Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
コンクリートのサンプル加工方法、気泡パラメータの測定方法、並びにその測定方法を実行する測定装置及びプログラム。
説明

コンクリートのサンプル加工方法、気泡パラメータの測定方法、並びにその測定方法を実行する測定装置及びプログラム。

【課題】 硬化コンクリートの気泡パラメータの測定作業の迅速化、軽労働化、並びに測定値の高精度化及び客観性を確保できるパラメータ測定方法等を提供する。
【解決手段】 硬化コンクリートの気泡に関するパラメータn、A、α、Lの測定をコンピュータ10によって測定するパラメータ測定方法であって、硬化コンクリート1が撮像された画像データGを取得する取得工程と、その画像データにおける気泡部分Kを特定する特定工程と、特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積a、Aaを求める面積解析工程と、その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートのサンプルの加工方法、並びに気泡に関するパラメータの測定方法、測定装置、及び測定用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
硬化コンクリートの表面が撮像される等して得られた硬化コンクリートの状態から気泡に関するパラメータ(以下「気泡パラメータ」という時がある。)を測定する方法としては、一般にASTM C−457に準拠したリニアトラバース法や修正ポイントカウント法が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照。)。硬化コンクリートの状態を得るためのサンプルの加工方法においては、気泡部分とその他の部分を識別するために蛍光樹脂で気泡内を着色する方法や酸化亜鉛で気泡を埋める方法等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。一方、上記の一般的な方法を使用せずにコンクリート内の空気量を測定する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。更に、気泡の面積に基づいて気泡パラメータを測定することが可能であることも知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−72105号公報
【特許文献2】特開平11−295130号公報
【非特許文献1】原忠勝、外2名、「スキャナー画像によるコンクリートの気泡間隔係数測定法の検討」、Cement Science and Concrete Technology, No.57, 2003
【非特許文献2】小長井宣生、外2名、「気泡断面積測定による硬化コンクリートの気泡パラメータの解析理論」、土木試験所月報、No.396, 1986年5月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記一般的な方法は、硬化コンクリートの状態として検査領域の線や点を計測し、その線や点に基づいて検査領域全体の気泡パラメータを測定するので正確性に欠ける。また、気泡等の要素は人間によって測定されるため、計測時間はサンプル90mm×90mmのサイズでは、測定作業者1人当たり2時間程度を要し、目の疲労と多大な労力が要求される。更に人間による測定は個人差が大きくミスの発生も免れない。
【0005】
一方、特許文献2における方法は硬化する前の生コンクリートを対象にした方法であり、硬化コンクリートに対しては利用できない。非特許文献2においては、気泡の形状を球と仮定し、硬化コンクリートの表面の気泡部分を球の断面として気泡パラメータが測定可能であることが証明されているだけであり、気泡部分の面積の具体的な測定方法については何も記載されていない。また、従来の加工方法によって加工されたサンプルにおいては、気泡部分と骨材及びセメント組織部分とを数μm単位まで明確に分離することは困難であり、また、酸化亜鉛を使用する場合は500度以上の高温処理が必要となり、コンクリート組織の変形と取り扱い上やけど等の危険性がある。
【0006】
そこで、本発明は、硬化コンクリートの気泡パラメータの測定作業の迅速化、軽労働化、並びに測定値の高精度化及び客観性を確保できるサンプルの加工方法、及びパラメータ測定方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】
本発明のサンプル加工方法は、気泡に関して検査される硬化コンクリート(4)のサンプル(1)の加工方法であって、前記サンプルの表面(2a)を所定の色で着色する工程と、前記表面における気泡部分(K)を前記所定の色と異なる色の焼石膏によって埋める工程とを有する、ことにより上記の課題を解決する。
【0009】
本発明のサンプル加工方法によれば、気泡部分と気泡部分以外の部分とを色によって視覚的に識別可能とし、更に、気泡部分には水に溶かした焼石膏を埋めることによって着色する。焼石膏は水に溶けやすく、常温で固まるので、取り扱いが容易である。従って、特別な加熱装置や冷却装置を備える必要なく、気泡部分と気泡部分以外の部分とが明確に識別されたサンプルを容易にしかも短時間で加工することができる。表面を着色する着色料としては、マジック(登録商標)、油性のインキ、ペンキ又は顔料等がある。但し、気泡を塞がずに硬化コンクリートの固有組織を消せるように、使用する着色料の粒子サイズ及び着色後の膜厚等が適切であることが条件となる。サンプルの表面全体に対して本発明による加工を行ってもよいし、表面の一部を検査領域としてその検査領域にのみ加工を行ってもよい。
【0010】
また、前記埋める工程後に前記サンプルの表面を平面研磨する研磨工程を有していてもよい。これにより、サンプルの表面を最終的に平面化することができ、例えば、当該サンプルの表面を撮像して画像データを得る場合に、より正確な画像データを得ることができる。更に前記着色する工程にて前記表面を着色後、前記埋める工程を行い、前記研磨工程では、前記着色する工程にて着色された部分を残すようにして研磨してもよい。これにより、着色する工程後に研磨工程を行う場合であっても研磨によって着色部分まで削りとられることはない。
【0011】
更に、前記着色する工程で着色される前記所定の色は、前記焼石膏の色と反対色でもよい。これにより、気泡部分と気泡部分以外の部分とのコントラストが視覚的により明確になると共に、サンプルの表面を2値化した画像データとして取り扱う場合にもより正確な画像データを得ることができる。
【0012】
本発明のサンプル(1)は、気泡に関して検査される硬化コンクリート(1)のサンプルであって、表面(2a)に設けられた検査領域(3)における気泡部分(K)が焼石膏によって埋められ、前記気泡部分以外の部分(M)が前記焼石膏の色と異なる色で着色されていることにより、上記の課題を解決する。本発明のサンプルによれば、上述した様に気泡部分と気泡部分以外の部分とを容易な方法によって明確に識別可能にすることができる。尚、「検査領域」の態様には表面の一部である場合と表面全体である場合とを含む。
【0013】
本発明のパラメータ測定方法は、硬化コンクリートの気泡に関するパラメータ(n、A、α、L)の測定をコンピュータ(10)によって測定するパラメータ測定方法であって、硬化コンクリート(1)が撮像された画像データ(G)を取得する取得工程と、その画像データにおける気泡部分(K)を特定する特定工程と、特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積(a、Aa)を求める面積解析工程と、その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する測定工程と、を含むことにより上記の課題を解決する。
【0014】
本発明のパラメータ測定方法によれば、硬化コンクリートの画像データから得られる気泡部分の面積を求め、気泡に関するパラメータを測定する。従って、線や点に関する情報に基づいて気泡に関するパラメータを測定する場合よりも正確な測定結果を得ることができる。気泡部分の面積はその気泡部分の画素数に基づいて求められるため、画素1つに設定された大きさに基づいて気泡部分の面積を求めることができる。また、コンピュータによって画像データの取得から測定まで一貫して行うことができるので、測定時間を大幅に短縮でき、個人差や読取誤差も生じない。解像度や撮像対象位置等の簡単な設定を行うだけで自動的に測定結果を得ることができるので、作業者に大きな負担を要求する煩雑な作業を要しない。
【0015】
更に、本発明のパラメータ測定方法によれば、有用な再生骨材の採取対象であるコンクリート塊がAEコンクリートであるか否かの判断も迅速に行うことができる。例えば、測定結果により円形の気泡が十分混入されていると判断される場合は、当該コンクリート塊を再生コンクリート製品に用い、それ以外のコンクリート塊は路盤材採取で使用するなど、本発明による測定結果を作業工程選択の重要な指標として活用できる。
【0016】
「硬化コンクリートの気泡に関するパラメータ」とは、空気量、気泡数、比表面積、気泡間隔係数等を含む。「気泡部分の面積を求める」とは、1つの気泡の面積を求めてからその総和として気泡部分全体の面積を求める場合と、初めから気泡部分全体の面積を求める場合とを含む。
【0017】
「硬化コンクリートが撮像された」とは、検査対象の硬化コンクリートが撮像された場合と硬化コンクリートのサンプルが撮像された場合とを含む。また、実際の大きさのまま撮像される場合と顕微鏡等で拡大されて撮像される場合とを含む。「画像データを取得する」態様には、撮像装置からリアルタイムで画像データを取得する場合と画像データが記憶されている記憶媒体から取得する場合とを含む。「気泡部分の面積に基づいて」の態様には、気泡部分の面積値のみの場合と気泡部分の面積値に他の情報を加えた場合とを含む。
【0018】
また、本発明のパラメータ測定方法は、前記特定工程にて、前記気泡部分として特定されるべき前記画像データの濃度範囲を特定し、前記面積解析工程にて、前記特定された濃度範囲に含まれる濃度を有する画素が連続する部分を1つの気泡として特定し、その特定された気泡に含まれる画素数に基づいて前記気泡部分の面積を求めてもよい。これにより、各画像データが有する濃度階調を利用して気泡部分を特定できる。例えば2値化処理によって、気泡部分と気泡部分以外の部分とを判別することができる。また、1つの気泡を構成する複数の画素を特定することができるので、気泡毎の面積や総気泡数を求めることができる。尚、「濃度範囲」には特定の濃度値のみの場合も含む。
【0019】
更に、本発明のパラメータ測定方法は、前記測定工程において測定された気泡に関するパラメータを所定の出力先(13)へ出力する出力工程が含まれていてもよい。これにより、測定結果を確認でき、更に他のアプリケーションで利用することができる。出力の態様には、測定工程終了後に自動的に出力する場合と、ユーザの所定の操作によって出力する場合とを含む。「出力先」の態様には、ユーザが視覚的に認識できるモニターやプリンタへの出力の他、ファイルへの出力も含む。
【0020】
本発明の測定装置(10)は、硬化コンクリート(1)の気泡に関するパラメータ(n、A、α、L)の測定を行う測定装置であって、硬化コンクリートが撮像された画像データ(G)を取得する取得手段(11b)と、その画像データにおける気泡部分(K)を特定する特定手段(11c)と、特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積(a、Aa)を求める面積解析手段(11d)と、その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する測定手段(11e)と、を有することにより上記の課題を解決する。本発明の測定装置により、上述した本発明の測定方法を実現することが可能である。
【0021】
従って、本発明の測定装置は、前記特定手段が、前記気泡部分として特定されるべき前記画像データの濃度範囲を特定し、前記面積解析手段が、前記特定された濃度範囲に含まれる濃度を有する画素が連続する部分を1つの気泡として特定し、その特定された気泡に含まれる画素数に基づいて前記気泡部分の面積を求めてもよい。また、前記測定手段が測定した前記パラメータを所定の出力先(13)へ出力する出力手段が更に含まれていてもよい。
【0022】
本発明のプログラムは、硬化コンクリート(1)の気泡に関するパラメータ(n、A、α、L)の測定をコンピュータ(10)に実行させるプログラムであって、前記コンピュータを、硬化コンクリートが撮像された画像データ(G)を取得する取得手段(11b)、その画像データにおける気泡部分(K)を特定する特定手段(11c)、特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積(a、Aa)を求める面積解析手段(11d)、そして、その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する測定手段(11e)として機能させる、ことにより上記の課題を解決する。本発明のプログラムにより、上述した本発明の測定方法をコンピュータによって実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、硬化コンクリートのサンプルの表面における気泡部分を焼石膏によって埋め、硬化コンクリートが撮像された画像データのうち気泡部分として特定された部分の面積を求める面積解析を行い、その面積に基づいて、気泡パラメータを測定することにより、気泡パラメータの測定作業の迅速化、軽労働化、並びに測定値の高精度化及び客観性を実現するサンプルの加工方法、及びパラメータ測定方法等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1(a)は、本発明における硬化コンクリートのサンプル1の一形態を示す図である。サンプル1は円柱形で、上底面2の表面の一部に気泡パラメータを測定するための検査領域3が設けられている。検査領域3は、図1(b)に示すように、黒いマジック(登録商標)で全体的に着色され、複数の白い粒領域が点在している。各白い粒領域は気泡に該当する凹部が焼石膏で埋められたものである。以下、複数の気泡に該当する部分を総称して「気泡部分K」といい、1つの気泡の気泡部分を気泡部分Kと区別する必要がある時は「気泡部分k」という。また、黒く着色された領域は硬化コンクリートの骨材やモルタル組織の部分であり、以下、「骨材部分M」という。
【0025】
図2及び図3(a)〜(c)を用いて図1(a)に示すサンプル1を得る手順について説明する。まず、図2に示すように、検査対象の硬化コンクリート4より円柱形のサンプルコア5を切り出し、更に、サンプルコア5の中程から円柱形の未処理サンプル1´を切り出す。
【0026】
図3(a)に示すように、未処理サンプル1´の上底面2a及び下底面2bをそれぞれ平面研磨し、その後、図3(b)に示すように上底面2aのみを鏡面研磨する。平面研磨及び鏡面研磨は、砥石や紙ヤスリ等を用いて従来既知の方法によって行えばよい。鏡面研磨後、図3(c)に示すように、上底面2aの検査領域3全体を黒いマジック(登録商標)で塗りつぶす。
【0027】
その後、検査領域3における気泡部分Kを焼石膏で埋める。焼石膏は水に溶けやすく、また常温ですぐに固体化する。従って、水で溶いた焼石膏を各気泡部分kに埋め、そのまましばらく放置することにより、気泡部分Kを焼石膏によって容易に埋めることができる。また、余分な焼石膏は水によって溶かしてぬぐうことにより簡単に除去することができる。
【0028】
上記要領によって検査領域3の気泡部分Kを焼石膏で埋めた後、気泡部分Kに埋められた焼石膏によって生じる検査領域3の凹凸を平面化するため、検査領域3の表面を再研磨する。これによって余分な焼石膏が除去される。この再研磨によってサンプル1が完成する。
【0029】
次に、本発明の気泡パラメータの測定方法について説明する。本形態では、測定装置10によって、サンプル1の画像データを取得し、気泡パラメータを測定する。図4は本発明の測定装置10及び周辺機器12、13、14のそれぞれの一例を示す図である。本形態の測定装置10は、コンピュータとして構成され、ユーザの指示やプログラムに応じて測定装置10の各種動作を制御する制御部11を有する。制御部11にはキーボード12aやマウス12b等のユーザ指示部12と、各種データの出力先としてのモニター13aやプリンタ13b等の出力部13と、サンプル1を撮像するCCDカメラ14a、スキャナ14b、顕微鏡カメラ14c等の画像データ入力部14と、がそれぞれ各ドライブを通して接続されている。
【0030】
制御部11は、CPU及びその動作に必要なRAM、ROM等の記憶手段11aを備えている。記憶手段11aは、本発明の気泡パラメータ測定方法を実現するプログラムも記憶され、制御部11は当該プログラムに従うことにより、主に取得手段11b、特定手段11c、面積解析手段11d、測定手段11e、そして出力手段11fとして機能する。ユーザが設定すべき内容は、制御部11の指示によってモニター13aに適宜表示され、ユーザの設定を促す。ユーザはユーザ指示部12の各装置12a、12bを操作することによって所望の設定を行う。
【0031】
その設定内容は制御部11へ入力され、制御部11の制御によって設定内容に応じた処理が行われる。画像データ入力部14は、測定装置10へ画像データを提供できるものであればよく、サンプル1を撮像する上記撮像装置14a、14b、14cの他、サンプル1が撮像された画像データが既に記憶されているCD−ROMやMO等の記憶媒体の読取装置14dであってもよい。
【0032】
測定装置10によって行われる気泡パラメータ測定処理の流れを図5のフローチャートに従って説明する。パラメータ測定処理における各処理は測定装置10の制御部11によって制御される。まず、画像取得処理(ステップS20)において、サンプル1の検査領域3のデジタル画像データを画像データ入力部14から取得し、取得した画像データをモニター13aに表示する。これによって、制御部11は取得手段11bとして機能する。モニター13aに表示される画像データGは、図6に示すように、黒に近い色の骨材部分Mに白に近い色の複数の気泡部分k…kが点在する。以下、この画像データGを視野領域、画像データGの大きさを視野サイズという時がある。尚、いずれの撮像装置14a、14b、14cを利用するかはユーザが計測対象気泡径サイズと視野サイズのバランスにより選択すればよい。
【0033】
本発明の測定装置10は、画像データ入力部14からの各種データ形式に対応できるように各種ドライバが備えられている。対応可能なデータ形式には、例えば、BITMAP、JPEG、RAW及びTIFF、TWAIN規格、NTSC、PAL,カメラリンク及びIEEE規格等がある。尚、モニター13aに表示された画像データGは、ユーザの設定によって拡大、縮小及び反転が可能であり、更に濃度調整、複数の画像の合成によるマルチ画像、及び撮影倍率校正データの入力も可能である。尚、画像データGの解像度は目的最小気泡径サイズにより異なるが、最小気泡面積の構成画素数が9画素以上となることが望ましい。
【0034】
ユーザが所定の操作を行うことにより、図7に示すツール画面Tがモニター13aに画像データGと共に表示される。ツール画面Tには、各種処理を指示できる選択ボタンB1、B2、B3及び所望の数値を設定できる入力欄R1、R2、R3が設けられている。選択ボタンには、画像データGの画像調整処理や2値化処理についての指示を行うボタン群B1、パラメータ測定の開始を指示する測定開始ボタンB2、測定結果一覧表の出力を指示する測定結果一覧表示ボタンB3等がある。画像調整処理、2値化処理の詳細及び入力欄R1、R2、R3については後述する。
【0035】
本形態では、画像データGを調整する画像調整処理として、例えば、色調補正、鮮鋭化処理、平滑化処理及びフィルタ加工が備えられている。色調補正は、レベル、ガンマ、対数及びベジェカーブ等によるデジタル画像濃度の補正であり、鮮鋭化処理は、輪郭強調及びハイガウス等による画質の改善処理であり、平滑化処理は、単純・加重平均、メディアン及びガウスフィルタ等による画質の改善処理であり、フィルタ加工は、非線形及びランクフィルタ等による画像の加工処理である。
【0036】
画像取得処理が終了後、ボタン群B1の「自動計測条件設定」が選択されることにより、画像データGにおける気泡部分Kを特定する気泡特定処理を実施することができる(ステップS30)。気泡特定処理においては、画像データGに対して2値化処理を行う。2値化処理では、気泡部分Kとして特定されるべき濃度範囲(以下、「2値化レベル」という。)がユーザによって設定されると、その設定された2値化レベルに基づいて、気泡部分Kとして特定されるべきすべての画素には気泡部分Kを示す濃度値を設定し、気泡部分K以外の骨材部分Mとして特定されるべきすべての画素には骨材部分Mを示す濃度値を設定する。これにより、制御部11は特定手段11cとして機能する。
【0037】
以下、気泡特定処理について具体的に説明する。ボタン群B1の「自動計測条件設定」が選択されると、図10(a)に示すような2値化レベルを設定できる画面TSが表示される。画面TSの設定選択領域R4が示すように、本形態では、2値化処理として、手動2値化処理、自動2値化処理及び指定2値化処理が備えられている。ユーザは上記3種の2値化処理からいずれかの処理を適宜選択することができる。指定2値化処理では、ユーザが指定した数値によって2値化レベルが決定される。図10(a)の画面TSは、指定2値化処理が選択され、レベル指定領域R5に2値化レベルが30〜139の範囲で設定された様子を示す。これにより、後述の面積解析処理にて濃度範囲30〜139の画素が気泡を構成する画素として判断される。
【0038】
手動2値化処理では、図10(b)に示すような画像データGの濃度プロファイルがモニター13aに表示されるので、ユーザはプロファイル上をマウスでスライドさせながら2値化レベルを設定できる。また、自動2値化処理では、画像データGの濃度分布を計算して統計判別法により2値化レベルが自動的に設定される。
【0039】
上述した方法によって2値化レベルが設定されると、画像データGにおいて、気泡部分Kとすべき画素、即ち濃度範囲30〜139のすべての画素に濃度値0(白)を設定し、気泡部分Kとすべき画素以外のすべての画素に濃度値1(黒)を設定する。即ち、各画素の濃度値は0か1で2値化される。以下、この2値化された画素を「ドット」という。
【0040】
尚、本形態では、2値化処理された画像データGに対して行える画像調整処理として、孤立点処理、穴埋め処理、図形分離処理、及び不要粒子削除処理が備えられている。孤立点処理では、各種の画像フィルタでノイズ成分を除去でき、穴埋め処理では、気泡部分kの内部に気泡部分kとして特定されない濃度部分が存在する場合に、その気泡部分kの全体を気泡部分kとして特定される濃度にすることができ、図形分離処理では、気泡部分kを構成するドットの大きさを調整することにより接続している2つの気泡部分kを分離でき、不要粒子削除処理では、計測の対象から外れる気泡部分kを画像データGから除去することができる。これらの処理により、所望の測定条件でより正確な測定値を得られるような設定を行うことができる。例えば、この方法により大きな骨材断面中の気泡を取り除くことができる。
【0041】
また、画面Tの入力欄R1は1mm当たりのドット数をユーザが設定できる欄であり、設定された数値に応じてドットの大きさが変化する。また、入力欄R3は計測対象気泡径をユーザが設定できる欄であり、設定された数値に応じて不要と判断された気泡部分kは除去される。
【0042】
気泡特定処理後、面積解析処理へ進む(ステップS40)。面積解析処理では、各気泡部分kを特定し、各気泡部分kの気泡実測面積a、複数の気泡部分kのそれぞれの気泡実測面積aの総和である総和面積Aa、画像データG全体の面積である視野面積At及びセメントペースト容積比Pが算出される。図7には、視野面積Atの値C1とペースト容積比Pの値C2とが得られてツール画面Tに表示された様子が示されている。視野面積Atは入力欄R1で設定された1ドットの大きさに基づいて算出される。セメントペースト容積比Pは入力欄R2にユーザによって入力されたコンクリート配合におけるセメント及び水の単位量(kg/m)により算出される。
【0043】
気泡実測面積a及び総和面積Aaの算出手順について説明する。まず、各気泡部分kの気泡実測面積aを、その気泡部分kに含まれるドット数に基づいて求める。具体的には、濃度値0(白)のドットが連続する部分を1つの気泡部分kと判断し、その気泡部分kに含まれるドット数の合計を求め、入力欄R1にて設定された1ドットの大きさに基づいて気泡部分kの実測面積を求める。次に、算出された各気泡実測面積aに基づいて、下記の式1から円相当径λminを求める。式1から明らかなように、円相当径λminは、各気泡部分kを円形と仮定した場合の、その円の直径に相当する。
【0044】
尚、気泡実測面積aを求めた気泡部分kの数を視野内気泡数Nにカウントする。次に、下記式2によって総和面積Aaを求める。以上により、制御部11は面積解析手段11dとして機能する。式2から明らかなように、総和面積Aaは各気泡部分kを円形として仮定した場合の総和面積である。面積解析処理にて求められた各気泡実測面積a、各円相当径λmin、総和面積Aa等は、後述の測定処理及び出力処理にて利用できるように記憶手段11aに適宜記憶される。
【0045】
【数1】

【0046】
【数2】

【0047】
面積解析処理終了後、ツール画面Tにおける測定開始ボタンB2が選択されると、各気泡パラメータの測定処理が行われる(ステップS50)。気泡パラメータには、単位測定面積当たりの気泡数n、空気量A、比表面積α、及び気泡間隔係数Lがある。本形態では気泡の形状を球と仮定し、各パラメータは以下に示す各式3〜7によって算出する。この算出に当たり、記憶手段11aに記憶された円相当径λmin及び総和面積Aa等を必要に応じて参照する。これにより、制御部11は測定手段11eとして機能する。尚、式5におけるβは気泡面積の平均値である。上記各パラメータが各式3〜7によって得られることは上記の非特許文献2において証明されている。
【0048】
【数3】

【0049】
【数4】

【0050】
【数5】

【0051】
【数6】

【0052】
【数7】

【0053】
測定処理終了後、出力処理(ステップS60)へ進み、算出された各値は、図8に示すようにツール画面Tの結果表示欄Dに表示される。また、ツール画面Tの測定結果一覧表示ボタンB3が選択されると、図9に示すような測定結果一覧表がモニター13aに表示される。印刷ボタンB4の選択によって、この測定結果一覧表をプリンタ13bに印刷させることができる。また、データ形式に関するボタンB5の選択によって、選択されたデータ形式でファイル出力させ、そのファイルを所望の記憶媒体に記憶させることもできる。これにより制御部11は出力手段11fとして機能する。
【0054】
本発明は、上述した形態に限らず種々の形態にて実施してよい。例えば、制御部11の各手段は物理的に異なる構成で独立して存在し、有線又は無線通信等によって接続されることにより実質的に1つの制御部11を構成してもよい。また、サンプル1の加工手順における上下底面部2a、2bに対して行う平面研磨は省略してもよい。画素を2値化する際の濃度値は0と1に限らず、異なる値として識別できる2つの値でもよい。測定処理は、測定開始ボタンB2の選択がなくても面積解析処理後直ちに行われてもよい。測定面積Atは画像サイズ情報及び解像度情報から手動で算出してもよい。
【実施例】
【0055】
(1)実施例
読取解像度を1800dpi前後としたスキャナを介して画像データを取得し、下記の条件で本発明の測定方法にて気泡パラメータを測定した測定結果を表1に示す。表1は、1つの硬化コンクリートから9つのサンプルを作成し、それぞれの測定結果を一覧した表である。表1に示す結果により、本発明の測定方法によれば精度よく測定できることがわかる。
1.画像データの視野サイズ:40mm×40mm
2.対象気泡サイズ:円相当径が18μm〜1110μm
3.セメントペースト容積比P:27.4683
【0056】
【表1】

【0057】
(2)比較例
リニアトラバース法によって得られる測定結果と本発明の測定方法によって得られる測定結果を比較した表を表2に示す。リニアトラバース法はライン測定値から全領域の値を推測する方法であるため、本発明の測定方法と直接比較できる項目は少ないが、平均弦長及び比表面積において非常に似た傾向を示している。
【0058】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】(a)は本発明のサンプルの一形態を示す図であり、(b)はサンプルの検査領域の拡大図。
【図2】コンクリート塊からサンプルが切り出されるようすを示す図。
【図3】(a)はサンプルが平面研磨された図であり、(b)はサンプルが鏡面研磨された図であり、(c)は検査領域が着色されたようすを示す図。
【図4】本発明の測定装置及び周辺機器の一形態を示す図。
【図5】図4に示す測定装置において行われる気泡パラメータ測定処理の流れを示す図。
【図6】図4に示す測定装置において取得された画像データの一例を示す図。
【図7】モニターに表示されるツール画面の一例を示す図。
【図8】測定結果が表示された図7に示すツール画面。
【図9】モニターに表示される測定結果一覧表の一例を示す図。
【図10】(a)は2値化レベルを設定する画面の一例を示し、(b)は手動2値化処理を行う画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0060】
1 サンプル
10 測定装置
11b 取得手段
11c 特定手段
11d 面積解析手段
11e 測定手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
気泡に関して検査される硬化コンクリートのサンプルの加工方法であって、
前記サンプルの表面を所定の色で着色する工程と、前記表面における気泡部分を前記所定の色と異なる色の焼石膏によって埋める工程とを有する、ことを特徴とするサンプルの加工方法。
【請求項2】
前記埋める工程後に前記サンプルの表面を平面研磨する研磨工程を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のサンプルの加工方法。
【請求項3】
前記着色する工程にて前記表面を着色後、前記埋める工程を行い、前記研磨工程では、前記着色する工程にて着色された部分を残すようにして研磨する、ことを特徴とする請求項2に記載のサンプルの加工方法。
【請求項4】
前記着色する工程で着色される前記所定の色は、前記焼石膏の色と反対色である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサンプルの加工方法。
【請求項5】
気泡に関して検査される硬化コンクリートのサンプルであって、
表面に設けられた検査領域における気泡部分が焼石膏によって埋められ、前記気泡部分以外の部分が前記焼石膏の色と異なる色で着色されている、ことを特徴とするサンプル。
【請求項6】
硬化コンクリートの気泡に関するパラメータをコンピュータによって測定するパラメータ測定方法であって、
硬化コンクリートが撮像された画像データを取得する取得工程と、
その画像データにおける気泡部分を特定する特定工程と、
特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積を求める面積解析工程と、
その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する測定工程と、を含むことを特徴とするパラメータ測定方法。
【請求項7】
前記特定工程にて、前記気泡部分として特定されるべき前記画像データの濃度範囲を特定し、
前記面積解析工程にて、前記特定された濃度範囲に含まれる濃度を有する画素が連続する部分を1つの気泡として特定し、その特定された気泡に含まれる画素数に基づいて前記気泡部分の面積を求める、ことを特徴とする請求項6に記載のパラメータ測定方法。
【請求項8】
前記測定工程において測定された気泡に関するパラメータを所定の出力先へ出力する出力工程が含まれている、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のパラメータ測定方法。
【請求項9】
硬化コンクリートの気泡に関するパラメータの測定を行う測定装置であって、
硬化コンクリートが撮像された画像データを取得する取得手段と、
その画像データにおける気泡部分を特定する特定手段と、
特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積を求める面積解析手段と、
その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する測定手段と、
を有することを特徴とする測定装置。
【請求項10】
前記特定手段は、前記気泡部分として特定されるべき前記画像データの濃度範囲を特定し、
前記面積解析手段は、前記特定された濃度範囲に含まれる濃度を有する画素が連続する部分を1つの気泡として特定し、その特定された気泡に含まれる画素数に基づいて前記気泡部分の面積を求める、ことを特徴とする請求項9に記載のパラメータ測定装置。
【請求項11】
前記測定手段が測定した前記パラメータを所定の出力先へ出力する出力手段が含まれている、ことを特徴とする請求項9又は10に記載のパラメータ測定方法
【請求項12】
硬化コンクリートの気泡に関するパラメータの測定をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
硬化コンクリートが撮像された画像データを取得する取得手段、
その画像データにおける気泡部分を特定する特定手段、
特定された気泡部分の画像データにおける画素数に基づいてその気泡部分の面積を求める面積解析手段、そして、
その気泡部分の面積に基づいて前記硬化コンクリートの気泡に関するパラメータを測定する測定手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−78228(P2006−78228A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260052(P2004−260052)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(592244376)住友金属テクノロジー株式会社 (43)
【出願人】(598041566)学校法人北里学園 (180)
【Fターム(参考)】