説明

コンバイン

【課題】刈取機で刈取りした一方側条列の移送される穀稈と、他方側条列の移送される穀稈とを、合流部でスムーズに合流させて、更に後方上部へスムーズに移送させようとするものである。又、刈取機の全長を短くしようとするものである。
【解決手段】一方側の条列と、他方側の条列とを掻込みする複数の掻込装置9aの後方右側には、穀稈の根元側を引継ぎ移送する右下根元移送装置10bと、一体で上下回動自在な右上根元移送装置10a、及び穂先側を移送する三角形状の穂先移送装置12とを設けると共に、複数の掻込装置9aの後方左側には、穀稈の根元側を移送する左根元移送装置11と、上下回動自在な穂先側を移送する供給移送装置14とを設けた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
各掻込装置で掻込みされて、刈取りされた一方側(右側)の条列の穀稈は、右下根元移送装置と、一体で上下回動自在な右上根元移送装置、及び穂先移送装置とにより、引継ぎされて、後方上部へ移送される。又、他方側(左側)の条列の穀稈は、左根元移送装置と、上下回動自在な供給移送装置とにより、引継ぎされ、合流部へ移送され、一方側条列と他方側条列とが合流されて、一体で上下回動自在な右上根元移送装置、及び穂先移送装置とにより、後方上部へ移送される技術であり、コンバインとして利用できる。
【背景技術】
【0002】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台の前部へ設けて、穀稈を刈取り、後方上部へ移送する刈取機の前部の複数個設けた各引起装置で穀稈は引起しされて、複数個設けた各掻込装置で掻込されながら刈取りされ、刈取り穀稈は後方上部へ移送される。
【0003】
前述の如く刈取りされた穀稈は、特開平9−168325号公報で示す如く各掻込装置10から右側下部へ設けた補助ラグ式穂先搬送装置の補助ラグ搬送チェンへ所定間隔で設けた補助引継搬送ラグで移送されて、左右側へ設けている。右側の穂先引継搬送装置の駆動掻込体の掻込爪部と、左側の受動掻込体の掻込爪部とにより、引継ぎされて掻込みされ、穂先引継搬送装置のラグ搬送チェンへ所定間隔で装着して設けた引継移送ラグで、穀稈の穂先が引継ぎされ、又、株元引継搬送装置の引継搬送チェンで、穀稈の株元側が引継ぎされ、この穀稈は後方上部へ移送されて、脱穀処理される。
【特許文献1】特開平9−168325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
刈取機で刈取りした一方側の条列の移送される穀稈と、他方側の条列を移送される穀稈とは、合流点部でスムーズに合流されず、このために、後方上部へスムーズに移送されず、この合流部で詰まり状態になることが発生したり、又、各掻込装置から穂先引継搬送装置と、受動掻込体とへの引継ぎがスムーズに行われないことがあったり、更に、刈取機の前後方向の全長が長くて、コンバインの操作性が悪いことがあったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、走行車台(2)前方部の穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取機(4)は、穀稈を引起しする複数の引起装置(6)と、穀稈の一方側の条列及び他方側の条列を掻込みする複数の掻込装置(9a)と、該掻込装置(9a)の後方右側には、穀稈の根元側を引継ぎ移送する右下根元移送装置(10b)と、一体で上下回動自在な右上根元移送装置(10a)及び穂先側を移送する三角形状の穂先移送装置(12)とを設けると共に、掻込装置(9a)の後方左側には、穀稈の根元側を引継ぎ移送する左根元移送装置(11)と、上下回動自在な穂先側を移送する供給移送装置(14)とを設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0006】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台(2)の前方部に設けて、穀稈を刈取り移送する刈取機(4)の前部側へ複数個設けた、各引起装置(6)で穀稈は引起しされながら、複数個設けた各掻込装置(9a)で掻込されながら、刈取りされ、右側条列の刈取り穀稈は穂先移送装置(12)、及び供給移送装置(14)等により、引継ぎされて後方上部へ移送される。
【0007】
前記刈取機(4)は、例えば、四条列を刈取り、後方上部へ移送する構成であると、一方側(右側)の二条列が刈り取りされた刈取り穀稈は、掻込装置(9a)の後方の右側上部へ設けた、右下根元移送装置(10b)と、一体で上下回動自在な略三角形状の穂先移送装置(12)と、右上根元移送装置(10a)とにより、引継ぎされて、後方上部へ移送され、又、他方側(左側)の二条列が刈取りされた刈取り穀稈は、掻込装置(9a)の後方左側上部へ設けた、左根元移送装置(11)と、上下回動自在な供給移送装置(14)とにより、引継ぎされて、後方上部へ移送され、合流部で左右両側部を移送された刈取り穀稈は、合流されて、合流した刈取り穀稈は、右上根元移送装置(10a)と、穂先移送装置(12)とにより、更に後方上部へ移送される。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、前記刈取機(4)の前端部へ左右方向に所定間隔で穀稈を分離する複数の分草体(5b)の平面視左右両側間の全巾(L1)と、機体(1a)の全巾(L2)とは略同じに構成し、側面視穀稈を脱穀する脱穀機(2a)前端部から機体(1a)の後端部までの全長(L3)と、機体(1a)の前端部から脱穀機(2a)の前端部までの全長(L4)とは略同じとする。更に、刈取機(4)の刈取下部ギャーケース(29)位置(A)と、操縦席(23)前端部位置(B)とは側面視略同じ位置へ設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0009】
穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取機(4)の前端部には、左右方向へ所定間隔で穀稈を分離する複数個設けた分草体(5b)の左右両側間の全巾(L1)と、機体(1a)の全巾(L2)とは、略同じに構成し、側面視穀稈を脱穀する脱穀機(2a)前端部から機体(1a)の後端部までの全長(L3)と、機体(1a)の前端部から脱穀機(2a)の前端部までの全長(L4)とは、略同じに形成して設けた構成である。更に、刈取機(4)の下部へ設けた刈取下部ギャーケース(29)の位置(A)と、運転作業者が着座して、運転操作する操縦席(23)の前端部位置(B)とは、側面視略同じ位置へ形成して設けている。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、前記全巾(L1)と、全巾(L2)とは略同じとし、又、全長(L3)と、全長(L4)とは略同じとすると共に、位置(A)と、位置(B)とは側面視略同じ位置へ設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとしたものである。
【0011】
前記左右両側の前記分草体(5b)間の全巾(L1)と、機体(1a)の全巾(L2)とは、略同じとし、又、側面視穀稈を脱穀する脱穀機(2a)の前端部から機体(1a)の後端部までの全長(L3)と、機体(1a)の前端部から脱穀機(2a)の前端部までの全長(L4)とは、略同じとする。更に、刈取機(4)下部の刈取下部ギャーケース(29)の位置(A)と、操縦作業者が搭乗して運転する操縦席(23)の前端部位置(B)とは、側面視略同じ位置へ形成して設けている。右側の刈取り穀稈は、掻込装置(9a)の後方の右側上部へ設けた、右下根元移送装置(10b)と、一体で上下回動自在な略三角形状の穂先移送装置(12)と、右上根元移送装置(10a)とにより、引継ぎされて、後方上部へ移送される。左側の刈取り穀稈は、掻込装置(9a)の後方の左側上部へ設けた、左根元移送装置(11)と、上下回動する供給移送装置(14)とにより、引継ぎされて、後方上部へ移送され、合流部で左右両側部を移送された刈取り穀稈は、合流されて、合流された刈取り穀稈は、右上根元移送装置(10a)と、穂先移送装置(12)とにより、更に後方上部へ移送され、脱穀機(2a)へ供給されて、この脱穀機(2a)で引継ぎ移送中に脱穀される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明においては、一方側(右側)の二条列を各掻込装置(9a)で掻込み刈取りされた穀稈は、従来は、この各掻込装置(9a)から上下回動する根元移送装置と、穂先移送装置とにより、引継ぎされ、後方上部へ移送され、更に上部には、固定方式で設けた根元移送装置と、穂先移送装置とにより、後方上部へ移送される構成であったが、本発明により、一方側条列(右側)の穀稈は、各掻込装置(9a)から右下根元移送装置(10b)と、一体で上下回動する三角形状の穂先移送装置(12)と、右上根元移送装置(10a)とを設けて、後方上部へ移送される。又、他方側条列(左側)の穀稈は、各掻込装置(9a)から左根元移送装置(11)と、上下回動する供給移送装置(14)とにより、後方上部へ移送され、合流部で合流されて、更に合流した穀稈は、三角形状の穂先移送装置(12)と、右上根元移送装置(10a)とにより、更に後方上部へ移送する構成として、上部へ設けていた固定の根元移送装置と、穂先移送装置とを廃止したことにより、刈取機(4)の全長(L)を短縮することができ、コンバイン全体の機体全長を短くすることができて、操作性の向上を図ることができる。又、前方の視認が向上した。中間の移送体を供給移送装置(14)としたことにより、構成が簡単で、コスト低減が可能になった。
【0013】
請求項2に記載の発明においては、前記刈取機(4)の前端の左右両端部の分草体(5b)間の全巾(L1)と、機体(1a)の全巾(L2)とは、略同じに構成し、側面視穀稈を脱穀する脱穀機(2a)前端部から機体(1a)の後端部までの全長(L3)と、機体(1a)前端部から脱穀機(2a)の前端部までの全長(L4)とは、略同じにする。更に、刈取機(4)の刈取下部ギャーケース(29)位置(A)と、操縦席(23)前端部位置(B)とは、側面視略同じ位置へ設けた構成としたことにより、刈取機(4)が前方へ突出することを押さえて、この刈取機(4)の全長となる全長(L4)を短縮して、コンパクト化を図った。又、視界性と、取扱い性と、収納性の向上を図った。
【0014】
請求項3に記載の発明においては、前記全巾(L1)と、全巾(L2)とは、略同じとし、全長(L3)と、全長(L4)とは、略同じにすると共に、位置(A)と、位置(B)とは側面視略同じ位置へ設け、更に請求項1に記載の構成としたことにより、刈取機(4)の全長を短縮することができて、視界性と、取扱い性と、収納性の向上を図った。又、中間の移送体を簡単にしたことにより、コスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行装置3の上側には、走行車台2を設け、この走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取る刈取機4を設けると共に、走行車台2の上側の一方側には、刈取機4から刈取り穀稈の供給を受けて、脱穀する脱穀機2aと、この脱穀機2aの横側には、脱穀済み穀粒を受けて、貯留する穀粒貯留タンク2bとを載置した構成である。刈取機4の前部には、刈取る穀稈を分離する複数個の分草体5bと、刈取る穀稈を分離すると共に、引起しする複数個の引起装置6を設けた構成である。この各引起装置6で引起された穀稈は、穀稈掻込移送装置9の各掻込装置9aで掻込されながら、刈刃装置5cで刈取りされ、刈取り穀稈は、詳細は後述するが、穀稈の根元部は、穀稈掻込移送装置9の左・右上・右下根元移送装置11,10a,10bと、穂先部は、右側の穂先移送装置12、及び左側の供給移送装置14等とにより、後方上部へ移送され、脱穀機2aへ引継ぎされ、この脱穀機2aのフィードチェン2cと、挟持杆2dとで挟持して、脱穀機2a内を移送中に脱穀され、脱穀済み穀粒は、穀粒貯留タンク2b内へ供給され、一時貯留される。刈取機4の左・右上・右下根元移送装置11,10a,10bと、穂先移送装置12と、供給移送装置14等を主に図示して説明する。
【0016】
前記コンバイン1は、四条列の穀稈を刈取りするこのコンバイン1で説明する。コンバイン1の走行車台2の下側には、図2、及び図3で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側には、脱穀機2aを載置した構成である。走行車台2の前方部の刈取機4で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機4で後方上部へ移送され、脱穀機2aのフィードチェン2cと、挟持杆2dとで引継ぎされて、挟持移送されながら脱穀される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機2aの右横側に配設た穀粒貯留タンク2b内へ一時貯留される。
【0017】
前記走行車台2の前方部には、図2、及び図3で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド5a、及び各分草体5bと、立毛穀稈を引起す左・右内引起装置6a,6bと、左・右外引起装置7a,7bとよりなる引起装置6と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置9の各掻込装置9aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置5cと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機2aのフィードチェン2cと、挟持杆2dとへ受渡しする穀稈掻込移送装置9の右側は、右上・右下根元移送装置10a,10bと、穂先移送装置12と、左側は、左根元移送装置11と、供給移送装置14等とからなる刈取機4を設けている。該刈取機4は、油圧駆動による伸縮シリンダ16により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。この穀稈の移送関係部品の詳細説明は後述する。
【0018】
前記刈取機4の前方下部から後方上部へ傾斜する伝動機構16dを内装した支持杆16aの上端部には、左右方向に伝動機構16fを内装した支持パイプ杆16bを設け、この支持パイプ杆16bを走行車台2の上側面に設けた支持装置16cで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ16の作動により、刈取機4は支持パイプ杆16bを回動中心として、上下に回動する構成である。
【0019】
前記刈取機4の穀稈掻込移送装置9によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機2aへ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ4aを設けた構成である。
【0020】
前記引起装置6は、図1、及び図3で示す如く左右両外側部には、左・右外引起装置7a,7bを設けると共に、中央部の左右両側には、左・右内引起装置6a,6bを設けた構成である。これら左外引起装置7aと、左内引起装置6aとにより、左側に二条列の穀稈が引起しされる構成である。又、これら右外引起装置7bと、右内引起装置6bとにより、右側の二条列の穀稈が引起しされる構成である。
【0021】
前記左・右内引起装置6a,6bと、左・右外引起装置7a,7bとは、図4で示す如く個別に設けた引起ケース8a内の上下端部には、上・下スプロケット8b,8cを軸支して設け、これら上・下スプロケット8b,8cには、所定間隔に引起しラグ8eを装着した引起しチェン8dを掛け渡した構成である。
【0022】
前記各引起ラグ8eの作用範囲は、引起しケース8aの下端部の略中央部から上端部の略中央部までの間の一方側部が作用範囲であり、この引起ケース8aより、突出した各引起ラグ8eの回転駆動により、穀稈を引起しする構成である。他方側部は、引起ケース8内へ収納状態で回転駆動され、穀稈を引起ししない不作用範囲の構成である。
【0023】
前記左・右外引起装置7a,7b、及び左・右内引起装置6a,6bの後側には、図1、及び図2で示す如く左右両側の二条列毎の穀稈を掻込みする各掻込装置9aを平面視左右両側に、略V字形状に設けた構成である。
【0024】
前記各掻込装置9aは、掻込ケース9bの下側に、所定間隔で掻込ラグ9cを設けた掻込ベルト9dを張設すると共に、この掻込ベルト9dの下側で、後側の掻込軸9eには、掻込スターホイル9fを軸支した構成である。
【0025】
前記左側の掻込装置9a,9aで、左側二条列の穀稈を掻込みする構成である。又、右側の掻込装置9a,9aで、右側二条列の穀稈を掻込みする構成である。
前記各掻込装置9aの後方部の右側の下部には、図1、図2、及び図4で示す如く右上根元移送チェン10cを掛け渡した、右上根元移送装置10aと、右下根元移送チェン10dを掛け渡した、右下根元移送装置10bとを設けた構成であると共に、右側の上部には、略三角形状で平面視移送側面部が略L字形状の穂先ケース12aの下側へ所定間隔で穂先ラグ12cを装着した穂先移送チェン12bを掛け渡した、穂先移送装置12を設けた構成である。又、左側の下部には、左根元移送チェン11aを掛け渡した、左根元移送装置11を設けた構成であると共に、左側の上部には、従動軸15aへ設けた供給ケース14aの下側へ複数個の供給ラグ14cと、供給スターホイル14bとを、従動軸15aへ軸支した、供給移送装置14を設けた構成である。
【0026】
前記穂先移送装置12と、右上根元移送装置10aと、供給移送装置14とは、一体で上下回動自在に設けた構成である。穀稈の稈長により、脱穀機2aへ供給する穀稈の供給深さ(扱ぎ深さ)を、これら三部品を一体で自動で上下回動移動させて、脱穀機2aへ供給する穀稈の扱ぎ深さ位置を自動調節する構成である。
【0027】
前記穂先移送装置12の略三角形状に形成した穂先ケース12aの上部の移送終端部へ設けた、穂先上部軸13aには、上部スプロケット13dを軸支して設け、略中間の頂上部へ設けた、穂先中間軸13cには、中間スプロケット13eと、駆動スターホイル12dとを軸支して設け、下部の移送始端部へ設けた穂先下部軸13bには、下部スプロケット13fを軸支して設けた構成である。
【0028】
前記上部・中間・下部スプロケット13d,13e,13fには、穂先ラグ12cを所定間隔で装着した穂先移送チェン12bを掛け渡した構成である。各穂先ラグ12cは、略三角形状の短辺側の二辺部で平面視移送側面部が略L字形状部では、穂先ケース12aから突出して、穀稈の穂先側を移送する作用側とした構成である。反対側は穀稈を移送しない不作用側である。
【0029】
前記供給移送装置14の従動軸15aへ軸支した、供給スターホイル14bの上側面には、図4で示す如く複数個の供給ラグ14cを回転自在に設け、供給ケース14aより、前方部側と、内側部とで突出して、穀稈へ供給スターホイル14bと共に、作用して移送する構成である。又、供給ラグ14cは、前方部側と、内側部との以外では、逐次供給ケース14a内へ収納状態になる構成である。供給スターホイル14bは、穂先移送装置12の駆動スターホイル12dと噛合して、回転駆動する構成である。
【0030】
前記供給移送装置14は、図4で示す如く穂先移送装置12へ設けた支持杆15bの先端部へコ字形状の支持枠15cを設け、この支持枠15cへ受杆15dを設け、この受杆15dへ供給ケース14aを装着して設けると共に、受杆15dの前端部には、従動軸15aを装着して設けた構成である。又、支持枠15cには、スプリング(図示せず)等により、挟持移動自在に挟持用杆17aを設け、この挟持用杆17aの後端部には、受板17bを固着して設け、この受板17bには、後挟持用杆17cを装着した構成である。
【0031】
前記右側部の二個の前記掻込装置9a,9aで掻込みされながら、刈刃装置5cで刈取りされた穀稈は、図1、及び図2で示す如く右側のこの掻込装置9a,9aから右下根元移送装置10bと、同時に上下回動自在な穂先移送装置12、及び右上根元移送装置10aとにより、後方上部移送される。又、左側部二個の掻込装置9a,9aで掻込みされながら、刈刃装置5cで刈取りされた穀稈は、図1、及び図2で示す如く左側のこの掻込装置9a,9aから、左根元移送装置11と、供給移送装置14とにより、合流部(1)へ移送され、この合流部(リ)で左右両側を移送される刈取り穀稈は合流され、更に右上根元移送装置10aと、穂先移送装置12とにより、後方上部へ移送され、脱穀機2aへ供給され、この脱穀機2aで引継ぎされて、フィードチェン2cと、挟持杆2dとで挟持移送され、脱穀機2a内で脱穀される構成である。
【0032】
前記左右両側へ一対で設けた掻込装置9a,9aで掻込み刈取りされた穀稈は、従来は、この一対の掻込装置9a,9aから上下回動する根元移送装置と、穂先移送装置とにより、引継ぎされ、後方上部へ移送され、更に上部には、固定式で設けた根元移送装置と、穂先移送装置とにより、更に後方上部へ移送される構成であったが、本発明により、一方側(右側)の二条列の穀稈は、右側の各掻込装置9a,9aから右下根元移送装置10bと、一体で上下回動する三角形状の穂先移送装置12、及び右上根元移送装置10aとにより、後方上部へ移送される。又、他方側(左側)の二条列の穀稈は、左側の各掻込装置9a,9aから左根元移送装置11と、供給移送装置14とにより、後方上部へ移送され、合流部(リ)で合流され、更に合流した穀稈は、三角状の穂先移送装置12と、右上根元移送装置10aとにより、更に後方上部へ移送する構成としたことにより、従来は、上部へ設けていた固定用の根元移送装置と、穂先移送装置とを廃止したことにより、刈取機4の前後方向の全長を短縮することができ、コンバイン1全体の機体全長を短くすることができて、操作性の向上を図ることができる。又、前方視認が向上した。中間の移送体を供給移送装置14としたことにより、構成が簡単で、コスト低減を図ることができる。
【0033】
前記刈取機4の前端部へ設けた、左右方向に所定間隔で穀稈を分離する複数個の分草体5bの左右両端部間の全巾(L1)と、機体(1a)の全巾(L2)とは、図1、及び図2で示す如く略同じに形成して設けた構成であると共に、図3で示す如く側面視脱穀機2aの前端部から機体1aの後端部までの全長(L3)と、機体1aの分草体5bの前端部から脱穀機2aの前端部までの全長(L4)とは、略同じに形成した構成である。更に、刈取機4の下端部に設けた、引起装置6を支持する刈取下部ギャーケース29の位置(A)と、操縦席23の前端部位置(B)とは、側面視略同じ位置へ位置させて設けた構成である。
【0034】
前記刈取機4の前端の左右両端部の分草体5b,5b間の全巾(L1)と、機体1aの全巾(L2)とは、略同じに構成すると共に、側面視脱穀機2aの前端部から機体1aの後端部までの全長(L3)と、機体1aの前端部から脱穀機2aの前端部までの全長(L4)とは、略同じにし、更に、刈取機4の刈取下部ギャーケース29位置(A)と、操縦席23の前端部位置(B)とは、側面視略同じ位置へ設けたことにより、刈取機4が前方へ突出することを押さえて、この刈取機4の全長を短縮して、機体1a全体のコンパクト化を図った。又、視界性と、取扱い性(操作性)と、収納性の向上を図った。
【0035】
図2、及び図3で示す如く前記左右両端部の分草体5b,5b間の全巾(L1)と、機体1aの全巾(L2)とは、略同じにすると共に、側面視脱穀機2aの前端部から機体1aの後端部までの全長(L3)と、機体1aの前端部から脱穀機2aの前端部までの全長(L4)とは、略同じにすると共に、又、刈取機4の刈取下部ギャーケース29の位置(A)と、操縦席23の前端部位置(B)とは、側面視略同じ位置へ設けた構成である。更に、刈取機4は、右側二条列の刈取り穀稈を後方上部へ移送する。右側の掻込装置9a,9aの後側上部には、右下根元移送装置10bと、一体で上下回動自在な右上根元移送装置10a、及び三角形状の穂先移送装置12とを設けると共に、左側二条列の刈取り穀稈を後方上部へ移送する左根元移送装置11と、供給移送装置14とを設けた構成である。
【0036】
前記全巾(L1)と、全巾(L2)とは、略同じとし、側面視全長(L3)と、全長(L4)とは、略同じに形成した構成であると共に、位置(A)と、位置(B)とは側面視略同じ位置にして設けた構成である。更に、右側二条列の刈取り穀稈を上部へ移送する。右側の掻込装置9a,9aの後側上部には、右下根元移送装置10bと、一体で上下回動自在な右上根元移送装置10a、及び三角形状の穂先移送装置12とを設けると共に、左側二条列の刈取り穀稈を後方上部へ移送する左根元移送装置11と、供給移送装置14とを設けた構成としたことにより、刈取機4の全長を短縮することができて、視界性と、取扱い性と、収納性の向上を図った。又、中間の移送体を供給移送装置14としたことにより、構成を簡単にしたことにより、コスト低減を図ることができる。
【0037】
前記穂先移送装置12の穀稈移送作用側で、上側の移送終端部側へ設けた穂先上部軸13aの軸心(イ)と、穂先移送装置12の前側へ設けた供給移送装置14の従動軸15aの軸心(ロ)とは、図4で示す如く前後方向に略直線上へ位置させて設けた構成である。又、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈とが、後方上部へ移送されて合流される。合流点(ニ)位置までの形状は、平面視、図4で示す如く略Y字形状に形成した構成である。
【0038】
前記穂先移送装置12の穀粒の穂先側を移送する移送終端部の穂先上部軸13aの軸心(イ)位置と、供給移送装置14の従動軸15aの軸心(ロ)位置とは、前後方向に略直線上へ位置させて設けた構成としたことにより、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈との合流部(リ)で合流したときの穀稈の乱れを防止できる。又、穀稈のクロス防止、及び穀稈の詰まり防止、供給移送装置14の供給ラグ14cの移送範囲を少なくしたことにより、多量の穀稈の移送が可能である。更に、穂先の振れが少ないことにより、穀粒の飛散防止ができる構成である構成である。
【0039】
前記引起装置6の中央部左右両側の左・右内引起装置6a,6bと、穂先移送装置12の穂先ケース12aへ内装して設けた穂先移送チェン12bへ所定間隔で装着して設けた穂先移送ラグ12cの回転軌跡、及び供給移送装置14の供給ケース14aへ内装して設けた各移送ラグ14cの回転軌跡とには、所定の間隔を設けるか、又は、平面視所定の小寸法重合状態に設けた構成である。又、図2で示す如く穂先移送装置12の穂先ケース12aと、供給ケース14aとの間を移送される構成である。
【0040】
中央部の左右両側の前記左・右内引起装置6a,6bと、各穂先ラグ12cの回転軌跡、及び供給移送装置14の各移送ラグ14cの回転軌跡とには、所定間隔を設けるか、又は、平面視所定の小寸法重合状態に設けたことにより、これら各穂先ラグ12cと、各移送ラグ14cにより、確実に穀稈の穂先側を移送することができ、移送の安定化を図ることができる。又、長稈、及び短稈に対する適応性が向上する。更に、穂先ケース12a、及び供給ケース14aにより、伝動部がカバーされることにより、安全であり、防音効果が向上する構成である。
【0041】
前記穂先移送装置12の上下移送方向の略中間位置には、図1、及び図4で示す如く穂先中間軸13cを軸支して設け、この穂先中間軸13cには、駆動スターホイル12d、及び中間スプロケット13e等を軸支して設けた構成である。穂先中間軸13cの軸心(ハ)を頂点として、上下方向、又は前後方向に略二等辺三角形状で平面視移送側面部が略L字形状の穂先ケース12aを設けて、穂先移送装置12を形成した構成である。下部の移送始端部の穂先下部軸13bの軸心(ホ)を、右側部側の左右両側(右外側端部と、右外側から二番目)の右側二条列の穀稈を掻込みする。掻込装置9a,9aの近傍部へ位置させて設けた構成である。
【0042】
前記穂先移送装置12の上下移送方向の略中間位置の穂先中間軸13cの軸心(ハ)を頂点として、上下方向、又は前後方向に略二等辺三角形状に形成し、この穂先移送装置12の下部の移送始端部の穂先下部軸13bの軸心(ホ)を、右側部側の左右両側の掻込装置9a,9aの近傍部へ位置させて設けたことにより、穂先ケース12aの成形型の型製作が容易でコストダウンになる。又、穂先移送装置12の駆動スターホイル12dと、供給移送装置14の供給スターホイル14bとの合流部(リ)での位置合わせが容易である。左右両側の二条列の合流部(リ)でクロス状態になることを防止できる。移送始端部側で各掻込装置9a,9aからの穀稈の引継ぎが良好になる構成である。
【0043】
前記支持杆16aの上端部へ設けた支持パイプ杆16bには、図1、及び図2で示す如く支持メタル19aを設け、この支持メタル19aと、穂先移送装置12の上部の移送終端部に設けた穂先上部メタル12eとの間には、接続メタル19bを設けて接続した構成である。この接続メタル19bへ回動自在に軸支した接続軸19cを回動中心として、穂先移送装置12の穀稈移送部側の下側部を上下回動自在に形成した構成である。接続軸19cの中心位置は、支持パイプ杆16bの中心位置より、所定距離上部へ位置させて設けた構成である。支持パイプ杆16bを支持する支持メタル19aは、図2で示す如くコンバイン1の機体1aの左右方向略中央部へ位置させて設けた構成である。
【0044】
前記支持メタル19aの接続メタル19bへ軸支した接続軸19cを回動中心として、穂先移送装置12は、収穫する穀稈の稈長が長稈のときには、上方へ回動移動操作する構成である。上方へ回動操作により、穂先移送装置12の穂先ケース12aへ設けた穂先ラグ12cの先端部と、左・右内引起装置6a,6bの後側面との間の隙間(H1)は、図7で示す如く広くなる構成である。又は、標準稈長のときには、下方へ回動操作により、隙間(H2)は、図7で示す如く狭くなる構成である。
【0045】
これにより、長稈を収穫作業のときには、右側の二条列を移送する穀稈の穂先移送スペースを拡大することができて、穀稈の詰まり、稈切等の発生を防止できる。又、穂先ラグ12cの変形、及び破損を防止することができる。更に、支持メタル19aを機体1aの左右方向中央部へ設けたことにより、左右バランスが良好になる構成である。
【0046】
左外側部の前記掻込装置9aの掻込スターホイル9fと、左外側より、二番目の掻込装置9aの掻込スターホイル9fとの噛合部の噛合量の略中心位置(へ)と、走行装置3の走行クローラ3aを回転駆動する左側部へ設けた、駆動用スプロケット3bの左右方向中心位置(ト)とは、図2で示す如く左右方向に略同じ位置へ設けた構成である。
【0047】
これにより、左側の前記走行クローラ3aを回転駆動する駆動用スプロケット3bの左右方向中心位置(ト)と、左側二個の掻込装置9aの掻込スターホイル9f,9fの噛合部の噛合量の略中心位置(へ)とは、左右方向に略同じ位置へ設けた構成としたことにより、藁屑、及び切株等を、走行クローラ3aで巻き込むことを防止できる。又、走行用のミッションケース25上へ塵埃等の溜りを防止できる構成である。
【0048】
前記前側、及び横側へ設けた前側の操作装置22の前側面部から、左横外側の操作装置22の左横外側面部にわたって設ける防塵用外カバー20の外側面は、図2で示す如く刈取機4の左右方向の中心(チ)の近傍部、又は略同じ位置へ設けた構成である。
【0049】
これにより、穀稈の穂先移送通路と、前記各操作装置22とを離すことにより、藁屑等の溜りを防止する。又、穀粒、及び塵埃の飛散を防止できる構成である。
前記右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10dは、図2、及び図5で示す如く右外側の掻込装置9aへ設けたスプロケット9jと、移送終端部へ設けたテンション装置28とへ掛け渡した構成である。右下根元移送チェン10dの移送始端部側で、右外側と、右側より二番目の各掻込装置9a,9aの各掻込スターホイル9f,9fの噛合部の後側には、凹部(逃がし部)10fを設けた構成である。多量の穀稈が掻込みされたときであっても、右下根元移送チェン10dは、この凹部10f部で穀稈を逃がして、移送中の穀稈の詰まりを防止した構成である。10eはチェンレールであり、右下根元移送チェン10dを支持した構成である。右外側の掻込スターホイル9fの外径(D1)より、右側より二番目の掻込スターホイル9fの外径(D2)を所定寸法小径に形成した構成である。
【0050】
前記右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10dの前側の穀稈を移送する作用側には、図5で示す如く挟持ガイド21を挟持受装置21aで摺動移動自在に設けた構成である。この挟持ガイド21の移送終端部には、合流部まで延長した補助挟持ガイド21bを設けると共に、テンション装置28の前側には、後挟持ガイド21cを設けた構成である。
【0051】
右側二条列の掻込みされて、刈取りされた刈取り穀稈の株元側は、右下根元移送チェン10dと、各挟持ガイド21,21b,21cとの間へ挟持されて、合流部へ移送される構成である。
【0052】
これにより、右側二条列の穀稈が多量掻込みされて、引継ぎされたときであっても、右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10dの移送始端部側へ穀稈の詰まりを防止することができる。又、部品の変形、及び破損を防止できる構成である。
【0053】
前記右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10dは、図2、及び図5で示す如く移送始端部側の凹部10fから移送終端部へ向けて順次狭く形成して設けた構成である。
【0054】
これにより、多量の穀稈の移送能力向上、及び詰まり防止ができる。合流部での株揃え、及び穀稈のクロス防止ができる構成である。
図1、及び図6で示す如く右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10dと、左根元移送装置11左根元移送チェン11aの回転速度を、左右両側の駆動ギャーケース9h内の伝動機構31aの各ベベルギャー31b,31cの組合せする歯数を変えて、変更した構成である。左根元移送チェン11aより、右下根元移送チェン10dの回転速度を所定値高速回転に設定した構成である。
【0055】
これにより、左右二条列ずつの合流角度を修正し、脱穀機2aの入口まで遠い(右側)を速くして、合流角度を一致させることが可能となり、このために、穀稈がクロス状態になることを防止できる。又、穀稈のこぼれを防止できる。更に、四条に合流させたときに、穀稈の詰まりが互いに回転速度が異なるために発生することを防止できる。合流部(リ)までの距離を速度を上げることで合わせることができる。
【0056】
図1、及び図5で示す如く右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10dの穀稈を移送する移送作用側の移送終端部には、移送作用側に対して、略直角状態に、この右下根元移送チェン10dの後側には、チェンライン10h部を設けた構成である。
【0057】
これにより、前記右下根元移送チェン10dの内側の空間を大きく取ることができて、このために、穀稈のはかまや、泥等の抜けが良好になる。又、右下根元移送チェン10dの移送終端部から、右上根元移送装置10aの右上根元移送チェン10cまでの引継ぎ部を長く取ることができて、穀稈のずれ、及びこぼれ等を減少させることができる。
【0058】
前記右端部の分草体5aの先端部位置は、図8、及び図9で示す如く操作装置22へ設けた、コンバイン1の走行方向を変更するときに操作する方向制御レバー22aの中心位置とは、前後方向に略同じ位置(直線上)へ設けた構成である。又は、右端部の分草体5aと、操縦席23の前後、及び左右の中心位置と結ぶ線上より、方向制御レバー22aを右側へ位置させて設けた構成である。
【0059】
これらにより、右端部の分草体5bの先端位置の視界性が向上して、株元の判別が容易である。刈取機4の搭載位置の限定ができる。収穫作業時に機体1a寸法の目安となり、機体寸法の把握が容易である。取扱い性の向上を図ることができる。作業視界の移動がない。
【0060】
前記操縦席23の左右方向の中心位置の中心線上には、図8、及び図9で示す如く右端部側の分草体5bの一部を位置させて設けた構成である。
これにより、前記操縦席23へ着座したときに、右端部の分草体5bが正面に位置し、このために、作業性が向上する。又、この分草体5bが右端であり、機体1aの寸法を把握しやすい。
【0061】
図8、及び図9で示す如く右外引起装置7bの裏側には、手動注油装置32を設け、この手動注油装置32を始動、及び停止させるときに操作する手動注油レバー32aを、操縦席23の略正面へ位置させて設けた構成である。
【0062】
これにより、前記操縦席23より、手動注油レバー32aの操作が容易にできる。又、収穫作業時に、視界を妨げることがない。
詳細は後述ですが、前記穀粒貯留タンク2b内へ貯留する穀粒を機外へ排出する排出オーガ27の先端部には、図10で示す如く排出筒27bを装着した構成である。これら排出オーガ27、及び排出筒27bを収納状態に操作したときには、左端部の分草体5bの外端部より、排出筒27bの外端部は、所定寸法(L5)内側へ位置させて設けた構成である。
【0063】
これにより、逆廻り刈取り時で、高いコンクリートの外壁ぎわの作業の時等には、排出オーガ27の先端の排出筒27bの当接を防止することができる。又、収納性の向上を図ることができる。更に、旋回時に排出筒27bが周辺に当接することがない。
【0064】
前記操作装置22の前側の前板33には、図10で示す如く前照灯33aを設けると共に、この前照灯33aの前側には、右端部の分草体5bを位置させて設けた構成である。
これにより、前記前照灯33aの前方部には、右端部の分草体5bを設けたことにより、操作性が向上する。又、刈取機4の軽量化、及び前後バランスが向上する。更に、夜間作業時に、分草体5bをもっとも明るく照らすことで分草性能が向上する。
【0065】
前記支持杆16aの伝動機構16dより、図6で示す如く支持杆16aは、刈取下部ギャーケース29の左右方向略中央部へ位置させて設けると共に、この刈取下部ギャーケース29の伝動機構29aへ入力され、この刈取下部ギャーケース29の左右対称位置に、各分草体5b、及び引起装置6の左・右内引起装置6a,6b、及び左・右外引起装置7a,7b等を設けて、回転駆動する伝動系を設けた構成である。
【0066】
これにより、前記支持杆16aの左右対称位置へ各種部品を設けたことにより、左右の重量バランスが良好になった。三条列を刈取り用のコンバインの支持杆16a等を強度アップなしで使用できて、コストダウンになる。
【0067】
前記伝動機構16dを内装した支持杆16aの下端部には、図15で示す如く伝動機構29aを内装した刈取下部ギャーケース29を設け、この刈取下部ギャーケース29には、支持杆16aから左右両側へ略同じ位置に、伝動機構30aを内装した刈取用ギャーケース30を前方へ突出させて設けた構成である。この刈取用ギャーケース30,30の前部には、左右に二分割した刈刃装置5c,5cを各支持板30b,30bを介して、左右両側へ往復移動自在に設けた構成である。
【0068】
これにより、前記刈刃装置5c,5cの伝動位置、及び作動位置共に、支持杆16aから左右の対称位置へ設けたことにより、振動の減少を図ることができる。又、左右同一部品となり、コスト低減になる。
【0069】
前記引起装置6の左・右内引起装置6a,6bの引起ケース8a,8aの後側には、図11、及び図12で示す如く略コ字形状の上部カバー18を設けた構成である。この上部カバー18の右側には、右側へ向けて突出させて、右下根元移送チェン10dと略一致させた、突出部18aを設けた構成である。この突出部18aにより、移送する刈取り穀稈を合流部(リ)へ安定させて、移送させる構成である。
【0070】
これにより、前記右下根元移送チェン10dの始端部と、上部カバー18の突出部18aとを合わせることで、穂先の移送角度が安定する。又、面積を広くしたことにより、藁屑の圃場への落下をよくして、引起ケース8a内への混入を防止した。
【0071】
前記右下根元移送装置10bの右下根元移送チェン10d用の挟持ガイド21には、図13で示す如く弾発する複数のスプリング21dを設けた構成である。この各スプリング21dの作用により、挟持ガイド21と、右下根元移送チェン10dとにより、右側二条列を刈取りされた穀稈を、挟持移送させる構成である。又、左根元移送装置11の左根元移送チェン11a用の左挟持ガイド34は、弾発性である。例えば、ピアノ線材等により、製作した構成である。左側二条列を刈取りされた穀稈を、左根元移送チェン11aと、弾発する左挟持ガイド34とにより、挟持移送する構成である。
【0072】
これにより、軽量化と、コストダウンが図れる。又、藁屑等の溜りを防止することができると共に、穀稈の挟持移送が確実である。
前記刈取機4を支持する支持杆16aは、図14で示す如く走行装置3の左右両側の走行クローラ3a,3a間の中心位置より、左側へ位置させて設けると共に、ミッションケース25より、左側へ位置させて設けた構成である。
【0073】
これにより、側面視において、前記ミッションケース25へ重合状態に支持杆16aを配設でき、この支持杆16aの傾斜角がゆるく、このために、刈取機4の後方を脱穀機2a前方へ近接させることができ、機体1aのコンパクト化が可能である。又、脱穀機2aのフィードチェン2cを短縮できて、コスト低減と、強度的にも有利になる。
【0074】
前記刈取機4を支持する支持杆16aの中心(チ)位置は、図14で示す如く刈取機4の前端部に設けた中央部の分草体5aの中心位置、及び支持杆16aへ設けた伸縮シリンダ16の中心位置とは、略同じ位置へ位置させて設けた構成である。
【0075】
これにより、前記支持杆16aと、中央部の分草体5aと、伸縮シリンダ16との三者の左右方向の中心位置は、略同じ位置へ配設したことにより、刈取機4を上下回動操作時に、上下回動が容易である。又、構成を簡単にすることができる。
【0076】
前記穀粒貯留タンク2b側の前部には、図2、及び図3で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置22と、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席23とを設けた構成である。この操縦席23の下側で、走行車台2の上側面には、エンジン24を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク2bを配設する。これら走行装置3と、刈取機4と、脱穀機2aと、エンジン24等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
【0077】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース25内の伝動機構25aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ25bを設けた構成である。
【0078】
前記穀粒貯留タンク2b内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク2bの後側には、縦移送螺旋26aを内装した排出支持筒26を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒26の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋27aを伸縮自在に内装した排出オーガ27を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】穀稈移送装置部の拡大平面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】コンバインの左側全体側面図
【図4】穂先移送装置部と、供給移送装置部との拡大平面図
【図5】根元移送装置部の拡大平面図
【図6】刈取下部ギャーケース部の正面図
【図7】穂先移送装置部の側面図
【図8】操作装置部の正面図
【図9】操作装置部の平面図
【図10】排出筒と、分草体との関係拡大正面図
【図11】上部カバー部の拡大正面図
【図12】上部カバー部の拡大平面図
【図13】挟持ガイド部の拡大平面図
【図14】支持杆と、走行クローラ、及びギャーケースとの関係図
【図15】他の実施例を示す図で、刈刃装置部の拡大平面図
【符号の説明】
【0080】
1a 機体
2 走行車台
2a 脱穀機
4 刈取機
5b 分草体
6 引起装置
9a 掻込装置
10a 右上根元移送装置
10b 右下根元移送装置
11 左根元移送装置
12 穂先移送装置
14 供給移送装置
23 操縦席
29 刈取下部ギャーケース
L1 全巾
L2 全巾
L3 全長
L4 全長
A 刈取下部ギャーケース位置
B 操縦席前端部位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車台(2)前方部の穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取機(4)は、穀稈を引起しする複数の引起装置(6)と、穀稈の一方側の条列及び他方側の条列を掻込みする複数の掻込装置(9a)と、該掻込装置(9a)の後方右側には、穀稈の根元側を引継ぎ移送する右下根元移送装置(10b)と、一体で上下回動自在な右上根元移送装置(10a)及び穂先側を移送する三角形状の穂先移送装置(12)とを設けると共に、掻込装置(9a)の後方左側には、穀稈の根元側を引継ぎ移送する左根元移送装置(11)と、上下回動自在な穂先側を移送する供給移送装置(14)とを設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記刈取機(4)の前端部へ左右方向に所定間隔で穀稈を分離する複数の分草体(5b)の平面視左右両側間の全巾(L1)と、機体(1a)の全巾(L2)とは略同じに構成し、側面視穀稈を脱穀する脱穀機(2a)前端部から機体(1a)の後端部までの全長(L3)と、機体(1a)の前端部から脱穀機(2a)の前端部までの全長(L4)とは略同じとする。更に、刈取機(4)の刈取下部ギャーケース(29)位置(A)と、操縦席(23)前端部位置(B)とは側面視略同じ位置へ設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
前記全巾(L1)と、全巾(L2)とは略同じとし、又、全長(L3)と、全長(L4)とは略同じとすると共に、位置(A)と、位置(B)とは側面視略同じ位置へ設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−262819(P2006−262819A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88096(P2005−88096)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】