説明

コンテンツ管理装置、コンテンツ管理方法及びコンテンツ管理プログラム

【課題】複数のコンテンツをサーバ等に一括送信する場合に、一括送信されたコンテンツに付加された付加情報から秘匿すべき付加情報が類推されるのを防ぐことができるコンテンツ管理装置を提供する。
【解決手段】付加情報削除部206がユーザに指定される付加情報を削除するとともに、関連付加情報削除部207が、ユーザ設定格納部203に格納された関連付加情報リストを用いた条件判断に基づき、削除される付加情報を推定し得る他の付加情報を選出し、削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを管理するコンテンツ管理装置に関し、特にコンテンツに付加された個人情報等の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが作成・撮影した写真画像や動画等のコンテンツをウェブ上で公開するサービスが普及している。また、サービス向上のため、コンテンツに付随する付加情報を用いた他のサービスと連携する新たなサービスについても検討されている。
例えば、位置情報を地図上で表示する他のサービスと連携することにより、付加情報として撮影場所が付加された写真画像をウェブ上で公開するサービスを実現できる。前記写真画像の閲覧者は、写真の撮影場所を地図上で確認できることとなる。
【0003】
付加情報としては、上述したものの他、画像データや音声データ以外に別途コンテンツに付加される撮影時刻、撮影場所、撮影者氏名、撮影者住所、撮影者メールアドレス、撮影機器メーカ名、撮影機器機種名、被写体に関する情報、ユーザによるコメント情報、検索用キーワード等が考えられる。
上記例のように、付加情報を活用することで便利なサービスを提供できるようになるが、付加情報には、撮影者氏名、撮影者住所などユーザの個人情報を含む場合があり、付加情報については適切な管理が求められる。
【0004】
付加情報の適切な管理に関し、特許文献1には、撮影画像をネットワーク経由で転送する際に、転送先に応じて付加情報を削除して転送するデジタルカメラが開示されている。
また、特許文献2には、画像ファイルを送信する際に、付加情報に含まれるプライバシー情報又は位置情報を削除して送信するコンテンツデータ処理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−343627号公報
【特許文献2】特開2007−88754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記開示された技術によれば、複数のコンテンツをウェブサーバに一括送信するような場合、あるコンテンツの特定の付加情報を削除したとしても、削除した付加情報を他のコンテンツの付加情報から類推、特定され得るという問題がある。
例えば、付加情報として、撮影場所と、撮影時刻が付加された写真のコンテンツ1及び2をサーバに一括送信する場合に、コンテンツ1の撮影場所を削除したとしても、コンテンツ2の撮影場所と、コンテンツ1とコンテンツ2との撮影間隔(例えば1分間)から、コンテンツ1の撮影場所が類推されてしまう可能性がある。
【0006】
また、複数のコンテンツを一括送信する場合に、全ての付加情報を削除してしまうこととすれば、上述したウェブサービスと他のサービスとの連携ができなくなり、サービス向上は図れない。
上記問題に鑑み、本発明は、複数のコンテンツを一括送信する場合に、一括送信されたコンテンツに付加された付加情報から秘匿すべき付加情報が類推されるのを防ぐことができるコンテンツ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施態様であるコンテンツ管理装置は、コンテンツを外部出力するコンテンツ管理装置であって、属性値が付された複数のコンテンツを格納している格納手段と、第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得手段と、前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出手段と、前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定手段と、前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施態様であるコンテンツ管理装置は、上述の構成を備えることにより、前記属性指定情報により指定された第1属性値が、サーバ等に対し一括して出力した複数のコンテンツから読み出されるのを防ぎ、かつ他の属性値から第1属性値が推定されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
請求項1記載の態様であるコンテンツ管理装置は、コンテンツを外部出力するコンテンツ管理装置であって、属性値が付された複数のコンテンツを格納している格納手段と、第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得手段と、前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出手段と、前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定手段と、前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御手段とを備える。
【0010】
また、前記判定手段は、属性と、前記属性に対応する判定条件との組のリストを保持するリスト保持部と、前記リスト中から前記指定された属性に対応する判定条件を検索する検索部と、前記指定された属性に対応する判定条件が検出された場合、前記第1及び第2のコンテンツに付されている前記第1の属性及び前記第2の属性に属する各値が前記発見された判定条件を満たすか否かを判定する判定部とを含んでもよい。
【0011】
この構成によれば、複数の判定条件を予めリストとして保持することができる。
前記判定条件として細かな条件を設定することにより、属性値の除去の可否を精緻に行うことができ、属性値が必要以上に除去されてしまうのを防ぐことができる。
また、前記判定条件は、第1及び第2のコンテンツに付された第1の属性に係る両属性値の差が第1閾値以下であり、第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性に係る両属性値の差が第2閾値以下であることとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、所定範囲内の属性値を確実に削除することができる。
また、前記第1及び第2の属性は、一方が場所を示す属性であり、他方が時刻を示す属性であることとしてもよい。
この構成によれば、所定範囲内の場所を示す属性値を確実に削除し、第1コンテンツに係る場所が推定されるのを防ぐことができる。
【0013】
また、前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性に属する値に関わらず、前記第1及び第2のコンテンツに付された第1の属性を有する両値が同一値であることとしてもよい。
この構成によれば、秘匿性の高いと考えられる第1属性値と同一属性、同一値を持つ属性値を、画一的に除去することができる。
【0014】
また、前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性を有する値に関わらず、第1及び第2のコンテンツに付された第1の属性に属する両値の差が第1差分値以下であることとしてもよい。
この構成によれば、秘匿性の高いと考えられる第1属性値と同一属性を有し、かつ近似する属性値を画一的に除去することができる。
【0015】
また、前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性を有する値が特定の無効値であることとしてもよい。
この構成によれば、第2属性を有する属性値として特定の無効値を持つコンテンツについて、第1属性を有する属性値を画一的に除去することができる。
また、前記判定手段は、更に、属性値を、範囲を特定する範囲情報に変換する変換リストを保持する変換リスト保持部と、第1及び第2のコンテンツに付された各属性値を範囲情報に変換する変換部とを含み、前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性に属する属性値に関わらず、前記変換部により変換された、前記第2のコンテンツに係る範囲情報により特定される範囲が前記第1のコンテンツに係る範囲情報により特定される範囲に含まれることとしてもよい。
【0016】
この構成によれば、属性値同士の比較を、範囲同士の比較に置き換えることができ、より柔軟性の高い条件設定を行うことができる。
また、前記出力制御手段は、更に、第1及び第2のコンテンツから属性値を除去して出力する場合に、属性値が除去されるコンテンツの名称を変更して出力することとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、属性値が除去されたコンテンツと、除去されていないコンテンツとを区別容易にすることができる。
また、前記取得手段は、コンテンツを出力する際に削除を行う属性を示す削除属性情報のリストを予め保持し、前記第1の属性は、前記削除属性情報のリスト中の削除属性情報が示す属性であることとしてもよい。
【0018】
この構成によれば、除去すべき属性及び属性値を予めリストとして保持しておき、そのリストが示す属性の一つを第1属性とすることができる。
よって、入力デバイスなどを用いユーザに第1属性を指定させることなく、属性指定情報を取得することができる。
請求項11記載の態様であるコンテンツ管理方法は、コンテンツを外部出力するコンテンツ管理方法であって、属性値が付された複数のコンテンツを格納する格納ステップと、第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得ステップと、前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出ステップと、前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定ステップと、前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御ステップとを含む。
【0019】
請求項12記載の態様であるコンテンツ管理プログラムは、コンテンツを外部出力するコンテンツ管理装置に用いられるコンテンツ管理プログラムであって、属性値が付された複数のコンテンツを格納する格納ステップと、第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得ステップと、前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出ステップと、前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定ステップと、前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御ステップとを含む。
【0020】
この構成によれば、前記属性指定情報により指定された第1属性値が、サーバ等に対し一括して出力した複数のコンテンツから読み出されるのを防ぎ、かつ他の属性値から第1属性値が推定されるのを防ぐことができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.概要
本発明の一実施形態であるコンテンツ管理システムは、端末装置100、サーバ装置101及び閲覧機器102が、ネットワークである伝送路103を介して通信可能に接続して構成される。
【0021】
端末装置100は、写真画像や動画等のコンテンツをサーバ装置101にアップロードする。端末装置100は、前記コンテンツに対し、自動的に又はユーザの入力操作に従い付加情報を付加する。前記付加情報は、撮影時刻、撮影場所、撮影者氏名、撮影者住所、撮影者メールアドレス、撮影機器メーカ名、撮影機器機種名、被写体に関する情報、ユーザによるコメント情報、検索用キーワード等の種々の情報である。
【0022】
サーバ装置101は、WEBサーバ機能を有し、アップロードされたコンテンツを公開する。
閲覧機器102は、ユーザの指示により、サーバ装置101によって公開されているコンテンツを取得しユーザに提示する。
ここで、閲覧機器102は、コンテンツと共に、コンテンツに係る付加情報も取得するので、閲覧機器102のユーザは、前記付加情報の内容を把握することとなる。
【0023】
よって、端末装置100のユーザは、アップロード対象のコンテンツに係る付加情報について第三者から秘匿すべきものがある場合、端末装置100に対し秘匿すべき付加情報を削除した上でアップロードするよう指示する。
このとき、端末装置100は、秘匿すべき付加情報に加えて、関連付加情報を削除した上でアップロードする。関連付加情報とは、他の付加情報を類推できる情報、又は他の付加情報と組み合わせることで別の情報を生成、類推できる情報である。
【0024】
これにより、秘匿すべき付加情報が直接知られるのを防ぐと共に、複数の付加情報が組み合わされて、秘匿すべき付加情報が類推されるのを防いでいる。
以下に、具体例を用いて簡単に説明する。
端末装置100が保持するコンテンツ1には、付加情報として、撮影時刻、撮影場所、「自宅」という内容のコメント情報が付加されているとする。また、コンテンツ2には付加情報として撮影時刻及び撮影場所が付加されているとする。
【0025】
端末装置100のユーザは、端末装置100に対し、第三者に自宅の場所を知られないよう、コンテンツ1に係る撮影場所を示す付加情報を削除してアップロードする指示をする。このとき、端末装置100は、コンテンツ1の撮影場所に加え、コンテンツ2の撮影場所も関連付加情報として削除してアップロードする。
これにより、コンテンツ2の撮影場所と、コンテンツ1とコンテンツ2との撮影間隔(例えば1分間)という情報から、秘匿すべきコンテンツ1の撮影場所、即ち自宅の場所が、コンテンツ2の撮影場所から徒歩1分以内の範囲であるとして類推されるのを防ぐ。
【0026】
以下、本発明の一実施形態であるコンテンツ管理システムの構成、動作について、より具体的に説明する。

2.構成
図1は、本発明の実施の形態におけるコンテンツ管理システム全体の構成を示す図である。
【0027】
前記コンテンツ管理システムは、図1に示すように、端末装置100と、サーバ装置101と、閲覧機器102と、伝送路103とから構成される。
2.1.端末装置100
図2は、端末装置100の構成を示すブロック図である。
端末装置100は、図2に示すように、ユーザインタフェース部201と、コンテンツ格納部202と、ユーザ設定格納部203と、コンテンツ出力制御部204と、付加情報解析部205と、付加情報削除部206と、関連付加情報削除部207と、コンテンツ出力部208と、ユーザ操作受付部209と、表示部210と、カメラ部211とを含んで構成される。
【0028】
2.1.1.ユーザ操作受付部209、表示部210、カメラ部211、ユーザインタフェース部201
ユーザ操作受付部209は、キーパッド等の入力デバイスを備え、ユーザからの要求や操作を受け付ける。
表示部210は、液晶ディスプレイである。
【0029】
カメラ部211は、画像、動画を撮影し、撮影した画像、動画をコンテンツとしてファイル形式でコンテンツ格納部202に格納する。
ユーザインタフェース部201は、ユーザ操作受付部209により受け付けられたユーザ操作に従い、ユーザへのメッセージ表示画面や、処理選択をさせるための表示画面を生成し、表示部210に表示させる。
【0030】
2.1.2.コンテンツ格納部202
コンテンツ格納部202は、記憶媒体を備えており、他の機器等から取得したコンテンツや、カメラ部211により生成されたコンテンツを保持する。
本実施形態では、コンテンツとして画像ファイルを用いるものとする。
各画像ファイルは、カメラ部211により付されたファイル名、画像データ、付加情報を含んで構成される。
【0031】
前記付加情報は、撮影時刻パラメータ、撮影場所パラメータ、撮影者パラメータ、コメント情報パラメータを含む。
図3は、コンテンツ格納部202により管理されている画像ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
コンテンツ格納部202は、ファイル名が、「P001.JPG」、「P002.JPG」、「P003.JPG」、「P004.JPG」である4個の画像ファイルを格納している。
【0032】
ファイル名が「P001.JPG」である画像ファイル(以下、ファイルF1という。)の付加情報については、画像データが「画像1」であり、撮影時刻パラメータが「2008年1月1日0時00分00秒」であり、撮影場所パラメータが「地点a」であり、撮影者氏名パラメータが「山田太郎」であり、コメント情報パラメータは未設定である。
ファイル名が「P002.JPG」である画像ファイル(以下、ファイルF2という。)の付加情報については、画像データが「画像2」であり、撮影時刻パラメータが「2008年1月1日0時10分00秒」であり、撮影場所パラメータが「地点b」であり、撮影者氏名パラメータが「山田太郎」であり、コメント情報パラメータは「自宅」「山田花子」である。
【0033】
ファイル名が「P003.JPG」である画像ファイル(以下、ファイルF3という。)、ファイル名が「P004.JPG」である画像ファイル(以下、ファイルF4という。)の付加情報についても、ファイルF1、F2と同様に各種の情報が設定されている。
2.1.3.ユーザ設定格納部203
ユーザ設定格納部203は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリから成り、ユーザ設定を格納する。
【0034】
前記ユーザ設定は、出力許可リスト、出力禁止リスト、リスト外出力設定値、関連付加情報リスト及び、アドレス帳データなど電話機能、メール機能等を実行するのに必要な各種設定情報を含む。
2.1.3.1.出力許可リスト
前記出力許可リストは、出力許可対象のパラメータと、前記パラメータについて装置外部への出力を許可する設定値との組(以下、出力許可情報という。)のリストである。
【0035】
ファイルのアップロードの際、ファイルの付加情報中のパラメータとして設定された値が、出力許可リスト中のパラメータの設定値に合致する、又は含まれるものについては、削除されずにアップロードされる。
図4は、出力許可リストのデータ構造の一例を示す図である。
出力許可情報E1は、「撮影時刻パラメータ」と、「全ての設定値」との組である。
【0036】
出力許可情報E1は、全ての設定値の撮影時刻パラメータについて、装置外部への出力を許可することを示す。
従って、ファイルF1〜F4をアップロードする際には、撮影時刻パラメータは削除されずに全て出力される。
また、出力許可情報E2は、「撮影場所パラメータ」と、「地域M」との組である。
【0037】
出力許可情報E3は、「撮影場所パラメータ」と、「地域N」との組である。
出力許可情報E2及びE3については、「撮影場所パラメータ」の設定値が示す地域に、アップロードするファイルの「撮影場所パラメータ」の設定値が示す地域が含まれる場合、出力が許可される。
従って、ファイルF1〜F4をアップロードする際には、ファイルの「撮影場所パラメータ」の設定値が示す地域が、「地域M」又は「地域N」に含まれる場所を示す場合に、その撮影場所パラメータについて出力が許可される。
【0038】
2.1.3.2.出力禁止リスト
前記出力禁止リストは、出力禁止対象のパラメータと、前記パラメータについて装置外部への出力を禁止する設定値との組(以下、出力禁止情報という。)のリストである。
ファイルのアップロードの際、ファイルの付加情報中のパラメータとして設定された値が、出力禁止リスト中のパラメータの設定値に合致する、又は含まれるものについては、削除されてアップロードされない。
【0039】
図5は、出力禁止リストのデータ構造の一例を示す図である。
出力禁止情報D1は、「撮影者氏名パラメータ」と、「全ての設定値」との組である。
出力禁止情報D1は、全ての設定値の撮影者氏名パラメータについて、装置外部への出力を禁止することを示す。
従って、ファイルF1〜F4をアップロードする場合、撮影者氏名パラメータについては出力されない。
【0040】
また、出力禁止情報D2は、「撮影場所パラメータ」と、「地域X」との組である。
出力禁止情報D3は、「撮影場所パラメータ」と、「地域Y」との組である。
出力許可情報D2及びD3については、「撮影場所パラメータ」の設定値が示す地域に、アップロードするファイルの「撮影場所パラメータ」の設定値が示す地域が含まれる場合、出力が禁止される。
【0041】
従って、ファイルF1〜F4をアップロードする際には、ファイルの「撮影場所パラメータ」の設定値が示す地域が、「地域X」又は「地域Y」に含まれる場所を示す場合に、その撮影場所パラメータについて出力は許可されない。
また、出力禁止情報D4は、「コメント情報」と、「山田花子」との組である。
出力禁止情報D5は、「コメント情報」と、「自宅」との組である。
【0042】
従って、ファイルF1〜F4をアップロードする際には、「山田花子」、「自宅」を示すコメント情報パラメータについて出力は許可されない。
2.1.3.3.リスト外出力設定値
前記リスト外出力設定値は、出力許可リスト及び出力禁止リストのいずれにも登録されていない付加情報パラメータの出力を許可するか禁止するかを示すパラメータである。具体的には、付加情報パラメータの出力を許可する「出力許可」又は、付加情報パラメータの出力を禁止する「出力禁止」が設定されている。
【0043】
2.1.3.4.関連付加情報リスト
関連付加情報リストは、付加情報中のパラメータと、その付加情報中のパラメータと関連すると判定される条件を示す関連判定条件との組(以下、関連条件という。)のリストである。
ファイルがアップロードされる場合に、前記関連条件に合致するパラメータについては出力が禁止されることとなる。
【0044】
図6は、関連条件付加情報リストのデータ構造の一例を示す図である。
関連条件R1は、「撮影場所パラメータ」と、「他コンテンツの撮影場所との距離が1000メートル以下、かつ、他コンテンツとの撮影間隔が60分以下、を満たす撮影場所パラメータの設定値」との組である。
関連条件R2は、「撮影者氏名パラメータ」と、「他コンテンツの撮影者氏名パラメータの全ての設定値」との組である。
【0045】
ここで、具体例として、関連条件R1、R2をファイルF1に適用し、ファイルF2のパラメータが関連条件を満たすか否かを判定する場合について説明する。
関連条件R1の「撮影場所パラメータ」については、ファイルF2の「撮影場所パラメータ」の設定値がファイルF1の「撮影場所パラメータ」の設定値が示す場所から1000メートル以内を示し、かつ、ファイルF1の「撮影時刻パラメータ」の設定値と、ファイルF2の「撮影時刻パラメータ」の設定値が示す時刻の時間間隔が60分以下を示せば、ファイルF2の「撮影場所パラメータ」が、ファイルF1の「撮影場所パラメータ」の関連付加情報と判定される。
【0046】
また、関連条件R2の「撮影者氏名パラメータ」については、ファイルF2の「撮影者氏名パラメータ」の設定値が、ファイルF1の「撮影者氏名パラメータ」の設定値に合致すれば、ファイルF2の「撮影者氏名パラメータ」が、ファイルF1の「撮影者氏名パラメータ」の関連付加情報と判定される。
2.1.3.5.ファイルF1〜F4の画像の撮影場所の位置関係
ここで、本実施の形態における関連条件の判定の前提となるファイルF1〜F4の画像の撮影場所の位置関係について補足説明する。
【0047】
図11は、ファイルF1〜F4の撮影場所と、出力許可リストに登録された撮影場所と、出力禁止リストに登録された撮影場所との位置関係を模式的に表した図である。
図11において、地図1107は、地図を示すものとする。
地図1107上における点P1111はF1の画像の撮影場所である地点aを示し、点P1112はF2の画像の撮影場所である地点bを示し、点P1113はF3の画像の撮影場所である地点cを示し、点P1114はF4の画像の撮影場所である地点dを示す。
【0048】
また、破線で示した範囲A1125は出力許可リストに登録された地域Mを、実線で示した範囲A1126は出力禁止リストに登録された地域Xを示している。
地域N及び地域Yは地図1107の範囲外に存在するものとして図示していない。
地点a、地点b、地点c、地点dは、いずれも地域Mに含まれ、地点bは、地域Xにも含まれる。
【0049】
撮影場所の位置関係は、地点bと地点aとの距離が500メートル、地点bと地点cとの距離が500メートル、地点bと地点dとの距離が2000メートルである。
なお、図6の関連判定R1に鑑みれば、図11に示したファイルF2の撮影場所パラメータとファイルF1の撮影場所パラメータとは関連し、ファイルF4の撮影場所パラメータとファイルF2の撮影場所パラメータとは関連していないと判定されることになる。
【0050】
2.1.4.コンテンツ出力制御部204、付加情報解析部205、付加情報削除部206、関連付加情報削除部207、コンテンツ出力部208
コンテンツ出力制御部204は、ユーザ操作受付部209にて受け付けたコンテンツ出力の要求に基づき、関連付加情報削除部207における関連付加情報削除処理の要否を判定する。
【0051】
コンテンツ出力制御部204は、例えば、送信対象のコンテンツが1個であれば関連付加情報削除処理が不要と判定し、送信対象のコンテンツが複数個であれば関連付加情報削除処理が必要と判定する。
コンテンツ出力制御部204は、コンテンツを出力する場合に、付加情報削除部206又は関連付加情報削除部207で削除マーキングが成された付加情報を除いて、コンテンツ出力部208にコンテンツを出力させる。
【0052】
付加情報解析部205は、コンテンツ格納部202からコンテンツを取得し、コンテンツの付加情報を解析して各パラメータ設定値を抽出する機能を有する。
付加情報削除部206は、ユーザ設定格納部203に格納される出力許可リストと、出力禁止リストと、リスト外出力設定値とに基づき、付加情報解析部205で抽出した付加情報のパラメータ設定値の削除要否を判定する。
【0053】
削除が必要と判定したパラメータ設定値には、削除マーキングを行う。
削除マーキングは、例えば、削除が必要と判定した前記パラメータ設定値に対し、削除を示すフラグを設定すること等で行う。
関連付加情報削除部207は、ユーザ設定格納部203に格納される関連付加情報リストに基づき、付加情報解析部205で抽出した複数の付加情報のパラメータ設定値の間の関連性及び関連付加情報の削除要否を判定する。
【0054】
削除が必要と判定したパラメータ設定値には、削除マーキングを行う。
削除マーキングは、例えば、削除が必要と判定した前記パラメータ設定値に対し、削除を示すフラグを設定すること等で行う。
コンテンツ出力部208は、コンテンツ出力制御部204の指示に従い、コンテンツを出力する。
2.2.サーバ装置101、コンテンツ閲覧機器102、伝送路103
サーバ装置101は、端末装置100からコンテンツを取得する機能と、端末装置100から取得したコンテンツを記憶する機能と、端末装置100から取得したコンテンツをコンテンツ閲覧機器102からの要求に対して提供する機能とから構成される。
【0055】
具体的には、サーバ装置101は、Webサーバ等で実現される。
コンテンツ閲覧機器102は、サーバ装置101に対してコンテンツを要求する機能と、サーバ装置101からコンテンツを取得する機能とから構成される。具体的には、コンテンツ閲覧機器102は、デジタルテレビ、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、携帯電話、デジタルカメラ、音楽プレーヤ、パーソナルコンピュータ等で実現される。
【0056】
伝送路103は、端末装置100と、サーバ装置101と、コンテンツ閲覧機器102とを相互に接続するネットワーク機能から構成される。
具体的には、伝送路103は、イーサネット(登録商標)等の有線ネットワーク、無線LAN等の無線ネットワーク、これらが複合したネットワーク等で実現される。

3.動作
3.1.動作概要
以下、本発明の実施の形態に係るコンテンツのサーバ装置101への送信処理について説明する。
【0057】
ユーザは、端末装置100に対して、コンテンツ格納部202に格納するコンテンツのサーバ装置101への送信を指示する。
端末装置100は、ユーザの指示に従い、サーバ装置101に対してコンテンツを送信する。その際に、端末装置100は、必要に応じて、コンテンツの付加情報及び関連付加情報を削除した上でコンテンツをサーバ装置101に送信する。
【0058】
コンテンツの付加情報及び関連付加情報を削除し送信するコンテンツ送信処理については、後述する。
サーバ装置101は、端末装置100からコンテンツを受信し、受信したコンテンツを記憶し、受信したコンテンツを閲覧機器102が閲覧可能となるように公開する。
その際に、サーバ装置101は、必要に応じて、閲覧機器102によるコンテンツの閲覧を制限して公開する。
【0059】
閲覧機器102は、サーバ装置101に対してコンテンツの閲覧を要求する。サーバ装置101は、閲覧機器102の閲覧要求に応じて、閲覧機器102に対してコンテンツを送信する。閲覧機器102は、サーバ装置101からコンテンツを受信して閲覧する。
なお、前記コンテンツ送信処理において、端末装置100のユーザが閲覧機器102のユーザに知られたくない付加情報及び関連付加情報は削除されるので、閲覧機器102のユーザに対するこれらの付加情報の漏洩を防止できる。
【0060】
例えば、図11におけるファイルF2の撮影場所パラメータ設定値である「地点b」は、出力禁止情報D2の設定値である「地域X」に含まれるため、出力の際に削除される。
また、図11におけるファイルF1の撮影場所パラメータ設定値である「地点a」は、ファイルF2について削除対象となった撮影場所パラメータ設定値「地点b」との距離が500メートルであり、ファイルF1の撮影時刻パラメータが示す撮影時刻とファイルF2の撮影時刻パラメータが示す撮影時刻との撮影間隔が10分であるため、関連条件R1を満たす。
【0061】
従って、図11におけるファイルF1の撮影場所パラメータ設定値である「地点a」は、出力の際、ファイルF2の撮影場所パラメータの関連付加情報であるとして削除される。本コンテンツ送信処理の詳細は、図7にて後述する。
3.2.コンテンツ送信処理
以下、コンテンツ送信処理について説明する。
【0062】
図7は、コンテンツ送信処理の処理フローを示す図である。
まず、ユーザが、ユーザインタフェース部201の表示画面に対してユーザ操作受付部209を用い、コンテンツ格納部202に格納されるコンテンツの送信要求を入力する(ステップS1)。
ユーザインタフェース部201は、前記送信要求をコンテンツ出力制御部204に送信する。
【0063】
コンテンツ出力制御部204は、関連付加情報削除部207における関連付加情報削除処理の要否を判定する(ステップS2)。
関連付加情報削除処理が必要である場合(ステップS2:YES)、付加情報削除部206は、処理対象の1のコンテンツを選出する(ステップS3)。ここでは、付加情報削除部206は、ステップS3を実行する毎に、コンテンツ格納部202に格納されているコンテンツを1つずつ選出するものとする。
【0064】
次に、付加情報削除部206は、ユーザ設定格納部203に格納する出力許可リスト、出力禁止リスト、リスト外出力設定値に基づき、ステップS3で選出した送信対象のコンテンツについて、付加情報中のパラメータの削除要否を判定する(ステップS4)。本ステップについては、後述する。
次に、関連付加情報削除部207が、ユーザ設定格納部203に格納する関連付加情報リストに基づき、ステップS3で選出されたコンテンツについて、関連付加情報の削除要否を判定する(ステップS5)。本ステップについては、後述する。
【0065】
そして、送信対象である全てのコンテンツについて、ステップS3〜S5を実行済みか否かを判定し(ステップS6)、実行済みでない場合(ステップS6:NO)、ステップS3を実行する。
実行済みの場合(ステップS6:YES)、ユーザによる設定処理(ステップS7)に移行する。
【0066】
ユーザによる設定処理において、ユーザインタフェース部201は、ユーザ設定格納部203に格納する出力許可リストと、出力禁止リストと、リスト外出力設定値と、関連付加情報リストとをユーザに提示する。さらに、ユーザインタフェース部201は、ユーザ操作受付部209により、出力許可リストと、出力禁止リストと、リスト外出力設定値と、関連付加情報リストとをユーザに追加・修正させる。本ステップについては、後述する。
【0067】
そして、コンテンツ出力制御部204は、送信対象の全てのコンテンツから削除マーキングされた付加情報及び関連付加情報を除いた上で、コンテンツ出力部208にサーバ装置101へのコンテンツ送信処理を指示する(ステップS8)。
そして、コンテンツ出力部208は、必要に応じて付加情報の削除された送信対象のコンテンツをサーバ装置101に送信してコンテンツ送信処理を完了する。
【0068】
また、ステップS2において、関連付加情報削除処理が不要と判定された場合(ステップS2:NO)、ステップS9〜ステップS13を実行する。
ここで、ステップS9〜S12までの処理は、前述のステップS3〜S7のうち、関連付加情報削除処理(ステップS5)を除いたものである。
即ち、ステップS9は、ステップS3と同様の処理であり、ステップS10は、ステップS4と同様の処理であり、ステップS11は、ステップS6と同様の処理であり、ステップS12は、ステップS7と同様の処理であるので、ステップS9〜S12の説明は省略する。
【0069】
ステップS12の後、コンテンツ出力制御部204は、送信対象の全てのコンテンツを、削除マーキングされた付加情報を除いた上で、コンテンツ出力部208に対しサーバ装置101へのコンテンツ送信処理を指示する(ステップS13)。
そして、コンテンツ出力部208は、必要に応じて付加情報の削除された送信対象のコンテンツをサーバ装置101に送信して、コンテンツ送信処理を完了する。
【0070】
以上、図7の各ステップの処理を説明した。
3.3.付加情報削除処理
図7のステップS4及びステップS10に相当する付加情報削除処理について説明する。
なお、以下の説明においては、撮影場所に関して具体例を用いて説明する際には、各画像ファイルの撮影場所パラメータの設定値と、出力許可リスト及び出力禁止リストに登録されている撮影場所パラメータに関する設定値との位置関係は、図11に示す位置関係にあるものとして説明する。
【0071】
図8は、付加情報削除処理のフローを示す図である。
付加情報解析部205は、対象コンテンツの付加情報を解析して各パラメータを抽出する(ステップS21)。
例えば、ファイルF2の場合、撮影時刻パラメータ「2008年1月1日0時10分00秒」、撮影場所パラメータ「地点b」、撮影者氏名パラメータ「山田太郎」、及びコメント情報パラメータ「自宅」及び「山田花子」を抽出する。
【0072】
次に、付加情報削除部206は、ステップS3の対象コンテンツに関する、ステップS21で抽出した付加情報のパラメータから1のパラメータを選出する(ステップS22)。
例えば、付加情報中の撮影時刻パラメータ、撮影場所パラメータ、撮影者氏名パラメータ、コメント情報パラメータのうち、撮影時刻パラメータを選出する。以後、ステップS22を実行する毎に、未選出のパラメータから1のパラメータを選出する。
【0073】
選出されたパラメータ、及びその設定値の組が、出力禁止リストに含まれるか否かを判定し(ステップS23)、含まれる場合(ステップS23:YES)には該当するパラメータに削除マーキングを行う(ステップS26)。
例えば、ファイルF2の撮影場所パラメータ、「地点b」の組は、出力禁止リスト中の出力禁止情報D2に合致するので、ファイルF2の撮影場所パラメータには、削除マーキングが成される。なお、図11を用いて上述した通り、「地点b」は「地域X」に含まれる。
【0074】
ステップS23において、ファイルのパラメータ及び設定値が出力禁止リストに含まれないと判定された場合(ステップS23:NO)、ファイルのパラメータ及び設定値が出力許可リストに含まれるか否かを判定する(ステップS24)。
例えば、ファイルF2の撮影時刻パラメータについて、出力許可リストを用いて処理する場合、ファイルF2の撮影時刻パラメータ「2008年1月1日0時10分00秒」は、出力許可リストの出力許可情報E1の撮影時刻パラメータ「全ての設定値」に合致するため、ファイルF2の撮影時刻パラメータの削除は不要であると判定される。
【0075】
ステップS24において、ファイルのパラメータ及び設定値が出力許可リストに含まれないと判定された場合(ステップS24:NO)、リスト外出力設定値によるファイルのパラメータ及び設定値の出力可否を判定する(ステップS25)。
ステップS25において、リスト外出力設定値が出力禁止の設定であれば(ステップS25:出力禁止)、前述のステップS26に移行し、リスト外出力設定値が出力許可の設定であれば(ステップS25:出力許可)、ステップS27に移行する。
【0076】
例えば、ファイルF4の付加情報であるコメント情報パラメータ「富士山」は、出力許可リスト及び出力禁止リストのいずれにも登録されていない。この場合、リスト外出力設定値として、出力許可が設定されている場合には、コメント情報パラメータ「富士山」の削除が不要と判定され、出力禁止が設定されている場合には、コメント情報パラメータ「富士山」について削除を要すると判定されて削除マーキングされる。
【0077】
次に、ステップS24においてファイルのパラメータ及び設定値が出力許可リストに含まれると判定された場合(ステップS24:YES)、ステップS25においてリスト外出力設定値が出力許可の設定である場合(ステップS25:出力許可)、処理対象コンテンツの付加情報に含まれるパラメータが全て選出された否かを判定し(ステップS27)、全て選出されていれば(ステップS27:YES)、処理を終了する。
【0078】
パラメータが全て選出されていない場合(ステップS27:NO)、ステップS22に移行する。
以上、図8の各ステップの処理を説明した。
なお、図3〜図6に基づき、リスト外出力設定値が出力禁止と設定されている場合において、図8に示した付加情報削除処理を行うと、結果的に下記のようにパラメータを削除する削除マーキングが行われる。
【0079】
ファイルF1からは、撮影者氏名パラメータ「山田太郎」が削除される。
また、ファイルF2からは、撮影場所パラメータ「地点b」と、撮影者氏名パラメータ「山田太郎」と、コメント情報パラメータ「自宅」と、コメント情報パラメータ「山田花子」とが削除される。
ファイルF3の付加情報は何も削除されない。
【0080】
ファイルF4からは、撮影場所パラメータ「地点d」と、コメント情報パラメータ「富士山」と、コメント情報パラメータ「山田花子」とが削除される。
3.4.関連付加情報削除処理
次に、図7のステップS5で示した、関連付加情報削除処理について説明する。
図9は、関連付加情報削除処理のフローを示す図である。
【0081】
先ず、付加情報解析部205は、コンテンツ格納部202に格納する出力対象コンテンツの付加情報から1のパラメータを選出する(ステップS31)。
選出したパラメータをP1という。
例えば、付加情報解析部205は、出力対象コンテンツであるファイルF2の付加情報から撮影場所パラメータをP1として選出する。
【0082】
そして、関連付加情報削除部207は、P1が削除マーキングされているか否か判定し(ステップS32)、削除マーキングされていない場合(ステップS32:NO)、ステップS31に移行する。
削除マーキングされている場合(ステップS32:YES)、関連付加情報削除部207は、関連付加情報リストから1の関連条件を選出し、パラメータを抽出する(ステップS33)。
【0083】
抽出したパラメータをP2とする。
例えば、関連付加情報削除部207は、関連付加情報リストの関連条件R1から、撮影場所パラメータをP2として選出する。
次に、関連付加情報削除部207は、出力するコンテンツのうち、ステップS31で処理したコンテンツ以外の他のコンテンツを選出する(ステップS34)。
【0084】
例えば、ステップS31で処理したコンテンツがファイルF2の場合、関連付加情報削除部207は、他のコンテンツとしてファイルF1、F3、F4のうちのファイルF1を選出する。
次に、関連付加情報削除部207は、ステップS34で選出した他のコンテンツの付加情報のうち、1のパラメータを選出する(ステップS35)。
【0085】
抽出したパラメータをP3とする。
例えば、ステップS34で選出したコンテンツがファイルF1の場合、関連付加情報削除部207は、ファイルF1の付加情報から撮影場所パラメータをP3として選出する。
そして、関連付加情報削除部207は、P1とP2が一致するか否かを判定する(ステップS36)。
【0086】
例えば、P1がファイルF2の撮影場所パラメータであり、P2が関連付加情報リストの関連条件R1の撮影場所パラメータである場合、関連付加情報削除部207は、P1とP2は両者とも撮影場所パラメータであり、一致すると判定する。
次に、関連付加情報削除部207は、P3がP2に係る関連判定条件を満たすか否かを判定する(ステップS37)。
【0087】
例えば、図11に示すように、ファイルF1の撮影場所パラメータ「地点a」とファイルF2の撮影場所パラメータ「地点b」との距離は、500メートルである。また、ファイルF1の撮影時刻パラメータ「2008年1月1日0時00分00秒」とファイルF2の撮影時刻パラメータ「2008年1月1日0時10分00秒」との時間間隔は、10分である。
【0088】
よって、ファイルF1の付加情報である撮影場所パラメータ(P3)が、P2に係る関連判定条件「他コンテンツの撮影場所との距離が1000メートル以下、かつ、他コンテンツとの撮影間隔が60分以下、を満たす撮影場所パラメータの設定値」を満たしている。
従って、上記の場合、P3がP2に係る関連判定条件を満たすと判定される。
【0089】
なお、上記のように、ステップS37の判定においては、関連付加情報削除部207は、関連付加情報リストのパラメータである撮影場所パラメータのみを用いて判定しているのではなく、関連判定条件に記載の撮影時刻パラメータも判定に用いることとなる。
ステップS37において、関連判定条件を満たすと判定された場合(ステップS37:YES)、関連付加情報削除部207はP1の関連付加情報であるP3について削除マーキングを行い(ステップS38)、関連判定条件を満たすと判定されなかった場合、ステップS39に移行する。
【0090】
次に、関連付加情報削除部207は、ステップS34で選出した他のコンテンツについて、付加情報に含まれるパラメータが全て選出されたか否か判定する(ステップS39)。
ステップS39において付加情報に含まれるパラメータが全て選出されていない場合(ステップS39:NO)、ステップS35に移行する。
【0091】
例えば、ステップS35において、ファイルF1の付加情報の中から、これまで未選出の撮影時刻パラメータが選出される。
ステップS39において付加情報に含まれるパラメータが全て選出されたと判定された場合(ステップS39:YES)、関連付加情報削除部207は、他のコンテンツが全て選出されたか否かを判定する(ステップS40)。
【0092】
ステップS40において他のコンテンツが全て選出されていないと判定された場合(ステップS40:NO)、ステップS34に移行する。
例えば、ステップS34において、他のコンテンツとしてファイルF3が選出される。
ステップS40において他のコンテンツが全て選出されたと判定された場合(ステップS40:YES)、関連付加情報削除部207は、関連付加情報リスト中の全関連条件が選出された否かを判定する(ステップS41)。
【0093】
ステップS41において全関連条件が選出されていない場合(ステップS41:NO)、ステップS33に移行し、次の関連条件が選出される。
例えば、ステップS33において、関連付加情報リスト中の撮影者氏名パラメータに係る関連条件R2が選出される。
ステップS41において全関連条件が選出された場合(ステップS41:YES)、関連付加情報削除部207は、処理対象コンテンツの付加情報の全パラメータが選出されたか否かを判定し(ステップS42)、処理対象コンテンツの付加情報の全パラメータが選出されたと判定した場合(ステップS42:YES)、処理を終了する。
【0094】
ステップS42において処理対象コンテンツの付加情報の全パラメータが選出されていないと判定した場合(ステップS42:NO)、ステップS31に移行する。
例えば、このとき、ステップS31においては、処理対象コンテンツの付加情報のうち未選出である撮影場所パラメータが選出される。
次に、具体例として、図6に示す関連付加情報リストによる関連付加情報削除処理について図14を用いて説明する。
【0095】
なお、各画像ファイルの撮影場所は、上述の図11に示した位置関係にあるものとする。
まず、P1として撮影場所パラメータが選出される(ステップS31に相当)。
次に、前記撮影場所パラメータP1に削除マーキングがされているか否か判定する(ステップS81(図9のステップS32に該当))。
【0096】
以下の具体例では、図7のステップS4において、対象コンテンツであるファイルF2の撮影場所パラメータ「地点b」に削除マーキングされているものとする。
P1に削除マーキングがされていない場合(ステップS81:NO)は、関連付加情報削除部207は、参照コンテンツについても削除マーキングは不要と判定する(ステップS85)。
【0097】
P1に削除マーキングがされている場合(ステップS81:YES)は、関連付加情報削除部207は、対象コンテンツの撮影場所と、参照コンテンツの撮影場所との距離が1000メートル以下か否か判定する(ステップS82)。
本実施の形態では、前記距離が1000メートルを超える場合は、両撮影場所の距離が十分遠いので参照コンテンツの撮影場所に基づき対象コンテンツの撮影場所が推測されることはないと予め条件設定している。この場合は、参照コンテンツの撮影場所を削除しなくても良いこととしている。
【0098】
対象コンテンツであるファイルF2及び参照コンテンツであるファイルF1については、ファイルF1の撮影場所パラメータ「地点a」と、ファイルF2の撮影場所パラメータ「地点b」との距離は500メートルであるので、ステップS82の関連判定条件を満たすと判定される。
ステップS82において1000メートル以下と判定された場合、対象コンテンツの撮影時刻と、参照コンテンツの撮影時刻との時間間隔が60分以下か否かを判定する(ステップS83)。
【0099】
算出した時間間隔が60分を超える場合、参照コンテンツの撮影場所から60分間で移動できる範囲は広範囲となり、対象コンテンツの撮影場所が推測されることはないと予め条件設定している。この場合は、参照コンテンツの撮影場所を削除しなくてもよいこととしている。
逆に、ステップS83において60分以下と判定された場合は、参照コンテンツの撮影場所から60分間以内で移動できる範囲内であれば、対象コンテンツの撮影場所を推測できるとして、参照コンテンツの撮影場所を削除する必要があるとしている。
【0100】
例えば、参照コンテンツであるファイルF1の撮影時刻パラメータ「2008年1月1日0時00分00秒」と、対象コンテンツであるファイルF2の撮影時刻パラメータ「2008年1月1日0時10分00秒」との撮影間隔は10分であるので、ステップS83の関連判定条件を満たす(ステップS83:YES)と判定される。
結局、ファイルF1〜F4の撮影場所パラメータについては、関連付加情報削除処理により、ファイルF1の撮影場所パラメータ「地点a」、ファイルF2の撮影場所パラメータ「地点b」、ファイルF3の撮影場所パラメータ「地点c」が削除され、ファイルF4の撮影場所パラメータ「地点d」は削除されないこととなる。
【0101】
また、参照コンテンツの撮影者氏名については、関連判定条件に合致するため、全て削除される。
3.5.ユーザによる設定処理
次に、図7のステップS7、ステップS12で示したユーザによる設定処理について説明する。
【0102】
図10は、ユーザによる設定処理のフローを示す図である。
ユーザインタフェース部201は、送信対象のコンテンツの一覧を表示する(ステップS61)。
本ステップにおける画面表示例について、図12を用いて説明する。
図12は、ユーザインタフェース部201が、撮影場所パラメータに関して送信対象コンテンツを一覧表示する画面の一例を示す図である。
【0103】
図12において、1100はユーザインタフェース部201の表示する操作画面を示している。操作画面1100上において、1101は画像ファイル1の画像を示し、1102は画像ファイル2の画像を示し、1103は画像ファイル3の画像を示し、1104は画像ファイル4の画像を示している。
なお、図12において、図11と同じ要素については同じ符号を用い説明を省略する。
【0104】
ユーザインタフェース部201は、図示しない地図情報格納部から地図情報を取得し、操作画面1100上に地図1107を表示する。
そして、ユーザインタフェース部201は、付加情報解析部205により抽出された撮影場所パラメータの設定値が示す位置に画像ファイルの画像を重ねて表示する。
図3に示した4個の画像ファイルの一覧表示の場合は、画像1101が点P1111に、画像1102が点P1112に、画像1103が点P1113に、画像1104が点P1114に表示される。
【0105】
次に、ユーザインタフェース部201は、ユーザ設定格納部203に格納する出力許可リストと、出力禁止リストと、リスト外出力設定値と、関連付加情報リストとをユーザに対して提示する(ステップS62)。
ここで、図13を用いて、本ステップにおける操作画面の表示例を説明する。
図13は、撮影場所パラメータに関するユーザによる設定処理におけるユーザインタフェース部201の表示する操作画面の一例を示す図である。
【0106】
なお、図13において、図11と同じ要素については同じ符号を用い説明を省略する。
ユーザインタフェース部201は、ユーザ設定格納部203より取得した出力許可リストと、出力禁止リストとに設定される撮影場所パラメータに関する設定値を、ステップS61で表示した地図1107上に表示する。
出力許可リストの設定と、出力禁止リストの設定とを表示する場合、出力許可リストに設定される地域Mの範囲A1125と、出力禁止リストに設定される地域Xの範囲A1136とを、地図1107上の対応する位置に表示する。
【0107】
地図1107の範囲外の地域である地域Nと、地域Yとは表示しない。
次に、ユーザインタフェース部201は、ユーザ設定格納部203に格納する出力許可リストと、出力禁止リストと、リスト外出力設定値と、関連付加情報リストの追加登録や修正をユーザに対して促す(ステップS63)。
ユーザは、ユーザ操作受付部209を用い、前記追加登録、修正を行う。
【0108】
具体的には、ユーザは、ユーザ操作受付部209を用い、ステップS62で表示された地図1107上で、撮影場所パラメータの出力を許可する範囲及び出力を禁止する範囲の追加や、ステップS702で表示された範囲の修正を行う。
そして、ユーザインタフェース部201は、ユーザ操作受付部209を用いて、追加登録、修正された項目を、出力許可リスト、出力禁止リスト、リスト外出力設定値、関連付加情報リストに反映して更新し、ユーザ設定格納部203に格納する。
【0109】
そして、端末装置100は、ユーザによる設定処理が完了するまでステップS61からステップS63までの処理を繰り返し、ユーザによる設定処理が完了した場合は本処理を完了する。
以上、本発明の実施の形態における処理を説明した。

4.変形例その他
なお、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
(1)上記実施の形態においては、端末装置100がサーバ装置101にコンテンツを送信し、サーバ装置101が公開するコンテンツをコンテンツ閲覧機器102が閲覧する場合について説明したが、これに限らない。
【0110】
例えば、端末装置100が装置外部にコンテンツを出力する種々の場合に、端末装置100が同様の処理を行うようにしてもよい。
また、電子メールにコンテンツを添付して送信するなど、端末装置100がサーバ装置101を経由してコンテンツ閲覧機器102にコンテンツを送信する場合に、端末装置100が同様の処理を行うようにしてもよい。
【0111】
また、ピアツーピア接続によるコンテンツ共有のように、端末装置100がコンテンツ閲覧機器102にコンテンツを直接送信する場合に、端末装置100が同様の処理を行うようにしてもよい。
また、メモリーカードを媒体に用いたコンテンツ共有のように、端末装置100が媒体にコンテンツを直接記録する場合に、端末装置100が同様の処理を行うようにしてもよい。
(2)本発明の実施の形態においては、端末装置100が付加情報及び関連付加情報の削除を行う機能を有し、サーバ装置101は端末装置100により付加情報及び関連付加情報を削除されたコンテンツを受信し、コンテンツ閲覧機器102に対して付加情報及び関連付加情報を削除されたコンテンツを公開する場合について説明したが、これに限るものではない。
【0112】
例えば、サーバ装置101が、図2に示した端末装置100の構成の全部あるいは一部を有する構成としてもよい。
この場合、端末装置100がサーバ装置101に対して付加情報及び関連付加情報を削除していないコンテンツを送信する。そして、サーバ装置101が、受信したコンテンツから付加情報及び関連付加情報を削除し、コンテンツ閲覧機器102に対して付加情報及び関連付加情報の削除されたコンテンツを公開する。
【0113】
また、サーバ装置101は、コンテンツ格納領域202として、ユーザのみが閲覧可能なユーザ領域と、ユーザ以外も閲覧可能な公開領域とを備え、ウェブフォトアルバムサービスを行うものとしてもよい。
この場合、サーバ装置101は、ユーザ領域には端末装置100から送信されるオリジナルのコンテンツを格納し、公開領域にはオリジナルのコンテンツから付加情報及び関連付加情報を削除したコンテンツを格納する。
【0114】
また、付加情報及び関連付加情報の削除は、コンテンツの送受信のタイミングだけでなく、サーバ装置101に蓄積したコンテンツ数に応じて行ったり、ユーザの指示に従って行ったりしてもよい。
(3)ステップS2において、コンテンツ出力制御部204は、送信対象のコンテンツ数に応じて関連付加情報削除処理要否を判定するとしたが、これに限らない。例えば、ユーザインタフェース部201において関連付加情報削除処理の実施要否をユーザに選択させ、その選択に基づいて関連付加情報削除処理要否を判定するようにしてもよい。
(4)ステップS61において、撮影場所パラメータを用いたコンテンツの一覧表示方法を説明したが、撮影時刻パラメータの時系列順で表示したり、撮影者氏名パラメータでグルーピングして表示したり、複数のパラメータにより階層的に表示したりしてもよい。
【0115】
例えば、撮影時刻パラメータを用いてコンテンツ一覧をカレンダ形式で表示する。そして、選択された日付のコンテンツに関するコンテンツ一覧のみを、撮影場所パラメータを用いて地図上に表示してもよい。
(5)ステップS62において、撮影場所パラメータに関する出力許可リスト及び出力禁止リストの提示方法を説明したが、登録されるパラメータ毎の設定値一覧を提示したり、撮影時刻パラメータに関してカレンダ形式で表示したりしてもよい。
【0116】
また、ユーザインタフェース部201が、コンテンツ毎に付加情報のパラメータ設定値をユーザインタフェースとして表示し、ユーザは表示された設定値を確認した上で設定、変更することとしてもよい。また、付加情報のパラメータ分類毎に一括して設定値を設定することとしてもよい。
(6)ステップS63において、ユーザが、操作画面1100に表示される地図1107上における複数の点を指定し、ユーザインタフェース部201が、指定された点から矩形を生成して、その矩形の示す範囲を、出力許可リストまたは出力禁止リストの撮影場所パラメータの設定値として設定することとしてもよい。
(7)付加情報削除部206は、出力禁止リスト、出力許可リスト、リスト外出力設定値の順番で処理すると説明したが、これに限らない。例えば、ユーザが設定し又は予め定められた優先度に応じ、これらのステップの処理順序を決定することとしてもよい。
【0117】
さらに、ユーザがユーザインタフェース部201を介して処理の優先度を指定し、付加情報削除部206は、その優先度に応じて処理順序を決定するようにしてもよい。
(8)コンテンツ出力制御部204、コンテンツ出力部208は、コンテンツを出力する場合に、削除マーキングされた付加情報のパラメータ設定値を除いて出力すると説明したが、これに限らない。例えば、付加情報を別の設定値で上書きして出力することとしてもよい。別の設定値とは、ユーザが指定した設定値でもよいし、削除処理が行われたことを意味する特殊値でもよい。
(9)関連付加情報削除部207は、他コンテンツの付加情報削除処理の後に、関連付加情報削除処理を行うと説明したが、これらの処理順序は入れ替わってもよい。
(10)ステップS32における処理を省略することとしてもよい。
【0118】
この場合、関連付加情報削除部207は、付加情報間の関連性のみにより関連付加情報のパラメータ設定値の削除要否を判定する。
(11)ステップS82〜S84において、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影場所距離が所定距離以下であるという条件と、複数コンテンツの撮影間隔が所定間隔以下であるという条件との両方が成立する場合に、複数コンテンツの撮影場所に関連性があると判定する例について説明したが、いずれか片方の条件が成立する場合に複数コンテンツの撮影場所に関連性があると判定してもよい。
【0119】
また、ステップS82における処理を省略してもよい。この場合、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影場所間隔が所定間隔以下であれば、撮影場所距離によらずに、複数コンテンツの撮影場所に関連性があると判定する。
また、ステップS83における処理を省略してもよい。この場合、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影場所距離が所定距離以下であれば、撮影間隔によらずに、複数コンテンツの撮影場所に関連性があると判定する。
【0120】
また、ステップS82及びステップS83における処理を省略してもよい。この場合、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影場所には常に関連性があると判定する。
また、ステップS82において、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影距離が所定距離以下であるという条件を評価すると説明したが、1個の閾値により判定するだけでなく、複数の閾値に関する複合条件として評価してもよい。
【0121】
また、ステップS83において、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影間隔が所定間隔以下であるという条件を評価すると説明したが、1個の閾値により判定するだけでなく、複数の閾値に関する複合条件として評価してもよい。
また、ステップS83において、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影間隔が所定間隔以下であるという条件を評価すると説明したが、撮影時刻の差としての撮影間隔を用いるのではなく、撮影順序の差としての撮影間隔を用いてもよい。例えば、デジタルカメラで撮影した写真ファイルには、撮影順序で連番のファイル名が付与されるため、関連付加情報削除部207は、このファイル名の連番を用いて、撮影順序が前後5枚の写真ファイルに関しては関連性があると判定する。さらに、撮影間隔として、撮影時刻の差と撮影順序の差とを組み合わせたものを用いてもよい。
(12)関連付加情報削除処理において、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影場所距離が所定距離以下であるいう条件と、複数コンテンツの撮影間隔が所定間隔以下であるという条件とに基づき、撮影場所パラメータの削除を判定する場合を説明したが、これらの条件に基づき、撮影時刻パラメータの削除について判定し、削除することとしてもよいし、ファイル名を変更することとしてもよい。
【0122】
また、関連付加情報削除部207は、複数コンテンツの撮影場所距離が所定距離以下であるという条件と、複数コンテンツの撮影間隔が所定間隔以下であるという条件とに基づき、撮影場所パラメータの削除を判定する場合を説明したが、複数付加情報間の関連性を条件として、1以上の条件の組み合わせに基づき、付加情報の削除判定処理を行うこととしてもよい。
(13)関連付加情報削除部207は、関連条件を満たす場合に関連付加情報を削除する場合を説明したが、関連条件を満たす場合に関連付加情報を削除しないとしてもよい。
(14)ユーザインタフェース部201は、必要に応じて、端末装置100における各処理の実行前に、ユーザに対して処理の実行を確認し、処理の実行を指示された場合に処理を行うものとしてもよい。
【0123】
例えば、関連付加情報の削除処理の前に、ユーザインタフェース部201は、ユーザに対して「画像2に関連する画像1の撮影場所パラメータを削除しますか?」という旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
(15)付加情報が、撮影時刻パラメータ、撮影場所パラメータ、撮影者氏名パラメータ、コメント情報パラメータとから構成される例で説明したがこれに限らない。撮影者住所、撮影者メールアドレス、撮影機器メーカ名、撮影機器機種名、被写体に関する情報、検索用キーワード、シャッタースピード、ホワイトバランス等の情報から構成されてもよい。
(16)出力許可リストの設定値は、特定値の設定だけでなく、特定値を含む範囲の設定や、特定値を含まない範囲の設定や、全体値の設定等が可能であってもよい。
【0124】
なお、「全ての設定値」を指定する場合、設定値として「全ての設定値」に割り当てた特殊値や、「全ての設定値」を示すフラグ等で管理することで実現する。
また、「地域」の指定方法に関しては、設定値として、「中心地点と半径」、「左上地点と右下地点」、「多角形の頂点」、「郵便番号や市外局番等で特定される地域」等を管理することで実現する。
(17)出力禁止リストは、特定値の設定だけでなく、特定値を含む範囲の設定や、特定値を含まない範囲の設定や、全体値の設定等が可能であってもよい。
【0125】
なお、「全ての設定値」を指定する場合、設定値として「全ての設定値」に割り当てた特殊値や、「全ての設定値」を示すフラグ等を管理することで実現する。
また、「地域」の指定方法に関しては、設定値として、「中心地点と半径」、「左上地点と右下地点」、「多角形の頂点」、「郵便番号や市外局番等で特定される地域」等を管理することで実現する。
(18)関連判定条件は、特定値の設定だけでなく、特定値を含む範囲の設定や、特定値を含まない範囲の設定や、全体値の設定や、複数パラメータによる条件の組み合わせ等が可能であってもよい。
(19)端末装置100は、携帯電話機であるとしたが、他の装置であってもよい。デジタルテレビ、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、携帯電話、デジタルカメラ、音楽プレーヤ、パーソナルコンピュータ等の、コンテンツを取り扱う装置であればよい。
(20)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ROM、RAM又は前記ハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここで、コンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0126】
なお、各装置は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどの全てを含むコンピュータシステムに限らず、これらの一部から構成されているコンピュータシステムであってもよい。
(21)上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記ROM又はRAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
【0127】
また、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0128】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
(22)上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(23)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0129】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD―ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなど、に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0130】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(24)上記実施の形態においては、複数コンテンツの付加情報間の関連性を判定して付加情報を削除する場合を説明したが、一つのコンテンツの複数付加情報間の関連性を判定して付加情報を削除することとしてもよい。
【0131】
例えば、あるコンテンツの付加情報として、「東経135度0分0秒、北緯35度0分0秒」という撮影場所パラメータ設定値と、「自宅にて撮影」というコメント情報パラメータ設定値とが付加される場合、撮影場所パラメータ設定値とコメント情報パラメータ設定値とを組み合わせることで、「東経135度0分0秒、北緯35度0分0秒の地点が自宅である」ということが類推可能となる。このようなコンテンツを装置外部に出力する際に、コンテンツの付加情報である撮影場所パラメータとコメント情報パラメータのうち、少なくとも一方を削除するものとしてもよい。
(25)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明にかかるコンテンツ管理装置は、コンテンツに付随したプライベートな付加情報と、プライベートな付加情報を類推できる関連付加情報とを削除する機能を有し、コンテンツを装置外に出力するデジタルテレビ、デジタルカメラ等の端末機器として有用である。また、コンテンツの所有者以外の人物でも閲覧可能な共有領域にてコンテンツを公開するサーバ装置等の用途にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム全体の構成を示す図である。
【図2】図1の端末装置100の構成を示す図である。
【図3】図2のコンテンツ格納部202で管理する画像ファイルのデータ構造である。
【図4】図2のユーザ設定格納部203で管理する出力許可リストのデータ構造である。
【図5】図2のユーザ設定格納部203で管理する出力禁止リストのデータ構造である。
【図6】図2のユーザ設定格納部203で管理する関連付加情報リストのデータ構造である。
【図7】端末装置100におけるコンテンツ送信処理のフローを示す図である。
【図8】端末装置100における付加情報削除処理のフローを示す図である。
【図9】端末装置100における関連付加情報削除処理のフローを示す図である。
【図10】端末装置100におけるユーザによる設定処理のフローを示す図である。
【図11】画像ファイルの撮影場所と、出力許可リストに登録された撮影場所と、出力禁止リストに登録された撮影場所との位置関係を模式的に示す図である。
【図12】ステップS61における操作画面の表示の一例を示す図である。
【図13】ステップS62、S63における操作画面の表示の一例を示す図である。
【図14】端末装置100における関連付加情報削除処理の具体的なフローを示す図である。
【符号の説明】
【0134】
100 端末装置
101 サーバ装置
102 閲覧機器
103 伝送路
201 ユーザ設定格納部
202 コンテンツ格納部
203 ユーザ設定格納部
204 コンテンツ出力制御部
205 付加情報解析部
206 付加情報削除部
207 関連付加情報削除部
208 コンテンツ出力部
209 ユーザ操作受付部
210 表示部
211 カメラ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを外部出力するコンテンツ管理装置であって、
属性値が付された複数のコンテンツを格納している格納手段と、
第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得手段と、
前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出手段と、
前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定手段と、
前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
属性と、前記属性に対応する判定条件との組のリストを保持するリスト保持部と、
前記リスト中から前記指定された属性に対応する判定条件を検索する検索部と、
前記指定された属性に対応する判定条件が検出された場合、前記第1及び第2のコンテンツに付されている前記第1の属性及び前記第2の属性に属する各値が前記発見された判定条件を満たすか否かを判定する判定部と
を含むことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ管理装置。
【請求項3】
前記判定条件は、
第1及び第2のコンテンツに付された第1の属性に係る両属性値の差が第1閾値以下であり、
第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性に係る両属性値の差が第2閾値以下である
ことを特徴とする請求項2記載のコンテンツ管理装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の属性は、一方が場所を示す属性であり、他方が時刻を示す属性である
ことを特徴とする請求項3記載のコンテンツ管理装置。
【請求項5】
前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性に属する値に関わらず、前記第1及び第2のコンテンツに付された第1の属性を有する両値が同一値である
ことを特徴とする請求項2記載のコンテンツ管理装置。
【請求項6】
前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性を有する値に関わらず、第1及び第2のコンテンツに付された第1の属性に属する両値の差が第1差分値以下である
ことを特徴とする請求項2記載のコンテンツ管理装置。
【請求項7】
前記判定条件は、前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性を有する値が特定の無効値である
ことを特徴とする請求項2記載のコンテンツ管理装置。
【請求項8】
前記判定手段は、更に、
属性値を、範囲を特定する範囲情報に変換する変換リストを保持する変換リスト保持部と、
第1及び第2のコンテンツに付された各属性値を範囲情報に変換する変換部とを含み、
前記判定条件は、
前記第1及び第2のコンテンツに付された第2の属性に属する属性値に関わらず、
前記変換部により変換された、前記第2のコンテンツに係る範囲情報により特定される範囲が前記第1のコンテンツに係る範囲情報により特定される範囲に含まれる
ことを特徴とする請求項2記載のコンテンツ管理装置。
【請求項9】
前記出力制御手段は、更に、第1及び第2のコンテンツから属性値を除去して出力する場合に、属性値が除去されるコンテンツの名称を変更して出力する
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ管理装置。
【請求項10】
前記取得手段は、コンテンツを出力する際に削除を行う属性を示す削除属性情報のリストを予め保持し、
前記第1の属性は、前記削除属性情報のリスト中の削除属性情報が示す属性である
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ管理装置。
【請求項11】
コンテンツを外部出力するコンテンツ管理方法であって、
属性値が付された複数のコンテンツを格納する格納ステップと、
第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得ステップと、
前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出ステップと、
前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定ステップと、
前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御ステップと
を含むことを特徴とするコンテンツ管理方法。
【請求項12】
コンテンツを外部出力するコンテンツ管理装置に用いられるコンテンツ管理プログラムであって、
属性値が付された複数のコンテンツを格納する格納ステップと、
第1のコンテンツに付された第1の値が属する第1の属性の指定を受け取る取得ステップと、
前記第1のコンテンツ以外のコンテンツ中から、前記第1の属性に属する第2の値が付された第2のコンテンツを選出する選出ステップと、
前記第1及び第2のコンテンツ各々に付された第2の属性に属する値相互の関係に基づき、前記第2の値から前記第1の値を推定し得るか否かを判定する判定ステップと、
前記複数のコンテンツを外部出力する場合に、前記第1のコンテンツから前記第1の値を除去し、かつ前記判定手段により前記第1の値を推定し得ると判定された場合に前記第2のコンテンツから前記第2の値を除去して出力する出力制御ステップと
を含むことを特徴とするコンテンツ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−301196(P2009−301196A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153045(P2008−153045)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】