説明

コンバイン

【課題】畦際等で刈取部を上昇させても、特別な操作を要することなくこの畦際の穀稈を刈り取ることができるものとし、刈取作業の能率を高める。
【解決手段】刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出され且つ行車体(1)の所定速度よりも速い走行速度が検出された場合は刈取搬送装置(10)の駆動を無条件に停止させ、刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されても所定速度以下の走行速度が検出された場合には、この検出の時点から刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間または所定時間が経過するまでの間、刈取搬送装置(10)の駆動を継続した後に該刈取搬送装置(10)の駆動を自動的に停止させる刈取搬送制御装置(11)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、機体の最前部に設ける刈取部で穀稈の株元を刈り取って、その刈取った穀稈を刈取搬送装置で脱穀装置に送り込んで脱穀するようにしているが、刈取走行を停止した際や機体旋回のために刈取部を一定高さ以上に上昇させた際には危険防止のために刈取搬送装置を停止するようにしている。
【0003】
しかし、畦際に植立する穀稈を刈取る作業などにおいては、畦と刈取部の干渉を避けるため、刈取部を高く上昇させた状態で刈取作業を行う場合がある。
このために、例えば、特許文献1に示すように、機体の走行が停止したとき、穀稈の刈取りと搬送を行なう刈取搬送装置の駆動を停止させる機能と、刈取部が所定の高さまで上昇したとき、刈取搬送装置の駆動を停止させる機能とを有するコンバインであって、強制掻き込みスイッチを設け、この強制掻き込みスイッチを入り操作したとき、前記機体の走行状態もしくは刈取部の昇降位置に関わらず、刈取搬送装置を駆動させるようにした技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3756120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンバインの刈取作業では、畦に向かって刈取りを行う際には、刈取部を畦に当たらないように上昇させながら前進して刈取を行うが、前記の従来技術では刈取部を上昇させると刈取搬送装置の駆動が停止するので、強制掻き込みスイッチを入り操作して再度刈取搬送装置を駆動して刈取作業を行わなければならず、操作が面倒であり作業効率の低下を招く問題があった。
【0006】
そこで、本発明では、畦に向かって刈取部を上昇させながら刈取りを行う際に、刈取部の安全を確保しながらも、特別な操作を行わずに畦際の穀稈の刈取作業を行えるコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1記載の発明は、走行車体(1)の下側に左右一対の走行クローラ(2)を設け、走行車体(1)の前側には植立穀稈を刈取る刈取部(4)を昇降自在に設けたコンバインにおいて、前記走行車体(1)の走行速度を検出する車速センサ(14)と、刈取部(4)の昇降位置を検出する刈取昇降センサ(18)を設け、該刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出され、且つ、前記車速センサ(14)によって走行車体(1)の所定速度よりも速い走行速度が検出された場合は、刈取搬送装置(10)の駆動を無条件に停止させ、前記刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されても、前記車速センサ(14)によって走行車体(1)の所定速度以下の走行速度が検出された場合には駆動継続条件を成立させ、該駆動継続条件が成立した時点から刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間、または前記駆動継続条件が成立した時点から所定時間が経過するまでの間、刈取搬送装置(10)の駆動を継続した後に該刈取搬送装置(10)の駆動を自動的に停止させる刈取搬送制御装置(11)を設けたことを特徴とするコンバインとした。
【0008】
この構成で、畦に向かって刈り取りを行う際には、走行クローラ(2)の走行速度を一定以下にすると畦を回避する高さまで刈取部(4)を上昇させても刈取搬送装置(10)が停止することなく、刈取が終了して穀稈が搬送された後に刈取搬送装置(10)の駆動が停止する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記駆動継続条件が成立した場合に、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0010】
この構成で、一定速度以下で走行中に刈取部(4)を上昇させても、所定時間が経過するまで、または刈取搬送装置(10)が穀稈を所定搬送距離だけ搬送するまで、刈取搬送装置(10)が一定速度で駆動され、この間に畦際の穀稈を刈取って搬送する。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御を有効または無効の状態に切換える刈取自動停止スイッチ(13)を設け、該刈取自動停止スイッチ(13)の操作によって刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御が有効となった状態で、前記刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合に、前記駆動継続条件が成立した時点から所定時間が経過するまでの間、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0012】
この構成で、一定速度以下で走行中に刈取部(4)を上昇させても、刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合には、所定時間経過するまでの間、刈取搬送装置(10)が一定速度で駆動され、この間に畦際の穀稈を刈取って搬送する。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御を有効または無効の状態に切換える刈取自動停止スイッチ(13)を設け、該刈取自動停止スイッチ(13)の操作によって刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御が有効となった状態で、前記刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合に、前記駆動継続条件が成立した時点から刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0014】
この構成で、一定速度以下で走行中に刈取部(4)を上昇させても、刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合には、刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間、刈取搬送装置(10)が一定速度で駆動され、この間に畦際の穀稈を刈取って搬送する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、刈取部(4)を非作業高さに上昇させた場合に刈取搬送装置(10)の駆動を停止して安全性を高めるものでありながら、駆動継続条件が成立した時点から、所定量の穀稈を搬送するまで刈取搬送装置(10)を駆動するので、特別な操作を伴わずに、畦際の穀稈を刈取った後自動的に刈取搬送装置(10)の駆動を停止することができ、収穫作業の能率が向上する。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえに、駆動継続条件が成立した時点から、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動するので、畦際の穀稈を刈り取りながら畦に接近させるために、走行車体(1)の走行速度を低下させても、刈取搬送装置(10)の駆動速度は低下せず、刈取った穀稈を円滑に素早く搬送でき、収穫作業の能率が更に向上する。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえに、一定速度以下で走行中に刈取部(4)を上昇させても、刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合には、所定時間経過するまでの間、刈取搬送装置(10)が一定速度で駆動されるので、畦際の穀稈を円滑に素早く刈取搬送することができ、収穫作業の能率が更に高まる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえに、一定速度以下で走行中に刈取部(4)を上昇させても、刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合には、刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間、刈取搬送装置(10)が一定速度で駆動されるので、畦際の穀稈を円滑に素早く刈取搬送することができ、収穫作業の能率が更に高まる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】刈取搬送装置の自動制御ブロック図である。
【図4】刈取搬送装置の自動制御フローチャート図である。
【図5】刈取搬送装置の自動制御フローチャート図である。
【図6】刈取搬送装置の自動制御フローチャート図である。
【図7】刈取搬送装置の自動制御フローチャート図である。
【図8】高能率モードと低燃費モードを設けたコンバインの自動制御ブロック図である。
【図9】高能率モードと低燃費モードを設けたコンバインの自動制御フローチャート図である。
【図10】高能率モードと低燃費モードを設けたコンバインの自動制御フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照しつつ詳しく説明する。
このコンバインは走行車体1に左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀装置3の前方部に刈取部4を設置し、刈取部4の後右側部には運転席や操作ボックス等の運転操作部を備えたキャビン5を設け、更に、そのキャビン5の後方には脱穀した穀粒を一時的に貯留するグレンタンク6を装備している。
【0021】
刈取部4は、圃場に植立する穀稈を左右に分草する分草体7,7…と、分草後の穀稈を引起し経路Kに沿って引き起す六条の穀稈引起し装置8,8…と、引起し後の穀稈の株元近くを切断して穀稈を刈り取る刈取装置9と、分草後の穀稈の株元側を掻き込んで刈取装置9を経て後方へ搬送する掻込搬送装置と、掻込搬送後の穀稈を引き継いで揚上搬送しながら姿勢変更して、脱穀装置3の一側に設けて、脱穀装置3に穀稈を供給しながら後方に搬送するフィードチェンに受け渡し供給する揚上搬送供給装置からなる搬送装置を有するものである。本発明でいう刈取搬送装置10とは、穀稈引起し装置8から、フィードチェンに至る搬送経路を構成する各搬送装置を総称して言う。なお、実体的な図示は省略するが、揚上搬送供給装置とフィードチェンの引継部には穀稈センサ16を設けて、搬送穀稈の存在を検出する。
【0022】
刈取装置9は公知のバリカン型のものであり、刈取部4を支持する刈取メインフレームの下端部から前方に突出する先端部フレームに配設され、穀稈引起し装置8で穂先側が引き起こし作用を受けて、穀稈が直立姿勢で搬送経路に取り込まれた後に、株元側が前述の掻込搬送装置による掻き込み作用を受けている状態の植立穀稈の株元近くを刈刃で切断するように構成されている。
【0023】
刈取後の穀稈は、刈取搬送装置10により後方へ搬送されて揚上搬送供給装置に引き渡され、揚上搬送供給装置による揚上搬送過程で姿勢変更された後、フィードチェンに引き渡され脱穀装置3に供給される。
【0024】
刈取部4は、刈取メインフレームにより走行車体1に対し上下に昇降可能に装備されているものである。より詳細には、刈取メインフレームは、走行車体1側に設けた刈取懸架台に袈設された刈取入力軸を支点として上下に回動する構成であり、刈取昇降シリンダの伸縮作動により刈取部4が昇降するようになっている。
【0025】
図3は、刈取搬送装置10の自動制御ブロック図で、刈取搬送制御コントローラ(刈取搬送制御装置)11に対して、入力信号は、刈取レバーポジションセンサ12のレバー位置信号と、刈取自動停止スイッチ13のオン・オフ信号と、車速センサ14の走行速度信号と、刈取搬送速度センサ15の搬送速度信号と、穀稈センサ16の穀稈検出信号と刈取昇降センサ18の刈取部4の昇降信号で、出力信号は、搬送速度制御モータドライバ17に対する増減速信号で、搬送速度制御モータドライバ17によって刈取搬送制御モータ18を制御する。刈取搬送制御モータ18はクローラ2の駆動速度を無段階に変速する静油圧式無段変速装置の変速比を変更するトラニオン軸を回動させ、刈取搬送装置10の駆動速度をトラニオン軸の中立位置における駆動停止状態から所定の最大変速比に至るまで変速可能に構成している。
【0026】
図4は、刈取搬送装置10の自動制御の第一実施例で刈取部4が非作業高さに上昇してから刈取搬送装置10が所定量の穀稈を搬送したことを検出する駆動延長手段19として刈取搬送速度センサ15を用い、該刈取搬送速度センサ15によって検出した刈取搬送装置10の搬送速度から算出する穀稈搬送距離を使っている。
【0027】
ステップS2で走行車体1の走行速度に対応した刈取搬送速度にて刈取搬送装置10を駆動中に、ステップS3で刈取部4が所定高さ以上に上昇したことを検出すると、ステップS4で走行速度が規定速度(例えば、2km/h)以上かを判定し、規定速度以下であればステップS5で刈取部4の上昇から規定距離以上搬送するのを待って、ステップS6で刈取搬送装置10の穀稈が無くなるのを待って、ステップS7で刈取搬送装置10の刈取搬送駆動停止処理を行う。
【0028】
図5は、同じく、刈取搬送装置10の自動制御の第二実施例で駆動延長手段19として刈取搬送装置10の駆動時間を使っている。
第一実施例との違いは、ステップS15で刈取部4の上昇から規定時間以上搬送するのを待つことである。
【0029】
図6は、同じく、刈取搬送装置10の自動制御の第三実施例で、第二実施例との違いは、ステップS25で刈取搬送装置10の刈取搬送速度を規定値にすることである。従って、畦際の穀稈を刈取ながら徐々に走行速度を減速させても、脱穀装置3の脱穀処理に適した適正速度で穀稈を搬送することができ、畦際刈り作業中の脱穀選別効率を向上させることができる。
【0030】
図4乃至図6の何れの実施例においても刈取搬送装置10を上昇させても特別な操作を行わずに、所定以下の速度で走行しながら畦際の穀稈を刈取ることができ、作業効率を向上させることができる。
【0031】
図7は、前記第一実施例から第三実施例を行う設定のフローチャートで、ステップS40で刈取レバーポジションセンサ12から刈取脱穀にしたことを確認し、ステップS41で刈取搬送装置10の停止を確認し、ステップS42で刈取自動停止スイッチ13の規定パターン(所定時間内に入→切→入を行う)を監視し、ステップS43で規定パターンを検出すれば、ステップS44で刈取搬送速度を規定値にセットし、規定パターンを検出しなければ、そのままで、ステップS45で刈取自動停止スイッチ13の設定状態に応じて刈取搬送運転を制御する。すなわち、刈取自動停止スイッチ13を一回入れただけであれば刈取部4の上昇で刈取搬送装置10を停止し、刈取自動停止スイッチ13を規定パターンで操作すれば前記第一実施例から第三実施例のどれかで制御する。畦際の刈上げ作業を行う際には、刈取部4を上昇させた状態で刈取搬送装置10の駆動を継続させるために、刈取自動停止スイッチ13を切操作し、刈取搬送装置10の自動停止制御を無効にして、刈上げ作業が終了して条刈り作業に復帰する際に、再び刈取自動停止スイッチ13を入操作して刈取搬送装置10の自動停止制御を有効にする操作を行うと、駆動延長手段19による制御を実行するので、刈取部4を上昇させた状態での安全性を高めながらも、畦際刈り作業の能率を高めることができる。
【0032】
キャビン5内の設ける作業状態を表示するモニタにおいて、作業状態や異常表示をする標準画面とセンサやスイッチのチェックやセンサ基準値の変更を行う整備モード画面を切換えるようにした構成で、右ウインカースイッチと左ウインカースイッチを同時に押すと、整備モード画面から標準画面に切換るようにする。また、逆に、標準画面で右ウインカースイッチと左ウインカースイッチを同時に押すと、整備モード画面に切換るようにする。そして、整備モード画面を表示中は、常時アラームを点滅させ、標準画面では整備用チェックスイッチの機能を停止する。
【0033】
図8は、走行用HST(油圧無段変速装置)24の自動変速制御ブロック図で、車速制御コントローラ22に対して作業モード切換スイッチ20の切換信号とエンジンコントローラ21からエンジン負荷率情報が入力し、走行用HST制御用比例弁23に前進バルブと後進バルブの制御信号を出力する。エンジン負荷率は、エンジン回転速度に対する燃料消費量の比率から、特に燃料消費量が多い場合を過負荷領域とし、適正の場合を燃費改善域とし、少ない場合を軽負荷域と区分している。
【0034】
図9は、上記自動変速制御で、減速操作を行った場合の制御フローチャートで、ステップS50で刈り取り作業中を判断し、ステップS51でエンジン負荷率情報を読み込み、ステップS52で負荷率がエンジン負荷率を判定し、過負荷領域であればステップS55でエンジン回転数目標を低下し、ステップS57で減速してリターンする。過負荷領域でなければステップS53で作業モードを判定し、高能率型であればステップS56でエンジン回転数目標を維持してリターンし、低燃費型であればステップS54で負荷率は燃費改善域かを判定し、燃費改善域であればステップS55でエンジン回転数目標を低下してステップS57で減速してリターンする。軽負荷域であればステップS56でエンジン回転数目標を維持してリターンする。
【0035】
図10は、上記自動変速制御で、増速操作を行った場合の制御フローチャートで、ステップS60で刈り取り作業中を判断し、ステップS61でエンジン負荷率情報を読み込み、ステップS62で負荷率が過負荷領域を判定し、過負荷領域であればステップS65で増速を停止し、過負荷領域でなければステップS63で作業モードを判定し、高能率型であればステップS67で高増速加速度に増速してリターンし、低燃費型であればステップS64で負荷率は燃費改善域かを判定し、燃費改善域であればステップS66で低増速加速度に増速してリターンし、軽負荷域であればステップS67で高増速加速度に増速してリターンする。
【0036】
なお、自動的に減速停止する場合に、作業モードが高能率型であれば減速加速度を低くし、低燃費型であれば減速加速度を高くする。
【符号の説明】
【0037】
1 走行車体
2 走行クローラ
4 刈取部
10 刈取搬送装置
11 刈取搬送制御装置
13 刈取自動停止スイッチ
14 車速センサ
18 刈取昇降センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)の下側に左右一対の走行クローラ(2)を設け、走行車体(1)の前側には植立穀稈を刈取る刈取部(4)を昇降自在に設けたコンバインにおいて、前記走行車体(1)の走行速度を検出する車速センサ(14)と、刈取部(4)の昇降位置を検出する刈取昇降センサ(18)を設け、該刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出され、且つ、前記車速センサ(14)によって走行車体(1)の所定速度よりも速い走行速度が検出された場合は、刈取搬送装置(10)の駆動を無条件に停止させ、前記刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されても、前記車速センサ(14)によって走行車体(1)の所定速度以下の走行速度が検出された場合には駆動継続条件を成立させ、該駆動継続条件が成立した時点から刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間、または前記駆動継続条件が成立した時点から所定時間が経過するまでの間、刈取搬送装置(10)の駆動を継続した後に該刈取搬送装置(10)の駆動を自動的に停止させる刈取搬送制御装置(11)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記駆動継続条件が成立した場合に、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御を有効または無効の状態に切換える刈取自動停止スイッチ(13)を設け、該刈取自動停止スイッチ(13)の操作によって刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御が有効となった状態で、前記刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合に、前記駆動継続条件が成立した時点から所定時間が経過するまでの間、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項4】
前記刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御を有効または無効の状態に切換える刈取自動停止スイッチ(13)を設け、該刈取自動停止スイッチ(13)の操作によって刈取搬送制御装置(11)による刈取搬送装置(10)の駆動制御が有効となった状態で、前記刈取昇降センサ(18)によって刈取部(4)の非作業高さへの上昇が検出されてから所定時間内に該刈取自動停止スイッチ(13)が刈取搬送装置(10)の駆動制御を無効にする側と有効にする側とに連続して操作された場合に、前記駆動継続条件が成立した時点から刈取搬送装置(10)によって刈取後の穀稈が所定距離搬送されるまでの間、刈取搬送装置(10)を設定された一定速度で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−90594(P2012−90594A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242133(P2010−242133)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】