説明

コントローラ

【課題】機能インディケータの表示でキーコンフィグ時に所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかを確認することができ、それによってディスプレイ利用などのコストを掛けずに、一のコントローラのみで所望のボタンへの機能割当を実行することができるコントローラを提供する。
【解決手段】コントローラ操作面に配置され、複数の機能のいずれか一以上にそれぞれが対応する複数のボタンと、ボタン機能の変更対象ボタンの指定を前記複数のボタンのいずれか一以上を利用して受付ける指定受付部と、指定されたボタンに対して割当てる機能を自身に備えられた機能インディケータの表示と、前記複数のボタンのいずれか一以上と、を利用して選択する選択部と、選択された機能を他のボタンの割当機能と重複割当可能に割当てる割当部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラのボタン機能割当を任意に変更する、いわゆる「キーコンフィグ」技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばゲームコントローラなど、さまざまな用途に応じて被操作装置への各種操作入力を行うためのコントローラが提供されている。また、例えば「ユーザごとの癖の違い」や「良く使うボタン機能が異なる」ことなどによる使い勝手の悪化を解消するため、コントローラにはいわゆる「キーコンフィグレーション(キーコンフィグ)」が実装されていることも多い。
【0003】
このようなコントローラのキーコンフィグ技術として、従来は、例えばコントローラや被操作装置と接続されたディスプレイにキーコンフィグ用のGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)を表示し、そのGUIを参照することで、所望のボタンにいずれの機能を割当てるのかを確認しながらボタン機能の割当を変更することができる技術が提供されている。
【0004】
また製造コストの抑制などを目的として、上記のようにディスプレイなどの外部装置を用いずにコントローラ単体でもキーコンフィグを可能とする技術も提供されている。具体的には、キーコンフィグを行うコントローラ1とは別のコントローラ2を用意し、所定装置を介して両コントローラを接続する。そしてコントローラ2で機能αが割当てられているボタンAを指定し、つづいてコントローラ1のボタンBを操作すると、コントローラ1のボタンBに機能αが割当てられる、という具合である。
【0005】
このように構成することで、所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかをディスプレイなどの外部装置を用いずに容易に把握した上でキーコンフィグを行うことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ゲームグッズ研究所 [連載第150回]ゲームライフに役立つグッズをレポート "使い勝手はイマイチのカスタム設定" (http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080306/ggl.htm)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記ディスプレイなどを用いない従来のキーコンフィグ技術は、所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかをディスプレイなどを用いずに把握するために、キーコンフィグの対象ではない別のコントローラを用意し、キーコンフィグの対象となるコントローラと接続する必要がある。つまり、一のコントローラ単独で機能割当の変更をすることができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明は、キーコンフィグ時に所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかを機能インディケータである例えばLEDの明滅などで容易に識別可能とし、それによって一のコントローラ単独で機能選択ができるよう構成する。
【0009】
具体的に、コントローラ操作面に配置され、コントロールのための複数の機能のいずれか一以上にそれぞれが対応する複数のボタンと、ボタン機能の変更対象となるボタンの指定を前記複数のボタンのいずれか一以上を利用して受付ける指定受付部と、指定されたボタンに対して割当てる機能を自身に備えられた機能インディケータの表示と、前記複数のボタンのいずれか一以上と、を利用して選択する選択部と、選択された機能を他のボタンの割当機能と重複割当可能に割当てる割当部と、を有するコントローラを提供する。
【0010】
また上記構成を備え、その選択部にて利用されるボタンが、前記指定受付部にて指定不能であるボタンであるコントローラも提供する。
【0011】
また、上記構成を備え、その選択部が、ボタンの利用によって前記割当てる機能を複数の機能の中から順に選択する順送り選択手段を有するコントローラも提供する。
【0012】
また、上記構成を備え、その機能インディケータが、複数のLEDであり、各LEDが前記複数の機能にユニークに対応して備えられるとともに、その選択部が、選択された機能に対応するLEDの明滅を制御する明滅制御手段を有するコントローラも提供する。
【0013】
また、上記構成を備え、その割当部が、前記複数の機能の中の特定の機能については、常にいずれかのボタンに割当てられるように前記割り当てを行う必須割当手段を有するコントローラも提供する。
【0014】
また、上記構成を備え、さらに前記ボタンの割当を工場出荷時のデフォルト割当に戻すためのリセット機能部を有するコントローラも提供する。
【発明の効果】
【0015】
以上のような構成を備える本発明によって、ユーザは機能インディケータの表示でキーコンフィグ時に所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかを確認することができ、それによってディスプレイ利用などのコストを掛けずに、一のコントローラのみで所望のボタンへの機能割当を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のコントローラにおける外観の一例を表す上面図
【図2】実施例1のコントローラにおける機能インディケータの表示の一例を表す図
【図3】実施例1のコントローラにおける機能ブロックの一例を表す図
【図4】実施例1のコントローラにて保持されているボタン割当機能テーブルの一例を表す図
【図5】実施例1のコントローラにおける機能インディケータの、別の表示の一例を表す図
【図6】実施例1のコントローラの割当部による機能割当の変更の一例を説明するための概念図
【図7】実施例1のコントローラにおけるハードウェア構成の一例を表す図
【図8】実施例1のコントローラにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0018】
なお、実施例1は、主に請求項1から6について説明する。
【0019】
≪実施例1≫
【0020】
<概要>
【0021】
図1は、本実施例のコントローラの外観の一例を表す上面図である。この図にあるように、本実施例のコントローラには、起動スライドスイッチ0100やその他の押し込み型ボタン0101、0102、・・・、0109や、十字キー0110などの複数のボタン、複数のLEDからなる機能インディケータ0111などが備えられている。
【0022】
ここで起動スライドスイッチをOFFからONにスライドさせると、本実施例のコントローラに内蔵されているキーコンフィグプログラムが読み出され、コントローラのマイコンの演算処理によってキーコンフィグモードが実行され、割当機能を変更するボタンの指定受付待ちの状態となる。
【0023】
そして、キーコンフィグモード実行中のコントローラで例えばボタン0101が押される(指定される)と、図2(a)に示すように機能インディケータの9つあるLEDのうち、このボタン0101に現在割当てられている機能αに対応するLEDが明滅する。
【0024】
そしてボタン0101を押したまま十字キー0110の右を例えば4回押すと、機能インディケータのLEDの明滅対象もそれに合わせて右側に移動し、図2(b)に示すように機能βに対応するLEDが明滅する。
【0025】
そして、この状態でボタン0101から指が離され押下げが終了すると、コントローラのマイコンはボタン0101に割当てられる機能をαからβに変更し、EEPROMなどに保持されているボタン割当機能テーブルを更新する処理を実行する、という具合である。
【0026】
このようにして、本実施例のコントローラでは、ユーザは機能インディケータの表示でキーコンフィグ時に所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかを確認することができ、それによってボタンへの割当機能の選択が容易にできる。
【0027】
<機能的構成>
【0028】
図3は、本実施例のコントローラの機能ブロックの一例を表す図である。なお、本実施例のコントローラは、自身に設けられたボタンの操作入力を受付けることで割当てられた操作用信号を出力し割当機能を実現する装置をいい、その用途や操作対象、操作内容(機能)などは限定されない。
【0029】
そして、この図にあるように、本実施例の「コントローラ」(0300)は、「複数のボタン」(0301)と、「指定受付部」(0302)と、「選択部」(0303)と、「割当部」(0304)と、を有する。
【0030】
「複数のボタン」(0301)は、コントローラ操作面に配置され、コントロールのための複数の機能のいずれか一以上にそれぞれが対応するものである。なお、そのボタンの押下検知(開閉)構造や形状などは特に限定しない。例えば、押下検知機構としてはメンブレン機構やメカニカル機構、静電容量無接点機構、また押下量をアナログ的に検知するアナログ検知機構などが挙げられる。また、形状としては四角形状や丸形状などのボタンのほか、一のボタンで4つの押下検知機構を備える十字ボタンなど様々であって良い。
【0031】
そして図4のボタン割当機能テーブルに示すように、これらボタンのそれぞれには、その押下げ(場合によっては複数のボタンの押下げの組み合わせ)によって出力されるべき操作信号が割当てられていることで、コントロールのための複数の機能のいずれか一以上にそれぞれが対応している。
【0032】
なお上述のように、基本的にはコントローラのボタンの押下検知によって操作信号が出力され、それが操作対象機器のプログラムで解釈されることで、操作信号に応じた「機能」が実行される。したがって、本実施例でいう「機能」とは操作信号を含む概念である。例えば、複数のボタンの同時押しによってある機能が実行される場合の機能割当の変更においては、各ボタンの操作信号の割当が個別に変更されると良い。
【0033】
そして、図4に示すボタン割当機能テーブルは例えばコントローラ内のEEPROMなどの書換え可能な記憶装置に保持され、そのテーブルレコードが更新変更されることで後述するボタンの割当機能が変更される、という具合である。
【0034】
「指定受付部」(0302)は、ボタン機能の変更対象となるボタンの指定を前記複数のボタンのいずれか一以上を利用して受付ける機能を有し、例えばコントローラのマイコンなどの演算装置や前述のキーコンフィグプログラムに含まれる指定受付プログラムなどによって実現することができる。
【0035】
例えば、「指定受付プログラムがマイコンに解釈され実行された後、最初に押下検知されたボタンを変更対象のボタンとする」と指定受付プログラムにて定められていれば、前記複数のボタン自身が変更対象指定に利用されるボタンとして機能することになる。
【0036】
また、「変更対象指定に利用されるボタンとして例えば図1の十字キー0110を利用する」と指定受付プログラムにて定められていれば、例えば十字キーを一回押すとまずデフォルトでボタン0101が指定され(またその際には当該ボタンに内蔵されたLEDが点灯し)、十字キーが所定方向に押下げられるたびに指定対象が順次ボタン0102、0103・・・という具合に変更されていくよう構成しても良い。
【0037】
「選択部」(0303)は、指定されたボタンに対して割当てる機能を自身に備えられた機能インディケータの表示と、前記複数のボタンのいずれか一以上と、を利用して選択する機能を有し、例えばコントローラのマイコンなどの演算装置や、前述のキーコンフィグプログラムに含まれる選択プログラムなどによって実現することができる。
【0038】
また、機能インディケータとは、指定されたボタンに対して割当てる機能を示すための簡易的な通知機構であって、主にLEDなどの発光体やBEEP音などを発するブザー装置などで実現されると良い。
【0039】
具体的には、例えば図2に示すように、複数のLEDで構成され、各LEDがボタンに割当てられる複数の機能にユニークに(1対1に)対応している。そしてコントローラ内のLED制御回路や明滅制御プログラム(明滅制御手段)によって、選択された機能に対応するLEDが他のLEDと区別可能に明滅などしてユーザに現在選択されている機能を通知する、という具合である。
【0040】
図5は、この機能インディケータの別の表示例を表す図である。この図5(a)にあるように、例えば機能インディケータとして一のLED発光体が設けられ、その連続明滅回数によって選択された機能をユーザに通知する構成や、このLED発光体の内部にRGBの発光素子をまとめ、発光色の変化によって選択された機能をユーザに通知する構成などが挙げられる。
【0041】
あるいは、図5(b)に示すように、LEDとパネルを並べてインディケータバーを構成し、そのバーの表示長さによって選択された機能をユーザに通知する構成なども挙げられる。
【0042】
また、機能インディケータがBEEP音を発するブザー装置で構成されていれば、そのBEEP音の長さや音の高さ、あるいは音の変化パターンなどによって選択された機能をユーザに通知することができる。
【0043】
そして、指定されたボタンに対して割当てる機能を選択する際には、例えば前述のように指定のボタンを押しっぱなしのまま、例えば十字キーなどの選択用のボタンを操作して、割当てる機能を複数の機能の中から順に選択する(順送り選択手段)ことで行う構成が挙げられる。
【0044】
あるいは、指定されたボタンを選択用のボタンとしてそのまま利用し、当該ボタンの押下回数に応じて割当てる機能を複数の機能の中から順に選択することで行う構成も挙げられる。そして所望の機能が割当てられたことを機能インディケータの表示で確認したところで、例えばボタンの長押しをしたり、決定用の専用ボタンを押したりすると良い。
【0045】
なお、この選択部では、例えば前記十字キーなどをキーコンフィグモード時においては選択用のみ利用されるボタンとして選択プログラムにて規定するなどしても良い。つまり例えば十字キーは、前記指定受付部にて機能割当の変更対象のボタンとしては指定不能となるよう構成しても良い。
【0046】
「割当部」(0304)は、選択された機能を他のボタンの割当機能と重複割当可能に割当てる機能を有し、例えばコントローラのマイコンなどの演算装置や、前述のキーコンフィグプログラムに含まれる割当プログラムなどによって実現することができる。
【0047】
図6は、この割当部による機能割当の変更の一例を説明するための概念図である。この図6(a)にあるように、例えばコントローラ内のEEPROMなどに、各ボタンの押下検知や複数のボタンの押下げの組み合わせ検知によって出力されるべき操作信号を示すボタン割当機能テーブルが保持されている。
【0048】
そして、図6(b)に示すように、上述の指定された例えばボタンAの割当機能をβにするという選択がなされると、このボタン割当機能テーブルの当該レコードがβに更新される、という具合である。
【0049】
またこの割当部は、複数の機能の中の特定の機能について常にいずれかのボタンに割当てられるように前記割り当てを行う必須割当手段を有していても良い。具体的には、例えば上記図6のボタン割当機能テーブルにおいて、各ボタンに必須割当フラグを示すレコードが設けられている。そして割当処理の際には当該レコードを参照し、例えば起動や電源など必須割当フラグがオンになっている機能については、割当変更処理を実行しないよう構成する、という具合である。
【0050】
また本実施例のコントローラは、図示しない「リセット機能部」を備えていても良い。「リセット機能部」とは、前記ボタンの割当を工場出荷時のデフォルト割当に戻すための機能を有し、例えばマイコンなどの演算装置やリセット機能プログラムなどによって実現することができる。
【0051】
具体的には、リセットボタンやその他ボタンの操作に応じてリセット機能プログラムがマイコンによって解釈、実行され、EEPROMに上記割当変更されたものとは別に保持されているデフォルトのボタン機能割当テーブルや割当変更処理の実行直前のボタン機能割当テーブルを用いて、記割当変更されたものが上書き更新(いわゆるロールバック)される、という具合である。
【0052】
以上のように、ユーザは機能インディケータの表示でキーコンフィグ時に所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかを確認することができ、一のコントローラのみで所望のボタンへの機能割当を実行することができる。
【0053】
<ハードウェア構成>
【0054】
図7は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、コントローラにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用してボタン機能の割当変更処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0055】
この図にあるように、コントローラは、割当部であり、またその他の各種演算処理を実行するための「マイコン」(0701)を備えている。またボタン割当機能テーブルを保持する「EEPROM」(0702)や、指定受付部や選択部でもある「複数のボタン」(0703)、機能インディケータである「LED」(0704)なども備えている。
【0056】
そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、信号の送受信や処理を行う。
【0057】
また、「マイコン」内メモリのプログラム領域にはキーコンフィグプログラムなどの各種プログラムが読み出され、「マイコン」はその読み出されたプログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「マイコン」内メモリのプログラム領域やデータ領域、そして「EEPROM」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「マイコン」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0058】
ここで、「複数のボタン」のうちの例えば起動スライドスイッチのスライド操作など所定のボタン操作を受付けると、「マイコン」はボタン操作に応じて操作信号を出力するためのコントロールプログラムに替えてキーコンフィグプログラムを「EEPROM」から読み出し、プログラム領域に展開する。
【0059】
そして、キーコンフィグプログラムに含まれる指定受付プログラムを「マイコン」が解釈し、コントローラは変更対象となるボタンの指定入力待ち状態となる。その後、複数のボタンの例えばボタンAが押下げられたことを示す信号を検知すると、そのボタンAの識別情報が「マイコン」内メモリのデータ領域に格納される。
【0060】
つづいて、例えば「複数のボタン」のひとつである十字キーの操作を受付けると、「マイコン」はキーコンフィグプログラムに含まれる選択プログラムの解釈結果にしたがって、ボタンAに割当てる機能を、例えば「EEPROM」に格納されているボタン割当機能テーブルの機能の並び順に応じて順次選択していく。
【0061】
具体的に、例えばボタンAに今割当てられている機能がαであれば、十字キーの下や左操作の入力信号に応じて、ボタン割当機能テーブルで機能αの次にあるβを選択し、さらに十字キーの下や左操作を受付けると、その次のγを選択したものとする、という具合である。
【0062】
また、「マイコン」はその選択にしたがって、LEDに対する発光制御信号を出力する。具体的には、前述のように機能βが選択された際には、機能インディケータを構成する複数あるLEDのうち、機能βに対応付けられたLEDのみを明滅させる発光制御信号を出力し、続いてγが選択されると機能γに対応付けられた別にLEDの発光制御信号を出力する、という具合である。
【0063】
そして、そのLEDの発光表示を見て、ユーザが所望のボタン機能γがボタンAに割当てられたことを確認し、例えば押しっぱなしのボタンAを開放したり、あるいは別途ボタンAの長押しや専用の決定ボタンを操作したりすることで、ボタンAへの割当機能としてγが確定する。
【0064】
すると「マイコン」は、キーコンフィグプログラムに含まれる割当プログラムの解釈結果にしたがって、「EEPROM」に蓄積されているボタン割当機能テーブルのボタンAの割当機能レコードをγに更新する書換え処理を実行する、という具合である。
【0065】
そして、再度所定のボタンの長押しなどによってコントロールプログラムが読み出されると、ボタンAが操作された際には、機能γを実現するための操作信号γが図示しない「操作信号出力回路」から出力される、という具合である。
【0066】
<処理の流れ>
【0067】
図8は、本実施例のコントローラにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0068】
この図にあるように、まず、例えば起動スライドスイッチのスライド操作などによってキーコンフィグモードにコントローラが制御された状態で、コントローラ操作面に配置され、コントロールのための複数の機能のいずれか一以上にそれぞれが対応する複数のボタンのいずれかのボタンに対する指定操作を受付ける(ステップS0801)と、その操作されたボタンをボタン機能の変更対象となるボタンとして特定し、メモリのデータ領域などに格納する。
【0069】
つづいて指定されたボタンに対して割当てる機能の選択を、例えば別のボタンの操作入力などで受付ける(ステップS0802)と、自身に備えられた機能インディケータの表示をその選択された機能に対応するよう変化させ(ステップS0803)、それにより、特定されたボタンにいずれの機能が現在選択されているかをユーザに通知する。
【0070】
そして、その機能インディケータの表示変化を見てユーザが所望の機能がボタンに割当てられたことを確認し、例えば決定を示すボタン操作を行うと、その操作に応じて、選択された機能を他のボタンの割当機能と重複割当可能に当該ボタンに割当てるため、例えばEEPROMなどに格納されているボタン割当機能テーブルを更新する(ステップS0804)。
【0071】
<効果の簡単な説明>
【0072】
以上のように、本実施例のコントローラでは、機能インディケータの表示によってキーコンフィグ時に所望のボタンにどのボタン機能が割当てられるのかをユーザに通知することができ、それによって所望のボタンへの割当機能を一のコントローラ単独で行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
0300 コントローラ
0301 複数のボタン
0302 指定受付部
0303 選択部
0304 割当部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ操作面に配置され、コントロールのための複数の機能のいずれか一以上にそれぞれが対応する複数のボタンと、
ボタン機能の変更対象となるボタンの指定を前記複数のボタンのいずれか一以上を利用して受付ける指定受付部と、
指定されたボタンに対して割当てる機能を自身に備えられた機能インディケータの表示と、前記複数のボタンのいずれか一以上と、を利用して選択する選択部と、
選択された機能を他のボタンの割当機能と重複割当可能に割当てる割当部と、
を有するコントローラ。
【請求項2】
前記選択部にて利用されるボタンは、前記指定受付部にて指定不能であるボタンである請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記選択部は、ボタンの利用によって前記割当てる機能を複数の機能の中から順に選択する順送り選択手段を有する請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記機能インディケータは、複数のLEDであり、各LEDが前記複数の機能にユニークに対応して備えられるとともに、
前記選択部は、選択された機能に対応するLEDの明滅を制御する明滅制御手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記割当部は、前記複数の機能の中の特定の機能については、常にいずれかのボタンに割当てられるように前記割り当てを行う必須割当手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記ボタンの割当を工場出荷時のデフォルト割当に戻すためのリセット機能部をさらに有する請求項1から5のいずれか一に記載のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−31100(P2013−31100A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167149(P2011−167149)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000113414)株式会社ホリ (9)
【Fターム(参考)】