コンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法
【課題】プレス加工及び丸め加工によらず、かつ袋穴形状のプランジャと異なり金鍍金の品質管理が不要又は容易な、チューブ状プランジャの製造方法を提供する。
【解決手段】内面に金層22を備えるチューブ状金属材料20の先端部を小径化し、小径化した部分に切込み30を入れ、切込み30を入れた部分を内側に曲げ、内側に曲げた部分から末端側を一部が大径の凸部40となるように小径化し、小径化した部分の末端でチューブ状金属材料20を切断する。
【解決手段】内面に金層22を備えるチューブ状金属材料20の先端部を小径化し、小径化した部分に切込み30を入れ、切込み30を入れた部分を内側に曲げ、内側に曲げた部分から末端側を一部が大径の凸部40となるように小径化し、小径化した部分の末端でチューブ状金属材料20を切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路等の被測定デバイスの検査に使用するコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路等の検査対象物の検査を行う場合において、検査対象物と測定器側の検査用基板とを電気的に接続するために、コンタクトプローブが一般的に使用されている。
【0003】
(従来例1)
図13は、従来のコンタクトプローブの構成の一例を示す概略断面図である。本図に示すコンタクトプローブ800は、2つのプランジャ809,810の内側にコイルスプリング803を挿入したものである。一方のプランジャ809は、検査対象物804(DUT)のハンダボール805とのコンタクト用である。他方のプランジャ810は、検査用基板807(DUTボード)のコンタクトパッド806とのコンタクト用である。プランジャ809,810は共に、先端内面が底となる袋穴形状である。コイルスプリング803は、両端がそれぞれプランジャ809,810の先端内面に当接して抜けが防止され、かつプランジャ809,810を離れる方向に付勢する。これにより、プランジャ809,810は、検査対象物804のハンダボール805及び検査用基板807のコンタクトパッド806との接触力を得る。通常は複数のコンタクトプローブ800がハウジング8に支持される。
【0004】
図14は、図13に示すような従来のコンタクトプローブに用いられる袋穴形状のプランジャの製造工程を示す説明図である。図14(A)のように棒状金属材料820を旋盤等の工作機械のチャック850で保持し、図14(B)に示すように棒状金属材料820の先端を対象物との接触に適した形状に切削加工する。その後の外径加工では、図14(C)のように切削により棒状金属材料の先端側の径を小さくすると共に、抜止め用の凸部823を形成する。図14(D)のように、別のチャック860で棒状金属材料820の先端側を保持し、棒状金属材料820を所定位置で切断する。棒状金属材料820の末端面(切断面)に図14(E)のようにドリル(図示せず)で穴加工し、最後に金鍍金をする。
【0005】
(従来例2)
図15は、従来のコンタクトプローブの構成の別の例を示す概略断面図である。本図に示すコンタクトプローブ900では、図13に示したものと異なり、プランジャ811,812は袋穴形状でなく先端が開口して内側に曲がっている。このようなプランジャは、図16(A)に示すようなプレス加工で打ち抜いた板状の金属母材920を、図16(B)に示すような形状に丸め加工した後で金鍍金を施すことで得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-9925号公報
【特許文献2】特開2008-39496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図13に示す従来例1のコンタクトプローブに用いられる袋穴形状のプランジャは、上述のとおり製造過程で袋穴形状の金属材料に金鍍金を施す必要があるため、袋穴内部における金鍍金の品質管理が困難であるという問題がある。また、図14(E)に示すようにドリル等で穴加工をすることが必須で、工程が煩雑である。
【0008】
図15に示す従来例2のコンタクトプローブに用いられるプランジャは、プレス加工のために専用の金型が必要でコスト高である。また、製法上加工精度が悪く小径に加工することも難しいため、狭ピッチの端子配列を持つ検査対象物に対応するための細径コンタクトプローブ用には不向きである。さらに、図16(B)に示すように丸め加工するために、側面に長さ方向の継ぎ目が入るのを避けられない。継ぎ目はプランジャの摺動に悪影響を及ぼし、またコンタクトプローブの電気的特性も悪化させる。
【0009】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その第1の目的は、従来例2のようなプレス加工及び丸め加工によらないチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、従来例1のような袋穴形状のプランジャと異なり、穴加工が不要で、かつ内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を要する場合に鍍金の品質管理が不要又は容易なチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、及びコンタクトプローブの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、コンタクトプローブである。このコンタクトプローブは、
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
チューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、前記チューブ状プランジャに係止され、かつ末端が前記チューブ状プランジャと当接して前記チューブ状プランジャを離れる方向に付勢して、
前記チューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする。
【0012】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部でかつ内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成しているとよい。
【0013】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、かつ側面が内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成しているとよい。
【0014】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、
前記チューブ状プランジャを径方向に貫通して前記コイルスプリングを係止する係止部材を有するとよい。
【0015】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの外側にあり、前記チューブ状プランジャの外側面の係止部が前記コイルスプリングを係止するとよい。
【0016】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングは、先端を含む少なくとも一部が密着巻き部となっているとよい。
【0017】
本発明の第2の態様も、コンタクトプローブである。このコンタクトプローブは、
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
第1及び第2のチューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、一端が前記第1のチューブ状プランジャの係止部で止められ、他端が前記第2のチューブ状プランジャの係止部で止められ、かつ前記第1及び第2のチューブ状プランジャを相互に離間する方向に付勢し、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする。
【0018】
第2の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングは前記第1及び第2のチューブ状プランジャの内側にあり、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャは、それぞれの先端が接続部であり、かつ側面の一部が内側に曲がっていて前記コイルスプリングを係止する係止部を成し、
前記第2のチューブ状プランジャは、末端側が前記第1のチューブ状プランジャの内側にあり、前記第1のチューブ状プランジャに対して相対的に摺動可能かつ抜止めされているとよい。
【0019】
本発明の第3の態様は、ソケットである。このソケットは、第1又は第2の態様のコンタクトプローブを複数本絶縁支持体で支持してなるものである。
【0020】
本発明の第4の態様は、チューブ状プランジャの製造方法である。この方法は、
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程とを有する。
【0021】
本発明の第5の態様も、チューブ状プランジャの製造方法である。この方法は、
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程とを有する。
【0022】
第4又は第5の態様の方法において、前記チューブ状金属材料の外側面に凸部を形成する凸部加工工程をさらに有するとよい。
【0023】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記凸部加工工程では、前記曲げ加工工程よりも後に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化するとよい。
【0024】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記曲げ加工工程の後かつ前記凸部加工工程の前に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長に渡って小径化する外径加工工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成するとよい。
【0025】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記曲げ加工工程及び前記凸部加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げるとよい。
【0026】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記凸部加工工程では、チューブ状金属材料の先端部を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化し、
前記曲げ加工工程では前記凸部加工工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げるとよい。
【0027】
第4又は第5の態様の方法において、前記チューブ状金属材料の先端部に所定数の切込みを入れる切込み加工工程をさらに有し、前記曲げ加工工程では前記切込み加工工程で切込みを入れた部分を内側に曲げるとよい。
【0028】
本発明の第6の態様は、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する。
【0029】
本発明の第7の態様も、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する。
【0030】
本発明の第8の態様も、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備える大径の第1のチューブ状金属材料と、少なくとも内面に金の層を備える小径の第2のチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記第1及び第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する。
【0031】
本発明の第9の態様も、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
大径の第1のチューブ状金属材料及び小径の第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記第1及び第2のチューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する。
【0032】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、従来例2のようなプレス加工及び丸め加工によらないチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法を実現可能である。
【0034】
また、本発明によれば、従来例1のような袋穴形状のプランジャと異なり、穴加工が不要で、かつ内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を要する場合に鍍金の品質管理が不要又は容易なチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法1の工程説明図。
【図2】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法2の工程説明図。
【図3】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法3の工程説明図。
【図4】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法4の工程説明図。
【図5】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第1構成例を示す断面図。
【図6】同コンタクトプローブを複数本支持してなるソケットの断面図。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第2構成例を示す断面図。
【図8】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第3構成例を示す断面図。
【図9】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第4構成例を示す断面図。
【図10】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第5構成例を示す断面図。
【図11】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第6構成例を示す断面図。
【図12】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第7構成例を示す断面図。
【図13】従来のコンタクトプローブの構成の一例を示す概略断面図。
【図14】従来のコンタクトプローブに用いられる袋穴形状のプランジャの製造工程を示す説明図。
【図15】従来のコンタクトプローブの構成の別の例を示す概略断面図。
【図16】従来のコンタクトプローブに用いられる、プレス加工と丸め加工によるプランジャの製造工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0037】
(チューブ状プランジャの製法1)
図1は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法1の工程説明図である。まず、図1(A)に示すように、チューブ状金属材料20を旋盤等の工作機械のチャック50で保持する。このチューブ状金属材料20は、例えば金クラッドチューブであり、同図又は図1(C)に拡大して示すように例えば銅又は銅合金等の導電性金属体である母材21の少なくとも内面に金層22を熱圧着等で備えたものである。なお、金層22に替えて、金以外の貴金属(白金、パラジウムその他)の層、あるいは貴金属を主成分とする貴金属合金(金合金、白金合金、パラジウム合金その他)の層としてもよい。以下、工程を順に説明する。
【0038】
・小径化工程及び切込み加工工程… 図1(B)に示すように、チューブ状金属材料20の先端を所定長Xに渡って切削して小径化し(小径化工程)、小径化した部分に所定数(ここでは4つ)の切込み30を入れる(切込み加工工程)。切込み30は、チューブ状金属材料20をハンダボール等の対象物と例えば4点接触させるために設ける。切込み30の形状は例えば二等辺三角形ないし正三角形である。
・曲げ加工工程… チューブ状金属材料20のうち小径化した部分を、例えば外側から押すことで図1(C)に示すように内側に曲げる。本工程では、小径化した部分は剛性が小さいため外側からのプレスにより曲がるものの、小径化していない部分は剛性が大きいため曲がらない。したがって、内側に曲げるべき部分のみを小径化しておくことで、外側からのプレスにより必要部分のみを内側に曲げることができて好都合である。このように先端を曲げることにより、ハンダボール等の対象物との接触性が良くなり、またチューブ状金属材料20の内側に挿入するコイルスプリングの抜止めにもなる。
【0039】
・凸部加工工程… 図1(D)に示すように、チューブ状金属材料20のうち曲げ加工工程で内側に曲げた部分から末端側を、一部が大径の凸部40となるように所定長Yに渡って切削して小径化する。ここで形成される凸部40は、チューブ状金属材料20の外周を一周する帯状の突条である。凸部40の形成位置は、ここでは所定長Yの範囲内の中間部やや末端寄りとしている。凸部40は、後述のように、ハウジングからの抜止め、又は対を成すもう一方のチューブ状プランジャからの抜止めのために設ける。
・切断工程… チューブ状金属材料20を凸部加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図1(E)に示すように切断し、チューブ状プランジャが完成する。
【0040】
なお、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0041】
(チューブ状プランジャの製法2)
図2は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法2の工程説明図である。図2(A)〜(C)に示す各工程すなわち曲げ加工工程までの各工程は上述の製法1と同様である。ここでは、以降の工程について説明する。
【0042】
・外径加工工程… 図2(D)に示すように、チューブ状金属材料20のうち小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長Yに渡って小径化する。製法1とは異なり、凸部は別工程で形成する。
・切断工程… チューブ状金属材料20を外径加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図2(E)に示すように切断する。
・凸部加工工程… 図2(F)に示すように、外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部41を例えば公知の板金加工技術(例えば特開2006−326662号公報に記載の技術)で形成し、チューブ状プランジャが完成する。この凸部41も、製法1で形成した凸部40と同様に、ハウジングからの抜止め、又は対を成すもう一方のチューブ状プランジャからの抜止めのために設けるものである。
【0043】
本製法においても、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程よりも後、好ましくは凸部加工工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0044】
(チューブ状プランジャの製法3)
図3は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法3の工程説明図である。図3(A),(B)に示す各工程すなわち切込み加工工程までの各工程は上述の製法1と同様である。ここでは、以降の工程について説明する。
【0045】
・外径加工工程… 図3(C)に示すように、チューブ状金属材料20のうち小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長Yに渡って小径化する。製法1とは異なり、凸部は別工程で形成する。また、先端の曲げは後工程で実施する。
・切断工程… チューブ状金属材料20を外径加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図3(D)に示すように切断する。
【0046】
・凸部加工工程… 図3(E)に示すように、外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部41を例えば板金加工で形成する。
・曲げ加工工程… チューブ状金属材料20のうち切込み30を入れた部分(先端から所定長Xの範囲の一部又は全部)を、図3(F)に示すように内側に曲げ、チューブ状プランジャが完成する。ここで、本製法における曲げ加工工程は、上記製法1及び2の場合と異なり、曲げる部分以外も既に小径化されているので、かしめ加工等によって行うとよい。なお、曲げ加工工程は凸部加工工程よりも先に行ってもよい。
【0047】
本製法においても、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程よりも後、好ましくは凸部加工工程及び曲げ加工工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0048】
(チューブ状プランジャの製法4)
図4は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法4の工程説明図である。図4(A),(B)に示す各工程すなわち切込み加工工程までの各工程は上述の製法1と同様である。ここでは、以降の工程について説明する。
【0049】
・凸部加工工程… 図4(C)に示すように、チューブ状金属材料20のうち小径化工程で小径化した部分から末端側を、一部が大径の凸部40となるように所定長Yに渡って切削して小径化する。ここで形成される凸部40は、チューブ状金属材料20の外周を一周する帯状の突条である。
・切断工程… チューブ状金属材料20を凸部加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図4(D)に示すように切断する。
・曲げ加工工程… チューブ状金属材料20のうち切込み30を入れた部分(先端から所定長Xの範囲の一部又は全部)を図4(E)に示すように内側に曲げ、チューブ状プランジャが完成する。曲げ加工工程は、上述の製法3と同様に、かしめ加工等によって行うとよい。
【0050】
本製法においても、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程よりも後、好ましくは曲げ加工工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0051】
以上説明したチューブ状プランジャの製法1〜4によれば、導電性金属体である母材21の少なくとも内面に金層22を備えるチューブ状金属材料20から出発してチューブ状プランジャを製造するため、従来例1の袋穴形状のプランジャと異なり金鍍金の品質管理が不要である。あるいは、内面に金層22を備えていないチューブ状金属材料20から出発する場合であっても、先端と末端が共に開口しているため、従来例1の袋穴形状のプランジャと異なり鍍金工程における金鍍金の品質管理が容易である。したがって、従来例1のプランジャと比較して内面に良好な金層22を備えるプランジャを実現可能である。
【0052】
さらに、従来例2のプランジャと異なり、プレス加工及び丸め加工を施すものでないため、専用の金型は不要で細径のコンタクトプローブにも対応でき、かつ側面に継ぎ目が入らなくて好ましい。また、従来例1と異なりドリルによる穴加工も不要で工程が簡略化される。
【0053】
(コンタクトプローブの第1構成例)
図5は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第1構成例を示す断面図である。図6は、図5に示されるコンタクトプローブ100を複数本支持してなるソケット30の断面図である。
【0054】
図5に示すように、コンタクトプローブ100は、第1のチューブ状プランジャ1と、第2のチューブ状プランジャ2と、コイルスプリング3とを備え、後述のようにハウジング31(絶縁支持体)によって支持される。第1のチューブ状プランジャ1は検査対象物4(DUT)との接続部品であり、第2のチューブ状プランジャ2は検査用基板7(DUTボード)との接続部品である。
【0055】
検査対象物4は、例えば電極が所定間隔で配列された半導体集積回路であり、図6の場合、電極バンプとしてのハンダボール5が所定間隔で配列されている。検査用基板7は、ハンダボール5に対応してコンタクトパッド6を所定間隔で有するとともに、測定器側に接続される電極パッド(図示せず)をハンダボール5に対応して所定間隔で有するものである。
【0056】
図5に示すように、第1のチューブ状プランジャ1は、第2のチューブ状プランジャ2よりも大径である。第2のチューブ状プランジャ2は、末端側が第1のチューブ状プランジャ1の内側に存在して第1のチューブ状プランジャ1に対して相対的に摺動可能である。第2のチューブ状プランジャ2は、第1のチューブ状プランジャ1の内側にある末端側の少なくとも一部が帯状の凸部240となっている。第1のチューブ状プランジャ1の末端19は、第2のチューブ状プランジャ2の末端側が内側にある状態でかしめられていて、第2のチューブ状プランジャ2の抜けを防止している。
【0057】
例えばピアノ線やステンレス線等の一般的な材質で形成されたコイルスプリング3は、第1及び第2チューブ状プランジャ1,2の内側にあってコンタクトプローブ100の使用時(検査対象物4の検査時)に両者を相互に離間する方向に付勢し、検査対象物4のハンダボール5及び検査用基板7のコンタクトパッド6に対する接触力を両者に与える。
【0058】
第1のチューブ状プランジャ1の先端部には、例えば二等辺三角形ないし正三角形の4つの切込み130が等間隔で入っていて、上側が尖った4つの三角片18が形成されている。各々の三角片18は内側に曲がっている。第2のチューブ状プランジャ2も同様に、例えば二等辺三角形ないし正三角形の4つの切込み230が入っていて、上側が尖った4つの三角片28が形成されている。各々の三角片28は内側に曲がっている。これにより、検査対象物4のハンダボール5に対する第1のチューブ状プランジャ1の接触性(接触の確実性と耐久性)及び検査用基板7のコンタクトパッド6に対する第2のチューブ状プランジャ2の接触性が良くなり、さらにコイルスプリング3の抜けも防止される。
【0059】
第1のチューブ状プランジャ1の側面には帯状の凸部140(鍔部)が形成され、凸部140によりハウジング31からのコンタクトプローブ100の抜けが防止される。第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は、側面に継ぎ目がないものであり、例えば上記製法1〜4のいずれかによって製造したものを用いることができる。図5及び図6では、切削により凸部140,240(帯状の突条)を形成する製法1又は4によって製造したものを例示している。
【0060】
コンタクトプローブ100の製造手順の一例を説明する。まず、例えば上記製法1〜4のいずれかによって第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2を作成する(但し、第1のチューブ状プランジャ1の末端19はかしめていないものとする)。そして、第2のチューブ状プランジャ2の内側にコイルスプリング3の一端側の一部を挿入する。このとき、第2のチューブ状プランジャ2の先端部(内側に曲がった三角片28)がコイルスプリング3の抜止めになる。続いて、第2のチューブ状プランジャ2の末端側の凸部240及びコイルスプリング3の他端側の一部を第1のチューブ状プランジャ1の内側に挿入する。このとき、第1のチューブ状プランジャ1の先端部(内側に曲がった三角片18)がコイルスプリング3の抜止めになる。この状態で、第1のチューブ状プランジャ1の末端19をかしめる。これにより第2のチューブ状プランジャ2の抜けが防止される。
【0061】
以上説明したコンタクトプローブの第1構成例によれば、次の効果を奏することができる。すなわち、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は、例えば製法1〜4によって製造されたものであって側面に継ぎ目がないため、従来例2のように側面に継ぎ目があるプランジャを用いるコンタクトプローブと比較して摺動性が良好で、継ぎ目による電気的特性への悪影響もない。また、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は加工精度が良く小型化も容易なため、狭ピッチの端子配列を持つ検査対象物に対応するための細径コンタクトプローブを実現できる。さらに、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は既述のように従来例1のプランジャと比較して内面に良好な金層を備えることができ、高品質のコンタクトプローブを実現可能である。
【0062】
(第1構成例に基づくソケットの構成例)
図6に示すように、ソケット300は、コンタクトプローブ100を複数本平行に配置するための空洞部32を所定間隔で有するハウジング31(絶縁支持体)を備え、各空洞部32にコンタクトプローブ100を挿入配置したものである。具体的には、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2とコイルスプリング3とを図5に示すように一体的に組み立ててコンタクトプローブ100を構成したものを、図6に示すようにハウジング31の空洞部32に挿入配置する。空洞部32の上端の開口側摺動支持部33は、第1のチューブ状プランジャ1の側面を摺動自在に支持(嵌合)する。空洞部32のうち開口側摺動支持部33を除く中間部35は、開口側摺動支持部33よりも大径で、凸部140が自由に動ける内周径となっている。空洞部32の開口側摺動支持部33は、凸部140に係合して第1のチューブ状プランジャ1の抜け出しを規制する。なお、ハウジング31は、コンタクトプローブ100を空洞部32内に組み込むために、あるいは空洞部32の深さを確保するために、複数層(図示の例では二層)重ね合わせた構造となっている。
【0063】
図6のように組み立てられたソケット300を使用して検査を行う場合、ソケット300は検査用基板7上に位置決め載置され、この結果、コイルスプリング3は所定長だけ縮んで第2のチューブ状プランジャ2の先端が検査用基板7のコンタクトパッド6に弾接する。半導体集積回路等の検査対象物4が無い状態では、第1のチューブ状プランジャ1は凸部140が開口側摺動支持部33で規制されるまで突出方向に移動して突出量が最大となっている。検査対象物4がソケット300のハウジング31に対して所定の間隔で対向配置されることにより、第1のチューブ状プランジャ1は後退してコイルスプリング3はさらに圧縮され、その結果、第1のチューブ状プランジャ1の先端は検査対象物4のハンダボール5に弾接する。この状態で検査対象物4の検査が実行される。
【0064】
(コンタクトプローブの第2構成例)
図7は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第2構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ200は、第1構成例のコンタクトプローブ100と比較して、第2のチューブ状プランジャ2が無くなってコイルスプリング203の先端が検査用基板7との接続部品となっている点で主に相違し、その他の点は同様である。以下、相違点を中心に説明する。
【0065】
コイルスプリング203は、密着巻き部203aと、粗巻き部203bとを有する。粗巻き部203bは、密着巻き部203aよりも大径であり、チューブ状プランジャ201(第1構成例の第1のチューブ状プランジャ1と同様の構成)の内側に入っている。なお、密着巻き部とは、コンタクトプローブ100の非使用状態すなわちチューブ状プランジャ201の先端が検査対象物4のハンダボール5と接触していない状態で複数巻きに渡って軸方向に接触(密着)している部分をいう。チューブ状プランジャ201の末端19は、粗巻き部203bが内側に入っている状態で粗巻き部203bよりも小径となるようにかしめられていて、コイルスプリング203の抜けを防止している。コイルスプリング203は、コンタクトプローブ200の使用時(検査対象物4の検査時)にチューブ状プランジャ201を離れる方向に付勢して、チューブ状プランジャ201に検査対象物4のハンダボール5との接触力を与えるとともに、自身も先端に検査用基板7のコンタクトパッド6との接触力を得る。
【0066】
密着巻き部203aは、好ましくは巻軸方向と垂直な面に対して非平行になるように斜め巻き(図示の例では右上から左下に斜め巻き)されている。これにより、コイルスプリング203の先端と検査用基板7のコンタクトパッド6とが点状ないし短線状に接触するので、コンタクトパッド6との接触部位が常に一定となり、斜め巻きされていない場合と比較してコイルスプリング203の先端と検査用基板7のコンタクトパッド6との接触がより確実なものとなる。
【0067】
本構成例も、第1構成例と同様の効果を奏することができる。すなわち、チューブ状プランジャ201は、摺動性が良好で継ぎ目による電気的特性への悪影響がなく、また加工精度がよく小型化も容易なため細径コンタクトプローブを実現でき、さらに内面に良好な金層を備えることができるため高品質のコンタクトプローブを実現可能である。また、本構成例のコンタクトプローブ200を図6に示すのと同様に複数本支持することでソケットを構成し、同様に検査を実行できる。
【0068】
(コンタクトプローブの第3構成例)
図8は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第3構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ350は、第2構成例のコンタクトプローブ200と異なり、チューブ状プランジャ301を径方向に貫通する棒状の係止部材360を有し、係止部材360にコイルスプリング303(密着巻き部303a及び粗巻き部303bを有する)の末端が当接して係止されている。また、係止部材360のうちチューブ状プランジャ301の外側にある部分が、第2構成例の凸部140に替わってハウジング31からの抜止めを成している。そのため、チューブ状プランジャ301は、第2構成例の凸部140を有しない。本構成例のその他の点は、第2構成例のコンタクトプローブ200と同様である。本構成例も、第2構成例と同様の効果を奏することができる。
【0069】
(コンタクトプローブの第4構成例)
図9は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第4構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ400は、第2構成例のコンタクトプローブ200と異なり、チューブ状プランジャ401の側面の一部が内側に切り起こされて舌片部460を成しており、舌片部460にコイルスプリング303の末端が当接して係止されている。舌片部460は、凸部140よりもチューブ状プランジャ401の先端側にある。本構成例のその他の点は、第2構成例のコンタクトプローブ200と同様である。本構成例も、第2構成例と同様の効果を奏することができる。
【0070】
(コンタクトプローブの第5構成例)
図10は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第5構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ500は、第1構成例のコンタクトプローブ100と異なり、コイルスプリング503が第2のチューブ状プランジャ502の外側かつ第1のチューブ状プランジャ501の内側にある。第1のチューブ状プランジャ501の末端はかしめられていない。第2のチューブ状プランジャ502は、第1のチューブ状プランジャ501を小径にしたものに相当する。なお、第2のチューブ状プランジャ502の内面は、摺動面(接触面)でないため金層は不要である。第2のチューブ状プランジャ502の凸部540は、コイルスプリング503の一端と当接して係止するとともに、ハウジング31からの抜止めにもなる。本構成例のその他の点は、第2構成例のコンタクトプローブ200と同様である。本構成例も、第2構成例と同様の効果を奏することができる。
【0071】
(コンタクトプローブの第6構成例)
図11は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第6構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ600は、第5構成例のコンタクトプローブ500と異なり、コイルスプリング603が第1及び第2のチューブ状プランジャ601,602の外側にある。コイルスプリング603の一端及び他端は、第1及び第2のチューブ状プランジャ601,602の凸部140,640と当接して係止されている。本構成例のその他の点は、第5構成例のコンタクトプローブ500と同様である。本構成例も、第5構成例と同様の効果を奏することができる。
【0072】
(コンタクトプローブの第7構成例)
図12は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第7構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ700は、第2構成例のコンタクトプローブ200と異なり、コイルスプリング703の末端側がチューブ状プランジャ701(第2構成例のチューブ状プランジャ201と同様の構成)の外側にある。コイルスプリング703の末端はチューブ状プランジャ701の凸部140に当接して係止されている。なお、チューブ状プランジャ701の内面は、摺動面(接触面)でないため金層は不要である。
【0073】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0074】
実施の形態ではチューブ状プランジャの先端に切込みが入っている場合を説明したが、用途次第でそのような加工が不要であれば切込みは省略してもよい。この場合、図3に示すチューブ状プランジャの製法3において、小径化工程と外径加工工程は一工程で行うことができる。図4に示す製法4においても同様である。
【0075】
実施の形態ではチューブ状プランジャの製法においてチューブ状金属材料を小径化する加工を行う例を説明したが、準備したチューブ状金属材料が十分に薄い場合、小径化は不要である。この場合、凸部40は製法2及び3のように板金加工で形成する。
【0076】
実施の形態ではチューブ状プランジャの先端が内側に曲がっている場合を説明したが、変形例では先端は曲げずに先端以外の側面の一部を内側に曲げてコイルスプリングの抜止めとしてもよい。このような加工には、公知の技術(例えば特開2004−61180号公報に記載の技術)を用いることができる。なお、「曲げる」とは内側を突出させる(凸部を形成する)加工も含む。
【符号の説明】
【0077】
1 第1のチューブ状プランジャ
2 第2のチューブ状プランジャ
3 コイルスプリング
4 検査対象物
5 ハンダボール
6 コンタクトパッド
7 検査用基板
18,28 三角片
19 末端
20 チューブ状金属材料
21 母材
22 金層
30 切込み
40 凸部
100,200,・・・,700 コンタクトプローブ
140,240 凸部
300 ソケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路等の被測定デバイスの検査に使用するコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路等の検査対象物の検査を行う場合において、検査対象物と測定器側の検査用基板とを電気的に接続するために、コンタクトプローブが一般的に使用されている。
【0003】
(従来例1)
図13は、従来のコンタクトプローブの構成の一例を示す概略断面図である。本図に示すコンタクトプローブ800は、2つのプランジャ809,810の内側にコイルスプリング803を挿入したものである。一方のプランジャ809は、検査対象物804(DUT)のハンダボール805とのコンタクト用である。他方のプランジャ810は、検査用基板807(DUTボード)のコンタクトパッド806とのコンタクト用である。プランジャ809,810は共に、先端内面が底となる袋穴形状である。コイルスプリング803は、両端がそれぞれプランジャ809,810の先端内面に当接して抜けが防止され、かつプランジャ809,810を離れる方向に付勢する。これにより、プランジャ809,810は、検査対象物804のハンダボール805及び検査用基板807のコンタクトパッド806との接触力を得る。通常は複数のコンタクトプローブ800がハウジング8に支持される。
【0004】
図14は、図13に示すような従来のコンタクトプローブに用いられる袋穴形状のプランジャの製造工程を示す説明図である。図14(A)のように棒状金属材料820を旋盤等の工作機械のチャック850で保持し、図14(B)に示すように棒状金属材料820の先端を対象物との接触に適した形状に切削加工する。その後の外径加工では、図14(C)のように切削により棒状金属材料の先端側の径を小さくすると共に、抜止め用の凸部823を形成する。図14(D)のように、別のチャック860で棒状金属材料820の先端側を保持し、棒状金属材料820を所定位置で切断する。棒状金属材料820の末端面(切断面)に図14(E)のようにドリル(図示せず)で穴加工し、最後に金鍍金をする。
【0005】
(従来例2)
図15は、従来のコンタクトプローブの構成の別の例を示す概略断面図である。本図に示すコンタクトプローブ900では、図13に示したものと異なり、プランジャ811,812は袋穴形状でなく先端が開口して内側に曲がっている。このようなプランジャは、図16(A)に示すようなプレス加工で打ち抜いた板状の金属母材920を、図16(B)に示すような形状に丸め加工した後で金鍍金を施すことで得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-9925号公報
【特許文献2】特開2008-39496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図13に示す従来例1のコンタクトプローブに用いられる袋穴形状のプランジャは、上述のとおり製造過程で袋穴形状の金属材料に金鍍金を施す必要があるため、袋穴内部における金鍍金の品質管理が困難であるという問題がある。また、図14(E)に示すようにドリル等で穴加工をすることが必須で、工程が煩雑である。
【0008】
図15に示す従来例2のコンタクトプローブに用いられるプランジャは、プレス加工のために専用の金型が必要でコスト高である。また、製法上加工精度が悪く小径に加工することも難しいため、狭ピッチの端子配列を持つ検査対象物に対応するための細径コンタクトプローブ用には不向きである。さらに、図16(B)に示すように丸め加工するために、側面に長さ方向の継ぎ目が入るのを避けられない。継ぎ目はプランジャの摺動に悪影響を及ぼし、またコンタクトプローブの電気的特性も悪化させる。
【0009】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その第1の目的は、従来例2のようなプレス加工及び丸め加工によらないチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、従来例1のような袋穴形状のプランジャと異なり、穴加工が不要で、かつ内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を要する場合に鍍金の品質管理が不要又は容易なチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、及びコンタクトプローブの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、コンタクトプローブである。このコンタクトプローブは、
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
チューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、前記チューブ状プランジャに係止され、かつ末端が前記チューブ状プランジャと当接して前記チューブ状プランジャを離れる方向に付勢して、
前記チューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする。
【0012】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部でかつ内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成しているとよい。
【0013】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、かつ側面が内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成しているとよい。
【0014】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、
前記チューブ状プランジャを径方向に貫通して前記コイルスプリングを係止する係止部材を有するとよい。
【0015】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの外側にあり、前記チューブ状プランジャの外側面の係止部が前記コイルスプリングを係止するとよい。
【0016】
第1の態様のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングは、先端を含む少なくとも一部が密着巻き部となっているとよい。
【0017】
本発明の第2の態様も、コンタクトプローブである。このコンタクトプローブは、
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
第1及び第2のチューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、一端が前記第1のチューブ状プランジャの係止部で止められ、他端が前記第2のチューブ状プランジャの係止部で止められ、かつ前記第1及び第2のチューブ状プランジャを相互に離間する方向に付勢し、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする。
【0018】
第2の態様のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングは前記第1及び第2のチューブ状プランジャの内側にあり、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャは、それぞれの先端が接続部であり、かつ側面の一部が内側に曲がっていて前記コイルスプリングを係止する係止部を成し、
前記第2のチューブ状プランジャは、末端側が前記第1のチューブ状プランジャの内側にあり、前記第1のチューブ状プランジャに対して相対的に摺動可能かつ抜止めされているとよい。
【0019】
本発明の第3の態様は、ソケットである。このソケットは、第1又は第2の態様のコンタクトプローブを複数本絶縁支持体で支持してなるものである。
【0020】
本発明の第4の態様は、チューブ状プランジャの製造方法である。この方法は、
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程とを有する。
【0021】
本発明の第5の態様も、チューブ状プランジャの製造方法である。この方法は、
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程とを有する。
【0022】
第4又は第5の態様の方法において、前記チューブ状金属材料の外側面に凸部を形成する凸部加工工程をさらに有するとよい。
【0023】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記凸部加工工程では、前記曲げ加工工程よりも後に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化するとよい。
【0024】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記曲げ加工工程の後かつ前記凸部加工工程の前に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長に渡って小径化する外径加工工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成するとよい。
【0025】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記曲げ加工工程及び前記凸部加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げるとよい。
【0026】
第4又は第5の態様の方法において凸部加工工程を有する場合には、
前記凸部加工工程では、チューブ状金属材料の先端部を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化し、
前記曲げ加工工程では前記凸部加工工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げるとよい。
【0027】
第4又は第5の態様の方法において、前記チューブ状金属材料の先端部に所定数の切込みを入れる切込み加工工程をさらに有し、前記曲げ加工工程では前記切込み加工工程で切込みを入れた部分を内側に曲げるとよい。
【0028】
本発明の第6の態様は、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する。
【0029】
本発明の第7の態様も、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する。
【0030】
本発明の第8の態様も、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備える大径の第1のチューブ状金属材料と、少なくとも内面に金の層を備える小径の第2のチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記第1及び第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する。
【0031】
本発明の第9の態様も、コンタクトプローブの製造方法である。この方法は、
大径の第1のチューブ状金属材料及び小径の第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記第1及び第2のチューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する。
【0032】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、従来例2のようなプレス加工及び丸め加工によらないチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法を実現可能である。
【0034】
また、本発明によれば、従来例1のような袋穴形状のプランジャと異なり、穴加工が不要で、かつ内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を要する場合に鍍金の品質管理が不要又は容易なチューブ状プランジャを備えるコンタクトプローブ及びソケット、チューブ状プランジャの製造方法、並びにコンタクトプローブの製造方法を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法1の工程説明図。
【図2】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法2の工程説明図。
【図3】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法3の工程説明図。
【図4】本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法4の工程説明図。
【図5】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第1構成例を示す断面図。
【図6】同コンタクトプローブを複数本支持してなるソケットの断面図。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第2構成例を示す断面図。
【図8】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第3構成例を示す断面図。
【図9】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第4構成例を示す断面図。
【図10】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第5構成例を示す断面図。
【図11】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第6構成例を示す断面図。
【図12】本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第7構成例を示す断面図。
【図13】従来のコンタクトプローブの構成の一例を示す概略断面図。
【図14】従来のコンタクトプローブに用いられる袋穴形状のプランジャの製造工程を示す説明図。
【図15】従来のコンタクトプローブの構成の別の例を示す概略断面図。
【図16】従来のコンタクトプローブに用いられる、プレス加工と丸め加工によるプランジャの製造工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0037】
(チューブ状プランジャの製法1)
図1は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法1の工程説明図である。まず、図1(A)に示すように、チューブ状金属材料20を旋盤等の工作機械のチャック50で保持する。このチューブ状金属材料20は、例えば金クラッドチューブであり、同図又は図1(C)に拡大して示すように例えば銅又は銅合金等の導電性金属体である母材21の少なくとも内面に金層22を熱圧着等で備えたものである。なお、金層22に替えて、金以外の貴金属(白金、パラジウムその他)の層、あるいは貴金属を主成分とする貴金属合金(金合金、白金合金、パラジウム合金その他)の層としてもよい。以下、工程を順に説明する。
【0038】
・小径化工程及び切込み加工工程… 図1(B)に示すように、チューブ状金属材料20の先端を所定長Xに渡って切削して小径化し(小径化工程)、小径化した部分に所定数(ここでは4つ)の切込み30を入れる(切込み加工工程)。切込み30は、チューブ状金属材料20をハンダボール等の対象物と例えば4点接触させるために設ける。切込み30の形状は例えば二等辺三角形ないし正三角形である。
・曲げ加工工程… チューブ状金属材料20のうち小径化した部分を、例えば外側から押すことで図1(C)に示すように内側に曲げる。本工程では、小径化した部分は剛性が小さいため外側からのプレスにより曲がるものの、小径化していない部分は剛性が大きいため曲がらない。したがって、内側に曲げるべき部分のみを小径化しておくことで、外側からのプレスにより必要部分のみを内側に曲げることができて好都合である。このように先端を曲げることにより、ハンダボール等の対象物との接触性が良くなり、またチューブ状金属材料20の内側に挿入するコイルスプリングの抜止めにもなる。
【0039】
・凸部加工工程… 図1(D)に示すように、チューブ状金属材料20のうち曲げ加工工程で内側に曲げた部分から末端側を、一部が大径の凸部40となるように所定長Yに渡って切削して小径化する。ここで形成される凸部40は、チューブ状金属材料20の外周を一周する帯状の突条である。凸部40の形成位置は、ここでは所定長Yの範囲内の中間部やや末端寄りとしている。凸部40は、後述のように、ハウジングからの抜止め、又は対を成すもう一方のチューブ状プランジャからの抜止めのために設ける。
・切断工程… チューブ状金属材料20を凸部加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図1(E)に示すように切断し、チューブ状プランジャが完成する。
【0040】
なお、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0041】
(チューブ状プランジャの製法2)
図2は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法2の工程説明図である。図2(A)〜(C)に示す各工程すなわち曲げ加工工程までの各工程は上述の製法1と同様である。ここでは、以降の工程について説明する。
【0042】
・外径加工工程… 図2(D)に示すように、チューブ状金属材料20のうち小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長Yに渡って小径化する。製法1とは異なり、凸部は別工程で形成する。
・切断工程… チューブ状金属材料20を外径加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図2(E)に示すように切断する。
・凸部加工工程… 図2(F)に示すように、外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部41を例えば公知の板金加工技術(例えば特開2006−326662号公報に記載の技術)で形成し、チューブ状プランジャが完成する。この凸部41も、製法1で形成した凸部40と同様に、ハウジングからの抜止め、又は対を成すもう一方のチューブ状プランジャからの抜止めのために設けるものである。
【0043】
本製法においても、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程よりも後、好ましくは凸部加工工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0044】
(チューブ状プランジャの製法3)
図3は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法3の工程説明図である。図3(A),(B)に示す各工程すなわち切込み加工工程までの各工程は上述の製法1と同様である。ここでは、以降の工程について説明する。
【0045】
・外径加工工程… 図3(C)に示すように、チューブ状金属材料20のうち小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長Yに渡って小径化する。製法1とは異なり、凸部は別工程で形成する。また、先端の曲げは後工程で実施する。
・切断工程… チューブ状金属材料20を外径加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図3(D)に示すように切断する。
【0046】
・凸部加工工程… 図3(E)に示すように、外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部41を例えば板金加工で形成する。
・曲げ加工工程… チューブ状金属材料20のうち切込み30を入れた部分(先端から所定長Xの範囲の一部又は全部)を、図3(F)に示すように内側に曲げ、チューブ状プランジャが完成する。ここで、本製法における曲げ加工工程は、上記製法1及び2の場合と異なり、曲げる部分以外も既に小径化されているので、かしめ加工等によって行うとよい。なお、曲げ加工工程は凸部加工工程よりも先に行ってもよい。
【0047】
本製法においても、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程よりも後、好ましくは凸部加工工程及び曲げ加工工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0048】
(チューブ状プランジャの製法4)
図4は、本発明の実施の形態に係るチューブ状プランジャの製造方法4の工程説明図である。図4(A),(B)に示す各工程すなわち切込み加工工程までの各工程は上述の製法1と同様である。ここでは、以降の工程について説明する。
【0049】
・凸部加工工程… 図4(C)に示すように、チューブ状金属材料20のうち小径化工程で小径化した部分から末端側を、一部が大径の凸部40となるように所定長Yに渡って切削して小径化する。ここで形成される凸部40は、チューブ状金属材料20の外周を一周する帯状の突条である。
・切断工程… チューブ状金属材料20を凸部加工工程で小径化した部分(所定長Yの範囲)の末端で図4(D)に示すように切断する。
・曲げ加工工程… チューブ状金属材料20のうち切込み30を入れた部分(先端から所定長Xの範囲の一部又は全部)を図4(E)に示すように内側に曲げ、チューブ状プランジャが完成する。曲げ加工工程は、上述の製法3と同様に、かしめ加工等によって行うとよい。
【0050】
本製法においても、チューブ状金属材料20としては内面に金層22を備えていないものを用いることもでき、この場合は切断工程よりも後、好ましくは曲げ加工工程の後にチューブ状金属材料20の少なくとも内面に金鍍金あるいは貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す。
【0051】
以上説明したチューブ状プランジャの製法1〜4によれば、導電性金属体である母材21の少なくとも内面に金層22を備えるチューブ状金属材料20から出発してチューブ状プランジャを製造するため、従来例1の袋穴形状のプランジャと異なり金鍍金の品質管理が不要である。あるいは、内面に金層22を備えていないチューブ状金属材料20から出発する場合であっても、先端と末端が共に開口しているため、従来例1の袋穴形状のプランジャと異なり鍍金工程における金鍍金の品質管理が容易である。したがって、従来例1のプランジャと比較して内面に良好な金層22を備えるプランジャを実現可能である。
【0052】
さらに、従来例2のプランジャと異なり、プレス加工及び丸め加工を施すものでないため、専用の金型は不要で細径のコンタクトプローブにも対応でき、かつ側面に継ぎ目が入らなくて好ましい。また、従来例1と異なりドリルによる穴加工も不要で工程が簡略化される。
【0053】
(コンタクトプローブの第1構成例)
図5は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第1構成例を示す断面図である。図6は、図5に示されるコンタクトプローブ100を複数本支持してなるソケット30の断面図である。
【0054】
図5に示すように、コンタクトプローブ100は、第1のチューブ状プランジャ1と、第2のチューブ状プランジャ2と、コイルスプリング3とを備え、後述のようにハウジング31(絶縁支持体)によって支持される。第1のチューブ状プランジャ1は検査対象物4(DUT)との接続部品であり、第2のチューブ状プランジャ2は検査用基板7(DUTボード)との接続部品である。
【0055】
検査対象物4は、例えば電極が所定間隔で配列された半導体集積回路であり、図6の場合、電極バンプとしてのハンダボール5が所定間隔で配列されている。検査用基板7は、ハンダボール5に対応してコンタクトパッド6を所定間隔で有するとともに、測定器側に接続される電極パッド(図示せず)をハンダボール5に対応して所定間隔で有するものである。
【0056】
図5に示すように、第1のチューブ状プランジャ1は、第2のチューブ状プランジャ2よりも大径である。第2のチューブ状プランジャ2は、末端側が第1のチューブ状プランジャ1の内側に存在して第1のチューブ状プランジャ1に対して相対的に摺動可能である。第2のチューブ状プランジャ2は、第1のチューブ状プランジャ1の内側にある末端側の少なくとも一部が帯状の凸部240となっている。第1のチューブ状プランジャ1の末端19は、第2のチューブ状プランジャ2の末端側が内側にある状態でかしめられていて、第2のチューブ状プランジャ2の抜けを防止している。
【0057】
例えばピアノ線やステンレス線等の一般的な材質で形成されたコイルスプリング3は、第1及び第2チューブ状プランジャ1,2の内側にあってコンタクトプローブ100の使用時(検査対象物4の検査時)に両者を相互に離間する方向に付勢し、検査対象物4のハンダボール5及び検査用基板7のコンタクトパッド6に対する接触力を両者に与える。
【0058】
第1のチューブ状プランジャ1の先端部には、例えば二等辺三角形ないし正三角形の4つの切込み130が等間隔で入っていて、上側が尖った4つの三角片18が形成されている。各々の三角片18は内側に曲がっている。第2のチューブ状プランジャ2も同様に、例えば二等辺三角形ないし正三角形の4つの切込み230が入っていて、上側が尖った4つの三角片28が形成されている。各々の三角片28は内側に曲がっている。これにより、検査対象物4のハンダボール5に対する第1のチューブ状プランジャ1の接触性(接触の確実性と耐久性)及び検査用基板7のコンタクトパッド6に対する第2のチューブ状プランジャ2の接触性が良くなり、さらにコイルスプリング3の抜けも防止される。
【0059】
第1のチューブ状プランジャ1の側面には帯状の凸部140(鍔部)が形成され、凸部140によりハウジング31からのコンタクトプローブ100の抜けが防止される。第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は、側面に継ぎ目がないものであり、例えば上記製法1〜4のいずれかによって製造したものを用いることができる。図5及び図6では、切削により凸部140,240(帯状の突条)を形成する製法1又は4によって製造したものを例示している。
【0060】
コンタクトプローブ100の製造手順の一例を説明する。まず、例えば上記製法1〜4のいずれかによって第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2を作成する(但し、第1のチューブ状プランジャ1の末端19はかしめていないものとする)。そして、第2のチューブ状プランジャ2の内側にコイルスプリング3の一端側の一部を挿入する。このとき、第2のチューブ状プランジャ2の先端部(内側に曲がった三角片28)がコイルスプリング3の抜止めになる。続いて、第2のチューブ状プランジャ2の末端側の凸部240及びコイルスプリング3の他端側の一部を第1のチューブ状プランジャ1の内側に挿入する。このとき、第1のチューブ状プランジャ1の先端部(内側に曲がった三角片18)がコイルスプリング3の抜止めになる。この状態で、第1のチューブ状プランジャ1の末端19をかしめる。これにより第2のチューブ状プランジャ2の抜けが防止される。
【0061】
以上説明したコンタクトプローブの第1構成例によれば、次の効果を奏することができる。すなわち、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は、例えば製法1〜4によって製造されたものであって側面に継ぎ目がないため、従来例2のように側面に継ぎ目があるプランジャを用いるコンタクトプローブと比較して摺動性が良好で、継ぎ目による電気的特性への悪影響もない。また、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は加工精度が良く小型化も容易なため、狭ピッチの端子配列を持つ検査対象物に対応するための細径コンタクトプローブを実現できる。さらに、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2は既述のように従来例1のプランジャと比較して内面に良好な金層を備えることができ、高品質のコンタクトプローブを実現可能である。
【0062】
(第1構成例に基づくソケットの構成例)
図6に示すように、ソケット300は、コンタクトプローブ100を複数本平行に配置するための空洞部32を所定間隔で有するハウジング31(絶縁支持体)を備え、各空洞部32にコンタクトプローブ100を挿入配置したものである。具体的には、第1及び第2のチューブ状プランジャ1,2とコイルスプリング3とを図5に示すように一体的に組み立ててコンタクトプローブ100を構成したものを、図6に示すようにハウジング31の空洞部32に挿入配置する。空洞部32の上端の開口側摺動支持部33は、第1のチューブ状プランジャ1の側面を摺動自在に支持(嵌合)する。空洞部32のうち開口側摺動支持部33を除く中間部35は、開口側摺動支持部33よりも大径で、凸部140が自由に動ける内周径となっている。空洞部32の開口側摺動支持部33は、凸部140に係合して第1のチューブ状プランジャ1の抜け出しを規制する。なお、ハウジング31は、コンタクトプローブ100を空洞部32内に組み込むために、あるいは空洞部32の深さを確保するために、複数層(図示の例では二層)重ね合わせた構造となっている。
【0063】
図6のように組み立てられたソケット300を使用して検査を行う場合、ソケット300は検査用基板7上に位置決め載置され、この結果、コイルスプリング3は所定長だけ縮んで第2のチューブ状プランジャ2の先端が検査用基板7のコンタクトパッド6に弾接する。半導体集積回路等の検査対象物4が無い状態では、第1のチューブ状プランジャ1は凸部140が開口側摺動支持部33で規制されるまで突出方向に移動して突出量が最大となっている。検査対象物4がソケット300のハウジング31に対して所定の間隔で対向配置されることにより、第1のチューブ状プランジャ1は後退してコイルスプリング3はさらに圧縮され、その結果、第1のチューブ状プランジャ1の先端は検査対象物4のハンダボール5に弾接する。この状態で検査対象物4の検査が実行される。
【0064】
(コンタクトプローブの第2構成例)
図7は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第2構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ200は、第1構成例のコンタクトプローブ100と比較して、第2のチューブ状プランジャ2が無くなってコイルスプリング203の先端が検査用基板7との接続部品となっている点で主に相違し、その他の点は同様である。以下、相違点を中心に説明する。
【0065】
コイルスプリング203は、密着巻き部203aと、粗巻き部203bとを有する。粗巻き部203bは、密着巻き部203aよりも大径であり、チューブ状プランジャ201(第1構成例の第1のチューブ状プランジャ1と同様の構成)の内側に入っている。なお、密着巻き部とは、コンタクトプローブ100の非使用状態すなわちチューブ状プランジャ201の先端が検査対象物4のハンダボール5と接触していない状態で複数巻きに渡って軸方向に接触(密着)している部分をいう。チューブ状プランジャ201の末端19は、粗巻き部203bが内側に入っている状態で粗巻き部203bよりも小径となるようにかしめられていて、コイルスプリング203の抜けを防止している。コイルスプリング203は、コンタクトプローブ200の使用時(検査対象物4の検査時)にチューブ状プランジャ201を離れる方向に付勢して、チューブ状プランジャ201に検査対象物4のハンダボール5との接触力を与えるとともに、自身も先端に検査用基板7のコンタクトパッド6との接触力を得る。
【0066】
密着巻き部203aは、好ましくは巻軸方向と垂直な面に対して非平行になるように斜め巻き(図示の例では右上から左下に斜め巻き)されている。これにより、コイルスプリング203の先端と検査用基板7のコンタクトパッド6とが点状ないし短線状に接触するので、コンタクトパッド6との接触部位が常に一定となり、斜め巻きされていない場合と比較してコイルスプリング203の先端と検査用基板7のコンタクトパッド6との接触がより確実なものとなる。
【0067】
本構成例も、第1構成例と同様の効果を奏することができる。すなわち、チューブ状プランジャ201は、摺動性が良好で継ぎ目による電気的特性への悪影響がなく、また加工精度がよく小型化も容易なため細径コンタクトプローブを実現でき、さらに内面に良好な金層を備えることができるため高品質のコンタクトプローブを実現可能である。また、本構成例のコンタクトプローブ200を図6に示すのと同様に複数本支持することでソケットを構成し、同様に検査を実行できる。
【0068】
(コンタクトプローブの第3構成例)
図8は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第3構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ350は、第2構成例のコンタクトプローブ200と異なり、チューブ状プランジャ301を径方向に貫通する棒状の係止部材360を有し、係止部材360にコイルスプリング303(密着巻き部303a及び粗巻き部303bを有する)の末端が当接して係止されている。また、係止部材360のうちチューブ状プランジャ301の外側にある部分が、第2構成例の凸部140に替わってハウジング31からの抜止めを成している。そのため、チューブ状プランジャ301は、第2構成例の凸部140を有しない。本構成例のその他の点は、第2構成例のコンタクトプローブ200と同様である。本構成例も、第2構成例と同様の効果を奏することができる。
【0069】
(コンタクトプローブの第4構成例)
図9は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第4構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ400は、第2構成例のコンタクトプローブ200と異なり、チューブ状プランジャ401の側面の一部が内側に切り起こされて舌片部460を成しており、舌片部460にコイルスプリング303の末端が当接して係止されている。舌片部460は、凸部140よりもチューブ状プランジャ401の先端側にある。本構成例のその他の点は、第2構成例のコンタクトプローブ200と同様である。本構成例も、第2構成例と同様の効果を奏することができる。
【0070】
(コンタクトプローブの第5構成例)
図10は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第5構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ500は、第1構成例のコンタクトプローブ100と異なり、コイルスプリング503が第2のチューブ状プランジャ502の外側かつ第1のチューブ状プランジャ501の内側にある。第1のチューブ状プランジャ501の末端はかしめられていない。第2のチューブ状プランジャ502は、第1のチューブ状プランジャ501を小径にしたものに相当する。なお、第2のチューブ状プランジャ502の内面は、摺動面(接触面)でないため金層は不要である。第2のチューブ状プランジャ502の凸部540は、コイルスプリング503の一端と当接して係止するとともに、ハウジング31からの抜止めにもなる。本構成例のその他の点は、第2構成例のコンタクトプローブ200と同様である。本構成例も、第2構成例と同様の効果を奏することができる。
【0071】
(コンタクトプローブの第6構成例)
図11は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第6構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ600は、第5構成例のコンタクトプローブ500と異なり、コイルスプリング603が第1及び第2のチューブ状プランジャ601,602の外側にある。コイルスプリング603の一端及び他端は、第1及び第2のチューブ状プランジャ601,602の凸部140,640と当接して係止されている。本構成例のその他の点は、第5構成例のコンタクトプローブ500と同様である。本構成例も、第5構成例と同様の効果を奏することができる。
【0072】
(コンタクトプローブの第7構成例)
図12は、本発明の実施の形態に係るコンタクトプローブの第7構成例を示す断面図である。本構成例のコンタクトプローブ700は、第2構成例のコンタクトプローブ200と異なり、コイルスプリング703の末端側がチューブ状プランジャ701(第2構成例のチューブ状プランジャ201と同様の構成)の外側にある。コイルスプリング703の末端はチューブ状プランジャ701の凸部140に当接して係止されている。なお、チューブ状プランジャ701の内面は、摺動面(接触面)でないため金層は不要である。
【0073】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0074】
実施の形態ではチューブ状プランジャの先端に切込みが入っている場合を説明したが、用途次第でそのような加工が不要であれば切込みは省略してもよい。この場合、図3に示すチューブ状プランジャの製法3において、小径化工程と外径加工工程は一工程で行うことができる。図4に示す製法4においても同様である。
【0075】
実施の形態ではチューブ状プランジャの製法においてチューブ状金属材料を小径化する加工を行う例を説明したが、準備したチューブ状金属材料が十分に薄い場合、小径化は不要である。この場合、凸部40は製法2及び3のように板金加工で形成する。
【0076】
実施の形態ではチューブ状プランジャの先端が内側に曲がっている場合を説明したが、変形例では先端は曲げずに先端以外の側面の一部を内側に曲げてコイルスプリングの抜止めとしてもよい。このような加工には、公知の技術(例えば特開2004−61180号公報に記載の技術)を用いることができる。なお、「曲げる」とは内側を突出させる(凸部を形成する)加工も含む。
【符号の説明】
【0077】
1 第1のチューブ状プランジャ
2 第2のチューブ状プランジャ
3 コイルスプリング
4 検査対象物
5 ハンダボール
6 コンタクトパッド
7 検査用基板
18,28 三角片
19 末端
20 チューブ状金属材料
21 母材
22 金層
30 切込み
40 凸部
100,200,・・・,700 コンタクトプローブ
140,240 凸部
300 ソケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
チューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、前記チューブ状プランジャに係止され、かつ末端が前記チューブ状プランジャと当接して前記チューブ状プランジャを離れる方向に付勢して、
前記チューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする、コンタクトプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部でかつ内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成している、コンタクトプローブ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、かつ側面が内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成している、コンタクトプローブ。
【請求項4】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、
前記チューブ状プランジャを径方向に貫通して前記コイルスプリングを係止する係止部材を有する、コンタクトプローブ。
【請求項5】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの外側にあり、前記チューブ状プランジャの外側面の係止部が前記コイルスプリングを係止する、コンタクトプローブ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングは、先端を含む少なくとも一部が密着巻き部となっている、コンタクトプローブ。
【請求項7】
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
第1及び第2のチューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、一端が前記第1のチューブ状プランジャの係止部で止められ、他端が前記第2のチューブ状プランジャの係止部で止められ、かつ前記第1及び第2のチューブ状プランジャを相互に離間する方向に付勢し、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする、コンタクトプローブ。
【請求項8】
請求項7に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングは前記第1及び第2のチューブ状プランジャの内側にあり、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャは、それぞれの先端が接続部であり、かつ側面の一部が内側に曲がっていて前記コイルスプリングを係止する係止部を成し、
前記第2のチューブ状プランジャは、末端側が前記第1のチューブ状プランジャの内側にあり、前記第1のチューブ状プランジャに対して相対的に摺動可能かつ抜止めされている、コンタクトプローブ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のコンタクトプローブを複数本絶縁支持体で支持してなるソケット。
【請求項10】
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程とを有する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項11】
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程とを有する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法において、前記チューブ状金属材料の外側面に凸部を形成する凸部加工工程をさらに有する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記凸部加工工程では、前記曲げ加工工程よりも後に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記曲げ加工工程の後かつ前記凸部加工工程の前に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長に渡って小径化する外径加工工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、
前記曲げ加工工程及び前記凸部加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げる、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記凸部加工工程では、チューブ状金属材料の先端部を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化し、
前記曲げ加工工程では前記凸部加工工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げる、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項17】
請求項10から16のいずれかに記載の方法において、前記チューブ状金属材料の先端部に所定数の切込みを入れる切込み加工工程をさらに有し、前記曲げ加工工程では前記切込み加工工程で切込みを入れた部分を内側に曲げる、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項18】
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項19】
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項20】
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備える大径の第1のチューブ状金属材料と、少なくとも内面に金の層を備える小径の第2のチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記第1及び第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項21】
大径の第1のチューブ状金属材料及び小径の第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記第1及び第2のチューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項1】
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
チューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、前記チューブ状プランジャに係止され、かつ末端が前記チューブ状プランジャと当接して前記チューブ状プランジャを離れる方向に付勢して、
前記チューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする、コンタクトプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部でかつ内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成している、コンタクトプローブ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、かつ側面が内側に曲がって前記コイルスプリングを係止する係止部を成している、コンタクトプローブ。
【請求項4】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの内側にあり、
前記チューブ状プランジャは、先端部が接続部であり、
前記チューブ状プランジャを径方向に貫通して前記コイルスプリングを係止する係止部材を有する、コンタクトプローブ。
【請求項5】
請求項1に記載のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングの一部が前記チューブ状プランジャの外側にあり、前記チューブ状プランジャの外側面の係止部が前記コイルスプリングを係止する、コンタクトプローブ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のコンタクトプローブにおいて、前記コイルスプリングは、先端を含む少なくとも一部が密着巻き部となっている、コンタクトプローブ。
【請求項7】
電気的に相互接続するコンタクトプローブであって、
第1及び第2のチューブ状プランジャと、コイルスプリングとを備え、
前記コイルスプリングは、一端が前記第1のチューブ状プランジャの係止部で止められ、他端が前記第2のチューブ状プランジャの係止部で止められ、かつ前記第1及び第2のチューブ状プランジャを相互に離間する方向に付勢し、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャの側面に継ぎ目が無いことを特徴とする、コンタクトプローブ。
【請求項8】
請求項7に記載のコンタクトプローブにおいて、
前記コイルスプリングは前記第1及び第2のチューブ状プランジャの内側にあり、
前記第1及び第2のチューブ状プランジャは、それぞれの先端が接続部であり、かつ側面の一部が内側に曲がっていて前記コイルスプリングを係止する係止部を成し、
前記第2のチューブ状プランジャは、末端側が前記第1のチューブ状プランジャの内側にあり、前記第1のチューブ状プランジャに対して相対的に摺動可能かつ抜止めされている、コンタクトプローブ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のコンタクトプローブを複数本絶縁支持体で支持してなるソケット。
【請求項10】
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程とを有する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項11】
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程とを有する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法において、前記チューブ状金属材料の外側面に凸部を形成する凸部加工工程をさらに有する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記凸部加工工程では、前記曲げ加工工程よりも後に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、
前記曲げ加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分を内側に曲げ、
前記曲げ加工工程の後かつ前記凸部加工工程の前に、前記小径化工程で小径化した部分から末端側を所定長に渡って小径化する外径加工工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記外径加工工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成する、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、
前記曲げ加工工程及び前記凸部加工工程に先だってチューブ状金属材料の先端部を所定長に渡って小径化する小径化工程を実行し、
前記凸部加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の外側面に凸部を形成し、
前記曲げ加工工程では前記小径化工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げる、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記凸部加工工程では、チューブ状金属材料の先端部を、一部が大径の凸部となるように所定長に渡って小径化し、
前記曲げ加工工程では前記凸部加工工程で小径化した部分の先端部を内側に曲げる、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項17】
請求項10から16のいずれかに記載の方法において、前記チューブ状金属材料の先端部に所定数の切込みを入れる切込み加工工程をさらに有し、前記曲げ加工工程では前記切込み加工工程で切込みを入れた部分を内側に曲げる、チューブ状プランジャの製造方法。
【請求項18】
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備えるチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項19】
チューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記チューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記曲げ加工工程で曲げた部分を一方への抜止めにして、前記チューブ状金属材料の内側にコイルスプリングの末端側の一部を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記チューブ状金属材料の、前記曲げ加工工程で曲げた部分よりも末端側に、前記コイルスプリングの他方への抜止めを形成する抜止め加工工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項20】
少なくとも内面に貴金属の層又は貴金属を主成分とする合金の層を備える大径の第1のチューブ状金属材料と、少なくとも内面に金の層を備える小径の第2のチューブ状金属材料を準備する準備工程と、
前記第1及び第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【請求項21】
大径の第1のチューブ状金属材料及び小径の第2のチューブ状金属材料の側面の一部を内側に曲げる曲げ加工工程と、
前記曲げ加工工程の後に、前記第1及び第2のチューブ状金属材料の少なくとも内面に貴金属又は貴金属を主成分とする合金の鍍金を施す鍍金工程と、
前記第1のチューブ状金属材料の内側に前記第2のチューブ状金属材料の末端側の一部が存在し、かつ前記曲げ加工工程で曲げた部分を抜止めにして前記第1及び第2のチューブ状金属材料の内側にコイルスプリングが存在するように、前記第1及び第2のチューブ状金属材料並びに前記コイルスプリングを組み立てる組立工程とを有する、コンタクトプローブの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−191104(P2011−191104A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55641(P2010−55641)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]