説明

コンテナ

ばら荷の粒状製品の運搬用又は貯蔵用コンテナは、略円筒形状を有している。前記コンテナ内には、略円錐状の出口ホッパー(13,15,17)と、前記粒状製品を前記出口ホッパーから前記コンテナの外部に搬送する手段(21)が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに関するものであり、特に、粒状製品を貯蔵かつ運搬するためのコンテナに関する。このような製品として、例えば、プラスチックペレット、穀類、砂糖、及び粉末洗剤が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
一般的に、粒状製品は、貯蔵用及び運搬用コンテナから、前記コンテナの底部に配置された出口に向かって製品の重力流れにより排出される。
【0003】
ほぼこの30年間、粒状製品は道路車両によって運搬されてきた。この大半の期間において、前記略円筒形状のコンテナは、前記道路車両の一部に構成されていた。約5年前、車両から分離するコンテナが導入された。ここでもまた、前記略円筒形状のコンテナはISOフレーム内に取付けられ、前記組立体全体は前記車両によって運送されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような既知のコンテナの底部は、粒状製品の排出を容易にするように形作られることがある。しかし、このことには、比較的複雑な形状を有するコンテナの製造コストが高くなり、また、製品の排出を促進するためにガス圧が通常コンテナの内部に加えられるので、複雑な形状のコンテナが徐々に疲労を受けるという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、ばら荷の粒状製品の運搬用又は貯蔵用コンテナであって、前記コンテナが略円筒形状を有し、略円錐状の出口ホッパーが前記コンテナ内に配置され、前記コンテナが粒状製品を前記出口ホッパーから前記コンテナの外部に搬送する手段をさらに備えていることを特徴とするコンテナが提供される。
【0006】
好ましくは、前記搬送手段が円錐の頂点の近傍から前記コンテナの底部の上方に配置されるコンテナ出口に向かって上方に延在する導管となっているとよい。前記粒状製品を円錐の頂点から前記コンテナの底部から上側に持ち上がった前記出口を介して前記コンテナの外に上方に送給することによって、前記コンテナの下方に配管を収容する空間を設ける必要がない。従って、前記利用可能な空間の全体が前記コンテナ自体によって占有されることが可能となる。前記全体的な空間の比較的大部分が、前記粒状製品を収容するのに用いられることが可能となる。
【0007】
本発明によるコンテナの単純な円筒形状は、比較的複雑な形状の前記コンテナを含む既知のシステムと比較して、比較的低コストのシステムであることを示唆している。さらに、このような単純な形状の容器は、前記コンテナ内にガス圧が繰り返して加えられることによって生じる疲労を受けることがない。
【0008】
本発明によるコンテナは、道路用及び鉄道用タンカーのような車両に直接搭載されてもよく、または、例えばISOフレーム内に配置されてもよい。後者の場合、前記コンテナを含む前記フレームの全体が、輸送期間において車両に積み込まれ、かつ、積み降ろされる。
【0009】
好ましくは、前記コンテナの内部が、コンテナの長手に沿って延在する並列関係の状態により配置される複数の円錐状出口ホッパーを備えている。一般的な場合では、3つのこのようなホッパーが前記コンテナ内に設けられるとよい。
【0010】
前記出口ホッパーは、好ましくは、前記ホッパーの前記上側開口端と前記コンテナの壁とを連続的に接続させるために、お互いに、かつ、前記コンテナの壁の内側に相互接続されている。従って、前記粒状製品を収容するための前記コンテナ内の前記空間は、前記ホッパーの内面と前記ホッパーの上方に位置する前記コンテナ壁の内面によって形成される。
【0011】
好ましくは、1つ又は複数のホッパーは、前記コンテナ内に容易に配置かつ固定され、又は、容易に取り外されることが可能である組立体を形成している。その結果、もしも元のものが交換を必要とするならば、この組立体は他のものと交換してもよい。さらに、例えば、異なる製品を取扱うために異なる円錐角が必要とされる場合、前記元の組立体は新しいものと交換してもよい。このことは、それ自体が圧力を保持しない内部円錐構造を設けることによって、容易になされる。
【0012】
他の態様において、本発明は、略円筒状の貯蔵用又は運搬用コンテナ内に配置させるための少なくとも1つの円錐状出口ホッパーを備える内部円錐組立体を提供する。
【0013】
前記円錐組立体は、どのような適切な材料から作製されてもよく、そのような材料の一例として、軟鋼又はステンレス鋼が挙げられる。前記円錐組立体は、接合部のない連続的な受け面を備えるように形成される。前記円錐組立体は、製造が容易であるのみならず、食料及び薬剤製品の貯蔵及び運搬に用いることができる。なぜならば、前記円錐組立体は、ほぼ衛生的な状態に維持され得る装置だからである。前記内面は、例えば、前記粒状製品を円滑に移動させるため、また、前記装置を衛生的な状態に維持するために、研摩することができる。
【0014】
本発明のコンテナは、粒状製品の運搬かつ配送に用いられるのに加えて、その帰路において、液体又は半液体製品の運搬のための用いられてもよい。前記円錐組立体が搭載されているか又は取り外されているかに関わらず、取外し可能なライナー又は浮嚢がこのような帰路に取り付けられてもよい。その結果、前記コンテナは、一例にすぎないが、ワイン濃縮物やトマトのピューレを含む種々の製品を運搬かつ配送するのに用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、ほんの一例として、本発明を添付の図面を参照して説明する。
【0016】
添付の図面を参照すると、コンテナ1はISOフレーム3内に取り付けられ、かつ、丸められ、又は、ドーム状の端部5及び7を有する略円筒形状を有している。コンテナ1は、かなりの内圧に耐えることができ、ばら荷の粒状材料をコンテナ内に装填させるための上部入口9を備えている。
【0017】
コンテナ1内に取り付けられているのは、互いに接続された3つの円錐状出口ホッパー13,15,及び17を備える円錐組立体11である。各出口ホッパー13,15,及び17は、図2において詳細に示されるように、コンテナ1の底部にボルトで固定される平坦な閉鎖頂点19を有している。
【0018】
上縁部において、出口ホッパー13,15,及び17は、コンテナ1の内面に追従し、内面に止まり嵌めされるように形作られている。2つの出口ホッパーが互いに接続される個所では、上縁部は適当に形作られている。組立体は、図1に示されるように、互いに接続され得るように元の円断面から上側当接部が取除かれている3つの重なる出口ホッパーから形成されている形態として、表すことができる。
【0019】
円錐組立体1がコンテナ1内に嵌め込まれた状態で、コンテナ1の内面と前記円錐組立体11の内面によって境界が付けられた内部空間が形成され、内部空間にばら荷の粒状材料が入口9を介して装填される。
【0020】
各円錐状出口ホッパー13,15,17は、出口ホッパー内のある位置から出口ホッパーの外面の外側のコンテナ1の壁のある位置に延在する出口パイプ21を備えている。出口ホッパー内において、パイプ21はホッパーの頂点19の真上で終端し、図2に最も良好に示されるように、外方に裾が広がった端23を有している。パイプ21は、裾広がり端23から上方に延在し、ホッパーの壁に向かう方向にまず曲げられ、次いで、ホッパーの上縁部にかなり近い位置に到達するまで、壁に向かってわずかに傾斜しながら、前記壁に隣接して延在している。この位置において、パイプ21は、ホッパーの壁内を通るように再び曲げられ、さらに短い直線部を経て、コンテナの壁の位置25で終端する。この位置25において、以下にさらに説明するように、コンテナの内容物を排出する前に、パイプコネクタをパイプ21に介して取り付けることができる。
【0021】
フィルター装置27もコンテナ1内に配置されている。装置27は、フィルター要素29を備え、要素29は、コンテナの内面から支持され、要素29からコンテナ1のドーム状の端壁5に延在するパイプ31と流体連通している。コンテナ1の排出中、空気をコンテナ内にポンプによって注入し、フィルター要素29によって清浄化するために、パイプ31に対するパイプ接続がなされてもよい。
【0022】
添付図面の特に図4を参照すると、コンテナ1からのばら荷の粒状材料の排出と関連する配管網が示されている。この配管網は、ばら荷の粒状材料が流れる内部パイプ21に取り付けられる配管網を含んでいる。各パイプ21は、コンテナ1から共通の水平排出ライン35に繋がる対応長さのパイプ33に接続されている。各パイプ33には、手動で作動されるバタフライ弁37が取り付けられている。
【0023】
図4に示されるさらに他の配管網は、空気を加圧下でコンテナ1と排出ライン35の両方とに搬送するためのものである。ポンプ又は送風機(図示せず)からの圧縮空気が、ライン39に送給され、前記出口ホッパー13,15,17の上方と下方から、コンテナ1内に送給される。その結果、コンテナ1内のホッパーの上方と下方の圧力は、均衡が保たれ、これによって、粒状材料の重量の負荷以外は、ホッパーにどのような負荷も加えられない。後者の重量の負荷は、加えられるガス圧の負荷と比較して低い。
【0024】
また、ばら荷の材料をライン35に沿ってコンテナからその目的個所に搬送するのを補助するために、圧力がライン41を介して排出ライン35の端に送給される。ばら荷の材料を必要に応じて送給するのを補助するために、空気ライン43が空気ライン39から排出ライン35に延在している。ライン39からコンテナに延在する空気ライン45は、ライン47を介してホッパーの下方に、及びライン49を介して、コンテナの上部と内部フィルター29に繋がっている。ライン45には、圧力逃し弁51、圧力ゲージ53、真空逃し弁55が取り付けられている。加えて、このラインには、フィルターとサイレンサーを備える空気放出ライン57も取り付けられている。
【0025】
最後に、図5を参照すると、ばら荷の材料の排出に用いられる配管網を伴う円錐組立体11の底面透視図が示されている。円錐組立体は、3つの互いに接続されたホッパーを有し、かつ、コンテナ1内に嵌合されるように形作られた上縁部を有する単一構造であることが、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるコンテナの縦断面図である。
【図2】図1のコンテナの出口ホッパーの下部の詳細図である。
【図3】図1のコンテナの(図1の線W−Wに沿った)横断面図である。
【図4】図1のコンテナと粒状製品を排出ためのコンテナと関連する配管を示す概略図である。
【図5】図1のコンテナと共に用いられる円錐組立体の底面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら荷の粒状製品の運搬用又は貯蔵用コンテナであって、前記コンテナ(1)が略円筒形状であり、略円錐状の出口ホッパー(13,15,17)が前記コンテナ内に配置され、前記コンテナが前記粒状製品を前記出口ホッパーから前記コンテナの外部へ搬送する手段(21)をさらに備えていることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記円錐の頂点の近傍から前記コンテナの底部の上方に位置するコンテナ出口(25)へ上方に向かって延在する導管であることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記コンテナの内部は、前記コンテナの長手に沿って延在する並列関係の状態により配置される複数の前記円錐状出口ホッパー(13,15,17)を備えていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のコンテナ。
【請求項4】
3つの前記出口ホッパーが、前記コンテナ内に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のコンテナ。
【請求項5】
前記出口ホッパーは、前記ホッパーの上側開口端と前記コンテナの壁とを連続的に接続させるため、お互いに、かつ、前記コンテナの壁の内側に相互接続されていることを特徴とする請求項3あるいは4に記載のコンテナ。
【請求項6】
前記1つ又は複数の前記ホッパーは、前記コンテナ内に容易に配置かつ固定され、またそこから容易に取り外されることが可能である組立体を形成していることを特徴とする請求項請求項1〜5のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項7】
前記組立体は、軟鋼又はステンレス鋼から作製されていることを特徴とする請求項6に記載のコンテナ。
【請求項8】
道路用又は鉄道用タンカーに搭載されている請求項1〜7のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項9】
前記コンテナは、ISOフレーム内に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項10】
略円筒状の貯蔵部、又は、運搬コンテナ内部に位置する少なくとも1つの円錐状出口ホッパーを備えている内部円錐組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−529372(P2007−529372A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503398(P2007−503398)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000961
【国際公開番号】WO2005/087622
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(505228235)インバルク・テクノロジーズ・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】