説明

コンテンツ選択システム、サーバ、コンテンツ選択装置、プログラム、および記録媒体

【課題】ユーザにとって新しさのない、直感的な判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択する。
【解決手段】上キー31または下キー32を押すと、カーソル105はカテゴリ欄101において画面の上方向または下方向に移動する。カーソル105が表示されているカテゴリ103に含まれる商品を、複数のパッケージに分ける。個々のパッケージをするサブカテゴリを当該中カテゴリ103上に表示する。ここで右キー33または左キー34を押すと、サブカテゴリの表示切り換えられる。それに追随して、商品欄100に表示される商品群(パッケージ)も切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あるカテゴリに含まれる複数のコンテンツのうちいずれか1つをユーザに選択させるコンテンツ選択システムに関する。また、そのようなコンテンツ選択システムを構成するコンテンツ選択装置およびサーバに関する。さらに、そのようなコンテンツ選択システムを実現するプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビなど表示装置の画面が大型化している。このような画面に表示されるコンテンツを、リモートコントローラ(リモコン)によりユーザが選択することが、現実上の場面で多く行われる。
【0003】
例えば特許文献1には、大画面を活かして、一覧性を持たせた電子番組表を画面に表示し、リモコンに専用的に付加されたダイレクトキーを用いて項目選択を直接的に制御することによって、前記電子番組表から番組を選択する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-217322号公報(2008年9月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるように、リモコンにダイレクトキーを設け、深い階層のコンテンツを選ぶには、そのために設けられた専用のキーを用いるという技術がある。これによりユーザは、深い階層の中へ入ることなくコンテンツを選択できる。しかし、専用のキーによって出来ることを事前に把握して、キー操作に臨む必要があるので、気楽にリモコンを用いることができない。
【0006】
一般に、リモコンなどのユーザインターフェース(UI)には、簡単、直感的、および判り易いなどの要素が求められる。しかし、簡単であろう、直感的であろうとすると、今までリモコンになかったキーやジョイスティックなどでの操作が必要となり、一般ユーザの判りやすさを却って阻害してしまう。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされた。そして、その目的は、ユーザにとって新しさのない、直感的な判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択できるコンテンツ選択システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンテンツ選択システムは、前記の課題を解決するために、
コンテンツ選択装置と、サーバとを備え、画面における第1の軸に沿って表示される複数のカテゴリのうちいずれかを選択し、選択されたカテゴリに属する複数のコンテンツのうちのいずれかを選択するコンテンツ選択システムであって、
前記コンテンツ選択装置は、
前記第1の軸上の第1の方向に対応する第1のキーの入力、または、当該第1の方向と逆の第2の方向に対応する第2のキーの入力を受け付ける第1の入力手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸上の第3の方向に対応する第3のキーの入力、または、当該第3の方向と逆の第4の方向に対応する第4のキーの入力を受け付ける第2の入力手段と、
前記第1の入力手段または前記第2の入力手段が受け付けた入力内容に応じた画面を表すデータのリクエストを前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバから送信された、前記データを受信する受信手段と、
前記受信したデータを用いて、当該データが表す画面を構成する構成手段とを備え、
前記サーバは、
前記コンテンツ選択装置から送信された、前記リクエストを受信する受信手段と、
前記リクエストに基づき、複数のカテゴリのうちいずれかに表示されるカーソルの表示位置を第1の方向または第2の方向に移動させた後の画面を表すデータを生成する第1の生成手段と、
前記リクエストに基づき、カーソルが表示されているカテゴリに含まれる複数のコンテンツを、複数のパッケージに分け、個々のパッケージを個々のサブカテゴリに含めるパッケージ化手段と、
前記リクエストに基づき、複数のサブカテゴリのうちいずれにかに表示されるカーソルの表示位置を第3の方向または第4の方向に移動させた後であり、かつ、カーソルが表示されているサブカテゴリに含まれる複数のコンテンツを表示した状態の画面を表すデータを生成する第2の生成手段と、
前記第1の生成手段または第2の生成手段によって生成された前記データを、前記コンテンツ選択装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
前記構成において、画面には、複数のカテゴリが第1の軸に沿って表示される。ここで、カーソルは、これら表示されたカテゴリの間を、第1のキーまたは第2のキーに対する入力操作によって移動することができる。
【0010】
また、前記構成において、カーソルの表示されたカテゴリに属する複数のコンテンツは、複数のサブカテゴリ毎にパッケージ化される。カーソルは、複数のサブカテゴリの間を、第3のキーまたは第4のキーに対する入力操作によって移動する。また、画面には、カーソルが移動した先のサブカテゴリに含まれるコンテンツが表示される。
【0011】
前記構成によれば、ユーザは、第1のキーから第4のキーの少なくともいずれかに対するキー操作を行うことによって、画面に表示されるコンテンツを、カテゴリ毎またはサブカテゴリ毎に切り替えることができる。これによって、画面中の細かいカーソル移動からユーザを解放することができる。また、第1のキーから第4のキーは、例えば上下左右キー等、ユーザにとって直感的な操作が可能なキーとして実現することができる。
【0012】
したがって、本発明に係るコンテンツ選択システムによれば、ユーザは直感的で判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択することができる。しかも、ユーザが普段使い慣れているキーの操作によってこうした効果が得られるので、ユーザになじみの無いキーを操作させる必要は生じない。
【0013】
本発明に係るコンテンツ選択システムでは、前記第1の生成手段は、前記複数のサブカテゴリを、前記カーソルが表示されている前記カテゴリ上において、前記第2の軸に沿って表示した画面を表の前記データを生成することが好ましい。
【0014】
前記構成によれば、カーソルを第2の軸に沿って移動させることによって、当該カーソルを複数のサブカテゴリの間で簡単に移動させることができる。また、カーソルを第1の軸に沿って移動させることによって、当該カーソルをカテゴリとサブカテゴリとの間で簡単に移動させることができる。
【0015】
本発明に係るコンテンツ選択システムでは、前記画面に一度に表示される前記コンテンツは、1つの前記パッケージに含まれるものであることが好ましい。
【0016】
前記構成によれば、画面に一度に表示するコンテンツの数を制限できるので、ユーザが所望のコンテンツを選びやすくなる効果を奏する。すなわち、このように画面に一度に表示するコンテンツの数を、パッケージという単位で制限することにより、1つのカテゴリに含まれるコンテンツの数が多くなっても、一度に画面に表示されるコンテンツの数を一定にすることが可能となる。したがって、カテゴリによって、コンテンツの大きさが変わることがなくなり、ユーザがコンテンツを表示し選択する際に、違和感を抱くことが無くなる。
【0017】
本発明に係るコンテンツ選択システムでは、前記サーバは、前記画面に一度に表示される前記コンテンツの数を、前記画面の大きさに基づき決定する決定手段をさらに備えていることが好ましい。
【0018】
前記構成によれば、例えば大画面に対して、一度に多くのコンテンツを表示させることができる。
【0019】
本発明に係るコンテンツ選択システムでは、前記サーバは、前記画面に一度に表示される前記コンテンツの数を、ユーザによる入力に基づき決定する決定手段をさらに備えていてもよい。
【0020】
前記構成によれば、ユーザは、例えばコンテンツが自分にとって見やすい大きさになるように、表示されるコンテンツの数を設定することができる。
【0021】
本発明に係るコンテンツ選択システムにおいて、前記第1の方向、第2の方向、第3の方向、および第4の方向は、それぞれ、前記画面における上方向、下方向、右方向、および左方向であることが好ましい。
【0022】
前記構成によれば、カテゴリは上下方向に沿って表示され、サブカテゴリは左右方向に表示される。また、第1のキーから第4のキーは上下左右キーとして実現される。このため、ユーザは画面を見ながら、より直感的な操作を行うことができる。
【0023】
本発明に係るコンテンツ選択システムにおいて、前記コンテンツ選択装置はテレビジョン装置であり、前記第1のキー、第2のキー、第3のキーおよび第4のキーは、それぞれ、リモートコントローラに設けられた上キー、下キー、右キー、および左キーであることが好ましい。
【0024】
前記構成によれば、ユーザは身近なテレビジョン装置を用い、直感的なリモートコントローラ(リモコン)操作によって、所望のコンテンツを選択することができる。
【0025】
また、本発明に係るコンテンツ選択システムにおいて、前記第1の方向、第2の方向、第3の方向、および第4の方向は、それぞれ、前記画面における右方向、左方向、上方向、および下方向であってもよい。
【0026】
前記構成によれば、カテゴリは左右方向に沿って表示され、サブカテゴリは上下方向に表示される。また、第1および第2のキーは左右キーとして、第3および第4のキーは上下キーとして実現される。このため、ユーザは画面を見ながら、より直感的な操作を行うことができる。
【0027】
本発明に係るコンテンツ選択システムにおいて、前記コンテンツ選択装置はテレビジョン装置であり、前記第1のキー、第2のキー、第3のキーおよび第4のキーは、それぞれ、リモートコントローラに設けられた右キー、左キー、上キー、および下キーであってもよい。
【0028】
前記構成によれば、ユーザは身近なテレビジョン装置を用い、直感的なリモコン操作によって、所望のコンテンツを選択することができる。
【0029】
本発明に係るコンテンツ選択システムにおいて、あるカテゴリに含まれる前記コンテンツが、他のカテゴリにも含まれていることが好ましい。
【0030】
前記構成によれば、ユーザは、様々なカテゴリ選択の経路から所望のコンテンツを見つけることができる。また、あるコンテンツの選択の機会を増やすことができるため、当該コンテンツをユーザに選択させ易くすることが可能である。
【0031】
本発明に係るコンテンツ選択システムにおいて、前記カテゴリは階層化されており、最も深い階層のカテゴリに含まれるいずれかのコンテンツをユーザに選択させる選択手段をさらに備えていることが好ましい。
【0032】
前記構成によれば、例えば、多くのコンテンツ数を含むカテゴリが選択されている場合であっても、ユーザは階層をたどることによって、目的のコンテンツを的確に見つけて選択することができる。
【0033】
また、前記いずれかのコンテンツ選択システムを構成するサーバおよびコンテンツ選択装置も、本発明の範疇に入る。
【0034】
本発明に係るコンテンツ選択装置は、前記の課題を解決するために、
画面における第1の軸に沿って表示される複数のカテゴリのうちいずれかを選択し、選択されたカテゴリに属する複数のコンテンツのうちのいずれかを選択するコンテンツ選択装置であって、
第1の軸上の第1の方向に対応する第1のキーの入力、または、第1の方向と逆の第2の方向に対応する第2のキーの入力に基づき、複数のカテゴリのうちいずれにかに表示されるカーソルの表示位置を第1の方向または第2の方向に移動させる第1のカーソル移動手段と、
カーソルが表示されているカテゴリに含まれる複数のコンテンツを、複数のパッケージに分け、個々のパッケージを個々のサブカテゴリに含めるパッケージ化手段と、
第1の軸に直交する第2の軸上の第3の方向に対応する第3のキーの入力、または、第3の方向と逆の第4の方向に対応する第4のキーの入力に基づき、複数のサブカテゴリのうちいずれにかに表示されるカーソルの表示位置を第3の方向または第4の方向に移動させる第2のカーソル移動手段と、
カーソルが表示されているサブカテゴリに含まれる複数のコンテンツを、前記画面に表示するコンテンツ表示手段とを備えていることを特徴としている。
【0035】
前記の構成によれば、ユーザは直感的で判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択することができる。しかも、ユーザが普段使い慣れているキーの操作によってこうした効果が得られるので、ユーザになじみの無いキーを操作させる必要は生じない。
【0036】
前記コンテンツ選択システムは、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを前記の各手段として動作させることにより前記コンテンツ選択装置をコンピュータにおいて実現するプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るコンテンツ選択システムは、ユーザにとって新しさのない、直感的な判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシステムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】配信サーバにおけるスクリプトエンコードモジュールの内部構成を詳しく示すブロック図である。
【図3】クライアント端末におけるスクリプトデコードモジュールの内部構成を詳しく示すブロック図である。
【図4】クライアント端末を操作するために使用されるリモコンの一例を示す図である。
【図5】クライアント端末と配信サーバとの間で情報をやり取りする際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】配信サーバからクライアント端末に配信されるテンプレートファイルのデータ構造を示す図である。
【図7】レンダリングする画面のレイアウトに必要なデータを格納するコンテンツデータベースの一例を示す図である。
【図8】表示モジュールが表示する画面を示す図である。
【図9】表示モジュールが表示する画面を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係るクライアント端末aの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明に係る一実施形態について、図1〜図10を参照して以下に説明する。
【0040】
(コンテンツ選択システム1の構成)
まず、本実施形態に係るコンテンツ選択システム1について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツ選択システム1の要部構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ選択システム1は、配信サーバ10(サーバ)およびクライアント端末20(コンテンツ選択装置)を含んでいる。
【0041】
配信サーバ10は外部コンテンツデータベース17と接続される。クライアント端末20は、本実施形態では、テレビジョン装置である。クライアント端末20の数は、1つに限らず複数であってもよい。クライアント端末20は、リモコン30(リモートコントローラ)を介してユーザの操作を受け付ける。なお、クライアント端末20は、リモコン30と一体化されていてもよい。
【0042】
(配信サーバ10)
配信サーバ10は、スクリプトエンコードモジュール11(第1の生成手段、第2の生成手段、構成手段)、クライアント端末間送受信モジュール12、送受信モジュール13(送信手段、受信手段)、メモリ14、画面フレームデータベース15、およびコンテンツデータベース16を備えている。
【0043】
スクリプトエンコードモジュール11は、1つまたは複数の画面を作成するために必要な、コンテンツファイル、画面構成ファイル、および画面遷移記述ファイルを作成する。さらに、これらを一まとめにし、サイズを減らすべく圧縮したアーカイブデータを作成する。このようにして生成されたデータを、以下ではテンプレートデータと表記する。
【0044】
クライアント端末間送受信モジュール12は、各種のデータおよび情報を送受信する。具体的には、生成されたテンプレートデータをクライアント端末20に配信すると共に、クライアント端末20から送信されたリクエストを受信する。
【0045】
送受信モジュール13は、外部コンテンツデータベース17との間で情報を送受信する。
【0046】
メモリ14は、スクリプトエンコードモジュール11によるテンプレートデータの作成や画面遷移記述ファイルの作成に必要な情報を保存する。
【0047】
画面フレームデータベース15は、画面を作成するのに必要な画面レイアウト情報を保存している。
【0048】
コンテンツデータベース16は、画面に表示する画像、テキスト、および音声などのコンテンツ情報を保存している。
【0049】
外部コンテンツデータベース17は、画面に表示する画像、テキスト、および音声などを保存している。
【0050】
(スクリプトエンコードモジュール11の詳細)
図2は、配信サーバ10におけるスクリプトエンコードモジュール11の内部構成を詳しく示すブロック図である。図2に示すように、スクリプトエンコードモジュール11は、データ呼び出しモジュール11a、画面合成モジュール11b、アーカイブモジュール11c、およびエンコード制御モジュール11dを備えている。
【0051】
データ呼び出しモジュール11aは、クライアント端末20からのリクエストを受けると、エンコード制御モジュール11dから指示を受け、画面作成に必要なコンテンツファイル(画像、テキスト、音声など)をコンテンツデータベース16から取得する。
【0052】
画面合成モジュール11bは、データ呼び出しモジュール11aの指示を受けると、画面レイアウト情報が保存されている画面フレームデータベース15からデータを呼び出し、また、データ呼び出しモジュール11aにより呼び出されたコンテンツデータを使用して、クライアント端末20において表示される画面を表す画面データを合成する。その際、一例として、画面遷移ファイル、画面構成ファイル、およびコンテンツファイルを生成する。
【0053】
アーカイブモジュール11cは、エンコード制御モジュール11dの指示を受けると、画面合成モジュール11bにより合成された画面データ(画面遷移ファイル、画面構成ファイル、およびコンテンツファイル)を、データ構造として出力する前に、データサイズの圧縮のためアーカイブしかつ圧縮する。こうしてテンプレートデータを生成する。そして、得られた圧縮データをクライアント端末間送受信モジュール12に出力する。
【0054】
エンコード制御モジュール11dは、クライアント端末間送受信モジュール12からのリクエストによって、画面を構成するアーカイブされた配信データを作成するための動作を行う。
【0055】
メモリ14は外部として、1画面だけでなく、先読みとして数画面を事前に作成する場合に使用され、クライアント端末20からのリクエストに応じて、遅延なくテンプレートデータの送信を行うために用いられる。
【0056】
(クライアント端末20)
クライアント端末20は、スクリプトデコードモジュール21、配信サーバ間送受信モジュール22(第1の入力手段、第2の入力手段)、表示モジュール(表示手段、コンテンツ表示手段)23、メモリ24、信号コード変換モジュール25、および信号受信部26を備えている。各部材の詳細については後述する。
【0057】
配信サーバ間送受信モジュール22はデータおよび信号の送受信を行う。たとえば、配信サーバ10へのリクエストを送信する。より具体的には、信号受信部26が受け付けた入力内容に応じた画面を表すデータのリクエストを送信する。また、配信サーバ10からのレスポンスであるテンプレートデータを受信する。
【0058】
スクリプトデコードモジュール21は、配信サーバ10から受信したテンプレートデータ(アーカイブデータ)に含まれるコンテンツファイル、画面構成ファイル、および画面遷移記述ファイルを抽出する。そして、抽出したこれらのファイルを使用して、一画面または複数画面をレンダリングする。
【0059】
表示モジュール23は、レンダリングされた画像を画面に表示するディスプレイを含んで構成される。
【0060】
メモリ24は、レンダリング時に使用される情報を保存する。信号受信部26は、リモコン30から操作信号を受信する。これにより、ユーザがリモコン30を操作した際の、上キー31、下キー32、右キー33、または左キー34の入力を受け付ける。信号コード変換モジュール25は、信号受信部26が受信した操作信号を変換する。
【0061】
(スクリプトデコードモジュール21の詳細)
図3は、クライアント端末20におけるスクリプトデコードモジュール21の内部構成を詳しく示すブロック図である。図3に示すように、スクリプトデコードモジュール21は、デコードモジュール21a、送受信制御モジュール21b、画面遷移制御モジュール(第1のカーソル移動手段、第2のカーソル移動手段)21c、および画面構成モジュール(パッケージ化手段、決定手段)21dを備えている。
【0062】
送受信制御モジュール21bは、配信サーバ10へ要求を出すために、配信サーバ間送受信モジュール22へ指示を出す。これによって、配信サーバ10から配信データとしてアーカイブされたテンプレートデータが送受信制御モジュール21bに配信される。配信されたテンプレートデータは圧縮されているため、まずデコードモジュール21aでデコードされ、メモリに24一時保存されるか、または、画面構成モジュール21dに入力される。なお、クライアント端末20では、画面データを先読みするために連続的にテンプレートデータが送信される場合、送信されたテンプレートデータはメモリ24に保存される。
【0063】
画面構成モジュール21dは、デコードされたテンプレートデータから画面構成ファイル、画面遷移ファイル、およびコンテンツファイルを抽出し、抽出されたこれらのデータを使用して画面を構成する。そして、構成した画面を表示モジュール23へ入力する。
【0064】
画面遷移制御モジュール21cには、画面上のフォーカス操作もしくはボタンアクションに関する、リモコン30を利用した操作が、信号コード変換モジュール25を介して入力される。画面遷移制御モジュール21cは、この入力に応じて画面効果や次画面遷移を実行するために、メモリ24から次画面データを画面構成モジュール21dへ入力するか、または、送受信制御モジュール21bを介して配信サーバ間送受信モジュール22へ配信サーバ10へのリクエスト(テンプレートデータの要求)を行う。
【0065】
(リモコン30)
図4は、クライアント端末20を操作するために使用されるリモコン30の一例を示す図である。リモコン30は、選局ボタン(1〜12チャンネルのいずれか選択可能)、上キー31、下キー32、左キー33、右キー34、決定キー35、戻るキー、終了キー、ならびに、青、赤、緑、および黄の各キーを備えている。ユーザは、これらの各キーを使用することによって、クライアント端末20において表示される、レンダリングされた画像を操作できる。
【0066】
クライアント端末20は、リモコン30による操作方向によって、操作の種類が一義的に決まる。例えば右キー33および左キー34はページの切換を操作し、上キー31および下キー32は画面内のカーソル移動を操作する。
【0067】
(処理の一例)
コンテンツ選択システム1における処理の一例について、図5を参照して以下に説明する。図5は、クライアント端末20と配信サーバ10との間で情報をやり取りする際の処理の流れを示すフローチャートである。
` まず、リモコン30は、ユーザの操作を介して、サービス開始指示をクライアント端末20に入力する(ステップS1)。このサービス開始指示は、信号コード変換モジュール25を介してスクリプトデコードモジュール21に入力される。スクリプトデコードモジュール21は、サービスの最初の画面を生成するために使用するテンプレートデータの提供を求めるリクエストを生成する。配信サーバ間送受信モジュール22が、生成されたリクエストを配信サーバ10に送信する(ステップS2)。
【0068】
配信サーバ10において、クライアント端末間送受信モジュール12がクライアント端末20から送信されたリクエストを受信し、スクリプトエンコードモジュール11に出力の。スクリプトエンコードモジュール11は、画面のテンプレートデータを作成する(ステップS3)。クライアント端末間送受信モジュール12は、生成されたテンプレートデータを、レスポンスデータとしてクライアント端末20に送信する(ステップS4)。
【0069】
クライアント端末20において、配信サーバ間送受信モジュール22が配信サーバ10から送信されたテンプレートファイルを受信し、スクリプトデコードモジュール9がテンプレートファイルに基づいて画面構成を行う(ステップS5)。構成された画面をクライント端末20の画面へ表示する(ステップS6)。
【0070】
リモコン30の操作を介した画面上の操作やリモコン30のアクションによって(ステップS7)、次の画面の呼び出しがあれば(ステップS8)、クライアント端末20から配信サーバ10へリクエストし、画面遷移に関する上述のシーケンスを繰り返す(ステップS9〜S12)。
【0071】
(サーバから配信されるデータの構造)
図6は、配信サーバ10からクライアント端末20に配信されるテンプレートファイルのデータ構造を示す図である。
【0072】
クライアント端末20で表示される画面は、1画面毎にテンプレートファイル1つに対応する。1つのテンプレートファイルは、画面構成ファイル、コンテンツファイル、および画面遷移ファイルを含んでいる。画面構成ファイルは、画面レイアウトを含め、テキスト位置、画像の位置、および画面中のアニメーションなどのエフェクト効果などが記述されている。コンテンツファイルは、画面構成のために必要となる、画像データやテキストデータなどにより構成されている。画面遷移ファイルには、画面内でのフォーカス移動やボタンを含めたアクションによって次遷移予定の画面への移動記述が記述されている。
【0073】
また、配信サーバ10から配信される前のテンプレートは、配信時のデータ量を小さくするためにアーカイブされて圧縮される。
【0074】
(画面レイアウト作成処理に必要なコンテンツデータベース)
図7は、レンダリングする画面のレイアウトに必要なデータを格納するコンテンツデータベース16の一例を示す図である。コンテンツデータベース16では、商品アイテムを管理するためにレコード毎に必要な項目が管理されている。コンテンツデータベース16は複数のレコードから構成され、各レコード内には、レコードNo(ナンバー)と総レコード数、管理している総商品数、および商品カテゴリ等がエントリ(記載)されている。
【0075】
商品カテゴリは、それぞれ第1カテゴリコード、第2カテゴリコード、および第3カテゴリコードと3段階に分類されている。各カテゴリ名について、例えば、第1カテゴリ名は日用品、第2カテゴリ名は文房具、第3カテゴリ名はボールペンなどがエントリ(記載)されている。
【0076】
カテゴリ以降では、商品(アイテム)毎に、商品コード、商品名、商品画像を呼び出すためのURL、商品売価、商品定価、一度に注文できる数を示した最大注文数、商品内容を示す商品コメント、商品の値引率、商品(生鮮品、アルコール、またはキャンペーン商品等)についての各種フラグ(番号)、および商品が配送可能かどうかを示す配送サービス便フラグ(1便、2便、3便、または4便)がエントリされている。
【0077】
(画面100の遷移)
以下では、クライアント端末20における画面100の遷移について図8および図9を参照して説明する。図8および図9は、表示モジュール23が表示する画面100を示す図である。
【0078】
<中カテゴリ103の選択>
以下では、コンテンツ選択システム1において、ネットスーパーを運営する例を説明する。ユーザは所定のログイン手続きを通じて、クライアント端末20を操作してネットスーパーサービスにログインする。そして、まず複数の大カテゴリの中から一つを選ぶ。以下の例として、大カテゴリ「食品カテゴリA」が選択されている場合について説明する。
【0079】
図8(a)に示すように、本実施形態における画面100は、カテゴリ欄101および商品欄102が設けられている。カテゴリ欄101は画面100の左側に設けられる。カテゴリ欄101の上側には、現在選択中の大カテゴリである「食品カテゴリA」が表示される。カテゴリ欄101の下側には、「食品カテゴリA」に含まれる複数の中カテゴリ103、すなわち「おすすめ品」、「乳製品」、「野菜」、「精肉・肉加工品」、「水産・鮮魚」、および「デイリー」が一覧表示される。いずれかの中カテゴリ103には、1つのカーソル105が表示される。カーソル105は、枠組み等によってフォーカス中の中カテゴリ103を示している。
【0080】
図8(a)に示すように、商品欄102は、画面100の右側には設けられている。商品欄102には、カテゴリ欄101において選択された中カテゴリ103に含まれる小カテゴリを代表する、複数の商品104が表示される。商品欄102に一度に表示される商品104(コンテンツ)の数は9(3×3個)までである。しかしこの数は一例に過ぎず、他の値であってもよい。
【0081】
まず、カーソル105の移動について説明する。
【0082】
リモコンの30の上キー31または下キー32が操作されるとカーソル105が上下に移動し、中カテゴリ103の選択が切り替わる。
【0083】
例えば、図8(a)に示す画面100において、最初、カーソル105は、複数の中カテゴリ103の一番上に表示される「おすすめ品」に合わせられているとする。ここで、リモコン30の下キー32が操作されると、カーソル105は下に移動し、図8(b)に示すように、「乳製品」(本図面においては、「乳製品1/2」)に選択が切り替わる。
【0084】
一方、図8(b)に示す画面100において、リモコン30の上キー31が操作されると、カーソル105は上に移動し、図8(a)に示すように「おすすめ品」に選択が切り替わる。
【0085】
次に、商品欄102のページ切り替えについて説明する。
【0086】
コンテンツ選択システム1では、ある中カテゴリ103内の商品を表す、複数のコンテンツを、複数のパッケージに分割する。この処理は配信サーバ10のスクリプトエンコードモジュール11が行う。配信サーバ10は、個々のパッケージを表すサブカテゴリを画面100に表示する。図8の例では「乳製品1」と「乳製品2」とがサブカテゴリである。
【0087】
パッケージに分けられた中カテゴリ103が選択されている場合、リモコンの30の左キー33または右キー34が操作されると商品欄102のページが切り替えられる。
【0088】
なお、本実施形態において、中カテゴリ「乳製品」は5つの小カテゴリ「牛乳」、「ヨーグルト」、「乳飲料」、「チーズ」、および「バター」を含んでいるが、以下説明のために、仮に「乳製品」が9個よりも多くの小カテゴリを含むものとする。この場合、「乳製品」は、「乳製品1」と「乳製品2」とに分割される。また、カテゴリ欄101において、「乳製品1」選択時には「乳製品1/2」と表示され、「乳製品2」選択時には「1/乳製品2」と表示される。
【0089】
例えば、図8(b)に示すように、「乳製品1」が選択された状態では、商品欄102には、中カテゴリ「乳製品」に含まれる小カテゴリを代表する商品104のうち、まず9個の商品104が表示される。
【0090】
図8(b)に示す画面100において、リモコン30の右キー34が操作されると、「乳製品2」に選択が切り替わり、これに付随して商品欄102のページが切り替わる。これによって、図8(c)に示すように、商品欄102には、「乳製品」に含まれる小カテゴリを代表する商品104のうち、「乳製品1」選択時に未表示の商品104が表示される。
【0091】
また、図8(c)に示す画面100において、リモコン30の左キー33が操作されると、「乳製品1」に選択が切り替わり、これに付随して商品欄102のページが切り替わる。これによって、商品欄102は図8(b)に示す状態に戻る。
【0092】
ユーザは、図8(a)〜(c)に示す画面100を見ながらリモコン30を操作し、商品欄102に表示される商品104等を参照しながら、購買したい商品を含む中カテゴリ103にカーソル105を合わせ、決定キー35を操作する。
【0093】
例えば、図8(b)に示すように、中カテゴリ「乳製品1」が選択されているときに、リモコン30の決定キー35が操作されると、画面100は図9(a)に示す状態に切り替わる。
【0094】
<小カテゴリ106の選択>
次に、中カテゴリ「乳製品1」の選択が決定された場合について説明する。
【0095】
図9(a)に示す画面100において、カテゴリ欄101の上側には、大カテゴリ名「食品カテゴリA」に加えて、選択された中カテゴリ名「乳製品1」が表示される。また、カテゴリ欄101の下側には、「乳製品1」に含まれる複数の小カテゴリ106、すなわち「牛乳」、「ヨーグルト」、「乳飲料」、「チーズ」、および「バター」が表示される。カーソル105は、枠組み等によって選択中の小カテゴリ106を示している。
【0096】
また、図9(a)に画面100の商品欄102には、選択された小カテゴリ106に含まれる1つ以上の商品104が、一度に3×3個まで表示される。
【0097】
なお、本実施形態において、小カテゴリ「牛乳」は9品より多くの商品を含み、18品以下の商品を含んでいるため、カテゴリ欄101において「牛乳」は、2つのパッケージに分けられて、「牛乳1」(サブカテゴリ)と「牛乳2」(サブカテゴリ)とに分割され、それぞれ並んで表示される。
【0098】
ここで、中カテゴリおよび小カテゴリには、いずれもサブカテゴリが設けられる。そして、各カテゴリに属する商品は、パッケージという単位に分割され、複数のサブカテゴリのいずれかに属することになる。本実施形態では、1つの画面に9つの商品を表示するので、あるカテゴリに属する全商品は、9つ単位でまとめられて新たなパッケージに属するように、分割される。例えば、1つのカテゴリに20個の商品がある場合、そのカテゴリのサブカテゴリは3つとなり、全商品は、9商品、9商品、および2商品という単位で分割され、3つのパッケージになる。一方、1つのカテゴリに10の商品がある場合は、全商品は2つのパッケージに分けられてパッケージごとに画面に表示される結果になる。
【0099】
図9(a)に示す画面100においても、上述した説明と同様に、リモコンの30の上キー31または下キー32が操作されるとカーソル105が上下に移動し、小カテゴリ106の選択が切り替わる。また、リモコンの30の左キー33または右キー34が操作されると、同一の小カテゴリ内で商品欄102のページが切り替えられる。
【0100】
例えば、図9(a)に示すように、最初、カーソル105は、複数の小カテゴリ106の一番左上に表示される「牛乳1」に合わせられているとする。このとき、商品欄102には小カテゴリ「牛乳」に含まれる、最初の9品の商品104について表示される。
【0101】
図9(a)に示す画面100において、リモコン30の右キー34が操作されると、カーソル105は右に移動して「牛乳2」に選択が切り替わり、これに付随して商品欄102のページが切り替わる。これによって、画面100は図9(b)に示す状態になり、商品欄2には、小カテゴリ「牛乳」に含まれる残りの商品104が表示される。
【0102】
一方、図9(b)に示す画面において、リモコン30の左キー33が操作されると、カーソル105は左に移動して「牛乳1」に選択が切り替わり、これに付随して商品欄102のページが切り替わる。これによって、画面100は図9(a)に示す状態に戻る。
【0103】
ユーザは、図9(a)および(b)に示す画面100を見ながらリモコン30を操作し、商品欄102に表示される商品104等を参照しながら、購買したい商品を含む小カテゴリ106にカーソル105を合わせ、決定キー35を操作する。
【0104】
例えば、図9(a)に示すように、「牛乳1」が選択されているときに、リモコン30の決定キー35が操作されると、画面100は図9(c)に示す状態に切り替わる。
【0105】
<商品の選択および購買>
次に、小カテゴリ「牛乳1」の選択が決定された場合について説明する。
【0106】
図9(c)に示す画面100において、カテゴリ欄101の上側には、選択された小カテゴリ名「牛乳1」が表示される。また、カテゴリ欄101の下側には、「牛乳1」に含まれる複数の商品名が表示される。カーソル105は、枠組み等によって選択中の商品名107中を示している。
【0107】
図9(c)に示す画面100の商品欄102には、カテゴリ欄101に表示された商品名107に対応する商品104が表示される。また、商品欄102には、選択中の商品名107に対応する商品104を示すカーソル108が示されている。
【0108】
図9(c)に示すように、最初、カーソル105は、複数の商品名107の一番上に表示される「○○○○ 1000mL」に合わせられている。
【0109】
図9(c)に示す画面100では、リモコンの30の上キー31または下キー32の操作によってカーソル105が上下に移動すると、商品名107の選択が切り替わり、これに追随してカーソル108が対応する商品104に移動する。
【0110】
ユーザは、図9(c)に示す画面100を見ながらリモコン30を操作し、商品欄102に表示される商品104等を参照しながら、最終的に購買したい商品名107にカーソル105を合わせ、決定キー35を操作する。
【0111】
例えば、図9(c)に示すように、商品名「○○○○ 1000mL」が選択されているときに、リモコン30の決定キー35が操作されると、画面100は図9(d)に示す状態に切り替わる。
【0112】
図9(d)に示す画面100は、ユーザの購買予定の商品を一時的に記録して表示する画面であって、カテゴリ欄101の上側には「カート」と表示される。商品欄102には、カートに納められた商品名を表示する。商品欄102には、ユーザによってそれぞれ選択決定された商品名「△△△ 12個」と「○○○○ 1000mL」とに対応する2つの商品104が表示される。
【0113】
(効果)
以上のように、コンテンツ選択システム1は、配信サーバ10およびクライアント端末20を備えており、クライアント端末20の画面における第1の軸に沿って表示される複数のカテゴリのうちいずれかを選択し、選択されたカテゴリに属する複数のコンテンツのうちのいずれかを選択するシステムである。
【0114】
本実施形態のコンテンツ選択システム1によれば、大画面を利用して表示されたコンテンツの中から、リモコン30の上キー31、下キー32、右キー33、左キー34、および決定キー35という、ユーザにとって新しさのない、直感的でもなく、単純な判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択することが可能になる。また、複数のコンテンツを一括りにして、これをパッケージとし、キー操作1つによりパッケージ単位で画面を移動することにより、大画面の中での細かいカーソル移動からユーザを解放できる。さらに、コンテンツのカテゴリ欄106を設けることにより、例えば左上のコンテンツから右下のコンテンツへ、上キー31および下キー32のみという判り易い操作によって、カーソル移動できる。
【0115】
また、コンテンツ選択システム1では、カテゴリは大、中、小にそれぞれ階層化されており、最も深い階層のカテゴリに含まれるいずれかのコンテンツをユーザに選択させることができる。したがって、例えば、多くのコンテンツ数を含むカテゴリが選択されている場合であっても、ユーザは階層をたどることによって、目的のコンテンツを的確に見つけて選択することができる。
【0116】
(変形例)
複数の中カテゴリ103は、図8の例では、画面100における縦方向の軸(第1の軸)に沿って、一列に配置されて表示される。さらに、ある中カテゴリ103のサブカテゴリ(牛乳1、牛乳2など)は、画面100における横方向の軸(第1の軸に直交する第2の軸)に沿って、一列に配置されて表示される。この場合、上キー31(第1のキー)または下キー32(第2のキー)の操作によって、中カテゴリ103にフォーカスされるカーソル105の位置が、上方向(第1の方向)または下方向(第2の方向)に切り替わる。さらに、右キー33(第3のキー)または左キー34(第4のキー)の操作によって、サブカテゴリににフォーカスされるカーソル105の位置が、右方向(第3の方向)または左方向(第4の方向)に切り替わる。
` しかし、これに限らず、複数のカテゴリは、画面100の横方向の軸(第2の軸)に沿って、一列に配置されて表示されてもよい。同時に、ある中カテゴリ103のサブカテゴリ(牛乳1、牛乳2など)は、画面100における縦方向の軸(第1の軸)に沿って、一列に配置されて表示される。この場合、右キー33(第1のキー)または左キー34(第2のキー)の操作によって、中カテゴリ103にフォーカスされるカーソル105の位置が、右方向(第1の方向)または左方向(第2のキー)に切り替わる。さらに、上キー31(第3のキー)または下キー32(第4のキー)の操作によって、サブカテゴリににフォーカスされるカーソル105の位置が、上方向(第3の方向)または下方向(第4の方向)に切り替わる。
【0117】
したがって、スクリプトエンコードモジュール11の役割は次のように包括して表現できる。すなわち、クライアント端末20から送信されたリクエストに基づき、複数のカテゴリのうちいずれかに表示されるカーソルの表示位置を第1の方向または第2の方向に移動させた後の画面(図8(b)の画面)を表すデータを生成する。さらに、クライアント端末20から送信されたリクエストに基づき、複数のサブカテゴリのうちいずれかに表示されるカーソルの表示位置を第3の方向または第4の方向に移動させた後であり、かつ、カーソルが表示されているサブカテゴリに含まれる複数のコンテンツを表示した状態の画面(図8(c)の画面)を表すデータを生成する。
【0118】
カテゴリ群と、コンテンツ群とは同時に表示される。また、あるカテゴリが複数のパッケージ(サブカテゴリ)に分割される場合は、各サブカテゴリをカテゴリ欄101に表示する。しかし、1画面中に表示されるカーソルは、原則として1つである。基本的には、カーソルはあくまでもカテゴリに表示される。カテゴリまたはサブカテゴリの選択が完了して初めて、商品にもカーソルが表示される。
【0119】
商品欄105にパッケージ単位で表示されたコンテンツは、案内程度に、より暗く表示してもよい。
【0120】
ユーザ履歴(お好み)、他のユーザ履歴(人気)、または事業者の意図(お勧め)に応じて、ユーザが最も選択しやすい、左上のコンテンツ、または左上に近い位置のコンテンツを入れ替えてもよい。
【0121】
画面100に一度に表示されるコンテンツの数は、1つのパッケージに含まれるものであることが好ましい。この場合、画面100に一度に表示するコンテンツの数を制限できるので、ユーザが所望のコンテンツを選びやすくなる。または、画面100に一度に表示されるコンテンツの数は、コンテンツ選択システム1の設計者(または運営者)が予め決めておき、その値を配信サーバ10のメモリ14に格納しておけばよい。あるいは、配信サーバ10のスクリプトエンコードモジュールが、画面100に一度に表示されるコンテンツの数を、画面100の大きさに基づき決定してもよいし、ユーザによる入力に基づき決定してもよい。
【0122】
画面100に表示されるコンテンツの大きさは、画面の大きさに応じて、配信サーバ10が1パッケージ内のコンテンツ数を決定することによって決定される。大画面であるほど、表示されるコンテンツの数が多くなる。コンテンツの大きさを、ユーザが自分に見やすい大きさに設定してもよい。
【0123】
さらに、売り上げが最も上がったレイアウト(コンテンツの配置、大きさ、画面の背景色、表示の明暗など)を自動的に選択してもよい。
【0124】
〔実施形態2〕
本発明に係る第2の実施形態について図10を参照して以下に説明する。説明の便宜上、前記実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0125】
図10は、第2の実施形態に係るクライアント端末20aの要部構成を示すブロック図である。図10に示すように、クライアント端末20aは、画面フレームデータベース15、コンテンツデータベース16、スクリプトデコードモジュール21、表示モジュール23、メモリ24、信号コード変換モジュール25、および信号受信部26を備えている。
【0126】
本実施形態では、配信サーバ10を利用せず、クライアント端末20aのみでコンテンツ選択システムを実現する構成である。クライアント端末20aが画面フレームデータベース15とコンテンツデータベース16とを備えることによって、そのような仕組みを実現する。
【0127】
クライアント端末20aにおいて、スクリプトデコードモジュール21は、テンプレートデータを生成のために必要な各種のデータを、画面フレームデータベース15およびコンテンツデータベース16から取得する。そして、生成したテンプレートデータを表示モジュール23に出力する。
【0128】
本実施形態では、単体のクライアント端末20aによって、実施形態1のコンテンツ選択システム1と同様に、ユーザにとって新しさのない、直感的な判り易いキー操作によって、所望のコンテンツを選択できる。
【0129】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、コンテンツ選択システム1に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0130】
すなわちコンテンツ選択システム1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、前記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。
【0131】
この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアであるコンテンツ選択システム1のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。コンテンツ選択システム1に、この記録媒体を供給する。これにより、コンピュータとしてのコンテンツ選択システム1(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0132】
プログラムコードをコンテンツ選択システム1に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0133】
また、コンテンツ選択システム1を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、前記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してコンテンツ選択システム1に供給する。この通信ネットワークはコンテンツ選択システム1にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0134】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0135】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、ユーザにコンテンツを選択させる各種のコンテンツ選択システムとして、たとえば商品をオンラインで販売するウェブサイトを構築する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0137】
1 コンテンツ選択システム
10 配信サーバ
11 スクリプトエンコードモジュール(第1の生成手段、第2の生成手段、構成手段)
11a データ呼び出しモジュール
11b 画面合成モジュール
11c アーカイブモジュール
11d エンコード制御モジュール
12 クライアント端末間送受信モジュール
13 送受信モジュール
14 メモリ
15 画面フレームデータベース
16 コンテンツデータベース
17 外部コンテンツデータベース
20 クライアント端末
21 スクリプトデコードモジュール
21a デコードモジュール
21b 送受信制御モジュール
21c 画面遷移制御モジュール(第1のカーソル移動手段、第2のカーソル移動手段)
21d 画面構成モジュール(パッケージ化手段、決定手段)
22 配信サーバ間送受信モジュール
23 表示モジュール(表示手段、コンテンツ表示手段)
24 メモリ
25 信号コード変換モジュール
26 信号受信部(第1の入力手段、第2の入力手段、入力手段、選択手段)
30 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ選択装置と、サーバとを備え、画面における第1の軸に沿って表示される複数のカテゴリのうちいずれかを選択し、選択されたカテゴリに属する複数のコンテンツのうちのいずれかを選択するコンテンツ選択システムであって、
前記コンテンツ選択装置は、
前記第1の軸上の第1の方向に対応する第1のキーの入力、または、当該第1の方向と逆の第2の方向に対応する第2のキーの入力を受け付ける第1の入力手段と、
前記第1の軸に直交する第2の軸上の第3の方向に対応する第3のキーの入力、または、当該第3の方向と逆の第4の方向に対応する第4のキーの入力を受け付ける第2の入力手段と、
前記第1の入力手段または前記第2の入力手段が受け付けた入力内容に応じた画面を表すデータのリクエストを前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバから送信された、前記データを受信する受信手段と
前記受信したデータを用いて、当該データが表す画面を構成する構成手段とを備え、
前記サーバは、
前記コンテンツ選択装置から送信された、前記リクエストを受信する受信手段と、
前記リクエストに基づき、複数のカテゴリのうちいずれかに表示されるカーソルの表示位置を第1の方向または第2の方向に移動させた後の画面を表すデータを生成する第1の生成手段と、
前記リクエストに基づき、カーソルが表示されているカテゴリに含まれる複数のコンテンツを、複数のパッケージに分け、個々のパッケージを個々のサブカテゴリに含めるパッケージ化手段と、
前記リクエストに基づき、複数のサブカテゴリのうちいずれにかに表示されるカーソルの表示位置を第3の方向または第4の方向に移動させた後であり、かつ、カーソルが表示されているサブカテゴリに含まれる複数のコンテンツを表示した状態の画面を表すデータを生成する第2の生成手段と、
前記第1の生成手段または第2の生成手段によって生成された前記データを、前記コンテンツ選択装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ選択システム。
【請求項2】
前記複数のサブカテゴリを、前記カーソルが表示されている前記カテゴリ上において、前記第2の軸に沿って表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項3】
前記画面に一度に表示される前記コンテンツは、1つの前記パッケージに含まれるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項4】
前記画面に一度に表示される前記コンテンツの数を、前記画面の大きさに基づき決定する決定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項5】
前記画面に一度に表示される前記コンテンツの数を、ユーザによる入力に基づき決定する決定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項6】
前記第1の方向、第2の方向、第3の方向、および第4の方向は、それぞれ、前記画面における上方向、下方向、右方向、および左方向であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項7】
コンテンツ選択装置はテレビジョン装置であり、
前記第1のキー、第2のキー、第3のキーおよび第4のキーは、それぞれ、リモートコントローラに設けられた上キー、下キー、右キー、および左キーであることを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項8】
前記第1の方向、第2の方向、第3の方向、および第4の方向は、それぞれ、前記画面における右方向、左方向、上方向、および下方向であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項9】
前記コンテンツ選択装置はテレビジョン装置であり、
前記第1のキー、第2のキー、第3のキーおよび第4のキーは、それぞれ、リモートコントローラに設けられた右キー、左キー、上キー、および下キーであることを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項10】
あるカテゴリに含まれる前記コンテンツが、他のカテゴリにも含まれることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項11】
前記カテゴリは階層化されており、最も深い階層のカテゴリに含まれるいずれかのコンテンツをユーザに選択させる選択手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システムを構成することを特徴とするコンテンツ選択装置。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システムを構成することを特徴とするサーバ。
【請求項14】
画面における第1の軸に沿って表示される複数のカテゴリのうちいずれかを選択し、選択されたカテゴリに属する複数のコンテンツのうちのいずれかを選択するコンテンツ選択装置であって、
第1の軸上の第1の方向に対応する第1のキーの入力、または、第1の方向と逆の第2の方向に対応する第2のキーの入力に基づき、複数のカテゴリのうちいずれにかに表示されるカーソルの表示位置を第1の方向または第2の方向に移動させる第1のカーソル移動手段と、
カーソルが表示されているカテゴリに含まれる複数のコンテンツを、複数のパッケージに分け、個々のパッケージを個々のサブカテゴリに含めるパッケージ化手段と、
第1の軸に直交する第2の軸上の第3の方向に対応する第3のキーの入力、または、第3の方向と逆の第4の方向に対応する第4のキーの入力に基づき、複数のサブカテゴリのうちいずれにかに表示されるカーソルの表示位置を第3の方向または第4の方向に移動させる第2のカーソル移動手段と、
カーソルが表示されているサブカテゴリに含まれる複数のコンテンツを、前記画面に表示するコンテンツ表示手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ選択装置。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか1項に記載のコンテンツ選択システムを動作させるプログラムであって、コンピュータを前記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−258136(P2011−258136A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134344(P2010−134344)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】