説明

コンテンツ推薦システム、コンテンツ推薦装置、推薦方式制御方法、及び推薦方式制御プログラム

【課題】 推薦によって得られる効果を把握し、期待する効果を得るためにどのような入力を与えればよいかがわかりやすくし、運用者の意図を容易にコンテンツ推薦システムに反映する。
【解決手段】 各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段101と、推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段106と、効果指標毎に、各推薦方式の重みパラメタと、効果指標値とを合成した値を、全体の効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段102と、効果指標毎に、各推薦方式の効果指標値と、全体の効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段103とを含むコンテンツ推薦システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド型コンテンツ推薦システム、およびその運用管理方法に関し、特に、推薦によって得られる効果(ユーザ満足、利益率、ロングテール効果、在庫削減など)の可視化と、期待する効果を得るための可制御性に優れ、運用者の意図を容易にコンテンツ推薦システムに反映できるコンテンツ推薦システム、コンテンツ推薦装置、コンテンツ推薦方法、コンテンツ推薦プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、膨大なコンテンツ(電子書籍、ニュース、動画、音楽など)の中から、利用者にとって興味のあるコンテンツを自動的に把握して、利用者に提示するコンテンツ推薦システムの重要性が高まっている。
【0003】
コンテンツ推薦システムは、多量のコンテンツの利用ログや購買ログから、利用者の嗜好を分析する嗜好分析アルゴリズム(以下、推薦方式)を内部に保持し、利用者にとって興味のあるコンテンツを自動的に把握する。推薦方式には協調フィルタリングベースやコンテンツベース、ベイジアンネットワークベースなど多様なアルゴリズムが存在する。
【0004】
しかし、各々の推薦方式は、メリットもあればデメリットもあるというトレードオフの関係にある。また、例えば、本を購入する場合は「これを見ている人はこれも見ています」のように、自分の購入履歴に類似した情報を抽出する協調フィルタリングのようなアルゴリズムが向くが、レストランを探す場合は、自分の履歴よりも、一緒にレストランに行く同伴者「家族」「恋人」「友人」を鑑みて情報を抽出して欲しいなど、人や状況に応じてどのような基準で情報を欲しいか、すなわち推薦方式が異なる。そのため、一般的に、全てのケースにおいて万能な推薦方式は存在しないと言われている。
【0005】
そこで、お互いの推薦方式の持つ弱点を補強し、多種多様なケースにおいて適切な情報を抽出することのできる、ハイブリッド型のコンテンツ推薦システムが注目されている。
【0006】
特許文献1は、ハイブリッド型のコンテンツ推薦システムであり、コンテンツベース型の推薦方式と協調フィルタリング型の推薦方式の両方の長所を有し、ユーザの嗜好に追従した推薦を行い、かつユーザ数およびコンテンツ数が増加してもコンテンツ推薦を高速に処理ができることを目指したものである。
【0007】
また、非特許文献1、2は、ハイブリッド型のコンテンツ推薦システムであり、複数のアルゴリズムの推薦方式を内部に有し、利用者だけでなく、利用者の状況に応じて情報を推薦するものである。
【0008】
このように、複数のアルゴリズムを有したハイブリッド型コンテンツ推薦システムでは、協調フィルタリングやコンテンツベースなどの嗜好分析アルゴリズムにより、あらゆる状況の利用者の嗜好に追従する情報推薦を実現することを目指したものである。
【0009】
しかし、関連技術のハイブリッド型のコンテンツ推薦システムは、利用者の嗜好に自動的に追従するものが主であり、サービスを提供する運用者にとって、推薦による効果をわかりやすく把握できない、また、期待する効果を得るために各推薦方式をどの程度重要視すればよいかがわかりにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−067175号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Victoria Bellotti et al.:“Activity−based serendipitious recommendations with the Magitti mobile leisure guide”.Proc. Of the twenty−sixth annual SIGCHI conference on Human factors in computing systems, pp. 1157−1166,2008
【非特許文献2】菅野亨太 他. “利用者状況に適した方式で情報を推薦する「マルチモード推薦システム」の実現,第71回情報処理学会全国大会,pp.1−473−1−474(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
第1の問題点は、ハイブリッド型のコンテンツ推薦システムにおいて、運用者が、期待する効果を得るために各推薦方式をどの程度重要視すればよいかがわかりにくく、運用者の意図を容易に反映することが難しかった。
【0013】
その理由は、ハイブリッド型のコンテンツ推薦システムは、特徴の異なる複数の推薦方式を有するために、システム全体の効果(ユーザ満足、利益率、ロングテール効果、在庫削減など)は複数の推薦方式の効果の重なりによって得られる複雑な構成となっており、運用者が期待する効果を得るためにどのような各推薦方式をどの程度重要視すればよいかという指標を得ることができていなかったためである。
【0014】
(発明の目的)
本発明の目的は、上述した課題を解決し、推薦によって得られる効果を把握し、期待する効果を得るためにどのような入力を与えればよいかがわかりやすくし、運用者の意図を容易にコンテンツ推薦システムに反映できるコンテンツ推薦システム、コンテンツ推薦装置、コンテンツ推薦方法、コンテンツ推薦プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1のコンテンツ推薦システムは、ユーザ端末と、複数の推薦方式を用いてコンテンツを推薦するコンテンツ推薦装置とを備えるコンテンツ推薦システムであって、各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段と、推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段と、効果指標毎に、各推薦方式の重みパラメタと、効果指標値とを合成した値を、全体の効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段と、効果指標毎に、各推薦方式の効果指標値と、全体の効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段とを含む。
【0016】
本発明の第1のコンテンツ推薦装置は、ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置であって、各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段と、推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段と、効果指標毎に、各推薦方式の重みパラメタと、効果指標値とを合成した値を、全体の効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段と、効果指標毎に、各推薦方式の効果指標値と、全体の効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段とを含む。
【0017】
本発明の第1の推薦方式制御方法は、ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置の推薦方式制御方法であって、各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力ステップと、推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出ステップと、効果指標毎に、各推薦方式の重みパラメタと、効果指標値とを合成した値を、全体の効果指標の推定値として算出する効果指標合成ステップと、効果指標毎に、各推薦方式の効果指標値と、全体の効果指標の推定値とを併せて表示する表示ステップとを有する。
【0018】
本発明の第1の推薦方式制御プログラムは、ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置として機能するコンピュータ上で動作する推薦方式制御プログラムであって、コンピュータに、各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力処理と、推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出処理と、効果指標毎に、各推薦方式の重みパラメタと、効果指標値とを合成した値を、全体の効果指標の推定値として算出する効果指標合成処理と、効果指標毎に、各推薦方式の効果指標値と、全体の効果指標の推定値とを併せて表示する表示処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
第1の効果は、ハイブリッド型コンテンツ推薦システムにおいて、推薦によって得られる効果を把握し、期待する効果を得るためにどのような入力を与えればよいかがわかりやすいことにある。
【0020】
その理由は、ハイブリッド型のコンテンツ推薦システムの各々の推薦方式の効果と、重みパラメタの入力値によって変化するシステム全体の効果の推定値とを併せて表示することで、それらを指標として、運用者が、重みパラメタの入力値によって、システム全体の効果の推定値がどのように変化するかを逐次確認しながら推薦の重みパラメタを入力できるためである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるコンテンツ推薦システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態による重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態による推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1による重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例1による推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施例1における推薦方式重みパラメタ入力手段と表示手段の例示を示した図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるコンテンツ推薦システムの構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態による効果指標算出の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2による効果指標算出の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態によるコンテンツ推薦システムの構成を示すブロック図である。
【図11】第3の実施の形態による重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態による推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3による重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】実施例3による重みパラメタ入力手段と表示手段の例示を示した図である。
【図15】実施例3による推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明のコンテンツ推薦装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0023】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については適宜省略してあり、図示されていない。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000の構成を示すブロック図である。
【0025】
図1を参照すると、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000は、ユーザ端末200と、ユーザにコンテンツを推薦するコンテンツ推薦装置100とから構成される。
【0026】
ユーザ端末200は、コンテンツ推薦装置に対し所定の推薦要求を送信し、その結果を受信する。推薦要求は、ユーザの識別子や、取得したい推薦コンテンツの数等を含む。推薦要求の内容は任意に設定可能である。
【0027】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上ユーザ端末を1台とする構成としたが、ユーザ端末の数に制限はない。
【0028】
コンテンツ推薦装置100は、ユーザ端末200との間でデータの送受信を行う送受信手段111と、ユーザに推薦するコンテンツを抽出する推薦コンテンツ抽出手段107と、推薦方式の重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段101と、推薦方式に対し設定された効果指標を記憶する効果指標記憶手段109と、推薦方式毎に効果指標の値を算出する効果指標値算出手段106と、効果指標値と重みパラメタとを合成してコンテンツ推薦システム1000全体の効果指標の推定値を算出する効果指標合成手段102と、推薦方式の効果指標値とシステム全体の効果指標推定値を併せて表示する表示手段103と、ユーザ端末から構成されている。
【0029】
重みパラメタ入力手段101は、推薦方式の影響度合いを制御する重みパラメタの入力を受け付ける。
【0030】
また、重みパラメタ入力手段101は、運用者により設定された重みパラメタを、重みパラメタ記憶手段110に記録する。
【0031】
効果指標記憶手段109は、推薦方式に対する効果指標を記憶する。効果指標は、予め運用者等により設定されているものとする。
【0032】
効果指標とは、推薦方式の効果を示す指標である。効果指標としては、フィードバック率、利益率等が設定されているものとする。効果指標は、履歴データを用いて算出できる指標として、任意で設定できるものとする。
【0033】
履歴データとは、コンテンツ推薦システム1000において、ユーザがコンテンツにアクセスした履歴や、実行された推薦の履歴等からなるデータであり、フィードバック率、利益率等の効果指標を算出できる情報を含んでいる。
【0034】
効果指標値算出手段106は、履歴データを参照し、効果指標記憶手段109に設定されている効果指標の値(効果指標値)を、推薦方式毎に算出する。
【0035】
効果指標合成手段102は、各推薦方式の効果指標値と、各推薦方式の重みパラメタとを合成することにより、コンテンツ推薦システム1000全体の効果指標の推定値(効果指標推定値)を算出する。効果指標合成手段102は、効果指標が複数ある場合は、効果指標毎に、効果指標推定値を算出する。
【0036】
表示手段103は、各推薦方式の効果指標値と、入力した重みパラメタにおけるシステム全体の効果指標の推定値を併せて表示する。
【0037】
送受信手段111は、ユーザ端末200から推薦要求を受信する。推薦要求に含まれるクエリには、ユーザの識別子や取得したいコンテンツの数等を含む。
【0038】
推薦コンテンツ抽出手段107は、内部に複数の推薦方式を保持しており、該推薦方式を用いて、コンテンツデータから、ユーザへ推薦する推薦コンテンツを抽出する。
【0039】
推薦コンテンツ抽出手段107は、重みパラメタ記憶手段110に記録されている、推薦方式毎の重みパラメタに基づいて、使用する推薦方式の割合を決定し、コンテンツデータから推薦コンテンツを抽出する。
【0040】
例えば、重みパラメタの割合が、「(推薦方式A)1:(推薦方式B)2」であった場合、推薦コンテンツ抽出手段107は、推薦方式Aで抽出された推薦コンテンツと推薦方式Bで抽出された推薦コンテンツの割合が1:2となるように、推薦コンテンツを抽出する。
【0041】
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
(重みパラメタの設定処理の動作の説明)
まず、重みパラメタ記憶手段110に記録される重みパラメタの設定処理の動作について説明する。
【0043】
本実施の形態では、効果指標値算出手段106は、事前に、各推薦方式について、効果指標記憶手段109に記憶されている効果指標を算出しているものとする。
【0044】
図2は、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000の動作を示すフローチャートである。
【0045】
図2を参照すると、まず、重みパラメタ入力手段101が、運用者から各推薦方式の影響度合いを制御する重みパラメタの入力を受け付ける(ステップA1)。
【0046】
次に、効果指標合成手段102が、各推薦方式の効果指標値と、各推薦方式の重みパラメタとを合成することにより、コンテンツ推薦システム1000全体の効果指標の推定値(効果指標推定値)を算出する。(ステップA2)。
【0047】
効果指標が複数ある場合は、効果指標毎に、ステップA3の処理を行う。
【0048】
次いで、表示手段103が、各推薦方式の効果指標値と、重みパラメタの入力値で変化するシステム全体の効果指標推定値とを表示する(ステップA3)。
【0049】
運用者は、スッテプA3で表示された効果指標のバランスが適当だと判断することによって重みパラメタの入力を完了するか否かを判断することができ、適当でない場合はまたステップA1に戻り処理を繰り返すことができる(ステップA4)。
【0050】
最後に、運用者により入力した重みパラメタの設定完了が指示がされると(ステップA4”YES”)、重みパラメタ入力手段101が、該重みパラメタを重みパラメタ記憶手段110に記録する(ステップA5)。
【0051】
(推薦実行処理の動作の説明)
図3は、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000における、推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【0052】
図3を参照すると、まず、送受信手段111が、ユーザ端末200から推薦要求を受信する(ステップC1)。
【0053】
次に、推薦コンテンツ抽出手段107が、重みパラメタ入力手段101から、各推薦方式の重みパラメタを取得する(ステップC2)。
【0054】
次いで、推薦コンテンツ抽出手段107は、内部に保持する推薦方式の中で、取得した該重みパラメタが0以上である1つ以上の推薦方式を用いて、コンテンツのフィルタリング・スコアリングを行い、推薦するコンテンツを抽出する(ステップC3)。
【0055】
そして、推薦コンテンツ抽出手段107は、重みパラメタの割合に基づいて、各推薦方式からコンテンツを選び、最終的に推薦するコンテンツを集約する(ステップC4)。
【0056】
なお、重みパラメタが0以上である推薦方式が1つしかない場合は、該推薦方式で抽出されたコンテンツが、最終的に推薦するコンテンツとなる
【0057】
最後に、送受信手段111が、得られたコンテンツを最終結果としてユーザ端末に送信する(ステップC5)。
【実施例1】
【0058】
次に、具体的な実施例を用いて本実施の形態の動作を説明する。
【0059】
本実施例では、前提として、予めフィードバック率、利益率が推薦方式の効果指標として推薦効果指標設定手段109に設定されているものとする。
【0060】
フィードバック率は[ある推薦方式の推薦を通してコンテンツが利用された回数/ある推薦方式の推薦回数]、また、利益率は、[ある推薦方式の推薦を通して得た収入/ある推薦方式の推薦回数]のように設定されているものとする。ただしこれに限定はされない。
【0061】
また、ハイブリッド型コンテンツ推薦システムの推薦方式として、コンテンツベースの推薦方式(CB)と、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の2つの推薦方式が利用されているものとする。
【0062】
また、効果指標値算出手段106は、事前に、コンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の2つの推薦方式のフィードバック率{F(CB),F(CF)}、及び利益率{B(CB),B(CF)}を算出しているものとする。なお、重みパラメタ入力手段101が入力を受け付ける直前、又は受け付けた後に算出することとしてもよい。
【0063】
(重みパラメタ設定処理の動作の説明)
図4は、本発明の第1の実施例による重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートである。
【0064】
図4を参照すると、まず、重みパラメタ入力手段101が、運用者から各推薦方式の重みパラメタの入力を受け付ける(ステップA1’)。
【0065】
ここで図6を参照すると、図6の10、及び20は、重みパラメタ入力手段101の入力画面の例を示した図である。
【0066】
ステップA1’の動作は、例えば、コンテンツベースの推薦方式(CB)と協調フィルタリングの推薦方式(CF)の重みパラメタの重みパラメタを、運用者がイコライザ11、イコライザ12を用いて、イコライザ21、イコライザ22のように変更する。
【0067】
以下、重みパラメタ入力手段101が入力を受け付けたCBの重みパラメタをW(CB)、CFの重みパラメタをW(CF)と称する。
【0068】
なお、各推薦方式の重みパラメタは、コンテンツ推薦システム1000の推薦実行において、当該推薦方式からの結果を、最終的な推薦結果にどれだけ強く影響させるかという影響度合いを示すパラメタである。
【0069】
次に、効果指標合成手段102が、コンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の2つの推薦方式のフィードバック率{F(CB),F(CF)}、及び利益率{B(CB),B(CF)}に、ステップA1’で入力した各推薦方式の重みパラメタに基づく所定の重み付けした上で、各値を合成し、システム全体のフィードバック率、利益率の推定値を算出する(ステップA2’)。
【0070】
システム全体のフィードバック率は、F(ALL)=W(CB)*F(CB)+W(CF)*F(CF)のように算出することができる。ただしこれに限定はされない。
【0071】
システム全体の利益率は、B(ALL)=W(CB)* B(CB)+W(CF)*B(CF)のように算出することができる。ただしこれに限定はされない。
【0072】
最後に、表示手段103が、各推薦方式のフィードバック率{F(CB),F(CF)}、および利益率{B(CB),B(CF)}と、ステップA3’で算出したシステム全体のフィードバック率F(ALL)、および利益率B(ALL)とを、表示する(ステップA3’)。
【0073】
ここで図12を参照すると、図12の30及び40は、表示手段103の例示である。
【0074】
例えば、31c及び41cは、システム全体のフィードバック率である。31cは、コンテンツベースのフィードバック率である31aと、協調フィルタリングのフィードバック率である31bを、コンテンツベースの重みパラメタ11及び協調フィルタリングの重みパラメタ12に基づき重み付けし、合成した値である。
【0075】
運用者は、スッテプA3’で表示された効果指標のバランスが適当だと判断することによって重みパラメタの入力を完了するか否かを判断することができ、適当でない場合はまたステップA1’に戻り処理を繰り返すことができる(ステップA4’)。
【0076】
最後に、運用者により入力した重みパラメタの設定完了が指示がされると(ステップA4’”YES”)、重みパラメタ入力手段101が、該重みパラメタを重みパラメタ記憶手段110に記録する(ステップA5’)。
【0077】
図12を参照すると、各推薦方式の重みパラメタを変える重みパラメタ入力手段101の入力値を10に示す値から20に示す値のように変更すると、それに伴い、推薦効果の指標であるフィードバック率と、利益率の値が、30から40のように変化する。重みパラメタを21、22のように変更すると、全体のフィードバック率の推定値も31cから、41cのように変化する。利益率に関しても同様である。
【0078】
このように、重みパラメタを変更することによって、システム全体がどのような効果を獲得するか、また、各効果指標のバランスはどうかをわかりやすく可視化することができるため、サービスが重要視する効果の指標に従って、重みパラメタの入力を行うことが可能となる。
【0079】
(推薦実行処理の動作の説明)
図5は、本発明の第1の実施例による推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【0080】
図5を参照すると、まず、送受信手段111が、ユーザ端末200から推薦要求を受信する(ステップC1’)。
【0081】
次に、推薦コンテンツ抽出手段107が、重みパラメタ入力手段101から、運用者が設定したコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の重みパラメタを取得する。(ステップC2’)。
【0082】
ここで、CBの重みパラメタをW(CB)、CFの重みパラメタをW(CF)とする。
【0083】
次に、推薦コンテンツ抽出手段107は、内部に保持するコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の推薦エンジンを用いて、コンテンツのフィルタリング・スコアリングを行い、推薦するコンテンツを抽出する(ステップC3’)。
【0084】
そして、推薦コンテンツ抽出手段107は、重みパラメタの割合に基づいて、各推薦方式からコンテンツを選び、最終的に推薦するコンテンツを集約する(ステップC4’)。
【0085】
CBの重みパラメタはW(CB)、CFの重みパラメタをW(CF)であるので、推薦コンテンツ抽出手段107は、コンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)それぞれの推薦結果から、[CB:CF]=[W(CB):W(CF)]の割合で各推薦方式からコンテンツを選び、最終的に推薦するコンテンツを集約する。
【0086】
最後に、送受信手段111が、得られたコンテンツを最終結果としてユーザ端末に送信する(ステップC5’)。
【0087】
(第1の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
【0088】
本実施の形態の形態によれば、レコメンドサービスを提供する運用者にとって、推薦によって得られる効果を把握することができ、また、期待する効果を得るためには各推薦方式をどのように重み付けすればよいかがわかりやすくなり、運用者の意図を容易にコンテンツ推薦システムに反映することができる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、推薦コンテンツ抽出手段107が、期待する効果が得られるよう運用者が入力した重みパラメタを用いて実際の推薦を実行するため、運用者の意図に沿った推薦を実現できる。
【0090】
なお、重みパラメタ入力手段101、効果指標合成手段102、表示手段103、効果指標値算出手段104からなる最小限の構成でによっても、上述した課題を解決することができる。
【0091】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0092】
図7は、本発明の第2の実施の形態によるレコメンド運用管理装置100の構成を示すブロック図である。
【0093】
図7を参照すると、本実施の形態によるレコメンド運用管理装置100は、本発明の第1の実施形態に、履歴データをフィルタリングする条件を記憶するフィルタ条件記憶手段104と、前記条件によって履歴データの条件フィルタリングを行う履歴条件フィルタ手段105をさらに備えた構成となっている。
【0094】
これらの手段はそれぞれ概略つぎのように動作する。
【0095】
フィルタ条件記憶手段104は、履歴条件フィルタ手段105が履歴データのフィルタリングに用いる所定の条件を記録している。該条件は、例えば、利用者のプロファイル条件、位置情報や時間情報などのコンテキスト条件、また、履歴の新しさの条件等、任意に設定可能である。
【0096】
フィルタ条件に記録される条件は、予め設定しておくことができる。
【0097】
また、重みパラメタ入力手段101による入力の際に設定しても良い。この場合、履歴条件フィルタ手段105、効果指標値算出手段106は、該条件の設定後に、処理を行う。
【0098】
履歴条件フィルタ手段105は、フィルタ条件記憶手段104に記録されている条件を用いて、履歴データのフィルタリングを行う。
【0099】
例えば、利用者のプロファイル条件、位置情報や時間情報などのコンテキスト条件、また、履歴の新しさの条件などで、対象の履歴のみに条件フィルタリングを行うことができる。また、履歴の時間の経過に伴う減衰関数のように、利用する履歴によって影響度合いを変化するような条件フィルタリングでもよい。
【0100】
効果指標値算出手段106は、履歴条件フィルタ手段105が条件フィルタリングを実施した履歴データを用いて、効果指標記憶手段109に設定されている効果指標の値を、推薦方式毎に算出する。
【0101】
その他の手段については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
(第2の実施の形態の動作の説明)
次に、本実施の形態によるレコメンド運用管理装置100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0103】
(効果指標算出の動作の説明)
図8は、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム100における、効果指標算出の動作を示すフローチャートである。
【0104】
図8を参照すると、まず、履歴条件フィルタ手段105が、フィルタ条件記憶手段104に設定されている所定の条件を用いて履歴データのフィルタリングを行う(ステップB1)。
【0105】
次に、効果指標値算出手段106が、条件フィルタリングを実施した履歴データを用いて、推薦方式毎に、効果指標を算出する(ステップB2)。
【0106】
重みパラメータ設定処理、及び推薦実行処理の動作は、第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【実施例2】
【0107】
次に、具体的な実施例を用いて本実施の形態の動作を説明する。
【0108】
図9は、本発明の第2の実施例による効果指標算出の動作を示すフローチャートである。
【0109】
前提として、実施例1と同様に、予めフィードバック率、利益率が推薦方式の効果指標として推薦効果指標設定手段109に設定されているものとする。フィードバック率、利益率についても、実施例1と同様の定義とする。
【0110】
また、ハイブリッド型コンテンツ推薦システムの推薦方式として、コンテンツベースの推薦方式(CB)と、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)が利用されているものとする。
【0111】
また、フィルタ条件記憶手段104には、履歴条件として[20代・女性]が設定されているとする。
【0112】
図11を参照すると、まず、履歴条件フィルタ手段105が、履歴条件104に設定された履歴条件を参照し、履歴データの中から条件に適合した履歴のみにフィルタリングを行う(ステップB1’)。
【0113】
次に、効果指標値算出手段106が、該フィルタリングを行った履歴データを用いて、各推薦方式に対する効果指標を算出する(ステップB2’)。
【0114】
ここでは、推薦方式としてコンテンツベースの推薦方式(CB)と協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)が利用されており、効果指標値算出手段106は、それぞれの推薦方式について、フィードバック率、利益率をそれぞれ算出する。
【0115】
重みパラメータ設定処理、及び推薦実行処理の動作は、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0116】
このように、特定の条件でフィルタリングした履歴における、コンテンツ推薦システムの効果指標を算出することによって、特定の層に対する重みパラメタの入力を行うことが可能となる。
【0117】
(第2の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
【0118】
本実施の形態によれば、条件フィルタリングを行った履歴を用いて、各推薦方式の効果指標、およびシステム全体の効果指標を算出するように構成されているため、特定の履歴に対する推薦の効果を鑑みて、運用者の意図をコンテンツ推薦システムに反映できる。
【0119】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0120】
図10は、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000の構成を示すブロック図である。
【0121】
図10を参照すると、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000は、第1の実施に形態に加え、履歴データから、個人や状況毎に、推薦方式の重みパラメタを学習する重みパラメタ学習手段112と、重みパラメタ記憶手段110に記録されている重みパラメタと、重みパラメタ学習手段112が学習した重みパラメタとを合成する重みパラメタ合成手段108を備える。
【0122】
なお、第2の実施の形態に重みパラメタ学習手段112と、重みパラメタ合成手段108を加える構成としても良い。
【0123】
これらの手段はそれぞれ概略つぎのように動作する。
【0124】
重みパラメタ学習手段112は、履歴データから、所定の条件毎に、各推薦方式の重要度を重みパラメタとしてを学習する。
【0125】
例えば、レストランを推薦する場合は、各推薦方式のフィードバック率に基づいて各推薦方式の重みパラメタを学習し、本を購入する場合は、各推薦方式の利益率に基づいて各推薦方式の重みパラメタを学習したりすることができる。ただしこれに限定はされず、重みパラメタの学習方法は任意に設定できるものとする。
【0126】
重みパラメタ合成手段108は、重みパラメタ学習手段112が学習した各推薦方式の重みパラメタと、重みパラメタ記憶手段110に記録されている各推薦方式の重みパラメタを合成する。この結果、重みパラメタ学習手段112が学習した各条件毎に、合成された重みパラメタが生成される。
【0127】
推薦コンテンツ抽出手段107は、内部に保持する推薦方式の中で、重みパラメタ合成手段108が合成した重みパラメタが0以上である1つ以上の推薦方式を用いて、コンテンツのフィルタリング・スコアリングを行い、コンテンツを抽出する。
【0128】
この場合、重みパラメタ合成手段108により合成された重みパラメタは所定の条件毎に存在するが、ユーザ端末200からの推薦要求にマッチした、重みパラメタを用いる。
【0129】
また、推薦コンテンツ抽出手段107は、該合成した重みパラメタを持つ推薦方式が複数の場合は、該重みパラメタの割合に基づいて各推薦方式からコンテンツを選び、最終的に推薦するコンテンツを集約する。
【0130】
送受信手段111については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0131】
効果指標合成手段102は、各推薦方式の効果指標値と、重みパラメタ合成手段108で生成された重みパラメタとを合成することにより、コンテンツ推薦システム1000全体の効果指標の推定値(効果指標推定値)を算出する。
【0132】
重みパラメタ入力手段101、表示手段103については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0133】
(第3の実施の形態の動作の説明)
次に、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0134】
なお、本実施の形態では、事前段階として、重みパラメタ学習手段112は、各推薦方式について、所定の場合(ユーザ、状況等)毎に、重みパラメータを学習しているものとする。
【0135】
また、効果指標値算出手段106は、事前に各推薦方式の効果指標値を算出しているとする。
【0136】
(重みパラメタ設定処理の動作の説明)
まず、図11を参照して、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000における、重みパラメタ設定処理の動作について説明する。
【0137】
図11を参照すると、まず、重みパラメタ入力手段101が、運用者から効果指標に対する各推薦方式の重みパラメタの入力を受け付ける(ステップD1)。
【0138】
次に、重みパラメタ合成手段108が、重みパラメタ学習手段112が学習した、個人や状況毎の推薦方式の重みパラメタと、重みパラメタ入力手段101から入力した推薦方式の重みパラメタを合成する(ステップD2)。
【0139】
次に、効果指標合成手段102が、効果指標値算出手段106と、重みパラメタ合成手段108から、それぞれ推薦方式毎の効果指標値と重みパラメタを取得し、それらを合成して、コンテンツ推薦システム1000全体の推薦の効果指標の推定値を算出する(ステップD3)。
【0140】
次いで、表示手段103が、各推薦方式の効果指標値と、コンテンツ推薦システム1000全体の推薦効果値とを、期待する効果を得るためにどのような入力を与えればよいかという指標として表示する(ステップD4)。ここで、実際は、コンテンツ推薦システム1000全体の効果指標値は、個人や状況毎に異なる値であるが、表示の際は便宜上、効果の平均値を表示してもよい。
【0141】
最後に、コンテンツ推薦システム1000全体の効果指標値および各効果指標のバランスが適当だという運用者の判断によって、重みパラメタの決定処理がされると、重みパラメタ入力手段101が、該決定された重みパラメタを記録する(ステップD5、ステップD6)。
【0142】
(推薦実行処理の動作の説明)
次に、図12を参照して、本実施の形態によるコンテンツ推薦システム1000における推薦実行処理の動作について説明する。
【0143】
図12を参照すると、まず、送受信手段111が、ユーザ端末200から推薦要求を受信する(ステップE1)。
【0144】
次に、重みパラメタ合成手段108が、重みパラメタ入力手段101から入力した重みパラメタと、重みパラメタ学習手段112が個人・状況毎に学習した重みパラメタとを取得する(ステップE2)。
【0145】
そして、重みパラメタ合成手段108は、取得した該2つの重みパラメタを合成する(ステップE3)。
【0146】
次に、推薦コンテンツ抽出手段107が、内部に保持する推薦方式の中で、該合成した重みパラメタが0以上である1つ以上の推薦方式を用いて、コンテンツのフィルタリング・スコアリングを行い、推薦するコンテンツを抽出する(ステップE4)。
【0147】
そして、推薦コンテンツ抽出手段107は、重みパラメタの割合に基づいて、各推薦方式で抽出された推薦コンテンツから、最終的に推薦するコンテンツを集約する(ステップE5)。
【0148】
なお、重みパラメタが0以上である推薦方式が1つしかない場合は、該推薦方式で抽出されたコンテンツが、最終的に推薦するコンテンツとなる
【0149】
最後に、送受信手段111が、得られたコンテンツを最終結果としてユーザ端末に送信する(ステップE6)
【実施例3】
【0150】
次に、具体的な実施例を用いて本実施の形態の動作を説明する。
【0151】
本実施例においても、まず、前提として、推薦効果指標設定手段109に予め推薦の効果指標として、フィードバック率、利益率が設定されているものとする。フィードバック率、利益率は、本発明の第1の実施形態の実施例と同様の定義とする。
【0152】
また、推薦コンテンツ抽出手段107は、その内部にコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の推薦エンジンを含むものとする。
【0153】
また、重みパラメタ学習手段112は、履歴データから個人や状況毎に、推薦方式の重みパラメタを学習しているものとする。
【0154】
(重みパラメタ設定処理の動作の説明)
図13は、本実施例によるコンテンツ推薦システム1000における重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートである。
【0155】
図13を参照すると、まず、重みパラメタ入力手段101が、運用者から効果指標に対する各推薦方式の重みパラメタの入力を受け付ける(ステップD1’)。
【0156】
このとき、重みパラメタ入力手段101は、図14の11b’、12b’のように、重みパラメタ学習手段112が学習した、個人や状況毎に異なる重みパラメタの平均値と、入力した重みパラメタを併せた形で提示してもよい。
【0157】
図14を参照すると、11a’、12a’は運用者が入力する重みパラメタ、11b’、12b’は重みパラメタ学習手段112が学習した重みパラメタの平均値である。
【0158】
重みパラメタの入力値を10’から20’のように変更する場合、11a’、12a’は、運用者の入力によって21a’、22a’のように変更できるが、11b’、12b’は運用者の入力によっては変化しない。
【0159】
なお、図14においては、11b’、12b’、21b’、22b’は、それぞれ、11a’、12a’、21a’、22a’の終点を始点としており、イコライザを移動させても、常に学習した重みパラメタの値が視認できるようになっている。
【0160】
重みパラメタ入力手段101が入力を受け付けると、次いで、重みパラメタ合成手段108が、重みパラメタ学習手段112が学習した重みパラメタと、重みパラメタ入力手段101が受け付けた重みパラメタとを合成し、システム全体の重みパラメタを算出する(ステップD2’)。
【0161】
ここで、運用者の入力したCBの重みパラメタである21a’をW1(CB)、運用者の入力したCFの重みパラメタである22a’をW1(CF)とし、学習によって得られたCBの重みパラメタである21b’をW2(CB)、学習によって得られたCFの重みパラメタである22b’をW2(CF)とすると、システム全体のCBの重みパラメタW(CB)は、W(CB)=W1(CB)+W2(CB)となり、システム全体のCFの重みパラメタをW(CF)は、W(CF)=W1(CF)+W2(CF)となる。
【0162】
次に、効果指標合成手段102が、効果指標値算出手段106で算出したコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の2つの推薦方式のフィードバック率、利益率と、重みパラメタ合成手段108が算出した重みパラメタとを合成し、コンテンツ推薦システム1000全体のフィードバック率、利益率を算出する(ステップD3’)。
【0163】
コンテンツ推薦システム1000全体のフィードバック率は、F(ALL)=W(CB)*F(CB)+W(CF)*F(CF)のように算出できる。
【0164】
コンテンツ推薦システム1000全体の利益率は、B(ALL)=W(CB)* B(CB)+W(CF)*B(CF)のように算出できる。
【0165】
次いで、表示手段103が、各推薦方式のフィードバック率、および利益率と、ステップD3’で算出したシステム全体のフィードバック率、および利益率の推定値とを、期待する効果を得るためにどのような入力を与えればよいかという指標として表示する(ステップD4’)。
【0166】
最後に、コンテンツ推薦システム1000全体の効果指標値および各効果指標のバランスが適当だという運用者の判断によって、重みパラメタの決定処理がされると、重みパラメタ入力手段101が、該決定された重みパラメタを記録する(ステップD5’,ステップD6’)。
【0167】
(推薦実行処理の動作の説明)
図15は、本実施例によるコンテンツ推薦システム1000における重みパラメタ設定処理の動作を示すフローチャートであり、図15は、本実施例によるコンテンツ推薦システム1000における推薦実行処理の動作を示すフローチャートである。
【0168】
図15を参照すると、まず、送受信手段111が、ユーザ端末200から推薦要求を受信する(ステップE1’)。推薦要求に含まれるクエリには、ユーザの識別子や取得したいコンテンツの数等を含む。
【0169】
次に、重みパラメタ合成手段108が、重みパラメタ入力手段101を通して入力したコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の重みパラメタと、重みパラメタ学習手段112が個人・状況毎に学習したコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の重みパラメタとを取得する(ステップE2’)。
【0170】
そして、重みパラメタ合成手段108は、重みパラメタ学習手段112及び重みパラメタ入力手段101から取得した、コンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の重みパラメタそれぞれについて、合成を行う(ステップE3’)。
【0171】
すなわち、重みパラメタ合成手段108は、重みパラメタ学習手段112及び重みパラメタ入力手段101から取得した各コンテンツベースの推薦方式(CB)の重みパラメタを合成し、同様に、重みパラメタ学習手段112及び重みパラメタ入力手段101から取得した、各協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)の重みパラメタを合成する。
【0172】
この結果、コンテンツベースの推薦方式(CB)に対するシステム全体の重みパラメタ、各協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)に対するシステム全体の重みパラメタが算出される。
【0173】
ここで、運用者の入力したCBの重みパラメタをW1(CB)、CFの重みパラメタをW1(CF)とし、また、学習によって得られたCBの重みパラメタをW2(CB)、CFの重みパラメタをW2(CF)とすると、コンテンツ推薦システム1000全体のCBの重みパラメタW(CB)は、W(CB)=W1(CB)+W2(CB)、システム全体のCFの重みパラメタをW(CF)は、W(CF)=W1(CF)+W2(CF)となる。
【0174】
次に、推薦コンテンツ抽出手段107が、内部に保持するコンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)を用いて、コンテンツをフィルタリング、スコアリングを行い、推薦するコンテンツを抽出する(ステップE4’)。
【0175】
さらに、推薦コンテンツ抽出手段107は、合成した重みパラメタの割合に基づいて、各推薦方式で抽出された推薦コンテンツから、最終的に推薦するコンテンツを集約する(ステップE5’)。
【0176】
ここでは[CB:CF]=[W(CB):W(CF)]なので、推薦コンテンツ抽出手段107は、コンテンツベースの推薦方式(CB)、協調フィルタリングベースの推薦方式(CF)それぞれの推薦結果から、[W(CB):W(CF)]の割合でコンテンツを選び、最終的な推薦結果とする。
【0177】
最後に、送受信手段111が、得られたコンテンツを最終結果としてユーザ端末に送信する(ステップE6’)。
【0178】
このように、個人や状況毎に学習された重みパラメタと、運用者の意図として入力さた重みパラメタとを合成し、該合成した重みパラメタを用いて推薦を実行することで、利用者個人や状況に応じて変化する嗜好と、運営者の意図との両方を反映した推薦をを行うことが可能となる。
【0179】
(第3の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
【0180】
本実施の形態によれば、個人や状況毎に学習された重みパラメタと、運用者の意図として入力された重みパラメタとを合成し、前記合成した重みパラメタを用いて推薦を実行するため、利用者個人や状況に応じて変化する嗜好と、運営者の意図との両方を反映した推薦を容易に実現できるというメリットがある。
【0181】
次に、本発明のコンテンツ推薦装置100のハードウェア構成例について、図16を参照して説明する。図16は、コンテンツ推薦装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0182】
図16を参照すると、コンテンツ推薦装置100は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成であり、CPU(Central Processing Unit)801、RAM(Random Access Memory)等のメモリからなる、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部802、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部803、入力装置805や出力装置806及び記憶装置807と接続してデータの送受信を行う入出力インタフェース部804、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス808を備えている。記憶装置807は、例えば、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置等で実現される。
【0183】
本発明のコンテンツ推薦装置100の各手段は、プログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品である回路部品を実装することにより、その動作をハードウェア的に実現することは勿論として、その機能を提供するプログラムを、記憶装置807に格納し、そのプログラムを主記憶部802にロードしてCPU801で実行することにより、ソフトウェア的に実現することも可能である。
【0184】
以上好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0185】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0186】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0187】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施する時には、その複数の手順の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0188】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【0189】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0190】
(付記1)
ユーザ端末と、複数の推薦方式を用いてコンテンツを推薦するコンテンツ推薦装置とを備えるコンテンツ推薦システムであって、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段と、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段と、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段と、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段と
を含むことを特徴とするコンテンツ推薦システム。
【0191】
(付記2)
前記効果指標合成手段は、
前記推薦方式毎に、前記効果指標値に対し前記重みパラメタに基づく所定の重み付けを行い、当該重み付けを行った各効果指標値を合算して、全体の前記効果指標の推定値を算出することを特徴とする付記1に記載のコンテンツ推薦システム。
【0192】
(付記3)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、当該推薦方式の推薦を通してコンテンツが利用された回数とから算出されるフィードバック率であることを特徴する付記1又は付記2に記載のコンテンツ推薦システム。
【0193】
(付記4)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、前記推薦方式の推薦を通して発生した収入額とから算出される利益率であることを特徴とする付記1又は付記2に記載のコンテンツ推薦システム。
【0194】
(付記5)
前記履歴データを、予め設定された所定の条件によってフィルタリングする履歴条件フィルタ手段を含み、
前記効果指標算出手段が、
フィルタリングされた前記履歴データを用いて、前記効果指標値を算出することを特徴とする付記1から付記4の何れか1項に記載のコンテンツ推薦システム。
【0195】
(付記6)
前記重みパラメタ入力手段から入力された重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する推薦コンテンツ抽出手段を含むことを特徴とする付記1から付記5の何れか1項に記載のコンテンツ推薦システム。
【0196】
(付記7)
前記履歴データから、所定の条件毎に、前記各推薦方式の重要度を重みパラメタとして学習する重みパラメタ学習手段と、
前記重みパラメタ入力手段から入力された前記重みパラメタと、前記重みパラメタ学習手段が学習した各重みパラメタとを合成する重みパラメタ合成手段とを含み、
前記推薦コンテンツ抽出手段が、
前記重みパラメタ合成手段により合成された所定の重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する
ことを特徴とする付記6に記載のコンテンツ推薦システム。
【0197】
(付記8)
前記重みパラメタ合成手段は、
前記重みパラメタ学習手段が学習した前記各重みパラメタについて、当該重みパラメタと、前記重みパラメタ入力手段から入力された前記重みパラメタとを合算することを特徴とする付記7に記載のコンテンツ推薦システム。
【0198】
(付記9)
前記推薦コンテンツ抽出手段は、
前記ユーザ端末からの前記推薦要求に対応する重みパラメタを、前記重みパラメタ合成手段から取得することを特徴とする付記7又は付記8に記載のコンテンツ推薦システム。
【0199】
(付記10)
ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置であって、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段と、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段と、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段と、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段と
を含むことを特徴とするコンテンツ推薦装置。
【0200】
(付記11)
前記効果指標合成手段は、
前記推薦方式毎に、前記効果指標値に対し前記重みパラメタに基づく所定の重み付けを行い、当該重み付けを行った各効果指標値を合算して、全体の前記効果指標の推定値を算出することを特徴とする付記10に記載のコンテンツ推薦装置。
【0201】
(付記12)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、当該推薦方式の推薦を通してコンテンツが利用された回数とから算出されるフィードバック率であることを特徴する付記10又は付記11に記載のコンテンツ推薦装置。
【0202】
(付記13)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、前記推薦方式の推薦を通して発生した収入額とから算出される利益率であることを特徴とする付記10又は付記11に記載のコンテンツ推薦装置。
【0203】
(付記14)
前記履歴データを、予め設定された所定の条件によってフィルタリングする履歴条件フィルタ手段を含み、
前記効果指標算出手段が、
フィルタリングされた前記履歴データを用いて、前記効果指標値を算出することを特徴とする付記10から付記13の何れか1項に記載のコンテンツ推薦装置。
【0204】
(付記15)
前記重みパラメタ入力手段から入力された重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する推薦コンテンツ抽出手段を含むことを特徴とする付記10から付記14の何れか1項に記載のコンテンツ推薦装置。
【0205】
(付記16)
前記履歴データから、所定の条件毎に、前記各推薦方式の重要度を重みパラメタとして学習する重みパラメタ学習手段と、
前記重みパラメタ入力手段から入力された前記重みパラメタと、前記重みパラメタ学習手段が学習した各重みパラメタとを合成する重みパラメタ合成手段とを含み、
前記推薦コンテンツ抽出手段が、
前記重みパラメタ合成手段により合成された所定の重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する
ことを特徴とする付記15に記載のコンテンツ推薦装置。
【0206】
(付記17)
前記重みパラメタ合成手段は、
前記重みパラメタ学習手段が学習した前記各重みパラメタについて、当該重みパラメタと、前記重みパラメタ入力手段から入力された前記重みパラメタとを合算することを特徴とする付記16に記載のコンテンツ推薦装置。
【0207】
(付記18)
前記推薦コンテンツ抽出手段は、
前記ユーザ端末からの前記推薦要求に対応する重みパラメタを、前記重みパラメタ合成手段から取得することを特徴とする付記16又は付記17に記載のコンテンツ推薦装置。
【0208】
(付記19)
ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置の推薦方式制御方法であって、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力ステップと、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出ステップと、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成ステップと、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示ステップと
を有することを特徴とする推薦方式制御方法。
【0209】
(付記20)
前記効果指標合成ステップで、
前記推薦方式毎に、前記効果指標値に対し前記重みパラメタに基づく所定の重み付けを行い、当該重み付けを行った各効果指標値を合算して、全体の前記効果指標の推定値を算出することを特徴とする付記19に記載の推薦方式制御方法。
【0210】
(付記21)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、当該推薦方式の推薦を通してコンテンツが利用された回数とから算出されるフィードバック率であることを特徴する付記19又は付記20に記載の推薦方式制御方法。
【0211】
(付記22)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、前記推薦方式の推薦を通して発生した収入額とから算出される利益率であることを特徴とする付記19又は付記20に記載の推薦方式制御方法。
【0212】
(付記23)
前記履歴データを、予め設定された所定の条件によってフィルタリングする履歴条件フィルタステップを有し、
前記効果指標算出ステップで、
フィルタリングされた前記履歴データを用いて、前記効果指標値を算出することを特徴とする付記19から付記22の何れか1項に記載の推薦方式制御方法。
【0213】
(付記24)
前記重みパラメタ入力ステップから入力された重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する推薦コンテンツ抽出ステップを有することを特徴とする付記19から付記23の何れか1項に記載の推薦方式制御方法。
【0214】
(付記25)
前記履歴データから、所定の条件毎に、前記各推薦方式の重要度を重みパラメタとして学習する重みパラメタ学習ステップと、
前記重みパラメタ入力ステップから入力された前記重みパラメタと、前記重みパラメタ学習ステップが学習した各重みパラメタとを合成する重みパラメタ合成ステップとを有し、
前記推薦コンテンツ抽出ステップで、
前記重みパラメタ合成ステップにより合成された所定の重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する
ことを特徴とする付記24に記載の推薦方式制御方法。
【0215】
(付記26)
前記重みパラメタ合成ステップで、
前記重みパラメタ学習ステップが学習した前記各重みパラメタについて、当該重みパラメタと、前記重みパラメタ入力ステップから入力された前記重みパラメタとを合算することを特徴とする付記25に記載の推薦方式制御方法。
【0216】
(付記27)
前記推薦コンテンツ抽出ステップで、
前記ユーザ端末からの前記推薦要求に対応する重みパラメタを、前記重みパラメタ合成ステップから取得することを特徴とする付記25又は付記26に記載の推薦方式制御方法。
【0217】
(付記28)
ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置として機能するコンピュータ上で動作する推薦方式制御プログラムであって、
前記コンピュータに
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力処理と、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出処理と、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成処理と、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示処理と
を実行させることを特徴とする推薦方式制御プログラム。
【0218】
(付記29)
前記効果指標合成処理で、
前記推薦方式毎に、前記効果指標値に対し前記重みパラメタに基づく所定の重み付けを行い、当該重み付けを行った各効果指標値を合算して、全体の前記効果指標の推定値を算出することを特徴とする付記28に記載の推薦方式制御プログラム。
【0219】
(付記30)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、当該推薦方式の推薦を通してコンテンツが利用された回数とから算出されるフィードバック率であることを特徴する付記28又は付記29に記載の推薦方式制御プログラム。
【0220】
(付記31)
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、前記推薦方式の推薦を通して発生した収入額とから算出される利益率であることを特徴とする付記28又は付記29に記載の推薦方式制御プログラム。
【0221】
(付記32)
前記コンピュータに、
前記履歴データを、予め設定された所定の条件によってフィルタリングする履歴条件フィルタ処理を実行させ、
前記効果指標算出処理で、
フィルタリングされた前記履歴データを用いて、前記効果指標値を算出することを特徴とする付記28から付記31の何れか1項に記載の推薦方式制御プログラム。
【0222】
(付記33)
前記コンピュータに、
前記重みパラメタ入力処理から入力された重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する推薦コンテンツ抽出処理を実行させることを特徴とする付記28から付記32の何れか1項に記載の推薦方式制御プログラム。
【0223】
(付記34)
前記コンピュータに、
前記履歴データから、所定の条件毎に、前記各推薦方式の重要度を重みパラメタとして学習する重みパラメタ学習処理と、
前記重みパラメタ入力処理から入力された前記重みパラメタと、前記重みパラメタ学習処理が学習した各重みパラメタとを合成する重みパラメタ合成処理とを実行させ、
前記推薦コンテンツ抽出処理で、
前記重みパラメタ合成処理により合成された所定の重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する
ことを特徴とする付記33に記載の推薦方式制御プログラム。
【0224】
(付記35)
前記重みパラメタ合成処理で、
前記重みパラメタ学習処理が学習した前記各重みパラメタについて、当該重みパラメタと、前記重みパラメタ入力処理から入力された前記重みパラメタとを合算することを特徴とする付記34に記載の推薦方式制御プログラム。
【0225】
(付記36)
前記推薦コンテンツ抽出処理で、
前記ユーザ端末からの前記推薦要求に対応する重みパラメタを、前記重みパラメタ合成処理から取得することを特徴とする付記34又は付記35に記載の推薦方式制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0226】
本発明によれば、あるコンテンツの伝播パタンを分析するマーケティング分析といった用途に適用できる。
また、あるコンテンツの伝播パタンの相関を利用した情報推薦といった用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0227】
100:コンテンツ推薦装置
101:重みパラメタ入力手段
102:効果指標合成手段
103:表示手段
104:フィルタ条件記憶手段
105:履歴条件フィルタ手段
106:効果指標値算出手段
107:推薦コンテンツ抽出手段
108:重みパラメタ合成手段
109:効果指標記憶手段
110:重みパラメタ記憶手段
111:送受信手段
200:ユーザ端末
1000:コンテンツ推薦システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、複数の推薦方式を用いてコンテンツを推薦するコンテンツ推薦装置とを備えるコンテンツ推薦システムであって、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段と、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段と、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段と、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段と
を含むことを特徴とするコンテンツ推薦システム。
【請求項2】
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、当該推薦方式の推薦を通してコンテンツが利用された回数とから算出されるフィードバック率であることを特徴する請求項1に記載のコンテンツ推薦システム。
【請求項3】
前記効果指標が、
前記推薦方式による推薦回数と、前記推薦方式の推薦を通して発生した収入額とから算出される利益率であることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ推薦システム。
【請求項4】
前記履歴データを、予め設定された所定の条件によってフィルタリングする履歴条件フィルタ手段を含み、
前記効果指標算出手段が、
フィルタリングされた前記履歴データを用いて、前記効果指標値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のコンテンツ推薦システム。
【請求項5】
前記重みパラメタ入力手段から入力された重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する推薦コンテンツ抽出手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコンテンツ推薦システム。
【請求項6】
前記履歴データから、所定の条件毎に、前記各推薦方式の重要度を重みパラメタとして学習する重みパラメタ学習手段と、
前記重みパラメタ入力手段から入力された前記重みパラメタと、前記重みパラメタ学習手段が学習した各重みパラメタとを合成する重みパラメタ合成手段とを含み、
前記推薦コンテンツ抽出手段が、
前記重みパラメタ合成手段により合成された所定の重みパラメタに基づいて、前記各推薦方式を用いて推薦する推薦コンテンツを抽出する
ことを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ推薦システム。
【請求項7】
前記推薦コンテンツ抽出手段は、
前記ユーザ端末からの前記推薦要求に対応する重みパラメタを、前記重みパラメタ合成手段から取得することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ推薦システム。
【請求項8】
ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置であって、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力手段と、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出手段と、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成手段と、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示手段と
を含むことを特徴とするコンテンツ推薦装置。
【請求項9】
ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置の推薦方式制御方法であって、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力ステップと、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出ステップと、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成ステップと、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示ステップと
を有することを特徴とする推薦方式制御方法。
【請求項10】
ユーザ端末から所定の要求を受け、その結果を返すコンテンツ推薦装置として機能するコンピュータ上で動作する推薦方式制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
各推薦方式の影響度合いを示す重みパラメタを入力する重みパラメタ入力処理と、
前記推薦方式の所定の推薦効果を示す効果指標毎に、各推薦方式について、当該推薦方式によるユーザへの推薦及びその結果を含む履歴データを用いて、効果指標値を算出する効果指標値算出処理と、
前記効果指標毎に、各推薦方式の前記重みパラメタと、前記効果指標値とを合成した値を、全体の前記効果指標の推定値として算出する効果指標合成処理と、
前記効果指標毎に、前記各推薦方式の効果指標値と、全体の前記効果指標の推定値とを併せて表示する表示処理と
を実行させることを特徴とする推薦方式制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−118572(P2012−118572A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264737(P2010−264737)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】