説明

コンテンツ管理装置

【構成】CPU28は、着脱自在のHDD38に記録されたメタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2を、HDD38が装着された旨の通知に応答してDRAM30に読み出す。ここで、メタ情報テーブルTBL1に記述されたメタ情報は、HDD38に記録されたコンテンツの属性を示す。また、ポインタ情報テーブルTBL2に記述されたポインタは、メタ情報テーブルに記述されたメタ情報を指向するポインタ値とポインタ識別番号とを有する。CPU28は、ポインタ値とポインタ識別番号との対応関係が既定関係と異なるポインタをポインタ情報テーブルTBL2から抽出し、抽出されたポインタが有するポインタ値を既定関係が確立されるように修正する。CPU28はまた、メタ情報テーブルに記述されたメタ情報の配置をポインタ値の修正に対応して修正する。
【効果】コンテンツの録画処理に掛かる負荷を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ管理装置に関し、特に、記録媒体に記録されたコンテンツをメタ情報によって管理する、コンテンツ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像を記録する映像記録装置では、その映像コンテンツのタイトル、作成日時、長さ、記録モードなどを管理するためのコンテンツメタ情報が、コンテンツメタ情報管理テーブルとしてファイルに保存されている。また、コンテンツメタ情報管理テーブル内のどこ(バイトポジション)に何番目(コンテンツIDがいくらか)のコンテンツの情報が記載されているかを管理するために、コンテンツメタ情報管理テーブルの管理ファイルも保存されている(特許文献1)。
【0003】
この管理ファイルには、コンテンツメタ情報管理テーブル内の位置(バイトポジション、以降ポインタと呼ぶ)とポインタの数が記載される。各ポインタには、有効・無効を表すフラグがあり、ポインタ値でコンテンツメタ情報管理テーブル内の位置を示した状態で無効とすることも可能である。管理ファイルに記載されるポインタの順にコンテンツIDを割り振ることとする。また、管理テーブルはコンテンツIDの順に並んでいる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−24256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、かかる映像記録装置では、あるコンテンツIDのコンテンツを削除した際に、管理ファイル内のポインタのフラグを無効とし、ポインタ値も無効な値とし、当該コンテンツIDのコンテンツメタ情報をコンテンツメタ情報管理テーブルから削除し、当該コンテンツID以降の管理テーブルを詰めることが行われている(以後、このことを「管理テーブルの切り詰め処理」と呼ぶ)。
【0006】
管理テーブルの切り詰め処理により、削除したコンテンツメタ情報のサイズ分、コンテンツ管理テーブルの容量が少なくなるというメリットがある。
【0007】
しかしながら、管理テーブルの切り詰め処理をした場合、管理テーブル内のコンテンツメタ情報が記載されている位置がずれるため、当該コンテンツID以降のコンテンツの管理ファイルのポインタ値も全て書き換える必要がある。
【0008】
また、次回の録画時に、削除されたコンテンツIDを再び利用する場合には、管理テーブルが切り詰められているため当該コンテンツIDのコンテンツメタ情報を書き込むべき位置を空けるために、当該コンテンツID以降のコンテンツメタ情報の位置を全てずらし、当該コンテンツID以降のコンテンツの管理ファイルのポインタ値も全て書き換える必要がある。
【0009】
このように、管理テーブルの切り詰め処理にはデメリットもある。本発明の目的はかかる問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のコンテンツ管理装置は、コンテンツメタ情報が管理されるコンテンツメタ情報管理テーブルを読み出す手段と、コンテンツを管理する管理ファイルを読み出す手段を備えたコンテンツ管理装置において、コンテンツメタ情報管理テーブルの切り詰め状態を検出したときに、該切り詰め状態を解除する処理を行う処理部を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明のコンテンツ管理装置は、コンテンツメタ情報が管理されるコンテンツメタ情報管理テーブルを読み出す手段と、コンテンツを管理する管理ファイルを読み出す手段を備えたコンテンツ管理装置において、管理ファイル上のフラグの状態が無効なものを含むポインタ値に重複状態があったときに、重複状態を解消する処理を行う処理部を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明の情報記録装置は、上述のコンテンツ管理装置と、記録媒体に対する制御を行う制御部を備え、前記処理部は、制御部が記録媒体を認識したときに前記処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記コンテンツ管理装置によれば、一つのコンテンツメタ情報のサイズが固定長の場合は、管理テーブルをテフラグせずに、削除したコンテンツメタ情報の領域をそのまま残しておき、次回の録画時にその領域を使った方が不要な管理テーブルの書き換えや管理ファイルの書き換えがなくなり、処理時間が短くなる。
【0014】
リムーバブルな記憶媒体に映像を記録する映像記録装置の場合は、管理テーブルの切り詰め方式の映像記録装置で作られたリムーバブル記憶媒体を、管理テーブルの切り詰めをしない方式の映像記録装置に挿入されることがある。この時、本発明のように管理テーブルの切り詰められた部分への挿入処理をすることにより、管理テーブルを切り詰められていない状態とすることができ、以降の録画や削除などで切り詰め状態の管理テーブルを意識せずに済む。また、管理ファイルのポインタのフラグが有効なものと無効なものとの間で、ポインタ値が同じ位置を示しているポインタ値の重複状態があった場合も、本発明のように管理テーブルの切り詰められた部分への挿入処理を実行することにより、解決することができる。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】TSパケット,PESパケット,ビデオストリームおよびオーディオストリームの関係の一例を示す図解図である。
【図4】メタ情報テーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図5】ポインタ情報テーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図6】退避テーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図7】メタ情報テーブルの構成の他の一例を示す図解図である。
【図8】ポインタ情報テーブルの構成の他の一例を示す図解図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図12】メタ情報テーブルの構成のその他の一例を示す図解図である。
【図13】ポインタ情報テーブルの構成のその他の一例を示す図解図である。
【図14】メタ情報テーブルの構成のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図15】ポインタ情報テーブルの構成のさらにその他の一例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0018】
図1を参照して、この発明のコンテンツ管理装置は、基本的に次のように構成される。第1検出手段1は、着脱自在の記録媒体に記録済みのコンテンツのメタ情報を、コンテンツ記録処理に先立って発行される既定通知に応答して検出する。第2検出手段3は、メタ情報を指向するポインタ値とポインタ識別番号とを各々が有する1または2以上のポインタを、第1検出手段1の検出処理に関連して検出する。抽出手段4は、ポインタ値とポインタ識別番号との対応関係が既定関係と異なるポインタを、第2検出手段3によって検出された1または2以上のポインタの中から抽出する。第1修正手段5は、抽出手段4によって抽出されたポインタが有するポインタ値を、既定関係が確立されるように修正する。第2修正手段6は、メタ情報の配置を第1修正手段5の修正処理に対応して修正する。
【0019】
このように、既定関係が成立しないポインタのポインタ値は、コンテンツ記録処理に先立って発行される既定通知に応答して修正される。さらに、ポインタ値の修正に対応してメタ情報の配置が修正される。これによって、コンテンツの記録に伴う負荷を低減することができる。
[実施例]
【0020】
図2を参照して、本発明のコンテンツ管理装置を備える一例としてのリムーバブルHDDレコーダ10は、デスクランブラ12を含む。デスクランブラ12は、チューナ(図示せず)から出力されたMPEG2−TSのスクランブルを解除し、解除後のMPEG2−TSをセレクタ14およびセクションフィルタ22に与える。
【0021】
セレクタ14は、チューナから出力されたMPEG2−TSに基づくコンテンツを再現するときデスクランブラ12を選択する一方、後述するHDD38から再生されたMPEG2−TSに基づくコンテンツを再現するときSATA(Serial Advanced
Technology Attachment)コントローラ34を選択する。デマルチプレクサ16は、セレクタ14から出力されたMPEG2−TSに基づいてビデオPESパケットまたはオーディオPESパケットを作成し、ビデオPESパケットをビデオデコーダ18に与える一方、オーディオPESパケットをオーディオデコーダ20に与える。
【0022】
ビデオデコーダ18は、ビデオPESパケットに格納されたビデオストリームをビデオデータに復号し、復号されたビデオデータをTVモニタ(図示せず)に向けて出力する。オーディオデコーダ20は、オーディオPESパケットに格納されたオーディオストリームをオーディオデータに復号し、復号されたオーディオデータをスピーカ(図示せず)に向けて出力する。
【0023】
MPEG2−TSは、図3に示すようなデータ構造を有する。図3によれば、MPEG2−TSは、各々がヘッダおよびペイロードを有する複数のTSパケットによって形成される。これらのTSパケットのペイロードには、ビデオPESパケット,オーディオPESパケットおよびPSI(Program Specific Information)が分散的に格納される。
【0024】
ビデオPESパケットおよびオーディオPESパケットの各々もまた、ヘッダとペイロードとによって形成される。ビデオPESパケットのペイロードには、Iピクチャ,BピクチャおよびPピクチャによって形成されたビデオストリームが分散的に格納される。オーディオPESパケットには、複数のオーディオフレームによって形成されたオーディオストリームが分散的に格納される。
【0025】
図2に戻って、HDD38がHDDスロット36に装着されると、SATAコントローラ34は、HDD38が装着された旨の通知をCPU28に向けて発行する。CPU28は、HDD38に記録されたメタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2をSATAコントローラ32を通して読み出し、読み出されたメタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2をDRAM30に書き込む。
【0026】
ここで、メタ情報テーブルTBL1は、HDD38に録画されたコンテンツのメタ情報を記述したテーブルに相当する。また、ポインタ情報テーブルTBL2は、メタ情報テーブルTBL1上のメタ情報を指向するポインタを記述したテーブルに相当する。メタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2はそれぞれ、たとえば図4および図5に示すように構成される。
【0027】
図4を参照して、各コンテンツのメタ情報は、情報識別番号(#1,#3,…),タイトル,録画日時,長さなどの項目を有し、100*(N−1)バイト目(N:0,1,2,…)から始まる100バイトのブロックに記述される。また、図5を参照して、各ポインタは、ポインタ識別番号(#1,#2,…),有効/無効情報およびポインタ値を有する。有効/無効情報は、ポインタが有効であるか無効であるかを識別するための情報である。ポインタ値は、指向先のメタ情報の先頭バイト値を示すほか、無効な値として“9999”を示す場合もある。
【0028】
図4および図5によれば、ポインタ#1はメタ情報テーブルTBL1の0バイト目から記述されたメタ情報#1を指向し、ポインタ#3はメタ情報テーブルTBL1の100バイト目から記述されたメタ情報#3を指向し、ポインタ#5はメタ情報テーブルTBL1の200バイト目から記述されたメタ情報#5を指向する。ポインタ#2および#4のポインタ値は、メタ情報#2および#4の削除に起因して無効となっている。
【0029】
ただし、メタ情報を単に削除するだけでは、メタ情報テーブルTBL1における情報識別番号の配置に制限がある場合(たとえば情報識別番号は昇順で配置しなければならないという制限がある場合)に、情報識別番号の利用効率が低下する。ここで、欠落した情報識別番号を有するメタ情報をコンテンツの録画の度に作成すれば、情報識別番号の利用効率を改善できる。しかし、コンテンツの録画の度にメタ情報の配置を修正する必要があり、録画に掛かる負荷が増大する。
【0030】
このような問題を考慮して、この実施例では、HDD38が装着されたときに次のような処理が実行される。
【0031】
まず、ポインタ識別番号とポインタ値との間で既定関係(既定関係:ポインタ値=100*(ポインタ識別番号−1))が成立しないポインタがポインタ情報テーブルTBL2から抽出される。したがって、図5に示す記述状態では、ポインタ#2〜#5が抽出される。
【0032】
抽出されたポインタの有効/無効情報が“有効”を示していて、かつ、ポインタ値が有効範囲内(“9999”以外)であれば、このポインタ値によって指向されるメタ情報がメタ情報テーブルTBL1から読み出され、読み出されたメタ情報が退避テーブルTBL3に書き込まれる。一方、抽出されたポインタの有効/無効情報が“無効”を示しているか、または、ポインタ値が“9999”を示していれば、デフォルトのメタ情報が作成され、作成されたメタ情報が退避テーブルTBL3に書き込まれる。
【0033】
したがって、退避テーブルTBL3には、図4に示すメタ情報テーブルTBL1および図5に示すポインタ情報テーブルTBL2に対応して、図6に示す要領でメタ情報が記述される。
【0034】
退避テーブルTBL3に記述されたメタ情報は、既定関係が成立しない最初のポインタのポインタ値によって指向されるバイト位置を起点として、メタ情報テーブルTBL1に上書きされる。また、既定関係が成立しないポインタのポインタ値は、既定関係が成立する値に更新される。この結果、メタ情報テーブルTBL1は図7に示すように更新され、ポインタ情報テーブルTBL2は図8に示すように更新される。
【0035】
メタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2の記述をこのように修正することで、欠落した情報識別番号を有するメタ情報を作成することができ、ひいてはメタ情報管理テーブルTBL1における情報識別番号の利用効率を改善できる。また、HDD38が装着された時点で修正処理を実行することで、コンテンツの録画処理に掛かる負荷を低減することができる。
【0036】
図2に戻って、メタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2の修正後にキー入力装置32上で録画開始操作が行われると、CPU28の制御の下でコンテンツ録画処理が実行される。まず、記録に必要な一部のTSパケットがセクションフィルタ14によって抽出される。抽出されたTSパケットは、パーシャルTS化回路24によってパーシャルTS(情報量が抑制されたMPEG2−TS)に変換され、変換されたパーシャルTSはSATAコントローラ34に与えられる。SATAコントローラ34は、与えられたパーシャルTSが格納されたMPEGファイルをHDDスロット36に装着された着脱自在のHDD38に記録する。このようなコンテンツ録画処理は、録画終了操作が行われるまで継続的に実行される。
【0037】
コンテンツ録画処理に関連して、情報解析回路26は、セクションフィルタ14によって抽出されたTSパケットに含まれるPSIから録画コンテンツのメタ情報を作成する。作成されたメタ情報は、CPU28に与えられる。
【0038】
CPU28は、有効/無効情報が“無効”を示すポインタをポインタ情報テーブルTBL2から検出し、検出されたポインタが指向するメタ情報に情報解析回路26から取得したメタ情報を上書きし、そして有効/無効情報を“無効”から“有効”に更新する。したがって、図7に示すメタ情報#2が上書きされたときは、図8に示すポインタ#2の有効/無効情報が“有効”に変更される。
【0039】
一方、有効/無効情報が“無効”を示すポインタがポインタ情報テーブルTBL2に存在しなければ、CPU28は、ポインタ情報テーブルTBL2に新規のポインタを追記し、情報解析回路26から取得したメタ情報を新規のポインタの指向先に対応してメタ情報テーブルTBL1に追記する。
【0040】
キー入力装置32上で録画リスト表示操作が行われると、CPU28は、メタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2を参照して録画リストを作成する。作成された録画リストはビデオデコーダ18を経てTVモニタに出力される。この結果、録画リスト画面がTVモニタに表示される。
【0041】
ここで所望のコンテンツが選択されると、CPU28は、対応するMPEGファイルの再生をSATAコントローラ34に命令する。所望のコンテンツのMPEG2−TSはSATコントローラ34によって読み出され、セレクタ14を介してデマルチプレクサ16に与えられる。この結果、所望のコンテンツの映像および音声がTVモニタおよびスピーカから出力される。
【0042】
キー入力装置32上でHDD排出操作が行われると、CPU28の制御の下でHDD38がHDDスロット36から排出される。
【0043】
CPU28は、図9〜図11に示す情報管理タスク,図12〜図13に示す録画制御タスクおよび図示しない再生制御タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、図示しないフラッシュメモリに記憶される。
【0044】
図9を参照して、ステップS1ではHDD38が装着された旨の通知がSATAコントローラ34から発行されたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS3に進み、HDD36に記録されたメタ情報テーブルTBL1をSATAコントローラ32を通して読み出す。読み出されたメタ情報テーブルTBL1は、DRAM30に書き込まれる。ステップS5では、HDD38に記録されたポインタ情報テーブルTBL2をSATAコントローラ32を通して読み出す。読み出されたポインタ情報テーブルTBL2は、上述と同様、DRAM30に書き込まれる。
【0045】
ステップS7では、ポインタ情報テーブルTBL2に記述されたポインタの数を変数Nに設定する。ステップS9では変数Jを“0”に設定し、ステップS11ではフラグFLGを“0”に設定する。変数Jは、退避テーブルTBL3のカラムを指定するための変数に相当する。また、フラグFLGは、ポインタ識別番号とポインタ値との間で既定関係が成立していないポインタの存在を表明するためのフラグであり、FLG=0が“不存在”を示す一方、FLG=1が“存在”を示す。
【0046】
ステップS13では、“1”〜“N”の各々の数値を変数Iに昇順で設定する。したがって、ステップS15〜S31の処理は、“1”〜“N”の数値に対応してN回実行される。
【0047】
ステップS15ではポインタ#Iのポインタ値が“100*(I−1)”を示すか否かを判別し、ステップS16ではフラグFLGが“1”であるか否かを判別する。ステップS15の判別結果がYESでかつステップS16の判別結果がNOであれば、ポインタ#Iについてはポインタ識別番号とポインタ値との間で既定関係が成立しているとみなし、現時点の変数Iに対する処理を終了する。これに対して、ステップS15の判別結果がNOであるか、またはステップS16の判別結果がYESであれば、ポインタ#Iについては既定関係が成立していないとみなし、ステップS17に進む。
【0048】
ステップS17では、フラグFLGが“1”を示すか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ポインタ#Iは既定関係が成立していない最初のポインタとみなし、ステップS19でフラグFLGを“1”に更新するとともに、ステップS21で“I−1”を変数Sに設定する。ステップS21の処理によって、既定関係が成立していない最初のポインタを特定するための情報が保存される。ステップS21の処理が完了すると、ステップS23に進む。一方、ステップS17の判別結果がYESであれば、ポインタ#Iは既定関係が成立していない2番目以降のポインタとみなし、ステップS19〜S21の処理を経ることなく、ステップS23に進む。
【0049】
ステップS23ではポインタ#Iの有効/無効情報が“有効”であり、かつ、ポインタ値が有効範囲内(“9999”以外)であるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS25に進む一方、判別結果がNOであればステップS27に進む。ステップS25では、ポインタ#Iのポインタ値によって指向されるメタ情報を退避テーブルTBL3のJ番目のカラムに複製する。ステップS27では、デフォルトのメタ情報を退避テーブルTBL3のJ番目のカラムに記述する。
【0050】
ステップS25またはS27の処理が完了するとステップS29に進み、次回のステップS25またはS27の処理に備えて変数Jをインクリメントする。ステップS31では、ポインタ#Iに記述されたポインタ値を“100*(I−1)”に修正する。これによって、ポインタ識別番号とポインタ値との間で既定関係が成立する。
【0051】
“N”に対応するステップS15〜S31の処理が完了するとステップS33に進み、フラグFLGが“1”であるか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ポインタ値の修正は実行されなかったとみなし、そのまま処理を終了する。
【0052】
一方、判別結果がYESであれば、ポインタ値の修正が実行されたとみなし、ステップS35に進む。ステップS35では、退避テーブルTBL3に記述されたメタ情報を読み出し、読み出されたメタ情報をメタ情報テーブルTBL1の100*Sバイト目から書き込む。これによって、メタ情報テーブルTBL1とポインタ情報テーブルTBL2との間で記述の整合性が確保される。
【0053】
以上の説明から分かるように、CPU28は、着脱自在のHDD38に記録されたメタ情報テーブルTBL1およびポインタ情報テーブルTBL2を、HDD38が装着された旨の通知に応答してDRAM30に読み出す(S3, S5)。ここで、メタ情報テーブルTBL1に記述されたメタ情報は、HDD38に記録されたコンテンツの属性を示す。また、ポインタ情報テーブルTBL2に記述されたポインタは、メタ情報テーブルに記述されたメタ情報を指向するポインタ値とポインタ識別番号とを有する。
【0054】
CPU28は、ポインタ値とポインタ識別番号との対応関係が既定関係と異なるポインタをポインタ情報テーブルTBL2から抽出し(S15)、抽出されたポインタが有するポインタ値を既定関係が確立されるように修正する(S31)。CPU28はまた、メタ情報テーブルに記述されたメタ情報の配置をポインタ値の修正に対応して修正する(S21~S27, S35)。
【0055】
このように、HDD38が装着された旨の通知が発行されると、ポインタ識別番号とポインタ値との間で既定関係が確立されるようにポインタ値が修正され、ポインタ値の修正に対応してメタ情報の配置が修正される。メタ情報の配置の修正によって、メタ情報のために用いられる資源の利用効率を改善することができる。また、HDD38が装着された時点で修正処理を実行することで、コンテンツの録画処理に掛かる負荷を低減することができる。
【0056】
なお、この実施例では、HDD38が装着された旨の通知に応答してメタ情報テーブルおよびポインタ情報テーブルを修正するようにしているが、このような修正処理はコンテンツの録画処理の直前に発行される通知(ex.録画準備通知)に応答して実行するようにしてもよい。この場合、図9に示すステップS1の処理は不要となり、代わりに録画準備通知の有無を判別する処理が必要となる。
【0057】
また、この実施例のようなテーブル修正処理は、ポインタ情報テーブルTBL2の記述に重複がある場合にも好適である。具体的に説明すると、図13に示すポインタ情報テーブルTBL2は、図12に示すメタ情報テーブルTBL1に対応する。ただし、ポインタ#3および#4は同じポインタ値を有しつつ、ポインタ#3の設定が無効となっている。
【0058】
このような状況で図9〜図10に示す情報管理タスクを実行すると、メタ情報テーブルTBL1は図14に示すように修正され、ポインタ情報テーブルTBL2は図15に示すように修正される。これによって、ポインタ情報テーブルTBL2における記述の重複を是正することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 …リムーバブルHDDレコーダ
22 …セクションフィルタ
24 …パーシャルTS化回路
28 …CPU
36 …HDDスロット
38 …HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツメタ情報が管理されるコンテンツメタ情報管理テーブルを読み出す手段と、コンテンツを管理する管理ファイルを読み出す手段を備えたコンテンツ管理装置において、
コンテンツメタ情報管理テーブルの切り詰め状態を検出したときに、該切り詰め状態を解除する処理を行う処理部を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項2】
コンテンツメタ情報が管理されるコンテンツメタ情報管理テーブルを読み出す手段と、コンテンツを管理する管理ファイルを読み出す手段を備えたコンテンツ管理装置において、
管理ファイル上のフラグの状態が無効なものを含むポインタ値に重複状態があったときに、重複状態を解消する処理を行う処理部を備えることを特徴とするコンテンツ管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ管理装置と、
記録媒体に対する制御を行う制御部を備え、
前記処理部は、制御部が記録媒体を認識したときに前記処理を行うことを特徴とする情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−23050(P2011−23050A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164932(P2009−164932)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】