コンタクトプローブ及びそれを備えた半導体素子用ソケット
【課題】半導体素子の電極部に対する接触子の接触抵抗の増加を抑制し、電極部に安定的に接触子を接触させて半導体素子の検査を円滑かつ良好に行うことが可能なコンタクトプローブ及びそれを備えた半導体素子用ソケットを提供する。
【解決手段】コンタクトプローブ11は、プランジャ12の先端に設けられて半導体素子の電極部が接触される上部接触子13と、検査用基板の電極部に接触される下部接触子14と、上部接触子13と下部接触子14とを互いに離間する方向へ付勢するコイルスプリング17とを備え、プランジャ12は、軸方向に貫通する貫通孔15を有する筒状に形成され、上部接触子13は、プランジャ12の先端に形成された山型形状の複数の尖鋭部25を有し、尖鋭部25は、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成され、プランジャ12の中心側へ曲げられている。
【解決手段】コンタクトプローブ11は、プランジャ12の先端に設けられて半導体素子の電極部が接触される上部接触子13と、検査用基板の電極部に接触される下部接触子14と、上部接触子13と下部接触子14とを互いに離間する方向へ付勢するコイルスプリング17とを備え、プランジャ12は、軸方向に貫通する貫通孔15を有する筒状に形成され、上部接触子13は、プランジャ12の先端に形成された山型形状の複数の尖鋭部25を有し、尖鋭部25は、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成され、プランジャ12の中心側へ曲げられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトプローブ及びコンタクトプローブを備えた半導体素子用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極部として半田ボールや半田バンプを有するIC(集積回路)パッケージなどの半導体素子と検査装置の検査回路基板との間を電気的に接続する接続子としてコンタクトプローブが配設された半導体素子用ソケットが提供されている。この種の半導体素子用ソケットに配設されたコンタクトプローブとしては、ICパッケージの半田ボールに接触するプランジャと、半田ボールに所定の圧力で接触させるための弾性付勢力をプランジャに与えるコイルバネとから構成されるものが用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
電極部とコンタクトプローブとの間で良好な電気的接続を得るためには、電極部表面に存在する酸化被膜を除去する必要がある。このため、コンタクトプローブは、金属薄板からプレス加工により所定の形状に打抜かれた板状(特許文献1参照)、または円柱状(特許文献2参照)に形成されたプランジャの先端に、複数の鋭利な接点部を有する接触子を備えている。そして、コイルバネによる弾性付勢力によりプランジャの接触子が電極部に点接触して突き刺さることにより酸化被膜が破られて良好な接続を得ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−152495号公報
【特許文献2】特開2003−167001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体素子の電極部は、略球状の半田ボールからなるバンプであったり、平板状のパッドであったりとその形態は様々である。特に、バンプとなる略球状の半田ボールは、その形状も真の球形とは限らず、また、位置精度や大きさのばらつきもある。このため、プランジャの接触子に設けられた複数の接点部が半田ボールに均一に接触することは稀であり、接触にばらつきが生じ易く不安定となる傾向がある。
また、半田の表面は、酸化被膜で覆われているだけでなく、異物が付着していることもあるため、活性な半田に接触子を安定的に接触させるためには、大きな圧力を付与して電極部に接触子を食い込ませなければならず、電極部を損傷させてしまうおそれもある。
【0006】
また、コンタクト時の圧力により電極部の半田ボールにプランジャの鋭利な接触子を食い込ませると、プランジャの接触子に電極部の半田や異物が転写されることがあるが、これらの付着した半田や異物は除去が困難であった。特に、コンタクト動作を繰り返した場合、プランジャの接触子に転写された半田の表面にも酸化被膜が形成されることがあり、このため、酸化被膜による接触抵抗が増大し、良好な電気的接続が維持できなくなるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、半導体素子の電極部に対する接触子の接触抵抗の増加を抑制し、電極部に安定的に接触子を接触させて半導体素子の検査を円滑かつ良好に行うことが可能なコンタクトプローブ及びそれを備えた半導体素子用ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明のコンタクトプローブは、プランジャの先端に設けられて半導体素子の電極部が接触される上部接触子と、検査用基板の電極部に接触される下部接触子と、前記上部接触子と前記下部接触子とを互いに離間する方向へ付勢する弾性部材とを備えたコンタクトプローブであって、
前記プランジャは、軸方向に貫通する貫通孔を有する筒状に形成され、
前記上部接触子は、前記プランジャの先端に形成された山型形状の複数の尖鋭部を有し、
前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線を境に非対称形状に形成され、前記プランジャの中心側へ曲げられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のコンタクトプローブにおいて、前記尖鋭部は、山の頂点に向かって次第に厚さが薄く形成されていることが好ましい。
【0010】
本発明のコンタクトプローブにおいて、前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線に対して、山型形状を形成する稜線が同一側に配置されていることが好ましい。
【0011】
本発明のコンタクトプローブにおいて、前記下部接触子を有するサブプランジャを備え、前記プランジャと前記サブプランジャとが前記弾性部材によって互いに離間する方向へ付勢されていることが好ましい。
【0012】
本発明の半導体素子用ソケットは、上記の何れかのコンタクトプローブを備え、半導体素子の電極部と前記検査用基板の電極部とを、前記コンタクトプローブを介して導通させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコンタクトプローブによれば、上部接触子の尖鋭部が、山型形状に形成されるとともに、山の頂点を通るプランジャの軸線に沿う直線を境に非対称形状に形成されているので、半導体素子の電極部を尖鋭部の長い方の稜線に沿って摺動させて線接触させることができる。これにより、半導体素子の電極部と上部接触子の尖鋭部とを確実かつ安定的に導通させることができる。
また、各尖鋭部が、プランジャの中心側へ曲げられて弾性変形しやすい構造であるので、半導体素子の電極部とコンタクトプローブとの当初の接触位置がずれていても、尖鋭部が弾性変形することにより、半導体素子の電極部と各尖鋭部との距離の差を吸収することができる。これにより、半導体素子の電極部に対して各尖鋭部をばらつきなく均一に接触させることができる。
また、本発明の半導体素子用ソケットによれば、半導体素子の電極部と検査用基板の電極部とを、コンタクトプローブを介して確実に導通させることができ、多数回にわたる半導体素子の検査の信頼性を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るコンタクトプローブの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のコンタクトプローブの半分を断面視した側面図である。
【図3】図1のコンタクトプローブの分解断面図である。
【図4】図1のコンタクトプローブを構成するプランジャを示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】図1のコンタクトプローブを構成するプランジャの上方側から見た斜視図である。
【図6】プランジャの上部接触子を構成する尖鋭部の形状例を示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ断面図である。
【図7】本発明に係る半導体素子用ソケットの構造の一例を示す断面図である。
【図8】図7の半導体素子用ソケットの動作を示す断面図である。
【図9】上部接触子に対する半田ボールの接触状態を示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ側面図である。
【図10】プランジャの上部接触子の尖鋭部の曲げについて示すプランジャの上部接触子における断面図である。
【図11】切削加工によるプランジャの製造工程を示す図であって、(a)から(e)はそれぞれ斜視図である。
【図12】プレス加工によるプランジャの製造工程を示す図であって、(a)は金属板の平面図、(b)及び(c)はそれぞれ斜視図である。
【図13】プランジャの上部接触子の加工を示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ断面図である。
【図14】プランジャへのコイルスプリング及びサブプランジャの組み付けを示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るコンタクトプローブのプランジャを示す図であって、(a)は金属板の平面図、(b)は製造されたプランジャの斜視図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るコンタクトプローブの半分を断面視した側面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るコンタクトプローブのプランジャを示す図であって、(a)から(e)はそれぞれ斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るコンタクトプローブ及びそれを備えた半導体素子用ソケットの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るコンタクトプローブ11は、導電性を有する金属材料から形成されたプランジャ12を備えている。このプランジャ12には、その上端である先端に上部接触子13を有している。また、コンタクトプローブ11は、下方側に、下部接触子14を有している。
【0016】
図2及び図3に示すように、プランジャ12は、軸方向に貫通する貫通孔15を有する筒状に形成されており、このプランジャ12の下方側には、サブプランジャ16が設けられている。このサブプランジャ16は、導電性を有する金属材料から形成されたものであり、その下端部が下部接触子14として形成されている。
【0017】
また、コンタクトプローブ11は、プランジャ12の貫通孔15内に、貫通孔15の径よりも僅かに小さい外径のコイルスプリング(弾性部材)17が収容されている。このコイルスプリング17は、バネ鋼から形成されており、このコイルスプリング17の弾性力によって、プランジャ12に対してサブプランジャ16が後端側へ付勢されている。これにより、プランジャ12の上部接触子13とサブプランジャ16の下部接触子14とは、コイルスプリング17によって互いに離間する方向へ付勢されている。
【0018】
図4及び図5に示すように、このプランジャ12の先端に設けられた上部接触子13は、山型形状の複数(本例では4つ)の尖鋭部25を有しており、この尖鋭部25は、その山の頂点26を境として両側に稜線27a,27bを有している。図4(b)に示すように、この尖鋭部25は、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成されている。これにより、尖鋭部25の稜線27a,27bは、その長さが異なっている。具体的には、稜線27aよりも稜線27bの長さが短くされている。
また、図1〜図5に示すように、円筒状に形成されたプランジャ12には、周方向へわたって外周へ突出するフランジ部22が形成されている。
【0019】
図6(a)に示すように、上部接触子13では、それぞれの尖鋭部25がプランジャ12の中心側へ曲げられている。これにより、各尖鋭部25の頂部26を通る円の径は、プランジャ12に形成された貫通孔15の径よりも小さくされている。また、この尖鋭部25の頂部26を通る円の径は、コイルスプリング17の外径よりも小さくされている。したがって、図2に示すように、コイルスプリング17は、その上端が上部接触子13の尖鋭部25の内面に当接して、プランジャ12の上端からの抜け出しが防止されている。
なお、尖鋭部25は、図6(b)に示すように、山の頂点26に向かって次第に厚さが薄くされていても良く、図6(c)に示すように、外周側へ膨出するように湾曲されていても良い。
また、図2に示すように、プランジャ12の下端は、中心方向へ絞り込まれて径が次第に小さくされた絞り部29とされている。
【0020】
図2及び図3に示すように、サブプランジャ16は、円柱状の棒状部31と、この棒状部31の軸の中間部に形成されたフランジ部32とを有しており、棒状部31の下端部が下部接触子14とされている。棒状部31は、コイルスプリング17の内径よりも僅かに小径の外径を有し、フランジ部32は、コイルスプリング17の内径よりも大きくかつプランジャ12の貫通孔15の径よりも僅かに小さな外径を有している。そして、このサブプランジャ16は、棒状部31の上端側がコイルスプリング17に挿し込まれ、フランジ部32がコイルスプリング17に当接されている。また、サブプランジャ16は、コイルスプリング17の付勢力に抗してプランジャ12の貫通孔15内に押し込まれて収容され、プランジャ12の絞り部29に係合されてプランジャ12の下端からの抜け出しが防止されている。
【0021】
そして、上記のように構成されたコンタクトプローブ11では、コイルスプリング17が圧縮された状態でプランジャ12の貫通孔15内に収容されている。これにより、プランジャ12とサブプランジャ16とがコイルスプリング17によって互いに離間する方向へ付勢されて、上部接触子13と下部接触子14とが互いに離間する方向へ付勢されている。
【0022】
次に、複数本のコンタクトプローブ11を備えた半導体素子用ソケットについて説明する。
図7に示すように、半導体素子用ソケット41は、プローブ収容ブロック43を有し、検査用基板42上に、位置決めピン44によって位置決めされて締結ボルト45によって固定されている。
【0023】
プローブ収容ブロック43は、それぞれ絶縁性を有する接触子配列基板51とソケット基板52とから構成されている。ソケット基板52には、その下面側に、配列基板収容凹部53が形成されており、この配列基板収容凹部53に接触子配列基板51が嵌め込まれ、位置決めピン54で位置決めされてビス55で締結固定されている。
【0024】
ソケット基板52には、複数のプローブ収容孔61が形成されており、これらのプローブ収容孔61には、下方側からコンタクトプローブ11が挿し込まれて収容されている。プローブ収容孔61は、その軸方向の中間部に段部62が形成されており、この段部62を境として、上方側がプランジャ12のフランジ部22よりも小径に形成され、下方側がプランジャ12のフランジ部22よりも僅かに大径に形成されている。これにより、下方側から挿し込まれたコンタクトプローブ11は、プランジャ12のフランジ部22が段部62に係合し、上方側への移動が規制されている。
【0025】
ソケット基板52に固定された接触子配列基板51には、各プローブ収容孔61に対応する複数の接触子保持孔65が形成されている。これらの接触子保持孔65には、各プローブ収容孔61に収容されたコンタクトプローブ11の下部接触子14が挿入されている。これにより、コンタクトプローブ11の下部接触子14が、接触子保持孔65によって保持されて検査用基板42の所定位置に配置されている。検査用基板42には、コンタクトプローブ11の下部接触子14の配置位置に、電極部(図示省略)が設けられており、それぞれのコンタクトプローブ11の下部接触子14が導通接触されている。
【0026】
ソケット基板52には、その上面側に、ソケット凹部67が形成されており、このソケット凹部67には、半田ボール71を有する複数の電極部72が下面側に設けられた半導体素子73が上方側から収容可能とされている。
【0027】
上記構造の半導体素子用ソケット41で半導体素子73を検査する場合は、ソケット基板52のソケット凹部67へ半導体素子73を収容させる。
この状態で、図8に示すように、押圧体75で半導体素子73を下方へ押圧する。すると、半導体素子73がソケット凹部67へ押し込まれ、図9(a)に示すように、電極部72を構成する各半田ボール71が対応するコンタクトプローブ11の上部接触子13に近接し、その後、図9(b)に示すように、半田ボール71が上部接触子13に押し付けられて接触する。
【0028】
このように、コンタクトプローブ11の上部接触子13に半田ボール71が押し付けられると、コンタクトプローブ11には、軸方向に沿う圧縮力が付与され、前述したコイルスプリング17が圧縮される。したがって、コイルスプリング17の弾性力が大きくなり、このコイルスプリング17の弾性力でコンタクトプローブ11の下部接触子14が検査用基板42の電極部に押し付けられる。
【0029】
コンタクトプローブ11の上部接触子13の尖鋭部25は、山型形状に形成され、しかも、図1及び図4(b)に示すように、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成されているので、上部接触子13に押し付けられる半田ボール71に対する尖鋭部25の頂部26の食い込みが殆どない状態に抑制される。これにより、半田ボール71は、尖鋭部25の長い方の稜線27aに沿って軸方向と交差する方向へ変位する。したがって、半田ボール71と各尖鋭部25とは、互いに押し付けられながら、図9(b)に示すように、微小に摺動することとなる。これにより、半田ボール71の表面または各尖鋭部25の表面が酸化被膜で覆われていたり、半田ボール71の表面または各尖鋭部25の表面に異物が付着したりしていたとしても、半田ボール71と尖鋭部25との間では、互いに摺動することで、酸化被膜や異物が除去される。よって、半田ボール71の活性な半田部分と上部接触子13の尖鋭部25の長い方の稜線27aの一部(図5中矢印部分)とが線接触し、確実かつ安定的に導通される。
【0030】
また、各尖鋭部25は、プランジャ12の中心側へ曲げられているので、図10に示すように、各尖鋭部25は半田ボール71が押し付けられて内側(図10矢印方向)へ弾性変形する。そして、半田ボール71とコンタクトプローブ11とがずれていると、大きな荷重が作用する尖鋭部25が他の尖鋭部25よりも大きく内側へ弾性変形することにより、半田ボール71と各尖鋭部25との距離の差が吸収され、半田ボール71に対して各尖鋭部25がばらつきなく均一に接触する。
これにより、半導体素子73の電極部72と検査用基板42の電極部とがコンタクトプローブ11を介して確実に導通され、半導体素子73の検査が可能となる。
【0031】
このように、上記実施形態に係るコンタクトプローブによれば、上部接触子13の尖鋭部25が、山型形状に形成され、しかも、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成されているので、半田ボール71を尖鋭部25の長い方の稜線27aに沿って摺動させて線接触させることができる。これにより、半田ボール71の活性な半田部分と上部接触子13の尖鋭部25とを確実かつ安定的に導通させることができる。
【0032】
また、各尖鋭部25が、プランジャ12の中心側へ曲げられているので中心側へ弾性変形しやすい。そのため、半田ボール71とコンタクトプローブ11とがずれていても、尖鋭部25が弾性変形することにより、半田ボール71と各尖鋭部25との距離の差を吸収することができて、半田ボール71に対して各尖鋭部25をばらつきなく均一に接触させることができる。
【0033】
特に、尖鋭部25を、山の頂点26に向かって次第に厚さが薄くなる形状とすれば、さらに弾性変形しやすい構造となり、半田ボール71に対する各尖鋭部25の接触状態のさらなる均一化を図ることができる。
【0034】
そして、このコンタクトプローブ11を備えた半導体素子用ソケット41によれば、半導体素子73の電極部72と検査用基板42の電極部とを、コンタクトプローブ11を介して確実に導通させることができる。したがって、多数回にわたる半導体素子73の検査の信頼性を維持させることができる。
【0035】
また、本実施形態に係るコンタクトプローブ11は、切削加工またはプレス加工によってプランジャ12を加工し、さらに、コイルスプリング17及びサブプランジャ16を組み付けることにより比較的容易に製造することができる。
次に、コンタクトプローブ11の製造方法の一例の概要を説明する。
【0036】
(1)プランジャ12の加工について
(切削加工の場合)
図11(a)に示すように、銅または鉄系等の金属の棒材の一端に、旋盤等を用いてコイルスプリング17が挿入可能な貫通孔15を形成し、プランジャ12となる円筒体81を作製する。このとき、円筒体81の肉厚は、半導体素子73の検査時に作用する荷重に対して十分な強度を有する厚さとする。
図11(b)に示すように、上部接触子13となる円筒体81の先端部をテーパ形状に切削する。
図11(c)に示すように、テーパ形状に形成した円筒体81の先端部を切削し、V字状の切り込み82を形成する。
【0037】
図11(d)に示すように、円筒体81を回転させながら複数箇所にV字状の切り込み82を形成し、山型形状の複数の尖鋭部25を形成する。このとき、尖鋭部25は、山の頂点26を通るプランジャ12となる円筒体81の軸線に沿う直線A(図1及び図4参照)を境に非対称形状となるように形成する。
【0038】
図11(e)に示すように、円筒体81の先端部に対して曲げ加工を行い、それぞれの尖鋭部25を円筒体81の中心側へ向かって曲げる。
その後、棒体から円筒体81を切り離してプランジャ12とし、このプランジャ12に対し、材質に応じてニッケルメッキまたは金メッキ等の各種の表面処理を行う。
【0039】
(プレス加工の場合)
図12(a)に示すように、銅または鉄系等の金属板85に対して、プレス加工機等を用いて金型によって打ち抜き加工を施す。金属板85としては、半導体素子73の検査時に作用する荷重に対して十分な強度を有する板厚のものを用いる。この打ち抜き加工により、金属板85の一側縁に、複数のV字状の切り込み86を形成し、山型形状の複数の尖鋭部25を形成する。このとき、尖鋭部25は、左右非対称形状となるように形成する。
【0040】
図12(b)に示すように、金属板85に曲げ加工を施すことにより、コイルスプリング17が挿入可能な貫通孔15を有する円筒状に形成する。
図12(c)に示すように、金属板85からなる円筒体の先端部に対して曲げ加工を行い、それぞれの尖鋭部25を円筒体の中心側へ向かって曲げ、プランジャ12とする。
その後、このプランジャ12に対し、材質に応じてニッケルメッキまたは金メッキ等の各種の表面処理を行う。
【0041】
(2)尖鋭部の曲げ加工について
プランジャ12の上部接触子13を構成する尖鋭部25をプランジャ12の中心側へ曲げる曲げ加工としては、図13(a)に示すように、成形治具91を用いる。この成形治具91には、成形凹部92が形成されている。この成形凹部92は、内部の底部側へ向かって次第に窄まるテーパ壁93を有している。
【0042】
そして、図13(b)に示すように、成形治具91の成形凹部92へプランジャ12の先端部を押し込む。すると、プランジャ12の先端の尖鋭部25が成形凹部92のテーパ壁93に沿って曲げられる。
これにより、図13(c)に示すように、プランジャ12の中心側へ向かって曲げられた尖鋭部25を有するプランジャ12が得られる。
【0043】
(3)組み付け工程について
作製したプランジャ12へコイルスプリング17及びサブプランジャ16を組み付けるには、図14(a)に示すように、組付治具95を用いる。この組付治具95には、カシメ凹部96が形成されている。このカシメ凹部96は、底部側へ向かって次第に窄まるカシメ壁97を有している。また、カシメ凹部96の底部には、保持凹部98が形成されている。
【0044】
この組付治具95を用いて組み付けるには、まず、プランジャ12の下端側から貫通孔15へコイルスプリング17及びサブプランジャ16を順に挿入する。
次に、図14(b)に示すように、組付治具95のカシメ凹部96へサブプランジャ16側を押し込む。すると、まず、サブプランジャ16の下部接触子14が保持凹部98の底部に当接することにより下方への移動が規制される。これにより、サブプランジャ16が、コイルスプリング17を圧縮しつつプランジャ12の貫通孔15内へ入り込む。
【0045】
組付治具95へさらに押し込むと、プランジャ12の下端部がカシメ凹部96のカシメ壁97に沿って曲げられる。
これにより、図14(c)に示すように、プランジャ12の下端部が加締められて絞り部29が形成され、プランジャ12にコイルスプリング17及びサブプランジャ16が組み付けられたコンタクトプローブ11が得られる。
【0046】
このように、コンタクトプローブ11は、上記のように、プランジャ12を切削加工またはプレス加工の何れの加工方法によっても容易に作製することができる。したがって、例えば、少量生産または大量生産等の生産状況に応じて最適な加工方法を選択して効率的に製造することができ、不要な金型を作製することによるコストアップ等を防止することができる。
【0047】
なお、コンタクトプローブ11の尖鋭部25の形状としては、上記実施形態のものに限定されない。
図15(a),(b)に示すように、尖鋭部25としては、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aに対して、山型形状を形成する稜線27a,27bが同一側に配置されている形状であっても良い。
このような形状の尖鋭部25からなる上部接触子13を有するコンタクトプローブ11では、半導体素子73の検査時に作用する荷重による尖鋭部25の弾性変形がさらに生じやすくなり、半田ボール71とのさらなる均一な接触状態を得ることができる。
【0048】
このような尖鋭部25を有するプランジャ12を作製する場合も、図15(a)に示すように、打ち抜き加工により、金属板85の一側縁に、複数のV字状の切り込み86を形成し、山型形状の複数の尖鋭部25を形成する。このとき、尖鋭部25は、左右非対称形状となり、しかも、頂点26を通る直線Aに対して山型形状を形成する稜線27a,27bが同一側に配置されるように形成する。そして、図15(b)に示すように、金属板85に曲げ加工を施すことにより、コイルスプリング17が挿入可能な貫通孔15を有する円筒状に形成する。
【0049】
上記実施形態では、下部接触子14を有するサブプランジャ16を備えた場合を例示したが、サブプランジャ16を設けない構成も採用できる。
図16に示すように、このコンタクトプローブ11は、サブプランジャ16に代えてコイルスプリング17の下端部分を下部接触子14としたものである。
【0050】
具体的には、コイルスプリング17の下端部に、その巻き径を小さくしつつ軸方向へ密着させて棒状部17aを形成し、この棒状部17aをプランジャ12の下端から突出させている。そして、このコンタクトプローブ11では、コイルスプリング17の棒状部17aが下部接触子14として機能する。
このような構造のコンタクトプローブ11によれば、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
【0051】
また、プランジャ12の上部接触子13を構成する尖鋭部25の数は、複数であればよく、4つに限定されない。
例えば、4つよりも少ない尖鋭部25を有する上部接触子13として、図17(a)に示すように、2つの尖鋭部25を対向位置に形成したり、または、図17(b)に示すように、3つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成しても良い。
【0052】
さらに、4つよりも多い尖鋭部25を有する上部接触子13として、図17(c)に示すように、5つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成したり、図17(d)に示すように、6つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成したり、さらには、図17(e)に示すように、8つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成しても良い。
【符号の説明】
【0053】
11:コンタクトプローブ、12:プランジャ、13:上部接触子、14:下部接触子、15:貫通孔、16:サブプランジャ、17:コイルスプリング(弾性部材)、25:尖鋭部、26:頂点、27a,27b:稜線、41:半導体素子用ソケット、42:検査用基板、71:半田ボール(電極部)、72:電極部、73:半導体素子、A:直線
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトプローブ及びコンタクトプローブを備えた半導体素子用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極部として半田ボールや半田バンプを有するIC(集積回路)パッケージなどの半導体素子と検査装置の検査回路基板との間を電気的に接続する接続子としてコンタクトプローブが配設された半導体素子用ソケットが提供されている。この種の半導体素子用ソケットに配設されたコンタクトプローブとしては、ICパッケージの半田ボールに接触するプランジャと、半田ボールに所定の圧力で接触させるための弾性付勢力をプランジャに与えるコイルバネとから構成されるものが用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
電極部とコンタクトプローブとの間で良好な電気的接続を得るためには、電極部表面に存在する酸化被膜を除去する必要がある。このため、コンタクトプローブは、金属薄板からプレス加工により所定の形状に打抜かれた板状(特許文献1参照)、または円柱状(特許文献2参照)に形成されたプランジャの先端に、複数の鋭利な接点部を有する接触子を備えている。そして、コイルバネによる弾性付勢力によりプランジャの接触子が電極部に点接触して突き刺さることにより酸化被膜が破られて良好な接続を得ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−152495号公報
【特許文献2】特開2003−167001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体素子の電極部は、略球状の半田ボールからなるバンプであったり、平板状のパッドであったりとその形態は様々である。特に、バンプとなる略球状の半田ボールは、その形状も真の球形とは限らず、また、位置精度や大きさのばらつきもある。このため、プランジャの接触子に設けられた複数の接点部が半田ボールに均一に接触することは稀であり、接触にばらつきが生じ易く不安定となる傾向がある。
また、半田の表面は、酸化被膜で覆われているだけでなく、異物が付着していることもあるため、活性な半田に接触子を安定的に接触させるためには、大きな圧力を付与して電極部に接触子を食い込ませなければならず、電極部を損傷させてしまうおそれもある。
【0006】
また、コンタクト時の圧力により電極部の半田ボールにプランジャの鋭利な接触子を食い込ませると、プランジャの接触子に電極部の半田や異物が転写されることがあるが、これらの付着した半田や異物は除去が困難であった。特に、コンタクト動作を繰り返した場合、プランジャの接触子に転写された半田の表面にも酸化被膜が形成されることがあり、このため、酸化被膜による接触抵抗が増大し、良好な電気的接続が維持できなくなるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、半導体素子の電極部に対する接触子の接触抵抗の増加を抑制し、電極部に安定的に接触子を接触させて半導体素子の検査を円滑かつ良好に行うことが可能なコンタクトプローブ及びそれを備えた半導体素子用ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明のコンタクトプローブは、プランジャの先端に設けられて半導体素子の電極部が接触される上部接触子と、検査用基板の電極部に接触される下部接触子と、前記上部接触子と前記下部接触子とを互いに離間する方向へ付勢する弾性部材とを備えたコンタクトプローブであって、
前記プランジャは、軸方向に貫通する貫通孔を有する筒状に形成され、
前記上部接触子は、前記プランジャの先端に形成された山型形状の複数の尖鋭部を有し、
前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線を境に非対称形状に形成され、前記プランジャの中心側へ曲げられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のコンタクトプローブにおいて、前記尖鋭部は、山の頂点に向かって次第に厚さが薄く形成されていることが好ましい。
【0010】
本発明のコンタクトプローブにおいて、前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線に対して、山型形状を形成する稜線が同一側に配置されていることが好ましい。
【0011】
本発明のコンタクトプローブにおいて、前記下部接触子を有するサブプランジャを備え、前記プランジャと前記サブプランジャとが前記弾性部材によって互いに離間する方向へ付勢されていることが好ましい。
【0012】
本発明の半導体素子用ソケットは、上記の何れかのコンタクトプローブを備え、半導体素子の電極部と前記検査用基板の電極部とを、前記コンタクトプローブを介して導通させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のコンタクトプローブによれば、上部接触子の尖鋭部が、山型形状に形成されるとともに、山の頂点を通るプランジャの軸線に沿う直線を境に非対称形状に形成されているので、半導体素子の電極部を尖鋭部の長い方の稜線に沿って摺動させて線接触させることができる。これにより、半導体素子の電極部と上部接触子の尖鋭部とを確実かつ安定的に導通させることができる。
また、各尖鋭部が、プランジャの中心側へ曲げられて弾性変形しやすい構造であるので、半導体素子の電極部とコンタクトプローブとの当初の接触位置がずれていても、尖鋭部が弾性変形することにより、半導体素子の電極部と各尖鋭部との距離の差を吸収することができる。これにより、半導体素子の電極部に対して各尖鋭部をばらつきなく均一に接触させることができる。
また、本発明の半導体素子用ソケットによれば、半導体素子の電極部と検査用基板の電極部とを、コンタクトプローブを介して確実に導通させることができ、多数回にわたる半導体素子の検査の信頼性を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るコンタクトプローブの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のコンタクトプローブの半分を断面視した側面図である。
【図3】図1のコンタクトプローブの分解断面図である。
【図4】図1のコンタクトプローブを構成するプランジャを示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】図1のコンタクトプローブを構成するプランジャの上方側から見た斜視図である。
【図6】プランジャの上部接触子を構成する尖鋭部の形状例を示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ断面図である。
【図7】本発明に係る半導体素子用ソケットの構造の一例を示す断面図である。
【図8】図7の半導体素子用ソケットの動作を示す断面図である。
【図9】上部接触子に対する半田ボールの接触状態を示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ側面図である。
【図10】プランジャの上部接触子の尖鋭部の曲げについて示すプランジャの上部接触子における断面図である。
【図11】切削加工によるプランジャの製造工程を示す図であって、(a)から(e)はそれぞれ斜視図である。
【図12】プレス加工によるプランジャの製造工程を示す図であって、(a)は金属板の平面図、(b)及び(c)はそれぞれ斜視図である。
【図13】プランジャの上部接触子の加工を示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ断面図である。
【図14】プランジャへのコイルスプリング及びサブプランジャの組み付けを示す図であって、(a)から(c)はそれぞれ断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るコンタクトプローブのプランジャを示す図であって、(a)は金属板の平面図、(b)は製造されたプランジャの斜視図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るコンタクトプローブの半分を断面視した側面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るコンタクトプローブのプランジャを示す図であって、(a)から(e)はそれぞれ斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るコンタクトプローブ及びそれを備えた半導体素子用ソケットの実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るコンタクトプローブ11は、導電性を有する金属材料から形成されたプランジャ12を備えている。このプランジャ12には、その上端である先端に上部接触子13を有している。また、コンタクトプローブ11は、下方側に、下部接触子14を有している。
【0016】
図2及び図3に示すように、プランジャ12は、軸方向に貫通する貫通孔15を有する筒状に形成されており、このプランジャ12の下方側には、サブプランジャ16が設けられている。このサブプランジャ16は、導電性を有する金属材料から形成されたものであり、その下端部が下部接触子14として形成されている。
【0017】
また、コンタクトプローブ11は、プランジャ12の貫通孔15内に、貫通孔15の径よりも僅かに小さい外径のコイルスプリング(弾性部材)17が収容されている。このコイルスプリング17は、バネ鋼から形成されており、このコイルスプリング17の弾性力によって、プランジャ12に対してサブプランジャ16が後端側へ付勢されている。これにより、プランジャ12の上部接触子13とサブプランジャ16の下部接触子14とは、コイルスプリング17によって互いに離間する方向へ付勢されている。
【0018】
図4及び図5に示すように、このプランジャ12の先端に設けられた上部接触子13は、山型形状の複数(本例では4つ)の尖鋭部25を有しており、この尖鋭部25は、その山の頂点26を境として両側に稜線27a,27bを有している。図4(b)に示すように、この尖鋭部25は、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成されている。これにより、尖鋭部25の稜線27a,27bは、その長さが異なっている。具体的には、稜線27aよりも稜線27bの長さが短くされている。
また、図1〜図5に示すように、円筒状に形成されたプランジャ12には、周方向へわたって外周へ突出するフランジ部22が形成されている。
【0019】
図6(a)に示すように、上部接触子13では、それぞれの尖鋭部25がプランジャ12の中心側へ曲げられている。これにより、各尖鋭部25の頂部26を通る円の径は、プランジャ12に形成された貫通孔15の径よりも小さくされている。また、この尖鋭部25の頂部26を通る円の径は、コイルスプリング17の外径よりも小さくされている。したがって、図2に示すように、コイルスプリング17は、その上端が上部接触子13の尖鋭部25の内面に当接して、プランジャ12の上端からの抜け出しが防止されている。
なお、尖鋭部25は、図6(b)に示すように、山の頂点26に向かって次第に厚さが薄くされていても良く、図6(c)に示すように、外周側へ膨出するように湾曲されていても良い。
また、図2に示すように、プランジャ12の下端は、中心方向へ絞り込まれて径が次第に小さくされた絞り部29とされている。
【0020】
図2及び図3に示すように、サブプランジャ16は、円柱状の棒状部31と、この棒状部31の軸の中間部に形成されたフランジ部32とを有しており、棒状部31の下端部が下部接触子14とされている。棒状部31は、コイルスプリング17の内径よりも僅かに小径の外径を有し、フランジ部32は、コイルスプリング17の内径よりも大きくかつプランジャ12の貫通孔15の径よりも僅かに小さな外径を有している。そして、このサブプランジャ16は、棒状部31の上端側がコイルスプリング17に挿し込まれ、フランジ部32がコイルスプリング17に当接されている。また、サブプランジャ16は、コイルスプリング17の付勢力に抗してプランジャ12の貫通孔15内に押し込まれて収容され、プランジャ12の絞り部29に係合されてプランジャ12の下端からの抜け出しが防止されている。
【0021】
そして、上記のように構成されたコンタクトプローブ11では、コイルスプリング17が圧縮された状態でプランジャ12の貫通孔15内に収容されている。これにより、プランジャ12とサブプランジャ16とがコイルスプリング17によって互いに離間する方向へ付勢されて、上部接触子13と下部接触子14とが互いに離間する方向へ付勢されている。
【0022】
次に、複数本のコンタクトプローブ11を備えた半導体素子用ソケットについて説明する。
図7に示すように、半導体素子用ソケット41は、プローブ収容ブロック43を有し、検査用基板42上に、位置決めピン44によって位置決めされて締結ボルト45によって固定されている。
【0023】
プローブ収容ブロック43は、それぞれ絶縁性を有する接触子配列基板51とソケット基板52とから構成されている。ソケット基板52には、その下面側に、配列基板収容凹部53が形成されており、この配列基板収容凹部53に接触子配列基板51が嵌め込まれ、位置決めピン54で位置決めされてビス55で締結固定されている。
【0024】
ソケット基板52には、複数のプローブ収容孔61が形成されており、これらのプローブ収容孔61には、下方側からコンタクトプローブ11が挿し込まれて収容されている。プローブ収容孔61は、その軸方向の中間部に段部62が形成されており、この段部62を境として、上方側がプランジャ12のフランジ部22よりも小径に形成され、下方側がプランジャ12のフランジ部22よりも僅かに大径に形成されている。これにより、下方側から挿し込まれたコンタクトプローブ11は、プランジャ12のフランジ部22が段部62に係合し、上方側への移動が規制されている。
【0025】
ソケット基板52に固定された接触子配列基板51には、各プローブ収容孔61に対応する複数の接触子保持孔65が形成されている。これらの接触子保持孔65には、各プローブ収容孔61に収容されたコンタクトプローブ11の下部接触子14が挿入されている。これにより、コンタクトプローブ11の下部接触子14が、接触子保持孔65によって保持されて検査用基板42の所定位置に配置されている。検査用基板42には、コンタクトプローブ11の下部接触子14の配置位置に、電極部(図示省略)が設けられており、それぞれのコンタクトプローブ11の下部接触子14が導通接触されている。
【0026】
ソケット基板52には、その上面側に、ソケット凹部67が形成されており、このソケット凹部67には、半田ボール71を有する複数の電極部72が下面側に設けられた半導体素子73が上方側から収容可能とされている。
【0027】
上記構造の半導体素子用ソケット41で半導体素子73を検査する場合は、ソケット基板52のソケット凹部67へ半導体素子73を収容させる。
この状態で、図8に示すように、押圧体75で半導体素子73を下方へ押圧する。すると、半導体素子73がソケット凹部67へ押し込まれ、図9(a)に示すように、電極部72を構成する各半田ボール71が対応するコンタクトプローブ11の上部接触子13に近接し、その後、図9(b)に示すように、半田ボール71が上部接触子13に押し付けられて接触する。
【0028】
このように、コンタクトプローブ11の上部接触子13に半田ボール71が押し付けられると、コンタクトプローブ11には、軸方向に沿う圧縮力が付与され、前述したコイルスプリング17が圧縮される。したがって、コイルスプリング17の弾性力が大きくなり、このコイルスプリング17の弾性力でコンタクトプローブ11の下部接触子14が検査用基板42の電極部に押し付けられる。
【0029】
コンタクトプローブ11の上部接触子13の尖鋭部25は、山型形状に形成され、しかも、図1及び図4(b)に示すように、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成されているので、上部接触子13に押し付けられる半田ボール71に対する尖鋭部25の頂部26の食い込みが殆どない状態に抑制される。これにより、半田ボール71は、尖鋭部25の長い方の稜線27aに沿って軸方向と交差する方向へ変位する。したがって、半田ボール71と各尖鋭部25とは、互いに押し付けられながら、図9(b)に示すように、微小に摺動することとなる。これにより、半田ボール71の表面または各尖鋭部25の表面が酸化被膜で覆われていたり、半田ボール71の表面または各尖鋭部25の表面に異物が付着したりしていたとしても、半田ボール71と尖鋭部25との間では、互いに摺動することで、酸化被膜や異物が除去される。よって、半田ボール71の活性な半田部分と上部接触子13の尖鋭部25の長い方の稜線27aの一部(図5中矢印部分)とが線接触し、確実かつ安定的に導通される。
【0030】
また、各尖鋭部25は、プランジャ12の中心側へ曲げられているので、図10に示すように、各尖鋭部25は半田ボール71が押し付けられて内側(図10矢印方向)へ弾性変形する。そして、半田ボール71とコンタクトプローブ11とがずれていると、大きな荷重が作用する尖鋭部25が他の尖鋭部25よりも大きく内側へ弾性変形することにより、半田ボール71と各尖鋭部25との距離の差が吸収され、半田ボール71に対して各尖鋭部25がばらつきなく均一に接触する。
これにより、半導体素子73の電極部72と検査用基板42の電極部とがコンタクトプローブ11を介して確実に導通され、半導体素子73の検査が可能となる。
【0031】
このように、上記実施形態に係るコンタクトプローブによれば、上部接触子13の尖鋭部25が、山型形状に形成され、しかも、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aを境に非対称形状に形成されているので、半田ボール71を尖鋭部25の長い方の稜線27aに沿って摺動させて線接触させることができる。これにより、半田ボール71の活性な半田部分と上部接触子13の尖鋭部25とを確実かつ安定的に導通させることができる。
【0032】
また、各尖鋭部25が、プランジャ12の中心側へ曲げられているので中心側へ弾性変形しやすい。そのため、半田ボール71とコンタクトプローブ11とがずれていても、尖鋭部25が弾性変形することにより、半田ボール71と各尖鋭部25との距離の差を吸収することができて、半田ボール71に対して各尖鋭部25をばらつきなく均一に接触させることができる。
【0033】
特に、尖鋭部25を、山の頂点26に向かって次第に厚さが薄くなる形状とすれば、さらに弾性変形しやすい構造となり、半田ボール71に対する各尖鋭部25の接触状態のさらなる均一化を図ることができる。
【0034】
そして、このコンタクトプローブ11を備えた半導体素子用ソケット41によれば、半導体素子73の電極部72と検査用基板42の電極部とを、コンタクトプローブ11を介して確実に導通させることができる。したがって、多数回にわたる半導体素子73の検査の信頼性を維持させることができる。
【0035】
また、本実施形態に係るコンタクトプローブ11は、切削加工またはプレス加工によってプランジャ12を加工し、さらに、コイルスプリング17及びサブプランジャ16を組み付けることにより比較的容易に製造することができる。
次に、コンタクトプローブ11の製造方法の一例の概要を説明する。
【0036】
(1)プランジャ12の加工について
(切削加工の場合)
図11(a)に示すように、銅または鉄系等の金属の棒材の一端に、旋盤等を用いてコイルスプリング17が挿入可能な貫通孔15を形成し、プランジャ12となる円筒体81を作製する。このとき、円筒体81の肉厚は、半導体素子73の検査時に作用する荷重に対して十分な強度を有する厚さとする。
図11(b)に示すように、上部接触子13となる円筒体81の先端部をテーパ形状に切削する。
図11(c)に示すように、テーパ形状に形成した円筒体81の先端部を切削し、V字状の切り込み82を形成する。
【0037】
図11(d)に示すように、円筒体81を回転させながら複数箇所にV字状の切り込み82を形成し、山型形状の複数の尖鋭部25を形成する。このとき、尖鋭部25は、山の頂点26を通るプランジャ12となる円筒体81の軸線に沿う直線A(図1及び図4参照)を境に非対称形状となるように形成する。
【0038】
図11(e)に示すように、円筒体81の先端部に対して曲げ加工を行い、それぞれの尖鋭部25を円筒体81の中心側へ向かって曲げる。
その後、棒体から円筒体81を切り離してプランジャ12とし、このプランジャ12に対し、材質に応じてニッケルメッキまたは金メッキ等の各種の表面処理を行う。
【0039】
(プレス加工の場合)
図12(a)に示すように、銅または鉄系等の金属板85に対して、プレス加工機等を用いて金型によって打ち抜き加工を施す。金属板85としては、半導体素子73の検査時に作用する荷重に対して十分な強度を有する板厚のものを用いる。この打ち抜き加工により、金属板85の一側縁に、複数のV字状の切り込み86を形成し、山型形状の複数の尖鋭部25を形成する。このとき、尖鋭部25は、左右非対称形状となるように形成する。
【0040】
図12(b)に示すように、金属板85に曲げ加工を施すことにより、コイルスプリング17が挿入可能な貫通孔15を有する円筒状に形成する。
図12(c)に示すように、金属板85からなる円筒体の先端部に対して曲げ加工を行い、それぞれの尖鋭部25を円筒体の中心側へ向かって曲げ、プランジャ12とする。
その後、このプランジャ12に対し、材質に応じてニッケルメッキまたは金メッキ等の各種の表面処理を行う。
【0041】
(2)尖鋭部の曲げ加工について
プランジャ12の上部接触子13を構成する尖鋭部25をプランジャ12の中心側へ曲げる曲げ加工としては、図13(a)に示すように、成形治具91を用いる。この成形治具91には、成形凹部92が形成されている。この成形凹部92は、内部の底部側へ向かって次第に窄まるテーパ壁93を有している。
【0042】
そして、図13(b)に示すように、成形治具91の成形凹部92へプランジャ12の先端部を押し込む。すると、プランジャ12の先端の尖鋭部25が成形凹部92のテーパ壁93に沿って曲げられる。
これにより、図13(c)に示すように、プランジャ12の中心側へ向かって曲げられた尖鋭部25を有するプランジャ12が得られる。
【0043】
(3)組み付け工程について
作製したプランジャ12へコイルスプリング17及びサブプランジャ16を組み付けるには、図14(a)に示すように、組付治具95を用いる。この組付治具95には、カシメ凹部96が形成されている。このカシメ凹部96は、底部側へ向かって次第に窄まるカシメ壁97を有している。また、カシメ凹部96の底部には、保持凹部98が形成されている。
【0044】
この組付治具95を用いて組み付けるには、まず、プランジャ12の下端側から貫通孔15へコイルスプリング17及びサブプランジャ16を順に挿入する。
次に、図14(b)に示すように、組付治具95のカシメ凹部96へサブプランジャ16側を押し込む。すると、まず、サブプランジャ16の下部接触子14が保持凹部98の底部に当接することにより下方への移動が規制される。これにより、サブプランジャ16が、コイルスプリング17を圧縮しつつプランジャ12の貫通孔15内へ入り込む。
【0045】
組付治具95へさらに押し込むと、プランジャ12の下端部がカシメ凹部96のカシメ壁97に沿って曲げられる。
これにより、図14(c)に示すように、プランジャ12の下端部が加締められて絞り部29が形成され、プランジャ12にコイルスプリング17及びサブプランジャ16が組み付けられたコンタクトプローブ11が得られる。
【0046】
このように、コンタクトプローブ11は、上記のように、プランジャ12を切削加工またはプレス加工の何れの加工方法によっても容易に作製することができる。したがって、例えば、少量生産または大量生産等の生産状況に応じて最適な加工方法を選択して効率的に製造することができ、不要な金型を作製することによるコストアップ等を防止することができる。
【0047】
なお、コンタクトプローブ11の尖鋭部25の形状としては、上記実施形態のものに限定されない。
図15(a),(b)に示すように、尖鋭部25としては、山の頂点26を通るプランジャ12の軸線に沿う直線Aに対して、山型形状を形成する稜線27a,27bが同一側に配置されている形状であっても良い。
このような形状の尖鋭部25からなる上部接触子13を有するコンタクトプローブ11では、半導体素子73の検査時に作用する荷重による尖鋭部25の弾性変形がさらに生じやすくなり、半田ボール71とのさらなる均一な接触状態を得ることができる。
【0048】
このような尖鋭部25を有するプランジャ12を作製する場合も、図15(a)に示すように、打ち抜き加工により、金属板85の一側縁に、複数のV字状の切り込み86を形成し、山型形状の複数の尖鋭部25を形成する。このとき、尖鋭部25は、左右非対称形状となり、しかも、頂点26を通る直線Aに対して山型形状を形成する稜線27a,27bが同一側に配置されるように形成する。そして、図15(b)に示すように、金属板85に曲げ加工を施すことにより、コイルスプリング17が挿入可能な貫通孔15を有する円筒状に形成する。
【0049】
上記実施形態では、下部接触子14を有するサブプランジャ16を備えた場合を例示したが、サブプランジャ16を設けない構成も採用できる。
図16に示すように、このコンタクトプローブ11は、サブプランジャ16に代えてコイルスプリング17の下端部分を下部接触子14としたものである。
【0050】
具体的には、コイルスプリング17の下端部に、その巻き径を小さくしつつ軸方向へ密着させて棒状部17aを形成し、この棒状部17aをプランジャ12の下端から突出させている。そして、このコンタクトプローブ11では、コイルスプリング17の棒状部17aが下部接触子14として機能する。
このような構造のコンタクトプローブ11によれば、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
【0051】
また、プランジャ12の上部接触子13を構成する尖鋭部25の数は、複数であればよく、4つに限定されない。
例えば、4つよりも少ない尖鋭部25を有する上部接触子13として、図17(a)に示すように、2つの尖鋭部25を対向位置に形成したり、または、図17(b)に示すように、3つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成しても良い。
【0052】
さらに、4つよりも多い尖鋭部25を有する上部接触子13として、図17(c)に示すように、5つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成したり、図17(d)に示すように、6つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成したり、さらには、図17(e)に示すように、8つの尖鋭部25を周方向へ等間隔に形成しても良い。
【符号の説明】
【0053】
11:コンタクトプローブ、12:プランジャ、13:上部接触子、14:下部接触子、15:貫通孔、16:サブプランジャ、17:コイルスプリング(弾性部材)、25:尖鋭部、26:頂点、27a,27b:稜線、41:半導体素子用ソケット、42:検査用基板、71:半田ボール(電極部)、72:電極部、73:半導体素子、A:直線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャの先端に設けられて半導体素子の電極部が接触される上部接触子と、検査用基板の電極部に接触される下部接触子と、前記上部接触子と前記下部接触子とを互いに離間する方向へ付勢する弾性部材とを備えたコンタクトプローブであって、
前記プランジャは、軸方向に貫通する貫通孔を有する筒状に形成され、
前記上部接触子は、前記プランジャの先端に形成された山型形状の複数の尖鋭部を有し、
前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線を境に非対称形状に形成され、前記プランジャの中心側へ曲げられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトプローブであって、
前記尖鋭部は、山の頂点に向かって次第に厚さが薄く形成されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンタクトプローブであって、
前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線に対して、山型形状を形成する稜線が同一側に配置されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項4】
請求項1から3に記載のコンタクトプローブであって、
前記下部接触子を有するサブプランジャを備え、前記プランジャと前記サブプランジャとが前記弾性部材によって互いに離間する方向へ付勢されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のコンタクトプローブを備え、半導体素子の電極部と前記検査用基板の電極部とを、前記コンタクトプローブを介して導通させることを特徴とする半導体素子用ソケット。
【請求項1】
プランジャの先端に設けられて半導体素子の電極部が接触される上部接触子と、検査用基板の電極部に接触される下部接触子と、前記上部接触子と前記下部接触子とを互いに離間する方向へ付勢する弾性部材とを備えたコンタクトプローブであって、
前記プランジャは、軸方向に貫通する貫通孔を有する筒状に形成され、
前記上部接触子は、前記プランジャの先端に形成された山型形状の複数の尖鋭部を有し、
前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線を境に非対称形状に形成され、前記プランジャの中心側へ曲げられていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトプローブであって、
前記尖鋭部は、山の頂点に向かって次第に厚さが薄く形成されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンタクトプローブであって、
前記尖鋭部は、山の頂点を通る前記プランジャの軸線に沿う直線に対して、山型形状を形成する稜線が同一側に配置されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項4】
請求項1から3に記載のコンタクトプローブであって、
前記下部接触子を有するサブプランジャを備え、前記プランジャと前記サブプランジャとが前記弾性部材によって互いに離間する方向へ付勢されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のコンタクトプローブを備え、半導体素子の電極部と前記検査用基板の電極部とを、前記コンタクトプローブを介して導通させることを特徴とする半導体素子用ソケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−207994(P2012−207994A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73345(P2011−73345)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】
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