コンテンツ配信装置
【課題】施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行う。
【解決手段】コンテンツ配信装置100において、在庫状況取得部30は、施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する。配信部40は、商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき施設内に設置された表示端末装置200に配信する。制御部50は、在庫状況取得部30により取得される在庫状況の変化に応じて、表示端末装置200で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する。
【解決手段】コンテンツ配信装置100において、在庫状況取得部30は、施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する。配信部40は、商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき施設内に設置された表示端末装置200に配信する。制御部50は、在庫状況取得部30により取得される在庫状況の変化に応じて、表示端末装置200で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設内の端末装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージを設置したスーパーマーケットなどの施設が増えてきている。デジタルサイネージには、商品情報を記述したポップコンテンツ、販売促進のための静止画コンテンツおよび動画コンテンツなどを表示することができる。表示物の内容を変更したい場合、紙媒体の場合では店員が付け替える必要があるが、デジタルサイネージの場合、その表示データを変更するだけで足りるため、店員の作業を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−10482号公報
【特許文献2】特開平6−251033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらデジタルサイネージの場合、ディスプレイに表示させるべきコンテンツを設定変更する作業が必要となる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行う技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様のコンテンツ配信装置は、施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する在庫状況取得部と、商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき施設内に設置された端末装置に配信する配信部と、在庫状況取得部により取得される在庫状況の変化に応じて、端末装置で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する制御部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る、POSシステムと連携したコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】商品情報保持部に管理される商品情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システムに含まれるコンテンツ配信装置および表示端末装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【図4】従来技術に係るPOP生成方法を説明するための図である。
【図5】POPの一例を示す図である。
【図6】動作例1に係る、コンテンツ保持部に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。
【図7】動作例1に係る、再生リスト生成部により生成される再生リストを示す図である。
【図8】動作例1に係る、コンテンツ配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9(a)、(b)は、「表示可否」が可の状態のPOPコンテンツと「表示可否」が不可の状態のP0Pコンテンツを比較するための図である。
【図10】動作例2に係る、コンテンツ保持部に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。
【図11】動作例2に係る、再生リスト生成部により生成される再生リストを示す図である。
【図12】動作例2に係る、コンテンツ配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13(a)、(b)は、変形例に係る、再生リスト生成部により生成される再生リストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る、POS(Point of sale)システム300と連携したコンテンツ配信システム500の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、POSシステム300およびコンテンツ配信システム500が、スーパーマーケットなどの店舗に設置される例を説明する。POSシステム300およびコンテンツ配信システム500は、施設内LAN400により接続される。
【0011】
POSシステム300は、店舗施設内の商品の販売動向をリアルタイムに管理する。POSシステム300は、POSサーバ310、キャッシャー320(図1では、キャッシャー320a、キャッシャー320bを表記している)およびプリンタ330を備える。POSサーバ310は商品情報保持部315を備え、商品情報保持部315は上述した商品の販売動向を含む商品情報を保持する。POSサーバ310は当該店舗の販売実績をキャッシャー320から取得して、商品情報保持部315に管理される販売実績を更新する。プリンタ330は当該店舗の販売実績の印刷などに使用することができる。なお、図1には描いていないが、POSサーバ310は系列店(地域を限定してもよい)の販売実績を外部ネットワークから取得して、商品情報保持部315に管理される販売実績に反映させてもよい。
【0012】
図2は、商品情報保持部315に管理される商品情報の一例を示す図である。商品ごとに「商品コード」が割り当てられ、商品ごとに項目として「商品名」、「メーカ」、「販売単位」、「価格」、「在庫数」などが管理される。商品が売れると「在庫数」は減少する。なお、その他の項目として「産地」、「商品画像」、「条件」、「広告期限」、「コメント」などが追加されてもよい。「条件」の例として、「お一人様1袋限り」、「先着30名様限り」などが挙げられる。「広告期限」は通常、日付、時間帯などの単位で設定される。「コメント」の例として、「唐揚げにどうぞ!」などが挙げられる。
【0013】
図1に戻り、コンテンツ配信システム500は、コンテンツ配信装置100、制御端末150、識別情報読取部155、アクセスポイント450(図1ではAPで示す)および表示端末装置200(図1では、表示端末装置200a、表示端末装置200b、表示端末装置200cを表記している)を備える。
【0014】
コンテンツ配信装置100はサーバなどで構築され、後述するコンテンツ情報を保持する。なお、コンテンツ配信装置100の詳細な構成は後述する。制御端末150はPCなどで構築され、主に、ユーザの操作をコンテンツ配信装置100に伝達し、ユーザの意思をコンテンツ配信装置100に反映させる機能を果たす。
【0015】
識別情報読取部155は、バーコードリーダーやQRコード(登録商標)リーダーなどで構築される。店員は商品の包装などに印刷またはシールとして貼られた商品コードを、識別情報読取部155で読み取り、制御端末150に送信する。制御端末150は、受信した商品コードをコンテンツ配信装置100に送信する。なお、図1では識別情報読取部155が有線で制御端末150に接続される構成を描いているが、無線で接続される構成であってもよい。また、識別情報読取部155が有線または無線で直接、コンテンツ配信装置100に接続される構成であってもよい。
【0016】
アクセスポイント450は、表示端末装置200が無線LANを介して施設内LAN400に接続するための中継ポイントである。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システム500に含まれるコンテンツ配信装置100および表示端末装置200の構成を詳細に示すブロック図である。コンテンツ配信装置100は、コンテンツ保持部10、POP生成部20、在庫状況取得部30、配信部40、制御部50および再生リスト生成部60を備える。表示端末装置200は、受信部70、制御部80、保持部90および表示部95を備える。
【0018】
コンテンツ配信装置100の構成は、ハードウェア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
コンテンツ保持部10は、表示端末装置200に配信すべき複数のコンテンツを保持する。当該コンテンツは主に、商品説明、商品宣伝のためのコンテンツである。本実施の形態ではコンテンツとして、POP(Point Of Purchase)、動画および静止画を想定する。なお、それらのコンテンツに音声が付加されていてもよい。
【0020】
POP生成部20は、識別情報読取部155により読み取られた商品コードを取得し、制御部50の指示にしたがい、その商品コードをPOSサーバ310に送信する。POSサーバ310は、コンテンツ配信装置100(より厳密にはPOP生成部20)から受信した商品コードに対応する商品情報をコンテンツ配信装置100(より厳密にはPOP生成部20)に返信する。図2に示した例では、当該商品コードに対応する商品の「商品名」、「メーカ」、「販売単位」、「価格」および「在庫数」を返信する。POP生成部20は、その商品情報をもとに、ユーザにより選択されたまたは固定のデザインプレートをベースに、当該商品に関するPOPコンテンツを生成する。そして、生成したPOPコンテンツをコンテンツ保持部10に保存する。
【0021】
図4は、従来技術に係るPOP生成方法を説明するための図である。店員は、制御端末に図4に示すような設定画面を表示させ、商品名、メーカなど、POPに表示すべき情報を手入力していた。
【0022】
図5は、POPの一例を示す図である。図5に示すPOPは、図4に示した設定画面から入力された情報にもとづき生成されたものである。本実施の形態では、店員は同様のPOPを商品コードの読取作業のみにより生成することができる。従来、手入力を必要としていた情報は、POSサーバ310から取得することができるためである。このように、本実施の形態によれば、POP生成作業にかかる手間を軽減することができる。
【0023】
図3に戻り、再生リスト生成部60は、コンテンツの再生スケジュールを指定するための再生リストを生成する。とくに、複数のコンテンツを配信する場合、それらの再生順番を指定するために利用される。再生リストの具体例は後述する。
【0024】
在庫状況取得部30は、施設内で販売されている商品の在庫状況をPOSサーバ310から施設内LAN400を介して定期的(たとえば、5分毎、30分毎など)に取得する。商品の種類によって、在庫状況を取得するスケジュールを異ならせてもよい。たとえば、回転率の高い売れ筋商品ほど取得間隔を短くし、回転率の低い不人気商品ほど取得間隔を長くしてもよい。
【0025】
配信部40は、コンテンツ保持部10に保持される商品に関するコンテンツおよびその再生リストを、無線LANを介してそのコンテンツを表示すべき表示端末装置200に配信する。
【0026】
制御部50は、在庫状況取得部30により取得される在庫状況の変化に応じて、表示端末装置200で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する。この処理の詳細は後述する。
【0027】
受信部70は、コンテンツ配信装置100から配信されるコンテンツおよび再生リストを受信し、制御部80に出力する。制御部80は表示端末装置200全体を統括的に制御する。制御部80は主に、受信部70により受信されたコンテンツを保持部90に一時保持し、当該再生リストに指定された再生スケジュールにしたがい、コンテンツを表示部95に表示させる。
【0028】
つぎに、コンテンツ配信装置100の制御部50による、在庫状況をもとにした表示コンテンツ制御の動作例1について説明する。動作例1では制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが表示端末装置200に表示されないよう制御する。なお制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品が売切れ間近または完売であることを告知するためのコンテンツを、表示端末装置200に表示させるよう制御してもよい。
【0029】
図6は、動作例1に係る、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。このテーブルはコンテンツ保持部10内に構築されてもよいし、制御部50内に構築されてもよい。当該テーブルは、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、コンテンツごとに「種別」、「対応商品コード」、「コンテンツ名」、「ファイル名」および「在庫数」などが管理される。「種別」には上述したようにPOP、動画および静止画がある。「対応商品コード」はコンテンツがどの商品に関するコンテンツであるかを特定するためのコードである。「在庫数」にはPOSサーバ310から取得される最新の在庫数が格納される。
【0030】
図7は、動作例1に係る、再生リスト生成部60により生成される再生リストを示す図である。この再生リストには、配信されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、配信されるコンテンツごとに「再生時間」、「表示可否」などが指定される。図7では、「コンテンツID」が「C0001」のコンテンツの「表示可否」が不可に設定されている。表示端末装置200は、再生リストの上から順番に繰り返し、コンテンツを再生する。なお、「表示可否」が不可に設定されているコンテンツは表示せずに、スキップする。
【0031】
図8は、動作例1に係る、コンテンツ配信装置100の動作を示すフローチャートである。所定時間が経過するたびに(S10のY)、以降の処理を実行する。前回、当該処理を実行してから所定時間が経過していない場合(S10のN)、待機する。なお、本フローチャートに係る全体処理を終了する場合(S11のY)、当該処理を終了する。当該処理を終了しない間(S11のN)、つぎの処理に進む。
【0032】
制御部50は、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツに関連する商品コードを上記テーブルなどから抽出する(S12)。在庫状況取得部30は、抽出された商品コードの在庫数をPOSサーバ310から取得する(S13)。
【0033】
つぎに変数nを初期値設定する(S14)。ここでは変数nに1を代入する。制御部50は、表示端末装置200で再生中の再生リストの、n番目のコンテンツの現在の「表示可否」が可であるか不可であるかを判定する(S15)。「表示可否」が可の場合(可)、そのコンテンツの在庫数と閾値とを比較する(S16)。当該閾値は設計者や店員が任意に設定可能である。動作例1では「10」とする。当該在庫数が当該閾値以下の場合(S16のY)、上記再生リストの「表示可否」を不可に更新する(S17)。上記図7の「コンテンツID」が「C0001」のコンテンツが該当する。在庫数が9個で閾値以下となったため、「表示可否」が不可に更新される。ステップS16にて上記在庫数が上記閾値を超える場合(S16のN)、ステップS17の処理をスキップする。
【0034】
ステップS15にて「表示可否」が不可の場合(不可)、そのコンテンツの在庫数と閾値とを比較する(S18)。当該在庫数が当該閾値を超える場合(S18のY)、上記再生リストの「表示可否」を可に更新する(S19)。当該在庫数が当該閾値以下の場合(S18のN)、ステップS19の処理をスキップする。
【0035】
つぎに変数nをインクリメントする(S20)。変数nと上記再生リストのコンテンツ数を比較する(S21)。変数nが当該コンテンツ数を超えない間(S21のN)、ステップS15に遷移する。変数nが当該コンテンツ数を超えた場合(S21のY)、上記再生リストの「表示可否」の更新が有った場合(S22のY)、配信部40は更新後の再生リストを表示端末装置200に通知する(S23)。その後、ステップS10に遷移する。「表示可否」の更新がなかった場合(S22のN)、再生リストを通知せずに、ステップS10に遷移する。以上により、制御部50は再生リスト内の「表示不可」のコンテンツは表示されない。
【0036】
図9(a)、(b)は、「表示可否」が可の状態のPOPコンテンツと「表示可否」が不可の状態のP0Pコンテンツを比較するための図である。図9(a)が「表示可否」が可の状態のPOPコンテンツの一例を示し、図9(b)が「表示可否」が不可の状態のP0Pコンテンツの一例を示す。制御部50は再生リスト内の「表示不可」のコンテンツは表示させないが、来店者に、そのコンテンツの関連する商品が売切れ間近または完売であることを告知するようなコンテンツ(たとえば、図9(b))を表示するようにしてもよい。この場合、コンテンツを表示させるため、「表示不可」を一時的に「可」に設定するものとする。なお、この一時的に「可」に設定されている時間は、予め決められた時間とする。
【0037】
つぎに、コンテンツ配信装置100の制御部50による、在庫状況をもとにした表示コンテンツ制御の動作例2について説明する。動作例2では制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回るか否かを、その商品の過去の在庫変動データから予測し、つぎの在庫状況の取得タイミングの前に下回ると判定したとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが表示端末装置200に表示されないよう制御する。なお制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ると予測されたとき、その商品が売切れ間近または完売であることを告知するためのコンテンツを、表示端末装置200に表示させるよう制御してもよい。
【0038】
図10は、動作例2に係る、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。当該テーブルは、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、コンテンツごとに「種別」、「対応商品コード」、「コンテンツ名」、「ファイル名」、「前回在庫数」および「在庫数」などが管理される。
【0039】
図11は、動作例2に係る、再生リスト生成部60により生成される再生リストを示す図である。この再生リストには、配信されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、配信されるコンテンツごとに「再生時間」、「表示可否」などが指定される。図11では、「コンテンツID」が「C0003」のコンテンツの「表示可否」が不可に設定されている。
【0040】
図12は、動作例2に係る、コンテンツ配信装置100の動作を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、図8に示したフローチャートとステップS15の判定処理まで同じであるため、そこまでの説明を省略する。
【0041】
ステップS15にて「表示可否」が可の場合(可)、制御部50は表示端末装置200で再生中の再生リストの、n番目のコンテンツの、{在庫数−(在庫数−前回在庫数)}と閾値とを比較する(S16m)。(在庫数−前回在庫数)は単位期間当たりの在庫減少数を示す。当該閾値は設計者や店員が任意に設定可能である。動作例2では「5」とする。
【0042】
{在庫数−(在庫数−前回在庫数)}が当該閾値以下の場合(S16mのY)、上記再生リストの「表示可否」を不可に更新する(S17)。上記図11の「コンテンツID」が「C0003」のコンテンツが該当する。{26−(48−26)}=4であり、閾値以下となったため、「表示可否」が不可に更新される。ステップS16mにて、{在庫数−(在庫数−前回在庫数)}が上記閾値を超える場合(S16mのN)、ステップS17の処理をスキップする。
【0043】
ステップS15にて「表示可否」が不可の場合(不可)、制御部50は表示端末装置200で再生中の再生リストの、n番目のコンテンツの、在庫数と前回在庫数とを比較する(S18m)。当該在庫数が当該前回在庫数を超える場合(S18mのY)、そのコンテンツに対応する商品の入荷があったと判定し、上記再生リストの「表示可否」を可に更新する(S19)。当該在庫数が当該前回在庫数以下の場合(S18mのN)、ステップS19の処理をスキップする。
【0044】
つぎに変数nをインクリメントする(S20)。変数nと上記再生リストのコンテンツ数を比較する(S21)。変数nが当該コンテンツ数を超えない間(S21のN)、ステップS15に遷移する。変数nが当該コンテンツ数を超えた場合(S21のY)、上記再生リストの「表示可否」の更新が有った場合(S22のY)、配信部40は更新後の再生リストを表示端末装置200に通知する(S23)。制御部50は、今回した取得した在庫数を、再生リスト内の「前回在庫数」に上書きし、「在庫数」をクリアするかそのまま放置する(S24)。その後、ステップS10に遷移する。「表示可否」の更新がなかった場合(S22のN)、再生リストを通知せずに、ステップS10に遷移する。
【0045】
以上説明したように本実施の形態によれば、POSシステムから取得した在庫情報を参酌することにより、施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行うことができる。具体的には、在庫切れ商品の商品説明または販売促進に関するコンテンツが表示されることを抑制することができる。
【0046】
また動作例2では、在庫状況を予測して事前に当該ディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツを変更することにより、POSシステムから取得する在庫情報と、現実の売場の売れ行きとのタイムラグにより、誤った情報が表示されたり、不必要に表示が中止されることを抑制することができる。
【0047】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
上述した動作例2では、前回取得した在庫数と今回取得した在庫数との差(すなわち、直近の在庫減少数)から、次回の在庫情報取得タイミングまで、在庫が持つか否かを判定した。この点、時間帯、曜日、季節、天気、気温、来客数など複数のパラメータを設定し、マルチファクターモデルを生成して、各商品のある時点の在庫数を予測してもよい。その他、既存の任意の予測モデルを用いることができる。
【0049】
図13(a)、(b)は、変形例に係る、再生リスト生成部60により生成される再生リストを示す図である。図13(a)は「再生時間」を管理する再生リストを示し、図13(b)は「表示可否」を管理する再生リストを示す。上記図7、図11では、再生リストに「表示可否」も含める例を説明したが、「表示可否」を別に扱い、「表示可否」に変化が生じた場合に、その情報のみを表示端末装置200に送信してもよい。
【0050】
上述した動作例2では、在庫切れ予測をコンテンツ配信装置100で行う例を説明したが、POSサーバ310が有する在庫切れ予測機能を用いてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 コンテンツ保持部、 20 POP生成部、 30 在庫状況取得部、 40 配信部、 50 制御部、 60 再生リスト生成部、 70 受信部、 80 制御部、 90 保持部、 95 表示部、 100 コンテンツ配信装置、 150 制御端末、 155 識別情報読取部、 200 表示端末装置、 300 POSシステム、 310 POSサーバ、 315 商品情報保持部、 320a,320b キャッシャー、 330 プリンタ、 400 施設内LAN、 450 アクセスポイント、 500 コンテンツ配信システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設内の端末装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージを設置したスーパーマーケットなどの施設が増えてきている。デジタルサイネージには、商品情報を記述したポップコンテンツ、販売促進のための静止画コンテンツおよび動画コンテンツなどを表示することができる。表示物の内容を変更したい場合、紙媒体の場合では店員が付け替える必要があるが、デジタルサイネージの場合、その表示データを変更するだけで足りるため、店員の作業を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−10482号公報
【特許文献2】特開平6−251033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらデジタルサイネージの場合、ディスプレイに表示させるべきコンテンツを設定変更する作業が必要となる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行う技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様のコンテンツ配信装置は、施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する在庫状況取得部と、商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき施設内に設置された端末装置に配信する配信部と、在庫状況取得部により取得される在庫状況の変化に応じて、端末装置で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する制御部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る、POSシステムと連携したコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】商品情報保持部に管理される商品情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システムに含まれるコンテンツ配信装置および表示端末装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【図4】従来技術に係るPOP生成方法を説明するための図である。
【図5】POPの一例を示す図である。
【図6】動作例1に係る、コンテンツ保持部に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。
【図7】動作例1に係る、再生リスト生成部により生成される再生リストを示す図である。
【図8】動作例1に係る、コンテンツ配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9(a)、(b)は、「表示可否」が可の状態のPOPコンテンツと「表示可否」が不可の状態のP0Pコンテンツを比較するための図である。
【図10】動作例2に係る、コンテンツ保持部に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。
【図11】動作例2に係る、再生リスト生成部により生成される再生リストを示す図である。
【図12】動作例2に係る、コンテンツ配信装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13(a)、(b)は、変形例に係る、再生リスト生成部により生成される再生リストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る、POS(Point of sale)システム300と連携したコンテンツ配信システム500の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、POSシステム300およびコンテンツ配信システム500が、スーパーマーケットなどの店舗に設置される例を説明する。POSシステム300およびコンテンツ配信システム500は、施設内LAN400により接続される。
【0011】
POSシステム300は、店舗施設内の商品の販売動向をリアルタイムに管理する。POSシステム300は、POSサーバ310、キャッシャー320(図1では、キャッシャー320a、キャッシャー320bを表記している)およびプリンタ330を備える。POSサーバ310は商品情報保持部315を備え、商品情報保持部315は上述した商品の販売動向を含む商品情報を保持する。POSサーバ310は当該店舗の販売実績をキャッシャー320から取得して、商品情報保持部315に管理される販売実績を更新する。プリンタ330は当該店舗の販売実績の印刷などに使用することができる。なお、図1には描いていないが、POSサーバ310は系列店(地域を限定してもよい)の販売実績を外部ネットワークから取得して、商品情報保持部315に管理される販売実績に反映させてもよい。
【0012】
図2は、商品情報保持部315に管理される商品情報の一例を示す図である。商品ごとに「商品コード」が割り当てられ、商品ごとに項目として「商品名」、「メーカ」、「販売単位」、「価格」、「在庫数」などが管理される。商品が売れると「在庫数」は減少する。なお、その他の項目として「産地」、「商品画像」、「条件」、「広告期限」、「コメント」などが追加されてもよい。「条件」の例として、「お一人様1袋限り」、「先着30名様限り」などが挙げられる。「広告期限」は通常、日付、時間帯などの単位で設定される。「コメント」の例として、「唐揚げにどうぞ!」などが挙げられる。
【0013】
図1に戻り、コンテンツ配信システム500は、コンテンツ配信装置100、制御端末150、識別情報読取部155、アクセスポイント450(図1ではAPで示す)および表示端末装置200(図1では、表示端末装置200a、表示端末装置200b、表示端末装置200cを表記している)を備える。
【0014】
コンテンツ配信装置100はサーバなどで構築され、後述するコンテンツ情報を保持する。なお、コンテンツ配信装置100の詳細な構成は後述する。制御端末150はPCなどで構築され、主に、ユーザの操作をコンテンツ配信装置100に伝達し、ユーザの意思をコンテンツ配信装置100に反映させる機能を果たす。
【0015】
識別情報読取部155は、バーコードリーダーやQRコード(登録商標)リーダーなどで構築される。店員は商品の包装などに印刷またはシールとして貼られた商品コードを、識別情報読取部155で読み取り、制御端末150に送信する。制御端末150は、受信した商品コードをコンテンツ配信装置100に送信する。なお、図1では識別情報読取部155が有線で制御端末150に接続される構成を描いているが、無線で接続される構成であってもよい。また、識別情報読取部155が有線または無線で直接、コンテンツ配信装置100に接続される構成であってもよい。
【0016】
アクセスポイント450は、表示端末装置200が無線LANを介して施設内LAN400に接続するための中継ポイントである。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システム500に含まれるコンテンツ配信装置100および表示端末装置200の構成を詳細に示すブロック図である。コンテンツ配信装置100は、コンテンツ保持部10、POP生成部20、在庫状況取得部30、配信部40、制御部50および再生リスト生成部60を備える。表示端末装置200は、受信部70、制御部80、保持部90および表示部95を備える。
【0018】
コンテンツ配信装置100の構成は、ハードウェア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
コンテンツ保持部10は、表示端末装置200に配信すべき複数のコンテンツを保持する。当該コンテンツは主に、商品説明、商品宣伝のためのコンテンツである。本実施の形態ではコンテンツとして、POP(Point Of Purchase)、動画および静止画を想定する。なお、それらのコンテンツに音声が付加されていてもよい。
【0020】
POP生成部20は、識別情報読取部155により読み取られた商品コードを取得し、制御部50の指示にしたがい、その商品コードをPOSサーバ310に送信する。POSサーバ310は、コンテンツ配信装置100(より厳密にはPOP生成部20)から受信した商品コードに対応する商品情報をコンテンツ配信装置100(より厳密にはPOP生成部20)に返信する。図2に示した例では、当該商品コードに対応する商品の「商品名」、「メーカ」、「販売単位」、「価格」および「在庫数」を返信する。POP生成部20は、その商品情報をもとに、ユーザにより選択されたまたは固定のデザインプレートをベースに、当該商品に関するPOPコンテンツを生成する。そして、生成したPOPコンテンツをコンテンツ保持部10に保存する。
【0021】
図4は、従来技術に係るPOP生成方法を説明するための図である。店員は、制御端末に図4に示すような設定画面を表示させ、商品名、メーカなど、POPに表示すべき情報を手入力していた。
【0022】
図5は、POPの一例を示す図である。図5に示すPOPは、図4に示した設定画面から入力された情報にもとづき生成されたものである。本実施の形態では、店員は同様のPOPを商品コードの読取作業のみにより生成することができる。従来、手入力を必要としていた情報は、POSサーバ310から取得することができるためである。このように、本実施の形態によれば、POP生成作業にかかる手間を軽減することができる。
【0023】
図3に戻り、再生リスト生成部60は、コンテンツの再生スケジュールを指定するための再生リストを生成する。とくに、複数のコンテンツを配信する場合、それらの再生順番を指定するために利用される。再生リストの具体例は後述する。
【0024】
在庫状況取得部30は、施設内で販売されている商品の在庫状況をPOSサーバ310から施設内LAN400を介して定期的(たとえば、5分毎、30分毎など)に取得する。商品の種類によって、在庫状況を取得するスケジュールを異ならせてもよい。たとえば、回転率の高い売れ筋商品ほど取得間隔を短くし、回転率の低い不人気商品ほど取得間隔を長くしてもよい。
【0025】
配信部40は、コンテンツ保持部10に保持される商品に関するコンテンツおよびその再生リストを、無線LANを介してそのコンテンツを表示すべき表示端末装置200に配信する。
【0026】
制御部50は、在庫状況取得部30により取得される在庫状況の変化に応じて、表示端末装置200で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する。この処理の詳細は後述する。
【0027】
受信部70は、コンテンツ配信装置100から配信されるコンテンツおよび再生リストを受信し、制御部80に出力する。制御部80は表示端末装置200全体を統括的に制御する。制御部80は主に、受信部70により受信されたコンテンツを保持部90に一時保持し、当該再生リストに指定された再生スケジュールにしたがい、コンテンツを表示部95に表示させる。
【0028】
つぎに、コンテンツ配信装置100の制御部50による、在庫状況をもとにした表示コンテンツ制御の動作例1について説明する。動作例1では制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが表示端末装置200に表示されないよう制御する。なお制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品が売切れ間近または完売であることを告知するためのコンテンツを、表示端末装置200に表示させるよう制御してもよい。
【0029】
図6は、動作例1に係る、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。このテーブルはコンテンツ保持部10内に構築されてもよいし、制御部50内に構築されてもよい。当該テーブルは、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、コンテンツごとに「種別」、「対応商品コード」、「コンテンツ名」、「ファイル名」および「在庫数」などが管理される。「種別」には上述したようにPOP、動画および静止画がある。「対応商品コード」はコンテンツがどの商品に関するコンテンツであるかを特定するためのコードである。「在庫数」にはPOSサーバ310から取得される最新の在庫数が格納される。
【0030】
図7は、動作例1に係る、再生リスト生成部60により生成される再生リストを示す図である。この再生リストには、配信されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、配信されるコンテンツごとに「再生時間」、「表示可否」などが指定される。図7では、「コンテンツID」が「C0001」のコンテンツの「表示可否」が不可に設定されている。表示端末装置200は、再生リストの上から順番に繰り返し、コンテンツを再生する。なお、「表示可否」が不可に設定されているコンテンツは表示せずに、スキップする。
【0031】
図8は、動作例1に係る、コンテンツ配信装置100の動作を示すフローチャートである。所定時間が経過するたびに(S10のY)、以降の処理を実行する。前回、当該処理を実行してから所定時間が経過していない場合(S10のN)、待機する。なお、本フローチャートに係る全体処理を終了する場合(S11のY)、当該処理を終了する。当該処理を終了しない間(S11のN)、つぎの処理に進む。
【0032】
制御部50は、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツに関連する商品コードを上記テーブルなどから抽出する(S12)。在庫状況取得部30は、抽出された商品コードの在庫数をPOSサーバ310から取得する(S13)。
【0033】
つぎに変数nを初期値設定する(S14)。ここでは変数nに1を代入する。制御部50は、表示端末装置200で再生中の再生リストの、n番目のコンテンツの現在の「表示可否」が可であるか不可であるかを判定する(S15)。「表示可否」が可の場合(可)、そのコンテンツの在庫数と閾値とを比較する(S16)。当該閾値は設計者や店員が任意に設定可能である。動作例1では「10」とする。当該在庫数が当該閾値以下の場合(S16のY)、上記再生リストの「表示可否」を不可に更新する(S17)。上記図7の「コンテンツID」が「C0001」のコンテンツが該当する。在庫数が9個で閾値以下となったため、「表示可否」が不可に更新される。ステップS16にて上記在庫数が上記閾値を超える場合(S16のN)、ステップS17の処理をスキップする。
【0034】
ステップS15にて「表示可否」が不可の場合(不可)、そのコンテンツの在庫数と閾値とを比較する(S18)。当該在庫数が当該閾値を超える場合(S18のY)、上記再生リストの「表示可否」を可に更新する(S19)。当該在庫数が当該閾値以下の場合(S18のN)、ステップS19の処理をスキップする。
【0035】
つぎに変数nをインクリメントする(S20)。変数nと上記再生リストのコンテンツ数を比較する(S21)。変数nが当該コンテンツ数を超えない間(S21のN)、ステップS15に遷移する。変数nが当該コンテンツ数を超えた場合(S21のY)、上記再生リストの「表示可否」の更新が有った場合(S22のY)、配信部40は更新後の再生リストを表示端末装置200に通知する(S23)。その後、ステップS10に遷移する。「表示可否」の更新がなかった場合(S22のN)、再生リストを通知せずに、ステップS10に遷移する。以上により、制御部50は再生リスト内の「表示不可」のコンテンツは表示されない。
【0036】
図9(a)、(b)は、「表示可否」が可の状態のPOPコンテンツと「表示可否」が不可の状態のP0Pコンテンツを比較するための図である。図9(a)が「表示可否」が可の状態のPOPコンテンツの一例を示し、図9(b)が「表示可否」が不可の状態のP0Pコンテンツの一例を示す。制御部50は再生リスト内の「表示不可」のコンテンツは表示させないが、来店者に、そのコンテンツの関連する商品が売切れ間近または完売であることを告知するようなコンテンツ(たとえば、図9(b))を表示するようにしてもよい。この場合、コンテンツを表示させるため、「表示不可」を一時的に「可」に設定するものとする。なお、この一時的に「可」に設定されている時間は、予め決められた時間とする。
【0037】
つぎに、コンテンツ配信装置100の制御部50による、在庫状況をもとにした表示コンテンツ制御の動作例2について説明する。動作例2では制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回るか否かを、その商品の過去の在庫変動データから予測し、つぎの在庫状況の取得タイミングの前に下回ると判定したとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが表示端末装置200に表示されないよう制御する。なお制御部50は、在庫状況取得部30により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ると予測されたとき、その商品が売切れ間近または完売であることを告知するためのコンテンツを、表示端末装置200に表示させるよう制御してもよい。
【0038】
図10は、動作例2に係る、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツを管理するためのテーブルを示す図である。当該テーブルは、コンテンツ保持部10に保持されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、コンテンツごとに「種別」、「対応商品コード」、「コンテンツ名」、「ファイル名」、「前回在庫数」および「在庫数」などが管理される。
【0039】
図11は、動作例2に係る、再生リスト生成部60により生成される再生リストを示す図である。この再生リストには、配信されるコンテンツごとに「コンテンツID」が割り当てられ、配信されるコンテンツごとに「再生時間」、「表示可否」などが指定される。図11では、「コンテンツID」が「C0003」のコンテンツの「表示可否」が不可に設定されている。
【0040】
図12は、動作例2に係る、コンテンツ配信装置100の動作を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、図8に示したフローチャートとステップS15の判定処理まで同じであるため、そこまでの説明を省略する。
【0041】
ステップS15にて「表示可否」が可の場合(可)、制御部50は表示端末装置200で再生中の再生リストの、n番目のコンテンツの、{在庫数−(在庫数−前回在庫数)}と閾値とを比較する(S16m)。(在庫数−前回在庫数)は単位期間当たりの在庫減少数を示す。当該閾値は設計者や店員が任意に設定可能である。動作例2では「5」とする。
【0042】
{在庫数−(在庫数−前回在庫数)}が当該閾値以下の場合(S16mのY)、上記再生リストの「表示可否」を不可に更新する(S17)。上記図11の「コンテンツID」が「C0003」のコンテンツが該当する。{26−(48−26)}=4であり、閾値以下となったため、「表示可否」が不可に更新される。ステップS16mにて、{在庫数−(在庫数−前回在庫数)}が上記閾値を超える場合(S16mのN)、ステップS17の処理をスキップする。
【0043】
ステップS15にて「表示可否」が不可の場合(不可)、制御部50は表示端末装置200で再生中の再生リストの、n番目のコンテンツの、在庫数と前回在庫数とを比較する(S18m)。当該在庫数が当該前回在庫数を超える場合(S18mのY)、そのコンテンツに対応する商品の入荷があったと判定し、上記再生リストの「表示可否」を可に更新する(S19)。当該在庫数が当該前回在庫数以下の場合(S18mのN)、ステップS19の処理をスキップする。
【0044】
つぎに変数nをインクリメントする(S20)。変数nと上記再生リストのコンテンツ数を比較する(S21)。変数nが当該コンテンツ数を超えない間(S21のN)、ステップS15に遷移する。変数nが当該コンテンツ数を超えた場合(S21のY)、上記再生リストの「表示可否」の更新が有った場合(S22のY)、配信部40は更新後の再生リストを表示端末装置200に通知する(S23)。制御部50は、今回した取得した在庫数を、再生リスト内の「前回在庫数」に上書きし、「在庫数」をクリアするかそのまま放置する(S24)。その後、ステップS10に遷移する。「表示可否」の更新がなかった場合(S22のN)、再生リストを通知せずに、ステップS10に遷移する。
【0045】
以上説明したように本実施の形態によれば、POSシステムから取得した在庫情報を参酌することにより、施設内のディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツの設定変更を効果的に行うことができる。具体的には、在庫切れ商品の商品説明または販売促進に関するコンテンツが表示されることを抑制することができる。
【0046】
また動作例2では、在庫状況を予測して事前に当該ディスプレイに表示させるべき商品に関するコンテンツを変更することにより、POSシステムから取得する在庫情報と、現実の売場の売れ行きとのタイムラグにより、誤った情報が表示されたり、不必要に表示が中止されることを抑制することができる。
【0047】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
上述した動作例2では、前回取得した在庫数と今回取得した在庫数との差(すなわち、直近の在庫減少数)から、次回の在庫情報取得タイミングまで、在庫が持つか否かを判定した。この点、時間帯、曜日、季節、天気、気温、来客数など複数のパラメータを設定し、マルチファクターモデルを生成して、各商品のある時点の在庫数を予測してもよい。その他、既存の任意の予測モデルを用いることができる。
【0049】
図13(a)、(b)は、変形例に係る、再生リスト生成部60により生成される再生リストを示す図である。図13(a)は「再生時間」を管理する再生リストを示し、図13(b)は「表示可否」を管理する再生リストを示す。上記図7、図11では、再生リストに「表示可否」も含める例を説明したが、「表示可否」を別に扱い、「表示可否」に変化が生じた場合に、その情報のみを表示端末装置200に送信してもよい。
【0050】
上述した動作例2では、在庫切れ予測をコンテンツ配信装置100で行う例を説明したが、POSサーバ310が有する在庫切れ予測機能を用いてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 コンテンツ保持部、 20 POP生成部、 30 在庫状況取得部、 40 配信部、 50 制御部、 60 再生リスト生成部、 70 受信部、 80 制御部、 90 保持部、 95 表示部、 100 コンテンツ配信装置、 150 制御端末、 155 識別情報読取部、 200 表示端末装置、 300 POSシステム、 310 POSサーバ、 315 商品情報保持部、 320a,320b キャッシャー、 330 プリンタ、 400 施設内LAN、 450 アクセスポイント、 500 コンテンツ配信システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する在庫状況取得部と、
前記商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき前記施設内に設置された端末装置に配信する配信部と、
前記在庫状況取得部により取得される在庫状況の変化に応じて、前記端末装置で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが前記端末装置に表示されないよう制御することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回るか否かを、その商品の過去の在庫変動データから予測し、つぎの在庫状況の取得タイミングの前に下回ると判定したとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが前記端末装置に表示されないよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったときまたは下回ると予測されたとき、その商品が売切れ間近または完売であることを告知するためのコンテンツを、前記端末装置に表示させるよう制御することを特徴とする請求項2または3に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項1】
施設内で販売されている商品の在庫状況を定期的に取得する在庫状況取得部と、
前記商品に関するコンテンツを、そのコンテンツを表示すべき前記施設内に設置された端末装置に配信する配信部と、
前記在庫状況取得部により取得される在庫状況の変化に応じて、前記端末装置で表示されるべきコンテンツを変更するよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが前記端末装置に表示されないよう制御することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回るか否かを、その商品の過去の在庫変動データから予測し、つぎの在庫状況の取得タイミングの前に下回ると判定したとき、その商品説明またはその販売促進に関するコンテンツが前記端末装置に表示されないよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記在庫状況取得部により取得される特定の商品の在庫数が所定の閾値を下回ったときまたは下回ると予測されたとき、その商品が売切れ間近または完売であることを告知するためのコンテンツを、前記端末装置に表示させるよう制御することを特徴とする請求項2または3に記載のコンテンツ配信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−22392(P2012−22392A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158029(P2010−158029)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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