説明

コロイド結晶アレイを含む局所送達システム

本発明は、親水性相中の有効量のコロイド結晶アレイ、および少なくとも1つの含油相を含む、皮膚に適用するための局所用システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に対する局所適用のための組成物に関する。より具体的には、本発明は、コロイド結晶アレイを含む局所用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
コロイド結晶アレイ(colloidal crystalline arrays、CCA)は、適当な周囲条件下で自己組織化(self-assemble)して、特に色の生成における通常にはない特性を有する結晶格子になる、単分散の荷電球状粒子で構成される。CCA着色システム(coloring system)の色は、光がCCAの結晶構造を通過し、それにより回折される際に生成される。球の粒径および表面電荷密度が均一であるために、それらの間でクーロン静電反発力が生じ、球は「自己組織化」して、光を効率的に回折してブラッグ条件を満たす結晶格子構造になる。参照により本明細書に組み込まれるAsher, S.A., et al, "Novel Optically Responsive and Diffracting Materials Derived from Crystalline Colloidal Array Self-Assembly", Chapter 33, ACS Symposium Ser., pps. 495-506 (1997)を参照。ブラッグ則は等式mλ0=2nd sinθで表され、式中、mはCCAの平面層の数を表す整数であり、λ0は真空中の光の波長であり、nはシステムの屈折率であり、dは平面間の間隔であり、θはブラッグ角である。光のブラッグ回折は、連続し、ある表面に平行に整列している最密球の平面から生じる。参照により本明細書に組み込まれるTse, Albert S., Wu, Zhijun, and Asher, Sanford A., "Synthesis of Dyed Monodisperse Poly(methyl methacrylate) Colloids for the Preparation of Submicron Periodic Light-Absorbing Arrays", Macromolecules 28, pps. 6533-6538 (1995)を参照。
【0003】
球は、アレイを通過する少なくとも2つの平面が存在するような順序で配置される。各平面は互いに平行であり、そこに入射する角を有する。平面間の距離は粒子の数密度、粒径および表面電荷により決定される。CCAの間隔は可視光および近赤外光の波長と同様であるため、光がCCAを通過する際に光の強いブラッグ回折が生じる。球が自己組織化してCCAになることによる色の形成は、球の濃度密度(concentration density)に部分的に依存する。
【0004】
CCAの球が配置される順序は、それらの間の反発力に基づく。球は、非常に均一な表面電荷密度を有する。それらの間の間隔がデバイ層長さ(Debye layer length)以内(1μm未満)である場合、それらは互いに強く静電的に反発し合う。表面電荷密度は、イオン化H+またはOH-対イオンの推定である。この推定は、当技術分野で公知の電位差または電気伝導度滴定により行うことができる。
【0005】
表面電荷密度は等式σ0=Nsevにより定量され、式中、σ0は表面電荷密度であり、Nsは単位面積当たりの荷電部位の数であり、vはそれらの原子価であり、eは電子上の基本電荷(1.6×10-19クーロン)である。H+またはOH-イオンは主に、一般に電気二重層と呼ばれるものの上の球の表面に見られる。電気二重層は、球間の反発力に影響を与えるため、それらの自己組織化プロセスに影響を与える。
【0006】
各球の対イオン雲は、球の表面にある電気二重層を包囲する。球が互いに近接している場合、各球に関連する対イオン雲がわずかに重なり合う。球は直ちに、対イオンにより生じる反発力により互いに反発し合う。Scientific Methods for the Study of Polymer Colloids and Their Applications、前掲、132頁。球の自己組織化により形成されるCCAは、それらの間の反発力の結果である。エネルギーが約kTより大きい場合(式中、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度である)、球は自己組織化して、光を回折して虹色を生成する秩序だったアレイを生成することができる。
【0007】
CCAの独自の特性は、多くの実際的用途を見出した。例えば、単分散の球状粒子、およびそれから構成され、虹色を生成するCCAの合成は公知であり、例えば米国特許第4,627,689号、第4,632,517号および第5,452,123号に記載されている。これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。これらの特許では、結晶コロイド狭帯域放射線フィルター、ならびにCCAを用いたスイッチングデバイスおよび関連デバイスの製造方法が開示されている。化粧品および医薬組成物中で、組成物に非顔料系の虹色を与えるのに有用なCCAも開示されている。その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO 0047167号を参照。「La Neige」という市販品も明らかに、水性アルコール基剤を有する毛穴抑制化粧品組成物の一部としてCCAを使用している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの興味深い結晶にはいくつかの実用的用途があったが、それらの使用拡大は、システムの繊細さにより多少制限されてきた。CCAを含む媒体中にイオン不純物が実質的に存在しないことが、自己組織化格子構造を維持するのに必要な反発力による干渉を防止する上で必要であると一般に認識されている。また、球は従来、任意の油または他の疎水性溶媒が不在の状態で、実質的に親水性の媒体、すなわち水性アルコールまたは水性媒体中で使用されている。これらの特徴は、局所用組成物におけるアレイの使用を著しく妨げている。これは、油が不在の状態では、得られる製品はほとんどまたはまったく皮膚軟化性(emolliency)を有さず、皮膚上には不快な最終感触が残るからである。このような製品に高レベルのアルコールを用いると、皮膚が非常に乾燥することもある。また、油が存在しないと、局所用製品には、水またはアルコールに可溶な成分しか使用できず、それにより香料もしくは精油または油溶性有効成分が使用できなくなる。したがって、CCAは、想定され得る局所用製品、特に化粧品における、そのような他に類をみず美的な外観を有する材料の広範なレベルの使用をこれまで実現していない。そこで、本発明は、CCAを含む組成物に対する新規のアプローチ、およびそのような局所送達用組成物を使用する独自の方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、親水性相中の有効量のコロイド結晶アレイ、および少なくとも1つの含油相を含む、皮膚に適用するための局所用システムに関する。この独自のシステムは、各種の局所適用において有用であり、組成物の美的可能性を、油を含むシステムで利用可能なより大きい化粧品的または皮膚処理上の利点と組み合わせて独自に引き出すことを可能にする。特に、このシステムは、(油溶性および水溶性の両方の)有効成分の角質層への浸透、および皮膚の色の補正を可能にするナノ送達システム、ならびに独自の種類の香料品を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
A. 球およびその組織化プロセス
本発明で有用な球は、コロイド結晶アレイの形成が可能な任意の球であることができる。上記のように、CCAの形成は文献に詳述されており、これらは当技術分野で公知の任意の製造方法に従って調製することができる。球は、屈折率の値が約1.0を超え、好ましくは1.5〜3.0である、天然もしくは被処理架橋材料または他の材料であることができる。CCAの球は、少なくとも1種の前駆体および界面活性剤を処理することで形成される。一般的方法は、前駆体および界面活性剤を乳化重合または縮合(condensation)して、単分散の、均一な粒径および均一な表面電荷密度の球状粒子を形成するステップを含む。例えば分散もしくは乳化重合または縮合法などの公知の重合技術は、参照により本明細書に組み込まれるBhattacharyya, Bhupati and Halpern, B. David, "Application of Monodisperse Functional and Fluorescent Latex Particles", Polymer News 4, pps. 107-114 (1977)に記載されている。CCAの調製は米国特許第4,632,517号にも記載されている。
【0011】
すなわち、CCAの球状粒子は、前駆体および界面活性剤を脱イオン再蒸留水と組み合わせ、それを水浴中で結晶形成が完了するまで、通常は約4〜8時間重合することで形成することができる。結晶形成は、虹色の外観により確認される。前駆体の量および種類、ならびに界面活性剤の量は、球の濃度密度を決定し、したがって球のCCAへの自己組織化を決定する要因である。
【0012】
原則として、単分散の均一な粒径および均一な表面電荷密度を有する球状コロイド粒子を形成するために組み合わせることが可能な任意の1種または複数の有機または無機前駆体を、本発明で使用することができる。本明細書で用いる「単分散」という用語は、ガウス分布であり、標準偏差が小さい(すなわち平均標準偏差が5%未満)、球の粒径分布を表す。前駆体は、溶媒全体に分散する秩序だったアレイへの組織化が可能な任意の材料であることができる。
【0013】
例えば、前駆体は、例えばポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」と呼ぶ)などのメタクリル酸およびその誘導体、例えばシリカ(例えば二酸化ケイ素)などのケイ素酸化物および水酸化物、例えば二酸化アルミニウムなどのアルミニウム酸化物、ポリテトラフルオロエチレン、アクリルアミド、例えばポリスチレンなどのスチレンおよびそのポリマー、例えばチタニアなどのチタニウムアルコキシド、ならびにジビニルベンゼンから選択することができる。そのような出発材料は例えば、米国特許第5,452,123号に開示されている。ただし、より好ましくは、前駆体はシリカである。
【0014】
前駆体は界面活性剤と組み合わせる。界面活性剤の量は球の所望の粒径に応じて変化し得る。一般に、界面活性剤の量と球のサイズは反比例関係にある(すなわち、界面活性剤の量が少ないほど、生成される球状粒子のサイズが大きくなる)。好ましくは、界面活性剤の量は、組成物の重量の約0.01〜約10パーセントである。界面活性剤のHLBは約12を超える。好適な界面活性剤としては、イソプロパノールおよび水中のジ(1,3-ジメチルブチル)スルホコハク酸ナトリウムであるMA-80、ドデシル硫酸ナトリウム、ノノキシノール系、オクトキシノール系、および例えばCTFA国際化粧品成分辞典に見ることができる他の界面活性剤が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0015】
本発明で用いられる球は、直径約50〜約1500nmの平均粒径を有することができる。粒径の変動は、平均値の約5パーセント未満であることが好ましい。均一な粒径は、球間の反発力の均等化を促進し、したがって球の自己組織化プロセスを支援する。
【0016】
本発明では、シリカ球を用いることが特に好ましい。比較的小さいサイズのシリカ球が特に好ましい。平均粒径が約50〜約90ナノメートル、より好ましくは約60〜約80ナノメートルのシリカ球を用いると優れた結果が得られる。そのような球は市販されている。特に有用な製品は日本国大阪のC.C.I.C.により製造され、Fire Crystal 615の名称でRied International(ニューヨーク州ブレントウッド)から市販されている。この製品は、酸化シリコーン粒子約15〜17重量%を約80〜85%の水に加えた懸濁液であり、イオン交換樹脂は含まれているかまたは含まれていない。平均粒径は約60ナノメートル〜約80ナノメートルである。そのような粒子により、非常に魅力的な透明または半透明CCA懸濁液が得られる。
【0017】
粒子の「有効量」とは、顔料が存在しない状態で組成物を着色する粒子の量を意味する。使用される粒子の有効量は、本明細書では、システムの親水性相成分の全重量に対して表される。本発明の組成物中で使用される球状粒子の量は、親水性相の約0.5〜約20重量%、より好ましくは0.5〜約6%であることができる。しかし、これらの広い範囲内にある特定の範囲を用いて、特定の美的および/または視覚的効果を得ることができる。これらの範囲内にあるこれらの特定の範囲は、所望の特定用途に関して下記でより詳しく論じる。粒子は、水性、アルコール性または水性アルコール性であることができる親水性相、例えば水、一価もしくは多価アルコール、グリセリンまたはその組合せの中に懸濁される。典型的には、この親水性相は全体として、全システムの約20〜約95重量%、好ましくは約30〜約90%、より好ましくは約40〜約85%を構成する。
【0018】
B. 油相成分
本システムの独自の態様は、油相とCCAを含む親水性相との組合せの存在である。予想外にも、自己組織化格子の微妙なバランスを崩さずに、相当量の油をCCA含有相と組み合わせることが可能であることがわかった。油相は、1種または複数の任意の典型的に使用される化粧品的または薬学的に許容できる油、すなわち、本発明において、水に実質的に不溶性である任意の薬学的または化粧品的に許容できる材料として定義される油を含むことができる。局所用として有用な油の包括的リストは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際化粧品成分辞典およびハンドブック第9版に見ることができる。油は組成物中で異なる機能を果たすことができるため、具体的な選択はそれが意図する目的に依存する。油は揮発性でも非揮発性でも、両者の混合物であってもよい。好適な油としては、例えば、メチコーン、シクロメチコーン、(各種粘度の)ジメチコーンまたはフェニルトリメチコーンなどの環状および線状シリコーン油、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、イソパラフィン、スクアラン、鉱油、ポリイソブテンイソテトラコサンまたはイソエイコサンなどの炭化水素、ヤシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、杏仁油、大豆油などの植物油、ネオペンタン酸イソステアリル、オクタン酸セチル、リシノール酸セチル、パルミチン酸オクチル、リンゴ酸ジオクチル、ココ-ジカプリレート/カプレート、イソステアリン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチルなどのカルボン酸エステル、ラノリンおよびラノリン誘導体、獣脂、ミンク油またはコレステロールなどの動物油、ステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリルなどのグリセリルエステル、ならびにラベンダーまたはローズ油などの香料または精油が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0019】
本発明における「油」の意味には、ポリフッ化溶媒も含まれる。この種の有用な溶媒としては例えば、化粧品的または薬学的に許容できるヒドロフルオロエーテル(HFE、3Mから市販)、パーフルオロシクロアルカン(FLUTEC(商標)製品、F2 Chemicalから市販)、4-トリフルオロメチルパーフルオロモルホリンおよび4-ペンタフルオロエチルパーフルオロモルホリンなどのパーフルオロモルホリン、ならびにドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサンなどのパーフルオロアルカンが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0020】
システムは1種の油を含んでいてもよいが、典型的には2種以上の油の組合せを含む。使用できる油の絶対最小量は存在しないが、システムは通常、少なくとも約1重量%、好ましくは少なくとも約3%、より好ましくは少なくとも約5%の油を含む。過剰量の油はCCA網目構造を破壊するおそれがあるため、油の使用量は80重量%を超えないことが好ましい。下記でさらに詳細に説明するように、使用される油の量および選択は、最終製品の視覚的外観に影響を与え得る。本明細書では、「システム」という用語は、油相と親水性相の様々な異なる可能な物理的組合せを示す。ある実施形態では、また下記でさらに詳細に論じるように、油相と親水性相とを、エマルションと同程度に(システムはエマルションではなく、乳化剤の存在を必要としないが)、単一の相として目に見えるように物理的に組み合わせる。他の実施形態では、2つ以上の相が視覚的に分離しているが物理的に接触しており、皮膚に対する適用の直前に共に振とうされる。別の実施形態では、親水性相および油相は適用時まで物理的に分離しており、同時に分配する(dispensing)ことにより、あるいはこれらの相を同時またはほぼ同時に皮膚に適用することにより組み合わせる。
【0021】
C. 油相中の追加の成分
上記で簡単に論じたように、本発明のシステムは各種の視覚的効果を提供することができる。ある種の実施形態では、システムは単一の相のように見え、裸眼にて視認できる油相と親水性相の明らかな区分は存在しない。そのような外観が重要であるシステムの使用では、油相中にシリコーンエラストマーを約0.5%〜約5%含むことが、油相の親水性相への組み込みの安定性を維持する上で有益である。他の非イオン性増粘剤、例えば非イオン性セルロースまたは多糖を用いてもよい。好ましくは、増粘剤は油相に加える。
【0022】
本システムの大きな利点の1つは、これまで可能であったよりもさらに多くの種類の有効成分をCCAシステムに組み込むことを可能にするという点である。親水性相は、非イオン性の水溶性有効成分を最大約10%の量で受け入れることができる。親水性相に組み込むことができる有用な有効成分は、レスベラトロール(reseveratrol)、シラカバ、ツボクサ(centella asiatica)、トレハロース、スクロース、酵母エキス、特に白ワイン酵母エキスである。親水性相に含むのに特に好ましい有効成分は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる同時係属中の米国特許出願第10/427,568号に記載されているような生物変換材料または発酵材料である。
【0023】
油相の存在は、システムへの油溶性有効成分の添加も可能にする。得られる製品が1つの相の製品であれば、いかなる油溶性有効成分でも、最大約5%、好ましくは約1〜2%の量で油相に組み込むことができる。そのようなシステムにより送達されるべき有用な有効成分としては例えば、ビタミンEおよび油溶性植物エキスまたは誘導体、例えばカモミールエキス、杏仁油(apricot oil)、堅果油(nut oil)、ユーカリ、ローズマリー油、アルガン油(argan oil)、パッションフルーツ油などが挙げられる。提示された例は非包括的であり、所与のガイドラインの範囲内で、化粧品および医薬有効成分の両方を含む、局所送達用の任意の水溶性または油溶性有効成分を、特許請求の範囲であるシステムに用いることができることは、当業者であれば容易に認識されよう。同様に、皮膚軟化剤(emollient)などの他の化粧品添加剤も、添加剤がCCAの破壊を妨げるのに十分非イオン性であれば、組成物に組み込むことができる。
【0024】
CCAの特徴および本システムは、多くのこれまで認識されていなかった用途を提供する。製品中の球の濃度が製品全体の色に影響を与え、美的な視覚的効果を与え得ることは、これまで認識されてはいた。しかし、予想外にも、CCAが可視光の有効なフィルターを構成することがわかった。特に、白色光がCCA含有組成物を通過する際には、球の濃度に応じて、視認できる組成物の色とは異なる単一色の光(single color light)が透過する(shine through)ように、光が回折される。例えば、粒径が60〜80nmのシリカ粒子を約0.75重量%〜約2.6重量%含む水性組成物または含油組成物の水相は、桃色だが、橙色光しか透過させない製品を与える。水相中に球を約2.7%〜約3.9%含む同様の組成物は、緑色だが、赤色光しか透過させない製品を与える。球を約4〜約6%含む組成物は、青紫色だが、金色光しか透過させない製品を与える。すばらしい美的効果を除けば、これは、予想外ではあるが非常に実際的な用途を有する。すなわち、組成物を皮膚上の色補正剤(color correcctor)として用いて、使用者の皮膚上の望ましくない色の調節を可能にすることができる。例えば、明るい黄色(golden yellow color)の光を透過させる青色の製品は、より暗い黄ばんだ(sallow)オリーブ色の有効な補正剤である。赤色光を透過させる緑色の製品は、赤みを帯びた皮膚の非常に有効な補正剤を提供する。同様に、桃色の製品は、橙色光を透過させることにより、ほとんど自然ではない色を有する非常に明るく青白い皮膚に対するバランス補正(balancing correction)を提供する。この効果は、指示された量の球を用いた場合、含油システムだけでなく、CCA単独でも観察される。したがって、本発明のシステムは、見かけが自然で、従来のコンシーラーまたは色補正剤に存在し得る不透明性が存在しない、顔料を含まないコンシーラーまたはカラーバランス(color-balancing)製品として、指示された色において使用することができる。
【0025】
本発明のシステムは、毛穴抑制剤(pore minimizer)としても使用できる。上記のように、厳密に水性アルコール性であるCCA組成物をこれに使用することが知られている。しかし、本システムは公知の製品に比べて相当な改善がなされている。視覚的な毛穴抑制は、光を拡散するシリカ粒子により提供される。しかし、本システムは、油相が与えられているために、より滑らかな適用を可能にし、製品のざらざらする感じをより少なくする。
【0026】
CCAシステムは、香料送達の簡便かつ独自の手段を提供することもできる。油相とCCAを組み合わせる能力は、主として油をベースとする香料成分の添加を可能にする。また、好ましい実施形態における揮発性シリコーンおよびフルオロカーボンの存在は、これらの材料が蒸発した際、皮膚に対して清涼感、爽快感を与える。
【0027】
本発明のシステムは、有効成分の独自の送達システムとして使用できる可能性もある。現在、ナノサイズの送達システムの開発が趨勢である。ナノサイズ範囲の粒子は、大きい粒子に比べて組織に浸透できる可能性が高いものとして一般に認識されているため、活性物質または他の物質のより効率的に標的化した送達を実現することができる。本システムは、そのナノサイズ粒子により、そのような送達システムの基礎を与えることができる。活性物質は、粒子上もしくは粒子内、またはアレイにより与えられる網目構造内に組み込むことができる。球のサイズの均一性はまた、粒子の均一な分布に役立つので、標的組織内での有効成分の送達の有効性を高める。
【0028】
したがって、システムは、医薬および化粧品有効成分の両方を含む、皮膚に対する、および皮膚内部での生物活性物質の送達のより有効な手段を提供する。
【0029】
本発明のシステムは、多くの異なる形態および包装オプションで提供することができる。これまで示唆してきたように、親水性相と油相の視覚的区別がない、均一な外見を有する「単一相」組成物を調製することが可能である。この製品は通常、比較的低レベルの油相を用いて調製される。例えば、システムの全体で約20%未満が、組成物中の油および油溶性材料を含む油相を構成する。「単一相」製品は、典型的には少なくとも3種の油、ヒドロフルオロエーテルなどのポリフッ化溶媒、他の種類の油のいずれかより選択される第2の油、およびシクロメチコーンまたはイソドデカンを含む。シクロメチコーンまたはイソドデカンは、油相を共に保持し、油相と親水性相を共に保持する共可溶化剤として有効に働く。ポリフッ化油は通常、約0.5〜約10、好ましくは約1〜約5%、他の油は約0.5〜約10%、好ましくは約1〜約5%の量で存在し、共可溶化剤も約0.5〜10%、好ましくは約1〜5%の量で存在する。一般に、用いる油の粘度が高いほど、より多くの共可溶化剤を用いる必要がある。上記で記したように、この実施形態では、システムをさらに安定化させるために、シリコーンエラストマーを約0.5〜5%の量で含むことが好ましい。
【0030】
20%以上の油相が望ましい場合、共可溶化剤が存在していても、相は別々に分離する。そのため、代替形態として、システムは、多相製品、すなわち親水性相と油相とが視覚的に別個のように見える製品として提供される。多相システムについては、提供形態に変形も存在する。例えば、システムは2つの視覚的に異なる相を含むことがある。2相システム内では、共可溶化剤が存在しない状態で互いに可溶性である限り、任意の1種または複数の油を使用することができる。この実施形態に2つの変形を設けることができる。1つは、油相が親水性相の上部に現れる変形である。この場合、油相は低粘度(すなわち350cs未満)シリコーン、植物油、炭化水素および/またはエステルを含むことが好ましい。第2の変形は、油相が下部に現れる変形である。この場合、油相は、それらの中で容易に可溶化するシリコーンまたは炭化水素などの任意の油と組み合わせることができる、少なくとも1種のポリフッ化溶媒または高粘度(すなわち350cs以上)シリコーンを含む。そのような場合、油相は製品全体の最大80%を占めてもよいが、典型的には、油相は約40〜約60重量%を構成し、より典型的には各相がほぼ同等の割合で存在する。他の変形は、3つの視覚的に別個の相が存在する変形である。この実施形態では、3つの相は、互いに不溶性である、親水性相および2つの油相を含む。この構成は、約10〜約35%のポリフッ化溶媒およびそれに可溶性の油または高粘度シリコーンを含む1つの相、ポリフッ化溶媒またはシリコーンに不溶性の約10〜約60%の他の油を含む第2の油相、ならびに約10〜約70%の親水性相を調製することにより得られる。異なる視覚的効果もここで同様に得ることができる。ポリフッ化溶媒が1つの相である場合、これは下部に現れ、中央部には親水性相、上部には他の油が現れる。高粘度シリコーンを用いる場合、親水性相は下部に、シリコーン相は中央部に、他の油は上部にある。多相の実施形態ではいずれも、各相を単一の容器内に一緒に包装して物理的に接触させた後、使用直前に振とうすることができる。各相は静止時にはその元の位置に戻り、単一相の外見を有する組成物と同様に光をフィルタリングする。本発明により利用可能な組成および用途上の変形は、組成物中での油の使用に対する制限のために他のCCA組成物ではこれまで不可能であった、各種の異なる効果、例えば芳香化または保湿効果を与える。ただし、本システムでは、組成物中にかなり高い濃度の香料および/または油溶性有効成分もしくは皮膚軟化剤を含むことも可能である。
【0031】
別のオプションは、各相を別個の容器または分配器(dispenser)に入れて、それらを皮膚に対する適用の直前またはその時点まで物理的に分離しておくことである。このような分離は、単一容器内に仕切りを置くことで、またはそれぞれが各相のうち1つを含む2つの別個の容器を与えることで実現することができる。この場合、システムは、各相を皮膚に対して、仕切られた各チャンバーから同時に分配するか、あるいは別個の容器から同時またはほぼ同時に分配し、皮膚の上で各相を混合するポンプを使用する。この構成は、システム内で高レベルの油が望ましい場合、あるいは、油相が、CCA構造を破壊する可能性がある界面活性剤または乳化剤を含むエマルション、例えばナノエマルションの一部である場合に最も有用である。
【0032】
商業用途でのCCAの使用における厄介な問題は、CCAが、それらが調製される媒体中の不純物に影響を受けやすいことである。CCAの安定化には、イオン不純物が低レベルであるためにイオン強度が低い、高純度の媒体が必要である。イオン強度が高すぎると、凝集が起こることがあり、色が消散する。好ましくは、媒体は、媒体のイオン純度がCCAの形成に十分な、約2.5μΩ-1以下という電気伝導度の読みを有する。より好ましくは、媒体は非イオン性である。実際には、包装された商品を、長期保存用にそこまで純粋に保つことは難しいように思われる。したがって、非イオン性環境の維持が不確実な場合は、本発明のCCAシステムを含むパッケージに備え付けのイオン交換樹脂を供給して媒体からイオンを取り除き、CCAの安定性を維持することが好ましい。
【0033】
使用されるイオン交換樹脂は、全種類のイオンを媒体から除去できるように、カチオンとアニオンの両方の交換能力を有する混合樹脂であるべきである。好ましくは、樹脂は、化学量論比が1:1、すなわちアニオン平衡容量1当量に対してカチオン平衡容量1当量である。このような樹脂は、例えば三菱化学からDiaion(登録商標)SMNUPとして、またはBio-RadからAG 501-X8およびBio-Rex MSZ 501(D)として商業的に容易に入手可能である。樹脂は、有効であるためには流体媒体と実質的に接触していなければならない。樹脂は製品に直接含めることができるが、美的にはこれはあまり望ましくない。したがって、製品の最も魅力的な外観を保持するには、樹脂が製品とは別個ではあるが製品と接触していることが好ましい。したがって、パッケージのスクリーンされた領域(screened region)、または多孔質の領域が樹脂を含むことによって、流体が樹脂に接近することを可能にしながら、樹脂粒子が製品中に入り込むのを防ぐことができる。代替の接触形態は、樹脂用の別個の多孔質のバッグまたは同様の封入容器(enclosure)を含めることにより提供することができ、その封入容器は、水性環境内で樹脂を含むのに十分な強度を有するが、封入された樹脂にCCA流体を連続的に接触させる上で十分に「開口している」。典型的には、樹脂は少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約3〜4%の量で用いられるが、それより多い量を用いてもよい。
【0034】
本発明を以下の非制限的な例によりさらに説明する。
【実施例1】
【0035】
本実施例は、異なる色の本発明の組成物を説明する。
【表1】

【0036】
組成物の調製の一般的な手順は以下の通りである。
【0037】
1. 主ケトルに、水相成分と4重量%のイオン交換樹脂の組合せを加える。
【0038】
2. 混合を緩やかに攪拌しながら開始し、混合物を40℃に加熱する。
【0039】
3. この温度で90分間混合後、混合物を室温まで冷却する。室温に達したら混合を停止する。
【0040】
4. サンプルを採取して、結晶液網目構造の形成を確認する。
【0041】
5. 第2のケトルに、油相成分を緩やかに攪拌しながら混合する。
【0042】
6. 主ケトル中で結晶液の形成を確認した時点で、油相混合物を加える。
【0043】
7. 油相の添加が完了した時点で、さらに3%のイオン交換樹脂を加えることができる。混合は、イオン交換樹脂を懸濁させておくのに十分な速度でゆっくり行い、2時間継続する。
【0044】
8. 組合せの外観が均一になった時点で混合を停止する。
【0045】
9. 結晶液の形成を再度確認する。
【0046】
10. 配合物中に存在するイオン交換樹脂をすべて除去し、配合物を選択されたパッケージに充填する。
【実施例2】
【0047】
本実施例は、皮膚の色補正における本発明の組成物の使用を説明する。
【0048】
31名のパネリストの群を選択し、パネリストをその皮膚の色調に応じて複数の群に分けた。暗色またはオリーブ色の顔色の群12名、赤みがかった顔色の群10名、明色の顔色の群9名。試験日には、パネリストは顔に何の製品も付けていないと報告するよう指示された。各群は、その皮膚の種類に相応しい色補正剤で処理された。暗色またはオリーブ色の顔色の群には金色の補正剤が与えられ、赤みがかった顔色の群には赤色の補正剤が与えられ、明色の顔色の群には橙色の補正剤が与えられた。製品を、ミストポンプから2つのスプレーを顔の各側に噴霧することで適用した後、パネリストは皮膚にミストを軽く混ぜ合わせた。評価は、処理前(ベースライン)および製品の適用直後に行った。皮膚の色調への製品適用の影響を評価し、クローズアップ写真で記録した。顔の右側と左側の写真をNikon M3デジタルカメラで撮影した。パネリストの頭をヘッドレストに置いて位置決めの再現可能性を保証する。カメラはパネリストから2フィート離れた位置に絞り値(Fストップ)32にして置く。写真は研究者が評価する。
【0049】
評価結果は、金色の補正剤が、製品の適用後に、処理された皮膚を著しく明るく、よりぼんやりした色/灰色が少なく見えるようにすることで、暗色またはオリーブ色の皮膚の外観を改善したことを示している。同様に、橙色の補正剤を明色の皮膚に使用することで、処理された皮膚が適用後により明るく見えるようになった。最後に、赤色の補正剤は、処理されたパネリストの赤みの量を目に見えて減らし、その皮膚を明るくした。しかし、あるパネリストでは、破れた毛細管の外観が補正剤により強調された。
【0050】
上記の試験で用いた色補正剤の組成は以下の通りである(量はすべて重量パーセント)。
【表2】

【0051】
含油配合物を用いて上記で行った試験と同様の試験を、異なる色の水相のみを用いて行い、各補正剤をより少ない数のパネリストに対して試験して、パネリストの個々のタイプの皮膚の色調に対してどの色補正剤が最良に働くかを決定した。皮膚が暗色である異なる年齢群の2名のパネリストについて、金色の色補正剤が最も有益な効果をもたらし、赤色の補正剤が一定の利益をもたらしたが、橙色の補正剤では皮膚が橙色になり過ぎたことが観察された。皮膚が赤みがかった異なる年齢群の2名のパネリストについては、赤色の補正剤が最良の結果をもたらし、橙色の補正剤による利益はそれより小さく、金色の補正剤では赤色が強くなり過ぎた。最後のパネリストである、皮膚が明色の若い女性では、橙色の補正剤が最良の結果をもたらし、金色の補正剤はそれより利益が少なく、赤色の補正剤では望ましくない赤色という結果になった。
【実施例3】
【0052】
本発明の各種の多相配合物を以下に示す。
【0053】
A. 2層、油が上部
材料 重量パーセント
シクロメチコーン 19.75
ブルガリアローズ油 0.25
二酸化シリコーン 2.40
精製水 77.60
B. 2層、油が下部
メチルパーフルオロブチルエーテル 10.00
シクロメチコーン 10.00
二酸化シリコーン 2.40
精製水 77.60
C. 3層、結晶液が下部
杏仁油 20.00
ジメチコーン、350cs 30.00
二酸化シリコーン 1.50
精製水 48.50
D. 3層、結晶液が中央部
パーフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン 35.00
イソドデカン 35.00
二酸化シリコーン 0.90
精製水 29.10
E. 3層、結晶液が中央部
ホホバ油 35.00
メチルパーフルオロブチルエーテル 35.00
二酸化シリコーン 0.90
精製水 29.10
【実施例4】
【0054】
本実施例では、本発明の組成物を用いた有効成分の送達の向上を説明する。
【0055】
実験計画/臨床試験手順
いかなる皮膚科学的障害もなく、その前腕にいかなる印、かすり傷または挫傷もない10名の被験者をこの試験に適格とする。被験者は試験のために、報告前にはいかなる製品も使用しないよう指示を受けた。被験者は試験のために、報告の1〜2時間前に腕を洗浄するよう指示を受ける。被験者は試験センターに5時間滞在する。
【0056】
一方の前腕を本発明の組成物約2mg/cm2で処理し、他方の腕を通常のエマルション組成物で処理する。いずれもビタミンEを含む。20枚連続テープストリッピングを、以下に記載の条件で、製品による処理直後および4時間後に各腕から回収する。
【0057】
テープストリッピングによる皮膚透過のサンプル回収
スコッチテープストリッピングは、剥離されるべき部位の上にテンプレートを置き、各テープを輪郭を描かれたテンプレート部位内の皮膚に押し当てることで回収する。
【0058】
テープは下方に優しく引っ張って取り除く。この手順を各サンプル回収間隔ごとに20回繰り返す。新しい隣接部位を各サンプル回収間隔ごとに剥離する。ストリッピングを10枚ごとにプールし、被験者の名前および時点に従ってラベル付けする。回収時に、サンプルを溶媒2ミリリットル中に入れ、ビタミンEの角質層への分配を分析する。
【0059】
分析手順
酢酸ビタミンEを、メタノール2ミリリットルを用いてテープストリッピングから抽出する。サンプルは純粋な状態にしておく。酢酸ビタミンEは、酢酸ビタミンEのために特別に設定したHPLCシステムを用いて定量する。この方法により、酢酸ビタミンEと、媒体成分などのサンプル賦形剤、スコッチテープおよび典型的な生物成分との間に干渉は存在しないことが決定される。
【0060】
結果
データは、本発明の組成物から、大部分の酢酸ビタミンE(55%)が層1〜10中で回収され、少量(8%)が層11〜20で回収されたことを示している。従来のエマルションからは、層1〜10および層11〜20の各セット中で酢酸ビタミンEがわずか10%しか回収されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性相中の有効量のコロイド結晶アレイ、および少なくとも1つの含油相を含む、皮膚に適用するための局所用システム。
【請求項2】
前記アレイがシリカ粒子から構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記油相が少なくとも1種のシリコン油を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記油相がポリフッ化可溶化剤をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記親水性相および前記油相が分配パッケージの単一チャンバー内で共存している、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記親水性相と前記油相とが視覚的に単一の相のように見える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記親水性相と前記油相とが物理的に接触しており、視覚的に互いに別個のもののように見える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記親水性相と油相とが単一の分配パッケージの別個のチャンバーに含まれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記親水性相と前記油相とが別個の分配パッケージに含まれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
親水性相中のシリカ粒子を含む有効量のコロイド結晶アレイ、および少なくとも1つの含油相を含む、皮膚に適用するための局所用システム。
【請求項11】
前記シリカ粒子の平均粒径が約50〜約90ナノメートルである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記シリカ粒子の平均粒径が約60〜約80ナノメートルである、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記粒子が前記親水性相中に、前記親水性相の約0.5〜約20重量%の量で存在する、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
全システムの少なくとも5重量%の油相を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1種のシリコーン油を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
ポリフッ化可溶化剤を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
親水性相中の平均粒径が約60〜約80ナノメートルであるシリカ粒子を含む有効量のコロイド結晶アレイ、および少なくとも1つのシリコーン油含有相を含む、皮膚に適用するための局所用システム。
【請求項18】
前記油相が、パーフルオロシクロアルカン、ヒドロフルオロエーテル、パーフルオロモルホリンおよびパーフルオロアルカンからなる群から選択されるポリフッ化可溶化剤を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1種のスキンケア有効成分をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
香料をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
皮膚色調の色の外観を修正することが必要な個人においてその皮膚色調の色の外観を修正する方法であって、単一色の光を透過させるために白色光をフィルタリングすることが可能なコロイド結晶アレイを含む組成物を、前記個人の皮膚に適用するステップを含み、前記透過する光が金色光、赤色光または橙色光である方法。
【請求項22】
前記赤色光が、水相中に平均粒径が約60〜約80ナノメートルであるシリカ粒子を約2.7重量%〜約3.9重量%含む組成物により得られる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記橙色光が、水相中に平均粒径が約60〜約80ナノメートルであるシリカ粒子を約0.75%〜約0.6%含む組成物により得られる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記金色光が、水相中に平均粒径が約60〜約80ナノメートルであるシリカ粒子を約4%〜約6%含む組成物により得られる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
皮膚にスキンケア有効成分を送達する方法であって、前記有効成分が組み込まれている請求項1に記載のシステムを前記皮膚に適用するステップを含む方法。
【請求項26】
有効成分が前記親水性相に組み込まれている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
有効成分が前記含油相に組み込まれている、請求項25に記載の方法。

【公表番号】特表2007−503395(P2007−503395A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524084(P2006−524084)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027160
【国際公開番号】WO2005/018566
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】