説明

コンテンツ再生装置およびこれを備えたコンテンツ再生システム

【課題】コンテンツの続き再生を適切に行うことができる「コンテンツ再生装置およびこれを備えたコンテンツ再生システム」を提供すること。
【解決手段】ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、ビデオ用レジューム情報記憶手段19によって記憶されたビデオ用レジューム情報を用いて、当該ビデオコンテンツのレジューム再生を行い、ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、オーディオ用レジューム情報を携帯型コンテンツ再生装置3から取得し、取得されたオーディオ用レジューム情報を用いて、オーディオコンテンツのレジューム再生を行うレジューム再生手段7,17を備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置およびこれを備えたコンテンツ再生システムに係り、特に、コンテンツのレジューム再生を行うのに好適なコンテンツ再生装置およびこれを備えたコンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用や家庭用のコンテンツ再生装置においては、例えば、ナビゲーションの映像・音声、DVDに記憶された映画、地上波デジタル放送およびラジオ放送等の種々のコンテンツを再生することが可能とされていた。
【0003】
また、コンテンツ再生装置の中には、iPod(商標)等の携帯型コンテンツ再生装置(いわゆるポータブルメディアプレーヤ)が接続可能とされたものも採用されており、この種のコンテンツ再生装置においては、接続された携帯型コンテンツ再生装置自らが再生可能なものとして保有しているコンテンツを、当該携帯型コンテンツ再生装置から取得し、取得されたコンテンツをコンテンツ再生装置側で再生することが可能とされていた。
【0004】
【特許文献1】特開2007−323789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、図3は、従来から使用されているコンテンツ再生装置の一例としての車載用コンテンツ再生装置の使用態様を例示したものである。
【0006】
すなわち、従来から、車載用コンテンツ再生装置においては、図3のステップ1(ST1)に示すように、携帯型コンテンツ再生装置が保有するコンテンツ(ビデオコンテンツ)としての映画を車載用コンテンツ再生装置側で再生して視聴している途中で、図3のステップ2(ST2)に示すように、車両のアクセサリ電源(Acc)をオフにし、その後、図3のステップ3(ST3)に示すように、再びアクセサリ電源をオンにして映画の続きを視聴しようとする場合が珍しくなかった。また、車載用コンテンツ再生装置側で映画を再生して視聴している途中で、図3のステップ4(ST4)に示すように、携帯型コンテンツ再生装置を車載用コンテンツ再生装置から一旦取り外した(切断した)後に、図3のステップ5(ST5)に示すように、再び接続して映画の続きを視聴しようとする場合もあった。
【0007】
ここで、図4は、このような場合における車載用コンテンツ再生装置の処理工程の一例として、携帯型コンテンツ再生装置がUSB等によって有線接続されている車載用コンテンツ再生装置の処理工程を示したものである。
【0008】
すなわち、図4のステップ11(ST11)に示すように、まず、車載用コンテンツ再生装置は、携帯型コンテンツ再生装置から取得したコンテンツの再生中に、携帯型コンテンツ再生装置を取り外す(切断する)操作またはアクセサリ電源(Acc)をオフにする操作が行われたことを検出すると、続くステップ12(ST12)において、コンテンツの再生を停止する。
【0009】
次いで、ステップ13(ST13)において、車載用コンテンツ再生装置は、ステップ11(ST11)において検出された操作と逆の操作、すなわち、車載用コンテンツ再生装置に携帯型コンテンツ再生装置を再接続する操作またはアクセサリ電源を再びオンにする(再起動する)操作が行われたことを検出した上で、ステップ14(ST14)に進む。
【0010】
次いで、ステップ14(ST14)においては、携帯型コンテンツ再生装置と車載用コンテンツ再生装置との間の通信を確立させるための内部処理である初期設定処理を行う。
【0011】
次いで、ステップ15(ST15)において、車載用コンテンツ再生装置は、携帯型コンテンツ再生装置に対して再生コマンドを送信して、携帯型コンテンツ再生装置からコンテンツの取得を再開することによって、コンテンツの再生を再開する。
【0012】
ただし、このとき、再生されるコンテンツは、携帯型コンテンツ再生装置に依存しており、ステップ12(ST12)の際に再生されていたラストコンテンツが再生されるとは限らなかった。
【0013】
このように、従来は、携帯型コンテンツ再生装置の再接続やアクセサリ電源の再起動が行われた場合に最初に再生されるコンテンツは、携帯型コンテンツ再生装置側の構成に委ねらていたため、例えば、図3のステップ1(ST1)の時点で映画が再生されていたとしても、図3のステップ6(ST6)においては、映画の続きではなく音楽の先頭から再生が開始されてしまうことが多かった。
【0014】
したがって、従来の車載用コンテンツ再生装置においては、携帯型コンテンツ再生装置の切断やアクセサリ電源のオフ等のコンテンツの再生中における所定の操作によってコンテンツの再生が停止した場合に、停止時における再生位置からのコンテンツの続き再生を適切に行うことができないといった問題が生じていた。
【0015】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、コンテンツの続き再生を適切に行うことができるコンテンツ再生装置およびこれを備えたコンテンツ再生システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するため、本発明に係るコンテンツ再生装置は、携帯型コンテンツ再生装置との間における通信可能状態において、当該携帯型コンテンツ再生装置が保有するコンテンツを当該携帯型コンテンツ再生装置から取得して再生することが可能とされたコンテンツ再生装置であって、前記通信可能状態を終了させる第1の操作が行われた後に、前記通信可能状態とされていた前記携帯型コンテンツ再生装置との間における前記通信可能状態を復帰させる第2の操作が行われた場合に、前記第1の操作が行われる直前に再生されていたコンテンツであるラストコンテンツを当該コンテンツの再生の停止の際における再生位置から引き続き再生する処理であるレジューム再生を行うレジューム再生手段と、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合に、このビデオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるビデオ用レジューム情報のうち、少なくとも、前記第2の操作が行われた際に前記携帯型コンテンツ再生装置から取得することが不可能とみなされている所定のビデオ用レジューム情報を、前記コンテンツの再生停止の際に記憶するビデオ用レジューム情報記憶手段とを備え、前記レジューム再生手段は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されたビデオ用レジューム情報を用いて、当該ビデオコンテンツの前記レジューム再生を行い、前記ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、当該オーディオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるオーディオ用レジューム情報を前記携帯型コンテンツ再生装置から取得し、前記オーディオ用レジューム情報を用いて、当該オーディオコンテンツの前記レジューム再生を行うことを特徴としている。
【0017】
ここで、ビデオコンテンツとは、例えば、映画のような映像と音声とを内容としたコンテンツをいい、オーディオコンテンツとは、音楽のような音声のみを主たる内容としたコンテンツをいうものとする(以下、同様)。
【0018】
そして、このような構成によれば、第1の操作の直前に再生されていたラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、第2の操作が行われた際に、コンテンツ再生装置側に記憶されたビデオ用レジューム情報を用いてビデオコンテンツのレジューム再生を行うことができ、また、ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、第2の操作が行われた際に、携帯型コンテンツ再生装置から取得されたオーディオ用レジューム情報を用いてオーディオコンテンツのレジューム再生を行うことができるので、コンテンツの続き再生を適切に行うことができる。
【0019】
また、前記第1の操作は、電源をオン状態からオフ状態へと切り替える操作とされ、前記第2の操作は、前記第1の操作によってオフ状態へと切り替えられた前記電源を、オン状態へと切り替える操作とされていてもよい。
【0020】
そして、このような構成によれば、コンテンツの再生中にコンテンツ再生装置の電源をオフにし、その後、再びオンにするといった通常行われ得る使用態様に対応したレジューム再生を行うことができる。
【0021】
さらに、前記携帯型コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ再生装置本体と有線による接続が可能とされており、前記第1の操作は、前記コンテンツ再生装置本体と前記携帯型コンテンツ再生装置との接続を切断する操作とされ、前記第2の操作は、前記第1の操作によって切断された前記コンテンツ再生装置本体と前記携帯型コンテンツ再生装置とを再接続する操作とされていてもよい。
【0022】
そして、このような構成によれば、コンテンツの再生中に携帯型コンテンツ再生装置とコンテンツ再生装置本体とを切断するといった使用態様にも対応したレジューム再生を行うことができる。
【0023】
さらにまた、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生停止の際に、前記ビデオ用レジューム情報を、前記携帯型コンテンツ再生装置の識別情報と対応させた状態として前記識別情報とともに記憶し、前記レジューム再生手段は、コンテンツ再生装置本体に対して任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が行われた場合に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置の識別情報が前記ビデオ用レジューム情報記憶手段に記憶されている場合には、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が前記第2の操作であるとみなして、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されている前記任意の携帯型コンテンツ再生装置に対応するビデオ用レジューム情報を用いた前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うことが好ましい。
【0024】
そして、このような構成によれば、第1の操作の直前にラストコンテンツを再生していた携帯型コンテンツ再生装置と、第1の操作の後に通信可能状態とされた携帯型コンテンツ再生装置との同一性を確認した上で、より適切なレジューム再生を行うことができる。
【0025】
また、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生停止の際に再生されていた前記ビデオコンテンツのファイルを、前記所定のビデオ用レジューム情報として記憶することが好ましい。
【0026】
そして、このような構成によれば、ビデオ用レジューム情報としてビデオコンテンツ(ラストコンテンツ)のファイルを用いることにより、簡易な構成によってレジューム再生を適切に行うことができる。
【0027】
さらに、前記レジューム再生手段は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶された前記所定のビデオ用レジューム情報としての前記ファイルと、前記携帯型コンテンツ再生装置から取得された他のビデオ用レジューム情報としての前記コンテンツの再生停止の際における前記ファイルの再生時間とを用いて、前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うようにしてもよい。
【0028】
そして、このような構成によれば、コンテンツ再生装置本体側では、ビデオ用レジューム情報としてビデオコンテンツのファイルだけをコンテンツの再生停止の際に記憶しておけば、この記憶されたファイルと、携帯型コンテンツ再生装置側から取得された再生時間とを用いることによってレジューム再生を確実に行うことができるので、ビデオ用レジューム情報記憶手段の容量を少なくしてコストを削減することができる。
【0029】
さらにまた、前記オーディオ用レジューム情報は、前記コンテンツの再生停止の際における前記オーディオコンテンツの再生位置に関する情報であってもよい。
【0030】
そして、このような構成によれば、簡易な構成によってオーディオコンテンツのレジューム再生を適切に行うことができる。
【0031】
また、本発明に係るコンテンツ再生システムは、携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置との間における通信可能状態において、当該携帯型コンテンツ再生装置が保有するコンテンツを当該携帯型コンテンツ再生装置から取得して再生することが可能とされたコンテンツ再生装置とを備えたコンテンツ再生システムであって、前記コンテンツ再生装置は、前記通信可能状態を終了させる第1の操作が行われた後に、前記通信可能状態とされていた前記携帯型コンテンツ再生装置との間における前記通信可能状態を復帰させる第2の操作が行われた場合に、前記第1の操作が行われる直前に再生されていたコンテンツであるラストコンテンツを当該コンテンツの再生の停止の際における再生位置から引き続き再生する処理であるレジューム再生を行うレジューム再生手段と、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合に、このビデオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるビデオ用レジューム情報のうち、少なくとも、前記第2の操作が行われた際に前記携帯型コンテンツ再生装置から取得することが不可能とみなされている所定のビデオ用レジューム情報を、前記コンテンツの再生停止の際に記憶するビデオ用レジューム情報記憶手段とを備え、前記レジューム再生手段は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されたビデオ用レジューム情報を用いて、当該ビデオコンテンツの前記レジューム再生を行い、前記ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、前記携帯型コンテンツ再生装置に記憶されている前記オーディオ用レジューム情報を前記携帯型コンテンツ再生装置から取得し、前記オーディオ用レジューム情報を用いて、当該オーディオコンテンツの前記レジューム再生を行い、前記携帯型コンテンツ再生装置は、前記所定のビデオ用レジューム情報については、前記コンテンツの再生停止の際に記憶するものの、前記第2の操作が行われた際に消去されることによって当該所定のビデオ用レジューム情報の前記コンテンツ再生装置による取得が不可能なように形成され、オーディオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるオーディオ用レジューム情報については、前記コンテンツの再生停止の際に記憶した後、前記第2の操作が行われた際にも記憶しておくことが可能に形成されたレジューム情報管理手段を備えたことを特徴としている。
【0032】
そして、このような構成によれば、第1の操作の直前に再生されていたラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、第2の操作が行われた際に、コンテンツ再生装置側に記憶されたビデオ用レジューム情報を用いてビデオコンテンツのレジューム再生を行うことができ、また、ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、第2の操作が行われた際に、携帯型コンテンツ再生装置から取得されたオーディオ用レジューム情報を用いてオーディオコンテンツのレジューム再生を行うことができるので、コンテンツの続き再生を適切に行うことができる。
【0033】
さらに、前記第1の操作は、電源をオン状態からオフ状態へと切り替える操作とされ、前記第2の操作は、前記第1の操作によってオフ状態へと切り替えられた前記電源を、オン状態へと切り替える操作とされていてもよい。
【0034】
そして、このような構成によれば、コンテンツの再生中にコンテンツ再生装置の電源をオフにし、その後、再びオンにするといった通常行われ得る使用態様に対応したレジューム再生を行うことができる。
【0035】
さらにまた、前記携帯型コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ再生装置と有線による接続が可能とされており、前記第1の操作は、前記コンテンツ再生装置と前記携帯型コンテンツ再生装置との接続を切断する操作とされ、前記第2の操作は、前記第1の操作によって切断された前記コンテンツ再生装置と前記携帯型コンテンツ再生装置とを再接続する操作とされていてもよい。
【0036】
そして、このような構成によれば、コンテンツの再生中に携帯型コンテンツ再生装置とコンテンツ再生装置とを切断するといった使用態様にも対応したレジューム再生を行うことができる。
【0037】
また、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生停止の際に、前記ビデオ用レジューム情報を、前記携帯型コンテンツ再生装置の識別情報と対応させた状態として前記識別情報とともに記憶し、前記レジューム再生手段は、コンテンツ再生装置に対して任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が行われた場合に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置の識別情報が前記ビデオ用レジューム情報記憶手段に記憶されている場合には、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が前記第2の操作であるとみなして、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されている前記任意の携帯型コンテンツ再生装置に対応するビデオ用レジューム情報を用いた前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うことが好ましい。
【0038】
そして、このような構成によれば、第1の操作の直前にラストコンテンツを再生していた携帯型コンテンツ再生装置と、第1の操作の後に通信可能状態とされた携帯型コンテンツ再生装置との同一性を確認した上で、より適切なレジューム再生を行うことができる。
【0039】
さらに、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生の停止の際に再生されていた前記ビデオコンテンツのファイルを、前記所定のビデオ用レジューム情報として記憶することが好ましい。
【0040】
そして、このような構成によれば、ビデオ用レジューム情報としてビデオコンテンツのファイルを用いることにより、簡易な構成によってレジューム再生を適切に行うことができる。
【0041】
さらにまた、前記レジューム再生手段は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶された前記所定のビデオ用レジューム情報としての前記ファイルと、前記携帯型コンテンツ再生装置から取得された他のビデオ用レジューム情報としての前記コンテンツの再生の停止の際における前記ファイルの再生時間とを用いて、前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うようにしてもよい。
【0042】
そして、このような構成によれば、コンテンツ再生装置側では、ビデオ用レジューム情報としてビデオコンテンツのファイルだけをコンテンツの再生停止の際に記憶しておけば、この記憶されたファイルと、携帯型コンテンツ再生装置側から取得された再生時間とを用いることによってレジューム再生を確実に行うことができるので、ビデオ用レジューム情報記憶手段の容量を少なくしてコンテンツ再生装置側のコストを削減することができる。
【0043】
また、前記オーディオ用レジューム情報は、前記コンテンツの再生の停止の際における前記オーディオコンテンツの再生位置に関する情報であってもよい。
【0044】
そして、このような構成によれば、簡易な構成によってオーディオコンテンツのレジューム再生を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、コンテンツの続き再生を適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
【0047】
図1は、本発明に係るコンテンツ再生システムの一例としての車載用コンテンツ再生システムの実施形態を示したものである。
【0048】
図1に示すように、本実施形態における車載用コンテンツ再生システム1は、車両に搭載された車載用コンテンツ再生装置2と、この車載用コンテンツ再生装置2との間で通信可能とされた携帯型コンテンツ再生装置3とを備えている。
【0049】
なお、携帯型コンテンツ再生装置3は、例えば、iPod(商標)等のポータブルメディアプレイヤであってもよい。
【0050】
これら車載用コンテンツ再生装置2と携帯型コンテンツ再生装置3とは、USBケーブル等の接続手段5によって有線接続可能とされている。そして、本実施形態においては、車載用コンテンツ再生装置2の電源としての車両のアクセサリ電源のオン状態のとき、接続手段5による車載用コンテンツ再生装置2と携帯型コンテンツ再生装置3との接続状態が、車載用コンテンツ再生装置2と携帯型コンテンツ再生装置3との間での通信が可能な通信可能状態とされている。
【0051】
そして、このような通信可能状態において、車載用コンテンツ再生装置2は、携帯型コンテンツ再生装置3が保有するコンテンツを接続手段5を介して携帯型コンテンツ再生装置3から取得し、取得されたコンテンツを再生することが可能とされている。
【0052】
すなわち、図1に示すように、車載用コンテンツ再生装置2は、車載側再生処理部7を有しており、この車載側再生処理部7には、車載側ディスプレイ8および車載側スピーカ10がそれぞれ接続されている。
【0053】
さらに、車載側再生処理部7には、コンテンツ取得部11および車載側インターフェース(I/F)12がそれぞれ接続されており、これらコンテンツ取得部11と車載側インターフェース12とは、互いに接続されている。
【0054】
ここで、車載側再生処理部7は、ユーザが、前記通信可能状態において、リモコンやスイッチ等の図示しない入力手段を介して所定のコンテンツの再生を指示すると、当該所定のコンテンツを再生するための再生コマンドを、車載側インターフェース12に出力するようになっている。そして、車載側インターフェース12は、車載側再生処理部7から出力された再生コマンドを、接続手段5を通して携帯型コンテンツ再生装置3へと出力するようになっている。
【0055】
また、図1に示すように、携帯型コンテンツ再生装置3は、携帯側インターフェース(I/F)14を有しており、この携帯側インターフェース14には、車載側インターフェース12から出力された再生コマンドが入力されるようになっている。
【0056】
携帯側インターフェース14には、コンテンツ送信部15が接続されており、このコンテンツ送信部15は、携帯側インターフェース14に入力された再生コマンドを携帯側インターフェース14から取得するようになっている。
【0057】
コンテンツ送信部15には、コンテンツ記憶部16が接続されており、このコンテンツ記憶部16には、携帯型コンテンツ再生装置3が自ら再生可能なものとして保有しているコンテンツが記憶されている。このコンテンツには、映画等のビデオコンテンツと、音楽等のオーディオコンテンツとが含まれている。
【0058】
コンテンツ送信部15は、携帯側インターフェース14から再生コマンドを取得すると、取得された再生コマンドに対応するコンテンツをコンテンツ記憶部16から取得するようになっている。
【0059】
そして、コンテンツ送信部15は、コンテンツ記憶部16から取得したコンテンツを、携帯側インターフェース14および接続手段5を介して車載用コンテンツ再生装置2へと送信するようになっている。
【0060】
コンテンツ送信部15によって送信されたコンテンツは、車載側インターフェース12を介してコンテンツ取得部11によって取得されるようになっている。
【0061】
さらに、車載側再生処理部7は、コンテンツ取得部11によって取得されたコンテンツをコンテンツ取得部11から取得し、取得されたコンテンツを再生するようになっている。これにより、コンテンツが映画等のビデオコンテンツの場合には、その映像部分が車載側ディスプレイ8によって表示され、その音声部分が車載側スピーカ10によって音声出力されることになる。また、コンテンツがオーディオコンテンツの場合には、このオーディオコンテンツが車載側スピーカ10によって音声出力されることになる。
【0062】
このようにして、車載用コンテンツ再生装置2は、通信可能状態において、携帯型コンテンツ再生装置3が保有するコンテンツを再生することができる。
【0063】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、車載用コンテンツ再生装置2は、レジューム再生制御部17を有しており、このレジューム再生制御部17には、車載側再生処理部7、車載側インターフェース12およびコンテンツ取得部11がそれぞれ接続されている。
【0064】
このレジューム再生制御部17は、車載側再生処理部7とともにレジューム再生手段を構成しており、これらレジューム再生制御部17と車載側再生処理部7とによって、車載用コンテンツ再生装置2におけるコンテンツのレジューム再生を行うことが可能とされている。
【0065】
ここで、前記レジューム再生とは、携帯型コンテンツ再生装置3との前記通信可能状態を終了させる第1の操作が行われた後に、前記通信可能状態とされていた携帯型コンテンツ再生装置3との間における前記通信可能状態を復帰させる第2の操作が行われた場合に、前記第1の操作が行われる直前(本発明においては、第1の操作が行われた時点も含む意義とする)に再生されていたコンテンツであるラストコンテンツを当該ラストコンテンツの再生の停止の際における再生位置から引き続き再生する処理をいう。
【0066】
なお、前記第1の操作としては、1種類の操作のみではなく複数種類の操作を採用することができる。また、前記第2の操作についても、複数種類の前記第1の操作のぞれぞれと対応関係を有したものとして複数種類の操作を採用することができる。
【0067】
例えば、1種類目の前記第1の操作としては、車両のアクセサリ電源をオン状態からオフ状態へと切り替える操作を採用することができ、これに対応する1種類目の前記第2の操作としては、前記第1の操作によって前記オフ状態へと切り替えられた前記アクセサリ電源を、オン状態へと切り替える操作を挙げることができる。
【0068】
また、2種類目の前記第1の操作としては、互いに有線接続されている車載用コンテンツ再生装置2と携帯型コンテンツ再生装置3との接続を切断する操作、換言すれば、携帯型コンテンツ再生装置3を車載用コンテンツ再生装置2から取り外す操作を採用することができ、これに対応する2種類目の前記第2の操作としては、前記第1の操作によって切断された車載用コンテンツ再生装置2と携帯型コンテンツ再生装置3とを再接続する操作を挙げることができる。
【0069】
なお、前記ラストコンテンツの再生の停止は、前記第1の操作によってなされたものであってもよい。この場合の具体的な例としては、ラストコンテンツとしての映画(ビデオコンテンツ)の再生中に、車両のアクセサリ電源をオフにすることが考えられる。
【0070】
また、前記ラストコンテンツの再生の停止は、前記第1の操作が行われる前にユーザによって行われた前記第1の操作以外の再生停止操作によってなされたものであってもよい。この場合の具体的な例としては、映画(ビデオコンテンツ)の再生中に、前記第1の操作以外の再生停止操作として、入力手段(例えば、リモコン、ボタン、タッチパネル等)によって映画の再生を停止させる操作を行うことが考えられる。このような前記第1の操作以外の再生停止操作が行われたとしても、通信可能状態すなわちアクセサリ電源のオン状態および携帯型コンテンツ再生装置3の接続状態は維持されることになる。
【0071】
このように、前記ラストコンテンツの再生の停止が前記第1の操作または前記第1の操作の前に行われた前記第1の操作以外の再生停止操作のいずれによってなされたものであっても、前記ラストコンテンツが前記第1の操作が行われる直前に再生されていたコンテンツであるということに変わりはないものとして扱う。
【0072】
さらに、本実施形態において、車載用コンテンツ再生装置2は、ビデオ用レジューム情報記憶手段としてのビデオ用レジューム情報記憶部19を有しており、このビデオ用レジューム情報記憶部19には、レジューム再生制御部17が接続されている。
【0073】
さらにまた、本実施形態における携帯型コンテンツ再生装置3は、携帯側インターフェース14に接続されたレジューム情報記録部22およびレジューム情報送信部21と、これらレジューム情報記録部22およびレジューム情報送信部21に接続されたレジューム情報管理手段としての携帯側レジューム情報記憶部20とを有している。
【0074】
また、本実施形態において、車載側再生処理部7およびレジューム再生制御部17は、前記第1の操作が行われたことを検出可能とされている。
【0075】
車載側再生処理部7は、コンテンツの再生中に前記第1の操作が行われたことを検出した場合には、コンテンツの再生を停止させるようになっている。また、車載側再生処理部7は、コンテンツの再生中に前述した第1の操作以外の再生停止操作が行われた場合にも、コンテンツの再生を停止させるようになっている。
【0076】
また、レジューム再生制御部17は、前記第1の操作が行われた際に、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、このビデオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるビデオ用レジューム情報を取得し、取得されたビデオ用レジューム情報をビデオ用レジューム情報記憶部19に記録するようになっている。
【0077】
なお、レジューム再生制御部17は、前記第1の操作が行われた際に、前記ラストコンテンツの再生の停止が前記第1の操作によってなされたものであった場合には、コンテンツ取得部11に取得されているラストコンテンツからビデオ用レジューム情報を取得し、このビデオ用レジューム情報をビデオ用レジューム情報記憶部19に記録するようにすればよい。
【0078】
また、レジューム再生制御部17は、前記第1の操作が行われた際に、前記ラストコンテンツの再生の停止が前記第1の操作の前に行われた前記第1の操作以外の再生停止操作によってなされたものであった場合には、後述する携帯側レジューム情報記憶部20に記憶されているビデオ用レジューム情報を取得し、このビデオ用レジューム情報をビデオ用レジューム情報記憶部19に記録するようにすればよい。
【0079】
あるいは、レジューム再生制御部17は、車載用コンテンツ再生装置2におけるビデオコンテンツの再生中に、前記第1の操作以外の再生停止操作が行われた際に、この際に再生されていたビデオコンテンツを前記ラストコンテンツとみなして、このビデオコンテンツをラストコンテンツとしたレジューム再生に要するビデオ用レジューム情報をビデオ用レジューム情報記憶部19に記録するように構成してもよい。ただし、この場合には、当該第1の操作以外の再生停止操作の後に前記第1の操作が実際に行われて初めて、前記第1の操作以外の再生停止操作が行われた際に再生されていたビデオコンテンツが本発明におけるラストコンテンツに該当するものとなる。このように、前記第1の操作以外の再生停止操作が行われた際にビデオ用レジューム情報を記録するように構成する場合には、当該第1の操作以外の再生停止操作の後に前記第1の操作が行われた際に、既にビデオ用レジューム情報がビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されていることになるので、前記第1の操作が行われた際におけるビデオ用レジューム情報の記録は行わなくてもよい。
【0080】
これにより、ビデオ用レジューム情報記憶部19は、ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合に、ビデオ用レジューム情報を記憶することができるようになっている。
【0081】
さらに、本実施形態において、レジューム再生制御部17は、ビデオ用レジューム情報記憶部19にビデオ用レジューム情報を記録する際に、ビデオ用レジューム情報を、携帯型コンテンツ再生装置3の識別情報と対応させた状態として前記識別情報とともに記録するようになっている。これにより、ビデオ用レジューム情報記憶部19は、ビデオ用レジューム情報を、識別情報と対応させた状態として記憶するようになっている。
【0082】
なお、識別情報は、携帯型コンテンツ再生装置3のシリアルナンバーであってもよい。
【0083】
また、ビデオ用レジューム情報記憶部19によって記憶されるビデオ用レジューム情報は、ビデオコンテンツのレジューム再生に要する情報のすべて(すべてのビデオ用レジューム情報)であってもよいし、あるいは、前記第2の操作が行われた際に携帯型コンテンツ再生装置3から取得することが不可能とみなされている一部の所定のビデオ用レジューム情報であってもよい。
【0084】
また、ビデオ用レジューム情報記憶部19によって記憶されるビデオ用レジューム情報は、第1の操作が行われる直前に車載側再生処理部7によって再生されていたビデオコンテンツのファイル(以下、ラストビデオファイルと称する)であってもよい。このラストビデオファイルは、映画の一作品であってもよい。
【0085】
さらに、本実施形態において、レジューム情報記録部22は、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によって車載用コンテンツ再生装置2による前記コンテンツの再生が停止すると、この再生の停止を検出するとともに、このとき再生されていたコンテンツを前記ラストコンテンツとして検出するようになっている。
【0086】
そして、レジューム情報記録部22は、検出された前記ラストコンテンツから、車載用コンテンツ再生装置3におけるレジューム再生に要するレジューム情報を抽出し、抽出されたレジューム情報を携帯側レジューム情報記憶部20に記録するようになっている。
【0087】
具体的には、レジューム情報記録部22は、前記ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、このオーディオコンテンツの車載用コンテンツ再生装置3におけるレジューム再生に要する情報であるオーディオ用レジューム情報を記録するようになっている。
【0088】
また、レジューム情報記録部22は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報を記録するようになっている。なお、このとき記録されるビデオ用レジューム情報は、すべてのビデオ用レジューム情報とされており、前記所定のビデオ用レジューム情報(例えば、前記ラストビデオファイル)も含まれている。すなわち、携帯型コンテンツ再生装置3は、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止の際に、前記所定のビデオ用レジューム情報を記憶することが可能とされている。
【0089】
さらに、本実施形態においては、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止後に、車載用コンテンツ再生装置2に対して任意の携帯型コンテンツ再生装置3を通信可能状態とする操作が行われると、車載側インターフェース12と携帯側インターフェース14との間において、車載用コンテンツ再生装置2と携帯型コンテンツ再生装置3との通信を確立させるための初期設定処理が行われるようになっている。このことは、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置3が前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止の際に通信可能状態とされていた携帯型コンテンツ再生装置3と同一のものである場合、すなわち、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置3を通信可能状態とする操作が前記第2の操作に該当する場合であっても同様である。
【0090】
そして、本実施形態においては、この初期設定処理により、携帯側レジューム情報記憶部20によって記憶されているレジューム情報のうち、オーディオコンテンツ(ラストコンテンツ)の再生位置等のオーディオ用レジューム情報と、前記所定のビデオ用レジューム情報以外のビデオ用レジューム情報(例えば、前記第1の操作による再生停止時における前記ラストビデオファイルの再生時間)についてはそのまま記憶され続ける一方で、前記所定のビデオ用レジューム情報については消去されるようになっている。
【0091】
すなわち、本実施形態においては、携帯型コンテンツ再生装置3が、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止の際に、前記所定のビデオ用レジューム情報を記憶することが可能とされているものの、前記第2の操作が行われた際には、当該記憶された所定のビデオ用レジューム情報を消去されるようになっており、これにより、車載用コンテンツ再生装置2は、前記第2の操作が行われた際における携帯型コンテンツ再生装置3側からの前記所定のビデオ用レジューム情報の取得が不可能に形成されている。
【0092】
しかしながら、本実施形態においては、このように、所定のビデオ用レジューム情報を携帯型コンテンツ再生装置3から取得することができなくても、レジューム再生を適切に行うことができるようになっている。
【0093】
具体的には、本実施形態において、レジューム再生制御部17は、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作による前記コンテンツの再生の停止の後に、車載用コンテンツ再生装置2に対して任意の携帯型コンテンツ再生装置3を通信可能状態とする操作が行われた場合に、この任意の携帯型コンテンツ再生装置3と前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止の際に前記通信可能状態とされていた携帯型コンテンツ再生装置3との同一性の判定を行うようになっている。
【0094】
この同一性の判定は、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置3の識別情報と、前記ビデオ用レジューム情報記憶部19によって記憶されている識別情報とを比較し、双方の識別情報が互いに一致するか否かに基づいて行われるようになっている。
【0095】
そして、この同一性の判定の結果、同一性を肯定する旨の判定結果(すなわち、識別情報が互いに一致する旨の判定結果)が取得された場合には、レジューム再生制御部17は、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置3を通信可能状態とする操作が前記第2の操作であるとみなすことによって、前記第2の操作が行われたことを検出するようになっている。
【0096】
さらに、レジューム再生制御部17は、前記第2の操作が行われたことが検出された場合には、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツまたはオーディオコンテンツのいずれであったかを判定し、判定結果にしたがったコンテンツのレジューム再生を行うように車載側再生処理部7を制御するようになっている。
【0097】
そして、車載側再生処理部7は、レジューム再生制御部17によってビデオコンテンツをレジューム再生するための制御が行われた場合には、ビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されたビデオ用レジューム情報を用いることによって、ビデオコンテンツのレジューム再生を行うようになっている。具体的には、車載側再生処理部7は、ビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されたビデオ用レジューム情報を用いることによって、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止の際におけるビデオコンテンツおよびその再生位置を特定し、特定されたビデオコンテンツを再生するための再生コマンドを、車載側インターフェース12を介して携帯型コンテンツ再生装置3側に出力するようになっている。そして、車載側再生処理部7は、この再生コマンドに応答して携帯型コンテンツ再生装置3のコンテンツ送信部15によって送信されたビデオコンテンツをコンテンツ取得部11を介して取得し、取得されたビデオコンテンツを、前記特定された再生位置から再生するようになっている。
【0098】
このとき、ビデオ用レジューム情報記憶部19に前記所定のビデオ用レジューム情報(例えば、前記ラストビデオファイル)のみを記憶させるような構成を採用する場合には、車載側再生処理部7は、前記所定のビデオ用レジューム情報以外のビデオ用レジューム情報(例えば、前記第1の操作による再生停止時における前記ラストビデオファイルの再生時間)を、携帯型コンテンツ再生装置3の携帯側レジューム情報記憶部20から取得すればよい。そして、取得されたビデオ用レジューム情報と前記所定のビデオ用レジューム情報との双方を用いて、ビデオコンテンツおよびその再生位置の特定を行うようにすればよい。
【0099】
このようにして、車載用コンテンツ再生装置2は、前記第2の操作が行われた際に前記所定のビデオ用レジューム情報を携帯型コンテンツ再生装置3から取得することができなくても、ビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶された前記所定のビデオ用レジューム情報を用いることによって、ビデオコンテンツのレジューム再生を適切に行うことができる。
【0100】
また、この際に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が行われた場合に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置の識別情報がビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されている場合に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が前記第2の操作であるとみなして、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置に対応するビデオ用レジューム情報を用いたレジューム再生を行うことができるので、簡易な手法によって適切なレジューム再生が可能となる。
【0101】
一方、レジューム再生制御部17によってオーディオコンテンツをレジューム再生するための制御が行われた場合には、車載側再生処理部7は、オーディオ用レジューム情報を、携帯型コンテンツ再生装置3の携帯側レジューム情報記憶部20から取得し、取得されたオーディオ用レジューム情報を用いることによって、オーディオコンテンツのレジューム再生を行うようになっている。具体的には、車載側再生処理部7は、携帯側レジューム情報記憶部20から取得されたオーディオ用レジューム情報に基づいて、前記第1の操作または前記第1の操作以外の再生停止操作によるコンテンツの再生の停止の際におけるオーディオコンテンツの再生位置を特定し、特定された再生位置からオーディオコンテンツを再生するための再生コマンドを、車載側インターフェース12を介して携帯型コンテンツ再生装置3側に出力するようになっている。そして、車載側再生処理部7は、この再生コマンドに応答して携帯型コンテンツ再生装置3のコンテンツ送信部15によって送信されたオーディオコンテンツをコンテンツ取得部11を介して取得し、取得されたオーディオコンテンツを、特定された再生位置から再生するようになっている。
【0102】
したがって、車載用コンテンツ再生装置2は、オーディオコンテンツのレジューム再生についても、携帯型コンテンツ再生装置3側において記憶されているオーディオ用レジューム情報を用いて適切に行うことができる。
【0103】
その他、本実施形態において、携帯型コンテンツ再生装置3は、コンテンツ記憶部16に接続された携帯側再生処理部24と、この携帯側再生処理部24にそれぞれ接続された携帯側ディスプレイ25および携帯側スピーカ26とを有している。携帯側再生処理部24は、携帯型コンテンツ再生装置3を単独で使用する際において、ユーザが入力操作によって指定したコンテンツをコンテンツ記憶部16から取得し、取得されたコンテンツを携帯側ディスプレイ25および携帯側スピーカ26を適宜用いて再生するようになっている。
【0104】
次に、本実施形態の作用として、車載用コンテンツ再生システム1の動作の一例について説明する。
【0105】
なお、初期状態においては、車載側再生処理部7によるコンテンツの再生がなされているものとする。
【0106】
そして、初期状態から、図2のステップ21(ST21)に示すように、ユーザが、アクセサリ電源のオフ状態への切り替え、または、携帯型コンテンツ再生装置3の取り外しによって前記第1の操作を行う。
【0107】
次いで、ステップ22(ST22)においては、車載側再生処理部7により、コンテンツの再生を停止させる。
【0108】
次いで、ステップ23(ST23)においては、レジューム再生制御部17により、ステップ22(ST22)の際に再生されていた前記ラストコンテンツがビデオコンテンツであるか否かを判定し、ビデオコンテンツである場合には、ステップ24(ST24)に進み、ビデオコンテンツではなくオーディオコンテンツの場合には、ステップ25(ST25)に進む。このとき、ステップ25(ST25)に進む場合には、オーディオ用レジューム情報がレジューム情報記録部22によって携帯側レジューム情報記憶部20に記録される。
【0109】
次いで、ステップ24(ST24)においては、レジューム再生制御部17により、ビデオ用レジューム情報を、携帯型コンテンツ再生装置3の識別情報と対応させた状態としてビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶させる(記録する)。
【0110】
次いで、ステップ25(ST25)においては、レジューム再生制御部17により、任意の携帯型コンテンツ再生装置3を通信可能状態とする操作が行われたか否かを判定し、行われた場合には、ステップ26(ST26)に進み、行われていない場合には、ステップ25(ST25)を繰り返す。
【0111】
次いで、ステップ26(ST26)においては、車載側インターフェース12と携帯側インターフェース14との間で初期設定処理を行う。このとき、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、携帯側レジューム情報記憶部20に記録された前記所定のビデオ用レジューム情報は消去されることになる。
【0112】
次いで、ステップ27(ST27)においては、レジューム再生制御部17により、ステップ25(ST25)において通信可能状態とされた前記任意の携帯型コンテンツ再生装置3の識別情報と、ビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されている識別情報とを比較することによって、ステップ25(ST25)における操作が前記第2の操作であるか否かの判定を行う。
【0113】
そして、この判定の結果、ステップ25(ST25)における操作が前記第2の操作であるとみなされた場合には、ステップ28(ST28)に進み、前記第2の操作であるとみなされなかった場合には、処理を終了する。
【0114】
次いで、ステップ28(ST28)においては、レジューム再生制御部17により、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツであるか否かを判定し、ビデオコンテンツである場合には、ステップ29(ST29)に進み、ビデオコンテンツではなくオーディオコンテンツである場合には、ステップ31(ST31)に進む。
【0115】
ステップ29(ST29)においては、車載側再生処理部7により、ビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されたビデオ用レジューム情報を取得し、続くステップ30(ST30)において、当該ビデオ用レジューム情報を用いたビデオコンテンツのレジューム再生を行って処理を終了する。
【0116】
一方、ステップ31(ST31)においては、車載側再生処理部7により、携帯側レジューム情報記憶部20に記憶されたオーディオ用レジューム情報を取得し、続くステップ32(ST32)において、当該オーディオ用レジューム情報を用いたオーディオコンテンツのレジューム再生を行って処理を終了する。
【0117】
したがって、本発明によれば、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、ビデオ用レジューム情報記憶部19に記憶されたビデオ用レジューム情報を用いてビデオコンテンツのレジューム再生を行うことができ、また、前記ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、携帯側レジューム情報記憶部20から取得されたオーディオ用レジューム情報を用いてオーディオコンテンツのレジューム再生を行うことができるので、コンテンツの続き再生を適切に行うことができる。
【0118】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0119】
例えば、本発明は、車載用コンテンツ再生装置2以外のコンテンツ再生装置(例えば、PC等の家庭用のコンテンツ再生装置)にも適用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明に係るコンテンツ再生装置およびコンテンツ再生システムとしての車載用コンテンツ再生装置および車載用コンテンツ再生システムの実施形態を示すブロック図
【図2】車載用コンテンツ再生装置および車載用コンテンツ再生システムの実施形態を示すフローチャート
【図3】従来の車載用コンテンツ再生装置の使用態様を説明するための説明図
【図4】図3の場合における車載用コンテンツ再生装置の処理工程を示すフローチャート
【符号の説明】
【0121】
1 車載用コンテンツ再生システム
2 車載用コンテンツ再生装置
3 携帯型コンテンツ再生装置
7 車載側再生処理部
17 レジューム再生制御部
19 ビデオ用レジューム情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型コンテンツ再生装置との間における通信可能状態において、当該携帯型コンテンツ再生装置が保有するコンテンツを当該携帯型コンテンツ再生装置から取得して再生することが可能とされたコンテンツ再生装置であって、
前記通信可能状態を終了させる第1の操作が行われた後に、前記通信可能状態とされていた前記携帯型コンテンツ再生装置との間における前記通信可能状態を復帰させる第2の操作が行われた場合に、前記第1の操作が行われる直前に再生されていたコンテンツであるラストコンテンツを当該コンテンツの再生の停止の際における再生位置から引き続き再生する処理であるレジューム再生を行うレジューム再生手段と、
前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合に、このビデオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるビデオ用レジューム情報のうち、少なくとも、前記第2の操作が行われた際に前記携帯型コンテンツ再生装置から取得することが不可能とみなされている所定のビデオ用レジューム情報を、前記コンテンツの再生停止の際に記憶するビデオ用レジューム情報記憶手段と
を備え、
前記レジューム再生手段は、
前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されたビデオ用レジューム情報を用いて、当該ビデオコンテンツの前記レジューム再生を行い、
前記ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、当該オーディオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるオーディオ用レジューム情報を前記携帯型コンテンツ再生装置から取得し、前記オーディオ用レジューム情報を用いて、当該オーディオコンテンツの前記レジューム再生を行うこと
を特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記第1の操作は、電源をオン状態からオフ状態へと切り替える操作とされ、
前記第2の操作は、前記第1の操作によってオフ状態へと切り替えられた前記電源を、オン状態へと切り替える操作とされていること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記携帯型コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ再生装置本体と有線による接続が可能とされており、
前記第1の操作は、前記コンテンツ再生装置本体と前記携帯型コンテンツ再生装置との接続を切断する操作とされ、
前記第2の操作は、前記第1の操作によって切断された前記コンテンツ再生装置本体と前記携帯型コンテンツ再生装置とを再接続する操作とされていること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生停止の際に、前記ビデオ用レジューム情報を、前記携帯型コンテンツ再生装置の識別情報と対応させた状態として前記識別情報とともに記憶し、
前記レジューム再生手段は、
コンテンツ再生装置本体に対して任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が行われた場合に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置の識別情報が前記ビデオ用レジューム情報記憶手段に記憶されている場合には、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が前記第2の操作であるとみなして、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されている前記任意の携帯型コンテンツ再生装置に対応するビデオ用レジューム情報を用いた前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生停止の際に再生されていた前記ビデオコンテンツのファイルを、前記所定のビデオ用レジューム情報として記憶すること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記レジューム再生手段は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶された前記所定のビデオ用レジューム情報としての前記ファイルと、前記携帯型コンテンツ再生装置から取得された他のビデオ用レジューム情報としての前記コンテンツの再生停止の際における前記ファイルの再生時間とを用いて、前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うこと
を特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記オーディオ用レジューム情報は、前記コンテンツの再生停止の際における前記オーディオコンテンツの再生位置に関する情報であること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
携帯型コンテンツ再生装置と、
前記携帯型コンテンツ再生装置との間における通信可能状態において、当該携帯型コンテンツ再生装置が保有するコンテンツを当該携帯型コンテンツ再生装置から取得して再生することが可能とされたコンテンツ再生装置と
を備えたコンテンツ再生システムであって、
前記コンテンツ再生装置は、
前記通信可能状態を終了させる第1の操作が行われた後に、前記通信可能状態とされていた前記携帯型コンテンツ再生装置との間における前記通信可能状態を復帰させる第2の操作が行われた場合に、前記第1の操作が行われる直前に再生されていたコンテンツであるラストコンテンツを当該コンテンツの再生の停止の際における再生位置から引き続き再生する処理であるレジューム再生を行うレジューム再生手段と、
前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合に、このビデオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるビデオ用レジューム情報のうち、少なくとも、前記第2の操作が行われた際に前記携帯型コンテンツ再生装置から取得することが不可能とみなされている所定のビデオ用レジューム情報を、前記コンテンツの再生停止の際に記憶するビデオ用レジューム情報記憶手段と
を備え、
前記レジューム再生手段は、
前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されたビデオ用レジューム情報を用いて、当該ビデオコンテンツの前記レジューム再生を行い、
前記ラストコンテンツがオーディオコンテンツの場合には、前記携帯型コンテンツ再生装置に記憶されている前記オーディオ用レジューム情報を前記携帯型コンテンツ再生装置から取得し、前記オーディオ用レジューム情報を用いて、当該オーディオコンテンツの前記レジューム再生を行い、
前記携帯型コンテンツ再生装置は、
前記所定のビデオ用レジューム情報については、前記コンテンツの再生停止の際に記憶するものの、前記第2の操作が行われた際に消去されることによって当該所定のビデオ用レジューム情報の前記コンテンツ再生装置による取得が不可能なように形成され、オーディオコンテンツの前記レジューム再生に要する情報であるオーディオ用レジューム情報については、前記コンテンツの再生停止の際に記憶した後、前記第2の操作が行われた際にも記憶しておくことが可能に形成されたレジューム情報管理手段を備えたこと
を特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項9】
前記第1の操作は、電源をオン状態からオフ状態へと切り替える操作とされ、
前記第2の操作は、前記第1の操作によってオフ状態へと切り替えられた前記電源を、オン状態へと切り替える操作とされていること
を特徴とする請求項8に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項10】
前記携帯型コンテンツ再生装置は、前記コンテンツ再生装置と有線による接続が可能とされており、
前記第1の操作は、前記コンテンツ再生装置と前記携帯型コンテンツ再生装置との接続を切断する操作とされ、
前記第2の操作は、前記第1の操作によって切断された前記コンテンツ再生装置と前記携帯型コンテンツ再生装置とを再接続する操作とされていること
を特徴とする請求項8に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項11】
前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生停止の際に、前記ビデオ用レジューム情報を、前記携帯型コンテンツ再生装置の識別情報と対応させた状態として前記識別情報とともに記憶し、
前記レジューム再生手段は、
コンテンツ再生装置に対して任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が行われた場合に、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置の識別情報が前記ビデオ用レジューム情報記憶手段に記憶されている場合には、前記任意の携帯型コンテンツ再生装置を通信可能状態とする操作が前記第2の操作であるとみなして、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶されている前記任意の携帯型コンテンツ再生装置に対応するビデオ用レジューム情報を用いた前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うこと
を特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項12】
前記ビデオ用レジューム情報記憶手段は、前記コンテンツの再生の停止の際に再生されていた前記ビデオコンテンツのファイルを、前記所定のビデオ用レジューム情報として記憶すること
を特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項13】
前記レジューム再生手段は、前記ラストコンテンツがビデオコンテンツの場合には、前記ビデオ用レジューム情報記憶手段によって記憶された前記所定のビデオ用レジューム情報としての前記ファイルと、前記携帯型コンテンツ再生装置から取得された他のビデオ用レジューム情報としての前記コンテンツの再生の停止の際における前記ファイルの再生時間とを用いて、前記ビデオコンテンツのレジューム再生を行うこと
を特徴とする請求項12に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項14】
前記オーディオ用レジューム情報は、前記コンテンツの再生の停止の際における前記オーディオコンテンツの再生位置に関する情報であること
を特徴とする請求項8乃至請求項14のいずれか1項に記載のコンテンツ再生システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−9688(P2010−9688A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168815(P2008−168815)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】