説明

コンテキスト生成装置、システム、プログラム、並びに方法

【課題】 装置が、あるエンティティのコンテキストを他のエンティティのコンテキストから生成するときに、両エンティティ間の関係の信頼性を反映出来ない。
【解決手段】 コンテキスト生成装置は、エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を記憶する管理部と、第1のエンティティの識別情報を入力して、第1のエンティティの管理表を起点に、関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの管理表を経由して、第2のエンティティの管理表を取得し、当該管理表を取得するまでにたどる関連情報のR信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから第1のエンティティのコンテキストを生成する生成部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテキスト生成装置、システム、プログラム、並びに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはコンテキスト提供装置が記載されている。コンテキストとは、ある対象(人、物、など)の状況を表す情報である。コンテキストは、例えば、人の位置、人の状態(電話中・会議中、など)、物の在庫状況、部屋や炉の管理対象温度である。特許文献1の装置は、対象間の関係を利用して、コンテキストを取得したい対象とは別の対象のコンテキストから、取得したい対象のコンテキストを生成する。
【0003】
同装置は、対象間の関係をリンクとして記憶する。例えば、人1と、人1が携帯する携帯電話1のコンテキストは半固定的にリンクされる。自動車1と、自動車1に搭載されるRFIDタグ1のコンテキストは、固定的にリンクされる。また、人1が自動車1に乗車したとき、人1が携帯する携帯電話1が備えるRFIDリーダが自動車1に搭載されたRFIDタグ1を読み込んで、携帯電話1とRFIDタグ1のコンテキストの間に一時的にリンクがはられる。
【0004】
当該装置は、人1の位置コンテキストが要求されると、人1のリンクを利用して携帯電話1のコンテキストを、携帯電話1のリンクを利用してRFIDタグ1のコンテキストを、RFIDタグ1のリンクを利用して自動車1のコンテキストを順次検索する。そして、当該装置は、自動車1のコンテキストから位置情報を取得して、人1の位置情報として出力する。自動車1は、GPS(Global Positioning System)位置検出装置を搭載しており、当該装置が取得した位置情報が自動車1のコンテキストとして記憶されている。
【0005】
特許文献2には、家系図上の患者本人から各家族員までの世代数に応じた前記各家族員の前記患者本人との相関を示す相関値を予め記憶しておく電子カルテシステムが記載されている。同システムは、相関値に基づく興味度を算出して、閾値を上回った興味度に対する家族員の診療情報を家族員の電子カルテから取得する。
【0006】
特許文献3には、検索実行時間差に基づいて、検索語同士の関連度を決定する情報関連づけ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−293012号公報
【特許文献2】特開2008−171133号公報
【特許文献3】特開平10−320419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献の技術は、あるエンティティ(人、物、またはその一部など、状況情報を発生しうる主体)のコンテキストを他のエンティティのコンテキストから生成するときに、両エンティティ間の関係の信頼性を反映出来ないという課題がある。
【0009】
特許文献1の装置は、2つのエンティティ間の関係に基づいてリンクを張り、当該リンクを利用して一方のエンティティのコンテキストから他方のエンティティのコンテキストを生成する。しかし、リンクがエンティティ間の一律な関係を表現しているとは限らない。また、関係の検出方法、検出情報の種類・値が一律であるとも限らない。リンクに多様性がある場合、リンクを利用して得られたコンテキストが信用できる度合いも異なる場合があることが予想される。特許文献1の装置は、このようなリンクに関する信用できる度合いに基づいたコンテキスト生成が出来ない。
【0010】
特許文献2および3は、エンティティのコンテキストを、他のエンティティから取得するものではないので、上述の課題を解決しない。
【0011】
本発明の目的は、上述の課題を解決する、コンテキスト生成装置、システム、プログラム、並びに方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態のコンテキスト生成装置は、エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を記憶する管理部と、第1のエンティティの識別情報を入力して、前記第1のエンティティの前記管理表を起点に、前記関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの前記管理表を経由して、第2のエンティティの前記管理表を取得し、当該管理表を取得するまでにたどる前記関連情報の前記R信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する生成部を備える。
【0013】
本発明の一実施形態のコンテキスト生成プログラムは、エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を記憶する管理部を備えるコンピュータに、第1のエンティティの識別情報を入力して、前記第1のエンティティの前記管理表を起点に、前記関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの前記管理表を経由して、第2のエンティティの前記管理表を取得し、当該管理表を取得するまでにたどる前記関連情報の前記R信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する生成処理を実行させる。
【0014】
本発明の一実施形態のコンテキスト生成方法は、エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を管理部に記憶する記憶工程と、第1のエンティティの識別情報を入力して、前記第1のエンティティの前記管理表を起点に、前記関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの前記管理表を経由して、第2のエンティティの前記管理表を取得し、当該管理表を取得するまでにたどる前記関連情報の前記R信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する生成工程を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるコンテキスト生成装置は、あるエンティティのコンテキストを他のエンティティのコンテキストから生成するときに、両エンティティ間の関係の信頼性を反映出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態にかかるコンテキスト生成システム10の構成を示す。
【図2】図2は、コンテキスト生成装置11の構成を示す。
【図3】図3は、管理表30の構成を示す。
【図4】図4は、コンテキスト要求28の構成を示す。
【図5】図5は、関連付けルール保持部26に格納されるデータの構成を示す。
【図6】図6は、検索ルール保持部24に格納されるデータの構成を示す。
【図7】図7は登録部27の動作フローチャートである。
【図8】図8は、処理部23の動作フローチャートである。
【図9】図9は、生成部20の動作フローチャートである。
【図10】図10は、データリスト21の構成を示す。
【図11】図11は、検査済みリスト22の構成を示す。
【図12】図12は、生成部20による、管理表Aを起点としたコンテキスト36の検索処理のフローチャートである。
【図13】図13は、コンテキスト生成システム10の第1の適用事例(状況1)を示す。
【図14】図14は、第1の適用事例(状況1)に対応した管理表30を示す。
【図15】図15は、コンテキスト生成システム10の第1の適用事例(状況2)を示す。
【図16】図16は、第1の適用事例(状況2)に対応した管理表30を示す。
【図17】図17は、本発明の第3の実施形態にかかるコンテキスト生成システム10の構成を示す。
【図18】図18は、R履歴表50の構成を示す。
【図19】図19は、第3の実施形態の処理部23の動作フローチャート(部分)である。
【図20】図20は、コンテキスト生成システム10の第2の適用事例(状況1)を示す。
【図21】図21は、第2の適用事例(状況1)に対応した管理表30を示す。
【図22】図22は、コンテキスト生成システム10の第2の適用事例(状況2)を示す。
【図23】図23は、第2の適用事例(状況2)に対応した管理表30を示す。
【図24】図24は、人1が、商品1、2と3を抱えたままゲートを通ってトラック1外に出たときの管理表30を示す。
【図25】図25は、本発明の第4の実施形態にかかるコンテキスト生成システム10の構成を示す。
【図26】図26は、第4の実施形態の関連付けルール保持部26に格納されるデータの構成を示す。
【図27】図27はS履歴表70の構成を示す。
【図28】図28は変換表80の構成を示す。
【図29】図29は、第4の実施形態の処理部23の動作フローチャート(部分)1/2である。
【図30】図30は、第4の実施形態の処理部23の動作フローチャート(部分)2/2である。
【図31】図31は、図31は、総合信頼度3cを説明する図である。
【図32】図32は、コンテキスト生成システム10の第3の適用事例(状況1)を示す。
【図33】図33は、第3の適用事例(状況1)に対応した管理表30を示す。
【図34】図34は、第3の適用事例(状況2)に対応した管理表30を示す。
【図35】図35は、信頼度リスト90の構成を示す。
【図36】図36は、第2の実施形態で関連付けルール保持部26に格納されるデータの構成を示す。
【図37】図37は、本発明にかかるコンテキスト生成装置11の基本的構成を示す。
【図38】図38は、管理表30の他の格納形式を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるコンテキスト生成システム10の構成を示す。コンテキスト生成システム10は、ネットワーク18に接続された、コンテキスト生成装置11、センサ13、タグリーダ15、管理端末16、ユーザ端末17を包含する。
【0018】
センサ13は、赤外線センサ、位置センサ、熱センサ、振動センサ、音センサなど外界についての測定値を出力する装置などである。センサ13は、エンティティ12に付されて当該エンティティ12のコンテキスト36を生成する。なお、ここで「付す」とは、装着、貼付、ぶら下げ、近傍配置などをいう。どの形態を取るかは、エンティティ12やセンサ13の性質や使用環境に応じて適宜選択される。例えば、箱の温度を測りたいとき熱センサが箱の外面に貼付されるが、環境温度を測りたいときは、熱センサは箱を収納する棚に置かれる(箱の近傍に配置)。
【0019】
エンティティ12は、人や物、またはそれらの一部など、状況情報を発生しうる主体である。コンテキスト36はエンティティ12の状況情報である。
【0020】
エンティティ12は、例えば、作業者、運転者、商品、車などである。一人の人や一つの物が複数のエンティティ12に対応付けられる場合もある。人の右手と左手が別々のエンティティ12に対応付けられることもあるし、箱の内側と外側が別々のエンティティ12に対応付けられることもある。異なるコンテキスト36を生成しうる人や物の一部は、別々のエンティティ12として管理されても良い。コンテキスト36は、例えば、人の位置、人の状態(電話中・会議中、など)、物の在庫状況、部屋や炉の管理対象温度である。
【0021】
IDタグ14やタグリーダ15がエンティティ12に付されて、エンティティ12間の関連情報3bを設定するために利用される場合がある。IDタグ14は、RFIDタグ(Radio Frequency IDentification)などである。タグリーダ15は、RFIDリーダなどである。IDタグ14はバーコードラベル、タグリーダ15はバーコードリーダであっても良い。
【0022】
図2は、コンテキスト生成装置11の構成を示す。コンテキスト生成装置11は、生成部20、処理部23、登録部27を包含する。コンテキスト生成装置11は、図示しないメモリ上にデータリスト21、検査済みリスト22、信頼度リスト90を保持している。コンテキスト生成装置11は、ディスク装置などの記憶装置上に、検索ルール保持部24、管理部25、関連付けルール保持部26を備える。管理部25は、エンティティ12ごとに管理表30が格納されている。
【0023】
生成部20は、ユーザ端末17からコンテキスト要求28を入力して、コンテキスト36を出力する。処理部23は、タグリーダ15からエンティティ12に付されたIDタグ14の情報を入力したり、センサ13から測定値を入力したりして、エンティティ12間の関連情報3bを付ける。登録部27は、管理端末16から設定情報や修正情報を入力して、管理部25の管理表30の登録、修正を行う。処理部23や登録部27は、コンテキスト生成装置11外の装置に分散配置しても良い。処理部23や登録部27は、エンティティ12やその関連情報3bなどが固定的である場合などは、存在しなくても良い。
【0024】
生成部20、処理部23、登録部27は、ハードウェアで実現される。生成部20、処理部23、登録部27は、コンピュータ19でもあるコンテキスト生成装置11の図示しないプロセッサが、図示しないメモリ上のコンテキスト生成プログラム29を実行することで実現されても良い。
【0025】
図3は、管理表30の構成を示す。管理表30は、エンティティ12(例えばエンティティA)ごとに、エンティティAのID31、種類(E種別32)、タグID33、リーダID34、C情報3a、関連情報3bを格納する。タグID33、リーダID34、C情報3a、関連情報3bは、おのおの複数格納されることがある。
【0026】
E種別32は、エンティティAの種類(人、商品、車など)を示す。タグID33は、エンティティAにIDタグ14が付されている場合、その識別情報を格納する。リーダID34は、エンティティAにタグリーダ15が付されている場合、その識別情報を格納する。エンティティAに複数のIDタグ14、タグリーダ15が付されていても良く、その場合、複数のタグID33、リーダID34が格納されることもある。エンティティ12にIDタグ14、タグリーダ15が付されていない場合、タグID33、リーダID34はNullを格納する。
【0027】
なお複数のエンティティ12(例えば、箱の外側と当該箱の内側)が、同じIDタグ14やタグリーダ15を共用しても良い。この場合、複数の管理表30に、同一のタグID33やリーダID34が格納される。
【0028】
C情報3aは、エンティティAの状況情報を記述する。C情報3aは、センサID35、コンテキスト36、C種別37を包含する。コンテキスト36はエンティティAの状況情報を格納する。C種別37は、コンテキスト36の種類(温度、衝撃、在籍・離席状況など)を示す。センサID35は、当該コンテキスト36を取得するためのセンサ13の識別情報である。エンティティ12が複数種類のコンテキスト36を持つ場合、C情報3aはエンティティAごとに複数存在する。なお、コンテキスト36がセンサ13から取得されない場合、例えば、管理端末16から入力される場合は、センサID35はNullを格納する。なお複数のエンティティ12が同じセンサ13を共用しても良い。この場合、複数の管理表30に、同一のセンサID35が格納される。
【0029】
関連情報3bは、エンティティAが他のエンティティ12に対して有する関係を記述する。関連情報3bは、R信頼度38と関連エンティティ識別情報39を包含する。関連エンティティ識別情報39は他のエンティティ12に対するポインタ情報(例えば、他のエンティティ12の識別子、他のエンティティ12対応の管理表30のアドレス)である。
【0030】
R信頼度38は、他のエンティティ12に対する関係の信頼度を示す。R信頼度38は、例えば、0以上1以下の値であり、高い値ほど信頼度が高いことを示す。エンティティAが複数の関係を有する場合、関連情報3bはエンティティAについて複数個存在する。エンティティAが他のエンティティ12と関係を持っていないときは、関連情報3bはNullを格納する。
【0031】
生成部20は、あるエンティティ12(エンティティA)のコンテキスト36の生成を要求されると、エンティティAを起点に関連情報3bをたどって、他のエンティティ12(エンティティB)のコンテキスト36から、それを生成することがある。
【0032】
このとき、生成部20は、エンティティAの管理表30の関連エンティティ識別情報39にエンティティBへのポインタ情報が格納されていれば、この情報をたどって、直接エンティティBの管理表30を検索する。
【0033】
エンティティAの管理表30の関連エンティティ識別情報39にエンティティCへのポインタ情報が格納され、エンティティCの管理表30の関連エンティティ識別情報39にエンティティBへのポインタ情報が格納されている場合がある。この場合、生成部20は、これらのポインタ情報をたどって、エンティティAの管理表30からエンティティCの管理表30を経由してエンティティBの管理表30を検索する。
【0034】
同様に、生成部20は、エンティティAの管理表30を起点に、複数のエンティティ12の管理表30を経由して、エンティティBの管理表30を検索することがある。
【0035】
上記の何れの検索も、『エンティティAを起点にエンティティBまで関連情報3bをたどる』と表現される。
【0036】
管理表30の格納形式は図3に示すものに限られない。図38は、管理表30の他の格納形式を示す。本格納形式では、管理表30ごとに複数個格納されうるタグID33、リーダID34、C情報3a、関連情報3bを、各々別の領域に格納し、管理表30には当該領域へのポインタを格納しても良い。例えば、C情報3aを複数格納する為のC情報域91を管理部25に設け、管理表30にはC情報領域域91のアドレス情報をC情報領域ポインタ92として格納するのである。
【0037】
図4は、コンテキスト要求28の構成を示す。コンテキスト要求28は、ID31とC種別37を包含する。このID31は、コンテキスト要求28の対象エンティティ12を示す。このC種別37は、対象エンティティ12について取得すべきコンテキスト36の種別を示す。
【0038】
図5は、関連付けルール保持部26に格納されるデータの構成を示す。関連付けルール保持部26は、一つまたは複数の第1種関連付けルール40を格納する。第1種関連付けルール40は種別ペア41と設定信頼度42を包含する。種別ペア41は、E種別32のペアを格納する。設定信頼度42は、種別ペア41のおのおののE種別32をもつ2つのエンティティ12の間に設定される関連情報3bの信頼度(R信頼度38)を格納する。
【0039】
図5によれば、4番目の第1種関連付けルール40は、E種別32が人と心拍計の2つのエンティティ12の間には、R信頼度38が「1」の関連情報3b設定されることを規定する。このルールは、ある人に付されている心拍計は人のコンテキスト36(心拍数)そのものを測定しているので、心拍計のコンテキスト36は人のコンテキスト36であるとして、参照してよいことを反映している。
【0040】
3番目の第1種関連付けルール40はE種別32が商品と商品の2つのエンティティ12の間には、R信頼度38が「0.95」の関連情報3bが設定されることを規定する。このルールは、商品同士は同じ状態に置かれる可能性が高いため、他のエンティティ12のコンテキスト36を参照した場合、得られたコンテキスト36の信頼度が高いことを反映している。例えば、トラックは運転席と荷台を備えるが、商品同士は荷台内の近接した場所に置かれる可能性が高く、同じ状態に置かれる可能性が高い。
【0041】
1番目の第1種関連付けルール40は、E種別32がトラックと商品の2つのエンティティ12の間には、R信頼度38が「0.9」の関連情報3bが設定されることを規定する。このルールは、異なるE種別32のエンティティ12ならば、商品同士よりも同じ状態である可能性が低く、コンテキスト36を参照した場合、得られたコンテキスト36の信頼度が低いことを反映している。例えば、商品は、衝撃緩和剤にくるまれていればトラックの衝撃は影響しないし、クーラーボックスに入れられていればトラックの温度は影響しない。2、5番目の第1種関連付けルール40は、同様な状況を反映している。
【0042】
なお、コンテキスト生成装置11は関連付けルール保持部26を備えず、処理部23内部に、第1種関連付けルール40相当のデータを固定的に保持していても良い。同装置は第1種関連付けルール40をユーザ端末17から入力しても良い。
【0043】
図6は、検索ルール保持部24に格納されるデータの構成を示す。検索ルール保持部24は、一つまたは複数の検索ルール43を格納する。検索ルール43は、要求指定44、検索信頼度45、取得信頼度46を包含する。要求指定44は一つまたは複数のC種別37を格納する。検索信頼度45は、検索を続行させるか終了させるかの判断基準に使われる(詳細は、図12を参照)総合信頼度3cを格納する。取得信頼度46は、ある管理表30からコンテキスト36を取得するか否かの判断基準に使われる(詳細は、図11を参照)総合信頼度3cを格納する。
【0044】
総合信頼度3cは、エンティティAを起点にエンティティBまで関連情報3bをたどったときに、エンティティBの管理表30を取得するまでにたどった単純パス上の各関連情報3bのR信頼度38の積である。ここで、単純パスとは、エンティティAから、エンティティBにいたる閉路を含まない関連情報3bの系列(パス)をいう。
【0045】
図31は、総合信頼度3cを説明する図である。同図に於いて、エンティティAが起点となるエンティティ12である。エンティティAとBの間には、R信頼度38が0.9の関連情報3b(関連AB)が存在する。エンティティBとCの間には、R信頼度38が0.8の関連情報3b(関連BC)が存在する。エンティティBとDの間には、R信頼度38が0.7の関連情報3b(関連BD)が存在する。
【0046】
このとき、エンティティBの総合信頼度3cは0.9である。エンティティAを起点にたどる単純パス上の関連情報3bは、関連ABのみだからである。エンティティCの総合信頼度3cは、0.9x0.8で0.72である。エンティティAを起点にたどる単純パス上の関連情報3bは、関連ABと関連BCの2つだからである。エンティティDの総合信頼度3cは、0.9x0.7で0.63である。エンティティAを起点にたどる単純パス上の関連情報3bは、関連ABと関連BDの2つだからである。
【0047】
ここで、エンティティAから、エンティティDにいたる単純パスは、関連ABと関連CDの2つの関連情報3bの列となる。エンティティDは、エンティティAから、エンティティB、C、B、を経由しても到達できるが、エンティティBからエンティティCを経由して再びエンティティBに戻るパスは閉路を形成するため、総合信頼度3c算出上、この部分は無視される。
【0048】
なお、コンテキスト生成装置11は検索ルール保持部24を備えないことがある。この場合、コンテキスト生成装置11は、ユーザ端末17から検索ルール43を入力しても良いし、内部に検索ルール43相当のデータを固定的に保持していても良い。
【0049】
図7は登録部27の動作フローチャートである。登録部27は、管理端末16から管理表30の作成または修正要求を入力する(S1)。入力が作成要求であった場合(S2でY)、同部は、管理部25内に新たな管理表30の領域を確保して、初期設定(Null値の設定)を行う(S3)。続いて、登録部27は、管理端末16から入力されるID31、E種別32を、作成した管理表30に格納する(S4)。同部は、タグID33、リーダID34、C情報3a、関連情報3bの情報の何れかが管理端末16から入力されれば、それらの情報を作成した管理表30に格納し(S5)、処理を終了する。ここで、管理端末16から入力されるタグID33、リーダID34、C情報3a、関連情報3bの情報は、例えば、エンティティ12についての固定的な情報である。
【0050】
入力が修正要求であった場合(S2でN)、登録部27は、管理端末16から入力されるID31を用いて、当該ID31を格納する管理表30を取得する(S6)。その後、同部は、管理端末16から入力される修正情報に基づいて、検索した管理表30の内容を修正し(S7)、処理を終了する。
【0051】
例えば、エンティティ12にIDタグ14、タグリーダ15、センサ13を付したときや外したときには、タグID33、リーダID34、センサID35が修正される。また、例えば、他のエンティティ12と半固定的な関係付けが設定されたときには、関連情報3bが修正される。さらに、例えば、センサ13によらない状況情報が発生したときには、コンテキスト36が修正される。センサ13によらない状況情報は、エンティティ12としての宅配荷物の配達を完了したことを、配達員が管理端末16としての携帯端末から入力した場合などに発生する。
【0052】
図8は、処理部23の動作フローチャートである。処理部23は、センサ13またはタグリーダ15からデータ入力があると動作を開始する。センサ13は、例えば、定期的にセンサID35と測定値を処理部23に送信する。タグリーダ15は、例えば、IDタグ14の送信情報を検知したとき(出現時)またはIDタグ14の送信情報を検知しなくなったとき(消失時)にその出現または消失を処理部23に通知する。タグリーダ15は、出現データまたは消失データとしてタグID33およびリーダID34を処理部23に通知する。
【0053】
センサ13からデータ入力した場合(S10でN)、処理部23は、入力したセンサID35と一致するセンサID35が格納されている管理表30を全て取得する(S12)。同部は、取得した全ての管理表30のコンテキスト36に入力した測定値を格納する(S12)。より正確にいえば、同部は、当該管理表30の、入力したセンサID35と一致するセンサID35を持つC情報3aのコンテキスト36に当該測定値を格納する。
【0054】
タグリーダ15から出現データを入力した場合(S10でY、かつ、S13でY)、処理部23は、入力したタグID33と一致するタグID33が格納されている管理表30(管理表A)を全て取得する(S17)。更に同部は、入力したリーダID34と一致するリーダID34が格納されている管理表30(管理表B)を全て取得する(S18)。
【0055】
同部は、取得した管理表Aと管理表Bの全組み合わせについて、相互に関連情報3bを設定する(S19乃至S1C)。具体的に、同部は、順次選択した管理表AとBから取得した2つのE種別32を、関連付けルール保持部26の種別ペア41と対比して合致する第1種関連付けルール40を取得する(S19)。処理部23は、取得した第1種関連付けルール40の設定信頼度42から設定すべきR信頼度38を取得する(S1A)。同部は、当該管理表AのR信頼度38に取得したR信頼度38を、関連エンティティ識別情報39に当該管理表Bのアドレスを設定する(S1B)。同部は、当該管理表BのR信頼度38に取得したR信頼度38を、関連エンティティ識別情報39に当該管理表Aのアドレスを設定する(S1C)。
【0056】
タグリーダ15から消失データを入力した場合(S10でY、かつ、S13でN)、処理部23は、入力したタグID33と一致するタグID33が格納されている管理表30(管理表C)を全て取得する(S14)。更に同部は、入力したリーダID34と一致するリーダID34が格納されている管理表30(管理表D)を全て取得する(S15)。同部は、取得した管理表Cと管理表Dの全組み合わせについて、相互の関連情報3bを削除(Null値を設定)する(S16)。
【0057】
なお、タグリーダ15は、例えば、IDタグ14の送信情報を検知したとき(出現時)はその出現を処理部23に通知するが、IDタグ14の送信情報を検知しなくなったとき(消失時)にはその消失を通知しない構成としても良い。この構成において、処理部23は、エンティティ12の間に関係付けされた状態で、出現データを受け取ったときに、消失データを受け取ったものとして処理しても良い。これは、例えば、トラックや倉庫の出入り口にタグリーダ15を設置し、搬入時に商品に付されたIDタグ14を読み取ると出現データと解釈して関係付けを行い、搬出時に再度読み取ると消失データと解釈して関係付けを解消することを意味する。
【0058】
この場合、処理部23は、例えば、設定すべきR信頼度38を取得した後(S1A)、当該管理表AとBの間に、関連情報3bが設定されているかを検査し、既に設定されていれば(S1ZでY)、関連情報3bの削除する(S14以降)ことでよい。
【0059】
図9は、生成部20の動作フローチャートである。生成部20は、先ずユーザ端末17からコンテキスト要求28を入力して(S20)、作業域としてのデータリスト21、信頼度リスト90および検査済みリスト22を初期設定(Null値設定)する(S21)。
【0060】
図10は、データリスト21の構成を示す。データリスト21は関連情報3bをたどって、管理表30を検索したときに、検索過程で発見した一つまたは複数のコンテキスト36と総合信頼度3cを対応させて格納する領域である。
【0061】
図35は、信頼度リスト90の構成を示す。信頼度リスト90は、エンティティ12の検索中、起点のエンティティ12から現在検索対象となっているエンティティ12までの単純パス上の関連情報3bの信頼度38を格納するスタック領域である。総合信頼度3cは、信頼度リスト90のデータに基づいて算出される。
【0062】
図11は、検査済みリスト22の構成を示す。検査済みリスト22は、関連情報3bをたどって管理表30を検索したときに、既に検索した一つまたは複数の管理表30のID31を包含できるスタック領域である。検査済みリスト22は、関連情報3bの検索の永久ループを防止するために設けられる。
【0063】
生成部20は、次に、コンテキスト要求28で入力されたID31が格納されている管理表30(管理表A)を取得する(S22)。同部は、検索ルール保持部24を検索して要求指定44の中に、コンテキスト要求28で入力されたC種別37を持つ検索ルール43(検索ルールA)を取得する(S23)。
【0064】
生成部20は、管理表Aを起点としたコンテキスト36の検索を行う(S24)。即ち、同部は、管理表Aを起点として、関連情報3bをたどって検索した管理表30から、入力されたC種別37のコンテキスト36をデータリスト21に追加していく(詳細は、図12を参照)。
【0065】
検索が完了して、データリスト21にコンテキスト36が格納されている場合(S25でY)、同部は、当該コンテキスト36の総合信頼度3cが検索ルールAの取得信頼度46以上であるかを検査する(S26)。検査が肯定的であれば(S26でY)、同部は、当該コンテキスト36を出力して(S27)、処理を終了する。
【0066】
検索が完了して、データリスト21にコンテキスト36が格納されていない場合(S25でN)、同部は、「要求されたコンテキストはない」との通知を出力して(S28)、処理を終了する。また、データリスト21に格納されているコンテキスト36の総合信頼度3cが、検索ルールAの取得信頼度46以上でなければ(S26でN)、同部は、「要求されたコンテキストはない」との通知を出力する(S28)。
【0067】
なお、データリスト21内に総合信頼度3cが検索ルールAの取得信頼度46以上のコンテキスト36が、複数格納されている場合、同部は、総合信頼度3cが最も高いコンテキスト36を出力しても良い。同部は、それら複数のコンテキスト36を総合信頼度3cで重み付けした加重平均値をコンテキスト36として出力しても良い。
【0068】
更に、同部は、それら複数のコンテキスト36から、特別に大きなまたは小さな値を除いて、平均値を計算してもよい。同部は、それら複数のコンテキスト36から、最大値または最小値をコンテキスト36として出力しても良い。同部は、それら複数のコンテキスト36の値の分散が所定値より大きければ、「要求されたコンテキストはない」との通知を出力しても良い。
【0069】
図12は、生成部20による、管理表Aを起点としたコンテキスト36の検索処理のフローチャートである。生成部20は、入力したC種別37のコンテキスト36が管理表Aに存在すれば、当該コンテキスト36とその総合信頼度3cをペアでデータリスト21に追加する(S30)。同部は、信頼度リスト90に入っている全てのR信頼度38の積を算出して、総合信頼度3cを求める。なお、同部は、信頼度リスト90がNullの場合、総合信頼度3cを1とする。同部は、管理表AのID31を検索済みリスト22に登録する(S31)。
【0070】
その後、生成部20は、管理表Aの全ての関連情報3bをたどって管理表30の検索を行う(S32乃至S37)。
【0071】
具体的に、生成部20は、順次選択した関連情報3b(関連A)のR信頼度38(R信頼度A)を取り出し、R信頼度Aと信頼度リスト90に入っている全てのR信頼度38との積を求める。同部は、求めた積算値が検索ルールAの検索信頼度45以上であるかを検査する(S32)。検査結果が肯定的であれば(S32でY)、関連Aの関連エンティティ識別情報39をたどって関係付けられている他のエンティティ12の管理表30(新たな管理表A)を取得する(S33)。
【0072】
その後、同部は、当該新たな管理表Aが既に検索済みであるかを検査する(S34)。同部は、当該新たな管理表AのID31が、検索済みリスト22に登録されているかを確認することで、この検査を行う。
【0073】
既に検索済みでなければ(S34でY)、同部は、R信頼度Aを信頼度リスト90に追加して(S35)、新たな管理表Aを起点としたコンテキスト36の検索を行い(S36)、その終了後、R信頼度Aを信頼度リスト90から削除する(S37)。同部は、信頼度リスト90へのR信頼度Aの追加削除を、スタックへのデータ追加、削除として行っても良い。また、同部は、新たな管理表Aを起点としたコンテキスト36の検索処理を、本図の処理をリカーシブに呼び出すことで実現しても良い。
【0074】
管理表Aの全ての関連情報3bをたどって管理表30の検索(S32乃至S37)を終了すると、生成部20は、管理表AのID31を検索済みリスト22から削除して(S38)、処理を終了する。同部は、検索済みリスト22へのID31の追加削除を、スタックへのデータ追加、削除として行っても良い。
【0075】
[第1の適用事例]
図13は、コンテキスト生成システム10の第1の適用事例(状況1)を示す。本事例に於いて、エンティティ12は、商品1と商品2(E種別32は共に商品)、人1(E種別32は人)、心拍計1(E種別32は心拍計)、トラック1(E種別32はトラック)である。商品1は、RFIDタグ1(IDタグ14)と温度センサ1(センサ13)を備える。商品2は、RFIDタグ2を備える。人1は、RFIDタグ3を備える。心拍計1は、心拍センサ(センサ13)を備える。トラック1は、その荷物搬入搬出口にRFIDリーダ1と2(タグリーダ15)を備えたゲートを有している。人1には心拍計1が密着されている。そして、人1は、商品1と2を抱えて、トラック1の搬入搬出口前に立っている。
【0076】
図14は、第1の適用事例(状況1)に対応した管理表30を示す。管理部25には、エンティティ12ごとに管理表30が作成されている。そして、人1と心拍計1の間には、R信頼度38が1の関連情報3b(F−a、b)が設定されている。例えば、コンテキスト生成システム10の管理者が、これらの情報を管理端末16から登録部27経由で管理部25に登録する。
【0077】
図15は、コンテキスト生成システム10の第1の適用事例(状況2)を示す。この状況では、人1が、商品1と2を抱えたままゲートを通ってトラック内に乗り込み、商品1と2をトラック1に置いている。人1は、トラック1内で振動吸収可能な足で立っており、振動などのコンテキスト36の観点からは商品1、2と異なる状態にある。
【0078】
図16は、第1の適用事例(状況2)に対応した管理表30を示す。人1が心拍計1を付け、商品1と2を抱えたままゲートを通ったとき、ゲートのRFIDリーダ1または2は、RFIDタグ1、2、および、3の識別情報を読み取り、読み取りデータを処理部23に出力する。これを契機に、処理部23は新たな関連情報3bを設定する。なお、ゲートのRFIDリーダ1と2は、同じIDタグ14の情報を重ねて読み取らない距離に配置されているものとする。
【0079】
処理部23は、タグリーダ1または2からRFIDタグ1の識別情報を入力すると、第1種関連付けルール40に従って、トラック1と商品1との間にR信頼度38が0.9の関連情報3bを設定する(r1−a、b)。処理部23は、タグリーダ1または2からRFIDタグ2の識別情報を入力すると、第1種関連付けルール40に従って、トラック1と商品2との間にR信頼度38が0.9の関連情報3bを設定する(r2−a、b)。処理部23は、タグリーダ1または2からRFIDタグ3の識別情報を入力すると、第1種関連付けルール40に従って、トラック1と人1との間にR信頼度38が0.8の関連情報3bを設定する(r3−a、b)。
【0080】
また、温度センサ1、心拍センサ1は定期的に測定値を処理部23に出力している。処理部23は、これらの測定値を入力すると、おのおののセンサID35に対応したコンテキスト36を格納する(r4、r5)。
【0081】
この状態で、処理部23は、エンティティ12のコンテキスト36を次のように求める。例えば、同部は、人1の心拍数を以下のように求める。
【0082】
生成部20が人1(ID31)および心拍数(C種別37)を指定するコンテキスト要求28を入力する(S20)。生成部20はID31をキーに人1の管理表30にアクセスする(S22)。同部は、心拍数を検索するための検索ルールA(図6の3番目の検索ルール43)を取得し(S23)、人1を起点とした探索を開始する(S24)。
【0083】
人1は、関連情報3bとしてR信頼度38が1と0.8の2つを持つ(F−aとr3−b)。生成部20は、この両関連情報3bについて、検索処理を行う(S32乃至S37)。しかし、同部は、検索ルールAに従って、R信頼度38が0.8の関連情報3b(r3−b)はたどらず(S32でN)に、R信頼度38が1の関連情報3b(F−a)をたどる(S32でY)。検索ルールAの検索信頼度45は、0.9以上だからである。
【0084】
生成部20は、関連情報3b(F−a)のR信頼度38(=1)を信頼度リスト90に登録して(S35)、たどった先の心拍計1の管理表30を起点に再度探索を開始する(S36)。
【0085】
同部は、当該管理表30からC種別37が心拍数のコンテキスト36(r5)を得て、データリスト21に登録する(リカーシブコール時のS30)。このとき、データリスト21に登録される、心拍数の総合信頼度3cは1である。その理由は、信頼度リスト90に登録されているR信頼度38は関連情報3b(F−a)のものだけであるからである。
【0086】
心拍計1には他に人1に戻る関連情報3b(F−b)しかないため、同部は、この関連情報3bをたどらず(リカーシブコール時のS34でY)に、心拍計1を起点とした探索を終わる。
【0087】
同部は、人1の探索を再開する(S36のリターン後)が人1には、他(F−aとr3−b以外)に関連情報3bはないので、人1を起点とした探索は終了する。
【0088】
同部は、人1を起点とした探索終了後(S24のリターン後)、データリスト21内の心拍数を取り出して、出力する(S27)。その理由は、人1を起点とした、心拍計1の総合信頼度3cは1であって、検索ルールAの取得信頼度46である0.98以上(S26でY)だからである。
【0089】
一方、生成部20は、人1の温度を以下のように求める。生成部20が人1(ID31)および温度(C種別37)を指定するコンテキスト要求28を入力する。生成部20はID31をキーに人1の管理表30にアクセスする。同部は、温度を検索するための検索ルールB(図6の1番目の検索ルール43)を取得し、人1を起点とした探索を開始する。
【0090】
人1は、関連情報3bとしてR信頼度38が1と0.8の2つを持つ(F−aとr3−b)。生成部20は、検索ルールBに従って、この両関連情報3bについて検索処理を行う(S32乃至S37)。
【0091】
同部は、R信頼度38が1の関連情報3b(F−a)をたどった先の心拍計1からは、C種別37が温度であるコンテキスト36は求められない。
【0092】
一方、生成部20は、R信頼度38が0.8の関連情報3b(r3−b)をたどった先のトラック1から、更にR信頼度38が0.9の関連情報3b(r1−a)をたどった先の商品1にアクセスする。そして同部は、商品1からC種別37が温度のコンテキスト36(r4)を得て、総合信頼度3cと共にデータリスト21に格納することが出来る(S30)。その理由は、人1を起点とした、商品1の総合信頼度3cは、0.8x0.9=0.72であって、検索ルールBの検索信頼度45である0.6以上だからである。
【0093】
人1から商品1まで関連情報3b(r3−b)と関連情報3b(r1−a)をたどる際、同部は、信頼度リスト90に、関連情報3b(r3−b)と関連情報3b(r1−a)のR信頼度38(0.8と0.9)を登録する(S35)。同部は、その値に基づいて、上記の総合信頼度3cを算出する。算出後、同部は、最後にたどった関連情報3b(r1−a)のR信頼度38(0.9)を信頼度リスト90から削除する(S37)。
【0094】
また、生成部20は、商品1の関連情報3b(r1−b)はたどらない。人1から商品1まで関連情報3b(r3−b)と関連情報3b(r1−a)をたどる際、生成部20は、検索済みリスト22に人1とトラック2のID31を登録している(S31)。従って、同部は、検索済みリスト22に基づいて、r1−bをたどった先のトラック1は既に検索済みであると判断する(S34でY)からである。
【0095】
この後、生成部20は、商品1からトラック1の検索に戻る(S34のNでリカーシブコールを終了する)のであるが、その前に、商品1のID31を検索済みリスト22から削除する(S38)。
【0096】
この時点で、検索済みリスト22にはトラック1のID31が残り、信頼度リスト90には関連情報3b(r3−b)のR信頼度38(0.8)が残る。
【0097】
生成部20は、トラック1から、更にR信頼度38が0.9の関連情報3b(r2−a)をたどった先の商品2も検索する。商品2の総合信頼度3cは、0.8x0.9=0.72であって、検索ルールBの検索信頼度45である0.6以上だからである。
【0098】
なお、トラック1から商品2まで関連情報3b(r2−a)をたどる際、同部は信頼度リスト90に、関連情報3b(r2−a)のR信頼度38(0.9)を追加登録する(S35)。この時点で、信頼度リスト90には、関連情報3b(r3−b)のR信頼度38(0.8)と関連情報3b(r2−a)のR信頼度38(0.9)が登録されている。同部は、その値に基づいて、上記の総合信頼度3cを算出する。
【0099】
但し、商品2の管理表30には、C種別37が温度であるコンテキスト36が格納されておらず、生成部20は、温度を得ることはできない。また、生成部20は、商品2の関連情報3b(r2−b)はたどらない。検索済みリスト22にトラック1のID31が残っており、r2−bをたどった先のトラック1は既に検索済みであると判断する(S34でY)からである。
【0100】
最終的に、生成部20は、データリスト21に格納されたコンテキスト36(20度)を人1のコンテキスト36として出力する(S27)。その理由は、商品1の総合信頼度3cは、0.8x0.9=0.72であって、検索ルールBの取得信頼度46である0.7以上だからである。
【0101】
本実施形態のコンテキスト生成システム10の第1の効果は、あるエンティティ12のコンテキスト36を他のエンティティ12のコンテキスト36から生成するときに、両エンティティ12間の関係の信頼性を反映出来ることである。同システムは、エンティティ12のコンテキスト36を、所定値以上の信頼度の関係にある他のエンティティ12のコンテキスト36からは生成するが、所定値より小さい信頼度の関係にある他のエンティティ12のコンテキスト36からは生成しないのである。
【0102】
この効果が得られる理由は、エンティティ12間にR信頼度38を有する関連情報3bを設定し、関連情報3bをたどって、所定の総合信頼度3cを有する他のエンティティ12のコンテキスト36にアクセスするからである。
【0103】
第2の効果は、信頼性の高いコンテキスト36を取得できることである。その理由は、先ず第1に、取得信頼度46を高く設定することで、総合信頼度3cが低いコンテキスト36を排除できるからである。第2の理由は、コンテキスト生成装置11は複数のエンティティ12から、求めるC種別37のコンテキスト36を取得して、特別に大きな又は小さな値を除いたうえでその平均値を計算するなどしてコンテキスト36を出力するからである。同装置は、情報源を複数とすることで、取得したコンテキスト36の信頼性を向上させることが出来る。
【0104】
第3の効果は、エンティティ12の柔軟な定義(現実世界の物などとの対応付け)が可能となることである。その理由は、エンティティ12がIDタグ14やセンサ13を別に持ったり共有したり出来るからである。例えば、箱が、外面と内面に別々にセンサ13(例えば、温度計)を持ちつつ、IDタグ14を内面と外面で共用することが出来る。このようにすれば、コンテキスト生成装置11は、箱の内部と外部を別々のエンティティ12として管理できる。そして、同装置は、両エンティティ12の移動を同時に把握しながら、箱の内部温度と外部温度を別々に管理することが可能となる。
【0105】
第4の効果は、エンティティ12の間に適切なR信頼度38の関連情報3bを設定できることである。その理由は、エンティティ12の種類(E種別32)に応じて適切なR信頼度38の関連情報3bを設定するからである。
【0106】
なお、本実施形態のコンテキスト生成装置11において、管理表30は必ずしも、エンティティ12のID31を包含する必要はない。例えば、同装置が、ID31と管理表30のアドレスとの対応表を別途持つように構成してもよい。また、エンティティ12が、一種類のコンテキスト36しか持たないのであれば、C種別37は不要である。
【0107】
また、R信頼度38は、低い値ほど高い信頼度を表すように定義しても良い。この場合、総合信頼度3cは、たどった各関連情報3bのR信頼度38の加算値としても良い。コンテキスト生成装置11は、総合信頼度3cが、取得信頼度46より小さければ、管理表30からコンテキスト36を取得する(図9、S26)等としても良い。
【0108】
なお、同装置は、管理表30のC情報3a内に、センサ13のデータ精度を格納するようにしても良い。同装置は、当該精度を関連情報3bのR信頼度38に積算するなどして、当該精度を反映させた総合信頼度3cを算出しても良い。
【0109】
さらに、同装置は、管理表30の関連情報3b内に、関連情報3bが生成された時刻を記述し、この生成時刻と検索時刻の差分に応じてR信頼度38を更新(時間経過とともに下げる等)しても良い。これにより、同装置は、生成時刻が古い関連情報3bをたどることを防止して、生成するコンテキストの精度劣化を回避する。
【0110】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態にかかるコンテキスト生成装置11は、総合信頼度3cが比較的低い、複数のコンテキスト36から、より信頼性が高いコンテキスト36を生成する。
【0111】
本実施形態の生成部20は、データリスト21に格納されたコンテキスト36の総合信頼度3cが検索ルールAの取得信頼度46に満たない場合(図12のS26でN)であっても、コンテキスト36を出力する(同図、S27)場合がある。
【0112】
データリスト21に格納されたコンテキスト36の総合信頼度3cは、少なくとも検索信頼度45以上の値を持つ。本実施形態のデータ生成部20は、データリスト21に一定個数以上のコンテキスト36が格納されており、その最大値と最小値の幅が一定値以内であればコンテキスト36の出力が可能であると判断する。その場合、同部は、例えば、最大の総合信頼度3cを有するコンテキスト36を出力する。同部は、それら複数のコンテキスト36の平均値を出力しても良い。更に同部は、最大値と最小値の幅ではなくて、複数のコンテキスト36の分散を算出して、コンテキスト36出力の可否を判断しても良い。
【0113】
本実施形態のコンテキスト生成装置11は、他の点では第1の実施形態のコンテキスト生成装置11と同じである。
【0114】
本実施形態のコンテキスト生成装置11は、おのおのはR信頼度38が十分でない関連情報3bを有する複数のエンティティ12のコンテキスト36から、より信頼度が高いコンテキスト36を生成する。その理由は、生成部20が、総合信頼度3cが取得信頼度46に満たなくても、検索信頼度45以上であればデータリスト21にコンテキスト36を収集し、それらをまとめて利用するからである。
【0115】
[第3の実施形態]
図17は、本発明の第3の実施形態にかかるコンテキスト生成システム10の構成を示す。第1の実施形態のコンテキスト生成システム10は、エンティティAのタグリーダ15が、エンティティBのIDタグ14の情報を入力することで、エンティティAとエンティティBの接近を検出した。本実施形態のコンテキスト生成システム10は、タグリーダ15が同時(第1の時間内)に、エンティティAのIDタグ14とエンティティBのIDタグ14の情報を入力することで、エンティティAとエンティティBの接近を検出する。
【0116】
以下に説明すること以外は、本実施形態のコンテキスト生成システム10は、第1の実施形態のコンテキスト生成システム10と同じである。本実施形態のコンテキスト生成装置11は、図示しないメモリにR履歴表50を保持している。
【0117】
図18はR履歴表50の構成を示す。R履歴表50はタグリーダ15からの入力データ(リーダ履歴51)の時系列を記憶する。リーダ履歴51は、入力時刻52、リーダID34、タグID33を包含する。
【0118】
図36は、第3の実施形態で関連付けルール保持部26に格納されるデータの構成を示す。関連付けルール保持部26は、一つまたは複数の第2種関連付けルール47を格納する。第2種関連付けルール47は時間差48と設定信頼度42を包含する。
【0119】
第2種関連付けルール47は、タグリーダ15が、エンティティAのIDタグ14とエンティティBのIDタグ14の情報を入力する時刻の差異(時間差48)に応じて、両エンティティ12間の関連情報3bに付与するR信頼度38を規定する。
【0120】
時間差48は、下限値と上限値の範囲で表現(例えば、下限値以上で上限値未満)される。例えば、両エンティティ12間に付与される信頼度(設定信頼度42)は、時間差48が小さいほど高くなる。その理由は、近接した時間に検出されるほど、両エンティティ12は、物理的に近接しており、コンテキスト36生成の情報源として信頼できるからである。なお、上限値のうち最大の値は第1の時間と呼ばれる。
【0121】
関連付けルール保持部26は、第1種関連付けルール40と第2種関連付けルール47の両者を格納していても良い。
【0122】
図19は、第3の実施形態の処理部23の動作フローチャート(部分)である。本図の処理は、図8のaとbの間に挿入される。このとき、図8のbとcの間の処理(第1の実施形態にかかる処理)はあっても無くても良い。即ち、本実施形態は、第1の実施形態と並列に実装されても良いし、単独に実装されても良い。
【0123】
本実施形態に於いて、処理部23は、タグリーダ15から、出現データまたは消失データとしてタグID33およびリーダID34を入力すると、入力したタグID33と一致するタグID33が格納されている管理表30(管理表P)を全て取得する(S40)。同部は、R履歴表50から、現時刻と入力時刻52との差が第1の時間より小さく、かつリーダID34が入力リーダID34と一致するリーダ履歴51を全て取得する(S41)。処理部23は、現時刻を図示しないタイマなどから入力する。
【0124】
処理部23は、取得した全リーダ履歴51について以下(S42乃至S49)の処理を行う。先ず、処理部23は、順次選択したリーダ履歴51からタグID33を取得し(S42)、次に、取得したタグID33と一致するタグID33が格納されている管理表30(管理表Q)を全て取得する(S43)。同部は、取得した管理表Pと管理表Qの全組み合わせについて、相互に関連情報3bを設定または削除する(S44乃至S49)。具体的に、同部は、現時刻と、選択したリーダ履歴51の入力時刻52との差が時間差48の範囲に入る第2種関連付けルール47を取得する(S44)。処理部23は、取得した第2種関連付けルール47の設定信頼度42から設定すべきR信頼度38を取得する(S45)。同部は、当該管理表PとQの間に、関連情報3bが設定されているかを検査する(S46)。
【0125】
既に設定されていなければ(S46でN)、同部は、当該管理表PのR信頼度38に取得したR信頼度38を、関連エンティティ識別情報39に当該管理表Qのアドレスを設定する(S47)。同部は、当該管理表QのR信頼度38に取得したR信頼度38を、関連エンティティ識別情報39に当該管理表Pのアドレスを設定する(S48)。
【0126】
既に設定されていれば(S46でY)、同部は、当該管理表PとQの間の関連情報3bを削除する(S49)。
【0127】
[第2の適用事例]
図20は、コンテキスト生成システム10の第2の適用事例(状況1)を示す。人1は、商品1と2に加えて、商品3を抱えて、トラック1の搬入搬出口前に立っている。人1は心拍計1を備えていない。他は、第1の適用事例(状況1)と同じである。
【0128】
図21は、第2の適用事例(状況1)に対応した管理表30を示す。管理部25には、各エンティティ12に対応した管理表30が作成されている。
【0129】
図22は、コンテキスト生成システム10の第2の適用事例(状況2)を示す。この状況では、人1が、商品1、2と3を抱えたままゲートを通ってトラック内に乗り込み、商品1、2と3をトラック1に置いている。人1は、トラック1内で振動吸収可能な足で立っており、振動などのコンテキスト36の観点からは商品1、2と異なる状態にある。
【0130】
図23は、第2の適用事例(状況2)に対応した管理表30を示す。なお、同図以降の図に於いては、2つの管理表30間に設定されている反対方向の2つの関連情報3bは、一本の双方向矢印で表現される。
【0131】
人1が、商品1、2と3を抱えたままゲートを通ったとき、ゲートのRFIDリーダ1または2は、RFIDタグ1、2、3、および、4の識別情報を読み取り、読み取りデータを処理部23に出力する。これを契機に、処理部23は新たな関連情報3bを設定する。
【0132】
同部は、例えばタグリーダ1または2からRFIDタグ1の識別情報に続き、0.5秒以内にRFIDタグ2の識別情報を受信すると、商品1と2の接近を検出し、第2種関連付けルール47により両者間にR信頼度38が1の関連情報3bを設定する(r10)。続いて0.5秒以内にRFIDタグ4の識別情報を受信すると、処理部23は商品1、2と3の接近を検出して、第2種関連付けルール47に従って、商品3と商品2、及び、商品3と商品1の間にR信頼度38が1の関連情報3bを設定する(r11、r12)。続いて1秒遅れてRFIDタグ3の識別情報を受信すると、処理部23は、人1、並びに、商品1、2と3の接近を検出する。同部は、第2種関連付けルール47に従って、人1と商品1、2と3の間にR信頼度38が0.9の関連情報3b(r13、r14、r15)を設定する。
【0133】
なお、図8のbとcの間の処理(第1の実施形態にかかる処理)も実行する場合は、処理部23はトラック1との関連情報3b(r1乃至r4)も設定する。
【0134】
図24は、人1が、商品1、2と3を抱えたままゲートを通ってトラック1外に出たときの管理表30を示す。処理部23は、図19の動作フローチャートにしたがって、r10乃至r15の関連情報3bを削除する。例えば、処理部23は、タグリーダ1または2からRFIDタグ1の識別情報に続き、0.5秒以内にRFIDタグ2の識別情報を受信すると、以下を行う。先ず、処理部23は、第2種関連付けルール47に従って両者間にR信頼度38が1の関連情報3bを設定しようとする。しかし、既に関連情報3bが設定されていることを検出して、同部は、商品1と2が遠のいたと判断して、両者間の関連情報3b(r10)を削除するのである。
【0135】
また、図8のbとcの間の処理(第1の実施形態にかかる処理)も実行する場合は、処理部23はトラック1との関連情報3b(r1乃至r4)も削除する。
【0136】
なお、処理部23は、エンティティ12の消失を検出したとき(図8のS14以降)は、当該エンティティ12が持つ全ての関連情報3b(登録部27で設定した関連情報3bを除く)を削除するように実装しても良い。即ち、処理部23が、搬入時に設定された関連情報3bを、搬出時に全て削除するようにしても良い。この場合は、更に、搬出時に、同時に複数のエンティティ12を検出して、その場合、それらのエンティティ12間に関係づけを行っても良い。このようにすれば、商品1、2、3を同時に搬入し、商品1、2だけを同時に搬出した場合、商品1と2について、商品3との関連情報3bを削除しつつ、商品1と2の関連情報3bは保持することが出来る。
【0137】
本実施の形態のコンテキスト生成システム10は、エンティティ12間の多様な関連情報3bを設定できる。その理由は、タグリーダ15が同時に、エンティティAのIDタグ14とエンティティBのIDタグ14の情報を入力すると、同システムが、エンティティAとエンティティBの接近および遠のいたことを検出して、関連情報3bを設定および削除するからである。
【0138】
また、R信頼度38は、関連情報3bが設定される両エンティティ12のE種別32の対と、識別情報を受信した時刻の差分との組み合わせに基づいて決定してもよい。具体的に、商品1と2のIDタグ14の識別情報受信時間の差が、1.5秒であるとする。この場合、生成部20は、第1種関連付けルール40から得られる設定信頼度42「0.95」と、第2種関連付けルール47から得られる設定信頼度42「0.9」との積を求め、これを商品1と商品2の間の関連情報3bのR信頼度38としてもよい。即ち、同部は、R信頼度38を、0.95×0.9=0.855としても良い。
【0139】
[第4の実施形態]
図25は、本発明の第4の実施形態にかかるコンテキスト生成システム10の構成を示す。本実施形態のコンテキスト生成システム10は、エンティティAとBのセンサ13が、所定測定値差以内の測定値を同時(第2の時間内)に検出すると、エンティティAとBの接近を検出する。また、同システムは、両センサ13が所定測定値差以上の測定値を同時に検出すると、エンティティAとBが遠のいたことを検出する。
【0140】
以下に説明すること以外は、本実施形態のコンテキスト生成システム10は、第1の実施と同じである。本実施形態のコンテキスト生成装置11は、図示しないメモリにS履歴表70と変換表80を保持している。
【0141】
図26は、第4の実施形態の関連付けルール保持部26に格納されるデータの構成を示す。本実施形態の関連付けルール保持部26は、一つまたは複数の第3種関連付けルール49を格納する。第3種関連付けルール49はセンサ種別61、測定値差4aと設定信頼度42を包含する。
【0142】
測定値差4aは、同一センサ種別61の2つのセンサ13から得られた、2つの測定値の差の範囲を示す。 測定値差4aは、例えば、2つの温度センサから得られた温度データの差である。測定値差4aは、例えば、2つの位置度センサから得られた位置間の距離である。測定値差4aは、下限値と上限値の範囲で表現(例えば、下限値以上で上限値未満)される。
【0143】
第3種関連付けルール49は、2つのエンティティ12の、2つのセンサ13から、差が測定値差4aの範囲内の測定値を入力すると、当該エンティティ12間に、R信頼度38が設定信頼度42である関連情報3bが設定されることを規定する。
【0144】
両エンティティ12間に付与される信頼度(設定信頼度42)は、例えば、測定値差4aが小さいほど高くなる。その理由は、センサ13の測定値差が小さいほど、両エンティティ12は、物理的に近接しており、コンテキスト36生成の情報源として信頼できるからである。
【0145】
関連付けルール保持部26は、設定信頼度42の値が0である第3種関連付けルール49(切断ルール)を格納していても良い。当該ルールは、当該ルールの測定値差4aの下限値(所定測定値差)以上の差がある測定値が入力された場合は、当該測定値を測定したセンサ13のエンティティ12間には関連情報3bを設定しない、また、既に設定されている場合は切断することを規定する。所定測定値差は、切断ルールとしてではなく、処理部23に与えられた設定パラメータであっても良い。
【0146】
関連付けルール保持部26は、第3種関連付けルール49に加えて、第1種関連付けルール40および第2種関連付けルール47の一方または両者を格納していても良い。
【0147】
図27はS履歴表70の構成を示す。S履歴表70はセンサ13からの入力データ(センサ履歴71)の時系列を記憶する。センサ履歴71は、入力時刻52、センサID35、センサ種別61、履歴測定値72を包含する。
【0148】
図28は変換表80の構成を示す。変換表80は、センサID35ごとにセンサ種別61を格納する。
【0149】
図29は、第4の実施形態の処理部23の動作フローチャート(部分)1/2である。本図の処理は、図8のdとeの間に挿入される。このとき、図8のaとcの間の処理(第1または第3の実施形態にかかる処理)はあっても無くても良い。即ち、本実施形態は、第1または第3の実施形態と並列に実装されても良いし、単独に実装されても良い。
【0150】
本実施形態に於いて、処理部23は、センサ13からセンサID35と測定値を入力すると、入力したセンサID35と一致するセンサID35が格納されている管理表30(管理表E)を全て取得する(S50)。同部は、入力したセンサID35に対応するセンサ種別61を変換表80から取得する(S51)。同部は、S履歴表70から、現時刻と入力時刻52の差が第2の時間以内で、センサ種別61が取得したセンサ種別61と一致するセンサ履歴71を全て取得する(S52)。
【0151】
取得できた場合(S53でY)、処理部23は関連情報3bの設定、更新、削除を行う(図30)。取得できない場合(S53でN)、または、関連情報3bの設定、更新、削除後、処理部23は、センサ13から入力したセンサID35と測定値を元に、センサ履歴71を追加して(S54)、本処理を終了する。
【0152】
図30は、第4の実施形態の処理部23の動作フローチャート(部分)2/2である。処理部23は、取得した全センサ履歴71について、S60乃至S69の処理を行う。
【0153】
処理部23は、関連付けルール保持部26から、以下の条件に合致する第3種関連付けルール49を取得する(S60)。第1の条件は、当該ルールのセンサ種別61と変換表80から取得したセンサ種別61が一致することである。第2の条件は、センサ13から取得した測定値と、当該センサ履歴71内の履歴測定値72の差異が、当該ルールの測定値差4aの範囲内であることである。
【0154】
同部は、当該ルールから設定信頼度42を取得して(S61)、当該センサ履歴71から取得したセンサID35と一致するセンサID35が格納されている管理表30(管理表F)を全て取得する(S62)。同部は、取得した管理表EとFの全ての組み合わせに対して、S63乃至S69の処理を行う。
【0155】
当該管理表EとFの相互間に関連情報3bが既に設定されていて(S63でY)、かつ、当該ルールの設定信頼度42が0でなければ(S64でN)、同部は、当該管理表EとFのR信頼度38を当該ルールの設定信頼度42で更新する(S65)。
【0156】
当該管理表EとFの相互間に関連情報3bが既に設定されていて(S63でY)、かつ、当該ルールの設定信頼度42が0であれば(S64でY)、同部は、管理表EとFの相互から関連情報3bを削除する(S66)。
【0157】
当該管理表EとFの相互間に関連情報3bが設定されておらず(S63でN)、かつ、当該ルールの設定信頼度42が0でなければ(S67でN)、同部は、管理表EとFの間に関連情報3bを設定する。具体的に同部は、当該管理表EのR信頼度38に設定信頼度42を、関連エンティティ識別情報39に当該管理表Fのアドレスを設定する(S68)。同部は、当該管理表FのR信頼度38に設定信頼度42を、関連エンティティ識別情報39に当該管理表Eのアドレスを設定する(S69)。
【0158】
当該管理表EとFの相互間に関連情報3bが設定されておらず(S63でN)、かつ、当該ルールの設定信頼度42が0であれば(S67でY)、同部は、何もしない。
【0159】
[第3の適用事例]
図32は、コンテキスト生成システム10の第3の適用事例(状況1)を示す。本事例に於いて、エンティティ12は、商品1と商品2(E種別32は共に商品)である。商品1と2はおのおの位置センサ1と2を付されている。商品1と2は共に倉庫にあるとする。
【0160】
位置センサ1と2は、例えばRFIDタグ1と2である。図示しない位置決定部は、倉庫に設置された3つのタグリーダが受信した電波強度に基づいて、3点測量でRFIDタグ1と2の位置情報を計測して、コンテキスト生成装置11の処理部23に位置センサ1または2の位置情報として送信する。
【0161】
位置情報は、例えば、倉庫底面の一隅を原点とした、図示した直交軸に基づく平面座標値である。例えば、商品1と2は、おのおの、座標(10,11)、座標(11,11)の位置に置かれている。
【0162】
図33は、第3の適用事例(状況1)に対応した管理表30を示す。管理部25には、各エンティティ12(商品1と商品2)に対応した管理表30が作成されている。例えば、コンテキスト生成システム10の管理者が、これらの情報を管理端末16から登録部27経由で管理部25に登録する。
【0163】
ここで、第3の適用事例(状況2)において、処理部23が、位置決定部から、位置センサ1の位置情報(10,11)を受信して、その後第2の時間内に、位置センサ2の位置情報(11,11)を受信したものとする。同部は、両測定値の差(1)を算出して、図26の2番目の第3種関連付けルール49に基づいて、商品1と2の間に、R信頼度38が0.9の関連情報3bを設定する(r13)。図34は、第3の適用事例(状況2)に対応した管理表30を示す。
【0164】
本実施の形態のコンテキスト生成システム10は、エンティティ12間の多様な関連情報3bを設定できる。その理由は、本実施形態のコンテキスト生成システム10は、エンティティAとBのセンサ13の測定値差に応じたR信頼度38の関連情報3bを設定するからである。
【0165】
図37は、本発明にかかるコンテキスト生成装置11の基本的構成を示す。コンテキスト生成装置11は管理部25と生成部20を備える。管理部25は、エンティティ12ごとに、0個以上のコンテキスト36と、関連エンティティ識別情報39と関連信頼度(R信頼度38)から成る0個以上の関連情報3bと、が格納された管理表30を記憶する。
【0166】
生成部20は、第1のエンティティ12の識別情報を入力して、第1のエンティティ12の管理表30を起点に、関連情報3bをたどって0個以上の他のエンティティ12の管理表30を経由して、第2のエンティティ12の管理表30を取得し、当該管理表30を取得するまでにたどる関連情報3bのR信頼度38に基づいて求められる総合信頼度3cと取得信頼度46との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表30にコンテキスト36が格納されていれば、当該コンテキスト36から第1のエンティティ12のコンテキスト36を生成する。
【符号の説明】
【0167】
10 コンテキスト生成システム
11 コンテキスト生成装置
12 エンティティ
13 センサ
14 IDタグ
15 タグリーダ
16 管理端末
17 ユーザ端末
18 ネットワーク
20 生成部
21 データリスト
22 検査済みリスト
23 処理部
24 検索ルール保持部
25 管理部
26 関連付けルール保持部
27 登録部
28 コンテキスト要求
29 コンテキスト生成プログラム
30 管理表
31 ID
32 E種別
33 タグID
34 リーダID
35 センサID
36 コンテキスト
37 C種別
38 R信頼度
39 関連エンティティ識別情報
3a C情報
3b 関連情報
3c 総合信頼度
40 第1種関連付けルール
41 種別ペア
42 設定信頼度
43 検索ルール
44 要求指定
45 検索信頼度
46 取得信頼度
47 第2種関連付けルール
48 時間差
49 第3種関連付けルール
4a 測定値差
50 R履歴表
51 リーダ履歴
52 入力時刻
61 センサ種別
70 S履歴表
71 センサ履歴
72 履歴測定値
80 変換表
90 信頼度リスト
91 C情報域
92 C情報領域ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を記憶する管理部と、
第1のエンティティの識別情報を入力して、
前記第1のエンティティの前記管理表を起点に、前記関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの前記管理表を経由して、第2のエンティティの前記管理表を取得し、
当該管理表を取得するまでにたどる前記関連情報の前記R信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する生成部を、備えるコンテキスト生成装置。
【請求項2】
前記第2のエンティティを取得するまでの前記総合信頼度と検索信頼度との比較結果が第2の所定条件を満たす場合に、前記第2のエンティティの前記管理表の取得を行わない前記生成部を備える請求項1のコンテキスト生成装置。
【請求項3】
複数の前記第2のエンティティの前記管理表のおのおのに格納された前記コンテキストと、当該複数の前記管理表のおのおのを取得するまでにたどった前記関連情報の前記総合信頼度とに基づいて、前記第1のエンティティのコンテキストを生成する前記生成部を備える前記生成部を、備える請求項2のコンテキスト生成装置。
【請求項4】
前記第2のエンティティの前記管理表を取得するまでにたどる単純パス上のおのおのの前記関連情報の前記R信頼度の積を前記総合信頼度とし、前記第1の所定条件は、当該総合信頼度が前記取得信頼度以上であること、前記第2の所定条件は当該総合信頼度が前記検索信頼度(前記取得信頼度以下の値)より小さいことであるとする前記生成部を備える、請求項2乃至3の何れかのコンテキスト生成装置。
【請求項5】
前記第2のエンティティの前記管理表を取得するまでにたどる単純パス上のおのおのの前記関連情報の前記R信頼度の最小値または平均値を前記総合信頼度とし、前記第1の所定条件は、当該総合信頼度が前記取得信頼度以上であること、前記第2の所定条件は当該総合信頼度が前記検索信頼度(前記取得信頼度以下の値)より小さいことであるとする前記生成部を備える、請求項2乃至3の何れかのコンテキスト生成装置。
【請求項6】
前記コンテキストごとにその種別(C種別)を格納する前記管理表を記憶する前記管理部と、
C種別ごとに、前記検索信頼度および取得信頼度を格納する検索ルール保持部と、
C種別を入力して、当該C種別に対応する前記検索信頼度および取得信頼度を取得して使用し、前記第2のエンティティの前記管理表に当該C種別のコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する前記生成部を備える、請求項2乃至5の何れかのコンテキスト生成装置。
【請求項7】
対応する前記エンティティの種別(E種別)を格納する前記管理表を格納する前記管理部と、
2つの前記エンティティの接近を検出して、前記2つのエンティティの前記管理表のおのおのに格納される2つの前記E種別に基づいて決定される前記R信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納する、または、
前記2つの前記エンティティの遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する処理部を備える、請求項1乃至6の何れかのコンテキスト生成装置。
【請求項8】
2つの前記エンティティのおのおのに付されたIDタグの識別情報を、一つのタグリーダから第1の時間差より短い時間差で読み込んで前記2つの前記エンティティの接近を検出して、おのおのの前記IDタグの読み込み時間の差に基づいて決定されるR信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納する、または、
前記2つの前記エンティティが遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する処理部を備える、請求項1乃至6の何れかのコンテキスト生成装置。
【請求項9】
2つの前記エンティティのおのおのに付されたセンサから、所定測定差より小さな差の測定データを第2の時間以内に入力すると前記2つのエンティティの接近を検出して、おのおのの前記センサの測定値差に基づいて決定されるR信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納、または、前記関連情報の前記R信頼度を前記測定値差に基づいて決定されるR信頼度に更新し、
前記所定測定差以上の測定データを前記第2の時間以内に入力すると前記2つのエンティティの遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する処理部を備える、請求項1乃至6の何れかのコンテキスト生成装置。
【請求項10】
管理端末からデータを入力して前記管理表を作成または修正する登録部およびユーザ端末から前記第1のエンティティの識別情報と前記C種別を入力する前記生成部を備える請求項7乃至9の何れかのコンテキスト生成装置と、
前記管理端末と、
前記ユーザ端末と、
前記センサを包含するコンテキスト生成システム。
【請求項11】
エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を記憶する管理部を備えるコンピュータに、
第1のエンティティの識別情報を入力して、
前記第1のエンティティの前記管理表を起点に、前記関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの前記管理表を経由して、第2のエンティティの前記管理表を取得し、
当該管理表を取得するまでにたどる前記関連情報の前記R信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する生成処理を、実行させるコンテキスト生成プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記第2のエンティティを取得するまでの前記総合信頼度と検索信頼度との比較結果が第2の所定条件を満たす場合に、前記第2のエンティティの前記管理表の取得を行わない前記生成処理を実行させる請求項11のコンテキスト生成プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
複数の前記第2のエンティティの前記管理表のおのおのに格納された前記コンテキストと、当該複数の前記管理表のおのおのを取得するまでにたどった前記関連情報の前記総合信頼度とに基づいて、前記第1のエンティティのコンテキストを生成する前記生成処理を、実行させる請求項12のコンテキスト生成プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、
前記第2のエンティティの前記管理表を取得するまでにたどる単純パス上のおのおのの前記関連情報の前記R信頼度の積を前記総合信頼度とし、前記第1の所定条件は、当該総合信頼度が前記取得信頼度以上であること、前記第2の所定条件は当該総合信頼度が前記検索信頼度(前記取得信頼度以下の値)より小さいことであるとする前記生成処理を実行させる、請求項12乃至13の何れかのコンテキスト生成プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータに、
前記第2のエンティティの前記管理表を取得するまでにたどる単純パス上のおのおのの前記関連情報の前記R信頼度の最小値または平均値を前記総合信頼度とし、前記第1の所定条件は、当該総合信頼度が前記取得信頼度以上であること、前記第2の所定条件は当該総合信頼度が前記検索信頼度(前記取得信頼度以下の値)より小さいことであるとする前記生成処理を実行させる、請求項12乃至13の何れかのコンテキスト生成プログラム。
【請求項16】
前記コンテキストごとにその種別(C種別)を格納する前記管理表を記憶する前記管理部と、C種別ごとに、前記検索信頼度および取得信頼度を格納する検索ルール保持部を備える前記コンピュータに、
C種別を入力して、当該C種別に対応する前記検索信頼度および取得信頼度を取得して使用し、前記第2のエンティティの前記管理表に当該C種別のコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する前記生成処理を実行させる、請求項12乃至15の何れかのコンテキスト生成プログラム。
【請求項17】
対応する前記エンティティの種別(E種別)を格納する前記管理表を格納する前記管理部を備える前記コンピュータに、
2つの前記エンティティの接近を検出して、前記2つのエンティティの前記管理表のおのおのに格納される2つの前記E種別に基づいて決定される前記R信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納する、または、
前記2つの前記エンティティの遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する関連処理を実行させる、請求項11乃至16の何れかのコンテキスト生成プログラム。
【請求項18】
前記コンピュータに、
2つの前記エンティティのおのおのに付されたIDタグの識別情報を、一つのタグリーダから第1の時間差より短い時間差で読み込んで前記2つの前記エンティティの接近を検出して、おのおのの前記IDタグの読み込み時間の差に基づいて決定されるR信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納する、または、
前記2つの前記エンティティが遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する関連処理を実行させる、請求項11乃至16の何れかのコンテキスト生成プログラム。
【請求項19】
前記コンピュータに、
2つの前記エンティティのおのおのに付されたセンサから、所定測定差より小さな差の測定データを第2の時間以内に入力すると前記2つのエンティティの接近を検出して、おのおのの前記センサの測定値差に基づいて決定されるR信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納、または、前記関連情報の前記R信頼度を前記測定値差に基づいて決定されるR信頼度に更新し、
前記所定測定差以上の測定データを前記第2の時間以内に入力すると前記2つのエンティティの遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する関連処理を実行させる、請求項11乃至16の何れかのコンテキスト生成プログラム。
【請求項20】
エンティティごとに、0個以上のコンテキストと、関連エンティティ識別情報と関連信頼度(R信頼度)から成る0個以上の関連情報と、が格納された管理表を管理部に記憶する記憶工程と、
第1のエンティティの識別情報を入力して、
前記第1のエンティティの前記管理表を起点に、前記関連情報をたどって0個以上の他のエンティティの前記管理表を経由して、第2のエンティティの前記管理表を取得し、
当該管理表を取得するまでにたどる前記関連情報の前記R信頼度に基づいて求められる総合信頼度と取得信頼度との比較結果が第1の所定条件を満たし、かつ、当該管理表にコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する生成工程を、有するコンテキスト生成方法。
【請求項21】
前記第2のエンティティを取得するまでの前記総合信頼度と検索信頼度との比較結果が第2の所定条件を満たす場合に、前記第2のエンティティの前記管理表の取得を行わない前記生成工程を有する請求項20のコンテキスト生成方法。
【請求項22】
複数の前記第2のエンティティの前記管理表のおのおのに格納された前記コンテキストと、当該複数の前記管理表のおのおのを取得するまでにたどった前記関連情報の前記総合信頼度とに基づいて、前記第1のエンティティのコンテキストを生成する前記生成工程を、有する請求項21のコンテキスト生成方法。
【請求項23】
前記第2のエンティティの前記管理表を取得するまでにたどる単純パス上のおのおのの前記関連情報の前記R信頼度の積を前記総合信頼度とし、前記第1の所定条件は、当該総合信頼度が前記取得信頼度以上であること、前記第2の所定条件は当該総合信頼度が前記検索信頼度(前記取得信頼度以下の値)より小さいことであるとする前記生成工程を有する、請求項21乃至22の何れかのコンテキスト生成方法。
【請求項24】
前記第2のエンティティの前記管理表を取得するまでにたどる単純パス上のおのおのの前記関連情報の前記R信頼度の最小値または平均値を前記総合信頼度とし、前記第1の所定条件は、当該総合信頼度が前記取得信頼度以上であること、前記第2の所定条件は当該総合信頼度が前記検索信頼度(前記取得信頼度以下の値)より小さいことであるとする前記生成工程を有する、請求項21乃至22の何れかのコンテキスト生成方法。
【請求項25】
前記コンテキストごとにその種別(C種別)を格納する前記管理表を前記管理部記憶する前記記憶工程と、
C種別ごとに、前記検索信頼度および取得信頼度を検索ルール保持部に格納する格納工程と、
C種別を入力して、当該C種別に対応する前記検索信頼度および取得信頼度を取得して使用し、前記第2のエンティティの前記管理表に当該C種別のコンテキストが格納されていれば、当該コンテキストから前記第1のエンティティのコンテキストを生成する前記生成工程を有する、請求項21乃至24の何れかのコンテキスト生成方法。
【請求項26】
対応する前記エンティティの種別(E種別)を格納する前記管理表を戦記管理部に格納する前記記憶工程と、
2つの前記エンティティの接近を検出して、前記2つのエンティティの前記管理表のおのおのに格納される2つの前記E種別に基づいて決定される前記R信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納する、または、
前記2つの前記エンティティの遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する関連工程を有する、請求項20乃至25の何れかのコンテキスト生成方法。
【請求項27】
2つの前記エンティティのおのおのに付されたIDタグの識別情報を、一つのタグリーダから第1の時間差より短い時間差で読み込んで前記2つの前記エンティティの接近を検出して、おのおのの前記IDタグの読み込み時間の差に基づいて決定されるR信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納する、または、
前記2つの前記エンティティが遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する関連工程を有する、請求項20乃至25の何れかのコンテキスト生成方法。
【請求項28】
2つの前記エンティティのおのおのに付されたセンサから、所定測定差より小さな差の測定データを第2の時間以内に入力すると前記2つのエンティティの接近を検出して、おのおのの前記センサの測定値差に基づいて決定されるR信頼度を持つ、一方の前記エンティティにたいする関連情報を、他方のエンティティの前記管理表に格納、または、前記関連情報の前記R信頼度を前記測定値差に基づいて決定されるR信頼度に更新し、
前記所定測定差以上の測定データを前記第2の時間以内に入力すると前記2つのエンティティの遠のいたことを検出して、格納した前記関連情報を削除する関連工程を有する、請求項20乃至25の何れかのコンテキスト生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2010−157174(P2010−157174A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37(P2009−37)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】