コンテンツ特性解析装置、方法、およびプログラム
【課題】ユーザ体感品質に対する影響が明確になるような遅延揺らぎに関する分析結果を、インサービス環境下において得る。
【解決手段】品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを品質特性クラスに分類し、コンテンツクラス決定部16により、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する。
【解決手段】品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを品質特性クラスに分類し、コンテンツクラス決定部16により、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信品質推定技術に関し、特にリアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質に影響を与えるコンテンツ特性を解析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パケット通信技術の飛躍的な発展に伴い、パケット網が音声や映像等のメディア(コンテンツ)を1対1あるいは多地点間で通信するリアルタイム系アプリケーションで利用されつつある。パケット網のインサービス品質管理では、このようなアプリケーションに対する品質管理も必要とされている。特にリアルタイム系アプリケーションでは、実際にアプリケーションを利用するユーザレベルでの主観的あるいは客観的な品質などのユーザ体感品質を用いた品質管理が重要視されており、ネットワーク品質からユーザ体感品質を推定する技術も提案されている(例えば、非特許文献1等参照)。
【0003】
また、発明者らは、無効パケットに基づきリアルタイム系アプリケーションの主観品質を推定する技術を提案した(例えば、特許文献1等参照)。この技術では、試験用パケットのうち受信側端末へ到着しなかった損失パケットと、直前到着パケットとの到着間隔がリアルタイム系アプリケーションの揺らぎ吸収許容時間を越えた遅着パケットとを無効パケットと判定してこれら無効パケット数を計数し、送信側から送信されたすべての試験用パケット数に対する無効パケット数の割合を無効パケット率として算出し、予め生成しておいた無効パケット率と主観品質評価値との関係を示す品質推定モデルを参照して、無効パケット率に対応する主観品質評価値を推定している。
【0004】
これに対して、従来、発明者らは、損失パケットから推定した映像品質劣化の度合いと映像品質劣化の継続時間長に基づいてリアルタイム系アプリケーションの主観品質を推定する技術を提案した(例えば、特許文献2等参照)。この技術では、ユーザ端末へ送る映像パケットごとにそのパケットが属する高能率圧縮符号化時のフレーム種別およびフレーム発生規則を埋め込む。ユーザ端末において、損失パケットの生成番号から1映像フレーム内の品質劣化の程度や割合などの度合いを推定し、損失パケットが属する高能率圧縮符号化時のフレーム種別およびフレーム発生規則から映像品質劣化の継続時間長を推定し、推定した映像品質劣化の度合いと映像品質劣化の継続時間長に基づいてユーザ端末において復号される映像の主観品質を推定している。これにより、簡単な構成で推定精度の改善が得られた。
【0005】
【特許文献1】特許第3579334号公報
【特許文献2】特開2006−033722号公報
【非特許文献1】ITU-T Recommendation G.107,"The E-Model, a computational model for use in transmission planning", May 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来技術では、リアルタイム系アプリケーションで送信される映像や音声などのコンテンツの内容の違いによる、ユーザ体感品質に与える影響の差についてはあまり考慮されておらず、高い推定精度が求められる場合には十分ではないという問題点があった。
【0007】
リアルタイム系アプリケーションでは、高能率符号化した映像信号や音声信号などのメディア信号をフレームに分解した後、さらにメディア用パケットに変換してやり取りしている。このため、受信側アプリケーション端末でメディア信号を復号する際、受信したメディア用パケットからフレームを組み立て、さらに前後のフレーム情報を使用してメディア信号を復号する。したがって、例えばパケット網でパケット損失が発生した場合、1パケットの損失によるメディア信号の品質劣化が当該フレームにとどまらず、複数のフレームに及ぶことがある。
【0008】
このようなパケット損失に起因して正常に復号できなかった損失フレームによるユーザ体感品質への影響は、そのコンテンツの内容に応じて異なる。これは、損失フレームをメディアの劣化として知覚するかどうかという人間の知覚特性がコンテンツの内容に応じて左右されるからであり、例えば、動きの大きいスポーツ映像ではフレーム損失の影響が大きく、動きの少ないテレビ会議ではフレーム損失の影響は小さい。
図11は、異なるコンテンツ間での映像フレーム損失率−MOS値特性の違いを示す説明図である。映像フレーム損失率は、単位計測時間において送信した全フレームに対する損失フレームの割合を示す値であり、映像フレーム損失率が同一であっても、コンテンツ内容に応じてユーザが体感する品質が異なる傾向があることがわかる。
【0009】
したがって、コンテンツの内容ごとにユーザ体感品質を推定するためには、メディア用パケットに関する品質情報からコンテンツクラスを識別し、そのコンテンツクラスに応じた適切な品質推定モデルを用いる必要がある。
ここで、スポーツ映像やテレビ会議などのコンテンツジャンルに基づく分類をコンテンツクラスとして用い、当該コンテンツクラスに属するコンテンツについては、当該コンテンツクラスに対応する同一品質推定モデルを用いてユーザ体感品質を推定する方法が考えられる。
【0010】
しかし、コンテンツジャンルの分類が大まかであれば、同一コンテンツクラスに属する各コンテンツから得られる品質推定尺度のばらつきが大きくなって品質推定精度が低下する恐れがある。逆に、コンテンツジャンルの分類が細かい場合は、コンテンツクラスの数が増大して、品質推定を行う際に必要となる情報量が増大してしまう。このため、各コンテンツに関する特性を詳細に解析し、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定する必要がある。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定することができるコンテンツ特性解析装置、方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明にかかるコンテンツ特性解析装置は、パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置であって、送信側アプリケーション端末から送信されたコンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、パケット網を介して受信側アプリケーション端末により受信されたコンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得部と、送信品質情報に基づいてメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析部と、送信品質情報および受信品質情報に基づいてコンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出部と、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得部と、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析部と、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定部とを備えている。
【0013】
この際、パケット送信特性解析部で、前記パケット送信特性として、コンテンツの符号化に用いたフレーム種別ごとにメディア用パケットの送信状況を算出するようにしてもよい。
【0014】
また、品質推定尺度算出部で、コンテンツのメディア用パケットのうち受信側アプリケーション端末で正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうちこれら無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を品質推定尺度として算出するようにしてもよい。
【0015】
また、品質特性解析部で、異なるコンテンツジャンルに関するそれぞれの品質特性について、これら品質特性の算出に用いた各計測データのうち当該品質評価値の信頼区間が互いに重複している計測データ数の割合と所定の基準値とを比較することにより、コンテンツジャンルを同一品質特性クラスに分類するか否かを判断するようにしてもよい。
【0016】
また、コンテンツクラス決定部で、品質特性解析部で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとし、品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されている場合は、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、これらパケット送信特性が類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスをコンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明にかかるコンテンツ特性解析方法は、パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置で用いられるコンテンツ特性解析方法であって、品質情報取得部により、送信側アプリケーション端末から送信されたコンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、パケット網を介して受信側アプリケーション端末により受信されたコンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、送信特性解析部により、送信品質情報に基づいてパケット網におけるメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、品質推定尺度算出部により、送信品質情報および受信品質情報に基づいてコンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、品質評価取得部により、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、コンテンツクラス決定部により、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップとを備えている。
【0018】
また、本発明にかかるプログラムは、パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置のコンピュータに、品質情報取得部により、送信側アプリケーション端末から送信されたコンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、パケット網を介して受信側アプリケーション端末により受信されたコンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、送信特性解析部により、送信品質情報に基づいてパケット網におけるメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、品質推定尺度算出部により、送信品質情報および受信品質情報に基づいてコンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、品質評価取得部により、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、コンテンツクラス決定部により、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質情報取得部からの品質評価値と品質推定尺度算出部からの品質推定尺度とに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性がコンテンツジャンルごとに算出され、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルが対応する品質特性クラスに分類され、コンテンツクラス決定部により、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスが決定される。
【0020】
したがって、各コンテンツジャンルの品質特性に基づいて異なるコンテンツジャンルに関する同一品質特性クラスへの統合要否が判断されるとともに、同一品質特性クラスに分類された各コンテンツジャンルのパケット送信特性に基づいてこれらコンテンツジャンルに関する別個のコンテンツクラスへの分割要否が判断される。
これにより、コンテンツの内容の違いによる、ユーザ体感品質に与える影響の差を考慮して、各コンテンツジャンルを所望のコンテンツクラスへ適切に分類することができ、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
コンテンツ特性解析装置1は、通信機能を有する情報処理装置からなり、パケット網5を介して接続されたアプリケーション端末2(2A,2B)や受信側アプリケーション端末2Bに設けられた通信品質評価装置4にそれぞれ接続されて、これらアプリケーション端末2間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定する。
【0023】
このコンテンツ特性解析装置1には、主な機能部として、品質情報取得部11、パケット送信特性解析部12、品質推定尺度算出部13、品質評価取得部14、品質特性解析部15、およびコンテンツクラス決定部16が設けられている。
【0024】
本実施の形態は、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類し、コンテンツクラス決定部16により、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するようにしたものである。
【0025】
コンテンツ特性解析装置1の各機能部は、専用の回路部や演算処理部、さらには記憶部から構成されている。特に、演算処理部(コンピュータ)は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、周辺回路内のメモリや記憶部に格納されているプログラムを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラムとを協働させて各機能部を実現する。記憶部は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、各機能部での処理に用いる各種処理情報を記憶する。
【0026】
品質情報取得部11は、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットの送信状況を示す送信品質情報を送信側アプリケーション端末2Aから取得する機能と、受信側アプリケーション端末2Bで受信したメディア用パケットの受信状況を示す受信品質情報をアプリケーション端末2Bから取得する機能とを有している。なお、アプリケーション端末2(2A,2B)とパケット網5と間に設けられたハブ(HUB)やターミナルアダプタ(TAP)などのパケット転送装置から、当該コンテンツのメディア用パケットを収集(キャプチャ)し、これらメディア用パケットから送信品質情報および受信品質情報を取得してもよい。
【0027】
パケット送信特性解析部12は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報に基づいて、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出する機能を有している。このパケット送信特性としては、例えばコンテンツの符号化に用いたフレーム種別ごとに検出したメディア用パケットの送信量やその変化量を用いればよい。
【0028】
品質推定尺度算出部13は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報および受信品質情報に基づいて、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値の推定に用いる品質推定尺度を算出する機能を有している。この品質推定尺度としては、例えばコンテンツのメディア用パケットのうち受信側アプリケーション端末2Bで正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうち無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を用いればよい。
【0029】
品質評価取得部14は、受信側アプリケーション端末2Bに設けられた通信品質評価装置4から、受信側アプリケーション端末2Bで受信再生したコンテンツに関する品質評価結果を取得する機能を有している。この品質評価結果としては、例えば受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツからユーザが実感する品質値として、MOS値(Mean Opinion Score 平均オピニオン評点)で表現されたユーザ体感品質を用いればよい。
【0030】
品質特性解析部15は、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出する機能と、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する機能とを有している。
【0031】
この品質特性としては、例えば各種パケット挙動特性ごとに得られた、同一コンテンツジャンルに属する品質推定尺度と品質評価値との組(計測データ)から算出した回帰曲線を用いればよい。品質推定尺度として無効フレーム率を用い、品質評価値としてユーザ体感品質を用いた場合、品質特性は無効フレーム率−ユーザ体感品質特性となる。
また、コンテンツジャンルの品質特性クラスに対する分類については、例えば異なるコンテンツジャンルに関するそれぞれの品質特性について、これら品質特性の算出に用いた各計測データのうち当該計測データにおける所定信頼区間が互いに重複している割合と基準値とを比較することにより、コンテンツジャンルを同一品質特性クラスに分類するか否かを判断すればよい。
【0032】
コンテンツクラス決定部16は、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する機能と、これらコンテンツクラスごとにパケット送信特性からなるコンテンツクラス定義情報17と品質特性からなる品質推定モデル18とを算出する機能を有している。
【0033】
コンテンツクラスの決定方法としては、例えば品質特性解析部15で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとすればよい。また、品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されているものについては、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、パケット送信特性が所定の類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスをコンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割すればよい。
【0034】
また、各コンテンツクラスのコンテンツクラス定義情報17については、パケット送信特性解析部12で得られた当該コンテンツジャンルのパケット送信特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、パケット送信特性解析部12により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たなパケット送信特性を算出してもよい。
また、各コンテンツクラスの品質推定モデル18については、品質特性解析部15で得られた当該コンテンツジャンルの品質特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、品質特性解析部15により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たな品質特性を算出してもよい。
【0035】
[パケット送信特性解析処理]
次に、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置1でのパケット送信特性解析処理について詳細に説明する。図2は、パケット送信特性を示す説明図である。図3は、他のパケット送信特性を示す説明図である。
【0036】
コンテンツ特性解析装置1のパケット送信特性解析部12は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報に基づいて、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出する。
【0037】
リアルタイム系のアプリケーションは、コンテンツを各フレームに符号化する場合、コンテンツの特性に応じてフレーム種別の構成を適応的に変更することにより、所望の品質で効率よくコンテンツを送信する。このようにコンテンツの特性とフレーム構成とは関連しているため、フレームを構成するメディア用パケットに関するパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに解析しておけば、任意のメディア用パケットが属するコンテンツジャンルを認識できるとともに、コンテンツジャンル間の類似性を識別できる。
【0038】
パケット送信特性としては、フレーム種別ごとに検出した、メディア用パケット数やパケット占有率からなるパケット送信量、あるいはこれらパケット送信量の変動量などのパケット送信状況を用いればよい。パケット送信量の変動量とは、単位計測期間ごとに検出した各パケット送信特性における最大値と最小値との差を示す値である。
【0039】
図2のパケット送信特性では、MPEG(Moving Picture Exparts Group)のGOP(Group of Picture)構成を例として、各コンテンツジャンルに対して当該コンテンツのフレーム種別(I,B,P)ごとのメディア用パケット数(パケット占有率)からなるパケット送信状況が組として登録されている。また、図3のパケット送信特性では、各コンテンツジャンルに対して当該コンテンツのフレーム種別(I,B,P)ごとのメディア用パケット数の変動量からなるパケット送信状況が組として登録されている。
【0040】
パケット送信状況の検出方法については、全メディア用パケットに対して単位計測期間ごとに連続してパケット送信状況を検出する方法と、単位計測期間を計測周期ごとに間欠してパケット送信状況を検出する方法がある。いずれの方法においても、単位計測期間ごとに得られたパケット送信状況を統計処理した結果を、コンテンツジャンルに対応するパケット送信特性として用いればよい。
【0041】
本実施の形態では、パケット送信特性解析部12により、送信品質情報からメディア用パケットのフレーム種別ごとに検出したメディア用パケットのパケット送信状況を、各コンテンツジャンルのパケット送信特性として解析するようにしたので、極めて簡素な処理で、任意のメディア用パケットが属するコンテンツジャンルを認識でき、またコンテンツジャンル間の類似性を識別できる。
【0042】
[品質特性解析処理]
次に、図4および図5を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置1での品質特性解析処理について詳細に説明する。図4は、各コンテンツジャンルの品質特性を示す説明図である。図5は、コンテンツジャンルの統合判定を示す説明図である。
【0043】
コンテンツ特性解析装置1の品質推定尺度算出部13は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報および受信品質情報に基づいて、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値の推定に用いる品質推定尺度を算出する。ここでは、品質推定尺度として、送信されたフレームのうち無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を用いる場合について説明する。
【0044】
コンテンツ特性解析装置1の品質特性解析部15は、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出する。図4には、コンテンツジャンルA〜Dごとに、品質推定尺度と品質評価値からなる各計測データがプロットされており、これら計測データの回帰曲線を求めることにより、各コンテンツジャンルA〜Dの品質特性(図4中実線)が得られる。
【0045】
また、品質特性解析部15は、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する。ここでは、図5に示すように、各計測データについて品質評価値の信頼区間、例えば95%信頼区間をそれぞれ算出し、異なるコンテンツジャンルの品質特性間でこれら信頼区間の重なり程度を求めて類似性の尺度とする。そして、両者間で各計測データのうち当該信頼区間が重なっている計測データの割合が所定の基準値以上であれば、両コンテンツジャンルを同一の品質特性クラスに分類し、基準値に達していなければ両コンテンツジャンルをそれぞれ異なる品質特性クラスに分類する。
【0046】
信頼区間の重なり程度を判断する場合、図5に示すように、両コンテンツジャンルの信頼区間式を用いて判断してもよい。例えばコンテンツジャンルB,Cの95%信頼区間(片側)の平均値をΔf,Δgとし、それぞれの品質特性から得られる、任意の無効フレーム率xに対する品質推定値をf(x),g(x)とした場合、任意の無効フレーム率xにおける両品質推定値f(x),g(x)の差が両信頼区間Δf,Δgの和以下であれば信頼区間の重なっていると判断できることから、|f(x)−g(x)|≦Δf+Δgの条件が成立している割合を類似性の尺度として用いることができる。
【0047】
図5の例では、いずれの無効フレーム率xにおいてもf(x)>g(x)という条件が成立しているため、すべての無効フレーム率xのうち、f(x)−g(x)≦Δf+Δgという条件が成立している割合を類似性の尺度として用いることができる。
【0048】
本実施の形態では、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類するようにしたので、異なるコンテンツジャンルをそれぞれの品質特性に基づいて1つの品質特性クラスに統合することができる。
【0049】
また、品質推定尺度算出部13により、コンテンツのメディア用パケットのうち受信側アプリケーション端末で正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうち無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を品質推定尺度として算出するようにしたので、1つ無効パケットによるコンテンツの品質劣化が当該フレームにとどまらず複数のフレームに及ぶ場合も考慮した品質推定尺度を得ることができ、コンテンツジャンルの品質特性を精度よく算出できる。
【0050】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図6を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の動作について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置のコンテンツ特性解析処理を示すフローチャートである。
【0051】
ここでは、送信側アプリケーション端末2Aで各フレームに符号化された各種コンテンツジャンルのコンテンツが各メディア用パケットに格納されて送信され、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介して受信側アプリケーション端末2Bで受信されて再生される場合を例として説明する。なお、パケット網5としては、パケットのパケット損失率、損失パターン、遅延揺らぎなどのネットワーク特性を任意に変更できるパケット網エミュレータを用いる。これにより、品質クラス決定処理で必要となる各種ネットワーク特性を容易に設定できる。
【0052】
コンテンツ特性解析装置1の品質情報取得部11は、RTCP XR(RTP Control Protocol)などの制御用パケットで送信された送信品質情報および受信品質情報を、アプリケーション端末2A,2Bから受信して取得する(ステップ100)。なお、アプリケーション端末2A,2Bとパケット網5と間に設けられたハブ(HUB)やターミナルアダプタ(TAP)などのパケット転送装置から、品質情報取得部11により、当該コンテンツのメディア用パケットを収集(キャプチャ)し、これらメディア用パケットから送信品質情報および受信品質情報を取得してもよい。
【0053】
取得した送信品質情報に含まれている主な品質情報としては、各送信メディア用パケットに関する、送信順序を示すシーケンス番号、映像フレーム種別、映像フレーム番号、送信パケット数、および送信フレーム数がある。また受信品質情報に含まれている主な品質情報としては、各受信メディア用パケットに関する、送信順序を示すシーケンス番号および直前メディア用パケットとの到着時刻差を示す遅延揺らぎ時間がある。
【0054】
パケット送信特性解析部12は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報に基づいて、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットのパケット送信状況を解析し、当該コンテンツジャンルのパケット送信特性を算出する(ステップ101)。
また、品質推定尺度算出部13は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報および受信品質情報に基づいて、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値の推定に用いる品質推定尺度ここでは無効フレーム率を算出する(ステップ102)。
【0055】
一方、品質評価取得部14は、受信側アプリケーション端末2Bに設けられた通信品質評価装置4から、受信側アプリケーション端末2Bで受信再生した当該コンテンツに関する品質評価結果を取得する(ステップ103)。
この後、品質特性解析部15は、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し(ステップ104)、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する(ステップ105)。
【0056】
次に、コンテンツクラス決定部16は、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する(ステップ106)。
この際、例えば品質特性解析部15で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとする。
【0057】
また、品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されているものについては、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、パケット送信特性が所定の類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスをコンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割する。この際、パケット送信特性として前述した図2のようなフレーム種別ごとの送信パケット数を用いている場合、類似範囲を例えば10パケットとして、各コンテンツジャンルのパケット送信特性であるパケット送信数の差が10パケット以内であれば1つのコンテンツクラスとし、パケット送信数の差が10パケットを超える場合は異なるコンテンツクラスに分割すればよい。
【0058】
この後、コンテンツクラス決定部16は、これらコンテンツクラスごとにパケット送信特性からなるコンテンツクラス定義情報17を算出する(ステップ107)。各コンテンツクラスのコンテンツクラス定義情報17については、パケット送信特性解析部12で得られた当該コンテンツジャンルのパケット送信特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、パケット送信特性解析部12により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たなパケット送信特性を算出してもよい。これにより、前述した図2と同様の、各コンテンツクラスとパケット送信状況との組からなるコンテンツ判定情報が記憶部へ出力される。
【0059】
また、コンテンツクラス決定部16は、これらコンテンツクラスごとに品質特性からなる品質推定モデル18とを算出する(ステップ108)。各コンテンツクラスの品質推定モデル18については、品質特性解析部15で得られた当該コンテンツジャンルの品質特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、品質特性解析部15により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たな品質特性を算出してもよい。これにより、コンテンツクラスごとの品質推定モデルが記憶部へ出力され、一連のコンテンツ特性解析処理が終了する。
【0060】
図7は、コンテンツジャンルの統合および分割を示す説明図である。ここでは、得なる5つのコンテンツジャンルA〜Eのコンテンツが用意されており、品質特性解析部15でそれぞれの品質特性M(A)〜M(E)の類似性に基づき統合される。この例では、品質特性M(B),M(C)、および品質特性M(D),M(E)が類似範囲内にあり、結果として、コンテンツジャンルB,Cが品質特性クラスQに統合され、コンテンツジャンルD,Eが品質特性クラスRに統合されている。また、コンテンツジャンルAは、他のコンテンツジャンルと類似範囲にはなく、統合されずに品質特性クラスPに分類されている。
【0061】
次に、コンテンツクラス決定部16により、各品質特性クラスQ,Rについて、パケット送信特性解析部12で得られたパケット送信特性N(B)〜N(E)に基づき、分割要否が判断される。ここでは、パケット送信特性N(B),N(C)が類似範囲内にあり、品質特性クラスQは分割不要と判断されて1つのコンテンツクラスbに分類されている。一方、パケット送信特性N(D),N(E)が類似範囲にはなく、品質特性クラスRは分割要と判断され、元のコンテンツジャンルD,Eがそれぞれコンテンツクラスd,eに分割されている。また、品質特性クラスPは1つのコンテンツジャンルAからなるため、分割不要と判断されて、コンテンツクラスaに分類されている。
【0062】
この後、コンテンツクラス決定部16により、各コンテンツクラスa,b,d,eについて、パケット送信特性N(a),N(b),N(d),N(e)からなるコンテンツクラス定義情報17と、品質特性M(a),M(b),M(d),M(e)からなる品質推定モデル18が生成される。この際、コンテンツクラスbに複数のコンテンツジャンルが統合されているため、このコンテンツクラスbに属する全メディア用パケットから新たなパケット送信特性N(Q)が再計算されN(b)となる。同様に、コンテンツクラスbに属するコンテンツジャンルB,Cの品質推定尺度と品質評価値とから新たな品質特性M(Q)が再計算されM(b)となる。その他のコンテンツクラスについては、当該コンテンツジャンルのパケット送信特性と品質特性が流用される。
【0063】
このように、本実施の形態は、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類し、コンテンツクラス決定部16により、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する。
【0064】
したがって、各コンテンツジャンルの品質特性に基づいて異なるコンテンツジャンルに関する同一品質特性クラスへの統合要否が判断されるとともに、同一品質特性クラスに分類された各コンテンツジャンルのパケット送信特性に基づいてこれらコンテンツジャンルに関する別個のコンテンツクラスへの分割要否が判断される。
これにより、コンテンツの内容の違いによる、ユーザ体感品質に与える影響の差を考慮して、各コンテンツジャンルを所望のコンテンツクラスへ適切に分類することができ、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、パケット送信特性解析部12により、送信品質情報からメディア用パケットのフレーム種別ごとに検出したメディア用パケットのパケット送信状況を、各コンテンツジャンルのパケット送信特性として解析するようにしたので、極めて簡素な処理で、任意のメディア用パケットが属するコンテンツジャンルを認識でき、またコンテンツジャンル間の類似性を識別できる。
【0066】
また、本実施の形態では、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類するようにしたので、異なるコンテンツジャンルをそれぞれの品質特性に基づいて1つの品質特性クラスに統合することができる。
【0067】
[第2の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効パケット判定処理を示すフローチャートである。
【0068】
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態の品質推定尺度算出部13における無効パケット判定処理の具体例について説明する。
品質推定尺度算出部13は、まず、送信品質情報から未判定の送信メディア用パケットを任意に選択し(ステップ120)、そのシーケンス番号と同じメディア用パケットが受信されているか受信品質情報で確認する(ステップ121)。ここで、シーケンス番号と同じメディア用パケットが受信されていない場合には(ステップ121:NO)、当該メディア用パケットが途中の伝送路で損失した損失パケットであると判断できることから、無効パケットであると判定する(ステップ125)。
【0069】
一方、シーケンス番号と同じメディア用パケットが受信されている場合には(ステップ121:YES)、当該送信メディア用パケットの遅延揺らぎ時間を受信品質情報で確認し、リアルタイム系アプリケーションが持つ許容遅延時間と比較する(ステップ122)。ここで、遅延揺らぎ時間が許容遅延時間を上回っている場合には(ステップ122:NO)、当該メディア用パケットが途中の伝送路や端末内で遅延して到着した遅着パケットであると判断できることから、無効パケットであると判定する(ステップ125)。
【0070】
一方、遅延揺らぎ時間が許容遅延時間以下である場合には(ステップ122:YES)、当該リアルタイム系アプリケーションが到着順序逆転パケットを損失と見なす場合にのみ(ステップ123:YES)、かつ当該メディア用パケットの到着順とシーケンス番号とが一致するか受信品質情報により確認する。ここで、この一致が確認できず到着順序が逆転しているパケットである場合には(ステップ124:YES)、無効パケットであると判定する(ステップ125)。
【0071】
なお、到着順序が逆転していない場合(ステップ124:NO)や、当該リアルタイム系アプリケーションが到着順序逆転パケットを損失と見なさない場合(ステップ123:NO)、当該パケットは無効パケットではないと判定する(ステップ126)。
このようにして、選択した送信メディア用パケットに対して無効パケット判定を行った後、無効パケット未判定の送信パケットが残っている場合には(ステップ127:YES)、前述したステップ120へ戻って残りの受信メディア用パケットに対する無効パケット判定を繰り返し行う。一方、すべての送信メディア用パケットに対して無効パケット判定が終了した場合(ステップ127:NO)、一連の無効パケット判定処理を終了する。
【0072】
このように、本実施の形態では、品質推定尺度算出部13により、送信品質情報で送信が確認されたメディア用パケットのうち受信品質情報で受信が確認されていないメディア用パケット、および受信品質情報の各メディア用パケットの到着時刻から得た直前メディア用パケットとの到着時刻差がアプリケーションの許容パケット遅延時間を超えるメディア用パケットを無効パケットと判定するようにしたので、途中の伝送路だけではなく遅着により損失したパケットについても無効パケットと判定することができ、受信側のリアルタイム系アプリケーションでメディアとして再生できないパケットを正確に判定できる。
【0073】
また、品質推定尺度算出部13により、受信品質情報で受信確認されたメディア用パケットの送信順序と受信順序とが矛盾するメディア用パケットを無効パケットと判定するようにしたので、当該リアルタイム系アプリケーションが到着順序逆転パケットを損失と見なす場合、受信側のリアルタイム系アプリケーションでメディアとして再生できないパケットをさらに正確に判定できる。
【0074】
[第3の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置について説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効フレーム判定処理を示すフローチャートである。
【0075】
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態の品質推定尺度算出部13における無効フレーム判定処理の具体例について説明する。
品質推定尺度算出部13は、まず、送信品質情報で送信確認されている各フレームのうち、対象フレーム識別手段12Bにより無効パケットを含むために対象フレームと識別されたフレームを無効フレームと判定する(ステップ130)。
【0076】
次に、受信品質情報を参照して、受信側に到着した順序にしたがって無効フレーム未判定のフレームを選択し(ステップ131)、当該リアルタイム系アプリケーションでメディアの符号化に用いたフレーム構成を示すフレーム構成情報と受信品質情報とを参照することにより、当該フレームの復号に用いる他のフレームに、無効フレームが含まれているか確認する(ステップ132)。フレーム構成情報は、予め記憶部に設定しておいてもよく送受信品質情報で取得してもよい。
【0077】
ここで、無効フレームが含まれている場合(ステップ132:YES)、当該フレームを正常に復号できないことから、当該フレームを無効フレームと判定する(ステップ133)。一方、無効フレームが含まれていない場合(ステップ132:NO)、当該フレームを正常に復号できることから、当該フレームを無効フレームではないと判定する(ステップ134)。
【0078】
図10は、無効フレームの判定処理例である。ここでは、例えば、MPEG符号化方式に基づいて、映像メディアが「IBB」のGOP構成で圧縮符号化されフレームに分割されている。フレーム種別Iフレームは基準となるフレームで、Iフレームだけで元のフレームを復号できる。フレーム種別BフレームはIフレームとの差分データからなり、その復号にはIフレームが必要となる。
【0079】
図10に示すように、フレーム「1〜9」が「IBB」のGOP構成にしたがってメディア用パケットに分割されて送信され、受信側で受信した際、このうちフレーム「2,4,7,8」に無効パケットが含まれていたとする。
この場合には、まず、無効パケットを含む対象フレームが無効フレームと判定され、さらに、これら無効フレームを復号時に用いるフレームについても無効フレームと判定される。
【0080】
具体的には、フレーム「5,6」の復号にフレーム「4」を用いるがフレーム「4」が無効フレームであるため、これらフレーム「5,6」も無効フレームと判定される。同様に、フレーム「9」の復号にフレーム「7」を用いるがフレーム「7」が無効フレームであるため、フレーム「9」も無効フレームと判定される。なお、フレーム「3」の復号にフレーム「1」を用いるがフレーム「1」が無効フレームではないため、フレーム「3」は無効フレームではないと判定される。
【0081】
このようにして、選択したフレームに対して無効フレーム判定を行った後、無効フレーム未判定のフレームが残っている場合には(ステップ135:YES)、前述したステップ131へ戻って残りのフレームに対する無効フレーム判定を繰り返し行う。一方、すべての送信メディア用パケットに対して無効パケット判定が終了した場合(ステップ135:NO)、一連の無効フレーム判定処理を終了する。
【0082】
このように、本実施の形態では、品質推定尺度算出部13により、各フレームのうち対象フレームを無効フレームと判定するとともに、フレーム構成で規定されているフレーム種別の並びに従って当該フレームの復号に用いる他のフレームに無効フレームが含まれている場合には当該フレームを無効フレームと判定するようにしたので、単に無効パケットの有無により無効フレームを判定する場合と比較して、実際のフレーム構成に応じて正確に無効フレームを判定できる。
【0083】
[各実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、コンテンツ特性解析装置1が、コンテンツ特性解析処理に必要な送受信品質情報や品質評価値をアプリケーション端末2A,2Bや通信品質評価装置4から、メディア送信時にリアルタイム(オンライン)で取得する場合を例として説明したが、これに限定去られるものではない。例えば、任意の計測システムで予めコンテンツ特性解析処理に必要な送受信品質情報や品質評価値を計測しておき、その後(オフラインで)これらデータをコンテンツ特性解析装置1に入力するようにしてもよい。
【0084】
また、コンテンツ特性解析装置1により、コンテンツ特性解析処理に必要な送受信品質情報や品質評価値をメディア送信時にリアルタイム(オンライン)で取得する場合、送信側アプリケーション端末2Aから送信すべきコンテンツジャンルのコンテンツを選択指示する機能、パケット網エミュレータからなるパケット網5に対して所定のパケット挙動特性を指示する機能、さらには受信側アプリケーション端末2Bでのユーザ体感品質を評価する機能などをコンテンツ特性解析装置1に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】パケット送信特性を示す説明図である。
【図3】他のパケット送信特性を示す説明図である。
【図4】各コンテンツジャンルの品質特性を示す説明図である。
【図5】コンテンツジャンルの統合判定を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置のコンテンツ特性解析処理を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツジャンルの統合および分割を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効パケット判定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効フレーム判定処理を示すフローチャートである。
【図10】無効フレームの判定処理例である。
【図11】異なるコンテンツ間での映像フレーム損失率−MOS値特性の違いを示す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1…コンテンツ特性解析装置、11…品質情報取得部、12…パケット送信特性解析部、13…品質推定尺度算出部、14…品質評価取得部、15…品質特性解析部、16…コンテンツクラス決定部、17…コンテンツクラス定義情報、18…品質推定モデル、2,2A,2B…アプリケーション端末、4…通信品質評価装置、5…パケット網。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信品質推定技術に関し、特にリアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質に影響を与えるコンテンツ特性を解析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パケット通信技術の飛躍的な発展に伴い、パケット網が音声や映像等のメディア(コンテンツ)を1対1あるいは多地点間で通信するリアルタイム系アプリケーションで利用されつつある。パケット網のインサービス品質管理では、このようなアプリケーションに対する品質管理も必要とされている。特にリアルタイム系アプリケーションでは、実際にアプリケーションを利用するユーザレベルでの主観的あるいは客観的な品質などのユーザ体感品質を用いた品質管理が重要視されており、ネットワーク品質からユーザ体感品質を推定する技術も提案されている(例えば、非特許文献1等参照)。
【0003】
また、発明者らは、無効パケットに基づきリアルタイム系アプリケーションの主観品質を推定する技術を提案した(例えば、特許文献1等参照)。この技術では、試験用パケットのうち受信側端末へ到着しなかった損失パケットと、直前到着パケットとの到着間隔がリアルタイム系アプリケーションの揺らぎ吸収許容時間を越えた遅着パケットとを無効パケットと判定してこれら無効パケット数を計数し、送信側から送信されたすべての試験用パケット数に対する無効パケット数の割合を無効パケット率として算出し、予め生成しておいた無効パケット率と主観品質評価値との関係を示す品質推定モデルを参照して、無効パケット率に対応する主観品質評価値を推定している。
【0004】
これに対して、従来、発明者らは、損失パケットから推定した映像品質劣化の度合いと映像品質劣化の継続時間長に基づいてリアルタイム系アプリケーションの主観品質を推定する技術を提案した(例えば、特許文献2等参照)。この技術では、ユーザ端末へ送る映像パケットごとにそのパケットが属する高能率圧縮符号化時のフレーム種別およびフレーム発生規則を埋め込む。ユーザ端末において、損失パケットの生成番号から1映像フレーム内の品質劣化の程度や割合などの度合いを推定し、損失パケットが属する高能率圧縮符号化時のフレーム種別およびフレーム発生規則から映像品質劣化の継続時間長を推定し、推定した映像品質劣化の度合いと映像品質劣化の継続時間長に基づいてユーザ端末において復号される映像の主観品質を推定している。これにより、簡単な構成で推定精度の改善が得られた。
【0005】
【特許文献1】特許第3579334号公報
【特許文献2】特開2006−033722号公報
【非特許文献1】ITU-T Recommendation G.107,"The E-Model, a computational model for use in transmission planning", May 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来技術では、リアルタイム系アプリケーションで送信される映像や音声などのコンテンツの内容の違いによる、ユーザ体感品質に与える影響の差についてはあまり考慮されておらず、高い推定精度が求められる場合には十分ではないという問題点があった。
【0007】
リアルタイム系アプリケーションでは、高能率符号化した映像信号や音声信号などのメディア信号をフレームに分解した後、さらにメディア用パケットに変換してやり取りしている。このため、受信側アプリケーション端末でメディア信号を復号する際、受信したメディア用パケットからフレームを組み立て、さらに前後のフレーム情報を使用してメディア信号を復号する。したがって、例えばパケット網でパケット損失が発生した場合、1パケットの損失によるメディア信号の品質劣化が当該フレームにとどまらず、複数のフレームに及ぶことがある。
【0008】
このようなパケット損失に起因して正常に復号できなかった損失フレームによるユーザ体感品質への影響は、そのコンテンツの内容に応じて異なる。これは、損失フレームをメディアの劣化として知覚するかどうかという人間の知覚特性がコンテンツの内容に応じて左右されるからであり、例えば、動きの大きいスポーツ映像ではフレーム損失の影響が大きく、動きの少ないテレビ会議ではフレーム損失の影響は小さい。
図11は、異なるコンテンツ間での映像フレーム損失率−MOS値特性の違いを示す説明図である。映像フレーム損失率は、単位計測時間において送信した全フレームに対する損失フレームの割合を示す値であり、映像フレーム損失率が同一であっても、コンテンツ内容に応じてユーザが体感する品質が異なる傾向があることがわかる。
【0009】
したがって、コンテンツの内容ごとにユーザ体感品質を推定するためには、メディア用パケットに関する品質情報からコンテンツクラスを識別し、そのコンテンツクラスに応じた適切な品質推定モデルを用いる必要がある。
ここで、スポーツ映像やテレビ会議などのコンテンツジャンルに基づく分類をコンテンツクラスとして用い、当該コンテンツクラスに属するコンテンツについては、当該コンテンツクラスに対応する同一品質推定モデルを用いてユーザ体感品質を推定する方法が考えられる。
【0010】
しかし、コンテンツジャンルの分類が大まかであれば、同一コンテンツクラスに属する各コンテンツから得られる品質推定尺度のばらつきが大きくなって品質推定精度が低下する恐れがある。逆に、コンテンツジャンルの分類が細かい場合は、コンテンツクラスの数が増大して、品質推定を行う際に必要となる情報量が増大してしまう。このため、各コンテンツに関する特性を詳細に解析し、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定する必要がある。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定することができるコンテンツ特性解析装置、方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明にかかるコンテンツ特性解析装置は、パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置であって、送信側アプリケーション端末から送信されたコンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、パケット網を介して受信側アプリケーション端末により受信されたコンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得部と、送信品質情報に基づいてメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析部と、送信品質情報および受信品質情報に基づいてコンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出部と、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得部と、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析部と、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定部とを備えている。
【0013】
この際、パケット送信特性解析部で、前記パケット送信特性として、コンテンツの符号化に用いたフレーム種別ごとにメディア用パケットの送信状況を算出するようにしてもよい。
【0014】
また、品質推定尺度算出部で、コンテンツのメディア用パケットのうち受信側アプリケーション端末で正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうちこれら無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を品質推定尺度として算出するようにしてもよい。
【0015】
また、品質特性解析部で、異なるコンテンツジャンルに関するそれぞれの品質特性について、これら品質特性の算出に用いた各計測データのうち当該品質評価値の信頼区間が互いに重複している計測データ数の割合と所定の基準値とを比較することにより、コンテンツジャンルを同一品質特性クラスに分類するか否かを判断するようにしてもよい。
【0016】
また、コンテンツクラス決定部で、品質特性解析部で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとし、品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されている場合は、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、これらパケット送信特性が類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスをコンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明にかかるコンテンツ特性解析方法は、パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置で用いられるコンテンツ特性解析方法であって、品質情報取得部により、送信側アプリケーション端末から送信されたコンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、パケット網を介して受信側アプリケーション端末により受信されたコンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、送信特性解析部により、送信品質情報に基づいてパケット網におけるメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、品質推定尺度算出部により、送信品質情報および受信品質情報に基づいてコンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、品質評価取得部により、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、コンテンツクラス決定部により、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップとを備えている。
【0018】
また、本発明にかかるプログラムは、パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置のコンピュータに、品質情報取得部により、送信側アプリケーション端末から送信されたコンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、パケット網を介して受信側アプリケーション端末により受信されたコンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、送信特性解析部により、送信品質情報に基づいてパケット網におけるメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、品質推定尺度算出部により、送信品質情報および受信品質情報に基づいてコンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、品質評価取得部により、受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、コンテンツクラス決定部により、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下のパケット網を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質情報取得部からの品質評価値と品質推定尺度算出部からの品質推定尺度とに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性がコンテンツジャンルごとに算出され、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルが対応する品質特性クラスに分類され、コンテンツクラス決定部により、品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスが決定される。
【0020】
したがって、各コンテンツジャンルの品質特性に基づいて異なるコンテンツジャンルに関する同一品質特性クラスへの統合要否が判断されるとともに、同一品質特性クラスに分類された各コンテンツジャンルのパケット送信特性に基づいてこれらコンテンツジャンルに関する別個のコンテンツクラスへの分割要否が判断される。
これにより、コンテンツの内容の違いによる、ユーザ体感品質に与える影響の差を考慮して、各コンテンツジャンルを所望のコンテンツクラスへ適切に分類することができ、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
コンテンツ特性解析装置1は、通信機能を有する情報処理装置からなり、パケット網5を介して接続されたアプリケーション端末2(2A,2B)や受信側アプリケーション端末2Bに設けられた通信品質評価装置4にそれぞれ接続されて、これらアプリケーション端末2間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定する。
【0023】
このコンテンツ特性解析装置1には、主な機能部として、品質情報取得部11、パケット送信特性解析部12、品質推定尺度算出部13、品質評価取得部14、品質特性解析部15、およびコンテンツクラス決定部16が設けられている。
【0024】
本実施の形態は、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類し、コンテンツクラス決定部16により、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定するようにしたものである。
【0025】
コンテンツ特性解析装置1の各機能部は、専用の回路部や演算処理部、さらには記憶部から構成されている。特に、演算処理部(コンピュータ)は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、周辺回路内のメモリや記憶部に格納されているプログラムを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラムとを協働させて各機能部を実現する。記憶部は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、各機能部での処理に用いる各種処理情報を記憶する。
【0026】
品質情報取得部11は、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットの送信状況を示す送信品質情報を送信側アプリケーション端末2Aから取得する機能と、受信側アプリケーション端末2Bで受信したメディア用パケットの受信状況を示す受信品質情報をアプリケーション端末2Bから取得する機能とを有している。なお、アプリケーション端末2(2A,2B)とパケット網5と間に設けられたハブ(HUB)やターミナルアダプタ(TAP)などのパケット転送装置から、当該コンテンツのメディア用パケットを収集(キャプチャ)し、これらメディア用パケットから送信品質情報および受信品質情報を取得してもよい。
【0027】
パケット送信特性解析部12は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報に基づいて、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出する機能を有している。このパケット送信特性としては、例えばコンテンツの符号化に用いたフレーム種別ごとに検出したメディア用パケットの送信量やその変化量を用いればよい。
【0028】
品質推定尺度算出部13は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報および受信品質情報に基づいて、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値の推定に用いる品質推定尺度を算出する機能を有している。この品質推定尺度としては、例えばコンテンツのメディア用パケットのうち受信側アプリケーション端末2Bで正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうち無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を用いればよい。
【0029】
品質評価取得部14は、受信側アプリケーション端末2Bに設けられた通信品質評価装置4から、受信側アプリケーション端末2Bで受信再生したコンテンツに関する品質評価結果を取得する機能を有している。この品質評価結果としては、例えば受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツからユーザが実感する品質値として、MOS値(Mean Opinion Score 平均オピニオン評点)で表現されたユーザ体感品質を用いればよい。
【0030】
品質特性解析部15は、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出する機能と、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する機能とを有している。
【0031】
この品質特性としては、例えば各種パケット挙動特性ごとに得られた、同一コンテンツジャンルに属する品質推定尺度と品質評価値との組(計測データ)から算出した回帰曲線を用いればよい。品質推定尺度として無効フレーム率を用い、品質評価値としてユーザ体感品質を用いた場合、品質特性は無効フレーム率−ユーザ体感品質特性となる。
また、コンテンツジャンルの品質特性クラスに対する分類については、例えば異なるコンテンツジャンルに関するそれぞれの品質特性について、これら品質特性の算出に用いた各計測データのうち当該計測データにおける所定信頼区間が互いに重複している割合と基準値とを比較することにより、コンテンツジャンルを同一品質特性クラスに分類するか否かを判断すればよい。
【0032】
コンテンツクラス決定部16は、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する機能と、これらコンテンツクラスごとにパケット送信特性からなるコンテンツクラス定義情報17と品質特性からなる品質推定モデル18とを算出する機能を有している。
【0033】
コンテンツクラスの決定方法としては、例えば品質特性解析部15で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとすればよい。また、品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されているものについては、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、パケット送信特性が所定の類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスをコンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割すればよい。
【0034】
また、各コンテンツクラスのコンテンツクラス定義情報17については、パケット送信特性解析部12で得られた当該コンテンツジャンルのパケット送信特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、パケット送信特性解析部12により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たなパケット送信特性を算出してもよい。
また、各コンテンツクラスの品質推定モデル18については、品質特性解析部15で得られた当該コンテンツジャンルの品質特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、品質特性解析部15により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たな品質特性を算出してもよい。
【0035】
[パケット送信特性解析処理]
次に、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置1でのパケット送信特性解析処理について詳細に説明する。図2は、パケット送信特性を示す説明図である。図3は、他のパケット送信特性を示す説明図である。
【0036】
コンテンツ特性解析装置1のパケット送信特性解析部12は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報に基づいて、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットのパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに算出する。
【0037】
リアルタイム系のアプリケーションは、コンテンツを各フレームに符号化する場合、コンテンツの特性に応じてフレーム種別の構成を適応的に変更することにより、所望の品質で効率よくコンテンツを送信する。このようにコンテンツの特性とフレーム構成とは関連しているため、フレームを構成するメディア用パケットに関するパケット送信特性をコンテンツジャンルごとに解析しておけば、任意のメディア用パケットが属するコンテンツジャンルを認識できるとともに、コンテンツジャンル間の類似性を識別できる。
【0038】
パケット送信特性としては、フレーム種別ごとに検出した、メディア用パケット数やパケット占有率からなるパケット送信量、あるいはこれらパケット送信量の変動量などのパケット送信状況を用いればよい。パケット送信量の変動量とは、単位計測期間ごとに検出した各パケット送信特性における最大値と最小値との差を示す値である。
【0039】
図2のパケット送信特性では、MPEG(Moving Picture Exparts Group)のGOP(Group of Picture)構成を例として、各コンテンツジャンルに対して当該コンテンツのフレーム種別(I,B,P)ごとのメディア用パケット数(パケット占有率)からなるパケット送信状況が組として登録されている。また、図3のパケット送信特性では、各コンテンツジャンルに対して当該コンテンツのフレーム種別(I,B,P)ごとのメディア用パケット数の変動量からなるパケット送信状況が組として登録されている。
【0040】
パケット送信状況の検出方法については、全メディア用パケットに対して単位計測期間ごとに連続してパケット送信状況を検出する方法と、単位計測期間を計測周期ごとに間欠してパケット送信状況を検出する方法がある。いずれの方法においても、単位計測期間ごとに得られたパケット送信状況を統計処理した結果を、コンテンツジャンルに対応するパケット送信特性として用いればよい。
【0041】
本実施の形態では、パケット送信特性解析部12により、送信品質情報からメディア用パケットのフレーム種別ごとに検出したメディア用パケットのパケット送信状況を、各コンテンツジャンルのパケット送信特性として解析するようにしたので、極めて簡素な処理で、任意のメディア用パケットが属するコンテンツジャンルを認識でき、またコンテンツジャンル間の類似性を識別できる。
【0042】
[品質特性解析処理]
次に、図4および図5を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置1での品質特性解析処理について詳細に説明する。図4は、各コンテンツジャンルの品質特性を示す説明図である。図5は、コンテンツジャンルの統合判定を示す説明図である。
【0043】
コンテンツ特性解析装置1の品質推定尺度算出部13は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報および受信品質情報に基づいて、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値の推定に用いる品質推定尺度を算出する。ここでは、品質推定尺度として、送信されたフレームのうち無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を用いる場合について説明する。
【0044】
コンテンツ特性解析装置1の品質特性解析部15は、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出する。図4には、コンテンツジャンルA〜Dごとに、品質推定尺度と品質評価値からなる各計測データがプロットされており、これら計測データの回帰曲線を求めることにより、各コンテンツジャンルA〜Dの品質特性(図4中実線)が得られる。
【0045】
また、品質特性解析部15は、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する。ここでは、図5に示すように、各計測データについて品質評価値の信頼区間、例えば95%信頼区間をそれぞれ算出し、異なるコンテンツジャンルの品質特性間でこれら信頼区間の重なり程度を求めて類似性の尺度とする。そして、両者間で各計測データのうち当該信頼区間が重なっている計測データの割合が所定の基準値以上であれば、両コンテンツジャンルを同一の品質特性クラスに分類し、基準値に達していなければ両コンテンツジャンルをそれぞれ異なる品質特性クラスに分類する。
【0046】
信頼区間の重なり程度を判断する場合、図5に示すように、両コンテンツジャンルの信頼区間式を用いて判断してもよい。例えばコンテンツジャンルB,Cの95%信頼区間(片側)の平均値をΔf,Δgとし、それぞれの品質特性から得られる、任意の無効フレーム率xに対する品質推定値をf(x),g(x)とした場合、任意の無効フレーム率xにおける両品質推定値f(x),g(x)の差が両信頼区間Δf,Δgの和以下であれば信頼区間の重なっていると判断できることから、|f(x)−g(x)|≦Δf+Δgの条件が成立している割合を類似性の尺度として用いることができる。
【0047】
図5の例では、いずれの無効フレーム率xにおいてもf(x)>g(x)という条件が成立しているため、すべての無効フレーム率xのうち、f(x)−g(x)≦Δf+Δgという条件が成立している割合を類似性の尺度として用いることができる。
【0048】
本実施の形態では、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類するようにしたので、異なるコンテンツジャンルをそれぞれの品質特性に基づいて1つの品質特性クラスに統合することができる。
【0049】
また、品質推定尺度算出部13により、コンテンツのメディア用パケットのうち受信側アプリケーション端末で正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうち無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を品質推定尺度として算出するようにしたので、1つ無効パケットによるコンテンツの品質劣化が当該フレームにとどまらず複数のフレームに及ぶ場合も考慮した品質推定尺度を得ることができ、コンテンツジャンルの品質特性を精度よく算出できる。
【0050】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図6を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の動作について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置のコンテンツ特性解析処理を示すフローチャートである。
【0051】
ここでは、送信側アプリケーション端末2Aで各フレームに符号化された各種コンテンツジャンルのコンテンツが各メディア用パケットに格納されて送信され、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介して受信側アプリケーション端末2Bで受信されて再生される場合を例として説明する。なお、パケット網5としては、パケットのパケット損失率、損失パターン、遅延揺らぎなどのネットワーク特性を任意に変更できるパケット網エミュレータを用いる。これにより、品質クラス決定処理で必要となる各種ネットワーク特性を容易に設定できる。
【0052】
コンテンツ特性解析装置1の品質情報取得部11は、RTCP XR(RTP Control Protocol)などの制御用パケットで送信された送信品質情報および受信品質情報を、アプリケーション端末2A,2Bから受信して取得する(ステップ100)。なお、アプリケーション端末2A,2Bとパケット網5と間に設けられたハブ(HUB)やターミナルアダプタ(TAP)などのパケット転送装置から、品質情報取得部11により、当該コンテンツのメディア用パケットを収集(キャプチャ)し、これらメディア用パケットから送信品質情報および受信品質情報を取得してもよい。
【0053】
取得した送信品質情報に含まれている主な品質情報としては、各送信メディア用パケットに関する、送信順序を示すシーケンス番号、映像フレーム種別、映像フレーム番号、送信パケット数、および送信フレーム数がある。また受信品質情報に含まれている主な品質情報としては、各受信メディア用パケットに関する、送信順序を示すシーケンス番号および直前メディア用パケットとの到着時刻差を示す遅延揺らぎ時間がある。
【0054】
パケット送信特性解析部12は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報に基づいて、送信側アプリケーション端末2Aから送信されたメディア用パケットのパケット送信状況を解析し、当該コンテンツジャンルのパケット送信特性を算出する(ステップ101)。
また、品質推定尺度算出部13は、品質情報取得部11で取得した送信品質情報および受信品質情報に基づいて、受信側アプリケーション端末2Bで再生したコンテンツの品質評価値の推定に用いる品質推定尺度ここでは無効フレーム率を算出する(ステップ102)。
【0055】
一方、品質評価取得部14は、受信側アプリケーション端末2Bに設けられた通信品質評価装置4から、受信側アプリケーション端末2Bで受信再生した当該コンテンツに関する品質評価結果を取得する(ステップ103)。
この後、品質特性解析部15は、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し(ステップ104)、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する(ステップ105)。
【0056】
次に、コンテンツクラス決定部16は、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する(ステップ106)。
この際、例えば品質特性解析部15で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとする。
【0057】
また、品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されているものについては、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、パケット送信特性が所定の類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスをコンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割する。この際、パケット送信特性として前述した図2のようなフレーム種別ごとの送信パケット数を用いている場合、類似範囲を例えば10パケットとして、各コンテンツジャンルのパケット送信特性であるパケット送信数の差が10パケット以内であれば1つのコンテンツクラスとし、パケット送信数の差が10パケットを超える場合は異なるコンテンツクラスに分割すればよい。
【0058】
この後、コンテンツクラス決定部16は、これらコンテンツクラスごとにパケット送信特性からなるコンテンツクラス定義情報17を算出する(ステップ107)。各コンテンツクラスのコンテンツクラス定義情報17については、パケット送信特性解析部12で得られた当該コンテンツジャンルのパケット送信特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、パケット送信特性解析部12により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たなパケット送信特性を算出してもよい。これにより、前述した図2と同様の、各コンテンツクラスとパケット送信状況との組からなるコンテンツ判定情報が記憶部へ出力される。
【0059】
また、コンテンツクラス決定部16は、これらコンテンツクラスごとに品質特性からなる品質推定モデル18とを算出する(ステップ108)。各コンテンツクラスの品質推定モデル18については、品質特性解析部15で得られた当該コンテンツジャンルの品質特性を用いてもよく、コンテンツジャンルが統合されている場合には、品質特性解析部15により、当該コンテンツクラスに属する全メディア用パケットから新たな品質特性を算出してもよい。これにより、コンテンツクラスごとの品質推定モデルが記憶部へ出力され、一連のコンテンツ特性解析処理が終了する。
【0060】
図7は、コンテンツジャンルの統合および分割を示す説明図である。ここでは、得なる5つのコンテンツジャンルA〜Eのコンテンツが用意されており、品質特性解析部15でそれぞれの品質特性M(A)〜M(E)の類似性に基づき統合される。この例では、品質特性M(B),M(C)、および品質特性M(D),M(E)が類似範囲内にあり、結果として、コンテンツジャンルB,Cが品質特性クラスQに統合され、コンテンツジャンルD,Eが品質特性クラスRに統合されている。また、コンテンツジャンルAは、他のコンテンツジャンルと類似範囲にはなく、統合されずに品質特性クラスPに分類されている。
【0061】
次に、コンテンツクラス決定部16により、各品質特性クラスQ,Rについて、パケット送信特性解析部12で得られたパケット送信特性N(B)〜N(E)に基づき、分割要否が判断される。ここでは、パケット送信特性N(B),N(C)が類似範囲内にあり、品質特性クラスQは分割不要と判断されて1つのコンテンツクラスbに分類されている。一方、パケット送信特性N(D),N(E)が類似範囲にはなく、品質特性クラスRは分割要と判断され、元のコンテンツジャンルD,Eがそれぞれコンテンツクラスd,eに分割されている。また、品質特性クラスPは1つのコンテンツジャンルAからなるため、分割不要と判断されて、コンテンツクラスaに分類されている。
【0062】
この後、コンテンツクラス決定部16により、各コンテンツクラスa,b,d,eについて、パケット送信特性N(a),N(b),N(d),N(e)からなるコンテンツクラス定義情報17と、品質特性M(a),M(b),M(d),M(e)からなる品質推定モデル18が生成される。この際、コンテンツクラスbに複数のコンテンツジャンルが統合されているため、このコンテンツクラスbに属する全メディア用パケットから新たなパケット送信特性N(Q)が再計算されN(b)となる。同様に、コンテンツクラスbに属するコンテンツジャンルB,Cの品質推定尺度と品質評価値とから新たな品質特性M(Q)が再計算されM(b)となる。その他のコンテンツクラスについては、当該コンテンツジャンルのパケット送信特性と品質特性が流用される。
【0063】
このように、本実施の形態は、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類し、コンテンツクラス決定部16により、品質特性解析部15で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルのパケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、コンテンツクラスを決定する。
【0064】
したがって、各コンテンツジャンルの品質特性に基づいて異なるコンテンツジャンルに関する同一品質特性クラスへの統合要否が判断されるとともに、同一品質特性クラスに分類された各コンテンツジャンルのパケット送信特性に基づいてこれらコンテンツジャンルに関する別個のコンテンツクラスへの分割要否が判断される。
これにより、コンテンツの内容の違いによる、ユーザ体感品質に与える影響の差を考慮して、各コンテンツジャンルを所望のコンテンツクラスへ適切に分類することができ、品質推定に用いるコンテンツクラスを必要最小限の分類数で適切に決定することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、パケット送信特性解析部12により、送信品質情報からメディア用パケットのフレーム種別ごとに検出したメディア用パケットのパケット送信状況を、各コンテンツジャンルのパケット送信特性として解析するようにしたので、極めて簡素な処理で、任意のメディア用パケットが属するコンテンツジャンルを認識でき、またコンテンツジャンル間の類似性を識別できる。
【0066】
また、本実施の形態では、品質特性解析部15により、各種パケット挙動特性下のパケット網5を介してやり取りされた各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、品質推定尺度算出部13からの品質推定尺度と品質評価取得部14からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性をコンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類するようにしたので、異なるコンテンツジャンルをそれぞれの品質特性に基づいて1つの品質特性クラスに統合することができる。
【0067】
[第2の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効パケット判定処理を示すフローチャートである。
【0068】
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態の品質推定尺度算出部13における無効パケット判定処理の具体例について説明する。
品質推定尺度算出部13は、まず、送信品質情報から未判定の送信メディア用パケットを任意に選択し(ステップ120)、そのシーケンス番号と同じメディア用パケットが受信されているか受信品質情報で確認する(ステップ121)。ここで、シーケンス番号と同じメディア用パケットが受信されていない場合には(ステップ121:NO)、当該メディア用パケットが途中の伝送路で損失した損失パケットであると判断できることから、無効パケットであると判定する(ステップ125)。
【0069】
一方、シーケンス番号と同じメディア用パケットが受信されている場合には(ステップ121:YES)、当該送信メディア用パケットの遅延揺らぎ時間を受信品質情報で確認し、リアルタイム系アプリケーションが持つ許容遅延時間と比較する(ステップ122)。ここで、遅延揺らぎ時間が許容遅延時間を上回っている場合には(ステップ122:NO)、当該メディア用パケットが途中の伝送路や端末内で遅延して到着した遅着パケットであると判断できることから、無効パケットであると判定する(ステップ125)。
【0070】
一方、遅延揺らぎ時間が許容遅延時間以下である場合には(ステップ122:YES)、当該リアルタイム系アプリケーションが到着順序逆転パケットを損失と見なす場合にのみ(ステップ123:YES)、かつ当該メディア用パケットの到着順とシーケンス番号とが一致するか受信品質情報により確認する。ここで、この一致が確認できず到着順序が逆転しているパケットである場合には(ステップ124:YES)、無効パケットであると判定する(ステップ125)。
【0071】
なお、到着順序が逆転していない場合(ステップ124:NO)や、当該リアルタイム系アプリケーションが到着順序逆転パケットを損失と見なさない場合(ステップ123:NO)、当該パケットは無効パケットではないと判定する(ステップ126)。
このようにして、選択した送信メディア用パケットに対して無効パケット判定を行った後、無効パケット未判定の送信パケットが残っている場合には(ステップ127:YES)、前述したステップ120へ戻って残りの受信メディア用パケットに対する無効パケット判定を繰り返し行う。一方、すべての送信メディア用パケットに対して無効パケット判定が終了した場合(ステップ127:NO)、一連の無効パケット判定処理を終了する。
【0072】
このように、本実施の形態では、品質推定尺度算出部13により、送信品質情報で送信が確認されたメディア用パケットのうち受信品質情報で受信が確認されていないメディア用パケット、および受信品質情報の各メディア用パケットの到着時刻から得た直前メディア用パケットとの到着時刻差がアプリケーションの許容パケット遅延時間を超えるメディア用パケットを無効パケットと判定するようにしたので、途中の伝送路だけではなく遅着により損失したパケットについても無効パケットと判定することができ、受信側のリアルタイム系アプリケーションでメディアとして再生できないパケットを正確に判定できる。
【0073】
また、品質推定尺度算出部13により、受信品質情報で受信確認されたメディア用パケットの送信順序と受信順序とが矛盾するメディア用パケットを無効パケットと判定するようにしたので、当該リアルタイム系アプリケーションが到着順序逆転パケットを損失と見なす場合、受信側のリアルタイム系アプリケーションでメディアとして再生できないパケットをさらに正確に判定できる。
【0074】
[第3の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置について説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効フレーム判定処理を示すフローチャートである。
【0075】
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態の品質推定尺度算出部13における無効フレーム判定処理の具体例について説明する。
品質推定尺度算出部13は、まず、送信品質情報で送信確認されている各フレームのうち、対象フレーム識別手段12Bにより無効パケットを含むために対象フレームと識別されたフレームを無効フレームと判定する(ステップ130)。
【0076】
次に、受信品質情報を参照して、受信側に到着した順序にしたがって無効フレーム未判定のフレームを選択し(ステップ131)、当該リアルタイム系アプリケーションでメディアの符号化に用いたフレーム構成を示すフレーム構成情報と受信品質情報とを参照することにより、当該フレームの復号に用いる他のフレームに、無効フレームが含まれているか確認する(ステップ132)。フレーム構成情報は、予め記憶部に設定しておいてもよく送受信品質情報で取得してもよい。
【0077】
ここで、無効フレームが含まれている場合(ステップ132:YES)、当該フレームを正常に復号できないことから、当該フレームを無効フレームと判定する(ステップ133)。一方、無効フレームが含まれていない場合(ステップ132:NO)、当該フレームを正常に復号できることから、当該フレームを無効フレームではないと判定する(ステップ134)。
【0078】
図10は、無効フレームの判定処理例である。ここでは、例えば、MPEG符号化方式に基づいて、映像メディアが「IBB」のGOP構成で圧縮符号化されフレームに分割されている。フレーム種別Iフレームは基準となるフレームで、Iフレームだけで元のフレームを復号できる。フレーム種別BフレームはIフレームとの差分データからなり、その復号にはIフレームが必要となる。
【0079】
図10に示すように、フレーム「1〜9」が「IBB」のGOP構成にしたがってメディア用パケットに分割されて送信され、受信側で受信した際、このうちフレーム「2,4,7,8」に無効パケットが含まれていたとする。
この場合には、まず、無効パケットを含む対象フレームが無効フレームと判定され、さらに、これら無効フレームを復号時に用いるフレームについても無効フレームと判定される。
【0080】
具体的には、フレーム「5,6」の復号にフレーム「4」を用いるがフレーム「4」が無効フレームであるため、これらフレーム「5,6」も無効フレームと判定される。同様に、フレーム「9」の復号にフレーム「7」を用いるがフレーム「7」が無効フレームであるため、フレーム「9」も無効フレームと判定される。なお、フレーム「3」の復号にフレーム「1」を用いるがフレーム「1」が無効フレームではないため、フレーム「3」は無効フレームではないと判定される。
【0081】
このようにして、選択したフレームに対して無効フレーム判定を行った後、無効フレーム未判定のフレームが残っている場合には(ステップ135:YES)、前述したステップ131へ戻って残りのフレームに対する無効フレーム判定を繰り返し行う。一方、すべての送信メディア用パケットに対して無効パケット判定が終了した場合(ステップ135:NO)、一連の無効フレーム判定処理を終了する。
【0082】
このように、本実施の形態では、品質推定尺度算出部13により、各フレームのうち対象フレームを無効フレームと判定するとともに、フレーム構成で規定されているフレーム種別の並びに従って当該フレームの復号に用いる他のフレームに無効フレームが含まれている場合には当該フレームを無効フレームと判定するようにしたので、単に無効パケットの有無により無効フレームを判定する場合と比較して、実際のフレーム構成に応じて正確に無効フレームを判定できる。
【0083】
[各実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、コンテンツ特性解析装置1が、コンテンツ特性解析処理に必要な送受信品質情報や品質評価値をアプリケーション端末2A,2Bや通信品質評価装置4から、メディア送信時にリアルタイム(オンライン)で取得する場合を例として説明したが、これに限定去られるものではない。例えば、任意の計測システムで予めコンテンツ特性解析処理に必要な送受信品質情報や品質評価値を計測しておき、その後(オフラインで)これらデータをコンテンツ特性解析装置1に入力するようにしてもよい。
【0084】
また、コンテンツ特性解析装置1により、コンテンツ特性解析処理に必要な送受信品質情報や品質評価値をメディア送信時にリアルタイム(オンライン)で取得する場合、送信側アプリケーション端末2Aから送信すべきコンテンツジャンルのコンテンツを選択指示する機能、パケット網エミュレータからなるパケット網5に対して所定のパケット挙動特性を指示する機能、さらには受信側アプリケーション端末2Bでのユーザ体感品質を評価する機能などをコンテンツ特性解析装置1に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】パケット送信特性を示す説明図である。
【図3】他のパケット送信特性を示す説明図である。
【図4】各コンテンツジャンルの品質特性を示す説明図である。
【図5】コンテンツジャンルの統合判定を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置のコンテンツ特性解析処理を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツジャンルの統合および分割を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効パケット判定処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかるコンテンツ特性解析装置の無効フレーム判定処理を示すフローチャートである。
【図10】無効フレームの判定処理例である。
【図11】異なるコンテンツ間での映像フレーム損失率−MOS値特性の違いを示す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1…コンテンツ特性解析装置、11…品質情報取得部、12…パケット送信特性解析部、13…品質推定尺度算出部、14…品質評価取得部、15…品質特性解析部、16…コンテンツクラス決定部、17…コンテンツクラス定義情報、18…品質推定モデル、2,2A,2B…アプリケーション端末、4…通信品質評価装置、5…パケット網。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、前記受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置であって、
前記送信側アプリケーション端末から送信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、前記パケット網を介して前記受信側アプリケーション端末により受信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得部と、
前記送信品質情報に基づいて前記メディア用パケットのパケット送信特性を前記コンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析部と、
前記送信品質情報および前記受信品質情報に基づいて前記コンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出部と、
前記受信側アプリケーション端末で再生した前記コンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得部と、
各種パケット挙動特性下の前記パケット網を介してやり取りされた前記各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、前記品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と前記品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性を前記コンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて前記各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析部と、
前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルの前記パケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、前記コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定部と
を備えることを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記パケット送信特性解析部は、前記パケット送信特性として、前記コンテンツの符号化に用いたフレーム種別ごとに前記メディア用パケットの送信状況を算出することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記品質推定尺度算出部は、前記コンテンツのメディア用パケットのうち前記受信側アプリケーション端末で正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうちこれら無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を前記品質推定尺度として算出することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記品質特性解析部は、異なるコンテンツジャンルに関するそれぞれの品質特性について、これら品質特性の算出に用いた各計測データのうち当該品質評価値の信頼区間が互いに重複している計測データ数の割合と所定の基準値とを比較することにより、前記コンテンツジャンルを同一品質特性クラスに分類するか否かを判断することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記コンテンツクラス決定部は、前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとし、前記品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されている場合は、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、これらパケット送信特性が前記類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスを前記コンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項6】
パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、前記受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置で用いられるコンテンツ特性解析方法であって、
品質情報取得部により、前記送信側アプリケーション端末から送信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、前記パケット網を介して前記受信側アプリケーション端末により受信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、
送信特性解析部により、前記送信品質情報に基づいて前記パケット網における前記メディア用パケットのパケット送信特性を前記コンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、
品質推定尺度算出部により、前記送信品質情報および前記受信品質情報に基づいて前記コンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、
品質評価取得部により、前記受信側アプリケーション端末で再生した前記コンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、
品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下の前記パケット網を介してやり取りされた前記各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、前記品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と前記品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性を前記コンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて前記各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、
コンテンツクラス決定部により、前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルの前記パケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、前記コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップと
を備えることを特徴とするコンテンツ特性解析方法。
【請求項7】
パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、前記受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置のコンピュータに、
品質情報取得部により、前記送信側アプリケーション端末から送信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、前記パケット網を介して前記受信側アプリケーション端末により受信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、
送信特性解析部により、前記送信品質情報に基づいて前記パケット網における前記メディア用パケットのパケット送信特性を前記コンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、
品質推定尺度算出部により、前記送信品質情報および前記受信品質情報に基づいて前記コンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、
品質評価取得部により、前記受信側アプリケーション端末で再生した前記コンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、
品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下の前記パケット網を介してやり取りされた前記各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、前記品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と前記品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性を前記コンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて前記各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、
コンテンツクラス決定部により、前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルの前記パケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、前記コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項1】
パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、前記受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置であって、
前記送信側アプリケーション端末から送信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、前記パケット網を介して前記受信側アプリケーション端末により受信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得部と、
前記送信品質情報に基づいて前記メディア用パケットのパケット送信特性を前記コンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析部と、
前記送信品質情報および前記受信品質情報に基づいて前記コンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出部と、
前記受信側アプリケーション端末で再生した前記コンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得部と、
各種パケット挙動特性下の前記パケット網を介してやり取りされた前記各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、前記品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と前記品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性を前記コンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて前記各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析部と、
前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルの前記パケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、前記コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定部と
を備えることを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記パケット送信特性解析部は、前記パケット送信特性として、前記コンテンツの符号化に用いたフレーム種別ごとに前記メディア用パケットの送信状況を算出することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記品質推定尺度算出部は、前記コンテンツのメディア用パケットのうち前記受信側アプリケーション端末で正常受信できなかった無効パケットを判定し、送信されたフレームのうちこれら無効パケットの影響を受けた無効フレームの割合からなる無効フレーム率を前記品質推定尺度として算出することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記品質特性解析部は、異なるコンテンツジャンルに関するそれぞれの品質特性について、これら品質特性の算出に用いた各計測データのうち当該品質評価値の信頼区間が互いに重複している計測データ数の割合と所定の基準値とを比較することにより、前記コンテンツジャンルを同一品質特性クラスに分類するか否かを判断することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコンテンツ特性解析装置において、
前記コンテンツクラス決定部は、前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスのうち1つのコンテンツジャンルのみが分類されているものを1つのコンテンツクラスとし、前記品質特性クラスのうち複数のコンテンツジャンルが分類されている場合は、これらコンテンツジャンルのパケット送信特性が所定の類似範囲に含まれる場合にのみ当該品質特性クラスを1つのコンテンツクラスとし、これらパケット送信特性が前記類似範囲に含まれない場合には当該品質特性クラスを前記コンテンツジャンルに対応した複数のコンテンツクラスに分割することを特徴とするコンテンツ特性解析装置。
【請求項6】
パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、前記受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置で用いられるコンテンツ特性解析方法であって、
品質情報取得部により、前記送信側アプリケーション端末から送信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、前記パケット網を介して前記受信側アプリケーション端末により受信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、
送信特性解析部により、前記送信品質情報に基づいて前記パケット網における前記メディア用パケットのパケット送信特性を前記コンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、
品質推定尺度算出部により、前記送信品質情報および前記受信品質情報に基づいて前記コンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、
品質評価取得部により、前記受信側アプリケーション端末で再生した前記コンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、
品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下の前記パケット網を介してやり取りされた前記各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、前記品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と前記品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性を前記コンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて前記各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、
コンテンツクラス決定部により、前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルの前記パケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、前記コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップと
を備えることを特徴とするコンテンツ特性解析方法。
【請求項7】
パケット網を介して接続された送信側および受信側アプリケーション端末間でリアルタイム系アプリケーションにより送受信された各コンテンツジャンルのコンテンツに関する各種特性を解析することにより、前記受信側アプリケーション端末で再生したコンテンツの品質評価値を推定する際に当該コンテンツを分類して推定するためのコンテンツクラスを決定するコンテンツ特性解析装置のコンピュータに、
品質情報取得部により、前記送信側アプリケーション端末から送信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する送信品質情報と、前記パケット網を介して前記受信側アプリケーション端末により受信された前記コンテンツのメディア用パケットに関する受信品質情報とを取得する品質情報取得ステップと、
送信特性解析部により、前記送信品質情報に基づいて前記パケット網における前記メディア用パケットのパケット送信特性を前記コンテンツジャンルごとに算出するパケット送信特性解析ステップと、
品質推定尺度算出部により、前記送信品質情報および前記受信品質情報に基づいて前記コンテンツの品質評価値の推定に用いる所定の品質推定尺度を算出する品質推定尺度算出ステップと、
品質評価取得部により、前記受信側アプリケーション端末で再生した前記コンテンツの品質評価値を取得する品質評価取得ステップと、
品質特性解析部により、各種パケット挙動特性下の前記パケット網を介してやり取りされた前記各コンテンツジャンルのコンテンツごとに得られた、前記品質推定尺度算出部からの品質推定尺度と前記品質評価取得部からの品質評価値との組からなる各計測データに基づいて、品質推定尺度と品質評価値の対応関係を示す品質特性を前記コンテンツジャンルごとに算出し、これら品質特性の類似性に基づいて前記各コンテンツジャンルを対応する品質特性クラスに分類する品質特性解析ステップと、
コンテンツクラス決定部により、前記品質特性解析部で得られた品質特性クラスと、これら品質特性クラスに分類されたコンテンツジャンルの前記パケット送信特性により判断した当該品質特性クラスの分割要否とに基づいて、前記コンテンツクラスを決定するコンテンツクラス決定ステップと
を実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−329777(P2007−329777A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160332(P2006−160332)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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