説明

コンクリートブロック成形型枠用コア部材およびこれを有するコンクリートブロック成形型枠と、これらを用いたコンクリートブロックの製造方法

【課題】貫通孔を有するコンクリートブロックを即時脱型法により効率的に製造すること。
【解決手段】貫通孔14の内壁面の一部を構成する内壁面体22と、内壁面体22に接離動可能であると共に外壁面の一部により貫通孔14の内壁面の他部を構成する内壁面ブロック23と、内壁面ブロック23を内壁面体22に対して接近する方向に付勢する付勢部材25と、型枠40外部から型枠40内部に進入させて外周面により内壁面ブロック23を押圧することにより、付勢部材25による付勢力に抗して内壁面ブロック23を内壁面体22から離反させるロッドRDと、を有し、型枠40および内壁面体22の壁面の一部には、型枠40内で形成すべき貫通孔14の深さ方向と直交する方向に、ロッドRDが挿抜可能な切欠部24が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリートブロック成形型枠用コア部材およびこれを有するコンクリートブロック成形型枠と、これらを用いたコンクリートブロックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即時脱型方式により貫通孔を有するコンクリートブロックの製造方法としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1記載のコンクリートブロックの製造方法によれば、即時脱型方式であっても貫通孔を有するコンクリートブロックを好適に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−2331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているコンクリートブロックの製造方法においては、コンクリートブロックの底板上に挿通孔を形成するための棒状中子が立設されている。この棒状中子は型枠内のコンクリート材料投入時から脱型までの間同じ位置に配設されているため、脱型時においてコンクリート材料と密着し、棒状中子の引き抜きが困難になるというおそれがある。
【0005】
また、特許文献1においては、底板面に対して直交する方向に立設されている棒状中子の構成のみについて説明がなされているのみである。
複数のコンクリートブロックどうしを連結してコンクリート構造物を構築する際は、さまざまな配列でコンクリートブロックを連結することがある。例えば、コンクリートブロックを積み上げることにより護岸工を構築する場合においては、コンクリートブロックは水面に対して傾斜させた状態(河川敷へつながる法面に沿った状態)で積み上げることが多い。このような場合においては、コンクリートブロックに形成すべき挿通孔の軸線はコンクリートブロックを積み上げる法面に対して平行となるように形成する必要がある。しかしながらこのようにコンクリートブロックの高さ方向において傾斜した状態で延伸する挿通孔は、特許文献1に記載されている方法をもってしても、即時脱型方式を適用することができず、効率的なコンクリートブロックの製造ができないといった課題がある。
【0006】
そこで本願発明は、複数のコンクリートブロックどうしを連結するための緊張材を挿通するための貫通孔を有するコンクリートブロックを即時脱型法により効率的に製造することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため本願発明は以下の構成を有する。
すなわち、即時脱型によりコンクリートブロックを製造する際に、型枠内に配設することでコンクリートブロックの高さ方向に延伸する貫通孔を形成するためのコア部材であって、前記貫通孔の内壁面の一部を構成する内壁面体と、前記内壁面体に接離動可能であると共に外壁面の一部により前記貫通孔の内壁面の他部を構成する内壁面ブロックと、前記内壁面ブロックを前記内壁面体に対して接近する方向に付勢する付勢部材と、前記型枠外部から前記型枠内部に進入させて外周面により前記内壁面ブロックを押圧することにより、前記付勢部材による付勢力に抗して前記内壁面ブロックを前記内壁面体から離反させるロッドと、を有し、前記型枠および前記内壁面体の壁面の一部には、前記型枠内で形成すべき貫通孔の深さ方向と直交する方向に、前記ロッドが挿抜可能な切欠部が形成されていることを特徴とするコンクリートブロック成形型枠用コア部材である。
【0008】
また、他の発明として、駆動機構に連結された天板と、前記天板に配設され、前記天板から分離可能な側壁体と、を有し、前記側壁体には、対向する側壁部の外壁面と内壁側とを連通する連通部が形成されていて、前記天板および前記側壁体により形成された空間内に、上述のコンクリートブロック成形型枠用コア部材が、前記連通部の位置に前記切欠部の位置を位置合わせして配設されていることを特徴とするコンクリートブロック成形型枠の発明とすることもできる。
【0009】
また、他の発明として、上述のコンクリートブロック成形型枠を形成する工程と、前記コンクリートブロック成形型枠の側壁に形成された連通部から前記コンクリートブロック成形型枠用コア部材に形成された切欠部に向けてロッドを挿入し、前記内壁面ブロックを付勢力に抗して前記内壁面体の内部位置から外部位置に離反させることにより、前記コンクリートブロック成形型枠内にコンクリートブロックの成型用空間を形成する工程と、 前記成型用空間にコンクリート材料を投入すると共に、前記コンクリートブロック成形型枠内のコンクリート材料を締め固めする工程と、前記ロッドを前記切欠部および前記連通部からそれぞれ挿抜させることにより、前記内壁面体の平面領域外側に位置していた前記内壁面ブロックを前記内壁面体の平面領域内に付勢力によって復帰させる工程と、前記コンクリートブロック成形型枠用コア部材および前記側壁体を台座から分離させる工程と、前記成型用空間内で成形されたコンクリートブロックを取り外す工程と、を有していることを特徴とするコンクリートブロックの製造方法の発明とすることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかるコンクリートブロック成形型枠用コア部材およびコンクリートブロック成形型枠と、これらを用いたコンクリートブロックの製造方法によれば、コンクリートブロックの高さ方向において傾斜する方向に延伸する挿通孔を具備するコンクリートブロックであっても即時脱型方式により効率的に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態において製造するコンクリートブロックの正面図である。
【図2】本実施形態において製造するコンクリートブロックの平面図である。
【図3】図2中のA−A線における断面図である。
【図4】本実施形態におけるコンクリートブロック成形型枠用コア部材の側面図である。
【図5】本実施形態におけるコンクリートブロック成形型枠用コア部材の底面図である。
【図6】図4に示すコンクリートブロック成形型枠用コア部材にロッドを挿入した状態を示す側面図である。
【図7】本実施形態におけるコンクリートブロック成型用型枠の側面図である。
【図8】本実施形態におけるコンクリートブロック成型用型枠の平面図である。
【図9】本実施形態におけるコンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
【図10】本実施形態におけるコンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
【図11】本実施形態におけるコンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
【図12】本実施形態におけるコンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
【図13】本実施形態におけるコンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
【図14】本実施形態におけるコンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかるコンクリートブロック成形型枠用コア部材とこれを備えるコンクリートブロック成形型枠と、これらを用いたコンクリートブロックの製造方法について実施形態に基づいて説明する。図1は、本実施形態において製造するコンクリートブロックの正面図である。図2は、本実施形態において製造するコンクリートブロックの平面図である。図3は、図2中のA−A線における断面図である。本実施形態においては、護岸工に用いられるコンクリートブロックについて説明をおこなうことにする。
【0013】
(コンクリートブロック)
本実施形態におけるコンクリートブロック10は、護岸工に用いて好適なものであって、河川の法面における法尻近傍位置から法面に沿って延伸させた緊張材を貫通孔に挿通させながら階段状に積み重ねて配設し、積み重ね方向に一体化されるものである。
図1に示すように、コンクリートブロック10は、河川側壁面11と、法面側壁面12と、河川側壁面11と法面側壁面12とを連結する連結部13とを有している。河川側壁面11は、護岸工を構築した後に視認可能な部分であるため、模様等装飾がなされている。これに対して法面側壁面12は、河川側壁面11よりも幅寸法が小さく形成されている。本実施形態におけるコンクリートブロック10の法面側壁面12は、将来視認されない部位であるため装飾はなされていない。
【0014】
連結部13には、コンクリートブロック10が設置される法面に対して平行な方向に延伸する(コンクリートブロック10の設置面に対して傾斜しながらコンクリートブロック10の高さ方向に延伸する)貫通孔14が形成されている。本実施形態におけるコンクリートブロック10に形成された貫通孔14は、平面視形状が角部に円弧状部を有する略矩形形状に形成されている。貫通孔14の内部空間には、コンクリートブロック10を積み上げる際において、砕石と共に緊張材である鉄筋が配設される。貫通孔14に配設される砕石の充てん量および鉄筋の長さは、コンクリートブロック10の積み上げ高さに応じて適宜設定することができる。また連結部13の上面には、河川側壁面11に対して平行方向に延びる凹部15が形成されている。
本実施形態における貫通孔14および凹部15の形状はあくまでも一例であり、貫通孔14および凹部15の形状は、本実施形態で示した形状に限定されるものではない。
【0015】
(コンクリートブロック成形型枠用コア部材)
次に、図1に示すコンクリートブロックを即時脱型方式で形成する際に用いて好適なコア部材について説明する。図4は、本実施形態におけるコンクリートブロック成形型枠用コア部材の側面図である。図5は、本実施形態におけるコンクリートブロック成形型枠用コア部材の底面図である。
以下、コンクリートブロック成形型枠用コア部材のことを単にコア部材ということがある。コア部材20は、コンクリートブロック製造用型枠内に収容され、貫通孔14を有するコンクリートブロック10を形成するためのものである。なお、本実施形態においては、図3に示す状態のコンクリートブロック10の上下を逆にした状態で形成するコア部材について説明を行う。
【0016】
本実施形態におけるコア部材20は、天板21と、溶接等により天板21と一体となるように形成された内壁面体22と、天板21の平面領域内外に移動自在な内壁面ブロック23とを有している。貫通孔14の内壁面のうち3面を構成する内壁面体22は、図5に示すように略コ字状に形成されている。コ字状に形成された内壁面体22の両端縁部をなす面22A,22Bには、図3の断面図に示すコンクリートブロック10の凹状部15を形成するための切欠部24が形成されている。
【0017】
内壁面ブロック23は、内壁面体22と共に貫通孔14の内壁面の一部を構成する内壁面構成面23Aと、内壁面構成面23Aと対向し、後述するロッドが当接するロッド当接面23Bとを有している。また、内壁面体22において、内壁面構成面23Aとこれに対向する位置の壁面22Cとは互いに平行となるように形成されている。
【0018】
コア部材20の内側空間には、両端縁が内壁面体22と内壁面ブロック23とにそれぞれ連結された付勢部材25が配設されている。内壁面ブロック23は、付勢部材25の付勢力により内壁面体22に接近する方向に付勢されている。本実施形態における付勢部材25はつるまきばねが用いられている。付勢部材25としてのつるまきばねは、内壁面ブロック23全体が天板21の平面領域内に位置した状態では内壁面ブロック23に付勢力が作用しない長さ寸法に形成されている。付勢部材25としては、つるまきばねの他にも公知のものを適用することができる。内壁面ブロック23は、付勢部材25による付勢力により、その平面領域の全部がコア部材20における天板21の平面領域内に収められた状態が基本状態(当初状態)である。このとき、コア部材20を正面視すると、内壁面ブロック23の内壁面構成面23Aと対向する位置にある壁面23Bは切欠部24の切欠部分に重複する配置になっている。
【0019】
内壁面ブロック23のうち切欠部24の位置に重複配置されている部位は、後述する型枠の連通部から挿入されたロッドRDが当接する当接部として機能する。ロッドRDが切欠部24に挿入されると、壁面23BがロッドRDにより切欠部24内位置から押し出される。すなわち、付勢手段25による付勢力に抗して内壁面ブロック23が内壁面体22から離反する方向(図4、図5の水平の矢印方向)にスライド移動することになる。内壁面ブロック23のスライド移動量は、切欠部24への壁面23Bの重複進入量により設定することができる。また、ロッドRDの切欠部24に挿入する側の先端部は、テーパ形状に形成されている。これにより、ロッドRDの先端部が切欠部24と壁面23Bとの間に進入しやすくなり、内壁面ブロック23が内壁面体22から離反する方向のスライド移動を円滑に始動させることができるため好都合である。
【0020】
また、内壁面体22において、内壁面ブロック23がスライド移動する方向に平行な壁面22A,22Bの内側には、ガイドレール26が配設されている。内壁面ブロック23には天板21の下面とガイドレール26の上面との間で転動自在なローラ27が配設されている。ローラ27は、付勢部材25であるつるまきばねの一端縁が係合された係合部28の上下面にそれぞれ配設されている。内壁面ブロック23は、天板21とガイドレール26との間に配設され、天板21の下面およびガイドレール26の上面で転動するローラ27,27を有しているので、内壁面ブロック23は内壁面体22に対して常に同じ平面内で円滑に接離動させることができる。すなわち、ロッドRDを抜き取った後は、内壁面ブロック23を必ず当初位置に復帰させことができる。
【0021】
(コンクリートブロック成形型枠)
次に以上に説明したコンクリートブロック10を以上に説明したコア部材20を用いて形成するためのコンクリート成形型枠について説明する。図7は、本実施形態におけるコンクリートブロック成形型枠の概略構成を示す側面図である。図8は、図7の平面図である。
図7に示すように、コンクリートブロック成形型枠40は、台座42と、台座42の上面に配設され2分割以上に分解可能な側壁部44とを有している。台座42および側壁部44は、それぞれ図示しない駆動機構に連結されていて、それぞれが独立して移動自在に設けられている。
【0022】
側壁部44にはコア部材20の切欠部24に対応する部位に側壁部44の外部と内部とを連通する連通部46が形成されている。この連通部46には、内壁面ブロック23をスライド移動させるためのロッドRDが挿抜される。コンクリートブロック成形型枠40は、連通部46にロッドRDが挿入された状態の側壁部44と、台座42とにより囲まれた空間によりコンクリート材料の充てん空間(成形空間)を形成する。
【0023】
(コンクリートブロックの製造方法)
図9〜図14は、本実施形態における上記コンクリートブロックを成形する際の各工程における状態を示す説明図である。
先ず、図9に示すように、コンクリートブロック成形型枠40(以下、単に型枠40という)の内部空間に、コア部材20をセットする。コア部材20は、コア部材の切欠部24の位置を型枠40の連通部46の位置に位置合わせした状態で配設される。次いで、図10に示すように、連通部46から型枠40の外部から内部に配設されたコア部材20の切欠部24にロッドRDを挿入する。切欠部24にロッドRDが挿入されると、切欠部24の位置に重複する配置状態にある当接部としての壁面23Bは、ロッドRDの外周面の一部に当接して図11に示すようにロッドRDの挿入方向と水平方向に直交する方向(内壁面体22から離反する方向)にスライド移動し、壁面23Aを天板21の平面領域外に突出させた状態にする。
【0024】
切欠部24に挿通されたロッドRDは、付勢手段であるつるまきばね25の付勢力に抗するストッパとして機能する。したがって、少なくとも壁面23Aの一部を天板21の平面領域外にスライド移動させた状態を維持することが可能である。このようにして、コンクリートブロック10に形成すべき貫通孔14の内壁面が、コア部材20の内壁面体22および内壁面ブロック23の壁面23Aにより形成される。
型枠40とコア部材20とにより形成されたコンクリートブロック成型用の空間に図12に示すようにコンクリート材料50を供給する。型枠40の内部空間に配設されたコア部材20には貫通孔14の平面位置に天板21が配設された状態であるから、貫通孔14の内部空間にコンクリート材料50が混入することはない。型枠40内に供給されたコンクリート材料50には振動発生手段や加圧手段により振動や加圧力が付与され締め固め処理が行われる。
【0025】
型枠40内のコンクリートブロック成形用の空間内のコンクリート材料50が締め固められた後、型枠40の連通部46(コア部材20の切欠部24)からロッドRDが引き抜かれる。ロッドRDが引き抜かれると、図13に示すように、コア部材20の内壁面ブロック23が、つるまきばねの付勢力により天板21の平面領域外の位置から平面領域内の位置に復帰する。内壁面ブロック23は、内壁面体22に付勢方向に沿った配置に設けられたガイドレール26上をローラ27が転動する構成を具備しているため、内壁面ブロック23は円滑に且つ確実に当初位置(天板21の平面内領域に内壁面ブロック23が完全に収められた状態)に復帰するのである。
【0026】
このように内壁面ブロック23が当初位置に復帰すると、コア部材20全体としての平面領域が天板21の平面領域内に収容することができる。このようなコア部材20であれば、図14に示すように、台座42から側壁部44を分離させた後、台座42からコア部材20を上方に抜き出す(分離させる)ことができる。これにより即時脱型方式の型枠40であっても、傾斜状態の貫通孔14を有するコンクリートブロック10を効率的に製造することが可能になる。台座42の上面に残存しているコンクリートブロック10は、台座42ごと図示しないストックヤードまで搬送された後、台座42と共に、または、台座42から取り出された状態で保管されることになる。
台座42からコンクリートブロック10が取り出された場合には、台座42を当初位置(コンクリート材料が投入される位置)に戻し、台座42からコンクリートブロック10を取り出さない場合には、別体の台座42を当初位置に配設し、以上の工程を繰り返すことができる。
【0027】
以上に本願発明かかるコンクリートブロック成形型枠用コア部材およびこれを有するコンクリートブロック成形型枠と、これらを用いたコンクリートブロックの製造方法について説明をしてきたが、本願発明は、以上の実施形態に限定されるものではないのはもちろんである。例えば、本実施形態においては、コンクリートブロック10の具体例として、護岸用コンクリートブロックについて説明しているが、本願発明にかかるコンクリートブロック10は、この形態に限定されるものではない。要は、コンクリートブロック10に設けられている貫通孔14がコンクリートブロック10の載置面に対して傾斜する方向(コンクリートブロック10の高さ方向に傾斜した状態で)に延伸している構成を有していれば、護岸用コンクリートブロック以外としても用途があるのはもちろんである。
【0028】
また、本実施形態におけるコア部材20は、内壁面体22に対して内壁面ブロック23が接離動するスライド量が、内壁面ブロック23の当初状態における切欠部24とのスライド方向の重複量により規定されているが、切欠部24に挿入するロッドRDの外周面にロッドRDの径方向に突出する突起を形成すれば、内壁面ブロック23の当初状態における切欠部24との重複量以上に内壁面ブロック23をスライドさせることもできる。
【0029】
さらに、本実施形態で説明したコンクリートブロック製造方法では、コンクリートブロック成形型枠40を脱型する際に、台座42上の側壁部44を分解した後にコア部材20を引き抜く手順を示しているが、台座42から側壁部44を分解する前にコア部材20を引き抜く手順を採用してもよい。
さらにまた、本実施形態におけるコンクリートブロック成形型枠40では、コンクリートブロック10を上下反転させた状態で一工程につき一個のコンクリートブロック10を成形する構成について説明しているが、一工程あたりに複数個のコンクリートブロック10,10,・・・を同時に成形することが可能なコンクリートブロック成形型枠40とすることができるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0030】
10 コンクリートブロック
11 河川側壁面
12 法面側壁面
13 連結部
14 貫通孔
15 凹部
20 コア部材
21 天板
22 内壁面体
23 内壁面ブロック
23A 内壁面構成面
23B 壁面
24 切欠部
25 付勢部材(つるまきばね)
26 ガイドレール
27 ローラ
28 係合部
40 コンクリートブロック成形型枠
42 台座
44 側壁部
46 連通部
50 コンクリート材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
即時脱型によりコンクリートブロックを製造する際に、型枠内に配設することでコンクリートブロックの高さ方向に延伸する貫通孔を形成するためのコア部材であって、
前記貫通孔の内壁面の一部を構成する内壁面体と、
前記内壁面体に接離動可能であると共に外壁面の一部により前記貫通孔の内壁面の他部を構成する内壁面ブロックと、
前記内壁面ブロックを前記内壁面体に対して接近する方向に付勢する付勢部材と、
前記型枠外部から前記型枠内部に進入させて外周面により前記内壁面ブロックを押圧することにより、前記付勢部材による付勢力に抗して前記内壁面ブロックを前記内壁面体から離反させるロッドと、を有し、
前記型枠および前記内壁面体の壁面の一部には、前記型枠内で形成すべき貫通孔の深さ方向と直交する方向に、前記ロッドが挿抜可能な切欠部が形成されていることを特徴とするコンクリートブロック成形型枠用コア部材。
【請求項2】
前記内壁面ブロックにおいて前記貫通孔の内壁面を構成する外壁面と、これに対向する前記内壁面ブロックの壁面は、前記コンクリートブロックの高さ方向において共に傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリートブロック成形型枠用コア部材。
【請求項3】
前記内壁面ブロックには、ローラが設けられていて、
該ローラは、前記内壁面体に取り付けられたガイドレール上を転動可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリートブロック成形型枠用コア部材。
【請求項4】
前記切欠部は、コンクリートブロックの外形形状の一部を構成していることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のコンクリートブロック成形型枠用コア部材。
【請求項5】
駆動機構に連結された天板と、
前記天板に配設され、前記天板から分離可能な側壁体と、を有し、
前記側壁体には、対向する側壁部の外壁面と内壁側とを連通する連通部が形成されていて、
前記天板および前記側壁体により形成された空間内に、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のコンクリートブロック成形型枠用コア部材が、前記連通部の位置に前記切欠部の位置を位置合わせして配設されていることを特徴とするコンクリートブロック成形型枠。
【請求項6】
請求項5記載のコンクリートブロック成形型枠を形成する工程と、
上述のコンクリートブロック成形型枠を形成する工程と、前記コンクリートブロック成形型枠の側壁に形成された連通部から前記コンクリートブロック成形型枠用コア部材に形成された切欠部に向けてロッドを挿入し、前記付勢部材による付勢力に抗して少なくとも前記内壁面ブロックの一部を前記天板の平面領域の外方位置まで離反させることにより、前記コンクリートブロック成形型枠内にコンクリートブロックの成型用空間を形成する工程と、
前記成型用空間にコンクリート材料を投入すると共に、前記コンクリートブロック成形型枠内のコンクリート材料を締め固めする工程と、
前記ロッドを前記切欠部および前記連通部からそれぞれ引き抜きすることにより、前記天板の平面領域外方位置に位置していた前記内壁面ブロックを、前記天板の平面領域内に付勢力によって復帰させる工程と、
前記コンクリートブロック成形型枠用コア部材および前記側壁体を台座から分離させる工程と、前記成型用空間内で成形されたコンクリートブロックを取り外す工程と、を有していることを特徴とするコンクリートブロックの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−83924(P2011−83924A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236825(P2009−236825)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(591077357)
【Fターム(参考)】