コンセントカバー
【課題】二極コンセント及び三極コンセントの区別なく、いずれのコンセントのプラグ挿入孔をも塞ぐことのできるコンセントカバーを提供する。
【解決手段】プラグ様突起111,111のみを突出させ、コンセント平面に接面する内ベース11と、内ベース11を保持し、内ベース11に対してコンセント平面と平行な面内で回転自在にした外ベース12とから構成され、外ベース12の一部に、コンセント平面と平行にアース孔覆い面121を突出させたコンセントカバー1である。
【解決手段】プラグ様突起111,111のみを突出させ、コンセント平面に接面する内ベース11と、内ベース11を保持し、内ベース11に対してコンセント平面と平行な面内で回転自在にした外ベース12とから構成され、外ベース12の一部に、コンセント平面と平行にアース孔覆い面121を突出させたコンセントカバー1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセントのプラグ挿入孔を塞ぐコンセントカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
コンセントは、コンセントプラグを挿していないとプラグ挿入孔が露出し、前記プラグ挿入孔に埃、異物又は液体を侵入させて短絡させる危険性がある。これから、プラグ挿入孔に埃、異物又は液体を侵入させて短絡させる危険性をなくすため、コンセントのプラグ挿入孔を塞ぐコンセントカバーが利用される。最も簡易なコンセントカバーは、左右一対のプラグ挿入孔を隠す大きさのベースからプラグ挿入孔に挿し込むプラグ様突起を突出させた構造で、通常、二極コンセント(プラグ挿入孔のみのコンセント)又は三極コンセント(プラグ挿入孔に加えてアース孔があるコンセント)それぞれに対応した樹脂成形物として構成される。(例えば特許文献1、特許文献2又は特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-035803号公報
【特許文献2】実開昭58-130375号公報
【特許文献3】実開昭53-162392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最も簡易なコンセントカバーが二極コンセント又は三極コンセントに合わせて構造を異ならせている理由は、三極コンセントに合わせたコンセントカバーが二極コンセントに利用し難いため、それぞれに適した構造にすることが望ましいことによる。例えば、三極コンセントに合わせてアース孔に挿し込む突起(以下、アース様突起)をベースから突出させたコンセントカバーは、前記アース様突起が邪魔になり、プラグ挿入孔のみの二極コンセントに利用できない。無理に使えば、アース様突起が邪魔をしてベースをめくれさせ、かえって埃がたまりやすい空間を形成してしまう虞がある。
【0005】
ここで、三極コンセントに合わせたコンセントカバーが、ベースからのプラグ様突起のみを突出し、アース孔をベースにより覆い隠す構造にすれば、二極コンセント又は三極コンセントのいずれにも利用できるように思える。しかし、こうしたコンセントカバーは、アース孔を隠す部分がベースの本体から突出し、プラグ挿入孔が密に形成された二極コンセント(例えばテーブルタップ)で並べて使用できない。そこで、二極コンセント及び三極コンセントの両方に利用できるように、ベースに設けるアース孔を塞ぐ突出部分でアース孔を塞ぐこととしながら、前記アース孔を塞ぐ突出部分を必要に応じて待避させることのできるコンセントカバーを開発するため、検討した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
検討の結果開発したものが、プラグ様突起のみを突出させ、コンセント平面に接面する内ベースと、内ベースを保持し、内ベースに対してコンセント平面と平行な面内で回転自在にした外ベースとから構成され、外ベースの一部に、コンセント平面と平行にアース孔覆い面を突出させたコンセントカバーである。本発明のコンセントカバーは、三極コンセントについて、内カバーのプラグ様突起を挿し込んでプラグ挿入孔を塞ぎ、外ベースのアース孔覆い面を被せてアース孔を塞ぐようにし、二極コンセントについて、内カバーに対して外カバーを回転させることによりアース孔覆い面の向きを変えて待避させ、隣り合う二極コンセントの邪魔にならないようにする。
【0007】
内ベース及び外ベースは、相対的に回転すればよいので、内ベースに対して外ベースを回転自在に軸着したり、外ベースに対して内ベースを回転自在に嵌合したりしてもよい。外ベースに対して内ベースを回転自在に嵌合させる場合、内ベース全体を完全に外ベースに抱えて保持させることにより、コンセント平面(プラグ挿入孔やアース孔が開口する面)に対して内ベース及び外ベースを等しく接面させ、プラグ挿入孔やアース孔を完全に隠すことができる。この場合、内ベースを嵌合させる外ベースの保持凹部や内ベースの外周はそれぞれ円形にする。更に、内ベースから突出する嵌合円筒を、外ベースに開口した嵌合孔に嵌合させると、両者の一体感が増し、内ベース及び外ベースを相対的に回転させる際の回転が安定する。
【0008】
外ベースは、内ベースを基準にアース孔覆い面を任意の角度に回転させてもよいが、内ベースに対する回転に規制がないと、内ベース及び外ベースを立ててコンセントカバーを用いる場合、重みで常にアース覆い面が下向きになる虞がある。そこで、内ベース及び外ベースは、内ベースに対する外ベースの回転方向に掛合する一対の凸部及び凹部を、前記回転方向に等間隔で2以上設けるとよい。凸部及び凹部は、内ベース及び外ベースの対向面又は摺接面にそれぞれ割り振られる。こうして内ベース及び外ベースに割り振られた一対の凸部及び凹部は、掛合することにより内ベースに対する外ベースの勝手な回転を規制し、互いが掛合する角度でアース孔覆い面の向きを安定させる。外ベースは、凸部から凹部が外れるように押すと回転させることができる。これから、凸部及び凹部は、一種の節度機構を構成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコンセントカバーは、内ベースに対して相対的に回転する外ベースにアース孔覆い面を設け、三極コンセントのアース孔を覆う角度に位置させたアース孔覆い面を、内ベースに対して外ベースを回転させて待避させる効果を有する。これにより、本発明のコンセントカバーは、二極コンセント及び三極コンセントの両方に利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一例であるコンセントカバーを前方から見た斜視図である。
【図2】本例のコンセントカバーを内ベース及び外ベースに分解して前方から見た斜視図である。
【図3】本例のコンセントカバーを後方から見た斜視図である。
【図4】本例のコンセントカバーを内ベース及び外ベースに分解して後方から見た斜視図である。
【図5】本例のコンセントカバーの正面図である。
【図6】本例のコンセントカバーの背面図である。
【図7】本例のコンセントカバーの右側面図である。
【図8】本例のコンセントカバーの平面図である。
【図9】本例のコンセントカバーの図5中A−A断面図である。
【図10】本例のコンセントカバーを三極コンセントに装着する前の状態を表した斜視図である。
【図11】本例のコンセントカバーが三極コンセントを覆い隠した状態を表した斜視図である。
【図12】本例のコンセントカバーの内カバーに対して外カバーを回転させている状態を表した図5相当正面図である。
【図13】本例のコンセントカバーの内カバーに対して外カバーを回転させ、アース孔覆い面を右方に待避させた状態を表した図1相当斜視図である。
【図14】本例のコンセントカバーを二極コンセントに装着する前の状態を表した斜視図である。
【図15】本例のコンセントカバーが二極コンセントを覆い隠した状態を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明のコンセントカバー1は、図1〜図9に見られるように、左右一対のプラグ様突起111,111を突出させた円盤状の内ベース11と、前記内ベース11を保持し、内ベース11に対して回転自在にした方形板状の外ベース12とから構成され、前記外ベース12の一辺から半円盤状のアース孔覆い面121を突出させた例を示すことができる。本例のコンセントカバー1は、外ベース12に設けた保持凹部124に、円盤状の内ベース11を回転自在に嵌合させる構成で、相対的に内ベース11に対して外ベース12を360度回転させることができる。
【0012】
内ベース11は、プラグ様突起111,111を含めて一体成形された樹脂製円盤で、プラグ様突起111を突出された面、すなわち後述するコンセント平面21,31と接面する背面と外周面(半径方向外向きに向いた周面)との境界に係合段差114を、プラグ様突起111を突出された面の反対側の面、すなわち前面と外周面との境界に面として傾斜した嵌合案内面115をそれぞれ形成している。また、前面には、中央から嵌合円筒113を突出させ、前記嵌合円筒113を囲んで周方向45度間隔に凸部112を4個設けている。本例の凸部112は、半球状の突起であり、プラグ様突起111の並び方向に平行な辺を含む正方形の角に当たる位置に4個設けている。
【0013】
掛合段差114は、外ベース12の保持凹部124の内周に形成した保持突起125が慴接する溝を形成する部位で、抱えられるように内ベース11を保持突起125に掛合させる。内ベース11の背面と外ベース12の背面とを面一にするため、係合段差114の深さは保持突起125の厚みに等しい。係合段差114の幅は保持突起125より広ければよいが、内ベース11に対する外ベース12の回転ががたつきを抑えるため、係合段差114の外周面と保持突起125の内周面(半径方向内向きの向いた周面)とが摺接するように、係合段差114の幅は保持突起125の幅に等しいことが望ましい。
【0014】
嵌合案内面115は、内ベース11を外ベース12の保持凹部124に嵌め込むため、内ベース11が保持突起125を乗り越えやすくする部位である。内ベース11を保持凹部124に嵌め込むことにより、保持凹部124の内面と嵌合案内面115とが形成する断面三角形の隙間は、保持凹部124に侵入した異物が溜まりやすい空間を構成し、保持凹部124に侵入した異物を集めて、その他の狭い隙間に異物が滞留して、内ベース11に対する外ベース12の回転が阻害されないようにする働きもある。前記断面三角形の隙間に集められた異物は、外ベース12に設けられた型抜き孔126から排出される。
【0015】
外ベース12は、正面視正方形の樹脂製盤で、一辺から突出させたアース孔覆い面121を含めて一体成形され、外ベース12からアース覆い面121にかけて連続する周縁段差127を形成している。周縁段差127は、外ベース12及びアース孔覆い面121の外周面に対して一回り小さい外周面を構成することで形成される段差で、プラグ様突起111を二極コンセント2(後掲図15参照)又は三極コンセント3(後掲図11参照)のプラグ挿入孔22,32に挿し込み、内ベース11及び外ベース12の背面を後述するコンセント平面21,31に接面させた際、外ベース12及びアース孔覆い面121の外周に指が引っかかる部位を提供し、コンセントカバー1を取り外しやすくする。
【0016】
本例の外ベース12は、後述するコンセント平面21,31と接面する背面に、内ベース11に等しい円盤状の凹みである保持凹部124を開口している。保持凹部124は、外ベース12の背面と面一に、内周面から半径方向内向きに突出した保持突起125を周方向45度間隔で4個設けている。本例の保持突起125は、背面から見て円弧状の突起で、プラグ様突起111の並び方向及び並び直交方向に2個ずつ、計4個設けている。このように、保持突起125が内ベース11の凸部112に掛合する凹部122と周方向45度ずれた位置にあることにより、半球状の凸部112及び凹部122が掛合してがたつく虞のある内ベース11を、凹部122から周方向45度ずつ離れた2個の保持突起125で押さえこみ、内ベース11のがたつきを抑制できる。
【0017】
また、本例の外ベース12は、内ベース11の前面を摺接させる保持凹部124の背面の中央に断面円形の嵌合孔123を、保持凹部124の各保持突起125に対応した位置に保持突起125を含む大きさの断面扇状の型抜き孔126をそれぞれ外ベース12の前面に向けて貫通させ、前記嵌合孔123を囲んで周方向45度間隔に凹部122を4個設けている。本例の凹部122は、記述した凸部112より大きな半径による半球状の凹みであり、前記凸部112と同位置、すなわちプラグ様突起111の並び方向に平行な辺を含む正方形の角に当たる位置に4個設けている。
【0018】
内ベース11は、前面中央から突出させた嵌合円筒113を外ベース12の嵌合孔123に嵌合して突出させ、全体を保持凹部124に嵌合させて、掛合段差114を保持突起125に掛合されることにより、外ベース12に対して回転自在に保持される。これにより、内ベース11及び外ベース21の相対的な回転に際し、内ベース11の外周面と外ベース12の保持凹部124の内周面とが、そして内ベースの嵌合円筒113の側面と外ベース12の嵌合孔123の内周面とがそれぞれ摺接するので、内ベース11に対して外ベース12を安定して回転させることができる。
【0019】
半球状の突起である凸部112と半球状の凹みである凹部122とは、4個の凹部122を結ぶ円の半径が同じく4個の凸部112を結ぶ円の半径に等しいので、掛合する。この凸部112と凹部122との掛合は、半球状の突起が半球状の凹みに嵌まり込む格好での掛合であるので、凹部122内で凸部112が滑って内ベース11をがたつかせる虞があるが、上述のように、周方向45度ずれた保持突起125の押さえ込みにより、前記がたつきが抑制されている。また、例えば内ベース11を位置固定で外ベース12に回転させようとすると、凸部112が凹部122の周縁を乗り越えて両者の掛合が解除される。このとき、凹部122の周縁を凸部112が乗り越える抵抗感が節度感となる。すなわち、凸部112と凹部122とは、節度機構を構成する。
【0020】
三極コンセント3に装着するコンセントカバー1は、図10及び図11に見られるように、内ベース11及び外ベース12の背面がコンセント平面31に接面するまでプラグ様突起111,111を挿し込んでプラグ挿入孔32,32を塞ぎ、外ベース12のアース孔覆い面121を被せてアース孔33を塞ぐ。本例では、プラグ挿入孔32,32に対してアース孔33が下方に位置しているため、外ベース12のアース孔覆い面121は下方、すなわち三極コンセント3の並び方向に向いている。三極コンセント3のコンセント平面31はアース孔33を含む大きさであるため、外ベース12及びアース孔覆い面121は、前記コンセント平面31内に収まり、密に並ぶ三極コンセント3すべてにコンセントカバー1を装着しても、互いに邪魔にならない。
【0021】
二極コンセント2に装着するコンセントカバー1は、まず図12及び図13に見られるように、内カバー11に対して外カバー12を回転させることによりアース孔覆い面121の向きを横方向に変えて待避させてから、図14及び図15に見られるように、内ベース11及び外ベース12の背面がコンセント平面21に接面するまでプラグ様突起111,111を挿し込んでプラグ挿入孔32,32を塞ぐ。このとき、アース孔覆い面121は横方向に向いて待避しているから、外ベース12のみであればコンセント平面21内におさまっている。このため、蜜に並ぶ二極コンセント2すべてにコンセントカバー1を装着しても、互いに邪魔になることがない。
【符号の説明】
【0022】
1 コンセントカバー
11 内ベース
111 プラグ様突起
112 凸部
12 外ベース
121 アース孔覆い面
122 凹部
2 二極コンセント
21 コンセント平面
22 プラグ挿入孔
3 三極コンセント
31 コンセント平面
32 プラグ挿入孔
33 アース挿入孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセントのプラグ挿入孔を塞ぐコンセントカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
コンセントは、コンセントプラグを挿していないとプラグ挿入孔が露出し、前記プラグ挿入孔に埃、異物又は液体を侵入させて短絡させる危険性がある。これから、プラグ挿入孔に埃、異物又は液体を侵入させて短絡させる危険性をなくすため、コンセントのプラグ挿入孔を塞ぐコンセントカバーが利用される。最も簡易なコンセントカバーは、左右一対のプラグ挿入孔を隠す大きさのベースからプラグ挿入孔に挿し込むプラグ様突起を突出させた構造で、通常、二極コンセント(プラグ挿入孔のみのコンセント)又は三極コンセント(プラグ挿入孔に加えてアース孔があるコンセント)それぞれに対応した樹脂成形物として構成される。(例えば特許文献1、特許文献2又は特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-035803号公報
【特許文献2】実開昭58-130375号公報
【特許文献3】実開昭53-162392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最も簡易なコンセントカバーが二極コンセント又は三極コンセントに合わせて構造を異ならせている理由は、三極コンセントに合わせたコンセントカバーが二極コンセントに利用し難いため、それぞれに適した構造にすることが望ましいことによる。例えば、三極コンセントに合わせてアース孔に挿し込む突起(以下、アース様突起)をベースから突出させたコンセントカバーは、前記アース様突起が邪魔になり、プラグ挿入孔のみの二極コンセントに利用できない。無理に使えば、アース様突起が邪魔をしてベースをめくれさせ、かえって埃がたまりやすい空間を形成してしまう虞がある。
【0005】
ここで、三極コンセントに合わせたコンセントカバーが、ベースからのプラグ様突起のみを突出し、アース孔をベースにより覆い隠す構造にすれば、二極コンセント又は三極コンセントのいずれにも利用できるように思える。しかし、こうしたコンセントカバーは、アース孔を隠す部分がベースの本体から突出し、プラグ挿入孔が密に形成された二極コンセント(例えばテーブルタップ)で並べて使用できない。そこで、二極コンセント及び三極コンセントの両方に利用できるように、ベースに設けるアース孔を塞ぐ突出部分でアース孔を塞ぐこととしながら、前記アース孔を塞ぐ突出部分を必要に応じて待避させることのできるコンセントカバーを開発するため、検討した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
検討の結果開発したものが、プラグ様突起のみを突出させ、コンセント平面に接面する内ベースと、内ベースを保持し、内ベースに対してコンセント平面と平行な面内で回転自在にした外ベースとから構成され、外ベースの一部に、コンセント平面と平行にアース孔覆い面を突出させたコンセントカバーである。本発明のコンセントカバーは、三極コンセントについて、内カバーのプラグ様突起を挿し込んでプラグ挿入孔を塞ぎ、外ベースのアース孔覆い面を被せてアース孔を塞ぐようにし、二極コンセントについて、内カバーに対して外カバーを回転させることによりアース孔覆い面の向きを変えて待避させ、隣り合う二極コンセントの邪魔にならないようにする。
【0007】
内ベース及び外ベースは、相対的に回転すればよいので、内ベースに対して外ベースを回転自在に軸着したり、外ベースに対して内ベースを回転自在に嵌合したりしてもよい。外ベースに対して内ベースを回転自在に嵌合させる場合、内ベース全体を完全に外ベースに抱えて保持させることにより、コンセント平面(プラグ挿入孔やアース孔が開口する面)に対して内ベース及び外ベースを等しく接面させ、プラグ挿入孔やアース孔を完全に隠すことができる。この場合、内ベースを嵌合させる外ベースの保持凹部や内ベースの外周はそれぞれ円形にする。更に、内ベースから突出する嵌合円筒を、外ベースに開口した嵌合孔に嵌合させると、両者の一体感が増し、内ベース及び外ベースを相対的に回転させる際の回転が安定する。
【0008】
外ベースは、内ベースを基準にアース孔覆い面を任意の角度に回転させてもよいが、内ベースに対する回転に規制がないと、内ベース及び外ベースを立ててコンセントカバーを用いる場合、重みで常にアース覆い面が下向きになる虞がある。そこで、内ベース及び外ベースは、内ベースに対する外ベースの回転方向に掛合する一対の凸部及び凹部を、前記回転方向に等間隔で2以上設けるとよい。凸部及び凹部は、内ベース及び外ベースの対向面又は摺接面にそれぞれ割り振られる。こうして内ベース及び外ベースに割り振られた一対の凸部及び凹部は、掛合することにより内ベースに対する外ベースの勝手な回転を規制し、互いが掛合する角度でアース孔覆い面の向きを安定させる。外ベースは、凸部から凹部が外れるように押すと回転させることができる。これから、凸部及び凹部は、一種の節度機構を構成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコンセントカバーは、内ベースに対して相対的に回転する外ベースにアース孔覆い面を設け、三極コンセントのアース孔を覆う角度に位置させたアース孔覆い面を、内ベースに対して外ベースを回転させて待避させる効果を有する。これにより、本発明のコンセントカバーは、二極コンセント及び三極コンセントの両方に利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一例であるコンセントカバーを前方から見た斜視図である。
【図2】本例のコンセントカバーを内ベース及び外ベースに分解して前方から見た斜視図である。
【図3】本例のコンセントカバーを後方から見た斜視図である。
【図4】本例のコンセントカバーを内ベース及び外ベースに分解して後方から見た斜視図である。
【図5】本例のコンセントカバーの正面図である。
【図6】本例のコンセントカバーの背面図である。
【図7】本例のコンセントカバーの右側面図である。
【図8】本例のコンセントカバーの平面図である。
【図9】本例のコンセントカバーの図5中A−A断面図である。
【図10】本例のコンセントカバーを三極コンセントに装着する前の状態を表した斜視図である。
【図11】本例のコンセントカバーが三極コンセントを覆い隠した状態を表した斜視図である。
【図12】本例のコンセントカバーの内カバーに対して外カバーを回転させている状態を表した図5相当正面図である。
【図13】本例のコンセントカバーの内カバーに対して外カバーを回転させ、アース孔覆い面を右方に待避させた状態を表した図1相当斜視図である。
【図14】本例のコンセントカバーを二極コンセントに装着する前の状態を表した斜視図である。
【図15】本例のコンセントカバーが二極コンセントを覆い隠した状態を表した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明のコンセントカバー1は、図1〜図9に見られるように、左右一対のプラグ様突起111,111を突出させた円盤状の内ベース11と、前記内ベース11を保持し、内ベース11に対して回転自在にした方形板状の外ベース12とから構成され、前記外ベース12の一辺から半円盤状のアース孔覆い面121を突出させた例を示すことができる。本例のコンセントカバー1は、外ベース12に設けた保持凹部124に、円盤状の内ベース11を回転自在に嵌合させる構成で、相対的に内ベース11に対して外ベース12を360度回転させることができる。
【0012】
内ベース11は、プラグ様突起111,111を含めて一体成形された樹脂製円盤で、プラグ様突起111を突出された面、すなわち後述するコンセント平面21,31と接面する背面と外周面(半径方向外向きに向いた周面)との境界に係合段差114を、プラグ様突起111を突出された面の反対側の面、すなわち前面と外周面との境界に面として傾斜した嵌合案内面115をそれぞれ形成している。また、前面には、中央から嵌合円筒113を突出させ、前記嵌合円筒113を囲んで周方向45度間隔に凸部112を4個設けている。本例の凸部112は、半球状の突起であり、プラグ様突起111の並び方向に平行な辺を含む正方形の角に当たる位置に4個設けている。
【0013】
掛合段差114は、外ベース12の保持凹部124の内周に形成した保持突起125が慴接する溝を形成する部位で、抱えられるように内ベース11を保持突起125に掛合させる。内ベース11の背面と外ベース12の背面とを面一にするため、係合段差114の深さは保持突起125の厚みに等しい。係合段差114の幅は保持突起125より広ければよいが、内ベース11に対する外ベース12の回転ががたつきを抑えるため、係合段差114の外周面と保持突起125の内周面(半径方向内向きの向いた周面)とが摺接するように、係合段差114の幅は保持突起125の幅に等しいことが望ましい。
【0014】
嵌合案内面115は、内ベース11を外ベース12の保持凹部124に嵌め込むため、内ベース11が保持突起125を乗り越えやすくする部位である。内ベース11を保持凹部124に嵌め込むことにより、保持凹部124の内面と嵌合案内面115とが形成する断面三角形の隙間は、保持凹部124に侵入した異物が溜まりやすい空間を構成し、保持凹部124に侵入した異物を集めて、その他の狭い隙間に異物が滞留して、内ベース11に対する外ベース12の回転が阻害されないようにする働きもある。前記断面三角形の隙間に集められた異物は、外ベース12に設けられた型抜き孔126から排出される。
【0015】
外ベース12は、正面視正方形の樹脂製盤で、一辺から突出させたアース孔覆い面121を含めて一体成形され、外ベース12からアース覆い面121にかけて連続する周縁段差127を形成している。周縁段差127は、外ベース12及びアース孔覆い面121の外周面に対して一回り小さい外周面を構成することで形成される段差で、プラグ様突起111を二極コンセント2(後掲図15参照)又は三極コンセント3(後掲図11参照)のプラグ挿入孔22,32に挿し込み、内ベース11及び外ベース12の背面を後述するコンセント平面21,31に接面させた際、外ベース12及びアース孔覆い面121の外周に指が引っかかる部位を提供し、コンセントカバー1を取り外しやすくする。
【0016】
本例の外ベース12は、後述するコンセント平面21,31と接面する背面に、内ベース11に等しい円盤状の凹みである保持凹部124を開口している。保持凹部124は、外ベース12の背面と面一に、内周面から半径方向内向きに突出した保持突起125を周方向45度間隔で4個設けている。本例の保持突起125は、背面から見て円弧状の突起で、プラグ様突起111の並び方向及び並び直交方向に2個ずつ、計4個設けている。このように、保持突起125が内ベース11の凸部112に掛合する凹部122と周方向45度ずれた位置にあることにより、半球状の凸部112及び凹部122が掛合してがたつく虞のある内ベース11を、凹部122から周方向45度ずつ離れた2個の保持突起125で押さえこみ、内ベース11のがたつきを抑制できる。
【0017】
また、本例の外ベース12は、内ベース11の前面を摺接させる保持凹部124の背面の中央に断面円形の嵌合孔123を、保持凹部124の各保持突起125に対応した位置に保持突起125を含む大きさの断面扇状の型抜き孔126をそれぞれ外ベース12の前面に向けて貫通させ、前記嵌合孔123を囲んで周方向45度間隔に凹部122を4個設けている。本例の凹部122は、記述した凸部112より大きな半径による半球状の凹みであり、前記凸部112と同位置、すなわちプラグ様突起111の並び方向に平行な辺を含む正方形の角に当たる位置に4個設けている。
【0018】
内ベース11は、前面中央から突出させた嵌合円筒113を外ベース12の嵌合孔123に嵌合して突出させ、全体を保持凹部124に嵌合させて、掛合段差114を保持突起125に掛合されることにより、外ベース12に対して回転自在に保持される。これにより、内ベース11及び外ベース21の相対的な回転に際し、内ベース11の外周面と外ベース12の保持凹部124の内周面とが、そして内ベースの嵌合円筒113の側面と外ベース12の嵌合孔123の内周面とがそれぞれ摺接するので、内ベース11に対して外ベース12を安定して回転させることができる。
【0019】
半球状の突起である凸部112と半球状の凹みである凹部122とは、4個の凹部122を結ぶ円の半径が同じく4個の凸部112を結ぶ円の半径に等しいので、掛合する。この凸部112と凹部122との掛合は、半球状の突起が半球状の凹みに嵌まり込む格好での掛合であるので、凹部122内で凸部112が滑って内ベース11をがたつかせる虞があるが、上述のように、周方向45度ずれた保持突起125の押さえ込みにより、前記がたつきが抑制されている。また、例えば内ベース11を位置固定で外ベース12に回転させようとすると、凸部112が凹部122の周縁を乗り越えて両者の掛合が解除される。このとき、凹部122の周縁を凸部112が乗り越える抵抗感が節度感となる。すなわち、凸部112と凹部122とは、節度機構を構成する。
【0020】
三極コンセント3に装着するコンセントカバー1は、図10及び図11に見られるように、内ベース11及び外ベース12の背面がコンセント平面31に接面するまでプラグ様突起111,111を挿し込んでプラグ挿入孔32,32を塞ぎ、外ベース12のアース孔覆い面121を被せてアース孔33を塞ぐ。本例では、プラグ挿入孔32,32に対してアース孔33が下方に位置しているため、外ベース12のアース孔覆い面121は下方、すなわち三極コンセント3の並び方向に向いている。三極コンセント3のコンセント平面31はアース孔33を含む大きさであるため、外ベース12及びアース孔覆い面121は、前記コンセント平面31内に収まり、密に並ぶ三極コンセント3すべてにコンセントカバー1を装着しても、互いに邪魔にならない。
【0021】
二極コンセント2に装着するコンセントカバー1は、まず図12及び図13に見られるように、内カバー11に対して外カバー12を回転させることによりアース孔覆い面121の向きを横方向に変えて待避させてから、図14及び図15に見られるように、内ベース11及び外ベース12の背面がコンセント平面21に接面するまでプラグ様突起111,111を挿し込んでプラグ挿入孔32,32を塞ぐ。このとき、アース孔覆い面121は横方向に向いて待避しているから、外ベース12のみであればコンセント平面21内におさまっている。このため、蜜に並ぶ二極コンセント2すべてにコンセントカバー1を装着しても、互いに邪魔になることがない。
【符号の説明】
【0022】
1 コンセントカバー
11 内ベース
111 プラグ様突起
112 凸部
12 外ベース
121 アース孔覆い面
122 凹部
2 二極コンセント
21 コンセント平面
22 プラグ挿入孔
3 三極コンセント
31 コンセント平面
32 プラグ挿入孔
33 アース挿入孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ様突起のみを突出させ、コンセント平面に接面する内ベースと、内ベースを保持し、内ベースに対してコンセント平面と平行な面内で回転自在にした外ベースとから構成され、外ベースの一部に、コンセント平面と平行にアース孔覆い面を突出させたコンセントカバー。
【請求項2】
内ベース及び外ベースは、内ベースに対する外ベースの回転方向に掛合する一対の凸部及び凹部を、前記回転方向に等間隔で2以上設けた請求項1記載のコンセントカバー。
【請求項1】
プラグ様突起のみを突出させ、コンセント平面に接面する内ベースと、内ベースを保持し、内ベースに対してコンセント平面と平行な面内で回転自在にした外ベースとから構成され、外ベースの一部に、コンセント平面と平行にアース孔覆い面を突出させたコンセントカバー。
【請求項2】
内ベース及び外ベースは、内ベースに対する外ベースの回転方向に掛合する一対の凸部及び凹部を、前記回転方向に等間隔で2以上設けた請求項1記載のコンセントカバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−228101(P2011−228101A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96277(P2010−96277)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000106612)サンワサプライ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000106612)サンワサプライ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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