説明

コンセントホルダ、カセット式コードストッパおよびコンセント装置

【課題】 本発明はコンセントホルダ、カセット式コードストッパ、およびコンセントホルダとコードストッパを組合せたコンセント装置に関する。
【解決手段】 コンセントホルダは、少なくとも電源ないしは情報コンセントの種々組合せを収容でき、収容部の前壁および後壁内にコンセントのプラグ差込面の両側面に適合する少なくとも二つのコンセント取付口を有してコンセントのプラグ差込面がコンセント取付口相互間の前壁の外面と略同一の平面をなすように構成され、プラグ差込面を扉(シャッタ)で被覆するため、前壁のコンセント取付口から側壁にかけて溝レールを形成する。扉は蛇腹式に構成され溝レールに沿って開閉、摺動自在である。カセット式コードストッパはコンセントホルダ内のコンセント収容部の内面に嵌合する二側面を有し、コンセントの左右コードに対応して二本のポールおよび二本のポール間に左右コードを迂回、通過させる案内通路を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机、本棚等の家具または壁、柱等へ取付けて各種OA機器への接続を可能にするためのコンセント装置、特に電源コンセント、情報コンセントを適宜に組合せて例えば電源コンセントと情報コンセントとの組合せセット又は複数個の電源コンセントの組合せセット等として収容できるコンセントホルダ、そのようなコンセントホルダに着脱自在にかつ所要に応じて選択設置できるカセット式コードストッパ、およびそれらを組合せたコンセント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、OA機器等が搭載されるオフィス机等の天板の下側面等に取付ける形態であって、上記のように電源又は情報コンセントを組合せて具備したセットコンセントとして、電源コンセントと電源コンセントとの組合せはあるが、電源コンセントと情報コンセントとを組合せたものは広く普及するには至っていない。
【0003】
更に、従来のセットコンセントたとえば、特許文献1に開示されるものの場合には天板面上又は机側面に配する複数コンセントが一体成形されていて、コンセントの電源、情報のような種類の変更やコンセントの電気的仕様変更に対して即応的に順応、対処することが簡単にはできない点が不都合となっていた。つまり、予め種類の変更に対応すべく、異なる種類のコンセントの組合せに応じて、その組合せ数だけ夫々個別に予め作製し、在庫させておかなければならない点で、コスト的にも不経済になる等の不利があった。
【0004】
また、従来のコンセント開口を不使用時は閉じるようにする扉付きコンセントの場合、扉を設けることに伴ってプラグ差し込み面が周辺面よりも窪んで段差が生じていたり、組み込まれた複数コンセントの相互の間隔が一定、かつ極めて接近していたり、閉鎖用扉の一部等が突出して邪魔になる等幅広のアダプタやACアダプタ等の設置面積の大きなプラグが使用できない不便さがある等の不利があった。
【0005】
更に、従来のこの種のコンセントとして特許文献1に本出願人が開示したものもあるが、この既出願に係るコンセントにしても各構造部品、つまり本体と蓋とから成るコンセントホルダー、カセット式コードストッパ、それに装着、保持される電気的コンセント等を組立て、分解自在にし、かつそのプラグ差込口に同じく組み込み式に内挿されるシャッタ式の扉を用いてコンセント開口を開閉可能にして分解可能と所要に応じて開口を内挿シャッタで外部への突出物が無い状態で開閉可能としたものはない。
【0006】
加えて、一般的に外部から電源コンセントに至る電源コードのコンセントとの接続端子部位では、例えば何らかの引っ張り力が作用した場合でも断線が発生することのないように、コンセントとの接続端子部位の近傍で引っ張り止めのために電源コードをリング部品の上から潰す等の処理タイプが主流であり、そのために潰す圧力で却って内部に断線が起きることも有る等の不都合があった。
【0007】
【特許文献1】特願2003−381327号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、本発明は上述した諸懸案や不利を鋭意解消せんとするものである。
そこで、本発明は、先ず、複数のコンセント種の変更や電気的な仕様変更が容易にでき、幅広の接続プラグやACアダプタにも適用できるコンセントホルダを提供することを課題とする。
更に、プラグないしアダプタ差込口を所要に応じて閉鎖保護すると共に、開口時にはプラグやアダプタの完全な差込に邪魔にならない開閉扉を設けたコンセントホルダを提供することを課題とする。
更に、電源コードにたとえ引っ張り力が不測的に作用しても同電源コードが端子から抜ける等が確実に防止でき、しかもコードの断線発生を確実に回避し得る着脱自在なカセット式構造のコードストッパを提供せんとするものである。
更に、本発明は、コンセント種の変更設計が容易なコンセントホルダとカセット式コードストッパとのコンセント組立体、およびコンセントホルダとカセット式コードストッパと電源コンセントおよび情報コンセントとを組合せたコンセント装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の諸課題を解決するための本発明によるコンセントホルダは、電源コンセント、情報コンセントより選択する少なくとも二つのコンセントを内部に並設して収容できる収容部を有し、
前記収容部は上壁または下壁、および二側壁、前壁ならびに後壁により画定され、
前記前壁および後壁は、少なくとも二つの前記コンセントのプラグ差込面の両側面および底面にそれぞれ適合する少なくとも二つのコンセント取付口を所定間隔を置いて有し、
前記コンセント取付口は、前記コンセントのプラグ又はアダプタ差込面を前記コンセント取付口相互間の前記前壁の外面と実質的平坦な面一に保持するように構成され、
前記コンセント取付口相互間の前壁は、コンセントのプラグ差込面を前記前壁の外面と実質的面一に保持するための凸係止面を前記コンセント取付口の周辺で前壁の内面内に有し、
前記側壁は二重構成されてその間に前記下壁と共に側溝を形成し、かつ
前記前壁には、前記側溝に通じる前溝が前記コンセント取付口の下面に沿って形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の好適実施形態において、前記コンセントホルダは、前記前溝と前記側溝間を摺動するシャッタを更に含む。
【0011】
また、好適実施形態において、前記シャッタは可撓性プラスチック材から形成されるものである。
【0012】
更なる好適実施形態において、前記シャッタは、軟質平滑シート状部品であるか、または複数の溝切りにより細片の連続片として蛇腹状に構成されたシート状部品である。
【0013】
好適実施形態において、前記シャッタは前記細片の上縁および下縁、または上縁もしくは下縁で一方向へ突出した突出部を有しかつ前記突出部は前記コンセントホルダの前壁の前溝内に適合する爪を有する。
【0014】
本発明による前記コンセントホルダにおいて、少なくとも二つの前記コンセントは電源コンセントおよび情報コンセントから選択された二以上の電源コンセントもしくは情報コンセント、または電源コンセントと情報コンセントとの所定組合せによるコンセントであってよい。
【0015】
本発明による前記コンセントホルダにおいて、前記収容部は隔壁を介して少なくとも二つ形成されることが好ましい。
【0016】
本発明による他の実施形態のコンセントホルダにおいて、前記コンセントホルダのコンセント収容部は隔壁により二分割され、二分割されたコンセント収容部の少なくとも一つの収容部にコードストッパが更に、装填、収容され、前記コードストッパは、前記収容部の内面に嵌合する取り外し自在の外面を有し、コンセントの左右二本のコードをそれぞれ巻き付け、迂回させるための左右二本のポールと二本のコードをまとめてコンセントホルダの後壁から外部へ引き出すことのできる中央通路を有するカセット式コードストッパとして構成されることを特徴とするコンセントホルダである。
【0017】
本発明は、更に、コンセントホルダに着脱、交換自在に設置できるカセット式コードストッパを提供する。本発明によるカセット式コードストッパは、コンセントホルダのコンセント収容部内壁に嵌合する側面を有する左右両側板、前記両側板に連結された下板、ならびに前記両側板間で前記下板に連結された後板を含み、収容されるコンセントの電気コードを一周させることのできる二本のポールが前記両側板間で所定間隔をおいて前記下板上に突設され、かつ前記ポールを一周、迂回した電気コードを前記後板から外部へ通過させることのできる案内通路が前記二本のポール間に形成されていることを特徴とする。
【0018】
好適実施形態のコードストッパにおいて、前記案内通路は、前記二本ポール間で前記後板から前方へ前記下板上に突設された二枚の板で形成されている。
【0019】
好適形態のコードストッパにおいて、前記後壁は、コンセントホルダの後壁のコンセント取付口内に嵌合する嵌合面を有する形態に形成されている。
【0020】
本発明は、更に、上述のコンセントホルダおよびカセット式コードストッパを適宜に組合せて内部に電源コンセントないし情報コンセントの諸組合せを内蔵、保持するコンセント装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるコンセントホルダは、種々のコンセントの組合せを可能にし、利用範囲の広いセットコンセントの設計を可能にする。
本発明によるコンセントホルダは、プラグの差込みを邪魔することなく、プラグ差込口を保護する。
本発明によるコードストッパは、カセット式であるので各種従来タイプのコンセントホルダ全般に単品として応用かつ利用でき、コードの引っ張り防止に役立つ。
本発明によるコンセント組立体は、部品点数が少なく、コンセント全体の小型化が可能であり、製造コストの削減を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付図面は本発明によるコンセントホルダ、コードストッパ、コンセント装置の一実施形態を示す。
図1は本発明によるコンセント装置の全体を示す斜視図である。図1において、コンセント装置は、図2の分解図に示されたように、コンセントホルダ1、シャッタ4、コードストッパ3、電源コンセント5、情報コンセント6およびホルダ1の蓋2を含む。
【0023】
図示形態において、コンセントホルダ1は、電源コンセント5および情報コンセント6を内部に並列して収容するために下壁11、前壁12、後壁13、側壁14、4により画定される収容部を形成している。下壁11、前壁12、後壁13、側壁14,14により形成される内部収容部は、電源コンセント二個または情報コンセント二個を並設できる構成であるが、二個以上の各種コンセント用として拡大することも発明思想の範囲で実施でき、寸法の拡大や壁厚の変更等の設計変更を自在に遂行可能である。
【0024】
各壁の高さは同一である。図示形態において、各壁の高さは収容する電源コンセント5および情報コンセント6の高さよりも若干低く構成されている。しかし、収容部、従ってコンセントホルダを構成する壁の高さは収容するコンセントと実質的同一であっても、コンセントの高さよりも高くてもよい。収容部の横断面形態、そしてコンセントホルダの外形は図示形態において長方形であるが、正方形、他の多角形、円形、楕円形等の任意形態が所要に応じて選択できることは当業者なら容易に実施可能である。
【0025】
前壁12および後壁13は、プラグ差込口を有するコンセント5、6のプラグ差込面53を取付けるためのコンセント取付口16、16、17、17を、前壁中央部121および後壁中央部131を介在してその両側にそれぞれ有する。プラグ取付口16、16、17、17は、コンセント設置時にコンセントのプラグ差込面53、63、63の下面および両側面が取付口16、16、17、17の下面および両側面に嵌合すると共にプラグ差込面53、63、63とホルダの前壁および後壁の外面とが実質的に同一平面状態を形成するように、前壁および後壁内の開口部として形成される。
【0026】
コンセントのプラグ差込面53、63、63とホルダの取付口16、16、17、17との嵌合はプラグ差込面53、63、63の外径と取付口16、16、17、17の縦横寸法の調整により可能である。他方、プラグ差込面53、63、63のホルダの前壁および後壁の外面に対する整合は、前壁の取付口16,16の周辺で、前壁をプラグ差込面を固定係止するための係止手段を、前壁の内面側に設けることにより可能である。図示形態において、この係止手段は、前壁の取付口16の周辺内面から内方へ突出した突出部161、または取付口16に沿って前壁の外面よりも内方に形成された矩形フレーム161で構成されている。かかる突出部または矩形フレームは、コンセントのプラグ差込面の周辺を係止把持するように、取付口周辺で前壁を凹凸成形することにより実現できる。この場合、前壁の凹凸成形は、プラグ差込面が前壁の外面よりも低くならないように、少なくとも実質的面一またはプラグ差込面が前壁の外面よりも突出なるように調整される。
【0027】
このように、プラグ差込面と複数コンセント相互間に介在する前壁の外面とを実質的同一平面状に構成することにより幅広のプラグ、ACアダプタ等をコンセントへ差込使用することを可能かつ容易にする。
【0028】
プラグ取付口16、16、17、17相互間の間隔、即ち、取付口間に介在する前壁および後壁の中央部121、131として上述した取付口連結部の横方向の長さは、意図する電気プラグまた電気アダプタの幅等を考慮して所定長とすることができる。複数のコンセント取付口相互間に介在する前壁の幅の調節は、コンセントホルダ、従ってコンセント装置の設計変形を容易にしかつ利用範囲の拡大に寄与する。
【0029】
コンセントの移動防止もしくは確実保持のための手段は、使用するコンセントの凹凸外形に係止するように前壁12の内面または側壁14の内面を凹凸面構成することにより、または下壁11の内面上に突出部を形成することにより、適宜設けることができる。ここで、本ホルダは、ポリカーボネート等の硬質かつ電気的絶縁性を備えたプラスチック材料により射出成形されることが量産による製造コストの低減上から好ましい。当然ながら、他の合成樹脂材料を使用すること他の製造方法を採用しても製造することは可能である。
【0030】
図2において、収容部は電源コンセント5と情報コンセント6を分割収容するための隔壁15を含む。隔壁15は収容部の長手の略中心で前壁12の中央部121の内面から後壁へ向かって中断した形態で下壁11内面上に延設されている。二つのコンセント間に設けられた隔壁15は電源コンセント5と情報コンセント6とを組合せ収納する方式の場合には電源側から情報ライン側に及ぶ電磁波の防止壁として作用することができる。この隔壁15には中断部に円筒ポール151が設けられている。円筒ポール151は電源コンセント5のプラグ差込面の背面に係合して電源コンセントを保持する作用をする。隔壁15は前の壁12内面から後壁13の内面まで完全に延在してもよいが、開口部を設けておくことにより、電源コンセント5を二つ組み込む際には電気コードの内部での配線や延長処理を容易にする点で有利である。
【0031】
図示形態において、左右両側壁14、15の内面中央部分に円筒部141が形成されている。円筒部141は、電源コンセントのプラグ差込面の背面と係合し、隔壁15に形成された円筒ポール151と共働して電源コンセントの移動をより確実に防止する機能を有すると共に机天板への装着用の開口を形成部をなしている。
【0032】
本発明において、コンセントホルダはコンセントのプラグ差込口を被覆して保護するためのシャッタ4を装備する。シャッタは、コンセント取付時のプラグ差込面を被覆して、例えばいたずら等による外部異物の差し込みを防止する防止扉として機能できるように構成される。シャッタの開閉を可能にするために前壁および側壁に案内溝が形成される。
【0033】
即ち、ホルダの側壁14,14は内側壁と外側壁とにより二重構成され、内側壁と外側壁間で下壁11上に側溝を形成してシャッタ通路を提供する。他方、ホルダの前壁12はコンセント取付口16から側壁14の側溝142に通じる前溝122を前壁先端の内側に有する。
【0034】
コンセントホルダ1は図面に示されたように蓋2を有する形態で通常は使用されるが、所要に応じて蓋2を有しない形態とすることを排除するものではない。 図示形態の蓋2は、コンセントホルダ1の外形に合致する外形を有し、かつコンセントホルダ1の各壁の上面に係合してホルダ1を閉鎖する機能を有する。即ち、蓋2は、前壁および後壁内に、対応するホルダ1における少なくとも二つのコンセント取付口16に対応するコンセント取付口26を有し、かつ図示されていないが蓋2の側壁に沿って内面内に、対応するコンセントホルダ1におけるシャッタ摺動もしくは案内のための側溝142および前壁の前溝122に対応する前溝を有する。ただし、ホルダ1の各壁の高さを収容するコンセントの高さよりも高く形成する場合には、蓋2はコンセント取付口のための開口部を前後壁内に形成する必要はなく、また蓋の省略が可能である。
【0035】
コンセントホルダ1と蓋2との結合はネジ7により適宜行なわれ得る。机等家具に取付ける場合には、コンセントホルダ1の下壁11および蓋2の上壁21に、コンセントホルダ1の側壁内に形成された既述の円筒部141、141に形成した孔に対応する位置で貫通孔22、22を形成し、図5に示されたように机の天板9の下へネジ止めすることができる。蓋2を装備しない形態のホルダ1を家具に取付ける場合にも、同様に、コンセントホルダ1の円筒部141、141の貫通孔を利用できる。
【0036】
前溝122および側溝142はシャッタ4の連続的摺動を可能にし、前溝122はシャッタ4の取付口16,16前面での開閉を可能にしかつ側溝142はシャッタ開放時のシャッタの収納を可能にする。このようにして、シャッタはプラグ差込口への塵、埃、水滴等の外的要因による不具合を防止する。シャッタの閉鎖状態は図6(a)に示されかつシャッタの開放状態は図6(b)に示されている。
【0037】
シャッタ4は可撓性プラスチック材料のシート状部材を使用して、図2、そして図5に更に詳細に示されたように複数の溝切りにより細片41の連続片として蛇腹式に形成され、各細片に対応してシート内面から内方へ突出しかつ先端で外方へ曲折した爪を有する複数の突出部42を上縁および下縁に有する。突出部42の先端の各爪はコンセントホルダ1の前壁の前溝122および蓋2の前溝内に係止すると共にコンセントホルダ1および蓋2の前溝および側溝を摺動するように構成される。
【0038】
特に、シャッタの突出部42の構成およびホルダの前溝122および側溝142の構成により、シャッタはコンセントのプラグ差込面上方をスムーズに摺動する。
【0039】
シャッタ4は、使用材料または構成によって、形状安定性があれば、前溝122および側溝142を摺動しない上縁の爪を有しない形態であってよく、蓋2を装備しないコンセントホルダ1に対応することができる。更に、シャッタは、使用材料の屈撓性によって、蛇腹形態でなく平滑シートを使用して構成することも可能である。
【0040】
本発明は、更に、コードの引っ張り止め部品として、図2および図4に示されたようなカセット式の新規コードストッパを提供する。コードストッパ3は、図示形態の二分割されたコンセントホルダ1のコンセント収容部の少なくとも一つの収容部の側壁内面間に嵌合する取外し自在の外面を有し、電源コンセント5の左右二本のコードをそれぞれ巻き付けるための左右二本のポールと二本のコードをまとめてコンセントホルダ1から外部へ誘導することのできる中央通路36を有するカセット式に構成される。
【0041】
図示形態において、二本のポール35、35は所定間隔で下板上に設置される。二本のポール35,35の外方には、コンセントホルダ1の電源コンセント収容部の側壁14の内面と隔壁15の一面との間に嵌合する外面を形成するように側板34が下板の両側に突設される。二本のポール35,35の内方には、二本のポール間に所定幅の通路36を形成するように内板が下板上に平行に突設され、コンセントホルダ1のコンセント取付口17、17に嵌合する嵌合面37を形成する嵌合板が二本のポール35、35の後方で下板に結合され、かつ嵌合板の両側は連結板を介して側板に結合されている。このように、コードストッパ3はコンセントホルダ1の電源コンセント用収容部内へ取外し自在に設置できるカセット式ケースとして構成される。
【0042】
従って、かかるコードストッパは、コンセントおよびコンセントホルダと別パーツとして利用できるので、コンセントホルダの仕様変更応じて、即ち、コンセントの組合わせ形態に応じて適宜に簡単に設置できる利便性を提供する。
【0043】
図3は、コンセントホルダ1内に電源コンセント5および情報コンセント6を取付け、かつコードストッパ3を設置した状態を示す。
電源コンセント5の背面から引き出された左右のコード54はそれぞれコードストッパ3のポール35の周囲を一周して二本のポール35,35間で当接して一体化できる状態になる。このようにして、プラグとコンセント間で電源コードを迂回させることができるので、電源コードの引っ張りが、直接、端子に伝わるのを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上記説明から理解されるように、上述の構成による本発明によるコンセントホルダは、二つ以上の電源コンセントおよび情報コンセントの種々の組合せに対応する形態に設計できる。そのように設計され製造されたコンセントホルダは、コンセントとは別部材として単独で流通させ得る。
更に、上述したように、本発明によるコードストッパは、コンセントホルダまたはコンセントとは別パーツとして単独取引の対象になり得ると同時に、コンセントホルダと組合せてコンセント組立体として流通させ得る。
更に、本発明は、コードストッパおよびコンセントを収容した本発明に基づく種々の形態のコンセントホルダもしくはコンセント組立体もしくはコンセント装置の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明によるコンセント組立体もしくはコンセント装置の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明によるコンセント組立体の分解図である。
【図3】本発明によるコンセント組立体の蓋を外した一部断面を含む平面図である。
【図4】本発明によるシャッタの側面図、上面図、および平面図を含む説明図である。
【図5】天板に取り付ける方法を示す説明図である。
【図6】(a)はシャッタの閉鎖時を示し、(b)はシャッタの開放時を示す。矢印は閉鎖方向および開放方向を示す。
【符号の説明】
【0046】
1 コンセントホルダ
2 ホルダの蓋
3 コードストッパ
4 シャッタ
5 電源コンセント
6 情報コンセント
11 下壁
12 前壁
13 後壁
14 側壁
15 隔壁
16、17 取付口
34 側板
35 ポール
36 通路
37 嵌合面
41 細片
42 突出部
43 溝
53 プラグ差込面(電源コンセントの)
63 プラグ差込面(情報コンセントの)
121 (前壁)中央部
131 (後壁)中央部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源コンセント、情報コンセントより選択する少なくとも二つのコンセントを内部に並設して収容できる収容部を有し、
前記収容部は上壁または下壁、および二側壁、前壁ならびに後壁により画定され、
前記前壁および後壁は、少なくとも二つの前記コンセントのプラグ差込面の両側面および底面にそれぞれ適合する少なくとも二つのコンセント取付口を所定間隔を置いて有し、
前記コンセント取付口は、前記コンセントのプラグ差込面を前記コンセント取付口相互間の前記前壁の外面と実質的面一に保持するように構成され、
前記コンセント取付口相互間の前壁は、コンセントのプラグ差込面を前記前壁の外面と実質的面一に保持するための凸係止面を前記コンセント取付口の周辺で前壁の内面内に有し、
前記側壁は二重構成されてその間に前記下壁と共に側溝を形成し、かつ
前記前壁には、前記側溝に通じる前溝が前記コンセント取付口の下面に沿って形成されている、ことを特徴とするコンセントホルダ。
【請求項2】
前記前溝と前記側溝間を摺動するシャッタを更に含む、請求項1のコンセントホルダ。
【請求項3】
前記シャッタは可撓性プラスチック材料製であり摺動、開閉可能である、請求項2のコンセントホルダ。
【請求項4】
前記シャッタは複数の溝切りにより細片の連続片として蛇腹状に構成されている、請求項2または3のコンセントホルダ。
【請求項5】
前記シャッタは前記細片の上縁および下縁、または上縁もしくは下縁で一方向へ突出した突出部を有しかつ前記突出部は前記コンセントホルダの前壁の前溝内に適合する爪を有する、請求項4のコンセントホルダ。
【請求項6】
少なくとも二つの前記コンセントは、電源コンセントおよび情報コンセントから選択された二以上の電源コンセントもしくは情報コンセント、または電源コンセントと情報コンセントとの組合せによるコンセントである、請求項1のコンセントホルダ。
【請求項7】
前記収容部は隔壁を介して少なくとも二つ形成されている、請求項1のコンセントホルダ。
【請求項8】
コンセントホルダのコンセント収容部内壁に嵌合する側面を有する左右両側板、前記両側板に連結された下板、ならびに前記両側板間で前記下板に連結された後板を含み、収容されるコンセントの電気コードを一周、迂回させることのできる二本のポールが前記両側板間で所定間隔をおいて前記下板上に突設され、かつ前記ポールを一周、迂回したコードを前記後板から外部へ通過させることのできる案内通路が前記二本のポール間に形成され、それにより前記電気コードを引っ張り作用から防護可能にした、コンセントホルダに着脱自在に装填、設置できるカセット式コードストッパ。
【請求項9】
前記案内通路は、前記二本ポール間で前記後板から前方へ前記下板上に突設された二枚の板で形成されている請求項8のカセット式コードストッパ。
【請求項10】
前記後壁には、コンセントホルダの後壁のコンセント取付口内に嵌合する嵌合面が形成されている、請求項8のカセット式コードストッパ。
【請求項11】
前記コンセントホルダのコンセント収容部は隔壁により二分割され、二分割されたコンセント収容部の少なくとも一つの収容部にコードストッパが更に収容され、前記コードストッパは前記収容部の内面に嵌合する着脱自在の外面を有し、コンセントの左右二本のコードをそれぞれ巻き付けるための左右二本のポールと二本のコードをまとめてコンセントホルダの後壁から外部へ引き出すことのできる中央通路を有するカセット式コードストッパである、請求項1のコンセントホルダ。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか1項のコンセントホルダに請求項8から10のいずれか1のカセット式コードストッパを組合せた、コンセント装置。
【請求項13】
請求項12に記載のコンセント装置に電源コンセントおよび情報コンセントの諸組合せを更に内蔵保持した、コンセント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−140116(P2006−140116A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331101(P2004−331101)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(591220665)株式会社石黒製作所 (18)
【Fターム(参考)】