説明

コンテンツ再生装置

【課題】音楽ファイル及び画像ファイルが格納されたサーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、過去の再生履歴に基づいてサーバ装置との接続を復元して、再生を実行することが可能なコンテンツ再生装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ再生装置は、サーバ装置との接続部と、サーバ装置内の音楽ファイルを再生して音声出力する音声出力部(DLNA再生部26、スピーカ21等)と、サーバ装置内の画像ファイルを再生して表示する表示部(DLNA再生部26、表示部17等)と、履歴記憶部及び再生制御部(DLNA再生部26)とを備える。履歴記録部は、再生した音楽ファイルへのパス及び再生した画像ファイルへのパスを再生履歴として記録する。再生制御部は、サーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、再生履歴に基づき接続部を介した接続を復元して音声出力部及び表示部での再生を実行させる復元再生制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置に関し、より詳細には、ホームサーバ等のサーバ装置に接続して、サーバ装置内に格納された音楽ファイルや画像ファイルを再生することが可能なコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ装置で、ネットワーク上のメディアコンテンツを再生する場合、所望のメディアコンテンツを選択するために必要となる操作ステップ数が多く、ユーザに対し不便な操作を強いていた。
【0003】
例えば、テレビ装置でDLNA(Digital Living Network Alliance)プレーヤを利用する際に、ユーザが再生を所望するコンテンツが階層の深いフォルダの中に格納されている場合を想定する。その場合、ユーザはまず複数のサーバ装置から所望のサーバ装置を選択し、次に選択したサーバ装置のルートフォルダから、所望のコンテンツが存在するフォルダまで一階層ずつ辿る必要がある。喩えそのフォルダを以前に利用したことがあっても、再度、同じ手順を繰り返さなくてはならない。
【0004】
一方で、テレビ装置でテレビ放送を視聴する場合、一般的に直ぐに映像と音声が再生される。しかし、ネットワーク上のメディアコンテンツを扱う場合は、上述の通り、まずサーバを選択する画面が表示され、そこからサーバ選択し、次にフォルダを選択し、という手順の後、ようやくコンテンツが再生される。このように、テレビ画面で素早くネットワーク上のコンテンツを楽しみたいというユーザのニーズを満たすことができていない。
【0005】
特許文献1には、簡単な操作で、一番最後に再生された楽曲データが保存されているフォルダの楽曲データから再生を開始することが可能なデータ再生装置が開示されている。このデータ再生装置では、記録媒体上に階層状に作成された複数のフォルダに保存された楽曲データの内、一番最後に再生された楽曲データが保存されているフォルダを示すフォルダ情報を記憶しておき、その記録媒体が装着され再生ボタンが選択されたときに、そのフォルダ情報が示すフォルダに保存されている楽曲データから順番に再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−269915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術は、最後に再生したフォルダにある音楽を、次回起動時に再生することができるが、テレビ装置とサーバ装置とで構成されたシステムのように、サーバ装置内の映像ファイルの再生を音声ファイルの出力と組み合わせて行うことが求められる場合には、この技術を単純に適用できるものではない。
【0008】
また、次回起動時におけるコンテンツの再生方法について、あるユーザは前回再生した写真や音楽を直ぐに再生してほしいと考え、一方で別のユーザは前回再生した音楽や写真を再生まではしなくとも一覧を表示してほしいと考えることが想定できるが、特許文献1ではこのようなユーザの要求を満たすことができない。
【0009】
さらに、ネットワーク上のサーバ装置から写真や音楽を取得し再生する場合、サーバ装置がダウンしている場合や既に対象のファイルが削除や移動されている場合には、再生できないといった問題もある。
【0010】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、音楽ファイル及び画像ファイルが格納されたサーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、過去の再生履歴に基づいてサーバ装置との接続を復元して、再生を実行することが可能なコンテンツ再生装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、音楽ファイル及び画像ファイルが格納されたサーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、過去の再生履歴に基づいてサーバ装置との接続を復元して、再生を実行することが可能であって、且つ、サーバ装置がダウンしている場合や既に再生対象のファイルが削除又は移動されている場合であっても、常に適当な音楽ファイル及び画像ファイルを再生することが可能なコンテンツ再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、音楽ファイル及び画像ファイルが格納されたサーバ装置にネットワークを介して接続する接続部と、前記音楽ファイルを再生して音声出力する音声出力部と、前記画像ファイルを再生して表示する表示部とを備えたコンテンツ再生装置であって、前記音声出力部で再生した音楽ファイルへのパス及び前記表示部で再生した画像ファイルへのパスを再生履歴として記録する履歴記録部と、前記サーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに復元再生制御を行う再生制御部とをさらに備え、前記復元再生制御は、前記再生履歴に基づき前記接続部を介した接続を復元して、前記音声出力部及び前記表示部での再生を実行させることを特徴としたものである。
【0013】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記復元再生制御を実行する自動画像再生モードをオンするか否かを、ユーザ操作により設定するモード設定部を備えることを特徴としたものである。
【0014】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴としたものである。
【0015】
第4の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴としたものである。
【0016】
第5の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記復元再生制御として、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御とのうち、いずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えたことを特徴としたものである。
【0017】
第6の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴としたものである。
【0018】
第7の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴としたものである。
【0019】
第8の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記復元再生制御として、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御とのうち、いずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えたことを特徴としたものである。
【0020】
第9の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記再生制御部は、前記復元再生制御として、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第3の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第4の復元再生制御と、のうち複数の復元再生制御が実行可能となっており、前記コンテンツ再生装置は、前記複数の復元再生制御のうちいずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えたことを特徴としたものである。
【0021】
第10の技術手段は、第3〜第9のいずれかの技術手段において、前記再生制御部は、前記復元再生制御の際に、再生の対象となる音楽ファイル又は画像ファイルが見つからない場合、前回より前に再生した音楽ファイル又は画像ファイルに関するパスへの接続を復元することを特徴としたものである。
【0022】
第11の技術手段は、第3〜第10のいずれかの技術手段において、前記再生制御部は、前記復元再生制御の際に、再生の対象となる音楽ファイルが見つからない場合、前記コンテンツ再生装置に予め格納した音楽ファイルを再生させることを特徴としたものである。
【0023】
第12の技術手段は、第3〜第11のいずれかの技術手段において、前記再生制御部は、前記復元再生制御の際に、再生の対象となる画像ファイルが見つからない場合、前記コンテンツ再生装置に予め格納した画像ファイルを再生させることを特徴としたものである。
【0024】
第13の技術手段は、第1〜第12のいずれかの技術手段において、前記再生制御部は、前記サーバ装置に接続するためのユーザ操作の種類に応じて、復元方法を変えることを特徴としたものである。
【0025】
第14の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記再生制御部は、前記復元再生制御として、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第3の復元再生制御と、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第4の復元再生制御と、のうち複数の復元再生制御が実行可能となっており、前記再生制御部は、前記サーバ装置に接続するためのユーザ操作の種類に応じて、復元方法を変えることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るコンテンツ再生装置によれば、音楽ファイル及び画像ファイルが格納されたサーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、過去の再生履歴に基づいてサーバ装置との接続を復元して、再生を実行することが可能になる。
【0027】
また、本発明の他の形態に係るコンテンツ再生装置によれば、さらに、サーバ装置がダウンしている場合や既に再生対象のファイルが削除又は移動されている場合であっても、常に適当な音楽ファイル及び画像ファイルを再生することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るコンテンツ再生装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のコンテンツ再生装置(テレビ装置)におけるコンテンツ選択部の一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のコンテンツ再生装置(テレビ装置)における再生処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図4】図3の再生処理において再生履歴無し時に表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図5】図4のUI画像において「写真を見る」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図6】図5のUI画像において「server03」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図7】図6のUI画像において「PHOTO」をユーザが選択し、さらに下層のフォルダ「PHOTO01」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図8】図7のUI画像において「200705−スペイン」をユーザが選択したときに表示される写真を含むUI画像の一例を示す図である。
【図9】図8のUI画像において「メニュー表示」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図10】図4のUI画像において「音楽を聴く」をユーザが選択し、さらに下層のフォルダ「MUSIC01」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図11】図10のUI画像において「Would’nt it be nice」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図12】図1のコンテンツ再生装置(テレビ装置)において実行される再生処理のうち、図3におけるフォトフレームモード/レジュームモードでの処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図13】図12の処理においてフォトフレームモード時に表示されるUI画像の例を示す図である。
【図14】図12の処理においてレジュームモード時に表示されるUI画像の例を示す図である。
【図15】図14のUI画像において「写真を見る」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【図16】図1のテレビ装置において実行される再生処理のうち、フォトフレームモードでの他の処理例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、以下に説明するテレビ装置(テレビ受像機)に限らず、表示部及び音声出力部を備え且つ音楽ファイルと画像ファイルの再生が可能な機器であれば適用でき、例えばデジタルフォトプレーヤや携帯電話機にも適用することができる。また、本発明に係るコンテンツ再生装置がDLNAプレーヤ(つまり、DMP:Digital Media Player)であり、サーバ装置がDMS(Digital Media Server)であることを前提として説明するが、これに限ったものではない。
【0030】
また、画像ファイルとしては、写真ファイルを例に挙げて説明するが、他の静止画像であってもよく、MPEG(Moving Picture Experts Group)−2形式等の動画像のファイルであっても適用することは可能である。動画像のファイルの場合、後述のスライドショーとしては動画像ファイルの連続した再生を行えばよい。写真ファイルとしては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の圧縮データを前提とするが、他の形式のデータに対応させることもできる。また、音楽ファイルは、楽曲ファイル、音声ファイルなどとも言う。なお、音楽ファイルとしては、MP3形式の圧縮データ、WMA形式の圧縮データ、WAV形式の非圧縮データなど、どのようなファイル形式であってもよい。
【0031】
図1は、本発明に係るコンテンツ再生装置の一構成例を示すブロック図で、本発明に係るコンテンツ再生装置の一例として、デジタルチューナを備えたテレビ装置を適用した例を示すものである。また、図2は、図1のテレビ装置におけるコンテンツ選択部の一構成例を示すブロック図である。
【0032】
図1で例示するテレビ装置において、アンテナ10で受信したデジタル放送の受信信号は、チューナ11で選局され、復調部12で復調される。復調されたデジタル放送信号のうちの映像信号は映像デコーダ14でデコードされ、音声信号は音声デコーダ18にてデコードされる。
【0033】
映像デコーダ14でデコードされた映像信号は、画質補正部15にて画質補正が行われ、表示部17で表示される。ここで、画質補正部15では、デコードされ入力された映像信号に対して各種映像処理を施し、表示部17に表示するための映像信号を出力する。各種映像処理とは、入力された映像信号のフォーマットに応じて必要な映像処理、例えば色空間変換処理、IP(Interlace-Progressive)変換処理、スケーリング処理、FRC(Frame Rate Control)処理、γ補正処理、色補正処理、同期検出処理などを指す。
【0034】
表示部17は、例えば液晶パネルとバックライトとを備えたもので、画質補正部15から出力された映像信号に基づいて、映像表示を行う。バックライト制御部22は、マイコン27の指示に従って、表示部17のバックライトの明るさを制御する。マイコン27は、入力した映像信号のAPL(Average Picture Level)などの映像特徴量に応じてバックライトの明るさを変換させるような制御を行ってもよい。
【0035】
OSD(On Screen Display)制御部13は、マイコン27によるOSD信号の生成指示に基づいて、表示部17に表示させるOSD信号を生成する制御を行う。また、受信した放送チャンネルの放送信号に含まれるデータ信号のOSD情報に従ってOSD信号を生成する制御を行う。OSD信号により表示される情報としては、例えば、画面上で選択操作を行うためのカーソルや、各種設定用のメニュー、EPG(Electronic Program Guide)、CH(チャンネル)コール、さらには後述する各UI(User Interface)画像などがある。
【0036】
また、音声デコーダ18でデコードされた音声信号は、音質補正部19にて音質補正が施され、D/A変換部20でデジタル信号からアナログ信号へ変換され、スピーカ21によって音声出力される。
【0037】
通信制御部24及びDLNA処理部25は、音楽ファイル及び写真ファイルが格納されたサーバ装置にネットワークを介して接続する接続部の一例である。このサーバ装置は、写真ファイル等の画像ファイルと音楽ファイルとが、テレビ装置から読み出し可能に、例えば内蔵したHDD(Hard Disk Drive)などに格納できればよい。また、接続可能なサーバ装置は、当然、1台に限ったものではなく、複数台であってもよい。
【0038】
通信制御部24は、イーサネット(登録商標)に準拠しLAN(Local Area Network)上でデータを送受信するための制御を行うLANアダプタ等で構成される。以下、通信制御部24は、LAN端子をもつLANアダプタであることを前提として説明するが、IEEE802.11準拠の無線LANアダプタを採用してもよい。
【0039】
DLNA処理部25は、通信制御部24に通信を指示する通信指示部、通信制御部24でのデータ通信時にDLNAプロトコルを解析するプロトコル解析部、及び再生処理を行う再生処理部などで主に構成される。
【0040】
再生処理部は、マイコン27からの指示に基づきコンテンツ選択部26にコンテンツの選択を指示する。例えば、再生履歴の有無の問合せを行ってから、再生履歴有り場合にのみ選択を指示するようにしてもよい。通信指示部は、コンテンツ選択部26(実際には後述する接続復元部)からの通信要求によっても通信制御部24に通信を指示する。また、再生処理部は、コンテンツ選択部26で選択され通信制御部24で受信したサーバ装置上のコンテンツを、適宜解凍などしながら再生する。
【0041】
DLNA処理部25の再生処理部で再生された音楽ファイルのデータは、D/A変換部20に出力されてD/A変換が施され、スピーカ21から音声として出力される。このデータは、音質補正部19に出力されて音質補正が施された後、D/A変換部20に渡されてもよい。このように、DLNA処理部25、D/A変換部20、スピーカ21(及び音質補正部19)は、サーバ装置上の音楽ファイルを再生して音声出力する音声出力部の一例である。
【0042】
また、DLNA処理部25の再生処理部で再生された写真ファイルのデータは、表示部17に画像として表示される。このデータは、画質補正部15に出力されて画質補正が施された後、表示部17に出力されてもよい。このように、DLNA処理部25、表示部17(及び画質補正部15)は、サーバ装置上の写真ファイルを再生して表示する表示部の一例である。
【0043】
コンテンツ選択部26は、図2に示すように接続復元部31、履歴管理部32、及び履歴データベース(履歴DB)33を有している。履歴管理部32は、DLNA処理部25で再生処理されたサーバ装置上のコンテンツについての再生履歴を、履歴DB33に記録すると共に、その再生履歴のレコードを管理する。再生履歴としては、例えば、再生処理されたコンテンツへのパス(音楽ファイルへのパス、写真ファイルへのパス)を記録しておけばよく、以下の例ではこのような記録を前提に説明するが、再生処理されたコンテンツのフォルダへのパスまでのみ記録しておいてもよい。コンテンツへのパスには、当然、そのコンテンツが格納されているサーバ装置やフォルダへのパスも含まれることになる。このように、履歴管理部32及び履歴DB33は、音声出力部で再生した音楽ファイルへのパス及び表示部で再生した写真ファイルへのパスを再生履歴として記録する履歴記録部の一例である。
【0044】
接続復元部31は、DLNA処理部25からの指示により、履歴管理部32に再生履歴を読み出すよう指示する。履歴管理部32は、接続復元部31からの指示によりその再生履歴を読み出して接続復元部31に渡す。
【0045】
接続復元部31は、再生履歴読み出しの指示に対する応答として受け取った再生履歴に基づき、再生の対象となるコンテンツを選択し、そのコンテンツへの接続を復元するよう、そのコンテンツへのパスを伴う通信要求をDLNA処理部25に伝える。このように、接続復元部31は、DLNA処理部25からの指示時(後述するようにDLNA機能の起動時)に、再生履歴に応じてサーバ装置への接続を復元する。なお、再生履歴と再生の対象となるコンテンツとの関係については、様々な例を挙げて後述する。DLNA処理部25の通信指示部がそのパスに接続するよう通信制御部24を制御することで、コンテンツの選択が可能になり、DLNA処理部25の再生処理部が再生を実行できる。
【0046】
なお、コンテンツ選択部26は、起動状態検知部34及びユーザ適応部35を有している。以下、まず起動状態検知部34及びユーザ適応部35を設けない例を説明し、その後、設けた例について説明する。
【0047】
DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26は、主に、コンテンツの再生や選択等を実行するためのプログラムを記録したROM(Read Only Memory)、そのプログラムの実行の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、並びに、履歴DBやユーザ設定の格納領域などとなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の書き換え可能なメモリで構成できる。
【0048】
マイコン27は、DLNA処理部25をはじめとするテレビ装置の各部を制御する主制御部の一例である。ROM29には、このテレビ装置の動作を制御するプログラムや各種データが保持され、マイコン27がこれらプログラムやデータを用いて制御を行う。RAM28は、データの一時保存に使用され、またプログラム実行時の作業領域として使用される。
【0049】
R/C受信部23は、図示しないリモコンから送信される制御コード信号を受信し、マイコン27に送出する。マイコン27は、R/C受信部23から送られた制御コード信号に従って所定の制御を行うことになる。リモコン及びR/C受信部23は、ユーザ操作を受け付けるユーザ操作部に該当する。このユーザ操作部は、テレビ装置本体側にボタン(キー)群を設けた本体操作部として具備してもよい。以下、ユーザ操作はリモコンによりなされることを前提に説明するが、本体操作部でなされてもよい。
【0050】
また、図1のテレビ装置は、外部機器からの入力を可能とするための複数の外部入力端子が備えられ、外部入力端子群及びチューナ11(TV入力)の中からいずれを入力とするかを切り替える操作が、リモコンにより可能となっている。外部入力端子としては、通信制御部24に設けられたLAN端子の他に、USB(Universal Serial Bus)入力端子、D端子、S端子、ビデオ端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子などが挙げられる。
【0051】
DLNA処理部25は、上述のようにマイコン27からの指示に基づきコンテンツ選択部26にコンテンツの選択を指示するが、そのマイコン27からの指示とは、リモコンにより入力がLAN端子に切り替える操作がなされたときや、前回DLNA処理部25で再生が行われていたときや再生が終了したときに電源がオフされ、再度オンされたときなど、サーバ装置に接続するためのユーザ操作(この例ではDLNA機能を使用するためのユーザ操作)が入力されたときになされる。
【0052】
上述したように、DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26は、サーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、次の復元再生制御を行う再生制御部の一例である。この復元再生制御は、履歴DB33に記録された再生履歴に基づき通信制御部24を介した接続を復元して、音声出力部及び表示部での再生を実行させる。ここで再生対象となるのは、再生履歴に基づく音楽ファイル及び写真ファイルとなる。
【0053】
このようなテレビ装置によれば、音楽ファイル及び写真ファイルが格納されたサーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに、過去の再生履歴に基づいてサーバ装置との接続を復元して、再生を実行することが可能になる。
【0054】
つまり、本発明のテレビ装置は、自動的に上記復元再生制御を実行して写真等の画像及び音楽を再生する自動画像再生機能を備える。この例では、DLNA機能の1つとして自動画像再生機能をテレビ装置に付加している。この機能を使うと、テレビを起動しDLNAを選択した際、前回利用したサーバへの接続を復元し、即座に例えばBGM付きスライドショーを開始するといった処理も実行できる。
【0055】
従来の実装では、DLNA機能を起動すると常にサーバ装置の選択や再生対象のファイルの選択の画面から開始したが、自動画像再生機能により、DLNA機能の起動時に直ぐに写真と音楽が再生できる、よりテレビ装置らしい機能をユーザに提供することができる。つまり、テレビ装置でネットワーク上のメディアコンテンツを再生する場合にも、テレビ放送を視聴場合と同様に、直ぐに写真と音楽のファイルが再生されることになる。この効果は、直ぐ映像を楽しめる新たなチャンネルが追加される効果と同等であり、ユーザの楽しみ方の幅が広がる。さらに、テレビ装置でネットワーク上のメディアコンテンツを選択する際に、ユーザが行うべき操作ステップが大幅に減少され、利便性が向上する。複雑な操作に慣れていないユーザでも容易にDLNA機能を利用することができ、その利用頻度を向上させることもできる。また、映像と音声が別々のサーバ装置から提供され、それらを組み合わせて再生するという利用パターンにも対応することができる。
【0056】
以下、再生履歴と再生対象となるコンテンツとの関係の例も含め、本発明のテレビ装置における処理の具体例を、再生履歴が無しの状態から説明する。なお、上述した音声出力部での再生、表示部での再生は、上述したようにDLNA処理部25での再生処理を含むが、説明の簡略化のため、以下の例ではそれぞれスピーカ21での再生、表示部17での再生として説明する。
【0057】
図3は、図1のテレビ装置における再生処理の一例を説明するためのフロー図、図4は、図3の再生処理において再生履歴無し時に表示されるUI画像の一例を示す図である。また、図5は、図4のUI画像において「写真を見る」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図、図6は、図5のUI画像において「server03」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【0058】
また、図7は、図6のUI画像において「PHOTO」をユーザが選択し、さらに下層のフォルダ「PHOTO01」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図、図8は、図7のUI画像において「200705−スペイン」をユーザが選択したときに表示される写真を含むUI画像の一例を示す図、図9は、図8のUI画像において「メニュー表示」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【0059】
図3の流れに沿って処理例を説明する。マイコン27からの指示によりDLNA機能を起動する際、まずDLNA処理部25がコンテンツ選択部26にコンテンツの再生履歴の有無を確認させ、コンテンツ選択部26が履歴DB33の再生履歴を読み出す(ステップS1)。コンテンツ選択部26はその読み出した結果から再生履歴の有無を判定し(ステップS2)、再生履歴が存在した場合(ステップS2でYESの場合)には、後述するフォトフレームモード又はレジュームモードでの処理を実行する(ステップS15)。
【0060】
初回起動時、つまり前回アクセスしたサーバ装置が無い場合、又はサーバ装置へのアクセスは行ったが再生を行っていない場合には、再生履歴が存在しない。このような場合、ステップS2でNOと判定される。このとき、コンテンツ選択部26は、初期画面として、UI画像40のような、接続先やフォルダが未選択となったUI画像を表示部17に表示させる(ステップS3)。UI画像40には、「写真を見る」の画像40a、「音楽を聴く」の画像40bがユーザ選択可能に表示されている。
【0061】
コンテンツ選択部26は、このうちいずれかがユーザ選択されたか否かによって、再生指示があったか否かを判定する(ステップS4)。なお、ここでのユーザ選択や後述するユーザ選択は、いずれもマイコン27からの入力により判別できる。そして、再生指示があった時点で、図5のUI画像41のような、サーバ装置の選択のためのUI画像を表示部17に表示させる(ステップS5)。UI画像41では、DLNA処理部25での接続テストにより検出された、DLNA−testserver01、server03、wmp−servの3つのサーバ装置を示す画像41a,41b,41cが、ユーザ選択可能に表示されている。
【0062】
続いて、コンテンツ選択部26は、UI画像41において画像41a,41b,41cのいずれかが選択されたときに、選択された画像(例えば画像41bが選択されたとして説明する)のサーバ装置(server03)のルートフォルダ内のコンテンツ(フォルダも含む)のリストを表示部17に表示させる(ステップS6)。この例では、図6のUI画像42のように、ルートフォルダの直下に、PHOTO、MUSIC、VIDEOといったフォルダを示す画像42a,42b,42cが、ユーザ選択可能に表示されている。この例では、UI画像40において、「写真を見る」の画像40aが選択された場合を説明している。
【0063】
コンテンツ選択部26は、いずれかのフォルダがユーザによって選択されたのか否かを判定し(ステップS7)、YESの場合にはユーザ選択されたフォルダ内のコンテンツ(及び下層フォルダ)のリストのUI画像を表示部17に表示させる(ステップS8)。なお、ステップS6,S8において、この例では、最初に「写真を見る」を選択しているため、基本的には写真ファイルとフォルダ(好ましくは写真ファイルを1つでも含むフォルダのみ)とのリストを表示しておくだけでよい。
【0064】
ステップS7でNOの場合、及びステップS8の処理後、コンテンツ選択部26は、いずれかのファイルがユーザによって選択されたのか否かを判定し(ステップS9)、NOの場合にはステップS7へ戻る。ここで、図6のUI画像42において、画像42aが選択され、さらにそのフォルダ「PHOTO」内のコンテンツ及びフォルダのリストが表示された後、フォルダの1つである「PHOTO01」が選択されたものと想定して説明する。このような選択がなされた場合、コンテンツ選択部26は、図7のUI画像43のようなUI画像を表示部17に表示させる。UI画像43には、フォルダ「2004」の画像43a、フォルダ「200705−スペイン」の画像43b、写真ファイル「IMGP0942.JPG」の画像43cなどが、ユーザ選択可能に表示されている。さらに、図7のUI画像43において、フォルダ「200705−スペイン」の画像43bが選択されている場合には、その隣りにそのサムネイル(例えば最初の写真ファイルのサムネイル)43dが表示される。
【0065】
一方、ステップS9でYESの場合には、その選択されたファイルを選択して、DLNA処理部25に伝えて、図8のUI画像44のように、その写真ファイルを表示部17で再生させる(ステップS10)。図7の表示状態において、決定ボタンの押下などにより画像43bの選択が確定した場合に自動的にその最初の写真ファイルが選択された場合、或いは像43bの選択が確定しさらに次のUI画像でその最初の写真ファイルが選択された場合、最初の写真ファイルから一定間隔で次の写真ファイルを表示するスライドショーが表示部17に表示され、例えば図8のUI画像44のようになる。
【0066】
このように、ユーザは、最初、ルートからフォルダを辿っていき、より階層の深いフォルダへと移行して再生させたいコンテンツを探し、再生させることができる。
【0067】
ステップS10のファイル再生の処理後、コンテンツ選択部26の履歴管理部32は、履歴DBに最後に再生されたファイル(この例では写真ファイル)のパスを記録し、スライドショーの進行に応じてその記録を更新していく(ステップS11)。これにより、履歴DB33には、ユーザが再生終了操作(後述のステップS14)を行ったときの写真ファイルのパスが、1つの再生履歴として格納できる。このように、再生履歴としては、1回のDLNA機能の起動後に終了させるまでのパスのうち、最後のパスのみを記録しておけばよい。1回のDLNA機能の終了毎に1つの再生履歴が記録できるが、復元再生制御の方法によっては、DLNA機能終了毎の再生履歴を記録する必要がない場合もあり、極端な例では最後にDLNA機能を終了したときの再生履歴1つのみ残しておけば済む。
【0068】
ステップS11に続き、コンテンツ選択部26は、フォトフレームモードがユーザによって選択されたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、「フォトフレームモード」とは、自動画像再生機能がオンとなったモード、つまり自動画像再生モードを指すものとする。
【0069】
そのため、例えば図8のUI画像44において「メニュー表示」をユーザが選択可能に表示しておき、それをユーザが選択すると、図9のUI画像45のような、メニュー画像46をユーザ操作により表示するようにしておけばよい。なお、ここではメニュー画像46の表示によりスライドショーが一時停止している例を挙げているが、一時停止しなくてもよい。
【0070】
メニュー画像46には、フォトフレームモードをオンにするかオフにするかの設定を行う選択領域46gの他に、この写真の印刷をテレビ装置に接続された印刷機器で実行するための選択領域46a、写真一覧(写真ファイルのリスト)を表示させるための選択領域46b、フル画面表示やワイド画面表示やノーマル画面表示等の間で表示モードの切換を行うための選択領域46c、再度現在の写真ファイルをリピートするか否かを設定するための選択領域46d、スライドショーの間隔を設定するための選択領域46e、BGMの再生を行うか否かを設定するための選択領域46e、接続機器(接続先のサーバ装置)を変更する設定を行うための選択領域46h、初期画面へ戻るための選択領域46iが、ユーザ選択可能に表示されている。なお、初期画面とは、図4のUI画像40を指すが、再生履歴が生じた場合には図14で後述するような接続先が指定されたUI画像となる。
【0071】
ステップS12でYESの場合には、コンテンツ選択部26は、フォトフレームモードをオンに設定し、その情報を履歴DB33での再生履歴の格納先と同じEEPROM等のメモリに記録しておく(ステップS13)。ステップS13の処理後、及びステップS12でNOの場合、コンテンツ選択部26は、再生を終了するユーザ操作があったか否かを判定し(ステップS14)、NOの場合にはステップS10へ戻りファイルの再生を継続し、YESの場合には処理を終了する。
【0072】
このように、テレビ装置は、サーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときにフォトフレームモード(上記復元再生制御を実行するモード)をオンするか否かを、ユーザ操作により設定するモード設定部を備えることが好ましい。このようなモード設定部を備えることで、ユーザが望む再生が可能となる。
【0073】
そして、図12等に基づき後述するように、DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26は、フォトフレームモード時のみ、サーバ装置に接続するためのユーザ操作(DLNA機能を使用するためのユーザ操作)が入力されたときに、復元再生制御を実行する。
【0074】
写真ファイルの再生例を挙げたが、音楽ファイルの場合も同様である。図10は、図4のUI画像において「音楽を聴く」をユーザが選択し、さらに下層のフォルダ「MUSIC01」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。また、図11は、図10のUI画像において「Would’nt it be nice」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【0075】
図4のUI画像40において、「音楽を聴く」の画像40bを選択すれば、サーバ選択画面、音楽ファイル選択画面(図10のUI画像47で例示)、音楽再生画面(図11のUI画像48で例示)などの表示部17での表示を、ユーザ操作により切替ながら、最終的に選択された音楽ファイルをスピーカ21で再生させることができる。その音楽ファイルの再生が終了したときには、次の音楽ファイルの再生を開始させるなどすればよい。UI画像47ではフォルダ「AQUOS」の画像47aや音楽ファイル「Would’nt it be nice」の画像47bなどの中から、画像47bが選択・決定され、表示領域47cに、図11のUI画像48における表示領域48cで示すように再生中の音楽に関する情報が表示された例を挙げている。なお、図11において、画像48a,48bはそれぞれ図10の画像47a,47bと同じである。
【0076】
このようにして再生された音楽ファイルについても写真ファイルと同様に、ステップS11の処理によりパスが再生履歴として履歴DB33に記録される。
【0077】
次に、図3のステップS15の処理に相当するフォトフレームモード/レジュームモードでの処理について、図12に沿って説明する。図12は、図1のテレビ装置において実行される再生処理のうち、図3におけるフォトフレームモード/レジュームモードでの処理の一例を説明するためのフロー図である。また、図13は、図12の処理においてフォトフレームモード時に表示されるUI画像の例を示す図、図14は、図12の処理においてレジュームモード時に表示されるUI画像の例を示す図、図15は、図14のUI画像において「写真を見る」をユーザが選択したときに表示されるUI画像の一例を示す図である。
【0078】
コンテンツ選択部26は、通信制御部24での通信により、再生履歴のパスが示すサーバ装置(つまり再生履歴の写真ファイルが格納されたサーバ装置)に接続可能であるか否かを判定し(ステップS21)、NOであれば、図3のステップS3〜S14で説明したような初期画面の表示などによる初期モードでの処理を実行する(ステップS27)。
【0079】
ステップS21でYESの場合、コンテンツ選択部26は、再生履歴のパスが示すフォルダ(つまり再生履歴の写真ファイルが格納されたフォルダ)が存在し、且つそのフォルダ内にその写真ファイルが存在するか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22でNOの場合にはステップS27へ進む。
【0080】
ステップS22でYESの場合、フォトフレームモードがオンの設定になっているか否かを判定する(ステップS23)。なお、特に説明しないが、図12の処理においても、フォトフレームモードの設定が可能にしておけばよい。
【0081】
ステップS23でNOの場合、コンテンツ選択部26は、レジュームモードに移行し、図14のUI画像55のような選択画像を表示部17に表示させる(ステップS24)。UI画像55には、「写真を見る」の画像55a、「音楽を聴く」の画像55bがユーザ選択可能に表示されており、図4のUI画像40とは異なり各画像55a,55bには履歴DB33に記録された写真ファイル、音楽ファイルへのパスの情報が表示されている。ここでは、接続先とフォルダ名とだけが表示されているが、ファイル自体も表示させてもよい。なお、写真ファイル、音楽ファイルのうち、いずれかの再生履歴が無ければ、再生履歴の無い方には接続先やフォルダが未選択として表示しておけばよい。このように、パスの情報が表示されているだけでも、再生履歴に基づく処理を行っていることをユーザに知らせることができるが、レジュームモードであることをUI画像に明示してもよい。
【0082】
コンテンツ選択部26は、このうちいずれかがユーザ選択されたか否かによって、再生指示があったか否かを判定する(ステップS25)。そして、再生指示があった時点で、図15のUI画像56のような、その接続先及びフォルダ内にあるファイルのリストを含むUI画像を表示部17に表示させる。UI画像56では、UI画像55において画像55aが選択され、そのフォルダ「200705−スペイン」内の写真ファイルの画像(選択するための画像)56aなどが表示されており、画像56aを選択することでそのサムネイル56bも表示されている。この選択後、決定ボタン等の操作により、この写真ファイルのみの表示を行わせる(ステップS26)か、或いは、この写真ファイルからのスライドショーを再生する。
【0083】
若しくは、ステップS25でYESとなった時点でこの写真ファイルのみの表示又はこの写真ファイルからのスライドショーの表示を行ってもよい。ここで、どのような処理を実行するかはユーザ設定可能としておけばよい。
【0084】
ステップS26の処理後、コンテンツ選択部26は、再生を終了するユーザ操作があったか否かを判定し(ステップS34)、NOの場合には処理を継続し、YESとなるのを待って、処理を終了する。
【0085】
一方、ステップS23でYESの場合、コンテンツ選択部26は、フォトフレームモードに移行し、そのフォルダ内の最初の写真ファイル又はパスに記されている写真ファイルから、スライドショーの表示を開始する(ステップS28)。
【0086】
より詳細に説明すると、図13のUI画像50のように機器に接続中であることを示す画像50aを表示し、その中に「終了」ボタンを押すと初期画面(図14のUI画像55と同じ、写真/音楽の選択画像54a,54bを含むUI画像54)を表示する旨を示す文章50bを表示しておく。また、画像50aのように、フォトフレームモードであることを明示することが好ましい。写真ファイルの取得に時間がかかる場合には、UI画像51のように写真が取得中であることを示す文章51aを含むUI画像を表示しておけばよい。UI画像51には、中止する場合に「戻る」ボタンを押せばよいことを示す文章51bも表示しておくとよい。「戻る」ボタンが操作されるとUI画像52に示すように、フォルダやファイルを選択するための画像52aとそのサムネイル52bとを含むUI画像を表示させるとよい。一方、写真ファイルの取得までに「戻る」ボタンが操作されなければ、スライドショーをUI画像53のように開始すればよい。
【0087】
そして、スライドショーの開始後、コンテンツ選択部26は、BGMの設定がオンになっているか否かを判定し(ステップS29)、NOであればステップS34へ進む。YESであれば、コンテンツ選択部26は、再生履歴の音楽ファイルのサーバ装置に接続可能であるか否かを判定し(ステップS30)、YESであれば再生履歴のフォルダが存在し且つそのフォルダ内に音楽ファイルがあるか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31でYESの場合、そのフォルダ内の最初の音楽ファイルから、或いは再生履歴としてパスが記された音楽ファイルから、再生を実行してスピーカ21からBGMとして出力する(ステップS32)。一方、ステップS30でNOの場合、及びステップS31でNOの場合には、再生履歴の格納先と同じメモリ又はROM29などに予め格納した内蔵の音楽ファイル又は音楽ファイル群をBGMとして再生してスピーカ21から出力する(ステップS33)。ステップS32,S33の処理後は、ステップS34へ移行する。
【0088】
なお、ステップS29〜S33の処理は勿論、スライドショーの開始(ステップS28)の直前に実行しておいてもよく、その場合、ステップS29でNOの場合にはステップS28へ即移行させておけばよい。
【0089】
このように、フォトフレームモードでは、DLNA機能の起動さえすれば、ユーザ操作なしでネットワークコンテンツを楽しむことができる。
【0090】
ステップS28,S33で説明したように、DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26が実行する復元再生制御は、再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルをスピーカ21で再生させると共に、前回最後に再生した写真ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の写真ファイルを表示部17で再生させるようにしてもよい。この復元再生制御を、以下、第1復元再生制御と呼ぶ。
【0091】
また、この第1復元再生制御では、履歴管理部32は、スピーカ21で再生した音楽ファイルへのパスの代わりにその音楽ファイルの格納フォルダへのパスを記録しておくだけでもよく、同様に表示部17で再生した写真ファイルへのパスの代わりにその写真ファイルの格納フォルダへのパスを記録しておくだけでもよい。
【0092】
さらに、第1復元再生制御では、音楽ファイルの格納フォルダと写真ファイルの格納フォルダとが同じにしておいた場合、つまり予め同時に再生する音楽ファイルと写真ファイルとを同じフォルダに格納しておくルールを決めておけば、再生履歴は1回の再生につき1つのフォルダへのパスだけで済むだけではなく、音楽ファイルのみの再生履歴が存在した場合でも或いは写真ファイルのみの再生履歴が存在した場合でも、同時再生が可能となる。
【0093】
一方で、同じくステップS28,S33で説明したように、DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26が実行する復元再生制御は、再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、その音楽ファイルをスピーカ21で再生させると共に、前回最後に再生した写真ファイルを示すパスへの接続を復元して、その写真ファイルを表示部17で再生させるようにしてもよい。この復元再生制御を、以下、第2復元再生制御と呼ぶ。
【0094】
また、復元再生制御として、第1復元再生制御、第2復元再生制御のうち、いずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えるようにしてもよく、この設定内容も再生履歴の格納先と同じメモリなどに記録しておけばよい。
【0095】
また、復元再生制御は、再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダ(次の再生順のフォルダ)を示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルをスピーカ21で再生させると共に、前回最後に再生した写真ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダ(次の再生順のフォルダ)を示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の写真ファイルを表示部17で再生させるようにしてもよい。この復元再生制御を、以下、第3復元再生制御と呼ぶ。
【0096】
なお、この第3復元再生制御においても、第1復元再生制御と同様に、履歴管理部32は、再生した音楽ファイルの格納フォルダや写真ファイルの格納フォルダへのパスを記録しておくだけでもよく、さらに、音楽ファイルの格納フォルダと写真ファイルの格納フォルダとが同じにしておいた場合には、再生履歴は1回の再生につき1つのフォルダへのパスだけで済むだけではなく、音楽ファイルのみの再生履歴が存在した場合でも或いは写真ファイルのみの再生履歴が存在した場合でも、同時再生が可能となる。
【0097】
また、復元再生制御は、再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイル(次の再生順の音楽ファイル)を示すパスへの接続を復元して、その音楽ファイルをスピーカ21で再生させると共に、前回最後に再生した写真ファイルの次の写真ファイル(次の再生順の写真ファイル)を示すパスへの接続を復元して、その写真ファイルを表示部17で再生させるようにしてもよい。この復元再生制御を、以下、第4復元再生制御と呼ぶ。
【0098】
上述した第3復元再生制御に関し、次の再生順のフォルダのパスを得るためには、再生履歴としてテレビ装置の履歴DB33に記録したパス(パスがファイル自体を表す場合にはその手前までのパス)と共に、次のフォルダ(次のフォルダがなければ上位フォルダか次のファイル)を指定する指示をサーバ装置に対して行うだけで、サーバ装置のファイルシステムで選択することができる。また、接続したサーバ装置のディレクトリ構造を取得して、その情報を元に次のフォルダを指定して選択するようにしておいてもよい。
【0099】
上述した第4復元再生制御に関し、次の再生順のファイルのパスを得る場合にも、同様に、再生履歴としてテレビ装置の履歴DB33に記録したパスと共に、次のファイル(次のファイルがなければ次のフォルダか上位フォルダ)を指定する指示をサーバ装置に対して行うだけで、サーバ装置のファイルシステムで選択することができる。また、接続したサーバ装置のディレクトリ構造を取得して、その情報を元に次のファイルを指定して選択するようにしておいてもよい。なお、第3、第4の復元再生制御に関して説明したこれらのパス取得方法は、階層を辿って目的のファイルをユーザが探すときにも利用される。
【0100】
さらに、復元再生制御として、復元方法設定部が、第3復元再生制御、第4復元再生制御のうちいずれを実行するかを、ユーザ操作により設定するようにしてもよい。また、復元方法設定部は、第1〜第4の復元再生制御のうちいずれを実行するかを、ユーザ操作により設定するようにしてもよい。また、再生制御部が、第1〜第4の復元再生制御のうちいずれか複数のみ実行可能としておき、実行可能な復元再生制御のうちいずれを実行するかを、ユーザ操作により設定するようにしてもよい。
【0101】
また、図12の処理では図示していないが、コンテンツ選択部26は、復元再生制御の際に、再生の対象となる音楽ファイル又は写真ファイルが見つからない場合、前回より前に再生した音楽ファイル又は写真ファイルに関するパスへの接続を復元し、再生させることが好ましい。なお、ここで復元され再生されるファイルは、例えば第1〜第4の復元再生制御のいずれが実行されるかにより異なることになる。このような処理により、前回再生した音楽ファイルに関するパスがなければ、前々回再生したファイルに関するパスを探し、さらに見つからなければ前々回の前回再生したファイルに関するパスを探すことになる。このように、再生ができるまで、過去に履歴を遡った状態で復元することができる。
【0102】
また、このような複数回の再生履歴はレジュームモードにおいても利用できる。レジュームモードにおいて、履歴DB33の再生履歴に基づき、履歴順に、リモコンの上下選局ボタンで履歴を選択可能なように構成し、選択後決定した再生履歴に対応するファイルのパス又はそのファイルが格納されたフォルダのパスで、ファイルの再生を行えるようにしてもよい。これにより、テレビ放送のチャンネルを変えるように、これまでに再生したファイルやフォルダを切り替えて、例えば下選局ボタンによりより過去の再生履歴に対応するものに切り替えて、写真と音楽を楽しむことができる。
【0103】
さらにステップS33で説明したように、コンテンツ選択部26は、復元再生制御の際に、再生の対象となる音楽ファイルが見つからない場合、テレビ装置内の例えばROM29等に予め格納した音楽ファイルを再生させることが好ましい。同様に、コンテンツ選択部26は、復元再生制御の際に、再生の対象となる写真ファイルが見つからない場合、テレビ装置内に予め格納した写真ファイルを再生させることが好ましい。これらの内蔵音楽ファイルの再生と内蔵写真ファイルの再生とは併用できる。また、所定回数のパス検索によりファイルに関するパスが見つからなければ(例えば2回であれば、前々回再生したファイルに関するパスが見つからなければ)、内蔵ファイルの再生を行うようにしてもよい。
【0104】
このような内蔵ファイル再生の処理により、サーバ装置がダウンしている場合や既に再生対象のファイルが削除又は移動されている場合であっても、ネットワークの状態に係わらず、常に適当な音楽ファイル及び写真ファイルを再生してユーザに必ず提供することが可能になる。
【0105】
次に、図2の起動状態検知部34を備えたコンテンツ選択部26におけるフォトフレームモードでの処理例について、図16を参照しながら説明する。図16は、図1のテレビ装置において実行される再生処理のうち、フォトフレームモードでの他の処理例を説明するためのフロー図である。
【0106】
DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26で例示した再生制御部は、サーバ装置に接続するためのユーザ操作(この例ではDLNA機能を使用するためのユーザ操作)の種類に応じて、復元方法を変えるようにすることが好ましい。ここでいうユーザ操作の種類は、DLNA機能がオンとなった状態で電源オフされた後に電源がオンになった状態か、リモコンにより入力がLAN端子(つまりDLNA機能を使ったサーバ装置)に切り替えられた状態であるか、などのDLNA機能の起動状態と密接に関連している。
【0107】
従って、コンテンツ選択部26は、DLNA処理部25経由で受けるマイコン27からの指示内容、つまりDLNA機能を使用するためのユーザ操作により、DLNA機能の起動状態を把握することができる。起動状態検知部34は、このようなマイコン27からの指示内容に基づき、DLNA機能の起動状態を検知する。
【0108】
ここで説明する処理例では、まずこのようにして、起動状態検知部34が検知した起動状態(電源オンによりDLNA機能が起動したか、入力切替によりDLNA機能が起動したかなど)を検知する(ステップS41)。ここでは、起動状態が電源オンか入力切替かのいずれかで分ける例を挙げる。起動状態検知部34は、電源オンによるDLNA機能の起動を検知したか否かを判定する(ステップS42)
【0109】
ステップS42でYESの場合には、コンテンツ選択部26にその検知情報を渡して、コンテンツ選択部26が、再生履歴の写真ファイルのサーバ装置に接続可能で、且つ再生履歴のフォルダが存在し、且つそのフォルダ内に写真ファイルがあるか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43でYESの場合には、コンテンツ選択部26がパスに記された写真ファイル又はそのフォルダ内の先頭の写真ファイルを選択して、DLNA処理部25がその写真ファイルから表示部17でのスライドショーを開始する(ステップS44)。ステップS44の処理後、再生終了操作があったか否かを判定し(ステップS45)、YESになった時点で処理を終了する。また、ステップS43でNOの場合には、初期モードでの処理を行って、例えば図14のUI画像55を表示するなどすればよい(ステップS46)。
【0110】
ここでは、起動状態が電源オンの場合には、電源オフから電源オンまでの期間に、電源オフ前に見ていた写真ファイルを忘れていることもあることを想定して、第2復元再生制御又は第1復元再生制御を採用した例を挙げている。
【0111】
一方、ステップS42でNOの場合には、コンテンツ選択部26にその検知情報を渡して、コンテンツ選択部26が、再生履歴の写真ファイルのサーバ装置に接続可能で、且つ再生履歴のフォルダの次の再生順のフォルダが存在し、且つ次の再生順のフォルダ内に写真ファイルがあるか否かを判定する(ステップS47)。ステップS47でNOの場合には、ステップS46へ移行する。ステップS47でYESの場合には、コンテンツ選択部26がパスに記された写真ファイルのフォルダの次のフォルダ内の先頭の写真ファイルを選択して、DLNA処理部25がその写真ファイルから表示部17でのスライドショーを開始する(ステップS48)。
【0112】
ここでは、起動状態が電源オンでなく入力切替であり、DLNA機能から他の映像入力に切り替え、再度、DLNA機能での映像入力に戻すまでの期間は一般的に電源のオフ・オンの期間より短く、入力切替前に見ていた写真ファイルを忘れていることはないことを想定して、第3復元再生制御を採用した例を挙げている。
【0113】
このように、DLNA機能の起動状態に応じて、接続復元の方法を変えることで、ユーザのそのときの視聴に合った写真ファイルの再生が可能になる。また、音楽ファイルについては述べていないが、音楽ファイルについても同様の再生が可能であり、起動状態に応じてどのような復元方法を採用するかは、音楽ファイルと写真ファイルとで異ならせることもできる。
【0114】
また、起動状態とそれに対応する復元再生制御の方法との関係はこの例に限ったものではない。例えば、DLNA処理部25及びコンテンツ選択部26が、復元再生制御として、第1復元再生制御、第2復元再生制御、第3復元再生制御、第4復元再生制御のうち、複数(2〜4つのいずれか)の復元再生制御が実行可能となっている場合、サーバ装置に接続するためのユーザ操作の種類に応じて、様々な対応関係に従って復元方法を変えるようにすることができる。さらに、第1〜第4の復元再生制御に限らず、他の復元方法を採用することもできる。さらに、起動状態も、例えば現在時刻を参照して電源オフから電源オンとなってDLNA機能が再起動するまでの経過時間や、入力切替でDLNA機能が再起動するまでの経過時間などに基づいて、復元方法を変えるようにすることもできる。なお、現在時刻は、テレビ装置に、電源が切られていても現在時刻を刻み続けるRTC(Real Time Clock)を設けておくなどすればよい。
【0115】
次に、図2のユーザ適応部35を備えたコンテンツ選択部26におけるフォトフレームモードでの処理例について、簡単に説明する。ユーザ適応部35は、履歴DB33に蓄えられた再生履歴を元に、ユーザの利用パターンを判定(特定)し、履歴DB33に記録しておく。そして、接続復元部31からの指示により履歴管理部32がその利用パターンを読み出し、接続復元部31が、その利用パターンに合致するような復元再生制御を行う(復元方法を採用する)ようにすればよい。例えば、再生履歴としてアクセスの頻度をフォルダ毎やファイル毎に記録しておき、頻度が最も多いフォルダ内のファイルや頻度が元も多いファイルを、フォトフレームモードで直ぐに再生するようにしてもよい。
【0116】
以上、様々な処理例を挙げながら本発明のテレビ装置について説明したが、再生履歴の記録の方法としては、他の方法も採用できる。例えば、再生したファイルに拘わらず、最後にアクセスしてブラウズしたフォルダの履歴(閲覧履歴)を記録しておいてもよい。これにより、復元再生制御で前回終了時のブラウズ状態をそのまま再現することもできる。
【0117】
他の例として、ユーザが指定したフォルダを履歴(指定履歴)として記録するようにしてもよい。これにより、復元再生制御でユーザが最後に指定したフォルダ内のファイルを再生することもできる。特に、ユーザが指定しているフォルダであるため、ユーザが望んでいるコンテンツを提示することができる。
【0118】
また、以上の例では、再生履歴をどのようなサーバ装置であっても同様に記録したが、サーバ装置毎に分けて記録しておき、それを復元再生時に利用してもよい。また、写真ファイルを提供するサーバ装置と音楽ファイルを提供するサーバ装置とが違う場合、その組み合わせ毎に分けて、再生履歴を記録しておき、それを復元再生時に利用してもよい。
【符号の説明】
【0119】
10…アンテナ、11…チューナ、12…復調部、13…OSD制御部、14…映像デコーダ、15…画質補正部、20…D/A変換部、17…表示部、18…音声デコーダ、19…音質補正部、21…スピーカ、22…バックライト制御部、23…R/C受信部、24…通信制御部、25…DLNA処理部、26…コンテンツ選択部、27…マイコン、28…RAM、29…ROM、31…接続復元部、32…履歴管理部、33…履歴DB、34…起動状態検知部、35…ユーザ適応部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽ファイル及び画像ファイルが格納されたサーバ装置にネットワークを介して接続する接続部と、前記音楽ファイルを再生して音声出力する音声出力部と、前記画像ファイルを再生して表示する表示部とを備えたコンテンツ再生装置であって、
前記音声出力部で再生した音楽ファイルへのパス及び前記表示部で再生した画像ファイルへのパスを再生履歴として記録する履歴記録部と、前記サーバ装置に接続するためのユーザ操作が入力されたときに復元再生制御を行う再生制御部とをさらに備え、
前記復元再生制御は、前記再生履歴に基づき前記接続部を介した接続を復元して、前記音声出力部及び前記表示部での再生を実行させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御を実行する自動画像再生モードをオンするか否かを、ユーザ操作により設定するモード設定部を備えることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御として、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御とのうち、
いずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御は、前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、前記復元再生制御として、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御とのうち、
いずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、
前記再生制御部は、前記復元再生制御として、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第3の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第4の復元再生制御と、のうち複数の復元再生制御が実行可能となっており、
前記コンテンツ再生装置は、前記複数の復元再生制御のうちいずれを実行するかを、ユーザ操作により設定する復元方法設定部を備えたことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項10】
請求項3〜9のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置において、前記再生制御部は、前記復元再生制御の際に、再生の対象となる音楽ファイル又は画像ファイルが見つからない場合、前回より前に再生した音楽ファイル又は画像ファイルに関するパスへの接続を復元することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置において、前記再生制御部は、前記復元再生制御の際に、再生の対象となる音楽ファイルが見つからない場合、前記コンテンツ再生装置に予め格納した音楽ファイルを再生させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項12】
請求項3〜11のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置において、前記再生制御部は、前記復元再生制御の際に、再生の対象となる画像ファイルが見つからない場合、前記コンテンツ再生装置に予め格納した画像ファイルを再生させることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置において、前記再生制御部は、前記サーバ装置に接続するためのユーザ操作の種類に応じて、復元方法を変えることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項14】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、
前記再生制御部は、前記復元再生制御として、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第1の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第2の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルが格納されたフォルダの次のフォルダを示すパスへの接続を復元して、接続したフォルダ内の画像ファイルを前記表示部で再生させる第3の復元再生制御と、
前記再生履歴から、前回最後に再生した音楽ファイルの次の音楽ファイルを示すパスへの接続を復元して、該音楽ファイルを前記音声出力部で再生させると共に、前回最後に再生した画像ファイルの次の画像ファイルを示すパスへの接続を復元して、該画像ファイルを前記表示部で再生させる第4の復元再生制御と、のうち複数の復元再生制御が実行可能となっており、
前記再生制御部は、前記サーバ装置に接続するためのユーザ操作の種類に応じて、復元方法を変えることを特徴とするコンテンツ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−258778(P2010−258778A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106453(P2009−106453)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】