説明

コンデンサマイクロホン

【課題】実装方法に融通が利き、且つ、実装及び取り外しの利便性が高いコンデンサマイクロホンを提供する。
【解決手段】振動膜電極及び固定電極を有し、振動膜電極又は固定電極にエレクトレット膜が設けられたコンデンサ部と、その静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部と、コンデンサ部と変換回路部とを電気的に導通させる導通部とを備えるコンデンサマイクロホンMであって、筐体1は、その天面1aを構成する第1板状部材と、底面1bを構成する第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材との間に介在する中間部材とを組み合わせて形成され、筐体1の外表面のうちの天面1aと側面1cと底面1bとに渡って形成されると共に、変換回路部と導通するように形成されている導電性の表面端子部材Sを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天面に音孔を有する筐体の内部に、振動膜電極及び固定電極を有し、当該振動膜電極又は当該固定電極にエレクトレット膜が設けられたコンデンサ部と、前記コンデンサ部の静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部と、前記コンデンサ部と前記変換回路部とを電気的に導通させる導通部と、を備えるコンデンサマイクロホンに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯型機器に上記のようなコンデンサマイクロホンを搭載するとき、一般的には、携帯型機器内部に設けられた回路基板上にコンデンサマイクロホンが半田などを用いて実装される。具体的には、コンデンサマイクロホンの筐体表面に露出した表面端子部材と、回路基板上の電極パターンとが半田によって接合される。
携帯型機器の小型化が進むにつれて、携帯型機器の内部における回路基板の形状や配置には様々な制約が生じてくるため、回路基板に対するコンデンサマイクロホンの実装方法も融通の利くものである必要がある。
【0003】
特許文献1に記載のコンデンサマイクロホンは、天面に音孔を有する筐体の内部に、振動膜電極及び固定電極を有し、当該振動膜電極又は当該固定電極にエレクトレット膜が設けられたコンデンサ部と、前記コンデンサ部の静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部と、前記コンデンサ部と前記変換回路部とを電気的に導通させる導通部と、を備えるものである。更に、天面の一部分と底面の一部分とを導通させ、且つ、変換回路部と導通する端子部材が、筐体の内部を貫通するように形成されている。その結果、特許文献1のコンデンサマイクロホンは、筐体の天面を回路基板に対して接合でき、且つ、筐体の底面を回路基板に対して接合できるというように、実装方法に融通の利く形態となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−81614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコンデンサマイクロホンは、筐体の天面又は底面が半田などによって回路基板と接合されるため、接合後は半田が筐体に隠れてしまう。つまり、接合後は半田を目視できないため、半田による接合が良好に行われているか否かを確認できないという問題が生じる。また、半田が筐体と回路基板との間にあるため、半田を再び溶かしてコンデンサマイクロホンを回路基板から取り外す必要が生じた場合、半田を加熱することが困難になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、実装方法に融通が利き、且つ、実装及び取り外しの利便性が高いコンデンサマイクロホンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係るコンデンサマイクロホンの特徴構成は、天面に音孔を有する筐体の内部に、振動膜電極及び固定電極を有し、当該振動膜電極又は当該固定電極にエレクトレット膜が設けられたコンデンサ部と、前記コンデンサ部の静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部と、前記コンデンサ部と前記変換回路部とを電気的に導通させる導通部と、を備えるコンデンサマイクロホンであって、
前記筐体は、前記天面を構成する第1板状部材と、前記底面を構成する第2板状部材と、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に介在する中間部材とを組み合わせて形成され、
前記筐体の外表面のうちの前記天面と側面と前記底面とに渡って形成されるとともに、前記変換回路部と導通するように形成されている導電性の表面端子部材を備える点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、半田を用いて筐体を回路基板に接合するとき、半田が、筐体と回路基板との間だけではなく、筐体の側面に比較的多く形成されるような接合形態を採ることができる。よって、半田接合後、目視による半田取り付け状態の確認が容易になる。また、半田の取り付け状態が不適当であった場合などには、半田ごてを用いて半田を再び溶かすことが容易となる。
更に、筐体の側面にも表面端子部材が形成されているので、筐体の側面が回路基板に相対するような位置関係でも、筐体を回路基板上に実装できる。
従って、実装方法に融通が利き、且つ、実装及び取り外しの利便性が高いコンデンサマイクロホンを提供できる。
【0009】
本発明に係るコンデンサマイクロホンの別の特徴構成は、前記天面の前記音孔の周囲には回路基板との接合用の部材が形成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、回路基板に貫通孔を設け、その貫通孔と筐体の音孔とを位置合わせをした状態で上記接合用の部材を半田や他の接着剤などを用いて筐体の回路基板に接合して、コンデンサマイクロホンの筐体の天面を回路基板へ接合できる。つまり、上記接合用の部材と回路基板との接合により、筐体の音孔の周囲と回路基板との間には隙間が発生しないようにできる。よって、筐体の音孔の周囲と回路基板との界面から音が回り込んで音孔に侵入することを防止して、回路基板に設けられた貫通孔を通過した音のみが音孔から筐体の内部に侵入するようにできる。
【0011】
本発明に係るコンデンサマイクロホンの別の特徴構成は、互いに接合される前記第1板状部材、前記中間部材及び前記第2板状部材の夫々の界面には導電部が形成されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、第1板状部材、中間部材及び第2板状部材の互いの導通を確実に行うことができる。
【0013】
本発明に係るコンデンサマイクロホンの別の特徴構成は、前記第1板状部材、前記中間部材及び前記第2板状部材は導電性の接着剤によって互いに接合されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、第1板状部材、中間部材及び第2板状部材の夫々の間の接合を、互いの電気的な導通が確実に行われた状態で強固に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を参照して本発明に係るコンデンサマイクロホンMについて説明する。
図1は、コンデンサマイクロホンMの斜視図であり、図2は、図1の線分II−IIにおける断面図(即ち、コンデンサマイクロホンMの短軸における断面図)である。また、図3は、コンデンサマイクロホンMを筐体1の天面1a側から見た分解斜視図であり、図4は、コンデンサマイクロホンMを筐体1の底面1b側から見た分解斜視図である。図1〜図4に示すように、本発明に係るコンデンサマイクロホンMは、天面1aに音孔15を有する筐体1の内部に、振動膜電極14及び固定電極23を有し、当該振動膜電極14又は当該固定電極23にエレクトレット膜24が設けられたコンデンサ部Cと、コンデンサ部Cの静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部45と、コンデンサ部Cと変換回路部45とを電気的に導通させる導通部と、を備える。具体的には、コンデンサマイクロホンMにおいて、直方体形状の筐体1は、筐体1の天面1aを構成する矩形の第1板状部材としての第1層10、矩形の中間部材としての第2層20、矩形の中間部材としての第3層30、及び、筐体1の底面1bを構成する矩形の第2板状部材としての第4層40からなる。
【0016】
第1層10は、コンデンサマイクロホンMの音孔15と振動膜電極14とを有している。具体的には、絶縁性の第1基材11の天面1a側には、第1導電部12a、18aと第1絶縁部13とが順次形成される。但し、第1導電部12aと第1導電部18aとは分離され、互いに電気的に絶縁されている。また、第1基材11の底面1b側に第1導電部12bと振動膜電極14とが順次積層形成され、及び、第1導電部18bが形成されて構成される。但し、第1導電部12bと振動膜電極14とは電気的に導通しているが、第1導電部12bと第1導電部18bとは分離され、互いに電気的に絶縁されている。
【0017】
第1基材11には、円形の音孔15が形成される。天面1a側の音孔15の周囲には、第1基材11の表面が円環状に露出したまま残されている。後述するように、第1導電部12aはグランド端子部材G及び表面端子部材Sを構成し、第1導電部18aはこのコンデンサマイクロホンMの出力端子部材O及び表面端子部材Sを構成する。音孔15の周囲には、上述した第1基材11の表面が露出した部分の外側を取り囲むように円環状の露出部17が形成されている。
【0018】
第1絶縁部13は、上述した露出部17の周囲を取り囲み、且つ、第1導電部12a及び第1導電部18aを部分的に覆うように形成される。また、第1絶縁部13は、音孔15を中心とする十字形状に形成されるので、筐体1の天面1aの四隅において、第1導電部12aが3ヶ所で露出し、第1導電部18aが1ヶ所で露出した形態となる。
【0019】
第1基材11の底面1b側に形成される第1導電部12bは、グランド端子部材Gを構成し、第1基材11と接するのとは反対側の方向に盛り上がった凸部12cを有する。凸部12cの先端側の平坦部分は矩形であり、そこに同じ矩形の振動膜電極14が接合される。この凸部12cは、第1基材11と接する部分において音孔15と同じ径の円形の孔を有し、その孔を通って筐体1の外部から音が筐体1の内部に侵入することを許容している。また凸部12cは、上述した孔よりも底面1b側で、その孔よりも大きな内径の円柱状の空間を残して開口する。上記振動膜電極14は、その開口を覆うように導電性の接着剤などを用いて接合される。つまり、振動膜電極14は、凸部12cに形成された円柱状の空間内で振動できる。
【0020】
第2層20は、絶縁性の第2基材21の中央部に、固定電極23とエレクトレット膜24とが、上記凸部12cと対向する形状で順次形成されている。また、第2基材21の天面1a側の周辺部位には、第1導電部12bと接する第2導電部22aが形成され、第1導電部18bと接する第2導電部28aが形成されている。本実施形態では、第1導電部12bと第2導電部22aとの間、及び、第1導電部18bと第2導電部28aとの間は、導電性の接着剤で接合されている。よって、第1層10の振動膜電極14と、第2層20の固定電極23及びエレクトレット膜24とで、本発明のコンデンサマイクロホンMのコンデンサ部Cが形成される。これら第1導電部12b、18b及び第2導電部22a、28aの厚み及び上記導電性の接着剤の厚みによって、振動膜電極14とエレクトレット膜24との間隔が調節されている。
【0021】
第2基材21の底面1b側の上記凸部12cの周囲を取り囲むように第2導電部22bが形成され、及び、その第2導電部22bから離れた位置に、第2導電部22bとは電気的に絶縁された第2導電部28bが形成されている。後述するように、第2導電部22a、22bはグランド端子部材Gを構成し、第2導電部28a、28bは出力端子部材Oを構成する。
【0022】
第3層30は、絶縁性の第3基材31を有し、その第3基材31の天面1a側には、第2導電部22bと同形状で互いに接する第3導電部32aが形成され、及び、第2導電部28bと同形状で互いに接する第3導電部37aが形成される。第2導電部22bと第3導電部32aとの間、及び、第2導電部28bと第3導電部37aとの間は、導電性の接着剤で接合されている。また、第3基材31の底面1b側には第3導電部32bが形成され、その第3導電部32bから離れた位置に、第3導電部32bと電気的に絶縁された第3導電部37bが形成されている。
後述するように、第3導電部32a、32bはグランド端子部材Gを構成し、第3導電部37a、37bは出力端子部材Oを構成する。また、この第3層30の第3導電部32a、32bは、コンデンサ部Cと変換回路部45とを電気的に導通させる導通部として機能する。
【0023】
第4層40は、絶縁性の第4基材41を有し、その第4基材41の天面1a側には、第3導電部32bと同形状で互いに接する第4導電部42aが形成され、及び、第3導電部37bと同形状で互いに接する第4導電部47aが形成される。第3導電部32bと第4導電部42aとの間、及び、第3導電部37bと第4導電部47aとの間は、導電性の接着剤で接合されている。第4導電部42aは、コンデンサ部Cの静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部45の回路パターンと導通し、この回路パターンには変換回路部45の一部を構成するFET44などの各種素子が実装される。
【0024】
第4基材41の底面1b側には、第4導電部42b、47bと第4絶縁部43とが順次形成される。但し、第4導電部42bと第4導電部47bとは分離され、互いに電気的に絶縁されている。また、第4絶縁部43は十字形状に形成される。よって、筐体1の底面1bの四隅は、第4導電部42bが3ヶ所で露出し、第4導電部47aが1ヶ所で露出した形態となる。
【0025】
図1、図3及び図4に示すように、筐体1の長軸方向と直交する端面を形成する第1層10、第2層20、第3層30及び第4層40の側面1cには、互いに電気的に導通するグランド端子部材Gを構成する導電性の側面端子16、26、36、46が形成され、互いに電気的に導通する出力端子部材Oを構成する側面端子19、29、39、49が形成されている。よって、第1導電部12a、側面端子16、第1導電部12b、第2導電部22a、側面端子26、第2導電部22b、第3導電部32a、側面端子36、第3導電部32b、第4導電部42a、側面端子46、第4導電部42bは、互いに電気的に導通する。そして、筐体1の表面に現れている第1導電部12a、側面端子16、26、36、46、及び、第4導電部42bは、それら全体として筐体1の天面1aと側面1cと底面1bとに渡って形成される表面端子部材S(グランド端子部材G)を構成する。また、第1導電部18a、側面端子19、第1導電部18b、第2導電部28a、側面端子29、第2導電部28b、第3導電部37a、側面端子39、第2導電部37b、第4導電部47a、側面端子49、第4導電部47bは、互いに電気的に導通する。そして、筐体1の表面に現れている第1導電部18a、側面端子19、29、39、49、及び、第4導電部47bは、それら全体として筐体1の天面1aと側面1cと底面1bとに渡って形成される表面端子部材S(出力端子部材O)を構成する。グランド端子部材G及び出力端子部材Oは、変換回路部45に夫々接続されている。
【0026】
第2層20の固定電極23に形成されたスルーホール25と第3層30に形成されたスルーホール33とは互いに接触し、第3層30のスルーホール33と第4層40の変換回路部45とは互いに接触する。よって、第2層20の固定電極23は、FET44と電気的に導通する。また、第1層10の振動膜電極14は、上述の表面端子部材Sを介してFET44と電気的に導通する。つまり、コンデンサ部CはFET44に対して電気的に接続されている。従って、音孔15から侵入した音により振動膜電極14が振動し、コンデンサ部Cの静電容量が変化したことはFET44を有する変換回路部45に伝達され、変換回路部45から電気信号に変換されて出力端子部材Oへ出力される。
【0027】
また、第2層20の第2基材21には、複数の貫通孔27が形成されている。第1層10と第2層20との間の空間、及び、第2層20から第4層40の間の空間は、第2層20から第3層30側へ至る複数の貫通孔27によって互いに連通し、それらの空間に存在する空気は、振動膜電極14の振動に応じて流通できるようになっている。よって、複数の貫通孔27を設けたことで、振動膜電極14が振動し易いように、その振動特性が改善される。
【0028】
図5(a)は、コンデンサマイクロホンMの筐体1の底面1bを回路基板50へ接合する例を説明する図である。図示するように、回路基板50に対してコンデンサマイクロホンMが半田52を用いて接合されている。本発明のコンデンサマイクロホンMは、上記表面端子部材Sが筐体1の天面1aと側面1cと底面1bとに渡って形成されるので、半田52が筐体1の側面1cに比較的多く形成されるような接合形態を採ることができる。この表面端子部材Sは、グランド端子部材Gと出力端子部材Oの2種類である。よって、半田接合後、目視による半田取り付け状態の確認が容易になる。更に、半田52と筐体1との接触面積が大きくなるので、コンデンサマイクロホンMを回路基板50に対して強固に接合できる。また、筐体1の天面1a、側面1c及び底面1bに形成されている表面端子部材Sとしてのグランド端子部材Gは、筐体1の内部に対する電磁シールドの役割も果たす。
【0029】
図5(b)は、コンデンサマイクロホンMの筐体1の天面1aを回路基板50へ接合する例を説明する図である。図示するように、回路基板50に貫通孔51を設け、その貫通孔51と筐体1の音孔15との位置合わせをした状態で、コンデンサマイクロホンMの筐体1の天面1aの上記露出部17を、半田を用いて回路基板50へ接合できる。つまり、露出部17が、回路基板50との接合用の部材として機能する。よって、露出部17と回路基板50との接合により、筐体1の音孔15の周囲と回路基板50との間には隙間が発生しないようにできる。そのため、筐体1の音孔15の周囲と回路基板50との界面から音が回り込んで音孔15に侵入することを防止して、回路基板50に設けられた貫通孔51を通過した音のみが音孔15から筐体1の内部に侵入するようにできる。
【0030】
図6(a)は、本発明のコンデンサマイクロホンMを回路基板50へ設置する状態を説明する概略的な断面図であり、図6(b)は、従来のコンデンサマイクロホンを回路基板50へ設置する状態を説明する概略的な断面図である。
図6(a)に示すように、本発明のコンデンサマイクロホンMは、半田52が筐体1の側面1cに比較的多く形成されるような接合形態を採ることができるので、半田52の取り付け状態が不適当であった場合などには、半田ごて60を用いて半田52を再び溶かすことが容易である。
他方で、図6(b)に示すように、従来のコンデンサマイクロホンでは、表面端子部材101は側面1cに設けられておらず、筐体100の底面1b及び天面1aに設けられているだけである。よって、筐体100と回路基板50との接合に寄与する半田52は、外部から目視し難い位置にあるので、半田52の取り付け状態の確認が困難になる。更に、半田52は、筐体100と回路基板50との間の奥まった位置にあるので、半田ごて60が半田52に届き難く、半田52を再び溶かすことが困難となる。
【0031】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、本発明は様々な形態のコンデンサマイクロホンに適用できる。例えば、デジタル出力のコンデンサマイクロホンにも適用できる。図7は、別実施形態のコンデンサマイクロホンMdの斜視図である。このコンデンサマイクロホンMdにおいて、変換回路部(図示せず)に接続される表面端子部材Sは、グランド端子61、電源端子62、出力端子63、クロック端子64、及び、SEL端子65で構成され、それらの何れもが、上記実施形態と同様に、筐体の外表面のうちの天面と側面と底面とに渡って形成される。図7に示したコンデンサマイクロホンMdは、表面端子部材Sの構成、及び、これら表面端子部材Sに接続される変換回路部の構成が上記実施形態で説明したコンデンサマイクロホンMと異なるだけであり、他の構成は同様である。
【0032】
<2>
上記実施形態では、図5に例示したように、コンデンサマイクロホンの天面1a又は底面1bが回路基板50に接合される形態について説明したが、他の形態で回路基板に接合されることもある。図8は、別実施形態のコンデンサマイクロホンの斜視図である。この例では、表面端子部材Sが形成されたコンデンサマイクロホンの側面が回路基板50に対して接合される。
【0033】
<3>
上記実施形態では、各層(各部材)が導電性の接着剤によって接合される例について説明したが、各層(各部材)の界面に形成された導電部の圧着や溶接などによっても接合できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】コンデンサマイクロホンの斜視図
【図2】図1の線分II−IIにおける断面図
【図3】コンデンサマイクロホンの分解斜視図
【図4】コンデンサマイクロホンの分解斜視図
【図5】回路基板へのコンデンサマイクロホンの設置例を説明する図
【図6】(a)は、本発明のコンデンサマイクロホンを回路基板へ設置した状態を説明する概略的な断面図であり、(b)は、従来のコンデンサマイクロホンを回路基板へ設置した状態を説明する概略的な断面図
【図7】別実施形態のコンデンサマイクロホンの斜視図
【図8】別実施形態のコンデンサマイクロホンの斜視図
【符号の説明】
【0035】
1 筐体
1a 天面
1b 底面
1c 側面
10 第1層(第1板状部材)
12a 第1導電部(グランド端子部材 G、表面端子部材 S)
12b 第1導電部(グランド端子部材 G)
14 振動膜電極
15 音孔
16 側面端子(グランド端子部材 G、表面端子部材 S)
17 露出部(接合用の部材)
18a 第1導電部(出力端子部材 O、表面端子部材 S)
18b 第1導電部(出力端子部材 O)
19 側面端子(出力端子部材 O、表面端子部材 S)
20 第2層(中間部材)
22a 第2導電部(グランド端子部材 G)
22b 第2導電部(グランド端子部材 G)
23 固定電極
24 エレクトレット膜
26 側面端子(表面端子部部材 S)
28a 第2導電部(出力端子部材 O)
28b 第2導電部(出力端子部材 O)
29 側面端子(出力端子部材 O、表面端子部材 S)
30 第3層(導通部、中間部材)
32a 第3導電部(グランド端子部材 G)
32b 第3導電部(グランド端子部材 G)
36 側面端子(表面端子部部材 S)
37a 第3導電部(出力端子部材 O)
37b 第3導電部(出力端子部材 O)
39 側面端子(出力端子部材 O、表面端子部材 S)
40 第4層(第2板状部材)
42a 第4導電部(グランド端子部材 G)
42b 第4導電部
44 FET(変換回路部 45)
45 変換回路部
46 側面端子(表面端子部部材 S)
47a 第4導電部(出力端子部材 O)
47b 第4導電部(出力端子部材 O、表面端子部材 S)
49 側面端子(出力端子部材 O、表面端子部材 S)
50 回路基板
C コンデンサ部
M コンデンサマイクロホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面に音孔を有する筐体の内部に、振動膜電極及び固定電極を有し、当該振動膜電極又は当該固定電極にエレクトレット膜が設けられたコンデンサ部と、前記コンデンサ部の静電容量の変化を電気信号に変換して出力する変換回路部と、前記コンデンサ部と前記変換回路部とを電気的に導通させる導通部と、を備えるコンデンサマイクロホンであって、
前記筐体は、前記天面を構成する第1板状部材と、前記底面を構成する第2板状部材と、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に介在する中間部材とを組み合わせて形成され、
前記筐体の外表面のうちの前記天面と側面と前記底面とに渡って形成されるとともに、前記変換回路部と導通するように形成されている導電性の表面端子部材を備えるコンデンサマイクロホン。
【請求項2】
前記天面の前記音孔の周囲には回路基板との接合用の部材が形成されている請求項1記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項3】
互いに接合される前記第1板状部材、前記中間部材及び前記第2板状部材の夫々の界面には導電部が形成されている請求項1又は2記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項4】
前記第1板状部材、前記中間部材及び前記第2板状部材は導電性の接着剤によって互いに接合されている請求項3記載のコンデンサマイクロホン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−5253(P2009−5253A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166410(P2007−166410)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】