説明

コンクリート用砕砂と、砕砂の整粒方法および装置

【課題】 高品質の砕砂と、そのような高品質の砕砂を製造することができる砕砂整粒方法および装置を提供する。
【解決手段】 人工的に加工された砕砂であって、十分に水洗いを行いながらふるい分け、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたものの粒形判定実績率が59%以上(好ましくは60%以上)であるコンクリート用砕砂を作る。ハウジングの入口シュートと出口シュートの間に上下方向に貫通するようにシャフトを設ける。そのシャフトに複数のインペラーを多段に固定し、各インペラーに誘導用の羽根を設ける。これらのインペラーをハウジング内でシャフトと一緒に回転させながら、砕砂の原料を入口シュートから供給して、ハウジング内で回転する多段のインペラーの各羽根によって順次整粒し、整粒された砕砂を出口シュートから排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工的な細骨材つまり砕砂、とくに水とセメントで混ぜ合わせて結合硬化させてコンクリートを作るための砕砂と、砕砂を整粒する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、現状のコンクリートとその問題点を説明する。
【0003】
最近、コンクリートの欠陥が社会問題化してきている。とくに、耐久性、クラック、剥離のコンクリート欠陥が問題になっている。
【0004】
これらの欠陥の多くは、使用しているコンクリート用細骨材に起因している。
【0005】
一般に、天然の良質の砂が多量に採れていた時代に作られたコンクリートに比較して、近年のコンクリートの品質は、あまり良くない。なぜならば、使用される細骨材の質が悪いからである。
【0006】
細骨材(砂)一つ一つの粒子が丸ければ、必要最小限のセメントと水で粘性が高く且つブリージングのない良質な生コンクリートが得られる。この様な高品質の生コンクリートを打設すると、材料の分離がなく、型枠内に均一に生コンクリートが行き渡る。そのため、乾燥収縮の少ない良質なコンクリートが形成される。
【0007】
天然の良質な砂が枯渇してきた現在では、人工的に作られた細骨材、つまり砕砂が多く用いられるようになってきた。砕砂は、主として石を砕いて人工的に作るため、粒形が良くない。たとえば、エッジがたち、丸みがない。そのため、それらを使用した生コンクリートは、流動性(スランプ)が悪い。これをカバーすべく石粉を入れ、その分だけ水を多くして、流動性(スランプ)を確保している。しかし、このような低品質の生コンクリートを使用すると、乾燥収縮が大きくなり、それがクラックの発生要因になる。
【0008】
次は、現状の細骨材とその問題点を説明する。
【0009】
コンクリート用の細骨材として求められる特性は、比重、吸水率、アルカリ骨材反応性等の他に、粒形と粒度分布の2つの重要な要素がある。
【0010】
天然に産出する砂は、比較的角が取れて、丸みを帯びた粒形の良い砂が多い。しかし、天然に産出する砂は、粒度分布の偏りが多い。そのため、天然の砂は、単味で使用できるものが少ない。そこで、天然に産出する砂は、幾つかの種類のものをブレンドして使用するのが一般的である。
【0011】
ただし、天然の砂であっても、最近、品質が劣化してきている。しかも、低品質の天然の砂でさえも、地域的には入手しにくくなりつつある。そのため、砕砂の役割が重要になってきているのである。
【0012】
人工的に破砕して作る砕砂は、粒形の点で問題があるものの、比較的粒度分布をあわせ易いため、その長所が重視されて、現在、多く使われ出して来ている。
【0013】
しかし、まだ、その期待に応えるべき良質の砕砂を製造できないのが現状である。
【0014】
従来の砕砂とその問題点をさらに詳細に説明する。
【0015】
従来、砕砂作りの技術上のポイントは、専ら効率性に置かれてきた。
【0016】
ごく一部で、天然砂の枯渇化がすすむとともに、砕砂の品質改善(特に粒形改善)が取り組みだされてきてはいるが、大量の砕砂の粒子を一つずつ丸くすることは技術的に難しい。特に、大量のエネルギー消費と大量の石粉発生の問題が解決できていない。たとえば、現状では、20t/h以上の実生産能力を有するプラントでは、せいぜい粒形判定実績率58%(JISA5005の5.8に規定する試験法による)までである。
【0017】
市場で要求される生コンクリートの配合上の重要なポイントは、強度であるが、その他に、流動性(スランプ)をあげることができる。流動性(スランプ)は、主として使用単位水量で調整されるが、むやみに使用水量を増やすと、乾燥収縮の問題が発生する。そのため、各品質規格値における使用単位水量はコンクリート標準仕様書で決められている。
【0018】
現状で最善とされているのは、粒形判定実績率58%の砕砂であるが、これでは、所定の単位水量で所望の流動性が得られず、そのため、単味使用は出来ない。砕砂の全面利用が出来ないのである。このような現状では、天然砂の枯渇の基本的な解決策はないと言える。
【0019】
日本建築学会も、このことを重要視して、各品質規格値における許容単位水量を求めている。例えば、あらゆるスランプにおいて185L/m3以下としている。砕砂のみを細骨材として用いて、この条件を満たして良質の生コンクリートを製造することは、実際上きわめて困難である。
【0020】
従来の製砂機は、次のような問題点を有し、所望の砕砂を製造できなかった。
【0021】
まず、インペラータイプの従来の製砂機について述べる。たとえば特許文献1〜2を参照。
【0022】
このタイプの製砂機の構造は、インペラータイプのポンプと同様である。これを縦型として配置し、高速で回転するインペラーの中央部に上部より原料を供給する。すると、原料は、回転中のインペラーより遠心方向に放出される。その際、砕砂同士を衝突させて、破砕と整粒の両方を行う。インペラーの周囲には、ケーシングの内面が位置し、そこにデッドストック部が作られている。
【0023】
このようなインペラータイプのものは、従来、インペラーによる作用は1段が限界であった。整粒よりも、むしろ破砕が主であるので、回転スピードを高くする必要がある。そのため、整粒作用時に余分な石粉が発生する。破砕と整粒の両方の効果を上けるために、2.5mmないし3.0mm以上のサイズの一部を循環させることもあるが、多くの部分は、1〜2回の破砕・整粒作用を受けるだけで機外に搬出される。それゆえ、必要単位水量をクリアー出来るような良質の砕砂は製造出来なかった。
【0024】
従来の製砂機は、磨耗対策上、インペラーを肉厚にしているため、インペラーの重量が嵩み、バランスの調整が困難である。
【0025】
次は、ボールミルタイプの従来の製砂機について述べる。
【0026】
ボールミルタイプのものは、大型のドラムに鋼球と原料を入れて破砕と整粒を実施するものである。このタイプのものは、基本的に湿式が原則となる。破砕効果は期待できるが、微小ボールを入れないので、整粒効果は限定的となる。仮に微小ボールを入れるとすると、整粒は出来ても、エネルギー効率が悪い。石粉の発生も多くなる。
【0027】
次は、ケージミルタイプの従来の製砂機について述べる。
【0028】
ケージミルタイプの製砂機は、同心円状に多数のピンを並べて複数列つくり、各列をそれぞれ逆方向に高速回転させることにより、ピンによる衝撃破砕と同時に材料同士が乱流中で衝突することによる整粒作用を狙ったタイプである。破砕効果は十分に発揮するが、整粒作用は十分でない。
【0029】
以上述べた従来の製砂機を整理すると、破砕作用の確保は比較的容易で、既にそれを達成する機械は存在するが、整粒作用の確保は非常に難しく、これを充足する機械が実現されていない。
【0030】
破砕と整粒のメカニズムは明らかに異なるにもかかわらず、従来の製砂機は、両方の効果を期待するあまり、良質の砕砂を作れない欠点がある。
【特許文献1】国際公開番号02/013971
【特許文献2】特開平11−28376号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明の目的は、高品質の砕砂と、そのような高品質の砕砂を製造することができる砕砂整粒方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0033】
(1) 人工的に加工された砕砂であって、粒形判定実績率(すなわち、十分に水洗いを行いながら、ふるい分けをし、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたものの粒形判定実績率)が、59%以上であり、その粒形判定実績率は、次の式によって算出することを特徴とするコンクリート用細骨材。
【数3】

【0034】
ここに、G:粒形判定実績率(%)
T:試料の単位容積質量(kg/l)
:絶乾比重
(2) 人工的に加工された砕砂であって、粒形判定実績率(すなわち、十分に水洗いを行いながら、ふるい分けをし、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたものの粒形判定実績率)が、60%以上であり、その粒形判定実績率は、次の式によって算出することを特徴とするコンクリート用細骨材。
【数4】

【0035】
ここに、G:粒形判定実績率(%)
T:試料の単位容積質量(kg/l)
:絶乾比重
(3) ハウジングの上下方向にシャフトを設け、そのシャフトに複数のインペラーを多段に固定し、各インペラーに羽根を設け、これらのインペラーをハウジング内でシャフトと一緒に回転させながら、原料として砕砂を上方からハウジング内に供給して、ハウジング内で回転する複数のインペラーの各羽根によって各段で砕砂を順次整粒し、最終段で整粒された砕砂をハウジングから排出する構成にしたことを特徴とする砕砂整粒装置。
【0036】
(4) 羽根が、インペラーの外周方向に砕砂を誘導して放出する羽根部と、インペラーの中心方向に砕砂を誘導する羽根部を有することを特徴とする前述の砕砂整粒装置。
【0037】
(5) 羽根が先端部にデッドストック部を有することを特徴とする前述の砕砂整粒装置。
【0038】
(6) 吸引部が、ハウジングの上方に設けられていて、ハウジング内に存在する原料のうち微小のものを吸引してハウジングの外部に排出することを特徴とする前述の砕砂整粒装置。
【0039】
(7) ハウジングの上方部と下方部にそれぞれ入口シュートと出口シュートを設けたことを特徴とする前述の砕砂整粒装置。
【0040】
(8) ハウジングの上段、中段、下段に設けられた多段のインペラーがハウジング内で一緒に回転し、砕砂が、原料として、回転している上段のインペラーに供給され、その上段のインペラーの羽根によって、ハウジングの内周面に設けられた上段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの上段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの上段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、中段のインペラーに誘導されて、その中段のインペラーの羽根によって、ハウジングの中段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの中段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、下段のインペラーに誘導されて、その下段のインペラーの羽根によって、ハウジングの下段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの下段のデットストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの下段のデッドストック部に滞留してから流下することを特徴とする砕砂整粒方法。
【0041】
(9) 砕砂が、原料として、回転している上段のインペラーに供給され、その上段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの内周面に設けられた上段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの上段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの上段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、中段のインペラーの中心方向に誘導されてから、その中段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの中段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの中段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、下段のインペラーの中心方向に誘導されてから、その下段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの下段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの下段のデットストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの下段のデッドストック部に滞留してから流下することを特徴とする砕砂整粒方法。
【0042】
(10) 砕砂が、原料として、回転している上段のインペラーに供給され、その上段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの内周面に設けられた上段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングのデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの上段のデッドストック部に滞留していた原料は、流下して、中段のインペラーに形成されたデッドストック部に誘導されて、その中段のインペラーのデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、さらに、ハウジングの中段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた原料は、流下して、下段のインペラーのデッドストック部に誘導されて、その下段のインペラーのデッドストック部によって、ハウジングの下段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの下段のデットストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、そのハウジングの下段のデッドストック部に滞留してから流下することを特徴とする砕砂整粒方法。
【0043】
(11) ハウジング内に存在する原料のうち、微小のものを吸引して、ハウジングの外部に排出することを特徴とする前述の砕砂整粒方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明による細骨材は、人工的に製造されたコンクリート用細骨材つまり砕砂(JISA5005による砕砂)であり、好ましくは、JISA5005に規定する粒形判定実績率試験による粒形判定実績率が59%以上(好ましくは60%以上)のコンクリート用細骨材である。
【0045】
たとえば、人工的に加工された砕砂であって、十分に水洗いを行いながら、ふるい分けを実施し、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたものの粒形判定実績率(G)が59%以上(好ましくは60%以上)である。
【0046】
ここで、粒形判定実績率は、次の式によって算出する。
【数5】

【0047】
式中、G:粒形判定実績率(%)
T:試料の単位容積質量(kg/l)
:絶乾比重
本発明による細骨材は、日本建築学会(JACC)で規定する単位水量をクリアーするコンクリート用細骨材とすることができる。
【0048】
整粒の際に使用する原料は、砕砂である。そのような砕砂は、砕石、廃棄コンクリート、廃棄ガラス、熔融スラグ、高炉砕その他から製造することができる。
【0049】
好ましくは、本発明による砕砂は、整粒専用の砕砂整粒装置によって製造する。そのような砕砂の整粒専用装置は、時間5トン以上の処理能力を有するものとし、連続してコンクリート用砕砂を整粒することが好ましい。
【0050】
整粒のポイントは、整粒のときに、原料の破砕を極力避けて整粒のみを行い、粒形を出来るだけ真球にすることである。一定の粒度分布の基で粒子が球形に近い形状になっていれば、充填率が上がり、空隙が減り、その分だけセメントの使用量も減り、使用する水も減らすことが出来る。それと同時に、生コンクリートの良好な流動性を確保することができる。
【0051】
コンクリート用細骨材を作る際には、粒度分布と同等に、粒形を整えることが重要である。
【0052】
好ましくは、砕砂の粒子は1トンあたり約4億個の粒子数とする。仮に1時間当り100tの率で砕砂を作ると、1秒あたり11,000,000個の数となりうる。このように多数の粒子の角を落として丸みをもたせるには、それぞれの粒子に運動エネルギーを与え、粒子同士を衝突させることが好ましい。確率的には粒子に出来るだけ多くの衝突機会を持たせることが大事で、多ければ多いほど丸みが増し、良質な砕砂が出来る。
【0053】
砕砂の粒子一つ一つの角を落として瞬時に丸みをもたせるには、それぞれの砕砂に高い運動エネルギーを与えて、粒子同士を衝突させて角を落とすことが好ましい。たとえば、具体的には、ハウジング内で高速回転するインペラーによって砕砂をハウジング内面のデッドストック部に放出して、そこに滞留する砕砂の層に衝突させる。つまり、砂同士を衝突させる。これにより、破砕を極力避けて整粒のみを行い、瞬時に大量の整粒をする。
【0054】
整粒に際して、消費電力を節約する観点から、良質の砕砂は、本発明の新規な整粒方法および装置によって製造するのが好ましいが、従来の製砂機械、たとえばインペラーを1段のみ備えたものを使用しても、破砕を回避するように所望の回転数に調節すれば、整粒作用のみが生じ、良質の破砂を製造することが可能である。このときは、砕砂の整粒を同じ機械で複数回くり返すことが好ましい。例えば、6回パスさせて、粒形判定実績率を60%以上とする。ただし、従来の製砂機械では、整粒コストが高くなる。たとえば、1パスあたりの電力原単位は2.93kwH/tを要し、6パスの合計では17.6kwh/tの消費電力量となり、経済的にコスト高となる。
【0055】
次のような対策をすると、消費電力の節約が可能である。
【0056】
砕砂を整粒してコンクリート用細骨材として用いる場合、全ての砕砂の粒子を丸くする必要はなく、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを整粒すれば、十分に使用できるものとなる。そうすれば、日本建築学会より指摘されている単位水量を十分確保できる。
【0057】
それゆえ、整粒する原料は、整粒の前に、予め篩い分けて、そのようなもの(つまり呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるもの)に限定するのが好ましい。原料のふるい分けは、砕砂整粒装置の内部(たとえばハウジングの上部)で実施してもよいし、砕砂整粒装置の外部で予め実施してもよい。
【0058】
このような所定のサイズの原料のみを整粒すると、石粉ないしは微砂が粒子間の衝突時に不要な石粉の発生を抑えるばかりでなく、衝突時のショックアブソーバーとならないため、整粒効果が向上する。その結果、電力消費量を低減できる。
【0059】
耐磨耗対策としてインペラをセラミックで作ることが好ましい。これにより、インペラーは軽量化が図られる。この場合、インペラーの多段化が容易となる。さらに、インペラーの耐磨耗特性を十分発揮させるために、特にセラミックの中でも窒化珪素を使用すると、ハイクロム鋳鉄のインペラーに比較して40倍以上の耐磨耗特性を発揮する。この場合、インペラー本体の母材を大幅に減らすことが出来る。
【0060】
インペラーの特に羽根の外表面をセラミックでカバーすると、磨耗対策が可能となるだけでなく、軽量化が図られ、電力消費が低減できる。
【0061】
しかも、セラミックを用いてインペラーを軽量化すると、インペラーの個数や各インペラーの羽根の枚数を増やすことが出来る。この場合、インペラーの各羽根から放出される原料は、より均一になり、衝突エネルギーのロスが少なくなる。それゆえ、相乗的に消費電力が低減できる。
【0062】
さらに、上段のインペラーの上方に吸引部を分級機構として内蔵すると、発生する石粉は常にその吸引部を経て外部に搬出されるので、粒子間衝突が効率的におこなわれる。その結果、消費電力が低減できる。
【0063】
整粒装置のシャフトを両端支持の形、たとえば両端をベアリングで支持する形にすると、片持式のものに比較して、シャフトの回転軸心のブレが大幅に低減されるので、さらに電力消費の低減が図られる。
【0064】
必要単位水量をクリアーする良質な砂を作るためには、粒子それぞれが一定回数以上の粒子間衝突を受けることが好ましい。それを可能にするために、一本のシャフトに複数のインペラーを多段に装着する。たとえば、シャフトの上部と下部にそれぞれ1個ずつ上段と下段のインペラーを配置し、それらの上段と下段のインペラーの間に1個以上の中段のインペラーを配置する。
【0065】
入口シュートを介して原料を上から投入し、まず、上段(1段目)のインペラーによって原料をハウジング内面のデッドストック部に向けて放出して、そこで整粒をし、順次、1つ又は複数の中段(2段目〜N段目)のインペラーへ流し、同様の放出と整粒を続けて、最後に、下段のインペラーに流して放出と整粒を実施し、上段、中断、下段において複数回の粒子間衝突を繰り返す。それにより整粒を確実にする。
【0066】
たとえば、上段のインペラーの羽根から放出された原料は、ケーシング側に作られた上段のデッドストック部で粒子間衝突を受ける。その原料は、その上段のデッドストック部に滞留し、その後、下方に流下し、次の中段のインペラーの中心方向に導かれる。その場合、原料は、ハウジングに固定されたガイド板や、中段のインペラーの上側羽根部によって、その中段のインペラーの中心方向に誘導される。原料は、中段のインペラーの途中や中心部から、その中段のインペラーに設けられた外周方向へ誘導用羽根に到り、その誘導用羽根によって外周に向けて誘導され、そのとき加速度が加えられていって、ハウジング内面のデッドストック部に向けて放出される。そのとき、粒子間衝突が生じ、整粒がおこなわれる。つまり、デッドストック部に滞留している砕砂の層に、インペラーの羽根によって放出された砕砂が衝突する。その結果、砕砂は整粒される。
【0067】
中段のインペラーは、1個でも複数個でもよい。
【0068】
最後に、砕砂は、下段のインペラーの外周方向への誘導用羽根からハウジング内面の最下のデッドストック部を経て、出口シュートに流される。
【0069】
以上のメカニズムで、多段のインペラーによる多数回の砕砂同士の衝突により整粒を行い、所定の細骨材を得る。
【0070】
中断や下段のインペラーの誘導用羽根の少なくとも先端領域(つまりハウジングの内面に近い方の端部領域)にデッドストック部を設けることもできる。この場合、ハウジング側のデッドストック部から到来した砕砂が、このインペラー側のデッドストック部に滞留している砕砂と衝突して、その際、整粒作用を受ける。その結果、限られたスペース内において、整粒作用を受ける回数を増やすことが可能となる。
【0071】
本発明においては、上方位置のインペラーより放出された粒子は、ハウジング側のデッドストック部で粒子間衝突をして整粒されたあと、下方位置のインペラーへ乗り継ぐようになっているが、乗り継ぐ方法として、前述の方法のみでなく、以下の方法も可能である。
【0072】
上段から中段、中段から下段というように多段のインペラーに粒子が乗り継ぐ際に、インペラー中心部に集めるためにインペラー中心部に向けて下向きに傾斜した円錐状(テーパー状)の乗り継ぎシュート(ガイド)を設ける。それにより、上方のインペラーより放出された粒子は、ハウジングのデッドストック部で粒子間衝突により整粒され、下方のインペラーにその乗り継ぎシュート(ガイド)によって導かれ、下方のインペラーにより更なる整粒が行われる。要求される粒形に従ってインペラーの段数を設けることにより、容易に目的の産物を大量に作ることが出来る。
【0073】
また、もう一つ別の方法においては、ハウジングの上段デッドストック部より中段インペラー先端部に原料を直接落とす。この時、羽根と粒子が直接衝突しないように羽根に窪みを作る。つまり、インペラー側にもデッドストック部を作る。そのインペラー側のデッドストック部に、常に一定の粒子を滞留させ、この部分でも粒子間衝突による整粒作用をおこなう。その後、羽根によってハウジングのデッドストック部に放出されて、再度、粒子間衝突が起こり、より効率的に整粒作用がおこなわれる。
【0074】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0075】
図1〜2を参照して、本発明の実施例1を説明する。
【0076】
砕砂整粒装置は、ハウジング10の上方部と下方部にそれぞれ小径の細長い入口シュート11と大径のテーパー形状の出口シュート12を有する。ハウジング10の入口シュート11と出口シュート12の間に上下方向に貫通するようにシャフト13を設ける。このシャフト13は、両端支持の形、すなわち、上端と下端がベアリング(図示せず)により支持されており、モータ(図示せず)により回転駆動される形に構成されている。そのシャフト13に複数のインペラー15、16、17が多段に固定されている。各インペラー15、16、17には、誘導用の羽根15a、16a、16b、17a、17bを設ける。これらのインペラー15、16、17を水平の状態でハウジング10内でシャフト13と一緒に回転させる。原料として砕砂を入口シュート11から上段のインペラー15の中心部に供給して、ハウジング10内で回転する複数多段のインペラー15、16、17とハウジング10の内面に形成された複数多段のデッドストック部21、22、23の作用によって順次整粒する。最下段で整粒された砕砂は、出口シュート12から排出される。
【0077】
上段のインペラー15は、1種類の4枚の羽根15aが1枚の円板15dにうず流形に固定されているが、2段目以降の中段および下段のインペラー16、17は、2種類の羽根、すなわち各インペラー16、17の外周方向に誘導する下側羽根部16a、17aと、各インペラー16、17の中心方向に誘導する上側羽根部16b、17bを有する。
【0078】
中段のインペラー16は、図示例では1段のみとされており、図2によく示されているように、2枚の円板16c、16dに2種類の羽根部16a、16bがうず巻き形に4枚ずつセットにして固定されている。すなわち、2枚の円板16c、16dの間に4枚の下側羽根部16aが等間隔に固定されている。上側の円板16cの上側に4枚の上側羽根部16bが等間隔に固定されている。上側の円板16cの中心には貫通した穴16eが形成されている。
【0079】
下段のインペラー17は、前述の中段のインペラー16と実質的に同一の構造を有する。
【0080】
吸引部19が、分級手段として上段のインペラー15の上方に設けられていて、ハウジング10内の原料のうち微小のものを吸引して、ハウジング10の外部に排出する。吸引部19は、全体がほぼドーナツ形になっていて、円筒形の内周壁には穴がなく、外周壁のみに一定の間隔で複数の吸引口19aが形成されている。ハウジング10内で浮上してきた微小の砕砂が、それらの吸引口19aから吸引部19の中に吸引され、吸引部19の出口19bからハウジング10の外部に排出され、所定の場所に搬送される。
【0081】
図中、符号25、26、27は、ハウジング10の各デッドストック部21、22、23に滞留している砕砂層を示している。符号31、32は、ハウジング10の上段および中段のデッドストック部21、22の内周エッジに下向きに傾斜して設けられた円環状のガイドである。
【0082】
前述の砕砂整粒装置の作用を述べる。
【0083】
砕砂が、原料として、まず、回転している上段のインペラー15の中心付近に入口シュート11から供給され、その上段のインペラー15の羽根15aによって外周方向に移送されて、ハウジング10の内周面に設けられた上段のデッドストック部21に向けて放出される。その上段のデッドストック部21から流下した原料は、ガイド31によって案内されて、中段のインペラー16の上側羽根部16bの先端領域に到り、その上側羽根部16bによってインペラー16の中心方向に移送されて穴16eを通って下側羽根部16aの方に落下し、その中段のインペラー16の下側羽根部16aによって移送されてハウジング10の内周面の中段のデッドストック部22に向けて放出される。その中段のデッドストック部22から落下した原料は、ガイド32によって案内されて、下段のインペラー17の上側羽根部17bの先端領域に到り、その上側羽根部17bによってインペラー17の中心方向に移送されて穴から下側羽根部17aに落下し、その下段のインペラー17の下側羽根部17aによって移送されてハウジング10の内周面の下段のデッドストック部23に向けて放出される。整粒された砕砂は、その下段のデッドストック部13から出口シュート12に流下する。
【実施例2】
【0084】
図3〜4を参照して、本発明の実施例2を説明する。
【0085】
砕砂整粒装置は、前述の実施例1と同様に、ハウジング10の上方部と下方部にそれぞれ小径の細長い入口シュート11と大径のテーパー形状の出口シュート12を有する。ハウジング10の入口シュート11と出口シュート12の間に上下方向に貫通するようにシャフト13を設ける。このシャフト13は、両端支持の形、すなわち、上端と下端がベアリング(図示せず)により支持されており、モータ(図示せず)により回転駆動される形に構成されている。そのシャフト13に複数のインペラー15、16、17を多段に固定している。
【0086】
各インペラー15、16、17には、誘導用の羽根15a、16a、17aを設ける。これらのインペラー15、16、17を水平の状態でハウジング10内でシャフト13と一緒に回転させる。原料として砕砂を入口シュート11から上段のインペラー15の中心部に供給して、ハウジング10内で回転する複数多段のインペラー15、16、17とハウジング10の内面に形成された複数多段のデッドストック部21、22、23の作用によって順次整粒する。最下段で整粒された砕砂は、出口シュート12から排出される。
【0087】
上段、中段、下段のいずれのインペラー15も、1種類の4枚の羽根15a、16a、17aが1枚の円板15d、16d、17dにうず流形に固定されている。上段、中段および下段のインペラー15、16、17は、外周方向に誘導する羽根15a、16a、17aのみを有し、各インペラー15、16、17の中心方向に誘導する羽根部を有さない。
【0088】
いずれのインペラー15、16、17も、図4によく示されているように、1枚の円板15dに1種類の羽根15aがうず巻き形に4枚セットにして固定されている。
【0089】
吸引部19が、分級手段として上段のインペラー15の上方に設けられていて、ハウジング10内の原料のうち微小のものを吸引して、ハウジング10の外部に排出する。吸引部19の構成は、実施例1と同じである。
【0090】
図中、符号25〜27は、ハウジング10の各デッドストック部21〜23に滞留している砕砂層を示している。符号33、34は、ハウジング10の上段および中段のデッドストック部21、22の内周エッジに下向きに傾斜して中段および下段のインペラー16、17の中心付近まで延びるように設けられたラッパ状、テーパー状、円錐状等のガイド(乗り継ぎ用のシュートともいえる)である。
【0091】
前述の砕砂整粒装置の作用を述べる。
【0092】
砕砂が、原料として、まず、回転している上段のインペラー15の中心付近に入口シュート11から供給され、その上段のインペラー15の羽根15aによって外周方向に移送されて、ハウジング10の内周面に設けられた上段のデッドストック部21に向けて放出される。その上段のデッドストック部21から流下した原料は、ガイド33によって案内されて、中段のインペラー16の中心領域に到り、その中段のインペラー16の羽根16aによって外周方向に移送されて、ハウジング10の内周面の中段のデッドストック部22に向けて放出される。その中段のデッドストック部22から落下した原料は、ガイド34によって案内されて、下段のインペラー17の中心領域に到り、その下段のインペラー17の羽根17aによって外周方向に移送されて、ハウジング10の内周面の下段のデッドストック部23に向けて放出される。整粒された砕砂は、その下段のデッドストック部13から出口シュート12に流下する。
【実施例3】
【0093】
図5〜6を参照して、本発明の実施例3を説明する。
【0094】
砕砂整粒装置は、実施例1〜2と同様に、ハウジング10の上方部と下方部にそれぞれ小径の細長い入口シュート11と大径のテーパー形状の出口シュート12を有する。ハウジング10の入口シュート11と出口シュート12の間に上下方向に貫通するようにシャフト13を設ける。このシャフト13は、両端支持の形、すなわち、上端と下端がベアリング(図示せず)により支持されており、モータ(図示せず)により回転駆動される形に構成されている。そのシャフト13に複数のインペラー15、16、17を多段に固定している。
【0095】
各インペラー15、16、17には、誘導用の羽根15a、16g、17gを設ける。これらのインペラー15、16、17を水平の状態でハウジング10内でシャフト13と一緒に回転させる。原料として砕砂を入口シュート11から上段のインペラー15の中心部に供給して、ハウジング10内で回転する複数多段のインペラー15、16、17とハウジング10の内面に形成された複数多段のデッドストック部21、22、23の作用によって順次整粒する。最下段で整粒された砕砂は、出口シュート12から排出される。
【0096】
上段のインペラー15は、実施例1〜2と同じ1種類の4枚の羽根15aが1枚の円板15dにうず流形に固定されているが、中段および下段のインペラー16、17は、実施例1〜2のものとは相違する2種類の羽根16g、17gを有する。中段と下段のインペラー16、17は、図6によく示されているように、1枚の円板16dに1種類の羽根部16gがうず巻き形に4枚ずつセットにして固定されている。4枚の羽根16gが等間隔に固定されている。各羽根16g、17gの先端領域には、デッドストック部16h、17hが形成されている。
【0097】
下段のインペラー17と中段のインペラー16とは、実質的に同一の構造を有する。
【0098】
図中、符号25〜27は、ハウジング10の各デッドストック部21〜23に滞留している砕砂層を示している。
【0099】
符号31、32は、ハウジング10の上段および中段のデッドストック部21、22の内周エッジに下向きに傾斜して設けられた円環状のガイドである。
【0100】
前述の砕砂整粒装置の作用を述べる。
【0101】
砕砂が、原料として、まず、回転している上段のインペラー15の中心付近に入口シュート11から供給され、その上段のインペラー15の羽根15aによって外周方向に移送されて、ハウジング10の内周面に設けられた上段のデッドストック部21に向けて放出される。その上段のデッドストック部21から流下した原料は、ガイド31によって案内されて、中段のインペラー16の羽根16gの先端領域のデッドストック部16hに到り、再び、その中段のインペラー16の羽根16gによってハウジング10の内周面の中段のデッドストック部22に向けて放出される。そのハウジング10の中段のデッドストック部22から落下した原料は、ガイド32によって案内されて、下段のインペラー17の羽根17gの先端領域のデッドストック部17hに到り、その下段のインペラー17の羽根部17gによって再びハウジング10の内周面の下段のデッドストック部23に向けて放出される。整粒された砕砂は、その下段のデッドストック部13から出口シュート12に流下する。
【0102】
この実施例3においては、ハウジング10の上段のデッドストック部21に滞留していた原料25は、流下して、中段のインペラー16の羽根16gの先端領域に形成されたデッドストック部16hに誘導されて、その中段のインペラー16のデッドストック部16hに滞留していた砕砂と衝突して整粒される。さらに、ハウジング10の内周面の中段のデッドストック部22に向けて放出され、そのハウジング10の内周面の中段のデッドストック部22に滞留していた砕砂26と衝突して整粒される。そのハウジング10の中段のデッドストック部22に滞留していた原料26は、流下して、下段のインペラー17のデッドストック部17hに誘導されて、その下段のインペラー17のデッドストック部17hによって、ハウジング10の下段のデッドストック部23に向けて放出され、そのハウジング10の下段のデットストック部23に滞留していた砕砂27と衝突して整粒される。
【0103】
インペラー16、17側のデッドストック部16h、17hは、羽根16g、17gの先端の回転前方側に凹部を形成することにより設け、そこに常に一定の粒子を滞留させ、ハウジング10側のデッドストック部21、22から落下してきた粒子が、羽根16g、17gに直接衝突せず、インペラー16、17側のデッドストック部16h、17hに衝突して、この部分でも粒子間衝突による整粒作用を受けるようにしている。
【0104】
前述の実施例1〜3の作用の概略を説明する。
【0105】
ハウジング10内で高速回転するインペラー15、16、17によって砕砂をハウジング10の内面のデッドストック部21、22、23に放出して、そこに滞留する砕砂層25、26、27に衝突させる。これにより、破砕を極力避けて整粒のみを行い、瞬時に大量の整粒をする。つまり、それぞれの砕砂に高い運動エネルギーを与えて、粒子同士を衝突させて角を落として、砕砂の粒子一つ一つの角を落として瞬時に丸みをもたせる。
【0106】
整粒する原料は、整粒の前に、予め篩い分けて、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものに限定する。原料のふるい分けは、砕砂整粒装置の外部で予め実施しておくことが好ましい。
【0107】
このような所定のサイズの原料のみを使用し、かつ、吸引部19によってハウジング10内の微小な粒子を吸引しつづけると、微小な粒子、つまり石粉ないしは微砂が粒子間の衝突時に不要な石粉の発生を抑えるばかりでなく、衝突時のショックアブソーバーとならないため、整粒効果が格段に向上する。
【0108】
出口シュート12から排出される砕砂は、粒形判定実績率(つまり、十分に水洗いを行いながら、ふるい分けをし、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたもの)が、59%以上(好ましくは60%以上)であり、その粒形判定実績率は、次の式によって算出したコンクリート用細骨材である。
【数6】

【0109】
ここに、G:粒形判定実績率(%)
T:試料の単位容積質量(kg/l)
:絶乾比重
このような良質の砕砂のみを販売してもよいし、このような良質の砕砂と他の砕砂とを混ぜた状態で販売してもよい。他の砕砂と混ぜる場合は、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まる砕砂については、本発明による良質の砕砂のみを使用するのが好ましい。
【0110】
本発明は前述の実施例に限定されない。たとえば、円板15b、16b、17bは、平坦なものに限らず、中心に向けて傾斜した形(すり鉢形状やテーパー形状など)にすることもできる。2枚の円板15b、16b、17bの外径を相違させてもよい。上側の円板とハウジング側のデッドストック部との間の環状のガイドを省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施例1による砕砂整粒装置の中心を通る縦断面の一例を示す概略説明図。
【図2】図1の砕砂整粒装置に使用する下段のインペラーの一例を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例2による砕砂整粒装置の中心を通る縦断面の一例を示す概略説明図。
【図4】図3の砕砂整粒装置に使用する上段、中段および下段に共通のインペラーの一例を示す斜視図。
【図5】本発明の実施例3による砕砂整粒装置の中心を通る縦断面の一例を示す概略説明図。
【図6】図5の砕砂整粒装置に使用する中段のインペラーの一例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0112】
10 ハウジング
11 入口シュート
12 出口シュート
13 シャフト
15 上段のインペラー
15a 羽根
15b 板
16 中段のインペラー
17 下段のインペラー
16a、17a 下側羽根部
16b、17b 上側羽根部
19 吸引部
21 上段のデッドストック部
22 中段のデッドストック部
23 下段のデッドストック部
25、26、27 砕砂層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工的に加工された砕砂であって、粒形判定実績率(すなわち、十分に水洗いを行いながら、ふるい分けをし、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたものの粒形判定実績率)が、59%以上であり、その粒形判定実績率は、次の式によって算出することを特徴とするコンクリート用細骨材。
【数1】

ここに、G:粒形判定実績率(%)
T:試料の単位容積質量(kg/l)
:絶乾比重
【請求項2】
人工的に加工された砕砂であって、粒形判定実績率(すなわち、十分に水洗いを行いながら、ふるい分けをし、呼び寸法2.5mmのふるいを通過し、かつ、呼び寸法1.2mmのふるいに留まるものを採り、絶乾状態としたものの粒形判定実績率)が、60%以上であり、その粒形判定実績率は、次の式によって算出することを特徴とするコンクリート用細骨材。
【数2】

ここに、G:粒形判定実績率(%)
T:試料の単位容積質量(kg/l)
:絶乾比重
【請求項3】
ハウジングの上下方向にシャフトを設け、そのシャフトに複数のインペラーを多段に固定し、各インペラーに羽根を設け、これらのインペラーをハウジング内でシャフトと一緒に回転させながら、原料として砕砂を上方からハウジング内に供給して、ハウジング内で回転する複数のインペラーの各羽根によって各段で砕砂を順次整粒し、最終段で整粒された砕砂をハウジングから排出する構成にしたことを特徴とする砕砂整粒装置。
【請求項4】
羽根が、インペラーの外周方向に砕砂を誘導して放出する羽根部と、インペラーの中心方向に砕砂を誘導する羽根部を有することを特徴とする請求項3に記載の砕砂整粒装置。
【請求項5】
羽根が先端部にデッドストック部を有することを特徴とする請求項3に記載の砕砂整粒装置。
【請求項6】
吸引部が、ハウジングの上方に設けられていて、ハウジング内に存在する原料のうち微小のものを吸引してハウジングの外部に排出することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の砕砂整粒装置。
【請求項7】
ハウジングの上方部と下方部にそれぞれ入口シュートと出口シュートを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の砕砂整粒装置。
【請求項8】
ハウジングの上段、中段、下段に設けられた多段のインペラーがハウジング内で一緒に回転し、砕砂が、原料として、回転している上段のインペラーに供給され、その上段のインペラーの羽根によって、ハウジングの内周面に設けられた上段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの上段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの上段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、中段のインペラーに誘導されて、その中段のインペラーの羽根によって、ハウジングの中段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの中段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、下段のインペラーに誘導されて、その下段のインペラーの羽根によって、ハウジングの下段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの下段のデットストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの下段のデッドストック部に滞留してから流下することを特徴とする砕砂整粒方法。
【請求項9】
砕砂が、原料として、回転している上段のインペラーに供給され、その上段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの内周面に設けられた上段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの上段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの上段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、中段のインペラーの中心方向に誘導されてから、その中段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの中段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの中段のデッドストック部に滞留してから流下した原料は、下段のインペラーの中心方向に誘導されてから、その下段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの下段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの下段のデットストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの下段のデッドストック部に滞留してから流下することを特徴とする砕砂整粒方法。
【請求項10】
砕砂が、原料として、回転している上段のインペラーに供給され、その上段のインペラーの羽根によって外周方向に誘導されて、ハウジングの内周面に設けられた上段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングのデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、ハウジングの上段のデッドストック部に滞留していた原料は、流下して、中段のインペラーに形成されたデッドストック部に誘導されて、その中段のインペラーのデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、さらに、ハウジングの中段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、そのハウジングの中段のデッドストック部に滞留していた原料は、流下して、下段のインペラーのデッドストック部に誘導されて、その下段のインペラーのデッドストック部によって、ハウジングの下段のデッドストック部に向けて放出され、そのハウジングの下段のデットストック部に滞留していた砕砂と衝突して整粒され、そのハウジングの下段のデッドストック部に滞留してから流下することを特徴とする砕砂整粒方法。
【請求項11】
ハウジング内に存在する原料のうち、微小のものを吸引して、ハウジングの外部に排出することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の砕砂整粒方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−69849(P2006−69849A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255720(P2004−255720)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(504334832)
【Fターム(参考)】