説明

コンバイン

【課題】刈取部への同調させる走行速度と、移動速度との切替等の走行操作の不便性、作業性の低下。
【解決手段】無段階に変速可能な走行装置3の前方に刈取部4を設け、走行装置3の上方に脱穀装置2を設ける。刈取部4は、走行装置3の無段変速装置12の油圧ポンプ14のポンプ斜板15の傾斜角度を調節する主変速レバー13の傾倒操作により、走行速度に同調して変速駆動する構成とする。前記無段変速装置12の油圧モータ16のモータ斜板17の傾斜角度は通常走行側と高速走行側とへ切替可能に構成する。モータ斜板17の傾斜角度が低速走行側に切替えられた状態で、前記主変速レバー13が最高速位置に操作されたときの車速を変更調節する速度調整ダイヤル51を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行用静油圧式無段変速装置により走行速度を無段階に変速可能な走行装置を有する作業車両において、前記走行用静油圧式無段変速装置の操作レバーの傾倒操作による変速を、低速、標準、高速、全範囲と切り替える構成は、公知である(特許文献1参照)。
また、従来、走行用静油圧式無段変速装置により走行速度を無段階に変速可能な走行装置を有する作業車両において、前記走行用静油圧式無段変速装置の操作レバー近傍に、速度設定手段を設けた構成も、公知である(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2008ー39087
【特許文献1】特開2007ー230518
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、両者共に、単に、走行用静油圧式無段変速装置の操作レバーの傾倒操作による変速を、低速、標準、高速、全範囲と切り替え、あるいは、車速設定するだけであるから、刈取部の回転数を変速された走行速度に同調して回転数を増減に変速させることはできないという課題がある。
即ち、高速の移動走行と低速の刈取作業とを反復するコンバインでは、単に、車速設定したのでは、高速の移動走行を基準にすると、低速の刈取作業に不具合が生じ、低速の刈取作業を基準にすると、移動時間が長くなって、作業性が低下する。
本願は、路上走行と刈取作業の二面性を有し、しかも、走行速度に刈取部の回転数を同調させる構成でありながら、コンバインの走行操作を簡単・適格に行えるように、刈取部への同調させる走行速度と、移動速度との切替等の走行操作等の不便性、作業性の低下を解決するようにして、操作性および作業性を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、走行用静油圧式無段変速装置12により走行速度を無段階に変速可能な走行装置3の前方に刈取部4を設け、走行装置3の上方には脱穀装置2を設け、前記刈取部4を走行速度に同調して変速駆動する構成とし、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧ポンプ14のポンプ斜板15の傾斜角度を調節する主変速レバー13を設け、前記走行用静油圧式無段変速装置12の主変速レバー13の傾倒操作により変速された走行速度に同調して変速駆動する構成とし、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16のモータ斜板17の傾斜角度を通常走行側と高速走行側とへ切替可能に構成し、該モータ斜板17の傾斜角度が低速走行側に切替えられた状態で、前記主変速レバー13が最高速位置に操作されたときの車速を変更調節する速度調整ダイヤル51を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、油圧モータ16のモータ斜板17の斜板角度を低速走行側に切替えて行う刈取作業では、速度調整ダイヤル51により圃場条件や作物条件に応じて設定最高速度を落として作業を行うことができ、作業条件に応じて最適な走行速度で走行させることができ、操作性および作業性が向上する。
また、刈取作業では油圧モータ16のモータ斜板17の傾斜角度を低速走行側に切替えて行うので、刈取作業を行うために油圧モータ16を低速走行側に切替えれば、速度調整ダイヤル51で設定した圃場条件や作物条件に応じた最適な走行速度で常時走行させることができ、操作性および作業性が向上する。
本発明では、前記速度調整ダイヤル51による最高速度の設定は前記油圧モータ16の斜板角度が低速走行側に切り替えられている場合に有効とし、前記油圧モータ16の斜板角度が高速走行側に切り替えられた場合には速度調整ダイヤル51による最高速度の設定を自動的に無効にするように構成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、高速移動するために、油圧モータ16のモータ斜板17の傾斜角度を高速走行側に切り替えると、速度調整ダイヤル51による最高速度の設定を自動的に無効にするので、一旦、刈取作業が終了したとき、移動のために油圧モータ16の斜板角度を高速走行側に切り替えれば、高速走行可能になって、速度調整ダイヤル51により行っていた減速設定を一々戻す操作を不要にし、移動時間を短縮でき、高速の移動走行と低速の刈取作業とを反復するコンバインの操作性および作業能率を向上させることができる。
本発明では、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16の斜板角度を高速走行側に切替えた状態で旋回するとき、油圧モータ16のモータ斜板17の傾斜角度を低速走行側へ自動的に切替えるように構成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16のモータ斜板17を高速走行に切替えた状態で旋回すると、自動的に油圧モータ16のモータ斜板17の斜板角度を低速走行側に自動的に切替え、低速で高トルク走行が可能となって、エンジン22の馬力ドロップを抑制減少させ、旋回走行を円滑にして作業性が向上する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、刈取部4を走行速度に同調させて変速させるので、刈取部4から穀稈を円滑に搬送でき、速度調整ダイヤル51により圃場条件や作物条件に応じて設定最高速度を落として作業を行って、作業条件に応じて最適な走行速度で走行させることができ、操作性および作業能率を向上させることができる。
請求項2の発明では、上記請求項1の発明の効果に加えて、高速移動するために、油圧モータ16のモータ斜板17の斜板角度を高速走行側に切り替えれば、速度調整ダイヤル51による最高速度の設定を自動的に無効にするので、油圧モータ16のモータ斜板17を切替操作すれば、速度調整ダイヤル51により行っていた減速設定を一々戻す操作を不要にでき、高速の移動走行と低速の刈取作業とを反復するコンバインの操作性および作業能率を向上させることができる。
請求項3の発明では、上記請求項1および請求項2の発明の効果に加えて、高速移動するために、油圧モータ16のモータ斜板17の斜板角度を高速走行側に切替えた状態で旋回しても、自動的に油圧モータ16のモータ斜板17を低速走行側に自動的に切替えるので、低速で高トルク走行が可能となって、エンジン22の馬力ドロップを抑制減少させ、旋回走行を円滑にして作業能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図面により説明すると、1は機体フレ−ム、2は機体フレ−ム1の上方位置に設けた脱穀装置、3は機体フレ−ム1の下方位置に設けた走行装置、4は機体フレ−ム1の前方に設けた刈取部、5は前記脱穀装置2の側部に設けた該脱穀装置2より取出された穀物を一時貯留するグレンタンク、6は操縦部、7はグレンタンク5内の穀物を揚穀する揚穀排出装置である。
前記刈取部4の一例を示すと、分草体8、引起装置(図示省略)、刈刃9および搬送装置を有して構成する。
10は搬送装置により搬送され穀稈を脱穀装置2の脱穀室(図示省略)に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置、11は穀稈供給搬送装置10の始端側に設けたシンクロ用前側供給搬送装置である。
前記穀稈供給搬送装置10は、前記刈取部4で刈り取られた穀稈を脱穀装置2の脱穀室(図示省略)の穀稈供給口(図示省略)から供給し、脱穀されて脱穀室の穀稈排出口(図示省略)より排出するまで搬送するものであるが、刈取部4で刈り取った穀稈を穀稈供給搬送装置10まで搬送する構成は任意である。
【0007】
前記穀稈供給搬送装置10は、挾扼杆(図示省略)と搬送供給チェン(フィードチェン、図示省略)により構成する。挾扼杆は脱穀装置2の上部カバーに上下自在に取付けられ、搬送供給チェンに弾着して穀稈を挟持搬送する。搬送供給チェンは無端チェンにより構成し、任意構成の案内レール(図示省略)により案内されて移動するように構成する。
しかして、走行装置3は走行用静油圧式無段変速装置12により走行速度変更可能に構成し、刈取部4へ伝達する回転も走行装置3の走行速度に同調して刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により変速するようにする。
即ち、走行用静油圧式無段変速装置12および刈取搬送用静油圧式無段変速装置21は、主変速レバー13の傾倒操作量に応じて増減速し、例えば、図2のように、走行速度に対して所定割合で伝動回転を増速する標準作業ラインAと、該標準作業ラインAよりも短時間で増速するようにした倒伏作業ラインBにより変速するように構成する。
【0008】
また、前記走行用静油圧式無段変速装置12は、油圧ポンプ14のポンプ斜板15の傾斜を変更して油圧モータ16への送油量を無段階に変更して回転を伝達し(図3)、油圧モータ16にも傾斜角度を二段階に切替可能なモータ斜板17を設け、機体の走行速度の上限を高速走行Cと通常走行Dとの切替可能に構成する。
具体的には、主変速レバー13の傾倒操作角度をHST開度センサによって検出し、後述する本機コントローラ55からソレノイド93への出力によってバルブ94を切替え、複動シリンダ95の作動によってポンプ斜板15の角度を変更することによって無段変速が行われる。また、モータ側の変速は、本機コントローラ55からソレノイド96への出力によってバルブ97を切替え、油圧シリンダ19の作動によってモータ斜板17の角度を二位置に切り替えることによって行われる。
したがって、本願の走行用静油圧式無段変速装置12が油圧モータ16により二段階に走行速度を切替可能にすることで副変速機能を奏するように構成しているので、ミッションケース18内の機械的な副変速機構を省略している。
19はモータ斜板17を切替える切替手段(シリンダ)である。
【0009】
しかして、刈取搬送専用の刈取搬送用静油圧式無段変速装置21による走行速度への同調は、脱穀装置2と穀稈供給搬送装置10とをエンジン22からの一定駆動回転で駆動して脱穀作業を安定させつつ、穀稈供給搬送装置10への引継を円滑・確実にする。
また、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11への伝達回転は、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により変速するので、通常は刈取搬送用静油圧式無段変速装置21が刈取部4を走行速度に同調させて変速するが、所定条件のときは、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21単独で刈取部4および/またはシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動するように構成する。
そのため、機体停止状態から所定走行速度の間でも、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11を十分な回転数で駆動させることができ、機体走行開始直後から安定して刈取部4および脱穀装置2を駆動させられ、刈取作業および脱穀作業を安定・確実に行える。
また、走行用静油圧式無段変速装置12から走行装置3への回転を停止させたとき、単独の刈取搬送用静油圧式無段変速装置21でシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動すると、機体走行停止状態でシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動し、シンクロ用前側供給搬送装置11および穀稈供給搬送装置10へ手刈り穀稈を供給でき、刈取作業および脱穀作業の作業性および操作性を向上させられる。
【0010】
エンジン22から走行用静油圧式無段変速装置12および刈取搬送用静油圧式無段変速装置21への回転伝達機構の構成は任意であるが、一例を示すと、25Aは走行用出力プーリー、25Bは刈取脱穀用出力プーリー,26は走行用静油圧式無段変速装置12の入力プーリー、28は刈取脱穀用出力プーリー25Bの回転が伝達される中間プーリー,29は中間軸、30は中間歯車、31は中間伝動軸、32は一対の脱穀用傘歯車、33は脱穀伝動軸、33Aは脱穀用中間プーリー、34は扱胴、35は処理胴、36は刈取用中間歯車、37は刈取搬送用静油圧式無段変速装置21の刈取HST入力軸、38は刈取搬送用静油圧式無段変速装置21の刈取HST出力軸、39は刈取用中間出力軸、40は搬送シンクロ用出力軸、41は穀稈供給搬送中間出力軸、41Aは供給搬送用プーリー、42は唐箕、43は穀稈供給搬送装置10の駆動歯車、44は刈取脱穀クラッチ、45は刈取用中間出力軸39に設けた刈取中間出力プーリー,46は刈取中間入力プーリー、47は刈取中間出力プーリー45と刈取中間入力プーリー46に掛け回したベルト、50は刈取用中間歯車36および刈取用中間出力軸39等を設けたギヤケースであり、ギヤケース50の操縦部6側に刈取搬送用静油圧式無段変速装置21を設ける。そのため、機体重量バランスやギヤケース50の取付バランスを良好にする。
【0011】
ギヤケース50の穀稈供給搬送装置10側の刈取用中間出力軸39と搬送シンクロ用出力軸40と穀稈供給搬送中間出力軸41には、刈取中間出力プーリー45に掛け回したベルト47等の張力が作用するが、この張力の作用する反対側のギヤケース50に刈取搬送用静油圧式無段変速装置21を設けているので、バランスが良好になる。
しかして、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16を低速走行に切替えた状態で、主変速レバー13の最高速位置の車速を設定する速度調整ダイヤル51を設ける。
油圧モータ16を低速走行に切替えて行う刈取作業では、圃場条件や作物条件に応じて設定最高速度を設定して作業を行うことができ、作業条件に応じて最適な走行速度で走行させることができ、操作性および作業性を向上させる。
刈取作業では油圧モータ16を低速走行側に切替えて行うので、常時、圃場条件や作物条件に応じた最適な走行速度で走行させることができる。
即ち、速度調整ダイヤル51は図3の速度ラインEと速度ラインFの間で無段階で最高速度を設定する。
【0012】
この場合、通常、移動状態では油圧モータ16のモータ斜板17を高速走行側に切り替えており、刈取作業に移行するとき、油圧モータ16を低速走行側に切替えて行うので、刈取作業を行うために油圧モータ16を低速走行側に切替えれば、速度調整ダイヤル51で設定した圃場条件や作物条件に応じた最適な走行速度で走行させることができ、操作性および作業性を向上させる。
前記速度調整ダイヤル51による最高速度の設定変更(調節)は油圧モータ16が低速走行の場合に有効とし、油圧モータ16が高速走行の場合には自動的に速度調整ダイヤル51による最高速度の設定を無効にして油圧ポンプ14の初期設定(最大性能発揮状態)における最高出力回転とするように構成する。
一旦、刈取作業が終了したとき、移動のために油圧モータ16を高速走行側に切り替えれば、高速走行可能になって、速度調整ダイヤル51により行っていた減速設定を一々戻す操作を不要にし、移動時間を短縮でき、高速の移動走行と低速の刈取作業とを反復するコンバインの操作性および作業性を向上させる。
【0013】
仮に、速度調整ダイヤル51による最高速度の設定が油圧モータ16の低速走行のみならず高速走行の場合にも有効とすると、例えば、速度調整ダイヤル51による最高速度の設定を減速設定していると、油圧モータ16を高速走行に切り替えても、移動する際の走行速度が遅くなって、移動時間が長くなり、また、油圧モータ16が高速状態のときに速度調整ダイヤル51による設定変更するようにすると、油圧モータ16の低速状態と高速状態の夫々で設定(調節)操作が必要となって、操作が煩雑になるが、本願では速度調整ダイヤル51による最高速度の設定(調整・変更)は油圧モータ16が低速走行の場合に有効としているので、刈取作業では圃場条件や作物条件に応じて設定最高速度を落として作業を行うことができ、作業条件に応じて最適な走行速度で走行させることができ、また、一旦、刈取作業が終了したときは、一々速度調整ダイヤル51により行った減速設定を戻す操作を不要にして、高速走行により移動することができ、操作性および作業性を向上させる。
【0014】
また、刈取作業では、油圧モータ16を低速走行側に切替えて行うので、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16が高速状態で主変速レバー13を最高速に操作して油圧ポンプ14の回転を最大にすることはなく、仮に、図2の油圧モータ16の回転を最大にしたときの最高走行速度ラインCに同調させて刈取部4を増速駆動させて刈取作業したとすると、走行速度の上がりすぎによる刈刃9の刈跡の悪化、藁量の増加による刈取部4の詰まり・破損を招くこが、本願では、これを防止する。
したがって、速度調整ダイヤル51が設定しうる最高走行速度は作業最高速度ラインD以下となるように構成する。
55は本機コートローラ、56は走行用静油圧式無段変速装置12(刈取搬送用静油圧式無段変速装置21)のHSTコントローラ、57はエンジン22に設けたエンジンコントローラ、58は車速センサーである。
なお、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16のモータ斜板17の高速走行側と低速走行側への切替構成は任意であり、切替スイッチを設けて手動操作により切替える構成や、作業クラッチ(刈取クラッチあるいは脱穀クラッチ)の入りの検出により自動的に切替える構成でもよい。
【0015】
しかして、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16を高速走行に切替えた状態で、旋回するとき、自動的に油圧モータ16のモータ斜板17を低速走行に切替えるように構成する(図8)。
そのため、走行用静油圧式無段変速装置12を低速で高出力トルクで出力するようにして、エンジン22の馬力ドロップを抑制減少させ、作業性を向上させる。
この場合、操縦部6のパワステレバー(パワステレバーポジションセンサ)60の倒し量が一定以上のとき、または、スピン旋回スイッチ61がON状態で、旋回するとき、自動的に油圧モータ16のモータ斜板17を低速走行に切り替える。
したがって、旋回走行が円滑に行え、操作性および作業性を向上させる。
【0016】
また、刈取作業の工程で旋回走行に移行する際、エンジン22の負荷率が低く、旋回してもエンジン22の回転が低下しない場合は、車速を維持するように構成する。
旋回開始時の負荷が少ないときは高速旋回して、作業効率を向上させる。
即ち、直進走行に比し旋回走行では走行抵抗が大きくなってエンジン22の負荷が上昇するが、一方で脱穀装置2等の他の装置部分の負荷が少ないときは、旋回してもエンジン22の回転が低下しないことあり、このときは車速を維持して、移動時間を短縮して作業性を向上させる。
この場合、作業者が減速操作したときは、作業者の操作を優先して減速する。
また、旋回するときにエンジン22の負荷率が高い場合は、パワステレバー60の倒し量に応じて車速を減速するように構成する(図9)。
通常の減速操作は主変速レバー13により行っており、パワステレバー60は旋回半径の大小を操作するが、エンジン22の負荷が高いときは主変速レバー13によらずにパワステレバー60の倒し量に応じて自動的に車速を減速することによって(図9)、エンジン22の回転が落ちるのを抑制減少させ、旋回走行が円滑に行うと共に、パワステレバー60の操作だけで旋回操作および減速操作を行って、操作性および作業性を向上させる。
【0017】
エンジン22の負荷率の判定検出する手段は任意であるが、本願ではエンジン回転センサ62によりエンジン回転数を検出して行っている。
この場合の減速は、油圧ポンプ14の斜板15あるいは油圧モータ16のモータ斜板17の何れかの傾斜角度の変更で行う。
しかして、図10は、ミッションケース18の展開状態の概略図であり、上部に走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16から出力される入力軸65を設け、入力軸65に出力歯車66を設ける。出力歯車66にはサイドクラッチ軸67に固定の受動歯車68を常時噛合せる。69はサイドクラッチ軸サイドクラッチ軸67に設けた左右サイドクラッチである。
サイドクラッチ軸67の受動歯車68には遊星歯車機構70の駆動軸71に固定の駆動歯車72を噛み合わせる。遊星歯車機構70は公知構成であり、浅い円筒形状のキャリア73に遊星歯車74を設け、駆動軸71に遊嵌状態に設けた遊星歯車75に中間遊星歯車76を介して噛み合わせる。キャリア73にはキャリア73の回転に制動を付与する多板式のブレーキ77を設ける。
【0018】
左右のサイドクラッチ69を入りの状態では直進し、パワステを傾倒させるとブレーキ77により旋回内側となるキャリア73に制動を掛けて緩旋回を開始し、更に、ブレーキ77により旋回内側となるキャリア73に制動を掛けて旋回内側の車軸の回転が零になるとブレーキターンとなり、更に、キャリア73に制動を掛けると旋回外側と旋回内側の車軸の回転が逆転してスピンターンとなる。
前記ミッションケース18は、側面視において、サイドクラッチ69を機体進行方向前側に配置し、サイドクラッチ69の後方に遊星歯車機構70を設ける。サイドクラッチ69の前方部分のミッションケース18にはサイドクラッチバルブ78とブレーキ比例弁79を設ける。
したがって、ミッションケース18にサイドクラッチバルブ78およびブレーキ比例弁79を設けるので、サイドクラッチバルブ78とブレーキ比例弁79をアッシーでの作動確認が容易に可能となり、また、サイドクラッチバルブ78およびブレーキ比例弁79がミッションケース18の前面側にあるので、サイドクラッチバルブ78およびブレーキ比例弁79のメンテナンスが容易になる。
【0019】
前記サイドクラッチバルブ78と前記サイドクラッチ69とを接続する油路78Aは、ミッションケース18の肉厚部分に形成する。
そのため、サイドクラッチバルブ78とサイドクラッチ69とを接続する外部ホースを省略でき、コストダウン・組立工数を低減させる。また、サイドクラッチバルブ78とサイドクラッチ69とを接続するホースを省略した分の外部配管スペースを小さくする。
また、左右のサイドクラッチ69を連結する油路(図示省略)も、ミッションケース18の肉厚部分に形成する。
ミッションケース18への油圧接続はPポートとTポートの各一本ずつとし、サイドクラッチバルブ78およびブレーキ比例弁79は操縦部6のステップの下方に設ける。
そのため、操縦部6のステップ下方の構成品が少なくでき、操縦部6の操作席をオープン可能に構成するのが容易となる。
【0020】
しかして、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16のモータ斜板17の傾斜角度は、通常、モータ斜板切替手段(油圧シリンダ)19を作動させる切替バルブ97の作動によって切り替えるが、モータ斜板切替手段19が故障等の不具合が生じたときは低速側に固定される(図12)。
また、通常は、切替バルブ94の切替によって、複動シリンダ95が作動し、油圧ポンプ14のポンプ斜板15の傾斜角度が無段階に変更されて、変速走行する。
これに加えて、走行用HST緊急バルブ81はパワステ操作用の油圧回路の前記サイドクラッチ69に接続した油路82と接続し、複動シリンダ95とは油路83により接続する。
断線等により切替バルブ94が電気的に作動しなくなり、走行不良状態にったとき、手動操作または切替バルブ操作用の緊急レバー(図示なし)の操作により走行用HST緊急バルブ81を操作し、走行可能とする。
このように、切替バルブ94が作動しなくなった場合に、走行用HST緊急バルブ81を作動させて複動シリンダ95を作動させ、油圧ポンプ14のポンプ斜板15の傾斜角度を無段階に変更して、変速走行を可能にする。
【0021】
また、図13は、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧回路のチャージポンプ85を分流弁86を介してパワステ操作用の油圧回路の前記サイドクラッチ69に油路87により接続した構成を示す
88はポンプであり、ブレーキ比例弁79に送油する。
従来はレデュースバルブ減圧してパワステ操作用の油圧回路のサイドクラッチ69に送油していたため、ポンプ88の流量を十分に発揮させていなかったので、ポンプ88からサイドクラッチ69への送油回路を省略し、他の例えば刈取上下シリンダ等の油圧回路へ回して、ポンプ88の流量を十分に利用でき、刈取上下の作動速度を速くして、操作性や作業性を向上させる。
また、レデュースバルブも廃止でき、コストメリットがある。
しかして、前記刈取搬送用静油圧式無段変速装置21内には油圧ポンプ89と油圧モータ90が設けられ(図3)、油圧ポンプ89と油圧モータ90の油圧回路にはチェックバルブ91を設けて、油圧ポンプ89の回転が逆転域になったとき、逆回転を油圧モータ90へ伝達させないようにしている。
そのため、刈取部4を逆転駆動させることを防止して、刈取部4の破損を防止する。
【0022】
刈取搬送用静油圧式無段変速装置21から刈取部4への伝動回路中にワンウエイクラッチを設ける必要が無く、コストダウンしうるコストメリットを大きくする。
前記刈取搬送用静油圧式無段変速装置21には、前記走行用静油圧式無段変速装置12のチャージポンプ85からのオイルを分流して供給するように構成する。
したがって、走行用静油圧式無段変速装置12と刈取搬送用静油圧式無段変速装置21とチャージポンプ85を共用するので、コストメリットを高くする。
また、チャージポンプ85によるオイルの供給は、ラインフィルタ92を出たあとに分流させる回路に構成する。
したがって、ラインフィルタ92を共用できるので、夫々専用のラインフィルタ92を設置する設置スペースや配管を不要にでき、コストメリットを高くし、また、オイル管理も容易になる。
【0023】
前記走行用静油圧式無段変速装置12と刈取搬送用静油圧式無段変速装置21は、主変速レバー13の傾倒角度に応じて、同期させて作動させるが、同期および作動させるための構成は任意であり、例えば、主変速レバーと走行用静油圧式無段変速装置12および刈取搬送用静油圧式無段変速装置21をリンク等の機械的構成により連結したり、主変速レバーの傾倒角度を電気的に検出し、この信号により走行用静油圧式無段変速装置12と刈取搬送用静油圧式無段変速装置21を電気的に制御するようにしてもよい。
【0024】
(実施例の作用)
機体を走行させると、刈取部4が圃場の穀稈を刈り取って搬送し、刈取部4により搬送された穀稈はシンクロ用前側供給搬送装置11に引き継がれ、シンクロ用前側供給搬送装置11は穀稈を穀稈供給搬送装置10に受け渡し、穀稈供給搬送装置10は穀稈を一定速度で搬送して脱穀装置2の脱穀室に供給して脱穀する。
走行装置3は走行用静油圧式無段変速装置12により主変速レバー13を傾倒させると、走行用静油圧式無段変速装置12がエンジン22の一定回転を無段階に変速して伝達し、走行速度変更可能に構成し、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11へ伝達する回転も走行装置3の走行速度に同調して変速するようにしているので、刈取部4は走行速度に応じて最適な作業回転数が伝達される。
即ち、主変速レバー13を傾倒操作すると、走行用静油圧式無段変速装置12によエンジン22の一定回転が無段階に変速されて走行装置3に伝達され、走行装置3の走行速度に同調して刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11へ伝達する回転も変速される。
【0025】
しかして、走行装置3の走行速度を変速する走行用静油圧式無段変速装置12は、主変速レバー13の傾倒操作量に応じて増減速するが、更に、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16のモータ斜板17も傾斜角度を二段階に切替可能(切替操作手段の構成は任意)に構成し、通常走行と高速走行との切替え可能に構成しているから、通常走行速度(標準側)で刈取作業(標準作業および倒伏作業)を行い、高速走行速度(高速側)で走行して移動時間を短縮する。
この場合、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16を低速走行に切替えた状態で、主変速レバー13の最高速位置の車速を設定する速度調整ダイヤル速度調整ダイヤル51を設けているので、油圧モータ16を低速走行に切替えて行う刈取作業では、圃場条件や作物条件に応じて設定最高速度を落として作業を行うことができ、作業条件に応じて最適な走行速度で走行させることができ、操作性および作業性を向上させる。
【0026】
速度調整ダイヤル51による主変速レバー13を最高速位置へ操作したときの最高速度の設定変更(調節)は、油圧モータ16が低速走行側に切り替えられている場合に有効とし、油圧モータ16が高速走行側の場合には自動的に速度調整ダイヤル51による最高速度の設定を無効にし、主変速レバー13を最高速位置へ操作すれば走行用静油圧式無段変速装置12が発揮するように設定された範囲内の最高走行速度で走行するように構成しているから、刈取作業では主変速レバー13を最高速操作したときの最高走行速度を、速度調整ダイヤル51により作業条件に応じた最適な低速状態で作業を行えるようにでき、作業者の意図に合致した作業状態にでき、操作性および作業性を向上させ、しかも、速度調整ダイヤル51は油圧モータ16が低速走行側のとき有効であり、一旦、刈取作業が終了して移動するときには、油圧モータ16を高速走行側に切り替えればよく、速度調整ダイヤル51により行っていた減速設定を一々戻す操作を不要にして、高速走行による移動を可能にでき、操作性および作業性を向上させる。
【0027】
また、走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16が低速状態であれば、速度調整ダイヤル51による走行速度の設定を主変速レバー13を最高速位置にまで操作したときでも、刈取部4が刈取作業可能な走行速度となるように予め設定でき、誤操作による走行速度の上がりすぎによる刈刃9の刈跡の悪化、藁量の増加による刈取部4の詰まり・破損を防止する。
しかして、前記走行用静油圧式無段変速装置12の油圧モータ16を高速走行に切替えた状態で、旋回するとき、自動的に油圧モータ16のモータ斜板17を低速走行に切替えるように構成しているので、通常の移動は高速走行で移動して移動時間を短縮し、旋回するときは、走行用静油圧式無段変速装置12を低速で高出力トルクで出力して、エンジン22の馬力ドロップを抑制減少させ、走行を安定させ、操作性および作業性を向上させる。
【0028】
例えば、操縦部6のパワステレバーパワステレバー60の倒し量が一定以上のとき、または、スピン旋回スイッチスピン旋回スイッチ61がONのときに、旋回すると、自動的に油圧モータ16のモータ斜板17を低速走行に切り替えるので、旋回走行が円滑に行え、操作性および作業性を向上させる。
また、刈取作業の工程で旋回走行に移行する際、エンジン22の負荷率が低く、旋回してもエンジン22の回転が低下しない場合は、車速を維持するように構成しているので、旋回開始時の負荷が少ないときは高速旋回して、作業効率を向上させる。
即ち、直進走行に比し旋回走行では走行抵抗が大きくなってエンジン22の負荷が上昇するが、一方で脱穀装置2等の他の装置部分の負荷が少ないときは、旋回してもエンジン22の回転が低下しないことあり、このときは車速を維持して、移動時間を短縮して作業性を向上させる。
この場合、作業者が減速操作したときは、作業者の操作を優先して減速する。
また、旋回するときにエンジン22の負荷率が高い場合は、パワステレバー60の倒し量に応じて車速を減速するように構成するから、エンジン22の負荷が高いときは主変速レバー13によらずにパワステレバー60の倒し量に応じて自動的に車速を減速することによって、エンジン22の回転が落ちるのを抑制減少させ、旋回走行を円滑に行うと共に、パワステレバー60の操作だけで旋回操作および減速操作を行って、操作性および作業性を向上させる。
【0029】
即ち、旋回するときにエンジン22の負荷率が高い場合でも、パワステレバー60の倒し量に応じて車速を減速するので、エンジン22の負荷が高くてもパワステレバー60の倒し量における最高速度まで自動的に車速を減速するので、エンジン22の回転が落ちるのを抑制減少させつつ、高速で旋回走行を行える。
しかして、走行用静油圧式無段変速装置12の速度調整ダイヤル51による走行車速の設定制御は、走行用静油圧式無段変速装置12による走行速度の上限設定の変更であり、この主変速レバー13の操作による走行速度に同調するように刈取部4の回転を自動制御すればよいので、刈取部4の回転を同調させるための構成は任意であり、走行装置3と刈取部4の同調制御は走行用静油圧式無段変速装置12単独でも行えるが本願では走行用静油圧式無段変速装置12とは別個の刈取部4の専用の刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により行っているので、この刈取部4の専用の刈取搬送用静油圧式無段変速装置21による特有の作用について以下詳述する。
【0030】
走行装置3の走行速度は主変速レバー13の操作により走行速度を変速し、この走行速度に対して、例えば、図2の走行速度に対して所定割合で伝動回転を増速する標準作業ラインAと、該標準作業ラインAより上昇率の高い加速をするようにした倒伏作業ラインBとを選択的に採用して、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動させる。
そして、シンクロ用前側供給搬送装置11は植立状態で刈取部4から搬送される穀稈の姿勢を横倒し状態に変えて引き継ぐので、シンクロ用前側供給搬送装置11と穀稈供給搬送装置10との間で搬送速度に若干の差があっても、搬送姿勢が横向きなので、円滑に引き継げる。
即ち、実施例の刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11は、刈取搬送専用の刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により走行速度に同調させて変速しているので、脱穀装置2と穀稈供給搬送装置10をエンジン22からの一定駆動回転で駆動して脱穀効率を向上させつつ、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11の回転を走行速度に同調させて刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により変速して、穀稈供給搬送装置10への引継を円滑・確実にする。
【0031】
また、刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11への伝動回転は、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により変速するので、通常は走行速度に同調させて変速するが、所定条件のときは、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21単独で刈取部4および/またはシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動させることができるので、作業態様を広げ、汎用性を向上させられる。
即ち、機体停止状態から所定走行速度の間でも、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11を十分な回転数で駆動させることができるので、機体走行開始直後から安定して刈取部4および脱穀装置2を駆動させられ、刈取作業および脱穀作業を安定・確実に行える。
また、走行用静油圧式無段変速装置12から走行装置3への回転を停止させたとき、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21単独でシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動すると、機体走行停止状態でシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動させることができるので、シンクロ用前側供給搬送装置11および穀稈供給搬送装置10へ手刈り穀稈を供給する供給作業を容易にでき、刈取作業および脱穀作業の作業性および操作性を向上させられる。
【0032】
しかして、エンジン22の回転が中間プーリー28に伝達され、中間プーリー28は中間軸29と中間歯車30を介してケースの中間伝動軸31に回転を伝達し、中間伝動軸31で扱胴34側と穀稈供給搬送中間出力軸41および刈取搬送用静油圧式無段変速装置21とに伝動を分岐する。
脱穀用傘歯車32に伝達された回転は扱胴34に伝達して駆動する。
中間伝動軸31の回転は穀稈供給搬送中間出力軸41に伝達されて、穀稈供給搬送中間出力軸41の回転は穀稈供給搬送装置10の終端側から入力させて、穀稈供給搬送装置10を駆動する。
したがって、穀稈供給搬送中間出力軸41は走行用静油圧式無段変速装置12および刈取搬送用静油圧式無段変速装置21とは無関係にエンジン22からの一定に設定された回転を、穀稈供給搬送装置10に伝達し、穀稈供給搬送装置10と扱胴34とは常時同じ関係で回転する。
【0033】
穀稈供給搬送中間出力軸41の下手側には刈取用中間歯車36により回転が伝達される刈取搬送用静油圧式無段変速装置21の刈取HST入力軸37を設けているので、穀稈供給搬送中間出力軸41の回転が刈取搬送用静油圧式無段変速装置21のポンプに入力されて、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21のモータから変速された回転が刈取HST出力軸38により出力され、刈取HST出力軸38は刈取用中間出力軸39および搬送シンクロ用出力軸40により刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11を駆動回転させる。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しており、ブロック図等を含めたこれらの実施例は相互に夫々種々組合せ可能であり、特に、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21により刈取部4およびシンクロ用前側供給搬送装置11を走行速度に同調させる構成であっても、走行用静油圧式無段変速装置12単独により走行速度に同調させる構成に組み合わせることや、各種スイッチ等の組み合わせも含めて、実施例の相互の組合せは可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。特に、走行装置3と刈取部4の同調制御させる構成は任意であり、刈取搬送用静油圧式無段変速装置21の存在は要件ではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】刈取部の回転数と車速との関係図。
【図3】速度調整ダイヤルと車速との関係図。
【図4】無段変速装置の油圧回路図。
【図5】伝動機構の概略図。
【図6】ブロック図
【図7】操縦部のスイッチ配置図。
【図8】フロー図
【図9】エンジン負荷と車速との関係図。
【図10】ミッション機構の概略図。
【図11】ミッションケースの一部側面図。
【図12】無段変速装置の他の実施例の油圧回路図。
【図13】無段変速装置の他の実施例の油圧回路図。
【符号の説明】
【0035】
1…機体フレ−ム、2…脱穀装置、3…走行装置、4…刈取部、5…グレンタンク、10…穀稈供給搬送装置、11…シンクロ用前側供給搬送装置、12…走行用静油圧式無段変速装置、13…主変速レバー、14…油圧ポンプ、15…ポンプ斜板、16…油圧モータ、17…モータ斜板、18…ミッションケース、21…刈取搬送用静油圧式無段変速装置、22…エンジン、26…入力プーリー、27…ミッションケース、28…中間プーリー、29…中間軸、30…中間歯車、31…中間伝動軸、32…脱穀用傘歯車、33…脱穀伝動軸、34…扱胴、35…処理胴、36…刈取用中間歯車、37…刈取HST入力軸、38…刈取HST出力軸、39…刈取用中間出力軸、40…搬送シンクロ用出力軸、41…穀稈供給搬送中間出力軸、42…唐箕、43…駆動歯車、44…刈取脱穀クラッチ、45…刈取中間出力プーリー、46…刈取中間入力プーリー、47…ベルト、50…ギヤケース、51…速度調整ダイヤル、55…本機コートローラ、56…HSTコントローラ、57…エンジンコントローラ、58…車速センサー、60…パワステレバー、61…スピン旋回スイッチ、62…エンジン回転センサ、65…入力軸、66…出力歯車、67…サイドクラッチ軸、68…受動歯車、69…サイドクラッチ、70…遊星歯車機構、71…駆動軸、73…キャリア、74…遊星歯車、75…遊星歯車、76…中間遊星歯車、77…ブレーキ、78…サイドクラッチバルブ、79…ブレーキ比例弁、80…切替バルブ、81…走行用HST緊急バルブ、82…油路、83…油路、85…チャージポンプ、86…分流弁、87…油路、89…油圧ポンプ、90…油圧モータ、91…チェックバルブ、92…ラインフィルタ、93…ソレノイド、94…切替バルブ、95…複動シリンダ、96…ソレノイド、97…切替バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用静油圧式無段変速装置(12)により走行速度を無段階に変速可能な走行装置(3)の前方に刈取部(4)を設け、走行装置(3)の上方には脱穀装置(2)を設け、前記刈取部(4)を走行速度に同調して変速駆動する構成とし、前記走行用静油圧式無段変速装置(12)の油圧ポンプ14のポンプ斜板15の傾斜角度を調節する主変速レバー(13)を設け、前記走行用静油圧式無段変速装置(12)の主変速レバー(13)の傾倒操作により変速された走行速度に同調して変速駆動する構成とし、前記走行用静油圧式無段変速装置(12)の油圧モータ(16)のモータ斜板(17)の傾斜角度を通常走行側と高速走行側とへ切替可能に構成し、該モータ斜板(17)の傾斜角度が低速走行側に切替えられた状態で、前記主変速レバー(13)が最高速位置に操作されたときの車速を変更調節する速度調整ダイヤル(51)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記速度調整ダイヤル(51)による最高速度の設定は前記油圧モータ(16)の斜板角度が低速走行側に切り替えられている場合に有効とし、前記油圧モータ(16)の斜板角度が高速走行側に切り替えられた場合には速度調整ダイヤル(51)による最高速度の設定を自動的に無効にするように構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項2において、前記走行用静油圧式無段変速装置(12)の油圧モータ(16)の斜板角度を高速走行側に切替えた状態で旋回するとき、油圧モータ(16)のモータ斜板(17)の傾斜角度を低速走行側へ自動的に切替えるように構成したことを特徴とするコンバイン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−29105(P2010−29105A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194440(P2008−194440)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】