の任意のレンズレット外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、ホモジナイザ130が透過する光の角強度分布の変化は、40%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5.0%、更に好ましくは1.0%未満である。
【0049】
本発明の別の実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットアレイ123のレンズレットの内の最大のレンズレット外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、ホモジナイザ130が透過する光の角強度分布の変化は、40%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5.0%、更に好ましくは1.0%未満である。
【0050】
本発明の利点ならびに実施形態を以下の実施例によって更に説明する。実施例において述べる特定の材料、屈折率などの光学的パラメータ及び寸法、ならびに他の条件及び細部は本発明を不要に限定するものと解釈するべきではない。
【0051】
(実施例1)
図1aの照射システム100と同様の照射システムを、レンズ120に入射する実質的にコリメートされた光について数値的に分析した。実施例の中で用いるシステムの変量およびパラメータの詳細を図2〜4を参照しながら説明する。この分析では、コリメートされた単一の円形入射光線111Aを使用した。表面131におけるX−Y平面内のX方向及びY方向の両方に沿った光線の強度半値全幅FWHMは0.2mmであった。α光線は、0.344°に等しい拡がり半角を有していた。光線の波長は0.532ミクロンであった。
【0052】
この分析において用いたレンズレット123は、互いに近接して配された同じ正方形レンズレットの2次元アレイ(配列)であり、光学素子130の入射面131上に直接形成される。各レンズレットは、図3のレンズレット301に示されるように曲率半径が0.3mmである凸面の第1の表面を有し、レンズレットの厚さPは0.04mmである。入射面131はY軸方向の辺の長さが6.8mm、X軸方向の辺の長さが4.0mmの長方形である。光学ロッド132は40mmの長さを有するものを用いた。
【0053】
この分析では2種類の変量を用いた。第1の変量は、各正方形レンズレットの各辺の長さとしての「q」であり、この値は図2及び4に示されるように各正方形レンズレットの内径でもある。第2の変量は、図4に示されるように、レンズレットアレイ123における入射コリメートビーム111Aの中心401と、指定されたレンズレット123Bの中心402との間の距離として定義される位置ずれの大きさ「h」であった。hとして3つの異なる値を用いた。第1の値はh=0である。これは中心401が中心402に位置することを意味する。第2の値は、h=q/4である。これは中心401がY軸に沿って横方向にレンズレット123Bの辺の1/4に等しい距離だけ変位していることを意味する。第3の値は、h=q/2である。これは中心401がY軸に沿って横方向にレンズレット123Bの辺の1/2に等しい距離だけ変位していることを意味する。
【0054】
変量の各セットについての分析の結果となる値が、光学ホモジナイザ130により透過された光の遠視野分布を包含する最小の半円錐角、Dであった。図1aを参照すると、Dは、光学ホモジナイザ130から出射するほぼすべての光を透過することが可能な開口絞り143の開口領域144の最小の直径に相当する。これは、例えば、Dの値が大きいほど大きな開口領域144を必要とするということであり、一般的に照射システムの他の要素も同様に大きいことが求められる。
【0055】
表1は実施例において考慮した変量の異なるセットについてDの値を示したものである。
【0056】
【表1】
【0057】
表1において、ODは図2及び4に示されるようにレンズレット123Bの外径であり、SはFWHMのODに対する比である。表1から分かるように、OD=0.283mmでは、レンズレットの辺の長さの半分に等しい位置ずれ(h=0.1mm)によってDの値は7.5°から12.5°へと、約67%の増加を示した。同様に、OD=0.212mmでは、レンズレットの辺の長さの半分に等しい位置ずれ(h=0.075mm)によってDの値は7.0°から10.0°へと、約43%の増加を示した。一方、OD=0.188mmでは、レンズレットの辺の長さの半分に等しい位置ずれ(h=0.067mm)によるDの値の増加は8.0°から8.5°へと、わずか約6%であった。OD=0.177mmでは、q/4またはq/2の位置ずれによってDの値は変化しなかった。したがって1.06よりも大きなSの値に対しては、入射コリメート光ビームと、対応するレンズレットとの位置ずれによる遠視野分布の変化は10%未満である。それ故に、本発明の利点の1つは、十分に大きなSの値に対しては、遠視野分布が十分に小さく、かつ入射コリメート光ビームとレンズレットアレイのレンズレットとの位置ずれの影響を受けにくい点にある。
【0058】
図5a〜dは実施例で用いた変量の4つの異なるセットについて角強度分布を示したものである。詳細には、図5aは、S=0.707であり位置ずれが0である場合の角強度分布510を示し、図5bは、Sの値は同じであるが位置ずれが0.1mmである場合の角強度分布520を示したものである。同様に、図5cは、S=1.131であり位置ずれが0である場合の角強度分布530を示し、図5dは、Sの値は同じであるが位置ずれが0.062mmである場合の角強度分布540を示したものである。角度θ及びφを定義する1つの方法は、図5aに示されるように、光学ホモジナイザ130の出射面133の任意の点501について定義する方法であるφ点501から出射面133を出射する光線502は遠視野分布504内の点503に到達する。角度θは光線502がZ軸となす角度である。角度φはX−Y平面への光線502の投射像(直線505)がX軸となす角度である。ここでDは、光学ホモジナイザ130が透過する光の遠視野分布を包含する最小の角度θである。
【0059】
図5a及び5bは、0.1mmの位置ずれによって角強度分布のサイズが大幅に増大することを示している。そのため図1aの照射システム100において、例えば照射システム100の製造、組立て、または使用時に生ずる位置ずれを調整するために大きな開口領域144が必要となる。
【0060】
これに対し、図5c及びdは、0.062mmの位置ずれであっても角強度分布のサイズに影響しないという本発明の利点の1つを示している。したがって本発明によれば、照射システム100における異なる要素の製造、組立てにおいて許容される公差が大きくなる。本発明によれば更に、熱膨張及び収縮による異なるシステム要素間の位置ずれによってシステム全体の性能が影響されないことからシステムの動作可能な温度幅がより大きくなる。更に本発明によれば、開口143の開口領域144がより小さい、より小型の光学要素を使用することによってよりf値の大きな照射または投射システムの使用が可能となることから、照射または投射システムのコスト及び全体の設置面積が低減される。f値のより大きなシステムの使用によって更に光学収差が低減することなどにより、光学性能が向上する。これにより、照射システム100またはこうした照射システムを用いた投射システムにおいて使用する光学要素の数を減らし、かつ/または、余り複雑でない光学要素の使用が可能となることからコストが低減する。
【0061】
表1の結果の一部を図6に示す。詳細には、プロット600は、レンズレット123Bの辺の1/2に等しい位置ずれ(図4を参照)に対するDの変化率(%)をSの関数として示したものである。プロット600によれば、Dの変化率(%)は、Sが約1よりも大きい場合には約25%よりも小さい。
【0062】
図7は、本発明の一実施形態に基づく投射システム700の概略側面図を示す。投射システム700は、照射システム710と、投射光学系720と、投射スクリーン730とを備える。照射システム710は、図1aの照射システム100のような、本発明の実施形態に基づく照射システムである。図1aには、単一の照射システムを示したが、投射システム700は一般に複数、例えば3個の照射システムを含んでいてよい。
【0063】
投射光学系720は、照射システム710によって生成する画像を投射スクリーン730上に投射するためのものである。投射光学系720には通常複数のレンズが含まれる。公知の投射光学系の例としては、米国特許第6,417,971号、同第6,301,057号、ならびに同第5,969,876号に述べられるものがある。
【0064】
投射システム700としては、背面投射型システムを使用することが可能であり、その場合、投射スクリーン730は背面投射型スクリーンであることが好ましい。投射システム700としては、正面投射型システムを使用することも可能であり、その場合、投射スクリーン730は正面投射型スクリーンであることが好ましい。
【0065】
図の投射システム700は、直線状の光軸790を中心軸としている。一般に光軸790は、例えば投射システムの全体の設置面積を小さくする目的で1つ以上の点において折曲されてもよい。
【0066】
上記に引用したすべての特許、特許出願及び他の公開を、それらがあたかも完全に再現されたものとして本明細書に援用するものである。本発明の異なる態様の説明を容易ならしめるべく本発明の具体的実施例を上記に詳述したが、本発明はそれら実施例の細部に限定することを意図しない点は理解されねばならない。むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される発明の趣旨ならびに範囲に包含されるすべての変形、実施形態及び代替を網羅しようと意図するものである。
【0067】
添付の図面と関連して以下に述べる本発明の異なる実施形態の詳細な説明を考慮することで、本発明のより完全な理解、認識が可能となろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1a】本発明の一実施形態に基づく照射システムの概略側面図。
【図1b】図1に示したレンズレットアレイの例示的一部分の概略側面図。
【図1c】図1bのレンズレットによってコリメート光が拡大される様子を示す。
【図1d】図1に示したレンズレットアレイの別の例示的一部分の概略側面図。
【図2】実施例1において分析した照射システムの一部の概略立体図。
【図3】実施例1において分析した照射システムの一部の概略側面図。
【図4】実施例1において分析したレンズレットアレイの一部の概略正面図。
【図5a】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図5b】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図5c】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図5d】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図6】実施例1で述べた結果の一部をプロット。
【図7】本発明の一実施形態に基づく投射システムの概略側面図。
【技術分野】
【0001】
本開示は全体的には照射システムに関し、特に1つ以上のコリメート光源を用いた照射システムに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
照射システムには通常、光源、及び光源から所望の目標に光を伝播するための照射光学系が含まれる。照射システムは、投射型ディスプレイや液晶ディスプレイ(LCD)用のバックライトなどの様々な用途に使用されている。照射システムに用いられる光源としては例えば、水銀灯などのアーク灯、白熱灯、蛍光灯、発光ダイオード、レーザなどが挙げられる。
【0003】
投射システムには通常、画像を生成するための能動型ライトバルブ、ライトバルブを照射するための照射システム、及び通常、投射スクリーン上に画像を投射、表示するための光学系が含まれる。投射システムにおける照射システムでは、通常、アーク灯などの1つ以上の白色光源が用いられている。こうした照射システムの照射光学系では、白色光を赤、緑及び青といった異なる色に分離するための手段が用いられている場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライトバルブは均一に照射されることが望ましい場合が多い。そのため照射システムでは光源から放射される光を均質化するためのホモジナイザが通常用いられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、全体的には照射システムに関する。本発明は、更に投射システムで用いられる照射システムに関する。
【0006】
本発明の一実施形態では、光学システムは光を放射可能な光源を有する。放射光は、1つ以上の実質的にコリメートされた別個の光線を含む。光学システムは、更に放射光を受光して伝播するためのレンズレットアレイを含む。放射光中の各別個の光ビームは、レンズレットアレイ内の複数のレンズレットの少なくとも一部分をカバーする、レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)を有する。光学システムは、更に光学素子を含む。光学素子は、光学素子の入射面から透過光を受光する。光学素子は、更に受光光を均質化し、均質化された光を光学素子の出射面から出射する。
【0007】
本発明の別の実施形態では、光学システムは1つ以上の光源を有する。各光源は、実質的にコリメートされた別個の光ビームを放射可能である。光学システムは、更にレンズレットアレイを含む。レンズレットアレイは、1つ以上の光源から放射される光を受光して拡大する。光学システムは、更に光学ホモジナイザを含む。ホモジナイザは、レンズレットアレイによって拡大された光を均質化する。レンズレットの外径に対する、放射され、コリメートされた各光ビームのレンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)の比は、少なくとも1.05である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、全体的には照射システムに関する。本発明は、照射システム及びライトバルブを有する投射システムにも適用することが可能であり、ライトバルブを高強度の光で均一に照射することが望ましい場合に適用される。本発明は、レーザ光源などのコリメートされた光源を放射可能な光源を1つ以上有する照射ならびに投射システムに特に適用可能である。
【0009】
本明細書において複数の図面で用いられる同じ参照符号は、同一又は同様の性質及び機能を有する同一又は同様の要素を指す。
【0010】
レーザ光源は、照射及び投射システムにおいて従来から用いられてきた。例えば、米国特許出願公開公報第2005/0057727号は、コリメートされた可視レーザ光源によって画像形成用液晶ライトバルブを走査することによってライトバルブを照射するレーザ投射システムを開示している。近年では、小型で高出力の半導体レーザが開示されている。例えば、米国特許第6,243,407号には、数十ワットの出力を発生させることが可能な垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)が開示されている。投射システムにおいて高出力レーザ光源を用いることにより投射画像の輝度及びコントラストを向上させることが可能である。
【0011】
本発明は、1つ以上のコリメートされた光源を有する照射及び投射システムを開示する。こうした光源としては、例えば、レーザ光源を使用することができる。米国特許第5,923,475号に開示されるような、レーザ光源を用いた公知の照射システムには、1つ以上のレンズレットアレイがしばしば組み込まれており、照射システム内の各レンズレットアレイにおいて各レーザ光源が専用レンズレットを有する。こうした照射システムでは、各レーザ光源と対応するレンズレットとの正確なアラインメントが必要とされる。これは小さな位置ずれであっても照射の均一性や光の角度分布に大きく影響するためである。本発明の利点の1つは、コリメートされた光源によって均一な照射が可能となることにより、個々のコリメートされた光源と照射システム内の他の構成要素とを正確にアラインメントする必要がほとんどあるいはまったくない点である。この利点によって、例えば、照射または投射システムにおいてより寸法精度の低い、したがってより安価な構成要素を使用することが可能となる。この利点によれば更に、照射または投射システムにおいて光源などの光学要素を正確に位置決めする必要がなくなるかもしくは低減する。
【0012】
本発明の別の利点は、照射システムの出力の角強度分布、すなわち出力の遠視野強度分布が照射システムの個々のコリメートされた光源と他の構成要素との正確なアラインメントによって影響されにくい点である。この利点により、レンズや開口絞りといった小型の構成要素の使用が可能となることから、コストならびに照射システムの全体の設置面積を小さくすることが可能となる。
【0013】
本発明は更に、例えば照射または投射システムにおいてレーザ光源などのコヒーレントな光源が1つ以上用いられている場合に発生するスペックル(スペックルノイズ)を低減または防止するための手段を開示する。スペックルは通常干渉パターンであり、コヒーレントな画像形成における特徴の1つである。スペックルは、画像品質を劣化させることから照射または投射システムにおいてはスペックルを低減させることがしばしば望ましい。
【0014】
図1aは、本発明の一実施形態に基づく照射システム100の概略側面図である。照射システム100は、光軸190にセンターをとってあり、光源アセンブリ110と、レンズ120と、光学ホモジナイザ130と、光学伝播システム140と、光変調器150とを含んでいる。光源アセンブリ110は、それぞれが実質的にコリメートされた光ビーム、例えば、コリメート光ビーム111A及び111Bを放射する、光源110A及び110Bのような1つ以上の光源を有する。放射され、実質的にコリメートされた各光ビームは、拡がり半角を有する。例えば、コリメート光ビーム111Aは、拡がり半角αを有し、コリメート光ビーム111Bは、拡がり半角βを有する。各光ビームは、異なる方向に沿って異なる拡がり半角を有し得る。例えば、光ビーム111Aは、Z軸に沿って伝播し、X−Z平面内で拡がり半角αを有しているが、例えば、Y−Z平面内では異なる拡がり半角を有し得る。本発明の一実施形態では、放射され、コリメートされた各光ビームの最大の拡がり半角は、2°よりも小さく、好ましくは1.5°よりも小さく、より好ましくは1.0°よりも小さい。特定の用途においては、放射され、コリメートされた各光ビームの最大の拡がり半角は、0.75°よりも小さく、好ましくは0.5°よりも小さい。
【0015】
光源アセンブリ110は、単一の光源を有していてもよい。用途によっては、光源アセンブリ110は、例えば、1つ以上の列または特定用途において望ましい任意のパターンに配列された複数の別個の光源を有してもよい。光源アセンブリ110は、同一平面内に配された複数の別個の光源を有してもよい。用途によっては、光源アセンブリ110は、例えば球形、楕円形、放物線形、双曲線形、平面または他の任意の適当な表面上に配された別個の光源からなる立体的なアレイを有してもよい。
【0016】
光源110Aは、レーザ光源などの実質的にコリメートされた光を放射可能な光源であれば特に限定されない。
【0017】
放射され、実質的にコリメートされた各光ビームは、伝播方向に対して垂直な方向において強度プロファイルを有する。例えば、コリメート光ビーム111Aは、Z軸方向に伝播し、X−Y平面内に2次元強度プロファイルを有する。この強度特性は、X−Y平面内の異なる方向で異なり得る。例えば、コリメート光ビーム111Aは、X−Y平面内のX方向に沿って、Y方向の強度特性とは異なる強度プロファイル112を有し得る。強度プロファイル112は、ピーク強度113及び強度半値全幅(FWHM)114を有する。
【0018】
レンズ120は、第1の表面121と、第2の表面122と、呼び厚さtとを有する。ただし、tは、例えば、表面121と122の間の平均距離である。第1の表面121は、レンズレット123Aのような複数のレンズレットを含むレンズレットアレイ123を有する。複数のレンズレットは、すべてが正レンズレットであるか、すべてが負レンズレットであるか、あるいは正レンズレットと負レンズレットとの組み合わせである。本発明の一実施形態によれば、レンズレットアレイにおける放射され、コリメートされた各光ビームの強度半値全幅FWHMは、複数のレンズレットの少なくとも一部分をカバーする。例えば、コリメート光ビーム111Aの強度半値全幅FWHM114は、5個のレンズレットの少なくとも一部分をカバーしている。レンズレットアレイ123の各レンズレットは、各レンズレットによって包含され得る最大の円の直径に等しい内径を有する。同様に、レンズレットアレイ123の各レンズレットは、各レンズレットを包含し得る最小の円の直径に等しい外径を有する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、レンズレットアレイ内の任意のレンズレットの外径に対する、放射され、コリメートされた光ビームのレンズレットアレイ123における強度半値全幅FWHMの比は、好ましくは0.94以上、より好ましくは0.97以上、更に好ましくは1.0以上である。特定の用途においてはレンズレットアレイ内の任意のレンズレットの外径に対する、放射され、コリメートされた光ビームのレンズレットアレイ123における強度半値幅FWHMの比は、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.10以上、更に好ましくは1.15以上である。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、レンズレットアレイ内の全レンズレットのうちの最大の有限外径に対する、放射され、コリメートされた全光ビームのうちのレンズレットアレイ123における最小の強度半値幅FWHMの比は、好ましくは0.94以上、より好ましくは0.97以上、更に好ましくは1.0以上である。用途によっては、レンズレットアレイ内の全レンズレットの内の最大の有限外径に対する、放射され、コリメートされた全光ビームのうちのレンズレットアレイ123における最小の強度半値幅FWHMの比は、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.10以上、更に好ましくは1.15以上である。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、任意の放射され、コリメートされた光ビームは、少なくともレンズレット4個の一部を、好ましくは少なくともレンズレット7個の一部を、より好ましくは少なくともレンズレット9個の一部をカバーする。本発明の別の実施形態によれば、放射され、コリメートされた各光ビームは、少なくともレンズレット4個の一部を、好ましくは少なくともレンズレット7個の一部を、より好ましくは少なくともレンズレット9個の一部をカバーする。放射され、コリメートされた各光ビームが、レンズレットアレイ123内の複数のレンズレットの少なくとも一部をカバーするような例示的照射システム100は、放射され、コリメートされた個々の光ビームと、レンズレットアレイ123内の各レンズレットとの正確なアラインメントによって影響されにくい均一な照射と遠視野強度分布を与えるものである。
【0022】
説明を簡潔、容易にする目的で、図1aでは、レンズレットアレイ123が入射するコリメートされた各光ビームを1個の焦点に集光する状態を示している。一般的には、入射するコリメート光ビームは、その入射コリメート光ビームによって照射される複数のレンズレットに対応した複数の焦点に集光される。各入射コリメート光ビームが、複数のレンズレットを照射する照射システム100の利点の1つは、各入射光が複数の焦点が集光されることによって、照射システムにおけるスペックルが低減する点である。
【0023】
レンズレットアレイ123の各レンズレットは、1つ以上の焦点を有する。各レンズレットの各焦点は、同一平面上にあってもなくてもよい。例えば、図1bは、焦点F1、F2、F3及びF4をそれぞれ有するレンズレットアレイ123の4個の例示的な正レンズレットを示したものであるが、この場合、4つの焦点は同一平面上にない。図1cは、入射した、実質的にコリメートされた光ビーム111Cが、図1bに示した4個のレンズレットによって拡大される様子を示したものである。コリメート光ビーム111Cは、4本の細かな光ビームに効果的に分割されて焦点F1〜F4に集光されている。集められた光ビームは、Z軸に沿って伝播するにしたがって拡大する。図1dは、仮想焦点F5、F6、F7及びF8をそれぞれ有するレンズレットアレイ123の4個の例示的な負レンズレットを示したものであるが、この場合、4つの仮想焦点は同一平面上にない。この場合、入射する実質的にコリメートされた光ビーム111Dは、4本の細かな光ビームに効果的に分割され、各光ビームは対応するレンズレットによって屈折させられて拡大する。複数のレンズレットの焦点が、同一平面上にないような照射システムの利点の1つはスペックルが低減することである。
【0024】
本発明の一実施形態では、レンズレットの焦点距離に対するレンズレットの外径の比は、レンズレットアレイ123のすべてのレンズレットについて同じ値である。ただし、各レンズレットは異なる焦点距離及び/または外径を有し得る。本発明の別の実施形態によれば、レンズレットアレイ123の各レンズレットはほぼ同じ外径を有するが、レンズレットの少なくとも一部は異なる焦点距離を有する。
【0025】
レンズレットアレイ123内の異なるレンズレットは、異なる光学パワーを有していてよく、ここで光学パワーは正または負の値であり得る。レンズレットアレイ123は、直線状または2次元的に配されたレンズレットのアレイである。本発明の好ましい一実施形態ではレンズレット123の各レンズレットは、例えば光変調器150に伝送される光の均一性を高めるために互いに近接して配されるが、各レンズレットは互いに近接配置されてもよいし、されなくてもよい。
【0026】
レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、正方形、六角形、長方形、または特定の用途に適した他の任意の形状を有し得る。更に、レンズレットアレイ123内の異なるレンズレットは、異なる形状、異なる内径、及び/または異なる外径を有していてよい。レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、球面レンズ、円柱レンズ、非球面レンズ、または特定の用途に適した他の任意の種類のレンズを使用することが可能である。
【0027】
本発明の一実施形態では、レンズ120は、各入射コリメート光ビームを拡大することが可能である。図1aに示した例示的実施例では、レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、平凸レンズである。この場合、レンズ120は、例えば、図1cに示されるように、各入射コリメート光ビームを集束し、次いで集束された各光ビームを拡大する。レンズレットアレイ123内の一部またはすべてのレンズレットが、平凸レンズであってもよく、その場合各入射コリメート光ビームは、第1の表面121を透過した後に拡大される。一般的に、レンズレットアレイ123内のレンズレットは、両凹レンズレット、両凸レンズレット、凹凸レンズレット、または凸凹レンズレット、または特定の用途に適した他の任意の種類のレンズレットなどの特定用途において望ましい任意のレンズレットであり得る。
【0028】
図1aに示した例示的照射システムでは、レンズレットアレイ123内の各レンズレットは、基材174の表面173上に形成されている。照射システムによっては、レンズレットアレイ123内の各レンズレットを基材174の表面173上に直接成形することなどによってレンズレットと基材174による一体的なシステムを構成することが可能である。
【0029】
図1aの光学素子130は、レンズ120を透過した光を均質化することを主たる目的として構成されている。ここで均質化とは、光学素子130を出射する光が光学素子130に入射する光よりもより均一な空間的強度分布を有することを意味する。公知の光ホモジナイザの例は、米国特許第5,625,738号及び同第6,332,688号、ならびに米国特許出願公開公報第2002/0114167号、同第2002/0114573号及び同第2002/0118946号に述べられている。
【0030】
光学素子130は、入射面131と、長さdを有する光学ロッド132と、出射面133とを有する。光学素子130は、レンズ120を透過した光を入射面131から受光し、受光光が光学ロッドの長さ方向に伝播する際にこれを均質化し、均質化された光を光学素子の出射面133から出射する。
【0031】
入射面131、出射面133及び光学ロッド132の断面は、長方形、台形、正方形、楕円形または特定の用途において望ましい他の任意の形状を有し得る。入射面131、出射面133及び光学ロッド132の断面は、異なる形状を有してもよい。例えば、入射面131が円形であり、出射面133が正方形であってもよい。光学ロッド132の断面は、光学ロッドに沿って異なる点で異なっていてもよい。例えば、光学ロッド132は、光軸190に沿って長さ方向にテーパー状にしていてもよい。光学ロッドは、光軸に沿って内側または外側にテーパー状にしていてよい。光学ロッド132の断面の各辺は、直線でも曲線でもよい。テーパー形状を有する光学ロッドの一例が、米国特許第6,332,688号に述べられている。
【0032】
ホモジナイザ130は、多面体(例えば6面体)などの任意の立体的形状を有し得る。ホモジナイザ130の全体または一部が、中実または中空であってもよい。ホモジナイザ130は、反射、全反射、屈折、散乱、または回折またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の適した光学的方法、あるいは受光した光を均質化するのに適した他の任意の方法により受光した光を均質化することが可能である。
【0033】
図1aは、直線状の光軸190と直線状の光学素子130を示したものである。一般に、光軸190は特定の用途に合わせて光軸に沿った1つ以上の点で折曲されていてもよい。その場合、光学素子130が光学ロッド132の長さdに沿って1つ以上の点で折曲されていてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態では、放射され、コリメートされた光ビームのレンズ120による拡大と、光学素子130の均質化機能により、充分に空間的に均一な光が光学素子130の出射面133に伝播される。
【0035】
本発明の一実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットの外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、出射面133における光の空間的均一度(近視野強度分布と呼ばれる場合もある)の変化は、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満である。用途によっては、こうした変位による出射面133における光の空間的均一度の変化は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.5%未満である。
【0036】
本発明の別の実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットアレイ123のレンズレットの内の最大外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、出射面133における光の空間的均一度の変化は、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満である。特定の用途では、こうした変位による出射面133における光の空間的均一度の変化は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.5%未満である。
【0037】
図1aでは、レンズ120と光学ホモジナイザ130は、距離「l」だけ離間している。一般に距離「l」は特定の用途において所望の結果を与える距離であれば特に限定されない。例えば、距離「l」として出射面133における均一度を向上させるうえで充分に大きな距離をとることができる。特定の用途においては、距離「l」を十分小さくとることにより光学ホモジナイザ130に受光、集光される光量を増大させることが可能である。他の特定の用途においては、機械的安定性を向上させたり、レンズ120と光学ホモジナイザ130とのアラインメントを維持する必要性を低減する目的で距離「l」を0とすることも可能である。距離「l」は、基材174を省略してレンズレットアレイ123を光学ホモジナイザ130の入射面131上に直接形成することなどによって0とすることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、レンズ120は接着層によって光学素子130に光学的に結合される(図1aには示されていない)。本明細書で使用する時、用語接着剤とは、隣接する2層を表面付着手段によって共に接合することが可能な物質を指す。接着層は、接着母材中に微粒子を分散させることなどによって光拡散性にすることが可能である。その場合、粒子の屈折率は接着母材の屈折率と異なるものとする。同様に、レンズ120は、レンズの厚さ「t」に沿って光拡散性にすることが可能である。
【0039】
本発明の一実施形態では、レンズ120は光学素子130の一部分として形成される。これは、レンズ120と光学素子130が一体構造を形成するということである。例えば、レンズレットアレイ123が光学ホモジナイザの入射面131の一体部分であることができる。
【0040】
光学伝達システム140は、光学ホモジナイザ130が放射した光を入射面141から受光し、受光光を出射面142へと伝播し、伝播された光を出射面から光変調器150へと供給する。本発明の一実施形態では、出射面133と光変調器150とが共役ペアを形成する。これは例えば、光変調器150が出射面133の結像面内に位置するということである。
【0041】
光学伝達システム140は、所定の開口領域144を有する開口絞り143を備える。本発明の一実施形態では、出射面133と開口絞り144とがフーリエ変換ペアを形成する。これは一般に、点134のような出射面133の各点が開口領域144のほぼ全体を照射するということである。更に光線135のような、出射面133から出射し、同じ方向に伝播するすべての光線は、開口領域144内の点145のような、ほぼ対応する点に収束する。
【0042】
光学伝達システム140は、レンズ、マイクロレンズアレイ、光学フィルター、カラーホイール、ミラー、または光学伝播システム140において使用することによって光学素子130から光変調器150の活性領域151に光を伝達することが可能な他の任意の光学要素などの、屈折性、反射性、回折性、ホログラフィー性といった性質を有する1つ以上の光学要素を含むことができる。
【0043】
光変調器150は、画像を表示することが可能な活性領域151を有する。本発明の一実施形態では、開口絞り143と活性領域152とはフーリエ変換対を形成する。
【0044】
光変調器150は、画像を表示することが可能な任意の光変調器を使用することができる。光変調器150は、ピクセル化させることができる。例えば、光変調器150は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)などのマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)とすることができる。DMDは通常、傾斜可能なマイクロミラーの配列を有している。各ミラーの傾斜は、電気信号などによって独立に制御することが可能である。各ミラー(画素)は傾斜することによって高速かつ正確な光スイッチとして動作する。その結果、DMDは入射光をデジタル的に変調することによって、例えば入射光が照射された場合に画像が表示されるような空間的光変調器として動作することが可能となる。DMDの一例として、テキサス・インスツルメンツ社(テキサス州、ダラス)の販売するDigital Light Processor(商標)(DLP(商標))が挙げられる。
【0045】
光変調器150の更なる例としては、例えば米国特許第5,841,579号に述べられるグレーティングライトバルブ(GLV)や、液晶ディスプレイ(LCD)が挙げられる。LCD型の変調器150としては、例えば、高温ポリシリコン(HTPS)LCDやLCoS(liquid crystal on silicon)ディスプレイなどの光透過型または反射型のものがある。
【0046】
一般的に光変調器150として、画像を形成し、電子的にスイッチング可能な任意の素子を使用することができる。用途によっては、光変調器150は、特定の用途に応じて時間の関数として例えば、リフレッシュ、変更、ないしは別の方法でアップデートが可能な静止画像を表示してもよい。
【0047】
光学ホモジナイザ130を透過した光は、出射面133における空間的光強度分布である所定の近視野分布を有する。光学素子130を透過した光は更に、所定の遠視野すなわち角強度分布を有する。理論的には、遠視野分布は、出射面133から無限遠に置かれた平面における透過光の空間的強度分布に等しい。実用上は、遠視野分布は出射面133から長い距離、例えば、数メートルの位置に置かれた平面における透過光の空間的強度分布を考慮することによって求めることができる。
【0048】
本発明の一実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットアレイ123のレンズレットの内の任意のレンズレット外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、ホモジナイザ130が透過する光の角強度分布の変化は、40%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5.0%、更に好ましくは1.0%未満である。
【0049】
本発明の別の実施形態では、X−Y平面内の特定の方向にレンズ120を、レンズレットアレイ123のレンズレットの内の最大のレンズレット外径の1/2以下の距離だけ変位させる場合の、ホモジナイザ130が透過する光の角強度分布の変化は、40%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5.0%、更に好ましくは1.0%未満である。
【0050】
本発明の利点ならびに実施形態を以下の実施例によって更に説明する。実施例において述べる特定の材料、屈折率などの光学的パラメータ及び寸法、ならびに他の条件及び細部は本発明を不要に限定するものと解釈するべきではない。
【0051】
(実施例1)
図1aの照射システム100と同様の照射システムを、レンズ120に入射する実質的にコリメートされた光について数値的に分析した。実施例の中で用いるシステムの変量およびパラメータの詳細を図2〜4を参照しながら説明する。この分析では、コリメートされた単一の円形入射光線111Aを使用した。表面131におけるX−Y平面内のX方向及びY方向の両方に沿った光線の強度半値全幅FWHMは0.2mmであった。α光線は、0.344°に等しい拡がり半角を有していた。光線の波長は0.532ミクロンであった。
【0052】
この分析において用いたレンズレット123は、互いに近接して配された同じ正方形レンズレットの2次元アレイ(配列)であり、光学素子130の入射面131上に直接形成される。各レンズレットは、図3のレンズレット301に示されるように曲率半径が0.3mmである凸面の第1の表面を有し、レンズレットの厚さPは0.04mmである。入射面131はY軸方向の辺の長さが6.8mm、X軸方向の辺の長さが4.0mmの長方形である。光学ロッド132は40mmの長さを有するものを用いた。
【0053】
この分析では2種類の変量を用いた。第1の変量は、各正方形レンズレットの各辺の長さとしての「q」であり、この値は図2及び4に示されるように各正方形レンズレットの内径でもある。第2の変量は、図4に示されるように、レンズレットアレイ123における入射コリメートビーム111Aの中心401と、指定されたレンズレット123Bの中心402との間の距離として定義される位置ずれの大きさ「h」であった。hとして3つの異なる値を用いた。第1の値はh=0である。これは中心401が中心402に位置することを意味する。第2の値は、h=q/4である。これは中心401がY軸に沿って横方向にレンズレット123Bの辺の1/4に等しい距離だけ変位していることを意味する。第3の値は、h=q/2である。これは中心401がY軸に沿って横方向にレンズレット123Bの辺の1/2に等しい距離だけ変位していることを意味する。
【0054】
変量の各セットについての分析の結果となる値が、光学ホモジナイザ130により透過された光の遠視野分布を包含する最小の半円錐角、Dであった。図1aを参照すると、Dは、光学ホモジナイザ130から出射するほぼすべての光を透過することが可能な開口絞り143の開口領域144の最小の直径に相当する。これは、例えば、Dの値が大きいほど大きな開口領域144を必要とするということであり、一般的に照射システムの他の要素も同様に大きいことが求められる。
【0055】
表1は実施例において考慮した変量の異なるセットについてDの値を示したものである。
【0056】
【表1】
【0057】
表1において、ODは図2及び4に示されるようにレンズレット123Bの外径であり、SはFWHMのODに対する比である。表1から分かるように、OD=0.283mmでは、レンズレットの辺の長さの半分に等しい位置ずれ(h=0.1mm)によってDの値は7.5°から12.5°へと、約67%の増加を示した。同様に、OD=0.212mmでは、レンズレットの辺の長さの半分に等しい位置ずれ(h=0.075mm)によってDの値は7.0°から10.0°へと、約43%の増加を示した。一方、OD=0.188mmでは、レンズレットの辺の長さの半分に等しい位置ずれ(h=0.067mm)によるDの値の増加は8.0°から8.5°へと、わずか約6%であった。OD=0.177mmでは、q/4またはq/2の位置ずれによってDの値は変化しなかった。したがって1.06よりも大きなSの値に対しては、入射コリメート光ビームと、対応するレンズレットとの位置ずれによる遠視野分布の変化は10%未満である。それ故に、本発明の利点の1つは、十分に大きなSの値に対しては、遠視野分布が十分に小さく、かつ入射コリメート光ビームとレンズレットアレイのレンズレットとの位置ずれの影響を受けにくい点にある。
【0058】
図5a〜dは実施例で用いた変量の4つの異なるセットについて角強度分布を示したものである。詳細には、図5aは、S=0.707であり位置ずれが0である場合の角強度分布510を示し、図5bは、Sの値は同じであるが位置ずれが0.1mmである場合の角強度分布520を示したものである。同様に、図5cは、S=1.131であり位置ずれが0である場合の角強度分布530を示し、図5dは、Sの値は同じであるが位置ずれが0.062mmである場合の角強度分布540を示したものである。角度θ及びφを定義する1つの方法は、図5aに示されるように、光学ホモジナイザ130の出射面133の任意の点501について定義する方法であるφ点501から出射面133を出射する光線502は遠視野分布504内の点503に到達する。角度θは光線502がZ軸となす角度である。角度φはX−Y平面への光線502の投射像(直線505)がX軸となす角度である。ここでDは、光学ホモジナイザ130が透過する光の遠視野分布を包含する最小の角度θである。
【0059】
図5a及び5bは、0.1mmの位置ずれによって角強度分布のサイズが大幅に増大することを示している。そのため図1aの照射システム100において、例えば照射システム100の製造、組立て、または使用時に生ずる位置ずれを調整するために大きな開口領域144が必要となる。
【0060】
これに対し、図5c及びdは、0.062mmの位置ずれであっても角強度分布のサイズに影響しないという本発明の利点の1つを示している。したがって本発明によれば、照射システム100における異なる要素の製造、組立てにおいて許容される公差が大きくなる。本発明によれば更に、熱膨張及び収縮による異なるシステム要素間の位置ずれによってシステム全体の性能が影響されないことからシステムの動作可能な温度幅がより大きくなる。更に本発明によれば、開口143の開口領域144がより小さい、より小型の光学要素を使用することによってよりf値の大きな照射または投射システムの使用が可能となることから、照射または投射システムのコスト及び全体の設置面積が低減される。f値のより大きなシステムの使用によって更に光学収差が低減することなどにより、光学性能が向上する。これにより、照射システム100またはこうした照射システムを用いた投射システムにおいて使用する光学要素の数を減らし、かつ/または、余り複雑でない光学要素の使用が可能となることからコストが低減する。
【0061】
表1の結果の一部を図6に示す。詳細には、プロット600は、レンズレット123Bの辺の1/2に等しい位置ずれ(図4を参照)に対するDの変化率(%)をSの関数として示したものである。プロット600によれば、Dの変化率(%)は、Sが約1よりも大きい場合には約25%よりも小さい。
【0062】
図7は、本発明の一実施形態に基づく投射システム700の概略側面図を示す。投射システム700は、照射システム710と、投射光学系720と、投射スクリーン730とを備える。照射システム710は、図1aの照射システム100のような、本発明の実施形態に基づく照射システムである。図1aには、単一の照射システムを示したが、投射システム700は一般に複数、例えば3個の照射システムを含んでいてよい。
【0063】
投射光学系720は、照射システム710によって生成する画像を投射スクリーン730上に投射するためのものである。投射光学系720には通常複数のレンズが含まれる。公知の投射光学系の例としては、米国特許第6,417,971号、同第6,301,057号、ならびに同第5,969,876号に述べられるものがある。
【0064】
投射システム700としては、背面投射型システムを使用することが可能であり、その場合、投射スクリーン730は背面投射型スクリーンであることが好ましい。投射システム700としては、正面投射型システムを使用することも可能であり、その場合、投射スクリーン730は正面投射型スクリーンであることが好ましい。
【0065】
図の投射システム700は、直線状の光軸790を中心軸としている。一般に光軸790は、例えば投射システムの全体の設置面積を小さくする目的で1つ以上の点において折曲されてもよい。
【0066】
上記に引用したすべての特許、特許出願及び他の公開を、それらがあたかも完全に再現されたものとして本明細書に援用するものである。本発明の異なる態様の説明を容易ならしめるべく本発明の具体的実施例を上記に詳述したが、本発明はそれら実施例の細部に限定することを意図しない点は理解されねばならない。むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される発明の趣旨ならびに範囲に包含されるすべての変形、実施形態及び代替を網羅しようと意図するものである。
【0067】
添付の図面と関連して以下に述べる本発明の異なる実施形態の詳細な説明を考慮することで、本発明のより完全な理解、認識が可能となろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1a】本発明の一実施形態に基づく照射システムの概略側面図。
【図1b】図1に示したレンズレットアレイの例示的一部分の概略側面図。
【図1c】図1bのレンズレットによってコリメート光が拡大される様子を示す。
【図1d】図1に示したレンズレットアレイの別の例示的一部分の概略側面図。
【図2】実施例1において分析した照射システムの一部の概略立体図。
【図3】実施例1において分析した照射システムの一部の概略側面図。
【図4】実施例1において分析したレンズレットアレイの一部の概略正面図。
【図5a】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図5b】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図5c】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図5d】実施例1で用いた変量の4つのセットについて角強度分布を示したものである。
【図6】実施例1で述べた結果の一部をプロット。
【図7】本発明の一実施形態に基づく投射システムの概略側面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の実質的にコリメートされた別個の光ビームを含む光を放射可能な光源と、
前記放射光を受光し透過させるレンズレットアレイであって、前記放射光中の各別個の光ビームが、前記レンズレットアレイ内の複数のレンズレットの少なくとも一部をカバーする、前記レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)を有するようにしたレンズレットアレイと、
入射面からの前記透過光を受光し、前記受光光を均質化し、前記均質化された光を出射面から出射する光学素子と、を備える光学システム。
【請求項2】
前記光源が、レーザ光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
実質的にコリメートされた別個の光線のそれぞれの拡がり半角が、2°よりも小さい請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
実質的にコリメートされた別個の光線のそれぞれの拡がり半角が、1°よりも小さい請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記光源が、1列以上の別個の光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項6】
前記光源が、2次元アレイの別個の光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項7】
前記光源が、3次元アレイの別個の光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記別個の光線のそれぞれの前記レンズレットアレイにおけるFWHMが、4個のレンズレットの少なくとも一部をカバーする請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記別個の光線のそれぞれの前記レンズレットアレイにおけるFWHMが、7個のレンズレットの少なくとも一部をカバーする請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記別個の光線のそれぞれの前記レンズレットアレイにおけるFWHMが、9個のレンズレットの少なくとも一部をカバーする請求項1に記載の光学システム。
【請求項11】
前記レンズレットアレイ内のレンズレットの少なくとも幾つかの焦点が、同一平面上に存在しない請求項1に記載の光学システム。
【請求項12】
前記レンズレットアレイ内の少なくとも2個のレンズレットが、異なる光学パワーを有する請求項1に記載の光学システム。
【請求項13】
光学システムは光軸を有し、前記レンズレットアレイを前記光軸に対して垂直方向に、前記レンズレットアレイ内のレンズレットの外径の1/2だけ変位させた場合、前記均質化された光の均一性の変化が5%未満である請求項1に記載の光学システム。
【請求項14】
各レンズレットが、六角形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項15】
各レンズレットが、正方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項16】
各レンズレットが、長方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項17】
前記レンズレットアレイ内の前記レンズレットが、密に配列されている請求項1に記載の光学システム。
【請求項18】
前記レンズレットアレイが、前記光学素子の一体部分である請求項1に記載の光学システム。
【請求項19】
前記光学素子が、前記受光光を全反射によって均質化する請求項1に記載の光学システム。
【請求項20】
前記光学素子が、テーパー状に形成されている請求項1に記載の光学システム。
【請求項21】
前記光学素子の前記入射面及び出射面の少なくとも一方が、長方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項22】
前記光学素子の前記入射面及び出射面の少なくとも一方が、正方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項23】
前記光学素子の前記入射面及び出射面の少なくとも一方が、台形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項24】
請求項1に記載の光学システムを有する投射システム。
【請求項25】
実質的にコリメートされた光ビームを放射可能な1つ以上の光源と、
実質的にコリメートされた各光ビームを受光し拡大するためのレンズレットアレイと、
前記レンズレットアレイによって拡大された光を均質化するための光学ホモジナイザとを備え、
レンズレットの外径に対する、放射され、実質的にコリメートされた各光ビームの前記レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)の比が、少なくとも1.05である光学システム。
【請求項26】
前記比が、少なくとも1.10である請求項25に記載の光学システム。
【請求項27】
前記比が、少なくとも1.15である請求項25に記載の光学システム。
【請求項28】
前記レンズレットアレイ内の前記レンズレットが、密に配列されている請求項25に記載の光学システム。
【請求項29】
前記1つ以上の光源の少なくとも1つが、レーザ光源である請求項25に記載の光学システム。
【請求項1】
1つ以上の実質的にコリメートされた別個の光ビームを含む光を放射可能な光源と、
前記放射光を受光し透過させるレンズレットアレイであって、前記放射光中の各別個の光ビームが、前記レンズレットアレイ内の複数のレンズレットの少なくとも一部をカバーする、前記レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)を有するようにしたレンズレットアレイと、
入射面からの前記透過光を受光し、前記受光光を均質化し、前記均質化された光を出射面から出射する光学素子と、を備える光学システム。
【請求項2】
前記光源が、レーザ光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
実質的にコリメートされた別個の光線のそれぞれの拡がり半角が、2°よりも小さい請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
実質的にコリメートされた別個の光線のそれぞれの拡がり半角が、1°よりも小さい請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記光源が、1列以上の別個の光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項6】
前記光源が、2次元アレイの別個の光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項7】
前記光源が、3次元アレイの別個の光源を含む請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記別個の光線のそれぞれの前記レンズレットアレイにおけるFWHMが、4個のレンズレットの少なくとも一部をカバーする請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記別個の光線のそれぞれの前記レンズレットアレイにおけるFWHMが、7個のレンズレットの少なくとも一部をカバーする請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記別個の光線のそれぞれの前記レンズレットアレイにおけるFWHMが、9個のレンズレットの少なくとも一部をカバーする請求項1に記載の光学システム。
【請求項11】
前記レンズレットアレイ内のレンズレットの少なくとも幾つかの焦点が、同一平面上に存在しない請求項1に記載の光学システム。
【請求項12】
前記レンズレットアレイ内の少なくとも2個のレンズレットが、異なる光学パワーを有する請求項1に記載の光学システム。
【請求項13】
光学システムは光軸を有し、前記レンズレットアレイを前記光軸に対して垂直方向に、前記レンズレットアレイ内のレンズレットの外径の1/2だけ変位させた場合、前記均質化された光の均一性の変化が5%未満である請求項1に記載の光学システム。
【請求項14】
各レンズレットが、六角形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項15】
各レンズレットが、正方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項16】
各レンズレットが、長方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項17】
前記レンズレットアレイ内の前記レンズレットが、密に配列されている請求項1に記載の光学システム。
【請求項18】
前記レンズレットアレイが、前記光学素子の一体部分である請求項1に記載の光学システム。
【請求項19】
前記光学素子が、前記受光光を全反射によって均質化する請求項1に記載の光学システム。
【請求項20】
前記光学素子が、テーパー状に形成されている請求項1に記載の光学システム。
【請求項21】
前記光学素子の前記入射面及び出射面の少なくとも一方が、長方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項22】
前記光学素子の前記入射面及び出射面の少なくとも一方が、正方形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項23】
前記光学素子の前記入射面及び出射面の少なくとも一方が、台形である請求項1に記載の光学システム。
【請求項24】
請求項1に記載の光学システムを有する投射システム。
【請求項25】
実質的にコリメートされた光ビームを放射可能な1つ以上の光源と、
実質的にコリメートされた各光ビームを受光し拡大するためのレンズレットアレイと、
前記レンズレットアレイによって拡大された光を均質化するための光学ホモジナイザとを備え、
レンズレットの外径に対する、放射され、実質的にコリメートされた各光ビームの前記レンズレットアレイにおける強度半値全幅(FWHM)の比が、少なくとも1.05である光学システム。
【請求項26】
前記比が、少なくとも1.10である請求項25に記載の光学システム。
【請求項27】
前記比が、少なくとも1.15である請求項25に記載の光学システム。
【請求項28】
前記レンズレットアレイ内の前記レンズレットが、密に配列されている請求項25に記載の光学システム。
【請求項29】
前記1つ以上の光源の少なくとも1つが、レーザ光源である請求項25に記載の光学システム。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2009−518812(P2009−518812A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544382(P2008−544382)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/045866
【国際公開番号】WO2007/067411
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/045866
【国際公開番号】WO2007/067411
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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