説明

コロナ帯電器および画像形成装置

【課題】放電により発生する放電生成物量を削減することにより、環境および被帯電体の汚染を抑制することができるコロナ帯電器の提供。
【解決手段】コロナ放電電極と帯電グリッド(制御電極)とを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面にゼオライトと導電剤(例:活性炭、酸化錫、アンチモン酸亜鉛等)とポリアミド樹脂を配合してなる組成物を用いて形成された層を有することを特徴とするコロナ帯電器。ポリアミド樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂(例:変性ポリアミド樹脂、共重合ポリアミド樹脂、両者を組み合わせた共重合−変性ポリアミド樹脂)を用いることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコロナ帯電器に係わり、特に負コロナを発生するコロナ帯電器およびそれを搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子写真装置は、一様に帯電された感光体上に画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像の形成された感光体に現像部によりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像する。画像形成装置はこの感光体上のトナー画像を転写部で転写紙(記録紙、或いは中間転写体)に転写した後、定着部で転写紙上に転写したトナーを加熱・加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニング部でクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により回収する。以上のような画像形成プロセスが取られる。
ここで被帯電体である感光体を帯電する手段としてコロナ帯電器が用いられる。
【0003】
コロナ放電は、不均一な電界中で行われる局所的な空気の絶縁破壊によって生じる持続的な放電である。一般には、微小径のワイヤをアルミなどのシールドケース中に張り、そのシールドケースの一部を削除したような構造をしている。その削除された領域からコロナイオンが放出される構成となっている。コロナワイヤに印加する電圧を増加していくと、ワイヤの周囲に局所的な強い電場が形成され、部分的な空気の絶縁破壊が起こり、放電が持続する。これがコロナ放電である。
【0004】
コロナ放電の放電形態は、印加電圧の極性により大きく左右される。正コロナ放電の場合は、コロナワイヤ面に均一な放電が形成される。負コロナ放電の場合は、ストリーマ放電が点在する形の放電形態となる。正コロナ放電は帯電の均一性がかなり良いが、負コロナでは放電ムラが発生するため、正コロナより劣る。また、放電による発生するオゾンの量は負コロナのほうが正コロナよりも一桁程度多く、環境に対する負荷も大きい。
【0005】
<コロナ帯電器とその特徴>
(1)コロトロン型コロナ帯電器
コロトロン型コロナ帯電器とそれを用いた帯電法の構成を図1(a)に示す。コロトロン型コロナ帯電器は直径50〜100umのタングステンワイヤを1cm程度離して金属でシールドした構成である。開口面を被帯電体に対向して配置した状態で、コロナワイヤに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを被帯電体表面に移動させて帯電する。図2(a)に示すようにコロトロン型コロナ帯電器は一定量の電荷発生を行うので、被帯電体表面を均一に一定電位に帯電することは必ずしも得意ではない。一定電荷を記録紙に与えることを目的とする転写用の帯電器としては特に有効である。
【0006】
(2)スコロトロン型コロナ帯電器
スコロトロン型コロナ帯電器は、被帯電体表面の帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図1(b)に示すようにコロトロンの開口面に数本のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極として配置した構成である。このスコロトロン型帯電器の開口面を被帯電体に対向させ、グリッド電極にバイアス電圧を印加する。
スコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を図2(b)に示す。スコロトロン型コロナ帯電器の特徴は帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和することである。この飽和値はグリッド印加電圧により制御できる。スコロトロン型コロナ帯電器は、コロトロン型に比べて構造が複雑で帯電効率も劣るが、帯電電位の均一性に優れ、広く使用される。電子写真方式の画像形成装置におけるグリッド電極は帯電グリッドと呼ばれる。
【0007】
コロナ帯電器で発生する窒素酸化物による被帯電体表面の変質に対して、様々な検討がされてきた。
特許文献1ではコロナ帯電器のSUS材質の帯電グリッドにグラファイト粒子、ニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子と有機樹脂バインダを含有する導電性塗料を塗布したもので構成され、制御電極の放電生成物による腐食を抑止し、生成された放電生成物を導電性皮膜が吸収することで被帯電体の汚染を抑制している。皮膜中の微粒子が放電生成物を吸収する作用を利用しているが、吸収可能な量は粒子の吸着サイトの数で決まってしまうため、経時での使用においては吸着サイトが埋もれるのが早く、効果が薄れてしまうことが予想される。
【0008】
本発明では放電生成物の削減に主にゼオライトを用いているが、同様な例としては特許文献2ではコロナ帯電器に開口部を設け、そこに設置した微細に区画された連通開口にオゾン吸着粒子層を形成することによりオゾンの拡散を抑制している。オゾン吸着粒子にはゼオライトおよび活性炭が用いられている。この発明によるとオゾンの拡散を抑制は可能であるが、被帯電体側に拡散するオゾンによる被帯電体汚染は抑制できないため、画像に影響する課題は効果が期待できない。
【0009】
また、特許文献3では被帯電体表面に付着した放電生成物を吸着する生成物除去手段に加え、被帯電体表面に放電生成物を付着させ難くする生成物付着防止手段と、被帯電体表面に付着した放電生成物が低抵抗化するのを防止する低抵抗化防止手段と、被帯電体表面近傍での放電生成物の発生量を少なくする生成物発生防止手段のうちの少なくとも1つを設けた構成となっており、ゼオライト等の吸着剤を被帯電体とコロナ帯電器の間に配置させる例もあるが、もう1つ別の放電生成物吸着手段を被帯電体に接触させることが必須となっており、複数の部材が必要となる。また、吸着剤を被帯電体とコロナ帯電器との間に配置させると被帯電体の帯電が不安定となることが予想される。
【0010】
また、特許文献4では帯電部、転写部等のチャージャ付近で発生する放電生成物であるオゾン及びNOXの濃度低下を効率よく行える画像形成装置を提供するため、放電ワイヤに対向する面上に放電生成物を分解するための光触媒物質(酸化チタン等の半導体)を有することで、帯電部等の放電個所付近で発生する放電生成物であるオゾンやNOXを効率よく分解し、その濃度を低下させることを可能にしているが、長期に渡る使用において、放電生成物の分解能力が不十分であることが予想される。
【0011】
また、特許文献5では、高湿環境下でも解像度の低下、画像流れ、不均一な画像などの画像品質の低下を防ぎ、感光体の耐久性を高め、さらに、オゾンや窒素酸化物の発生を防止するため、触媒作用を有しかつ導電性を有する材料として、活性炭素繊維を主体として構成される帯電部材を用いることが提案されているが、長期に渡る使用において、活性炭素繊維の放電生成物の吸着能力が低下することや帯電グリッドに塗膜を形成した際に接着性が低下することが予想される。
【0012】
また、特許文献6では、帯電装置が感光体の下側に位置し、背面部に吸着、触媒作用を有する部材を付設したコロナ放電方式の帯電装置を有する画像形成装置が提案されているが、感光体の下側に配置された帯電装置内部に付着したコロナ生成物は上方、即ち感光体側にも拡散されることから、効果は不十分であることが予想される。
【0013】
【特許文献1】特開2005−227470号公報
【特許文献2】実開昭62−089660号公報
【特許文献3】特開2003−43894号公報
【特許文献4】特開2001−075338号公報
【特許文献5】特開2002−278223号公報
【特許文献6】特開2003−091143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は以上の事情に鑑み、放電により発生する放電生成物量を削減することにより、環境および被帯電体の汚染を抑制することができるコロナ帯電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、コロナ帯電器から発生する放電生成物を減少させることで、大気汚染を防ぐとともに電子写真方式の電子写真装置に用いた際には感光体の変質を防ぎ、帯電器直下濃度ムラや像流れの発生の抑制が可能となり、電子写真装置の信頼性が飛躍的に向上することを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は以下に記載するとおりのコロナ帯電器および画像形成装置である。
【0016】
(1)コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面に少なくともゼオライトと導電剤とポリアミド樹脂とを配合してなる組成物を用いて形成された層を有することを特徴とするコロナ帯電器。
(2)前記ポリアミド樹脂が、アルコール可溶性共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする(1)記載のコロナ帯電器。
(3)コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面に少なくともゼオライトと導電剤とアルコール可溶性変性ポリアミド樹脂、及び酸触媒を配合してなる組成物を用いて形成された層を有することを特徴とするコロナ帯電器。
(4)前記樹脂の含有比率が、塗膜組成物の合計100重量部に対して、10〜60重量部であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のコロナ帯電器。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のコロナ帯電器と、電子写真感光体と、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、クリーニング手段の少なくとも何れか1つ以上とを組み合わせて造られ、画像形成装置本体に脱着可能に設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載のコロナ帯電器を用いることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0017】
被帯電体の表面電位の制御が容易な帯電グリッドを有するスコロトロン型の放電型コロナ帯電器において、帯電グリッドが表面に少なくともゼオライトと導電剤とポリアミド樹脂を配合した組成物を用いて形成された層を有することで、コロナ帯電器から発生する放電生成物量を削減し、感光体等の被帯電体の変質を抑制することで安定した画像を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図3は電子写真装置の構成例を示す模式図である。帯電装置101により像担持体100に(±)600〜1400Vが帯電される。電荷の付与(荷電)が行われた後、画像露光系102により潜像形成が行われる。アナログ複写機の場合、露光ランプで照射された原稿像がミラーにより逆像の形で感光体に可視光投影され結像されるが、デジタル複写機の場合にはCCD(電荷結合素子)で読み取られた原稿像は波長400〜780nmのLDやLEDのデジタル信号に変換されて、感光体上に結像される。従って、アナログとデジタルの波長域は異なる。結像によって感光層では電荷分離が行われ、感光体に潜像形成が行われる。
【0019】
原稿に応じた潜像形成が行われた像担持体100は、現像装置103で現像剤により現像が行われ、原稿像は顕像化(トナー像)される。次に、感光体上のトナー像は転写装置104に電圧を印加することによりコピー用紙109に転写される。転写で印加する電圧は感光体に流れる電流が一定となるよう定電流制御となっている。一方、像担持体100は転写後、クリーニング装置105(クリーニングブラシ106及び弾性ゴムクリーニングブレード107で構成)でトナー像が清掃され清浄化される。クリーニング後の感光体にはトナー像を形成されたあとの潜像(原稿像)が多少なりとも保持されているため、消去し均一化するために除電装置(一般に赤色光が使用される)108で除電され、次の潜像形成の準備を終え一連の複写プロセスが終了する。
【0020】
上記、画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、像担持体を内蔵し、他に帯電装置、現像装置、転写手段、クリーニング手段、除電手段の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
【0021】
[放電生成物が引き起こす課題]
<環境への影響>
負のコロナ放電を行うコロナ帯電器を用いた場合、放電により空気中の物質が反応し放電生成物と呼ばれる物質が生成されることが知られている。その中には酸素が酸化されたオゾン(O)や、オゾンによって窒素が酸化された一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO)等の窒素酸化物(NOx)が含まれている。オゾンは0.1ppm程度で臭気を感じ、呼吸器系に悪影響を与える物質である。窒素酸化物はその中でも二酸化窒素(NO)が人の呼吸器に悪影響を与えるため、環境基準で一時間値の一日平均値が0.04〜0.06ppm以下と定められているのに加え、窒素酸化物は紫外線による光化学反応で光化学オキシダント(O)という物質に変化し、この物質も0.06ppm以下と環境基準が定められている。放電によるそれぞれの発生量はオゾンが数10ppm、窒素酸化物が数ppmであり、現状コピー機においては活性炭等のフィルターを用いて機外への排出量を削減している。
【0022】
<印刷品質に関わる影響>
(雨だれ状ムラ)
コロナ放電を行うスコロトロン帯電器を用いた画像形成装置では、出力画像に図4に示すような雨だれ状のムラが発生することがある。これは帯電器による感光体の帯電において、小さな範囲で帯電量に大きなムラが存在することによるものである。このムラが生じるのは例えば帯電ワイヤに付着したトナーやその添加剤であるシリカや放電生成物の局部的な付着による放電不良や、帯電グリッドに同様の電気抵抗の高い物質が付着し、放電され発生した電荷がグリッドを流れず感光体への移動量が増加した、または静電容量が高くなった帯電グリッド自体が帯電し、帯電グリッドに印加した電圧以上に感光体表面電位が局所的に上がってしまうことが考えられる。
【0023】
(コロナ帯電器直下濃度ムラ)
コロナ帯電器から発生する放電生成物により起こる課題としてはまず長時間放電後の放置によるコロナ帯電器直下濃度ムラがある。これは作像動作中の放電時に発生し、コロナ帯電器の内壁に付着した放電生成物が、装置が停止している間に徐々に被帯電体を汚染し、コロナ帯電器直下部とそれ以外の部分での表面電位に差が生じ、結果として画像濃度ムラが発生するという課題である。この課題は20%RH程度の低湿環境下でより顕著に発生し、常温常湿環境下に置かれることで次第に回復する。被帯電体表面が放電生成物と可逆的に反応し、静電容量が増大または抵抗が低下しているために電位差が生じることが確認されている。いずれの感光体においても発生が確認されているが、特に保護層として表面に架橋性の硬化膜を設けた感光体での発生が顕著である。
図5(a)はコロナ帯電器直下濃度ムラが生じた場合の画像の様子を示す図であり、図5(b)は該画像に対応する感光体表面電位を示す図である。
【0024】
(画像流れ[画像ボケ])
複写機などの電子写真法を使用した画像形成装置では、放電を伴う帯電方式を使用している限り大なり小なり画像流れ(又は像流れ、画像ボケなど)による解像度低下が生じる。
画像流れは紙粉付着や使用環境にも依存するが、主たる要因は放電生成物であり、画像流れから解放されるためにはオゾン、NOx等を排出しない帯電方法の発明(注入帯電法でも画像流れ有り)を行わない限り現在では不可能に近い。前記要因で起こる画像流れは原因物質を必要最小限に研磨したり、研磨できない場合には加熱することによって改善する事が出来るが、感光体の寿命の低下、電力やスペース、制御手段などが課題となる。被帯電体表面を積極的に削ることで画像ボケの発生を抑制されることから、像流れの抑制には表面に付着した放電生成物を除去する必要があるが、近年開発が進められている高耐久被帯電体では磨耗量が少ないため、原因物質の除去が困難である。
画像流れを改善するためには状況に応じた手を打つ必要が有るが、それには画像流れの状況を把握して、適切な手段を行う事によって解決を図る事が重要である。
【0025】
放電生成物は最初点状(しみ状)に付着し、次第に全面に拡張してゆく。付着しても初期には画像流れは起こらないが、除去されないと次第に付着面積が広がり、感光体表面には吸湿性の低抵抗層が形成される。画像流れ(又は画像ボケ)現象は画像形成中の電荷が感光体表面もしくはその近傍で拡散して正常な静電潜像が形成されず、エッジが不鮮明でぼやけた画像になる現象である。すなわち、静電潜像が形成される際に、感光体表層又は層中に低抵抗層が有るとその領域で電荷の歪みが生じ、静電潜像が乱される事によって起こる現象である。図6に画像流れ現象を説明する模式図を示す。
【0026】
感光体表層にマイナス帯電後、画像露光を行うと電荷発生層中で正孔−電子対が形成され、電子(−)は導電性支持体側へ、正孔(+)は表層のマイナス電荷に向かって移動するが、移動の途中で低抵抗層が有ると正孔は表面層まで直進せず横方向にリークするか、表層が低抵抗化している場合には自由表面上で横方向へ移動する。したがって、電荷の拡散、散逸が起こり正常な静電潜像が形成され難くなる。抵抗値の変化が少ないほど電荷の移動が抑えられる為、解像度低下は小さい。抵抗値の変化が大きく、体積抵抗率が1012Ω・cm以下になると解像度が崩れ明らかな画像流れとなり、最終的には全く画像を消失する。この時電位的には矩形波の電位パターンとならず、なまった電位パターンとなり、帯電々位の低下、画像部電位の上昇が起こり、コントラスト電位の低い電位パターンを示す。これらの現象は時間経過と共に悪くなり、また湿度の上昇と共に悪化傾向にある。
すなわち、高解像度画像を形成するためには、少なくとも感光体の体積抵抗率は1013(Ω・cm)オーダー以上、表面抵抗率は1015(Ω・cm)オーダー以上であることが必要である。
【0027】
(コロナ帯電器直下の課題)
機外に排出する放電生成物を削減するには排出までの経路にフィルター等に担持させた形態で効果を発揮するが、放電生成物により最も汚染されるのはコロナ帯電器直下にある被帯電体であり、コロナ帯電器と被帯電体間は安定した帯電が行われるために1〜2mm程度の一定間隔を設けて固定されていることが多い。そのため放電生成物による被帯電体の汚染を抑制するためには放電後コロナ帯電器と被帯電体間に遮蔽物を入れる、またはコロナ帯電器および被帯電体を移動させるといった複雑な機構が必要である。本発明ではゼオライトを帯電グリッドに保持することで上記機構の必要無しに被帯電体汚染の抑制を目的としている。
【0028】
(ゼオライトを帯電グリッドに保持する際の課題)
前述のように、コロナ帯電器はコロナ放電以外に、放電生成物を発生し、そのうちOやNOx等の反応性ガスは、経時での使用において、樹脂材料の劣化を進行させる。それにより、帯電グリッド上のゼオライトの剥離が発生し、放電生成物の除去ができなくなる問題を有していた。
【0029】
[感光体の構成]
次に、電子写真感光体の部分について図面に基づいて説明する。
図7は、本発明に用いる電子写真感光体を表わす断面図である。図7(a)は、導電性支持体(31)上に、中間層(33)、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(37)が積層された積層構造の感光体であり、図7(b)は、さらに電荷輸送層上に保護層(39)が積層された感光体である。
【0030】
<導電性支持体について>
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭58−86547号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体(31)として用いることができる。
【0031】
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0032】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0033】
<中間層について>
導電性支持体(31)上から感光層への電荷注入の防止や、干渉縞防止の目的のために設けることができる中間層(33)の構成は、結着樹脂や結着樹脂中に粒子を分散したものが用いられ、結着樹脂としてはポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン、アルキッド−メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などを利用することができる。中間層に分散させる粒子としては酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、シリカ及びそれらの表面処理品が用いられ、酸化チタンが分散性、電気的特性においてより好ましく、ルチル型とアナターゼ型いずれのものも用いることが可能である。
中間層を形成するには、例えば上述の結着樹脂を有機溶剤中に溶解し、その溶液中に上述の粒子をボールミル、サンドミル等の手段で分散し、支持体上に塗布、乾燥すれば良い。中間層の厚みは10μm以下、好ましくは0.1〜6μmである。
【0034】
<感光層について>
(電荷発生層)
電荷発生層(35)は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0035】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0036】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0037】
電荷発生層(35)に必要に応じて用いられるバインダ樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダ樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダ樹脂として上述のバインダ樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
【0038】
また、電荷発生層(35)には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。電荷発生層(35)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0039】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0040】
電荷発生層(35)を形成する方法には、真空薄膜作製法や溶液分散系からのキャスティング法等が挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0041】
(電荷輸送層)
電荷輸送層(37)は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層(35)上に塗布、乾燥することにより形成させる。 電荷輸送物質としては、前記電荷発生層(35)で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0042】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層(37)の形成には電荷発生層(35)と同様な塗工法が可能である。
【0043】
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
【0044】
(保護層)
電荷輸送層上に保護層(39)を設けることで耐磨耗性や傷に対する耐久性を向上させることができる。保護層は導電性微粒子を分散させたものや、フッ素含有樹脂、アクリル樹脂等の潤滑性微粒子を分散させたものや、機械的強度に優れた架橋膜によるものがある。この樹脂の例としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、硬化性アクリル樹脂、シロキサン系樹脂等が好ましい。更に保護層にはその電気特性を向上させるために、電荷輸送材料を含有させることが好ましい。尚、電荷輸送材料としては、例えば上記電荷輸送層の構成材料として挙げられたものを使用できる。
【0045】
[コロナ帯電器の帯電グリッド]
<帯電グリッド基材>
コロナ帯電器の制御電極である帯電グリッドの基材としては従来使用されているものを用いることができる。帯電グリッドの材質としては、電極として機能するため導電体である金属が用いられる。電極としての機能としては金属であるアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属のほとんどが使用できるが、帯電器はコロナ放電により発生するオゾンやNOx等に曝露されるため、耐蝕性の高い金属が好ましく、クロムやニッケルを含んだステンレス等が用いられている。形状としてはコロナ放電で発生した電荷を感光体上へ移動させ、かつ制御電極としての機能を有する必要性から金属薄板にパンチング、エッチング等により開口部を設けたもの、または金属ワイヤを並べたものが通常用いられる。
今回用いた制御電極用の基材としては、厚さ0.1mm、長さ285mm、幅40mmのSUS304製板を用い、開口部長さ250mm、幅36mm部分に0.1mmの格子を45度の角度で0.5mm間隔で配したものを用いた。
実施例で用いた帯電グリッドの外観形状を図8に示す。
【0046】
<帯電グリッド塗工膜について>
(ゼオライト)
本発明では放電生成物除去にゼオライトを利用している。ゼオライトは水晶のような結晶で、主にアルミニウムとケイ素から構成されている。結晶は非常に小さく、目視では形や大きさを見ることはできない。拡大して見ると、細孔と呼ばれる孔が多く存在することが確認できる。この独自の構造を持つゼオライトは、今まで自然界に40種類以上発見されている。
吸着・分解機能に代表されるゼオライトの特徴をさらに活かすため、工業的に作られたものを合成ゼオライトと呼ぶ。合成ゼオライトは、能力が高く天然ゼオライトにはない種類のものが多数存在するが、コストが高いことが欠点である。
第3のゼオライトとして登場したのが人工ゼオライトである。石炭灰などの廃棄物と考えられていた物質を処理することで、地球と人類に有益なゼオライトに変える。しかも低コストであるため、現在、大きな注目を集めている材料である。
【0047】
・吸着機能
ゼオライトは様々なものを吸着する働きがあり、そのメカニズムは脱臭剤や乾燥剤と類似している。この機能を活かすことで、有害物質の吸着や悪臭の除去が可能である。
・陽イオン交換機能
ゼオライトは天然ゼオライトの約2〜3倍という高い陽イオン交換機能を持っており、この機能を活かすことで、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能である。
・触媒機能
ゼオライトには触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物(NOx)の分解等が研究されている。
【0048】
本発明に用いられるゼオライトの種類は問わないが、ゼオライトは結晶形と陽イオンの種類により細孔の大きさが変化するため吸着できる分子が異なる。そのため目的物質により結晶形と陽イオン種を選択すると効果的な除去が可能である。結晶形にはA型・X型・Y型・L型・モルデナイト型・フェリエライト型・ZSM−5型・ベータ型などがあり、陽イオン種にはカリウム・ナトリウム・カルシウム・アンモニウム・水素などがある。また、ゼオライトを構成するアルミニウムとケイ素の比率により吸着能や触媒能は変化し、最適な比率とすることで目的物質の除去が効率的に行うことができる。
【0049】
(バインダ樹脂)
本発明のコロナ帯電器においては、帯電グリッドの表面に少なくともゼオライトと導電剤とポリアミド樹脂を配合した組成物を用いて形成された層を有する。樹脂としてポリアミド樹脂を用いることで、ゼオライトの分散性や接着性に優れ、長期に渡って帯電グリッド上にゼオライトを保持することが可能である。
【0050】
本発明に用いられるポリアミド樹脂としては、溶媒に溶解する樹脂を選択する必要があり、アルコール可溶性ポリアミド樹脂が望ましい。これらのポリアミド樹脂としては、変性ポリアミド樹脂、共重合ポリアミド樹脂、両者を組み合わせた共重合−変性ポリアミド樹脂が挙げられる。
【0051】
変性ポリアミド樹脂としては、ナイロン6のα位の水素をジメチルアミノ基で置換したものやアミド基の水素をメトキシメチル基等で置換したものが挙げられ、例えば鉛市社製FR−101、FR−104、FR−105やナガセケムテックス社製F30K、MF−30、EF−30T等が用いられる。
共重合ポリアミド樹脂としては、ナイロン6/66/610、ナイロン6/66/12、ナイロン6/69/12、ナイロン6/612/12、ナイロン6/66/69/12、ナイロン6/66/11/12、ナイロン6/66/610/12、ナイロン6/66/612/12、ナイロン6/66/ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン−6等の3元或いはそれ以上の共重合体が挙げられ、例えば東レ社製CM−4000、CM−4001、CM−8000等が用いられる。
共重合−変性ポリアミド樹脂としては鉛市社製FR−301等が用いられる。
これらのなかでも、共重合ポリアミド樹脂は特に接着性やゼオライトの分散性に優れ、より良好に用いることができる。
【0052】
また、変性ポリアミド樹脂や共重合−変性ポリアミド樹脂に酸触媒を添加することで、分子間架橋を促進し、優れた接着性を得ることができる。酸触媒としては、有機酸、あるいは無機酸が挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、プロピオール酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルイル酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸等の芳香族カルボン酸;2−フル酸、ニコチン酸、イソニコチン酸等の複素環カルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の脂肪族オキシカルボン酸;サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロバ酸等の芳香族オキシカルボン酸;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオリン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギリン等の脂肪族アミノカルボン酸;フェニルアラニン、チロシン等の芳香族核をもつアミノカルボン酸;ヒスチジン、トリブトファン、プロリン、オキシプロリン等の複素環をもつアミノ酸等を用いることができる。また、無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、炭酸、亜硫酸、亜硝酸、亜リン酸、亜ホウ酸、過酸化水素、過塩素酸、過酸化窒素等を用いることができる。これらの酸は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
バインダ樹脂がゼオライトを覆ってしまうことによる放電生成物除去機能の低下が起きないとされるバインダ比は通常10wt%程度とされていたが、評価によりバインダ樹脂比が30wt%付近でも放電生成物除去機能は低下しておらず、密着性との両立が可能であることが確認されている。
【0053】
(導電剤)
ワイヤ又は金属板の加工品からなる帯電グリッド基材は本来導電性を有するが、ゼオライトとバインダ樹脂に覆われるため電気抵抗が大きくなり、表面電位制御の役割を果たさない。そのため導電性を付与させる目的で、導電剤をバインダ樹脂中に分散させている。ここで導電剤にはグラファイト、ニッケル、銅、銀等の金属微粒子の類やアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物の類や活性炭といった導電性の粒子を用いることができる。帯電グリッドは使用中常に放電下に置かれるため、用いる材料は放電に対する耐久性が求められ、グラファイトやニッケル等の金属、および酸化スズ、アンチモン酸亜鉛のような非ドーピング型金属酸化物が経時使用および環境変動に対して安定しており好ましい。また、導電剤は含有率が少ないほど、他の機能である膜の密着性や放電生成物除去機能を阻害しないため、粒子自体の導電性は高く、粒径は小さいほうが好ましい。本発明では粒径0.01mm〜15mmの範囲の導電性微粒子を使用した。また導電性を示すバインダ樹脂も導電剤として用いることができる。場合により2種類の導電剤を用いることもできる。
【0054】
<帯電グリッドへの塗工法>
塗工液はまずバインダ樹脂を溶媒に対して比率5〜10wt%程度となるように作成し、攪拌している中にゼオライト粒子および導電剤を加えることにより作成した。スプレー塗工の際には塗工液固形分濃度は30wt%以下とした。
作成した液を帯電グリッドへ塗工する方法としては、ディッピング方式、ローラ塗工、電気泳動電着法等があるが、今回最も塗工ムラの少ないスプレー方式を用いた。帯電グリッドを長軸方向両端からテンションを張り直径30mmの円筒状の基盤の円筒軸方向に設置し、円筒軸を水平方向設置した状態で周方向に170rpmの速度で回転させているところを水平方向にスプレーを10mm/sec.の速度で走査させることにより塗工を行った。両面を塗工するために3mm程度基盤から浮かせて帯電グリッドを設置した。塗工は表裏を片面ずつ行い、片面の塗工が済んだ後10分間放置し、次いで反対面を塗工した。スプレー塗工後乾燥機によって130℃で30分加熱し、乾燥することで膜を固定した。塗工膜としてはグリッドの表裏面にそれぞれ30μm厚の塗工膜を形成した。
また、帯電グリッドの基材がワイヤである場合には、ワイヤの周囲に均一な塗膜を形成する。
上記の例では導電剤を含む塗膜形成材料を用いて塗膜を形成したが、バインダ樹脂とゼオライトからなる塗膜形成材量を用いて塗膜を形成した後に導電剤を後から塗布するか打ち込むことによって塗膜を形成しても良い。
【実施例】
【0055】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、感光体作製例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
【0056】
<感光体作製例>
φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
【0057】
〔下引き層用塗工液〕
アルキド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL、石原産業社製)
メチルエチルケトン 50部
【0058】
〔電荷発生層用塗工液〕
Y型チタニルフタロシアニン 6部
シリコーン樹脂溶液 70部
(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)
2−ブタノン 200部
【0059】
〔電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送物質(下記構造式A) 20部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 30部
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
1,2−ジクロロエタン 200部
【0060】
【化1】

【0061】
続いて、電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:60秒の条件で光照射を行ない塗布膜を硬化させた。更に130℃で20分間乾燥を加え5.2μmの架橋型電荷輸送層を設け感光体を作製した。
【0062】
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(下記構造式B) 10部
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
【0063】
【化2】

【0064】
[実施例1]
以下に示す材料を用いて塗工液を作成した。ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂の重量比は5/3/2とし、液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト ・・・β型ゼオライト(980HOA 東ソー製)
導電剤 ・・・アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダ樹脂 ・・・共重合ポリアミド(アミラン CM-8000 東レ社製)
分散媒 ・・・ メタノール
ブタノール
(メタノール/ブタノール=7/3 重量比)
上記塗工液をコロナ帯電器の帯電グリッドにスプレーにより塗工し、以下に示す評価を行った。
【0065】
(膜密着性評価)
帯電グリッドに塗工された膜の密着度合いが実使用に耐えられるかを、力を入れて強く擦ったときと指を乗せる程度の負荷で塗工面をウエスで10回拭いたときの剥がれの程度で評価した。また耐久性評価として200時間コロナ帯電器を放電させた後にも同様に評価を行った。以下にそれぞれの記号の程度を示す。
◎ ・・・強く擦ってもウエスに付着せず
○ ・・・強く擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる
○△・・・普通に擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる
× ・・・普通に擦ると多量にウエスに付着し、実使用に耐えられない
【0066】
(帯電制御性評価)
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proに取り付けた。帯電ワイヤに一定電流が流れるように電圧を印加することでコロナ放電を行い、帯電グリッドに−900Vを印加した際の被帯電体である感光体の表面電位を測定した。その後中間調(ハーフトーン)画像を出力し、局所的な帯電不良時に発生する雨だれ状のムラの有無を確認した。また耐久性評価として200時間コロナ帯電器を放電させた後にも、雨だれ状のムラの有無を確認した。
◎・・・雨だれ状ムラは発生せず
○・・・雨だれ状ムラは若干発生するが、許容レベル
×・・・雨だれ状ムラ発生
【0067】
(放電生成物除去機能評価)
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proに取り付けた。作像動作を行うことでコロナ帯電器を3時間放電後機械の電源を切り15時間放置した。その後、再度機械の電源を入れ、中間調(ハーフトーン)画像出力、及び全面文字画像の出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラ、像流れの発生有無を確認した。また耐久性評価として200時間コロナ帯電器を放電させた後にも、濃度ムラ、像流れの有無を確認した。
◎・・・コロナ帯電器直下濃度ムラ発生せず
○・・・コロナ帯電器直下濃度ムラが発生するが、許容レベル
×・・・コロナ帯電器直下濃度ムラがくっきり発生し、許容できないレベル
【0068】
[実施例2]
実施例1で用いた材料を、以下に示す材料に変更して塗工液を作成した以外は同様のサンプルを作成し、評価を行った。ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂/酸触媒の重量比は5/3/2/0.05とし、液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト ・・・ β型ゼオライト(A−3シリーズ 粉末タイプ 東ソー製)
導電剤 ・・・ アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダ樹脂 ・・・ メトキシメチル化ポリアミド(FR-101 鉛市社製)
酸触媒 ・・・ L-酒石酸(扶桑化学工業製)
分散媒 ・・・ メタノール
ブタノール
(メタノール/ブタノール=7/3 重量比)
【0069】
[実施例3]
バインダ樹脂、及び分散媒に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・ メトキシメチル化ポリアミド(FR-101 鉛市社製)
分散媒 ・・・ メタノール
ブタノール
(メタノール/ブタノール=7/3 重量比)
【0070】
[実施例4]
バインダ樹脂に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・共重合ポリアミド(アミラン CM-4000 東レ社製)
【0071】
[実施例5]
実施例1で用いた材料を、以下に示す材料に変更し塗工液を作成した以外は同様のサンプルを作成し、評価を行った。ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂/酸触媒の重量比は5/3/2/0.05とし、液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
ゼオライト ・・・ β型ゼオライト(A−3シリーズ 粉末タイプ 東ソー製)
導電剤 ・・・ アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダ樹脂 ・・・ メトキシメチル化ポリアミド(F30K ナガセケムテックス社製)
酸触媒 ・・・ クエン酸(キシダ化学製)
分散媒 ・・・ メタノール
ブタノール
(メタノール/ブタノール=7/3 重量比)
【0072】
[実施例6]
バインダ樹脂に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・メトキシメチル化ポリアミド(F30K ナガセケムテックス社製)
【0073】
[実施例7]
ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂の重量比を6/3/1とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[実施例8]
ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂の重量比を2.5/1.5/6とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
【0074】
[比較例1]
帯電グリッドには何も塗工していないコロナ帯電器を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
[比較例2]
塗工液に導電剤を含まず、ゼオライト/バインダ樹脂の重量比を8/2とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
【0075】
[比較例3]
バインダ樹脂に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・ ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX-1 積水化学工業社製)
【0076】
[比較例4]
塗工液にゼオライトを含まず、ゼオライト/導電剤/バインダ樹脂の重量比は0/6/4とした以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。。
導電剤 ・・・アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダ樹脂 ・・・共重合ポリアミド(アミラン CM-8000 東レ社製)
分散媒 ・・・ メタノール
ブタノール
(メタノール/ブタノール=7/3 重量比)
【0077】
[比較例5]
バインダ樹脂に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・ ポリウレタン樹脂(ニッポラン5196 日本ポリウレタン工業製)
【0078】
[比較例6]
バインダ樹脂、及び分散媒に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・ パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂
(ナフィオン 52721-1 デュポン社製)
分散媒 ・・・ メタノール
ブタノール
(メタノール/ブタノール=7/3 重量比)
【0079】
[比較例7]
バインダ樹脂、及び分散媒に以下の材料を用いた以外は実施例1と同様のサンプルを作成し、評価を行った。
バインダ樹脂 ・・・ ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
分散媒 ・・・ テトラヒドロフラン
【0080】
実施例及び比較例における帯電グリッドへの塗膜の塗工条件を表1に示した。
また、実施例及び比較例における評価結果を表2に示した。
放電生成物除去機能の結果を見ると、ゼオライトを含む膜を塗工した帯電グリッドを用いることによりNOxの発生量が削減され、放電生成物の除去効果が確認できる。また画像における課題である帯電器直下濃度ムラ及び画像流れの発生においても抑制効果が確認できる。
膜の密着性に関しては、本発明のバインダ樹脂を用いた場合に強度が高く、連続使用において膜強度の維持が確認できる。バインダ樹脂は10〜60wt%の範囲が膜密着性と帯電制御性および放電生成物除去機能の面から好ましい。
また、帯電制御性についてはゼオライトとバインダのみの膜では被帯電体表面電位が帯電グリッドに印加した電圧以上になっており、画像上のムラからも帯電が不安定であるが、導電剤を分散させた帯電グリッドでは何も塗工していない帯電グリッドを用いた場合と同等の結果を示しており、帯電が安定していることが確認できる。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明のコロナ帯電器は、放電生成物量の発生量を削減することができるので、画像形成装置等に用いることにより、感光体等の被帯電体の変質を抑制し、安定した画像を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】コロトロン型コロナ帯電器及びスコロトロン型コロナ帯電器の構成を示す模式図である。
【図2】コロトロン型コロナ帯電器及びスコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を示す図である
【図3】本発明の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図4】雨だれ状ムラを示す模式図である。
【図5】コロナ帯電器直下濃度ムラを示す図である。
【図6】画像流れ現象を説明する模式図である。
【図7】電子写真感光体の断面を示す模式図である。
【図8】帯電グリッドの構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 帯電器
2 ケーシング
3 エンドブロック(絶縁性)
4 エンドブロック(絶縁性)
6 帯電グリッド
8 グリッドを張るための爪
9グリッドバイアス印加電極
9a グリッドを張るための爪(バイアス印加電極とグリッドとを導通させている)
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
100 感光体
101 帯電装置
102 画像露光系
103 現像装置
104 転写装置
105 クリーニング装置
106 クリーニングブラシ
107 弾性ゴムクリーニングブレード
108 除電装置
109 コピー用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面に少なくともゼオライトと導電剤とポリアミド樹脂とを配合してなる組成物を用いて形成された層を有することを特徴とするコロナ帯電器。
【請求項2】
前記ポリアミド樹脂が、アルコール可溶性共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載のコロナ帯電器。
【請求項3】
コロナ放電電極と帯電グリッドとを有するコロナ帯電器において、該帯電グリッドが表面に少なくともゼオライトと導電剤とアルコール可溶性変性ポリアミド樹脂、及び酸触媒を配合してなる組成物を用いて形成された層を有することを特徴とするコロナ帯電器。
【請求項4】
樹脂の含有比率が、塗膜組成物の合計100重量部に対して、10〜60重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコロナ帯電器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコロナ帯電器と、電子写真感光体と、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、クリーニング手段の少なくとも何れか1つ以上とを組み合わせて造られ、画像形成装置本体に脱着可能に設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のコロナ帯電器を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−157141(P2009−157141A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335770(P2007−335770)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】