説明

コンテンツ項目の配置

コンテンツ項目、例えば、アイコンまたは広告ロゴが、例えば、通りの名前または地上の目標のグラフィカルな表現などの特徴と交差しないように、表示環境中に(例えば、地図上に)配置される。コンテンツ項目の配置は、特徴および/またはコンテンツ項目の尺度が変化したとき、コンテンツ項目と特徴が重ならないように、様々なズームレベルで容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、情報を提示することに関する。
【0002】
本出願は、「CONTENT ITEM PLACEMENT」と題する2008年4月18日に出願された米国特許出願第12/105,413号に対する優先権を主張し、そのコンテンツを参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0003】
インターネットは、何百万もの人々に対してオンラインの地図作成システムへの容易なアクセスを可能にする。これらのオンラインの地図作成システムは、様々なズームレベルで、地理的な領域の詳細な地図を提供することができる。さらに、これらのオンライン地図作成システムの動的な性質により、広告などのコンテンツのターゲット化した提示を容易に行うことが可能になる。例えば、コーヒーの小売店は、コンピュータなどのクライアントデバイスに表示される地図ページに表示される選択可能なアイコンの形で広告を提供することができる。アイコン上でマウスを操作することにより、そのコーヒーの小売店の商号、および住所を含むコンタクト情報など、さらなる広告情報を明らかにすることができる。アイコンが、広告する主体の住所と一致する、またはそれに近接する位置に地図上で表示されることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地図はまた、例えば、通りの名前、公園名、湖の名前などの地図ラベルなど、その基礎となる多くの特徴を含む。しかし、目標とするコンテンツ項目が表示されたとき、それらが地図の特徴と重なる可能性がある。したがって、ユーザは、関心のある特徴を明確にするために、地図のズームレベルを調整するか、あるいは地図をスクロールするなど、修正措置を行う必要がありうる。これは、ユーザの使い勝手を悪くするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の主題は、表示環境中に(例えば、地図上に)、例えば、広告などのコンテンツ項目を配置することに関する。コンテンツは、例えば、アイコンまたは広告ロゴなどのコンテンツ項目のグラフィカルな表現が、例えば、通りの名前、または陸上の目標のグラフィカルな表現などの特徴と交差しないように配置することができる。コンテンツ項目の配置は、特徴および/またはコンテンツ項目の尺度が変化したとき、そのコンテンツ項目および特徴が重ならないように、その基礎となるコンテンツ項目(例えば、地図)が提示される様々なズームレベルで、容易に行うことができる。
【0006】
概して、本明細書で述べられる主題の一態様は、地図の位置を特定する段階と、地図ラベルと関連付けられているラベル位置を、地図位置およびズームレベルに基づいて特定する段階と、地図が、あるズームレベルでコンテンツ項目と共に提示されたとき、コンテンツ項目が地図ラベルと交差しないように、地図位置に対してコンテンツ項目を配置するための配置位置を決定する段階とによるアクションを含む方法で実施することができる。この態様の他の実施形態は、それに対応する方法、装置、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【0007】
本明細書で述べられる主題の他の態様は、コンテンツ項目と関連付けられる地図上の地図位置を特定する段階と、地図が提示されるズームレベルを特定する段階と、地図位置およびズームレベルに基づいて配置位置データを要求する段階であって、配置位置データが、あるズームレベルで地図がコンテンツ項目と共に提示されたとき、コンテンツ項目が、そのズームレベルで地図上に提示されたどの地図特徴項目とも交差しないように、地図位置に対するコンテンツ項目の配置位置を規定する段階と、要求に応じて、配置位置データが受け取られた場合、地図が、あるズームレベルで提示されたとき、クライアントデバイスが、コンテンツ項目を地図上の配置位置に提示できるように、配置位置データおよびコンテンツ項目をクライアントデバイスに提供する段階と、によるアクションを含む方法で実施することができる。この態様の他の実施形態は、それに対応する方法、装置、およびコンピュータプログラム製品を含む。
【0008】
本明細書で述べられる主題の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の記述に記載される。本主題の他の特徴、態様、および利点は、その記述、図面、および特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的なオンライン地図広告環境のブロック図である。
【図2A】異なるズームレベルで、広告を提示することのできる地図の例を示す図である。
【図2B】異なるズームレベルで、広告を提示することのできる地図の例を示す図である。
【図3】例示的な配置位置システムのブロック図である。
【図4】コンテンツ項目を地図上に配置する例示的なプロセスの流れ図である。
【図5】地図上の配置位置を特定する例示的なプロセスの流れ図である。
【図6】オンライン地図でコンテンツの配置を容易にするために使用できる例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【0011】
[1.0概要]
本明細書の主題は、表示環境中に、例えば、広告などのコンテンツ項目を配置することに関する。特定の一例では、コンテンツは、例えば、アイコンまたは広告ロゴなどのコンテンツ項目のグラフィカルな表現が、例えば、通りの名前、または陸上の目標のグラフィカルな表現などの地図特徴と交差しないように配置される。コンテンツ項目の配置は、地図特徴および/またはコンテンツ項目の尺度が変化したとき、コンテンツ項目と地図特徴が交差しないように、地図が提示される様々なズームレベルで容易に行われる。項目を地図上に配置することに関して参照が行われるが、記述される方法、装置、およびコンピュータプログラムは、他の表示環境で使用することもできる。
【0012】
一例では、企業が、その企業のロゴを、例えば、3番街123などの企業の住所と一致する場所に地図で表示させることを望むことがある。その企業は、公園および記念碑に隣接して位置することがあり、それらは共に、地図上で、名前およびグラフィカルな表現を含む地図特徴として示される。さらに、通りの名前が、地図で企業の場所近くに表示されることもある。ユーザが、地図を拡大し、または縮小したとき、例えば、通りの名前、または他の特徴の名前のテキストなどの地図特徴の相対的なサイズが、地図の尺度に比例して変化する可能性がある。したがって、第1のズームレベルでは、企業ロゴを、どの地図特徴とも交差せずに、企業住所の近くのいくつかの位置に表示することができる。反対に、例えば、第1のズームレベルよりも高いレベルへと「縮小させた」結果の第2のズームレベルでは、企業ロゴはどの地図特徴とも交差することなく一カ所に表示されるだけである。
【0013】
いくつかの実施形態では、配置位置データレコードのデータ構造は、地図上にコンテンツ項目を配置することを容易にするために使用される。配置位置データレコードは、コンテンツ項目を表示することのできる地図位置および許容できる位置を指定することができる。各位置は、コンテンツ項目を表示できる位置と、コンテンツ項目を表示するためにその位置を使用できるズームレベルを指定するズームレベルとを含む配置位置レコード中に格納することができる。しかし、多くの他のデータ構造を、上記で述べた機能を容易に行うために使用することもできる。以下によって理解できるように、コンテンツ項目を表示できる許容可能な位置は、様々なズームレベルで変化する可能性がある。
【0014】
[1.1地図広告]
図1は、例示的なオンライン地図環境100の実施形態のブロック図である。地図環境100は、コンテンツ項目を地図上で表示させることを容易に行うことができる。本明細書は、例示的なコンテンツ項目として広告を使用し、また例示的なコンテンツサーバとして広告サーバを使用するが、ビデオクリップへのアイコンリンク、情報リンクもしくは情報の断片、画像リンクなど、多くの他のコンテンツ項目もまた、他のサーバからサービスし、かつ提示することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、広告者102は、広告103をアップロードし、広告の統計データを追跡し、広告空間に入札し、あるいはその他の形で、広告サーバ104と対話するために、広告サーバ104に接続することができる。広告者102は、ネットワーク105を介して、広告サーバ104に接続することができる。ネットワーク105は、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、インターネット、あるいは任意の他の公共のネットワークもしくは専用のネットワーク、またはその両方の組合せとすることができる。
【0016】
例えば、コンテンツ項目などの広告103は、グラフィカルな広告、テキストだけの広告、画像広告、オーディオ広告、ビデオ広告、任意のこのようなコンポーネントの1つまたは複数のものを組み合わせた広告などの形態とすることができる。広告103はまた、リンク、メタ情報、および/またはマシンで実行可能な命令など、組み込まれた情報を含むことができる。広告103は、地図109で提示するようにフォーマットすることができる。広告103は、広告サーバ104に接続された広告格納装置106に格納することができる。
【0017】
広告103は、ユーザデバイスユーザデバイス110で提示される地図109に表示することができる。ユーザデバイス110が地図サーバ112に接続し、かつ地図格納装置114に格納された地図データから生成される地図を要求したとき、ユーザデバイス110上に地図ユーザインターフェースを提供する地図サーバ112に対して、地図を直接要求することができる。
【0018】
代替的には、ユーザデバイス110が、パブリッシャ108にコンテンツを要求するのに応じて、地図109を、パブリッシャ108に要求することができる。例示的なパブリッシャ108は、ウェブサイトを公開するネットワークコンテンツプロバイダとすることができる。パブリッシャ108は、ユーザデバイス110からコンテンツを求める要求を受け取り、その要求に応じて、コンテンツを提示する。要求に応じて、パブリッシャ108は、地図109にコンテンツを含めることができ、それにより、ユーザデバイス110がパブリッシャのウェブサイトを介して地図109にアクセスすることを可能にする。
【0019】
例えば、パブリッシャ108は、企業体とすることができ、地図を、パブリッシャ108のホームページ上のその位置に提供することができる。パブリッシャ108による地図要求に応じて、地図サーバ112は、提示するために、地図格納装置114から要求された地図に関するデータを選択し、選択されたデータを、パブリッシャ108または要求するユーザデバイス110に送る。
【0020】
ユーザデバイス110は、コンピュータネットワーク環境で通信できる任意の装置を利用し、ネットワーク105を介して、パブリッシャのウェブサイトまたは地図サーバ112に接続することができ、取得した情報を表示する。例示的なユーザデバイス110は、ウェブが使用可能なハンドヘルド装置、移動電話、セットトップボックス、ゲームコンソール、PDA(携帯情報端末)、ナビゲーション装置、またはコンピュータを含む。
【0021】
地図109を求める要求はまた、広告103を求める要求を含む、または生成することができる。これらの実施形態では、地図サーバ112は、広告サーバ104に広告103を要求することができる。地図サーバ112に送達するために選択された広告103は、地図サーバ112により選択された地図109とのその関連に基づいて選択することができる。例えば、広告103は、広告者102が、選択された地図109の領域内に小売りする場所を有する場合、地図109と関連付けることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、広告103は、広告サーバ104により地図サーバ112に送達される。広告103は、広告者102と関連付けられた位置を表す位置で、地図109に配置することができる(例えば、広告者の小売りする場所の地図)。広告103は、広告103を地図109上のオーバレイとして提示することにより、地図109に配置することができる。
【0023】
広告103の配置を指定するために、広告者102または地図サーバ112は、地図位置を広告103と関連付けることができる。例示的な位置は、通りの住所、または緯度および経度位置、または地図109上で位置を指定できる任意の他のデータとすることができる。地図広告に関連付けられた地図位置は、広告103を地図上のどこに表示すべきかに関する強い目印であるため、いくつかの実施形態では、広告103は、概して、広告103と関連付けられた地図上の位置に、または可能な限りその近くに配置される。
【0024】
いくつかの実施形態では、広告103の特性は、地図109の特性とは独立しており、地図109の表示に影響する変化は、必ずしも、広告103の表示に影響を与えることはない。例えば、地図109が、より高いズームレベルで表示されたとき、広告103は、必ずしも高いズームレベルで表示される必要はなく、あるいは代替的に、調整された位置で表示することもできる。
【0025】
しかし、広告103が、地図109上でオーバレイとして示されたとき、広告を、地図特徴(例えば、記念碑、公園、市など)を特定するテキストと重複させる位置に提示することも可能である。地図特徴を重複させることは、ユーザが地図特徴を特定できるようにすることを妨げる可能性がある。地図特徴のこのような重複は、地図の有用性を低下させるおそれがある。したがって、以下で論ずるように、地図特徴を重複させずに広告103を提示することを容易にする配置位置を特定することができる。
【0026】
[2.0コンテンツ項目の配置]
図2Aおよび2Bは、広告を提示することのできる、様々なズームレベルにおける地図200の例である。具体的には、図2Aは、ウェブブラウザのウィンドウなど、ユーザインターフェースウィンドウにおける第1のズームレベルで地図200を示し、また図2Bは、ユーザインターフェースウィンドウにおける第2のズームレベルで地図200を示している。第1のズームレベルにおける地図200は、ユーザデバイス上に表示できる、地図サーバにより選択された地図200の一部である地図空間202を示す。いくつかの実施形態では、地図空間202は、表示領域204およびズームレベルにより規定される。表示領域204は、地図空間202に提示するために割り振られたユーザのディスプレイ部である。ズームレベルは、表示領域204内の地図空間202の縮小拡大を表し、またズームコントロール222におけるズームバー220の位置によりグラフィカルに示される。
【0027】
ユーザデバイスに提示される地図空間202は、地図上の特徴を識別するテキスト項目203a、および/またはグラフィカルに地図特徴を示す公園アイコンまたは記念碑アイコンなどのグラフィック項目203bなどの地図特徴項目203を含むことができる。特徴項目203は、地図空間202の一部として表示することができる。
【0028】
特徴項目203が地図空間202中で占める面積は、各特徴項目203の第1の破線の外形で示されるように、境界を示す多角形により画定されうる。境界を示す多角形は、例えば、特徴項目203により占められた面積の境界を確立する長方形の境界領域とすることができる。境界を示す多角形は、例えば、ユーザには視認できない概念的な境界を表すことができる。いくつかの実施形態では、境界を示す多角形は、テキストの境界に接して規定されうるが、境界を示す多角形のサイズは、用途に基づいて変化することができる。境界領域はまた、公園に対しては緑の領域(斜線で表される)、および記念碑に対しては黄色の領域(斜線で表される)など、グラフィカルなデータの境界を画定することもできる。
【0029】
さらに地図空間202で、第2の破線の外形で示された地図位置210が示されている。図2Aおよび2Bの例では、地図位置210は企業の位置である。いくつかの実施形態では、企業が位置する建物の表現は、地図空間202上で示されず、したがって、第2の破線の外形は概念的なものである。他の実施形態では、企業が位置する建物の外形を示すことができ、したがって、第2の破線の外形は、建物の外形とすることができる。地図位置210は、例えば、「3番街123」などの企業の住所とすることができるが、あるいは緯度および経度の座標、または地図200上の位置を表す任意の他の識別子とすることができる。
【0030】
例えば、通りおよび都市ブロックなどの他の従来の地図記号は、図2Aで示すように、従来のブロックおよび通りの記号により示される。これらの要素のいくつかは、図面が密集するのを避けるために削除される。
【0031】
地図位置210における企業の所有者は、地図200上に広告することを望む可能性がある。これらの広告は、選択されたズームレベルに応じて、例えば、1つまたは2つの都市ブロック内など、地図位置に近接して表示されることが好ましい。広告は、例えば、コンテンツ項目領域を規定するコンテンツ項目、例えば、高さおよび幅サイズを有する選択可能なグラフィックとすることができる。いくつかの実施形態では、配置位置データは、広告の領域が任意の特徴項目203の境界領域と交差することなく、広告を配置することのできる配置位置、例えば、位置206aおよび206bを規定するために使用される。
【0032】
例えば、広告と関連付けられた企業が地図位置210に位置する場合、外形が描かれた領域205のサイズである広告は、いくつかの特徴項目203と交差することなく、地図位置210に配置することはできない、すなわち、実質的に、外形が描かれた領域205のサイズである広告は、特徴203および広告が表示装置上で表示されたとき、通りのラベル「3番街」および「記念碑」特徴203と重なることになる。しかし、広告は、何らかの特徴項目と交差することなく、配置位置206aおよび206bのいずれにも配置することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、地図200に対する各住所は、その住所に対して利用可能なコンテンツ項目に対する配置位置を決定するために処理することができる。配置位置は、住所、住所からの表示すべきコンテンツ項目の最大距離(例えば、都市ブロック、マイル半径など、)、住所の近くの特徴項目の境界領域のサイズ、表示されるコンテンツ項目のサイズ、およびズームレベルに基づいて決定することができる。
【0034】
他の実施形態では、配置位置206は地図領域と関連付けられる。例えば、地図データは、地理的な単位に、例えば、6つの都市ブロックのセクションに区分することができる。配置位置は、例えば、地図領域内の特徴項目の境界領域のサイズ、表示されるコンテンツ項目のサイズ、およびズームレベルに基づいて決定することができる。
【0035】
2つの配置位置(206aおよび206b)だけが示されているが、さらに多くの配置位置を、地図位置210、または地図位置210の周囲の地図領域と関連付けることができる。さらなる配置位置は、図面が密集するのを避けるため示されていない。
【0036】
前に述べたように、広告提示のために利用可能な配置位置206は、地図空間202のズームレベルに依存する可能性がある。図2Bは、ズームコントロール222において調整されたズームバー220で示されるように、より低いズームレベルで、例えば、図2Aのビューに対して「縮小させた」ビューで地図200を示している。
【0037】
図2Bの低いズームレベルで、より大きな地図空間230がユーザインターフェースウィンドウ中に表示されている。地図空間230は、図2Aで提示された地図空間202を含み、図2Bでは破線の外形202で識別される。図2Aの地図空間202は、図2Bの表示領域204の一部を占めるに過ぎないが、道路、記念碑、公園に関連付けられた特徴項目203を示すために利用可能な地図空間202の部分は縮小されている。さらに、ズームレベルが操作されると、レンダリングアルゴリズムの判断により、特定のズームレベルで地図空間202に示される特徴項目203が、別のズームレベルが選択されたときに地図空間202中の別の位置に出現する可能性もある。例えば、確実に読めるようにするために、テキストを、最小の表示フォントサイズ未満では表示されないようにすることも可能である。すなわち、ユーザが地図を「縮小」すると、地図はサイズが減少するかもしれないが、通りの名前の表示フォントサイズを一定のままに留めることができる。したがって、特徴項目は、地図空間の尺度がズーム操作により調整されると、地図空間202の尺度に対してサイズが変化する可能性がある。
【0038】
同様に、ズームレベルが変化すると、地図空間202に表示される細部の量もまた変化する。異なるズームレベルで縮小拡大することにより生ずるこれらの変化は、利用可能な配置位置206の変化を生ずる可能性がある。例えば、図2Aからの広告配置の例で続けると、図2Bの地図空間230が提示されたとき、配置位置206cが、広告を提示するために利用可能な唯一の配置位置である。図2Bで、破線の位置206aおよび206bで示された配置位置206aおよび206bは、図2Bのズームレベルでは利用可能ではないが、それは、これらの位置に配置された広告が、いまや、地図空間230中に表示された特徴項目と重なることになるからである。したがって、例えば、地図空間202などの地図領域、または、例えば、地図位置210などの地図位置に基づく配置位置206は、各ズームレベルで各広告に対して規定することができる。
【0039】
[3.0配置位置の特定]
図3は、例示的な配置位置システム300のブロック図である。システム300は、上記で論じた特徴を実現するために使用することができ、例えば、ズームレベルおよび位置に対する配置位置206を、広告に対して、広告を地図特徴に相当する特徴項目203と重なることなく地図空間中に提示できるように、特定することができる。
【0040】
システム300は、地図配置モジュール302を含むことができる。地図配置モジュール302は、図1で述べた、例えば、地図サーバ112などに実装することができる。地図配置モジュール302は、特徴項目データ格納装置304および配置位置データ格納装置306とデータ通信する。特徴項目データ格納装置304および配置位置格納装置306は、それぞれ、例えば、地図格納装置114、または任意の他の記録媒体中に実装することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、地図配置モジュール302は、特徴項目データ格納装置304に格納された特徴項目データに基づいて、広告のための配置位置206を特定することができる。次に、地図配置モジュール302は、配置位置を配置位置データ格納装置306に格納し、コンテンツ項目の配置を容易にするために格納されたデータを取り出すことができる。
【0042】
[3.1特徴項目データ格納装置]
特徴項目データ格納装置304は、地図空間202などの地図空間で提示される特徴項目を規定する特徴項目データを格納することができる。例えば、特徴項目データは、特徴項目203の位置を特定する情報を含むことができる。特徴項目203の位置は、例えば、特徴項目203に対応する境界領域の位置および面積により特定することができる。いくつかの実施形態では、特徴項目203の位置は、地図位置、および周囲の境界を規定するデータ、例えば、地図位置に対する座標により特定されうる。
【0043】
上記で論じたように、提示される特徴項目203のサイズおよび位置、ならびにどの特徴項目203が提示されるかは、各ズームレベルで異なる可能性がある。したがって、特定の地理的領域における各特徴項目203は、異なるズームレベルの地図空間が要求されたとき、その地理的領域において、異なる位置および/または異なるサイズで表示されうる。同様に、特徴項目203のいくつかのものは、特定のズームレベルに限って表示されることもありうる。したがって、いくつかの実施形態では、特徴項目データ格納装置304は、特徴項目が表示されるズームレベルおよび地理的領域もしくは位置に従って、特徴項目データに索引を付けることができる。
【0044】
地理的な領域は、地図のうちの規定された領域である。例えば、地図を格子へと分割することができ、格子の各部分が、地図の特定部分(例えば、地理的領域)に対応することができる。格子情報に特徴項目データを含めることは、特定の地理的領域に位置しうる特徴項目203を特定することを容易にする。例えば、位置が与えられると、同じ格子領域にある特徴項目203を特定することができるが、その格子領域の外側にある特徴項目は、無視することができる。
【0045】
例示的な特徴項目データ構造305が図3で示されている。2つのズームレベルZ1およびZ2に対する特徴項目データが示されている。第1のズームレベルZ1で各特定された特徴項目は、その位置(例えば、位置11、12、…1m)、およびズームレベル(例えば、ズームZ1)により索引付けられている。各特定された特徴項目はまた、各特徴項目の境界領域を規定する境界データ(例えば、Poly P1、P2、…Pm)を含む。例えば、ズームレベルZ1に対してレコード1〜mで表される領域が図2Aの地図空間202である場合、Poly P1に対するデータは、地図空間202における2番通りを特定する特徴項目203に対応することができ、また位置L11は、地図がズームレベルZ1で表示されたとき、2番通りの地図ラベルの位置を特定することができる。同様に、残りのレコード2、…mは、地図空間202で示された残りの特徴項目に対応することができる。
【0046】
同様に、図2Bのズームレベルに対応する第2のズームレベルZ2で各特定された特徴項目は、その位置(例えば、位置L21、L22、…L2n)、およびズームレベル(例えば、ズームZ2)により識別され、かつ索引付けられる。各特定された特徴項目はまた、各特徴項目の境界領域を規定する境界データ(例えば、Poly P1、P2、…Pn)を含む。したがって、ズームレベルZ2でレコード1〜nにより示された領域が、図2Bの地図空間230である場合、Poly P1に対するデータは、地図空間230における2番通りを特定する特徴項目203に対応することができ、また位置L21は、地図がズームレベルZ2で表示されたとき、2番通りのラベルの位置を特定することができる。同様に、残りのレコード2、…nは、地図空間230で示された残りの特徴項目に対応することができる。
【0047】
[3.2配置位置データ格納装置]
配置位置データ格納装置306は、複数のズームレベルにおけるコンテンツ項目に対する配置位置を格納することができる。いくつかの実施形態では、コンテンツ項目に対する配置位置は、コンテンツ配置データ構造307に格納することができる。各コンテンツ項目は、関連する地図位置ML、および配置レコードに格納された複数の配置位置データを有することができる。配置位置データは、地図位置ML、およびズームレベルZ1、…Zqに基づいており、また地図位置MLに基づいてコンテンツ項目に対する配置位置を規定することができ、したがって、地図が、あるズームレベルでコンテンツ項目と共に提示されたとき、コンテンツ項目は、そのズームレベルで地図に提示されたどの地図特徴項目とも交差することはない。
【0048】
例えば、位置MLは、図2Aおよび2Bの地図空間202および230で示された地図位置210に対応することができる。ズームレベルZ1および対応する位置L11およびL12により索引付けられたレコードは、図2Aの地図空間202でグラフィカルに示された位置206aおよび206bに対応することができる。同様に、ズームレベルZ2および対応する位置L21により索引付けられたレコードは、図2Bの地図空間230でグラフィカルに示された位置206cに対応することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、広告は、指定された地図位置ML、例えば、地図位置210を有することができる。広告は、関連する配置位置データおよびズームレベルに基づいた地図位置で、または地図位置に対して表示することができる。
【0050】
他の実施形態では、配置位置データを、コンテンツ項目と事前に関連付ける必要はない。例えば、配置位置データは、例えば、32画素×32画素の特定サイズの任意のコンテンツ項目に対して使用することができ、配置位置データは、多くの異なる位置ML、例えば、既存の住所、緯度および経度の座標などに対して事前に決定することができる。配置位置データは、各位置の周囲の領域、例えば、9個の隣接する都市ブロック、500フィートの半径などに対して導出することができる。この特定の実施形態は、競売にかけられた広告が、地図空間上に表示される特徴項目と重ならないように、複数のズームレベルにおいて、競売にかけられた広告の配置を容易にする。
【0051】
[3.3地図配置モジュール]
地図配置モジュール302は、地図空間上にコンテンツ項目を配置すること、および配置位置データを決定することを担当する。
【0052】
[3.3.1コンテンツ項目の配置]
地図配置モジュール302は、コンテンツ項目を地図空間上に配置すべきであるという通知を受け取り、コンテンツ項目の配置に関連する地図位置およびズームレベルを特定することができる。その企業のための企業広告と関連付けられた企業住所など、地図位置は、コンテンツ項目と事前に関連付けることができる、あるいは、例えば、競売の結果のコンテンツ項目に割り当てることもできる。いずれの場合においても、地図配置モジュール302は、地図空間が表示されるズームレベルにおける対応する配置位置を求めて、配置位置データ格納装置306に照会する。
【0053】
例えば、広告が図1の広告サーバ104に提出されたとき、広告サーバ104は、広告に対する地図位置210を特定する情報を、地図配置モジュール302に提供することができる。地図配置モジュール302は、その地図位置を用いて、特徴項目データが必要な地図の地理的領域を特定することができる。次に、地図配置モジュール302は、地図が表示されるズームレベルにより索引付けられた、配置位置データ格納装置306から地理的領域に対する配置位置データを取得することができる。したがって、ズームレベルZ1における地図位置210に対して、位置データL11およびL12が取得されることになる。広告は、このようにして、これらの位置のいずれかに配置することができる。同様に、ズームレベルZ2における地図位置210に対して、位置データL21が取得されることになり、したがって、広告はその位置に配置されることになる。
【0054】
[3.3.2配置位置データの生成]
いくつかの実施形態では、地図配置モジュール302は、例えば、コンテンツ項目の働きに応じてなど、必要に応じて配置位置データを生成することができる。他の実施形態では、地図配置モジュール302は、どのコンテンツ項目要求であってもその前に配置位置データを生成することができる。これらの実施形態は共に、組み合わせることもできる。配置位置データが生成された後、それは、配置位置データ格納装置306に格納することができる。
【0055】
一実施形態では、地図配置モジュール302は、特徴項目データ、位置もしくは領域、およびズームレベルに基づいて、各ズームレベルにおけるコンテンツ項目に対する配置位置を特定することができる。地図配置モジュール302は、例えば、特定のズームレベルおよび地図位置に関連付けられた特徴項目データのサブセットを選択し、どの特徴項目203が、地図位置210の近傍にあるかを、地図位置(例えば、位置210)と特徴項目位置データ(例えば、L11、L12、…L1m)とを比較することにより決定することができる。地図位置から最大距離内にある特徴項目を特定して、評価することができる。特定された位置からの最大距離は、例えば、特定された位置から指定された画素数(例えば、あるズームレベルで特定された位置の50画素以内など)、領域(例えば、いくつかの都市ブロック)、半径方向の距離(例えば、500フィートの地図半径)、または地図空間中で表現することのできる何らかの他の距離とすることができる。
【0056】
地図配置モジュール302は、次いで、位置と、コンテンツ項目がその位置に表示された場合コンテンツ項目により占められることになる面積とを、特徴項目の位置、および選択された特徴項目の境界領域の面積に対して比較することができる。いくつかの実施形態では、地図配置モジュール302は、まず、広告を、その広告に関連付けられた地図位置210に配置できるかどうかを判定することができる。例えば、一実施形態では、地図配置モジュール302は、広告を地図位置210に配置した場合に、広告を提示するために必要な画素のいずれかが、選択された特徴項目を提示するのに必要な画素と重なることになるかどうかを判定することができる。
【0057】
広告のために必要な画素と、境界を示すデータにより規定される特徴項目のいずれかとの間で重なりが存在する(例えば、部分的に、実質的に、または完全に)場合、地図配置モジュール302は、このような重複を生ずることなく広告を提示できる、地図位置の近傍の配置位置を探索することができる。いくつかの実施形態では、探索は、地図位置210に最も近い位置で開始することができ、配置位置が特定されるまで、または最大調整限度に達するまで、地図位置から外方向に順次拡大することができる。最大調整限度は、領域の境界、都市ブロックの限界、距離などとすることができる。いくつかの実施形態では、ある領域に対するすべての可能な位置が評価され、配置位置として特定された各位置は、配置位置データ格納装置306に格納される。
【0058】
他の実施形態では、地図配置モジュール302は、コンテンツ項目の境界を、例えば、コンテンツ項目の高さおよび幅寸法を規定するコンテンツ項目領域を特定することができる。ある位置の周囲の領域中の特徴項目の境界領域は、その位置におけるコンテンツ項目と比較することができ、境界領域およびコンテンツ項目の領域がすべて交差しない場合、その位置は、配置位置として、配置位置データ格納装置306に格納することができる。反対に、その位置の周囲の領域中の特徴項目の境界領域のいずれかが交差する場合、その位置を調整することができ、プロセスを、配置位置が特定されるまで、または最大調整限度に達するまで繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、ある領域に対するすべての可能な位置が評価され、配置位置として特定された各位置は、配置位置データ格納装置306に格納される。
【0059】
[4.0例示的なプロセスの流れ]
図4は、コンテンツ項目を地図上に配置する例示的なプロセス400の流れ図である。プロセス400は、例えば、図1の地図サーバ112および/または図3の地図配置モジュール302で使用することができる。
【0060】
段階402は、地図上の地図位置を特定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、地図上の地図位置を特定することができる。その位置は、広告などのコンテンツ項目と関連付けることができる。
【0061】
段階404は、地図が提示されるズームレベルを特定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、地図が表示されるズームレベルを特定することができる。ズームレベルは、クライアントデバイスからの地図要求に応じて特定することができる。
【0062】
段階406は、地図位置およびズームレベルに基づいて配置位置データを要求する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、入力として、地図位置およびズームレベルを用いて、配置位置データ格納装置306に照会することができる。
【0063】
段階408は、配置位置データが、段階406の要求に応じて受け取られたかどうかを判定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、1つまたは複数の配置位置、例えば、L11、L12などが、配置位置データ格納装置306から受け取られたかどうかを判定することができる。
【0064】
配置位置データが受け取られた場合、段階410は、配置位置データおよびコンテンツ項目をクライアントデバイスに提供する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、配置位置データおよびコンテンツ項目を提示データとしてクライアントデバイスに提供することができ、したがって、地図がそのズームレベルで提示されたとき、コンテンツ項目がその配置位置で表示され、かつ地図特徴と重なることはない。
【0065】
反対に、配置位置データが受け取られなかった場合、段階412は、地図位置およびズームレベルに基づいて地図特徴項目を特定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、特徴項目データ格納装置304に照会して、例えば、ズームレベルZ1に対するPolyデータP1、…Pm、位置データL11、…L1mなどの特徴項目データを特定することができる。
【0066】
段階414は、地図位置を含む地図領域に対する配置位置データを生成する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、特徴項目位置における境界領域と、地図位置におけるコンテンツ項目領域とを比較し、境界領域とコンテンツ項目領域が交差するかどうかを判定することができる。境界領域とコンテンツ項目領域が交差しない場合、地図位置は、配置位置として、配置位置データ格納装置に格納することができる。反対に、領域が交差する場合、地図位置を反復して調整することができ、各繰り返された調整の後、特徴項目位置における境界領域は、領域が交差しなくなるまで、または最大の調整限度に達するまで、地図位置におけるコンテンツ項目領域と比較することができる。
【0067】
プロセスは、次いで、段階410に進み、そこで、配置位置データおよびコンテンツ項目をクライアントデバイスに提供する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、段階414で生成された配置位置とコンテンツ項目をクライアントデバイスに提供することができ、したがって、地図がそのズームレベルで提示されたとき、コンテンツ項目は、その配置位置で表示され、地図特徴と交差しない。
【0068】
図5は、地図上の配置位置を特定する例示的なプロセス500の流れ図である。プロセス500は、例えば、図1の地図サーバ112および/または図3の地図配置モジュール302で使用することができる。プロセス500は、例えば、図4の段階414を実施するために使用することができる。
【0069】
段階502は、コンテンツ項目の境界を規定するコンテンツ項目領域を特定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、創作されたロゴまたは企業ロゴを表示する表示要素、例えば表示ボックスなど、広告の境界を規定するコンテンツ項目領域を特定することができる。
【0070】
段階504は、地図特徴項目の境界を規定する境界領域を特定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、あるズームレベルに対する特徴項目位置データL11、…L1mおよびPolyデータP1、…Pmを特定するために特徴項目データ格納装置304に照会することができる。
【0071】
段階506は、コンテンツ項目領域を配置すべき候補位置を特定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、候補位置として、企業体の位置、例えば、住所、または調整された位置など近傍の位置を特定することができる。
【0072】
段階508は、境界領域が、コンテンツ項目領域のどれかと交差するかどうかを判定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、位置L11、L12、…L1mにそれぞれが中心を置く境界領域P1、P2、…Pmを、地図上の候補位置におけるコンテンツ項目領域と比較することができる。その比較に基づいて、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、コンテンツ項目領域と、その各位置に中心を置く境界領域とにより規定されるいずれかの面積が交差しないかどうかを判定することができる。
【0073】
境界領域およびコンテンツ項目のいずれも交差しない場合、段階510は、地図上の候補位置を配置位置として格納する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、地図上の位置を特定する座標、または他のデータを配置データ格納装置に格納することができ、その位置をズームレベルによって索引付けることができる。
【0074】
段階510の後、または段階508が、境界領域とコンテンツ項目が交差すると判定した場合、段階512は、コンテンツ項目の候補位置を調整すべきかどうかを判定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、地図上の位置を反復して調整し、かつ段階508を反復することにより、すべての利用可能な配置位置を特定するように、地図領域の複数の位置を調べることができる。
【0075】
段階512が、コンテンツ項目の地図位置を調整すべきであると判定した場合、段階514は位置を調整し、プロセスは段階502に戻り、次いで、調整された位置データを用いて、すべての後続する段階が繰り返される。反対に、段階512が、コンテンツ項目の地図位置を調整すべきではないと判定した場合、プロセス500は段階514で終了する。
【0076】
いくつかの実施形態では、プロセス500を異なるズームレベルで繰り返すことができる。例えば、プロセス500は、前処理ルーチン中に、配置位置データレコードのデータベースを構築するように実施することができる。このような実施形態では、段階512は段階516へと進むことができ、そこで、さらなるズームレベルを処理すべきかどうかを判定する。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、地図上の位置に対する複数のズームレベルを処理するように構成することができる。処理すべき残りのズームレベルがある場合、ズームレベルは調整されるが、それがない場合は、プロセス500は段階514で終了する。
【0077】
段階516が、さらなるズームレベルを処理すべきであると判定した場合、段階518は、ズームレベルを調整し、地図上の位置を元の値へとリセットする。例えば、地図サーバ112および/または地図配置モジュール302は、ズームレベルを第2のズームレベル、例えば、Z2に調整し、かつ地図上の位置を元の値、例えば、位置210にリセットすることができる。プロセス500は、次いで、段階502に戻る。
【0078】
図6は、オンライン地図上でコンテンツを配置することを容易にするために使用できる例示的なコンピュータシステム600のブロック図である。システム600は、プロセッサ610、メモリ620、ストレージデバイス630、および入力/出力デバイス640を含む。コンポーネント610、620、630、および640のそれぞれは、例えば、システムバス650を用いて相互に接続することができる。プロセッサ610は、システム600内で実行するための命令を処理することができる。一実施形態では、プロセッサ610は、単一スレッドのプロセッサである。他の実施形態では、プロセッサ610は、多重スレッドのプロセッサである。プロセッサ610は、メモリ620に記憶された、またはストレージデバイス630に格納された命令を処理することができる。
【0079】
メモリ620は、システム600内に情報を格納する。一実施形態では、メモリ620は、コンピュータ可読媒体である。一実施形態では、メモリ620は、揮発性のメモリユニットである。他の実施形態では、メモリ620は、不揮発性のメモリユニットである。
【0080】
ストレージデバイス630は、システム600に対する大容量のストレージを提供することができる。一実施形態では、ストレージデバイス630は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実施形態では、ストレージデバイス630は、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置、または何らかの他の大容量格納装置を含むことができる。
【0081】
入力/出力デバイス640は、システム600に対する入力/出力オペレーションを提供する。一実施形態では、入力/出力デバイス640は、イーサネット(登録商標)カードなどのネットワークインターフェース装置、RS-232ポートなどのシリアル通信装置、および/または802.11カードなどの無線インターフェース装置のうちの1つまたは複数のものを含むことができる。他の実施形態では、入力/出力デバイスは、入力データを受け取り、かつ出力データを、例えば、キーボード、プリンタ、および表示装置などの他の入力/出力デバイス660に送るように構成されたドライバ装置を含むことができる。しかし、移動コンピューティング装置、移動通信装置、セットトップボックスのテレビジョンクライアントデバイスなどの、他の実施形態もまた、使用することができる。
【0082】
地図配置モジュール302は、実行されると、上記で述べたプロセスおよび機能を1つまたは複数の処理装置に実施させる命令により実現することができる。このような命令は、例えば、JavaScript(登録商標)もしくはECMAScript命令などのスクリプト命令など、解釈される命令、または実行可能なコード、またはコンピュータ可読媒体に格納された他の命令を含むことができる。地図配置モジュール302は、サーバファームなどのネットワークを介して分散させて実装することができるが、あるいは単一のコンピュータ装置中に実装することもできる。
【0083】
例示的な処理システムが、図6で述べられてきたが、本明細書で述べられた主題および機能的なオペレーションの実施形態は、他のタイプのデジタル電子回路で、または本明細書で開示された構造、およびその構造的に均等な形態を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで、あるいはそれらの1つまたは複数の組合せで実施することができる。本明細書で述べられた主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品として、すなわち、処理システムにより実行するための、または処理システムのオペレーションを制御するための、有形のプログラム担持体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施することができる。コンピュータ可読媒体は、マシン可読のストレージデバイス、マシン可読のストレージ基板、メモリデバイス、マシン可読の伝播信号を生ずる組成物、あるいはそれらの1つまたは複数の組合せとすることができる。
【0084】
用語「処理システム」は、例として、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、およびマシンを包含する。ハードウェアに加えて、処理システムは、問題のコンピュータプログラムに対する実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサのファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つまたは複数の組合せを構成するコードを含むことができる。
【0085】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られている)は、コンパイルされる、または解釈される言語、または宣言形もしくは手続き形言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、またそれは、スタンドアロンのプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境で使用するのに適した他のユニットとしてなどを含む任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム中のファイルに対応する必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部に(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つまたは複数のスクリプトなど)、問題のプログラムに専用の単一のファイルに、または複数の協調するファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに位置する、または複数のサイトにわたり分散されかつ通信ネットワークで相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0086】
コンピュータプログラム命令およびデータを格納するために適切なコンピュータ可読媒体は、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部のハードディスクもしくは取外し可能なディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD ROMおよびDVD ROMディスクを含む、不揮発性のメモリ、媒体、および格納装置のすべての形態を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路により補足する、またはそれに組み込むことができる。
【0087】
本明細書で述べられた主題の実施形態は、例えば、データサーバとしてバックエンドコンポーネントを含む、または例えば、アプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含む、または例えば、ユーザが、本明細書で述べた主題の実施形態とそれを介して対話できるグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含む、あるいは1つまたは複数のこのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含むコンピューティングシステムで実施することができる。システムのコンポーネントは、例えば、通信ネットワークなどのデジタルデータ通信の任意の形態もしくは媒体により相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットを含む。
【0088】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して、互いに遠隔にあり、通常、通信ネットワークを介して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、各コンピュータで動作し、かつ互いにクライアントとサーバの関係を有するコンピュータプログラムにより生ずる。
【0089】
本明細書は、多くの特有の実施形態の細部を含むが、これらは、いずれの発明の範囲に対して、または特許請求されうるものの範囲に対して限定するものと解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実施形態に対して特有のものでありうる特徴の記述として解釈すべきである。別個の実施形態に即して本明細書で述べられたいくつかの特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。反対に、単一の実施形態に即して述べられた様々な特徴はまた、複数の実施形態で別個にまたは任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、諸機能は、いくつかの組合せで作用するものとして上記で述べられており、さらにそのように特許請求されるかもしれないが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴が、いくつかの場合では、その組合せから削除され、特許請求される組合せは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形形態を対象とすることができる。
【0090】
同様に、オペレーションは、図面で特定の順序により示されているが、これは、このようなオペレーションが示された特定の順序で、または連続する順序で実施されること、または所望の結果を達成するために、すべての例示されたオペレーションが実施されることを必要とするように理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利でありうる。さらに、上記で述べた実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離を、すべての実施形態でこのような分離が必要であると理解すべきではなく、また述べられたプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品中に共に統合される、または複数のソフトウェア製品中にパッケージ化されうるものと理解すべきである。
【0091】
本記述は、本発明の最良の態様を記載しており、また本発明を記述し、かつ当業者が本発明を作成し使用することを可能にするために諸例を提供している。この記述は、本発明を、記載された正確な用語に限定するものではない。したがって、本発明は、上記で記載した諸例を参照して詳細に述べてきたが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく諸例に対して改変、修正、および変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
100 地図環境
102 広告者
103 広告
104 広告サーバ
105 ネットワーク
106 広告格納装置
108 パブリッシャ
109 地図
110 ユーザデバイス
112 地図サーバ
114 地図格納装置
200 地図
202 地図空間
203 地図特徴項目
203a テキスト項目
203b グラフィック項目
204 表示領域
205 領域
206 配置位置
206a 配置位置
206b 配置位置
206c 配置位置
210 地図位置
220 ズームバー
222 ズームコントロール
230 地図空間
300 配置位置システム
302 地図配置モジュール
304 特徴項目データ格納装置
305 特徴項目データ構造
306 配置位置データ格納装置
307 コンテンツ配置データ構造
600 コンピュータシステム
610 プロセッサ
620 メモリ
630 ストレージデバイス
640 入力/出力デバイス
650 システムバス
660 入力/出力デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで実施される方法であって、
地図位置を特定する段階と、
地図特徴に関連付けられた特徴位置を、前記地図位置およびズームレベルに基づいて特定する段階と、
前記地図が、前記ズームレベルで、コンテンツ項目と共に提示されたとき、前記コンテンツ項目が前記地図特徴と交差しないように、前記地図位置に対して前記コンテンツ項目を配置するための配置位置を決定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記配置位置を決定する段階が、
前記特徴位置で、前記地図特徴の境界を規定する境界領域を特定する段階と、
前記コンテンツ項目に対する候補位置を特定する段階と、
前記コンテンツ項目が前記候補位置に配置されたとき、前記コンテンツ項目の境界を規定するコンテンツ項目領域を特定する段階と、
前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差するかどうかを判定する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差しないと判定された場合、前記配置位置を前記候補位置に設定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差すると判定された場合、前記候補位置を反復して調整する段階と、
それぞれの反復調整に対して、前記調整された候補位置が最大調整限度を超えるかどうかを判定する段階と、
前記調整された候補位置が、前記最大調整限度を超えていない場合には、
前記コンテンツ項目が、前記調整された候補位置に配置されたとき、前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差するかどうかを判定する段階と、
前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差しないと判定された場合、前記配置位置を前記調整された候補位置に設定する段階と、
前記調整された候補位置が、前記最大調整限度を超える場合には、
前記地図と共に、前記ズームレベルで前記コンテンツ項目の提示を行わないようにする段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記候補位置を特定する段階が、前記地図上で前記地図位置を特定する段階を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記地図位置を特定する段階が、前記地図位置に近接する前記地図上の位置を特定する段階を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
提示データをクライアントデバイスに提供する段階をさらに含み、前記提示データが、前記地図が前記ズームレベルで提示されたとき、前記コンテンツ項目を前記クライアントデバイスに前記地図上の前記配置位置に提示させる、前記配置位置および前記コンテンツ項目を規定するデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンテンツ項目が広告であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータで実施される方法であって、
コンテンツ項目に関連付けられた、地図上の地図位置を特定する段階と、
前記地図が提示されるズームレベルを特定する段階と、
前記地図位置および前記ズームレベルに基づいて配置位置データを要求する段階と、
配置位置データが、前記要求に応じて受け取られたかどうかを判定する段階と、
配置位置データが、前記要求に応じて受け取られた場合、クライアントデバイスが、前記地図が前記ズームレベルで提示されたとき、前記コンテンツ項目を、前記地図上の前記配置位置に提示できるように、前記配置位置データおよび前記コンテンツ項目を前記クライアントデバイスに提供する段階と、
を含み、
前記配置位置データは、前記地図が前記コンテンツ項目と共に前記ズームレベルで提示されたとき、前記コンテンツ項目が前記ズームレベルで前記地図上に提示されたどの地図特徴とも交差しないように、前記地図位置に対して前記コンテンツ項目に対する前記配置位置を規定することを特徴とする方法。
【請求項10】
配置位置データが、前記要求に応じて受け取られていない場合、
前記地図位置および前記ズームレベルに基づいて地図特徴項目を特定する段階であって、各特徴項目が、前記ズームレベルにおける特徴項目位置に対して対応する特徴項目面積を規定する段階と、
前記地図位置を含む地図領域に対する前記配置位置データを生成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記地図領域が地図タイルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記要求に応じて配置位置データが受け取られていないと判定したとき、
地図特徴項目の境界を規定する境界領域を特定する段階と、
前記コンテンツ項目が前記地図位置に配置されたとき、前記コンテンツ項目の境界を規定するコンテンツ項目領域を特定する段階と、
前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差するかどうかを判定する段階と、
前記境界領域と前記コンテンツ項目領域とが交差しないと判定された場合、前記地図位置を配置位置として格納する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記コンテンツ項目が広告であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記地図特徴項目が地図ラベルであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記地図特徴項目が地理的な特徴の説明図であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
地図領域、および前記地図が提示されるズームレベルに対して規定される、地図上の配置位置を格納する配置位置データ格納装置と、
コンピュータ可読媒体に格納され、処理システムにより実行可能な命令を含むソフトウェアであって、このような実行が行われたとき、
コンテンツ項目と関連付けられ、かつ前記地図領域内の位置を規定する地図上の地図位置を特定する段階と、
前記地図が提示されるズームレベルを特定する段階と、
前記地図が前記コンテンツ項目と共に前記ズームレベルで提示されたとき、前記コンテンツ項目が前記ズームレベルで前記地図上に提示されたどの地図特徴とも交差しないように前記コンテンツ項目に対する配置位置を規定するのに使用するために、前記地図位置および前記ズームレベルに基づいて配置位置データを要求する段階と、
配置位置データが、前記要求に応じて受け取られたかどうかを判定する段階と、
配置位置データが、前記要求に応じて受け取られた場合、クライアントデバイスが、前記地図が前記ズームレベルで提示されたとき、前記コンテンツ項目を、前記地図上の前記配置位置に提示できるように、前記配置位置データおよび前記コンテンツ項目を前記クライアントデバイスに提供する段階と、
を含むオペレーションを前記処理システムに実行させる、ソフトウェアと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記ソフトウェアが、
配置位置データが、前記要求に応じて受け取られていないと判定したとき、
前記地図位置および前記ズームレベルに基づいて地図特徴を特定する段階と、
前記地図位置を含む地図領域に対する前記配置位置データを生成する段階と、
前記配置位置を、前記配置位置データ格納装置に格納する段階と、
を含み、
各地図特徴が、前記ズームレベルにおける地図特徴位置に対して対応する地図特徴面積を規定することを特徴とする請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−518384(P2011−518384A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505161(P2011−505161)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/040637
【国際公開番号】WO2009/129294
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(507103802)グーグル・インコーポレーテッド (191)
【Fターム(参考)】